JPH111074A - オフセット印刷用ブランケット - Google Patents

オフセット印刷用ブランケット

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JPH111074A
JPH111074A JP15550897A JP15550897A JPH111074A JP H111074 A JPH111074 A JP H111074A JP 15550897 A JP15550897 A JP 15550897A JP 15550897 A JP15550897 A JP 15550897A JP H111074 A JPH111074 A JP H111074A
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敏生 鎌田
Makoto Sugitani
信 杉谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット輪転印刷機での高速印刷時におけ
る耐久性が向上したオフセット印刷用ブランケットを提
供する。 【解決手段】 本発明のオフセット印刷用ブランケット
10は、内部に、多孔質の弾性部材からなる圧縮性層3
2を有する支持体層30と、この支持体層30上に積層
された表面印刷層20とを含むものであって、前記圧縮
性層32に動的応力を加えたときの、該圧縮性層32の
貯蔵弾性率E' が6×107 〜21.5×107 dyn
/cm2 の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷用ブ
ランケットに関し、より詳しくは、特にオフセット輪転
印刷機での高速印刷における耐久性が向上したオフセッ
ト印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】平版オフセット印刷やグラビアオフセッ
ト印刷におけるブランケットとしては、従来より、複数
の基布からなる支持体層上に、合成ゴムからなる表面印
刷層を設けたものが用いられている。かかる従来のブラ
ンケットは、表面印刷層におけるインキの着肉性が良好
であるものの、印刷時の圧力(印圧)が大きくなると網
点の変形(特に網点の太り)が生じて印刷品質が低下す
るという問題があった。
【0003】そこで、印圧を調整し、網点の太り等を抑
制することを目的として、内部に多孔質の圧縮性層を設
けたオフセット印刷用ブランケット(いわゆるコンプレ
ッシブルブランケット)が提案されている(特公平2−
50878号公報、特公昭52−7371号公報、特開
平4−221699号公報等)。上記公報に記載のコン
プレッシブルブランケットによれば、印圧によってブラ
ンケットに生じたひずみが圧縮性層で吸収されるため、
ブランケット表面の変形が減少し、網点の太りが抑制さ
れ、その結果、形成画像の印刷品質が向上するという利
点がある。特に近年、カラー印刷の普及によって極めて
優れた印刷品質が要求されていることから、かかるコン
プレッシブルブランケットは広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、オフセット輪転
印刷機では、印刷効率を向上させるために印刷の高速化
が進み、オフセット印刷用ブランケットにかかる負荷が
大きくなっている。このオフセット輪転印刷機の場合、
印刷用紙の表面と裏面とを同時に印刷する機構になって
おり、上下のシリンダーに装着されるオフセット印刷用
ブランケット間での圧力で印刷インキを紙へ転写する。
従って、上下のオフセット印刷用ブランケット間での圧
力により、表面印刷層に切れ等の損傷や摩耗が発生す
る。
【0005】また、前述のコンプレッシブルブランケッ
トにおける圧縮性層は印圧を調整する作用を有するもの
の、主に印刷品質の向上を目的としているため、上記の
高速印刷時においてブランケット表面の変形を充分に減
少させることができない。従って、表面印刷層の損傷を
低減する効果も不十分である。さらに、高速印刷時に繰
り返し圧縮を受けると、圧縮性層自体が破壊されたり、
表面印刷層等の他の層から剥離するといった問題も生じ
る。
【0006】すなわち、従来のコンプレッシブルブラン
ケットは、高速オフセット輪転機などに供した場合にお
いて劣化が著しく、耐久性が低いことから、長期にわた
って使用できないという問題があった。また、前述と同
様な問題は、通常の輪転印刷機において長期間使用した
場合にも生じうる。そこで本発明の目的は、上記の課題
を解決し、オフセット輪転印刷機での高速印刷時におけ
る耐久性が向上したオフセット印刷用ブランケットを提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、圧縮性層を有す
る支持体層と、この支持体層上に積層された表面印刷層
とを含むオフセット印刷用ブランケットにおいて、前記
圧縮性層に動的応力(10Hz,23℃,振幅50μ
m,初期ひずみ2mm伸長,チャック間距離20mm)
を加えたときの、該圧縮性層の貯蔵弾性率E' が6×1
7 〜21.5×107 dyn/cm2 の範囲にあると
きは、オフセット輪転印刷機での高速印刷等におけるブ
ランケットの耐久性が著しく向上し、長期にわたって使
