JP2006248190A - 印刷基材用円筒状クッション層の製造方法 - Google Patents

印刷基材用円筒状クッション層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 連続図柄が印刷可能な円筒状クッション層を、短時間で簡便に作製することができる方法の提供。
【解決手段】 円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付け、円筒状クッション層を製造する方法であって、該シート状クッションテープを円筒状支持体上にシート両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート両端部の接合部位に存在する凹部に、感光性樹脂組成物を充填する工程、該感光性樹脂組成物に高エネルギー活性線を照射し硬化させる工程を含むことを特徴とする印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷分野において使用される、円筒状クッション層を製造する方法に関するものである。
印刷分野においては、印刷機で円筒状の基材を使用することが広く行われている。例えば、フレキソ印刷分野では、版を貼り込む版胴、版にインキを転移させるアニロックスロールがあり、オフセット印刷分野においてもブランケットロールなどがある。
特に最近、フレキソ印刷分野においては、版胴上で正確に位置合わせをしながらシート状の版を貼り込む方法ではなく、剛直あるいはフレキシブルな円筒状支持体上に版を貼り込み、貼り込んだものを版胴に挿入する方法、更に円筒状支持体上にパターン形成可能な樹脂版を形成した円筒状印刷原版を形成し、その後表面にパターンを形成して版胴に挿入する方法が取られるようになってきた。また、円筒状支持体上に貼り込んだシート状の版による継ぎ目のある図柄のみでなく、円筒状支持体の全周を印刷図柄に用いる連続図柄のデザインが増えてきている。そのため、円筒状支持体と、印刷版あるいは印刷原版との間に挿入するクッションテープを短時間に貼り込み、しかもクッションテープの両端部の接合部に発生する凹部が印刷に影響がないようにクッション層を形成することが求められていた。
特許文献1(特開2003-517947号公報)には、オフセット印刷用ブランケットロールの製造方法の記載があり、ゴム板を円筒状シリンダー上に貼り付けることが行われている。その際、ゴム板の両端部の接合部に発生する凹部に熱硬化性樹脂を充填することが記載されている。しかしながら、熱硬化性樹脂を用いた場合、硬化に多大な時間を要する問題があった。特許文献1には、感光性樹脂を充填することは一切記載されていない。
印刷において影響のない継ぎ目のないクッション層の形成については、特許文献2(特開2003−25749号公報)に記載がある。円筒状支持体上にリボン状のクッションシートを少しづつ重なるように、螺旋状に巻きつけ、少しずつ重なって凸になった部分を表面研磨により平滑化することが記載されている。この方法を用いることにより継ぎ目のないクッション層が得られるが、作製に多大な時間を要するという問題があった。
特許文献3(特開2004−255811号公報)においても継ぎ目のないクッション層の積層体の記載がある。クッション層には隔壁を有する気泡を含み、バインダー樹脂と熱膨張カプセルを用いて加熱処理による該カプセルの膨張と溶剤除去が記載されている。この方法を用いることにより継ぎ目のないクッション層が得られるが、金属製ロールによる加熱処理と厚みの調整に時間を要するという問題があった。
円筒状支持体上にシート状クッションテープを巻きつけ固定し、継ぎ目の部分に生じる凹部に感光性樹脂を充填し、その後、光硬化させて得られる円筒状クッション層において、継ぎ目の部分が印刷において影響を与えずに良質な連続図柄の印刷物を得ることができるという円筒状クッション層の形成技術は、従来技術では知られていなかった。
特開2003-517947号公報 特開2003−25749号公報 特開2004−255811号公報
本発明は連続図柄が印刷可能な円筒状クッション層を短時間で作製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付け、円筒状印刷基材を製造する方法であって、該クッションテープを円筒状支持体上に巻きつけた際にクッション層両端部の接合部位に発生する凹部に、液状感光性樹脂組成物を充填する工程、高エネルギー活性線を照射することにより、該液状感光性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む方法により容易に円筒状クッション層を作製でき、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、液状感光性樹脂組成物を任意の形状の凹部に充填し、光硬化させて固定化することが、本発明の技術思想である。液状感光性樹脂組成物を用いることにより極めて短時間の内に円筒状印刷基材を形成することが可能となる。また、粘着層を用いて円筒状支持体上にシート状クッション層を貼り付けた場合には、シート状クッションテープを切断し、該シート状クッション層を円筒状支持体から取り外すことにより、円筒状支持体を再度利用することができる。
本発明は下記の通りである。
1、円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付け、円筒状クッション層を製造する方法であって、該シート状クッションテープを円筒状支持体上にシート両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート両端部の接合部位に存在する凹部に、感光性樹脂組成物を充填する工程、該感光性樹脂組成物に高エネルギー活性線を照射し硬化させる工程を含むことを特徴とする印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
2、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物のASKER−C硬度が、クッション層と同じ厚みにおいて、クッション層のASKER−C硬度の±20度の範囲に入ることを特徴とする1.に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
3、高エネルギー活性線が、波長200nmから400nmの紫外線を含み、高エネルギー活性線の照射が大気中で行われることを特徴とする1.または2.に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
