JPWO2007034785A1 - 共役ジエン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、配合する充填剤の種類および組み合わせによらず、加硫処理を施して加硫ゴムとしたときに、ウエットスキッド特性、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性、破壊強度のバランスに優れた、タイヤのトレッド用材料として有用である共役ジエン系重合体およびその製造方法の提供を目的のひとつとする。共役ジエン系重合体に、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物、または、3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物を反応させることによって得られるジエン系共重合体、該ジエン系重合体の加水分解生成物、該ジエン系重合体とその加水分解生成物からなる重合体の組成物、更には該ジエン系重合体および多官能性変性剤によってカップリングされている共役ジエン系重合体からなる組成物およびそれらの製造方法。

Description

本発明は、共役ジエン系重合体、その重合体組成物およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、変性基を分子中に有する共役ジエン系重合体、その重合体組成物およびその製造方法に関する。
近年の自動車に対する低燃費化要求に伴い、タイヤ用ゴム材料として転がり抵抗が小さく、耐摩耗性、破壊特性に優れ、さらにウエットスキッド抵抗に代表される操縦安定性をも兼ね備えた共役ジエン系重合体が望まれている。
タイヤの転がり抵抗を低減するためには、加硫ゴムのヒステリシスロスを小さくすればよく、加硫ゴムの評価指標としては50〜80℃の反撥弾性、50〜80℃のtanδ、グッドリッチ発熱などが用いられる。50〜80℃の反撥弾性が大きいか、50〜80℃のtanδあるいはグッドリッチ発熱が小さいゴム材料が好ましい。ヒステリシスロスの小さいゴム材料としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴムまたはポリブタジエンゴムなどが知られているが、これらはウエットスキッド抵抗性が小さいという問題がある。ウエットスキッド抵抗を損なうことなくヒステリシスロスを低減する方法として、炭化水素溶媒中で有機リチウム開始剤で重合された種々の構造のスチレンーブタジエン(共)重合体の重合体末端に変性基を導入する方法が提案されている。
WO01−23467号公報には、ゴム状重合体の活性末端と、分子中にエポキシ基をもつ多官能性化合物を反応させて得られる変性重合体のシリカ組成物が開示されている。しかしながら、このシリカ組成物ではヒステリシスロスや耐摩耗性の改良がまだ十分では無く、加えて、カーボン配合での改良効果の少ないものであった。
又、特開平11−29659号公報及び特開昭61−296001号公報には、ゴム状重合体の活性末端と特定のアミド化合物を反応させて得られる変性重合体およびその配合組成物が開示されている。これらの変性重合体はカーボンおよびシリカ配合においてそれぞれヒステリシスロスや耐磨耗性が改良されるものの、その改良がまだ不十分であった。
また特開平7?233217号公報及びWO2003−087171号公報には、3級アミノ基とアルコキシシリル基が導入されたジエン系ゴムが開示されている。シリカあるいはシリカとカーボンブラックの混合物を配合した組成物に、これらの変性重合体を使用することで、ある程度の物性改良は見られるもののシリカ配合組成物はカーボンブラック配合組成物に対して加工性に劣り、そのため加工コストが高いという問題があった。一般に、シリカと親和性のある官能基を導入した重合体は、配合に際して加工性が悪化する傾向にあり、使用方法が限定される問題があった。
特開2004−18795号公報には、1級のアミノ基とアルコキシシリル基を有する変性重合体が記載され、さらに重合体鎖に多官能性モノマーが共重合されているか、2官能以上のカップリング剤で共重合体の少なくとも一部がカップリングされている重合体が開示されている。しかしながらこれら変性重合体であっても、1級アミノ基に起因するフィラーとの強力な親和性に基づく、加工性の悪化に問題があり、また、1級アミンを生成させる加水分解工程の管理が煩雑であった。
また特開平11−349632号公報には、メチレンアミノ基とアルコキシシリル基が導入されたジエン系ゴムおよびその配合組成物が開示されている。これらの変性重合体はカーボンブラックおよびシリカ配合組成物においてヒステリシスロスや耐摩耗性が改良されるものの、ヒステリシスロスとウエットスキッド抵抗のバランス改良はまだ不十分であった。
特開2005−290355号公報には、3級アミノ基とアルコキシシリル基を有する変性重合体およびその配合組成物が開示されている。シリカ配合組成物に対してこれらの変性重合体を使用することでヒステリシスロスの改良はみられるものの、その改良はまだ不十分であった。
また、特開平11−189616号公報には、ゴム状重合体の活性末端と環状アミノアルコキシシラン化合物を反応させて得られる変性重合体およびその配合組成物が開示されている。しかし、これらの変性重合体はカーボンブラックおよびシリカ配合組成物においてウエットスキッド性能を損なうことなくヒステリシスロス、耐摩耗性が改良されるが、加工性が劣る傾向にある。
特開2004−182894号公報には、活性水素を有するアミノ基を有するアルコキシシラン化合物を有機金属化合物で処理した後、その化合物をポリマー末端の活性末端と反応させ、その後金属を離脱させて2級のアミノ基を有するアルコキシシリル基を有する変性重合体が開示されているが、有機金属化合物での処理が均一に行なわれなく、充分な変性量が得られず、またシリカ配合組成物に対してこれらの変性重合体を使用することでヒステリシスロスの改良はみられるものの、その改良はまだ不十分であった。
WO01−23467号公報 特開平11−29659号公報 特開昭61−296001号広報 特開平7−233217号公報 WO2003−087171号公報 特開2004−18795号公報 特開平11−349632号公報 特開2005−290355号公報 特開平11−189616号公報 特開2004−182894号公報
本発明が解決しようとする課題は、配合する充填剤の種類および組み合わせによらず、加硫処理を施して加硫ゴムとしたときに、ウエットスキッド特性、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性、破壊強度のバランスに優れた、タイヤのトレッド用材料として有用である共役ジエン系重合体およびその製造方法を提供することである。又、本発明は共役ジエン系重合体がタイヤトレッド以外で用いられるエラストマーの場合、カーボンおよびシリカ、金属酸化物、金属水酸化物などの無機充填剤が均一に分散し、従来以上の強度の向上、難燃性の向上、伸びの向上、透明性の向上などの効果が得られ、アスファルト組成物に用いられると、骨材把握性が向上するなどの効果が得られ、さらに、共役ジエン系重合体が熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂である場合、他の極性樹脂との配合組成物において、相容性の向上とともに均一、微細な分散が得られる共役ジエン系重合体、その重合体組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、重合体の活性末端と特定の低分子化合物とを反応させることにより、マイルドで広い混練条件でありながら一定して高性能な高分子化合物と無機材料或いは有機材料との組成物が得られる共役ジエン系重合体を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は共役ジエン系重合体に、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物、または、3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物を反応させることによって得られるジエン系共重合体、該ジエン系重合体の加水分解生成物、該ジエン系重合体とその加水分解生成物からなる重合体の組成物、更には該ジエン系重合体および多官能性変性剤によってカップリングされている共役ジエン系重合体からなる組成物およびそれらの製造方法である。
詳しくは、以下の各発明を提供するものである。
1.炭化水素溶媒中で、有機アルカリ金属および有機アルカリ土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を開始剤として用い、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と、下記式(1)または、下記式(2)で示される低分子化合物を反応させることを特徴とする共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
(ここで式(1)においてはRはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、gは1〜3の整数である。
式(2)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、R、R、R、Rおよびgは式(1)に同じである。)
2.炭化水素溶媒中で、有機アルカリ金属および有機アルカリ土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を開始剤として用い、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させ、その活性末端と前記式(1)または、前記式(2)で示される低分子化合物を反応させる前または後に、共役ジエン系重合体の活性末端を多官能性変性剤でカップリングすることを特徴とする前記1.に記載の共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
3.前記式(2)で示される低分子化合物が、3−(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、3−(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルトリアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、または3−(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルトリアルコキシシランである前記1.または2.に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
4.前記多官能性変性剤が、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物である、前記2.に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
5.下記式(3)または、下記式(4)で示される共役ジエン系重合体。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
(ここでDは共役ジエン系重合体であり、
式(3)において、Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、nは1〜3の整数,mおよびpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
式(4)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、R、R、R、R7,n,mおよびp,n+m+pは式(3)に同じである。)
6.下記式(5)または、下記式(6)で示される共役ジエン系重合体。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
(ここでDは共役ジエン系重合体であり、
式(5)においてはRは2級アミノ基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、nは1〜3の整数,mおよびpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
