JP2008265253A - 印刷用中空芯材及び該芯材を含む印刷基材 - Google Patents

印刷用中空芯材及び該芯材を含む印刷基材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高強度で、厚み精度および寸法精度が高く、短時間に作成できる印刷用中空芯材または中空円筒状印刷基材の提供することを目的とする。
【解決手段】短繊維を含む印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)であって、前記短繊維が、そのアスペクト比が5以上5000以下であり、20℃において液状であって、20℃における粘度が0.1Pa・s以上50kPa・s以下である感光性樹脂組成物(A1)を開示する。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷中に印刷版の下部に配置されて使用される印刷用中空芯材または該芯材を含む印刷基材に関する。
印刷分野においては、印刷機の版胴上にシート状印刷基材を貼り付けて印刷する方法、印刷機の版胴上にシート状印刷基材をクランプなどで固定する方法、印刷機の版胴に中空円筒状印刷基材を挿入し印刷する方法が一般的に実施されている。
特に、フレキソ印刷分野においては、シート状印刷基材を用いて多色印刷を行う場合には、版胴上若しくは円筒状印刷基材上の正確な位置にシート状印刷基材を固定する必要がある。特に、版胴上にシート状印刷基材を貼りこんでから印刷後にシート状印刷基材を貼りなおすためには、印刷機から金属製の版胴を取り外す必要があり、作業性が低下することになる。一方で、円筒状印刷基材を用いる場合は、印刷機への印刷基材の脱着が中空円筒状の印刷基材のみで行われるために、版材の位置合わせの精度が高く、しかも軽量で作業性が良い。このため、中空円筒状印刷基材の需要が高まってきている。
近年、剛直あるいはフレキシブルな円筒状支持体上に版を貼り込み、貼り込んだものを版胴に挿入する方法、更に円筒状支持体上にパターン形成可能な樹脂版を形成した円筒状印刷原版を形成し、その後表面にパターンを形成して版胴に挿入する方法が取られるようになってきた。また、円筒状支持体上に貼り込んだシート状の版による継ぎ目のある図柄のみでなく、円筒状支持体の全周を印刷図柄に用いる連続図柄のデザインが増えてきている。また、表面に凹凸パターンを形成する方法として、写真製版技術を用いて露光、現像工程を経てパターンを形成する技術があるが、最近ではレーザービームで直接印刷原版を彫るレーザー彫刻法が注目されている。
しかし、多くの中空円筒状印刷基材に用いられる印刷芯材は、熱硬化樹脂により作成されており、樹脂の硬化のためにはオートクレーブなどの大型設備が必要である。また、樹脂の硬化のために数時間を要することから生産性が低く、短時間での中空円筒状の印刷基材作成は困難である。一方で、感光性樹脂を用いる中空円筒状印刷芯材においても、織布や不職布などを金属ロール上に巻きつける手作業の工程があり、樹脂の硬化時間は短縮化されるが生産性が向上しない。
特許文献1には、可撓性印刷プレートを支持するためのスリーブ(中空円筒状芯材)をポリエステルフィルムと熱可塑性樹脂を用いて形成する記載がある。しかし、ポリエステルフィルムをらせん状に巻きさらに接着剤層を含む複雑な工程であり、短時間での中空円筒状芯材の作成は困難である。
特許文献2には、感光性樹脂ではない合成樹脂を繊維で補強した円筒状芯材を用いる記載があるが、感光性樹脂を用いる記載もなく、有機系短繊維を使用する記載もない。
特許文献3には、繊維状物に感光性樹脂を含浸させ、光硬化によりパイプ等の任意の形状の構造物を得ることが記載されている。しかし、この構造物を印刷用芯材として使用することの記載はなく、また有機系短繊維を用いる記載もない。
特許文献4には、短繊維が三次元的にランダム配向されたボイドの少ない高繊維体積含有率の成形物の製造方法の記載がある。しかし、この成形物に感光性樹脂を使用する記載はない。
特許文献5には、円筒、角材等の紙筒をコア材とし、その外周に、予め合成樹脂を含浸させた強化用繊維の織布若しくは不織布を巻き付け、合成樹脂を硬化させた後、紙筒を破壊して繊維強化プラスチック管材を製造する方法が記載されている。しかし短繊維を使用する記載はなく、また感光性樹脂を使用する記載もない。
特許3391794号公報 特表平7−506780号公報 特表平5−505352号公報 特開昭63−247013号公報 特願平4−135736号公報
かかる事情に鑑み、本発明は、高強度で、厚み精度および寸法精度が高く、短時間に作成できる印刷用中空芯材または中空円筒状印刷基材の提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、短繊維を含む印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)を用いることで、該課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
なお、本発明で用いる用語「短繊維」とは、短い繊維の集まりによって形成された糸を意味し、ある長さに切断されてから用いられる不連続な繊維を意味する。形状の例としては糸状、綿状、粉末状のものが挙げられる。短繊維に対して長繊維はフィラメント、ヤーン、紡績糸のような連続繊維を意味する。
すなわち、本発明は、感光性樹脂組成物(A1)を光硬化して得られる感光性樹脂硬化物(α1)を含む印刷用中空芯材であって、該感光性樹脂硬化物層(α1)がアスペクト比5以上5000以下の有機系短繊維を含む印刷用中空芯材である。本発明で用いる用語「アスペクト比(L/D)」とは、短繊維の平均長さ(L)と短繊維の繊維径の比(D)を表す。JIS−H7402によると繊維の長さは、繊維の投影輪郭形状の外周上の最大2点間距離のを表し、繊維径は繊維長さの中点を通り、繊維長さの方向に直角な線が繊維の投影輪郭を横切る長さを表す。
印刷用中空芯材の役割は印刷版の寸法安定性を保つことであるから、その材料には通常は織布、不織布、金属などが用いられている。これらの材料は寸法安定性に優れているが、加工を行う際に目的の大きさへ切り出し、円筒状に巻きつける工程が必要である。そのためオペレーターによる手作業などにより人為的な誤差が生じたり、また生産性も低くなる問題がある。
一方で、寸法安定性を保つ前記補強材料を含まない樹脂を用いた印刷用中空芯材では、ヒビ、キズなどが入ると簡単に破損してしまい、元の寸法を保つことができない。
そこで、本発明者が、寸法安定性の高い材料について検討したところ、有機系短繊維を用いた複合材料が、印刷用中空芯材として用いることができることを発見した。さらに、感光性樹脂を用いることによって有機系短繊維は硬化した感光性樹脂中に固定され、印刷基材に適する複合材料を短時間で作成できることを見出した。
本発明によれば、高強度で、厚み精度および寸法精度の高い印刷用中空芯材及び該芯材を含む中空円筒状印刷基材を短時間で作成することができる。
以下、本願発明について具体的に説明する。
以下の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明はその要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明において、印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)は短繊維を含む。本発明では、短繊維を含むことにより複合材料が強化されることの支配的要因は明らかではないが、強化機構の要因として繊維と樹脂との密着力、繊維どうしの絡み合い、繊維の配向方向、繊維の強度、繊維の靭性などが推定される。なお、本発明において繊維とは、糸状のものを指し、細い糸を束ねたり縒ったりしたものを含む。
本発明において、印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)に含まれる短繊維は、そのアスペクト比が、5以上5000以下である。より好ましくは10以上1000以下、さらに好ましくは50以上600以下である。短繊維のアスペクト比が5000を超える大きさになると感光性樹脂と混合する際に有機系短繊維どうしが絡み合い取り扱い性が低下し、円筒状に加工するのが困難となる可能性がある。また、有機系短繊維のアスペクト比が5以下となると感光性樹脂硬化物(α1)への有機系短繊維の埋め込み長が短くなるため、印刷用中空芯材の強度が不足する可能性がある
本発明において、アスペクト比5以上5000以下の短繊維を含む印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)が、光硬化により感光性樹脂硬化物(α1)として印刷用中空円筒状芯材となることが好ましい。従来の熱硬化などによる印刷用中空芯材の作成には、大型のオートクレーブなどのインフラ設備を要し、また硬化時間も数時間必要であった。しかし、感光性樹脂硬化物で印刷用中空芯材を作成することで該芯材を数分のうちに塗工、硬化まで完了することが可能となる。また、該芯材は印刷用中空芯材として用いるのに十分な強度を有する。
