JP2006022266A - 環状オレフィン系樹脂組成物とその製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物とその製造方法 Download PDF

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篤 渋谷
Toshiyuki Hirose
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Abstract

【課題】光ディスク光学系用のピックアップレンズ、コリメータレンズなどの各種レンズン等の光学レンズなどの成形時の転写性を改良し、高温での滞留時に着色しにくく、かつ成形の容易な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどの付加共重合体を重合により得られる環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素、例えば重合時に用いられたモノマーの水添物等を0.01乃至10重量部含んでなることを特徴とする環状オレフィン系樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、環状オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法熱可塑性樹脂に関するものである。
近年、光ディスク光学系用のピックアップレンズ、コリメータレンズ、或いは小型撮像用の各種レンズ等の光学レンズは、生産性の向上、軽量化のため、従来のガラス研削レンズから、透明プラスチック射出成形レンズに置き換える検討が続けられている。
しかしながら、プラスチックは、一般に高性能の非晶性樹脂ほど成形時の転写性が不十分の場合があり、高温での滞留時の着色など、成形の難しさが課題となっている。
その改善のため、例えば、特開2003−311773号公報において開示されるような、成形条件面での改善、あるいは特開2003−311737号公報において開示されるような、材料の取扱の工夫などが行われているものの、十分な改良がなされれるまでには至っておらず、あらゆる場面で容易に成形できる材料が求められている。
特開2003−311773号公報 特開2003−311737号公報
成形時の転写性を改良し、高温での滞留時に着色しにくく、かつ成形の容易な樹脂組成物を提供することが本発明の課題である。
本発明は、環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素を0.01乃至10重量部含んでなることを特徴とする樹脂組成物を提供するものである。
成形時の転写性が悪かったり、高温での滞留時に着色したりしにくい、成形の容易な樹脂組成物が提供される。
本発明者らはこの課題を解決するため鋭意検討した結果、環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素を0.01乃至10重量部含んでなることによって、該課題が解決可能であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は一般化学式(1);
Figure 2006022266
(但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦ 95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0 ≦ n ≦ 2の整数である。また、Rは炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価の基であり、Rは水素原子、又は炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基であり、Rは炭素数2〜10の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の4価の基であり、QはCOOR(Rは水素原子、および、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である)で表される構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である。)
で表現される一種又は二種以上の構造からなる環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素を0.01乃至10重量部含んでなることを特徴とする環状オレフィン系樹脂組成物に関する。
(環状オレフィン系樹脂)
前記一般化学式(1)で表現される一種または二種以上の構造からなる。
前記一般式(1)、(2)中の各記号については、次のような好ましい条件を挙げることが出来、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、構造中に少なくとも1箇所の環構造を持つ基である。
[2]Rは、この基を含む構造単位の例示(n=0の場合)として、例示構造(a), (b), (c);
Figure 2006022266
(但し、式中、Rは前述の通り)
である。
[3]nが0である。
[4]y/xが、20/80 ≦ y/x ≦ 65/35を満たす実数である。
[5]Rは、水素原子及び/または−CHである。
[6]Qが、−COOHまたは、−COOCH基である。
さらに好ましくは、前記一般化学式(2)で表現される一種乃至二種以上の構造からなる。
最も好ましくは、前記一般式(2)中の各記号については、次のような最も好ましい条件を挙げることが出来、これらの条件は必要に応じ組み合わせて用いられる。
[1]R基が、一般化学式(3);
Figure 2006022266
(式中、pは、0乃至2の整数である。)
で表される二価の基である。
さらに、好ましくは、前記一般式(2)においてpが1である二価の基である。
[2]Rは、水素原子である。
この中でも、これらを組み合わせた態様として、環状オレフィン系樹脂がエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンのランダム付加重合によって得られるポリマーであることが全ての中で最も好ましい。
(共重合のタイプ)
また、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダムコポリマーである。
(主鎖の一部として用いることのできるその他の構造)
また本発明で用いられるポリマーは、本発明の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下であり、それ以上共重合させた場合、光学物性を損ない、高精度の光学部品が得られない恐れがある。また、共重合の種類は限定されないが、ランダムコポリマーが好ましい。
(ポリマーの分子量)
本発明の光学部品に用いられるポリマーの分子量は限定されるものではないが、好ましくは135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。
この範囲より分子量が高い場合、成形性が悪くなり、また、この範囲より分子量が低い場合、成形物は脆くなる。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度はとくに限定されないが、好ましくは、50℃以上240℃以下である。
さらに好ましくは、50℃以上、160℃以下である。中でも、最も好ましくは、100℃以上、150℃以下である。この範囲を外れて低い場合には、製品の使用環境が高温となる状況下で動作保証できない。
この範囲を外れて高い場合溶融成形が困難となる場合がある。
(測定方法)
公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。
示差走査熱量計(DSC)を用いて、熱可塑性非晶性樹脂のガラス転移温度を測定する。例えば、SEIKO電子工業(株)製DSC-20を用いて昇温速度10℃/分で測定。
(全光線透過率・分光光線透過率)
全光線透過率・分光光線透過率はとくに限定されない。
ただし、光学用途に用いる場合、光線の透過が必須であるので、光線透過率がある程度あることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。
