JP2004262212A - 印刷用ブランケット - Google Patents

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誠二 伴野
Hiromasa Okubo
博正 大久保
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Abstract

【課題】印刷機シリンダ胴に巻きつけるに際し、高い熟練を要せずとも、胴部全体にわたって均一な厚みを有するように固定可能であり、良好な印刷性能を保持するオフセット印刷用ブランケットを提供する。
【解決手段】下層基布13a、13b、13c、圧縮性層14および上層基布13dを有する支持体層12上に表面印刷層11をシート状に積層してなり、シリンダ胴部に巻き付けてその両端部をシリンダ胴ギャップに挿入固定し用いるシート状印刷用ブランケットにおいて、シリンダ胴ギャップのエッジ部に対応する箇所の下層基布を幅方向、溝状(V状または台形状など)15に切除してなる印刷用ブランケット。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用ブランケットに関し、さらに詳しくは印刷機シリンダ胴に固定するに際し、そのエッジ部においても均一な厚みで巻きつけが可能であり、良好な印刷性能を保持するシート状のオフセット印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用ブランケットの一つのタイプとしてシート状ブランケットがあり、このブランケットは、一般的に下層布、多孔質耐油性ゴムからなる圧縮性層、上層布および耐油性ゴムよりなる表面印刷層をシート状に積層させた構造を有する。オフセット印刷に適用するに際し、その両端に取り付けた金具を印刷機シリンダ胴部に設けた溝(ギャップ)にはめ込むとともに、シリンダ胴内に設けた巻き込み機構によって、両端金具を引っ張り、ブランケットに張力を与えて、シリンダ胴上に固定される。オフセット印刷は、版面のインクを固定したブランケットの表面印刷層のゴム面に転移したあと、被印刷体に転写することにより行われる。
【0003】
ここで、シリンダ胴にシート状ブランケットを固定する手段としては、例えば特許文献1に、シリンダ胴部に設けた開口部の内壁の一方側に設けられた係止部と、その内壁の他方側に、支持軸を中心に回転可能に設けられた取付部と、ブランケットの他端を前記開口部の他方側の取付部に固定する固定手段と、前記固定手段により前記ブランケットの他端を前記取付部に固定したまま該取付部を支持軸を中心に開口部内壁より離反する方向へ回動してブランケットを張設手段と、を備えたブランケット胴、が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−77971号公報(請求項1、図1など)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シート状ブランケットは、前記のように、印刷機シリンダ胴に固定する際、シリンダ胴ギャップにブランケットの両端部を挿入し、バーを巻き込んで固定されている。図4は、この固定状態を示す部分断面図である。ここで、ブランケットの端部がシリンダ胴ギャップのエッジ部に沿って挿入されるために、当該エッジ部において急激な折れ曲がり状態となり、ブランケット裏面に位置する下層基布が座屈する。このことに起因してブランケット表面が、図4に示すように、幅方向に凸状を呈することとなる。この凸状部を有した状態で印刷に供すると、その部分がインク転写時に過圧となり、印刷物にショック目となって現れるという問題がある。このために、凸状部ができるだけ小さくなるように、シート状ブランケットを巻きつける際にシリンダとの間にわざわざ厚み調整用のフィルムを入れることや、エッジ部の面取りをしたシリンダを用いること、などが行なわれているが固定の仕方に高い熟練を要したり、汎用性に欠けていたりするなどの問題点がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、シート状ブランケットを印刷機シリンダ胴に取り付けるに際し高い熟練を要せずとも、胴部全体にわたって均一な厚みを有するように取り付けることが可能なブランケットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、シート状ブランケットの構成と印刷性能について検討したところ、シート状印刷用ブランケットがシリンダ胴ギャップのエッジ部に対応する箇所の下層基布を幅方向、溝状に切除しておくことにより、凸状を呈することなく均一な表面状態でシリンダ胴ギャップに挿入し固定できるとの知見を得て、これに基づいてさらに検討して本発明を完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、
