JP5950826B2 - 超電導線材及び超電導線材の製造方法 - Google Patents

超電導線材及び超電導線材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導ケーブルや超電導マグネット等に用いられる超電導線材及び超電導線材の製造方法に関する。
従来から、基材上に酸化物超電導体を成膜して、超電導線材を製造する試みが数多く提案されている。
なかでも、REBaCu7−δの組成式で表される酸化物超電導体(RE=希土類元素、123系又はRE系超電導体とも呼ばれる)を用い、テープ状の金属基材上に成膜して可撓性をもたせた超電導線材は、高い電流特性が得られることから、現在、盛んに研究開発が進められている超電導線材のひとつであり、この線材を用いた電力機器等に関する試作品が、多数作製される段階にまで達している。
ところで、酸化物超電導体の結晶自体は、結晶軸のa軸方向とb軸方向には電気を流し易いが、c軸方向には電気を流しにくいという電気的異方性を有している。したがって、基材上に酸化物超電導体を形成する場合には、電気を流す方向にa軸あるいはb軸を配向させ、c軸をその他の方向に配向させる必要がある。
しかしながら、基材自体は非結晶もしくは多結晶体であり、その結晶構造も酸化物超電導体と大きく異なるために、基材上に上記のような結晶配向性の良好な酸化物超電導体を形成することは困難である。また、基材と酸化物超電導体との間には熱膨張率及び格子定数の差があるため、超電導臨界温度までの冷却過程で、酸化物超電導体に歪みが生じたり、酸化物超電導体が基材から剥離したりする等の問題もある。
そこで、上記のような問題を解決するために、まず金属基材上に、MgO等の材料を、例えばイオンビームアシスト法(IBAD法:Ion Beam Assisted Deposition)で成膜し、かつMgO等の上に、高いc軸配向性及びa軸面内配向性(2軸配向性)を有した配向層(中間層)を形成し、この配向層の上に酸化物超電導体を形成することが行われている。
そして、特許文献1(特開2010-103021号公報)では、配向層上に、2軸配向性をさらに向上させるため、CeO又はPrOなどからなるキャップ層を形成した後、Baを含有するRE系超電導体からなる酸化物超電導層を形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、酸化物超電導層の直下にCeO又はPrOなどからなるキャップ層が配置されるため、酸化物超電導層の形成時や超電導線材の熱処理工程時などにおいて、キャップ層を構成するCeO又はPrOなどに含まれる希土類元素と酸化物超電導層に含まれるBaとが反応してしまう。この結果、酸化物超電導層や酸化物超電導層と中間層(キャップ層)との界面(中間層側の酸化物超電導層の界面)にBaCeOやBaPrOなどの不純物が生成され、臨界電流などの超電導特性に悪影響を与えている。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、酸化物超電導層や中間層側の酸化物超電導層の界面において不純物の少ない超電導線材及び超電導線材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は下記の手段によって解決された。
<1>金属基材と、前記金属基材上に形成され、Baと反応する希土類元素を主に含有する中間層と、前記中間層上に形成され、LaMnO3+δ1を主に含有し、前記δ1は酸素不定比量である反応抑制層と、前記反応抑制層上に形成され、Baを含有する酸化物超電導体で主として構成された酸化物超電導層と、を備え、前記酸化物超電導層側の前記中間層の最表層は、CeO 及びPrO から選ばれる少なくとも1つを主に含有するキャップ層である、超電導線材。
>前記酸化物超電導体は、REBaCu7−δ2であって、前記REは単一の希土類元素又は複数の希土類元素であり、前記δ2は酸素不定比量である、<1>に記載の超電導線材。
>前記反応抑制層の厚みは、10nm以上100nm以下である、<1>又は<2>に記載の超電導線材。
>前記反応抑制層は、前記キャップ層よりも厚みが小さい、<>〜<>の何れか1つに記載の超電導線材。
>前記LaMnO3+δ1の結晶格子は、立方晶又は斜方晶である、<1>〜<>の何れか1つに記載の超電導線材。
>金属基材上に、Baと反応する希土類元素を含有する中間層を形成する工程と、前記中間層上に、LaMnO3+δ1を主に含有し、前記δ1は酸素不定比量である反応抑制層を形成する工程と、前記反応抑制層上に、Baを含有する酸化物超電導層を形成する工程と、を有し、前記中間層を形成する工程は、前記酸化物超電導層側の前記中間層の最表層が、CeO 及びPrO から選ばれる少なくとも1つを主に含有するキャップ層である中間層を形成する工程である、超電導線材の製造方法。
