JPWO2006114930A1 - 弾性境界波装置 - Google Patents

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Abstract

弾性境界波の振動エネルギーの閉じ込め効率に優れ、電気機械結合係数が大きく、高次モードの影響が生じ難い、弾性境界波装置を提供する。圧電性を有する第1の媒質11と、非導電物質である第2の媒質12と、伝搬する遅い横波の音速が、第1,第2の媒質11,12を伝搬する遅い横波よりも低音速である第3の媒質13とが、第1の媒質11、第3の媒質13及び第2の媒質12の順に積層されており、第1の媒質11と第3の媒質13との間に配置されたIDT14とを備え、IDT14が、密度ρの金属からなる金属層を用いて構成されており、密度ρが3000〜21500kg/m3の範囲にあり、IDT14の厚みH1が、電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λであり、第3の媒質13の厚みH2が、H1<H2≦0.7λとされている、弾性境界波装置。

Description

本発明は、異なる媒質間の界面を伝搬する弾性境界波を利用した弾性境界波装置に関し、より詳細には、少なくとも3つの媒質が積層された積層体を用いて構成されている弾性境界波装置に関する。
従来、共振子や帯域フィルタとして、弾性境界波を利用した装置が種々提案されている。弾性表面波を利用した弾性表面波装置に比べて、弾性境界波装置では、弾性境界波が異なる媒質間の界面を伝搬するため、複雑なパッケージ構造を必要としない。従って、構造の簡略化及び低背化を進めることができる。
上記のような弾性境界波装置の一例が、下記の非特許文献1に開示されている。非特許文献1に開示されている弾性境界波装置では、SiO2またはSiからなる第1の媒質と、ZnOからなる第3の媒質と、SiO2からなる第2の媒質とが、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体が用いられている。そして、第1の媒質と第3の媒質との界面にIDT(インターデジタル電極)が配置されている。
ここでは、音速が遅いZnOからなる第3の媒質において弾性境界波の振動エネルギーを閉じ込めることにより、弾性境界波が伝搬するように構成されている。なお、IDTは、Alより構成されている。
他方、下記の特許文献1には、非特許文献1と同様に、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質をこの順序で積層してなる積層体を用いた弾性境界波が開示されている。特許文献2では、第1の媒質がLiNbO3、第3の媒質がSiO2、第2の媒質がSiNにより構成されている。そして、第1の媒質と第3の媒質との間に、AlからなるIDTが配置されている。
1986電子情報通信学会資料,S86−39、第47頁〜第4頁 WO98/52279
非特許文献1及び特許文献1に記載の弾性境界波装置では、IDTがAlを用いて構成されていた。Alを電極材料として用いた場合、Au、AgまたはCuなどのAlよりも密度の大きい金属を用いた場合に比べて、横波の音速が速く、弾性境界波の振動エネルギーの閉じ込め効率が低くなりがちであった。
従来、弾性境界波装置においては、電極材料を選択することにより振動エネルギーを閉じ込めることについては考えられておらず、むしろ、横波の音速が遅い第3の媒質により振動エネルギーを閉じ込めることが考えられていた。そのため、振動エネルギーの閉じ込め効率が十分でなく、第1の媒質や第2の媒質の厚みを厚くしなければならなかった。よって、弾性境界波装置の小型化が困難であった。
他方、弾性境界波を伝搬させるのに用いられる上記第1〜第3の媒質に利用される材料の多くは、負の音速温度係数(TCV)を有する。他方、SiO2は正のTCVを有する
。従って、SiO2を、負のTCVを有する材料と組み合わせることにより、TCVを0または0に近い正の値とすることができる。
弾性境界波装置の周波数温度係数TCFは、TCVから境界波伝搬路の線膨張係数を差し引いた値となる。そのため、SiO2を用いた場合、他の媒質材料と組み合わせること
により、周波数温度係数TCFが小さい弾性境界波装置を実現することができる。
ところで、上記非特許文献1や特許文献1に記載されているように、従来のこの種の弾性境界波装置では、IDTはAlを用いて構成されていた。第3の媒質をSiO2により構成し、AlからなるIDTを用いた場合、IDTや反射器においては、周期配列されているAlストリップ間にSiO2が充填されることになる。AlとSiO2との密度差は小さく、両者の間の音響インピーダンス差は小さい。よって、IDTや反射器を構成するAlからなるストリップ1本あたりの弾性境界波の反射量は少なくなる。
電極指であるストリップ1本あたりの反射量が小さくなると、反射器において十分な反射係数を得るには、多数の電極指を必要とする。そのため、従来、反射器が大きくならざるを得ず、ひいては弾性境界波装置の寸法が大きくならざるを得なかった。
また、IDTにおけるストリップ1本あたりの反射量が小さい場合には、例えば縦結合共振子型弾性境界波フィルタを構成した場合には、フィルタ特性におけるシェープファクタが劣化したり、EWC型SPUDTを用いたトランスバーサル型の弾性境界波フィルタを構成した場合には、SPUDTの方向性が劣化するという問題があった。
加えて、第2の媒質/第3の媒質/IDT/第1の媒質を積層した構造を有する弾性境界波装置においては、振動エネルギーは第3の媒質とIDTとに閉じ込められて伝搬する。伝搬している境界波の波長に比べて、第3の媒質の厚みが厚い場合には、高次モードが比較的強く励振されることになる。そのため、第3の媒質の厚みは、弾性境界波の1波長以下の寸法とすることが望ましい。
他方、第3の媒質が、例えばスパッタリング法などの堆積法により形成されている場合には、IDTや反射器を構成するストリップ厚みに比べて、第3の媒質の厚みを十分に厚くすることが困難であった。また、第3の媒質の厚みが薄い場合には、ストリップが設けられている部分とそうでない部分との間の凹凸により、第3の媒質に亀裂が生じるおそれがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質をこの順序で積層してなる積層体を用いており、なお、弾性境界波の振動エネルギーを第3の媒質に効果的に閉じ込めることができ、従って、弾性境界波の伝搬損失が小さく、電気機械結合係数が大きく、所望でないスプリアスとなる高次モードの影響が生じ難い、良好な共振特性やフィルタ特性を得ることができ、第3の媒質における亀裂が生じ難い、弾性境界波装置を提供することにある。
本発明のある広い局面によれば、圧電性を有する第1の媒質と、非導電物質である第2の媒質と、伝搬する遅い横波の音速が、前記第1,第2の媒質を伝搬する遅い横波よりも低音速である第3の媒質とが、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体と、前記第1の媒質と第3の媒質との間に配置されたIDTとを備える弾性境界波装置であって、前記IDTが、密度ρの金属からなる金属層を用いて構成されており、密度ρが3000〜21500kg/m3の範囲にあり、前記IDTの厚みH1が、IDTの電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λの範囲にあり、前記第3の媒質の厚みH2がH1<H2≦0.7λの範囲にあることを特徴とする弾性境界波装置が提供される。
本発明に係る弾性境界波装置のある特定の局面では、前記第3の媒質の厚みH2が、H1<H2<0.5λの範囲とされている。
本発明に係る弾性境界波装置の他の特定の局面では、前記第3の媒質が、SiO2また
はSiO2を主成分とする材料を用いて構成されている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°及び−60°<ψ<60°の範囲内とされている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°及び60°<ψ<120°の範囲内とされている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−32°<φ