式(6)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくは2級アミノ基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、Rn,mおよびp,n+m+pは式(5)に同じである。)
7.前記式(3)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と前記式(5)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%、または、前記式(4)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と前記式(6)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%との共役ジエン系重合体組成物。
8.前記式(1)および前記式(2)で示される低分子化合物以外の多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体5〜90重量%、前記式(3)および/または前記式(5)で示される共役ジエン系重合体、若しくは、前記式(4)および/または前記式(6)で示される共役ジエン系重合体10〜95重量%からなり、そのムーニー粘度が20〜200である共役ジエン系重合体組成物。
9.前記多官能性変性剤が、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物である、前記8.に記載の共役ジエン系重合体組成物。
本発明のジエン系共重合体は、各種充填剤との組み合わせにおいて、マイルドで広い混練条件でありながら、一定して高性能な高分子化合物と無機材料或いは有機材料との組成物を提供する。具体的には、該組成物の混練時の粘度が高すぎず、適度なトルクでトラブルなく混練作業がおこなわれ、得られた配合組成物において共役ジエン系重合体マトリクス中で無機充填剤が均一かつ微細な粒子系で分散するものであり、その結果、高度な性能が発現されるのである。
さらに具体的には、本発明の共役ジエン系重合体を用いた場合、シリカ、カーボンブラックなどの無機充填剤が均一に分散し、加硫ゴムとした場合に、タイヤトレッド用途においては従来以上の低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスの向上および耐摩耗性の向上、さらに、強度の向上等がはかられ、タイヤ用ゴム、防振ゴム、履物用などにも好適な組成物となる。
また、本発明の共役ジエン系重合体がタイヤトレッド以外で用いられるエラストマーの場合、シリカ、金属酸化物、金属水酸化物などの無機充填剤が均一に分散し、従来以上の強度の向上、難燃性の向上、伸びの向上、透明性の向上などの効果が得られ、アスファルト組成物に用いられると、骨材把握性が向上するなどの効果が得られる。
さらに、本発明の共役ジエン系重合体が熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂である場合、他の極性樹脂との配合組成物において、相容性の向上とともに均一、微細な分散が得られる。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明は、既述の通り、変性基を分子中に有する特定の共役ジエン系重合体、その組成物およびその製造方法である。詳細には、炭化水素溶媒中でアルカリ金属系開始剤またはアルカリ土類金属系開始剤を用い、共役ジエン化合物あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その重合体の活性末端と、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する特定の低分子化合物、または、3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する特定の低分子化合物を反応させることを特徴とするジエン系共重合体の製造方法、その方法で好適に得られるジエン系共重合体、該ジエン系重合体の加水分解生成物、該ジエン系重合体とその加水分解生成物からなる重合体の組成物、更には該ジエン系重合体および多官能性変性剤によってカップリングされている共役ジエン系重合体からなる組成物およびである。本発明は、かかる構成からなるため、前述の優れた効果を発現できる。
本発明の製造方法に用いられるアルカリ金属系開始剤またはアルカリ土類金属系開始剤としては、重合開始の能力がある全てのアルカリ金属系開始剤またはアルカリ土類金属系開始剤が使用可能であり、中でも、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく用いられる。
有機アルカリ金属化合物としては、特に有機リチウム化合物が好適である。有機リチウム化合物としては、低分子量のもの、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、また、1分子中に単独のリチウムを有するもの、1分子中に複数のリチウムを有するもの、有機基とリチウムの結合様式において、炭素−リチウム結合からなるもの、窒素−リチウム結合からなるもの、錫−リチウム結合からなるもの等を含む。
具体的には、モノ有機リチウム化合物としてn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどが、多官能有機リチウム化合物として1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンおよびジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物などが、また、窒素−リチウム結合からなる化合物としてジメチルアミノリチウム、ジヘキシルアミノリチウム、ジイソプロピルアミノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウムなどが挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機アルカリ金属化合物も使用することができる。特に好ましいものは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムである。これらの有機リチウム化合物は1種のみならず2種以上の混合物としても用いられる。
他の有機アルカリ金属化合物としては有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物などがある。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレンがあり、その他にリチウム、ナトリウム、カリウムのアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミドなどが用いられる。また他の有機金属化合物と併用して用いられることもある。
一方、アルカリ土類金属化合物としては、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物が代表的なものである。具体的には、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、プロピルブチルマグネシウムなどが挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミドなどの化合物が用いられる。これらの有機アルカリ土類金属化合物は有機アルカリ金属系開始剤その他有機金属化合物と併用して用いられることもある。
本発明において、共役ジエン系重合体は、前述したアルカリ金属系開始剤及び、またはアルカリ土類金属系開始剤により重合され、アニオン重合反応で成長して得られることが好ましく、製造方法として重合は回分式又は1個の反応器あるいは2個以上の連結された反応器での連続式等の重合様式で行われることが好ましい。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法においては、特にリビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることが好ましい。
本発明の共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の重合体又は、共重合体、更には共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物の共重合体である。本発明に係る共役ジエン系重合体の重合反応において、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合する目的で、また共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤として、更には重合速度の改善などの目的で少量の極性化合物を添加することも可能である。
極性化合物としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンなどのようなエーテル類、テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジンなどのような第三級アミン化合物、カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラートなどのようなアルカリ金属アルコキシド化合物、トリフェニルホスフィンなどのようなホスフィン化合物等が用いられる。これらの極性化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
極性化合物の使用量は、目的と効果の程度に応じて選択される。通常、開始剤1モルに対して0.01〜100モルである。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体ジエン部分のミクロ構造調節剤として所望ビニル結合量に応じ、適量使用できる。多くの極性化合物は同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として使用出来る。ランダム化する方法は特開昭59−140211号公報記載のように、共重合の途中に1.3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法でも良い。
共役ジエン化合物の例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、一種又は二種以上を組み合わせて用いられる。好ましい化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。また、芳香族ビニル化合物の例としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられ、一種又は二種以上を組み合わせて用いられる。好ましい化合物としては、スチレンが挙げられる。
又共役ジエン系重合体のコールドフローを防止するために、分岐をコントロールする観点からジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を使用することもできる。
本発明の製造方法において製造される共役ジエン系重合体の分子量(重量平均分子量:ポリスチレン換算)は、加工性や物性を考慮すれば10万から200万が好ましい。
本発明に係る共役ジエン系重合体の製造方法において用いられる炭化水素溶媒としては、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられ、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が用いられる。本発明に用いられる共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物、及び炭化水素溶媒はそれぞれ単独に或いはそれぞれの混合液を重合反応に供する前に不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することで、高濃度の活性末端を有する重合体を得ることができ、更には高い変性率を達成することができる。
