JP4912099B2 - レジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
特許文献1(特開2006−37059号公報)には、凸版反転オフセット法の記載があり、レジストパターン形成についても公知となっている。この方法は、ブランケットロール上全面に塗布されたレジストインキをパターンが形成されている凸版で除去し、ブランケットロール上に残存したレジストインキを基材上に転写する技術である。しかしながら、ブランケットロール上に残存したレジストインキは、基材にそのまま転写されるため、半導体プロセスで必要な高アスペクト比のパターン形成は困難である。勿論、基材に転写されたレジスト層を、その後、フォトリソグラフィーあるいはドライエッチング法を用いて更に加工して微細パターン化することは一切記載されていない。
したがって、従来技術ではレジスト材料の使用量を大幅に削減し、かつ均一な皮膜形成と高アスペクト比のパターン形成を可能とする技術はなかった。
SANYO TECHNICAL REVIEW VOL.34 No.2 DEC.2002
本発明は下記の通りである。
1.基材上に設けられた、少なくとも1層からなるレジスト層をフォトリソグラフィー又はドライエッチング法によりパターン化してレジストパターンを形成する方法であって、該レジスト層の少なくとも最外層を、樹脂硬化物を表面に有する円筒状印刷版を用いて印刷法により形成することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
2.レジスト層が複数層からなり、少なくとも最外層のレジスト層が表面にパターンを有する円筒状印刷版を用いる印刷法により形成されており、レジスト層をパターン化する方法が、前記最外層のレジスト層をマスク層として下層のレジスト層を、フォトリソグラフィーを用いてパターン形成する方法、あるいはドライエッチングする方法である、上記1.のレジストパターンの形成方法。
3.基材が、シリコンウエハー、ガラス板、セラミックス板、プラスチックフィルム、銅貼り積層板、銅貼り積層フィルムからなる群より選択される少なくとも1種類の基材である、上記1.又は2.のレジストパターンの形成方法。
4.溶剤を含有するレジストインキを基材上に塗布した後、溶剤を除去することによりレジスト層を形成する、上記1.〜3.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
5.溶剤が、n−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ジエチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルソロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ターピネオール、ペンタンジオール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、上記4.のレジストパターンの形成方法。
6.円筒状印刷版として、レーザー光を照射して照射された部分の樹脂が除去されることにより凹部が形成されるレーザー彫刻法により表面に凹凸パターンが形成された印刷版を用いる、上記1.〜5.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
7.樹脂硬化物が、感光性樹脂硬化物である、上記1.〜6.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
8.感光性樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる硬化物である、上記7.のレジストパターンの形成方法。
9.レジスト層が、ポリアミック酸、メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合樹脂、ノルボルネン−無水マレイン酸交互共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素化ノルボルネン樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリカーボネート、ポリ(p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン)、ポリ(N−(t−ブトキシカルボニル)マレイミド)、ポリ(N−(p−t−ブトキシカルボニルオキシフェニル)マレイミド)、o−トリメチルシリルポリ(ビニルフェノール)、ポリフタルアルデヒド、ナフトキノンジアジド骨格を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、上記1.〜8.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
10.レジスト層が、崩壊型光重合開始剤、水素引き抜き型光重合開始剤、崩壊型光重合開始剤として機能する部位と水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位を有する光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、上記1.〜9.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
11.フォトリソグラフィーの露光工程で使用する光照射方法が、縮小投影露光法、プロキシミティー露光法、コンタクト露光法、レーザー直描法、電子線直描法からなる群より選択される少なくとも1種類の方法である、上記1.〜10.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
12.レジストパターンのアスペクト比が、0.5以上10以下である、上記1.〜11.のいずれかのレジストパターンの形成方法。
本発明は、印刷法を用いてレジストインキを基板上に塗布することによりレジスト層を形成し、その後、該レジスト層をフォトリソグラフィー又はドライエッチング法によりパターン化する方法であって、前記印刷法で使用する印刷版が、樹脂硬化物を表面に有する円筒状印刷版である。
本発明は、基材上に設けられたレジスト層をフォトリソグラフィー又はドライエッチング法によりパターン化してレジストパターンを形成する方法であり、レジスト層の少なくとも最外層は、印刷法を用いて、レジストインキを基板上に塗布することにより形成される。
