JPWO2006011502A1 - 新規なグルシトール誘導体、そのプロドラッグおよびその塩、ならびにそれらを含有する糖尿病治療薬 - Google Patents

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昌弘 西本
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泰晴 加藤
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政弘 堺谷
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相 學 李
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Abstract

本発明の目的は、血糖降下作用を有し、さらに薬効持続性、代謝安定性または安全性などの医薬品として好ましい特性を有するグルシトール誘導体を提供すること、およびインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)などの糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症などの高血糖症に起因する疾患の予防または治療のために用いられる医薬組成物を提供することである。本発明により、式(I)【化1】[式中、mは1〜3から選択される整数であり;R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC7−C14アラルキル基、および−C(=O)Rxから選択され;Ar1は、置換されていてもよいナフチル基であり;Aは、1以上のRbで置換されていてもよいヘテロアリール基であり、当該へテロアリール基は芳香族炭素環または芳香族ヘテロ環と縮合環を形成していてもよく、ただし、Aが2以上の環を含むベンゾ縮合環の場合、−(CH2)m−基はAにおけるヘテロ環上に連結する]の化合物、またはそのプロドラッグ、もしくはそれらの製薬上許容されうる塩、ならびに当該化合物を含む医薬、医薬組成物などが提供される。

Description

本発明は、医薬品として有用なグルシトール誘導体およびそのプロドラッグ、およびそれらの薬理学的に許容される塩に関する。本発明は、特にNa+−グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することによりインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)などの糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症などの高血糖症に起因する疾患の予防または治療剤として有用なグルシトール誘導体およびそのプロドラッグおよびそれらの塩に関する。
食生活の欧米化、慢性的な運動不足などにより、近年糖尿病患者が増大している。糖尿病患者においては、慢性的な高血糖によりインスリン分泌およびインスリン感受性が共に低下し、これがさらに血糖値を上昇させ症状の悪化を招いている。これまでに糖尿病治療薬として、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬、グリコシダーゼ阻害薬、インスリン抵抗性改善薬等が使用されている。しかしながら、ビグアナイド薬には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア薬には低血糖、グリコシダーゼ阻害薬には下痢等の副作用が報告されており、これらとは異なった新しい作用機序の糖尿病治療薬の開発が切に望まれているのが現状である。
天然由来のグルコース誘導体であるフロリジンが腎臓近位尿細管のS1サイトに存在するナトリウム依存性グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで腎臓での過剰なグルコースの再吸収を阻害、グルコース排泄を促進し、血糖降下作用を示すことが報告されており(非特許文献1を参照のこと)、それ以来現在に至るまで、SGLT2阻害に基づく糖尿病治療薬の研究が盛んに行われている。
例えば、特開2000−080041号公報(特許文献1)、国際公開第01/068660号(特許文献2)、国際公開第04/007517号(特許文献3)などにおいて、SGLT2の阻害剤として用いられる化合物が報告されている。しかしながら、フロリジンおよび上記の特許出願に記載の化合物は、経口投与されると小腸に存在するグリコシダーゼなどにより容易に加水分解を受け、薬理作用が速やかに消失することが問題視されている。また、フロリジンの場合、アグリコン部であるフロレチンが促進拡散型の糖輸送体を強力に阻害すると報告されており、例えばラット静脈にフロレチンを投与すると脳内グルコース濃度が減少するという悪影響が報告されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。
そこでこのような分解を防ぎ吸収効率を向上させる目的で、化合物をプロドラッグ化する試みが行われている。しかし、プロドラッグを投与する場合は標的とする器官内またはその近傍で的確に代謝され活性化合物に変化することが望ましいが、生体にはさまざまな代謝酵素が存在し、また個体差も多く、安定した作用を発現することは困難な場合が多い。また、化合物のグリコシド結合を炭素−炭素結合に変換する試みもなされている(特許文献4〜8を参照のこと)が、活性および代謝安定性などを含む医薬品としての特性について一層の向上が求められている。
特開2000−080041号公報 国際公開第01/068660号パンフレット 国際公開第04/007517号パンフレット 米国特許出願公開第2001/041674号 米国特許出願公開第2002/137903号 国際公開第01/027128号パンフレット 国際公開第02/083066号パンフレット 国際公開第04/013118号パンフレット J.Clin.Invest.、第93巻、第1037頁、1994年 Stroke、第14巻、第388頁、1983年
本発明の目的は、医薬品として好ましい特性を有するグルシトール誘導体を提供することである。本発明の目的は、特に、血糖降下作用を有し、さらに薬効持続性、代謝安定性または安全性などの医薬品として好ましい特性を有するグルシトール誘導体を提供することである。さらに本発明の目的は、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)などの糖尿病、糖尿病性合併症、肥満症などの高血糖症に起因する疾患の予防または治療のために用いられる医薬組成物を提供することである。
上記目的を達成するために本発明者が鋭意検討を行った結果、式(I)で表されるグルシトール誘導体が優れたSGLT2阻害活性を有するという知見を得て本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の1つの側面によれば、式(I)で示される化合物:
Figure 2006011502
[式中、mは1〜3から選択される整数であり、
1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRbで置換されていてもよいC7−C14アラルキル基、および−C(=O)Rxから選択され、
Rxは、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRbで置換されていてもよいアリール基、1以上のRbで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、または−NReRfであり、
Ar1は、1以上のRbで置換されていてもよいナフチル基であり、
Aは、1以上のRbで置換されていてもよいヘテロアリール基であり、当該へテロアリール基は芳香族炭素環または芳香族ヘテロ環と縮合環を形成していてもよく、ただし、Aが2以上の環を含むベンゾ縮合環の場合、−(CH2m−基はAにおけるヘテロ環上に連結し、
Raは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、メルカプト基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基、−NRfRg、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、および1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基から選択され、
Rbは、それぞれ独立に、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRcで置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、1以上のRdで置換されていてもよいC7−C14アラルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、メルカプト基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基、−NRfRg、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、C1−C3アルキレンジオキシ基、およびヘテロシクリル基から選択され、
Rcは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、およびジ(C1−C6アルキル)アミノ基から選択され、
Rdは、それぞれ独立に、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、C7−C14アラルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、およびジ(C1−C6アルキル)アミノ基から選択され、
Reは、水素原子、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、または1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基であり、
Rfは、水素原子または1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり、
Rgは、水素原子、Rcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、カルバモイル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、または1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基であり、または、
ReとRf、およびRfとRgは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜7員ヘテロ環を形成してもよい]
またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩が提供される。
本発明の別の側面によれば、式(Ia)で示される化合物:
Figure 2006011502
[式中、A、R1、R2、R3、R4およびmは、既に定義したとおりである]
で表される化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩もまた提供される。
本発明の別の側面によれば、式(Ib):
Figure 2006011502
[式中、A、Ar1、R1、R2、R3、R4およびmは、既に定義したとおりである]
で表される化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩もまた提供される。
本発明の別の側面によれば、式(Ic)で示される化合物:
Figure 2006011502
[式中、A、R1、R2、R3、R4およびmは、既に定義したとおりである]
で表される化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩もまた提供される。
好ましくは、本発明においてRbは、それぞれ独立に、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基およびC1−C3アルキレンジオキシ基から選択される。
Aは、好ましくはチエニル基またはベンゾチエニル基であり、これらの基はそれぞれ1以上のRbにより置換されていてもよい。
さらに、本発明においてmは1であることが好ましい。さらに、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子および−C(=O)Rxから選択される基であり、Rxは1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、または1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基が好ましい。