本発明の優れた効果が特に発揮されるためには、本発明の製造方法により、好ましくは官能基成分を有する重合体が5重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、一層好ましくは50重量%以上含有する重合体となるように、共役ジエン系重合体を製造することが好ましい。官能基成分を有する重合体の定量方法としては、官能基含有の変性成分と非変性成分を分離できるクロマトグラフィーによって測定可能である。このクロマトグラフィーの方法としては、官能基成分を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたGPCカラムを使用し、非吸着成分の内部標準を比較に用いて定量する方法が好適である。
本発明の共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体としては、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。ランダム共重合体としては統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、テーパ−状に組成に分布があるテーパーランダム共重合体などがある。また、単一モノマー組成のホモ重合体であっても、そのモノマー結合様式、すなわち1,4結合と1,2結合などにより均一な組成の重合体であったり、組成に分布があったり、ブロック状(ブロック結合を有する)であったり、種々の構造が可能である。
ブロック結合としてはホモポリマーブロックが結合したもの、ランダムポリマーからなるブロックが結合したもの、テーパーランダムポリマーからなるブロックが結合したものなどがある。また、これらのブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体などがある。ブロックポリマーの例としてスチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBであらわすと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体、(S−B)m−Xであらわされるブロック共重合体などがある。
ブロックポリマーの例としてより一般的には、例えば次の一般式で表されるような構造が挙げられる。(S−B)n、 S−(B−S)n、B−(S−B)n、 [(S−B)n]m−X、 [(B−S)n−B]m−X、 [(S−B)n−S]m−X
(上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。またブロックBには、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。またブロックBには、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。又、nは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。mは2以上の整数、好ましくは2〜11の整数である。Xはカップリング剤の残基又は多官能開始剤の残基を示す。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は同一でも、異なっていても良い。また、Xに結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)本発明において、上記一般式で表される構造を有するものの任意の混合物でも良い。
本発明においては、官能基を有する共役ジエン系重合体を、さらに不活性溶剤中で水素化することによって、二重結合の全部または一部を飽和炭化水素に変換することができる。その場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができ、また、分子の運動性を変化させ、あるいは他の高分子化合物との相容性を改善することができる。その結果、自動車用途など種々の用途で優れた性能を発揮する。
より具体的には、本発明において、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(すなわち水添率)は目的に合わせて任意に選択でき、特に限定されない。耐熱老化性及び耐候性の良好な重合体を得る場合、重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%を超える、好ましくは75%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が水添されていることが推奨される。また、熱安定性、分子運動性または樹脂との相容性の改良には、重合体中の共役ジエン部の水添率は3〜70%、或いは5〜65%、特に好ましくは10〜60%にすることが好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下にすることが好ましい。水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
水素化の方法としては公知の方法が利用できる。特に好適な水素化の方法は、触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法である。触媒としては、不均一系触媒として、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒、均一系触媒として、ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等が挙げられる。このうち、特にマイルドな水素化条件を選択できるチタノセン触媒が好適である。また、芳香族基の水素化は貴金属の担持触媒を用いる ことによって可能である。
水素化触媒の具体例としては、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等が挙げられる。例えば、水素化触媒として特公昭42-8704号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号公報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公報、特公平2-9041号公報、特開平8-109219号公報に記載された水素化触媒を使用することができる。好ましい水素化触媒としてはチタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物があげられる。
本発明においては、前記共役ジエン化合物、あるいは前記共役ジエン化合物と前記芳香族ビニル化合物を重合させた後、その得られた重合体の活性末端と、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する特定の低分子化合物、または、3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する特定の低分子化合物を反応させるものであり、低分子化合物は分子量が1000以下の有機化合物であることが好ましい。前記低分子化合物としては、下記式(1)または下記式(2)である。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
(ここで式(1)においてはRはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,NもしくはS原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、gは1〜3の整数である。
式(2)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,NもしくはS原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、R、R、R、R、Rおよびgは式(1)に同じである。)
本発明において、Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含み、分子量1000以下の有機基であって、好ましくは、活性水素を有しない3級アミノ基を有する2価の有機基であり、直鎖状、分岐状、あるいは複素環を含有してもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。更に好ましくは、ケイ素原子と3級アミノ基との間の距離が炭素数1〜4であり、また、3級アミノ基と3置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基との間の距離が炭素数1〜4である。
は炭素数が1〜10の1価の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であって、不飽和結合が存在してもよく、炭化水素基としては非環式炭化水素基であっても環式炭化水素であってもよい。活性水素としてはSiOH、OH、NH、NHなどのリビング末端を失活させる水素である。
Siを含む有機基で置換された炭化水素基としては、例えば、トリアルキルシリルアルキル基、ジアルキルアリールシリルアルキル基、トリアリールシリルアルキル基、トリアリールシリルアリール基、ジアルキルアルコキシシリルアルキル基などがあり、Oを含む有機基で置換された炭化水素基としては、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アリールオキシアリール基などがあり、Nを含む有機基で置換された炭化水素基としては、ジアルキルアミノアルキル基、アルキルアリールアミノアルキル基、ジアリールアミノアルキル基、ジアルキルアミノアリール基などである。
、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、不飽和結合が存在してもよく同じであっても異なっていてもよく、非環式炭化水素基であっても環式炭化水素であってもよい。
、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であって、不飽和結合が存在してもよく同じであっても異なっていてもよく、非環式炭化水素基であっても環式炭化水素であってもよい。
,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは3価、Rは2価の有機基である。R,R及びN原子は複素環を形成している。より好ましくは、R,Rに少なくとも1個の3級アミノ基を有するものである。その場合、より好ましくは、ケイ素原子と3級アミノ基との間の距離が炭素数1〜4であり、また、3級アミノ基と3置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基との間の距離が炭素数1〜4である。
式(1)で示される低分子化合物としては、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、
N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−フェニレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N,N’−ジアルキル−N’−トリアルキルシリル−フェニレンジアミン、3−(トリアルキルシリルアルキルアミノ)−1−ピロリジニル−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、3−(トリアルキルシリルアルキルアミノ)−1−ピロリジニル−アルキル−トリアルコキシシラン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(アルコキシアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(アルコキシアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(ジアルコキシアルキルシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(ジアルキルアミノアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン、N−〔(トリアルコキシシリル)−アルキル〕−N−アルキル−N’−(ジアルキルアミノアルキル)−N’−トリアルキルシリル−アルキレンジアミン等であり、具体的には以下のような化合物があげられる。
N−〔3−(メチルトリメチルシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、