本発明におけるレジストパターンの形成は、高アスペクト比の微細なパターンを得る点から、フォトリソグラフィー又はドライエッチング法による。これらのうち、ドライエッチング法が、フォトリソグラフィーのような、ステッパー等の高価な露光装置も必要とならないので、好ましい。
本発明で用いるフォトリソグラフィーとは、少なくとも露光工程、現像工程を含む。現像工程では、未硬化部分あるいは光反応した部分の樹脂を溶剤系現像液あるいは水系現像液で溶解あるいは分散させることにより除去する。また、炭酸ガスや水等の超臨界状態を現像液として用いることもできる。また、未硬化部分の樹脂を熱により溶融させ不織布などを用いて吸収除去する熱現像工程を用いることもできる。フォトリソグラフィーの露光工程で使用する光照射方法は、縮小投影露光法、プロキシミティー露光法、コンタクト露光法、レーザー直描法、電子線直描法から選択される少なくとも1種類の方法であることが好ましい。ここで使用する光源は、波長が狭い範囲に限定されていることが好ましい。例えば、超高圧水銀灯のg線(波長:436nm)やi線(波長:365nm)、フッ化クリプトン(波長:248nm)、フッ化キセノン、フッ化アルゴン(波長:193nm)、フッ素(波長:157nm)等のエキシマレーザー、固体レーザーの第三高調波や第四高調波、極端紫外線(波長:13nm)、波長0.7〜1nmのシンクロトロン等の装置から発生するX線、電子線が好ましい。プロキシミティー露光法とは、露光マスクとレジスト層が接触しないように、若干のギャップを設定して露光する方式をさす。高アスペクト比のレジストパターンを形成するには、露光機で使用する超高圧水銀灯やキセノン灯からの光線は平行光線であるように光学系が組み立てられていることが好ましい。
本発明のレジストとは、各種の工程の後、除去されるプロセスレジスト、各種の工程の後、除去されずに系内に残る永久レジストのいずれであっても構わない。また、レジストインキとは、印刷法を用いて基材上に塗布できる液状のレジスト材料を意味する。したがって、レジストインキとしては、レジストインキ中に溶剤を含む溶剤型の材料、溶剤を含まない無溶剤型の材料が挙げられる。
レジストインキは、基板上の少なくとも一部分に塗布される。すなわち、基板上の全面に塗布しても良いが、パターンを形成する部分に粗いパターンを形成すべく基板上の一部分に塗布してもよい。基板上の一部分に塗布する場合は、用いる印刷版表面に対応するパターンが形成されていることが必要となる。
本発明で用いるレジストインキは溶剤を含有していることが好ましい。溶剤の含有率を変えることにより形成されるレジスト層の膜厚をコントロールすることが可能であり、フレキソ印刷法を用いる場合は、レジストインキの粘度は0.1Pa・s以上10Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは0.1Pa・s以上1Pa・s以下である。グラビア印刷法の場合は、0.05Pa・s以上5Pa・s以下であることが好ましい。より好ましくは0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下である。また、平版印刷法の場合は、4Pa・s以上10Pa・s以下であることが好ましい。レジストインキに溶剤を含有する場合には、レジスト層を形成する工程の後に、更に溶剤を除去する工程を含むことが好ましい。1回の塗布工程で塗布されるレジスト層の厚さは、0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。複数回の塗布工程、乾燥工程を経て厚膜化させることもできる。
本発明で用いるレジストインキは、ポリアミック酸、メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合樹脂、ノルボルネン−無水マレイン酸交互共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素化ノルボルネン樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリカーボネート、ポリ(p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン)、ポリ(N−(t−ブトキシカルボニル)マレイミド)、ポリ(N−(p−t−ブトキシカルボニルオキシフェニル)マレイミド)、o−トリメチルシリルポリ(ビニルフェノール)、ポリフタルアルデヒド、キノンジアジド骨格を有する化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含有することが好ましい。上記の化合物を含有するレジストインキは、感光性化合物であることが好ましい。該感光性化合物を用いる場合には、フォトリソグラフィーを用いて露光、現像工程を経てパターンを形成することが可能である。露光により光が照射された部分が硬化するタイプのネガ型感光性化合物、光が照射された部分が光変性し現像可能となるタイプのポジ型感光性化合物のいずれであっても構わない。
レジストインキは、崩壊型光重合開始剤、水素引き抜き型光重合開始剤、崩壊型光重合開始剤として機能する部位と水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位を有する光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤から選択される少なくとも1種類の化合物を含有することが好ましい。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤が特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(1)で示される化合物を挙げることができる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させたり、t−ブチル基等の官能基を脱離させて樹脂を親水性化させる化学反応を誘起させることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光酸発生剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する光塩基発生剤などが挙げられる。これらの光酸発生剤あるいは光塩基発生剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明で用いる印刷版は、樹脂硬化物を表面に有する円筒状印刷版である。本発明の方法は、このような印刷版を回転させながら表面のレジストインキを基材上に転写させることにより、膜厚精度高く印刷できるという効果を奏する。円筒状印刷版としては、シリンダー表面に、樹脂硬化物を表面に有するシート状印刷版を貼り付けた形態のもの、シリンダー等の円筒状支持体表面に樹脂硬化物を形成したもの、樹脂硬化物を表面に有する中空円筒状印刷版をエアーシリンダーに装着したものであっても構わない。ロール状に巻かれたフィルム等の基材上に印刷する場合、中空円筒状印刷版は、継ぎ目のないシームレス印刷版であることが特に好ましい。
