JP3815424B2 - 弾性境界波装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの固体層間の境界を伝搬する弾性境界波を利用した弾性境界波装置に関し、より詳細には、少なくとも1つの弾性境界波素子に、他の弾性境界波素子または弾性表面波素子が積層された構造を有する弾性境界波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話用のRFフィルタ及びIFフィルタ、並びにVCO用共振子及びテレビジョン用VIFフィルタなどに、各種弾性表面波装置が用いられている。弾性表面波装置は、媒質表面を伝搬するレイリー波や第1漏洩波などの弾性表面波を利用している。
【0003】
弾性表面波は、媒質表面を伝搬するため、媒質の表面状態の変化に敏感である。従って、媒質の弾性表面波伝搬面を保護するために、該伝搬面に臨む空洞を設けたパッケージに弾性表面波素子が気密封止されていた。このような空洞を有するパッケージが用いられていたため、弾性表面波装置のコストが高くならざるを得なかった。また、パッケージの寸法は、弾性表面波素子の寸法よりも大幅に大きくなるため、弾性表面波装置のサイズが大きくならざるを得なかった。
【0004】
他方、弾性波の中には、上記弾性表面波以外に、固体間の境界を伝搬する弾性境界波が存在する。
下記の特許文献1には、弾性境界波の一種であるストンリー波を利用した弾性境界波装置が開示されている。図23は、この弾性境界波装置500を示す模式的断面図である。ここで、ガラス基板501上にIDT502が形成されており、ガラス基板501のIDT502が形成されている面上にZnOなどからなる圧電媒質層503が形成されている。ガラス基板501と圧電媒質層503の厚さが、弾性境界波の5波長以上とされ、かつガラスの密度と剛性率が所望の値とされていることにより、ストンリー波が伝搬することが示されている。
【0005】
上記弾性境界波装置500では、弾性境界波のエネルギーはガラス基板501と圧電媒質層503の境界に集中する。そして、ガラス基板501の表面501a及び圧電媒質層503の表面503aには弾性境界波のエネルギーはほとんど存在しない。なお、ガラス基板501及び圧電媒質層503の表面501a,503aとは、それぞれ、上記IDT502が形成されている境界面とは反対側の面をいうものとする。上記のように、ガラス基板501及び圧電媒質層503の表面501a,503aには、弾性境界波のエネルギーはほとんど存在しないため、ガラス基板501や圧電媒質層503の表面501a,503aの状態の変化により特性が変化し難い。従って、この先行技術に記載の弾性境界波装置500では、空洞構造を有するパッケージを必要としない。
【0006】
また、下記の非特許文献1には、[001]−Si(110)/SiO2/X−LiNbO3構造を伝搬するMT波(Maerfeld Tournois波)と称されている漏洩型弾性境界波が示されている。このタイプの弾性境界波は、ストンリー波に比べて電気機械結合係数k2が大きいという特徴を有する。図24は、非特許文献1に示されている弾性境界波装置を説明するための模式的断面図である。弾性境界波装置510では、Y−X LiNbO3基板511上にIDT512が形成されている。そしてIDT512を覆うようにSiO2層513が形成されている。また、SiO2層513上に[001]−Si(100)層514が形成されている。
【0007】
MT波も弾性境界波であるため、MT波を利用した弾性境界波装置510は、特許文献1に記載の弾性境界波装置と同様に、空洞を有するパッケージを必要としない。
【0008】
【特許文献1】
特公平2−47889号公報
【非特許文献1】
「Si/SiO2/LiNbO3構造伝搬する高圧電性境界法」(第26回 EMシンポジウム,H9年5月,pp53−58)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯電話の多機能化及び軽薄短小化に伴って、使用されている電子部品に対して小型化の要求がより一層高まっている。例えば、RF段間用SAWフィルタの平面形状の寸法を例にとると、1998年には、SAWフィルタの寸法は主として3.8×3.8mm2であったのに対し、2000年には3.0×3.0mm2、2002年には2.0×1.6mm2以下の寸法が要求されている。さらに、数年後には、SAWフィルタの平面形状の寸法を1mm2以下とすることが求められると考えられる。
【0010】
上述した弾性境界波装置では、空洞を有するパッケージ構造を採用せずともよいため、弾性表面波装置に比べて小型化を進め得るという利点を有する。しかしながら、従来の弾性境界波装置においても、素子自体の寸法は、従来の弾性表面波素子と同等であり、さらなる小型化を図るのが、困難であった。図25は、従来提案されている弾性境界波装置に基づいて設計された1GHz帯RF段間用フィルタの電極配置を示す模式的平面断面図である。なお、図25では、電極が形成されている境界面が模式的平面断面図で示されている。
【0011】
図25から明らかなように、1GHz帯RF段間用フィルタを構成する場合、弾性境界波装置521では、LiNbO3基板などからなる固体層522の上面に、多数のIDT523a〜523e、反射器524a〜524j、電極パッド525a〜525c及び配線電極などを形成しなければならない。従って、弾性境界波装置521自体の平面形状の大きさを1mm2以下とすることはできなかった。
【0012】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、素子サイズをより一層小型とし得る弾性境界波装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明によれば、複数の弾性境界波素子が積層されている積層体を備え、前記各弾性境界波素子が、圧電体からなる第1の固体層と、第1の固体層に積層されておりかつ圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、第1,第2の固体層間の境界に配置された弾性境界波励振用IDTと、隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に配置された弾性吸収層とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置が提供される。
第1の発明では、隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に配置された弾性波吸収層がさらに備えられており、それによって、直達弾性波が吸収され、弾性境界波素子間のクロストークが抑制される。従って、例えばフィルタ構成された場合、フィルタ特性の劣化を抑制することができる。
【0014】
本願の第2の発明の広い局面によれば、圧電体からなる第1の固体層と、第1の固体層に積層されており、圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、第1,第2の固体層間の界面に配置された弾性境界波励振用IDTと、前記第1の固体層の表面に形成された弾性表面波励振用IDTとを備える、弾性境界波装置が提供される。
本発明の別の広い局面によれば、複数の弾性境界波素子が積層されている積層体を備え、前記各弾性境界波素子が、圧電体からなる第1の固体層と、第1の固体層に積層されておりかつ圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、第1,第2の固体層の境界に配置された弾性境界波励振用IDTとを備え、前記複数の弾性境界波素子の内少なくとも2つが電気的に並列、または直列に接続されていることを特徴とする弾性境界波装置が提供される。
また、好ましくは、前記複数の弾性境界波素子の内少なくとも2つがスルーホールを介して接続されている。
【0015】
第1の発明のある特定の局面では、圧電体と、圧電体の一方面に形成された弾性表面波励振用IDTを備える弾性表面波素子が、前記積層体の外表面に積層されている。従って、外表面に弾性表面波素子が構成されるため、より一層小型でかつ多機能のデバイスを提供することができる。
【0016】
第1の発明のさらに他の特定の局面では、隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に配置された導体層をさらに備えられ、それによって弾性境界波素子間における直達電磁波が抑制され、例えばフィルタを構成した場合には大きな減衰量を確保することができる。
【0018】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に、前記第1,第2の固体層と音響インピーダンスが異なる第3の固体層の配置されている。従って、該音響インピーダンスの異なる第3の固体層の配置により、直達弾性波が反射され、弾性境界波素子間のクロストークが抑制される。よって、フィルタを構成した場合、フィルタ特性の劣化が抑制される。
