JP6453913B2 - 弾性波装置、分波器および通信装置 - Google Patents

弾性波装置、分波器および通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、弾性波装置、分波器および通信装置に関するものである。
支持基板と弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を伝搬させる圧電基板とを貼り合わせた貼り合せ基板を用いた弾性波装置(SAW装置)が知られている。このようなSAW装置では、圧電基板の表面にSAWを励振する励振電極が配置されている。SAW装置において、圧電基板の厚さ方向の波(バルク波)が圧電基板と支持基板との界面で反射することで、圧電基板の表面におけるSAWに対するノイズとなる場合がある。そして、このノイズを低減するために、特開2007−228225号公報では、圧電基板と支持基板との中間の音響インピーダンスをもつ音響緩和層を圧電基板と支持基板との間に介在させることを提案している。
近年、バルク波の影響を抑制する別の手法が求められている。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルク波の影響を抑制した、高品質の伝送特性を実現できるSAW装置、分波器および通信装置を提供することにある。
本発明の実施形態に係るSAW装置は、素子基板と弾性波共振子(SAW共振子)とを備える。前記素子基板は、圧電基板と、前記圧電基板の下面に接合された支持基板と、を含む。前記SAW共振子は、前記圧電基板の上面に位置し、第1分割共振子およびこれに電気的に接続された第2分割共振子を含む共振子と、を備える。前記第1分割共振子および前記第2分割共振子は、弾性波を発生させるIDT電極を含み、前記第1分割共振子の共振周波数と前記第2分割共振子の共振周波数とを異ならせている。
本発明の実施形態に係る分波器は、アンテナ端子と、送信フィルタと、受信フィルタとを備える。送信フィルタは、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する。受信フィルタは、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする。そして、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタは、上述のSAW装置を有する。
本発明の実施形態に係る通信装置は、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された、上述の分波器と、該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
本開示の弾性波装置、分波器および通信装置によれば、信号の伝送特性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るSAW装置の外観斜視図である。 図1のSAW装置を一部破断して示す斜視図である。 図1のSAW装置のIDT電極およびその周辺を示す平面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 実施例および比較例にかかる弾性波素子の周波数に対する位相特性の実測値を示す線図である。 図5の一部を拡大した図である。 図5の一部を拡大した図である。 SAW装置による効果を説明する模式図である。 SAW装置による効果を説明する模式図である。 SAW装置による効果を説明する模式図である。 実施例2および比較例にかかる弾性波素子の周波数に対する位相特性の実測値を示す線図である。 実施例2および比較例にかかる弾性波素子の周波数に対する位相特性の実測値を示す線図である。 実施例3および比較例にかかる弾性波素子の周波数に対する位相特性の実測値を示す線図である。 実施例3および比較例にかかる弾性波素子の周波数に対する位相特性の実測値を示す線図である。 本発明の実施形態に係る通信装置を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る分波器を説明する回路図である。
以下、本発明の実施形態に係るSAW装置、分波器および通信装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
SAW装置は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。なお、直交座標系xyzは、SAW装置1の形状に基づいて定義されているものであり、圧電基板の結晶軸を指すものではない。
<SAW装置の構成の概要>
図1は、実施形態に係るSAW装置1の外観斜視図である。また、図2は、SAW装置1の一部を破断して示す斜視図である。より具体的には、図2は、後述の蓋部21を取り除き枠部19の一部を破断した状態を示す図である。図3は、IDT電極5およびその周辺を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。
SAW装置1は、例えば、比較的小型の概略直方体状の電子部品である。その寸法は適宜に設定されてよいが、例えば、厚さは0.1mm〜0.4mm、平面視における長辺および短辺の長さは0.5mm〜3mmである。SAW装置1の上面には、複数のパッド7が露出している。SAW装置1は、不図示の実装基板の主面に対して上面を対向させて配置され、実装基板の主面に設けられた不図示の複数のパッドと、複数のパッド7とが半田等からなるバンプによって接合されることによって、実装基板に実装される。実装後、樹脂封止されてもよい。