4、感光性樹脂組成物が、20℃において液状であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
5、感光性樹脂組成物の20℃における粘度が、10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とする4.に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
6、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物中に気泡を形成する工程を含むことを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
7、感光性樹脂硬化物中に形成させる気泡が、連続気泡または独立気泡であることを特徴とする6.に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
8、円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付ける工程において、更に該円筒状支持体上に接着剤層を形成する工程を含むか、あるいはシート状クッションテープがクッション層の片面あるいは両面に接着剤層を有し、円筒状支持体上に接着剤層が存在する面の側から該クッションテープを巻きつけると同時に、該円筒状支持体上に接着固定する工程を含むことを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
9、感光性樹脂組成物を充填後に厚みを調整する工程、あるいは該感光性樹脂組成物を硬化させた後に得られた感光性樹脂硬化物の厚みを調整する工程を含むことを特徴とする1.から8.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
10、シート状クッションテープを円筒状支持体上に巻きつけた際にシート両端部の接合部位に発生する凹部に充填する感光性樹脂組成物が、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/または飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有し、更に、前記樹脂(a)が、H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが0.7から0.9ppmの範囲、1.1から1.9ppmの範囲、4.0から4.3ppmの範囲、4.5から5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子を、樹脂(a)が有する全水素原子の20%以上99%以下の存在比で含有していることを特徴とするクッション層充填用感光性樹脂組成物である1.から9.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
11、1.から10.のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法から得られる円筒状クッション。
12、シート状クッションテープを円筒状支持体上に巻きつけた際にシート両端部の接合部位に発生する凹部に充填する感光性樹脂組成物が、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/または飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有し、20℃における粘度が10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とするクッション層充填用感光性樹脂組成物。
13、感光性樹脂組成物が、更に有機系微粒子、無機系微粒子、有機無機複合微粒子から選ばれる少なくとも1種類の微粒子を含有することを特徴とする12.に記載のクッション層充填用感光性樹脂組成物。
本発明によれば、継ぎ目の部分が印刷において影響を与えない良質な連続図柄の印刷物を得ることができる円筒状クッション層を形成することができ、該円筒状クッション層を、短時間で簡便に作製することができる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施態様を中心に詳細に説明する。
本発明はシート状クッションテープを貼り付け、円筒状クッション層を製造する方法であって、該シート状クッションテープを円筒状支持体上にシート両端部が重ならないように巻きつけ、該シート両端部の接合部位に存在する凹部に、感光性樹脂組成物を充填する工程、該感光性樹脂組成物に高エネルギー活性線を照射し硬化させる工程を含む。充填する感光性樹脂組成物については固体状、液体状のいずれも使用可能である。固体状の感光性樹脂組成物としては熱可塑性樹脂等を含む場合も挙げられるが、作業性の観点から20℃において液状の感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。更に、20℃において液状の感光性樹脂組成物の粘度は、10Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましい。より好ましい範囲は50Pa・s以上30kPa・s以下、更に好ましい範囲は100Pa・s以上20kPa・s以下である。上記の粘度範囲であれば、液状感光性樹脂をシート両端部に存在する凹部への充填が容易であり、重力により液ダレを起こすことなく取り扱いが容易になる。また、特に大気中で光硬化させることができる液状感光性樹脂組成物が好ましい。また、大気中で光硬化可能な感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。この場合、特別な装置あるいは雰囲気を必要とすることなく、感光性樹脂組成物を容易に光硬化させることができる。
感光性樹脂組成物は、クッションテープの接合部位に存在する凹部に充填後、高エネルギー活性線を照射する前あるいは後で、該シートの厚みに対して樹脂組成物の厚みを調整することが好ましい。本発明の高エネルギー活性線とは、紫外線、電子線、γ線、X線、分子線等の波長の短い光をいう。特に取り扱いの容易さから、波長200nm以上400nm以下の紫外線を含む光が好ましい。
本発明では、感光性樹脂組成物を光照射により硬化させることが可能である。光を使って架橋硬化させる方法は、加熱する工程を含まないので、用いる円筒状支持体あるいはクッションテープの寸法安定性を確保することができ、更に、短時間で硬化反応を完了させ硬化物の機械的物性を確保できるなどの利点を有し好適である。硬化に用いられる光源としてはメタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられ、その他公知の方法で硬化を行うことができる。また、複数の種類の光源の光を照射しても構わない。