本発明で用いる短繊維の平均長さが0.1mm以上50mm以下であることが好ましい。好ましくは0.2mm以上40mm以下、より好ましくは0.3mm以上30mm以下である。有機系短繊維の平均径0.1μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましくは1μm以上400μm以下、さらに好ましくは5μm以上300μm以下である。短繊維の平均長さが0.1mm以上50mm以下および平均径0.1μm以上500μm以下の範囲であれば、印刷用中空芯材の強度を保つことができ、また感光性樹脂組成物(A)と混合したときの取り扱い性にも優れる。
ここで、短繊維の平均長さとは、長径の値の平均値をいう。平均長さの測定方法としては、例えば、顕微鏡の視野に少なくとも50本程度の短繊維が入るように倍率を調整し、該微粒子の長径を測長する。測長機能を有する顕微鏡を用いることが好ましいが、カメラを用いて撮影した写真を基に寸法を測ってもよい。短繊維の平均径についても同様の測定方法が適用できる。短繊維の形態として、チョップドストランド、ステープルファイバー、カットファイバー、パルプ、撚糸、紡績糸、捲縮糸などが挙げられる。
本発明で用いる有機系化合物から形成された短繊維としては、特に限定するものではないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリフェニレンエーテル繊維、ポリビニルアルコール繊維、フェノール繊維、フッ素樹脂繊維、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ビニリデン繊維、ポリ−p−フェニレンビスオキサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリクラール繊維、ポリケトン繊維、合成パルプ繊維などが挙げられる。また、天然有機系化合物から形成された短繊維としては、靭皮繊維、葉脈繊維、セルロースなどの植物系繊維などが好ましい例として挙げられる。
有機系短繊維の含有量は、感光性樹脂組成物(A1)100重量部に対し、0.1重量部以上100重量部以下、好ましくは0.2重量部以上90重量部以下、より好ましくは0.2重量部以上80重量部以下である。この範囲であれば印刷用中空芯材として使用する強度を保つことができる。
これらの有機系短繊維はカットされた形態で使用されるが、取り扱い性を容易にするために有機系短繊維が澱粉、植物オイル、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などにより集束されていても構わない。また、有機系短繊維と感光性樹脂硬化物(α1)の密着力を改善するために、有機系短繊維の表面にシランカップリング剤や公知の表面処理が行われていても構わない。有機系短繊維の断面形状は特に制限はないが、円形、楕円形、多角形、中空などが例として挙げられる。また、本発明においてはこれらの有機系短繊維を1種類以上含むことができる。
本発明の印刷用中空芯材に用いる感光性樹脂組成物(A1)としては、特に、20℃で液状であるものが好ましい。ここでいう液状樹脂とは、容易に流動変動し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときにその外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには短時間に元の形状に回復する性質を有する、エラストマーに対応する用語である。感光性樹脂組成物(A1)が液状であると、円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができるため好ましい。本発明において感光性樹脂組成物(A)は、20℃における粘度が0.1Pa・s以上50kPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは0.2Pa・s以上20kPa・s以下であり、さらに好ましくは、0.3Pa・s以上8kPa・s以下である。感光性樹脂組成物(A)の粘度が0.3Pa・s以上であれば、これにより作製されるクッションの機械的強度が十分であり、印刷用中空円筒状芯材に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。一方、粘度が50kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易で、シート状あるいは円筒状である、後述するクッション層に成形し易く、プロセスも簡便である。
特にシリンダー上などの上に感光性樹脂組成物(A)を塗布して印刷用中空円筒状芯材を形成する場合には、版厚精度の高い印刷用クッションを得るために重力により液ダレ等の現象を起こさないように、感光性樹脂組成物(A)の20℃における粘度は、0.1Pa・s以上であることが好ましく、より好ましくは0.2Pa・s以上、さらに好ましくは0.3Pa・s以上である。
また、本発明に用いる感光性樹脂組成物(A)が、20℃において液状である場合、チキソトロピー性を有することが好ましい。特に中空円筒状芯材を形成する際に、重力により液ダレを起こすことなく、所定の厚さを保持できるからである。チキソトロピー性向上、軽量化、強度向上、製造コスト削減のためにフィラーを添加することも構わない。
本発明に用いる感光性樹脂組成物(A1)は、特定の樹脂(a)と、有機化合物(b)と、光重合開始剤(c)を含むことが好ましい。
本発明に用いる樹脂(a)は、分子内にカーボネート結合、ウレタン結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有する。前記結合を有する化合物の場合、フレキソ印刷で用いられるエステル系溶剤を含有するインキ洗浄剤、炭化水素系溶剤を含有するインキ洗浄剤に対する耐性を確保できる。また、本発明に用いる樹脂(a)の数平均分子量は、1000以上30万以下である。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上10万以下、より好ましい範囲は5000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して製造するクッションが強度を保ち、このクッション上に印刷を形成し、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物(A1)の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、印刷用中空円筒状芯材を作製することができる。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
さらに、本発明の樹脂(a)は、分子内に重合性不飽和基を有していることが好ましい。本発明で用いる「重合性不飽和基」とは、ラジカル又は付加重合反応に関与する重合性官能基である。特に好ましい樹脂(a)として、1分子あたり平均で0.3以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1分子あたり平均で0.3以上であれば、本発明の感光性樹脂組成物(A1)より得られるクッションは、機械強度に優れる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えられるのものとなる。クッションの機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.5以上がより好ましく、0.7を越える量がさらに好ましい。本発明に用いる樹脂(a)において、重合性不飽和基の位置は、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接結合していることが好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