本発明によれば、酸化物超電導層や中間層側の酸化物超電導層の界面において不純物の少ない超電導線材及び超電導線材の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る超電導線材の積層構造を示す図である。 図1に示す超電導線材の積層構造における断面詳細図である。 従来の超電導線材の製造工程及び積層構造を示す図である。 図3Aから続く、従来の超電導線材の製造工程及び積層構造を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る超電導線材及び超電導線材の製造方法について具体的に説明する。なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
(超電導線材の構成及びその製造方法)
図1は、本発明の実施形態に係る超電導線材の積層構造を示す図である。
図1に示すように、超電導線材1は、テープ状の金属基材10上に中間層20、反応抑制層28、酸化物超電導層30、保護層40が順に形成された積層構造を有している。
金属基材10は、低磁性の無配向金属基材である。金属基材10の形状は、上述のテープ状だけでなく、板材、線材、条体等の種々の形状のものを用いることができる。金属基材10の材料としては、例えば、強度及び耐熱性に優れた、Cu、Cr、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag等の金属又はこれらの合金を用いることができる。特に好ましいのは、耐食性及び耐熱性の点で優れているステンレス、ハステロイ(登録商標)、その他のニッケル系合金である。また、これら各種金属材料上に各種セラミックスを配してもよい。
中間層20は、酸化物超電導層30において高い面内配向性を実現するために金属基材10上に形成される層である。なお、具体的な層構成については、後述する。
反応抑制層28は、LaMnO3+δ1を主に含有し、酸化物超電導層30と中間層20側の酸化物超電導層30の界面において不純物生成を抑制するための層である。なお、ここでδ1は酸素不定比量である。
酸化物超電導層30は、中間層20上に形成された反応抑制層28上に形成され、Baを含有する酸化物超電導体で主として構成されている。この酸化物超電導体としては、REBaCu7−δ、(La1−xBaCuO4−δ,Ba(Pb,Bi)O又はTlBaCan−1Cu2n+4(nは2以上の整数である)等の組成式で表される結晶材料を用いることができる。また、酸化物超電導体は、これら結晶材料を組み合わせて構成することもできる。上記「主として構成される」とは、酸化物超電導層30中の酸化物超電導体の割合が80質量%以上であることをいう。
なお、上記REBaCu7−δ中のREは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、YbやLuなどの単一の希土類元素又は複数の希土類元素であり、これらの中でもBaサイトと置換が起き難いという理由でYであることが好ましい。また、δは、酸素不定比量であり、例えば0以上1以下であり、超電導転移温度が高いという観点から0に近いほど好ましい。ここで、REをPrとしたPrBaCu7−δだけは、現在、超電導現象が確認されていないが、将来酸素不定比量δを制御するなどして超電導現象が確認できた場合には、本発明の実施形態に係わる酸化物超電導体にPrBaCu7−δも含むものとする。
また、REBaCu7−δ以外の結晶材料のδも酸素不定比量を表し、例えば0以上1以下である。
酸化物超電導層30の膜厚は、特に限定されないが、例えば100nm以上6000nm以下である。
酸化物超電導層30の形成(成膜)方法としては、例えばTFA−MOD法、PLD法、CVD法、MOCVD法、又はスパッタ法などが挙げられる。これら成膜方法の中でも、高真空を必要としない、大面積、複雑な形状の基材10にも成膜可能、量産性に優れているという理由からMOCVD法を用いることが好ましい。MOCVD法を用いる場合の成膜条件は、酸化物超電導層30の構成材料や膜厚等によって適宜設定されるが、例えば、線材搬送速度:10m/h以上500m/h以下、成膜温度:800℃〜900℃(YBaCu7−δの場合)とされる。また、REBaCu7−δや(La1−xBaCuO4−δの成膜時には、酸素不定比量δを小さくして超電導特性を高めるという観点から、酸素ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
以上のような酸化物超電導層30の上面には、例えばスパッタ法により銀からなる保護層40が成膜されている。また、保護層40を成膜して超電導線材1を製造した後、超電導線材1に熱処理を施してもよい。
