JPWO2007094147A1 - 超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料 - Google Patents

超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料 Download PDF

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Abstract

超電導薄膜材料の製造方法は、中間層(2)を形成する工程と、中間層(2)に接するように超電導層(3)を形成する工程と、超電導層(3)に接するように、気相法により超電導層(4)を形成する工程とを備えている。中間層(2)を形成する工程と超電導層(3)を形成する工程との間において中間層(2)は減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持される。または、超電導層(3)を形成する工程と超電導層(4)を形成する工程との間において超電導層(3)は減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持される。これにより、臨界電流値を向上することができる。

Description

本発明は、超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料に関し、より特定的には、RE123系の組成を有する超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料に関する。
現在、ビスマス系の超電導体を用いた超電導線材と、RE123系の超電導体を用いた超電導線材との2種類の超電導線材の開発が特に進められている。このうちRE123系の超電導線材は、液体窒素温度(77.3K)での臨界電流密度がビスマス系の超電導線材よりも高いという利点を有している。また、低温下および一定磁場下における臨界電流値が高いという利点を有している。このため、RE123系の超電導線材は次世代の高温超電導線材として期待されている。
一方で、RE123系の超電導体はビスマス系の超電導体のように銀シースで被覆することができないので、RE123系の超電導線材は、配向金属基板上にたとえば気相法によって超電導体(超電導薄膜材料)を成膜する方法で製造される。
ここで、従来のRE123系の超電導薄膜材料の製造方法が、たとえば特開2003−323822号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、レーザ蒸着法(PLD法)を用いて金属テープ基板上に中間層を形成し、次にレーザ蒸着法を用いてRE123系の組成を有する第1の超電導層を中間層上に形成し、次にレーザ蒸着法を用いてRE123系の組成を有する第2の超電導層を第1の超電導層上に形成する技術が開示されている。特許文献1の超電導薄膜材料の製造方法によれば、多層の超電導層を積層することにより超電導薄膜材料の膜厚を厚くすることができるので、電流が流れる部分の断面積が大きくなり、超電導線材の臨界電流値を増加することができる。
特開2003−323822号公報
しかしながら、従来の製造方法によって得られた超電導線材は、超電導薄膜材料の膜厚の増加に伴って、臨界電流密度が低下し、臨界電流値の増加が徐々に鈍くなる性質があった。このため、臨界電流値を向上することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、臨界電流値を向上することのできる超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料を提供することである。
本発明の一の局面に従う超電導薄膜材料の製造方法は、下地層を形成する下地層工程と、下地層に接するように、気相法により超電導層を形成する超電導層工程とを備えている。下地層工程と超電導層工程との間において下地層は減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持される。
本発明の他の局面に従う超電導薄膜材料の製造方法は、下地層を形成する下地層工程と、下地層に接するように、気相法により超電導層を形成する超電導層工程とを備えている。下地層工程と超電導層工程との間において下地層は大気暴露せずに保持される。
本願発明者らは、大気中の水分や二酸化炭素などの不純物が超電導層の下地層に付着することによって超電導層の膜質が低下し、臨界電流値の増加が抑制される原因になっていることを見出した。特許文献1の超電導薄膜材料の製造方法では、中間層が形成されてから第1の超電導層が形成されるまでの間、および第1の超電導層が形成されてから第2の超電導層が形成されるまでの間の各々において、線材の巻き替えなどの作業をするために真空チャンバから金属テープ基板が取り出され、大気中に放置されていた。このため、大気中の水分や二酸化炭素などの不純物が超電導層の下地層(中間層や下地の超電導層)の表面に付着していた。これらの不純物は、超電導層と反応することにより超電導薄膜材料の超電導特性を劣化させ、臨界電流値の低下を招く。
