JP2010245722A - 弾性表面波素子、およびそれらを用いた弾性表面波デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】一つの素子に周波数の異なる三つ以上の弾性表面波共振子を並列配置して設けた弾性表面波素子や共振子タイプの弾性表面波フィルター、およびそれらを用いた弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】SAWフィルター1において、圧電基板5上には、中心周波数がすべて異なる三つのSAWフィルター10,20,30が設けられ、このうち、もっとも高い中心周波数を有するSAWフィルター10が中央に配置されている。また、SAWフィルター10の両側に配置されたSAWフィルター20およびSAWフィルター30は、SAWフィルター10のIDT電極11A,11Bの表面波伝搬経路に重複しない領域に配置されている。さらに、圧電基板5の周縁部には、SAWフィルター10,20,30共通の接地電極である枠状のアースパターン7が、SAWフィルター10,20,30を囲むように設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】SAWフィルター1において、圧電基板5上には、中心周波数がすべて異なる三つのSAWフィルター10,20,30が設けられ、このうち、もっとも高い中心周波数を有するSAWフィルター10が中央に配置されている。また、SAWフィルター10の両側に配置されたSAWフィルター20およびSAWフィルター30は、SAWフィルター10のIDT電極11A,11Bの表面波伝搬経路に重複しない領域に配置されている。さらに、圧電基板5の周縁部には、SAWフィルター10,20,30共通の接地電極である枠状のアースパターン7が、SAWフィルター10,20,30を囲むように設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、弾性表面波素子およびそれを用いた弾性表面波デバイスに関し、特に、一つの素子に周波数の異なる三つ以上の弾性表面波共振子を並列配置して設けた弾性表面波素子や共振子タイプの弾性表面波フィルター、およびそれらを用いた弾性表面波デバイスに関するものである。
従来より、高周波デバイスの分野では、圧電基板の表面に形成したIDT(Interdigital Transducer)電極により圧電体表面に弾性表面波を励振させたり、弾性表面波を検出したりするように構成された弾性表面波素子が様々な電子機器に用いられている。特に、フィルターとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルターは、小型・軽量でかつ量産性にも優れていることから、携帯電話など移動体通信分野において多用されるようになってきており、電子機器の小型・軽量化の一翼を担っている。
近年、携帯電話のマルチバンド化が進展し、弾性表面波フィルターに対しても、複数の周波数のフィルターを一体にしたマルチチャンネル化、およびその小型化への要望が強くなってきている。このような要望に応えるものとして、圧電基板上に、中心周波数の異なる複数の弾性表面波共振器(SAWフィルター)が並列配置して設けた弾性表面波フィルターが、例えば特許文献1に示されている。
ところで、特許文献1に記載の弾性表面波フィルターのように、圧電基板上に複数の弾性表面波共振器を設けた場合には、特に小型化をしていくと、各弾性表面波共振器間で電磁的な結合が生じ、アイソレーションなどの特性が劣化するという問題を有していた。このような問題を回避する方法として、各弾性表面波共振器間にシールド電極を形成した弾性表面波フィルターが、例えば特許文献2に示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の弾性表面波フィルターでは、各弾性表面波共振器間にシールド電極を形成することにより、各弾性表面波共振器間の電磁的結合による特性劣化の抑制効果は期待できるものの小型化には不利であるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例にかかる弾性表面波素子は、圧電基板上に、中心周波数がすべて異なる三つ以上の弾性表面波フィルターが弾性表面波の伝搬方向に沿って並列に配置されてなる弾性表面波素子であって、前記各弾性表面波フィルターは、1つ以上のIDT電極が弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されて構成されており、前記各弾性表面波フィルターのうち、中央部に配置された中央弾性表面波フィルターの前記IDT電極を囲むように、前記中央弾性表面波フィルターの周辺に配置される前記弾性表面波フィルターの接地用電極パターンが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、中央弾性表面波フィルターの周辺に配置される弾性表面波フィルターの接地用電極パターンが中央弾性表面波共振器に対してシールド効果を奏し、複数の弾性表面波フィルター間の電磁的結合を抑制できるので、アイソレーションなどの特性が劣化するのを抑えることができる。