1)下層基布、圧縮性層および上層基布を有する支持体層上に表面印刷層をシート状に積層してなり、シリンダ胴部に巻き付けてその両端部をシリンダ胴ギャップに挿入固定し用いるシート状印刷用ブランケットにおいて、シリンダ胴ギャップのエッジ部に対応する箇所の下層基布を幅方向、溝状に切除してなることを特徴とする印刷用ブランケット、
2)前記下層基布が1〜5枚の基布よりなり、前記エッジ部対応箇所においてその1〜3枚分を幅方向、溝状に切除してなることを特徴とする上記1)項記載の印刷用ブランケット、および
3)前記エッジ部に対応する箇所の下層基布を、幅方向、V字状または台形状の溝に切除してなることを特徴とする上記1)項または2)項記載の印刷用ブランケット。
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で改良対象とするオフセット印刷用ブランケットは、下層基布、圧縮性層および上層基布を有する支持体層上に表面印刷層を積層してなる層構成を有するものであり、その層構成例を図1(拡大断面図)に示す。このオフセット印刷用ブランケット10は、3枚の基布13a、13bおよび13cからなる下層基布、圧縮性層14、上層基布13dよりなる支持体層12の上に、表面印刷層11を積層して構成されているものである。ここでは、下層基布が3枚よりなる例を示したが、使用目的や基布の強度などに応じて、通常は1〜5枚を適宜、選択する。
【0010】
従来の印刷用ブランケットが図1で示されるのに対し、本発明の印刷用ブランケットは、図2(a)、(b)に例示するように、シリンダ胴部に巻き付けてその両端部をシリンダ胴ギャップに挿入固定し用いるときに、シリンダ胴ギャップのエッジ部に対応する箇所において、下層基布を幅方向、溝状に切除してなることを特徴とする。図2(a)は3枚の基布をV字状に切除して溝15を形成した例を、また図2(b)は3枚の基布を台形状に切除して溝15を形成した例をそれぞれ示したものである。
【0011】
本発明の印刷用ブランケットは、上記のような溝が形成されていることから、シリンダ胴ギャップへの挿入・固定に際しては、図2(a)のブランケットは図3(a)に、また図2(b)のブランケットは図3(b)に、それぞれ示されるように、エッジ部に円滑に適合することができて、表面印刷層も凸状に変形することがない。これに対して、従来の印刷用ブランケット(図1)は、図3(c)に示されるように、エッジ部における下層基布が急な折れ曲がり状態となり、そのために表面印刷層が凸状に変形し、印刷障害(ショック目)の原因になる。
【0012】
本発明において、下層基布を切除して形成する溝は、ブランケットの幅方向に形成されるものであり、形状はV字状または台形状のときにエッジ部に円滑に適合しやすくなる。溝の深さは、ブランケットの総厚みと下層基布の枚数などに対応して、エッジ部への円滑な適合をはかれるように適宜、設定する。
その一例として、ブランケットの総厚みと下層基布の切除枚数(つまり溝の深さ)との関係をあげれば次の表1のとおりである。
【0013】
【表1】
Figure 2004262212
【0014】
本発明によって下層基布を部分的に切除しても、上層基布や圧縮性層の存在などにより、ブランケットの寿命に与える影響は少ないが、必要に応じて、残存させておく下層基布や、上層基布の材質として高強度基布(例、アラミド繊維)を用いることによって強度を補ってもよい。下層基布の切除は、例えばヒートカッターを用いて実施することができる。
以下、本発明の印刷用ブランケットの構成をさらに順を追って説明する。
【0015】
前記表面印刷層を構成するゴム材料としては、耐油性ゴムが適当であり、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR、クロロプレンゴム(CR)、ポリウレタンゴムあるいはアクリルゴム等の合成ゴムが挙げられ、とりわけNBRが最も好ましく用いられる。
表面印刷層は、ゴム材料に後に例示するような加硫剤、加硫促進剤、可塑剤あおよび充填剤等を適宜配合し、これをトルエン等の溶剤に溶解させてゴム糊とし、支持体層にブレードコーティング等によって塗布することにより積層される。
【0016】
表面印刷層の厚みは、通常は0.1〜0.6mm、より好ましくは0.2〜0.5mmの範囲で設定するのが適当である。表面印刷層の厚みが上記範囲を下回ると、支持体層の基布の模様が印刷画像に現れるおそれがある。逆に厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて印刷品質が低下するおそれがある。表面印刷層の硬度は、JIS A硬度で40〜75°、好ましくは50〜65°の範囲に調整するのが適当である。表面印刷層の硬度が上記範囲を下回ると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて排紙性が低下し、逆に硬度が上記範囲を超えると、表面印刷層の柔軟性が不十分になるため、ベタ着肉性が低下するおそれがある。
【0017】