そこで、本発明の超電導薄膜材料の製造方法においては、下地層工程と超電導層工程との間において下地層が減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持されるか、あるいは大気暴露せずに保持されるので、大気中の水分または二酸化炭素が超電導層の下地層に付着することを抑止することができる。その結果、超電導薄膜材料の超電導特性の劣化を抑止することができ、超電導薄膜材料の膜厚の増加とともに臨界電流値を向上することができる。
ここで、「減水蒸気雰囲気」とは、常温(20〜25℃)で乾燥した大気の水分量以下の水分を含んだ雰囲気を意味する。すなわち、常温で湿度10%の大気よりも低い水分量を含んだ水蒸気雰囲気を意味し、具体的には、大気圧よりも低い圧力の雰囲気、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填した雰囲気などが該当する。また「減二酸化炭素雰囲気」とは、雰囲気中の二酸化炭素量が空気中に含まれる二酸化炭素量よりも少ない雰囲気を意味する。減水蒸気雰囲気および減二酸化炭素雰囲気は、大気圧よりも低い圧力の雰囲気(減圧雰囲気)を含む他、窒素などの希ガスを充填した雰囲気を含む。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法において好ましくは、下地層工程において下地層として下地超電導層を形成する。
これにより、下地超電導層の表面に不純物が付着し難くなるので、多層の超電導層を積層して膜厚の厚い超電導層を作製する場合に、下地超電導層の上に形成される超電導層の超電導特性の劣化を抑止することができる。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法において好ましくは、下地層工程において下地層として中間層を形成する。
これにより、中間層の表面に不純物が付着し難くなるので、中間層上に形成される超電導層の超電導特性の劣化を抑止することができる。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法において好ましくは、下地層工程において下地層を基板上に形成する。基板は金属よりなっており、かつ下地層は岩石型、ペロブスカイト型、またはパイロクロア型のいずれかの結晶構造を有する酸化物よりなっており、かつ超電導層はRE123系の組成を有している。
これにより、結晶配向性および表面平滑性に優れた超電導薄膜材料が得られ、臨界電流密度および臨界電流値を向上することができる。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法において好ましくは、下地層工程において下地層をテープ状の基板上に形成し、かつ基板における下地層を形成する位置を基板の長手方向に沿う一の方向へ移動させながら下地層を形成する。超電導層工程において下地層における超電導層を形成する位置を上記一の方向とは反対の方向へ移動させながら超電導層を形成する。
これにより、線材の巻き替えなどの作業をすることなく下地層および超電導層を連続的に形成することができるので、下地層工程と超電導層工程との間において下地層を減圧雰囲気で保持し易くなる。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法において好ましくは、気相法がレーザ蒸着法、スパッタリング法、または電子ビーム蒸着法のいずれかである。
これにより、結晶配向性および表面平滑性に優れた超電導薄膜材料が得られ、臨界電流密度および臨界電流値を向上することができる。
本発明の超電導機器は、上記の超電導薄膜材料の製造方法により製造された超電導薄膜材料が用いられている。
本発明の超電導機器によれば、臨界電流密度および臨界電流値を向上することができる。
本発明の超電導機器において好ましくは、第1超電導層と、第1超電導層に接するように形成された第2超電導層と、第2超電導層に接するように形成された第3超電導層とが備えられた超電導薄膜材料を用いた超電導機器であって、臨界電流値が70(A/cm幅)を越えている。
なお、本願明細書における「RE123系」とは、RExBayCuz7-dにおいて、0.7≦x≦1.3、1.7≦y≦2.3、2.7≦z≦3.3であることを意味する。また、「RE123系」のREは、希土類元素およびイットリウム元素の少なくともいずれかを含む材質を意味する。また、希土類元素としては、たとえばネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)などが含まれる。