クッション層の上に感光性樹脂から成る印刷原版を積層する場合は、印刷原版に与える高エネルギー活性線を用いて、印刷原版の架橋硬化と同時に凹部に充填した感光性樹脂組成物を硬化させても構わない。
本発明の特徴は円筒状支持体上にクッションテープを貼り付け、該シート両端部の接合部位に存在する凹部に感光性樹脂組成物を充填することにより、円筒状クッション層を容易に形成できることである。すなわち、クッション層の硬度および厚みに対して、充填する感光性樹脂組成物の硬度および厚みを調整することにより、連続図柄が印刷可能な円筒状クッション層を簡便に作成することができる。
円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付け、該シート状クッションテープを円筒状支持体上にシート両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート両端部の接合部位に存在する凹部に充填する光硬化後の感光性樹脂組成物の硬度は、クッション層と同じ厚みにおいて、クッション層のASKER−C硬度の±20度の範囲に入ることが望ましい。光硬化後の感光性樹脂組成物が該硬度範囲に入りクッション層との硬度が調整されることにより、連続図柄の印刷効果に好ましい円筒状クッション層となる。
本発明に用いる感光性樹脂組成物は、有機系微粒子、無機系微粒子、有機無機複合微粒子から選ばれる少なくとも1種類の微粒子を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、平均粒子径が0.1μm以上200μm以下の有機系微粒子、あるいは平均径が0.1μm以上200μm以下の気泡を含有させることができる。有機系微粒子あるいは気泡のより好ましい範囲は1μm以上150μm以下、更に好ましい範囲は10μm以上100μm以下である。有機系微粒子あるいは気泡の平均径がこの範囲であれば、印刷時において印刷版にかかる印圧による衝撃を充分に吸収することが可能であり、高品位の印刷物を得ることが可能となる。有機系微粒子あるいは気泡の平均粒子径あるいは平均径は、顕微鏡観察により求めることができる。顕微鏡の視野に少なくとも50個程度の有機系微粒子あるいは気泡が入るように倍率を調整し、該有機系微粒子あるいは気泡の寸法を測長する。測長機能を有する顕微鏡を用いることが好ましいが、カメラを用いて撮影した写真を基に寸法を測っても良い。
本発明で用いる有機系微粒子は、有機化合物から形成された微粒子であり、特に限定するものではないが、内部が中空のマイクロカプセル、ポリマー微粒子、内部に微細な気泡を含むポリマー微粒子、多孔質ポリマー微粒子、無機系微粒子が表面に付着したマイクロカプセル等を好ましい有機系微粒子として挙げることができる。
本発明で用いる有機系微粒子あるいは気泡の形状は、真球状である必要はないが、球状であることが好ましい。球状には、真球が少なくとも一方向に圧縮されて変形した形状のものも含まれる。
本発明では、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物中に気泡を形成する工程を含むことが好ましい。感光性樹脂硬化物中に気泡を形成することにより、クッション特性を大幅に向上させることができる。形成させる気泡は、連続気泡、独立気泡のいずれであっても構わない。気泡を形成する方法として、感光性樹脂組成物に気体を強制撹拌し混合したもの、感光性樹脂組成物中に中空の微粒子を混合したものを光硬化させる方法、感光性樹脂組成物中に化学発泡剤を混合し、熱あるいは光により発泡させてから、光硬化させる方法等を挙げることができる。化学発泡剤を混合した系では、化学発泡剤を発泡させる光の波長と、感光性樹脂組成物を光硬化させる光の波長を選択することにより、発泡工程を光硬化工程を時間的にずらすこともできる。
感光性樹脂組成物に気体を撹拌混合する方法としては、公知のハンドミキサーやバブラーを使用することができる。また、撹拌した気泡を安定的に充填するために樹脂組成物中に整泡剤を添加してもよい。添加する整泡剤としては枝分かれ型シリコーン系界面活性剤、ペンダント型のシリコーン系界面活性剤、無機系超微粒子等を挙げることができる。
感光性樹脂組成物中に中空の微粒子を混合する方法において、熱膨張性マイクロカプセルを用いることが好ましい。特に保存安定性の観点から、該膨張マイクロカプセルを用いることが望ましい。該膨張マイクロカプセルは、熱可塑性エラストマーを隔壁とし内部に揮発性有機系液体を含有する微粒子を膨張させたものである。通常用いられる熱可塑性エラストマーとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。また揮発性有機系液体としては、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプテン等の炭化水素を挙げることができる。該膨張マイクロカプセルの平均粒子系は10μm以上200μm以下であることが好ましい。より好ましくは50μm以上150μm以下、更に好ましくは90μm以上110μm以下である。
該膨張バルーンの真比重は0.02g/cm以上0.22g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.11g/cm以上0.15g/cm以下、更に好ましくは0.12g/cm以上0.14g/cm以下である。
隔壁は無機系微粒子でコーティングされていることが望ましい。コーティングによって真比重が増加するため取り扱いが容易となる。無機系粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等を挙げることができる。また、無機系粒子をコーティングすることにより、感光性樹脂組成物中で、該既膨張マイクロカプセルの保存安定性を向上させることもできる。
