JP2018145349A - 光学レンズおよび光学レンズ系 - Google Patents

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春佳 齋藤
Haruka Saito
春佳 齋藤
松木 智昭
Tomoaki Matsuki
智昭 松木
勝好 原田
Katsuyoshi Harada
勝好 原田
ムルティ スニル
Sunil Moorthi
ムルティ スニル
泰之 添田
Yasuyuki Soeda
泰之 添田
加藤 久博
Hisahiro Kato
久博 加藤
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Abstract

【課題】複屈折の値が小さくかつ屈折率が高く、さらなる小型化薄型化を実現できる光学レンズを提供する。【解決手段】本発明の光学レンズは、環状オレフィン系樹脂により構成された光学レンズであって、上記環状オレフィン系樹脂は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、特定の構造を有する環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含み、上記環状オレフィン系樹脂に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(A)の含有量が40モル%以上74モル%以下であり、上記構成単位(B)の含有量が20モル%以上54モル%以下であり、上記構成単位(C)の含有量が6モル%以上20モル%以下であり、ASTM D542に準じて測定される上記環状オレフィン系樹脂の屈折率(nD)が1.548以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、光学レンズおよび光学レンズ系に関する。
撮像レンズ、fθレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズには樹脂が用いられている。このような光学レンズに用いられる樹脂には、透明性が高いこと、寸法安定性に優れること、耐熱性に優れること等の特性が要求される。
とりわけスマートフォンやデジタルカメラ等に使用される撮像レンズには、小型化薄型化のため複屈折の値を低く保ちながらも屈折率のさらなる向上が求められている。
このような樹脂製の光学レンズに用いられる樹脂に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開平10−287713号公報)および特許文献2(特開2010−235719号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、(A)炭素原子数が2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンと、(B)所定の化学式で表される環状オレフィンと、(C)芳香族ビニル化合物とから得られ、極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあり、上記(B)環状オレフィンから導かれる構成単位の含有割合と、上記(C)芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位の含有割合とが特定の関係を満たす環状オレフィン系共重合体が記載されている。
特許文献2には、エチレンまたは炭素原子数が3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位(A)を30〜70モル%、所定の化学式で表される環状オレフィンから導かれる構成単位(B)を20〜50モル%、芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位(C)を0.1〜20モル%含み、極限粘度[η]、H−NMRおよびガラス転移温度が所定の要件を満たすことを特徴とする環状オレフィン系重合体が記載されている。
特開平10−287713号公報 特開2010−235719号公報
小型化薄型化が要求される光学レンズ用途において、屈折率のさらなる向上が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複屈折の値が小さくかつ屈折率が高く、さらなる小型化薄型化を実現できる光学レンズを提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、α−オレフィン由来の構成単位、環状オレフィン由来の構成単位および芳香族ビニル化合物由来の構成単位を特定の割合で含む環状オレフィン系樹脂を用いることにより、得られる光学レンズの複屈折の値を小さく保ちつつ屈折率を向上でき、その結果、光学レンズのさらなる小型化薄型化を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す光学レンズおよび光学レンズ系が提供される。
[1]
環状オレフィン系樹脂により構成された光学レンズであって、
上記環状オレフィン系樹脂は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、下記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含み、
上記環状オレフィン系樹脂に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(A)の含有量が40モル%以上74モル%以下であり、上記構成単位(B)の含有量が20モル%以上54モル%以下であり、上記構成単位(C)の含有量が6モル%以上20モル%以下であり、
ASTM D542に準じて測定される上記環状オレフィン系樹脂の屈折率(nD)が1.548以上である光学レンズ。
Figure 2018145349
(上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とで、アルキリデン基を形成していてもよい。)
Figure 2018145349
(上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
[2]
上記[1]に記載の光学レンズにおいて、
上記環状オレフィン系樹脂中の上記環状オレフィン由来の構成単位(B)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含む光学レンズ。
[3]
上記[1]または[2]に記載の光学レンズにおいて、
上記環状オレフィン系樹脂中の上記芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)が、スチレンおよびスチレン誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含む光学レンズ。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の光学レンズにおいて、
撮像用レンズである光学レンズ。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の第1の光学レンズと、上記第1の光学レンズとは異なる第2の光学レンズと、備える光学レンズ系。
[6]
上記[5]に記載の光学レンズ系において、
上記第2の光学レンズがポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂により構成される光学レンズ系。
