JP4672396B2 - 中空円筒状印刷基材 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷分野において使用される位置合わせの容易な中空円筒状印刷基材に関するものである。
特許文献1(特開2002−86676号公報)に記載があるように、印刷分野においては、シート状印刷版を印刷機の版胴に巻きつけて印刷作業が行われてきた。この際に、版胴上で印刷版の位置あわせを行うことが必要となる。特に、多色での印刷を行う場合には、位置合わせが極めて重要な操作となり、この操作に多大な時間を要する。位置合わせが充分に実施されない場合には、印刷物の画像ずれや色ずれが発生し、印刷品質上の大きな問題となる。
従来、印刷機から取り外された版胴上に、印刷版上に形成された少なくとも2箇所の位置合わせパターンを、カメラで拡大してモニター上に画像として写しながら、装着する印刷版の位置を合わせることが広く行われている。
最近では、版胴を外さずに、印刷版を位置あわせして装着した中空円筒状のスリーブを印刷機の版胴に装着する方法も行われるようになった。しかしながら、この方法では、版胴の軸方向での位置合わせ、および周方向での位置合わせが再度必要となる。特許文献2(特許第2705908号公報)にスリーブ状印刷版を位置が合うように位置決めする方法および装置の記載がある。位置合わせ用パターン認識用の光学センサーを装備した印刷機において、印刷機の版胴上にスリーブ状印刷版を装着した後に、版胴上で位置合わせ作業を実施するために、位置合わせに要する時間が多大に必要であるという問題点があった。また、印刷版を印刷機の版胴に装着した後、該印刷版の位置を検出し印刷版を着脱せずに版胴の軸方向および周方向の位置調整する機能を有するオフセット印刷用印刷機の記載が、特許文献3(特開平8−300606号公報)にあるが、特別な機構が必要となるため、この機構の付属した印刷機は極めて高価な装置となる。
また、中空円筒状のスリーブ上に感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層を形成し、写真製版法やレーザー彫刻法を用いてパターンを形成することも行われている。更に、これらの方法において、コンピュータのパターンデータを直接、版上の画像形成に結びつけるコンピュータ・トウ・プレート(CTP)と呼ばれる技術も用いられるようになった。しかし、これらの技術においても版胴の軸方向での位置合わせと周方向での位置合わせは必要である。
したがって、如何に簡便に、しかも正確に、版胴の軸方向での位置合わせと周方向での位置合わせを行うかが大きな課題であった。
特開2002−86676号公報 特許第2705908号公報 特開平8−300606号公報
本発明は、短時間で位置合わせ可能な中空円筒状印刷基材を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンを有する感光性樹脂硬化物層が形成された中空円筒状印刷基材であって、前記中空円筒状支持体の周端部に位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部が少なくとも1箇所に形成されており、前記凹凸パターンの位置と、前記中空円筒状支持体に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の位置が0μm以上100μm以下の位置精度で設定されている中空円筒状印刷基材を用いて、前記位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部を版胴上に取り付けられたピンあるいは突起部に合わせることにより、該中空円筒状印刷基材を印刷機の版胴に装着し、簡便に、かつ正確に位置合わせできることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記の通りである。
1. 中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンを有する感光性樹脂硬化物層が積層された中空円筒状印刷基材であって、前記中空円筒状支持体の周端部に位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部を少なくとも1箇所に有し、前記凹凸パターンの位置と、前記中空円筒状支持体に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の位置が0μm以上100μm以下の位置精度で形成されており、前記凹凸パターンが前記中空円筒状支持体上で形成されたものであることを特徴とする中空円筒状印刷基材。
2. 感光性樹脂硬化物層がレーザー彫刻可能な層であり、表面に形成された凹凸パターンがレーザー彫刻法により形成されていることを特徴とする1.に記載の中空円筒状印刷基材。
3. 中空円筒状支持体が金属製中空円筒であり、該金属がニッケル、鉄、銅、アルミニウム、クロム、チタンから選択される金属単体、前記金属の群から選択される合金、あるいは前記金属の群から選択される少なくとも2種類以上の積層体であることを特徴とする1.または2.に記載の中空円筒状印刷基材。
4. 中空円筒状支持体の周端部に形成された位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部の形状が、半円形、半楕円形、多角形から選ばれる1つの形状であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
5. 金属製中空円筒が電解めっき法あるいは無電解めっき法により形成されたものであって、該金属製中空円筒に形成された位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部が、該金属製中空円筒を形成される工程において形成されたものであることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
6. 感光性樹脂硬化物層のショアD硬度が10度以上90度以下であり、n−ヘキサンへの24時間浸漬膨潤テストを実施した場合の重量変化率が−15wt%以上15wt%以下、版厚変化率が−15%以上15%以下であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
7. 感光性樹脂硬化物層が、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有することを特徴とする1.から6.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