感光性性樹脂組成物中に混合した化学発泡剤を熱あるいは光により発泡させる方法としては、紫外線分解型発泡剤や熱分解型発泡剤を用いることが望ましい。通常用いられる紫外線分解型発泡剤としては、例えば公知のアジド化合物を挙げることができる。具体的にはオキシビスベンゼンスルホニルアジド、グリシジルアジドポリマー、p−トルエンスルホニルアジド、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジド安息香酸、p−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム塩、p−アジドベンザルアセトフェノン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィド、3,3’−ジアジドジフェニルスルフィド、2,6−ビス−(4’アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサン、1,3’−ビス−(−4’アジドベンザル)−プロパノン、4,4’−ジアジドカルコン−2−スルホン酸ナトリウム塩、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム塩、、1,3’−ビス−(4’−アジドベンザル)−2‘−ジスルホン酸ナトリウム塩−2−プロパノン、2,6−ビス−(−4’−アジドベンザル)−2’スルホン酸(ナトリウム塩)シクロヘキサノン、2,6−ビス−(−4’−アジドベンザル)−2’スルホン酸(ナトリウム塩)4−メチル−シクロヘキサノンで、α−シアノ−4,4’ジベンゾスチルベン、2,5’−ビス−(4’−アジドベンザルスルホン酸ナトリウム塩)シクロペンタノン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スルホニルアジド安息香酸等が挙げられる。また、通常用いられる熱分解型発泡剤として、公知の化学発泡剤を挙げることができる。具体的にはアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボシキレード、ジニトロペンタメチレンテトラミン、4’,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、ヒドラゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン等の化合物を挙げることができる。
シート状クッションテープを円筒状支持体に貼り付ける工程においては、更に該円筒状支持体上に接着剤層を形成する工程を含むか、あるいはシート状クッションテープがクッション層の片面あるいは両面に接着剤層を有し、円筒状支持体上に接着剤層が存在する面の側から該クッションテープを巻きつけると同時に、該円筒状支持体上に接着固定する工程を含むことが好ましい。円筒状支持体へのクッションテープの貼り方について、特に限定するものではなく、1枚のクッションテープを少なくとも1回転、周方向へ巻きつける方法、複数枚のクッションテープを、各クッションテープが重ならないように少なくとも1回転、周方向へ巻きつける方法、1枚のクッションテープを重ならないように螺旋状に巻きつける方法等を挙げることができる。
また、該シート状クッションテープを円周上に継ぎ目なく貼り付けることは困難であり、両端部の接合部位に存在する凹部は連続図柄に対して好ましくない影響を与える。特に積層する印刷原版として液状樹脂を用いる場合は該凹部から発生する気泡が印刷版表面へ好ましくない影響を与えることがある。そこで該凹部に樹脂を充填するためにシート状クッションテープを切断し、該凹部の幅を0.1mm以上3mm以下にすることが好ましい。より好ましくは0.2mm以上2mm以下、更に好ましくは0.3mm以上1mm以下である。上記範囲であれば感光性樹脂組成物を、前記凹部に充填することが容易に実施でき、連続図柄の印刷に好適である。
シート状クッションテープとして、特に限定するものではなく、ゴム弾性を有するものであれば使用することができる。例えば、天然ゴム材料、SBR、SBS、SIS等の合成ゴム材料、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン等の軟質プラスチック材料等を挙げることができる。また、感光性樹脂組成物を光硬化させて形成したシート状エラストマーを用いることもできる。これらの材料の中でも特に、印刷用途で用いられているポリエチレン、もしくはポリウレタンを主な成分としたシート材料を好ましい材料として挙げることができる。市販のフレキソ印刷用のクッションテープを使用することが簡便である。クッション層の厚みは0.1mm以上6mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.2mm以上2mm以下、更に好ましくは0.3mm以上0.7mm以下である。クッション層の比重は0.2g/cm以上0.9g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3g/cm以上0.7g/cm以下、更に好ましくは0.4g/cm以上0.6g/cm以下である。クッション層のASKER−C硬度は30以上80以下であることが好ましい。
また接着剤層に粘着性の層を使用することで、円筒状クッション使用後に円筒状支持体からクッション層を剥がし、円筒状支持体を再度使用することが容易となる。
本発明は、感光性樹脂組成物を充填後に厚みを調整する工程、あるいは該感光性樹脂組成物を硬化させた後に得られた感光性樹脂硬化物の厚みを調整する工程を含むことが好ましい。
充填する感光性樹脂組成物層の厚さは、シート状クッションテープの厚さ以下に調整することが好ましい。硬化前に厚さを調整する方法は、ヘラでかきとる方法等を挙げることができる。硬化後に厚さを調整する方法は、刃物で削り取る方法、グラインダー等の装置を用いて削る方法等を挙げることができる。感光性樹脂組成物の厚さを調整することにより、連続図柄の印刷効果に好ましい円筒状クッション層となる。
クッションテープの接合部位に存在する凹部へ液状感光性樹脂組成物を充填する方法は、特に限定するものではなく、公知のいかなる方法も取ることができる。簡便な方法としては、へら等の冶具を用いて埋め込み方法が好ましく、シリンジ、スポイトやディスペンサを用いて充填することもできる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有することが好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び光重合開始剤(c)の割合は、通常、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、光重合開始剤(c)は樹脂(a)と有機化合物(b)の合計量の0.01〜10重量部の範囲が好ましい。有機化合物(b)の割合が、上記の範囲であれば、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりやすい。また、架橋反応での収縮も小さく、厚み精度を確保できる。
