JP4271322B2 - オフセット印刷用ブランケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷におけるブランケットとしては、従来、複数の基布からなる支持体層上に、合成ゴムからなる表面印刷層を設けたものが用いられている。このような従来のブランケットは、表面印刷層におけるインキの着肉性が良好であるものの、印刷時の圧力(印圧)が大きくなると網点の変形(特に網点の太り)が生じて印刷品質が低下するという問題があった。
【0003】
そこで、印圧を調整し、網点の太り等を抑制することを目的として、内部に多孔質の圧縮性層を設けたオフセット印刷用ブランケットが提案されている。このブランケットは印圧によって生じた歪みが圧縮性層で吸収されるために、ブランケット表面の変形が減少し、網点の太りが抑制され、その結果、形成画像の印刷品質が向上するという利点がある。特に、近年はこのような圧縮性層を設けたブランケットは広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年は印刷の多様化に伴い、様々な種類の紙に対する印刷が必要となっており、中にはインキの着肉性が悪い紙等も含まれている。その場合には印圧を調整したり、圧縮特性の異なるブランケットを使用するなどしているが、効果的な対応が未だ難しい状況にある。
本発明の目的は、紙質の異なる印刷紙に対してもインキの着肉性が実用上満足するものであり、しかも印刷機への装着性に問題のない印刷用ブランケットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは上記課題を解決するために検討を重ねた結果、圧縮性層を有する支持体層と、この支持体層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印刷用ブランケットにおいて、前記支持体層のせん断弾性率G*が6〜12MPaである部材を使用した場合には、オフセット輪転印刷機での高速印刷におけるインキの着肉性が著しく向上するという事実を見出し、さらに検討して本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
1)圧縮性層および非圧縮性層を有する支持体層と、この支持体層上に積層された表面印刷層とを有するオフセット用印刷用ブランケットにおいて、前記支持体層はその全体の厚みが1.20〜1.85mmの範囲にあり、周波数10Hz、振幅5μm、圧縮率12%、温度23℃の条件下で測定したときのせん断弾性率G*が6〜12MPaの範囲にある部材で構成されており、かつ前記ブランケットを幅38mm×長さ150mmの試験片に調製し、一方の端部を固定しながら他方の端部を押して、もとの位置から15度傾けたときの応力 F が1100 m N以下であることを特徴とするオフセット印刷用ブランケット、
2)前記支持体層が、カーボンブラックを含有するアクリロニトリルブタジエンゴムの多孔質性ゴム組成物であって厚みが0.1〜0.6mmの圧縮性層を有する上記1)項記載のオフセット印刷用ブランケット、
3)前記支持体層のせん断弾性率G*が7〜11MPaである上記1)または2)項記載のオフセット印刷用ブランケット、
である。
【0007】
本発明のオフセット印刷用ブランケットは、インキ着肉性や柔軟性等の印刷特性に優れたものであるが、その理由としては以下のことが考えられる。印刷時にはブランケットを被印刷物に押しつけることにより、ブランケットのインキが被印刷物に転移して印刷が行われる。従来のブランケットではこのブランケットの圧縮方向に注目して圧縮性層の改良が試みられ、適度な圧縮特性を持つブランケットが作製されていた。
【0008】
本発明では、ブランケットの横方向、すなわちブランケットを印刷機に装着した場合に回転方向となる方向における、ブランケットの動的特性も印刷特性に重要であるとの知見を得て、これに基づき改良を加えたものである。すなわち、圧縮性層を構成する発泡性材料に加え、従来のブランケットには見られない、回転方向にも適度な動的特性を持たすために、特定範囲のせん断弾性率G*を有する支持体層を設けたことにより、印刷特性が向上したものである。
【0009】
本発明において、「せん断弾性率G*」とは、支持体層に対して、正弦波動等の動的せん断応力を加えたときに見られる粘弾性特性であって、次の式1で求められる。
【0010】
【数1】
【0011】
[式中、Wは試料の横(cm)を、Tは試料の縦(cm)を、Lは試料の厚み(cm)を、DFは動的応力(g)を、DDは動的歪(cm)を、それぞれ表わす。なお、測定に際し2枚の試料をせん断治具に装着することから動的応力は2枚分の値となるので、1/2を乗ずる。]
本発明におけるせん断弾性率G*の測定条件は次のとおりである。試験試料の横0.8cm、試験試料の縦0.8cm、試験周波数10Hz、試験温度23℃、試験周波数10Hz、試験振幅5μm、圧縮率12%。また、測定機器にはレオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ(型番「DVE−V4」)を使用した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオフセット印刷用ブランケットを詳細に説明する。