<32°、15°<θ<41°及び−35°<ψ<35°の範囲内されている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに他の特定の局面では、前記IDTを構成している金属が、Pt、Au、Cu、Ag、Ni、Ti、Fe、W及びTaからなる群から選択された金属あるいは該金属を主成分とする合金により構成されている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、前記IDTが、相対的に密度が高い第1の金属層と、相対的に密度が低い第2の金属層とが交互に積層されている構造を有する。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに他の特定の局面では、前記第1の金属層が、前記第1の媒質側に配置されている。
本発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、前記第1の媒質及び/または第2の媒質が、複数の媒質層を積層してなる積層体により構成されている。
本発明に係る弾性境界波装置では、圧電性を有する第1の媒質と、非導電物質である第2の媒質と、第1,第2の媒質よりも伝搬する遅い横波の音速が低音速である第3の媒質とが第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体と、第1の媒質と第3の媒質との間に配置されたIDTとを備える。そして、IDTが3000〜21500kg/m3の範囲内の密度ρの金属を用いて構成されているので、弾性境界波の伝搬損失を低減することができ、弾性境界波装置における損失を低減することができる。
また、IDTの厚みH1が0.006λ≦H1≦0.2λの範囲にあるため、弾性境界波の電気機械結合係数が十分な大きさとされる。また、SH型境界波とP+SV型境界波の音速を離間させることができるため、SH型境界波を主モードとして利用する場合には、SH型境界波に対して不要モードとなるP+SV型境界波によるスプリアスを抑制することができる。さらに、第3の媒質の厚みH2が、H1<H2≦0.7λの範囲とされているので、SH型境界波の高次モードスプリアスを低減することができる。
従って、本発明によれば、低損失であり、電気機械結合係数K2が大きく、従って、小型化、特に低背化を進めることができ、さらに共振特性やフィルタ特性の良好な弾性境界波装置を提供することが可能となる。
H1<H2<0.5λとされている場合には、SH型境界波の高次モードスプリアスをより効果的に抑圧することができ、より一層良好な共振特性やフィルタ特性を得ることができる。
第3の媒質が、SiO2またはSiO2を主成分とする材料からなる場合には、SiO2が正のTCVを有する。他方、弾性境界波装置の媒質を構成するのに用いられる材料の多くは負のTCVを有する。従って、第3の媒質がSiO2またはSiO2を主成分とする材料からなる場合には、周波数温度係数TCFが小さい、温度特性に優れた弾性境界波装置を提供することができる。
第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°かつ−60°<ψ<60°の範囲にある場合には、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2を十分に小さくすることができ、それによってSH型境界波を利用して良好な共振特性やフィルタ特性を得ることが可能となる。
第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°及び60°<ψ<120°の範囲にある場合には、SH型境界波の電気機械結合係数K2を十分に小さくすることができ、それによってP+SV型境界波を利用して良好な共振特性やフィルタ特性を得ることが可能となる。
第2の金属層の少なくとも1層にAlを用いた場合には、Alは導体抵抗が小さいため電極指による導体抵抗損失をより効果的に低減することができる。
第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角のφ、θ及びψが、−32°<φ<32°、15°<θ<41°及び−35°<ψ<35°の範囲にある場合には、SH型境界波の電気機械結合係数K2を十分に小さくすることができ、それによってP+SV型境界波を利用して良好な共振特性やフィルタ特性を得ることが可能となる。
IDTを構成している金属が、Pt、Au、Cu、Ag、Ni、Ti、Fe、W及びTaからなる群から選択された金属あるいは該金属を主成分とする合金からなる場合には、Alに比べて密度が大きい金属であるため、弾性境界波の伝搬損失が小さく、低損失の弾性境界波装置を提供することができる。
IDTは、単一の金属層により構成されていてもよいが、相対的に密度が高い第1の金属層と、相対的に密度が低い第2の金属層とを積層した構造を有していてもよく、第1の金属層と第2の金属層とが交互に積層されている場合には、弾性境界波の伝搬損失が小さくされた上で電極指に厚みを持たせることができるため、電極指による導体抵抗損失を低減することができる。
第1の金属層が第1の媒質側に配置されている場合には、相対的に密度が高い第1の金属層が低音速の第1の媒質側に配置されているため、弾性境界波のエネルギーが第1の媒質側により多く分布するため、第1の媒質が圧電体である場合には電気機械結合係数K2を大きくすることができる。
第1の媒質及び/または第2の媒質が、複数の媒質層を積層してなる積層体により構成されている場合には、例えば圧縮応力膜と引張応力膜を積層した場合には、これらの応力を相互作用させることにより全体の応力を緩和することができる。また、音速の異なる膜を境界波の振動エネルギーが分布する範囲で積層する場合にはいずれかの膜厚をイオンビーム等でエッチングして周波数を調整することができる。また、λに対して十分に小さい膜厚で複数の膜を積層した場合には、それらの膜の中間的な音速の膜を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の平面断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の正面断面図である。 図3は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の音速Vmとの関係を示す図である。 図4は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAgからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の音速Vmとの関係を示す図である。 図5は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がCuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の音速Vmとの関係を示す図である。 図6は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAlからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の音速Vmとの関係を示す図である。 