JP4706337B2 - 弾性表面波素子のidtの設計方法および弾性表面波素子形成用フォトマスク並びに弾性表面波素子の製造方法、弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子のidtの設計方法および弾性表面波素子形成用フォトマスク並びに弾性表面波素子の製造方法、弾性表面波素子 Download PDF

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Description

本発明は、弾性表面波素子のすだれ状電極からなるIDTの設計方法および弾性表面波素子形成用フォトマスク並びに弾性表面波素子の製造方法、弾性表面波素子に関する。
図4は、弾性表面波素子の一例を示す説明図である。弾性表面波素子10は、図4(1)に示すように、圧電体基板(例えばSTカット水晶板)12の中央部にすだれ状電極からなるIDT(Interdigital Transducer)14を有する。このIDT14は、一対の櫛型電極16(16a、16b)からなっている。各櫛型電極16a、16bは、櫛歯となる電極指18(18a、18b)が相互に噛み合うように配置してある。また、弾性表面波素子10は、IDT14を挟んで両側に反射器20(20a、20b)が設けてある。これらの反射器20は、IDT14が励振した弾性表面波をIDT14側に反射する。
このようになっている弾性表面波素子10は、共振周波数(以下、単に周波数という場合がある)が基本的にIDT14を構成している電極指18のピッチ(電極指ピッチ)Ptに依存している。しかし、弾性表面波素子10の共振周波数は、IDT14の電極指18の厚さ(電極膜厚)Ht、電極指幅Bによっても変化する。
また、弾性表面波素子10は、周囲温度によって共振周波数が変化する周波数温度特性を有している。例えば、STカット水晶板から形成した310MHz帯の弾性表面波素子は、図5に示したような周波数温度特性を示す。図5は、横軸が温度tを℃で表し、縦軸が共振周波数の変動量Δfをppmで表している。そして、図5においては、25℃における周波数を基準にして周波数変動量Δfを求めている。弾性表面波素子10は、周波数温度特性を表すのに図5に示した直線で近似することがしばしばある。しかし、直線近似した周波数温度特性の一次係数(この例では−0.7629)は、電極膜厚Htによって変化する。
ところで、スパッタリング装置などの成膜装置を用いて圧電体基板である水晶ウエハに電極用の金属膜(例えば、アルミニウム膜)を成膜した場合、ウエハ内において膜厚分布を生ずる。この膜厚分布の状態は、発明者の研究によると、成膜装置によって異なっており、例えば、ある成膜装置(図示せず)を使用して金属膜を成膜した場合に、図6に示したような膜厚分布を示す。すなわち、圧電体基板であるウエハ30の中心部32が膜厚の厚い領域、その外側の中間部34が膜厚の薄い領域、ウエハ30の外周部36が中間の膜厚を有する領域となる。この膜厚分布は、成膜条件を一定とした場合に同じような傾向を示す。
発明者の研究によると、IDT14を構成しているすだれ状電極の膜厚が変化すると、周波数温度特性の頂点温度が変化する。したがって、周波数温度特性を表す近似式の一次係数が異なってくる。このため、ウエハ30内に膜厚分布が生ずると、同一のウエハ30から形成した弾性表面波素子間において周波数温度特性にばらつきを生じ、高精度な弾性表面波素子を形成することが困難となる。そして、特許文献1は、エッチングなどの成膜後における工程を経ることにより、有効膜厚分布が不均一になることを考慮して、意識的にウエハに所定の膜厚分布が得られるように成膜することを提案している。すなわち、特許文献1は、ウエハとターゲットとの距離を変えて成膜厚さを制御している。
特開2002−275627号公報
特許文献1に記載の方法は、ウエハを1枚ずつ成膜する枚葉処理の場合、膜厚分布を制御することが可能であり、弾性表面波素子の周波数温度特性のばらつきを小さくできる。しかし、特許文献1に記載の方法は、枚葉処理であるため、多数のウエハに対する成膜処理に多くの時間を必要としてコスト高となる。また、特許文献1に記載の方法は、複数のウエハを成膜装置に配置し、複数枚のウエハを同時に成膜処理をするバッチ処理に対して適用することができない。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、同一の圧電体基板から形成した弾性表面波素子間における周波数温度特性のばらつきを小さくすることを目的としている。
