JP3436484B2 - ビジネスフォーム印刷用ブランケット - Google Patents

ビジネスフォーム印刷用ブランケット

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JP3436484B2 JP09194998A JP9194998A JP3436484B2 JP 3436484 B2 JP3436484 B2 JP 3436484B2 JP 09194998 A JP09194998 A JP 09194998A JP 9194998 A JP9194998 A JP 9194998A JP 3436484 B2 JP3436484 B2 JP 3436484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造が簡単でかつ
実用的なレベルの印刷品質を得ることができる印刷用ブ
ランケットに関し、より詳しくは、ビジネスフォーム印
刷に好適な印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
のオフセット印刷法の進歩に伴って、帳票類、チケッ
ト、カード等の印刷物を対象とするビジネスフォーム印
刷の分野においても、オフセット印刷法が用いられつつ
ある。ビジネスフォーム印刷は、主にブランケットをシ
リンダーに貼り付けて用いるため、ブランケットに張力
をかけてシリンダーに取り付けて使用する輪転印刷機や
枚葉紙印刷機による印刷とは異なり、引張り強度は要求
されない。
【0003】それにもかかわらず、ビジネスフォーム印
刷においては、従来のオフセット印刷で使用するものと
同様に、構造が複雑なブランケットが用いられている。
すなわちビジネスフォーム印刷においても、通常のオフ
セット印刷と同様に、多孔質の圧縮性層24を介して基
布23を積層した支持体層22と、その表面に設けられ
た表面印刷層21とからなる印刷用ブランケット20
(図2参照)が、粘着層25を介してシリンダーに貼り
付けた状態で使用される。
【0004】かかる従来のブランケット20は、印刷時
にかかる剪断応力や張力によって印刷品質が低下するの
を防止し、ブランケット20を補強するのを目的として
基布23が設けられている。しかし、この従来のブラン
ケットの構造では、基布を設けることによってブランケ
ットの製造工程が複雑になるという問題があった。そこ
で本発明の目的は、構造が簡単で、しかも実用的なレベ
ルの印刷品質を得ることができるビジネスフォーム印刷
用ブランケットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来、通常のオフセット
印刷で基布を有しないブランケットを用いれば、印刷時
にかかる剪断力や張力にブランケットが耐えられず、印
刷品質が低下するという問題が生じると考えられてい
た。しかし本発明者らは、上記課題を解決するために研
究を重ねていく中で、ブランケットをブランケット胴
(シリンダ)に直接貼り付けて使用する場合には基布が
不要ではないかと考え、さらに検討を重ねた結果、圧縮
性層の密度と厚みとを所定の範囲に設定すれば、基布を
設けなくても実用上充分な印刷品質でもって印刷可能な
ブランケットが得られるという全く新たな事実を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明のビジネスフォーム印刷
用ブランケットは、多孔質の耐油性ゴムからなる単層の
圧縮性層と、その片面に形成された表面印刷層とを備え
た2層構造のブランケットであって、前記圧縮性層の密
度が0.3〜0.8g/cm3 、厚みが0.3〜0.8
mmであり、かつブランケット胴に貼り付けてなること
を特徴とする。本発明によれば、基布を有しないことか
らブランケットの構造が簡単になり、容易に製造するこ
とができる。また、圧縮性層の密度と厚みとを上記範囲
で設定することにより、基布がなくても実用的なレベル
の印刷品質を維持することができる。
【0007】上記本発明の印刷用ブランケットにおいて
は、印刷品質を優れたものにするという観点から、圧縮
ひずみ量が0.1〜0.15mmとなるように圧縮した
ときの圧縮応力が5〜25kg/cm2 であるのが好ま
しい。
【0008】以下、本発明のビジネスフォーム印刷用ブ
ランケットについて詳細に説明する。本発明のビジネス
フォーム印刷用ブランケット10は、例えば図1に示す
ように、圧縮性層11の片面に表面印刷層12を形成し
たものを、ブランケット胴(シリンダ)に貼り付けてな
るものであ。シリンダへの貼り付けは、粘着層13を
介して行われる。