図7は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図8は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAgからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図9は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がCuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図10は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAlからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図11は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図12は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAgからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図13は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がCuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図14は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAlからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図15は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図16は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAgからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図17は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がCuからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図18は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTを含む電極がAlからなる場合の電極の厚みと弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図19は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造におけるIDTがAlからなる場合の、SiO2の厚みと、SH型弾性境界波の基本モード(SH0)及び高次モードとの関係を示す図である。 図20は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造におけるIDTがAuからなる場合の、SiO2の厚みと、SH型弾性境界波の基本モード(SH0)及び高次モードとの関係を示す図である。 図21は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のθと、弾性境界波の音速Vm(m/秒)との関係を示す図である。 図22は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のθと、弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図23は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のθと、弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図24は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のθと、弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図25は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のψと、弾性境界波の音速Vm(m/秒)との関係を示す図である。 図26は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のψと、弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図27は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のψと、弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図28は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のψと、弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図29は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のφと、弾性境界波の音速Vm(m/秒)との関係を示す図である。 図30は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のφと、弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図31は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のφと、弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図31は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角のφと、弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図33は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(0°,30°,ψ)である場合のψと、弾性境界波の音速Vm(m/秒)との関係を示す図である。 図34は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(0°,30°,ψ)である場合のψと、弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図35は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(0°,30°,ψ)である場合のψと、弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図36は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(0°,30°,ψ)である場合のψと、弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図37は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(φ,30°,0°)である場合のφと、弾性境界波の音速Vm(m/秒)との関係を示す図である。 図38は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(φ,30°,0°)である場合のφと、弾性境界波の電気機械結合係数K2(%)との関係を示す図である。 図39は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(φ,30°,0°)である場合のφと、弾性境界波の伝搬損失αm(dB/λ)との関係を示す図である。 図40は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、IDTがAuからなり、LiNbO3基板のオイラー角が(φ,30°,0°)である場合のφと、弾性境界波の周波数温度係数TCFm(ppm/℃)との関係を示す図である。 