また、本発明は、同一の圧電体基板から形成した弾性表面波素子間における周波数のばらつきを小さくすることを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に係る弾性表面波素子のIDTの設計方法は、弾性表面波素子のIDTを構成しているすだれ状電極の電極指幅と、周波数温度特性を表す近似式の一次係数との関係を求めるとともに、前記電極指幅と共振周波数との関係、および電極指ピッチと前記共振周波数との関係を求め、前記電極指幅と前記一次係数との関係に基づいて、目標一次係数に対する前記一次係数の変動を相殺する前記電極指幅を求め、さらに、前記電極指幅と共振周波数との関係、および電極指ピッチと前記共振周波数との関係に基づいて、前記電極指幅を変えたことによる前記共振周波数の変化を相殺する前記電極指ピッチを求める、ことを特徴としている。
このようになっている本発明は、圧電体基板(圧電体ウエハ)に形成した電極用導電膜(金属膜)に膜厚分布(ばらつき)が生じて、弾性表面波素子の周波数温度特性を表す近似式の一次係数が目標一次係数からずれた場合、一次係数の変動を相殺できる電極指幅、電極指ピッチを求めることができる。したがって、一次係数の変動を相殺できるようにすだれ状電極を形成することにより、同一の圧電体基板から形成した弾性表面波素子間における周波数温度特性のばらつきを小さくすることができ、高精度な弾性表面波素子を得ることができる。しかも、膜厚のばらつきによる周波数のばらつき、一次係数を調整したことによる周波数の変化を修正することができる。
本発明に係る弾性表面波素子形成用フォトマスクは、圧電体基板に設けたフォトレジストを露光するためのフォトマスクであって、透明基板に、前記圧電体基板に形成するすだれ状電極に対応させて設けられ、前記すだれ状電極の電極指幅と電極指ピッチとを異ならせて形成できる複数の電極パターンを有していることを特徴としている。
このようになっている本発明は、圧電体基板に形成した電極用導電膜(金属膜)の膜厚にばらつき(分布)に応じて、圧電体基板に設けたフォトレジストに電極指幅、電極指ピッチが異なって形成できる電極パターンを容易に露光できる。したがって、電極用導電膜の膜厚のばらつきに基づく前記一次係数の変動を容易に修正することができ、共振周波数のばらつきも小さくできる。
そして、本発明に係る弾性表面波素子の製造方法は、弾性表面波素子のすだれ状電極の電極指幅と周波数温度特性を表す近似式の一次係数との関係、および前記電極指幅と共振周波数との関係、電極指ピッチと共振周波数との関係、並びに電極用導電膜を成膜する装置に対応させて、圧電体基板に形成した前記弾性表面波素子の前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係を予め求め、前記圧電体基板に設けたフォトレジストを露光する際に、前記予め求めた前記電極指幅と前記一次係数との関係、および前記電極指幅と前記共振周波数との関係、前記電極指ピッチと前記共振周波数との関係、前記弾性表面波素子の前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係に基づいて、前記圧電体基板の位置に応じて、前記電極指幅と電極指ピッチとが異なって形成される電極パターンを露光する、ことを特徴としている。
このようになっている本発明は、成膜装置によって生ずる電極用導電膜の膜厚分布に応じて、すだれ状電極の電極指幅、電極指ピッチを変えるように、圧電体基板に設けたフォトレジストに電極パターンを露光する。これにより、弾性表面波素子の周波数温度係数を表す近似式の一次係数のばらつきを修正することができ、同一の圧電体基板から形成した弾性表面波素子間の周波数温度特性のばらつきを小さくすることができ、周波数温度特性を調整することによる周波数のばらつきを修正でき、高精度な弾性表面波素子を製造することができる。