【0009】(i) 圧縮性層 本発明のビジネスフォーム印刷用ブランケットにおける
圧縮性層は、多孔質の耐油性ゴムからなる層である。耐
油性ゴムとしては、例えばポリウレタン、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム
(CR)、多硫化ゴム、アクリルゴム(ACM,AE
M)、フッ素系ゴム等が挙げられる。
【0010】ポリウレタンには、注型(注入成形)タイ
プ、ミラブルタイプ、熱可塑性タイプの3つのタイプが
あるが、圧縮性層の作成にはこれらのいずれのタイプも
使用可能である。注型タイプのポリウレタンを用いる場
合には、例えばいわゆるウレタンフォームの形成方法、
すなわち2液型の注型タイプのポリウレタンを硬化反応
させ、その際に発生するガス(主に二酸化炭素)によっ
て自発的に発泡させる方法によって圧縮性層を形成する
ことができる。
【0011】一方、注型タイプのポリウレタンのうち発
泡しないタイプの場合は、加熱分解型の発泡剤を添加し
て、注型、硬化時に加熱して発泡させる方法(発泡
法)、中空微粒子(マイクロセル)を混入する方法(マ
イクロバルーン法)、食塩等の粒子を配合しておき、硬
化後に前記粒子を抽出する方法(リーチング法)等を採
用することによって圧縮性層を形成できる。
【0012】ミラブルタイプのポリウレタンを用いる場
合には、かかるミラブルタイプのポリウレタンが通常の
ゴムと同様に加圧下で加硫されることから、マイクロバ
ルーン法やリーチング法を採用することによって圧縮性
層を形成できる。熱可塑性タイプのポリウレタンを用い
る場合には、ポリウレタンをシート状に押出成形できる
ので、加熱分解型の発泡剤を添加する発泡法、または押
出成形機中で溶融、混練状態となったポリウレタンに、
ガスや揮発性溶剤等を圧入し、押出成形と同時に発泡さ
せる方法によって圧縮性層を形成できる。また、マイク
ロバルーン法やリーチング法を採用することもできる。
【0013】圧縮性層の作製にポリウレタン以外の耐油
性ゴム、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)、クロロプレンゴム(CR)、多硫化ゴム、アク
リルゴム(ACM,AEM)、フッ素系ゴム等を用いる
場合には、例えば加熱分解してガスを発生する発泡剤を
未加硫のゴム中に分散して、ゴムの加硫と同時に発泡さ
せる方法(発泡法)、ゴム中に中空微粒子を分散させる
方法(マイクロバルーン法)、未加硫のゴム中に食塩等
の抽出可能な粒子を分散し、加硫後に、ゴムの性質に影
響を及ぼさない溶媒(食塩の場合は水)により上記粒子
を抽出する方法(リーチング法)等によって形成するこ
とができる。
【0014】圧縮性層の密度は0.3〜0.8g/cm
3 の範囲で設定される。密度が前記範囲を下回ると、ベ
タ着肉性が低下するおそれがある。逆に、密度が前記範
囲を超えると、網点再現性が低下するおそれがある。圧
縮性層の密度は前記範囲の中でも特に0.4〜0.7g
/cm3 であるのが好ましい。圧縮性層の厚みは0.3
〜0.8mmの範囲で設定される。厚みが前記範囲を外
れると、ベタ着肉性が低下したり、網点再現性が低下し
たりする。とりわけ、圧縮性層の厚みが0.3mmを下
回ると、圧縮性が低下してひずみを充分に吸収できなく
なるおそれがある。逆に、厚みが0.8mmを超える
と、ベタ着肉性が低下する(反力が低下してインキの付
きが悪くなる)おそれがある。圧縮性層の厚みは前記範
囲の中でも特に0.4〜0.7mmであるのが好まし
い。
【0015】圧縮性層の密度および厚みを前記範囲で設
定することにより、ひずみ量が0.1〜0.15mmと
なるように圧縮したときの圧縮性層の圧縮応力を、5〜
25kg/cm2 の範囲に調節することができる。前記
条件における圧縮性層の圧縮応力が5〜25kg/cm
2 の範囲を外れると、ベタ着肉性が低下したり、網点再
現性が低下したりする。前記圧縮応力は前記範囲の中で
も特に10〜25kg/cm2 であるのが好ましく、1
0〜20k圧縮応力は、明伸工機(株)製の圧縮試験機
を用いて測定した。すなわち、幅100mm、φ約25
mmのRが付いた台上にサンプルを乗せ、同じRの付い
たロードヘッドを押しつけて、ロードセルを用いて測定
した。
【0016】前述のウレタンフォームの形成方法や、発
泡法、マイクロバルーン法で形成された圧縮性層は、層
内の気泡がそれぞれが独立した構造(独立気泡構造)を
有する。一方、リーチング法で形成された圧縮性層は、
層内の気泡が互いに連通した構造(連続気泡構造)を有
する。本発明では、圧縮性層の気泡構造は前記のいずれ
の構造であってもよく、両方の構造を併用してもよい。