SAW装置1は、いわゆるウェハレベルパッケージ(WLP)形のSAW装置によって構成されている。SAW装置1は、例えば、素子基板3と、素子基板3の第1面3a上に設けられた励振電極としてのIDT(Interdigital Transducer)電極5(図2)と、第1面3a上に設けられ、IDT電極5に接続された既述の複数のパッド7と、IDT電極5を覆うとともにパッド7を露出させるカバー9(図1)と、素子基板3の第2面3bに設けられた裏面部11とを有している。
SAW装置1は、複数のパッド7のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、IDT電極5等によってフィルタリングされる。そして、SAW装置1は、フィルタリングした信号を複数のパッド7のいずれかを介して出力する。各部材の具体的構成は以下のとおりである。
素子基板3は、例えば、いわゆる貼り合せ基板によって構成されている。すなわち、素子基板3は、圧電基板13と、圧電基板13の下面に貼り合わされた支持基板15とを有している。なお、圧電基板13の上面、下面は対向する2つの面を区別するために便宜的に定義したものであり、いずれの面が上方に位置していてもよい。
圧電基板13は、例えば、ニオブ酸タンタル(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板である。より好適には、圧電基板13は、42°±10°Y−XカットのLiTaO、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO基板などである。その他、圧電基板13は水晶(SiO)単結晶などでもよい。なお、42°±10°Y−Xカットとはカット角が32°〜52°であることを示すものである。
圧電基板13の厚さは、例えば、一定であり、SAW装置1が適用される技術分野やSAW装置1に要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板13の厚さは、1〜30μmである。圧電基板13の平面形状および各種寸法も適宜に設定されてよい。
支持基板15は、例えば、圧電基板13の材料よりも熱膨張係数が小さい材料によって形成されている。従って、温度変化が生じると圧電基板13に熱応力が生じ、この際、弾性定数の温度依存性と応力依存性とが打ち消し合い、ひいては、SAW装置1の電気特性の温度変化が補償される。このような材料としては、例えば、サファイア等の単結晶、シリコン等の半導体および酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックを挙げることができる。なお、支持基板15は、互いに異なる材料からなる複数の層が積層されて構成されていてもよい。
支持基板15の厚さは、例えば、一定であり、圧電基板13の厚さと同様に適宜に設定されてよい。ただし、支持基板15の厚さは、温度補償が好適に行われるように、圧電基板13の厚さを考慮して設定される。一例として、圧電基板13の厚さ1〜30μmに対して、支持基板15の厚さは50〜300μmである。支持基板15の平面形状および各種寸法は、圧電基板13と同等としてもよい。
圧電基板13および支持基板15は、例えば、不図示の接着層を介して互いに貼り合わされている。接着層の材料は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。有機材料としては、例えば、熱硬化性樹脂等の樹脂が挙げられる。無機材料としては、例えば、SiOが挙げられる。また、両基板は、接着面をプラズマやイオンガン,中性子ガンなどで活性化処理した後に接着層無しに貼り合わせる、いわゆる直接接合によって貼り合わされていても良い。
IDT電極5、複数のパッド7およびこれらを接続する配線17(図2)、ならびに、後述する反射器27(図3)は、例えば、圧電基板13の第1面3a上に形成された導電層により構成されている。導電層の厚さは、例えば、100〜500nmである。導電層は、一の導電材料から構成されていてもよいし、複数の導電材料が積層されて構成されていてもよい。
また、IDT電極5、複数のパッド7および配線17、ならびに、後述する反射器27は、例えば、互いに同一の導電材料によって構成されている。導電材料は、例えばAl−Cu合金等のAl合金である。ただし、これらは、互いに異なる材料によって構成されてもよい。また、パッド7は、IDT電極5と同一の材料および厚さの層に加えて、半田等との接続性を高める等の目的で他の導電層が重ねられてもよい。
パッド7の数および配置位置、ならびに、配線17の数および配置は、IDT電極5によって構成されるフィルタの構成等に応じて適宜に設定される。図1および図2では、6つのパッド7が第1主面3aの外周に沿って配列されている場合を例示している。パッド7の平面形状は適宜に設定されてよく、例えば、円形である。配線17は、不図示の絶縁材料を介して立体交差するように設けられてよい。この場合において、上側となる配線17は、下側となる配線17とは異なる材料によって下側となる配線17よりも厚く形成されるなどしてもよい。
カバー9(図1)は、例えば、その外側形状が、概略、第1面3aの全体を覆う一定の厚さの層状に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1面3aが矩形であることに対応して、カバー9の外側形状は、概略、薄型の直方体状に形成されている。そして、カバー9の外縁は素子基板3の外周よりも内側に位置する。これにより、カバー9を封止樹脂で覆う際に封止樹脂と素子基板3との接合強度を高めることができる。