前記一次係数と圧電体基板の位置との関係は、成膜条件ごとに求めてもよい。例えば、スパッタリングにおけるターゲットの種類や大きさ、荷電粒子のエネルギー、レーザアブレーションにおけるレーザビームのエネルギーなどによって、圧電体基板内における膜厚分布が変わる可能性があり、成膜条件ごとに一次係数と圧電体基板の位置との関係を求めれば、より高精度な弾性表面波素子を得ることができる。
一次係数と圧電体基板の位置との関係は、すだれ状電極を形成するフォトエッチングの条件ごとに求めるとよい。発明者の研究によると、電極用導電膜のエッチングの方法、例えば最初から最後まで同じエッチングガスによりエッチングするとか、途中でエッチングガスを変えるとか、ドライエッチングとウエットエッチングとを組み合わせるとかによって、同じ成膜装置によって成膜した場合であっても、圧電体基板内における膜厚分布が異なることが明らかになった。このため、同一の圧電体基板内において一次係数にばらつきが生ずる。したがって、フォトエッチングの条件に応じて、一次係数と圧電体基板の位置との関係を求めることにより、目標一次係数とのずれ(変動)が求められ、それに応じて電極指幅、電極指ピッチを変えたすだれ状電極(IDT)を形成することにより、周波数温度特性のばらつきの小さな高精度な弾性表面波素子を製造することができる。なお、露光は、上記した弾性表面波素子形成用フォトマスクを使用して行なうとよい。これにより、電極指幅と電極指パターンとが異なるすだれ状電極を形成するためのフォトレジストの露光工程を容易、迅速に行なうことができる。
そして、本発明に係る弾性表面波素子は、上記したいずれかの弾性表面波素子の製造方法により製造したことを特徴としている。これにより、周波数温度特性のばらつきの小さい高精度な弾性表面波素子を得ることができる。
本発明に係る弾性表面波素子のIDTの設計方法および弾性表面波素子形成用フォトマスク並びに弾性表面波素子の製造方法、弾性表面波素子の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子形成用フォトマスクの平面図である。図1において、フォトマスク40は、石英ガラスなどの矩形状透明基板42に弾性表面波素子に形成する電極に対応した複数(実施形態では3つ)の電極パターン44(44a〜44c)が設けてある。フォトマスク40は、実施形態の場合、縮小投影露光装置用のフォトマスク(レチクル)であって、各電極パターン44が例えば原寸の5倍程度の大きさに形成してある。
各電極パターン44は、透明基板42の長手方向に沿って並列に並べて設けてある。フォトマスク40は、電極パターン44がクロム(Cr)などの遮光性の薄膜から形成してある。すなわち、実施形態のフォトマスク40は、ポジ型レジスト用であるが、ネガ型レジスト用であってもよい。そして、実施形態の各電極パターン44は、弾性表面波素子のすだれ状電極からなるIDTに対応したIDT用パターン46(46a〜46c)、このIDT用パターン46を挟んで設けた一対の反射器(反射電極)用パターン48(48a〜48c)を有している。
各IDT用パターン46は、それぞれ一対の櫛型電極パターン50(50a〜50c)、52(52a〜52c)とからなっている。各櫛型電極パターン50、52は、一端を相互に接続した電極指パターン54(54a〜54c)、56(56a〜56c)を有する。そして、各電極パターン44は、実施形態の場合、各IDT用パターン46の電極指パターンの対数と長さ、および反射器用パターン48を構成している導体ストリップパターン58(58a〜58c)の数と長さが同じに形成してある。ただし、フォトマスク40は、各IDT用パターン46a〜46cを構成している電極指パターン54a〜54c、56a〜56cの電極指幅、電極指ピッチが異なっている。これは、圧電体基板に形成した電極用導電膜(金属膜)のバラツキによる共振周波数、周波数温度特性を修正するためである。