〔適用例2〕上記適用例にかかる弾性表面波素子において、前記圧電基板上において、前記中央弾性表面波フィルターの前記IDT電極の表面波伝搬経路に他の前記弾性表面波フィルターが重複しないように配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、中央弾性表面波フィルターのIDT電極に他の弾性表面波フィルターからの直接波が結合することによる弾性表面波素子の特性の劣化を防止することができる。
〔適用例3〕上記適用例にかかる弾性表面波素子において、前記圧電基板の周縁部に枠状の接地用金属パターンが設けられ、その接地用金属パターンに前記弾性表面波フルターが接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、枠状の接地用電極パターンにより、弾性表面波素子全体のシールド効果が強化されて外部からの電磁的な影響が抑えられるとともに、各弾性表面波フィルターに共通の接地用電極として使用できるので効率のよい接地パターン設計ができ、弾性表面波素子の小型化が可能になる。
〔適用例4〕上記適用例にかかる弾性表面波素子において、前記中央弾性表面波フィルターが、前記弾性表面波フィルターのうち最も高い中心周波数を有することを特徴とする。
この構成によれば、外部の電磁的な影響を受けやすい高周波帯の弾性表面波フィルターを中央に配置することによって、上記適用例によるシールド効果や電磁的結合の抑止効果をより顕著に奏する構造の弾性表面波素子を構成できる。
〔適用例5〕本適用例にかかる弾性表面波デバイスは、上記適用例のいずれかに記載の弾性表面波素子が容器内にフェースダウン接合されていることを特徴とする。
この構成によれば、アイソレーションなどの特性の劣化が抑えられ、マルチチャンネル化が図られた小型の弾性表面波デバイスを提供できる。しかも、弾性表面波素子をフェースダウン接合により容器に接合する構成となっていることにより、例えばワイヤーボンディング接合により弾性表面波素子と容器との接合をした場合などに比して、接続距離を最小限に抑えた接合ができるので、小型化が図りやすいとともに電気的な高速化を図ることができる。また、ボンディングワイヤーの長さやループ形状によって寄生インダクタンスが大きくなったり、新たな電磁的結合要因となったりすることによって起こる周波数特性の劣化を回避できる。
(第1の実施形態)
以下、弾性表面波素子としてのSAW(Surface Acoustic Wave)フィルターの一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のSAWフィルターを模式的に説明する平面図である。
また、図2は、SAWフィルターにおけるIDT電極の電極構造の一例を模式的に説明する平面図である。
以下、弾性表面波素子としてのSAW(Surface Acoustic Wave)フィルターの一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のSAWフィルターを模式的に説明する平面図である。
また、図2は、SAWフィルターにおけるIDT電極の電極構造の一例を模式的に説明する平面図である。
図1において、本実施形態のSAWフィルター1は、圧電基板5上に、中心周波数がすべて異なる三つの弾性表面波共振器としてのSAWフィルター10,20,30が並列配置されてなる。また、圧電基板5の周縁部には枠状の接地用金属パターンとしてのアースパターン7が設けられ、各SAWフィルター10,20,30それぞれの接地用端子と接続されている。
本実施形態のSAWフィルター10,20,30は、それぞれが二つの縦結合二重モードSAWフィルターが縦続に接続されてなる。すなわち、SAWフィルター10は縦結合二重モードSAWフィルター10A,10Bからなり、SAWフィルター20は縦結合二重モードSAWフィルター20A,20Bからなり、SAWフィルター30は縦結合二重モードSAWフィルター30A,30Bからなる。
さらに、縦結合二重モードSAWフィルター10A,10B,20A,20B,30A,30Bのそれぞれは、SAWの伝搬方向に沿って配置した複数のIDT電極と、それらIDT電極を挟んだ両側に配置された反射器とからなる。
さらに、縦結合二重モードSAWフィルター10A,10B,20A,20B,30A,30Bのそれぞれは、SAWの伝搬方向に沿って配置した複数のIDT電極と、それらIDT電極を挟んだ両側に配置された反射器とからなる。
ここで、IDT電極の電極構造、および、その動作原理について簡単に説明する。
図2(a)は、IDT電極の一構成例として、SAWフィルター1に備わるSAWフィルター10,20,30のうち、SAWフィルター10の縦結合二重モードSAWフィルター10Aを構成するIDT電極11Aの構成を示している。すなわち、IDT電極11Aは、二つの櫛型の交差指電極を有し、一方の交差指電極のバスバーに連結された複数の連続する電極指(図中、電極指11a,11cの側)と、他方の交差指電極のバスバーに連結された複数の連続する電極指(図中、電極指11bの側)とが、互いに接触しないように等間隔ピッチにて間挿し合って構成されている。