本発明に用いる樹脂(a)を製造する方法としては、例えば、直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いてもよいが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる官能基を複数有する結合剤(例えば、水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する官能基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適に挙げられる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子中に存在する脂肪族炭化水素鎖あるいは脂肪族不飽和炭化水素鎖の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、部分水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、部分水添ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の分子構造を有する化合物を挙げることができる。このような分子構造を主鎖に有し、両末端が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する化合物を出発原料として、前記官能基と反応する官能基を有する化合物とを縮合反応させることにより、さらに高分子量化させたポリマーを形成することができる。また、前記官能基を、末端に重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中に存在するカーボネート結合を有する化合物として、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオールを挙げることができる。また、芳香族系分子構造を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いても構わない。末端の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、あるいはトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより、さらに高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはイソシアネート基を、重合性不飽和基を導入するために使用することもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中に存在するエステル結合を有する化合物として、アジピン酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼラン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピコナール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等の分子内に2個以上の水酸基を有する化合物とを縮合反応させて得られるポリエステル類、ポリカプロラクトン等のポリエステル類を挙げることができる。末端の水酸基あるいはカルボキシル基にジイソシアネート化合物を縮合反応させることにより更に高分子量化させることもできる。また、末端の水酸基あるいはカルボキシル基を、重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中に存在するウレア骨格を有する化合物として、尿素とホルムアルデヒドとの縮合反応物を挙げることができる。末端に形成されるアミノ基と反応する官能基を有する化合物とを、更に縮合させることもできる。
本発明に用いる樹脂(a)の分子鎖中に存在するアミド結合を有する化合物として、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との縮合反応物を挙げることができる。ジアミン化合物として、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等の脂肪族ジアミン化合物、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン化合物等を挙げることができる。また、ジカルボン酸化合物として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸化合物、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸化合物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物等を挙げることができる。
また、重合性不飽和基を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を用いることもできる。高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。さらに、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
特に、印刷用中空円筒状芯材としては、樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが特に好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン等の炭化水素鎖を有する化合物、アジペート、ポリカプロラクトン等のエステル結合を有するポリエステル化合物、脂肪族ポリカーボネート構造を有する化合物、ポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物等を挙げられる。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が特に好ましい。ここでいう液状樹脂とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する用語である。
本発明に用いる有機化合物(b)は、数平均分子量が100以上1000未満の重合性不飽和基を有した化合物である。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000未満が好ましい。重合性不飽和基の定義は、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性官能基である。本発明に用いる有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。該誘導体の例としては、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基などを有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格などを有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応に寄与する化合物として、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等を有する化合物等を挙げることができる。付加重合反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)は、1種若しくは2種以上のものを選択できる。印刷インキの溶剤であるアルコール、エステル、脂肪族炭化水素等の有機溶剤に対する膨潤を抑制するために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物(A1)より得られる印刷用中空芯材の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては、脂環族又は芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)は、感光性樹脂組成物(A1)全体量の20wt%以上であることが好ましく、より好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明に係る感光性樹脂組成物(A1)を光硬化させて印刷用中空芯材としての物性を発現させるが、その際に光重合開始剤(c)を添加することができる。本発明に用いる光重合開始剤(c)は、一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の光重合開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤(c)を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の感光性樹脂組成物(A1)の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷用中空芯材を生産できる方法として有用であり、その際に用いる光重合開始剤(c)も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤(c)の具体例としては、水素引き抜き型光重合開始剤と崩壊型光重合開始剤が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本発明で用いる水素引き抜き型光重合開始剤として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化合物であれば何でも構わない。芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とは、ミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とは、キサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体を指し、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とは、アントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物(A1)全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、耐候性を確保することができる。