図41は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、SiN/SiO2=3000nm/500nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図42は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、SiN/SiO2=3000nm/200nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図43は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、SiN/SiO2=3000nm/100nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図44は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、PSi/SiO2=3000nm/500nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図45は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、PSi/SiO2=3000nm/200nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図46は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波共振子において、SiNとSiO2の厚みが、PSi/SiO2=3000nm/100nmの割合とされている場合の共振特性を示す図である。 図47は、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、SiO2膜の厚みを変化させた場合の周波数温度係数TCF(ppm/℃)の変化を示す図である。 図48は、PSi/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、SiO2膜の厚みを変化させた場合の周波数温度係数TCF(ppm/℃)の変化を示す図である。 図49は、SiN/SiO2/IDT/15°YカットX伝搬LiNbO3基板において、IDTがAlからなり、SiO2の厚みが0.5λ、IDTの厚みが0.05λである場合のSH型弾性境界波、P波成分及びSV波成分の変位分布を示す図である。 図50は、SiN/SiO2/IDT/15°YカットX伝搬LiNbO3基板において、IDTがAlからなり、SiO2の厚みが0.5λ、IDTの厚みが0.10λである場合のSH型弾性境界波、P波成分及びSV波成分の変位分布を示す図である。 図51は、SiN/SiO2/IDT/15°YカットX伝搬LiNbO3基板において、IDTがAuからなり、SiO2の厚みが0.5λ、IDTの厚みが0.05λである場合のSH型弾性境界波、P波成分及びSV波成分の変位分布を示す図である。
符号の説明
10…弾性境界波装置
11…第1の媒質
12…第2の媒質
13…第3の媒質
14…IDT
14a,14b…電極指
15,16…反射器
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書において、オイラー角、結晶軸及び等価なオイラー角の意味は以下の通りとする。
オイラー角
本明細書において、基板の切断面と境界波の伝搬方向を表現するオイラー角(φ,θ,ψ)は、文献「弾性波素子技術ハンドブック」(日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会、第1版第1刷、平成3年1月30日発行、549頁)記載の右手系オイラー角を用いた。すなわち、LNの結晶軸X、Y、Zに対し、Z軸を軸としてX軸を反時計廻りにφ回転しXa軸を得る。次に、Xa軸を軸としてZ軸を反時計廻りにθ回転しZ′軸を得る。Xa軸を含み、Z′軸を法線とする面を基板の切断面とした。そして、Z′軸を軸としてXa軸を反時計廻りにψ回転した軸X′方向を境界波の伝搬方向とした。
結晶軸
また、オイラー角の初期値として与えるLiNbO3の結晶軸X、Y、Z軸をc軸と平行とし、X軸を等価な3方向のa軸のうち任意の1つと平行とし、Y軸はX軸とZ軸を含む面の法線方向とする。
等価なオイラー角
なお、本発明におけるLiNbO3のオイラー角(φ,θ,ψ)は結晶学的に等価であればよい。例えば、文献(日本音響学会誌36巻3号、1980年、140〜145頁)によれば、LiNbO3は三方晶系3m点群に属する結晶であるので、〔4〕式が成り立つ。
F(φ,θ,ψ)=F(60°−φ,−θ,ψ)
=F(60°+φ,−θ,180°−ψ)
=F(φ,180°+θ,180°−ψ)
=F(φ,θ,180°+ψ) 〔4〕
ここで、Fは、電気機械結合係数ks 2、伝搬損失、TCF、PFA、ナチュラル一方向性などの任意の境界波特性である。PFAのナチュラル一方向性は、例えば伝搬方向を正負反転してみた場合、符号は変わるものの絶対量は等しいので実用上等価であると考える。なお、文献7は表面波に関するものであるが、境界波に関しても結晶の対称性は同様に扱える。
例えば、オイラー角(30°,θ,ψ)の境界波伝搬特性は、オイラー角(90°,180°−θ,180°−ψ)の境界波伝搬特性と等価である。また、例えば、オイラー角(30°,90°,45°)の境界波伝搬特性は、表1に示すオイラー角の境界波伝搬特性と等価である。
また、本発明において計算に用いた導体の材料定数は多結晶体の値であるが、エピ膜などの結晶体においても、膜自体の結晶方位依存性より基板の結晶方位依存性が境界波特性に対して支配的であるので、〔4〕式により、実用上問題ない程度に同等の境界波伝搬特性が得られる。
Figure 2006114930
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面断面図であり、図2は、弾性境界波装置の正面断面図である。
本実施形態の弾性境界波装置10では、圧電性を有する第1の媒質11上に第3の媒質13及び、第2の媒質12がこの順序で積層されている。そして、第1の媒質11と第3の媒質13との界面に、IDT14及び反射器15,16が配置されている。すなわち、第1,第3の媒質11,13間の界面に電極が配置されている。
IDT14は、複数本の電極指14aと複数の電極指14bとが互いに間挿し合うように配置されている構造を有する。複数本の電極指14aは、1方のバスバーに電気的に接続されており、複数本の電極指14bが他方のバスバーに電気的に接続されている。なお、本実施形態では、IDT14には、交叉幅重み付が施されている。
他方、反射器15,16は、IDT14における電極指14a,14bが延びる方向と直交する方向の外側、すなわち、弾性境界波伝搬方向両側に配置されている。IDT15,16は、弾性境界波伝搬方向と直交する方向に延びる複数本の電極指の両端を短絡した構造を有する。なお、ここでは両端が短絡された反射器を例示したが、両端が開放端となったOPEN反射器を利用してもよい。
弾性境界波装置10では、利用する遅い横波の音速が相対的に遅い第3の媒質13が、音速が相対的に速い第1,第2の媒質11,12により挟持されている。従って、弾性境界波の振動エネルギーが、相対的に音速が遅い第3の媒質13に閉じ込められ、伝搬され得る。すなわち、第2,第3の媒質12,13間の界面と、第1,第3の媒質11,13間の界面との間に、弾性境界波の振動エネルギーが閉じ込められることにより、弾性境界波が上記電極指14a,14bと直交する方向であって、IDT14が形成されている面の面方向に伝搬される。
本実施形態では、第1の媒質11は、圧電体としての15°YカットX伝搬、オイラー角で(0°,105°,0°)のLiNbO3からなる。第2の媒質12は、非導電物質としてのSiNからなる。また、第3の媒質13はSiO2からなる。
IDT14及び反射器15,16はAlよりも密度が大きい金属を用いて構成されている。すなわち、IDT14は、密度ρが3000〜21500kg/m3の範囲にある金属を用いて構成されている。また、IDT14の厚みH1が、IDT14の電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λの範囲とされており、第3の媒質13の厚みH2が、H1<H2≦0.7λの範囲とされている。従って、低損失であり、小型化を進めることができ、弾性境界波の電気機械結合係数K2が大きく、高次モードスプリアスの影響が生じ難い、良好な特性を有する弾性境界波装置10を構成することができる。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