【0019】
第1の発明のある特定の局面では、前記弾性境界波励振用IDTが配置されている境界以外の固体層間の境界が、前記弾性表面波励振用IDTが配置されている境界よりも平坦でないように構成されている。この場合には、弾性境界波励振用IDTが配置されている境界以外の固体層間の境界が平坦でないため、直達バルク波や境界で反射される不要バルク波の抑制が図られる。
【0020】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、1つの弾性境界波素子に配置された弾性境界波励振用IDTと、他の1つの弾性境界波素子に配置された弾性境界波励振用IDTの位置が積層方向においてずれている。この場合には、直達電磁波が抑制され、フィルタを構成した場合の減衰量を大きくすることができる。また、直達容量を減らすことができる。
【0021】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、異なる弾性境界波素子の弾性境界波励振用IDT間に接続されたインダクタンス素子をさらに備えられる。この場合には、並列共振により、フィルタを構成した場合の通過帯域近傍の直達容量を低減することができ、良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0022】
第1の発明のさらに他の特定の局面では、少なくとも2個の弾性境界波素子が、前記積層体に設けられたスルーホール電極により電気的に接続されており、かつ該スルーホール電極内に弾性体が充填されている。少なくとも2個の弾性境界波素子が上記スルーホール電極により電気的に接続されている場合には、弾性境界波素子の表面を平坦とすることができ、加工が容易となる。また、弾性波の不要反射を小さくすることができる。さらに、上記弾性体の充填により、スルーホール内の気体による、加熱時の破裂を抑制することができる。
【0023】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、少なくとも2個の弾性境界波素子が前記積層体に設けられたスルーホール電極により電気的に接続されており、かつ該スルーホール電極が複数のスルーホール電極部を有し、積層体のある高さ位置の面の上下のスルーホール電極部の位置が異なっており、該面において面方向に沿った電気的接続部を介して互いに電気的に接続されている。スルーホールが、ある高さ位置の面の上下のスルーホール部の位置が異なるように構成されている場合には、スルーホール周辺から進行する腐食を抑制することができ、耐腐食性及び耐湿性を高めることができる。
【0024】
第1の発明のさらに他の特定の局面では、少なくとも2個の弾性境界波素子間の電気的接続が、前記積層体の外表面に設けられた配線電極により行われている。この場合には、配線電極を容易に形成することができる。また、スルーホール電極を用いた場合の弾性波の不要反射も生じ難い。
【0025】
好ましくは、積層体の外表面に段差部が設けられており、該段差部に上記配線電極が形成される。段差部の形成により、配線電極と境界面に設けられたIDTなどとの電気的接続の信頼性が高められ、かつウエハー工程における一括配線工法を採用することができる。
【0026】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面、及び/または前記積層体の外表面に配置されており、前記弾性境界波素子の弾性境界波励振用IDTが形成されている境界面と平行な方向の線膨張係数が弾性境界波素子を構成している第1,第2の固体層の線膨張係数よりも小さい、または該線膨張係数と極性が異なる線膨張係数を有する温度特性改善層をさらに備えられる。この場合には、上記温度特性改善層の存在により、弾性境界波装置の温度特性を改善することができる。
【0027】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、前記弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面、及び/または前記積層体の外表面に、隣接する弾性境界波素子よりも熱伝導率が高い高熱伝導率層が配置されている。この場合には、境界波装置の放熱性を高めることができ、耐電力性も高められる。
【0028】
第1の発明のさらに別の特定の局面では、弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面に空隙が設けられるように、弾性境界波素子同士が空隙形成部材を介して接合されている。このように、弾性境界波素子は、直接密着した状態で積層されてもよく、あるいは空洞形成部材を介して接合されてもよい。
【0029】
第1の発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に回路素子が形成されている。このように、弾性境界波素子間または積層体の外表面に回路素子を形成することにより、インピーダンス整合回路などを弾性境界波装置に組み込むことができ、より多機能の弾性境界波装置を提供することができる。
【0030】
第1,第2の発明のさらに別の特定の局面では、弾性境界波装置が搭載されるベース基板がさらに備え、該ベース基板側から実装されるように構成され、該ベース基板が応力緩衝体を構成している。この場合には、ベース基板によりプリント回路基板などの曲げによる応力が緩和され、弾性境界波装置の特性の変動を抑制することができ、かつ信頼性を高めることができる。
【0031】
上記ベース基板は、特に限定されないが、好ましくは、弾性境界波素子を構成する第1,第2の固体層よりも硬質の材料により構成される。
【0032】
第1,第2の発明に係る弾性境界波装置では、好ましくは、第1,第2の固体層の厚みが、弾性境界波の波長λとしたときに、λ以上とされる。λ以上の厚みとすることにより、第1,第2の固体層の表面における弾性境界波のエネルギーをほぼ0とすることができる。
【0033】
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法は、第1の発明に係る弾性境界波装置を得る方法であり、圧電体からなる第1の固体層と圧電体または絶縁体からなる第2の固体層とを、間に弾性境界波励振用IDTを介して積層して弾性境界波素子を形成する工程と、前記弾性境界波素子を形成する工程を繰り返すことにより前記積層体を得る工程、または複数の前記弾性境界波素子を積層する工程とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のある特定の局面では、前記弾性境界波素子間の界面の内、少なくとも1つの界面に弾性波吸収層を配置する工程をさらに備え、前記弾性波吸収層及び前記弾性境界波励振用IDTを介して第1,第2の固体層を接合するに際し、前記弾性波吸収層内のガスを脱気することがさらに備えられる。この場合には、弾性波吸収層内のガスが脱気されるため、ガスの残存による問題を解決することができる。すなわち、例えば弾性波吸収層樹脂などで構成した場合、内部にガスが残留していると、リフロー時に爆発を引き起こすおそれがある。また、経時的な脱気により弾性境界波素子に応力変化が生じ、周波数特性が経時により変化するおそれもある。ところが、弾性境界波装置を得るにあたり、上記のように弾性波吸収層内のガスを予め脱気しておけば、このような問題は生じない。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。弾性境界波装置1は、複数の弾性境界波素子2〜4を積層してなる積層体を有する。弾性境界波素子2〜4は、それぞれの弾性境界波伝搬面が平行となるように積層されている。もっとも、接着剤を介して積層した場合に接着剤層の厚みばらつきにより上下の弾性境界波素子の弾性境界波伝搬面が平行からずれることもある。従って、弾性境界波伝搬面同士が±30°以内程度の角度をなしていてもよい。弾性境界波素子2〜4は、本実施例では、同様に構成されている。弾性境界波素子2では、第1の固体層2a上にIDT2bが形成されており、IDT2bが形成されている第1の固体層2a上に、第2の固体層2cが形成されている。すなわち、IDT2bは、第1,第2の固体層2a,2c間の境界に配置されている。
【0037】
第1の固体層2aは、本実施例では、LiNbO3単結晶により構成されている。もっとも、第1の固体層2aを構成する材料は、LiNbO3単結晶以外の圧電単結晶、あるいは圧電セラミックスにより構成されてもよい。すなわち、第1の固体層2aは、任意の圧電材料で構成され得る。
【0038】
IDT2bを構成する材料についても特に限定されず、Al、Cuなどの適宜の金属もしくは合金によりIDT2bが構成される。本実施例では、IDT2bは、Alにより構成されている。