崩壊型光重合開始剤とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤の添加量は、本発明に係る感光性樹脂組成物(A1)全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物(A1)を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤(c)として用いることもできる。具体的には、α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記式(1)で示される化合物を挙げることができる。
式(1)
Figure 2008265253
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物(A1)全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物(A1)を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
また、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤(c)を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤(c)の添加量は、感光性樹脂組成物(A1)全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物(A1)における樹脂(a)、有機化合物(b)の割合は、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜300重量部が好ましく、20〜200重量部の範囲がより好ましい。有機化合物(b)の割合が、上記の範囲の場合、得られるクッションの硬度と引張強伸度のバランスが取りやすく、光硬化の際の収縮が小さい範囲に収まり、高い厚み精度を確保することができる。
本発明に用いる樹脂(a)が、20℃において液状樹脂である場合は、感光性樹脂組成物(A1)も20℃において液状である。感光性樹脂組成物(A1)を円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる本発明の感光性樹脂組成物(A1)は、20℃における粘度が0.1Pa・s以上50kPa・s以下であり、好ましくは0.2Pa・s以上20kPa・s以下であり、より好ましくは、0.3Pa・s以上8kPa・s以下である。粘度が0.1Pa・s以上であれば、作製されるクッションの機械的強度が十分であり、円筒状クッションに成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が50kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易である。特に、印刷用中空円筒状芯材としては、樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を用いることが特に好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン等の炭化水素鎖を有する化合物、アジペート、ポリカプロラクトン等のエステル結合を有するポリエステル化合物、脂肪族ポリカーボネート構造を有する化合物、ポリジメチルシロキサン骨格を有する化合物等を挙げられる。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が特に好ましい。
本発明において、印刷用中空円筒状芯材に用いる感光性樹脂組成物(A1)は、平均径0.1μm以上100μm以下の微粒子を含むことができる。微粒子には有機系微粒子および無機系微粒子が含まれる。微粒子の添加により、印刷中の振動の吸収や機械的物性の強化といった効果が考えられる。
本発明で用いる有機系微粒子または無機系微粒子は、それぞれ有機化合物または無機化合物から形成された微粒子である。有機微粒子については、内部が中空のカプセル状微粒子、中空でないポリマー微粒子、内部に微細な気泡を含む微粒子、多孔質微粒子などが例として挙げられる。好ましい例としてゴムパウダー、ハロゲン化樹脂が挙げられる。具体的な例としては、シリコーン複合パウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー、軟質フッ素樹脂、軟質塩化ビニル、ポリ四フッ化エチレン、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらの粒子は樹脂との親和性を改良するために表面処理してあっても構わない。
本発明で用いる無機微粒子については特に限定するものではないが、アルカリ土類元素、珪素、アルミニウムなどを含む粒子が例として挙げられる。具体的な例として、ガラス微小中空体、コロイダル炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、超微粒子炭酸カルシウム、表面処理超微粒子炭酸カルシウム、ゼオライト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、マイカ、グラスファイバー、ガラスビーズ、クレイ、寒水石、水酸化マグネシウム、などが挙げられる。これらの粒子は樹脂との親和性を改良するために表面処理してあっても構わない。
また、有機系微粒子、無機系微粒子の添加量は、印刷用クッションのクッション性が印刷品質を低下させない限り特に制限はない。
前述のように、本発明に係る印刷用中空芯材は、前述のように調整された感光性樹脂組成物(A1)を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物(α1)を含む。前記調製された感光性樹脂組成物(A1)の光硬化に用いる光源は、200nm以上450nm以下の光を含む光線を発生するものであることが好ましい。光源は特に限定するものではないが、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアークランプ、ケミカルランプ、殺菌灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などを挙げることができる。光照射は各感光性樹脂組成物の塗布と同時に実施することもでき、また塗布後に光照射しても構わない。
本発明において、印刷用中空芯材に用いる感光性樹脂組成物(A1)の硬化物の硬度は、好ましくはShoreD硬度が5以上100以下、より好ましくは20以上100以下、さらに好ましくは30以上100以下である。ShoreD硬度が5以上100以下であれば、印刷時の厚み方向の寸法安定性を十分に確保でき、金属製シリンダーとの着脱を行う際にも変形が少ない。
光照射により得られた感光性樹脂硬化物の厚さの調整は、旋盤のバイト等の刃物を用いて切削する方法、回転する研磨ホイールで切削する方法、研磨布を用いて研磨する方法を組み合わせて実施することができる。もちろん、印刷用中空芯材の長軸を固定し周方向に回転させながら処理することもできる。
本発明の印刷基材は、本発明の印刷用中空芯材上に、パターン形成可能な樹脂層を含む印刷原版、若しくはパターン形成された樹脂層を含む印刷版を備える。かかる印刷原版及び印刷版を、本発明の印刷用中空芯材に積層する方法は、特に限定されるものではないが、
印刷用中空芯材上に、印刷原版層を形成する樹脂を直接塗布する方法、シート状の印刷原版又は印刷版を接着剤層もしくは粘着剤層を介して貼り付ける方法を挙げることができる。
本発明の印刷用中空芯材上に、印刷原版を積層することにより、印刷原版とすることもできる。印刷原版の表面には凹凸パターンが形成され、これにより印刷版とすることができる。パターンの形成方法としては、特に限定はないが、例えば、印刷原版の樹脂層としてアナログ製版用感光性樹脂組成物層を用いて遮光性パターンを有するネガフィルムを通して露光・現像工程を経る写真製版技術、印刷原版の樹脂層としてデジタル製版用感光性樹脂組成物層を用い、カーボンブラックなどの黒色顔料を含む薄い層をレーザー描画機を用いて描画し、露光・現像工程を経るCTP製版技術(Computer−to−plate)、印刷原版の樹脂層として熱現像用感光性樹脂組成物層を用い、これをレーザー描画機又は写真製版技術にて露光し、熱現像製版技術を用いてパターン化する方法、又は、印刷原版の樹脂層として樹脂硬化物層を用い、これにレーザー光を照射して樹脂を直接除去するレーザー彫刻法を挙げることができる。中でも特にレーザー彫刻法は、未硬化樹脂を熱や溶剤などで除去する現像工程を必要としないので、極めて簡便な方法である。