図2(a)は、IDT電極の一構成例として、SAWフィルター1に備わるSAWフィルター10,20,30のうち、SAWフィルター10の縦結合二重モードSAWフィルター10Aを構成するIDT電極11Aの構成を示している。すなわち、IDT電極11Aは、二つの櫛型の交差指電極を有し、一方の交差指電極のバスバーに連結された複数の連続する電極指(図中、電極指11a,11cの側)と、他方の交差指電極のバスバーに連結された複数の連続する電極指(図中、電極指11bの側)とが、互いに接触しないように等間隔ピッチにて間挿し合って構成されている。
ここで、図中の記号λは、IDT電極11Aによって励振される弾性表面波の1波長であり、この波長λは、IDT電極11Aにおける一方の交差指電極の連続する任意の電極指11aの中央から電極指11cの中央までに相当し、それらの電極指11aと電極指11cとの間には、他方の交差指電極の連続する任意の電極指11bが間挿されている。本実施形態のIDT電極11Aにおいては、波長λに相当する電極指11a,11b,11cをIDT電極11Aにおける1対の電極指と定義する。
以上、IDT電極11Aを例にとって説明したSAWフィルター1のIDT電極の構造は、後述する他のIDT電極についても同様となっている。すなわち、後述する他のIDT電極において、上記IDT電極11Aの各電極指11a,11b,11cとは電極幅が異なっている場合であって、上記IDT電極11Aと同様に、幅の等しい電極指がλ/2周期で並んで配置され、また、一方の交差指電極1本が間挿された他方の電極指2本分の電極間ピッチ(一方の電極指と他方の電極指との電極中心間距離)を1波長(λ)分として構成される。
図1に戻り、SAWフィルター1において、SAWフィルター10に備わる二つの縦結合二重モードSAWフィルターのうち一方の縦結合二重モードSAWフィルター10Aは、上記構成の1対の電極指(11a,11b,11c)が複数対並べられて形成されたIDT電極11AがSAWの伝搬方向に沿って三つ配置され、それら三つのIDT電極11Aの両側に反射器12Aを配置してなる。二つの反射器12Aは、IDT電極11Aと同様な電極構造を有して形成され、IDT電極11Aから伝搬された弾性表面波を反射させて、圧電基板5のIDT電極11A形成領域に表面波エネルギーを封じ込める役目を果たしている。
なお、IDT電極11Aの両側に反射器12Aを配置した構造の方がQ値が高くなるので望ましいが、反射器を省いた構成でも、SAWフィルター1の要求性能によっては動作上問題がない場合もあり、これは、後述する縦結合二重モードSAWフィルター10A以外のSAWフィルターにおいても同様である。
なお、IDT電極11Aの両側に反射器12Aを配置した構造の方がQ値が高くなるので望ましいが、反射器を省いた構成でも、SAWフィルター1の要求性能によっては動作上問題がない場合もあり、これは、後述する縦結合二重モードSAWフィルター10A以外のSAWフィルターにおいても同様である。
上記縦結合二重モードSAWフィルター10Aの構成と同様に、SAWフィルター10の他方の縦結合二重モードSAWフィルター10Bは、SAWの伝搬方向に沿って配置された三つのIDT電極11Bと、それら三つのIDT電極11Bの両側に配置された二つの反射器12Bとからなる。
また、本実施形態のSAWフィルター1は、後述するように、パッケージなどの外部基板にフェースダウン接合される。SAWフィルター10においては、SAWフィルター1のフェースダウン接合用の複数の電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,15Bbが配置され、各電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,15Bb上には、金や半田などからなるバンプ95が設けられている。
また、本実施形態のSAWフィルター1は、後述するように、パッケージなどの外部基板にフェースダウン接合される。SAWフィルター10においては、SAWフィルター1のフェースダウン接合用の複数の電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,15Bbが配置され、各電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,15Bb上には、金や半田などからなるバンプ95が設けられている。
また、各電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,15Bbは、SAWフィルター10の入力端および出力端となっていて、その他がアースに接続されている。本実施形態では、縦結合二重モードSAWフィルター10Aおよび縦結合二重モードSAWフィルター10Bの各IDT電極11A,11Bのうちの入力端および出力端の一部を圧電基板5上で共有化し、その対極側の一部が接続配線17a,17bをそれぞれ介して共通のアースパターン7に接続されている。