【0017】圧縮性層内の気泡(空隙)の割合(以下、
「空隙率」という)は圧縮性層の密度に応じて適宜調整
される。通常、空隙率は30〜70%、好ましくは35
〜60%、より好ましくは40〜55%の範囲で調整さ
れる。空隙率が前記範囲を下回ると圧縮性層の密度が前
記範囲を超えるおそれが生じる。逆に、空隙率が前記範
囲を超えると圧縮性層の密度が前記範囲を下回るおそれ
が生じる。
【0018】圧縮性層のマトリックスゴムの硬度は特に
限定されないが、JIS A硬度で40〜80°、好ま
しくは45〜75°、より好ましくは50〜70°の範
囲に調整するのが適当である。硬度が前記範囲を下回る
と圧縮性層、ひいてはブランケット自体の復元性が低下
してヘタリが生じたり、充分な印圧が得られなくなるお
それがある。逆に、硬度が前記範囲を超えると、圧縮性
が低下して印圧の調整が不十分になるおそれがある。
【0019】(ii)表面印刷層 表面印刷層を構成するゴムとしては、例えばアクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴ
ム、シリコーンゴムとNBRゴムとの共重合体、クロロ
プレンゴム(CR)、ウレタンゴム、多硫化ゴム、水添
化NBR、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロ
ピレンゴム(EPM)、アクリルゴム(ACM,AE
M)等が使用可能である。
【0020】表面印刷層の作製方法としては、例えば、
まず上記例示のゴムに加硫剤、加硫促進剤および必要に
応じて充填剤等の種々の添加剤を配合し、これをトルエ
ン、ベンゼン等の溶剤に加えて表面印刷層用のゴム糊を
作製する。次いで、このゴム糊をあらかじめ作製してお
いた圧縮性層の表面にコーティングまたは糊引きし、加
硫することにより作製することができる。なお、この場
合、表面印刷層の加硫は、圧縮性層とブランケット胴と
を加硫接着剤を介して接着するのと同時に行ってもよ
い。
【0021】一方、上記例示のゴムに加硫剤、加硫促進
剤および必要に応じて充填剤等の種々の添加剤を配合し
たゴムコンパウンドをシート状に押出成形し、これをダ
ブリング(あわせ)法によってあらかじめ作製しておい
た圧縮性層上に積層することによって表面印刷層を作製
することもできる。なお、圧縮性層を、前述した注型タ
イプのポリウレタンにて形成する場合は、当該圧縮性層
上に、糊引き法にて表面印刷層用ゴム糊を塗布するか、
あるいは未加硫の表面印刷層用ゴムコンパウンドからな
る押出シートを加硫接着剤を介して積層した後、加硫す
ることによって表面印刷層を形成することができる。ま
た、あらかじめ加硫成形した表面印刷層上に、注型タイ
プのポリウレタンにて圧縮性層を形成することも可能で
ある。
【0022】圧縮性層をミラブルタイプのポリウレタン
にて形成する場合は、加硫済の圧縮性層の上に、上記と
同様に糊引き法にて表面印刷層用ゴム糊を塗布するか、
あるいは未加硫の表面印刷層用ゴムコンパウンドからな
る押出シートを加硫接着剤を介して積層した後、加硫す
ることによって表面印刷層を形成することができる。ま
た、未加硫の圧縮性層の上に、糊引き法にて表面印刷層
用ゴム糊を塗布するか、あるいは未加硫の表面印刷層用
ゴムコンパウンドからなる押出シートを加硫接着剤を介
して積層した後で、全体を加硫してもよい。
【0023】圧縮性層を熱可塑性タイプのポリウレタン
にて形成する場合は、先に加硫成形した表面印刷層上
に、圧縮性層を押出成形した上で熱接着すればよい。表
面印刷層の厚みは特に限定されるものではないが、ブラ
ンケット全体の厚みが1mm程度であるのが好ましいこ
とから、圧縮性層の厚みに応じて0.57〜0.07m
m、好ましくは0.45〜0.25mmの範囲で設定さ
れる。表面印刷層の厚みが前記範囲を下回ると基布の模
様が印刷画像に現れるおそれがある。逆に、厚みが前記
範囲を超えると印刷時のひずみが大きくなりすぎて印刷
品質が低下するおそれがある。
【0024】以上詳述した圧縮性層および表面印刷層を
形成する際に使用される添加剤としては、例えば加硫
剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等のゴムを
加硫させるための配合剤のほか、老化防止剤、補強剤、
充填剤、軟化剤、可塑剤等の種々の添加剤が挙げられ
る。これら添加剤の配合量は、従来の印刷用ブランケッ
トの製造と同程度で設定すればよい。
【0025】上記添加剤のうち加硫剤としては、例えば
硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等が挙げられ