N−〔3−(メチルトリメチルシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−フェニレンジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−フェニレンジアミン、3−〔3−(トリメチルシリルエチルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−メチルジエトキシシラン、3−〔3−(トリメチルシリルプロピルアミノ)−1−ピロリジニル〕−プロピル−トリエトキシシラン、N−〔3−(ジエトキシメチルシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリプロポキシシリル)−プロピル〕−N−プロピル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミン、N−〔2−(ジエトキシメチルシリル)−1−メチルエチル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N−エチル−N’−(2−ジエチルアミノエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミン等がある。好ましい化合物としては、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンである。
式(2)で示される低分子化合物としては、(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)−アルキル−アルキルジアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)−アルキル−プロピルアルキルジアルコキシシラン、(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)−アルキル−トリアルコキシシラン等でであり、具体的には以下のような化合物があげられる。
3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリブトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルエチルジエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルトリエトキシシラン、4−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)ブチルトリエトキシシラン等である。好ましい化合物としては、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランである。
これらの低分子化合物は単独あるいは、2種以上併用して、前記共役ジエン化合物あるいは前記共役ジエン化合物と前記芳香族ビニル化合物を重合させて得られた重合体の活性末端と反応させることができる。本発明においては式(2)で示される低分子化合物を主成分とすることが、低ヒステリシスロス性、ウエットスキッド特性、耐摩耗性、破壊強度のバランスに優れるという点で好ましい。
本発明は共役ジエン系重合体に、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物、または、3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物を反応させることによって得られるジエン系共重合体、該ジエン系重合体の加水分解生成物、該ジエン系重合体とその加水分解生成物からなる重合体の組成物、更には該ジエン系重合体および多官能性変性剤によってカップリングされている共役ジエン系重合体からなる組成物およびそれらの製造方法であるが、活性末端を有する共役ジエン系重合体に前記式(1)または前記式(2)で示される低分子量化合物を反応させた場合、反応直後は下記式(3)または下記式(4)で示されるジエン系重合体となる。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
(ここでDは共役ジエン系重合体(残基)であり、
式(3)において、Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、nは1〜3の整数,mおよびpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
式(4)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、R、R、R、R7,n,mおよびp,n+m+pは式(3)に同じである。)
その後、該ジエン系重合体を炭化水素溶媒から分離、回収する工程、具体的には主に、スチームストリッピング工程中に該ジエン系重合体における3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基(>N−SiR基)は水等による加水分解作用を受けて、その一部は2級アミノ基(>N−H)となり、即ち下記式(5)および下記式(6)で示されるジエン系重合体となる。
Figure 2007034785
Figure 2007034785
その程度はスチームストリッピングにおける水のPH等にも影響される。従って工業的に炭化水素溶媒中から回収される本発明におけるジエン系重合体は低分子化合物を反応させることによって得られるジエン系共重合体、該ジエン系重合体の加水分解生成物、該ジエン系重合体とその加水分解生成物からなる重合体の組成物となる。組成物は、式(3)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と式(5)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%、または、式(4)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と式(6)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%との共役ジエン系重合体組成物が好ましい。
本発明においては、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その重合体の活性末端と前記低分子化合物を反応させる前または後に、該重合体または共役ジエン系重合体の活性末端と多官能性変性剤を反応させることが好ましい。これにより、前記重合体または重合体の一部を多官能性変性剤でカップリングさせて前記低分子化合物を反応させた変性基を有する共役ジエン系重合体と多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体組成物とすることができる。多官能性変性剤を使用することにより、コールドフロー性及び加工性が改良される。多官能性変性剤としては好適にはエポキシ基、カルボニル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、エピチオ基、チオカルボニル基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、共役ジエン基、アリールビニル基から選択される1種以上の官能基を有する化合物が用いられる。
なお、官能基のモル数の計算において、エポキシ基、カルボニル基、エピチオ基、チオカルボニル基、イミノ基、エチレンイミノ基、ハロゲン基、共役ジエン基、アリールビニル基、アルコキシシリル基の1個当たりのアルコキシ基は1官能として、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、酸無水物基、チオカルボン酸エステル基、ジチオカルボン酸エステル基、チオカルボン酸アミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基は2官能として、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基は3官能として計算されるべきである。本発明において好ましく用いることのできる多官能性変性剤は、1分子中の上記の官能基の官能数の和が2以上のものである。好ましくは官能数の和が3以上の多官能性変性 剤である。
多官能性変性剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールAなどの2個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4―ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエンなどのポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミンなどのエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミノ化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ基と他の官能基を有する化合物が挙げられる。
また、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリフェノキシシランなどのアルコキシシラン化合物、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールなどのイミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物が挙げられる。
また、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエタンジイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネートなどのイソシアネート化合物が挙げられる。
さらに、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノメチルトリクロロケイ素、モノエチルトリクロロケイ素、モノブチルトリクロロケイ素、モノヘキシルトリクロロケイ素、モノメチルトリブロモケイ素、ビストリクロロシリルエタンなどのハロゲン化シラン化合物、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシランなどのアルコキシハロゲン化シラン化合物などが挙げられる。
さらに、例えば、 四塩化錫、四臭化錫、モノメチルトリクロロ錫、モノエチルトリクロロ錫、モノブチルトリクロロ錫、モノフェニルトリクロロ錫、ビストリクロロスタニルエタンなどのハロゲン化錫化合物、トリクロルフォスフィン、トリブロモフォスフィンなどのポリハロゲン化リン化合物など、さらに、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどの亜リン酸エステル化合物、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイトなどのリン酸エステル化合物が挙げられる。
また、例えば、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルなどのカルボン酸エステル化合物、無水ピロメリット酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの酸無水物基含有化合物、アジピン酸ビスジメチルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミドなどのアミド基含有化合物、4,4’−ジアセチルベンゾフェノン、3−アセチルプロポキシトリメトキシシランなどのカルボニル基含有化合物、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンオリゴマーなどのアリールビニル基含有化合物、トリクロロプロパン、トリブロモプロパン、テトラクロロブタン、3−クロロプロポキシトリメトキシシランなどのハロゲン化炭化水素基含有化合物が挙げられる。これらは、単独でも、複数種を組み合わせて用いてもよい。
さらに好ましい多官能性変性剤としては、シリカとの親和性の大きい官能基を有するものが好ましく、またカップリングによる分子量の向上効果の大きい4〜6官能のポリエポキシ化合物あるいは合計で4〜6官能のエポキシ基とアルコキシシリル基の両方を有する化合物である。特に好ましくは、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物、更には1分子中にジグリシジルアミノ基を2個または3個有する化合物である。例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどである。これらの多官能性変性剤は単独又は,2種以上を併用することもできる。
