JP2003311737A - 環状オレフィン系重合体の成形方法 - Google Patents

環状オレフィン系重合体の成形方法

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JP2003311737A
JP2003311737A JP2002126947A JP2002126947A JP2003311737A JP 2003311737 A JP2003311737 A JP 2003311737A JP 2002126947 A JP2002126947 A JP 2002126947A JP 2002126947 A JP2002126947 A JP 2002126947A JP 2003311737 A JP2003311737 A JP 2003311737A
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Atsushi Shibuya
篤 渋谷
Toshiyuki Hirose
敏行 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、短波長側の光線透過率の優れた製品
得るための成形方法を提供することを目的とする。 【解決手段】原料ポリマー中に溶解している気体成分の
酸素分圧が、気体成分の全圧の1%以下であることを特徴
とする環状オレフィン系重合体の成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状オレフィン系
重合体の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光学部品には、軽量で成形性に
優れる、例えばポリメタクリル酸メチルや環状オレフイ
ン系重合体などの透明プラスチック材料が用いられてき
た。特には複屈折・吸水率の小さい樹脂であり、近年レ
ンズ等の高精度光学部品材料として注目されている。
【0003】例えば、特開2001-074915に紹介されてい
るトーリックレンズは、樹脂として、炭素原子数が2〜
20のα-オレフィンと特定構造の環状オレフィンから
導かれるα-オレフィン・環状オレフィンランダム共重
合体が好ましいとされている。
【0004】また、例えば、特開平05-61026には、熱可
塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる液晶基板が、ま
た、特開平06-107736には、ビニル化環状炭化水素系/シ
クロヘ゜ンタシ゛エン系の線状付加型共重合体が光学用途として紹
介されているなど、この種の環状オレフィン系重合体に
関する研究は広く行われている。
【0005】一方、レーザープリンター結像系において
は高精細化、光ディスクピックアップ光学系においては
記憶密度の向上のため、光線透過率の高い光学部品が求
められている。しかしながら、従来、この種の環状オレ
フィン系重合体では、成形時の熱や剪断により、短波長
側の光線透過率が低下する傾向があった。
【0006】従来より、例えば、特開2000-307028にあ
るように、原料ペレットを不活性ガス気流下で予備加熱
して成形する方法が知られているが、この方法によって
も充分な改善効果が得られず、短波長側の光線透過率の
高い環状オレフイン系重合体成形物を得る際の障害とな
っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短波長側の
光線透過率の高い環状オレフイン系重合体成形物を得る
成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは該課題を解
決するため鋭意検討した結果、原料ポリマー中に溶解し
ている気体成分の酸素分圧が、気体成分の全圧の1%以下
とする成形方法により、該課題が解決可能であることを
見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は次の1〜3からなって
いる。 1 原料ポリマー中に溶解している気体成分の酸素分圧
が、気体成分の全圧の1%以下であることを特徴とする環
状オレフィン系重合体の成形方法。 2 環状オレフィン系重合体が一般式(1);
【化2】 (但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦
95/5を満たす実であり、nは置換基Qの置換数を示し、0
≦ n ≦ 2の整数である。また、R1は炭素数2〜20の炭
化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価の基
であり、R2は水素原子、および、炭素・水素からなり炭
素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以
上の1価の基であり、R3は炭素数2〜10の炭化水素基群か
ら選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、QはCOOR
4(R4は水素原子、および、炭素・水素からなり炭素数1
以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1
価の基である)で表される構造群から選ばれる1種ないし
2種以上の2価の基である。)で表現されることを特徴と
する、項1記載の環状オレフィン系重合体の成形方法。 3 項1乃至2に記載の原料ポリマーを得るための方法
であって、原料の環状オレフィン系重合体を1時間以
上、純度99%以上の不活性ガスを含む気体中に50℃以上
の温度で放置し、大気中を経ずに成形機に供給すること
可能ならしめる設備を持つことを特徴とする環状オレフ
ィン系重合体の成形方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の成形方法について
具体的に説明する。
【0011】(原料ポリマー)原料ポリマーとは、成形に
用いるポリマーであり、より詳しくは溶融成形加工時に
可塑化部に装入される樹脂のことを示す。本発明の場
合、原料ポリマーは、気体成分の全圧の1%以下であるこ
とを特徴とする環状オレフィン系重合体であり、その構
造は、好ましくは、前記式(1)で表される構造である。
【0012】また、前記式(1)において、R1は、好まし
くは、炭素数2〜12の炭化水素基群から選ばれる1種ない
し2種以上の二価の基であり、さらに好ましくは、下記
式(2);
【0013】
【化3】
【0014】(式中、pは、0乃至2の整数である。)で
表される二価の基であり、最も好ましくは、前記一般式
(2)において一般式(3)においてpが0または1である二
価の基である。R1の構造は1種のみ用いても、2種以上併
用しても構わない。
【0015】また、前記式(1)において、R2の例とし
ては水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、I-プロ