【0039】
第2の固体層2cは、圧電体または絶縁体からなり、本実施例では、SiO2により構成されている。圧電体としては、LiNbO3などの圧電単結晶または、圧電セラミックスを用いることができ、絶縁体としては、SiO2以外のガラスなどの他の適宜の絶縁性材料を用いることができる。
【0040】
弾性境界波素子3,4は、弾性境界波素子2と同様に構成されており、それぞれ、第1の固体層3a,4a、IDT3b,4b及び第2の固体層3c,4cを有する。
【0041】
弾性境界波素子2では、IDT2bに交流電圧を印加することにより、第1,第2の固体層2a,2c間の境界で弾性境界波が励振される。この場合、弾性境界波のエネルギーの大半は、第1,第2の固体層2a,2c間の境界から、厚み方向において波長λまでの範囲に集中する。なお、波長λは、励振される弾性境界波の波長である。
【0042】
また、上記境界の上下λ〜3λの範囲で弾性境界波のエネルギーがほぼ完全に閉じ込められる。従って、固体層2a,2cの厚みは、λ以上とすることが望ましく、より望ましくは3λ以上とされる。
【0043】
従って、第1,第2の固体層2a,2cの厚みをλ以上、より好ましくは3λ以上とすることにより、弾性境界波が第1,第2の固体層2a,2cの表面2a1,2c1の状態の影響を受けることがない。
【0044】
なお、表面2a1,2c1とは、第1,第2の固体層2a,2cの上記境界とは反対側の面をいうものとする。以下、本明細書において、固体層の表面とは、同様に、弾性境界波が伝搬する境界とは逆の面をいうものとする。
【0045】
また、本発明において用いられる弾性境界波とは、前述したストンリー波やMT波だけでなく、他の形態のものをも広く含むものとする。
本実施例の弾性境界波装置1では、複数の弾性境界波素子2〜4が積層されているため、図25に示した弾性境界波装置521に比べて、平面形状を小さくすることができる。
【0046】
また、弾性境界波の音速は2000〜10000m/秒程度であるため、1GHzで動作する弾性境界波装置1を構成した場合、波長は2μm〜10μm程度である。従って、弾性境界波素子2〜4を積層したとしても、積層による装置全体の厚みの増加は、さほど問題とはならない。すなわち、厚みをさほど増加させることなく、平面形状が小さな弾性境界波装置を提供することができる。
【0047】
次に、弾性境界波装置1の製造方法の一例を示す。LiNbO3単結晶基板からなる第1の固体層2a上に、AlによりIDT2bをフォトリソグラフィー−エッチング法により形成する。次に、RFマグネトロンスパッタによりSiO2層を形成する。次に、SiO2層の表面を、例えばエッチバック法により平滑化する。このようにして、SiO2からなる第2の固体層2cを形成する。
【0048】
第2の固体層2cの表面2c1を平滑化する理由は以下の通りである。すなわち、IDT2bを形成した後に、SiO2層を形成すると、SiO2層の表面がIDTの突出高さにより、凹凸を有することとなる。SiO2層の表面が凹凸を有している場合、次に形成される弾性境界波素子3の第1の固体層3aのIDT形成面に凹凸が生じ、第2の弾性境界波素子3の境界が平坦化されなくなる。従って、上記のように第2の固体層2cの表面2c1が平滑化されている。
【0049】
次に、レーザーアブソレーション法により、LiNbO3を形成し、第1の固体層3aを形成する。さらに、アルミニウムによりIDTを形成し、RFマグネトロンスパッタによりSiO2膜を形成した後、SiO2膜の上面をエッチバック法により平滑化する。このようにして、第1の弾性境界波素子2上に、弾性境界波素子3が積層された構造が得られる。同様にして、弾性境界波素子4を形成することにより、弾性境界波装置1を得ることができる。
【0050】
この場合、LiNbO3単結晶基板からなる弾性境界波素子2の第1の固体層2aの厚みは100λ以上とすればよく、LiNbO3からなる第1の固体層3a,4aの厚みは10λ程度、SiO2からなる第2の固体層2c,3c,4cの厚みは10λ程度、IDTの厚みは0.02λ程度とすることができ、従って全体として150λ程度の厚みの弾性境界波装置1を構成することができる。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。弾性境界波装置11では、弾性境界波素子12〜14が積層されている。第2の実施例では、弾性境界波素子12〜14の第1の固体層12a,13a,14aは、ZnOにより構成されており、第2の固体層12c,13c,14cはホウケイ酸ガラスにより構成されている。また、IDT12b,13b,14bは、Alにより構成されている。
【0052】
そして、第2の実施例では、このようにして構成されている各弾性境界波素子12〜14を形成した後に、弾性境界波素子12〜14がAg充填剤を含有しているエポキシ系接着剤15,16により貼り合わされて、積層され弾性境界波装置11が構成されている。すなわち、第1の実施例では、弾性境界波素子を形成する工程を順次形成することにより積層体を得たのに対し、第2の実施例では、個々の弾性境界波素子12〜14を得た後に、接着剤により弾性境界波素子を貼り合わせることにより積層が行われている。
【0053】
第1の固体層12a,13a,14aの厚みは、特に限定されないが、例えば30λ程度、ZnOからなる第1の固体層12a,13a,14aの厚みは10λ程度、IDT12b,13b,14bの厚みは0.02λ程度とすることができる。
【0054】
また、接着に際しては、先ず、例えばスピンコーティングにより室温で貼り合わされる一方の弾性境界波素子に接着剤が塗布される。次に、真空中で接着剤中のガスが脱気され、さらに真空中で他方の弾性境界波素子が搭載され、150℃にて接着剤の加熱・硬化が行われる。
【0055】
なお、第2の実施例では、エポキシ系接着剤15,16が用いられたが、複数の弾性境界波素子を接着するに際しては、他の接着剤を用いてもよい。また、接着剤は、弾性境界波素子を接着するだけでなく、弾性境界波素子から漏洩してきたバルク波を吸収する機能をも果たす。すなわち、弾性波吸収層としての機能をも果たす。このような弾性波吸収層としても機能する接着剤としては、上記エポキシ系接着剤に限定されず、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリイミド系接着剤などの弾性波の伝搬損失が大きい適宜の材料を主成分とするものを用いることができる。
【0056】
また、本実施例では、上記エポキシ系接着剤15,16にAg充填剤が含有されている。このようにAgのような導電性充填剤が接着剤に含有されている場合、隣り合う弾性境界波素子間の直達電磁波を抑制することができる。
【0057】
なお、上記弾性波吸収層として接着剤が機能する場合、充填剤の径が問題となる。すなわち、充填剤の径が大きくなると、弾性波吸収層が厚くなる。バルク波の漏洩が少ない場合には、充填剤の径を1〜20μm程度として弾性波吸収層の厚みを薄くすればよい。逆に、バルク波の漏洩が多い場合には、充填剤の径を10〜100μm程度とし、弾性波吸収層を厚くすればよい。
【0058】
また、Agのような金属充填剤すなわち熱伝導率が弾性境界波素子を構成する固体層よりも高い高熱伝導率の充填剤が含有されている場合には、隣り合う弾性境界波素子間の熱伝導性が高められる。従って、弾性境界波装置11全体の放熱性が高められ、大電力投入時の温度上昇が緩和され、耐電力性が高められる。
【0059】
また、一般に、音響インピーダンスが異なる媒質間を弾性波が伝搬する場合、境界面で、弾性波が反射される。弾性境界波装置11においては、上記エポキシ系接着剤15,16の音響インピーダンスが、隣り合う弾性境界波素子の音響インピーダンスと異なるため、接着剤15,16は、隣り合う弾性境界波素子間の弾性波の漏洩を軽減する機能をも果たす。
【0060】
より具体的には、例えば、接着剤15を例に取ると、弾性境界波素子12の第2の固体層12cと、弾性境界波素子13の第1の固体層13aとの間に接着剤15が存在し、従って第2の固体層12cと第1の固体層13aとの間の弾性波の漏洩を接着剤15により抑制することができる。
【0061】
なお、単位体積あたりの音響インピーダンスは、密度とヤング率に依存する。従って、音響インピーダンスを異ならせるには、接着剤15,16の密度及び/またはヤング率を、弾性境界波素子12〜14の接着剤15,16と接触している固体層の密度及び/またはヤング率と異ならせればよい。
【0062】
上述したように、接着剤15,16は、弾性境界波素子12〜14を接着しているだけでなく、導電性充填剤含有弾性波吸収層としての機能、金属充填剤含有高熱伝導率層としての機能、並びに音響インピーダンスが異なる弾性波反射層としても機能する。もっとも、上記接着剤15,16は、弾性波吸収層、高熱伝導率層及び弾性波反射層の全ての機能を具備している必要は必ずしもなく、これらの1つの機能のみを有するものであってもよい。
