JP2001171256A - オフセット印刷用ブランケット - Google Patents

オフセット印刷用ブランケット

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JP2001171256A
JP2001171256A JP35547499A JP35547499A JP2001171256A JP 2001171256 A JP2001171256 A JP 2001171256A JP 35547499 A JP35547499 A JP 35547499A JP 35547499 A JP35547499 A JP 35547499A JP 2001171256 A JP2001171256 A JP 2001171256A
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信 杉谷
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康彦 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷の多様化に対応し、種々の印刷紙にもベタ
着肉性が良好な印刷が可能であり、しかも装着時に柔軟
性の問題のない印刷用ブランケットを提供する。 【解決手段】非圧縮性の支持体(13a,b,c)と圧
縮性層14を含む支持体層12とその上に表面印刷層1
1とを有する印刷用ブランケット10において、前記支
持体層14のせん断弾性率G*を6〜12MPaに調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷用
ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷におけるブランケットと
しては、従来、複数の基布からなる支持体層上に、合成
ゴムからなる表面印刷層を設けたものが用いられてい
る。このような従来のブランケットは、表面印刷層にお
けるインキの着肉性が良好であるものの、印刷時の圧力
(印圧)が大きくなると網点の変形(特に網点の太り)
が生じて印刷品質が低下するという問題があった。
【0003】そこで、印圧を調整し、網点の太り等を抑
制することを目的として、内部に多孔質の圧縮性層を設
けたオフセット印刷用ブランケットが提案されている。
このブランケットは印圧によって生じた歪みが圧縮性層
で吸収されるために、ブランケット表面の変形が減少
し、網点の太りが抑制され、その結果、形成画像の印刷
品質が向上するという利点がある。特に、近年はこのよ
うな圧縮性層を設けたブランケットは広く用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年は印刷の
多様化に伴い、様々な種類の紙に対する印刷が必要とな
っており、中にはインキの着肉性が悪い紙等も含まれて
いる。その場合には印圧を調整したり、圧縮特性の異な
るブランケットを使用するなどしているが、効果的な対
応が未だ難しい状況にある。本発明の目的は、紙質の異
なる印刷紙に対してもインキの着肉性が実用上満足する
ものであり、しかも印刷機への装着性に問題のない印刷
用ブランケットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは上記課題を解決するために検討を重ねた結果、圧
縮性層を有する支持体層と、この支持体層上に積層され
た表面印刷層とを含むオフセット印刷用ブランケットに
おいて、前記支持体層のせん断弾性率G*が6〜12M
Paである部材を使用した場合には、オフセット輪転印
刷機での高速印刷におけるインキの着肉性が著しく向上
するという事実を見出し、さらに検討して本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、 1)圧縮性層を有する支持体層と、この支持体層上に積
層された表面印刷層とを有するオフセット用印刷用ブラ
ンケットにおいて、前記支持体層がせん断弾性率G*
6〜12MPa(ここで、G*は、周波数10Hz、振
幅5μm、圧縮率12%、温度23℃の測定条件下での
値を示す)からなる部材で構成されていることを特徴と
するオフセット印刷用ブランケット、 2)前記支持体層が、カーボンブラックを含有するアク
リロニトリルブタジエンゴムの多孔質性ゴム組成物であ
って厚みが0.1〜0.6mmの圧縮性層を有する上記
1)項記載のオフセット印刷用ブランケット、 3)前記支持体層のせん断弾性率G*が7〜11MPa
である上記1)または2)項記載のオフセット印刷用ブ
ランケット、である。
【0007】本発明のオフセット印刷用ブランケット
は、インキ着肉性や柔軟性等の印刷特性に優れたもので
あるが、その理由としては以下のことが考えられる。印
刷時にはブランケットを被印刷物に押しつけることによ
り、ブランケットのインキが被印刷物に転移して印刷が
行われる。従来のブランケットではこのブランケットの
圧縮方向に注目して圧縮性層の改良が試みられ、適度な
圧縮特性を持つブランケットが作製されていた。
【0008】本発明では、ブランケットの横方向、すな
わちブランケットを印刷機に装着した場合に回転方向と
なる方向における、ブランケットの動的特性も印刷特性
に重要であるとの知見を得て、これに基づき改良を加え
たものである。すなわち、圧縮性層を構成する発泡性材
料に加え、従来のブランケットには見られない、回転方
向にも適度な動的特性を持たすために、特定範囲のせん
断弾性率G*を有する支持体層を設けたことにより、印
刷特性が向上したものである。
【0009】本発明において、「せん断弾性率G*」と
は、支持体層に対して、正弦波動等の動的せん断応力を
加えたときに見られる粘弾性特性であって、次の式1で
求められる。
【0010】
【数1】
【0011】[式中、Wは試料の横(cm)を、Tは試
料の縦(cm)を、Lは試料の厚み(cm)を、DFは
動的応力(g)を、DDは動的歪(cm)を、δは位相
差(deg)を,Fは周波数(Hz)をそれぞれ表わ
す。なお、測定に際し2枚の試料をせん断治具に装着す
ることから動的応力は2枚分の値となるので、1/2を
乗ずる。] 本発明におけるせん断弾性率G*の測定条件は次のとお
りである。試験試料の横0.8cm、試験試料の縦0.
