JPWO2007004321A1 - 環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法および環状オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法および環状オレフィン系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

樹脂組成物を水素添加処理する工程を含む環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法である。前記工程において用いられる水素添加前の樹脂組成物は、該樹脂組成物100重量部に対し、沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物、例えば重合時に用いられた単量体を0.01乃至20重量部含んでなる。

Description

本発明は、環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法および環状オレフィン系樹脂組成物に関するものである。
近年、光ディスク光学系用のピックアップレンズ、コリメータレンズ、或いは小型撮像用の各種レンズ等の光学レンズにおいて、生産性の向上、軽量化の観点から、従来のガラス研削レンズに代えて、透明プラスチック射出成形レンズを用いる検討が続けられている。
しかしながら、プラスチックは、一般に高性能の非晶性樹脂ほど成形時の転写性が不十分となる場合があり、高温での滞留時の着色など、成形の難しさが課題となっている。
その課題の改善のため、例えば、特開2003-311773号公報において、成形条件面での改善が開示されている。あるいは特開2003-311737号公報、特開2002-105131号公報においては、材料の取扱の工夫や材料そのものの工夫などが行われているものの、十分な改良がなされるまでには至っておらず、あらゆる場面で容易に成形できる材料が求められている。
特開2003-311773号公報 特開2003-311737号公報 特開2002-105131号公報
本発明の課題は、成形時の転写性、所謂、成形時の流れ性不足に起因する外観不良を改良し、高温での滞留等の熱履歴による着色が抑制され、かつ成形の容易な環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法および環状オレフィン系樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定量の不飽和炭化水素化合物を含む環状オレフィン系樹脂組成物を、水素添加触媒の存在下に水素添加処理することにより、成形時の転写性を改良し、高温での滞留等による熱履歴に由来する着色が抑制され、かつ成形の容易な環状オレフィン系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記[1]乃至[10]に記載の環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法、下記[11]乃至[13]に記載の環状オレフィン系樹脂組成物、さらに下記[14]に記載の成形体を提供する。
[1] 一般式(1);

Figure 2007004321

(但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体と、
沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物と、
を含んでなる環状オレフィン系樹脂組成物(A)を準備する工程と、
水素添加触媒の存在下に、該樹脂組成物(A)中の少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する工程とを含み、
前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、該樹脂組成物100重量部に対し、前記不飽和炭化水素化合物を0.01乃至20重量部含む、環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[2] 前記環状オレフィン系重合体が、一般式(2)
Figure 2007004321

(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。nは、0≦n≦2の整数である。
2は、水素、又は炭素原子数1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)で表される、前記[1]記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[3] 前記不飽和炭化水素化合物が、環状オレフィン系重合体を製造する際に用いられる単量体である、前記[1]乃至[2]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[4] 前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、環状オレフィン系重合体と不飽和炭化水素化合物とを炭化水素系溶媒に溶解してなる、前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法
[5] 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程が、
前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、水素添加触媒を含む固定床式反応器に通過させて、少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する工程である、前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[6] 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程の前および/または後に、
前記樹脂組成物(A)を吸着剤で処理する工程を含む、前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[7] 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程の前に、
前記樹脂組成物(A)から不飽和炭化水素化合物の一部を除去する工程を含む、前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
[8] 前記[1]乃至[7]のいずれかに記載の製造方法により得られた環状オレフィン系樹脂組成物(B)を乾燥し、環状オレフィン系重合体と、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物と、溶媒とを含んでなる環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、少なくとも溶媒を除去する工程を含む、環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
[9] 溶媒を除去する前記工程が、
前記環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、溶媒、および飽和炭化水素化合物の一部を除去することにより、環状オレフィン系重合体100重量部に対する飽和炭化水素化合物の含有量を0.01乃至10重量部とする工程である、[8]に記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
[10] 溶媒を除去する前記工程が、
環状オレフィン系樹脂組成物(B)を、二重管式フラッシュ乾燥方式を用いて、環状オレフィン系重合体が固化しない温度でフラッシュ乾燥させる工程である、前記[8]乃至[9]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
[11] 一般式(4);
Figure 2007004321


(但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物を0.01乃至10重量部含んでなる、環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
[12] 前記環状オレフィン系重合体が、一般式(5)
Figure 2007004321

(式中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。nは、0≦n≦2の整数である。
は、水素、又は炭素原子数1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる一価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)で表される環状オレフィン系共重合体である、前記[10]に記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
[13] 前記飽和炭化水素化合物が、環状オレフィン系重合体を製造する際に用いられる単量体の水素添加物である、前記[11]乃至[12]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
[14] 前記[8]乃至[10]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法により得られる、環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
[15] 前記[11]乃至[14]のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を成形して得られる成形品。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法によれば、成形時の転写性、所謂、成形時の流れ性不足に起因する外観不良を改良し、高温での滞留等による熱履歴に由来する着色が抑制され、成形の容易な環状オレフィン系樹脂組成物を容易に且つ、効率よく得ることができる。このように、本発明は、工業的に極めて価値がある。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法は、下記一般式(1)で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体と、沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物と、を含んでなる環状オレフィン系樹脂組成物(A)を準備する工程と、水素添加触媒の存在下に、該樹脂組成物(A)中の少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する工程とを含む方法である。前記水素添加処理工程において、環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、該樹脂組成物(A)100重量部に対し、不飽和炭化水素化合物を0.01乃至20重量部含んでなる。
Figure 2007004321