また、レーザー彫刻印刷原版の場合、印刷原版の樹脂層の材料としては、架橋天然ゴム、架橋合成ゴム、熱硬化性樹脂硬化物、感光性樹脂硬化物等を用いることができる。その中でも、感光性樹脂硬化物が好ましく、このような印刷原版の樹脂層は、後述する印刷用クッション上に印刷原版用の感光性樹脂組成物(A3)を積層した後、全面に光を照射して硬化させて、感光性樹脂硬化物層を形成することが、印刷品質の確保あるいは成形性確保の観点から、特に好ましい。
本発明の印刷用中空印刷芯材の上に形成する印刷版の樹脂層や印刷原版の樹脂層の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、0.1〜7mmが好ましい。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。例えば、レーザー彫刻印刷原版の場合、最表面にYAGレーザー、ファイバーレーザーあるいは半導体レーザー等の近赤外線領域に発振波長を有するレーザーを用いて彫刻することができる層を形成し、その層の下に炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザーあるいは可視・紫外線レーザーを用いてレーザー彫刻できる層を形成することも可能である。このような積層構造を形成することにより、極めて出力の高い炭酸ガスレーザーを用いて比較的粗いパターンを深く彫刻し、表面近傍の極めて精細なパターンをYAGレーザー、ファイバーレーザー等の近赤外線レーザーを用いて彫刻することが可能となる。極めて精細なパターンは比較的浅く彫刻できればよいので、該近赤外線レーザーに感度のある層の厚さは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲が好ましい。このように近赤外線レーザーに感度のある層と赤外線レーザーに感度のある層を積層することにより、近赤外線レーザーを用いて彫刻されたパターンの深さを正確に制御できる。これは、赤外線レーザーに感度のある層を、近赤外線レーザーでは彫刻することが困難である現象を利用しているからである。彫刻可能なパターンの精細さの違いは、レーザー装置固有の発振波長の違い、すなわち絞れるレーザービーム径の違いに起因する。このような方法でレーザー彫刻する場合、赤外線レーザーと近赤外線レーザーを搭載した別々のレーザー彫刻装置を用いて彫刻することもでき、また、赤外線レーザーと近赤外線レーザーの両方を搭載したレーザー彫刻装置を用いて行うことも可能である。
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成することができる。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザー等の赤外線あるいは赤外線放出固体レーザーが好ましいものの一つである。また、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザーは、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。一般に、樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではないが、YAGレーザーは1.06μm近傍の波長であり、この波長の吸収を有するものはあまりない。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が好ましい。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物及び金属含有フタロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム染料、カルコゲノピリロアリリデン染料、クロロニウム染料、金属チオレート染料、ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料、オキシインドリジン染料、ビス(アミノアリール)ポリメチン染料、メロシアニン染料及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化銅、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉及びこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよいし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせてもよい。ただし、光を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる系の場合、硬化に使用する光の波長における光吸収が大きな有機/無機化合物の添加量は、光硬化性に支障のない範囲にすることが好ましく、感光性樹脂組成物全体量に対する添加比率は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。
レーザーによる彫刻は、酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば、溶剤や界面活性剤の入った水等で洗い取る方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去してもよい。
レーザー彫刻により凹凸パターンを形成した後に、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は、大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。さらに、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
本発明では印刷版の周長に応じて、本発明の印刷用中空芯材と、パターン形成可能な樹脂層を含む印刷原版若しくはパターン形成された樹脂層を含む印刷版と、の間に周長調整層を設けることができる。印刷版の周長は作成する印刷物により千差万別である。従来周長を調整するには、円筒状芯材上に硬質ゴムを巻き、加硫架橋、表面研磨、架橋安定化工程を経て、相当な時間をかけて層を作成する方法が一般的であった。あるいは、周長に合わせた非常に多くの種類の中空円筒状芯材を準備、保管しておく必要があった。また、周長調整層の材質は特に限定するものではないが、一般的に硬化時間が短いため感光性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。その硬化物の硬度は、好ましくはShoreD硬度が5以上100以下、より好ましくは20以上100以下、さらに好ましくは30以上100以下である。ShoreD硬度が5以上100以下であれば、印刷時の厚み方向の寸法安定性を十分に確保できる。
周長調整層を構成する感光性樹脂組成物としては、20℃において固体状の感光性樹脂組成物であっても、液状の感光性樹脂組成物であってもよいが、周長調整層の厚さを任意に変えられる観点から、液状の感光性樹脂組成物が特に好ましい。液状感光性樹脂組成物中に溶剤が含まれていても構わないが、溶剤の除去工程が必要となるため、無溶剤型の液状感光性樹脂組成物がより好ましい。液状感光性樹脂組成物の好ましい粘度は20℃において0.1Pa・s以上10kPa・s以下、より好ましくは0.2Pa・s以上10kPa・s以下、0.3Pa・s以上10kPa・s以下である。周長を調整する場合は厚膜を形成する場合が多く、このためには重力による液ダレなどで厚みが変化するのを避けるため、前記のような粘度の範囲が好ましい。また、成形する膜厚が非常に薄い場合には、粘度を低く抑えることが好ましい。粘度を低くする方法としては、溶剤を添加する方法も簡便な方法として用いることができる。
周長調整層を形成する方法は、印刷用中空芯材上に、前記感光性樹脂組成物を塗布する工程、光を照射することにより光硬化させる工程、得られた感光性樹脂硬化物の厚さを調整する工程を含むことが好ましい。印刷用中空芯材上に感光性樹脂組成物を塗布する方法は特に限定するものではないが、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、リバースローラー塗工法、キスタッチ塗工法、高圧エアナイフ塗工法など、一般的に用いられている塗布方法を挙げることができる。感光性樹脂組成物の塗布している際には、印刷用中空円筒状芯材を軸の回りに回転させることが均一塗布に効果的である。また、形成された感光性樹脂層の光硬化に用いる光源は200nm以上450nm以下の光を含む光線を発生するものであることが好ましい。光源は特に限定するものではないが、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアークランプ、ケミカルランプ、殺菌灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などを挙げることができる。光照射は感光性樹脂組成物の塗布と同時に実施することもでき、また塗布後に光照射しても構わない。光照射により得られた感光性樹脂硬化物層の厚さの調整は、旋盤のバイト等の刃物を用いて切削する方法、回転する研磨ホイールで切削する方法、研磨布を用いて研磨する方法を組み合わせて実施することができる。もちろん、中空円筒状芯材の長軸を固定し周方向に回転させながら処理することもできる。