まず、弾性境界波装置においてIDTを構成する電極材料として従来から、慣用されているAlと、Alよりも密度が大きい金属であるCu、AgまたはAuを用いた場合の電極の厚みと、弾性境界波の音速、電気機械結合係数K2、伝搬損失αm及び周波数温度係数TCFとの関係を求めた。結果を図3〜図18に示す。
なお、図3図〜18の結果を求めるに際しては、SiN/SiO2/IDT/15°YカットX伝搬LiNbO3積層構造において、第3の媒質であるSiO2の厚みを0.5λとし、第1,第2の媒質の厚みは無限大とした。また、図3〜図18においては、U2はSHを主成分とする弾性境界波の結果を示し、U3はP+SV成分を主体とする弾性境界波の結果を示す。
オイラー角(0°,105°,0°)、すなわち15°YカットX伝搬のLiNbO3基板では、SV+P型弾性境界波と圧電性との結合が弱いため、SV+P型境界波はほとんど励振されず、SH波型境界波が弾性境界波として利用される主モードとなる。
なお、上記図3〜図18についての結果は、「A method for estimating optimal cuts and propagation directions for
excitation and propagation directions for excitation of piezoelectric surface
waves」(J.J.Campbell and W.R.Jones,IEEE Trans.Sonics and
Ultrason.,Vol.SU-15(1968) pp.209-217) に開示されている手法に基づいて計算された値である。
なお、開放境界の場合には、第2の媒質12と、第3の媒質13との境界、第3の媒質13とIDT14との境界、IDT14と第1の媒質11との境界の各境界における変位、電位、電束密度の法線成分、上下方向の応力が連続であり、第2の媒質12と第1の媒質11の厚みを無限とし、導体であるIDT電極14の比誘電率を1として上記音速及び伝搬損失を求めた。また、短絡境界の場合には、第3の媒質13とIDT14との境界及びIDT14と第1の媒質11との境界における電位が0として上記音速及び伝搬損失を求めた。電気機械結合係数K2は、下記の式(1)により求めた。なお、式(1)においてはVfは開放境界における音速を示し、Vは短絡境界における音速を示す。
2=2×|Vf−V|/Vf…式(1)
他方、周波数温度係数TCFは、20℃、25℃、及び30℃における位相速度Vに基づいて下記の式(2)により求めた。
TCF=(V〔30℃〕−V〔20℃〕)/V〔25℃〕/10℃−αs
…式(2)
なお、αsは弾性境界波伝搬方向における第1の媒質11の線膨張係数である。
また、任意のオイラー角〔φ,θ,ψ〕におけるパワーフロー角PFAは、ψ−0.5°、ψ、ψ+0.5°における位相速度Vにより下記の式(3)を用いて求めた。
PFA=tan-1{V〔ψ〕-1×(V〔ψ+0.5°〕−V〔ψ−0.5°〕)}…式(3)
回転Y板X伝搬のLiNbO3における縦波、速い横波及び遅い横波の音速は、それぞれ、6547、4752及び4031m/秒である。SiO2の縦波及び遅い横波の音速は、それぞれ、5960及び3757m/秒である。SiNの縦波及び遅い横波の音速は、それぞれ、10642及び5973m/秒である。
図3〜図6及び図11〜図14から、いずれの金属からなる電極を用いた場合においてもSH型弾性境界波の音速が、縦波、速い横波及び遅い横波のうち最も遅い波である4031m/秒以下の音速である膜厚において、SH型境界波の伝搬損失αmは0となっていることがわかる。
Alは相対的に密度ρが小さいため、弾性境界波の音速は4031m/秒以下となり、伝搬損失αmを0とするための電極膜厚は厚くならざるを得ないことがわかる。他方、Alよりも密度の大きい導体であるCu、AgまたはAuを用いた場合には、Alよりも薄い膜厚のIDTを用いて、伝搬損失αmを0とし得ることがわかる。図3〜図6によれば電極密度が大きいほどその金属における伝搬損失αm=0となる膜厚領域において、SH型境界波の音速とP+SV型境界波の音速を離間できる条件が存在することが分かる。これに対し、Alではその条件が存在しないことが分かる。
電極厚みが厚くなると、IDT14や反射器15,16の電極指の存在する部分と、存在しない部分との高さが大きく異なることとなる。そのため、IDT14や反射器15,16が形成されている部分上に、スパッタリングや蒸着などにより、第3の媒質13や第2の媒質12を形成すると、カバレッジが十分でなくなり、第3の媒質13や第2の媒質12に亀裂が生じるおそれがあった。また、成膜時間が長くなるため、第3の媒質13及び第2の媒質12の形成コストが高くなりがちである。
これに対して、上記のように、Alよりも密度の大きな金属であるCu、AgまたはAuを用いた場合、電極厚みを薄くすることができるので、上記のような問題を回避することができる。また、図3〜図6によれば、電極密度が大きいほど、伝搬損失αmが0である領域においてSH型境界波の音速とP+SV型境界波の音速を離間する条件が存在するのに対し、Alではその条件が存在しないことがわかる。従って、SH型境界波を主モードとして利用する場合、Alよりも密度の大きい金属を用いてその膜厚を0.006λ〜0.2λの範囲にすることにより不要モードとなるP+SV型境界波によるスプリアスを抑制することができる。
また、図7〜図10から明らかなように、相対的に密度が大きい導体を用いた場合に、より大きな電気機械結合係数K2を得ることができることがわかる。密度が大きい導体を用いて構成されたIDT14では、導体自体が非常に低音速であるため、IDT14付近に振動エネルギーが集中する。さらに、第1の媒質11を圧電体により構成し、IDT14を圧電体に接するように形成した場合、圧電体に分布するエネルギーも増加し、より一層大きな電気機械結合係数K2を得ることができる。
なお、伝搬角により電気機械結合係数K2を調整する設計方法が従来より知られているが、大きな電気機械結合係数K2が得られると、電気機械結合係数K2の調整範囲が拡がり、設計の自由度をより一層高めることができる。
また、電極として、Ptを用いた場合には、Auを用いた場合とほぼ同等の結果が得られた。もっとも、Ptを用いた場合、Auを用いた場合に比べて密度が若干高くなるため、IDT14付近への振動エネルギーがより強く集中する傾向があった。
また、図49〜図51は、IDT14が、0.05λの厚みのAl、0.10λの厚みのAl及び0.05λの厚みのAuからなる場合のSH型弾性境界波の変位分布を示す図である。図49から明らかなように、0.05λの厚みのAlによりIDT14が構成されている場合には、第1の媒質であるLiNbO3側に振動エネルギーが放射しており、媒質間の境界部への弾性境界波の閉じ込めが十分でないことがわかる。また、図50から明らかなように、0.10λの厚みのAlによりIDT14が構成されている場合には、振動エネルギーの放射が抑制されているが、第1の媒質11を構成しているLiNbO3側へは、図示はされていないが5λ以上、第2の媒質であるSiN側へは1.2λ程度の厚みの範囲で、振動エネルギーが分布している。従って、第1,第2の媒質の厚みを厚くしなければならないことがわかる。
これに対して、図51に示すように、0.05λの厚みのAuによりIDT14が構成されている場合、厚みが0.05λと薄いにもかかわらず、振動エネルギーはLiNbO3側には0.9λ、SiN側には0.9λの厚みの部分にだけ分布しているにすぎない。すなわち、境界波の振動エネルギーの閉じ込め効率が高いことがわかる。また、Alよりも密度ρが大きいAuによりIDT14が形成されている場合、第2の媒質であるSiN及び第1の媒質であるLiNbO3のいずれをも薄くすることができるので、弾性境界波装置の低背化及び低コスト化を果たすことができる。
なお、SiO2の密度は、2210kg/m3、横波の音響特性インピーダンスは8.3×106kg・s/m2であり、Alの密度は、2699kg/m3、横波の音響特性インピーダンスは8.4×106kg・s/m2であり、Cuの密度は、8939kg/m3、横波の音響特性インピーダンスは21.4×106kg・s/m2であり、Agの密度は、10500kg/m3、横波の音響特性インピーダンスは18.6×106kg・s/m2であり、Auの密度は、19300kg/m3、横波の音響特性インピーダンスは24.0×106kg・s/m2である。