本発明で使用する印刷版は、レジストインキへの耐性があることが好ましい。耐性とは、例えば、レジストインキに対する膨潤性、すなわち重量変化率が低いこと、硬度変化率が低いことなどを意味する。
印刷版表面の樹脂硬化物は、熱硬化性樹脂硬化物であっても、感光性樹脂硬化物であっても構わないが、硬化速度すなわち生産性の観点から、感光性樹脂硬化物であることが好ましい。
本発明に用いられる印刷版は、感光性樹脂硬化物を表面に有することが好ましく、該感光性樹脂硬化物は、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて形成されたものであることが特に好ましい。感光性樹脂組成物は、樹脂(a)、有機化合物(b)を含んでいることが好ましい。
樹脂(a)は、数平均分子量が1000以上30万以下の化合物であることが好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上10万以下、更に好ましい範囲は5000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する印刷原版が強度を保ち、この原版から作製したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられるので好ましい。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作製することができるので好ましい。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
本発明で用いられる樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明の感光性樹脂組成物は光もしくは電子線の照射により架橋して印刷版などとしての物性を発現させるが、その際に光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量は、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる点から、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
その他、本発明に用いる樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明では、レーザー彫刻される層の下部にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。一般的に、レーザー彫刻される層の厚さは、0.1〜数mmであるため、それ以外の下部層は組成の異なる材料であっても構わない。クッション層としては、ショアA硬度が20から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。より好ましいショアA硬度の範囲は、30〜60度である。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。 光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状組成物などを挙げることができる。微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、ある程度の機械的強度を確保できれば良いため、材料の選定において自由度が極めて高い。また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。更に、テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
本発明において、レーザー光を照射し微細な凹パターンを形成する彫刻後に、版表面に残存する粉末状あるいは粘性のある液状カスを除去する工程に引き続き、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。更に、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
(1)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(2)数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置「HLC−8020」(日本国、東ソー社製、商標)とポリスチレン充填カラム「TSKgelGMHXL」(商標、日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
樹脂(a)として水添ポリブタジエンジオールとトリレンジイソシアネートとからウレタン化により両末端が水酸基のポリウレタンを合成し、更に、該ポリウレタンの両末端にメタクリロキシイソシアネートを付加させた不飽和ポリウレタンを作製した。合成された不飽和ポリウレタンの数平均分子量は、約20000であった。不飽和ポリウレタン79重量部、有機化合物(b)としてラウリルメタクリレート(分子量245)13重量部と1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(分子量226)3重量部およびポリプロピレングリコールジメタクリレート(分子量660)3重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合し感光性樹脂組成物(ア)を調製した。感光性樹脂組成物(ア)の20℃における粘度は、35Pa・sであり、液状であった。不飽和ポリウレタン末端の重合性不飽和基の数は、H−NMR法により2であることを確認した。
感光性樹脂組成物(ア)を光硬化させて得られた感光性樹脂硬化物のショアA硬度は、45度であった。ショアA硬度測定に際し、表面のPETカバーフィルムは剥離した。
レジストインキを転写するガラス基板の大きさに合わせて、前記レーザー彫刻用の印刷原版の表面にレーザー彫刻機「ZED−mini−1000」(英国、ZED社製、商標)を用いて表面にパターンを有するシート状印刷版を形成した。深さは、0.5mmと設定した。