すなわち、背景技術において述べたように、圧電体基板である円板状の水晶ウエハにすだれ状電極を形成するための金属膜、例えばアルミニウム膜を成膜した場合に、ウエハ内において膜厚分布を生ずる。この膜厚分布の状態は、各成膜装置、すなわち各蒸着装置、各スパッタリング装置などによって異なってくる。このために、水晶ウエハ内における膜厚分布により、この水晶ウエハから形成した弾性表面波素子間において周波数および周波数温度特性のばらつきを生ずる。そして、周波数温度特性のばらつきは、IDTの電極指幅を変えることによって調整することができる。また、電極指幅を変えたことによる共振周波数のずれは、電極指ピッチを調整して修正できる。したがって、フォトマスク40は、各IDT用パターン46の電極指幅と電極ピッチとが異ならせてある。
すなわち、各IDT用パターン46は、実施形態の場合、図1のB−B線、C−C線、D−D線の一部断面図が図2の(1)〜(3)に示したようになっている。なお、この実施形態においては、成膜した電極用導電膜が、図6に示したように、ウエハ30の中心部32が膜厚の厚い領域、その外側の中間部34が膜厚の薄い領域、ウエハ30の外周部36が中間の膜厚を有する領域となっている場合に対応した例を示している。そして、フォトマスク40は、電極パターン44aが中心部32のフォトレジストを露光するためのパターンであり、電極パターン44cが中間部34のフォトレジストを露光するためのパターンである。また、電極パターン44bは、外周部36のフォトレジストを露光するためのパターンである。
図2(2)に示したように、電極パターン44bは、IDT用パターン46bを構成している各電極指パターン54b、56bが目標の幅(目標電極指幅)Bに形成してある。また、IDT用パターン46bは、電極指ピッチが目標電極指ピッチPに形成してある。これら目標電極指幅B、目標電極指ピッチPの値は、形成する弾性表面波の共振周波数、目標とする周波数温度特性などによって設定される。そして、中心部32を露光するための電極パターン44aは、IDT用パターン46aを構成している電極指パターン54a、56aの各電極指幅がB−α、電極指ピッチがP−βに形成してある。一方、中間部34を露光するための電極パターン44cは、IDT用パターン46cを構成している電極指パターン54c、56cの各電極指幅がB+γ、電極指ピッチがP+δに形成してある。
すなわち、電極パターン44aのIDT用パターン46aは、電極パターン44bのIDT用パターン46bの電極指より電極指幅がαだけ小さく、電極指間ピッチがβだけ小さく形成してある。これに対して、電極パターン44cのIDT用パターン46cは、電極パターン44bのIDT用パターン46bの電極指より電極指幅がγだけ大きく、電極指間ピッチがδだけ大きく形成してある。これらのα〜δの値は、ウエハ30に形成される電極用導電膜のばらつきの大きさによって異なってくる。そして、実施形態の場合、α=γ、β=δとなっている。
例えば、図6に示した電極用導電膜の膜厚分布において、ウエハ30の中心部32が外周部36より膜厚が100オングストローム(0.01μm)厚く形成され、中間部34が外周部36より100オングストローム薄く形成されるものとする。そして、ウエハ30から形成した弾性表面波素子において、IDTの電極膜厚(電極指膜厚)が1オングストローム厚くなった場合に、共振周波数が20ppm低くなり、電極指幅が1μm大きくなった場合に共振周波数が10000ppm大きくなるとする。さらに、ウエハ30から形成した弾性表面波素子において、電極指膜厚が1オングストローム厚くなったときに、周波数温度特性を表す近似式(図5参照)の一次係数が0.005ppm/℃小さくなり、電極指幅が1μm大きくなったときに、前記一次係数が5ppm/℃小さくなるとする。
周波数温度係数を表す近似式の一次係数は、弾性表面波素子をどのような用途に用いるかによって最適値が変わってくる。したがって、電極指膜厚がばらつくことによる一次係数の変動は、修正する必要がない場合もある。しかし、この実施形態においては、膜厚のバラツキによる一次係数の目標一次係数からの変化(変動)を0にすることが最適である場合について説明する。