用できるという新たな事実を見出し、本発明のオフセッ
ト印刷用ブランケットを完成するに至った。
【0008】本発明のオフセット印刷用ブランケットの
耐久性が著しく向上する理由は明らかではないが、次の
ように推測される。すなわち、本発明のオフセット印刷
用ブランケットにおいては、圧縮性層に対して、ブラン
ケットを印刷機に装着した場合において回転方向となる
方向に前述の動的応力を与えたときに、該圧縮性層の貯
蔵弾性率E' が6×107 〜21.5×107 dyn/
cm2 と高い値を示している。これに対し、従来のコン
プレッシブルブランケットにおける圧縮性層の貯蔵弾性
率E' は2×107 〜5×107 dyn/cm2 と低い
値を示す。この相違点に起因して、本発明のオフセット
印刷用ブランケットにおける耐久性が、従来のコンプレ
ッシブルブランケットよりも著しく向上するものと推測
される。
【0009】本発明において「貯蔵弾性率E' 」とは、
オフセット印刷用ブランケットの圧縮性層に正弦波振動
等の動的応力を加えたときに見られる粘弾性特性であっ
て、次式: E* = E' +iE'' (式中、E''は損失弾性率を表し、iは(−1)1/2
表す。)で表される複素弾性率E* における実数部であ
り、正弦波のひずみと同位相における応力成分の大きさ
を示すものである。
【0010】なお、複素弾性率E* は粘弾性材料に動的
応力(正弦波のひずみ)を与えたときの最大応力σ0
最大ひずみε0 との比(σ0 /ε0 )である。また、貯
蔵弾性率E' と貯蔵弾性率E' との関係は次式のとおり
である。 tanδ= E''/E' (式中、δは損失角であって、ひずみと応力との間の位
相角を示す。) 本発明における貯蔵弾性率E' の測定条件は次のとおり
である。試験周波数10Hz、試験温度23℃、試験振
幅50μm、初期歪み2mm(伸長)、チャック間距離
20mm、測定試料幅4mm×長さ30mm。また、測
定機器にはレオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ
(型番「DVE−V4」)を使用した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオフセット印刷用
ブランケットを、その一例を示した図1を参照しつつ詳
細に説明する。本発明のオフセット印刷用ブランケット
10は、表面印刷層20と、複数の基布層(補強層)3
4,36を積層してなる支持体層30とを有するととも
に、この支持体層30の内部に多孔質の弾性部材からな
る少なくとも1層の圧縮性層32を有するものである。
【0012】本発明のオフセット印刷用ブランケット1
0の圧縮性層32における貯蔵弾性率E' は、6×10
7 〜21.5×107 dyn/cm2 、好ましくは8×
10 7 〜18×107 dyn/cm2 である。貯蔵弾性
率E' が上記範囲を下回る場合には、圧縮性層が柔らか
くなりすぎるため、該圧縮性層が破壊したり、剥離した
りするといった問題が生じる。また、かかる問題に起因
して、例えば(1) 表面印刷層の損傷や摩耗等が顕著にな
る、(2) ヘタリが生じ易くなる、(3) 前記ヘタリに起因
して、網点位置がずれる(いわゆるダブリが生じる)と
いった問題も生じる。
【0013】逆に、貯蔵弾性率E' が上記範囲を超える
場合には、圧縮性層が硬くなりすぎるため、ブランケッ
トを装着するシリンダーとのなじみが悪くなってギャッ
プ部において座屈が生じ、ブランケットが盛り上がる部
分が生じる。その結果、ブランケットが盛り上がった部
分において特に表面印刷層の摩耗が著しくなり、ブラン
ケットの耐久性が低下したり、印圧が高まるために網点
の太り等が生じて、ひいては印刷品質が低下するといっ
た問題が生じる。
【0014】本発明において、圧縮性層32の貯蔵弾性
率E' は、例えば圧縮性層32の作製に用いるゴム材料
を以下に例示のものから適宜選択したり、あるいは圧縮
性層32の気孔率を後述する範囲で適宜調節することに
より、上記範囲に設定される。圧縮性層32を構成する
ゴムとしては特に限定されないが、例えばアクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(AC
M)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)
等の、インキや洗浄液に対する耐性を有する耐油性のゴ
ムが好適に使用される。
【0015】圧縮性層32は、上記ゴム材料に、所定量
の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに、後述する発
泡剤あるいは中空微粒子等の充填剤を必要に応じて配合
したものが用いられる。また、発泡剤や中空微粒子に代
えて食塩を配合したものを用いてもよい。圧縮性層32
に使用するゴムの硬度は特に限定されないが、JIS
A硬度で40〜80°、好ましくは45〜75°、より
好ましくは50〜70°の範囲に調整するのが適当であ
る。圧縮性層32の硬度が上記範囲を下回ると、圧縮性
層32、ひいてはオフセット印刷用ブランケット10自
体の復元性が低下してヘタリが生じたり、印刷に必要な
印圧が得られなくなるおそれがある。逆に硬度が上記範