8. 中空円筒状支持体と感光性樹脂硬化物層との間に、クッション性を有する樹脂層が形成されていることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
9. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層を形成するための感光性樹脂組成物が、20℃において液状であることを特徴とする2.から8.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
10. クッション性を有する樹脂層が、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成させた層であることを特徴とする8.、9.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
11. ドライオフセット印刷に用いられることを特徴とする1.から10.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
12. 金属製円筒表面印刷に用いられることを特徴とする1.から10.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材。
13. 中空円筒状印刷基材の製造方法において、該中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を塗布し、その後、該感光性樹脂組成物に光を照射することにより光硬化させて少なくとも1層の感光性樹脂硬化物層を形成する工程、レーザー彫刻法により感光性樹脂硬化物層に凹凸パターンを形成する工程、更に前記中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは該中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する工程を含むことを特徴とする中空円筒状印刷基材の製造方法。
14. 中空円筒状印刷基材の製造方法において、該中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を巻きつけ感光性樹脂組成物層を形成する工程、その後、該感光性樹脂組成物層に写真製版法を用いて凹凸パターンを形成する工程、更に前記中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは該中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する工程を含むことを特徴とする中空円筒状印刷基材の製造方法。
15. パンチ打ち抜き法、レーザー彫刻法、ドリル孔明け法、放電加工法、電解めっき法、ケミカルエッチング法から選択される少なくとも1種類の加工方法により、中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とする13.、14.のいずれかに記載の中空円筒状印刷基材の製造方法。
16. 1.から12.に記載の中空円筒状印刷基材を装着したシリンダーを版胴とする印刷装置であって、該シリンダー表面には前記中空円筒状印刷基材の位置合わせ用貫通孔あるいは凹部に対応するピンあるいは突起が取り付けられており、該ピンあるいは突起と、前記貫通孔あるいは凹部が嵌め合わされた状態で前記中空円筒状印刷基材が前記シリンダーに装着されており、更に、前記中空円筒状印刷基材を該シリンダーに装着する工程において、該シリンダーを印刷装置から取り外すことなく前記中空円筒状印刷基材を装着することができるシリンダー支持機構を有することを特徴とする中空円筒状印刷基材対応型印刷装置。
本発明によれば、短時間で位置合わせ可能な中空円筒状印刷基材を提供することができる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施態様を中心に、詳細に説明する。
本発明の特徴は、多色印刷を行う場合に、短時間で位置合わせ可能な中空円筒状印刷基材を形成できることにある。多色印刷とは、多種類のインキを用いて実施する印刷方法であり、本発明の場合、使用するインキの数だけの中空円筒状印刷基材を準備することになる。
本発明の中空円筒状印刷基材は、中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンを有する感光性樹脂硬化物層が形成された中空円筒状印刷基材であり、該中空円筒状支持体の周端部には、位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部が少なくとも1箇所に形成されており、前記凹凸パターンの位置と、前記中空円筒状支持体に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の位置が0μm以上100μm以下の位置精度で設定されていることを特徴とする。1本の中空円筒状印刷基材を印刷に使用する場合には、本発明の位置精度とは、画像パターンのデザイン設計において設定した画像パターンの位置および中空円筒状支持体周端部に設定された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部との位置関係と、実際に形成された両者の位置関係とのずれと定義する。また、複数本の中空円筒状印刷基材を用いた多色印刷に使用する場合には、本発明の位置精度を、各中空円筒状支持体周端部に設定された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部を基準として、各中空円筒状印刷基材表面の画像パターンの位置関係のずれと定義し、複数本の中空円筒状印刷基材間の位置関係のばらつきを意味する。感光性樹脂硬化物層表面に形成された凹凸パターンの位置と中空円筒状支持体上に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の位置は、デザイン設計の段階で設定されることが好ましい。