本発明の印刷用ブランケットは、前記のとおり、表面印刷層と、圧縮性層を有する支持体層とを積層させたものであって、前記支持体層がせん断弾性率G*が6〜12MPa(ここで、G*は、周波数10Hz、振幅25μm、温度23℃の測定条件下での測定値を示す)からなる部材で構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明において、支持体層は圧縮性層と非圧縮性の支持体から構成される。
前記のとおり、支持体層のせん断弾性率G*は6〜12MPaであることを要し、より好ましくは7〜11Mpaである。G*が上記の範囲を下回るとベタ着肉性などの印刷特性の向上の効果が期待できず、一方上記範囲を越えるときは圧縮性層が印刷方向に対して硬くなりすぎてブランケットを装着するのが困難になる等の問題が生じてくる。
【0014】
支持体層を構成する部材が上記の範囲のG*とするためには、発泡層の材料や基布層間のプライマー材料を適宜選択すること、またこれら材料の厚みを適宜調整すること、あるいは添加物の種類や量を選択することにより達成し得るが、これらに限定されるものではない。
前記圧縮性層の材料には、ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマー等の中から、インキや洗浄液に耐性を有するものが好ましく選択される。特に、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)にカーボンブラックを含有させたゴム組成物が、強度、加工性、コストの点から好ましく使用できる。
【0015】
圧縮性層は、前述のように多孔質の弾性部材からなるものであって、該層内部の各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものと、各気孔が互いに連通した連続気孔構造のものとがある。本発明ではこのいずれの構造であってもよく、両方の構造を併用してもよい。上記のうち独立気孔構造の圧縮性層は、例えば加熱分解してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム中に分散して、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、あるいはゴム中に中空微粒子を分散させる方法(マイクロバルーン法)によって形成される。一方、連続気孔構造の圧縮性層は、未加硫のゴム中に食塩等の抽出可能な粒子を分散し、加硫後に、ゴムの性質に影響を及ぼさない溶媒(食塩の場合は水)により上記粒子を抽出する方法(リーチング法)によって形成される。
【0016】
圧縮性層内の気孔(空隙)の割合(以下、「空隙率」という)は特に限定されないが、通常、25〜75%、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜50%の範囲に調整するのが適当である。圧縮性層の空隙率が上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に空隙率が上記範囲を超えると、復元性が低下してヘタリが生じたり、印刷に必要な印圧が得られなくなるおそれがある。
【0017】
圧縮性層の発泡方法は、公知手段を採用することができ、例えば塩抽出層、中空微小球を配合する方法、発泡剤を使用する方法等いずれの発泡方法でも適用できる。圧縮性層の厚みは、一般に0.1〜0.6mmであり、前記G*の範囲となるように適宜選択される。
前記圧縮性層は、上記の材料を溶剤(例、トルエン、メチルエチルケトンなど)に溶かして基布上に所定の厚みまで塗布したり、カレンダー(圧延機)等により所定の厚みに分出したあと支持体と圧着する等の方法により形成することができる。
【0018】
前記圧縮性層には、前記材料とともに、各種の添加物が適宜、添加される。ゴム材料の場合には、加硫剤と、これに加えて加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、軟化剤・可塑剤等が適宜添加される。
前記のように、添加物の種類や量によっても、支持体層のせん断弾性率G*を6〜12MPaの範囲に調整することができ、例えばゴム材料の補強剤であるカーボンブラックの種類や添加量を適宜選択することにより、G*を前記の範囲となるように調整することが可能である。カーボンブラックは、中でもファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、GPF(General Purpose Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、などが挙げられる。カーボンブラックの添加量は、その種類にもよるが、ゴム材料100重量部に対し、通常、35〜55重量部、好ましくは40〜50重量部である。
【0019】
加硫剤としては、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、N,N′−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物や硫黄等があげられる。また、加硫剤として有機過酸化物系の架橋剤を使用することもできる。有機過酸化物系架橋剤の具体例としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート等があげられる。
【0020】