る。このうち有機含硫黄化合物としては、例えばN,
N′−ジチオビスモルホリン等があげられ、有機過酸化
物としては、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド等が挙げられる。加硫促進剤としては、例
えばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチル
チウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジ
ブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバ
ミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、
ジエチルジチオカーバミン酸テルル等のジチオカーバミ
ン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等の
チアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチ
ルチオ尿素等のチオウレア類等の有機促進剤、あるいは
消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(P
bO)等の無機促進剤が挙げられる。
【0026】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等の
金属酸化物、あるいはステアリン酸、オレイン酸、綿実
脂肪酸等の脂肪酸が挙げられる。加硫遅延剤としては、
例えばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸等の芳香族
有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノ
ン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミン等のニ
トロソ化合物が挙げられる。
【0027】老化防止剤としては、例えば2−メルカプ
トベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル−
α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p
−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロ
ピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノフ
ェノール類が挙げられる。
【0028】補強剤としては主にカーボンブラックが使
用される他、シリカ系あるいはケイ酸塩系のホワイトカ
ーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、タルク、クレー等の無機補強剤、あるい
はクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレ
ン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共
重合体)等の有機補強剤も使用できる。
【0029】充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、
クレー、硫酸バリウム、珪藻土、マイカ、アスベスト、
グラファイト等の無機充填剤、あるいは再生ゴム、粉末
ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有機
充填剤が挙げられる。軟化剤としては、例えば脂肪酸
(ステアリン酸、ラウリン酸等)、綿実油、トール油、
アスファルト物質、パラフィンワックス等の、植物油
系、鉱物油系、および合成系の各種軟化剤が挙げられ
る。
【0030】可塑剤としては、例えばジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト等の各種可塑剤が挙げられる。上記以外にも、例えば
粘着性付与剤、分散剤、溶剤等を、ブランケットに要求
される性質に応じて適宜配合することができる。本発明
のビジネスフォーム印刷用ブランケットは、圧縮性層側
の表面とブランケット胴(シリンダ)とを貼り付けてな
るものであ。ブランケット胴に貼り付ける際には、使
用後シリンダから取り外すことを考慮して、粘着剤が
用いられる。
【0031】粘着剤としては、例えばポリアクリル酸ブ
チル等のアクリル系粘着剤等が用いられる。粘着剤や接
着剤は、通常、0.05〜0.1mm、好ましくは0.