本発明によれば、複屈折の値が小さくかつ屈折率が高く、さらなる小型化薄型化を実現できる光学レンズを提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
[光学レンズ]
まず、本実施形態に係る光学レンズについて説明する。
本実施形態に係る光学レンズは環状オレフィン系樹脂(P)により構成された光学レンズであって、環状オレフィン系樹脂(P)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、下記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含む。
環状オレフィン系樹脂(P)に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(A)の含有量が26モル%以上74モル%以下、好ましくは33モル%以上72モル%以下、より好ましくは38モル%以上70モル%以下であり、上記構成単位(B)の含有量が20モル%以上54モル%以下、好ましくは21モル%以上51モル%以下、より好ましくは22モル%以上48モル%以下であり、上記構成単位(C)の含有量が6モル%以上20モル%以下、好ましくは7モル%以上16モル%以下、より好ましくは8モル%以上14モル%以下であり、ASTM D542に準じて測定される環状オレフィン系樹脂(P)の屈折率(nD)が1.548以上、好ましくは1.549以上、より好ましくは1.550以上である。環状オレフィン系樹脂(P)の屈折率(nD)の上限は特に限定されないが、例えば、1.560以下である。
本実施形態において、各構成単位の含有量は、例えば、13C−NMRによって測定することができる。
Figure 2018145349
(上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とで、アルキリデン基を形成していてもよい。)
Figure 2018145349
(上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
本実施形態に係る光学レンズは、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を上記の比率で含む環状オレフィン系樹脂(P)を用いることにより、光学レンズに求められる良好な透明性、ヘイズ、複屈折、寸法安定性および耐熱性等の特性を満足しながら、屈折率をさらに向上させることができる。
以上から、本実施形態によれば、複屈折の値が小さくかつ屈折率が高く、さらなる小型化薄型化を実現できる光学レンズを得ることが可能となる。
また、本実施形態に係る光学レンズ中の環状オレフィン系樹脂(P)の含有量は、透明性、ヘイズ、複屈折および屈折率の性能バランスをより向上させる観点から、当該光学レンズの全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
本実施形態に係る光学レンズは、射出成形、圧線成形、押出成形等の成形方法により環状オレフィン系樹脂(P)を成形して得ることができる。
本実施形態に係る光学レンズは複屈折の値が小さくかつ屈折率が高く光学特性に優れるため、例えば、眼鏡レンズ、fθレンズ、ピックアップレンズ、撮像用レンズ、センサーレンズ、プリズム、導光板、車載カメラレンズ等として好適に用いることができ、特に撮像用レンズとして好適に用いることができる。
<環状オレフィン系樹脂(P)>
以下、本実施形態に係る光学レンズを構成する環状オレフィン系樹脂(P)について説明する。
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)は炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含む。
(α−オレフィン由来の構成単位(A))
本実施形態に係る炭素原子数が2〜20であるα−オレフィンは直鎖状でも分岐状でもよい。このようなα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20の直鎖状α−オレフィン;4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等の炭素原子数が4〜20の分岐状α−オレフィン等が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数が2〜4の直鎖状α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。このようなα− オレフィンは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状オレフィン系樹脂(P)に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(A)の含有量は26モル%以上74モル%以下、好ましくは33モル%以上72モル%以下、より好ましくは38モル%以上70モル%以下である。
上記構成単位(A)の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる光学レンズの耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。また、上記構成単位(A)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる光学レンズの透明性等を向上させることができる。
(環状オレフィン由来の構成単位(B))
本実施形態に係る環状オレフィン由来の構成単位(B)は脂環式構造を有し、下記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位である。
Figure 2018145349
上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1である。なお、qが1の場合には、RおよびRは、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、例えば炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、および芳香族炭化水素基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。これらの炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
さらに上記式[I]において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環の具体例を下記に示す。
Figure 2018145349
なお、上記例示において、1または2の番号が付された炭素原子は、上記式[I]においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を示している。また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、例えば炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
Figure 2018145349
上記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2である。またR〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基である。
ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ意味である。また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、例えば炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および芳香族炭化水素基等が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはアリール基およびアラルキル基等、具体的にはフェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基等が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基等を挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここで、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、RおよびR13で示される基またはR10およびR11で示される基が互いに共同して、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)またはプロピレン基(−CHCHCH−)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、例えば下記のようなn=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。
Figure 2018145349
ここで、qは上記式[II]におけるqと同じ意味である。
上記のような式[I]または[II]で示される環状オレフィンとしては、例えば、
Figure 2018145349
(上記式中、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこのビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンに炭化水素基が置換した誘導体等が挙げられる。この炭化水素基としては、例えば、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントラセニル)、5,6−ジフェニル等が挙げられる。
さらに、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン等のビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体等が挙げられる。
さらに、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンとしては、例えば、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン等のトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン等のトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、
Figure 2018145349
(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)およびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに炭化水素基が置換した誘導体等が挙げられる。この炭化水素基としては、例えば、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニル等が挙げられる。
さらに、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンとしては、例えば、(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエン等のペンタシクロペンタデカジエン化合物、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]−6−ヘキサコセンおよびその誘導体等が挙げられる。
本実施形態に係る環状オレフィン由来の構成単位(B)は、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンおよびヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン誘導体から選択される少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含むことが好ましく、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含むことがより好ましく、本実施形態に係る光学レンズの屈折率をさらに向上させる観点から、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位を含むことがさらに好ましい。
なお、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンの具体例を上記に示したが、これら化合物のより具体的な構造例としては、特開平6−228380号の段落番号[0038]〜[0058]に示された環状オレフィンの構造例や、特開2005−330465号の段落番号[0027]〜[0029]に示された環状オレフィンの構造例、特開平7−145213号公報の段落番号[0032]〜[0054]に示された環状オレフィンの構造例等を挙げることができる。本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)は、上記環状オレフィンから導かれる単位を2種以上含有していてもよい。
上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンは、例えば、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とをディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)において、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンの少なくとも一部は下記式[III]または[IV]で示される繰り返し単位を構成していると考えられる。
Figure 2018145349
上記式[III]において、n、m、q、R〜R18、RおよびRは上記式[I]と同じ意味である。
Figure 2018145349
上記式[IV]において、n、m、p、qおよびR〜R19は上記式[II]と同じ意味である。
環状オレフィン系樹脂(P)に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(B)の含有量は20モル%以上54モル%以下、好ましくは21モル%以上51モル%以下、より好ましくは22モル%以上48モル%以下である。
上記構成単位(B)の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる光学レンズの透明性等を向上させることができる。また、上記構成単位(B)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる光学レンズの耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。
(芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C))
本実施形態に係る芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の官能基含有スチレン誘導体;3−フェニルプロピレン、4−フェニルブテン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状オレフィン系樹脂(P)に含まれる上記構成単位(A)、上記構成単位(B)および上記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、上記構成単位(C)の含有量は6モル%以上20モル%以下、好ましくは7モル%以上16モル%以下、より好ましくは8モル%以上14モル%以下である。
上記構成単位(C)の含有量が上記下限値以上であることにより、得られる光学レンズの屈折率等を向上させることができる。また、上記構成単位(C)の含有量が上記上限値以下であることにより、得られる光学レンズの透明性等を向上させることができる。
また、環状オレフィン由来の構成単位(B)がテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン由来の構成単位である場合、得られる光学レンズの屈折率をさらに向上させる観点から、上記構成単位(C)の含有量は8モル%以上であることが好ましい。
また、環状オレフィン由来の構成単位(B)がビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン由来の構成単位である場合、得られる光学レンズの屈折率をさらに向上させる観点から、上記構成単位(C)の含有量は12モル%以上であることが好ましい。
(環状オレフィン系樹脂(P)の製造方法)
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン、上記式[I]または[II]で示される環状オレフィンおよび芳香族ビニル化合物を用いて特開平10−287713号公報や特開2010−235719号公報に記載の製造方法により製造することができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る光学レンズには、必要に応じて、フェノール系安定剤、高級脂肪酸金属塩、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、塩酸吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、スリップ剤、核剤、可塑剤、難燃剤、リン系安定剤等を本発明の目的を損なわない程度に配合することができ、その配合割合は適宜量である。
本実施形態に係る光学レンズのASTM D542に準じて測定される上記環状オレフィン系樹脂(P)の屈折率(nD)は1.548以上、好ましくは1.549以上、より好ましくは1.550以上である。上記環状オレフィン系樹脂の上記屈折率(nD)の上限は特に限定されないが、例えば、1.560以下である。
屈折率が上記範囲内であると、本実施形態に係る光学レンズの光学特性を良好に保ちつつ、厚みをより薄くすることができる。
本実施形態において環状オレフィン系樹脂(P)の屈折率(nD)は、環状オレフィン系樹脂(P)により構成された厚み1.0mmの試験片の波長589nmにおける測定値である。
また、本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)において、本実施形態に係る光学レンズの透明性をより向上させる観点から、環状オレフィン系樹脂(P)からなる厚さ1.0mmの試験片を作製したとき、JIS K7136に準拠して測定される上記試験片のヘイズが好ましくは5%未満である。
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)のガラス転移温度は、得られる光学レンズの透明性、ヘイズ、複屈折および屈折率を良好に保ちつつ、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは120℃〜200℃であり、より好ましくは120〜190℃、さらに好ましくは130℃〜180℃である。
本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)の極限粘度[η](135℃デカリン中)は、例えば0.05〜5.0dl/gであり、好ましくは0.2〜4.0dl/gであり、さらに好ましくは0.3〜2.0dl/g、特に好ましくは0.4〜2.0dl/gである。
[光学レンズ系]
本実施形態に係る光学レンズは、上記光学レンズとは異なる光学レンズと組み合わせて光学レンズ系としてもよい。
すなわち、本実施形態に係る光学レンズ系は、本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂(P)により構成された第1の光学レンズと、上記第1の光学レンズとは異なる第2の光学レンズと、備える。
上記第2の光学レンズとしては特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂により構成された光学レンズを用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
<環状オレフィン系樹脂(P)の製造>
[製造例1]
攪拌装置を備えた容積500mlのガラス製反応容器に不活性ガスとして窒素を100Nl/hrの流量で30分間流通させた後、シクロヘキサン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下、テトラシクロドデセンとも呼ぶ。)、スチレンを加えた後に、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.70mmol、濃度1.0mM/ml)を加えた。次いで回転数600rpmで重合溶媒を攪拌しながら溶媒温度を50℃に昇温した。溶媒温度が所定の温度に達した後、流通ガスを窒素からエチレンに切り替え、エチレンを50Nl/hr、水素を0.05Nl/hrの供給速度で反応容器に流通させ、10分経過した後に、イソプロピリデンビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.0020mmol)、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレート(0.0080mmol)のトルエン溶液反応をガラス製反応容器に添加し、重合を開始させた。
10分間経過した後メタノールを5ml添加して重合を停止させ、エチレン、テトラシクロドデセン、およびスチレンの共重合体を含む重合溶液を得た。その後、重合溶液を別に用意した容積2Lのビーカーに移液し、さらに濃塩酸5mlと攪拌子を加え、強攪拌下で2時間接触させ脱灰操作を行った。この重合液に対して体積で約3倍のアセトンを入れたビーカーに脱灰後の重合溶液を攪拌下加えて共重合体を析出させ、さらに析出した共重合体を濾過により濾液と分離した。得られた溶媒を含む重合体を130℃で10時間減圧乾燥を行ったところ、白色パウダー状のエチレン・テトラシクロドデセン・スチレン共重合体0.93gが得られた。