カバー9は、第1面3a上に設けられ、第1面3aの平面視においてIDT電極5を囲む枠部19(図1および図2)と、枠部19に重ねられ、枠部19の開口を塞ぐ蓋部21(図1)とを有している。そして、第1面3a(厳密には後述する保護層35)、枠部19および蓋部21によって囲まれた空間により、SAWの励振および伝搬を容易化するための振動空間23(図2)が形成されている。
振動空間23の数、配置および形状は、IDT電極5等の配置に応じて適宜に設定されてよい。図2では、多角形からなる2つの振動空間23が設けられている場合を例示している。図2では、各振動空間23に、1つのIDT電極5が位置している。ただし、各振動空間23には、複数のIDT電極5が配置されてよい。複数のIDT電極5は、ラダー型フィルタ、および、多重モード型SAW共振子フィルタ等を構成してよい。なお、図2において振動空間23内に位置するIDT電極5の構成は模式的な図である。
枠部19は、概ね一定の厚さの層に振動空間23となる開口が1以上(図2では2つ)形成されることによって構成されている。枠部19の厚さ(振動空間23の高さ)は、例えば、数μm〜30μmである。蓋部21は、概ね一定の厚さの層によって構成されている。蓋部21の厚さは、例えば、数μm〜30μmである。
枠部19および蓋部21は、同一の材料によって形成されていてもよいし、互いに異なる材料によって形成されていてもよい。本願では、説明の便宜上、枠部19と蓋部21との境界線を明示しているが、現実の製品においては、枠部19と蓋部21とは、同一材料によって一体的に形成されていてもよい。
カバー9(枠部19および蓋部21)は、例えば、感光性の樹脂によって形成されている。感光性の樹脂は、例えば、アクリル基やメタクリル基などのラジカル重合により硬化する、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系の樹脂である。その他、ポリイミド系の樹脂なども用いることができる。
カバー9には、例えば、パッド7を露出させるための切り欠き乃至は孔が形成されている(符号省略)。図1および図2の例では、枠部19に孔が形成され、蓋部21には切り欠きが形成されている。なお、切り欠きや孔が形成されず、カバー9が圧電基板13よりも面積が小さいことによって、パッド7が露出してもよい。
裏面部11は、特に図示しないが、例えば、素子基板3の第2面3bの概ね全面を覆う裏面電極と、裏面電極を覆う絶縁性の保護層とを有している。裏面電極により、温度変化等によって素子基板3表面にチャージされた電荷が放電される。保護層により、素子基板3の損傷が抑制される。なお、第2面3bは、第1面3aと向かい合う面である。
図3は、IDT電極5およびその周辺を示す平面図である。なお、図3では、1つの振動空間23に1つの共振子を構成するIDT電極5が配置されているが、1つの振動空間23に複数の共振子が配置されてよいことは既に述べたとおりである。
IDT電極5は、例えば、その両側に配置された2つの反射器27と共に1ポート型のSAW共振子25を構成している。
SAW共振子25は、例えば、配線17の一例である入力配線17Aから信号が入力され、SAWを介した共振を生じ、配線17の一例である出力配線17Bへ信号を出力する。SAW共振子25は、2以上の複数に分割されている。言い換えると、SAW共振子25は、複数の分割共振子25A,25B・・・が直列接続されてなる。
ここで、隣り合う分割共振子の間には、他の分岐回路が接続されない。分岐回路とは、隣り合う分割共振子をつなぐ配線から分岐して、その先に所定の機能を果たす素子(インダクタ,抵抗およびグランド等)を有する回路をいう。なお、この例では、SAW共振子25は、2つの分割共振子25A,25Bが直列接続されてなる。
後述するが、SAW共振子25は、例えば、ラダー型フィルタに利用される。具体的には、公知のように、直列に接続された複数の直列共振子と、複数の直列共振子の間とグランド(基準電位)とに接続された複数の並列共振子とが設けられることにより、ラダー型フィルタが構成される。例えば、この直列共振子の少なくとも1つに本実施形態で説明するSAW共振子25を用いることができる。全ての直列共振子をSAW共振子25に置き換えてもよい。そして、既に述べたように、このラダー型フィルタは、1つの振動空間23に配置されてよい。なお、直列共振子に求められる特性は複数の分割共振子25A,25B・・・で合わせて成すものとする。言い換えると、分割共振子25A,25B・・・・は共同して1つの共振子として機能するように設計されたものであり、回路中で全く異なる機能・用途に用いられる別設計の共振子を2以上直列接続したものとは異なる。
IDT電極5は、一対の櫛歯電極29を有している。各櫛歯電極29は互いに対向するバスバー29aと、バスバー29aからその対向方向に延びる複数の電極指29bとを有している。1対の櫛歯電極29は、複数の電極指29bが互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。そして、この例では、2つの分割共振子(第1分割共振子25A,第2分割共振子25B)は、SAWの伝搬方向の大きさおよび位置が互いに同一となっている。そして、隣接する第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとは、バスバー29a同士が接続されている。この例では、バスバー29aの長手方向全体に亘って互いに接続されているが、別途配線を用いて2つのバスバー29aを接続してもよい。言い換えると、第1分割共振子25Aの2つのバスバー29aのうち、信号が出力される側のバスバー29aと、第2分割共振子25Bの2つのバスバー29aのうち、信号が入力される側のバスバー29aと、が電気的に接続されている。