(超電導線材の詳細構成及びその製造方法)
図2は、図1に示す超電導線材1の積層構造における断面詳細図である。
図2に示すように、超電導線材1の中間層20は、ベッド層22と、2軸配向層24と、キャップ層26と、を備えて構成されている。
ベッド層22は、金属基材10上に形成され、金属基材10の構成元素が拡散するのを防止するための層である。ベッド層22の構成材料としては、GdZr7−δ(−1<δ<1、以下GZOを称す)、YAlO(イットリウムアルミネート)、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、Y、Gd、Al、B、Sc、Cr、REZrO及びRE等を用いることができる。ここで、REは、単一の希土類元素又は複数の希土類元素を表す。なお、ベッド層22は、拡散防止機能とともに例えば2軸配向性を向上させるなど他の機能を有していてもよい。なお、2軸配向性を向上させる機能を持たせるためには、GZOをベッド層22の構成材料として用いることが好ましい。
ベッド層22の膜厚は、特に限定されないが、例えば20nm以上200nm以下である。
ベッド層22の形成(成膜)方法としては、例えば、アルゴン雰囲気中でRFスパッタ法により成膜する方法が挙げられる。
RFスパッタ法では、プラズマ放電で発生した不活性ガスイオン(例えばAr)を蒸着源(GZO等)に衝突させ、はじき出された蒸着粒子を成膜面に堆積させて成膜する。このときの成膜条件は、ベッド層22の構成材料や膜厚等によって適宜設定されるが、例えば、RFスパッタ出力:100W以上500W以下、線材搬送速度:10m/h以上100m/h以下、成膜温度:20℃以上500℃以下とされる。
なお、ベッド層22の成膜には、イオン発生器(イオン銃)で発生させたイオンを蒸着源に衝突させるイオンビームスパッタ法を利用することもできる。また、ベッド層22は、Y層とAl層との組み合わせ等の多層構造とすることもできる。
2軸配向層24は、ベッド層22上に形成され、酸化物超電導層30の結晶を一定の方向に配向させるための層である。2軸配向層24の構成材料としては、NbOやMgO等の多結晶材料が挙げられる。また、ベッド層22と同様の材料、例えばGZOを用いることもできる。
2軸配向層24の膜厚は、特に限定されないが、例えば1nm以上20nm以下である。
2軸配向層24の形成(成膜)方法としては、例えばアルゴン、酸素、又はアルゴンと酸素の混合ガス雰囲気中でIBAD法により成膜する方法が挙げられる。IBAD法では、アシストイオンビームを成膜面に対して斜め方向から照射しながら、RFスパッタ(又はイオンビームスパッタ)により蒸着源(MgO等)からはじき出された蒸着粒子を成膜面に堆積させて成膜する。このときの成膜条件は、2軸配向層24の構成材料や膜厚等によって適宜設定されるが、例えば、アシストイオンビーム電圧:800V以上1500V以下、アシストイオンビーム電流:80以上350mA以下、アシストイオンビーム加速電圧:200V、RFスパッタ出力:800W以上1500W以下、線材搬送速度:40m/h以上500m/h以下、成膜温度:5℃以上350℃以下とされる。
なお、2軸配向層24の成膜には、蒸着源を例えばMgとして、アルゴンと酸素の混合ガス雰囲気中でスパッタすることにより、はじき出されたMgと酸素を反応させてMgOを成膜させる反応性スパッタを利用することもできる。また、2軸配向層24は、エピタキシャル法により成膜した層とIBADにより成膜した層とからなる複合層であってもよい。
キャップ層26は、2軸配向層24上に形成され、2軸配向層24を保護するとともに酸化物超電導層30との格子整合性を高めるための層である。具体的には、Baと反応する希土類元素を含有し、かつ自己配向性を有する蛍石型結晶構造体で構成されている。この蛍石型結晶構造体は、例えばCeO及びPrOから選ばれる少なくとも1つである。また、キャップ層26は蛍石型結晶構造体を主に備えていればよく、他に不純物を含有していてもよい。
キャップ層26の膜厚は、特に限定されないが、十分な配向性を得るには50nm以上が好ましく、300nm以上であればさらに好ましい。ただし、600nm を超えると成膜時間が増大するので、600nm以下とすることが好ましい。
このキャップ層26の形成(成膜)方法としては、PLD法やRFスパッタ法による成膜が挙げられる。RFスパッタ法による成膜条件は、キャップ層26の構成材料や膜厚等によって適宜設定されるが、例えば、RFスパッタ出力:200W以上1000W以下、線材搬送速度:2m/h以上50m/h以下、成膜温度:450℃以上800℃以下とされる。
以上のような中間層20の最表層となるキャップ層26上には、本発明の実施形態に係る反応抑制層28が設けられている。