本発明の超電導薄膜材料の製造方法、超電導機器、および超電導薄膜材料によれば、臨界電流値を向上することができる。
本発明の一実施の形態における超電導薄膜材料の構成を概略的に示す部分断面斜視図である。 本発明の一実施の形態における超電導薄膜材料の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施の形態において連続成膜により中間層を形成する様子を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において連続成膜により超電導層を形成する様子を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において固定成膜により層を形成する様子を模式的に示す図である。 本発明の実施例1における超電導層の膜厚と臨界電流値との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態における超電導薄膜材料の他の構成を概略的に示す部分断面斜視図である。
符号の説明
1 金属基板、2 中間層、3〜5 超電導層、10 超電導薄膜材料、11,12 回転軸、13 蒸着源、14 台、20 チャンバ。
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における超電導薄膜材料の構成を概略的に示す部分断面斜視図である。図1を参照して、本実施の形態における超電導薄膜材料10は、テープ状の形状を有しており、金属基板1と、中間層2と、超電導層3と、超電導層4とを備えている。超電導薄膜材料10はたとえば超電導機器などに用いられる。
金属基板1は、たとえばステンレス、ニッケル合金(たとえばハステロイ)、または銀合金などの金属よりなっている。
中間層2は金属基板1上に形成されており、拡散防止層として機能する。中間層2は、たとえば岩石型、ペロブスカイト型、またはパイロクロア型のいずれかの結晶構造を有する酸化物よりなっており、具体的には、酸化セリウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、またはバリウムジルコニアなどの材質よりなっている。
超電導層3および超電導層4は中間層2上に積層して形成されている。超電導層3および超電導層4は、実質的に同じ材質の材料よりなっており、たとえばRE123系の組成を有している。
なお、図1においては中間層2を設けた構成について説明したが、中間層2は省略されてもよい。
次に、本実施の形態における超電導薄膜材料の製造方法について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態における超電導薄膜材料の製造方法を示すフロー図である。図1および図2を参照して、本実施の形態の超電導薄膜材料の製造方法では、始めに金属基板1が準備される(ステップS1)。そして、金属基板1上に、たとえばYSZよりなる中間層2がレーザ蒸着法により形成される(ステップS2)。金属基板1がテープ状である場合、中間層2はたとえば以下に示すような連続成膜により形成される。
図3は、本発明の一実施の形態において連続成膜により中間層を形成する様子を模式的に示す図である。図3を参照して、チャンバ20内に配置された回転軸11にテープ状の金属基板1が巻きつけられる。そして金属基板1の一端が回転軸11から延ばされ、回転軸12に固定される。次に、チャンバ20内が減圧雰囲気にされ、回転軸11および12がそれぞれ矢印A1およびB1の方向へ回転される。これにより、金属基板1は矢印C1の方向に送られて回転軸11から回転軸12へ巻き取られる。そして、金属基板1を矢印C1の方向に送りながら、中間層2を構成する原子を蒸着源13から矢印Dの方向へ飛ばすことにより、金属基板1上に中間層2が形成される。言い換えれば、金属基板1における中間層2が形成される位置が金属基板1の長手方向に沿う方向(回転軸12に固定された一端から回転軸11に固定された他端へ向かう方向)へ移動されながら中間層2が形成される。中間層2の形成が終わると、金属基板1は回転軸12に全て巻きつけられた状態になる。
図1および図2を参照して、中間層2を形成した後も、チャンバ20内は減圧雰囲気に保たれる。次に、下地層としての中間層2に接するように、たとえばRE123系の組成を有する超電導層3が気相法により形成される(ステップS3)。超電導層3を形成する際の気相法としては、たとえばレーザ蒸着法、スパッタリング法、または電子ビーム蒸着法などが用いられる。超電導層3はたとえば以下に示すような連続成膜により形成される。