8cm、試験周波数10Hz、試験温度23℃、試験周
波数10Hz、試験振幅5μm、圧縮率12%。また、
測定機器にはレオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ
(型番「DVE−V4」)を使用した。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオフセット印刷用
ブランケットを詳細に説明する。本発明の印刷用ブラン
ケットは、前記のとおり、表面印刷層と、圧縮性層を有
する支持体層とを積層させたものであって、前記支持体
層がせん断弾性率G*が6〜12MPa(ここで、G
*は、周波数10Hz、振幅25μm、温度23℃の測
定条件下での測定値を示す)からなる部材で構成されて
いることを特徴とする。
【0013】本発明において、支持体層は圧縮性層と非
圧縮性の支持体から構成される。前記のとおり、支持体
層のせん断弾性率G*は6〜12MPaであることを要
し、より好ましくは7〜11Mpaである。G*が上記
の範囲を下回るとベタ着肉性などの印刷特性の向上の効
果が期待できず、一方上記範囲を越えるときは圧縮性層
が印刷方向に対して硬くなりすぎてブランケットを装着
するのが困難になる等の問題が生じてくる。
【0014】支持体層を構成する部材が上記の範囲のG
*とするためには、発泡層の材料や基布層間のプライマ
ー材料を適宜選択すること、またこれら材料の厚みを適
宜調整すること、あるいは添加物の種類や量を選択する
ことにより達成し得るが、これらに限定されるものでは
ない。前記圧縮性層の材料には、ゴム、樹脂、熱可塑性
エラストマー等の中から、インキや洗浄液に耐性を有す
るものが好ましく選択される。特に、アクリロニトリル
ブタジエンゴム(NBR)にカーボンブラックを含有さ
せたゴム組成物が、強度、加工性、コストの点から好ま
しく使用できる。
【0015】圧縮性層は、前述のように多孔質の弾性部
材からなるものであって、該層内部の各気孔がそれぞれ
独立した独立気孔構造のものと、各気孔が互いに連通し
た連続気孔構造のものとがある。本発明ではこのいずれ
の構造であってもよく、両方の構造を併用してもよい。
上記のうち独立気孔構造の圧縮性層は、例えば加熱分解
してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム中に分散し
て、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、あるいはゴ
ム中に中空微粒子を分散させる方法(マイクロバルーン
法)によって形成される。一方、連続気孔構造の圧縮性
層は、未加硫のゴム中に食塩等の抽出可能な粒子を分散
し、加硫後に、ゴムの性質に影響を及ぼさない溶媒(食
塩の場合は水)により上記粒子を抽出する方法(リーチ
ング法)によって形成される。
【0016】圧縮性層内の気孔(空隙)の割合(以下、
「空隙率」という)は特に限定されないが、通常、25
〜75%、好ましくは30〜60%、より好ましくは3
5〜50%の範囲に調整するのが適当である。圧縮性層
の空隙率が上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印圧
の調整が不十分になるおそれがある。逆に空隙率が上記
範囲を超えると、復元性が低下してヘタリが生じたり、
印刷に必要な印圧が得られなくなるおそれがある。
【0017】圧縮性層の発泡方法は、公知手段を採用す
ることができ、例えば塩抽出層、中空微小球を配合する
方法、発泡剤を使用する方法等いずれの発泡方法でも適
用できる。圧縮性層の厚みは、一般に0.1〜0.6m
mであり、前記G*の範囲となるように適宜選択され
る。前記圧縮性層は、上記の材料を溶剤(例、トルエ
ン、メチルエチルケトンなど)に溶かして基布上に所定
の厚みまで塗布したり、カレンダー(圧延機)等により
所定の厚みに分出したあと支持体と圧着する等の方法に
より形成することができる。
【0018】前記圧縮性層には、前記材料とともに、各
種の添加物が適宜、添加される。ゴム材料の場合には、
加硫剤と、これに加えて加硫促進剤、加硫促進助剤、老
化防止剤、補強剤、充填剤、軟化剤・可塑剤等が適宜添
加される。前記のように、添加物の種類や量によって
も、支持体層のせん断弾性率G*を6〜12MPaの範
囲に調整することができ、例えばゴム材料の補強剤であ
るカーボンブラックの種類や添加量を適宜選択すること
により、G*を前記の範囲となるように調整することが
可能である。カーボンブラックは、中でもファーネスブ
ラックが好ましく、その具体例としては、GPF(Gene
ral Purpose Furnace)、HAF(High Abrasion Fur