また、加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)等のチアゾール類が主促進剤として挙げられ、必要に応じて、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジメチルジチオカーバミン酸亜鉛(ZnMDC)、エチルフェニルジチオカーバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、および加硫剤のところで挙げたテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等を2次促進剤として適宜配合することもできる。
【0021】
老化防止剤としては、たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル(BHT)をはじめとするモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)をはじめとするビスフェノール系あるいは2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノンをはじめとするポリフェノール系や、ベンツイミダゾール系、チオウレア系、亜りん酸系、有機チオ酸系等の各種老化防止剤が単独であるいは2種以上を併用して使用できる。
【0022】
充填剤としては、炭酸カルシウム、ハードクレー、ソフトクレー、無水珪酸、硫酸バリウム、珪藻土、タルク、マイカ、アスベスト、グラファイト、軽石等の無機充填剤;再生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有機充填剤が挙げられる。
軟化剤・可塑剤としては、従来の植物油系、鉱物油系および合成品系のものが適宜使用できる。例えば、植物油系軟化剤としては、脂肪酸(例、ステアリン酸、ラウリル酸)があげられ、これは加硫促進助剤としても機能する。また、合成系可塑剤としては、ジオクチールアジペート、ジブチルヌタレート、ジオクチルフタレートなどがあげられる。
【0023】
次に、支持体層を構成する非圧縮性の支持体(補強層ともいう)について述べる。
支持体は、天然繊維または合成繊維もしくはこれらの混紡糸からなる基布にゴム糊を塗布した基布層から構成される。基布としては、綿、ポリエステル、レーヨン等の織布または不織布からなるものがあげられる。これらのなかでも伸び取り加工を施した織布が好ましい。
【0024】
基布層用ゴム糊には、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料に、前述のような、加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて増粘剤等を配合したものが用いられる。
基布層の1層の厚みは、通常、0.2〜0.5mmの範囲で設定するのが適当である。また、基布層の数は、製品に要求される特性等に応じて適宜設定すればよく、通常1〜5層であるが、複数層であることが好ましい。
【0025】
本発明の印刷用ブランケットにおける支持体層は、前記圧縮性層と前記の非圧縮性の支持体とを積層して作製される。支持体層全体の厚みは、通常1.20〜1.85mm、好ましくは1.50〜1.75mmの範囲となるように設定される。
次に、表面印刷層を構成するゴム材料としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR、クロロプレンゴム(CR)、ポリウレタンゴム、アクリルゴム等の合成ゴムが挙げられ、さらにはこれらの混合物や前記合成ゴムと多硫化ゴムとの混合物なども好適に用いられる。表面印刷層は、例えば上記ゴム材料に、前述のような、加硫剤、加硫促進剤、および充填剤等を配合し、これをトルエン等の溶剤に溶解させてゴム糊とし、支持体層にブレードコーティング等によって塗布することにより形成される。
【0026】
表面印刷層の厚みは特に限定されないが、通常、0.05〜0.8mm、好ましくは0.1〜0.6mm、より好ましくは0.2〜0.5mmの範囲で設定するのが適当である。表面印刷層の厚みが上記範囲を下回ると、基布の模様が印刷画像に現れるおそれがある。逆に厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて印刷品質が低下するおそれがある。
表面印刷層の硬度は特に限定されないが、JIS A硬度で40〜75°、好ましくは50〜65°の範囲に調整するのが適当である。表面印刷層の硬度が上記範囲を下回ると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて排紙性が低下し、見当合わせの精度も低下するおそれがある。逆に硬度が上記範囲を超えると、表面印刷層の柔軟性が不十分になるため、ベタ着肉性が低下するおそれがある。
【0027】
また、表面印刷層の表面粗さも常法どおりでよく特に限定されないが、10点平均粗さRZで10μm以下であるのが好ましい。表面印刷層の表面粗さが上記範囲を超えると、印刷された網点の形状が乱れるなどして、印刷品質が低下するという問題が生じる。
本発明の印刷用ブランケットは、前記支持体層上に、プライマー層を介して前述の表面印刷層用ゴム糊をコーティングして、得られた積層体を所定の圧力と温度で加熱加圧して加硫させることによって作製される。こうして得られた印刷用ブランケットは、直接または下貼材を介してブランケット胴のシリンダの周面上に装着して使用される。