対象とする凹凸パターンは、感光性樹脂硬化物層表面に形成された凹凸パターンのいずれのパターンでも構わないが、位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の位置との距離が20mm以上100mm以下のものを選択することが好ましい。また、使用する複数本の中空円筒状印刷基材において、共通するパターンをデザイン設計の段階から設定しておくことが好ましい。共通のパターンを設定しておくことにより、後の工程において各中空円筒状印刷基材の画像パターンの位置を確認し易くなる。このように共通パターンを各中空円筒状印刷基材に設定することにより、中空円筒状印刷基材周端部に形成された位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部が、用いる全ての中空円筒状印刷基材の基準位置とすることができる。前記共通パターンと、位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部の位置関係が測定し易いように設定することが好ましい。具体的には、1軸上に両者が存在していることが好ましい。前記共通パターンの寸法は、50μm以上500μm以下であることが好ましい。この範囲であれば、高価な拡大光学系を準備しなくとも充分にパターン認識することができ、認識精度を確保することが可能である。両者の位置精度は0μm以上100μm以下であり、好ましい範囲は0μm以上50μm以下、より好ましい範囲は0μm以上30μm以下である。両者の位置精度が0μm以上100μm以下であれば、印刷工程において多色印刷を試みた場合、色ずれ、パターンずれの少ない高品質の印刷物を得ることができる。
空間における2点間の位置を測定する装置は、通常使用されている測長システムを使用することができる。精度高く測定できる装置として、対象となる物体を拡大する光学系と、CCDカメラ等の撮像素子を組み合わせて使用することが好ましい。1組の光学系と撮像素子をXYZ方向に精密に動かし2点間の位置を測定する方法、あるいは複数組の光学系と撮像素子を固定し撮影される各パターンの「位置ずれの状況」から位置を割り出す方法等を挙げることができる。
レーザー彫刻法を用いて感光性樹脂硬化物層表面に凹凸パターンを形成する場合、前記共通パターンは、他のパターンよりも高さを低くすることができ、印刷工程において印刷物に印刷されないように設定することも可能である。
中空円筒状支持体として、中空円筒状のスリーブ材料を用いることが好ましい。スリーブ材料の材質として、プラスチック、繊維強化されたプラスチック、金属等を挙げることができる。特に、位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部の形成し易さ、寸法安定性から、金属製中空円筒が好ましく、その材質としてニッケル、鉄、銅、アルミニウム、クロム、チタンから選択される金属単体、前記金属の群から選択される合金、あるいは前記金属の群から選択される少なくとも2種類以上の積層体であることが好ましい。中空円筒状のスリーブ材料の厚さは、0.05mmから3mmの範囲が好ましい。より好ましくは0.1mmから1.5mmの範囲、更に好ましくは0.1mmから0.5mmの範囲である。厚さが0.05mm以上であれば、取り扱いにおいて凹みが発生することなく円筒の形状を維持することができ、3mm以下であれば位置合わせ用の貫通孔あるいは凹部の形成が容易に行われる。金属製中空円筒の製造方法としては、エアーシリンダー等の円筒状支持体表面への電解めっき法あるいは無電解めっき法、シートの両端を溶接する方法、溶融させた金属液体を型へ押し出す方法などを挙げることができる。表面の均一性、膜厚の均一性の観点から、特に電解めっき法あるいは無電解めっき法が好ましい方法であり、電解めっき工程あるいは無電解めっき工程で位置合わせ用の貫通孔を作製することも可能である。
本発明の中空円筒状印刷基材の構成として、中空円筒状支持体上に接着剤層を形成し、その上にシート状感光性樹脂組成物層あるいはシート状感光性樹脂硬化物層を巻きつけ固定した継ぎ目のある積層体、あるいは円筒状支持体上に継ぎ目のない感光性樹脂組成物層あるいは感光性樹脂硬化物層を形成した積層体を挙げることができる。感光性樹脂組成物層を形成した積層体の場合、写真製版法を用いて露光・現像工程を経て、表面に凹凸パターンを形成することができる。更に、感光性樹脂組成物層の上に黒色薄膜層を形成し、近赤外線レーザーを用いて前記黒色薄膜層をアブレーション加工することによって感光性樹脂組成物層に密着した露光マスクを形成する方法をとることもできる。この方法は、コンピュータのパターンデータから直接露光マスクを形成することが可能なCTP(Computer to Plate)法である。
また、感光性樹脂硬化物層を形成した積層体の場合、レーザー彫刻法を用いて表面に直接凹凸パターンを形成することが可能である。レーザー彫刻法では、レーザー光が照射された部分の感光性樹脂硬化物が除去されることによりパターンが形成される。このレーザー彫刻法もコンピュータのパターンデータから直接パターンを形成できるCTP法である。前記積層体は、エアーシリンダーに装着され、近赤外線レーザーアブレーション装置あるいはレーザー彫刻装置を用いて、エアーシリンダーを回転させながら加工される。位置合わせを容易にする観点から、このCTP法が好ましい。レーザー彫刻法は、写真製版法で必要となる露光、現像工程が不要であり、感光性樹脂硬化物層を直接レーザー光により彫刻することができるため、表面に凹凸パターンを形成する方法として特に好ましい。
必要に応じて、中空円筒状支持体と感光性樹脂硬化物層あるいは感光性樹脂組成物層との間にクッション性を有する樹脂層を形成することもできる。クッション性を有する樹脂層は、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成させた層であることが好ましく、ゴム弾性を有するものであれば何でも構わない。市販されている接着剤層付きのクッションテープを用いることができる。また、継ぎ目のないシームレスクッション層を形成する方法として、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成する方法、リボン状のクッションテープを螺旋状に巻き付けた後、表面を研磨することにより平滑化する方法などを挙げることができる。クッション層を形成する材料としては、特に限定するものではないが、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニール、天然ゴム、にトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM、SBS、SIS等の合成ゴム等を挙げることができる。
また、連続気泡、独立気泡が内部に存在する材料を使用することもできる。クッション層のショアA硬度は、10度以上70度以下が好ましく、より好ましい範囲は20度以上50度以下である。また、気泡を含む場合には、ASKER−C硬度計で測定することが好ましく、ASKER−C硬度は、20度以上60度以下が好ましい。