【0063】
さらに、接着剤に代えて、これらの弾性波吸収層、高熱伝導率層及び/または弾性波反射層としての機能を有する材料層を介在させてもよい。その場合には、弾性境界波素子12〜14を貼り合わせるために、接着剤を併用すればよい。
【0064】
図3は、本発明の第3の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。
弾性境界波装置21は、圧電体からなる第1の固体層21aと、IDT21bと、絶縁体からなる第2の固体層21cとを有する。第1の固体層21a,IDT21b及び第2の固体層21cは、第1の実施例の弾性境界波素子の第1の固体層2a、IDT2b及び第2の固体層2cと同様に構成され得る。もっとも、図3では、第1,第2の固体層21a,21cの上下の位置関係は、図1に示した第1,第2の固体層2a,2cと逆転されている。
【0065】
本実施例の特徴は、第1の固体層21aの表面21a1上に、弾性表面波励振用IDT22が形成されていることにある。すなわち、弾性境界波装置21では、第1,第2の固体層21a,21c及び境界に存在する弾性境界波励振用IDT21bからなる弾性境界波素子に、さらに弾性表面波励振用IDT22が組み合わされている。従って、弾性境界波素子と、弾性表面波素子とが複合化されているため、小型で多機能の弾性境界波装置21を提供することができる。
【0066】
このように、本発明においては、弾性境界波素子の圧電体からなる第1の固体層表面に、弾性表面波励振用IDTを形成することにより、弾性表面波装置をも複合化させてもよい。
【0067】
また、弾性境界波装置21では、第1の固体層21aの表面21a1にのみ弾性表面波励振用IDT22が形成されていたが、第2の固体層21cも圧電体で形成されている場合には、第2の固体層21cの表面21c1にも弾性表面波励振用IDTを形成してもよい。
【0068】
図4は、本発明の第4の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。弾性境界波装置31では、第1の固体層31a,IDT31b及び第2の固体層31cからなる弾性境界波素子に、弾性表面波装置32が積層されている。弾性表面波素子32は、表面波基板32aと表面波基板32a上に形成されたIDT32bとを有する。表面波基板32aとしては、圧電基板、圧電基板上に圧電薄膜を形成した構造、あるいは絶縁基板上に圧電薄膜を形成した構造のものを用いることができる。
【0069】
図4に示されているように、本発明においては、弾性境界波素子上に弾性表面波素子をさらに積層してもよい。この場合においても、弾性境界波素子と弾性表面波素子とが複合化された弾性境界波装置31が得られるため、平面形状の小型化及び弾性境界波装置の多機能化を進めることができる。
【0070】
次に、図5〜図9を参照して、本発明の第5の実施例に係る弾性境界波装置を説明する。
図5は、第5の実施例に係る弾性境界波装置51の略図的正面図である。弾性境界波装置51では、弾性境界波素子52〜56が積層されている。図5の右側に弾性境界波素子56を拡大して断面図で示すように、弾性境界波素子56は、第1の固体層56a、IDT56b、第2の固体層56c及び導電膜56dを積層した構造を有する。導電膜56dは、第2の固体層56cの表面56c1上を覆うように形成されている。他の弾性境界波素子52〜55も同様に構成されている。また、最上部の弾性境界波素子56上には、図5に左側に示されているように、導電膜57が電磁シールド機能を果たすために設けられている。
【0071】
最下部の弾性境界波素子52においては、図6に示すように、第2の固体層52cの面積が第1の固体層52aの面積よりも小さくされており、それによって第1の固体層52aの境界面の一部が露出されており、該露出部分に電極パッド52d,52eが形成されている。電極パッド52d,52eは外部と電気的接続を行うために設けられている。
【0072】
弾性境界波装置51の弾性境界波素子52〜56のそれぞれの境界面に形成されている電極形状及び電気的接続状態を図7に略図的平面図で示す。また、図7の下方には、上記導電膜56d,57の形状を合わせて平面図で示す。
【0073】
より具体的には、図7に示すように、弾性境界波素子52〜56は、それぞれ、IDTと、IDTの表面波伝搬方向両側に配置された反射器を有する。図7において、IDTを符合Aを反射器をB,Cで示す。すなわち、弾性境界波素子52〜56は、それぞれ、1ポート型弾性境界波共振子を構成している。そして、図7に示すように、弾性境界波素子52〜56が電気的に接続されて、ラダー型フィルタが構成されている。このラダー型フィルタの回路図を図8に示す。
【0074】
上記のように、本発明によれば、多数の弾性境界波素子を積層して、ラダー型フィルタなどの複雑な回路を、チップ面積を増大させることなく構成し得ることがわかる。
【0075】
なお、図7及び図8に示したラダー型フィルタの回路構成は、図25に示した従来の弾性境界波装置の回路構成に相当する。本実施例では、チップサイズが0.6×0.4mm2とすることができ、同等の性能を有するラダー型フィルタを図25に示した従来例で構成した場合に比べて、面積を1/8とすることができ、大幅な小型化を実現し得ることが確かめられた。
【0076】
なお、弾性境界波素子52〜56の第1,第2の固体層及びIDTは、第1の実施例の弾性境界波素子2とほぼ同様に構成されている。
ところで、本実施例のように、複数の弾性境界波素子を積層した場合、入力IDTと出力IDTの位置が重なる場合には、入力IDTから出力IDTに大きな直達電磁波信号が到達するおそれがある。直達電磁波信号が大きい場合には、フィルタを構成した場合の帯域外減衰量が劣化する。
【0077】
図10は、弾性境界波装置により帯域フィルタを構成した場合の減衰量−周波数特性を模式的に示す図であり、上記直達電磁波信号が大きい場合には、破線で示す特性となる。これに対して、本実施例では、各弾性境界波素子間に、導電膜56dが配置されおり、それによって直達電磁波信号が抑制される。従って、図10に実線で示す減衰量周波数特性のように、帯域外減衰量の拡大を図ることができる。なお、導電膜56d,57は、アルミニウムなどの適宜の金属材料により構成され得る。
【0078】
なお、図7では、各弾性境界波素子52〜56間の電気的接続は略図的に示されているが、本実施例では、弾性境界波素子間の電気的接続は、スルーホール電極により行われている。弾性境界波が弾性境界波素子の第1,第2の固体層間の境界を伝搬する場合、IDTが形成されている領域のみを伝搬するのではなく、図9に示すように、IDTから弾性表面波伝搬と直交する方向において外側に僅かに染み出しながら伝搬する。
【0079】
従って、スルーホール電極を用いた場合、スルーホール電極内に空洞を有する場合には、スルーホール電極部分と、第1,第2の固体層との音響インピーダンス差が大きくなる。よって、スルーホール電極部分の反射係数が大きくなり、弾性境界波が反射、散乱もしくは共振するおそれがある。そのため、所望でないスプリアスやリップルが特性上に現れたり、減衰量が劣化したりするおそれがある。
【0080】
そこで、好ましくは、スルーホール電極は、貫通孔内に導電膜を形成してスルーホール電極を形成した後、空洞が生じないようにスルーホール電極内に弾性体を充填することが望ましい。弾性体を充填することにより、スルーホール電極部分と、第1,第2の固体層との間の音響インピーダンス差が緩和される。
【0081】
また、IDTの形成は、フォトリソグラフィーにより行われるが、スルーホール電極が空洞を有する場合には、レジストの塗布やウエハー段階における真空吸着などにより不具合を生じるおそれがあるが、上記のように弾性体をスルーホール電極の空洞に充填しておくことにより、このような不具合を避けることができる。
【0082】
さらに、上記弾性体としてCuなどの導体を用いた場合には、スルーホール電極による配線抵抗を低めることもできる。
なお、スルーホール電極の貫通孔部分が弾性体で充填されていない場合には、外部から気体が弾性境界波素子の中心部まで侵入しやすくなる。従って、腐食性ガスが侵入した場合、性能の劣化を引き起こすおそれがある。
【0083】
また、スルーホール電極内部の空洞が弾性体により充填されている場合であっても、弾性境界波素子を構成する固体層と上記弾性体とで熱膨張率や弾性率が異なるため、応力が生じ、クラックなどが入りやすくなる。また、外部からの腐食性ガスの侵入が生じるおそれもある。特に、弾性境界波素子の一部の固体層がSiO2やZnOなどの多結晶体で構成されている場合には、上記クラックを経由して腐食性ガスが進入し、電極などの腐食が生じるおそれがある。
【0084】