(但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
なお、以下の説明において、不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前の環状オレフィン系樹脂組成物を「環状オレフィン系樹脂組成物(A)」、不飽和炭化水素化合物を水素添加処理した後の環状オレフィン系樹脂組成物を「環状オレフィン系樹脂組成物(B)」、さらに環状オレフィン系樹脂組成物(B)から有機溶媒を除去するとともに、不飽和炭化水素を水素添加して得られる飽和炭化水素を必要に応じて除去することにより得られる環状オレフィン系樹脂組成物を「環状オレフィン系樹脂組成物(C)」として説明する。
<環状オレフィン系樹脂組成物(A)>
環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、該樹脂組成物(A)100重量部に対して、沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物を0.01乃至20重量部、好ましくは3乃至15重量部含んでなるものである。
なお、環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、環状オレフィン系重合体、不飽和炭化水素化合物、および溶媒を含んでなる。
さらに、環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、環状オレフィン系重合体100重量部に対して、不飽和炭化水素化合物を0.01乃至200重量部、好ましくは3乃至150重量部含んでなることが望ましい。
環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、上記の範囲で不飽和炭化水素化合物を含んでいることにより、不飽和炭化水素化合物を水素添加処理することが容易となる。そのため、所望の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を効率よく得ることができる。
また、本発明においては、不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前に、環状オレフィン系樹脂組成物(A)に含まれる未反応の単量体(不飽和炭化水素化合物)の一部を公知の方法により除去してもよい。除去された未反応の単量体は重合反応に再度使用することができ、また環状オレフィン系樹脂組成物(A)中の未反応単量体が少なくなることから、水素添加処理も短時間で行う事ができ、経済性の面で好ましい。
また、環状オレフィン系樹脂組成物(A)からの単量体の除去量にもよるが、水素添加処理前に未反応の不飽和炭化水素化合物を除去した場合、環状オレフィン系重合体100重量部に対して沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物の量は0.01乃至50重量部、好ましくは0.01乃至20重量部である。
また該樹脂組成物(A)中の環状オレフィン系重合体の濃度は、通常2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。本発明における溶液状態の樹脂組成物(A)の粘度は、好ましくは1,000cp以下、より好ましくは100cp以下である。
ここで不飽和炭化水素化合物とは、上記の環状オレフィン系重合体の製造に用いられる原料単量体及びそれらから生成する化合物である。不飽和炭化水素化合物は、具体的にはノルボルネンおよびその誘導体、テトラシクロドデセンおよびその誘導体、及びそれらの逆ディールス・アルダー反応と、引き続いて起こるディールス・アルダー反応で生成する化合物などであり、詳しくは環状オレフィン系重合体の製造に用いられる単量体として後述する。
まず、環状オレフィン系重合体について説明する。
(環状オレフィン系重合体)
環状オレフィン系重合体は、前記一般式(1)で表される一種または二種以上の構造からなる。
前記一般式(1)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R1基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]R3は、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a),(b),(c);
Figure 2007004321

(式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。)である。
[3]nが0である。
[4]y/xが、それぞれモル基準で、20/80≦y/x≦65/35を満たす実数である。
[5]R2は、水素原子または-CH3であり、複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
[6]Qが、-COOHまたは、-COOCH3基である。
環状オレフィン系重合体として、好ましくは、下記一般式(2)で表される一種または二種以上の構造からなり、上記のような好ましい条件を必要に応じ組み合わせて用いられる。
Figure 2007004321
前記一般式(2)中の各記号については、次のような最も好ましい条件をさらに挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R1基が、一般式(3);
Figure 2007004321

(式中、pは、0乃至2の整数である。)で表される二価の基である。さらに、好ましくは、前記一般式(3)においてpが1である二価の基である。
[2]R2は、水素原子である。
これらの中でも、これらを組み合わせた態様として、環状オレフィン系重合体が、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下、TDと略す)とのランダム付加重合によって得られる重合体であることが全ての中で最も好ましい。
共重合のタイプ
また、環状オレフィン系重合体において、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができる。本発明においては、好ましくはランダムコポリマーである。
主鎖の一部として用いることのできるその他の構造
また本発明で用いられる環状オレフィン系重合体は、本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の有する良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な単量体から誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を、例えば光学部品として使用する場合、上記数値以下であると、光学物性を損なうことがなく、高精度の光学部品を得ることができる。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
環状オレフィン系重合体の分子量
環状オレフィン系重合体の分子量は限定されるものではないが、分子量の代替指標として極限粘度[η]を用いた場合、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、好ましくは0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。
分子量が上記範囲の上限値以下であれば、成形性を損なうことが無く、また下限値以上であれば成形物の靭性を損なうことが無く好ましい。
環状オレフィン系重合体のガラス転移温度
ガラス転移温度は特に限定されないが、好ましくは、50〜240℃である。さらに好ましくは、50〜160℃である。中でも、最も好ましくは、100〜150℃である。ガラス転移温度が上記範囲の上限値以下であれば良好な溶融成形性を得ることができ、下限値以上であれば高い温度での使用が可能となる。このように、上記数値範囲にあれば、これらの物性のバランスに優れる。
ガラス転移温度の測定方法としては、公知の方法を適用することができる。測定装置等は限定されるものではないが、例えば、示差走査熱量計(DSC)、SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃/分で測定することで求めることができる。
(環状オレフィン系重合体の製造方法)
環状オレフィン系重合体は、以下の方法で製造することができる。環状オレフィン系重合体がエチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体の場合は、エチレンと後述する式[I]または[II]で表される環状オレフィンとを用いて特開平7−145213号公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素系溶媒中で行い、触媒として該炭化水素系溶媒に可溶性のバナジウム化合物及び有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いてエチレンと環状オレフィンとのランダム共重合体を製造することが好ましい。
また、この共重合反応では固体状第4族メタロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状第4族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。
ここで4族の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン又はハフニウムであり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはアルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基又はインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロオレニル基を挙げることができる。これらの基は、アルキレン基など他の基を介して結合していてもよい。また、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等である。
さらに有機アルミニウムオキシ化合物及び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の製造に使用されるものを用いることができる。このような固体状第4族メタロセン系触媒については、例えば特開昭61−221206号、同64−106号及び特開平2−173112号公報等に記載されている。
環状オレフィン系重合体が開環重合体又は開環共重合体の場合は、例えば、後述する式[I]で表される環状オレフィン単量体を開環重合触媒の存在下に、重合又は共重合させることにより製造することができる。
このような開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム又は白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウム又はモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、上述のような環状オレフィン系重合体の製造後の反応溶液を用いることが好ましい。環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、環状オレフィン系重合体、未反応の不飽和炭化水素化合物、および溶媒等を含んでなる。
以下、下記式[I]または[II]で示される環状オレフィン単量体について説明する。
Figure 2007004321