nace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furn
ace)、などが挙げられる。カーボンブラックの添加量
は、その種類にもよるが、ゴム材料100重量部に対
し、通常、35〜55重量部、好ましくは40〜50重
量部である。
【0019】加硫剤としては、例えばテトラメチルチウ
ラムジスルフィド(TMTD)、N,N′−ジチオビス
モルホリン等の有機含硫黄化合物や硫黄等があげられ
る。また、加硫剤として有機過酸化物系の架橋剤を使用
することもできる。有機過酸化物系架橋剤の具体例とし
ては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−te
rt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t
ert−ブチルクミルペルオキシド、1,1−ビス(t
ert−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−
ビス(tert−ブチルペルオキシ)オクタン、2,5
−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルペルオキシ)
ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス
(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイ
ルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキ
シド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート等があ
げられる。
【0020】また、加硫促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジスルフィド(MBTS)、N−オキシジエチレン
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(OBS)、N
−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミ
ド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド(TBBS)等のチアゾール類が
主促進剤として挙げられ、必要に応じて、1,3−ジフ
ェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムモ
ノスルフィド(TMTM)、ジメチルジチオカーバミン
酸亜鉛(ZnMDC)、エチルフェニルジチオカーバミ
ン酸亜鉛(ZnEPDC)、および加硫剤のところで挙
げたテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等
を2次促進剤として適宜配合することもできる。
【0021】老化防止剤としては、たとえば2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチル(BHT)をはじめと
するモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)をはじめと
するビスフェノール系あるいは2,5−ジ−tert−
ブチルハイドロキノンをはじめとするポリフェノール系
や、ベンツイミダゾール系、チオウレア系、亜りん酸
系、有機チオ酸系等の各種老化防止剤が単独であるいは
2種以上を併用して使用できる。
【0022】充填剤としては、炭酸カルシウム、ハード
クレー、ソフトクレー、無水珪酸、硫酸バリウム、珪藻
土、タルク、マイカ、アスベスト、グラファイト、軽石
等の無機充填剤;再生ゴム、粉末ゴム、アスファルト
類、スチレン樹脂、にかわ等の有機充填剤が挙げられ
る。軟化剤・可塑剤としては、従来の植物油系、鉱物油
系および合成品系のものが適宜使用できる。例えば、植
物油系軟化剤としては、脂肪酸(例、ステアリン酸、ラ
ウリル酸)があげられ、これは加硫促進助剤としても機
能する。また、合成系可塑剤としては、ジオクチールア
ジペート、ジブチルヌタレート、ジオクチルフタレート
などがあげられる。
【0023】次に、支持体層を構成する非圧縮性の支持
体(補強層ともいう)について述べる。支持体は、天然
繊維または合成繊維もしくはこれらの混紡糸からなる基
布にゴム糊を塗布した基布層から構成される。基布とし
ては、綿、ポリエステル、レーヨン等の織布または不織
布からなるものがあげられる。これらのなかでも伸び取
り加工を施した織布が好ましい。