樹脂(a)としては、特に限定するものではなく、公知の高分子化合物を用いることができる。具体的には、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の硬度の高いゴム弾性のあるゴム系高分子化合物、弾性率の高い熱可塑性樹脂等の20℃において固体状の樹脂、あるいは分子内に重合性不飽和基を有する不飽和ポリウレタン、不飽和ポリエステル、液状ポリブタジエン等の20℃において液状の樹脂等を好ましい高分子化合物として挙げることができる。ゴム系高分子化合物として、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、モノビニル置換芳香族炭化水素と共役ジエンモノマーとの重合物が好ましい。該モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレンなどが用いられ、熱可塑性エラストマーの代表的な例としてはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。弾性率の高い熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。20℃において固体状樹脂の場合、溶剤に溶解できるものが特に好ましい。
樹脂(a)は、分子内に重合性不飽和基を有することが好ましい。本発明の重合性不飽和基は、ラジカル重合反応、付加重合反応、開環付加重合反応する官能基であることが好ましい。ラジカル重合反応する重合性不飽和基として、ビニル基、アセチレン基、メタクリル基、アクリル基等を挙げることができる。また、付加重合反応する重合性不飽和基として、シンナモイル基、チオール基、アジド基を有する化合物を挙げることができる。更に、開環付加反応性を有する重合性不飽和基として、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を有する化合物を挙げることができる。特に好ましい樹脂(a)として1分子あたり平均で0.3以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.3以上であれば、本発明の樹脂組成物より得られるクッション層は、機械強度に優れる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えられるものとなり好ましい。クッション層の機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.5以上がより好ましく、0.7を越える量が更に好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
樹脂(a)として用いる化合物中の主鎖中、側鎖中あるいは末端に重合性不飽和基を導入することができる。例えば、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を出発原料として、ラジカル反応や縮合反応させることにより、分子主鎖あるいは側鎖に重合性不飽和基を導入することが可能である。また、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸機やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合基への変換を行った後、この末端結合性基を反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
また、重合性不飽和を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を用いることもできる。高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。更に、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
樹脂(a)の数平均分子量の好ましい範囲は1000以上30万以下、より好ましくは5000以上10万以下、更に好ましくは7000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する光硬化物が強度を保ち、この光硬化物上に印刷版を積層し、印刷版の構成要素として用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、充填することができる。本発明の数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)で測定し、分子量既知のポリスチレンを基準に換算した値を用いる。
また、印刷工程において使用する溶剤インキの溶剤に対し耐性を有する樹脂(a)の組成として、分子内にカーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/または飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する化合物が好ましい。
樹脂(a)の分子中に存在する脂肪族炭化水素鎖あるいは脂肪族不飽和炭化水素鎖の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、部分水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、部分水添ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の分子構造を有する化合物を挙げることができる。このような分子構造を主鎖に有し、両末端が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する化合物を出発原料として、前記官能基と反応する官能基を有する化合物とを縮合反応させることにより更に高分子量化させたポリマーを形成することができる。また、前記官能基を、末端に重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
樹脂(a)の分子鎖中に存在するカーボネート結合を有する化合物として、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールを挙げることができる。また、芳香族系分子構造を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いても構わない。末端の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、あるいはトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはイソシアネート基を、重合性不飽和基を導入するために使用することもできる。