前記したように、ウエハ30に成膜した電極用導電膜は、中心部32が外周部36より100オングストローム厚く形成され、中間部34が100オングストローム薄く形成される。そして、外周部36の膜厚がほぼ目標値(設計値)となっているものとする。この場合、中心部32の前記一次係数は、外周部36の一次係数(目標一次係数)に対して、−0.005×100=−0.5(ppm/℃)となり、一次係数が目標値より0.5ppm/℃小さくなる。また、中間部34は、一次係数が目標一次係数に対して+0.5ppm/℃となり、一次係数が目標値より0.5ppm/℃大きくなる。そして、中心部32の共振周波数は、外周部36の共振周波数(目標周波数)に対して−20×100=−2000(ppm)となり、目標周波数より2000ppm小さくなる。逆に、中間部34の周波数は、目標周波数に対して2000ppm大きくなる。
そこで、中心部32の一次係数の変動量−0.5ppm/℃を相殺するためには、電極指幅が1μm大きくなると一次係数が5ppm/℃小さくなるのであるから、電極指幅を0.1μm細くすればよい。ところが、電極指幅を1μm大きくすると周波数が10000ppm大きくなるので、電極指幅を0.1μm小さくしたために、中心部32から弾性表面波素子を形成すると、共振周波数が目標周波数に対して1000ppm小さく(低く)なる。このため、中心部32から形成した弾性表面波素子は、膜厚が厚い分と合わせて周波数が3000ppm小さくなってしまう。したがって、中心部32から形成する弾性表面波素子は、周波数を3000ppm大きくする必要がある。前記したように、弾性表面波素子の共振周波数は、基本的に電極指ピッチに依存している。したがって、ウエハ30の中心部32から形成する弾性表面波素子のIDTは、外周部36のIDTに対して周波数3000ppm分、電極指ピッチを小さくする。これにより、中心部32を露光する電極パターン44aは、IDT用パターン46aの電極指幅B−αと電極指ピッチP−βとが決定される。中間部34を露光する電極パターン34cのIDT用パター46cの電極指幅B+γ、電極指ピッチP+δも同様にして求めることができる。
なお、実施形態においては、ウエハ30に形成した弾性表面波素子の周波数温度特性を測定して一次係数の目標値からの変動(ずれ)を求めて、このずれを修正する電極指幅、電極指ピッチを決定している。これは、一次係数の目標値からの変動がわかれば、前記したように、電極指幅、電極指ピッチを変えることにより、弾性表面波素子の周波数温度特性を表す近似式の一次係数と、共振周波数とを目標値に調整することができるためである。また、ウエハ30に形成した電極用導電膜の膜厚測定は容易でない。これに対して、ウエハ30に形成した弾性表面波素子の周波数温度特性は、容易に測定することができる。
実施形態のフォトマスク40を用いた弾性表面波素子の製造方法は、次のようにして行なう。まず、所定のカット角に切り出した圧電体基板である圧電体ウエハ(実施形態の場合、STカット水晶ウエハ)を洗浄し、図3のステップ60に示したように、IDTと反射器とを形成するための電極用導電膜を成膜する。電極用導電膜は、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウム合金などの金属膜である。導電膜の形成は、真空蒸着装置、スパッタリング装置などの成膜装置を用いた真空蒸着やスパッタリングにより、平均の膜厚が設計値となるように成膜する。導電膜を所定の厚さ成膜したならば、導電膜の上にフォトレジストを塗布して固化する(ステップ62)。
その後、図1に示したフォトマスク40を用いてフォトレジストを露光する(ステップ64)。フォトレジストを露光する場合、製造しようとする弾性表面波素子のすだれ状電極の電極指幅と周波数温度特性を表す近似式の一次係数との関係、および電極指幅と共振周波数との関係、電極指ピッチと共振周波数との関係、並びに電極用導電膜を成膜する装置に対応させて、圧電体基板に形成した弾性表面波素子の前記一次係数と圧電体基板(圧電体ウエハ)の位置との関係を予め求めておく。そして、これらの予め求めたデータに基づいて、フォトマスク40の各電極パターン44a〜44cを使い分けてフォトレジストの露光を行なう。