反応抑制層28は、具体的には、酸化物超電導層30とキャップ層26の間に形成され、キャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素と酸化物超電導層30に含まれるBaとの反応を抑制するための層である。なお、「抑制」とは、酸化物超電導層30とキャップ層26の間に反応抑制層28が形成されていない場合に比べ、Baとの反応が抑制されていれば良く、Baとの反応が完全に防止されていなくても良い。
反応抑制層28は、LaMnO3+δ1(以下LMOと称す)を主に含有していればよい。なお、LaMnO3+δ1のδ1は酸素不定比量であり、例えば0以上1以下である。また、上記「主に」とは、反応抑制層28中のLMOの割合が80質量%以上であることをいう。上記反応を確実に抑制するという観点から、反応抑制層28がLMOからなる、すなわち反応抑制層28中のLMOの割合が100質量%であることが好ましい。
LaMnO3+δ1の結晶構造は、立方晶、斜方晶又は菱面体晶を取り得るが、上層(酸化物超電導層30)の配向率を向上させるという観点から、特に酸化物超電導層30を形成する際には、立方晶の構造であることが好ましい。
反応抑制層28の厚みは、特に限定されないが、キャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素と酸化物超電導層30に含まれるBaとの反応を効果的に抑制するという観点から10nm以上であることが好ましい。また、反応抑制層28の表面荒れを抑制するという観点から100nm以下であることが好ましい。また、反応抑制層28は、キャップ層26と同様、配向性が高くなっているが、キャップ層26の配向性を酸化物超電導層30に確実に継承させるため、反応抑制層28の厚みはキャップ層26よりも小さいことが好ましい。
反応抑制層28中のBaと反応し得る希土類元素の量は、少ないほどよく、反応抑制層28中の当該希土類元素の含有率が例えば10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
上述した量の範囲内であれば、仮にキャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素が反応抑制層28中に入り込んだ場合でも、反応抑制層28中の希土類元素と酸化物超電導層30と反応することを抑制することができる。
また、キャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素の拡散(反応抑制層28中の通過)を抑制するという観点から、反応抑制層28の空隙率は低いほどよく、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下、さらにより好ましくは0.01%以下である。
反応抑制層28の形成(成膜)方法としては、PLD法やスパッタ法による成膜が挙げられる。スパッタ法による成膜条件は、反応抑制層28の構成材料や膜厚等によって適宜設定されるが、例えば、スパッタ出力:100W以上200W以下、線材搬送速度:18m/h以上180m/h以下、成膜温度:600℃以上900℃以下、成膜雰囲気:0.1Pa以上1.0Pa以下のArガス雰囲気とされる。また、ターゲットは、Baと反応する希土類元素を非含有の材料であり、具体的には、上述した反応抑制層28の構成材料である。
(効果)
本実施形態では、以上のように、酸化物超電導層30とキャップ層26の間には、反応抑制層28が形成されているため、キャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素が拡散し難く、当該希土類元素と酸化物超電導層に含まれるBaとの反応が抑制される。したがって、酸化物超電導層30やキャップ層26側の酸化物超電導層30の界面において不純物は、皆無であるか、又は反応抑制層28がない場合に比べて少ない。
ここで、仮に反応抑制層28がない場合、酸化物超電導層30に含まれるBaとの反応は、超電導線材1の製造後における熱処理工程時や高温保管時にも起こり得るが、特に図3A及び図3Bに示すように、成膜温度を高めるために基材10を加熱することが必要な酸化物超電導層30の形成時において起こる。なお、図中の100が、キャップ層26を構成する蛍石型結晶構造体に含まれる希土類元素と酸化物超電導層30に含まれるBaとが反応して生成された不純物を示す。
しかしながら、本実施形態では、酸化物超電導層30を形成する下地をキャップ層26とするのではなく反応抑制層28とするため、酸化物超電導層30の形成時においても上記反応を抑制可能となる。
(変形例)