Figure 2007004321
上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1である。なおqが1の場合には、RおよびRは、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
また炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
さらに上記式[I]において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
Figure 2007004321
なお上記例示において、1または2の番号が賦された炭素原子は、式[I]において、それぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2である。またR1〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基とては、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここで、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R9 およびR13で示される基が、またはR10およびR11で示される基が互いに共同して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2CH2-) またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、例えば下記のようなn=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。
Figure 2007004321
ここでqは式[II]におけるqと同じ意味である。
上記のような式[I]または[II]で示される環状オレフィン単量体を、より具体的に下記に例示する。
一例として、
Figure 2007004321

で示されるビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(別名ノルボルネン。上記式中、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)および該化合物に、炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。
この炭化水素基としては、たとえば、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルなどを例示することができる。
さらに他の誘導体として、
シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体などを例示することができる。
この他、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、
Figure 2007004321

で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単にテトラシクロドデセンともいう。上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこれに、炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。
この炭化水素基としては、たとえば、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10-ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル-11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルなどを例示することができる。
さらに他の誘導体として、アセナフチレンとシクロペンタジエンとの付加物などが挙げられる。
また、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、およびその誘導体、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、およびその誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13 ]−4,10−ペンタデカジエンなどのペンタシクロペンタデカジエン化合物、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、およびその誘導体、
ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14 ]−4−ヘキサデセン、およびその誘導体、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、およびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、およびその誘導体、
ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、およびその誘導体、
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17 ]−5−ドコセン、およびその誘導体、
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン、およびその誘導体、
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]−6−ヘキサコセン、およびその誘導体などが挙げられる。
なお一般式[I]または[II]で示される環状オレフィン単量体の具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特開平7−145213号当初明細書の段落番号[0032]〜[0054]に示された環状オレフィン単量体の構造例を挙げることができる。本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィン単量体から導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
上記のような一般式[I]または[II]で示される環状オレフィン単量体は、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。また重合に使用する環状オレフィン単量体の純度は高い方が好ましい。通常99%以上、好ましくは99.6%以上、更に好ましくは99.9%以上である。
<環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法>
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法は、環状オレフィン系樹脂組成物(A)中の、少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する方法である。
環状オレフィン単量体などの不飽和炭化水素化合物を水素添加処理するため、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を反応器内に供給する前に、環状オレフィン系重合体の製造に用いた重合触媒や酸化物などの副生物を除去する吸着装置に通すことが好ましい。吸着装置には、活性白土、活性炭、珪藻土、パーライト、アルミナ、ニッケル、シリカ、シリカアルミナなどの吸着剤が充填される。吸着剤による処理と、濾過処理とを併用することもできる。吸着剤による処理条件等については後述する。
不飽和炭化水素化合物の水素添加処理は、環状オレフィン系樹脂組成物(A)中において、水素添加触媒の存在下に、不飽和炭化水素化合物を水素添加処理することで行うことができる。
環状オレフィン系重合体が開環重合体又は開環共重合体の場合は、開環重合体又は開環共重合体を水素添加して用いるのが一般的である。不飽和炭化水素を含む環状オレフィン系樹脂組成物を水素添加処理することで、未反応環状オレフィン単量体等の不飽和炭化水素化合物と開環重合体又は開環共重合体とを同時に水素添加することができ、反応が簡便であることから好ましい。
不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が適用可能である。
水素添加反応は、常法に従って、水素添加触媒の存在下に溶液状態の樹脂組成物(A)を水素と接触させて行うことができる。水素添加触媒としては、均一系触媒や不均一系触媒を使用することができる。不均一系触媒は、高温高圧にすることで高活性となり、短時間で水添することができ、さらに除去が容易であるなどの生産効率に優れる。
不均一系触媒としては、例えば、ニッケル、ルテニウム、レニウム、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選ばれる金属を担体に担持してなる触媒が挙げられる。担体は格別限定されることはなく、従来から水素添加触媒金属の担持に用いられているアルミナ、珪藻土などの吸着剤を用いることができる。