本発明において、中空円筒状支持体上に形成する感光性樹脂組成物層は、光照射により硬化するタイプの感光性樹脂であれば特に限定するものではなく、20℃において固体状の感光性樹脂組成物であっても、20℃において液状の感光性樹脂組成物であっても構わない。また、中空円筒状支持体上に直接塗布し、その後、光硬化させて継ぎ目のない感光性樹脂硬化物層を形成する場合、形成のし易さから20℃において液状の感光性樹脂組成物を用いることが特に好ましい。
本発明において、液状感光性樹脂組成物を用いる場合、液状感光性樹脂組成物の20℃における粘度は、好ましくは10Pa・s以上50kPa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上20kPa・s以下、更に好ましくは100Pa・s以上10kPa・s以下である。液状感光性樹脂組成物は、円筒状に塗布することが容易であり、前記の粘度範囲であれば、重力により液ダレを起こすことなく容易に成形することが可能である。また、特に大気中で光硬化させることができる液状感光性樹脂組成物が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、数平均分子量が1000未満で分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、光重合開始剤を有する組成物であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させる場合には、該光重合開始剤が水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤を含有するか、あるいは同一分子内に水素引き抜き型光重合開始剤として作用する部位と崩壊型光重合開始剤として作用する部位を有する化合物であることが好ましい。
樹脂(a)としては、特に限定するものではなく、公知の高分子化合物を用いることができる。具体的には、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の硬度の高いゴム弾性のあるゴム系高分子化合物、弾性率の高い熱可塑性樹脂等の20℃において固体状の樹脂、あるいは分子内に重合性不飽和基を有する不飽和ポリウレタン、不飽和ポリエステル、液状ポリブタジエン等の20℃において液状の樹脂等を好ましい高分子化合物として挙げることができる。ゴム系高分子化合物として、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物が好ましい。
該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが用いられ、熱可塑性エラストマーの代表的な例としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。弾性率の高い熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。20℃において固体状樹脂の場合、溶剤に溶解できるものが特に好ましい。樹脂(a)の数平均分子量の好ましい範囲は1000以上30万以下、より好ましくは5000以上10万以下、更に好ましくは7000以上5万以下である。本発明の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)で測定し、分子量既知のポリスチレンを基準に換算した値を用いる。
本発明の重合性不飽和基は、ラジカル重合反応、付加重合反応、開環付加重合反応する官能基であることが好ましい。ラジカル重合反応する重合性不飽和基として、ビニル基、アセチレン基、メタクリル基、アクリル基等を挙げることができる。また、付加重合反応する重合性不飽和基として、シンナモイル基、チオール基、アジド基を有する化合物を挙げることができる。更に、開環付加反応性を有する重合性不飽和基として、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を有する化合物を挙げることができる。
感光性樹脂組成物の不揮発成分全重量に基づいて、樹脂(a)成分は10〜90wt%の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜80wt%、さらに好ましくは30〜70wt%である。
感光性樹脂組成物に含まれる重合性不飽和基を有する有機化合物(b)は、ラジカル重合反応、付加重合反応、開環付加重合反応する化合物であり、公知の化合物も使用することができ、特に限定するものではない。
ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。
該誘導体としては、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等を有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格等を有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応性を有する重合性不飽和基として、シンナモイル基、チオール基、アジド基を有する化合物を挙げることができる。更に、開環付加反応性を有する重合性不飽和基として、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を有する化合物を挙げることができる。特に有用なエポキシ基を有する化合物エポキシ基を有する化合物として、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
感光性樹脂硬化物層の機械強度を高めるためには、樹脂(a)あるいは有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明における樹脂(a)、有機化合物(b)、の割合は、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。
感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(c)としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。例えば、芳香族ケトン類やベンゾイルエーテル類などの公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノンなどの中から使用することができ、それらを組み合わせても使用できる。特に大気中で光硬化させる場合には、ベンゾフェノン等の水素引き抜き型光重合開始剤と、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン等の崩壊型光重合開始剤との組み合わせが特に好ましい。