本発明に含まれる化合物として、例えば以下の化合物があげられる:
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メチルチオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;および
(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−エチルチオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール。
本発明のさらに別の側面によれば、Na+−グルコース共輸送体阻害剤として使用される、上記式の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、糖尿病(例えば、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病))、または高血糖症に起因する糖尿病性合併症、肥満症の予防または治療のために使用される、上記式の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記式の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩の有効治療量を患者に投与することを含む糖尿病(例えば、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病))、高血糖症に起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防または治療方法が提供される。
上記の式(I)、(Ia)、(Ib)および(Ic)において、R1、R2、R3、およびR4で示される基には、例えば水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、C7−C14アラルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C7−C14アラルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C7−C14アラルキルオキシカルボニル基が含まれる。これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、アミノ基および置換アミノ基から各々独立に選択される1以上の置換基により置換されていてもよい。R1、R2、R3、およびR4としては、水素原子またはC1−C6アルキルカルボニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
上記の式において、Ar1は、例えば同一または異なった1〜4個の置換基、例えば、ハロゲン原子;水酸基;C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基およびC1−C6アルキルチオ基(以上の4つの基はハロゲン原子、水酸基およびアミノ基から選択される1〜4個の置換基で置換されてもよい);メチレンジオキシ基;シアノ基;C1−C6アルキルスルホニル基;C1−C6アルキルスルホニルアミノ基;ニトロ基;カルボキシル基;置換アミノ基;4〜6員ヘテロシクリル基から各々独立に選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい。
上記の式において、Aは同一または異なった1〜4個の置換基、例えば、ハロゲン原子;水酸基;C1−C6アルキル基、C3−C8シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基およびC1−C6アルキルチオ基(以上の4つの基はハロゲン原子、水酸基およびアミノ基から各々独立に選択される1〜4個の置換基で置換されてもよい);メチレンジオキシ基;シアノ基;C1−C6アルキルスルホニル基;C1−C6アルキルスルホニルアミノ基;ニトロ基;カルボキシル基;置換アミノ基;5または6員へテロアリール基;4〜6員ヘテロシクリル基から各々独立に選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい。
Aで示される基は、例えば、ピロリル基、インドリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソキサゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピリミジニル基、ウラシリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミダゾピリジル基、トリアゾロピリジル基、ピロロピリジル基などであり、さらにはチエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基が好ましく、さらにはチエニル基、ベンゾチエニル基が好ましい。ただし、Aが2以上の環を含むベンゾ縮合環の場合、前記式の−(CH2m−基はAにおけるヘテロ環上に連結する。
本明細書において「C1−C6アルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3−エチルブチル、および2−エチルブチルなどが含まれる。好ましいC1−C6アルキル基としては、例えば、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられ、メチル、エチルが特に好ましい。
本明細書において「C3−C8シクロアルキル基」とは、炭素数3〜8の環状のアルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。
本明細書において「C1−C6アルコキシ基」とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルオキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、1−メチルブトキシ、1−エチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、1−メチルペントキシ、3−エチルブトキシなどが含まれる。
本明細書において「C7−C14アラルキル」とはアリール基を含む炭素数が7〜14のアリールアルキル基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルなどが含まれる。
本明細書において「C7−C14アラルキルオキシ」とは既に定義したアラルキル基を含む、炭素数が7〜14のアリールアルキルオキシ基を意味し、例えば、ベンジルオキシ、1−フェネチルオキシ、2−フェネチルオキシ、1−ナフチルメチルオキシ、2−ナフチルメチルオキシなどを意味する。
本明細書において「アリール基」とは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を有するアリール基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどが含まれる。
本明細書において「ヘテロアリール基」とは、1以上の酸素原子、窒素原子および硫黄原子から独立に選択されるヘテロ原子を含む5〜10員芳香族ヘテロ環基を意味し、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルなどが含まれる。好ましいヘテロアリール基は、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基などの5〜6員ヘテロアリール基であり、特にピラゾリル基が好ましい。
本明細書において「アリールオキシ基」とは、アリール部分として既に定義した炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を有するアリールオキシ基を意味し、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシおよび2−ナフトキシなどが含まれる。
本明細書において「ヘテロアリールオキシ基」とは、ヘテロアリール部分として既に定義した酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族ヘテロ環基を有するヘテロアリールオキシ基を意味し、例えば、フリルオキシ、チエニルオキシ、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、テトラゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリダジニルオキシ、インドリルオキシ、キノリニルオキシ、イソキノリニルオキシなどが含まれる。好ましいヘテロアリールオキシ基は、5〜6員ヘテロアリールオキシ基である。
本明細書において「C1−C6アルキルアミノ基」とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルアミノ基を意味し、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、3−メチルブチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、1−メチルブチルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、n−ヘキシルアミノ、4−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、3−エチルブチルアミノ、および2−エチルブチルアミノなどが含まれる。
本明細書において「ジ(C1−C6アルキル)アミノ」とは、2つのアルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を意味し、当該2つのアルキル部分は同一でも異なっていてもよい。当該「ジ(C1−C6アルキル)アミノ」には、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノ、ジi−プロピルアミノ、ジn−ブチルアミノ、メチル−n−ブチルアミノ、メチル−s−ブチルアミノ、メチル−i−ブチルアミノ、メチル−t−ブチルアミノ、エチル−n−ブチルアミノ、エチル−s−ブチルアミノ、エチル−i−ブチルアミノ、エチル−t−ブチルアミノ、などが含まれる。
本明細書において「C1−C6アルキルチオ基」とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルチオ基を意味し、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、s−ブチルチオ、i−ブチルチオ、t−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、3−メチルブチルチオ、2−メチルブチルチオ、1−メチルブチルチオ、1−エチルプロピルチオ、n−ヘキシルチオ、4−メチルペンチルチオ、3−メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオ、1−メチルペンチルチオ、3−エチルブチルチオ、および2−エチルブチルチオなどが含まれる。
本明細書において「C1−C6アルキルスルフィニル基」とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルスルフィニル基(−SO−R)を意味し、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、i−プロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニル、i−ブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニル、3−メチルブチルスルフィニル、2−メチルブチルスルフィニル、1−メチルブチルスルフィニル、1−エチルプロピルスルフィニル、n−ヘキシルスルフィニル、4−メチルペンチルスルフィニル、3−メチルペンチルスルフィニル、2−メチルペンチルスルフィニル、1−メチルペンチルスルフィニル、3−エチルブチルスルフィニル、および2−エチルブチルスルフィニルなどが含まれる。
本明細書において「C1−C6アルキルスルホニル基」とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルスルホニル基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、i−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、i−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、3−メチルブチルスルホニル、2−メチルブチルスルホニル、1−メチルブチルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、4−メチルペンチルスルホニル、3−メチルペンチルスルホニル、2−メチルペンチルスルホニル、1−メチルペンチルスルホニル、3−エチルブチルスルホニル、および2−エチルブチルスルホニルなどが含まれる。