囲を超えると、圧縮性が低下して印圧の調整が不十分に
なるおそれがある。
【0016】圧縮性層32の厚みは特に限定されない
が、通常、0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜
0.5mmの範囲で設定するのが適当である。圧縮性層
32の厚みが上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印
圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に厚みが上記
範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて印
刷品質が低下するおそれがある。
【0017】圧縮性層32は、前述のように多孔質の弾
性部材からなるものであって、該層内部の各気孔がそれ
ぞれ独立した独立気孔構造のものと、各気孔が互いに連
通した連続気孔構造のものとがある。本発明ではこのい
ずれの構造であってもよく、両方の構造を併用してもよ
い。上記のうち独立気孔構造の圧縮性層は、例えば加熱
分解してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム中に分散
して、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、あるいは
ゴム中に中空微粒子を分散させる方法(マイクロバルー
ン法)によって形成される。
【0018】一方、連続気孔構造の圧縮性層は、未加硫
のゴム中に食塩等の抽出可能な粒子を分散し、加硫後
に、ゴムの性質に影響を及ぼさない溶媒(食塩の場合は
水)により上記粒子を抽出する方法(リーチング法)に
よって形成される。圧縮性層32内の気孔の割合(以
下、「気孔率」という)は特に限定されないが、通常、
30〜70%、好ましくは35〜60%、より好ましく
は40〜55%の範囲に調整するのが適当である。圧縮
性層32の気孔率が上記範囲を下回ると、圧縮性が低下
して印圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に気孔
率が上記範囲を超えると、復元性が低下してヘタリが生
じたり、印刷に必要な印圧が得られなくなるおそれがあ
る。
【0019】本発明のオフセット印刷用ブランケットに
おける表面印刷層20に用いるゴム材料としては、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水添化NB
R、クロロプレンゴム(CR)、ポリウレタンゴム、ア
クリルゴム等の合成ゴムがあげられ、さらにこれらの混
合物や前記合成ゴムと多硫化ゴムとの混合物なども好適
に用いられる。
【0020】表面印刷層20は、例えば、上記ゴム材料
に、所定量の加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて充
填剤等を配合し、これをトルエン、メチルエチルケトン
等に溶解させてゴム糊として、後述する支持体層30上
に所定の厚みになるまでブレードコーティングすること
によって作製される。表面印刷層20の硬度は特に限定
されないが、JIS A硬度で50〜70°、好ましく
は55〜65°の範囲に調整するのが適当である。表面
印刷層20の硬度が上記範囲を下回ると、印刷時のひず
みが大きくなりすぎて排紙性が低下し、見当合わせの精
度も低下するおそれがある。逆に硬度が上記範囲を超え
ると、表面印刷層の柔軟性が不十分になるため、ベタ着
肉性が低下するおそれがある。
【0021】表面印刷層20の表面粗さは特に限定され
ないが、10点平均粗さRZ で1.0μm以下であるの
が好ましい。表面印刷層20の表面粗さが上記範囲を超
えると、印刷された網点の形状が乱れるなどして、印刷
品質が低下するという問題が生じる。なお、上記表面粗
さは印刷品質の観点から小さいほど好ましい。また、表
面印刷層20の厚みも特に限定されないが、通常、0.
05〜2.0mm、好ましくは0.1〜0.6mm、よ
り好ましくは0.2〜0.4mmの範囲で設定するのが
適当である。表面印刷層20の厚みが上記範囲を下回る
と、基布の模様が印刷画像に現れるおそれがある。逆に
厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくな
りすぎて印刷品質が低下するおそれがある。
【0022】支持体層30は、複数層の基布層(補強
層)34,36と、少なくとも1層の圧縮性層32とを
積層したものである。基布層34,36は、綿、ポリエ
ステル、レーヨン等の織布または不織布からなる基布に
ゴム糊を含浸させたものであって、なかでも伸び取り加
工を施した織布が好ましい。基布層用ゴム糊には、例え
ばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アク
リルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)等のゴ
ム材料に、所定量の加硫剤、加硫促進剤および必要に応
じて増粘剤等を配合したものが用いられる。
【0023】基布層の厚みは特に限定されないが、通
常、0.15〜0.5mm、好ましくは0.25〜0.