本発明において多官能性変性剤を使用する場合には、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と反応させる分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物または3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物、及び多官能性変性剤を反応させる順序は限定されず、多官能性変性剤でカップリング反応を行い、次いで残りの活性末端と低分子化合物を反応させてもよく、低分子化合物を反応させてから残りの活性末端と多官能性変性剤を反応させてもよく、これらを同時に反応させてもよい。特に、多官能性変性剤でカップリング反応を行い、次いで残りの活性末端と低分子化合物を反応させることが官能基成分を有する重合体を高い割合で生成させるために好ましい。また前記重合体または共役ジエン系重合体の活性末端のモル数に対して、低分子化合物及び多官能性変性剤をそれぞれ0.02倍モルから5倍モルの範囲で用いることが好ましい。0.02倍モル未満では本発明の共役ジエン系重合体を使用し、加硫してなる組成物において、充分な低ヒステリシスロス性、耐摩耗性、破壊強度のバランスに優れた性能を有する組成物を得ることができず、5倍モルを越えると変性コストが増加する他、未反応物の除去等に問題が生じる。好ましくは0.05倍モルから3倍モル、更に好ましくは0.1倍モルから2倍モルである。なお、本発明の製造方法においては、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と反応させる分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物または3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物及び多官能性変性剤をそれぞれ単独に反応させた後、これらの2種以上の変性重合体溶液を適量の範囲でブレンドして共役ジエン系重合体組成物とすることもできる。
本発明の共役ジエン系重合体においては、分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物または3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物が反応した(共)重合体成分を(共)重合体中に好ましくは5重量%から100重量%、更に好ましくは20重量%〜90重量%を含み、多官能性変性剤が反応した成分との共役ジエン系重合体組成物とした場合には2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物が反応した成分と多官能性変性剤が反応した成分の比率が95/5〜5/95の範囲であり、好ましくは60/40〜5/95、更に好ましくは70/30〜95/5である共役ジエン系重合体組成物であることが好ましい。この範囲においては、重合体のコールドフロー性が小さく、配合時の加工性が優れ、本発明の目的とする加硫ゴムのウエットスキッド特性、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性、破壊強度のバランスに優れた組成物となる。
また、共役ジエン系重合体に分子中に3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基とそのN原子に隣接しないN原子を有する有機基およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物または3有機置換シリル基がその水素と置換した2級アミノ基を有する複素環およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物反応した(共)重合体成分と、多官能性変性剤が反応した(共)重合体成分の合計が(共)重合体中に50重量%以上含むことが好ましい。より好ましくは70重量%以上である。この範囲においては、本発明の目的とする加硫ゴムのウエットスキッド特性、低ヒステリシスロス性、耐摩耗性、破壊強度のバランスが特に優れた組成物となる。
本発明において、重合体の不活性溶剤の溶液に、必要により反応停止剤を添加することができる。反応停止剤としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノ−ルなどのアルコール類、ステアリン酸、ラウリン酸、オクタン酸などの有機酸、水などが使用される。
本発明において、必要により、重合体に含まれる金属類を脱灰することができる。通常、脱灰の方法としては水、有機酸、無機酸、過酸化水素等の酸化剤などを重合体溶液に接触させて金属類を抽出し、その後水層を分離する方法で行なわれる。
本発明において、重合体の不活性溶剤の溶液に、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などがある。
重合体溶液から重合体を取得する方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、スチームストリピングなどで溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水および乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機などで脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法などが採用できる。
本発明の変性基を有する共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物に、シリカ系無機充填剤、金属酸化物及び金属水酸化物からなる群から選ばれる充填剤を分散させると、従来にない優れた効果が得られる。特に、好ましくはシリカ系無機充填剤として一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸を用いる方法である。その場合に、充填剤は短時間の混練によって速やかに均一かつ微粒子状に、再現性よく分散し、得られる物性は極めて好ましいものとなる。
本発明について、好ましい実施形態の一つとして共役ジエン系ランダム共重合体を製造する場合について、さらに詳細に説明する。
モノマーとして共役ジエンまたは、共役ジエンとスチレンの組み合わせを用い、有機モノリチウム化合物を開始剤として不活性溶媒中でリビング共役ジエンホモ重合体または共役ジエンとスチレンのリビングランダム共重合体を得る。重合体はガラス転移温度が−100℃から0℃の範囲であり、共役ジエン部の1,4−結合対1,2または3,4結合の比率は10%〜90%対90%〜10%である。共重合体中の結合スチレン量は0〜50重量%であり、共重合体中のスチレンの連鎖分布は完全ランダム構造がより好ましい。すなわち、オゾン分解法による単離スチレン(スチレンが1個単位)が全結合スチレンの40重量%以上で、かつ連鎖スチレン(スチレンが8個以上の連なりとなっている)が全結合スチレンの5重量%以下、好ましくは2.5重量%以下である。リビング重合体の溶液に、3級アミノ基を2個以上およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物を加え、攪拌して均一に混合する。或いは、好ましくは官能数の和が3以上の多官能性変性剤を所定量加え、瞬時に攪拌して反応させた後、残りのリビング重合体に3級アミノ基を2個以上およびアルコキシシリル基を1個以上有する低分子化合物を加え、攪拌して均一に混合する。得られた重合体は、末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基、アルコキシシリル基を任意の比率で有する重合体となる。
また、別の好ましい実施形態としては共役ジエン系ブロック共重合体を製造する場合がある。
一般的に、重合体の分子量は用途、目的に応じてコントロールされる。通常、加硫ゴム用の原料ゴムとしては、ムーニー粘度(100℃ 1+4分)20〜100にコントロールされる。ムーニー粘度が高い場合は、製造時における仕上げ工程での容易性を考慮して又、混練時の加工性向上、充填剤の分散性向上、分散性の向上による諸物性の向上のため通常伸展油で油展してこの範囲とする。伸展油としては、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、さらに、IP346の方法によるPCA3重量%以下のアロマ代替油が好ましく用いられる。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe52(12)799(1999)に示されるTDAE、MESなどの他、ジャパンエナジー社製のSRAEなどがある。伸展油の使用量は任意であるが、通常は、重合体100重量部に対し、10〜50重量部である。一般的には20〜37.5重量部用いられる。
本発明の製造方法により得られる重合体が、タイヤ、防振ゴムなどの自動車部品、靴等の加硫ゴム用途に用いられる場合は、補強剤としては、シリカ系無機充填剤が好適に用いられ、特に一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸が好適である。合成ケイ酸としては、湿式シリカ、乾式シリカが好ましく用いられる。
補強剤としては、また、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては特に制限されず、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましい。
本発明の重合体及び重合体の組成物は、該重合体100重量部に対して、1〜100重量部のシリカ系粒子、1〜100重量部のカーボンブラックを単独或いは併用系で配合した加硫ゴム組成物として用いることが好ましい。その場合に本発明の効果として、特にシリカの分散性がよく、安定して加硫ゴムの性能が優れる。具体的には、無機充填剤及びカーボンブラックが均一に分散し、加硫ゴムとした場合に、貯蔵弾性率のひずみ依存性が少ないゴムが得られる。タイヤトレッド用途においては従来以上の低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスの向上および耐摩耗性の向上、さらに、強度の向上等がはかられ、タイヤ用ゴム、防振ゴム、履物用などにも好適な組成物となる。
本発明の重合体及び重合体の組成物は、単独で、または必要に応じて他のゴムと混合して用いられる。他のゴムと混合して用いられる場合、本発明に係る重合体の割合が過度に少ないと、本発明の改質の効果が十分に発揮されず好ましくない。他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴム、溶液重合ランダムSBR(結合スチレン5〜50重量%、ブタジエン結合単位部分の1,2−ビニル結合量10〜80%)、高トランスSBR(ブタジエン結合単位部分の1,4−トランス結合量70〜95%)、低シスポリブタジエンゴム、高シスポリブタジエンゴム、高トランスポリブタジエンゴム(ブタジエン結合単位部分の1,4−トランス結合量70〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液重合ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニルSBRブロック共合ゴム、およびポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体などのようなブロック共重合体等が挙げられる。これらは、要求特性に応じて適宜選択できる。
ゴム成分として本発明に係る重合体と他のゴムが用いられる場合における各成分の割合は、重量比で、通常10〜95:90〜5、好ましくは20〜90:80〜10、より好ましくは30〜80:70〜20の範囲である。また、ゴム配合剤として、例えば、さらに補強剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、オイルなどを用いることができる。