上記SAWフィルター10と同様に、SAWフィルター1において、SAWフィルター20に備わる二つの縦結合二重モードSAWフィルターのうち一方の縦結合二重モードSAWフィルター20Aは、SAWの伝搬方向に沿って配置された三つのIDT電極21Aと、それら三つのIDT電極21Aの両側に配置された二つの反射器22Aとからなり、また、SAWフィルター20の他方の縦結合二重モードSAWフィルター20Bは、SAWの伝搬方向に沿って配置された三つのIDT電極21Bと、それら三つのIDT電極21Bの両側に配置された二つの反射器22Bとからなる。また、SAWフィルター20には、SAWフィルター1のフェースダウン接合用の複数の電極パッド25Aa,25Ab,25Ba,25Bbが配置され、各電極パッド25Aa,25Ab,25Ba,25Bb上には、金や半田などからなるバンプ95が設けられている。
また、各電極パッド25Aa,25Ab,25Ba,25Bbは、SAWフィルター20の入力端および出力端となっていて、その他がアースに接続されている。本実施形態では、縦結合二重モードSAWフィルター20Aおよび縦結合二重モードSAWフィルター20Bの各IDT電極21A,21Bのうちの入力端および出力端を圧電基板5上で接続し、その対極側が接続配線27a,27bをそれぞれ介して共通のアースパターン7に接続されている。
同様に、SAWフィルター1において、SAWフィルター30に備わる二つの縦結合二重モードSAWフィルターのうち他方の縦結合二重モードSAWフィルター30Aは、IDT電極31A、および、そのIDT電極31Aを挟んだ両側に配置された反射器32Aとからなり、また、SAWフィルター30の他方の縦結合二重モードSAWフィルター30Bは、IDT電極31BおよびそのIDT電極31Bを挟んだ両側に配置された反射器32Bとからなる。また、SAWフィルター30には、SAWフィルター1のフェースダウン接合用の複数の電極パッド35Aa,35Ab,35Ba,35Bbが配置され、各電極パッド35Aa,35Ab,35Ba,35Bb上には、金や半田などからなるバンプ95が設けられている。
また、各電極パッド35Aa,35Ab,35Ba,35Bbは、SAWフィルター30の入力端および出力端となっていて、その他がアースに接続されている。本実施形態では、縦結合二重モードSAWフィルター30Aおよび縦結合二重モードSAWフィルター30Bの各IDT電極31A,31Bのうちの入力端および出力端の一部を圧電基板5上で共有化し、その対極側の一部が接続配線37a,37bをそれぞれ介して共通のアースパターン7に接続されている。
SAWフィルター1において、三つのSAWフィルター10,20,30の共通の接地電極であるアースパターン7は、外部の接地電極との接続に供する電極パッド45a,45bを有し、その電極パッド45a,45b上にも、フェースダウン接合に用いるバンプ95が設けられている。このような構成のアースパターン7は、共通接地電極であるとともに、SAWフィルター1の各SAWフィルター10,20,30を、外部からの電磁的な要因から遮断するためのシールド効果を奏する。
上述したように、SAWフィルター1において、上記構成の三つのSAWフィルター10,20,30それぞれは、中心周波数がすべて異なっている。ここで、本実施形態のSAWフィルター1の大きな特徴として、圧電基板5上には、三つのSAWフィルター10,20,30のうち、もっとも高い中心周波数を有するSAWフィルター10を中央に配置している。このように、外部の電磁的な影響を受けやすい高周波帯のSAWフィルター10を中央に配置することによって、SAWフィルター1の周縁部に形成されたアースパターン7によるシールド効果や電磁的結合の抑止効果を顕著に奏する構造のSAWフィルター1を構成できる。
さらに、本実施形態のSAWフィルター1においては、中央に配置されたもっとも高い中心周波数を有するSAWフィルター10の両側に配置されたSAWフィルター20およびSAWフィルター30は、SAWフィルター10のIDT電極11A,11Bの表面波伝搬経路に重複しない領域に配置されている。すなわち、図中、矢印W1で示す圧電基板5における表面波の伝搬方向において、SAWフィルター10の二つの縦結合二重モードSAWフィルター10A,10Bにそれぞれ備わるIDT電極11A,11Bの表面波の伝搬経路上に、他のSAWフィルター20,30のIDT電極21A,21B,31A,31Bが重複しないように配置されている。これにより、外部の電磁的な影響を受けやすい高周波帯のSAWフィルター10のIDT電極11A,11Bに、他のSAWフィルター20,30からの直接波が結合することによるSAWフィルター1のフィルター特性の劣化を防止することができる。