樹脂(a)の分子鎖中に存在するエステル結合を有する化合物として、アジピン酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼラン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピコナール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等の分子内に2個以上の水酸基を有する化合物とを縮合反応させて得られるポリエステル類、ポリカプロラクトン等のポリエステル類を挙げることができる。末端の水酸基あるいはカルボキシル基にジイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはカルボキシル基を、重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
樹脂(a)の分子鎖中に存在するウレア結合を有する化合物として、尿素とジカルボン酸化合物の縮合反応物を挙げることができる。本発明の有機化合物(b)は、数平均分子量が1000未満の重合性不飽和基を有した化合物である。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000以下が好ましい。重合性不飽和基の定義は、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。
本発明の樹脂(a)は、H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが0.7から0.9ppmの範囲、1.1から1.9ppmの範囲および4.0から4.3ppmの範囲、4.5から5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子を、樹脂(a)が有する全水素原子の20%以上99%以下含有している。H−NMRにおいて、化学シフトが0.7から0.9ppmの範囲にピークを有する水素原子の周囲の官能基構造としては脂肪族メチル基を挙げることができる。化学シフトが1.1から1.9ppmの範囲にピークを有する水素原子の周囲の官能基構造としては、脂肪族炭化水素鎖のメチレン基を挙げることができる。また、化学シフトが4.0から4.3ppmの範囲にピークを有する水素原子の周囲に存在する官能基構造としては、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を挙げることができる。更に化学シフトが4.5から5.5ppmの範囲にピークを有する水素原子の構造としては、二重結合炭素に直接結合している水素原子を挙げることができる。上記の化学シフトの範囲にピークを有する水素原子の存在比は、樹脂(a)を構成する全ての水素原子の20%以上99%以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、30%以上99%以下、さらに好ましい範囲は40%以上99%以下である。前記存在比は、H−NMR測定において求まる積分値から算出することができる。前記水素原子の存在比が、20%以上99%以下の範囲であれば、エステル系溶剤に対する耐溶剤性あるいはオフセット印刷で用いられる炭化水素系溶剤を含有するインキに対する耐溶剤性を十分に確保でき、クッション層としての機械的強度を確保することができる。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。該誘導体の例としては、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基などを有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格などを有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)は、1種若しくは2種以上のものを選択できる。印刷インキの溶剤であるアルコール、エステル、脂肪族炭化水素等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物より得られるクッション層の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明の感光性樹脂組成物は、光の照射により架橋してクッション層の一部としての物性を発現させるが、その際に光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良くクッション層を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤(d)として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤(d)として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。
芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。
アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、退候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。
ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。
アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(1)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2006248190

(1)