例えば、圧電体基板(ウエハ)に形成した電極用導電膜が、図6に示した膜厚分布を有する場合、次のようにして露光を行なう。なお、ウエハ30の電極用導電膜は、ウエハ30の外周部36が目標膜厚(設計膜厚)となるように成膜する。この場合、前記したように、ウエハ30の中心部32は、膜厚が目標膜厚より厚くなり、中間部34が目標膜厚より薄くなる。そこで、フォトマスク40によりウエハ30の中心部32のフォトレジストを露光する場合、電極パターン44aを用いて行なう。これにより、ウエハ30の中心部32は、前記したように、膜厚が厚く形成されたことによる周波数温度係数を表す近似式の一次係数と周波数とが目標値に調整される。また、一次係数を調整したことによる周波数変化と、膜厚のばらつきによる周波数のばらつきとが修正される。
さらに、導電膜の膜厚が薄いウエハ30の中間部34のフォトレジストは、フォトマスク40の電極パターン44cを用いて露光を行なう。これにより、中間部34は、膜厚が薄く形成されたことによる周波数温度特性の一次係数と周波数とが目標値に調整される。そして、目標膜厚を有するウエハ30の外周部36は、フォトマスク40の標準パターンである電極パターン44bを用いて露光を行なう。これにより、外周部36は、目標の一次係数と共振周波数とを有する弾性表面波素子とすることができる。なお、露光の順序は、どの部分を先に行なってもよいし、ウエハ30の横方向または縦方向に行なってもよい。
このようにしてフォトレジストの露光を行なったのち、ステップ66に示したように、フォトレジストを現像してパターニングし、電極パターン44に対応した部分のフォトレジストを残す。その後、パターニングしたフォトレジストをマスクとして電極用導電膜をエッチングし、ウエハ30にIDTおよび反射器を有する弾性表面波素子を形成する(ステップ68)。次に、ウエハ30に形成した弾性表面波素子の周波数温度特性を測定し、周波数温度特性を表す近似式を演算して一次係数を求める(ステップ70)。さらに、測定した周波数温度特性に基づいて、今回フォトレジストの露光に使用した一次係数のデータを修正する(ステップ72)。そして、次回のフォトレジストの露光は、今回の露光の結果を反映させた修正した一次係数のデータを用いてフォトマスク40の電極パターン44a〜44cを使い分けて行なう。なお、弾性表面波素子を形成したウエハ30は、次のダイシング工程に搬送され、個々の弾性表面波素子に分割される。
なお、前記実施形態は、本発明の一態様であり、これに限定されるものではない。例えば、前記実施形態においては、透明基板42に3つの電極パターン44a〜44cを形成した場合について説明したが、電極指幅と電極指ピッチとが異なる任意の数(例えば4つ、5つ等)の電極パターンを形成してよい。そして、各電極パターンの電極指幅は、形成する弾性表面波素子の周波数や形成する電極用導電膜の膜厚のばらつきなどにもよるが、例えば0.05μm、0.1μm、0.015μm等、所定単位ずつ変えて形成してよい。また、前記実施形態においては、複数の電極パターン44を透明基板42の長手方向に並列して形成した場合について説明したが、これらのパターンを透明基板42の長手方向に直列的に形成してもよいし、マトリックス状に配置してもよい。
また、前記実施形態においては、単に成膜装置に対応して圧電体基板の位置と一次係数との関係を求めた場合について説明したが、各成膜装置における成膜条件を加味した圧電体基板の位置と一次係数との関係を予め求めてもよい。さらに、発明者の研究によると、同じ成膜装置による成膜を行なった場合であっても、フォトエッチングの条件、例えば同じエッチングガスによって最初から最後まで導電膜をエッチングするか、エッチングガスを途中で変えるか、ドライエッチングとウエットエッチングとを組み合わせるかなどによって、膜厚分布が異なってくることがわかった。そこで、フォトエッチングの条件を加味した圧電体基板の位置と一次係数との関係を求めることが望ましい。そして、前記実施形態においては、圧電体基板がSTカット水晶板である場合について説明したが、圧電体基板はこれに限定されず、例えばSTカット水晶板をその面に沿って回転させたいわゆる面内回転STカット水晶板や、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ランガサイトなどの他の圧電基板を用いて弾性表面波素子を形成する場合に適用することができる。