そこで、好ましくは、上記スルーホール電極を形成する場合、図11及び図12に示すスルーホール電極61,62を形成することが望ましい。図11に示すスルーホール電極61は、弾性境界波素子62〜64が積層されている弾性境界波装置において、弾性境界波素子64の境界液が伝搬する境界面から弾性境界波素子63の境界液が伝搬する境界面に至るスルーホール部61aと、弾性境界波素子63の境界液が伝搬する境界面から弾性境界波素子62の境界液が伝搬する境界面に至るスルーホール部61bと、弾性境界波素子62の境界液が伝搬する境界面から弾性境界波素子62の固体層62aの表面62a1に及ぶスルーホール部61cとを有する。そして、スルーホール部61a〜61cは、積層構造において厚み方向に重ならないように配置されており、スルーホール部61a,61b間が接続導電部61dにより、スルーホール部61b,61c間が接続導電部61eにより電気的に接続されている。接続導電部61d,61eは、それぞれ、弾性境界波素子63,64内の上記境界面に形成されている。
【0085】
他方、図12に示すスルーホール電極65では、スルーホール部65a,65b,65c,65dが、接続導電部65e,65f,65gを介して接続されている。ここでは、スルーホール部65a,65b,65c,65dは、それぞれ、弾性境界波素子66の第1の固体層66a、第2の弾性境界波素子67の第2の固体層67c、第2の弾性境界波素子の第1の固体層67a及び第1の弾性境界波素子68の第2の固体層68cをそれぞれ貫くように形成されている。また、図12に示すスルーホール電極65においても、隣り合うスルーホール部は、積層方向において重なり合わないように配置されている。
【0086】
すなわち、図11及び図12に示したように、上下のスルーホール部の位置が異なっており、積層体の上記境界波伝搬面と平行なある高さ位置の面に形成された接続導電部により上下のスルーホール部が接続されているスルーホール電極を設けることにより、腐食性ガスの浸入を抑制することができ、信頼性を高めることができる。この場合、弾性境界波伝搬面と平行なある高さ位置の平面とは、弾性境界波伝搬面であってもよく、隣接する弾性境界波素子間の界面であってもよく、あるいは第1または第2の固体層の中間高さ位置に存在する面であってもよい。
【0087】
図13及び図14は、本発明の第6の実施例に係る弾性境界波装置の分解斜視図及び電極の平面形状を説明するための模式的平面図である。
図13に示すように、弾性境界波装置71では、第1,第2の弾性境界波素子72,73が積層されている。第1の弾性境界波素子72は、第1の固体層72aを有する。第1の固体層72aの上面には、IDT72b,72cと、IDT72b,72cの両側に配置された反射器72d,72eと、入力電極パッド72f,72gとが形成されている。そして、第1の固体層72hに、第2の固体層72eが積層されて、第1の弾性境界波素子72が構成されている。
【0088】
同様に、第2の弾性境界波素子73では、第1の固体層73a上に、IDT73b,73c及び反射器73d,73eが形成されており、さらに入力電極パッド73f,73gが形成されている。また、第1の固体層73a上に、第2の固体層73hが積層されている。
【0089】
第1,第2の弾性境界波素子72,73は、それぞれ、縦結合型の弾性境界波フィルタを構成している。
また、IDT72cに接続されるように、スルーホール電極74,75が形成されている。スルーホール電極74,75は、第1の固体層72a及び第2の固体層73hを貫くように形成されている。スルーホール電極74,75は、IDT72cと、IDT73bとを電気的に接続するように構成されている。従って、弾性境界波装置71では、2段の縦結合型弾性境界波フィルタが縦続接続されている。このように、2段の縦結合型弾性境界波フィルタを積層することにより、2段縦続型の弾性境界波装置の平面形状を小さくすることができる。
【0090】
また、図13及び図14から明らかなように、下から第1の固体層73a、第2の固体層73h及び第2の固体層72hの順に、境界波伝搬方向と直交する寸法が、順に小さくなっている。すなわち、図14から明らかなように、第1の固体層73aの幅方向寸法をc、第2の固体層73hの幅方向寸法をb、第1の固体層72aの幅方向寸法をb、第2の固体層72hの幅方向寸法をaとしたとき、c>b>aとされている。
【0091】
従って、得られた弾性境界波装置では、入力電極パッド72f,72g及び出力電極パッドが外部に露出することになるため、入力電極パッド72f,72g及び出力電極パッド73f,73gを用いて外部と容易に電気的に接続することができる。
【0092】
また、弾性境界波装置71では、第1の弾性境界波素子に構成された入力用IDT72bと、第2の弾性境界波素子73に設けられた出力側IDT73cとが積層方向においてずらされて配置されている。従って、入力側IDT72bと出力側IDT73c間における直達電磁波やバルク波の漏洩が抑制される。
【0093】
なお、異なる層に形成されている2つのIDT間を直達する電磁波は、2つのIDT間に発生する容量(直達容量)に依存する。直達容量は、2つのIDTが重なる面積に比例するため、重なり面積を小さくすることにより、直達容量を該面積に比例して制限することができる。
【0094】
従って、電極の構成や素子の平面積の制約により、例えば図13及び図14に示されているように、入力側IDT72bと出力側IDT73cの位置が完全にずされておらずとも、重なり面積が10%低減されることにより、直達容量を10%低減することができる。すなわち、入力側IDTと出力側IDTがずらされておれば、フィルタを構成した場合の帯域減衰量を改善する効果を得ることができ、重なり面積のずれ量は必ずしも100%である必要はない。
【0095】
また、3以上のより多くの弾性境界波素子が積層された構造においては、入力端子に接続されているIDTと、出力端子に接続されているIDTの位置をずらすだけでなく、中間に配置されたIDTの位置をもずらすことにより、中間段における直達容量を低減することができる。この場合においても、フィルタを構成した場合の帯域外減衰量の改善を図ることができる。
【0096】
特に、縦結合型やトランスバーサル型のフィルタを構成するために、IDTを複数段縦続接続した場合には、縦続接続のために導体配線により電気的に接続されたIDTを除くIDTの位置を積層方向において相互に満たすことが望ましい。
【0097】
また、位置をずらすには、IDTだけでなく、IDTに接続されているバスバーや配線電極についても、積層方向における重なり面積を低減することが好ましく、それによって直達容量をより一層低減することができる。
【0098】
さらに、IDTと直接電気的に接続されていない反射器についても、IDTと例えば3λ以下の距離に近接配置した場合は、一方の弾性境界波素子に形成されたIDT−反射器−他方の弾性境界波素子に形成された反射器−IDTの経路による直達容量が生じるため、反射器の位置をずらすことが好ましい。それによって、直達容量をより一層低減することができ、ひいては帯域外減衰量をより一層改善するとこができる。
【0099】
前述してきたように、スルーホール電極により異なる弾性境界波素子間の電気的接続を行った場合、スルーホール電極の形成位置の自由度が高められる。従って、弾性境界波装置の平面形状をより一層小さくすることができる。
【0100】
しかしながら、弾性境界波素子の固体層として単結晶材料を用いた場合には、スルーホール電極の加工が困難である。例えば、Ar及びCF4の混合ガスによる反応性イオンエッチングなどにより、スルーホールを形成することができるが、弾性境界波素子の厚みが厚い場合には、スルーホール用の貫通孔の垂直性を確保することが困難となったり、加工時間が長くなったりする。また、弾性境界波素子の固体層に孔開け加工することにより、固体層の強度が低下する。従って、回路基板などに実装される際や環境温度の変化による応力により、割れやクラックなどが生じるおそれがある。
【0101】
さらに、前述したように、スルーホール電極部分における弾性境界波の反射や散乱、あるいは腐食性ガスの浸入による問題が生じるおそれもある。
従って、積層されている複数の弾性境界波素子間の電気的接続は、スルーホール電極ではなく、弾性境界波装置の外表面を経由する配線電極により行ってもよい。
【0102】
図15は、このような弾性境界波装置の外表面に設けられた配線電極84,85を説明するための模式的斜視図である。なお、図15に示す弾性境界波装置81では、外表面に複数の段差82a〜82cが形成されている。これらの段差82a〜82cは、積層される弾性境界波素子の固体層の平面形状を異ならせることにより容易に形成することができる。すなわち、前述した図13に示した構成のように、積層される固体層の幅方向寸法、あるいは幅方向寸法と直交する方向の寸法を異ならせることにより、段差を容易に形成することができる。
【0103】