ビル基、n-ブチル基、2-メチルプロビル基等が挙げられ
るが、好ましくは、水素及び/または−CH3であり、
最も好ましくは水素である。
【0016】また、前記式(1)において、R3の例とし
てはこの基を含む構造単位の好ましい例として、n=0の
場合、 例えば、(a), (b), (c);
【化4】 (但し、式中、R1は前述の通り)などが挙げられる。ま
た、前記式(1)において、nは好ましくは0である。
【0017】また、共重合のタイプは本発明において全
く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロ
ックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タ
イプを適用することができるが、好ましくはランダムコ
ポリマーである。
【0018】(主鎖の一部として用いることのできるそ
の他の構造)また本発明で用いられるポリマーは、本発
明の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損な
わない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマー
から誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。
その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%
以下、さらに好ましくは10モル%以下であり、それ以
上共重合させた場合、光学物性を損ない、高精度の光学
部品が得られない恐れがある。また、共重合の種類は限
定されないが、ランダムコポリマーが好ましい。
【0019】(ポリマーの分子量)本発明の成形方法に
用いられるポリマーの分子量は限定されるものではない
が、好ましくは135℃のデカリン中で測定される極限
粘度[η]が、0.03〜10dl/g、さらに好まし
くは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.
10〜2dl/gである。この範囲より分子量が高い場
合、成形性が悪くなり、また、この範囲より分子量が低
い場合、成形物は脆くなる。
【0020】(ポリマーのガラス転移温度)なお、ポリ
マーのガラス転移温度(以下Tgと記載)は70℃以上で
あることが好ましく、さらに好ましくは70〜250℃
であり、最も好ましくは100〜200℃である。この
範囲よりTgが高くなる共重合比を選択した場合、成形
性が悪くなり、また、この範囲よりTgが低くなる共重
合比を選択した場合、成形物は熱に弱くなる。なお、Tg
はDSC, 粘弾性測定等、通常公知の方法で測定すること
ができる。
【0021】(ポリマーの変性)このポリマーは本発明
の光学部品の良好な諸物性を損なわない範囲内で、グラ
フト変性など、公知の様々な方法により変性して用いる
ことができる。原料ポリマーからグラフト変性物を得る
には、従来公知のポリマー変性方法を広く適用すること
ができる。たとえば溶融状態にある原料樹脂に変性剤を
添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは原
料樹脂の溶媒溶液に変性剤を添加してグラフト反応させ
る方法などである。このようなグラフト反応は、通常6
0〜350℃の温度で行われる。またグラフト反応は、
有機過酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の
共存下に行うことができる。
【0022】ここで用いられる変性剤としては、通常不
飽和カルボン酸類があげられ、具体的には、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-
2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)などの不飽和カルボ
ン酸、さらにこれら不飽和カルボン酸の誘導体たとえば
不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、
不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミド、不
飽和カルボン酸のエステル化合物などが例示される。不
飽和カルボン酸の誘導体としては、より具体的に、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化マレイル、マレイ
ミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グ
リシジルマレエートなどが挙げられる。これらのなかで
は、α,β−不飽和ジカルボン酸およびα,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物たとえばマレイン酸、ナジック酸およ
びこれら酸の無水物が好ましく用いられる。これらの変
性剤は、1種単独または、2種以上組合わせて用いるこ
とができる。
【0023】これらの方法により得られたグラフト変成
物はそのままで用いることもできるが、予め高変性率の
変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の原料樹脂
とを所望の変性率になるように混合することにより効率
よく製造することもできる。
【0024】(原料ポリマー中に溶解している気体成分
の酸素分圧)ポリマーには通常様々な環境要因により、
環境に応じた分子が溶解している。そのうち、常温常圧
で気体である分子の中の酸素の分圧を原料ポリマー中に
溶解している気体成分の酸素分圧と言う。本発明では原
料として溶解している気体成分の酸素分圧が気体成分の
全圧の1%以下であるポリマーを用いることが必要であ
る。好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.2%以下であ
る。この値を超えて多くの割合の酸素分子を含む場合、
その成形方法により得られる製品の短波長側の透過率が
悪くなる。
【0025】このようなポリマーを原料として用いるた
めには、原料の環状オレフィン系重合体を1時間以上、
純度99%以上の不活性ガスを含む気体中に50℃以上の温
度で放置し、大気中を経ずに成形機に供給すること可能
ならしめる設備が好ましい。時間はさらに好ましくは2
時間以上であり、不活性ガスの純度はさらに好ましくは
99.9%以上、最も好ましくは成形機に供給されるまでの
全雰囲気が99.9%以上の不活性ガスを含む気体中にある
成形方法である。不活性ガスとしては任意のものが用い
られるが、高純度のものの入手の容易さから、窒素が好
ましい。温度はさらに好ましくは70℃以上であり、最も
好ましくはその原料ポリマーのガラス転移温度より20℃
低い温度よりも高温である。また、原料の供給中のブロ
ッキングを防ぐため、温度はガラス転移温度以下である
ほうが好ましい。