45mmの範囲で設定するのが適当である。また、支持
体層30全体の厚みは、前述の圧縮性層32の厚み等に
応じて設定されるものであるが、通常1.45〜1.8
5mm、好ましくは1.55〜1.75mmの範囲で設
定される。なお、基布層の積層数は、製品に要求される
特性等に応じて適宜設定すればよく、通常1〜5層であ
るのが好ましい。
【0024】なお、本発明においては、上記支持体層3
0における基布に代えて、例えばポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエ
ーテルスルフォン(PES)、ナイロン等の合成樹脂製
のフィルムや、あるいはアルミニウム、ステンレス等の
金属の薄板を用いることもできる。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明する。 実施例1〜5、比較例1〜3 (オフセット印刷用ブランケットの作製)下記の条件に
て、図1に示すオフセット印刷用ブランケットを作製し
た。
【0026】(i) 支持体層30の作製 基布として綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維を
組み合わせてなる混紡織物を用いた。この基布に含浸さ
せるゴム糊には、表1に示すように、耐油性ゴムである
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)に加硫
剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す割合で混
合し、トルエンおよびメチルエチルケトンに溶解させた
ものを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】上記基布上に、表1に示した基布層用ゴム
糊を糊引きして、ゴム糊によるゴムの厚みを0.05m
mに調整した。こうして得られた3枚の基布をロールで
圧着させて基布層34を得た。次いで、表2に示すよう
に、NBRに加硫剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同
表に示す割合で混合し、メチルエチルケトンに溶解さ
せ、さらにアクリロニトリル系樹脂中空微粒子(松本油
脂製薬社製の商品名「F−100D」、粒径30〜15
0μm)、フェノール系樹脂中空微粒子(アジアパシフ
ィックマイクロスフィアーズ製の商品名「BJO−09
30」、粒径5〜130μm)および食塩粒子(粒径1
〜50μm)のいずれかまたは2種以上を混合して、圧
縮性層用ゴム糊を得た。
【0029】なお、表2に、上記食塩粒子によって得ら
れる連続気孔の気孔率(連続気孔率、体積%)と、上記
中空微粒子によって得られる独立機構の気孔率(独立気
孔率、体積%)を示した。この気孔率は、上記圧縮性層
を含むブランケットを後述する方法で加硫した後、圧縮
性層全体の体積における気孔部分の体積の割合を百分率
で表したものである。
【0030】
【表2】
【0031】上記表2に示した圧縮性層用ゴム糊を、前
記(i) 「支持体層30の作製」と同様な方法で作製した
基布層36(1層)に糊引きし、乾燥させた。得られた
圧縮性層32の厚さは0.5mmであった。次いで、こ
の圧縮性層32および基布層36を、上記の基布層34
上に図1に示す層構成となるように貼り合わせて、支持
体層30を作製した。
【0032】(ii)表面印刷層20の作製 表面印刷層用ゴム糊としては、表3に示すように、耐油
性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)に加硫剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示
す割合で混合し、メチルエチルケトンに溶解させたもの
を用いた。
【0033】
【表3】
【0034】上記支持体層30上に、表3に示した表面
印刷層用ゴム糊をブレードコーティング法にて糊引き
し、乾燥させて、厚さ0.4mmの表面印刷層20を形
成した。 (iii) 加硫・成形 上記(i) および(ii)の方法によって得られた未加硫の積
層体を、圧力1kg/cm2 、温度150℃で加硫・成
形した。加硫後、表面印刷層の表面の10点平均粗さ
(Rz、JIS B 0601−1982)が3〜6μ
mになるように研磨して、オフセット印刷用ブランケッ
トを得た。 (貯蔵弾性率E' の測定)上記各実施例および比較例で
得たオフセット印刷用ブランケットより圧縮性層を取り
出し、その圧縮性層について、貯蔵弾性率E' を測定し
た。測定条件は前述のとおりである。 (耐久性の評価)上記各実施例および比較例のオフセッ
ト印刷用ブランケットを用いて印刷試験を行い、該ブラ
ンケットの耐久性を評価した。
【0035】印刷試験は、ブランケットを(株)小森コ
ーポレーション製のオフセット輪転印刷機(型番「シス