加硫剤としては、特に限定はないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などのような硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄などのようなハロゲン化硫黄、ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどのような有機過酸化物などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく、粉末硫黄が特に好ましい。
加硫剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チオウレア系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸系、キサントゲン酸系加硫促進剤などが挙げられる。加硫促進剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
加硫助剤としては、特に制限はないが、例えばステアリン酸や酸化亜鉛などを用いることができる。
オイルとしては、例えば、アロマ系、ナフテン系、パラフィン系、シリコーン系などの伸展油が用途に応じて選択される。伸展油の使用量は、ゴム成分100重量部あたり、通常1〜150重量部、好ましくは2〜100重量部、更に好ましくは3〜60重量部の範囲である。オイルの使用量がこの範囲にある時には、補強剤の分散効果、 引張強度、耐摩耗性、耐熱性等が高値にバランスされる。
本発明の重合体及び重合体の組成物をゴム成分として用いる組成物は、上記成分以外に、常法に従って、炭酸カルシウム、タルク等のような充填剤、アミン系やフェノール系の老化防止剤、オゾン劣化防止剤、シランカップリング剤、ジエチレングリコールなどの活性剤、加工助剤、粘着付与剤、ワックス等のその他の配合剤をそれぞれ必要量含有することができる。
本発明の重合体及び重合体の組成物をゴム成分として用いる組成物は、上記各成分を公知のゴム用混練機械、例えばロール、バンバリーミキサー等を用いて混合することによって製造される。
また、本発明の共役ジエン系重合体は、前述した共役ジエン系重合体の製造方法によって得られるものである。そして、本発明の重合体はかかる構成からなるため、前述したような優れた効果を有するものである。
本発明において、重合体組成物の好適な一実施形態としては、前記式(1)および前記式(2)で示される低分子化合物以外の多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体5〜90重量%、前記式(3)および/または前記式(5)で示される共役ジエン系重合体、若しくは、前記式(4)および/または前記式(6)で示される共役ジエン系重合体10〜95重量%からなり、そのムーニー粘度が20〜200である共役ジエン系重合体組成物である。かかる重合体組成物は、前記式(1)および前記式(2)で示される低分子化合物以外の多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体を含むことによって、コールドフロー性に優れた共重合体組成物となる。
前記式(1)および前記式(2)で示される低分子化合物以外の多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体はより好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは5〜40重量%である。
特に、この共役ジエン系重合体組成物においては、前記多官能性変性剤として、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物を用いると、コールドフロー性が優れるとともに、重合体組成物にシリカ、他の無機充填材、カーボンブラックを配合、混合した場合、加工性が良好であり、シリカ、他の無機充填材、カーボンブラクックの分散性が向上し、諸物性も向上する点で好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例における試料の分析は以下に示す方法によって行った。
(1)結合スチレン量
試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(wt%)を測定した(島津製作所製:UV−2450)。
(2)スチレン連鎖
スチレン単位が1個のスチレン単連鎖、及びスチレン単位が8個以上連なったスチレン長連鎖の含率は田中らの方法(Polymer,22,1721(1981)に従って、スチレン−ブタジエン共重合ゴムをオゾンによって分解した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分析した。
(3)ブタジエン部分のミクロ構造
試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて赤外線スペクトルを600〜1000cm−1の範囲で測定して所定の吸光度よりハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた(日本分光製:FT−IR230)。
(4)ムーニー粘度
JIS K 6300によって100℃、予熱1分で4分後の粘度を測定した。
(5)分子量及び分子量分布
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本連結して用いたGPCを使用してクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線により分子量及び分子量分布を計算した。溶媒はテトラヒドロフランを使用した。
(6)変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液に関して、上記5のポリスチレン系ゲル(昭和電工製:Shodex)のGPC(東ソー製:HLC−8020)と、シリカ系カラム(デュポン社製:Zorbax)GPC(東ソー製:カラムオーブン;CO−8020、検出器;RI−8021)の両クロマトグラムを測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン625g、スチレン225g、シクロヘキサン5500g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.82gを反応器へ入れ、反応器内温を30℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム6.75mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇をはじめた。重合開始剤添加後7分〜12分にわたって、ブタジエン50gを10g/分の速度で供給した。最終的な反応器内の温度は77℃に達した。重合反応終了後、反応器にN−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチルーN’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンを13.5mmolgを添加し、75℃で5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8gを添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料A)を得た。
(試料A)を分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は53であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は62でありまたシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は83%であった。
試料Aを得るのと全て同じ方法で重合反応を実施し、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチルーN’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンに変えて3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランを使用して変性反応を実施して、スチレン−ブタジエン共重合体(試料B)を得た。(試料B)を分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は50であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は63%でありまたシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は85%であった。
(試料A)を得たのと全て同じ方法で重合反応を実施し、その後、反応器に4官能ポリエポキシ化合物であるテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.25mmolgを添加し、75℃で2分間攪拌してカップリング反応を実施、その後3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランを11.48mmolを添加して変性反応を実施し、スチレン−ブタジエン共重合体(試料C)を得た。試料Cを分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は49であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は62%でありまたシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は83%であった。
〔実施例4及び5〕
更に(試料A)を得たのと同様な方法で重合を実施し、ブタジエン及びスチレン量、n−ブチルリチウムの量、極性物質の量、及び重合終了後に添加する3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン量を変更し、スチレン−ブタジエン共重合体(試料D及び試料E)を得た。
以上の調製結果を表1に示した。
〔比較例1〕
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン625g、スチレン225g、シクロヘキサン5500g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを1.05gを反応器へ入れ、反応器内温を30℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウムを8.72mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇をはじめた。重合開始剤添加後7分〜12分にわたって、ブタジエン50gを10g/分の速度で供給した。最終的な反応器内の温度は79℃に達した。重合反応終了後、反応器に4官能ポリエポキシ化合物であるテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを4.36mmolgを添加し、75℃で5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8gを添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料F)を得た。
(試料F)を分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は76であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は62%であり、GPC測定によるポリスチレン換算分子量は重量平均分子量(Mw)は60万であり、数平均分子量(Mn)は44万であり分子量分布は(Mw/Mn)は1.36であった。またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は83%であった。
〔比較例2〕
(試料F)を得たのと同様な方法で重合を実施し、ブタジエン及びスチレン量、n−ブチルリチウムの量、極性物質の量、及び重合終了後に添加するテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン量を変更し、スチレン−ブタジエン共重合体(試料G)を得た。
〔比較例3〕