そして、前記実施形態においては、一対の反射器の間に1つIDTを設けた共振子用の弾性表面波素子について説明したが、反射器の間に複数のIDTが設けてあるフィルタ用の弾性表面波素子やトランスバーサル型の弾性表面波素子の製造にも適用することができる。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子形成用フォトマスクの平面図である。 図1のB−B線、C−C線、D−D線に沿った一部断面図である。 本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の製造方法を説明するフローチャートである。 弾性表面波素子の一例の説明図である。 弾性表面波素子の温度係数を表す近似式の一次係数の説明図である。 圧電体基板に形成した電極用導電膜の膜厚分布の一例を説明する図である。
符号の説明
10………弾性表面波素子、12………圧電体基板、14………IDT、18a、18b………電極指、20a、20b………反射器、30………ウエハ(圧電体基板)、40………フォトマスク、42………透明基板、44a〜44c………電極パターン、46a〜46c………IDT用パターン、48a〜48c………反射器用パターン、54a〜54c、56a〜56c………電極指パターン。

Claims (5)

  1. 弾性表面波素子のIDTを構成しているすだれ状電極の電極指幅と、周波数温度特性を表す近似式の一次係数との関係を求めるとともに、
    前記電極指幅と共振周波数との関係、および電極指ピッチと前記共振周波数との関係を求め、
    前記電極指幅と前記一次係数との関係に基づいて、目標一次係数に対する前記一次係数の変動を相殺する前記電極指幅を求め、
    さらに、前記電極指幅と共振周波数との関係、および電極指ピッチと前記共振周波数との関係に基づいて、前記電極指幅を変えたことによる前記共振周波数の変化を相殺する前記電極指ピッチを求める、
    ことを特徴とする弾性表面波素子のIDTの設計方法。
  2. 弾性表面波素子のすだれ状電極の電極指幅と周波数温度特性を表す近似式の一次係数との関係、
    および前記電極指幅と共振周波数との関係、電極指ピッチと共振周波数との関係、
    並びに電極用導電膜を成膜する装置に対応させて、圧電体基板に形成した前記弾性表面波素子の前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係を予め求め、
    前記圧電体基板に設けたフォトレジストを露光する際に、前記予め求めた前記電極指幅と前記一次係数との関係、および前記電極指幅と前記共振周波数との関係、前記電極指ピッチと前記共振周波数との関係、前記弾性表面波素子の前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係に基づいて、前記圧電体基板の位置に応じて、前記電極指幅と電極指ピッチとが異なって形成される電極パターンを露光する、
    ことを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  3. 請求項に記載の弾性表面波素子の製造方法において、
    前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係は、成膜条件ごとに求めることを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  4. 請求項またはに記載の弾性表面波素子の製造方法において、
    前記一次係数と前記圧電体基板の位置との関係は、前記すだれ状電極を形成するフォトエッチングの条件ごとに求めることを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  5. 請求項ないしのいずれかに記載の弾性表面波の製造方法において、
    前記露光は、前記圧電体基板に形成するすだれ状電極に対応させて透明基板に設けられ、前記すだれ状電極の電極指幅と電極指ピッチとを異ならせて形成できる複数の電極パターンを有している弾性表面波素子形成用フォトマスクを使用して行なうことを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
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