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであり、例えば上述の複数の実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。また、以下の変形例を、適宜、組み合わせてもよい。
また、2軸配向層24とキャップ層26との間に、当該キャップ層26の格子整合性を向上させるため、LMO及びSTOから選ばれる少なくとも1つを含有する格子整合層を設けるようにしてもよい。
また、上述したYBaCu7−δなどの酸素不定比量δは、0以上である場合(正の値を示す場合)を説明したが、負の値を示してもよい。
また、金属基材10は配向金属基材を用い、金属基材10上に、CeO又はPrO/YSZ/CeO又はPrOからなる中間層20が形成されていてもよい。このときの金属基材10は、AgやNi又はそれらの合金で形成されていることが望ましいが、面内配向金属基材であればよい。また、中間層20は前述した構造に限られず、金属基材10と酸化物超電導層30の拡散反応を抑制し、酸化物超電導層30の配向性の制御ができる構造であればよい。
また、キャップ層26と、反応抑制層28との間に他の層を追加することもできる。
なお、日本出願2010−263910の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以下に、本発明に係る超電導線材及び超電導線材の製造方法について、実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例を示す。
Figure 0005950826
(実施例1−1〜実施例1−7)
実施例1−1〜実施例1−7では、それぞれ基材10としてのハステロイ金属基材をIBAD装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、GZOを蒸着源として、IBAD法によりGZOからなる2軸配向層24を、室温において、線材搬送速度10m/h、膜厚700nmで成膜した。なお、この2軸配向層24をIBAD−GZOと称す場合もある。また、実施例1では、ベッド層22を省略している。
次に、2軸配向層24を成膜した基材10をスパッタ装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、CeOを蒸着源として、RFスパッタ法によりCeOからなるキャップ層26を、膜厚500nmで成膜した。
具体的に、RFスパッタ法によるCeO膜の蒸着は、温度約700℃、約0.3PaのArと酸素の混合ガス雰囲気で、スパッタ出力約800W、線材搬送速度7m/h以下の条件で行った。
次に、キャップ層26を成膜した基材10をRFスパッタ装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、LMOを蒸着源として、RFスパッタ法により立方晶のLMOからなる反応抑制層28を、種々の膜厚で成膜した。
具体的に、RFスパッタ法によるLMO膜の蒸着は、温度約900℃、約0.5PaのArガス雰囲気で、スパッタ出力約200W、線材搬送速度10m/h以上360m/h以下の条件で行った。また、膜厚は、それぞれ5、10、30、60、80、100、180nmとした。
最後に、反応抑制層28を成膜した基材10をMOCVD装置に導入し、(Y0.7Gd0.3)BaCu7−δ(以下、YBCOと称す)を蒸着源として、MOCVD法によりYBCOからなる酸化物超電導層30を、膜厚1000nmで成膜した。
具体的に、MOCVD法によるYBCO膜の蒸着は、温度約800℃、Oガス雰囲気中において線材搬送速度10〜500m/h以下の条件で行った。
以上の製造工程を経て、本発明の実施例1−1〜1−7に係る超電導線材を作製した。
(実施例2)
基材10としてのハステロイ金属基材をイオンビームスパッタ成膜装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、GZOを蒸着源として、イオンビームスパッタ法によりGZOからなるベッド層22を、室温において、膜厚100nm、線材搬送速度30m/hで成膜した。
次に、ベッド層22を成膜した基材10をIBAD装置に導入し、1×10−4Paまで真空引きした。そして、MgOを蒸着源として、IBAD法によりMgOからなる2軸配向層24を、室温において、膜厚5nm、線材搬送速度80m/hで成膜した。
そして、実施例1と同様の方法で、2軸配向層24上に、キャップ層26、反応抑制層28、酸化物超電導層30を順に成膜した。ただし、反応抑制層28の膜厚は、60nmとした。
以上の製造工程を経て、本発明の実施例2に係る超電導線材を作製した。
(実施例3−1〜実施例3−7)