図4は、本発明の一実施の形態において連続成膜により超電導層を形成する様子を模式的に示す図である。図4を参照して、金属基板1は回転軸12に全て巻きつけられており、金属基板1の他端が延ばされて回転軸11に固定されている。次に、回転軸11および12がそれぞれ矢印A2およびB2の方向へ回転される。これにより、金属基板1は矢印C2の方向に送られて回転軸12から回転軸11へ巻き取られる。そして、金属基板1を矢印C2の方向に送りながら、超電導層3を構成する原子を蒸着源13から矢印Dの方向へ飛ばすことにより、中間層2上に超電導層3が形成される。言い換えれば、金属基板1における超電導層3が形成される位置が金属基板1の長手方向に沿う方向(回転軸11に固定された端部から回転軸12に固定された端部へ向かう方向)へ移動されながら中間層2が形成される。超電導層3の形成が終わると、金属基板1は回転軸11に全て巻きつけられた状態になる。
図1および図2を参照して、超電導層3を形成した後も、チャンバ20内は減圧雰囲気に保たれる。次に、下地超電導層としての超電導層3に接するように、たとえばRE123系の組成を有する超電導層4が気相法により形成される(ステップS4)。超電導層4を形成する際の気相法としては、たとえばレーザ蒸着法、スパッタリング法、または電子ビーム蒸着法などが用いられる。超電導層4はたとえば図3に示される中間層2の形成方法と同様の方法で(金属基板1を矢印C1の方向に送りながら)形成される。
このように、回転軸11および12で交互に金属基板1を巻き取りながら中間層2、超電導層3、および超電導層4の各々を積層して形成することにより、チャンバ20から金属基板1を取り出すことなく、これらの層を減圧雰囲気で形成することができる。以上の工程により超電導薄膜材料10が完成する。
なお、中間層2が省略される場合には、上記の中間層2の形成工程(ステップS2)が省略され、超電導層3の形成工程(ステップS3)において超電導層3が金属基板1に接するように形成される。
図3を参照して、従来において中間層2および超電導層3の各々を連続成膜する場合には、金属基板1が専ら矢印C1の方向のみに送られていた。すなわち、従来においては矢印C1の方向へ金属基板1を送りながら一つの層が蒸着され、蒸着が終わると金属基板1が巻き取られた回転軸12と回転軸11とを交換し、再び矢印C1の方向へ金属基板1を送りながら次の層が蒸着されていた。この線材の巻き替え作業(回転軸の交換作業)の際にチャンバ20から金属基板1が取り出されるため、大気中の水分や二酸化炭素などの不純物が中間層2や超電導層3の表面に付着していた。
本実施の形態の超電導薄膜材料の製造方法においては、中間層2を形成してから超電導層3を形成するまでの間、中間層2が減圧雰囲気で保持されるので、大気中の不純物が中間層2に付着することを抑止することができる。同様に、超電導層3を形成してから超電導層4を形成するまでの間、超電導層3が減圧雰囲気で保持されるので、大気中の不純物が超電導層3に付着することを抑止することができる。その結果、超電導層3および4の各々の超電導特性の劣化を抑止することができ、超電導薄膜材料の膜厚の増加とともに臨界電流値を向上することができる。
また、岩石型、ペロブスカイト型、またはパイロクロア型のいずれかの結晶構造を有する酸化物よりなる中間層2を金属基板1上に形成し、かつ超電導層3および超電導層4はいずれもRE123系の組成を有していることにより、表面の平滑性および結晶の緻密性に優れた超電導薄膜材料が得られ、臨界電流密度および臨界電流値を向上することができる。
また、気相法がレーザ蒸着法、スパッタリング法、または電子ビーム蒸着法のいずれかであることにより、表面の平滑性および結晶の緻密性に優れた超電導薄膜材料が得られ、臨界電流密度および臨界電流値を向上することができる。
なお、本実施の形態においては、超電導層3(第1超電導層)および超電導層4(第2超電導層)という2層の超電導層を形成する場合について示したが、図7に示すように、超電導層4の上にさらに超電導層5(第3超電導層)が積層して形成されてもよい。多数の超電導層を積層して形成することにより、超電導薄膜材料の厚膜化を図ることができる。
また、本実施の形態においては減圧雰囲気において中間層2、超電導層3、および超電導層4の各々を連続成膜により形成する場合について示した。しかし本発明はこのような場合に他、たとえば図5に示すように金属基板1を台14に固定し、かつ蒸着源13をチャンバ20に固定して、中間層2、超電導層3、および超電導層4の各々を固定成膜により形成してもよい。要は、下地層を形成してから超電導層を形成するまでの間において下地層が減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持されるか、もしくは大気暴露せずに保持されればよい。
(実施例1)
本実施例では、超電導薄膜材料として以下の本発明例A〜本発明例Dおよび比較例E〜比較例Hの各々を製造し、臨界電流値を測定した。