本明細書において「−C(=O)−Rx」には、例えば、C1−C6アルキルカルボニル基、C7−C14アラルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C7−C14アラルキルオキシカルボニル基などが含まれる。ここで、C1−C6アルキルカルボニル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基などが挙げられ、特にアセチル基が好ましい。C7−C14アラルキルカルボニル基としては、ベンジルカルボニル基、ナフチルメチルカルボニル基などが挙げられ、ベンジルカルボニル基が好ましい。
1−C6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられ、メトキシカルボニル基が好ましい。C7−C14アラルキルオキシカルボニル基としてはベンジルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基などが挙げられ、ベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
本明細書においてハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などが挙げられる。
本明細書において4〜7員ヘテロ環とは、完全に飽和であっても、部分的にもしくは完全に不飽和であってもよく、1つの窒素原子を含み、さらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から独立に選択される1以上のヘテロ原子を含んでいてもよいヘテロ環を意味し、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどが含まれ、特にピペリジンが好ましい。
本明細書において「芳香族炭素環」は、6〜10員の芳香族炭素環を意味し、例えばベンゼン環およびナフタレン環などが含まれる。
本明細書において「芳香族ヘテロ環」は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から独立に選択される1以上のヘテロ原子を含む5〜6員の芳香族ヘテロ環を意味し、例えばピロール環、インドール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ピラゾール環、インダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イソキサゾール環、ベンゾイソキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ピリミジン環、ウリジン環、ピラジン環、ピリダジン環などが含まれる。
本明細書において「置換アミノ基」には、例えば−NReRf(ここで、Reは水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、カルバモイル基、C1−C6アルコキシカルボニル基であり;Rfは、水素原子またはC1−C6アルキル基であり、またはReおよびRfはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜7員ヘテロ環を形成してもよい)などが含まれる。
本明細書において「C1−C3アルキレンジオキシ基」とは、式−O−(C1−C3アルキレン)−O−で表される2価の基であり、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、ジメチルメチレンジオキシ基などが含まれる。
本明細書において「ヘテロシクリル基」とは、完全に飽和であっても、部分的にもしくは完全に不飽和であってもよい、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から独立に選択される1以上のヘテロ原子を含む4〜7員のヘテロ環基を意味し、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ヘキサメチレンイミノ、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、テトラヒドロチエニル、ジオキソラニル、オキソチオラニル、ジオキサニルなどが含まれる。当該ヘテロ環基の置換位置は、炭素原子上または窒素原子上の置換可能な位置であれば特に限定されない。
また本発明化合物には、互変異性体、光学異性体等の各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。
本発明化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩が挙げられる。また、塩基と形成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩;リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩およびアンモニウム塩が挙げられる。
更に、本発明化合物には、水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。
なお、本発明化合物は後述する実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、上記式(I)で示されるグルシトール誘導体およびその製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
また、本発明には、生体内において代謝されて上記式(I)に変換される化合物、およびその製薬学的に許容される塩に変換される化合物である、いわゆるプロドラッグも含まれる。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.第5巻、第2157−2161頁(1985年)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻(分子設計)、163−198頁に記載されている基が挙げられる。
本発明化合物は、その基本骨格または置換基の種類に基づく特徴に応じて、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、この官能基を原料または中間体の段階で適当な保護基で保護することが製造技術上好ましい場合があり、後の工程において当該保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。製造工程において保護が必要な官能基としては、例えば水酸基やカルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)およびウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版に記載の保護基を挙げることができる。使用する保護基、ならびに保護基の導入および除去の際の反応条件についても、上記文献などの公知の技術に基づいて適宜選択される。
本発明化合物は、腎臓におけるグルコース再吸収に関わるナトリウム依存性グルコース供輸送体2(SGLT2)(J.Clin.Invest.、第93巻、第397頁、1994年)の阻害活性を有する。SGLT2の阻害により、糖の再吸収が抑制され余分な糖を体外に排推されることにより、膵臓のβ細胞に負荷を与えずに高血糖を是正することによる糖尿病の治療効果およびインスリン抵抗性の改善効果がもたらされる。
したがって本発明の1つの側面によれば、SGLT2の活性を阻害することで改善しうる疾患または状態、例えば、糖尿病、糖尿病関連疾患および糖尿病合併症を予防または治療するための医薬が提供される。
ここで、「糖尿病」とは、1型糖尿病、2型糖尿病、特定の原因によるその他の型の糖尿病を包含する。また、「糖尿病関連疾患」には、例えば肥満、高インスリン血症、糖代謝異常、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風などが含まれる。
また、「糖尿病合併症」には、急性合併症および慢性合併症のいずれもが含まれる。「急性合併症」としては、例えば高血糖(ケトアシドーシスなど)、感染症(皮膚、軟部組織、胆道系、呼吸系、尿路感染など)などが挙げられ、「慢性合併症」としては、細小血管症(腎症、網膜症)、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞など)、神経障害(感覚神経、運動神経、自律神経など)、足壊症などが挙げられる。主要な糖尿病合併症として、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害が挙げられる。
また、本発明化合物はSGLT2活性阻害薬以外の異なった作用機序の糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬、高脂血症治療薬、高血圧治療薬等と併用して使用することもできる。本発明化合物とその他の薬剤を組み合わせることによって、上記疾患においてそれぞれ単剤で得られる効果よりも併用した場合に相加的な効果が期待できる。
併用可能な「糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬」としては、例えば、インスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARδアゴニスト、PPARα/γ/δアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤、グルカゴン受容体アンタゴニスト、インスリン受容体キナ−ゼ促進薬、トリぺプチジルぺプチダーゼII阻害薬、ジぺプチジルぺプチダーゼIV阻害薬、プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬、糖新生阻害薬、フルクトースビスホスファターゼ阻害薬、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、グルコキナーゼ活性化薬、D−カイロイノシトール、グリコーゲン合成酵素キナ−ゼ3阻害薬、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−1類縁体、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、アミリン、アミリン類縁体、アミリンアゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬、アルドース還元酵素阻害薬、プロテインキナーゼC阻害薬、γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト、ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、転写因子NF−κB阻害薬、IKKβ阻害薬、脂質過酸化酵素阻害薬、N−acetylated−α−linked−acid−dipeptidase阻害薬、インスリン様成長因子−I、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来成長因子(PDGF)類縁体、上皮増殖因子(EGF)、神経成長因子、カルニチン誘導体、ウリジン、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、EGB−761、ビモクロモル、スロデキシド、Y−128、TAR−428などが挙げられる。
糖尿病治療薬、糖尿病合併症治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ビグアナイド薬」として塩酸メトフォルミン、フェンフォルミン等が挙げられる。
「インスリン分泌促進薬」のうちスルホニルウレア系としては、例えばグリブリド(グリベンクラミド)、グリピジド、グリクラジド、クロルプロパミド等が、非スルホニルウレア系としてはナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド等が挙げられる。
「インスリン製剤」は、遺伝子組換えヒトインスリンと動物由来インスリンを含む。また、作用時間によって3種類に分類され、即効型(ヒトインスリン、ヒト中性インスリン)、中間型(インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒト中性インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒトインスリン亜鉛水性懸濁、インスリン亜鉛水性懸濁)、持続型(ヒト結晶性インスリン亜鉛懸濁)等が挙げられる。