【0028】
【実施例】
以下に、比較例とともに実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜4、比較例1および2
本発明のオフセット印刷用ブランケット10の構成例を図1に示す。本印刷用ブランケットは、3枚の基布13a,13bおよび13cからなる非圧縮性の支持体、圧縮性層14、基布13dよりなる支持体層12の上に、表面印刷層11を配して構成されているものである。ここで、支持体層12のせん断貯蔵弾性率G*が異なる6種のオフセット印刷用ブランケット(実施例1〜4、比較例1および2)を、次のとおり作製した。
(1)支持体層12の作製
基布層の作製
基布として、綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維を組み合わせてなる混紡織物を用いた。
【0029】
上記基布上に、表1に示した基布層用ゴム糊を0.05mmの厚みになるまで糊引きした。こうして得られた3枚の基布13a,13bおよび13cをロールで圧着させて基布層(非圧縮性の支持体)を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
圧縮性層の作製
下記の表2に示すように、NBRに加硫剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す各割合で混合し、トルエンに溶解させ、さらにアクリロニトリル系樹脂中空微粒子を混合して圧縮性層用ゴム糊を得た。空隙率は、所定量(40%)になるようように計算した中空微小球を混合した。表2のゴム糊を基布上に塗布し、乾燥させた後、圧縮性層用ゴム糊を所定の厚みになるように糊引きして圧縮性層を得た。
【0032】
【表2】
【0033】
乾燥後、基布層と圧縮性層のゴム糊側を圧着させて支持体層を得た。
(2)表面印刷層11の作製
表面印刷層用ゴム糊として、下記の表3に示すゴム配合物をトルエンに溶解させたものを上記の各支持体層12上に塗り、厚さ0.4mmの表面印刷層11を作製した。
【0034】
【表3】
【0035】
(3)成形
上記の方法によって得られた未加硫の積層体を圧力1kg/cm2、温度150℃でそれぞれ加硫・成形した。次いで、表面印刷層11の10点平均粗さが3〜6μmになるように研磨して、オフセット印刷用ブランケット10を作製した。
<評価試験>
(1)ベタ着肉性
印刷用ブランケットをオフセット輪転機のシリンダーに装着し、各種類の紙におけるベタの濃度分布を目視により、次の基準で判断した。
【0036】
○均一に良好である。
△ややムラがある。
× ムラが多い。
(2)網点太り具合
上記(1)において、コート紙における印刷物のドットゲイン(網点太り具合)を顕微鏡で観察した。
【0037】
○太りが小さい。
△やや太りがみられる。
× 太り具合が大きい。
(3)ブランケットの柔軟性
ブランケットを幅38mm×長さ150mmの試験片に調製し、一方の端部を固定しながら他方の端部を押して、もとの位置から15度傾けたときの応力を測定した。このF値が大きすぎるとブランケットの印刷機への装着が困難になり実用的ではない。F値により、柔軟性を次の基準で評価した。
・ F≦800mN 柔軟性良好(○)
・ 800mN<F≦1100mN 柔軟性に特に問題がなく使用できる(△)
・1100mN<F 柔軟性悪い(×)
上記施例および比較例で作製した各ブランケットの評価試験の結果を表4に示す。また、支持体層のせん断弾性率G*の測定値も合わせて表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
以上の結果より、本発明に基づいて、せん断弾性率G*がそれぞれ6.2、7.4、10.7および11.3Mpaである支持体層によって作製された実施例1〜4の各オフセット印刷用ブランケットは、印刷紙の種類を問わずにベタ着肉性が良好であり、網点の太り具合および柔軟性も問題のないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット
11 表面印刷層
12 支持体層
14 圧縮性層
Claims (3)
- 圧縮性層および非圧縮性層を有する支持体層と、この支持体層上に積層された表面印刷層とを有するオフセット用印刷用ブランケットにおいて、前記支持体層はその全体の厚みが1.20〜1.85mmの範囲にあり、周波数10Hz、振幅5μm、圧縮率12%、温度23℃の条件下で測定したときのせん断弾性率G*が6〜12MPaの範囲にある部材で構成されており、かつ前記ブランケットを幅38mm×長さ150mmの試験片に調製し、一方の端部を固定しながら他方の端部を押して、もとの位置から15度傾けたときの応力 F が1100 m N以下であることを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
- 前記支持体層が、カーボンブラックを含有するアクリロニトリルブタジエンゴムの多孔質性ゴム組成物であって厚みが0.1〜0.6mmの圧縮性層を有する請求項1記載のオフセット印刷用ブランケット。
- 前記支持体層のせん断弾性率G*が7〜11MPaである請求項1または2記載のオフセット印刷用ブランケット。
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