更に、同一、分子内に水素引き抜き型重合開始剤として作用する部位と崩壊型光重合開始剤として作用する部位が存在する化合物を用いても大気中光硬化に効果が見られる。光を吸収して酸を発生する芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤の添加量はバインダー(a)と有機化合物(b)の合計量の0.01〜10wt%範囲が好ましい。
液状感光性樹脂組成物は、溶剤を含まなくとも、含んでいても構わないが、取り扱いの容易性から溶剤を含まない無溶剤型の液状感光性樹脂組成物がより好ましい。
感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物のショアD硬度は、10度以上90度以下の範囲が好ましい。より好ましくは20度以上80度以下、更に好ましくは30度以上60度以下である。ショアD硬度が10度以上であれば、段ボール、紙等の柔らかい素材への印刷に用いることができ、またショアD硬度が90度以下であれば金属等の比較的硬い素材への印刷に用いることができる。この硬度範囲であれば、印刷基材として使用するに好ましい。ショアD硬度の値は試料の厚さにより変化するので、本発明のショアD硬度は、使用している感光性樹脂硬化物層の厚みにおける値と定義する。
また、特にショアD硬度が30度以上60度以下の感光性樹脂硬化物は、円筒状に成形された金属表面へのドライオフセット印刷に適する。金属の曲面印刷に用いる溶剤系インキには、高沸点石油溶剤、大豆油、ミネラルスピリット、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ゴム揮発油等の脂肪族炭化水素を溶剤として含んでいるものが多い。本発明の感光性樹脂硬化物の耐溶剤性の指標として、n−ヘキサンへの浸漬膨潤テストの結果を用いることとする。
本発明で用いる感光性樹脂硬化物をn−ヘキサンへの24時間浸漬膨潤テストを実施した場合に、テスト前後の重量変化率が−15wt%以上15wt%以下が好ましく、より好ましくは−10wt%以上10wt%以下、更に好ましくは−5wt%以上5wt%以下である。また、版厚変化率は、−15%以上15%以下であることが好ましく、より好ましくは−10%以上10%以下である。重量変化率および版厚変化率がこの範囲であれば、印刷工程でパターンが溶剤成分を吸収し膨潤する、あるいは溶剤成分に感光性樹脂硬化物中の成分が抽出されることなく印刷品質の高い印刷物を形成することが可能である。
印刷工程で用いる溶剤インキへの膨潤を低く抑えるために、感光性樹脂硬化物層中にウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/又は脂肪族飽和炭化水素鎖、脂肪族不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有することが好ましい。
感光性樹脂組成物中には、可塑剤、香料、表面濡れ性調整剤等の添加剤を添加することもできる。表面濡れ性調整剤としては、フッ素系化合物、シランカップリング剤、シリコーン化合物等が効果のある化合物としてあげることができる。
感光性樹脂硬化物層は、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成したものである。有機化合物(b)の重合性不飽和基、あるいは樹脂(a)と有機化合物(b)の重合性不飽和基が反応することにより3次元架橋構造が形成され、通常用いるエステル系、ケトン系、芳香族系、エーテル系、アルコール系、ハロゲン系溶剤に不溶化する。この反応は、有機化合物(b)同士、樹脂(a)同士、あるいは樹脂(a)と有機化合物(b)との間で起こり、重合性不飽和基が消費される。また、光重合開始剤を用いて架橋硬化させる場合、光重合開始剤が光により分解されるため、前記架橋硬化物を溶剤で抽出し、GC−MS法(ガスクロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、LC−MS法(液体クロマトグラフィーで分離したものを質量分析する方法)、GPC−MS法(ゲル浸透クロマトグラフィーで分離し質量分析する方法)、LC−NMR法(液体クロマトグラフィーで分離したものを核磁気共鳴スペクトルで分析する方法)を用いて解析することにより、未反応の光重合開始剤および分解生成物を同定することができる。
更に、GPC−MS法、LC−MS法、GPC−NMR法を用いることにより、溶剤抽出物中の未反応の樹脂(a)、未反応の有機化合物(b)、および重合性不飽和基が反応して得られる比較的低分子量の生成物についても溶剤抽出物の分析から同定することができる。3次元架橋構造を形成した溶剤に不溶の高分子量成分については、熱分解GC−MS法を用いることにより、高分子量体を構成する成分として、重合性不飽和基が反応して生成した部位が存在するかを検証することが可能である。
例えば、メタクリレート基、アクリレート基、ビニル基等の重合性不飽和基が反応した部位が存在することを質量分析スペクトルパターンから推定することができる。熱分解GC−MS法とは、試料を加熱分解させ、生成するガス成分をガスクロマトグラフィーで分離した後、質量分析を行なう方法である。光硬化物中に、未反応の重合性不飽和基又は重合性不飽和基が反応して得られた部位と共に、光重合開始剤に由来する分解生成物や未反応の光重合開始剤が検出されると、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られたものであると結論付けることができる。
レーザー彫刻法により表面に凹凸パターンが形成された中空円筒状印刷基材の製造方法において、中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物層を形成する工程、その後、形成された感光性樹脂組成物層に光を照射することにより光硬化させ少なくとも1層の感光性樹脂硬化物層を形成する工程、レーザー彫刻法により感光性樹脂硬化物層表面に凹凸パターンを形成する工程、更に、中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する工程を含んでいることが好ましい。