更に(試料F)を得たのと同じ方法で重合を実施し、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.68g、n−ブチルリチウムを5.63mmolで重合反応を実施し、重合反応終了後、反応器にジメチルイミダゾリジノンを4.79mmolgを添加し、75℃で5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8gを添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料H)を得た。(試料H)を分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は50であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は62%であり、またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は81%であった。
〔比較例4〕
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン625g、スチレン225g、シクロヘキサン5500g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.82gを反応器へ入れ、反応器内温を30℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム6.75mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇をはじめた。重合開始剤添加後7分〜12分にわたって、ブタジエン50gを10g/分の速度で供給した。最終的な反応器内の温度は77℃に達した。重合反応終了後、反応器にN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシランを13.5mmolgを添加し、75℃で5分間攪拌して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を1.8gを添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料I)を得た。
(試料I)を分析した結果、結合スチレン量は25重量%、結合ブタジエン量は75%であり、重合体のムーニー粘度は50であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は63でありまたシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は84%であった。
〔比較例5〕
(試料D)を得るのと全て同じ方法で重合反応を実施し、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランに変えて3−(N−トリメチルシリル,N−エチル−アミノ)プロピルトリメトキシシランを使用して変性反応を実施して、スチレン−ブタジエン共重合体(試料J)を得た。(試料J)を分析した結果、結合スチレン量は20重量%、結合ブタジエン量は80%であり、重合体のムーニー粘度は49であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は56%でありまたシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は81%であった。
以上の調製結果を表1に示した。
Figure 2007034785
〔実施例6〕
内容積10リットルで、底部に入り口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを反応器として2基直列に連結、又、この2基の反応器の中間にスタテックミキサーを設置した。予め不純物を除去したブタジエンを13.0g/分、スチレンを7g/分、n−ヘキサンを97.6g/分で混合し、この混合溶液を活性アルミナを充填した脱水用カラムを経由し、更に不純物を除去するために、1基目反応器に入る直前で0.003g/分(0.0469mmol)の速度でn−ブチルリチウムとスタテックミキサ−で混合した後、1基目反応器の底部に連続的に供給し、更に、極性物質として2,2ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.013g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.0074g/分(0.116mmol)の速度で1基目反応器底部へ供給し、反応器内温度を85℃に保持した。1基目頂部より重合体溶液を連続的に抜き出し、2基目の反応器へ供給した。なお、1基目出口での重合率は約100%に達していた。
2基目の反応器の温度を80℃に保ち、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランを0.232mmol/分の速度で2基目反応器の底部から添加し、変性反応を実施した。この変性重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を0.05g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了させ、その後溶媒を除去し、変性共重合体を得た。この変性後の共重合体のムーニー粘度は125であった。更にこの共重合体溶液にアロマチック油(ジャパンエナジー(株)製X−140)を重合体100重量部あたり37.5重量部添加し、油展共重合体(試料K)を得た。
得られた油展共重合体のムーニー粘度は55であった。又、(試料K)を分析した結果、この共重合体の結合スチレン量は35%であり、結合ブタジエンは65%であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分の1、2−結合量は38%であった。変性共重合体の変性率は82%であった。
高分子量、即ちムーニー粘度の高いものをあらかじめ油展することは、得られた共重合体の製造を容易にするため、或いは、その後の加工において、充填剤との混合性等の加工性向上や充填剤の分散向上による性能の向上に効果があり、従来からゴム工業界ではひろく、応用されている。
〔実施例7〕
(試料K)を得たのち、更に1基目と2基目の中間に設置したスタテックミキサー中に連続的に流れる共重合体溶液にテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.0061mmol/分の速度で添加、スタテックミキサー内で混合した。2基目における3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシランによる変性反応は継続した。反応が安定した状態でこの変性重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を連続的に添加し、変性反応を終了させ、その後溶媒を除去し、変性共重合体を得た。この変性後の共重合体のムーニー粘度は158であった。更にこの共重合体溶液にアロマチック油(ジャパンエナジー(株)製X−140)を重合体100重量部あたり37.5重量部添加し、油展共重合体(試料L)を得た。得られた油展共重合体のムーニー粘度は70であった。結合スチレン量、ブタジエン部分の1,2−結合量は(試料K)と同一であった。変性共重合体の変性率は81%であった。
〔実施例8及び9〕
さらに、(試料K)及び(試料L)を得たのと同様な方法で重合及び変性反応を実施し、スチレン量、ブタジエン量、n−ブチルリチウムの量、極性物質の量、及び重合終了時に添加するテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン量、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン量の異なる各種油展スチレン−ブタジエン共重合体(試料M及びN)を得た。
以上の調製結果を表2に示した。
なお(試料K)及び(試料M)のオゾン分解によるスチレン連鎖の分析結果はスチレン単位が1個のスチレン単連鎖は全スチレン中の54%及び44%、及びスチレン単位が8個以上連なったスチレン長連鎖の含率は2.3%及び2.4%であった。
〔比較例6〕
内容積10リットルで、底部に入り口、頂部に出口を有し、攪拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブを反応器として2基直列に連結、又、2基の反応器の中間にスタテックミキサーを設置した。予め不純物を除去したブタジエンを13.0g/分、スチレンを7g/分、n−ヘキサンを97.6g/分で混合し、この混合溶液を活性アルミナを充填した脱水用カラムを経由し、更に不純物を除去するために、1基目反応器に入る直前で0.003g/分(0.0469mmol)の速度でn−ブチルリチウムとスタテックミキサ−で混合した後、1基目反応器の底部に連続的に供給し、更に、極性物質として2,2ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.015g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.0090g/分(0.141mmol)の速度で1基目反応器底部へ供給し、反応器内温度を85℃に保持した。1基目頂部より重合体溶液を連続的に抜き出し、2基目の反応器へ供給した。1基目の反応器の状態が安定した状態で1基目の出口からサンプリングし、活性点を失活させるに充分なエタノ−ルを添加し、安定剤を加えて溶媒を除去し、ムーニー粘度を測定した。得られた、変性前の共重合体のムーニ粘度は83であった。なお、1基目出口での重合率は約100%に達していた。
2基目の反応器の温度を80℃に保ち、4官能ポリエポキシ化合物であるテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.071mmol/分の速度で2基目反応器の底部から添加し、変性反応を実施した。この変性重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を0.05g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了させ、その後溶媒を除去し、変性共重合体を得た。この変性後の共重合体のムーニー粘度は163であった。更にこの共重合体溶液にアロマチック油(ジャパンエナジー(株)製X−140)を重合体100重量部あたり37.5重量部添加し、油展共重合体(試料O)を得た。得られた油展共重合体のムーニー粘度は72であった。又、(試料O)を分析した結果、この共重合体の結合スチレン量は35%であり、結合ブタジエンは65%であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分の1、2−結合量は38%であった。THFを溶媒としたGPC測定による重量平均分子量(Mw)は92万であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。変性共重合体の変性率は82%であった。
〔比較例7〕
さらに、(試料O)を得たのと同様な方法で重合及び変性反応を実施し、スチレン量、ブタジエン量、n−ブチルリチウムの量、極性物質の量、及び重合終了時に添加するテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン量の異なる油展スチレン−ブタジエン共重合体(試料P)を得た。
以上の調製結果を表2に示した。
Figure 2007034785
〔実施例10〜実施例14、および比較例8〜比較例12〕
表1に示す試料(試料A〜試料J)を原料ゴムとして、表3に示す配合でゴム組成物を得た。
Figure 2007034785
混練り方法は以下の方法で行なった。
温度制御装置を付属した密閉混練機(内容量0.3リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム、充填材(シリカおよびカーボンブラック)、有機シランカップリング剤、アロマチックオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。この際、密閉混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。
ついで、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により排出温度(配合物)を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を混練した。