(式中、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明で用いる円筒状支持体は、剛直性支持体であっても可撓性支持体であっても構わない。本発明で用いる円筒状支持体の役割は、クッション層および印刷原版の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択することが好ましい。線熱膨張係数を用いて評価すると、好ましい材料の上限値は100ppm/℃以下、更に好ましくは70ppm/℃以下である。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。本発明の方法により製造された円筒状クッション層上に、表面に凹凸パターンを形成していないシート状印刷原版、あるいはパターンが形成されたシート状印刷版等を積層することができる。また、表面に凹凸パターンを形成する方法として、露光マスクを通して露光し、未硬化部を現像し除去する写真製版技術を用いる方法、あるいは樹脂表面にレーザー光を照射し、照射された部分の樹脂が除去されることにより凹凸パターンが形成されるレーザー彫刻法等を用いることができる。写真製版技術を用いる場合、パターンを形成していないシート状印刷原版を用いて円筒状に巻き付け積層するため、20℃において固体状の熱可塑性感光性樹脂を用いることが好ましい。この場合、円筒状の印刷原版を露光、現像しパターンを形成できる装置が必要となる。また、パターンが形成されたシート状印刷版を積層する場合には、光硬化によるパターン形成工程を経ているので、20℃において液状の感光性樹脂を用いて作製された状印刷版、あるいは20℃において固体状の熱可塑性感光性樹脂を用いて作製されたシート状印刷版であっても構わない。
また、レーザー彫刻法を用いる場合、シート状に成形された印刷原版あるいは印刷版を、円筒状に積層することができる。更に、円筒状に成形されたクッションテープ上に、20℃において液状の感光性樹脂を塗布し、光硬化させて円筒状に成形された印刷原版を用いることもできる。シート状に成形された印刷原版としては、感光性樹脂を光硬化させて形成したシートあるいはゴム系材料をシート状に成形したものであっても構わない。特開2004−148587号公報に記載のある印刷原版を用いることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(2)数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
円筒状クッション層の凹部を充填するために用いる樹脂として、下記製造例1で樹脂(ア)を製造した。
(製造例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた3Lのセパラブルフラスコに旭化成ケミカルズ株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)1040.50gとトリレンジイソシアナート78.22gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート21.36gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約11000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが0.7から0.9ppmの範囲、1.1から1.9ppmの範囲、4.0から4.3ppmの範囲、4.5から5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(ア)が有する全水素原子に対する存在比は、44%であった。
(実施例1)
(クッション層充填用感光性樹脂組成物の作成)
前記の製造例1で得られた樹脂(ア)100重量部に対し、重合性モノマーとしてフェノキシエチルアクリレート49重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1重量部と、その他添加剤として3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β-(3−t-ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−プロオキシ)エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン1.5重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(イ)を作成した。
(円筒状クッション層の形成)
内径152.905mm、幅1000mm、厚さ1.45mmのガラス繊維強化プラスチック製の円筒状支持体上に、厚み0.55mmの発泡ポリエチレンから形成された両面に粘着剤層の付いたクッションテープを気泡が入らないように、粘着剤層が円筒状支持体表面に接着するように慎重に被覆し、円筒状支持体上にクッション層を形成した。円筒状支持体上に貼り付けられたクッションテープの両端部の接合部位には、幅1mmの凹部からなる継ぎ目が存在した。得られた感光性樹脂組成物(イ)を5mlのシリンジを用いて該凹部に注入し、充填後の高さがクッション層よりも低くなるようにヘラを用いて光硬化の前に調整した。
感光性樹脂組成物(イ)を充填した円筒状支持体ににメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)の紫外線を4000mJ/cm(UVメーターとUV−35−APRフィルターを用いて積算したエネルギー量)照射し、円筒状クッション層作製した。
液状感光性樹脂組成物(イ)の20℃における粘度は、15000Pa・sであった。
また、用いたクッション層のASKER-C硬度は73、光硬化後の感光性樹脂組成物(イ)のASKER-C硬度は63であった。
液状感光性樹脂組成物の充填から光硬化まで、5分間以内に完了した。
(円筒状印刷基材の形成と印刷性評価試験)
上記のようにして得られた円筒状クッション層の上に、レーザー彫刻可能な液状感光性樹脂組成物をドクターブレードで塗工し、メタルハライドランプの光を照射し、光硬化させた。液状感光性樹脂組成物の光硬化物層の厚さは、約2mmあったため、グラインダーを用いて表面を荒削りし、更に表面に微細な砥石を有するフィルムを用いて精密研磨して、継ぎ目のない厚さ1.14mmのレーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層を得た。切削、研磨の工程においても、接合部位が剥がれることはなかった。
得られた円筒状印刷基材を、エアーシリンダーに装着し、炭酸ガスレーザー彫刻機(英国、ZED社製、商標「ZED−mini−1000」)を用いてレーザー彫刻した。エアーシリンダーを周速度が毎分270mで回転し、レーザー彫刻したが、エアーシリンダーの回転は極めて安定しており、クッション層凹部からシート状印刷原版が外れることもなくレーザー彫刻し、印刷原版表面に凹凸パターンを形成することができた。
得られた円筒状印刷機材の一部を、印刷性評価試験としてフレキソ印刷機(英国、KR社製、商標「FLEXIPROOF100」)で印刷を行ったところ、クッション層の凹部周辺の網点は、クッション層の平面状とと比較して均一なものとなった。反射濃度計(スイス国、Gretag−Macbeth AG社製、商標「GRETAG D19C」)で凹部とその周辺の反射濃度を測定したところ、反射濃度の差は0.02であり、網点を均一に再現することができた。