中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を形成する方法として、20℃において液状の感光性樹脂組成物を用いる場合、ブレードコート法、スプレーコート法、ロールコート法、リングコート法、グラビアコート法等、通常使用される方法を用いることができる。また、20℃において固体状の感光性樹脂組成物を用いる場合、円筒状支持体上に押し出し装置を用いて直接感光性樹脂組成物層を形成する方法、一度シート状に形成したシート状感光性樹脂組成物を中空円筒状支持体上に巻き付け固定する方法を挙げることができる。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線あるいは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等は、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。
また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではない。YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザーは1μm近辺に発振波長を有するが、この波長領域に光吸収を有する有機物はあまり無い。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が必要となる。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、;シアニン化合物;スクアリリウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。
顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。ただし、紫外線あるいは可視光線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる場合、印刷原版内部まで硬化させるためには、用いる光線領域に吸収のある色素、顔料の添加量は低く抑えることが好ましい。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
レーザー彫刻法によりパターンを形成した後、あるいは写真製版法を用いてパターンを形成した後に、表面を改質処理することも可能である。例えば、フッ素系化合物、シランカップリング剤、シリコーン化合物を含有する処理液を塗布あるいは処理液中に浸漬することにより表面を親水化処理あるいは疎水化処理することが可能である。
レーザー彫刻法によりパターンを形成しレーザー彫刻印刷版を作製した後、得られたレーザー彫刻版の表面に紫外線を照射して、表面のべたつきを除去する工程を経ても構わない。紫外線を照射する雰囲気は、大気中、不活性ガス雰囲気下、水中などを挙げることができる。
中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する工程は、レーザー彫刻法により感光性樹脂硬化物層表面に凹凸パターンを形成する際に実施されるか、あるいは前記凹凸パターンを形成した後に実施される。また、凹凸パターンを形成するレーザー彫刻工程において、前記貫通孔形成あるいは凹部形成の加工基準となるパターンを形成しておくことが好ましい。該加工基準パターンを基に、前記貫通孔あるいは凹部が形成することができる。形成方法は通常の方法を用いることができるが、精密に加工することが可能な方法として、パンチ打ち抜き法、レーザー彫刻法、ドリル孔明け法、放電加工法、電解めっき法、ケミカルエッチング等を挙げることができる。
精密に加工する手法として、前記加工基準パターンを顕微鏡等の光学装置を用いて拡大し、CCDカメラ等の受光デバイス等を用いて該加工基準パターンをモニター上に映し出し、円筒状支持体上への加工位置を決めることが好ましい。また、中空円筒状支持体に位置合わせ用貫通孔あるいは凹部を形成した後に、該位置合わせ用貫通孔あるいは凹部を基準に、感光性樹脂硬化物層表面にレーザー彫刻パターンを形成することも可能である。中空円筒状支持体の周端部に形成する位置合わせ用貫通孔あるいは凹部の形状は、半円形、半楕円形、多角形から選ばれる1つの形状であることが好ましい。これらの形状に成形することにより、印刷機の版胴であるエアーシリンダーに、中空円筒状印刷版を装着し、エアーシリンダー表面上をスライドさせ、エアーシリンダー表面に取り付けられたピンあるいは突起と、前記貫通孔あるいは凹部を嵌め合わせ固定化することができる。
写真製版技術を用いて中空円筒状印刷基材を製造する方法において、中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を巻き付け感光性樹脂組成物層を形成する工程、その後、該感光性樹脂組成物層に写真製版法を用いて凹凸パターンを形成する工程、更に、中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する工程を含んでいることが好ましい。
写真製版法で凹凸パターンを形成する場合、感光性樹脂組成物層表面にカーボンブラックを含む黒色薄膜層が形成されているものを用いることが好ましい。黒色薄膜層にビーム径の小さい近赤外線レーザー光を照射し、レーザー光が照射された部分の該黒色薄膜層が除去される原理で、露光マスクが作製される。その後、露光、現像操作を経ることにより凹凸パターンを形成することができる。その後、中空円筒状支持体に位置合わせ用の貫通孔を形成するか、あるいは中空円筒状支持体の外側の表面あるいは内側の表面に凹部を形成する方法は、前述の方法を用いることが好ましい。
本発明の中空円筒状印刷基材は、フレキソ印刷用途以外にも、ドライオフセット印刷用途でも使用することが可能である。ドライオフセット印刷法は、被印刷基材上に直接印刷するフレキソ印刷法とは大きく異なり、一度ブランケット胴上に多色のインキを転写し、この転写工程が終了した段階で、被印刷基材上に印刷し乾燥する方法である。したがって、ブランケット胴上では、各色のインキは未乾燥の状態で存在するため、各色の位置が極めて重要となる。この位置がずれた場合には、色むらや色ずれを発生させ、印刷品質を大幅に低下させてしまうことになる。これに対し、フレキソ印刷法は、各色のインキを乾燥させながら重ね刷りすることができるため、位置合わせの許容度が高い。
また、本発明の中空円筒状印刷基材は、ドライオフセット印刷で使用される炭化水素系溶剤を含む溶剤インキに対しても充分高い耐性を有している。更に、ドライオフセット印刷の中でも、金属製中空円筒上に直接印刷する金属製円筒表面印刷においても、極めて高い品質の印刷物を提供することが可能である。