段差83a〜83cを形成する場合、数十〜数万の弾性境界波素子が構成されているウエハー上において、上記段差部を形成し、しかる後フォトリソグラフィーやスクリーン印刷、あるいはめっき法などにより、一括して配線電極を形成することができる。しかる後、個々の弾性境界波装置単位にウエハーを切削加工することにより、配線電極の分割をも果たすことができ、それによって安価に弾性境界波素子間の電気的接続を行うことができる。
【0104】
図16は、本発明の第7の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。
弾性境界波装置91では、弾性境界波素子92〜94が積層されている。弾性境界波素子92は、LiTaO3からなる第1の固体層92aと、IDT92bと、SiO2からなる第2の固体層92cとを有する。弾性境界波素子93及び94も、弾性境界波素子92と同様に構成されている。
【0105】
本実施例の特徴は、弾性境界波素子92,93間及び弾性境界波素子93,94間に、高熱伝導率層95,96,97,98及び回路素子層99,100が積層されていることにある。すなわち、弾性境界波素子92と弾性境界波素子93との間には、回路素子層99が配置されている。回路素子層99は、LiTaO3に比べて柔らかく、かつ誘電率が大きなエポキシ基板99aの上面に電極99b,99cを形成した構造を有する。電極99b,99cは、インピーダンス整合回路などを構成するための電極である。この電極99b,99cの形状及び数等については、付加する機能に応じて適宜定められる。
【0106】
回路素子層99では、上記エポキシ基板99a及び電極99b,99cを被覆するように、上下にエポキシ接着剤層99d,99eが形成されており、該接着剤層99d,99eにより、両側の高熱伝導率層95,96に貼り合わされている。高熱伝導率層95,96は、それぞれ、第1の弾性境界波素子92の第2の固体層92c及び第2の弾性境界波素子の第1の固体層93aの表面92c1,93a1を被覆するように形成されている。
【0107】
弾性境界波素子93,94間においても、同様の回路素子層100及び高熱伝導率層97,98が形成されている。
高熱伝導率層95,96は、本実施例では炭素薄膜により形成されている。もっとも、高熱伝導率層を構成する材料は、接触されている弾性境界波素子の第1または第2の固体層を構成する材料よりも熱伝導率が高ければ、特に限定されるものではない。高熱伝導率層95,96を配置することにより、弾性境界波装置91の放熱性が高められる。従って、大電力投入時の直達波による劣化を抑制することができる。
【0108】
弾性境界波が伝搬する固体層の周波数温度変化量は、単位温度あたりの音速変化量と、単位温度あたりの伝搬方向の基板の長さの変化量により決定される。従って、温度による基板の伸縮を抑制できれば、周波数温度変化量を小さくすることができる。本実施例では、上記高熱伝導率層95〜98を構成している炭素薄膜は、弾性境界波素子92〜94を構成している固体層の線膨張よりも小さい。従って、弾性境界波素子92〜94の水平方向の熱膨張が、上記炭素薄膜により抑制されるので、弾性境界波装置91を熱膨張係数が小さなセラミック板の硬質の基板に実装した場合の熱膨張係数差により発生する応力による破壊を抑制することができる。よって、本発明においては、上記炭素薄膜のような線膨張係数が弾性境界波素子の固体層よりも低い線膨張係数の低線膨張係数層を設けてもよい。本実施例では、炭素薄膜が、高熱伝導率層及び低線膨張係数層の双方の機能を果たしているが、いずれかの機能のみを果たす材料層を配置してもよい。
【0109】
なお、低線膨張係数層に代えて、線膨張係数の極性が弾性境界波素子の固体層の線膨張係数の極性と逆である線膨張係数層を用いてもよい。
また、上記のように回路素子層99,100を介在させることにより、弾性境界波装置91では、インピーダンス整合回路などの適宜の回路構成を内蔵させることができる。
【0110】
上記電極99b,99cとしては、付加しようとする機能に応じて適宜の電極を形成することができる。例えば、インダクタンス素子、あるいはキャパシタンス素子、ストリップライン、さらにスタブやストリップラインで構成されるマイクロストリップフィルタ、またはミキサーなどの回路素子を構成することができる。また、電極に代えて、抵抗性材料を用いることにより、抵抗素子を構成することもできる。すなわち、回路素子層99,100に構成される回路素子は特に限定されない。
【0111】
また、このような回路素子層99,100を利用して、弾性境界波素子のインピーダンス整合回路や変調回路を構成した場合には、外部回路を省略することができる。
【0112】
さらに、弾性境界波装置91の外部に、ワイヤーボンディングやバンプボンドを形成した場合には、これらの電気的接続線路により数十〜数千μmの線路が構成されることになる。このような線路の特性インピーダンスは弾性境界波フィルタの入出力インピーダンスと通常ずれていることが多い。従って、線路のインピーダンスミスマッチによる反射損失の劣化が生じるおそれがある。これに対して、上記回路素子層99,100を構成した場合には、長い線路が不要となるため、上記反射損失を低減できる。特に、1GHzを超える周波数帯では、線路の短縮により、特性を著しく改善することができる。
【0113】
本実施例では、上記回路素子層99においては、エポキシ基板99aが、柔らかい誘電体層であるエポキシ系接着剤99d,99eにより覆われているため、弾性境界波素子間を漏洩する直達弾性バルク波を吸収することも可能とされている。
【0114】
なお、第6の実施例では、入力側IDTと出力側IDTの重なり面積を低減することにより、直達容量の抑制が図られていたが、複数の弾性境界波素子を10λ程度の間隔で積層した場合には、このような構成だけでは直達容量を抑制することができないことがある。特に、電気機械結合係数が大きな圧電基板を第1の固体層として用いた場合には、誘電率が大きいため、弾性境界波素子間において直達容量が発生しやすくなり、10pFを超える直達容量が生じることもある。従って、好ましくは、IDT同士の重なり面積を低減するようにして直達容量を抑制する方法以外の手段を高じることが望ましい。図17は、縦結合型弾性境界波フィルタ111,112を2段縦続接続した場合の入出力端子間に発生する直達容量Cを模式的に示す図である。弾性境界波フィルタの中心周波数f0とすると、図18に示すように直達容量Cと並列にL={(2×π×f0)2×C}-1のインダクタを接続すれば、直達容量CとインダクタLによる並列回路が中心周波数f0において反共振状態となる。従って、直達による劣化が生じない。
【0115】
もっとも、上記のような並列インダクタLが接続されているだけでは、中心周波数f0付近の特性の改善が果たされるに留まる。そこで、より好ましくは、前述した図16に示した回路素子層99,100において、広帯域の通過特性を有するマイクロストリップラインフィルタやLCフィルタを形成することが望ましい。それによって広帯域でかつ大きな減衰量のフィルタ特性を得ることができる。
【0116】
図19は、本発明の第8の実施例に係る弾性境界波装置を示す正面断面図である。弾性境界波装置121では、弾性境界波素子122,123,124,125が積層されている。もっとも、第1の実施例と異なるところは、弾性境界波素子123,124間が、空隙Dを有するようにして積層されていることにある。すなわち、弾性境界波素子123と弾性境界波素子124とは、金属バンプ126,127により電気的に接続されており、該金属バンプ126,127の高さ方向寸法により、上記空隙Dが構成されている。なお、129はエポキシ樹脂を示す。
【0117】
このように、積層されている弾性境界波素子間は、必ずしも密着されている必要はなく、空隙Dを介して積層されていてもよく、それによって弾性境界波装置121では熱源が分散されることになり、弾性境界波装置121全体の温度上昇を抑制することができる。
【0118】
本発明に係る弾性境界波装置では、複数の弾性境界波素子を積層し構造を有し、弾性境界波が表面を伝搬しないため、空洞を有するパッケージ構造を必要としない。また、弾性境界波装置をあえなてパッケージングする必要もない。
【0119】
従って、短期間の使用目的に用いられる場合には、弾性境界波装置は、外装やパッケージを付加される必要はない。
しかしながら、長期的な利用が想定される場合には、弾性境界波素子を構成している固体層の腐食、固体層を浸透する腐食性ガスによる電極の腐食、回路基板と弾性境界波装置の熱膨張係数の差による環境温度の繰り返し変化により発生する応力などによる破壊が生じるおそれがある。従って、長期的な使用に際して信頼性を高めるには、外装を施すことが望ましい。
【0120】
もっとも、弾性境界波装置や、モルリシック型のクリスタルフィルタの場合のような空洞の形成は不要である。これは、弾性境界波はチップ表面に達するエネルギー量が極めて小さいからである。