なお、SAWの伝搬方向は複数の電極指29bの向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、SAWの伝搬方向を基準として、複数の電極指29bの向き等を説明することがある。
バスバー29aは、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(x方向)に直線状に延びる長尺状に形成されている。1対の櫛歯電極29のバスバー29aは、SAWの伝搬方向に交差する方向(y方向)において対向している。
複数の電極指29bは、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向(x方向)に概ね一定の間隔で配列されている。1対の櫛歯電極29の複数の電極指29bは、そのピッチp(例えば電極指29bの中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λは、例えば、1.3μm以上6μm以下である。
複数の電極指29bの一部においては、そのピッチpが相対的に小さくされたり、逆に、ピッチpが相対的に大きくされたりしてもよい。このような狭ピッチ部または広ピッチ部を設けることによって、SAW装置の周波数特性が向上することが知られている。なお、本実施形態において、単にピッチpという場合、特に断りがない限り、狭ピッチ部および広ピッチ部のピッチpを除く部分(複数の電極指29bの大部分)のピッチpまたはその平均値をいうものとする。
複数の電極指29bの本数、長さ(y方向)および幅(x方向)は、SAW装置1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。一例として、SAW共振子25における複数の電極指29bの本数は100以上500本以下である。複数の電極指29bの長さおよび幅は、例えば、互いに同等である。
反射器27は、例えば、平面視において格子状に形成されている。すなわち、反射器27は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する1対のバスバー27aと、これらバスバー27a間においてSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に延びる複数のストリップ27bとを有している。
バスバー27aは、例えば、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向(x方向)に直線状に延びる長尺状に形成されている。1対のバスバー27aは、SAWの伝搬方向に交差する方向(y方向)において対向している。
ストリップ27bは、IDT電極5の複数の電極指29bと同等のピッチで配列されている。互いに隣り合う電極指29bとストリップ27bとの間のピッチ(IDT電極5と反射器27との隙間)も、複数の電極指29bのピッチと同等とされている。ストリップ27bの本数、長さ(y方向)および幅(x方向)は、SAW共振子25に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、ストリップ27bの本数は、各反射器27において20本程度である。
複数の電極指29bによって圧電基板13に電圧が印加されると、圧電基板13の上面(第1主面3a)付近において、第1面3aに沿って伝搬するSAWが誘起される。このSAWは、複数の電極指29bおよび複数のストリップ27bによって反射される。その結果、複数の電極指29bのピッチpを半波長とするSAWの定在波が形成される。定在波は、第1面3aに電荷(定在波と同一周波数の電気信号)を生じさせる。その電気信号は、複数の電極指29bによって取り出される。
ここで、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとでは、電極指29bの設計を異ならせている。具体的には、電極指29bの設計を異ならせて、第1共振子25Aと第2共振子25Bとで共振周波数を異ならせている。この点については後述する。
図4は、図3のIV−IV線における断面図である。なお、図示の都合上、図4では、図3よりも電極指の本数を減じている。
素子基板3の第1面3a上には、保護層35が重ねられている。保護層35は、例えば、導電層の酸化防止等に寄与するものであり、SAW共振子25および配線17(図1)等を覆っている。なお、配線17の一部は、保護層35の上に設けられてもよい。また、パッド7(図1)は、保護層35に開口が形成されることによって保護層35から露出している。カバー9は、保護層35の上に重ねられている。
保護層35は、例えば、酸化珪素(SiOなど)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素、または、シリコンによって形成されている。保護層35の厚さは、例えば、IDT電極5の厚さの1/10程度(10〜30nm)である。このように保護層35が比較的薄くされることによって、SAWの励振および伝搬が容易化される。