本発明の中空円筒状印刷基材を装着する印刷装置の版胴は、微小孔からエアーが噴出するエアーシリンダーであることが好ましい。シリンダー表面には、中空円筒状支持体に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部に対応するピンあるいは突起が取り付けられていることが好ましい。シリンダー表面上のピンあるいは突起と、中空円筒状支持体に形成された位置合わせ用貫通孔あるいは凹部とが嵌め合わされることにより、中空円筒状印刷基材がシリンダーに位置合わせされた状態で装着される。印刷装置上でのシリンダーの位置を固定するために、中空円筒状印刷基材をシリンダーに装着する工程において、該シリンダーを印刷装置から取り外さないことが好ましい。そのため、印刷装置にはシリンダーの片側の軸を保持した状態で、中空円筒状印刷基材を該シリンダーに抜き挿しできるシリンダー支持機構が存在することが好ましい。また、印刷装置において版胴表面上のピンあるいは突起をCCDカメラ等の撮像素子を用いてモニター上に映し出し、印刷装置上での版胴の位置を確認し、かつその位置の調整が可能な調整機構を有していることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(2)数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(4)ショアA硬度測定
ショアA硬度の測定は、Zwick社製(ドイツ国)、自動硬度計を用いて実施した。ショアA硬度の値として、測定後15秒後の値を採用した。
(5)ショアD硬度測定
感光性樹脂硬化物層のショアD硬度は、テクロック社製、商標「GS−720G TypeD」を用いて測定した。円筒状支持体上に形成した感光性樹脂硬化物層のショアD硬度を、円筒状のまま測定した。測定に用いた錘の重量は、8kgであった。
(6)耐溶剤性評価
試験サンプルは、感光性樹脂組成物を10mm×50mm、厚さ2mmに塗布し、旭化成ケミカルズ社製、フレキソ製販機、商標「ALF製版機」を用いて4000mJ/cmのエネルギーを照射することにより硬化させ調整した。エネルギー量は、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)とフィルター(オーク製作所社製、商標「UV−35−APRフィルター」)を用いて測定した照度を時間積分した値とした。
作製した試験サンプルを、n−ヘキサン中に、20℃、24時間浸漬後、表面に付着した液滴を拭き取り、重量および膜厚した。浸漬前後の値から重量変化率および膜厚変化率を求めた。
レーザー彫刻可能なシート状印刷原版を形成するために用いる樹脂として、下記製造例1で、樹脂(ア)を製造した。
(製造例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(実施例1)
(感光性樹脂組成物の調製)
前記の製造例で得られた樹脂(ア)100重量部に対し、重合性モノマーとしてフェノキシエチルメタクリレート25重量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート19重量部、トリチロールプロパントリアクリレート5重量部、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(イ)を作成した。液状感光性樹脂組成物(イ)の20℃における粘度は、1200Pa・sであった。
(中空円筒状印刷基材の形成)
内径213.384mm、幅300mm、厚さ0.15mmのニッケル製の中空円筒状支持体をエアーシリンダーに装着し、ニッケル表面に両面接着剤テープを気泡が入らないように慎重に被覆した。
得られた接着剤テープの上に、感光性樹脂組成物(イ)を厚さ約1mmに塗布し、メタルハライドランプの光を大気中で照射して、光硬化させた。得られた感光性樹脂硬化物表面を研磨することにより厚さ0.8mmまで削り、表面を平滑化して中空円筒状印刷基材を作製した。
得られた中空円筒状印刷基材を、エアーシリンダーに装着し、炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いてレーザー彫刻した。レーザー彫刻は、スクリーン解像度48線/cm、面積率5%から95%の網点パターンおよび100μmと500μmの白抜きパターンを形成した。レリーフの深度は、0.4mmに設定した。面積率10%の網点パターンを顕微鏡にて観察した結果、円錐状のパターンが形成できていた。レーザー彫刻後、表面に若干残存していた彫刻カスを圧力5MPaの高圧スチームで洗浄した。
(位置合わせ貫通孔の形成)
得られた中空円筒状印刷基材の感光性樹脂硬化物層には、レーザー彫刻により寸法が500μmの十字パターンが形成されており、このパターンを位置合わせ貫通孔形成用の加工基準パターンとして用いた。位置合わせ貫通孔は、前記加工基準パターンを、拡大鏡付きCCDカメラで撮影しモニター上に写し出すことにより位置決めし、パンチ孔明け法により形成した。加工基準パターンと実際に形成された貫通孔の加工誤差は、20μm未満であった。
(アルミニウム製円筒への印刷)
印刷装置の版胴に用いるエアーシリンダーには、上記のように形成された中空円筒状印刷基材の位置合わせ貫通孔に対応したピンがネジ留めされていた。エアーシリンダーの微小孔からエアーを噴出させながら、上記中空円筒状印刷基材を前記エアシリンダーに装着し、かつ前記ピンに前記貫通孔が嵌め合わせられるように位置決めされ、エアーの噴き出しを停止することにより、前記エアーシリンダー上に前記中空円筒状印刷基材を固定した。この際、印刷装置にはエアーシリンダーの片側の軸を保持する機構を有する装置であったため、印刷装置の版胴である前記エアーシリンダーを印刷装置から取り外すことなく、前記中空円筒状印刷基材を装着することができた。印刷装置への印刷基材の装着は、1分間以内に完了した。
脂肪族炭化水素であるn−へキサンを主成分とする黒色インキを用いて、アルミニウム製ツーピース缶表面に、スクリーン解像度が133線/インチである条件でレーザー彫刻された画像パターンを印刷した。
(感光性樹脂硬化物の物性評価)
感光性樹脂組成物(イ)とメタルハライドランプを用いて、厚さ1.7mmのシート状感光性樹脂硬化物を別途形成した。ショアD硬度は、55度であった。また、n−ヘキサンに24時間浸漬後に、サンプルを取り出し、表面についたn−へキサンをふき取り、重量変化率を測定した結果、0.5wt%であった。また、版厚の変化率は、−0.6%であった。