前記周長調整層は軽量化を図るために気泡を含有するさせることもできる。層中に含有する気泡は連続気泡でも構わないが、機械的強度の観点から独立気泡がより好ましい。連続気泡は、感光性樹脂組成物中に空気等の気体を混合する方法、熱又は光により窒素や二酸化炭素などの気体を発生する化合物を混合する方法等により形成できる。また、独立気泡は、中空微粒子を用いて形成することが可能である。例えば、中空ガラス微粒子、中空シリカ微粒子等の無機系中空微粒子、又はマイクロカプセル状の有機系微粒子などを挙げることができる。特に、有機系微粒子の中でも加熱することにより体積が膨張するマイクロカプセルを用いることが好ましく、より好ましくはあらかじめ加熱されて膨張したマイクロカプセルであれば、マイクロカプセルを容易に感光性樹脂組成物に混合することができる。さらに好ましくは、炭酸カルシウムなどの無機物がコーティングされたマイクロカプセルであれば、さらに取り扱いが容易になる。
本発明では、印刷品質の要求に応じて、印刷用中空芯材と、パターン形成可能な樹脂層を含む印刷原版若しくはパターン形成された樹脂層を含む印刷版と、の間にクッション層をさらに設けることができる。クッション層の材質として特に限定するものではなく、ゴム弾性を有するものであれば使用することができる。例えば、天然ゴム材料、SBR、SBS、SIS等の合成ゴム材料、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン等の軟質プラスチック材料等を挙げることができる。また、感光性樹脂組成物(A2)を光硬化させて形成したシート状エラストマーを用いることもできる。これらの材料の中でも特に、印刷用途で用いられているポリエチレン、もしくはポリウレタンを主な成分としたシート材料を例として挙げることができる。市販のフレキソ印刷用のクッションテープを使用することも簡便な方法として用いることができる。クッション層の材質は特に限定するものではないが、一般的に硬化時間が短いため感光性樹脂組成物(A2)の硬化物であることが好ましい。
クッション層を構成する感光性樹脂組成物(A2)としては、20℃において固体状の感光性樹脂組成物であっても、液状の感光性樹脂組成物であってもよいが、クッション層の厚さを任意に変えられる観点から、液状の感光性樹脂組成物が特に好ましい。なお、本発明で用いるクッション層を構成する感光性樹脂は、本発明の印刷用中空芯材に用いる感光性樹脂組成物(A1)と同様の組成であってもよい。
クッション材料は、衝撃を吸収するために一般的に内部に気泡を含有しているが、機械的強度の観点から独立気泡が好ましい。独立気泡を作成する方法の例としてマイクロカプセル状の有機系微粒子などを挙げることができる。特に、有機系微粒子の中でも加熱することにより体積が膨張するマイクロカプセルを用いることが好ましく、より好ましくはあらかじめ加熱されて膨張したマイクロカプセルであれば、マイクロカプセルを容易に感光性樹脂組成物に混合することができる。更に好ましくは、炭酸カルシウムなどの無機物がコーティングされたマイクロカプセルであれば、さらに取り扱いが容易になる。
本発明では、前記印刷基材を構成するパターン形成可能な樹脂層を含む印刷原版若しくはパターン形成された樹脂層を含む印刷版と、印刷用中空芯材との間に、さらに前述の感光性樹脂硬化物(α1)を有することができる。
また、本発明では、印刷基材においては複数層から成る印刷用中空円筒状芯材を形成することもできる。例えば、印刷用中空円筒状芯材の最外周にクッション層を用いる場合において、クッション層の表面に、前述の感光性樹脂硬化物層(α1)を有することで、比較的柔らかいクッション層を外部からの衝撃による損傷から保護することができる。また、印刷用中空円筒状芯材に、シート状のパターン形成可能な樹脂層を設ける場合に、印刷用中空円筒状芯材の最表面に感光性樹脂硬化物(α1)を設けることで、該シート状樹脂層の脱着が容易となり、印刷用中空円筒状芯材の再利用に好ましい。
また、本発明は、感光性樹脂組成物(A1)を光硬化させて成る感光性樹脂硬化物(α1)を含む印刷用中空芯材の製造方法であって、前記感光性樹脂組成物(A1)に、アスペクト比5以上5000以下の短繊維を添加して光硬化させる工程を含む印刷用中空芯材の製造方法に関する。かかる製造方法により、高強度で、厚み制度及び寸法精度が高く、短時間に作成できる印刷用中空芯材が提供される。
以下に示す本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明は以下の実施例等に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
(1)粘度の測定
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(2)樹脂(a)の数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1重量%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)レーザー彫刻
レーザー彫刻は、炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻画像は120Lines per inchで作成した。網点は1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、100%のパターンを作成した。別途、1%から99%までのグラデーションのパターンを作成した。細線は60μm幅、100μm幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅のパターンを作成した。白抜き線は60μm幅、100μm幅、150μm幅、200μm幅、250μm幅、500μm幅のパターンを作成した。白抜き線については印刷方向およびそれに垂直な方向の両方を作成した。細字は2point、3point、4point、6point、8pointを明朝体、ゴシック体で作成した。白抜き細字は2point、3point、4point、6point、8pointを明朝体、ゴシック体で作成した。また、濃度のムラを検出するために20%と30%の網点を50mm×50mmの大きさで作成した。
なお、彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部のパターンのレリーフ面の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻のレリーフ深さは0.5mmとした。
(4)印刷性評価試験
被印刷体として、重量106g/m2の「パールコート紙」(王子製紙社製、商品名)を用い、水道水でZahnカップ#4で15秒相当の粘度に希釈したシアン色の水性インキ「HW571AQPプロセスシアン」(東洋インキ社製、商品名)を用いてフレキソ印刷機(日本、伊予機械社製)で100m/分の印刷速度にて印刷を行った。アニロックスロールは線数800lpi、セルボリューム3.8cm3を用いた。
(5)曲げ弾性率試験
JISK7171に準拠して測定を行った。試験機として「テンシロンUCT−5T型」(オリエンテック社製、商品名)を用い、試験片は厚みの面内バラツキが0.02mm以内の箇所を長さ50mm、幅10mmに切り出した。曲げ様式は3点曲げ、ひずみ測定はクロスヘッド移動法、試験速度は0.5mm/分、支点半径は2で行った。支点間距離は試験片の厚みとひずみの大きさによって16mmから32mmまで変化させた。同様に、加圧クサビ半径も0.5から5.0まで変化させた。試験は23℃、湿度52%の雰囲気下で行った。測定は3回行い、平均値を求めた。
(6)引張弾性率測定試験
試験機として「テンシロンUCT−5T型」(オリエンテック社製、商品名)を用い、試験片は厚みの面内バラツキが0.02mm以内の箇所を長さ80mm、幅10mmに切り出した。試験方法はストレインゲージ法を用いて、試験片中央にゲージ「タイプKFG−2−120−C1−11L1M2R」(共和電業製、商品名)を貼り付けた。試験機の掴み具間は50mm、試験機のクロスヘッド速度は1.0mm/分であった。試験は23℃、湿度52%の雰囲気下で行った。測定は1回行った。
[製造例]
[製造例1]