これを成型し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、物性を測定した。物性測定結果を表4に示した。
各物性の測定方法は以下の方法で実施した。
(1)バウンドラバー
第2段混練り終了後の配合物約0.2グラムを約1mm角状に裁断し、ハリスかご(100メッシュ金網製)へ入れ、重量を測定。その後トルエン中に24時間浸せき後、乾燥、重量を測定し、非溶解成分を考慮し、充填剤に結合したゴムの量を計算し、最初の配合物中のゴム量に対する充填剤と結合したゴムの割合を求めた。
(2)引張試験
JIS−K6251の引張試験法により測定した。
(3)粘弾性特性の測定
レオメトリックス社製のアレス粘弾性試験器を使用し、ねじり方式によって周波数10Hzで測定した。
ペイン効果(△G‘)は歪み0.1%から10%における最小値と最大値の差で示した。ペイン効果が小さいほどシリカ等充填剤の分散性が良い
低温のTanδの高いものほど、ウェットスキッド(グリップ)性能が優れ、高温のTanδの低いものほどヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗性、即ち、低燃費性に優れる。
(4)反発弾性の測定
JIS K6255によるリュプケ式反発弾性試験法で50℃での反発弾性を測定した。
(5)発熱性
グッドリッチ・フレクソメーターを使用、回転数1800rpm、ストローク0.225インチ、荷重55ポンド、測定開始温度50℃、20分後の温度と開始温度との差で示した。
(6)アクロン摩耗量
耐摩耗性はアクロン摩耗試験機を使用し、荷重6ポンド、3000回転の摩耗量を測定した。指数の高いほど摩耗量が少なく良好。
Figure 2007034785
表4の実施例10〜実施例14に示されるように、本発明によって製造された共役ジエン系重合体はシリカ配合組成物においてバウンドラバー量が増加し、ペイン効果が小さくシリカの分散性が優れ、高温のTanδの低くヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗性、即ち、低燃費性に優れる。また、低燃費性とウエットスキッド(グリップ)のバランスが優れていることがわかる。また耐摩耗性も良好である。
〔実施例15〜実施例18、及び比較例13〜比較例14〕
表2に示す試料(試料K〜試料P)を原料ゴムとして、表5に示す配合でゴム組成物を得た。
Figure 2007034785
混練り方法は以下の方法で行なった。
外部より循環水による温度制御装置を付属した密閉混練機(内容量1.7リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数66/77rpmの条件で、原料ゴム、充填材(シリカおよびカーボンブラック)、有機シランカップリング剤、アロマチックオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。この際、密閉混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。
ついで、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により排出温度(配合物)を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を混練した。
これを成型し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、物性を測定した。物性測定結果を表6に示した。
各物性の測定方法は実施例10〜実施例14と同じ方法でおこなった。
Figure 2007034785
表6の実施例15〜実施例18に示されるように本発明によって製造された共役ジエン系重合体はシリカ配合組成物においてバウンドラバー量が増加し、ペイン効果が小さくシリカの分散性が優れ、高温のTanδの低くヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗性、即ち、低燃費性に優れる。また、低燃費性とウエットスキッド(グリップ)のバランスが優れていることがわかる。また耐摩耗性も良好である。
〔実施例19〜実施例21、および比較例15〜比較例16〕
表1に示す試料(試料B〜試料G)を原料ゴムとして、表7に示す配合でゴム組成物を得た。
Figure 2007034785
混練り方法および各物性の測定方法は、実施例10〜実施例14と同じ方法でおこなった。物性測定結果を表8に示した。
Figure 2007034785
表8の実施例19〜実施例21に示されるように本発明によって製造された共役ジエン系重合体はカーボン配合組成物においてバウンドラバー量が増加し、ペイン効果が小さくカーボンの分散性が優れ、高温のTanδの低くヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗性、即ち、低燃費性に優れる。また、低燃費性とウエットスキッド(グリップ)のバランスが優れていることがわかる。また耐摩耗性も良好である。
本発明の組成物は、方法で製造された共役ジエン系重合体は、補強性シリカおよびカーボン等の充填材を含む配合に用いることにより、強度特性、省燃費性能、グリップ性能、耐摩耗性の優れた良好なタイヤトレッド用加硫ゴム組成物が提供される。またこれらの特性をいかし、靴用途や各種自動車部品、工業用品等に利用することもできる。又、共役ジエン系重合体が熱可塑性エラストマーの場合、シリカ、金属酸化物、金属水酸化物、などの無機充填剤およびカーボンが均一に分散し、従来以上の強度の向上、難燃性の向上、伸びの向上、透明性の向上などの効果が得られ、アスファルト組成物にもちいられると、骨材把握性が向上するなどの効果が得られ、さらに、共役ジエン系重合体が熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂である場合、他の極性樹脂との配合組成物において、相容性の向上とともに均一、微細な分散が得られる。

Claims (9)

  1. 炭化水素溶媒中で、有機アルカリ金属および有機アルカリ土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を開始剤として用い、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させた後、その活性末端と、下記式(1)または、下記式(2)で示される低分子化合物を反応させることを特徴とする共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
    Figure 2007034785
    Figure 2007034785
    (ここで式(1)においてはRはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、gは1〜3の整数である。
    式(2)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、R、R、R、Rおよびgは式(1)に同じである。)
  2. 炭化水素溶媒中で、有機アルカリ金属および有機アルカリ土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を開始剤として用い、共役ジエン化合物、あるいは共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させ、その活性末端と前記式(1)または、前記式(2)で示される低分子化合物を反応させる前または後に、共役ジエン系重合体の活性末端を多官能性変性剤でカップリングすることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエン系重合体組成物の製造方法。
  3. 前記式(2)で示される低分子化合物が、3−(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、3−(4−トリアルキルシリル−1−ピペラジニル)プロピルトリアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−イミダゾリジニル)プロピルトリアルコキシシラン、3−(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルアルキルジアルコキシシラン、または3−(3−トリアルキルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル)プロピルトリアルコキシシランである請求項1または2に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  4. 前記多官能性変性剤が、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物である、請求項2に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  5. 下記式(3)または、下記式(4)で示される共役ジエン系重合体。
    Figure 2007034785
    Figure 2007034785
    (ここでDは共役ジエン系重合体であり、
    式(3)において、Rはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、R、R、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であり、nは1〜3の整数,mおよびpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
    式(4)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくはアミノシリル基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、R、R、R、R7,n,mおよびp,n+m+pは式(3)に同じである。)
  6. 下記式(5)または、下記式(6)で示される共役ジエン系重合体。
    Figure 2007034785
    Figure 2007034785
    (ここでDは共役ジエン系重合体であり、
    式(5)においてはRは2級アミノ基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基であり、Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R、Rは各々独立に炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、nは1〜3の整数,mおよびpは0〜2の整数、n+m+p=3である。
    式(6)においてはR,Rは炭素数が1〜10の炭化水素基または活性水素を有しないSi,O,N,S原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基もしくは2級アミノ基のN原子に隣接しないN原子を含む分子量1000以下の有機基である。R、Rn,mおよびp,n+m+pは式(5)に同じである。)
  7. 前記式(3)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と前記式(5)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%、または、前記式(4)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%と前記式(6)で示される共役ジエン系重合体1〜99重量%との共役ジエン系重合体組成物。
  8. 前記式(1)および前記式(2)で示される低分子化合物以外の多官能性変性剤でカップリングされた共役ジエン系重合体5〜90重量%、前記式(3)および/または前記式(5)で示される共役ジエン系重合体、若しくは、前記式(4)および/または前記式(6)で示される共役ジエン系重合体10〜95重量%からなり、そのムーニー粘度が20〜200である共役ジエン系重合体組成物。
  9. 前記多官能性変性剤が、分子中にアミノ基を含むグリシジル化合物である、請求項8に記載の共役ジエン系重合体組成物。
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