SiO2とAlの密度差及び音響特性インピーダンス差が小さいので、第3の媒質13がSiO2により、IDT14がAlにより構成されている場合には、ストリップの反射係数は小さい。従って、反射器15,16において十分な反射係数を得るには、多数のストリップ本数が必要となり、素子サイズが大型化し、好ましくない。また、IDT14のストリップ反射量が小さい場合には、縦結合共振子型フィルタでは、シェープファクタが劣化したり、EWC型SPUDTを用いたトランスバーサル型フィルタでは、SPUDTの方向性が劣化するため、好ましくない。
これに対して、SiO2とAuとの密度差及び音響特性インピーダンス差は十分に大きい。従って、SiO2からなる第3の媒質13と、AuからなるIDT14を形成した場合、IDT14におけるストリップの反射係数は十分な大きさとされ得る。また、反射器15,16についても、少ないストリップ本数で十分な反射係数を得られることになり、シェープファクタに優れた縦結合共振子型フィルタを形成することができ、かつ方向性の大きなSPUDTを形成することが可能となる。
上記実施形態の弾性境界波装置10においては、第3の媒質13が一定の厚みを有し、その上下に、第2の媒質12−第3の媒質13間の界面及び第3の媒質13−第1の媒質11間の界面が形成されているので、第3の媒質13の厚みが厚くなると、両界面間に閉じ込められて伝搬する高次モードが発生する。
前述したように、オイラー角(0°,105°,0°)のLiNbO3基板では、SV+P型境界波はほとんど励振せず、SH型境界波が主モードとなり、スプリアス応答となる高次モードも、SH型成分が主体の高次モードが強く励振される。従って、SH型の高次モードの抑制が重要である。上記3種類の媒質11〜13を積層してなる積層体を用いた弾性境界波装置では、第3の媒質13を薄くすると、第3の媒質13の上下の界面間に閉じ込められて伝搬する高次モードをカットオフすることができ、該高次モードを抑圧することができる。
図19及び図20は、IDTがそれぞれ、Al及びAuからなる場合の高次モードとSiO2層の厚みとの関係を示す。なお、SiN/SiO2/IDT/LiNbO3積層構造において、LiNbO3のオイラー角は(0°,105°,0°)とし、IDTの膜厚は0.05λとした。
図19から明らかなように、AlからなるIDTを用いた場合、SiO2の厚みが0.9λ以下では、SH型境界波高次モードスプリアスがカットオフされることになる。他方、AuからなるIDTを用いた場合には、図20に示すように、SiO2の厚みが0.7λ以下であれば、SH型境界波の高次モードをカットオフし得ることがわかる。従って、密度が大きいAuにより電極を形成した場合、高次モードをカットし得るSiO2、すなわち、第3の媒質13の厚みをより薄くすることができ、弾性境界波装置の小型化を図り得ることがわかる。
これは、密度の大きい導体を用いた場合は、第3の媒質13及びIDT14付近への振動エネルギーが集中しやすくなり、高次モードが生じやすく、第3の媒質13の厚みを薄くすることが望ましいことによる。また、図20から明らかなように、第3の媒質13を薄くした場合、主モードであるSH0と、例えばSH1で示される高次モードの音速が離れるため、主モードと高次モードとの応答周波数を離すことができ、望ましい。
図20から明らかなように、Au、すなわちAlよりも密度の大きな金属を用いてIDT14を形成した場合には、第3の媒質13の厚みを0.7λ以下とすれば、高次モードをカットオフすることができる。もっとも、製造ばらつきに対応したり、広い周波数帯域で高次モードをカットオフするには、第3の媒質13の厚みを0.5λ以下とすることがより望ましい。
なお、上記のように、SH型境界波が主モードである場合について説明したが、P+SV型境界波が主モードとなる場合には、P+SV型の高次モードが強く励振されることになる。従って、P+SV型の高次モードを抑制することが必要である。P+SV型の高次モードも、SH型境界波の高次モードの場合と同様に、第3の媒質13の厚みを薄くすることにより抑制することができ、かつ高次モードの応答周波数と主モードの応答周波数を同様に遠ざけることが可能となる。
P+SV型境界波の場合においても、第3の媒質13の厚みを0.7λ以下とすることにより主モードと高次モードの応答周波数を十分に離すことができ、より好ましくは、0.5λ以下とすることが望ましい。
なお、P+SV型境界波が主モードとなる条件は、例えば120°YカットX伝搬、オイラー角(0°,30°,0°)のLiNbO3基板を用いることにより容易に得ることができる。
図21〜図24は、第1の媒質11であるLiNbO3のオイラー角(0°,θ,0°)のθと、弾性境界波の音速、電気機械結合係数K2、伝搬損失、及び周波数温度係数TCFとの関係を示す各図である。なお、図21〜図24において、U2はSH成分を主体とする境界波の結果であり、U3はP+SV成分を主体とする境界波の結果である。なお、これらの結果を求めた条件は以下の通りである。
積層構造の詳細:SiN/SiO2/IDT/LiNbO3。すなわち、第1の媒質11がLiNbO3、第2の媒質12がSiN、第3の媒質13がSiO2である。
ここで、第2の媒質12のSiNの厚みを無限大、第1の媒質11の厚みを無限大とし、第3の媒質13であるSiO2の厚みは0.5λとし、IDT14はAuからなり、その厚みは0.07λとした。
図21〜図24から明らかなように、オイラー角のθが114°近傍において、P+SV型境界波によるスプリアスが小さく、SH型境界波の電気機械結合係数K2が大きくなる条件が存在することがわかる。
すなわち、好ましくは、オイラー角のθが92°>θ>114°の範囲では、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が1%以下となり、より好ましくは、オイラー角のθが96°>θ>111°の範囲では、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が0.5%以下となることがわかる。さらに好ましくは、100°>θ>108°の範囲では、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が0.1%以下となり、さらに、θ=104°において、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が0となり最適であり、かつSH型境界波の電気機械結合係数K2が14%と大きくなることがわかる。
図25〜図28は、図21〜図24と同様にして求められたオイラー角(0°,104°,ψ)のψと、弾性境界波の音速、電気機械結合係数K2、伝搬損失及び周波数温度係数TCFとの関係を示す各図である。
オイラー角のψは、弾性境界波の基板上の伝搬方向を表している。
図25〜図28より、オイラー角のψを0°〜60°の範囲とすることにより、SH型境界波の電気機械結合係数を0.1〜17.8%の範囲で調整し得ることがわかる。この付近において、スプリアスとなるP+SV型境界波の電気機械結合係数K2は、ψ=0°でほぼ0%であり、ψ=30°で0.4%、ψ=40°で0.7%、ψ=50°で1.4%と小さいことがわかる。
ψが60°より大きいと、P+SV型の電気機械結合係数K2は2.6%以上となり、SH型境界波の電気機械結合係数K2は0.1%以下と小さくなる。従って、P+SV型境界波を主モードとして利用し得ることがわかる。
図29〜図32は、図21〜図24として同様にして求められた、但しオイラー角(φ,104°,0°)のφと、弾性境界波の音速、電気機械結合係数K2、伝搬損失及び周波数温度係数TCFとの関係を示す各図である。