「グリコシダーゼ阻害薬」としては、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール等が挙げられる。
「インスリン感受性増強薬」のうち、PPARγアゴニストとしては、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等が、PPARα/γデュアルアゴニストとしては、MK−767(KRP−297)、Tesaglitazar、LM4156、LY510929、DRF−4823、TY−51501等が、PPARδアゴニストとしては、GW−501516等が挙げられる。
「トリぺプチジルぺプチダーゼII阻害薬」としてはUCL−139等が挙げられる。
「ジぺプチジルペプチダーゼIV阻害薬」としてはNVP−DPP728A、LAF−237、MK−0431、P32/98、TSL−225等が挙げられる。
「アルドース還元酵素阻害薬」としては、ガモレン酸アスコルビル、トルレスタット、エパルレスタット、フィダレスタット、ソルビニール、ポナルレスタット、リサレスタット、ゼナレスタット等が挙げられる。
「γ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト」としては、トピラマート等が挙げられる。
「ナトリウムチャンネルアンタゴニスト」としては、塩酸メキシレチン等が挙げられる。
「転写因子NF−κB阻害薬」としては、dexlipotam等が挙げられる。
「脂質過酸化酵素阻害薬」としてはメシル酸チリラザド等が挙げられる。
「N−acetylated−α−linked−acid−dipeptidase阻害薬」としては、GPI−5693等が挙げられる。
「カルニチン誘導体」としては、カルニチン、レバセカルニン塩酸等が挙げられる。
併用可能な「高脂血症治療薬、高血圧治療薬」としては、例えば、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、β3−アドレナリン受容体アゴニスト、AMPK活性化薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト、コレステロール吸収阻害薬、リパーゼ阻害薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害薬、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬、スクアレン合成酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ニコチン酸誘導体、胆汁酸吸着薬、ナトリウム共役胆汁酸トランスポーター阻害薬、コレステロールエステル輸送蛋白阻害薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体括抗薬、エンドセリン変換酵素阻害薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、利尿薬、カルシウム括抗薬、血管拡張性降圧薬、交感神経遮断薬、中枢性降圧薬、α2−アドレナリン受容体アゴニスト、抗血小板薬、尿酸生成阻害薬、尿酸排泄促進薬、尿アルカリ化薬、食欲抑制薬、アディポネクチン受容体アゴニスト、GPR40アゴニスト、GPR40アンタゴニスト等を挙げることができる。
高脂血症治療薬、高血圧治療薬としては、以下のような薬剤が例示される。
「ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬」としては、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン等が挙げられる。
「フィブラート系化合物」としては、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート等が挙げられる。
「スクアレン合成酵素阻害薬」としては、TAK−475、α−ホスホノスルホネート誘導体(米国特許第5712396号明細書)等が挙げられる。
「アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬」としては、CI−1011、NTE−122、FCE−27677、RP−73163、MCC−147、DPU−129等が挙げられる。
「低比重リポタンパク受容体促進薬」としては、MD−700、LY−295427等が挙げられる。
「ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤(MTP阻害剤)」としては、米国特許第5739135号明細書、米国特許第5712279号明細書、米国特許第5760246号明細書等に記載の化合物が挙げられる。
「食欲抑制薬」としては、アドレナリン・ノルアドレナリン作動薬(Mazindol、エフェドリン等)、セロトニン作動薬(選択的セロトニン再取込み阻害薬、例えば、Fluvoxamine等)、アドレナリン・セロトニン作動薬(Sibutramine等)、メラノコルチン4受容体(MC4R)アゴニスト、α−メラノサイト刺激ホルモン(α−MCH)、レプチン、cocaine−and amphetamine−regulated transcript(CART)等が挙げられる。
「甲状腺ホルモン受容体アゴニスト」としては、リオチロニンナトリウム、レポチロキシンナトリウム等が挙げられる。
「コレステロール吸収阻害薬」としては、エゼチミブ等が挙げられる。
「リパーゼ阻害薬」としてはオルリスタット等が挙げられる。
「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害薬」としては、エトモキシル等が挙げられる。
「ニコチン酸誘導体」としては、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコモール、ニコランジル等が挙げられる。
「胆汁酸吸着薬」としては、コレスチラミン、コレスチラン、塩酸コレセベラム等が挙げられる。
「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」としては、カプトリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、シラザプリル等が挙げられる。
「アンジオテンシンII受容体括抗薬」としては、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、メシル酸エプロサルタン等が挙げられる。
「エンドセリン変換酵素阻害薬」としては、CGS−31447、CGS−35066等が挙げられる。
「エンドセリン受容体アンタゴニスト」としては、L−749805、TBC−3214、BMS−182874等が挙げられる。
例えば、糖尿病等の治療において、本発明化合物とインスリン感受性増強薬(PPARγアゴニスト、PPARα/γアゴニスト、PPARδアゴニスト、PPARα/γ/δアゴニスト等)、グリコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進薬、インスリン製剤およびジぺプチジルペプチダーゼIV阻害薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
または、本発明化合物とヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害薬、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素阻害薬、低比重リポタンパク受容体促進薬、ミクロソームトリグリセリドトランスファープロテイン阻害剤および食欲抑制薬からなる群より選択される少なくとも1種類の薬剤との併用が好ましいと考えられる。
本発明の医薬は、全身的または局所的に経口または直腸内、皮下、筋肉内、静脈内、経皮等の非経口投与することができる。
本発明の化合物を医薬として用いるためには、固体組成物、液体組成物、およびその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。本発明の医薬は、本発明の化合物に薬学的に許容されるキャリヤーを配合して製造することができる。具体的には、常用の賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤、または水性もしくは非水性溶媒などを添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、頼粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、などに調製する事ができる。賦形剤、増量剤としては、たとえば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなどやその他常用されるものをあげる事ができる。
また、本発明化合物は、α、βもしくはγ−シクロデキストリンまたはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することができる。
本発明化合物の投与量は、疾患、症状、体重、年齢、性別、投与経路等により異なるが、成人に対し、好ましくは0.l−1000mg/kg体重/日であり、より好ましくは0.1−200mg/kg体重/日であり、これを1日1回または数回に分けて投与することができる。
本発明の化合物は、例えば以下に示す製造法によって合成することができる。
本発明化合物は、スキーム1に示す方法により合成することができる:
スキーム1
Figure 2006011502
(式中、R11およびR12は先に定義したAr1の置換基と同意義であり、Aは前記と同意義である)。
すなわち、化合物(III)にアルキルリチウム(例えば、n−ブチルリチウムなど)を作用させた後に、化合物(II)と反応させることにより化合物(IV)を得、次いで酸(例えば、トリフルオロ酢酸や三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体など)の存在下にシラン試薬(例えば、トリエチルシランなど)を作用させることにより化合物(V)へ誘導し、その後にパラジウム触媒存在下の接触水素化反応やルイス酸を用いる方法(三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とエタンチオール、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とジメチルスルフィド)などにより脱ベンジル化を行うことで製造することができる。なお、化合物(II)は例えば文献(Carbohydr.Res.,第260号、第243頁、1994年)に記載の方法により、また化合物(III)は例えば特許文献(国際公開第01/27128号、国際公開第2004/013118号)に記載の方法によりそれぞれ合成することができる。
本発明化合物は、以下のスキーム2の方法で製造することもできる:
スキーム2
Figure 2006011502
(式中、R11、およびR12は先に定義したAr1の置換基と同意義であり、Aは前記と同意義であり、X1およびX2はハロゲン原子である)。
すなわち、化合物(VII)にアルキルリチウム(例えば、n−ブチルリチウムなど)を作用させた後に、化合物(II)と反応させることにより化合物(VIII)を得、次いで酸(例えば、トリフルオロ酢酸や三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体など)の存在下にシラン試薬(例えば、トリエチルシランなど)を作用させることにより化合物(IX)へ誘導する。化合物(IX)を適当なハロゲン化条件(例えば、X1が臭素原子の場合は、N−ブロモコハク酸イミド、臭素、臭化水素など)により化合物(X)へ変換し、適当なパラジウム触媒の存在下にヘテロアリールハライド(A−X2)と反応させた後に、パラジウム触媒存在下の接触水素化反応やルイス酸を用いる方法(三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とエタンチオール、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とジメチルスルフィド)などにより脱ベンジル化を行うことで本発明化合物(VI)を製造することができる。なお、化合物(VII)は例えば特許文献(国際公開第2004/013118号)に記載の方法により合成することができる。
上記の中間体(X)は、以下の方法で製造することもできる:
スキーム3
Figure 2006011502
(式中、R11およびR12は先に定義したAr1の置換基と同意義であり、Aは前記と同意義であり、Pは水酸基の保護基であり、X1はハロゲン原子である)。