基材10としてのハステロイ金属基材をイオンビームスパッタ成膜装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、GZOを蒸着源として、イオンビームスパッタ法によりGZOからなるベッド層22を、室温において、膜厚100nm、線材搬送速度30m/hで成膜した。
次に、ベッド層22を成膜した基材10をIBAD装置に導入し、1×10−4Paまで真空引きした。そして、MgOを蒸着源として、IBAD法によりMgOからなる2軸配向層24を、室温において、膜厚5nm、線材搬送速度80m/hで成膜した。
次に、2軸配向層24を成膜した基材10をRFスパッタ装置に導入し、1×10−3Paまで真空引きした。そして、LMOを蒸着源として、次に成膜するキャップ層26の格子整合性を向上させるためRFスパッタ法によりLMOからなる格子整合層を膜厚30nmで成膜した。
具体的に、RFスパッタ法によるLMO膜の蒸着は、温度約900℃、約0.5PaのArガス雰囲気で、スパッタ出力約200W、線材搬送速度60m/hの条件で行った。
そして、実施例1と同様の方法で、格子整合層上に、キャップ層26、反応抑制層28、酸化物超電導層30を順に成膜した。ただし、反応抑制層28の膜厚は、実施例3−1〜実施例3−7において種々変更し、具体的にはそれぞれ5、10、30、60、80、100、180nmとした。
以上の製造工程を経て、本発明の実施例3−1〜3−7に係る超電導線材を作製した。
(比較例1〜比較例3)
実施例1の超電導線材の構成において、反応抑制層28がない超電導線材を比較例1として作製した。
実施例2の超電導線材の構成において、反応抑制層28がない超電導線材を比較例2として作製した。
実施例3の超電導線材の構成において、反応抑制層28がない超電導線材を比較例3として作製した。
なお、比較例1〜3では、表1に示すように中間層20の構成が異なる。
(評価方法及び評価結果)
以下、実施例1−1〜1−7、実施例2、実施例3−1〜3−7及び比較例1〜3で作製した超電導線材の評価方法及び評価結果について記載する。
(1)X線回折測定
各実施例及び比較例に係わる超電導線材の酸化物超電導層30について、リガク製X線回折装置RINT−UltimaIIIを用いてX線回折測定を行った。
具体的には、上記X線回折装置にてCuKα線を用い、管電圧40kV、管電流40mA、スキャンスピード2.0deg/min、受光スリット0.15mm、スキャン範囲2θ:5°〜135°の条件の下で測定を行って、各超電導線材のX線回折パターンを得た。
この測定の結果、各超電導層30は、YBCO相からなる酸化物超電導体で構成されていることが分かった。
また、不純物BaCeOの析出(発生)結果については、上記表1に示す。なお、表1では、各X線回折パターンにおいてBaCeOのピークが全く視認できない場合を“○”、BaCeOの最強ピークが0cps超100cps未満である場合を“△”、BaCeOの最強ピークが100cps以上である場合を“×”とした。
表1に示す結果から、反応抑制層28を有する実施例1−1〜1−7、2、3−1〜3−7に係る超電導線材では、反応抑制層28がない比較例1〜3に比べて、不純物BaCeOの発生が抑制されていることを確認した。また、実施例1−1〜1−7、2、3−1〜3−7の中でも、不純物BaCeOの生成を無くすことができるという点で、反応抑制層28の膜厚が10μm以上の実施例1−2〜1−7、2、3−2〜3−7の超電導線材が好ましいことを確認した。
(2)表面粗さ測定−
各実施例及び比較例に係わる超電導線材について、原子間力顕微鏡(AFM、Nanosurf AG社製 Mobile S)による各反応抑制層28のAFM像を用いて反応抑制層28の表面粗さRaを測定した。なお、表面粗さRaは、各反応抑制層28のAFM像12.3μm四方の算術平均粗さである。また、この測定は、各反応抑制層28上に酸化物超電導層30を成膜する前に行っている。
この測定結果を上記表1に示す。なお、表1では、Raが5nm未満である場合を“○”、Raが5nm以上である場合を“△”とした。
表1に示す結果から、反応抑制層28の膜厚が、100nm以下であれば、反応抑制層28の表面粗さRaが低いことを確認した。
(3)通電特性
通電特性は、得られた酸化物超電導線材(線幅10mm)の臨界電流Icを測定することにより評価した。臨界電流Icは、酸化物超電導線材を液体窒素に浸漬した状態で四端子法を用いて測定した。電圧端子は1cm、電界基準は1μV/cmとした。
この測定結果を上記表1に示す。なお、表1では、臨界電流Icが250A以上の場合を“◎”、臨界電流Icが180A以上250A未満の場合を“○”、臨界電流Icが180A未満の場合を“△”で示している。