(樹脂(a1)の調製)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1945、OH価57.7)455.53gとトリレンジイソシアナート28.76gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート18.25gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1.7個)である数平均分子量約7000の樹脂(a1)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(感光性樹脂組成物A1の作成)
得られた樹脂(a1)67重量部に対し、有機化合物(b)としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)を33重量部およびジメタクリル酸ジエチレングリコールを110重量部を添加した。多孔質微粒子として多孔質性微粉末シリカである、富士シリシア化学株式会社製、商標「サイロスフェアC−1504」を5重量部添加した(数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアーC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。
光重合開始剤(c)として水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノンを1.0重量部、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を1.2重量部添加した。
その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1.0重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(A1)を作成した。
感光性樹脂組成物(A1)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、いずれの系も1.5Pa・s以下であった。
[製造例2]
(樹脂(a2)の調製)
樹脂(a)として用いるために、温度計、攪拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量2063、OH価54.4)875gとトリレンジイソシアナート53.7gを加え、80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート36.9gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1.7個)である数平均分子量約8000の樹脂(a2)、を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
1H−NMR(水素原子を観測核とした核磁気共鳴スペクトル法)測定において、テトラメチルシラン(TMS)を基準とした場合に、化学シフトが1.4〜1.7ppmの範囲、4.0〜4.3ppmの範囲、4.5〜5.5ppmの範囲にピークを示す水素原子の、樹脂(a2)が有する全水素原子に対する存在比は40%であった。
(感光性樹脂組成物(A2)の調製)
樹脂(a2)50重量部に対し、有機化合物(b)としてフェノキシエチルメタクリレート25重量部、フェノキシエチルアクリレート25重量部を添加した。
光重合開始剤(c)として、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.5重量部添加した。
その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.6重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを1重量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(A2’)を作成した。
感光性樹脂組成物(A2’)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、80Pa・s以下であった。
この感光性樹脂組成物(A2’)100重量部に対し、有機系微粒子として、既に膨張させてある平均粒子径が約100μmのカプセル状微粒子(松本油脂社製、商標「MFL100CA」)16gを、遊星式混錬機を用いて混合し、印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A2)を調製した。なお、前記カプセル状微粒子は、表面に炭酸カルシウム微粒子が付着したものであり、真比重は0.134g/cm3であった。
感光性樹脂組成物(A2)は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、4000Pa・s以下であった。
[製造例3]
(樹脂(a3)の調製)
製造例1の樹脂(a1)と同様に製造し、樹脂(a3)とした。
(感光性樹脂組成物A3の作成)
得られた樹脂(a3)100重量部に対し、有機化合物(b)としてフェノキシアクリレート37重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメタクリレート12重量部を添加した。多孔質微粒子として多孔質性微粉末シリカである、富士シリシア化学株式会社製、商標「サイロスフェアC−1504」を5重量部添加した(数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアーC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。
光重合開始剤(c)として水素引き抜き型光重合開始剤であるベンゾフェノンを0.8重量部、崩壊型光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPAP)を0.9重量部添加した。
その他添加剤として3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β-(3−t-ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−プロピオキシ)エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン1.5重量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標「KF−410」)1重量部を加えて20℃で液状の印刷層製造用の感光性樹脂組成物(A3)を作成した。
感光性樹脂組成物(A3)の感光性樹脂組成物は20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、5000Pa・s以下であった。
[実施例1]
製造例1で作成した感光性樹脂組成物(A1)100重量部に、短繊維として平均長さ6mm、平均径100μm、アスペクト比60のビニロン繊維「パワロンREC100」(クラレ社製、商品名)を5重量部添加して混合し、印刷用中空芯材製造用の樹脂組成物を得た。
次いで、外径213.384mm、幅300mmのエアーシリンダーのエアー噴出口をテープでふさぎ、該エアーシリンダー表面に、離型剤として「スミコーTFPスプレー」(住鉱潤滑剤株式会社製、商品名)を塗布した。該エアーシリンダー上に印刷用中空芯材用樹脂組成物を硬化後の厚みが1.5mmとなるように調節してドクターブレードで塗工し、これにメタルハライドランプ(アイ・グラフィックス社製、商標「M056−L21」)の紫外線を4000mJ/cm2(UVメーターとUV−35−APRフィルターを用いて積算したエネルギー量)照射し、硬化させ印刷性評価用の印刷用中空芯材を得た。印刷用中空芯材を得るまでの所要時間は10分以下であった。
次いで、前記印刷用中空芯材上に前記と同様の方法で、製造例2で作成した印刷用クッション製造用の感光性樹脂組成物(A2)が0.5mmとなるように調節してドクターブレードで塗工し、これを前記硬化方法と同様に硬化させ印刷性評価用のクッション層付きの印刷中空芯材を得た。
次いで、前記クッション層上に製造例3で作成したクッション層上に前記と同様の方法で、製造例2で作成した印刷層製造用の感光性樹脂組成物(A3)が1.14mmとなるように調節してドクターブレードで塗工し、これを前記硬化方法と同様に硬化させ印刷性評価用のクッション層付き印刷基材を得た。得られた中空円筒状印刷基材に前記レーザー彫刻にてパターン形成を行い、高圧スチームにより彫刻カスを除去した。
[実施例2]
短繊維として平均長さ6mm、平均径200μm、アスペクト比30のビニロン繊維「パワロンRF400」(クラレ社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例3]
短繊維として平均長さ6mm、平均径40μm、アスペクト比150のビニロン繊維「パワロンREC15」(クラレ社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例4]