ニッケルの担持量は、20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%である。パラジウム、白金の担持量は、0.1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。形状は、粉末、固体など特に限定なく、使用する装置等に合わせて用いれば良い。
本発明において水素化反応は任意の反応容器を用いることができるが、連続運転性の点で固定床式反応器を用いるのが好ましい。固定床式反応器としては、(a)充填塔または棚段塔式反応器、(b)固定触媒反応器、および(c)金網または薄層触媒反応器などが挙げられる。
充填塔または棚段塔式反応器(a)では、触媒粒子を充填した塔中で、溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)と水素ガスとが十字流接触、向流接触または並流接触する。
固定触媒反応器(b)は、等温層式、断熱層式、多段断熱層式、自己熱交換式、外部熱交換式などに分けられるが、本発明の水素化反応にはいずれのタイプも使用できる。固定触媒反応器(b)の代表的な例としては、J. H. Gary およびG. E. Handwerk:ペトロリウム・リファイニング・テクノロジー・アンド・エコノミクス(1975)p74に記載されるようなタイプの反応器、すなわち、底部にセラミックボールが充填され、その上の反応器中心部に触媒粒子が充填され、反応器の頂端から溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)とガスとの混合物が供給され、反応器の下端から反応生成物が排出されるように構成された反応器が挙げられる。
金網または薄層触媒反応器(c)は、触媒として数枚〜数十枚の金網または粒状触媒を薄層として装着した反応器である。溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)の流し方によってラジアルフロー式とパラレルフロー式とに区分されるが、いずれの方式であってもよい。
本発明における水素添加方法において、溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、固定床を通過させるとき、環状オレフィン系樹脂組成物(A)が触媒粒子表面を膜状に流れるようにすることが好ましい。溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)と水素ガスの流れ方向は、並流でも向流でもよいが、操作条件の変更が容易である点で並流方式が好ましい。
本発明における水素添加方法において、用いる反応器は、水素化触媒を充填した固定層が装着された反応器を用いる。この反応器は、該反応器内に溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)を充填し、該樹脂組成物(A)に触媒充填固定層を浸漬した状態で水素を吹き込むように構成されている。通常、反応はバッチ式で行われる。代表的な反応器の例は、ジャーナル・オブ・ケミカル・エンジニアリング・オブ・ジャパン、27巻、3号(1994)p310に記載されるような反応器、すなわち、回転軸に装着されたフレームに触媒粒子を充填したステンレス製円筒状網製バスケットが固定層として取り付けられ、さらに撹拌機を備えた反応器である。この反応器内に溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(A)を充填し、該樹脂組成物(A)に触媒充填バスケットが浸漬した状態で、触媒充填バスケットを回転軸の周りに回転せしめ、かつ該樹脂組成物(A)を攪拌しつつ、反応器下部に水素ガスを圧入する。また、別の例は、固定層として二重円筒状網製バスケットの二重円筒内に触媒を充填したケージを反応器内壁と若干の隙間をあけて配置し、かつ二重円筒の中心の回転軸に攪拌翼を取り付けた反応器も使用される。
本発明における水素添加方法において、水素添加方法に供される環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、有機溶媒に環状オレフィン系重合体および不飽和炭化水素化合物等が溶解した溶液である。この樹脂組成物(A)は溶液状態で反応器に供給され、水素添加処理される。環状オレフィン系樹脂組成物(A)は、環状オレフィン系重合体を製造した後の反応溶液として得られ、有機溶媒を特に添加する必要はないが、以下の有機溶媒を添加することもできる。そのような有機溶媒としては、触媒に不活性なものであれば格別な限定はないが、生成する水素添加物の溶解性に優れていることから、通常は炭化水素系溶媒が用いられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;n-ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロノナンなどの脂環族炭化水素類;などを挙げることができ、これらの中でも、環状の脂環族炭化水素類が好ましい。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。通常は、重合反応溶媒と同じでよい。
水素添加反応は、常法に従って行うことができるが、水素添加触媒の種類や反応温度によって水素添加率が変わり、芳香族環の残存率も変化させることができ、上記の水素添加触媒を用いた場合、芳香族環の不飽和結合をある程度以上残存させるためには、反応温度を低くしたり、水素圧力を下げたり、反応時間を短くするなどの制御を行えばよい。
環状オレフィン系樹脂組成物(A)中の不飽和炭化水素化合物を水素添加するためには、単量体の分解温度以下が好ましく、水素添加の操作温度は0〜150℃である。好ましくは、60〜130℃、更に好ましくは80〜120℃である。
また圧力は、1〜50kg/cm、好ましくは1〜30kg/cm、更に好ましくは1〜20kg/cmである。また反応時間は使用する水素添加触媒にもよるが、1時間以下、好ましくは30分以下である。
水添反応におけるLHSVは通常1〜10、好ましくは3〜5である。ここでLHSVとは滞留時間の逆数のことであり、環状オレフィン単量体を炭化水素系溶媒中で重合して得られる、未反応の環状オレフィン系単量体を含む環状オレフィン系樹脂組成物(A)のフィード流量を触媒充填体積で割って算出することができる。
固定床反応器から排出された溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物は、フラッシュセパレーターのようなセパレーターに導入され、飽和炭化水素化合物が水素添加処理された環状オレフィン系樹脂組成物(B)と未反応水素とを分離する。分離された水素は水素化反応器に循環させることができる。
<環状オレフィン系樹脂組成物(B)>
環状オレフィン系樹脂組成物(B)は、上述の不飽和炭化水素化合物を水素添加することにより得られた、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物を含有する。飽和炭化水素化合物は、環状オレフィン系樹脂組成物(A)100重量部に対して、0.01乃至20重量部含んでなる不飽和炭化水素化合物のうち、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは98重量%以上、特に好ましくは98〜100重量%が水素添加されて得られる。また、環状オレフィン系樹脂組成物(A)に含まれる環状オレフィン系樹脂も適宜水素添加処理される。
環状オレフィン系樹脂組成物(B)には、下記一般式(4)で表される一種または二種以上の構造からなる環状オレフィン系樹脂が含まれる。
Figure 2007004321

(但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
前記一般式(1)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]Rは、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a),(b),(c);
Figure 2007004321

(式中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。)である。
[3]nが0である。
[4]y/xが、それぞれモル基準で、20/80≦y/x≦65/35を満たす実数である。
[5]Rは、水素原子または-CH3であり、複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
[6]Qが、-COOHまたは、-COOCH3基である。
環状オレフィン重合体として、好ましくは、下記一般式(5)で表される一種または二種以上の構造からなり、上記のような好ましい条件を必要に応じ組み合わせて用いられる。
Figure 2007004321
前記一般式(5)中の各記号については、次のような最も好ましい条件をさらに挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、一般式(6);
Figure 2007004321