上記構成によれば、中心周波数のすべて異なる複数のSAWフィルター10,20,30を備えたマルチバンドのSAWフィルター1において、周縁部に設けられた共通のアースパターン7によるシールド効果によって複数のSAWフィルター10,20,30が外部から受ける電磁的な影響を抑えることができるとともに、複数のSAWフィルター10,20,30の表面波の結合が抑えられる。したがって、アイソレーションなどの特性の劣化が防止され、すぐれたフィルター特性を有するマルチバンドのSAWフィルター1を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、上記第1の実施形態のSAWフィルター1を搭載した弾性表面波デバイスとしてのSAWフィルターデバイスについて図面に沿って説明する。
図3は、上記第1の実施形態のSAWフィルター1を備えたSAWデバイスを模式的に説明する断面図である。なお、本実施形態のSAWデバイス100におけるSAWフィルター1の構成は上記第1の実施形態の通りであるので、同一符号を付して説明を省略する。
次に、上記第1の実施形態のSAWフィルター1を搭載した弾性表面波デバイスとしてのSAWフィルターデバイスについて図面に沿って説明する。
図3は、上記第1の実施形態のSAWフィルター1を備えたSAWデバイスを模式的に説明する断面図である。なお、本実施形態のSAWデバイス100におけるSAWフィルター1の構成は上記第1の実施形態の通りであるので、同一符号を付して説明を省略する。
図3において、SAWデバイス100は、低温焼成セラミックなどからなり図示しない移相器などを内蔵した容器としてのパッケージ60の凹部の凹底部分に、上記第1の実施形態のSAWフィルター1がフェースダウン接合により接合され、パッケージ60上に蓋体69が接合されることにより、パッケージ60内にSAWフィルター1が気密封止されている。
本実施形態では、SAWフィルター1のフェース面(能動面)に形成された複数の電極パッド15Aa,15Ab,15Ba,25Ba,25Aa,25Ab,25Ba,25Bb,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,45a,45b(図1を参照)に予め設けられたバンプ95(図1を合せて参照)と、パッケージ60の凹部の凹底部分に設けられた対応する接続端子63とを位置合わせしてから、所定の温度および圧力にて加熱・押圧することによりフェースダウン接合されている。
なお、バンプ95は、金や半田などからなるバンプに限らず、樹脂コアの表面に導電膜が形成された樹脂コアバンプなどを用いてもよく、また、例えば、導電性接着剤などの別の接合部材を用いる構成としてもよい。
なお、バンプ95は、金や半田などからなるバンプに限らず、樹脂コアの表面に導電膜が形成された樹脂コアバンプなどを用いてもよく、また、例えば、導電性接着剤などの別の接合部材を用いる構成としてもよい。
パッケージ60の外底面には、SAWデバイス100の外部基板との接合に供する実装端子65a,65bが設けられている。また、パッケージ60には、例えば金属製の蓋体69が、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などをフレーム状に型抜きして形成された図示しないシールリングを介してシーム溶接されている。
なお、上記構成において、フェースダウン接合したSAWフィルター1の外周部分をモールド剤などにより封止する構成としてもよい。このとき、SAWフィルター1の周縁部に設けられた枠状のアースパターン7(図1を参照)の厚みを制御することにより、アースパターン7をダム材として機能させて、SAWフィルター1の能動面にモールド剤が流れて付着するのを防止することができる。
上記第2の実施形態のSAWデバイス100の構成によれば、アイソレーションなどの特性の劣化が抑えられ、マルチチャンネル化が図られた小型のSAWフィルター1を備えているので、高機能な表面実装型(SMDタイプ)のSAWデバイス100を提供することができる。また、SAWフィルター1がパッケージ60にフェースダウン接合を用いて接合されているので、例えばワイヤーボンディング接合によりSAWフィルター1とパッケージ60との接合をする場合などに比して、接続距離を最小限に抑えた接合ができるので、小型化が図りやすいとともに、電気的な高速化を図ることができる。また、ボンディングワイヤーの長さやループ形状によって寄生インダクタンスが大きくなったり、新たな電磁的結合要因となったりすることによって起こる周波数特性の劣化を回避できる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、SAWフィルター10、20、30はIDT電極をSAW伝搬方向に沿って3つ配置した縦結合二重モードSAWフィルターを2個縦続接続した構造としたが、SAW共振子や、ラダー型フィルター、横結合型SAWフィルターにおいても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態で説明したSAWフィルター1において、圧電基板5としては、圧電材料として一般的な水晶に限定されず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li2B4O7)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta2O5)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された圧電基板を用いることができる。