【0024】基布層用ゴム糊には、例えばアクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(AC
M)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料に、前述
のような、加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて増粘
剤等を配合したものが用いられる。基布層の1層の厚み
は、通常、0.2〜0.5mmの範囲で設定するのが適
当である。また、基布層の数は、製品に要求される特性
等に応じて適宜設定すればよく、通常1〜5層である
が、複数層であることが好ましい。
【0025】本発明の印刷用ブランケットにおける支持
体層は、前記圧縮性層と前記の非圧縮性の支持体とを積
層して作製される。支持体層全体の厚みは、通常1.2
0〜1.85mm、好ましくは1.50〜1.75mm
の範囲となるように設定される。次に、表面印刷層を構
成するゴム材料としては、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)、水素添加NBR、クロロプレンゴム
(CR)、ポリウレタンゴム、アクリルゴム等の合成ゴ
ムが挙げられ、さらにはこれらの混合物や前記合成ゴム
と多硫化ゴムとの混合物なども好適に用いられる。表面
印刷層は、例えば上記ゴム材料に、前述のような、加硫
剤、加硫促進剤、および充填剤等を配合し、これをトル
エン等の溶剤に溶解させてゴム糊とし、支持体層にブレ
ードコーティング等によって塗布することにより形成さ
れる。
【0026】表面印刷層の厚みは特に限定されないが、
通常、0.05〜0.8mm、好ましくは0.1〜0.
6mm、より好ましくは0.2〜0.5mmの範囲で設
定するのが適当である。表面印刷層の厚みが上記範囲を
下回ると、基布の模様が印刷画像に現れるおそれがあ
る。逆に厚みが上記範囲を超えると、印刷時のひずみが
大きくなりすぎて印刷品質が低下するおそれがある。表
面印刷層の硬度は特に限定されないが、JIS A硬度
で40〜75°、好ましくは50〜65°の範囲に調整
するのが適当である。表面印刷層の硬度が上記範囲を下
回ると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて排紙性が低
下し、見当合わせの精度も低下するおそれがある。逆に
硬度が上記範囲を超えると、表面印刷層の柔軟性が不十
分になるため、ベタ着肉性が低下するおそれがある。
【0027】また、表面印刷層の表面粗さも常法どおり
でよく特に限定されないが、10点平均粗さRZで10
μm以下であるのが好ましい。表面印刷層の表面粗さが
上記範囲を超えると、印刷された網点の形状が乱れるな
どして、印刷品質が低下するという問題が生じる。本発
明の印刷用ブランケットは、前記支持体層上に、プライ
マー層を介して前述の表面印刷層用ゴム糊をコーティン
グして、得られた積層体を所定の圧力と温度で加熱加圧
して加硫させることによって作製される。こうして得ら
れた印刷用ブランケットは、直接または下貼材を介して
ブランケット胴のシリンダの周面上に装着して使用され
る。
【0028】
【実施例】以下に、比較例とともに実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明する。 実施例1〜4、比較例1および2 本発明のオフセット印刷用ブランケット10の構成例を
図1に示す。本印刷用ブランケットは、3枚の基布13
a,13bおよび13cからなる非圧縮性の支持体、圧
縮性層14、基布13dよりなる支持体層12の上に、
表面印刷層11を配して構成されているものである。こ
こで、支持体層12のせん断貯蔵弾性率G*が異なる6
種のオフセット印刷用ブランケット(実施例1〜4、比
較例1および2)を、次のとおり作製した。 (1)支持体層12の作製 基布層の作製 基布として、綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維
を組み合わせてなる混紡織物を用いた。
【0029】上記基布上に、表1に示した基布層用ゴム
糊を0.05mmの厚みになるまで糊引きした。こうし
て得られた3枚の基布13a,13bおよび13cをロ
ールで圧着させて基布層(非圧縮性の支持体)を得た。
【0030】
【表1】
【0031】圧縮性層の作製 下記の表2に示すように、NBRに加硫剤、加硫促進
剤、充填剤等の成分を同表に示す各割合で混合し、トル
エンに溶解させ、さらにアクリロニトリル系樹脂中空微
粒子を混合して圧縮性層用ゴム糊を得た。空隙率は、所
定量(40%)になるようように計算した中空微小球を