【0026】(樹脂組成物)本発明においては、以上の
ポリマーに、必要に応じて、さらに他の樹脂を配合して
なる樹脂組成物を用いることもできる。他の樹脂は、本
発明の目的を損なわない範囲で添加される。
【0027】例えば、次に示す(1)〜(17)であ
る。 (1)1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から
誘導される重合体。具体的には、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルブテン-1、ポリ4-メチルペ
ンテン-1、ポリブテン-1およびポリスチレンなどのポリ
オレフィンが挙げられる。なおこれらのポリオレフィン
は架橋構造を有していてもよい。 (2)ハロゲン含有ビニル重合体。具体的にはポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリク
ロロプレン、塩素化ゴムなどが挙げられる。 (3)α,β-不飽和酸とその誘導体から誘導された重合
体。具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、また
は前記の重合体を構成するモノマーとの共重合体、たと
えばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニ
トリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体などが
挙げられる。 (4)不飽和アルコールおよびアミン、または不飽和アル
コールのアシル誘導体またはアセタールから誘導される
重合体。具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリスレアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、
ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリア
リルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合
体を構成するモノマーとの共重合体、たとえばエチレン
・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。 (5)エポキシドから誘導される重合体。具体的にはポリ
エチレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルから誘
導された重合体などが挙げられる。 (6)ポリアセタール。具体的にはポリオキシメチレン、
ポリオキシエチレン、コモノマーとしてエチレンオキシ
ドを含むようなポリオキシメチレンなどが挙げられる。 (7)ポリフェニレンオキシド。 (8)ポリカーボネート。 (9)ポリスルフォン。 (10)ポリウレタンおよび尿素樹脂。
【0028】(11)ジアミンおよびジカルボン酸および/
またはアミノカルボン酸、または相応するラクタムから
誘導されたポリアミドおよびコポリアミド。具体的には
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン1
2などが挙げられる。 (12)ジカルボン酸およびジアルコールおよび/またはオ
キシカルボン酸、または相応するラクトンから誘導され
たポリエステル。具体的にはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4-ジメチロー
ル・シクロヘキサンテレフタレートなどが挙げられる。 (13)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンから
誘導された架橋構造を有した重合体。具体的には、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げら
れる。 (14)アルキッド樹脂。具体的にはグリセリン・フタル酸
樹脂などが挙げられる。 (15)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールと
のコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル化
合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂ならび
にハロゲン含有改質樹脂。 (16)天然重合体。具体的にはセルロース、ゴム、蛋白
質、あるいはそれらの誘導体たとえば酢酸セルロース、
プロピオン酸セルロース、セルロースエーテルなどが挙
げられる。 (17)軟質重合体。例えば、環状オレフィン成分を含む軟
質重合体、α-オレフィン系共重合体、α-オレフィン・
ジエン系共重合体、芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエ
ン系軟質共重合体、イソブチレンまたはイソブチレン・
共役ジエンからなる軟質重合体または共重合体等が挙げ
られる。
【0029】(添加剤)本発明で用いるポリマーには、
上述の成分に加えてさらに、本発明の光学部品の良好な
特性を損なわない範囲で、公知の耐候安定剤、耐熱安定
剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、
ワックス、有機または無機の充填剤などが配合されてい
てもよい。
【0030】たとえば、任意成分として配合される耐候
安定剤の紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、ニッケル系化合物、
ヒンダードアミン系化合物があり、具体的には、2,2',
4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-(2'-ヒドロ
キシ-3'-t-ブチル-5'-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾ
トリアゾールや2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシベンゾイルフォスフォリックアシッド
エチルエステルのニッケル塩、ビス(2,2',6,6'-テトラ
メチル-4-ピペリジン)セバケイトなどが挙げられる。
【0031】また、任意成分として配合される耐熱安定
剤としては、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチ
ル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステア
リン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリ
スリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジ
ステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート
などの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げること
ができ、また、ジステアリルペンタエリスリトールジフ
ォスファイト、フェニル-4,4'-イソプロピリデンジフェ
ノール-ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト等のリン系安定剤を使用してもよ
い。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配
合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン-3-(3.5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレー
トとの組み合わせなどを例示できる。これらの安定剤
は、1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0032】本発明で使用される環状オレフィン系重合
体と他の樹脂成分や添加剤との混合方法は限定されるも
のではなく、公知の方法が適用できる。たとえば各成分
を同時に混合する方法などである。
【0033】(成形方法)本発明の成形方法で、溶融成
形の方法は限定されないが、多くの場合、光学製品は押
出成形または射出成形により得られる。これらの方法は
公知のものを用いることができる。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるもの
ではない。
【0035】実施例における物性測定方法は次の通りで
ある。 (1)溶融流れ指数(MFR) ASTM D1238に準じ260℃、荷重2.16kg
で測定。 (2)ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて窒素
中10℃/min.の昇温条件で250℃まで昇温させた後、一旦
サンプルを急冷し、その後に昇温速度10℃/分で測
定。 (3)溶解している気体成分の酸素分圧の割合(%) 検体を耐熱密封バックに入れ、内部を真空状態にした
後、オーブン中で200℃に加熱した。バック内に放出さ
れた気体を取り出し、常温まで冷やした後に酸素濃度計
により測定した。 (4)400nm光線透過率 厚み3mmの角板を用いて紫外・可視分光光度計により測
定した。
【0036】
【実施例1】純度99.9%の窒素気流下で4時間、120℃に
保持した、チーグラー触媒を用いて得られたエチレン・
テトラシクロドデセンランダム共重合体(テトラシクロ
ドデセン単位含量:37モル%、MFR:30g/10
分、Tg:130℃)を原料として、大気中を経ずに成
形機に供給すること可能ならしめる設備を用いて、射出
成形機(名機M-70B)を使用し、120mm×130mm×3mmの角
板を成形した。ホッパ最下部から採取したペレットの溶
解している気体成分の酸素分圧の割合は、0.18%であっ
た。得られた角板の400nm光線透過率は87.5%であった。
【0037】
【比較例1】実施例1と同じ条件で加熱した原料を用
い、オーブンから取り出した原料を射出成形機(名機M-
70B)のホッパに装入し、120mm×130mm×3mmの角板を成
形した。ホッパ最下部から採取したペレットの溶解して
いる気体成分の酸素分圧の割合は、1.9%であった。得ら
れた角板の400nm光線透過率は85.7%であった。
【0038】
【実施例2】純度99.99%の窒素を用いた以外、実施例1
と全く同様にして角板を成形した。ホッパ最下部から採
取したペレットの溶解している気体成分の酸素分圧の割
合は、0.03%であった。得られた角板の400nm光線透過率
は88.4%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明の成形方法により、短波長側の光
線透過率の優れた製品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14X AA21X AH19 BB05 BC17 4F201 AA12 AH73 AR02 BA04 BC01 BC12 BC15 BD04 BD05 BN36 BN37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料ポリマー中に溶解している気体成分の
    酸素分圧が、気体成分の全圧の1%以下であることを特徴
    とする環状オレフィン系重合体の成形方法。
  2. 【請求項2】環状オレフィン系重合体が一般式(1); 【化1】 (但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦
    95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示
    し、0 ≦ n ≦ 2の整数である。また、R1は炭素数2〜20
    の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価
    の基であり、R2は水素原子、および、炭素・水素からな
    り炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2
    種以上の1価の基であり、R3は炭素数2〜10の炭化水素基
    群から選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、Qは
    COOR4(R4は水素原子、および、炭素・水素からなり炭素
    数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上
    の1価の基である)で表される構造群から選ばれる1種な
    いし2種以上の2価の基である。)で表現されることを特
    徴とする、請求項1記載の環状オレフィン系重合体の成
    形方法。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2に記載の原料ポリマーを得
    るための方法であって、原料の環状オレフィン系重合体
    を1時間以上、純度99%以上の不活性ガスを含む気体中に
    50℃以上の温度で放置し、大気中を経ずに成形機に供給
    すること可能ならしめる設備を持つことを特徴とする環
    状オレフィン系重合体の成形方法。
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JP2006022264A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Mitsui Chemicals Inc 熱可塑性樹脂組成物
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