(式中、pは、0乃至2の整数である。)で表される二価の基である。さらに、好ましくは、前記一般式(6)においてpが1である二価の基である。
[2]Rは、水素原子である。
これらの中でも、これらを組み合わせた態様として、環状オレフィン系重合体が、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下、TDと略す)とのランダム付加重合によって得られる重合体であることが全ての中で最も好ましい。
共重合のタイプ
また、環状オレフィン系重合体において、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができる。本発明においては、好ましくはランダムコポリマーである。
主鎖の一部として用いることのできるその他の構造
また本発明で用いられる環状オレフィン系重合体は、本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の有する良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な単量体から誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を、例えば光学部品として使用する場合、上記数値以下であると、光学物性を損なうことがなく、高精度の光学部品を得ることができる。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
環状オレフィン系重合体の分子量
環状オレフィン系重合体の分子量は限定されるものではないが、分子量の代替指標として極限粘度[η]を用いた場合、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、好ましくは0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。
分子量が上記範囲の上限値以下であれば、成形性を損なうことが無く、また下限値以上であれば成形物の靭性を損なうことが無く好ましい。
環状オレフィン系重合体のガラス転移温度
ガラス転移温度は特に限定されないが、好ましくは、50〜240℃である。さらに好ましくは、50〜160℃である。中でも、最も好ましくは、100〜150℃である。ガラス転移温度が上記範囲の上限値以下であれば良好な溶融成形性を得ることができ、下限値以上であれば高い温度での使用が可能となる。このように、上記数値範囲にあれば、これらの物性のバランスに優れる。
ガラス転移温度の測定方法としては、公知の方法を適用することができる。測定装置等は限定されるものではないが、例えば、示差走査熱量計(DSC)、SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃/分で測定することで求めることができる。
本発明においては、環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、触媒の除去は不要であるが、例えば、医療用器材など、残留した遷移金属が溶出すると有害となる可能性がある用途では、実質的に遷移金属が残留しないことが好ましい。そのため、水素添加処理後、遠心、ろ過などを行うことが好ましい。さらに必要に応じて、水やアルコールなどの触媒不活性化剤を利用したり、活性白土やアルミナなどの吸着剤を添加したりしてもよい。また、そのような重合体水素添加物を得るためには、特開平5-317411号公報などで開示されているような、特定の細孔容積と比表面積をもったアルミナ類などの吸着剤を用いたり、溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(B)を酸性水と純水で洗浄したりすることが好ましい。
遠心方法やろ過方法は、用いた触媒が除去できる条件であれば、特に限定されない。ろ過による除去は、簡便かつ効率的であるので好ましい。ろ過する場合、加圧ろ過しても、吸引ろ過してもよく、また、効率の点から、珪藻土、パーライトなどのろ過助剤を用いることが好ましい。
(環状オレフィン系樹脂組成物(B)の吸着剤処理方法)
環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、環状オレフィン系重合体の製造に用いた重合触媒や酸化物などの副生物を除去する場合、該樹脂組成物(B)を吸着装置に通すことが好ましい。吸着装置には、活性白土、活性炭、珪藻土、パーライト、アルミナ、ニッケル、シリカ、シリカアルミナ、モレキュラーシーブなどの吸着剤が充填される。吸着処理と濾過処理とを併用することもできる。吸着剤による処理は、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を水素添加処理する前に行ってもよく、水素添加処理後の環状オレフィン系樹脂組成物(B)に対して行ってもよく、また水素添加反応器中に水素添加触媒と吸着剤を共存させることで行ってもよい。
最適な吸着処理条件を以下に示す。
吸着処理時における、環状オレフィン系樹脂組成物(B)の温度は0〜200℃、好ましくは20〜150℃である。200℃を超えると環状オレフィン系重合体の劣化が進行し好ましくない。また滞留時間は、10〜60分、好ましくは20〜40分が好ましい。
<環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法>
環状オレフィン系樹脂組成物(C)は、環状オレフィン系樹脂組成物(B)に含まれる溶媒、および飽和炭化水素化合物の一部を除去することにより得られる。なお、未反応単量体の重合反応への再使用等を目的として、環状オレフィン系樹脂組成物(A)に含まれる不飽和炭化水素化合物の一部が除去され、環状オレフィン系樹脂組成物(B)に含まれる飽和炭化水素化合物の含有量が低減されている場合には、主に溶媒が環状オレフィン系樹脂組成物(B)から除去される。
具体的には、環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、析出により重合体を回収することにより、環状オレフィン系樹脂組成物(C)を得ることができる。析出の方法として薄膜蒸発器を用いる方法、二重管式フラッシュ方式など任意に選択でき、複数の析出方法を組み合わせて用いてもよい。特に、分子構造から剪断応力により分子鎖の切断が生じやすい環状オレフィン系重合体においては、トルク負荷の影響が少ない二重管式フラッシュ方式を少なくとも用いることが好適である。
二重管式フラッシュ方式において、溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(B)は、通常、まず二重管式加熱器を用いて加熱される。そして、この加熱器を用いて、環状オレフィン系樹脂組成物(B)の加熱を行うが、この加熱に際して環状オレフィン系重合体の濃度は通常、1〜30重量%に調整されていることが好ましい。
加熱温度は、次のフラッシュ乾燥工程において、溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(B)中の溶媒を充分に気化させるに足る温度であることが必要であり、通常では、40〜400℃好ましくは100〜300℃である。
本発明では、好ましくは上記のような加熱工程を経た環状オレフィン系樹脂組成物(B)のフラッシュ乾燥工程において、重合溶媒とともに水素添加された飽和炭化水素化合物及び未水添の不飽和炭化水素化合物などが分離除去される。この分離除去工程において、不飽和炭化水素を水素添加処理した後の樹脂組成物(B)から飽和炭化水素化合物を完全には除去せず、その一部が残留するように行う。具体的には、環状オレフィン系重合体100重量部に対し、飽和炭化水素化合物を0.01乃至10重量部含むように行う。
従来、環状オレフィン系重合体の安定性や物性を改善するために、単量体等の不飽和炭化水素化合物を含む環状オレフィン系樹脂組成物を乾燥処理等することで、この不飽和炭化水素化合物は可能な限り除去されていた。
そのような状況下、本件出願人らが検討したところ、不飽和炭化水素化合物を含む環状オレフィン系樹脂組成物中の該不飽和炭化水素化合物を水素添加して得られる飽和炭化水素化合物を、環状オレフィン系重合体に対し、所定量で含有させることにより、成形性等に優れた環状オレフィン系樹脂組成物が得られること、さらに流動性に優れることから、成形時の樹脂と金型との間に生じる剪断による樹脂の劣化が抑制されて、光線透過率等の光学特性が極めて優れる成形体を得ることができることを見出し、本発明を完成させたのである。そのため、本発明の製造工程においては、環状オレフィン系重合体に対し、飽和炭化水素化合物を所定量含むように製造することが重要である。
二重管式フラッシュ乾燥方式を用いて、上記条件の加熱工程を経た溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(B)をフラッシュ乾燥して、環状オレフィン系重合体100重量部に対し飽和炭化水素化合物を0.01乃至10重量部含む環状オレフィン重合体(C)を製造する。そのためには、この二重管式加熱器及びフラッシュ乾燥器中で環状オレフィン系樹脂組成物(B)中の環状オレフィン系重合体が固化しない温度、具体的には120〜300℃、好ましくは130〜240℃になるような熱量および圧力を、該樹脂組成物(B)に加えることが好ましい。また、上記のようにして環状オレフィン系樹脂組成物(B)をフラッシュ乾燥するに際しては、二重管式加熱器の伝熱面の汚れを防止するために、少なくとも0.3m/秒程度の速度で溶液状態の環状オレフィン系樹脂組成物(B)を二重管式加熱器内に供給することが好ましい。
本発明の、沸点が50℃以上の特定の不飽和炭化水素化合物を特定量で含む、環状オレフィン系樹脂組成物(C)は、このような製造方法により、例えば二重管式フラッシュ乾燥方式を用いて、上記の製造条件によって効率的に得ることができる。
<環状オレフィン系樹脂組成物(C)>
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)は、上述の本発明の製造方法により得ることができ、環状オレフィン系重合体100重量部に対して、沸点50℃以上の飽和炭化水素化合物を0.01〜10重量部含んでなる。なお、本発明においては、環状オレフィン系樹脂組成物(C)が、本発明の効果を損なわない範囲で、若干量の溶媒及び不飽和炭化水素化合物を含むことを何ら排除するものではない。
飽和炭化水素化合物が上記範囲内にあると、成形時の転写性、所謂、成形時の流れ性不足に起因する成形体の外観不良を改良し、高温での滞留等の熱履歴による着色が抑制され、かつ成形の容易な環状オレフィン系樹脂組成物を得ることができる。
環状オレフィン系樹脂組成物(C)には、下記一般式(4)で表わされる一種または二種以上の構造からなる環状オレフィン系樹脂が含まれる。
Figure 2007004321