混合した。表2のゴム糊を基布上に塗布し、乾燥させた
後、圧縮性層用ゴム糊を所定の厚みになるように糊引き
して圧縮性層を得た。
【0032】
【表2】
【0033】乾燥後、基布層と圧縮性層のゴム糊側を圧
着させて支持体層を得た。 (2)表面印刷層11の作製 表面印刷層用ゴム糊として、下記の表3に示すゴム配合
物をトルエンに溶解させたものを上記の各支持体層12
上に塗り、厚さ0.4mmの表面印刷層11を作製し
た。
【0034】
【表3】
【0035】(3)成形 上記の方法によって得られた未加硫の積層体を圧力1k
g/cm2、温度150℃でそれぞれ加硫・成形した。
次いで、表面印刷層11の10点平均粗さが3〜6μm
になるように研磨して、オフセット印刷用ブランケット
10を作製した。 <評価試験> (1)ベタ着肉性 印刷用ブランケットをオフセット輪転機のシリンダーに
装着し、各種類の紙におけるベタの濃度分布を目視によ
り、次の基準で判断した。
【0036】 ○均一に良好である。 △ややムラがある。 × ムラが多い。 (2)網点太り具合 上記(1)において、コート紙における印刷物のドット
ゲイン(網点太り具合)を顕微鏡で観察した。
【0037】 ○太りが小さい。 △やや太りがみられる。 × 太り具合が大きい。 (3)ブランケットの柔軟性 ブランケットを幅38mm×長さ150mmの試験片に
調製し、一方の端部を固定しながら他方の端部を押し
て、もとの位置から15度傾けたときの応力を測定し
た。このF値が大きすぎるとブランケットの印刷機への
装着が困難になり実用的ではない。F値により、柔軟性
を次の基準で評価した。 ・ F≦800mN 柔軟性良好(○) ・ 800mN<F≦1100mN 柔軟性に特に問題がなく使用できる(△ ) ・1100mN<F 柔軟性悪い(×) 上記施例および比較例で作製した各ブランケットの評価
試験の結果を表4に示す。また、支持体層のせん断弾性
率G*の測定値も合わせて表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】以上の結果より、本発明に基づいて、せん
断弾性率G*がそれぞれ6.2、7.4、10.7およ
び11.3Mpaである支持体層によって作製された実
施例1〜4の各オフセット印刷用ブランケットは、印刷
紙の種類を問わずにベタ着肉性が良好であり、網点の太
り具合および柔軟性も問題のないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの一構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット 11 表面印刷層 12 支持体層 14 圧縮性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 康彦 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H114 CA02 CA03 CA04 CA10 DA46 EA04 EA08 FA02 4J002 AC071 BG101 DA036 GM00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮性層を有する支持体層と、この支持体
    層上に積層された表面印刷層とを有するオフセット用印
    刷用ブランケットにおいて、前記支持体層がせん断弾性
    率G *が6〜12MPa(ここで、G*は、周波数10H
    z、振幅5μm、圧縮率12%、温度23℃の測定条件
    下での測定値を示す)からなる部材で構成されているこ
    とを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】前記支持体層が、カーボンブラックを含有
    するアクリロニトリルブタジエンゴムの多孔質性ゴム組
    成物であって厚みが0.1〜0.6mmの圧縮性層を有
    する請求項1記載のオフセット印刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】前記支持体層のせん断弾性率G*が7〜1
    1MPaである請求項1または2記載のオフセット印刷
    用ブランケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6884498B2 (en) 2001-12-28 2005-04-26 Kinyosha Co., Ltd. Rubber blanket for offset printing
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