すなわち、化合物(XII)の水酸基を適当な保護基P(例えば、tert−ブチルジメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基など)で保護した後、適当なアルキルリチウム(例えば、n−ブチルリチウムなど)を作用させ、化合物(II)と反応させて化合物(XIII)に誘導する。次いで酸(例えば、トリフルオロ酢酸や三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体など)の存在下にシラン試薬(例えば、トリエチルシランなど)を作用させることにより化合物(XIV)へ誘導する。次いで、脱保護を行うことで化合物(XV)を得た後に、適当なハロゲン化条件(例えば、トリフェニルホスフィン存在下にN−ブロモコハク酸イミド、臭素、四臭化炭素などを用いる条件)により化合物(X)を合成することができる。
本発明化合物は、以下のスキーム4の方法で製造することもできる:
スキーム4
Figure 2006011502
(式中、R11、およびR12は先に定義したAr1の置換基と同意義であり、R13は各々独立にC1−C6アルキル基から選択され(例えばブチル基など)、Aは前記と同意義であり、Xはハロゲン原子を表す)。
化合物(XVI)に必要に応じ適当な塩基(例えば、酢酸ナトリウムなど)の存在下に、酸無水物(例えば、無水トリフルオロ酢酸など)を作用させた後に、適当なルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体など)の存在下に化合物(XVII)と反応させて化合物(XVIII)を得る。次いで、ヘキサアルキルジチン(例えば、ヘキサブチルジチンなど)と適当なパラジウム触媒の存在下に反応させ化合物(XIX)に誘導した後、適当なパラジウム触媒の存在下、A−CH2−X(ここでAは前記と同意義であり、Xはハロゲン原子を表す)と反応させ、化合物(XX)を得る。その後にパラジウム触媒存在下の接触水素化反応やルイス酸を用いる方法(三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三塩化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とエタンチオール、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体とジメチルスルフィド)などにより脱ベンジル化を行うことで化合物(VI)を製造することができる。
本発明の化合物の製造方法は、上記の方法に制限されない。発明の化合物は、例えばスキーム1〜4に含まれる工程を適宜組み合わせることによっても合成することができる。
本発明の内容を以下の実施例及び試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
以下の実施例において、各記号は以下の意味を有する:
NMR:核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準)、MS:質量分析値、HPLC:高速液体クロマトグラフィー。
NMR、MS、およびHPLCは以下の機器を用いて測定した。
NMR:JEOL JNM−EX−270(270MHz)、またはBrucker ARX300(300MHz)
MS:Thermo Finigan社LCQ、またはWaters社micromassZQ、またはQuattro micro
HPLC:Waters社2690/2996(検出器)
実施例1
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
1)(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−(4−ブロモナフタレン−2−イル)メタノールの合成
ベンゾチオフェン(0.48g、3.58mmol)の無水THF(10mL)溶液に窒素雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウムのへキサン溶液(1.6M、2.04mL、3.27mmol)を5分かけて滴下した。反応液を−78℃にて10分間攪拌した後、室温で20分間攪拌した。4−ブロモナフタレン−2−カルボアルデヒド(0.73mL、3.11mmol)の無水THF(5mL)溶液を−78℃にて滴下し、−78℃にて2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:酢酸エチル(10:1))にて精製し、標題化合物(1.0g、75.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.72(1H,d,J=3.9Hz)、6.22(1H,d,J=3.6Hz)、7.17(1H,s)、7.25−7.36(2H,m)、7.52−7.70(3H,m)、7.77(1H,d,J=7.5Hz)、7.83(1H,d,J=7.8Hz)、7.84(1H,s)、7.92(1H,s)、8.21(1H,d,J=8.1Hz)
2)2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素気流下、(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−(4−ブロモナフタレン−2−イル)メタノール(1.0g,2.71mmol)の塩化メチレン(30mL)溶液に0℃にてトリエチルシラン(0.48mL,3.01mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.34mL,2.71mmol)を滴下した。室温で3時間攪拌後、50%メタノール水溶液(1mL)を加え、さらに水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:40))にて精製し、標題化合物(0.82g、85.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:4.34(2H,s)、7.05(1H,s)、7.23−7.33(2H,m)、7.48−7.59(2H,m)、7.66−7.79(5H,m)、8.19(1H,d,J=8.1Hz)
3)(3R,4S,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オールの合成
2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェン(0.81g、2.29mmol)の無水THF(15mL)溶液に窒素雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウムのへキサン溶液(1.6M、1.58mL、2.53mmol)を5分かけて滴下した。反応液を−78℃にて5分間攪拌した後、3,4,5−トリス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オン(1.36g、2.52mmol)の無水THF(10mL)溶液を−78℃にて滴下し、−78℃にて2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:酢酸エチル(10:1))にて精製し、標題化合物(1.4g、75%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.47(1H,d,J=10.5Hz)、3.52(1H,s)、3.74(1H,d,J=10.2Hz)、3.98(1H,d,J=9.0Hz)、4.10−4.28(4H,m)、4.35(2H,s)、4.46(1H,d,J=11.7Hz)、4.59(1H,d,J=12Hz)、4.76(1H,d,J=10.8Hz)、4.88(2H,s)、4.97(1H,d,J=10.8Hz)、6.66(2H,d,J=7.2Hz)、6.94(2H,t,J=7.5Hz)、7.05(2H,d,J=7.5Hz)、7.21−7.33(18H,m)、7.42(1H,t,J=7.5Hz)、7.62(1H,d,J=7.2Hz)、7.68(1H,d,J=7.8Hz)、7.75(1H,s)、7.80(1H,d,J=7.8Hz)、7.89(1H,d,J=1.8Hz)、8.63(1H,d,J=8.7Hz)
MS(ESI+):836[M+Na]+
4)(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピランの合成
窒素気流下、(3R,4S,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オール(1.4g,1.72mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液に0℃にてトリエチルシラン(0.34mL,2.06mmol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.24mL,1.89mmol)を滴下した。室温で2時間攪拌後、水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:10))にて精製し、標題化合物(1.1g、80.2%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.42(1H,d,J=10.2Hz)、3.66−3.96(6H,m)、4.09(1H,d,J=10.2Hz)、4.37(2H,s)、4.51(1H,d,J=12.3Hz)、4.63(1H,d,J=12Hz)、4.69(1H,d,J=10.8Hz)、4.87−4.96(4H,m)、6.50(2H,d,J=7.2Hz)、6.96(2H,t,J=7.8,7.2Hz)、7.03(1H,s)、7.06(1H,d,J=7.5Hz)、7.21−7.30(17H,m)、7.37−7.50(2H,m)、7.60(2H,s)、7.68(1H,d,J=7.8Hz)、7.74(1H,s)、7.82(1H,d,J=7.5Hz)、8.38(1H,d,J=8.4Hz)
MS(ESI+):820[M+Na]+
5)(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオールの合成
窒素気流下、0℃にて(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン(1.1g、1.38mmol)の無水塩化メチレン(30mL)溶液にジメチルスルフィド(3.5mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.75mL、13.8mmol)を滴下し、室温で3日間攪拌した。水(10mL)を加えて、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール(30:1))にて精製し、標題化合物(0.35g、58.2%)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:3.63−3.51(3H,m)、3.69−3.81(2H,m)、3.90(1H,d,J=12Hz)、4.40(2H,s)、4.90(1H,d,J=9.3Hz)、7.11(1H,s)、7.20−7.30(2H,m)、7.44−7.49(2H,m)、7.64−7.74(4H,m)、7.81(1H,d,J=8.4Hz)、8.27(1H,d,J=8.1Hz)
MS(ESI+):459[M+Na]+
実施例2
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
1)1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−フルオロベンゼンの合成
窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.5M、74.9mL、37.4mmol)に4−フルオロベンゼンチオール(2.5mL、23.4mmol)、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタン(3.0mL、25.7mmol)を氷冷下で加えた。同温で10分間攪拌した後、5時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、冷水を加えた。エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(4.52g,89%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.05(2H,d,J=5.4Hz)、3.35(6H,s)、4.49(1H,t,J=5.4Hz)、6.85(2H,t,J=9.0Hz)、7.31(2H,dd,J=8.7,5.1Hz)