短繊維として平均長さ6mm、平均径27μm、アスペクト比220のビニロン繊維「パワロンRECS7」(クラレ社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例5]
有機系短繊維として平均長さ12mm、平均径25μm、アスペクト比480のビニロン繊維「VF−1203−2」(クラレトレーディング社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例6]
短繊維として平均長さ6mm、平均径12μm、アスペクト比500のポリエチレン繊維「DYNEEMAサイバーチョップ」(東洋紡社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例7]
短繊維として平均長さ5mm、平均径17μm、アスペクト比290のポリプロピレン繊維「RCC−N2.2T」(宇部日東化成社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例8]
短繊維として平均長さ6mm、平均径12μm、アスペクト比500のアラミド繊維「ケブラーカット・ファイバー」(東レ・デュポン社製、商品名)を用いた以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例9]
製造例1で作成した感光性樹脂組成物(A1)100重量部に対し、短繊維として平均長さ6mm、平均径40μm、アスペクト比150のビニロン繊維「パワロンREC15」(クラレ社製、商品名)を5重量部、シランカップリング剤「KBM−903」(信越化学社製、商品名)を1重量部添加し、80℃で1時間混合した。該感光性樹脂組成物を用いて、印刷用中空芯材作成は、実施例1と同様にして行い中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例10]
シランカップリング剤として「KBM−5103」(信越化学社製、商品名)を用いた以外は実施例9と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
[実施例11]
製造例1で作成した感光性樹脂組成物(A1)100重量部に対し、短繊維として平均長さ6mm、平均径40μm、アスペクト比150のビニロン繊維「パワロンREC15」(クラレ社製、商品名)を5重量部、ガラスミルドファイバー「SS05C−404」(日東紡社製、商品名)を50重量部添加して混合した。該感光性樹脂組成物を用いて、印刷用中空芯材作成は実施例1と同様にして行い中空円筒状印刷基材を得た。
実施例1から実施例11の中空円筒状印刷基材を用いて印刷性評価試験として1万mの印刷を行ったところ、評価パターンに異常無く印刷を終了した。また、中空円筒状印刷基材の金属製エアーシリンダーへの着脱にも問題はなかった。中空円筒状印刷芯材への損傷もなかった。
実施例1の印刷用中空円筒状芯材の曲げ弾性率は2.01GPa、引張弾性率は2.87GPaであり、印刷用中空芯材として用いるのに十分な強度であった。印刷用中空芯材は、印刷機へ取り外しを行う際に、芯材にキズなどが入る可能性がある。そこで、実施例1から実施例11の各芯材にカッターを用いて深さ0.5mmのキズをつけて該芯材の取り扱いを行った。しかし、該芯材は金属製エアーシリンダーに問題なく着脱でき、また該芯材を破断するのは困難であった。これは、短繊維を含有しているため芯材の樹脂に均一に繊維が分散し、キズが入っても靭性に優れているためと推定される。
[比較例1]
有機系短繊維を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして中空円筒状印刷基材を得た。
該中空円筒状印刷基材を用いて印刷性評価試験を試みたところ、中空円筒状印刷基材を金属製エアーシリンダーへ取り付ける際に印刷用中空芯材にヒビが入り損傷し、エアーが漏れてしまったためスリーブを取り付けることができず印刷性評価試験を中断した。
比較例1の各芯材にカッターを用いて深さ0.5mmのキズをつけて該芯材の取り扱いを行った。該芯材は金属製エアーシリンダーに着脱する際にヒビ割れてしまい、芯材は簡単に破断した。これは、短繊維を含有していないために、キズが入ると容易にヒビが進行しやすいため推定される。
本発明によれば、高強度、厚み精度、寸法精度の高い印刷用中空芯材及び該芯材を含む印刷基材を短時間での作成に好適に利用できるすることができる。特にフレキソ印刷の印刷分野において、従来よりも大幅に時間を短縮して印刷用中空円筒状芯材及び該芯材を含む中空円筒状印刷基材を作成することができる。

Claims (19)

  1. 短繊維を含む印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)。
  2. 前記短繊維が、そのアスペクト比が5以上5000以下である、請求項1に記載の印刷用中空芯材用感光性樹脂組成物(A1)。
  3. 前記感光性樹脂組成物(A1)が、20℃において液状であって、20℃における粘度が0.1Pa・s以上50kPa・s以下である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物(A1)。
  4. 前記感光性樹脂組成物(A1)は、
    数平均分子量が1000以上30万以下の樹脂(a)と、
    分子内に重合性不飽和基を有し、数平均分子量が100以上1000未満の有機化合物(b)と、
    光重合開始剤(c)と、を含有し、
    前記樹脂(a)が、分子内にカーボネート結合、ウレタン結合、エステル結合から選ばれる少なくとも一種類の結合を有する、請求項1ないし3のうち何れか一項に記載の感光性樹脂組成物(A1)。
  5. 前記感光性樹脂組成物(A1)は、平均径0.1μm以上100μm以下の微粒子をさらに含む、請求項1ないし4のうち何れか一項に記載の感光性樹脂組成物(A1)。
  6. 請求項1ないし5のうち何れか一項に記載の前記感光性樹脂組成物(A1)を光硬化させてなる感光性樹脂硬化物(α1)を含む、印刷用中空芯材。
  7. 前記光硬化は、大気中において、前記感光性樹脂物組成物(A1)への波長200nmから400nmの紫外線を含む高エネルギー活性線の照射により、実行される、請求項6に記載の印刷用中空芯材。
  8. 前記感光性樹脂硬化物(α1)のShoreD硬度が、30以上100以下である、請求項6又は7に記載の印刷用中空芯材。
  9. 前記感光性樹脂硬化物(α1)の最外面を、切削、研削又は研磨する、請求項6ないし8のうち何れか一項に記載の印刷用中空芯材。
  10. 前記短繊維の平均長さが、0.1mm以上50mm以下であり、平均径が0.1μm以上500μm以下である請求項6ないし9のうち何れか一項に記載の印刷用中空芯材。
  11. 前記短繊維が、有機系短繊維であって、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリフェニレンエーテル繊維、ポリビニルアルコール繊維、フェノール繊維、フッ素樹脂繊維、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ビニリデン繊維、ポリ−p−フェニレンビスオキサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリクラール繊維、ポリケトン繊維、合成パルプ繊維、靭皮繊維、葉脈繊維、セルロースから選択される少なくとも1種類の材料である、請求項10に記載の印刷用中空芯材。
  12. 請求項6ないし11のうち何れか一項に記載の印刷用中空芯材の上に、パターン形成可能な樹脂層を含む印刷原版、もしくはパターン形成された樹脂層を含む印刷版を備える、印刷基材。
  13. 前記パターン形成可能な樹脂層が、写真製版技術、レーザー彫刻技術のいずれかでパターンを形成される感光性樹脂組成物(A3)である、請求項12に記載の印刷基材。
  14. 前記印刷用中空芯材と、前記印刷原版又は前記印刷版と間に、1層以上の周長調整層を含む、請求項12又は13に記載の印刷基材。
  15. 前記印刷用中空芯材と、前記印刷原版又は前記印刷版と間に、1層以上のクッション層を含む、請求項12ないし14のうち何れか一項に記載の印刷基材。
  16. 前記クッション層が、中空マイクロカプセルを含む、請求項15に記載の印刷基材。
  17. 前記印刷基材の前記印刷原版又は前記印刷版と、前記印刷用中空芯材との間に、感光性樹脂硬化物(α1)をさらに有する、請求項12ないし16のうち何れか一項に記載の印刷基材。
  18. 前記感光性樹脂硬化物(α1)の最外面を切削、研削あるいは研磨する、請求項17に記載の印刷基材。
  19. 感光性樹脂組成物(A1)を光硬化させて成る感光性樹脂硬化物(α1)を含む印刷用中空芯材の製造方法であって、
    前記感光性樹脂組成物(A1)に、アスペクト比5以上5000以下の短繊維を添加して光硬化させる工程を含む、印刷用中空芯材の製造方法。
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