図29〜図32と、結晶の対称性により、好ましくは、オイラー角−25°>φ>25°及び95°>φ>145°の範囲において、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が1%以下となり、より好ましくは、オイラー角のφが−19°>φ>19°及び101°>φ>139°の範囲において、P+SV型の境界波の電気機械結合係数K2が0.5%以下となり、さらに好ましくは、φが−8°>φ>8°及び112°>φ>128°の範囲において、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2が0.1%以下となり、オイラー角のφ=0°及びφ=120°において、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2がほぼ0%となり、最適でありかつSH型境界波の電気機械結合係数K2は16.7%以上と大きくなることがわかる。
また、図21〜図24から、θ=30°近傍において、SH型境界波によるスプリアスが小さく、P+SV型境界波の電気機械結合係数K2の大きな条件が存在することがわかる。
オイラー角のθが15°>θ>41°の場合、SH型境界波の電気機械結合係数K2が1%以下となり、21°>θ>38°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が0.5%以下となり、より望ましいことがわかる。
さらに、26°>θ>34°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が0.1%以下となり、より一層望ましく、またオイラー角θ=30°において、SH型境界波の電気機械結合係数K2がほぼ0%となり最適であり、かつP+SV型境界波の電気機械結合係数K2が4%以上と大きくなることがわかる。
図33〜図36は、図21〜図24と同様にして求められた、オイラー角(0°,30°,ψ)のψと、弾性境界波の音速、K2、伝搬損失及び周波数温度係数TCFとの関係を示す各図である。
図33〜図36及び結晶の対称性により、オイラー角のψが−35°>ψ>35°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が1%以下となり、−20°>ψ>20°では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が0.5%以下となりより好ましいことがわかる。また、−8°>ψ>8°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が0.1%以下となり、より一層望ましく、ψ=0°の場合には、SH型境界波の電気機械結合係数K2がほぼ0%となり、最適であり、かつP+SV型境界波の電気機械結合係数K2が4.4%以上と大きくなることがわかる。
なお、オイラー角(0°,30°,0°)付近で、P+SV型境界波を利用する場合、伝搬角ψを35°以上とすると、SH型境界波の電気機械結合係数K2が大きくなり、スプリアス応答となる。しかしながら、スプリアス応答が商品設計面で許容される場合において、上記SH型境界波を主モードとした場合と同様に、伝搬角ψにより電気機械結合係数K2を調整すればよい。
図37〜図40は、図21〜図24の場合と同様にして求められた、但しオイラー角(φ,30°,0°)のφと、弾性境界波の音速、電気機械結合係数K2、伝搬損失及び周波数温度係数TCFとの関係を示す各図である。
図37〜図40と、結晶の対称性により、オイラー角のφが−32°>φ>32°及び88°>φ>152°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が1%以下となり、−21°>φ>21°及び95°>φ>145°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2が0.5%以下となり好ましいことがわかる。さらに、−9°>φ>9°及び111°>φ>129°の範囲では、SH型境界波の電気機械結合係数K2は0.1%以下となりより好ましく、オイラー角のφがφ=0°及びφ=120°では、SH型境界波の電気機械結合係数K2がほぼ0%となり最適であり、かつP+SV型境界波の電気機械結合係数K2は3.9%以上と大きくなることがわかる。
IDT電極に関しては、相対的に密度の高い第1の金属層と、相対的に密度の低い第2の金属層を交互に積層してもよく、金属の密度が3000〜21500kg/m3である金属層を少なくとも1層用いて形成しておれば、上記金属層にAl層を付加してIDTを形成してもよい。
図41〜図46は、上記実施形態の弾性境界波装置10の共振特性を実際に測定した結果を示し、図47及び図48は、周波数温度特性を測定した結果を示す各図である。
なお、図41〜図46及び図47,図48に示した結果を得た弾性境界波装置の詳細は以下の通りである。
第1の媒質11:LiNbO3、厚さ370μm。
第3の媒質13:SiO2、厚さ100nm、200nmまたは500nm。
第2の媒質12:SiNもしくはポリSi(PSi)により形成した。厚さは3.0μmとした。
IDT14:Al/Ti/Ni/Au/Niの5層の金属層を積層した構造を有し、Al/Ti/Ni/Au/Niの厚みはそれぞれ、100/10/10/45/10nmとした。
IDT14の電極指の対数は60対、反射器15,16の電極指の本数は51本とした。また、IDT14における交差幅は30λ、開口幅は30.4λとし、中央部の交差幅は30λ、弾性境界波伝搬方向両端部の交差幅は15λとなるように交差幅重み付けを施した。
IDT14と反射器15,16との間の電極指中心間距離は1.6μmとし、IDT14及び反射器15,16における電極指ピッチは0.8μmとした。また、電極指のライン幅を0.4μm、電極指間のスペースの境界波伝搬方向の幅方向寸法は0.4μmとした。
図41〜図43及び図47は第2の媒質12がSiNの場合の結果を、図44〜図46及び図48は第2の媒質12がPSiの場合の結果を示す。
図41〜図46から明らかなように、SiO2の厚みとSiNの厚みを変化させた場合、SiO2の厚みとポリSi(PSi)の厚みを変化させた場合のいずれにおいても、良好な共振特性の得られることがわかる。
また、図47及び図48から明らかなように、SiO2膜の膜厚を変化させることにより、共振周波数及び反共振周波数の温度特性TCFを調整し得ることがわかる。特に、SiO2膜の膜厚を厚くすることにより、周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができ、好ましいことがわかる。
なお、本発明は、図1に示した電極構造を有する弾性境界波共振子に限定されず、他の電極構造を有する弾性境界波共振子にも適用することができる。また、共振子に限定されず、ラダー型フィルタ、縦結合共振器型フィルタ、横結合共振器型フィルタ、トランスバーサル型フィルタ、弾性境界波光フィルタなどの弾性境界波を利用して構成され得る様々なフィルタ装置にも適用することができ、さらに弾性境界波光スイッチなどのスイッチング素子にも適用することが可能である。
また、電極材料は、Pt、Au、Ag、Cuに限らず、Alよりも密度ρが大きな他の金属、例えばNi、Ti、Fe、W、Taなどを用いてもよい。さらに、媒質との密着性や耐電力性を高めるために、TiやCr、NiCrまたはNiなどの密着性に優れた薄い金属層を媒質側に積層してもよく、あるいはIDT14などの電極を多層構造とし、電極を構成している金属層間に上記のような薄い密着層を形成してもよい。
また、1GHzを超える周波数帯で密度の大きな導体を用いてIDT14を形成した場合には、IDTを構成する導体の厚みが薄くなりすぎ、電極指ストリップの抵抗が大きくなるおそれがある。この場合には、密度の小さい導体と密度の高い導体、例えばAlとAuとを積層することなどにより、第2の媒質/第3の媒質/積層金属膜からなるIDT/第1の媒質とした構造とすることにより、電極の低抵抗化を図ることができる。
さらに、密度の大きな金属によるIDT近傍への振動エネルギーの集中効果が得られるため、それによって電気機械結合係数を大きくすることもでき、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2の媒質及び第3の媒質を形成するに先立ち、逆スパッタ、イオンビームミリング、反応性イオンエッチング、ウェットエッチングなどの様々な方法により、IDTの膜厚を調整し、それによって周波数調整を行ってもよい。