全光線、或いは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要であり、
好ましくは、85%以上さらに好ましくは、88%以上この範囲を外れて低い場合必要な光量を確保することが出来ない。測定方法公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。ASTM D1003に準拠して、熱可塑性 非晶性樹脂を厚み3mmのシートに成形し、ヘーズメーターを用いて、該成形シートの全光線透過率を測定する。
特定波長域のみで利用される光学系(たとえばレーザ光学系)の場合、全光線透過率が高くなくても、該波長域での分光光線透過率が良ければ使用することが出来る。この場合、使用波長における分光光線透過率は好ましくは、85%以上さらに好ましくは、88%以上この範囲を外れて低い場合必要な光量を確保することが出来ない。測定方法公知の方法が適用できる。測定装置等は限定されるものではない。
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、上記の環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、沸点が50℃以上の飽和炭化水素を0.01乃至10重量部含んでなるものである。
本発明で用いる樹脂組成物には、上述の成分に加えてさらに、本発明の光学部品の良好な特性を損なわない範囲で、公知の耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、有機または無機の充填剤などが配合されていてもよい。
たとえば、任意成分として配合される耐候安定剤は、耐光安定剤として例えば公知のヒンダードアミン系添加剤の他、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ニッケル系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系耐光安定剤は、通常構造中に3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、ならびに2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有している化合物であって、具体的には、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノール LS−2626、三共株式会社製))、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(例えば、Tinuvin 144、日本チバガイギー株式会社製)などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどや、市販されているTinuvin 328、Tinuvin PS(共に、チバ・ガイギー社製)、やSEESORB709(2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、白石カルシウム社製)などのベンゾトリアゾール誘導体などが例示される。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどや、Uvinul 490(2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノンと他の四置換ベンゾフェノンの混合物、GAF社製)、Permyl B−100(ベンゾフェノン化合物、Ferro社製)などが例示される。
また、任意成分として配合される耐熱安定剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができ、また、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系安定剤を使用してもよい。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン−3−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示できる。これらの安定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で使用される環状オレフィン系重合体と他の樹脂成分や添加剤との混合方法は限定されるものではなく、公知の方法が適用できる。たとえば各成分を同時に混合する方法などである。
(飽和炭化水素の沸点)
飽和炭化水素は沸点50℃以上である必要があり、好ましくは沸点100℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上、最も好ましくは、210℃以上である。この範囲を外れて低い場合、成形中に揮発し、成形品の外観を悪化させる。なお、沸点の測定方法は公知の方法で測定できる。
(飽和炭化水素の構造)
飽和炭化水素の構造はとくに限定されないが、飽和炭化水素が、前記環状オレフィン系重合体の製造時に用いられるモノマーを水素添加して得られる構造であることが、製造の簡便さから好ましい。
その際の製造方法としては、環状オレフィン系樹脂組成物を得る際に、モノマーの含まれる重合後の溶液を水素添加したのちに、溶媒を除去して樹脂組成物を得る方法を採ることが好ましい。
水素添加する前のモノマーは式[I]または[II]で示される環状オレフィンであることが好ましい。
Figure 2006022266
Figure 2006022266
式[I]または[II]で示される環状オレフィンについて説明する。
上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1である。なおqが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
また炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
さらに上記式[I]において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
Figure 2006022266
なお上記例示において、1または2の番号が賦された炭素原子は、式[I]においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2である。またR〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基としては、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここで、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R およびR13で示される基が、またはR10およびR11で示される基が互いに共同して、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−) またはプロピレン基(−CHCHCH−)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、たとえば下記のようなn=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。
Figure 2006022266
ここでqは式[II]におけるqと同じ意味である。上記のような式[I]または[II]で示される環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
Figure 2006022266
(上記式中、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこのビシクロ[2.2.1 ]−2−ヘプテンに、炭化水素基が置換した誘導体。この炭化水素基としては、たとえば、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルなどが挙げられる。