本発明例A〜本発明例D:Ni合金基板上に気相蒸着法を用いて金属系酸化物よりなる中間層を成膜した。続いて、レーザ蒸着法を用いて中間層の上にHoBa2Cu3x(HoBCO)よりなる多層の超電導層を成膜した。超電導層1層当たりの膜厚を0.3μmとし、積層する超電導層の数をそれぞれ3層、5層、7層、および9層と変えることにより、超電導層の総膜厚を変化させた。超電導層の形成は連続成膜で行ない、中間層および超電導層の各層の成膜の間は試料を大気中に暴露せずに減圧雰囲気で保持した。
比較例E〜比較例H:Ni合金基板上に気相蒸着法を用いて金属系酸化物よりなる中間層を成膜した。続いて、レーザ蒸着法を用いて中間層の上にHoBa2Cu3x(HoBCO)よりなる多層の超電導層を成膜した。超電導層1層当たりの膜厚を0.3μmとし、積層する超電導層の数をそれぞれ3層、5層、7層、および9層と変えることにより、超電導層の総膜厚を変化させた。超電導層の形成は連続成膜で行ない、中間層および超電導層の各層の成膜の間は試料を大気中に暴露した。
本発明例A〜本発明例Dおよび比較例E〜比較例Hの各々で測定された1cm幅当たりの臨界電流値を表1および図6に示す。
Figure 2007094147
表1および図6を参照して、本発明例A〜本発明例Dでは超電導層の膜厚が厚くなるに従って臨界電流値が増加している。これに対して、比較例E〜比較例Hでは超電導層の膜厚が厚くなるに従って臨界電流値が低下している。このことから、中間層および超電導層の各層の成膜の間に試料を減圧雰囲気で保持することにより、超電導層の膜厚の増加とともに臨界電流値を向上できることが分かる。
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
本発明は、たとえば超電導限流器、磁場発生装置、超電導ケーブル、超電導ブスバー、および超電導コイルなどを含む超電導機器に適している。

Claims (9)

  1. 下地層(2,3)を形成する下地層工程と、
    前記下地層に接するように、気相法により超電導層(4)を形成する超電導層工程とを備え、
    前記下地層工程と前記超電導層工程との間において前記下地層は減水蒸気雰囲気または減二酸化炭素雰囲気で保持されることを特徴とする、超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  2. 前記下地層工程において前記下地層として下地超電導層(3)を形成することを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  3. 前記下地層工程において前記下地層(2,3)をテープ状の基板(1)上に形成し、かつ前記基板における前記下地層を形成する位置を前記基板の長手方向に沿う一の方向(C1)へ移動させながら前記下地層を形成し、
    前記超電導層工程において前記下地層における前記超電導層(4)を形成する位置を前記一の方向とは反対の方向(C2)へ移動させながら前記超電導層を形成することを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  4. 請求の範囲第1項に記載の超電導薄膜材料の製造方法により製造された超電導薄膜材料(10)を用いた超電導機器。
  5. 下地層(2,3)を形成する下地層工程と、
    前記下地層に接するように、気相法により超電導層(4)を形成する超電導層工程とを備え、
    前記下地層工程と前記超電導層工程との間において前記下地層は大気暴露せずに保持されることを特徴とする、超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  6. 前記下地層工程において前記下地層として下地超電導層(3)を形成することを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  7. 前記下地層工程において前記下地層(2,3)をテープ状の基板(1)上に形成し、かつ前記基板における前記下地層を形成する位置を前記基板の長手方向に沿う一の方向(C1)へ移動させながら前記下地層を形成し、
    前記超電導層工程において前記下地層における前記超電導層(4)を形成する位置を前記一の方向とは反対の方向(C2)へ移動させながら前記超電導層を形成することを特徴とする、請求の範囲第5項に記載の超電導薄膜材料(10)の製造方法。
  8. 請求の範囲第5項に記載の超電導薄膜材料の製造方法により製造された超電導薄膜材料(10)を用いた超電導機器。
  9. 第1超電導層(3)と、前記第1超電導層に接するように形成された第2超電導層(4)と、前記第2超電導層に接するように形成された第3超電導層(5)とを備える超電導薄膜材料であって、臨界電流値が70(A/cm幅)を越えることを特徴とする、超電導薄膜材料(10)。
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