また、上記実施形態では、弾性表面波素子の一例として、SAWフィルター1について説明したが、これに限定されず、SAW共振子、あるいはセンサーやコンボルバなどのSAW遅延素子などの、圧電基板上にIDT電極が形成されてなる他の弾性表面波素子(SAW素子)に適用することも可能である。
1…弾性表面波素子あるいは弾性表面波フィルターとしてのSAWフィルター、5…圧電基板、7…接地用金属パターンとしてのアースパターン、10,20,30…SAWフィルター、10A,10B,20A,20B,30A,30B…縦結合二重モードSAWフィルタ、11A,11B,21A,21B,31A,31B…IDT電極、11a〜11c…電極指、12A,22A,32A…反射器、15Aa,15Ab,15Ba,15Bb,25Aa,25Ab,25Ba,25Bb,35Aa,35Ab,35Ba,35Bb,45a,45b…電極パッド、60…容器としてのパッケージ、100…弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイス。
Claims (5)
- 圧電基板上に、中心周波数がすべて異なる三つ以上の弾性表面波フィルターが弾性表面波の伝搬方向に沿って並列に配置されてなる弾性表面波素子であって、
前記各弾性表面波フィルターは、1つ以上のIDT電極が弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されて構成されており、
前記各弾性表面波フィルターのうち、中央部に配置された中央弾性表面波フィルターの前記IDT電極を囲むように、前記中央弾性表面波フィルターの周辺に配置される前記弾性表面波フィルターの接地用電極パターンが設けられていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1に記載の弾性表面波素子において、
前記圧電基板上において、前記中央弾性表面波フィルターの前記IDT電極の表面波伝搬経路に他の前記弾性表面波フィルターが重複しないように配置されていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1または2に記載の弾性表面波素子において、
前記圧電基板の周縁部に枠状の接地用金属パターンが設けられ、その接地用金属パターンに前記弾性表面波フルターが接続されていることを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性表面波素子において、
前記中央弾性表面波フィルターが、前記弾性表面波フィルターのうち最も高い中心周波数を有することを特徴とする弾性表面波素子。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性表面波素子が容器内にフェースダウン接合されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009090769A JP2010245722A (ja) | 2009-04-03 | 2009-04-03 | 弾性表面波素子、およびそれらを用いた弾性表面波デバイス |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9455682B2 (en) | 2012-08-30 | 2016-09-27 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Elastic wave filter device and duplexer |
JP2017028543A (ja) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | 株式会社デンソー | 弾性表面波素子 |
US10447233B2 (en) | 2016-06-21 | 2019-10-15 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Elastic wave device |
WO2023219134A1 (ja) * | 2022-05-13 | 2023-11-16 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置 |
-
2009
- 2009-04-03 JP JP2009090769A patent/JP2010245722A/ja not_active Withdrawn
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