(但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物を0.01乃至10重量部含んでなる、環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
前記一般式(4)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]Rは、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a),(b),(c);
Figure 2007004321

(式中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。)である。
[3]nが0である。
[4]y/xが、それぞれモル基準で、20/80≦y/x≦65/35を満たす実数である。
[5]Rは、水素原子または-CH3であり、複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
[6]Qが、-COOHまたは、-COOCH3基である。
環状オレフィン重合体として、好ましくは、下記一般式(5)で表される一種または二種以上の構造からなり、上記のような好ましい条件を必要に応じ組み合わせて用いられる。
Figure 2007004321
前記一般式(5)中の各記号については、次のような最も好ましい条件をさらに挙げることができ、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、一般式(6);
Figure 2007004321

(式中、pは、0乃至2の整数である。)で表される二価の基である。さらに、好ましくは、前記一般式(6)においてpが1である二価の基である。
[2]Rは、水素原子である。
これらの中でも、これらを組み合わせた態様として、環状オレフィン系重合体が、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下、TDと略す)とのランダム付加重合によって得られる重合体であることが全ての中で最も好ましい。
共重合のタイプ
また、環状オレフィン系重合体において、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができる。本発明においては、好ましくはランダムコポリマーである。
主鎖の一部として用いることのできるその他の構造
また本発明で用いられる環状オレフィン系重合体は、本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の有する良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な単量体から誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を、例えば光学部品として使用する場合、上記数値以下であると、光学物性を損なうことがなく、高精度の光学部品を得ることができる。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
環状オレフィン系重合体の分子量
環状オレフィン系重合体の分子量は限定されるものではないが、分子量の代替指標として極限粘度[η]を用いた場合、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、好ましくは0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。
分子量が上記範囲の上限値以下であれば、成形性を損なうことが無く、また下限値以上であれば成形物の靭性を損なうことが無く好ましい。
環状オレフィン系重合体のガラス転移温度
ガラス転移温度は特に限定されないが、好ましくは、50〜240℃である。さらに好ましくは、50〜160℃である。中でも、最も好ましくは、100〜150℃である。ガラス転移温度が上記範囲の上限値以下であれば良好な溶融成形性を得ることができ、下限値以上であれば高い温度での使用が可能となる。このように、上記数値範囲にあれば、これらの物性のバランスに優れる。
ガラス転移温度の測定方法としては、公知の方法を適用することができる。測定装置等は限定されるものではないが、例えば、示差走査熱量計(DSC)、SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃/分で測定することで求めることができる。
なお、環状オレフィン系樹脂組成物(C)に含まれる環状オレフィン系重合体は、上述の水素添加処理工程において、上記の環状オレフィン系重合体が適宜水素添加されて得られる。
飽和炭化水素化合物は、例えば、不飽和炭化水素化合物を、前記の水素添加処理により水素添加して得られ、その沸点は50℃以上、好ましくは沸点100℃以上、さらに好ましくは200℃以上、最も好ましくは、210℃以上である。沸点が上記範囲であると、成形中に揮発して、成形品の外観を悪化させることがなく好ましい。なお、沸点の測定方法は公知の方法で測定できる。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)には、上述の成分に加えてさらに、本発明の光学部品の良好な特性を損なわない範囲で、公知の耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、有機または無機の充填剤などが配合されていてもよい。
たとえば、任意成分として配合される耐候安定剤は、耐光安定剤として例えば公知のヒンダードアミン系添加剤の他、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ニッケル系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系耐光安定剤は、通常、構造中に3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、ならびに2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有している化合物である。具体的には、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノール LS−2626、三共株式会社製))、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(例えば、Tinuvin 144、日本チバガイギー株式会社製)などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどや、市販されているTinuvin 328、Tinuvin PS(共に、チバ・ガイギー社製)、やSEESORB709(2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、白石カルシウム社製)などのベンゾトリアゾール誘導体などが例示される。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどや、Uvinul 490(2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノンと他の四置換ベンゾフェノンの混合物、GAF社製)、Permyl B−100(ベンゾフェノン化合物、Ferro社製)などが例示される。
また、任意成分として配合される耐熱安定剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;
グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
また、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系安定剤を使用してもよい。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン−3−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示できる。これらの安定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)と、添加剤との混合方法は限定されるものではなく、公知の方法が適用できる。たとえば各成分を同時に混合する方法などを挙げることができる。
<成形体>
本発明の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を通常の方法にしたがい、押出機によりペレット化し、このペレットを射出成形することにより成形体を製造することができる。成形体は、光ディスク光学系用のピックアップレンズ、コリメータレンズ、或いは小型撮像用の各種レンズ等の光学レンズに用いることができる。