また、表面印刷層の表面粗さは、10点平均粗さRで10μm以下であるのが好ましい。表面印刷層の表面粗さが上記範囲を超えると、印刷された網点の形状が乱れるなどして、印刷品質が低下するという問題が生じる。
次に、表面印刷層を支える支持体層は、下層基布、圧縮性層および上層基布より構成される。
下層基布および上層基布には、天然繊維または合成繊維もしくはこれらの混紡糸からなる基布にゴム糊を塗布した基布層から構成される。基布としては、綿、ポリエステル、レーヨン等の織布または不織布からなるものがあげられる。これらのなかでも伸び取り加工を施した織布が好ましい。
【0018】
基布層用ゴム糊には、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料に、前述のような、加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて増粘剤等を配合したものが用いられる。基布層の1層の厚みは、通常、0.2〜0.5mmの範囲で設定するのが適当である。上層基布は通常、1枚であり、一方上層基布は、前述のように、通常1〜5層の範囲から要求される印刷特性等に応じて適宜設定されるが、3〜4枚であることが好ましい。
【0019】
次に、圧縮性層の材料には、ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマー等の中から、インキや洗浄液に耐性を有するものが好ましく選択される。特に、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)にカーボンブラックを含有させたゴム組成物が、強度、加工性、コストの点から好ましく使用できる。
圧縮性層は、多孔質の弾性部材からなるものであって、該層内部の各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものと、各気孔が互いに連通した連続気孔構造のものとがある。本発明ではこのいずれの構造であってもよく、両方の構造を併用してもよい。上記のうち独立気孔構造の圧縮性層は、例えば加熱分解してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム中に分散して、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、あるいはゴム中に中空微粒子を分散させる方法(マイクロバルーン法)によって形成される。一方、連続気孔構造の圧縮性層は、未加硫のゴム中に食塩等の抽出可能な粒子を分散し、加硫後に、ゴムの性質に影響を及ぼさない溶媒(食塩の場合は水)により上記粒子を抽出する方法(リーチング法)によって形成される。
【0020】
圧縮性層内の気孔(空隙)の割合(以下、「空隙率」という)は特に限定されないが、通常、25〜75%、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜50%の範囲に調整するのが適当である。圧縮性層の空隙率が上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に空隙率が上記範囲を超えると、復元性が低下してヘタリが生じたり、印刷に必要な印圧が得られなくなったりするおそれがある。
【0021】
圧縮性層の発泡方法は、公知手段を採用することができ、例えば塩抽出層、中空微小球を配合する方法、発泡剤を使用する方法等いずれの発泡方法でも適用できる。圧縮性層の厚みは、一般に0.1〜0.6mmの範囲より適宜選択される。前記圧縮性層は、上記の材料を溶剤(例、トルエン、メチルエチルケトンなど)に溶かして基布上に所定の厚みまで塗布するか、カレンダー(圧延機)等により所定の厚みに分出したあと支持体と圧着する等の方法により形成することができる。
【0022】
前記圧縮性層には、前記材料とともに、各種の添加物が適宜、添加される。ゴム材料の場合には、加硫剤と、これに加えて加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、軟化剤・可塑剤等が適宜添加される。前記のように、添加物の種類や量によっても、調整することが可能である。カーボンブラックは、中でもファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、GPF(General Purpose Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、などが挙げられる。カーボンブラックの添加量は、その種類にもよるが、ゴム材料100重量部に対し、通常、35〜55重量部、好ましくは40〜50重量部である。
【0023】
本発明において使用し得る加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤および充填剤等を以下に例示する。