同様の操作を繰り返して、13gのエチレン・テトラシクロドデセン・スチレン共重合体(環状オレフィン系樹脂(P−1))を得た。
[製造例2〜5]
シクロヘキサン、テトラシクロドデセン、スチレンを表1に記載の通り添加した以外は、製造例1と同様に操作を行い、表1に記載の量のエチレン・テトラシクロロデセン・スチレン共重合体(環状オレフィン系樹脂(P−2)〜(P−5))をそれぞれ得た。
同様の操作をそれぞれ繰り返して、13gのエチレン・テトラシクロドデセン・スチレン共重合体をそれぞれ得た。
Figure 2018145349
<実施例1〜3および比較例1〜2>
各実施例および比較例において、各種物性は下記の方法によって測定または評価し、得られた結果を表1および2に示した。
[マイクロコンパウンダー成形]
製造例1〜5で合成したエチレン・テトラシクロドデセン・スチレン共重合体パウダーを、Xplore Instruments社製の小型混練機を用いて、混練温度=280℃、50rpmで5分間混練後、Xplore Instruments社製の射出成形機を用いて、シリンダ温度=280℃、射出圧力=12〜15bar、金型温度135℃の条件にて射出成形し、厚み1.0mmのシート状の試験片をそれぞれ作製した。
[内部ヘイズ]
マイクロコンパウンダーで成形した30mm×30mm×厚み1.0mmのシート状の試験片を用いて、ベンジルアルコールを使用し、JIS K7136に基づいて測定した。次いで、以下の基準で内部ヘイズをそれぞれ評価した。
○:5%未満
×:5%以上
[複屈折]
位相差の測定は、KOBRA CCDで、30mm×30mm×1.0mmの試験片を用いて測定波長650nmで、ゲート方向から20〜35mmの位相差の平均値を求めた。
次いで、以下の基準で複屈折をそれぞれ評価した。
◎:位相差の平均値が30nm未満
○:位相差の平均値が30nm以上40nm未満
×:位相差の平均値が40nm以上
[ガラス転移温度Tg(℃)]
島津サイエンス社製、DSC−6220を用いてN(窒素)雰囲気下で測定した。常温から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した後に5分間保持し、次いで10℃/分の降温速度で−20℃まで降温した後に5分間保持した。そして10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する際の吸熱曲線からガラス転移点(Tg)を求めた。
[屈折率]
屈折率計(島津サイエンス社製 KPR200)を用いて、ASTM D542に準じて厚み1.0mmの試験片の波長589nmにおける屈折率(nd)をそれぞれ測定した。
[環状オレフィン系樹脂を構成する各構成単位の含有量の測定方法]
環状オレフィンおよびスチレンの含有量は、日本電子社製「ECA500型」核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。
溶媒:重ベンセン/オルトジクロロベンゼン混合溶媒
サンプル濃度:50〜100g/l−solvent
パルス繰り返し時間:5.5秒
積算回数:6000〜16000回
測定温度:120℃
上記のような条件で測定した13C−NMRスペクトルにより、環状オレフィンおよびスチレンの組成を定量した。
[極限粘度[η]]
移動粘度計(離合社製、タイプVNR053U型)を用い、環状オレフィン系樹脂を0.25〜0.30gを25mlのデカリンに溶解させたものを試料とした。ASTM J1601に準じ135℃にて比粘度を測定し、これと濃度との比を濃度0に外挿して環状オレフィン系樹脂の極限粘度[η]を求めた。
Figure 2018145349
以上のように、実施例1〜3で得られた光学レンズはヘイズ、複屈折および屈折率の性能バランスに優れていた。すなわち、実施例1〜3で得られた光学レンズは光学レンズに求められる諸特性を満たしつつ、高い屈折率を示した。一方、芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)の含有量が低い環状オレフィン系樹脂を用いた比較例1や、芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含まない環状オレフィン系樹脂を用いた比較例2の光学レンズは屈折率が低く、ヘイズ、複屈折および屈折率の性能バランスに劣っていた。

Claims (6)

  1. 環状オレフィン系樹脂により構成された光学レンズであって、
    前記環状オレフィン系樹脂は、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)、下記式[I]または[II]で示される環状オレフィン由来の構成単位(B)および芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)を含み、
    前記環状オレフィン系樹脂に含まれる前記構成単位(A)、前記構成単位(B)および前記構成単位(C)の合計を100モル%としたとき、前記構成単位(A)の含有量が40モル%以上74モル%以下であり、前記構成単位(B)の含有量が20モル%以上54モル%以下であり、前記構成単位(C)の含有量が6モル%以上20モル%以下であり、
    ASTM D542に準じて測定される前記環状オレフィン系樹脂の屈折率(nD)が1.548以上である光学レンズ。
    Figure 2018145349
    (前記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R〜R18ならびにRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とで、アルキリデン基を形成していてもよい。)
    Figure 2018145349
    (前記式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、RおよびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
  2. 請求項1に記載の光学レンズにおいて、
    前記環状オレフィン系樹脂中の前記環状オレフィン由来の構成単位(B)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含む光学レンズ。
  3. 請求項1または2に記載の光学レンズにおいて、
    前記環状オレフィン系樹脂中の前記芳香族ビニル化合物由来の構成単位(C)が、スチレンおよびスチレン誘導体から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含む光学レンズ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学レンズにおいて、
    撮像用レンズである光学レンズ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の第1の光学レンズと、前記第1の光学レンズとは異なる第2の光学レンズと、備える光学レンズ系。
  6. 請求項5に記載の光学レンズ系において、
    前記第2の光学レンズがポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂により構成される光学レンズ系。
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