【0121】
図20〜図22は、このような外装が施された本発明の弾性境界波装置の変形例を説明するための各模式的正面断面図である。
図20に示す弾性境界波装置131では、弾性境界波装置チップ132の表面に、導電膜133及び絶縁膜134が形成されている。導電膜132は、例えばAu膜及びNi膜をこの順序で積層した積層金属膜、あるいは単一の金属膜により形成される。導電膜133の形成により、弾性境界波装置チップ132を電磁シールドすることができる。また、絶縁膜134は、Al23やAlNなどの絶縁性材料から構成することができ、それによって弾性境界波装置チップ132の保護を図ることができる。また、接続のための電極パッド135,136が露出している部分を除いて、全体が外装樹脂層137で被覆されている。このような外装樹脂層137の形成により、腐食性ガスの浸入をより確実に抑制することができる。
【0122】
なお、弾性境界波装置チップ132は、略図的に単一の層として構成されているが、この弾性境界波装置チップは、前述した各実施例で示したように複数の弾性境界波素子が積層された構造を有するものである。
【0123】
図21に示す弾性境界波装置141では、弾性境界波装置チップに、弾性境界波装置131の場合と同様に、導電膜133,絶縁層134及び外装樹脂層137が形成されている。異なるところは、弾性境界波装置チップ132は、硬質のセラミック基板142に設けられた電極パッド143,144上に、超音波接合により接合されており、しかる後外装樹脂層137により弾性境界波装置チップ132が被覆されていることにある。この場合には、弾性境界波装置チップ132が基板142に強固に接合されており、プリント回路基板などに実装した場合にプリント回路基板から弾性境界波装置チップ132に加わる応力がセラミック基板142の存在により緩和される。すなわち、セラミック基板142が応力緩和層として機能する。
【0124】
図22に示す弾性境界波装置151では、複数の弾性境界波素子152〜156が積層されており、各弾性境界波素子152〜156の平面形状が異ならされている。従って、図示のように段差が外表面に形成されており、該段差上にも導電膜133が形成されている。この段差上の導電膜133は、各弾性境界波素子152〜156間の電気的接続を果たすのに用いることができる。また、段差上の導電膜133については、導電ペーストを用いて構成することができ、この場合には、導電ペーストの弾力性により、プリント回路基板などに実装された際に伝えられる応力が緩和されることになる。すなわち、外部に形成される導電膜を導電ペーストなどの弾力性を有する材料で構成することにより、導電膜を応力緩和層として利用することもできる。
【0125】
【発明の効果】
第1の発明に係る弾性境界波装置では、複数の弾性境界波素子が積層されてなる構造を有するため、従来の弾性境界波装置に比べて平面形状を低減することができ、それによって、帯域フィルタや共振子などに好適に用いられる弾性境界波装置のより一層の小型化を図ることができる。
【0126】
また、弾性境界波を利用した弾性境界波装置であるため、高コストの空洞を有するパッケージ構造を省略することができ、従って帯域フィルタや共振子のコストの低減及び製造工程の簡略化も果たすことができる。
【0127】
第2の発明に係る弾性境界波装置では、圧電体からなる第1の固体層と、第1の固体層に積層されており、圧電体または、絶縁体からなる第2の固体層と、第1,第2の固体層間の界面に配置された弾性境界波励振用IDTと、第1の固体層の表面に形成された弾性表面波励振用IDTとを備えるため、弾性境界波素子と、弾性表面波素子とが複合・一体化されており、かつ両者が積層されている構造を有するため、弾性境界波素子と弾性表面波素子とが一体化された小型の弾性境界波装置を提供することができる。
【0128】
よって、本願の第1,第2の発明によれば、1GHz帯以上のような高い周波数領域で使用される小型の帯域フィルタや共振子等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための正面断面図。
【図2】本発明の第2の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための正面断面図。
【図3】本発明の第3の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための正面断面図。
【図4】本発明の第4の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための正面断面図。
【図5】本発明の第5の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための模式的正面図及びその要部を拡大して示す断面図。
【図6】第5の実施例に係る弾性境界波装置の最下部に配置された弾性境界波素子の拡大断面図。
【図7】第5の実施例に係る弾性境界波装置の電極配置を説明するための模式的平面図。
【図8】第5の実施例に係る弾性境界波装置の回路構成を示す図。
【図9】弾性境界波素子において伝搬する弾性境界波のエネルギー分布を説明するための模式図。
【図10】入力側IDTと出力側IDTとの間の直達電磁波が大きい場合及び小さい場合のフィルタの減衰量周波数特性を示す図。
【図11】本発明に係る弾性境界波装置で、形成されるスルーホール電極の一例を説明するための部分切欠拡大断面図。
【図12】本発明に係る弾性境界波装置で、形成されるスルーホール電極の他の例を説明するための部分切欠拡大断面図。
【図13】本発明の第6の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための分解斜視図。
【図14】第6の実施例に係る弾性境界波装置の電極配置及び固体層の寸法関係を説明するための模式的平面図。
【図15】本発明に係る弾性境界波装置の変形例を説明するための斜視図であり、弾性境界波装置の外表面に段差が形成されている構造を示す斜視図。
【図16】第7の実施例に係る弾性境界波装置を説明するための表面断面図。
【図17】2段構成の弾性境界波フィルタにおける直達容量を説明するための模式的回路図。
【図18】直達容量に並列にインダクタが接続されている回路構成を示す図。
【図19】本発明の第8の実施例の弾性境界波装置を説明するための正面図。
【図20】本発明に係る弾性境界波装置の他の変形例を示す正面断面図。
【図21】本発明に係る弾性境界波装置の他の変形例を示す正面断面図。
【図22】本発明に係る弾性境界波装置の他の変形例を示す正面断面図。
【図23】従来の弾性境界波装置の一例を示す正面断面図。
【図24】従来の弾性境界波装置の他の例を示す正面断面図。
【図25】従来の弾性境界波装置を用いて構成された帯域フィルタの電極配置を説明するための模式的平面断面図。
【符号の説明】
1…弾性境界波装置
2…弾性境界波素子
2a…第1の固体層
2a1…表面
2b…IDT
2c…第2の固体層
2c1…表面
3…弾性境界波素子
3a…第1の固体層
3b…IDT
3c…第2の固体層
4…弾性境界波素子
4a…第1の固体層
4b…IDT
4c…第2の固体層
11…弾性境界波装置
12〜14…弾性境界波素子
12a,13a,14a…第1の固体層
12b,13b,14b…IDT
12c,13c,14c…第2の固体層
15,16…接着剤
21…弾性境界波装置
21a…第1の固体層
21a1…表面
21b…IDT
21c…第2の固体層
21c1…表面
22…弾性表面波励振用IDT
31…弾性境界波装置
31a…第1の固体層
31b…IDT
31c…第2の固体層
32…弾性境界波装置
32a…表面波基板
32b…IDT
51…弾性境界波装置
52〜56…弾性境界波素子
52a…第1の固体層
52c…第2の固体層
52d,52e…電極パッド
56a…第1の固体層
56b…IDT
56c…第2の固体層
56c1…表面
56d…導電膜
57…導電膜
61…スルーホール電極パッド
61a〜61c…スルーホール部
61d,61e…接続導電部
62〜64…弾性境界波素子
62a…固体層
62a1…表面
65…スルーホール電極
65a〜65d…スルーホール部
65e〜65g…接続導電部
66〜68…弾性境界波素子
66a…第1の固体層
67a…第1の固体層
67c…第2の固体層
68c…第2の固体層
71…弾性境界波装置
72…弾性境界波素子
72a…第1の固体層
72b,72c…IDT
72d,72e…反射器
72f,72g…入力電極パッド
72h…第2の固体層
73…弾性境界波素子
73a…第1の固体層
73b,73c…IDT
73d,73e…反射器
73f,73g…出力電極パッド
73h…第2の固体層
74,75…スルーホール電極
81…弾性境界波装置
82a〜82c…段差
91…弾性境界波装置
92〜94…弾性境界波素子
92a…第1の固体層