加硫剤としては、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、N,N′−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物や硫黄等があげられる。また、加硫剤として有機過酸化物系の架橋剤を使用することもできる。有機過酸化物系架橋剤の具体例としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート等があげられる。
【0024】
また、加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)等のチアゾール類が主促進剤として挙げられ、必要に応じて、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジメチルジチオカーバミン酸亜鉛(ZnMDC)、エチルフェニルジチオカーバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、および加硫剤のところで挙げたテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等を2次促進剤として適宜配合することもできる。
【0025】
老化防止剤としては、たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル(BHT)をはじめとするモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)をはじめとするビスフェノール系あるいは2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノンをはじめとするポリフェノール系や、ベンツイミダゾール系、チオウレア系、亜リン酸系、有機チオ酸系等の各種老化防止剤が単独であるいは2種以上を併用して使用できる。
【0026】
充填剤としては、炭酸カルシウム、ハードクレー、ソフトクレー、無水珪酸、硫酸バリウム、珪藻土、タルク、マイカ、アスベスト、グラファイト、軽石等の無機充填剤;再生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有機充填剤が挙げられる。
本発明の印刷用ブランケットは、前記支持体層上に、プライマー層を介して前述の表面印刷層用ゴム糊をコーティングして、得られたシート状積層体を所定の圧力と温度で加熱加圧して加硫させ、一体成形することによって作製される。こうして得られた印刷用ブランケットは、直接または下貼材を介してブランケット胴のシリンダの周面上に装着して使用される。
【0027】
本発明の印刷用ブランケットにおける支持体層は、前記圧縮性層と前記の非圧縮性の支持体とを積層して作製される。支持体層全体の厚みは、通常1.20〜1.85mm、好ましくは1.50〜1.75mmの範囲となるように設定される。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
図1の層構成を有するオフセット印刷用ブランケット10を作製した。本印刷用ブランケットは、3枚の基布13a、13bおよび13cからなる非圧縮性の支持体、圧縮性層14、基布13dよりなる支持体層12の上に、表面印刷層11を配して構成されているものである。
(1)支持体層12の作製
基布層の作製
基布として、綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維を組み合わせてなる混紡織物を用いた。上記基布上に、表2に示した基布層用ゴム糊を0.05mmの厚みになるまで糊引きした。こうして得られた3枚の基布13a、13bおよび13cをロールで圧着させて下層基布層を作製した。
【0029】
【表2】
Figure 2004262212
【0030】
圧縮性層の作製
下記の表3に示すように、NBRに加硫剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す各割合で混合し、トルエンに溶解させ、さらにアクリロニトリル系樹脂中空微粒子を混合して圧縮性層用ゴム糊を得た。空隙率は、所定量(40%)になるように計算した中空微小球を混合した。表3のゴム糊を基布上に塗布し、乾燥させた後、圧縮性層用ゴム糊を所定の厚みになるように糊引きして圧縮性層を得た。
【0031】
【表3】
Figure 2004262212
【0032】
次いで、乾燥後、基布層と圧縮性層のゴム糊側を圧着させて支持体層を得た。
(2)表面印刷層11の作製
表面印刷層用ゴム糊として、下記の表4に示すゴム配合物をトルエンに溶解させたものを上記の各支持体層12上に塗り、厚さ0.4mmの表面印刷層11を作製した。一方において、外径測定用試験片を作製するために、円筒状スリーブに、表面印刷層用ゴム糊として下記の表3に示すゴム配合をトルエンに溶解したものを塗布し、圧力1kg/cm、150℃で加硫した。次いで、外径変化を測定できるように、表面印刷層ゴムを研磨した。
【0033】