上述のように構成したSAW装置1によれば、圧電基板13の厚み方向に伝搬するバルク波に由来するスプリアスを低減させることができ、伝送品質の優れたものとすることができる。以下、そのメカニズムについて考察する。
本実施形態では、SAW装置1は、圧電基板13に貼り合わされた支持基板15を有している。このように圧電基板13が支持基板15と貼り合わされる場合、支持基板15によって素子基板3の強度が得られることなどから、圧電基板13は比較的薄く形成される。例えば、本実施形態とは異なり、素子基板が圧電基板のみからなる場合の圧電基板の厚さに比較して、圧電基板13の厚さは1/10程度とされてもよい。その結果、圧電基板13に生じたバルク波は、圧電基板13内に放射して漏洩波とならずに圧電基板13と支持基板15との界面で反射して定在波を形成する。そして、SAW共振子25においても、バルク波を介した共振を生じることになり、このバルク波の高調波によりスプリアスが生じ、信号の伝送特性が悪化する虞がある。
ここで、SAW共振子25は、互いに接続された第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとに分割されており、互いの共振周波数がずれるように電極指29b設計を異ならせている。このため、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとでバルク波の共振周波数もずれるため、スプリアスの発生位置をずらし、全体としてのピーク強度を低下させることができる。
本実施形態のようにSAW共振子25を分割し、分割した各々の分割共振子25A,25Bの共振周波数を異ならせたSAW装置1の効果を確かめるために、SAW装置1の周波数特性の測定を行なった。まず比較例として製造した従来のSAW装置の条件は次の通りである。
(比較例の製造条件)
[素子基板3]
圧電基板13
材料:46.3°YカットX伝搬LiTaO基板
厚み:20.1μm
支持基板15
材料:シリコン単結晶基板
厚み:230μm
[IDT電極5]
材料:Al−Cu合金(ただし、圧電基板13との間には6nmのTiからなる下地層あり。)
厚さ(Al−Cu合金層):160nm
IDT電極5の電極指29b:
本数:300本
ピッチ:1.1055μm
デューティー:0.5
交差幅W:20λ
[保護層35]
材料:SiO
厚さ:15nm
次に、本実施形態に係るSAW装置(実施例1)が効果を奏することを確認した。以下、本実施形態に係るSAW装置(実施例1)の製造条件を示す。なお、下記の条件は、比較例1のSAW装置と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例1の製造条件)
[SAW共振子25]
第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとに分割
[IDT電極3]
第1分割共振子25Aの電極指29bのピッチ:1.1055μm
第2分割共振子25Bの電極指29bのピッチ:1.1030μm
このような条件で製造した比較例、実施例1のSAW装置の結果を図5,図6に示す。図5に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの位相を示している。図6Aは、図5の点線で囲んだ領域の拡大図であり、図6Bは、図5の破線で囲んだ領域における拡大図を示す。図6A、図6Bにおいて、比較例の特性を点線で、実施例1の特性を実線で示している。
これらの図からも明らかなように、実施例1のSAW装置1によれば、バルク波スプリアスを抑制できていることが分かる。なお、実施例1の第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとは、電極指29bのピッチを異ならせることで、その設計共振周波数を4MHzずらしたものとなっている。
ここで、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで異ならせる周波数の大きさいについて検討する。前述した通り、SAW共振子1で発生するバルク波による共振を分割すればよいので、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで周波数が異なっていれば効果を奏する。すなわち、図7Aに示すように、2つのスプリアスが重畳して1つの大きなスプリアスとなる部分を、図7B,図7Cに示すように、周波数を異ならせることで重畳したスプリアスの大きさを小さくすることができる。ここで、図7A〜図7Cにおいて、第1分割共振子25Aおよび第2分割共振子25Bの個々のバルク波スプリアスを紙面の上下方向に離して記載している。これは波形を見やすくするためであり、強度等の差を示すものではない。
ただし、バルク波の各スプリアスにおける共振周波数と反共振周波数とを考慮して、分割した一方の共振子におけるバルク波の共振周波数を中心とするインピーダンス変化が、他方の共振子におけるバルク波の反共振周波数を中心とするインピーダンス変化に重なるようにしてもよい(図7B)。この場合には、一方の分割共振子におけるスプリアスピークと他方の分割共振子におけるスプリアスピークとが打ち消し合い、全体としてのスプリアスを小さくすることができる。このように2つの分割共振子で互いのスプリアスを打ち消し合うためには、バルク波の共振周波数と反共振周波数との差分fxに対して、2倍以下の周波数範囲で2つの分割共振子の周波数を異ならせればよい。さらに、1/2fx以上、3/2fx以下の周波数範囲で両者の周波数を異ならせれば、互いの分割共振子に由来するバルク波スプリアスを効果的に打ち消すことができる。より好ましくは、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとでfxと同程度周波数を異ならせればよい。このようなfxは、圧電基板13の材料、入力信号の周波数により適宜調整することができる。