2)5−フルオロベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素雰囲気下、無水クロロベンゼン(150mL)にポリリン酸(10g)を加えた。還流下、1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−フルオロベンゼン(4.0g,18.5mmol)を1.5時間かけて加え、終夜加熱還流した。反応液を室温に冷やした後、有機層を分離した。ポリリン酸層に水を加えて、塩化メチレンで抽出した。得られた全有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:50))にて精製し、標題化合物(420mg,15%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.10(1H,dt,J=8.7,2.4Hz)、7.27(1H,dd,J=12.6,7.2Hz)、7.45−7.54(2H,m)、7.77(1H,dd,J=8.7,4.8Hz)
3)4−ブロモナフタレン−2−カルボアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、オギザリルクロリドの塩化メチレン溶液(2.0M、4.88mL)を塩化メチレン(40mL)で希釈し、−78℃でジメチルスルホキシド(0.9mL、12.7mmol)を滴下した。この溶液に文献(J.Med.Chem.,37,2485(1993))に従い合成した(4−ブロモナフタレン−2−イル)メタノール(1.15g、4.88mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液を10分かけて滴下した。この反応液を−78℃で15分間、−45℃で1時間攪拌した後、トリエチルアミン(4.0mL、29.3mmol)を滴下し、0℃で30分攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(890mg,78%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.66(1H,t,J=7.7Hz)、7.78(1H,t,J=8.0Hz)、8.21(1H,d,J=8.0Hz)、8.27−8.33(3H,m)、10.11(1H,s)
4)(4−ブロモナフタレン−2−イル)−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノールの合成
窒素気流下、5−フルオロベンゾ[b]チオフェン(410mg,2.68mmol)のTHF(10mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,1.68mL,2.68mmol)を滴下し、同温で10分間攪拌した。この溶液に−78℃下、4−ブロモナフタレン−2−カルボアルデヒド(600mg,2.55mmol)のTHF(5mL)溶液を滴下した。同温で2時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:10))にて精製し、標題化合物(680mg、69%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.75(1H,d,J=3.9Hz)、6.20(1H,d,J=3.6Hz)、7.04(1H,dt,J=9.0,2.4Hz)、7.11(1H,s)、7.33(1H,dd,J=9.3,2.7Hz)、7.48−7.63(2H,m)、7.68(1H,dd,J=8.7,4.8Hz)、7.82−7.94(3H,m)、8.21(1H,d,J=8.4Hz)
5)2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−フルオロベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素気流下、(4−ブロモナフタレン−2−イル)−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノール(260mg,0.65mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に0℃にてトリエチルシラン(0.18mL,2.11mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.25mL,1.94mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:100))にて精製し、標題化合物(520mg、80%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:4.32(2H,s)、7.02(2H,dt,J=9.0,2.4Hz)、7.25−7.82(7H,m)、8.20(1H,d,J=9.0Hz)
6)(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−オールの合成
窒素気流下、2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−フルオロベンゾ[b]チオフェン(520mg,1.41mmol)のTHF(15mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,0.97mL,1.55mmol)を滴下した。反応混合物を同温度で10分間撹拌し、この溶液に3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オン(835mg,1.55mmol)のTHF(3mL)溶液に滴下した。−78℃で1時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して反応を停止した。エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(770mg、66%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.48(1H,d,J=10.8Hz)、3.52(1H,s)、3.75(1H,d,J=10.2Hz)、4.00(1H,d,J=10.5Hz)、4.05(1H,d,J=10.5Hz)、4.10−4.28(4H,m)、4.34(2H,s)、4.47(1H,d,J=12.0Hz)、4.59(1H,d,J=12.0Hz)、4.76(1H,d,J=10.8Hz)、4.88(2H,s)、4.97(1H,d,J=10.8Hz)、6.67(1H,d,J=6.9Hz)、6.94−7.07(4H,m)、7.22−7.37(19H,m)、7.43(1H,t,J=7.5Hz)、7.57(1H,dd,J=8.7,4.8Hz)、7.75(1H,s)、7.80(1H,d,J=8.1Hz)、7.87(1H,s)、8.64(1H,d,J=8.7Hz)
7)(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピランの合成
窒素気流下、(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−オール(770mg,0.93mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に0℃でトリエチルシラン(0.19mL,1.21mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.14mL,1.11mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(550mg,73%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.43(1H,d,J=10.2Hz)、3.79−3.93(6H,m)、4.10(1H,d,J=10.5Hz)、4.35(2H,s)、4.51(1H,d,J=12.0Hz)、4.62(1H,d,J=12.3Hz)、4.69(1H,d,J=10.8Hz)、4.89−4.92(4H,m)、6.50(2H,d,J=7.2Hz)、6.94−7.07(5H,m)、7.21−7.59(20H,m)、7.74(1H,s)、7.83(1H,d,J=8.1Hz)、8.38(1H,d,J=8.4Hz)
8)(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオールの合成
窒素雰囲気下、(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン(550mg,0.68mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液に、氷冷下、ジメチルスルフィド(1.72mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.86mL,6.8mmol)を加えた。反応液を室温で2.5日攪拌した後、氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=塩化メチレン:メタノール(40:1))にて精製し、標題化合物(140mg、46%)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:3.51−3.80(5H,m)、3.90(1H,d,J=6.0Hz)、4.39(2H,s)、4.90(1H,d,J=9.6Hz)、7.01(1H,dt,J=8.7,2.1Hz)、7.09(1H,s)、7.37(1H,dt,J=8.7,2.1Hz)、7.44−7.49(2H,s)、7.63−7.73(3H,m)、7.80(1H,d,J=6.0Hz)、8.28(1H,d,J=8.7Hz)
MS(ESI+):477[M+Na]+
実施例3
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
1)2,4−ジブロモ−1−メトキシナフタレンの合成
窒素雰囲気下、1−メトキシナフタレン(15.3g,96.4mmol)の塩化メチレン(450mL)溶液に臭素(9.88mL,192.8mmol)を室温で10分かけて加えた。反応液を室温で2時間攪拌した後、飽和Na225水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去し、標題化合物(29.4g、98%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:4.00(3H,s)、7.59−7.65(2H,m)、7.91(1H,s)、8.12−8.20(2H,m)
2)4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−カルボアルデヒドの合成
窒素気流下、2,4−ジブロモ−1−メトキシナフタレン(30.3g,95.9mmol)のTHF(1800mL)溶液に−78℃にてn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,56.9mL,91.1mmol)を滴下し、同温で30分間攪拌した。この溶液に−78℃下、N,N−ジメチルホルムアミド(8.9mL,115.1mmol)を滴下した。同温で3時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:8))にて精製し、標題化合物(3.85g、15%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:4.15(3H,s)、7.64−7.79(2H,m)、8.16(1H,s)、8.26−8.29(2H,m)、10.52(1H,s)
3)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−(4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−イル)メタノールの合成
窒素気流下、ベンゾチオフェン(1.33g,9.90mmol)のTHF(20mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,6.2mL,9.90mmol)を滴下し、同温で10分間攪拌した。この溶液に−78℃下、4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−カルボアルデヒド(2.5g,9.43mmol)のTHF(30mL)溶液を滴下した。反応液を同温で2時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:4))にて精製し、標題化合物(3.12g、83%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.08(1H,d,J=4.8Hz)、3.91(3H,s)、6.58(1H,d,J=4.1Hz)、7.14(1H,s)、7.28−7.35(2H,m)、7.57−7.69(3H,m)、7.77−7.81(1H,m)、7.95(1H,s)、8.10−8.25(2H,m)