実施例および比較例において、顔料としては住化カラー製の「イプシロンブルーLB−510」を、老化防止剤としては大内新興製の「ノクラックNS−6、200」を、加硫促進剤としては大内新興製の「ノクセラーDM、TET」を、シランカップリング剤としてはデグサジャパンの「Si−69」を用いた。
【0034】
【表4】
Figure 2004262212
【0035】
(3)加硫・成形
上記の方法によって得られた未加硫の積層体を圧力1kg/cm、温度150℃でそれぞれ加硫し、一体成形した。次いで、表面印刷層11の10点平均粗さが3〜6μmになるように研磨して、オフセット印刷用ブランケット10を作製した。
(4)下層基布の切除
上記のシート状ブランケットをブランケット胴に巻きつける長さ920mmに切断し、その両端部から約100mmの位置(2箇所)における下層基布3枚をV字状(上辺部:5mm)にヒートカッターを用いて切除し、溝15を形成した。当該溝形成箇所は、ブランケットを固定するためにブランケット胴に設けたギャップ(幅:1050mm)のエッジ部に位置させたものである。
【0036】
上記の溝15を形成したシート状ブランケットを、印刷機に装着を試みたところ、ブランケット胴のエッジ部においても円滑な状態で両端部を挿入・固定することができて、表面印刷層には凸状の変化は認められなかった。また、オフセット印刷に継続して用いても、印刷物にショック目の発生は一切認められなかった。
実施例2
実施例1における「(4)下層基布の切除」において、下層基布3枚を台形状(上辺部:10mm、下辺部:5mm)にヒートカッターを用いて切除し、溝15を形成したこと以外は、実施例1と同様に実施してシート状の印刷用ブランケットを作製した。このシート状ブランケットを、印刷機に装着を試みたところ、ブランケット胴のエッジ部においても円滑な状態で両端部を挿入・固定することができて、表面印刷層には凸状の変化は認められなかった。また、オフセット印刷に継続して用いても、印刷物にショック目の発生は一切認められなかった。
【0037】
比較例1
実施例1における「(4)下層基布の切除」を行なわずに、従来のシート状の印刷用ブランケットを作製した。このシート状ブランケットを、印刷機に装着したところ、ブランケット胴のエッジ部に相当する箇所で、下層基布が座屈し、表面印刷層には凸状の変化が認められた。オフセット印刷に用いたところ、印刷物に凸状に起因するショック目の発生が認められた。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明のオフセット印刷用ブランケットは、印刷機シリンダ胴のギャップに両端部を挿入・固定するに際して、エッジ部へ円滑な適合状態で簡単に装着することができるので、表面印刷層が凸状に変形する恐れがない。従って、オフセット印刷用いるとき、印刷物にショック目が現れることもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフセット印刷用ブランケットの層構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)は図1のブランケットの下層基布をV字状に切除し溝を形成した例を、図2(b)は同じく台形状の溝を形成した例をそれぞれ示す。
【図3】図3(a)は図2(a)のブランケットを、図3(b)は図2(b)のブランケットを、図3(c)は図1のブランケットを、それぞれシリンダ胴ギャップに挿入・固定したときの、エッジ部における適合状況と表面印刷層の変形の関係を示す。
【図4】従来のシート状ブランケットをシリンダ胴ギャップに挿入・固定したときの、エッジ部における適合状況と表面印刷層の変形の関係を示す。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット
11 表面印刷層
12 支持体層
13a〜13d 基布層
14 圧縮性層
15 溝(下層基布切除部)

Claims (3)

  1. 下層基布、圧縮性層および上層基布を有する支持体層上に表面印刷層をシート状に積層してなり、シリンダ胴部に巻き付けてその両端部をシリンダ胴ギャップに挿入固定し用いるシート状印刷用ブランケットにおいて、シリンダ胴ギャップのエッジ部に対応する箇所の下層基布を幅方向、溝状に切除してなることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 前記下層基布が1〜5枚の基布よりなり、前記エッジ部対応箇所においてその1〜3枚分を幅方向、溝状に切除してなることを特徴とする請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 前記エッジ部に対応する箇所の下層基布を、幅方向、V字状または台形状の溝に切除してなることを特徴とする請求項1または2記載の印刷用ブランケット。
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