また、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで、たとえば2fx以上周波数を異ならせた場合には、両者におけるスプリアスの打ち消し合い効果はないが、重畳されて悪化する虞もなくなる(図7C)。
図8,図9に、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで異ならせる周波数の大きさを変えて、周波数に対する位相特性を実測した結果を示す。図8A,図8Bおよび図9A,図9Bはそれぞれ、図5の点線および破線で囲んだ領域に相当する部分を拡大したものである。実施例2、3として、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで異ならせる周波数の大きさを、8MHz,12MHzとしたものを製造した。そして、実施例2と比較例1との特性を比較した結果を図8A,図8Bに、実施例3と比較例1との特性を比較した結果を図9A,図9Bに示した。図8A,図8B、図9A,図9Bともに、縦軸はインピーダンスの位相を示し、横軸は周波数を示している。いずれも実線で実施例の特性と、点線で比較例の特性を示している。
図8A,図8B,図9A,図9Bからも、実施例2,3の場合には、バルク波スプリアスによる位相の変動が多くみられる1770MHzにおいては特性が改善している。一方で、最大位相値近傍の特性は低下していることが確認できる。これは、共振周波数の開きが大きくなり、Q値が低下するためと考えられる。
図6A,図6B,図8A,図8Bおよび図9A,図9Bから、46.3°YカットX伝搬LiTaO基板を用いて、High−Bandの入力信号を用いる場合には、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとの電極指29b設計において、3MHz〜7MHz共振周波数が異なるように設計することが好ましい。ここで、High−Bandの周波数範囲として、1700MHz〜2700MHzが例示できる。
Low−Bandの入力信号を用いる場合には、上記と同様の考え方で共振周波数の開きを設定すればよいが、1MHz〜4MHz程度とすればよい。ここで、Low−Bandの周波数範囲として、800MHz〜1000MHzが例示できる。
なお、SAW装置1によれば、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとが直列接続されているため、共振周波数がスプリットしない。これにより、所望の共振周波数を得ることができる。
<弾性波装置の変形例>
上述の例では、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで周波数を異ならせるために、電極指29bのピッチを変更したがこの例に限定されない。たとえば、IDT電極5のデューティーを変化させたり、電極指29bの膜厚を変化させたりしてもよい。
IDT電極5のデューティーは、電極指29bの幅wを、弾性波の伝搬方向における電極指29bの一方側の端部からこれに隣接する電極指29bの他方側の端部までの距離Dで割った値である。このようにIDT電極5のデューティーを変化させて共振周波数を変化させる場合には、IDT電極5の共振周波数を高くするにはデューティーを小さくすればよく、IDT電極5の共振周波数を低くするにはデューティーを大きくすればよい。
このようにデューティーを変化させた場合でも本実施形態に係るSAW素子が効果を奏することを実測により確認している。
なお、本実施形態では、電極指設計である設計パラメーター(本数、交差幅、ピッチ、デューティー、電極の厚み、周波数等)が特定の場合のみを示したが、本発明はどのようなパラメーターのSAW装置についてもスプリアスを低減する効果を奏する。例えば実施例1の例から、IDT電極の電極指の本数や交差幅を変化させたときでも実施例1と同様に第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで電極指29b設計を異ならせることで良好なスプリアス抑制効果が発揮されることをシミュレーションで確認した。
フィルタや分波器では、さまざまな本数、交差幅の共振子を複数組み合わせて特性を発揮させるが、本発明のSAW装置1を共振子として使用するに際しては、複数の共振子に対して、IDT電極および反射器の設計値を設定することができる。このため、フィルタや分波器に本発明のSAW装置1を使った場合でも、設計は従来の弾性波装置を使った場合と同様に行なうことができる。
また、設計パラメーター(圧電基板13の厚み、カット角、材料、周波数、電極厚み等)を変更した場合は、第1分割共振子25Aと第2分割共振子25Bとで異ならせる周波数の大きさをシミュレーションすることで再設計させることができる。
また、上述の例では、2つの分割共振子(第1分割共振子25A,第2分割共振子25B)は、SAWの伝搬方向の大きさおよび位置が互いに同一となっている場合を例に説明したが、大きさSAWの伝搬方向の大きさおよび位置は異なっていてもよい。