テム35」)のシリンダに装着し、1000rpmの印
刷速度にて、階調を設けた網点の集合からなるテストチ
ャートをコート紙および上質紙に連続印刷して行った。
印刷試験の評価は、1000万枚印刷後におけるオフセ
ット印刷用ブランケットの表面状態を目視で評価したも
のである。評価基準は次のとおりである。
【0036】 ◎:外観の変化がなく、耐久性が極めて良好であった。 〇:表面印刷層の切れや摩耗が観察されなかった。 △:表面印刷層に微小な切れや摩耗が観察された。 ×:表面印刷層の切れや摩耗が多く、継続して使用でき
なかった。 (印刷機への装着性の評価)上記各実施例および比較例
のオフセット印刷用ブランケットを、前記印刷機のシリ
ンダに装着した際の装着性を以下の基準で評価した。
【0037】 〇:装着性が良好であった。 △:容易に装着できたもののブランケットの伸びがやや
大きかった、あるいはブランケットがやや硬いため装着
がやや困難であった。 ×:ブランケットの伸びが大きすぎるため、あるいは硬
すぎて装着が困難であるため、実用に適さなかった。 (印刷品質の評価)上記印刷試験によって形成された画
像(階調を設けた網点からなるテストチャート)の網点
を顕微鏡にて拡大観察し、網点の太りを観察し、印刷品
質を評価した。評価基準は次のとおりである。
【0038】 〇:網点が太ることがなく、印刷品質が良好であった。 △:網点の太りやダブリ(網点不良)が多少観察され
た。 ×:網点の太りが顕著で、印刷品質が実用上不十分であ
った。 以上の結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】表4から明らかなように、実施例1〜5の
オフセット印刷用ブランケットによれば、高速印刷に供
した場合においても耐久性が良好で、優れた印刷品質で
もって印刷できた。また、ブランケットを印刷機に装着
する際の装着性は、いずれも良好であった。これに対
し、比較例3のブランケットは、圧縮性層の貯蔵弾性率
E' が大きすぎてブランケットが硬いため、耐久性、印
刷品質および印刷機への装着性のいずれも不十分であっ
た。
【0041】また、比較例1および2は従来のオフセッ
ト印刷用ブランケットであって、圧縮性層の貯蔵弾性率
E' が小さく柔らかいため、圧縮性層の破壊・剥離など
が生じ、さらに表面印刷層の損傷も起こり、耐久性が不
十分であった。また、ブランケットが柔らかく、ヘタリ
が大きく、シリンダ上での安定性が劣っていた。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のオフセッ
ト印刷用ブランケットによれば、印刷品質を損なうこと
なく、ブランケットの劣化を低減でき、耐久性を著しく
向上させることができる。従って、本発明のオフセット
印刷用ブランケットは、とりわけオフセット輪転機にお
ける高速印刷において好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフセット印刷用ブランケットの一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 オフセット印刷用ブランケット 20 表面印刷層 30 支持体層 32 圧縮性層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】なお、複素弾性率E* は粘弾性材料に動的
応力(正弦波のひずみ)を与えたときの最大応力σ0
最大ひずみε0 との比(σ0 /ε0 )である。また、貯
蔵弾性率E' と損失弾性率E''との関係は次式のとおり
である。 tanδ= E''/E' (式中、δは損失角であって、ひずみと応力との間の位
相角を示す。) 本発明における貯蔵弾性率E' の測定条件は次のとおり
である。試験周波数10Hz、試験温度23℃、試験振
幅50μm、初期歪み2mm(伸長)、チャック間距離
20mm、測定試料幅4mm×長さ30mm。また、測
定機器にはレオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ
(型番「DVE−V4」)を使用した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮性層を有する支持体層と、この支持体
    層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印刷用
    ブランケットにおいて、前記圧縮性層に動的応力(10
    Hz,23℃,振幅50μm,初期ひずみ2mm伸長,
    チャック間距離20mm)を加えたときの、該圧縮性層
    の貯蔵弾性率E' が6×107 〜21.5×107 dy
    n/cm2 の範囲にあることを特徴とするオフセット印
    刷用ブランケット。
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