06〜0.09mmの厚みの層となるように形成され
る。粘着剤や接着剤の層の厚みが前記範囲を下回ると、
その接着力が不十分になるおそれがある。逆に、厚みが
前記範囲を超えると、印刷洗浄液等によって先着剤が溶
け出したり、印刷時にせん断応力がかかる方向にブラン
ケットがずれたりするおそれがある。
【0032】
【実施例】以下、ビジネスフォーム印刷用ブランケット
の作成例を挙げて本発明を説明する。 作成例1 (圧縮性層の形成)ウレタンゴムには、日本合成ゴム
(株)〔JSR〕製のウレタンゴム〔硬度(JIS
A)=80〕を用いた。中空微粒子には、エクスパンセ
ル(EXPANCEL)社製の、塩化ビニリデンとアク
リロニトリルとの共重合体からなる殻体を備えた微粒子
を用いた。
【0033】圧縮性層用ゴム組成物の組成は次の通りで
ある。 上記ゴム組成物を幅1500mmのシート状に成形し、
連続加硫機にて150℃で連続加硫を行うことにより、
厚さ0.1mmの圧縮性層を得た。
【0034】得られた圧縮性層の密度は0.2g/cm
2 であった。また、前述の方法により測定した圧縮性層
の圧縮応力は30kg/cm2 (測定条件:圧縮ひずみ
量0.15mm)であった。 (表面印刷層の形成)表面印刷層用のゴム糊には、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100重量部
に対して、クレー系充填剤40重量部、ステアリン酸
(可塑剤)1重量部、プロセスオイル(可塑剤)5重量
部、粉末硫黄(加硫剤)1重量部、チウラム系加硫促進
剤1重量部、酸化亜鉛(加硫促進助剤)5重量部、熱硬
化性樹脂(粘着剤)3重量部、キノリン系化合物1重量
部およびトルエン(溶媒)100重量部を配合したもの
を用いた。
【0035】この表面印刷層用ゴム糊を、前述の「圧縮
性層の作成」で得られた圧縮性層の表面にブレードコー
ティング法にて糊引きして乾燥させ、表1に示す厚さを
有する表面印刷層を形成し、ビジネスフォーム印刷用ブ
ランケットを得た。こうして得られた印刷用ブランケッ
トを、NBRゴムを主成分とした接着用ゴム糊を用いて
ブランケット胴の表面に貼り合わせ、次いで160℃で
20分間加熱することにより、表面印刷層を加硫した。
【0036】こうして得られたビジネスフォーム印刷用
ブランケットの層構成は図1に示す通りである。 (印刷試験)上記ビジネスフォーム印刷用ブランケット
10を用いて印刷試験を行い、ベタ着肉性および網点再
現性を評価した。
【0037】印刷試験は、ビジネスフォーム印刷用ブラ
ンケット(厚さ0.94mm)をオフセット印刷機のブ
ランケット胴に装着して、ベタ印刷することによって行
った。印刷用紙にはコート紙を使用した。印刷速度は1
00m/分であった。 ・ベタ着肉性 画像解析によってベタ部分の濃度分布を調べ、その標準
偏差(n)を求めた。標準偏差が小さいほどベタ着肉性
が良好であることを示す。ベタ着肉性の評価基準は次の
とおりである。 ◎:n≦7 ベタ着肉性が極めて良好であった。 ○:7<n≦9 ベタ着肉性が実用上十分であった。 △:9<n≦11 ベタ着肉性が実用上不十分であっ
た。 ×:11<n ベタ着肉性が極めて低かった。
【0038】・網点再現性 印刷用紙上に形成された網点をマイクロスコープで拡大
観察し、印刷用版の網点(真円)に対する網点の形状変
化の度合いをもとに網点再現性を評価した。その評価基
準は次のとおりである。 ○:印刷用紙上に再現された網点と、印刷用版の網点と
の形状の相違がほどんどなく、網点再現性が良好であっ
た。 ×:網点再現性が低かった。
【0039】・総合評価 前記ベタ着肉性および網点再現性のいずれも○または◎
であったものの総合評価を○とし、両方が△または×で
あったものの総合評価を×とした。また、いずれか一方
が○または◎であったものの、他方が△または×であっ
たものについては、総合評価を△とした。
【0040】以上の結果を表1に示す。 作成例2〜9 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表1に示す値に設定
したほかは、作成例1と同様にしてビジネスフォーム印
刷用ブランケットを作製した。次いで、前述の印刷試験
を行って、ベタ着肉性と網点再現性とを評価した。その
結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】作成例10〜17 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表2に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を13重量部に変更して、圧縮性層の密度
を0.3g/cm3 としたほかは、作成例1と同様にし
てビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0043】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】作成例18〜25 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表3に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を7.5重量部に変更して、圧縮性層の密
度を0.4g/cm3 としたほかは、作成例1と同様に
してビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0046】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表3に示
す。
【0047】
【表3】
【0048】作成例26〜33 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表4に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を5重量部に変更して、圧縮性層の密度を
0.5g/cm3 としたほかは、作成例1と同様にして
ビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0049】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表4に示
す。
【0050】
【表4】