成形体を光学レンズ用等の光学用途に用いる場合、光線の透過が必須であり、光線透過率がある程度良好であることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。
全光線、或いは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要である。全光線透過率は、好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上であることが望ましい。上記範囲であると、全光線或いは複数波長域での使用においても必要な光量を確保することができる。
また、測定方法としては公知の方法が適用でき、測定装置等は限定されるものではないが、ASTM D1003に準拠して、厚み3mmのシートの全光線透過率をヘーズメーターを用いて測定することで得ることができる。
また、特定波長域のみで利用される光学系(たとえばレーザ光学系)の場合、全光線透過率が高くなくても、特定波長域での分光光線透過率が良ければ使用することができる。この場合、使用波長における分光光線透過率は好ましくは、85%以上、さらに好ましくは88%以上であることが望ましい。上記範囲であると、必要な光量を確保することができる。
また、測定方法としては公知の方法が適用でき、測定装置等は限定されるものではなく、例えば、紫外・可視分光光度計を用いて、特定波長における分光光線透過率を測定することができる。
[実施例]
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
実施例における物性測定方法は次の通りである。
(1)ガラス転移温度(Tg)
SEIKO電子工業(株)製 DSC−20を用いて窒素中10℃/分の昇温条件で温度250℃まで昇温させた後、一旦サンプルを急冷し、その後に昇温速度10℃/分で測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
GPC Alliance2000(Waters社)を用い、以下の条件により分析した。
カラム:TSKgel GMH6-HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2(計30cm×4本、東ソー社)
検出器:示差屈折計
測定溶媒:o-ジクロロベンゼン
測定流量:1mL/分
測定温度:140℃
試料注入量:500μL
標準試料:単分散ポリスチレン×16(東ソー社)
<実施例A>
[合成例a−1]
バナジウム触媒(VOCl3)を用いて、シクロヘキサン溶媒中で公知の方法によりエチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下、単にTDと略する)との付加共重合体(環状オレフィン系重合体)を重合し、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を得た。エチレン/TDで表される共重合比y/xはモル基準で64/36であった。
重合終了後、環状オレフィン系樹脂組成物(A)から残留触媒を除去した。その結果、環状オレフィン系樹脂組成物(A)100重量部中には、シクロヘキサン86.3重量部、環状オレフィン系重合体7.7重量部および単量体組成物6重量部含有されていた。
[実施例a−1]
合成例a−1で得られた環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、Ni/珪藻土触媒(日揮化学製N112)で、反応温度100℃、反応圧力1MPa、LHSV=5/hrの条件で連続的に水素添加処理し、環状オレフィン系樹脂組成物(B)を得た。ガスクロマトグラフィーで定量したところ、不飽和炭化水素化合物の水添率は99%であった。
次いで、得られた水素添加処理された環状オレフィン系樹脂組成物(B)を活性アルミナ(住友化学製FD-24)を用いて吸着処理した。さらに、市販のフィルターを用いて加圧ろ過した後、加熱、乾燥することにより溶媒及び単量体の水素添加物の一部を除去し、環状オレフィン系樹脂組成物(C)を得た。環状オレフィン系樹脂組成物(C)中の、TDの量は4800ppmであり、即ち、環状オレフィン系樹脂組成物(C)は、環状オレフィン系重合体100重量部に対し、飽和炭化水素化合物を0.5重量部含んでいた。
これを押出機に通してペレット化し、このペレットを射出成形する事により、厚さ3mm角板を製作した。この3mm角板の波長405nmにおける分光光線透過率を測定した所、89.2%であった。
[比較例a−1]
合成例1で得た環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、水添処理を行うことなく加熱、乾燥することにより、環状オレフィン系樹脂組成物(A)から溶媒及び単量体を除去した後、押出機に通してペレット化し、このペレットを射出成形する事により、厚さ3mm角板を製作した。この3mm角板の波長405nmにおける分光光線透過率を測定した所、87.1%であった。
<実施例B>
[合成例b−1]
バナジウム触媒(VOCl)を用いて、シクロヘキサン溶媒中で公知の方法により、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンの付加共重合体(環状オレフィン系重合体)を重合し、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を得た。エチレン/TDで表される共重合比(y/x)は、モル基準で64/36であった。環状オレフィン系樹脂組成物(A)100重量部中には、シクロヘキサン86.3重量部、環状オレフィン系重合体7.7重量部および単量体組成物6重量部含有されていた。
重合終了後、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、濃塩酸を加えた(50ml/L)アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出後、攪拌後グラスフィルターで濾過、減圧乾燥し、環状オレフィン系樹脂組成物を得た。
[合成例b−2]
合成例b−1と同様に重合、析出、濾過を行った後、再度シクロヘキサンに約3%(重量%)となるよう溶解させた。さらに、アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出後、攪拌後グラスフィルターで濾過、減圧乾燥し、環状オレフィン系樹脂組成物を得た。
[合成例b−3]
合成例b−1と同様に重合した後、ロータリーエバポレーターにより溶剤及び一部モノマーを溜去することにより、環状オレフィン系樹脂組成物を得た。
[合成例b−4〜b−6]
重合終了後、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、パラジウム/アルミナ触媒を用いて水素添加処理したことの他は、合成例b−1〜b−3と全く同様にして、合成例b−4〜b−6の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を得た。
各合成例で得られた樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)、数平均分子量(Mn)、ガスクロマトグラフィーにより定量したTD及びTD水素添加物の含有量は次の表の通りであった。
(表1)
Figure 2007004321
[実施例b−1〜b−3、比較例b−1〜b−3]
上記合成例で得られた樹脂組成物を用いて、小型簡易射出成形機を用いて射出成形により35mm×65mm大、3mm厚角板の試験片を得た。
それぞれの角板の外観、紫外・可視分光光度計により測定した400nm光線透過率評価結果を次に示す。
(表2)
Figure 2007004321
また、本実施例における水素添加処理に代えて、水素添加触媒を含む固定床式反応器を通過させて、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を水素添加処理したところ、上記と同様の結果が得られた。さらに、本実施例における乾燥工程に代えて、環状オレフィン系樹脂組成物(A)を水素添加処理した後に、樹脂組成物(B)を、二重管式フラッシュ乾燥方式を用いて、前記環状オレフィン系重合体が固化しない温度でフラッシュ乾燥したところ、上記と同様の結果が得られた。
各合成例で得られた樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)、数平均分子量(Mn)、ガスクロマトグラフィーにより定量したTD及びTD水素添加物の含有量は次の表の通りであった。
(表1)
Figure 2007004321
[実施例b−1〜b−3、比較例b−1〜b−3]
上記合成例で得られた樹脂組成物を用いて、小型簡易射出成形機を用いて射出成形により35mm×65mm大、3mm厚角板の試験片を得た。
それぞれの角板の外観、紫外・可視分光光度計により測定した400nm光線透過率評価結果を次に示す。
(表2)
Figure 2007004321