4)2−(4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素気流下、ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−(4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−イル)メタノール(3.1g,7.76mmol)の塩化メチレン(60mL)溶液に0℃にてトリエチルシラン(2.48mL,15.5mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.08mL,8.54mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。50%メタノール水溶液(1mL)を加え、さらに水(30mL)を加えた。塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:50))にて精製し、標題化合物(2.38g、80%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.95(3H,s)、4.41(2H,s)、7.04(1H,s)、7.22−7.33(2H,m)、7.56−7.75(5H,m)、8.13−8.21(2H,m)
5)(3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オール
窒素気流下、2−(4−ブロモ−1−メトキシナフタレン−2−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェン(610mg,1.59mmol)のTHF(9mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,1.09mL,1.75mmol)を滴下した。反応液を同温度で5分間撹拌し、この溶液に3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オン(940mg,1.75mmol)のTHF(3mL)溶液に滴下した。−78℃で2時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して反応を停止した。エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:6))にて精製し、標題化合物(859mg、64%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.45−4.98(20H,m)、6.66−7.67(27H,m)、7.87(1H,s)、8.16(1H,d,J=7.5Hz)、8.63(1H,d,J=8.7Hz)
6)(3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピランの合成
窒素気流下、(3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オール(859mg,1.02mmol)の塩化メチレン(17mL)溶液に0℃でトリエチルシラン(0.33mL,2.04mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.14mL,1.12mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌後、水(20mL)を添加した。塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:10))にて精製し、標題化合物(517mg,61%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.52−4.89(20H,m)、6.51(2H,d,J=7.5Hz)、6.93−7.67(26H,m)、8.18(1H,d,J=8.7Hz)、8.39(1H,d,J=8.7Hz)
7)(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオールの合成
窒素雰囲気下、(3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン(515mg,0.62mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、氷冷下、ジメチルスルフィド(1.6mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.79mL,6.23mmol)を加えた。反応液を室温で3日攪拌した後、氷冷下で水(10mL)を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=塩化メチレン:メタノール(20:1))にて精製し、標題化合物(82mg、28%)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:3.49−3.90(7H,m)、3.94(3H,m)、4.48(2H,d,J=6.0Hz)、7.11(1H,s)、7.22−7.76(7H,m)、8.16−8.19(1H,m)、8.33−8.36(1H,m)
MS(ESI-):465[M−1]-
実施例4
(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
1)1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−メトキシベンゼンの合成
窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.5M、80.0mL、40.0mmol)に4−メトキシベンゼンチオール(3.07mL、25.0mmol)、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタン(3.25mL、27.5mmol)を氷冷下で加えた。同温で10分間攪拌した後、5時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、冷水を加えた。エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(5.30g,93%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.00(2H,d,J=5.6Hz)、3.33(6H,s)、3.70(3H,s)、4.47(1H,t,J=5.6Hz)、6.85(2H,d,J=8.8Hz)、7.39(2H,d,J=8.8Hz)
2)5−メトキシベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素雰囲気下、無水クロロベンゼン(150mL)にポリリン酸(10g)を加えた。還流下、1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−メトキシベンゼン(5.2g,22.7mmol)を1.5時間かけて加え、終夜加熱還流した。反応液を室温に冷やした後、有機層を分離した。ポリリン酸層に水を加えて、塩化メチレンで抽出した。得られた全有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:40))にて精製し、標題化合物(1.1g,30%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.51(3H,s)、7.00(1H,dd,J=8.8,2.4Hz)、7.26(2H,m)、7.44(1H,d,J=5.5Hz)、7.73(1H,d,J=8.8Hz)
3)(4−ブロモナフタレン−2−イル)−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−メタノールの合成
窒素気流下、5−メトキシベンゾ[b]チオフェン(388mg,2.36mmol)のTHF(6mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,1.48mL,2.36mmol)を滴下し、同温で10分間攪拌した。この溶液に−78℃下、4−ブロモナフタレン−2−カルボアルデヒド(530mg,2.25mmol)のTHF(4mL)溶液を滴下した。同温で2時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:10))にて精製し、標題化合物(725mg、77%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.62(1H,d,J=4.0Hz)、3.83(3H,s)、6.22(1H,d,J=3.8Hz)、6.95(1H,dd,J=8.8,2.5Hz)、7.10(1H,s)、7.15(1H,d,J=2.5Hz)、7.52−7.65(3H,m)、7.83−7.88(2H,m)、7.93(1H,s)、8.22(1H,d,J=8.1Hz)
4)2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−フルオロベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素気流下、トリメチルシリルヨージド(0.46mL,3.26mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に(4−ブロモナフタレン−2−イル)−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノール(260mg,0.65mmol)を0℃で2時間かけて加え、同温度で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:10))にて精製し、標題化合物(130mg、52%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.84(3H,s)、4.32(2H,s)、6.91(2H,dd,J=8.8,2.5Hz)、6.98(1H,s)、7.14(1H,d,J=2.5Hz)、7.51−7.61(3H,m)、7.70−7.79(3H,m)、8.19(1H,d,J=8.2Hz)
5)(2R,3S,4R,5R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−6−オールの合成
窒素気流下、2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−メトキシベンゾ[b]チオフェン(173mg,0.45mmol)のTHF(15mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,0.31mL,0.50mmol)を滴下した。反応混合物を同温度で10分間撹拌し、この溶液に3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オン(267mg,0.50mmol)のTHF(2mL)溶液に滴下した。−78℃で1時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:4))にて精製し、標題化合物(279mg、73%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.46−3.50(2H,m)、3.74(1H,d,J=10.6Hz)、3.82(3H,s)、4.00(1H,d,J=10.4Hz)、4.05(1H,d,J=10.4Hz)、4.10−4.28(4H,m)、4.34(2H,s)、4.47(1H,d,J=11.9Hz)、4.59(1H,d,J=11.9Hz)、4.76(1H,d,J=10.8Hz)、4.88(2H,s)、4.96(1H,d,J=10.8Hz)、6.67(1H,d,J=7.3Hz)、6.88−6.98(4H,m)、7.04−7.09(2H,m)、7.21−7.35(16H,m)、7.42(1H,t,J=7.2Hz)、7.53(1H,d,J=8.8Hz)、7.75(1H,s)、7.79(1H,d,J=8.0Hz)、7.88(1H,d,J=1.6Hz)、8.65(1H,d,J=8.7Hz)
6)(2R,3S,4R,5R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピランの合成