さらに、上述の例では1つの共振子を2つの分割共振子(第1分割共振子25A,第2分割共振子25B)に分けた場合について説明したが、3以上に分割していてもよい。その場合には、分割した複数の分割共振子全てで共振周波数を異ならせてもよいし、一部の分割共振子のみ異ならせてもよい。
また、上述の例では、2つの分割共振子を直列で接続した例について説明したが、並列で接続してもスプリアスの大きさを低減することができる。ただし、並列接続した場合には、SAW装置全体の共振周波数がスプリットする。このため、例えば共振周波数と反共振周波数との差分であるΔfを小さくする場合に2つの分割共振子を並列接続させることで、スプリアスを抑制しつつ狭Δf化したSAW装置を提供することができる。
また、上述の例では、蓋部21は枠部19と同様の材料からなる場合を例に説明したが、蓋部21は有機基板や圧電基板、セラミック基板、単結晶基板等を用いることもできる。
また、パッド7を被覆しないよう設けられた枠部19の開口を埋めるような柱状電極をパッド7上に配置してもよい。
<通信装置および分波器の構成の概要>
図10は、本発明の実施形態に係る通信装置101の要部を示すブロック図である。通信装置101は、電波を利用した無線通信を行なうものである。分波器207は、通信装置101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信装置101において、送信すべき情報を含む送信情報信号(TIS:TransmissionInformation Signal)は、RF−IC103によって変調および周波数の引上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号(TS:Transmission Signal)とされる。TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器7に入力される。分波器7は、入力されたTSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(TS)を無線信号に変換して送信する。
通信装置101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号:RS:Receiving Signal)に変換されて分波器207に入力される。分波器207は、入力されたRSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力されたRSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、RSは、RF−IC103によって周波数の引下げおよび復調がなされて受信情報信号(RIS:Receiving Information Signal)とされる。
なお、TISおよびRISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えばアナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組合せのいずれであってもよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る分波器207の構成を示す回路図である。分波器207は、図9において通信装置101に使用されている分波器207である。SAW装置1は、例えば図9に示した分波器207における送信フィルタ211のラダー型フィルタ回路を構成する。
送信フィルタ211は、図11に示すように、素子基板3と、素子基板3上に形成された直列共振子S1〜S3および並列共振子P1〜P3とを有する。
分波器207は、アンテナ端子208と、送信端子209と、受信端子210と、アンテナ端子208と送信端子209との間に配置された送信フィルタ211と、アンテナ端子208と受信端子210との間に配置された受信フィルタ212とから主に構成されている。
送信端子209には増幅器107からのTSが入力され、送信端子209に入力されたTSは、送信フィルタ211において送信用の通過帯域以外の不要成分が除去されてアンテナ端子208に出力される。また、アンテナ端子208にはアンテナ109からRSが入力され、受信フィルタ212において受信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて受信端子210に出力される。
送信フィルタ211は、例えばラダー型SAWフィルタによって構成されている。具体的に送信フィルタ211は、その入力側と出力側との間において直列に接続された3個の直列共振子S1、S2、S3と、直列共振子同士を接続するための配線である直列腕と基準電位部Gとの間に設けられた3個の並列共振子P1、P2、P3とを有する。すなわち、送信フィルタ211は3段構成のラダー型フィルタである。ただし、送信フィルタ211においてラダー型フィルタの段数は任意である。
並列共振子P1〜P3と基準電位部Gとの間には、インダクタLが設けられている。このインダクタLのインダクタンスを所定の大きさに設定することによって、送信信号の通過帯域外に減衰極を形成して帯域外減衰を大きくしている。複数の直列共振子S1〜S3および複数の並列共振子P1〜P3は、それぞれSAW共振子からなる。