Claims (15)

  1. 一般式(1);
    Figure 2007004321

    (但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
    nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
    1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体と、
    沸点が50℃以上の不飽和炭化水素化合物と、
    を含んでなる環状オレフィン系樹脂組成物(A)を準備する工程と、
    水素添加触媒の存在下に、該樹脂組成物(A)中の少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する工程とを含み、
    前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、該樹脂組成物100重量部に対し、前記不飽和炭化水素化合物を0.01乃至20重量部含む、環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  2. 前記環状オレフィン系重合体が、一般式(2)
    Figure 2007004321

    (式中、R1は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    2は、水素、又は炭素原子数1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)で表される、請求項1記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  3. 前記不飽和炭化水素化合物が、環状オレフィン系重合体を製造する際に用いられる単量体である、請求項1乃至2のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  4. 前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)が、環状オレフィン系重合体と不飽和炭化水素化合物とを炭化水素系溶媒に溶解してなる、請求項1乃至3のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法
  5. 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程が、
    前記環状オレフィン系樹脂組成物(A)を、水素添加触媒を含む固定床式反応器に通過させて、少なくとも不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する工程である、請求項1乃至4のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  6. 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程の前および/または後に、
    前記樹脂組成物(A)を吸着剤で処理する工程を含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  7. 前記不飽和炭化水素化合物を水素添加処理する前記工程の前に、
    前記樹脂組成物(A)から不飽和炭化水素化合物の一部を除去する工程を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(B)の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法により得られた環状オレフィン系樹脂組成物(B)を乾燥し、環状オレフィン系重合体と、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物と、溶媒とを含んでなる環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、少なくとも溶媒を除去する工程を含む、環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
  9. 溶媒を除去する前記工程が、
    前記環状オレフィン系樹脂組成物(B)から、溶媒、および飽和炭化水素化合物の一部を除去することにより、環状オレフィン系重合体100重量部に対する飽和炭化水素化合物の含有量を0.01乃至10重量部とする工程である、請求項8に記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
  10. 溶媒を除去する前記工程が、
    前記環状オレフィン系樹脂組成物(B)を、二重管式フラッシュ乾燥方式を用いて、環状オレフィン系重合体が固化しない温度でフラッシュ乾燥させる工程である、請求項8乃至9のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)の製造方法。
  11. 一般式(4);
    Figure 2007004321


    (但し、式中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
    nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。
    は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    Qは、COOR(Rは、水素原子、又は、炭素と水素とからなる炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)で表され、複数存在するQは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される一種又は二種以上の構造を有する環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素化合物を0.01乃至10重量部含んでなる、環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
  12. 前記環状オレフィン系重合体が、一般式(5)
    Figure 2007004321

    (式中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素、又は炭素原子数1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる一価の基であり、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)で表される環状オレフィン系共重合体である、請求項11に記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
  13. 前記飽和炭化水素化合物が、環状オレフィン系重合体を製造する際に用いられる単量体の水素添加物である、請求項11乃至12のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
  14. 請求項8乃至10のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法により得られる、環状オレフィン系樹脂組成物(C)。
  15. 請求項11乃至14のいずれかに記載の環状オレフィン系樹脂組成物(C)を成形して得られる成形品。
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