印刷性評価試験においては凹部とその周辺の反射濃度の差が0.03以下であれば、網点は均一となり連続図柄に適する。
(実施例2)
感光性樹脂組成物(イ)100重量部に対して既膨張マイクロカプセル(松本油脂製薬株式会社製、商標マツモトマイクロスフェアーMFL−100CA)を10重量部を混合し、樹脂組成物(ウ)を得た。該樹脂を用いて実施例1と同様の方法で凹部を充填し、印刷原版を作成し印刷適正評価を行った。凹部とその周辺の反射濃度を測定したところ、反射濃度の差は僅かに0.01であり、網点は均一に再現することができた。
(比較例1)
円筒状支持体上に貼り付けるシート状クッション層の両端部の接合部位に発生する凹部を充填せずに、上記方法で印刷原版の作成、印刷性評価試験を行ったところ、凹部周辺の反射濃度の差は0.08となり、凹部上の網点は周辺と比較して均一とならなかった。
本発明は、フレキソ印刷等の印刷分野において使用される円筒状クッション層を簡便に作製するための方法として好適に利用できる。

Claims (13)

  1. 円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付け、円筒状クッション層を製造する方法であって、該シート状クッションテープを円筒状支持体上にシート両端部が重ならないように巻きつけた際に該シート両端部の接合部位に存在する凹部に、感光性樹脂組成物を充填する工程、該感光性樹脂組成物に高エネルギー活性線を照射し硬化させる工程を含むことを特徴とする印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  2. 感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物のASKER−C硬度が、クッション層と同じ厚みにおいて、クッション層のASKER−C硬度の±20度の範囲に入ることを特徴とする請求項1に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  3. 高エネルギー活性線が、波長200nmから400nmの紫外線を含み、高エネルギー活性線の照射が大気中で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  4. 感光性樹脂組成物が、20℃において液状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  5. 感光性樹脂組成物の20℃における粘度が、10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とする請求項4に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  6. 感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物中に気泡を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  7. 感光性樹脂硬化物中に形成させる気泡が、連続気泡または独立気泡であることを特徴とする請求項6に記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  8. 円筒状支持体上にシート状クッションテープを貼り付ける工程において、更に該円筒状支持体上に接着剤層を形成する工程を含むか、あるいはシート状クッションテープがクッション層の片面あるいは両面に接着剤層を有し、円筒状支持体上に接着剤層が存在する面の側から該クッションテープを巻きつけると同時に、該円筒状支持体上に接着固定する工程を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  9. 感光性樹脂組成物を充填後に厚みを調整する工程、あるいは該感光性樹脂組成物を硬化させた後に得られた感光性樹脂硬化物の厚みを調整する工程を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  10. シート状クッションテープを円筒状支持体上に巻きつけた際にシート両端部の接合部位に発生する凹部に充填する感光性樹脂組成物が、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/または飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有し、更に、前記樹脂(a)が、H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが0.7から0.9ppmの範囲、1.1から1.9ppmの範囲、4.0から4.3ppmの範囲、4.5から5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子を、樹脂(a)が有する全水素原子の20%以上99%以下の存在比で含有していることを特徴とするクッション層充填用感光性樹脂組成物である請求項1から9のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の印刷基材用円筒状クッション層の製造方法から得られる円筒状クッション層構成体。
  12. シート状クッションテープを円筒状支持体上に巻きつけた際にシート両端部の接合部位に発生する凹部に充填する感光性樹脂組成物が、カーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、ウレア結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか、および/または飽和炭化水素鎖、不飽和炭化水素鎖から選ばれる少なくとも1種類の分子鎖を有し、かつウレタン結合を有する数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)、重合性不飽和基を有し、かつ数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)、光重合開始剤(c)を含有し、20℃における粘度が10Pa・s以上50kPa・s以下であることを特徴とするクッション層充填用感光性樹脂組成物。
  13. 感光性樹脂組成物が、更に有機系微粒子、無機系微粒子、有機無機複合微粒子から選ばれる少なくとも1種類の微粒子を含有することを特徴とする請求項12に記載のクッション層充填用感光性樹脂組成物。
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