受信フィルタ212は、例えば、多重モード型SAWフィルタ217と、その入力側に直列に接続された補助共振子218とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは2重モードを含むものである。多重モード型SAWフィルタ217は平衡−不平衡変換機能を有しており、受信フィルタ212は平衡信号が出力される2つの受信端子210に接続されている。受信フィルタ212は多重モード型SAWフィルタ217によって構成されるものに限られず、ラダー型フィルタによって構成してもよいし、平衡−不平衡変換機能を有していないフィルタであってもよい。
送信フィルタ211、受信フィルタ212およびアンテナ端子208の接続点とグランド電位部Gとの間には、インダクタ等からなるインピーダンスマッチング用の回路を挿入してもよい。
このような分波器207のSAW共振子として上述したSAW装置1を用いることにより、分波器207のフィルタ特性を向上させることができる。実施例1のSAW共振子25の構造を用いたものを送信フィルタ211の直列共振子S1〜S3に適用した場合の分波器のフィルタ特性についてシミュレーションで計算を行なった。なお、分波器207の通過帯域は、UMTSのBand2の送信側を想定した。その結果、バルク波スプリアスの影響が低減していることを確認した。
図11に示す分波器207の送信側フィルタとしてラダー型フィルタが用いられる。ラダー型フィルタでは、直列共振子S1〜S3の共振周波数はフィルタ通過帯域の中央付近に設定される。また、並列共振子P1〜P3は、その反共振周波数がフィルタ通過帯域の中央付近に設定される。このような周波数配置をとった場合であって、本発明のSAW装置1を直列共振子S1〜S3に用いた場合には、フィルタ通過帯域の中央付近の損失やリップルを改善することができる。
ところで、SAW共振子25では、反共振周波数近傍におけるインピーダンス変化のピークが割れて、反共振周波数側の特性が低下することがある。この場合には、SAW共振子25は共振周波数付近の電気特性は改善されるものの、反共振周波数よりも高周波領域での損失は逆に悪化することがある。
ラダー型フィルタでは、並列共振子P1〜P3において、この損失が悪化する周波数がフィルタ通過帯域の中央よりも高周波側に重なる。このため、SAW共振子25をラダー型フィルタの並列共振子として使用すると、フィルタ通過帯域の波形にリップルが生じる虞があり、設計によっては逆にフィルタの損失を悪化させてしまうことがある。よって、ラダー型フィルタにおいては、SAW共振子25を直列共振子の少なくとも一部のみに使用することによって、フィルタ特性の悪化を低減しつつ、通過特性を顕著に改善することができる。
1:弾性波装置(SAW素子)、3:素子基板、IDT電極:5、13:圧電基板、15:支持基板、25:弾性波共振子(SAW共振子)、25A:第1分割共振子、25B:第2分割共振子、101 通信装置、103:RF−IC、211:送信フィルタ、212:受信フィルタ、S1、S2、S3:直列共振子、P1、P2、P3:並列共振子

Claims (8)

  1. 圧電基板と、前記圧電基板の下面に接合された支持基板と、を含む素子基板と、
    前記圧電基板の上面に位置する、第1分割共振子およびこれに電気的に接続された第2分割共振子を含む弾性波共振子と、を備え、
    前記第1分割共振子および前記第2分割共振子は、弾性波を発生させるIDT電極を含み、前記第1分割共振子の共振周波数と前記第2分割共振子の共振周波数とを、前記圧電基板に生じるバルク波の共振周波数と反共振周波数との差分の2倍以下の範囲で異ならせている、弾性波装置。
  2. 前記第1分割共振子の周波数と前記第2分割共振子の周波数とは、3MHz以上7MHz以下の範囲で異ならせている、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記第1分割共振子と前記第2分割共振子とは、前記IDT電極のピッチが異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  4. 前記第1分割共振子と前記第2分割共振子とは、前記IDT電極の電極指幅が異なる、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  5. 前記第1分割共振子と前記第2分割共振子とは、途中に分岐回路を備えることなく直列接続されている、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波装置。
  6. アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する送信フィルタと、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする受信フィルタとを備えた分波器であって、
    前記送信フィルタまたは前記受信フィルタは、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波装置を有する分波器。
  7. 前記送信フィルタは、それぞれが直列に接続した直列共振子と、該直列共振子に対して並列に接続した並列共振子とを有し、前記直列共振子の少なくとも一部が前記弾性波装置で構成されている請求項に記載の分波器。
  8. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項またはに記載の分波器と、
    該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信装置。
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