【0051】作成例34〜41 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表5に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を3.3重量部に変更して、圧縮性層の密
度を0.6g/cm3 としたほかは、作成例1と同様に
してビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0052】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表5に示
す。
【0053】
【表5】
【0054】作成例42〜49 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表6に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を2.1重量部に変更して、圧縮性層の密
度を0.7g/cm3 としたほかは、作成例1と同様に
してビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0055】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表6に示
す。
【0056】
【表6】
【0057】作成例50〜57 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表7に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を1.25重量部に変更して、圧縮性層の
密度を0.8g/cm3 としたほかは、作成例1と同様
にしてビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製し
た。
【0058】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表7に示
す。
【0059】
【表7】
【0060】作成例58〜65 圧縮性層および表面印刷層の厚みを表8に示す値に設定
するとともに、圧縮性層用ゴム組成物に配合する中空微
粒子の配合量を0.6重量部に変更して、圧縮性層の密
度を0.9g/cm3 としたほかは、作成例1と同様に
してビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0061】次いで、前述の印刷試験を行って、ベタ着
肉性と網点再現性とを評価した。その結果を表8に示
す。
【0062】
【表8】
【0063】表1〜8より明らかなように、圧縮性層の
密度を0.3〜0.8g/cm3 とし、かつ圧縮性層の
厚みを0.3〜0.8mmとしたブランケットでは、ベ
タ着肉性および網点再現性が優れた画像を形成できた。
これに対し、圧縮性層の密度または厚みの少なくともい
ずれかが前記範囲を外れたブランケットでは、ベタ着肉
性および/または網点再現性が低く、実用には適さなか
った。
【0064】作成例66 ウレタンゴムに代えて、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)を用いて圧縮性層用ゴム組成物を作製し
たほかは、作成例29(圧縮性層の密度0.5g/cm
3 、厚み0.5mm)と同様にしてビジネスフォーム印
刷用ブランケットを作製した。
【0065】作成例67 ウレタンゴムに代えて、クロロプレンゴム(CR)を用
いて圧縮性層用ゴム組成物を作製したほかは、作成例2
9と同様にしてビジネスフォーム印刷用ブランケットを
作製した。 作成例68 ウレタンゴムに代えて、多硫化ゴムを用いて圧縮性層用
ゴム組成物を作製したほかは、作成例29と同様にして
ビジネスフォーム印刷用ブランケットを作製した。
【0066】作成例66〜68のブランケットについて
前述の印刷試験を行って、ベタ着肉性と網点再現性とを
評価した。その結果を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】表9より明らかなように、ポリウレタンゴ
ムに代えて、NBR、CRおよび多硫化ゴムを用いて
も、圧縮性層の密度と厚み所定の範囲に設定することに
より、ベタ着肉性および網点再現性に優れた画像を形成
可能なビジネスフォーム印刷用ブランケットを得ること
ができた。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のビジネス
フォーム印刷用ブランケットは、基布を有しない構造で
あって、構造が簡単で製造が容易であるとともに、優れ
た印刷品質でもって画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるビジネスフォーム
印刷用ブランケットの使用状態を示す断面図である。
【図2】従来の印刷用ブランケットの使用状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
10 ビジネスフォーム印刷用ブランケット12 表面印刷層11 圧縮性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐川 敬道 兵庫県明石市魚住町清水41番地の1 住 友ゴム魚住寮 (56)参考文献 特開 平2−277697(JP,A) 特開 平5−269969(JP,A) 特開 平6−344681(JP,A) 特開 昭56−93592(JP,A) 特公 昭47−30522(JP,B1) 特公 昭48−1005(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 10/00 - 10/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質の耐油性ゴムからなる単層の圧縮性
    層と、その片面に形成された表面印刷層とを備えた2層
    構造のブランケットであって、前記圧縮性層の密度が
    0.3〜0.8g/cm3 、厚みが0.3〜0.8mm
    であり、かつブランケット胴に貼り付けてなることを特
    徴とするビジネスフォーム印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】圧縮ひずみ量が0.1〜0.15mmとな
    るように圧縮したときの、前記圧縮性層の圧縮応力が5
    〜25kg/cm2 である請求項1記載のビジネスフォ
    ーム印刷用ブランケット。
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