(実施例2)
両面に接着剤の付いたクッションテープ(3M社製、商標「1820」)の片側の面の離型紙を剥がし、露出した接着剤層の面を気泡が入らないようにニッケル製中空円筒状支持体表面に注意深く張り付けた。その後、表面の離型紙を剥がし、接着剤層が露出した面に実施例1で調整した感光性樹脂組成物(イ)を塗布し、実施例1と同様にして光硬化物を形成し、中空円筒状印刷基材を作製した。
得られた中空円筒状印刷基材をエアーシリンダーに装着し、実施例1と同様にレーザー彫刻機を用いて表面に凹凸パターンを形成した後、ニッケル製中空円筒状支持体の周端部に半円状の貫通孔を形成した。加工基準パターンと実際に形成された貫通孔の加工誤差は、20μm未満であった。同様の手順で3本の中空円筒状印刷基材を作製し、4色に色分解した画像データを基にレーザー彫刻により4色に対応したパターンを形成した。
周端部に半円状の貫通孔が形成された4本の中空円筒状印刷基材を、印刷装置のエアーシリンダーに装着し、エアーシリンダー表面のピンと前記貫通孔を嵌め合わせて、中空円筒状印刷基材をエアーシリンダーに固定した。エアーシリンダー上のピンの位置は、それぞれのエアーシリンダーで調整済みであった。酢酸エチル20vol%とイソプロピルアルコール80vol%の混合溶剤を溶剤とした4色の溶剤インキを用いて、ポリエチレンシート表面に印刷した。4色の良好な印刷物をえることができた。各色の位置ずれは、30μm以内であった。
(実施例3)
樹脂(a)として数平均分子量が約13万のSBS系熱可塑性エラストマー(SBS:ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレンのブロック共重合体)100重量部、有機化合物(b)として1,9−ノナンジオールジアクリレート5重量部、可塑剤として数平均分子量が約2000の液状ポリブタジエン30重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部とベンゾフェノン1重量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.3重量部、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5重量部を130度でニーダーを用いて混錬し、20℃で固体状の感光性樹脂組成物(ウ)を得た。
得られた感光性樹脂組成物(ウ)を押し出し装置を用いて、厚さ125μmのPETフィルム上に、厚さ1mmで押し出し装置を用いて加熱して押し出し、シート状の感光性樹脂組成物を得た。
得られたシート状感光性樹脂組成物を、両面接着テープを貼り付けたアルミニウム製中空円筒状支持体表面にPETフィルム側から巻きつけ、接着テープ上に固定した。シート状感光性樹脂組成物の両端の接合部は、加熱することにより溶融させ接合し円筒状の感光性樹脂組成物を得た。更に、得られた円筒状の感光性樹脂組成物に、大気中で高圧水銀灯の光を照射し光硬化させ、中空円筒状印刷原版を形成した。高圧水銀灯の照度は、照度計(オーク製作所社製、商標「MO2」)とフィルター(オーク製作所社製、商標「UV−35−APRフィルター」)を用いて測定したところ20mW/cmであった。露光量は、時間積分した結果、4000mJ/cmであった。
実施例1と同様の方法で、レーザー彫刻した後、アルミニウム製中空円筒状支持体の周端部に半円状の貫通孔を形成し、中空円筒状印刷基材を作製した。
実施例1と同様にして、約1000本のアルミニウム缶表面に印刷を実施した。印刷の後半から画像の太りが観察された。
(感光性樹脂硬化物の物性評価)
感光性樹脂組成物(ウ)と高圧水銀灯を用いて、厚さ1.7mmのシート状感光性樹脂硬化物を別途形成した。ショアA硬度は、70度であった。また、n−ヘキサンに24時間浸漬後に、サンプルを取り出し、表面についたn−へキサンをふき取り、重量変化率を測定した結果、52wt%であった。また、版厚の変化率は、33%であった
(比較例1)
位置合わせ用貫通孔を有しない以外は、実施例1と同様にして、中空円筒状印刷基材を作成し、レーザー彫刻法を用いて、実施例1と同じ画像パターンを形成した。
また、位置合わせ用のピンが存在しないこと以外は実施例1と同じ印刷装置を用いて、得られた中空円筒状印刷基材を版胴であるエアーシリンダーに装着した。エアーシリンダーの軸方向および周方向への位置合わせに要した時間は、5分程度であった。
本発明は、印刷分野において使用される位置合わせの容易な中空円筒状印刷基材として好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンを有する感光性樹脂硬化物層が積層された中空円筒状印刷基材の製造方法であって、
    中空円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を塗布し、その後、該感光性樹脂組成物塗布層に光を照射することにより光硬化させて少なくとも1層の感光性樹脂硬化物層を形成する工程、
    レーザー彫刻法により、上記感光性樹脂硬化物層に凹凸パターンを形成すると同時に中空円筒状支持体に版胴上に取付けられたピンあるいは突起部に合わせるための位置合わせ用の貫通孔又は凹部を形成することによって、感光性樹脂硬化物層の凹凸パターン位置と中空円筒状支持体に形成された上記位置合わせ用貫通孔又は凹部の位置とを0μm以上100μm以下の位置精度で形成する工程を含むことを特徴とする中空円筒状印刷基材の製造方法。
  2. 中空円筒状支持体上に、表面に凹凸パターンを有する感光性樹脂硬化物層が積層された中空円筒状印刷基材の製造方法であって、
    中空円筒状支持体上にシート状に形成したシート状感光性樹脂組成物を巻きつけ感光性樹脂組成物層を形成する工程、
    レーザー彫刻法により、上記シート状感光性樹脂組成物層に凹凸パターンを形成すると同時に中空円筒状支持体に版胴上に取付けられたピンあるいは突起部に合わせるための位置合わせ用の貫通孔又は凹部を形成することによって、感光性樹脂硬化物層の凹凸パターン位置と中空円筒状支持体に形成された上記位置合わせ用貫通孔又は凹部の位置とを0μm以上100μm以下の位置精度で形成する工程を含むことを特徴とする中空円筒状印刷基材の製造方法。
  3. 中空円筒状印刷基材がドライオフセット印刷用中空円筒状印刷基材である請求項1又は2に記載の中空円筒状印刷基材の製造方法。
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