92b…IDT
92c…第2の固体層
92c1…表面
93a…第1の固体層
93a1…表面
95〜98…高熱伝導率層
99,100…回路素子層
99a…基板
99b,99c…電極
99d,99e…エポキシ系接着剤
121…弾性境界波装置
122〜125…弾性境界波素子
126,127…金属バンプ
129…エポキシ樹脂
131…弾性境界波装置
132…弾性境界波装置チップ
133…導電膜
134…絶縁膜
135,136…電極パッド
137…外装樹脂層
141…弾性境界波装置
142…セラミック基板
143,144…電極パッド
151…弾性境界波装置
152…弾性境界波素子
156…弾性境界波素子

Claims (23)

  1. 複数の弾性境界波素子が積層されている積層体を備え、
    前記各弾性境界波素子が、圧電体からなる第1の固体層と、
    第1の固体層に積層されておりかつ圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、
    第1,第2の固体層間の境界に配置された弾性境界波励振用IDTと、
    隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に配置された弾性吸収層とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置。
  2. 圧電体からなる第1の固体層と、第1の固体層に積層されており、圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、第1,第2の固体層間の界面に配置された弾性境界波励振用IDTと、
    前記第1の固体層の表面に形成された弾性表面波励振用IDTとを備える、弾性境界波装置。
  3. 複数の弾性境界波素子が積層されている積層体を備え、
    前記各弾性境界波素子が、圧電体からなる第1の固体層と、
    第1の固体層に積層されておりかつ圧電体または絶縁体からなる第2の固体層と、
    第1,第2の固体層の境界に配置された弾性境界波励振用IDTとを備え、
    前記複数の弾性境界波素子の内少なくとも2つが電気的に並列、または直列に接続されていることを特徴とする弾性境界波装置。
  4. 前記複数の弾性境界波素子の内少なくとも2つがスルーホールを介して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の弾性境界波装置。
  5. 圧電体と、圧電体の一方面に形成された弾性表面波励振用IDTを備える弾性表面波素子が、前記積層体の外表面に積層されている、請求項1,3または4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  6. 隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に配置された導体層をさらに備える、請求項1,3〜5のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  7. 隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に、前記第1,第2の固体層と音響インピーダンスが異なる第3の固体層が配置されている、請求項1,3〜5のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  8. 前記弾性境界波励振用IDTが配置されている境界以外の固体層間の境界が、前記弾性表面波励振用IDTが配置されている境界よりも平坦でないことを特徴とする、請求項1,3〜7のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  9. 1つの弾性境界波素子に配置された弾性境界波励振用IDTと、他の1つの弾性境界波素子に配置された弾性境界波励振用IDTの位置が積層方向においてずれていることを特徴とする、請求項1,3〜7のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  10. 異なる弾性境界波素子の弾性境界波励振用IDT間に接続されたインダクタンス素子をさらに備える、請求項1,3〜9のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  11. 少なくとも2個の弾性境界波素子が、前記積層体に設けられたスルーホール電極により電気的に接続されており、かつ該スルーホール電極内に弾性体が充填されていることを特徴とする、請求項1,3〜10のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  12. 少なくとも2個の弾性境界波素子が、前記積層体に設けられたスルーホール電極により電気的に接続されており、かつ該スルーホール電極が複数のスルーホール電極部を有し、積層体のある高さ位置の面の上下のスルーホール電極部の位置が異なっており、該面において面方向に沿った電気的接続部を介して互いに電気的に接続されている、請求項1,3〜10のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  13. 少なくとも2個の弾性境界波素子間の電気的接続が、前記積層体の外表面に設けられた配線電極により行われている、請求項1,3〜11のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  14. 前記積層体の外表面に段差部が設けられており、該段差部に前記配線電極が形成されている、請求項13に記載の弾性境界波装置。
  15. 隣り合っている弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面、及び/または前記積層体の外表面に配置されており、前記弾性境界波素子の弾性境界波励振用IDTが形成されている境界面と平行な方向の線膨張係数が弾性境界波素子を構成している第1,第2の固体層の線膨張係数よりも小さい、または該線膨張係数と極性が異なる線膨張係数を有する温度特性改善層をさらに備える、請求項1,3〜14のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  16. 前記弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面、及び/または前記積層体の外表面に、隣接する弾性境界波素子よりも熱伝導率が高い高熱伝導率層が配置されている、請求項1,3〜15のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  17. 弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面に空隙が設けられるように、弾性境界波素子同士が空隙形成部材を介して接合されている、請求項1〜16のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  18. 弾性境界波素子間の界面の内の少なくとも1つの界面及び/または前記積層体の外表面に回路素子が形成されている、請求項1,3〜17のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の弾性境界波装置が搭載されるベース基板をさらに備え、該ベース基板側から実装されるように構成されており、該ベース基板が応力緩衝体を構成している、請求項1〜18のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  20. 前記ベース基板が、前記弾性境界波素子を構成する第1,第2の固体層よりも硬質な材料により構成されている、請求項19に記載の弾性境界波装置。
  21. 前記第1,第2の固体層の厚みが、前記弾性境界波の波長λとしたときに、λ以上である、請求項1〜20のいずれかに記載の弾性境界波装置。
  22. 請求項1に記載の弾性境界波装置の製造方法であって、圧電体からなる第1の固体層と圧電体または絶縁体からなる第2の固体層とを、間に弾性境界波励振用IDTを介して積層して弾性境界波素子を形成する工程と、
    前記弾性境界波素子を形成する工程を繰り返すことにより前記積層体を得る工程、または複数の前記弾性境界波素子を積層する工程とを備える、弾性境界波装置の製造方法。
  23. 前記弾性境界波素子間の界面の内、少なくとも1つの界面に弾性波吸収層を配置する工程をさらに備え、
    前記弾性波吸収層及び前記弾性境界波励振用IDTを介して第1,第2の固体層を接合するに際し、前記弾性波吸収層内のガスを脱気することを特徴とする、請求項22に記載の弾性境界波装置の製造方法。
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