さらに、第3の媒質の厚みを、ミリングやエッチングなどにより薄くしたり、スパッタリングや蒸着などの堆積法を用いて追加成膜して厚くしてもよく、それによって周波数を調整してもよい。
第1〜第3の媒質11〜13は、前述した材料に限らず、Si、ガラス、SiO2、SiC、ZnO、Ta25、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス、AlN、Al2N、Al23、LiTaO3、KNなどの様々な絶縁性材料、圧電性材料により構成され得る。
また、各媒質は、複数の媒質層を積層した構造であってもよい。なお、本発明においては、IDT14は第3の媒質よりも大幅に低音速であることが望ましい。
IDT14と接している第3の媒質13または第1の媒質11が圧電性を有する場合には、弾性境界波の電気機械結合係数K2を大きくすることができ、望ましい。
第1の媒質11/IDT/圧電体の外側に、弾性境界波装置の強度を高めるために、腐食系ガスなどが侵入しないための保護層を形成してもよい。場合によっては、弾性境界波装置をパッケージに封入してもよい。上記保護層としては、特に限定されず、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの合成樹脂からなる保護層を用いてもよく、酸化チタンもしくは窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムなどの絶縁性無機材料により保護層を形成してもよく、Au、AlまたはWなどの金属により保護層を形成してもよい。
本発明のある広い局面によれば、圧電性を有する第1の媒質と、非導電物質である第2の媒質と、伝搬する遅い横波の音速が、前記第1,第2の媒質を伝搬する遅い横波よりも低音速である第3の媒質とが、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体と、前記第1の媒質と第3の媒質との間に配置されたIDTとを備える弾性境界波装置であって、前記IDTが、密度ρの金属からなる金属層を用いて構成されており、密度ρが4507〜21500kg/mの範囲にあり、前記IDTの厚みH1が、IDTの電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λの範囲にあり、前記第3の媒質の厚みH2がH1<H2≦0.7λの範囲にあることを特徴とする弾性境界波装置が提供される。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る弾性境界波装置では、圧電性を有する第1の媒質と、非導電物質である第2の媒質と、第1,第2の媒質よりも伝搬する遅い横波の音速が低音速である第3の媒質とが第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体と、第1の媒質と第3の媒質との間に配置されたIDTとを備える。そして、IDTが4507〜21500kg/mの範囲内の密度ρの金属を用いて構成されているので、弾性境界波の伝搬損失を低減することができ、弾性境界波装置における損失を低減することができる。
IDT14及び反射器15,16はAlよりも密度が大きい金属を用いて構成されている。すなわち、IDT14は、密度ρが4507〜21500kg/mの範囲にある金属を用いて構成されている。また、IDT14の厚みH1が、IDT14の電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λの範囲とされており、第3の媒質13の厚みH2が、H1<H2≦0.7λの範囲とされている。従って、低損失であり、小型化を進めることができ、弾性境界波の電気機械結合係数Kが大きく、高次モードスプリアスの影響が生じ難い、良好な特性を有する弾性境界波装置10を構成することができる。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
IDT電極に関しては、相対的に密度の高い第1の金属層と、相対的に密度の低い第2の金属層を交互に積層してもよく、金属の密度が4507〜21500kg/mである金属層を少なくとも1層用いて形成しておれば、上記金属層にAl層を付加してIDTを形成してもよい。
また、電極材料は、Pt、Au、Ag、Cuに限らず、Alよりも密度ρが大きな他の金属、例えばNi、Ti、Fe、W、Taなどを用いてもよい。なお、Niの密度は8845kg/m 、Tiの密度は4507kg/m 、Feの密度は7874kg/m 、Wの密度は19265kg/m であり、Taの密度は16678kg/m である。従って、Tiの密度である密度4507kg/m 以上の密度の金属を用いることができる。さらに、媒質との密着性や耐電力性を高めるために、TiやCr、NiCrまたはNiなどの密着性に優れた薄い金属層を媒質側に積層してもよく、あるいはIDT14などの電極を多層構造とし、電極を構成している金属層間に上記のような薄い密着層を形成してもよい。

Claims (10)

  1. 圧電性を有する第1の媒質と、
    非導電物質である第2の媒質と、
    伝搬する遅い横波の音速が、前記第1,第2の媒質を伝搬する遅い横波よりも低音速である第3の媒質とが、第1の媒質、第3の媒質及び第2の媒質の順に積層されている積層体と、
    前記第1の媒質と第3の媒質との間に配置されたIDTとを備える弾性境界波装置であって、
    前記IDTが、密度ρの金属からなる金属層を用いて構成されており、密度ρが3000〜21500kg/m3の範囲にあり、
    前記IDTの厚みH1が、IDTの電極指ピッチをλとしたときに、0.006λ≦H1≦0.2λの範囲にあり、前記第3の媒質の厚みH2がH1<H2≦0.7λの範囲にあることを特徴とする弾性境界波装置。
  2. 前記第3の媒質の厚みH2が、H1<H2<0.5λの範囲とされている、請求項1に記載の弾性境界波装置。
  3. 前記第3の媒質が、SiO2またはSiO2を主成分とする材料からなる、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
  4. 前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°及び−60°<ψ<60°の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  5. 前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−25°<φ<25°、92°<θ<114°及び60°<ψ<120°の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  6. 前記第1の媒質がLiNbO3からなり、第1の媒質のオイラー角〔φ,θ,ψ〕のφ、θ及びψが、−32°<φ<32°、15°<θ<41°及び−35°<ψ<35°の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  7. 前記IDTを構成している金属が、Pt、Au、Cu、Ag、Ni、Ti、Fe、W及びTaからなる群から選択された金属あるいは該金属を主成分とする合金である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  8. 前記IDTが、相対的に密度が高い第1の金属層と、相対的に密度が低い第2の金属層とが交互に積層されている構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  9. 前記第1の金属層が、前記第1の媒質側に配置されている、請求項8に記載の弾性境界波装置。
  10. 前記第1の媒質及び/または第2の媒質が、複数の媒質層を積層してなる積層体により構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
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