樹脂(a)として4,6−ポリカーボネートジオールとトリレンジイソシアネートとからウレタン化により両末端が水酸基のポリウレタンを合成し、更に、該ポリウレタンの両末端にメタクリロキシイソシアネートを付加させた不飽和ポリウレタンを作製した。合成された不飽和ポリウレタンの数平均分子量は、約15000であった。不飽和ポリウレタン67重量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート(分子量:206)20重量部とジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート(分子量:230)13重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合し感光性樹脂組成物(イ)を調製した。感光性樹脂組成物(イ)の20℃における粘度は、約1300Pa・sであり、液状であった。不飽和ポリウレタン末端の重合性不飽和基の数は、H−NMR法により2であることを確認した。
更にもう1本の円筒状印刷原版には、前記ノボラック系フォトレジスト層の上に有機珪素化合物レジスト材料(Hydrogen Silses Quioxane)パターンを形成するためのライン/スペースパターンを、レーザー彫刻法を用いて形成した。凸状のラインパターンの最表面での幅は5μm、底部での幅は15μmで、ラインパターンは30μm間隔で配列させた。凸部の高さは、50μmであった。
上記のようにして2層のレジスト材料を、凸版印刷法を用いて形成したシリコンウエハーを、反応性イオンエッチング装置「RIE−10NR」(サムコインターナショナル研究所社製、商標)を用いて酸素プラズマ中で、ノボラック系フォトレジスト層をドライエッチング処理した。更に、トリフルオロメタンプラズマ中で、有機珪素化合物レジスト層を除去して、ノボラック系フォトレジスト層のラインパターンを得た。得られたラインパターンの断面形状は、ほぼ矩形であり、アスペクト比は、0.5であった。
実施例1で用いたものと同じ感光性ポリイミド前駆体インキを、ガラス基板上にスピンコーター「1H−360S」(ミカサ社製、商標)を用いて、回転数を段階的に上げる条件で厚さ5μmに塗布し、その後、溶剤を乾燥除去した。この際、ガラス基板上に滴下した感光性ポリイミド前駆体インキの重量とガラス基板上に残存した乾燥前の感光性ポリイミド前駆体インキの重量から、95wt%のインキがガラス基板外に排出された。
その後、実施例1と同様にしてフォトリソグラフィーを用いて、実施例1と同様のパターンを得ることができた。
Claims (9)
- シリコンウエハー、ガラス板及びセラミックス板からなる群より選択される少なくとも1種類の基材上に設けられた、少なくとも1層からなるレジスト層をフォトリソグラフィーによりパターン化してレジストパターンを形成する方法において、該レジスト層の最外層であってパターンに対応する部位のレジスト層を、樹脂硬化物を表面に有する円筒状印刷版を用いて印刷法により形成した後、上記印刷法により形成された最外層であってパターンに対応する部位のレジスト層に対し、マスクを通して光を照射する露光工程及び現像工程を含むフォトリソグラフィーを用いて、上記最外層であってパターンに対応する部位のレジスト層を矩形断面にパターン化することを特徴とするレジストパターン断面が矩形であり、そのアスペクト比が、0.5以上10以下であるレジストパターンの形成方法。
- 溶剤を含有するレジストインキを基材上に塗布した後、溶剤を除去することによりレジスト層を形成する、請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
- 溶剤が、n−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ジエチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルソロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ターピネオール、ペンタンジオール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、請求項2に記載のレジストパターンの形成方法。
- 円筒状印刷版として、レーザー光を照射して照射された部分の樹脂が除去されることにより凹部が形成されるレーザー彫刻法により表面に凹凸パターンが形成された印刷版を用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法。
- 樹脂硬化物が、感光性樹脂硬化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法。
- 感光性樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる
硬化物である、請求項5に記載のレジストパターンの形成方法。 - レジスト層が、ポリアミック酸、メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合樹脂、ノルボルネン−無水マレイン酸交互共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂、フッ素化ノルボルネン樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリカーボネート、ポリ(p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン)、ポリ(N−(t−ブトキシカルボニル)マレイミド)、ポリ(N−(p−t−ブトキシカルボニルオキシフェニル)マレイミド)、o−トリメチルシリルポリ(ビニルフェノール)、ポリフタルアルデヒド、ナフトキノンジアジド骨格を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法。
- レジスト層が、崩壊型光重合開始剤、水素引き抜き型光重合開始剤、崩壊型光重合開始剤として機能する部位と水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位を有する光重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法。
- フォトリソグラフィーの露光工程で使用する光照射方法が、縮小投影露光法、プロキシミティー露光法、コンタクト露光法からなる群より選択される少なくとも1種類の方法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のレジストパターンの形成方法。
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