表1に示す結果から、反応抑制層28を有する実施例1−1〜1−7、2、3−1〜3−7に係る超電導線材では、反応抑制層28がない比較例1〜3に比べて、臨界電流Icが向上していることを確認した。これは、不純物BaCeOの生成が抑制されたためと考えられる。また、実施例1−1〜1−7、2、3−1〜3−7の中でも、不純物BaCeOの生成がない実施例1−2〜1−7、2、3−2〜3−7の超電導線材は、不純物BaCeOの生成がある実施例1−1や3−1の超電導線材に比べて、臨界電流Icが向上していることを確認した。
本実施例において、反応抑制層28の格子定数は約0.39nm、酸化物超電導層30の格子定数は0.38〜0.39nm程度であり、CeOからなるキャップ層26の格子定数は約0.38nmである。そのため、キャップ層26と酸化物超電導層30の間に形成された反応抑制層28は、下層となるキャップ層26と格子定数が近く、更に、上層となる酸化物超電導層30の格子定数にも近いために、上層となる酸化物超電導層30において、良好に結晶配向することができたと考えられる。
一方、比較例において酸化物超電導層30とキャップ層26の間に生成したBaCeOの格子定数は、約0.44nmであるため、酸化物超電導層30においては、BaCeOの上に堆積する酸化物超電導が結晶配向せず、Icが低下したと考えられる。また、酸化物超電導層30となるべき部分に生成されたBaCeOの部分では、超電導電流が流れないため、比較例における超電導線のIcが低下してしまったと考えられる。
また、実施例1−1と実施例3−1の場合にはBaCeOが生じているが、その生成量が少ないために酸化物超電導層30における電流パス減少の影響が小さく、Icを大きく低下させることはなかった。
なお、上記実施例の他に、YBCOの組成を(Y0.7Gd0.3)BaCu7−δの代わりに、YBaCu7−δとしても、上記同様の結果となった。また、YBaCu7−δの代わりに、REBaCu7−δ(RE:Y及びPrを除く)としても、上記同様の結果となった。
また、2軸配向層24をIBAD−GZOの単一層とする代わりに、IBAD−GZOとIBAD−YNbOの2層としても、上記と同様の結果となった。
また、キャップ層26の構成材料をCeOの代わりに、PrOにしても、上記同様の結果となった。
これは、PrOの格子定数は約0.38nmであり、CeOと同様に、上層となる酸化物超電導層30において、良好に結晶配向することができたと考えられる。一方、CeOの代わりにPrOとした以外は上記比較例と同様の構成としたところ、酸化物超電導層30とキャップ層26の間にBaPrOが生成し、Icが低下していることを確認した。これは、BaPrOの格子定数が約0.43nmであるため、上記比較例と同様に、酸化物超電導層30においては、電流パスが減少してしまい、Icが低下してしまったと考えられる。
10 金属基材
20 中間層
26 キャップ層
28 反応抑制層
30 酸化物超電導層

Claims (6)

  1. 金属基材と、
    前記金属基材上に形成され、Baと反応する希土類元素を主に含有する中間層と、
    前記中間層上に形成され、LaMnO3+δ1を主に含有し、前記δ1は酸素不定比量である反応抑制層と、
    前記反応抑制層上に形成され、Baを含有する酸化物超電導体で主として構成された酸化物超電導層と、
    を備え
    前記酸化物超電導層側の前記中間層の最表層は、CeO 及びPrO から選ばれる少なくとも1つを主に含有するキャップ層である、超電導線材。
  2. 前記酸化物超電導体は、REBaCu7−δ2であって、前記REは単一の希土類元素又は複数の希土類元素であり、前記δ2は酸素不定比量である、
    請求項1に記載の超電導線材。
  3. 前記反応抑制層の厚みは、10nm以上100nm以下である、
    請求項1又は請求項2に記載の超電導線材。
  4. 前記反応抑制層は、前記キャップ層よりも厚みが小さい、
    請求項〜請求項の何れか1項に記載の超電導線材。
  5. 前記LaMnO3+δ1の結晶格子は、立方晶又は斜方晶である、
    請求項1〜請求項の何れか1項に記載の超電導線材。
  6. 金属基材上に、Baと反応する希土類元素を含有する中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に、LaMnO3+δ1を主に含有し、前記δ1は酸素不定比量である反応抑制層を形成する工程と、
    前記反応抑制層上に、Baを含有する酸化物超電導層を形成する工程と、
    を有し、
    前記中間層を形成する工程は、前記酸化物超電導層側の前記中間層の最表層が、CeO 及びPrO から選ばれる少なくとも1つを主に含有するキャップ層である中間層を形成する工程である、超電導線材の製造方法。

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