さらに他の誘導体として、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a− テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体などが挙げられる。
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体。
Figure 2006022266
(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこれに、炭化水素基が置換した誘導体。この炭化水素基としては、たとえば、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルなどが挙げられる。
さらに他の誘導体として、(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物などが挙げられる。ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13 ]−4,10−ペンタデカジエンなどのペンタシクロペンタデカジエン化合物。ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、およびその誘導体。ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14 ]−4−ヘキサデセン、およびその誘導体。ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、およびその誘導体。ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5− エイコセン、およびその誘導体。ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、およびその誘導体。オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17 ]−5−ドコセン、およびその誘導体。ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン、およびその誘導体。ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]−6−ヘキサコセン、およびその誘導体などが挙げられる。
なお一般式[I]または[II]で示される環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特願平5−196475号当初明細書の段落番号[0032]〜[0054]に示された環状オレフィンの構造例を挙げることができる。本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
上記のような一般式[I]または[II]で示される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。
これらの環状オレフィンを水添する手段は特に限定されるものではなく、公知の方法が適用可能である。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
実施例における物性測定方法は次の通りである。
(1)ガラス転移温度(Tg)
SEIKO電子工業(株)製DSC-20を用いて窒素中10℃/min.の昇温条件で250℃まで昇温させた後、一旦サンプルを急冷し、その後に昇温速度10℃/分で測定。
(2)数平均分子量(Mn)
GPC Alliance2000(Waters社)を用い、カラム:TSKgel GMH6−HT × 2 + TSKgel GMH6−HTL×2(計30cm×4本、東ソー社)検出器:示差屈折計測定溶媒:o−ジクロロベンゼン測定流量:1mL/min測定温度:140℃試料注入量:500μL標準試料:単分散ポリスチレン×16(東ソー社)により分析した。
合成例1
バナジウム触媒(VOCl)を用いて、シクロヘキサン溶媒中で公知の方法によりエチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下TDと表記)の付加共重合体を重合した。
重合終了後、反応物を、濃塩酸を加えた(50ml/L)アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出後、攪拌後グラスフィルターで濾過、減圧乾燥し、エチレン/TD共重合体を得た。
合成例2
合成例1と同様に重合、析出、濾過の後、再度シクロヘキサンに約3%(重量%)となるよう溶解させ、アセトン/メタノール(体積比1/1)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出後、攪拌後グラスフィルターで濾過、減圧乾燥し、エチレン/TD共重合体を得た。
合成例3
合成例1と同様に重合した後、ロータリーエバポレーターにより溶剤及び一部モノマーを溜去することにより、ポリマーを得た。
合成例4〜6
重合終了後、パラジウム/アルミナ触媒を用いて水素添加したことの他は、合成例1〜3と全く同様にして、合成例4〜6のポリマーを得た。
各合成例で得られたポリマーのTg、Mn、ガスクロマトグラフィーにより定量したTD及びTD水添物の量は次の表の通りであった。
Figure 2006022266
実施例1〜3、比較例1〜3
上記合成例で得られたポリマーを用いて、小型簡易射出成形機を用いて射出成形により35mm×65mm大、3mm厚角板の試験片を得た。
それぞれの角板の外観、紫外・可視分光光度計により測定した400nm光線透過率評価結果を次に示す。
Figure 2006022266

Claims (4)

  1. 一般化学式(1);
    Figure 2006022266
    (但し、式中、x, yは共重合比を示し、0/100 ≦ y/x ≦ 95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0 ≦ n ≦ 2の整数である。また、Rは炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の2+n価の基であり、Rは水素原子、又は、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基であり、Rは炭素数2〜10の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の4価の基であり、QはCOOR(Rは水素原子、および、炭素・水素からなり炭素数1以上10以下の構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である)で表される構造群から選ばれる1種ないし2種以上の1価の基である。)
    で表現される一種又は二種以上の構造からなる環状オレフィン系重合体100重量部に対し、沸点が50℃以上の飽和炭化水素を0.01乃至10重量部含んでなることを特徴とする環状オレフィン系樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の環状オレフィン系重合体が、一般化学式(2);
    Figure 2006022266
    (式中、Rは、炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる1種ないし2種以上の二価の基、Rは、水素又は炭素数1〜5の炭化水素基からなる群から選ばれる1種ないし2種以上の一価の基、xおよびyは共重合比を示し、x/yが5/95以上、95/5以下となる実数である。)
    で表現される環状オレフィン系共重合体であることを特徴とする、請求項1記載の環状オレフィン系樹脂組成物。
  3. 請求項1記載の飽和炭化水素が、請求項1乃至2記載の環状オレフィン系重合体製造時に用いられるモノマーを水素添加して得られる構造であることを特徴とする請求項1乃至2記載の環状オレフィン系樹脂組成物。
  4. 請求項3記載の環状オレフィン系樹脂組成物を得る際に、モノマーの含まれる重合後の溶液を水素添加したのちに、溶媒を除去して樹脂組成物を得ることを特徴とする、請求項3記載の環状オレフィン系樹脂組成物の製造方法。
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