窒素気流下、(2R,3S,4R,5R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−6−オール(245mg,0.29mmol)の塩化メチレン(3mL)溶液に0℃でトリエチルシラン(0.093mL,0.58mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.041mL,0.32mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:6))にて精製し、標題化合物(217mg,80%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.42(1H,d,J=10.2Hz)、3.63−3.99(9H,m)、4.09(1H,d,J=9.9Hz)、4.35(2H,s)、4.52(1H,d,J=12.2Hz)、4.63(1H,d,J=12.2Hz)、4.69(1H,d,J=10.8Hz)、4.87−4.96(4H,m)、6.50(2H,d,J=7.3Hz)、6.88(1H,dd,J=7.2,2.4Hz)、6.95−6.99(3H,m)、7.05−7.10(2H,m)、7.21−7.30(15H,m)、7.37−7.50(2H,m)、7.53(1H,d,J=8.8Hz)、7.60(1H,s)、7.74(1H,s)、7.82(1H,d,J=7.7Hz)、8.37(1H,d,J=8.2Hz)
7)(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオールの合成
窒素雰囲気下、(2R,3S,4R,5R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン(217mg,0.262mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液に、氷冷下、ジメチルスルフィド(0.66mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.33mL,2.62mmol)を加えた。反応液を室温で3日攪拌した後、氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=塩化メチレン:メタノール(30:1))にて精製し、標題化合物(85mg、65%)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:3.51−3.63(3H,m)、3.69−3.80(5H,m)、3.90(1H,d,J=11.6Hz)、4.37(2H,s)、4.90(1H,d,J=9.5Hz)、6.87(1H,dd,J=8.8,2.5Hz)、7.04(1H,s)、7.19(1H,d,J=2.4Hz)、7.43−7.49(2H,m)、7.57(1H,d,J=8.8Hz)、7.63(1H,s)、7.73(1H,s)、7.79−7.82(1H,m)、8.27(1H,d,J=9.3Hz)
MS(ESI+):489[M+Na]+
実施例5
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール
1)1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−エチルベンゼンの合成
窒素雰囲気下、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(0.5M、81.4mL、40.7mmol)に4−エチルベンゼンチオール(3.50mL、25.4mmol)、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタン(3.3mL、27.9mmol)を氷冷下で加えた。同温で10分間攪拌した後、5時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮し、冷水を加えた。エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(5.31g,93%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.22(3H,t,J=7.6Hz)、2.62(2H,q,J=7.6Hz)、3.08(2H,d,J=5.6Hz)、3.36(6H,s)、4.51(1H,t,J=5.6Hz)、7.12(2H,d,J=8.3Hz)、7.32(2H,d,J=8.3Hz)
2)5−エチルベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素雰囲気下、無水クロロベンゼン(150mL)にポリリン酸(10g)を加えた。還流下、1−(2,2−ジメトキシエチルスルファニル)−4−エチルベンゼン(5.31g,23.5mmol)を1.5時間かけて加え、終夜加熱還流した。反応液を室温に冷やした後、有機層を分離した。ポリリン酸層に水を加えて、塩化メチレンで抽出した。得られた全有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:20))にて精製し、標題化合物(0.98g,26%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.29(3H,t,J=7.6Hz)、2.76(2H,q,J=7.6Hz)、7.18−7.28(2H,m)、7.40(1H,d,J=5.4Hz)、7.64(1H,s)、7.78(1H,d,J=8.3Hz)
3)(4−ブロモ−ナフタレン−2−イル)−(5−エチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−メタノールの合成
窒素気流下、5−エチルベンゾ[b]チオフェン(373mg,2.30mmol)のTHF(15mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,1.44mL,2.30mmol)を滴下し、同温で5分間攪拌した。この溶液に−78℃下、4−ブロモナフタレン−2−カルボアルデヒド(515mg,2.19mmol)のTHF(5mL)溶液を滴下した。同温で2時間攪拌後、−20℃で30分間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:9))にて精製し、標題化合物(780mg、90%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.24(1H,t,J=7.6Hz)、2.63(1H,d,J=3.1Hz)、2.73(2H,q,J=7.6Hz)、6.23(1H,d,J=3.1Hz)、7.14(2H,s)、7.52−7.70(4H,m)、7.83−7.93(3H,m)、8.22(1H,d,J=8.3Hz)
4)2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−エチルベンゾ[b]チオフェンの合成
窒素気流下、(4−ブロモナフタレン−2−イル)−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メタノール(780mg,1.96mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に0℃にてトリエチルシラン(0.63mL,3.93mmol)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.27mL,2.16mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。メタノール(10mL)、水(30mL)を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=n−ヘキサン)にて精製し、標題化合物(460mg、62%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.27(1H,t,J=7.6Hz)、2.73(2H,q,J=7.6Hz)、4.34(2H,s)、7.10(1H,s)、7.13(1H,d,J=7.6Hz)、7.48−7.79(7H,m)、8.19(1H,d,J=8.3Hz)
5)(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−オールの合成
窒素気流下、2−(4−ブロモナフタレン−2−イルメチル)−5−エチルベンゾ[b]チオフェン(460mg,1.21mmol)のTHF(15mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,0.83mL,1.33mmol)を滴下した。反応混合物を同温度で5分間撹拌し、この溶液に3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチルテトラヒドロピラン−2−オン(844mg,1.57mmol)のTHF(5mL)溶液に滴下した。−78℃で5分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して反応を停止した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、乾燥(無水硫酸マグネシウム)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:9))にて精製し、標題化合物(1.06mg、100%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.25(3H,t,J=7.6Hz)、2.72(2H,q,J=7.6Hz)、4.35(2H,s)、3.45−4.78(12H,m)、4.89(2H,s)、4.92−4.98(1H,m)、6.67(2H,d,J=7.2Hz)、6.94(2H,t,J=7.2Hz)、7.01−7.44(21H,m)、7.59(1H,d,J=8.3Hz)、7.75(1H,s)、7.79(1H,d,J=7.9Hz)、7.89(1H,d,J=1.7Hz)、8.62(1H,d,J=8.6Hz)
6)(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピランの合成
窒素気流下、(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−2−オール(1.06g,1.26mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に−40℃でトリエチルシラン(0.60mL,3.78mmol)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.17mL,1.32mmol)を加えた。反応液を0℃で1時間撹拌後、50%メタノール水溶液(20mL)を添加した。塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=酢酸エチル:n−ヘキサン(1:9))にて精製し、標題化合物(670mg,65%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,t,J=7.6Hz)、2.71(2H,q,J=7.6Hz)、3.42(1H,d,J=10.3Hz)、3.60−4.00(6H,m)、4.09(1H,d,J=10.3Hz)、4.35(2H,s)、4.46−4.72(3H,m)、4.82−4.98(4H,m)、6.50(2H,d,J=7.2Hz)、6.85−7.85(27H,m)、8.37(1H,d,J=8.2Hz)
7)(2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオールの合成
窒素雰囲気下、(3R,4R,5S,6R)−3,4,5−トリスベンジルオキシ−2−ベンジルオキシメチル−6−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン(670mg,0.81mmol)の塩化メチレン(4mL)溶液に、氷冷下、ジメチルスルフィド(2.66mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.03mL,8.12mmol)を加えた。反応液を室温で1.5日攪拌した後、氷冷下で50%メタノール水溶液(20mL)を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液=塩化メチレン:メタノール(50:1))にて精製し、標題化合物(119mg、32%)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ:1.26(3H,t,J=7.6Hz)、2.71(2H,q,J=7.6Hz)、3.45−3.65(3H,m)、3.66−3.82(2H,m)、3.89(1H,d,J=12.1Hz)、4.39(2H,s)、4.90(1H,d,J=9.6Hz)、7.05−7.15(2H,m)、7.40−7.55(3H,m)、7.58−7.66(2H,m)、7.37(1H,s)、7.78−7.85(1H,m)、8.24−8.32(1H,m)
MS(ESI+):487[M+Na]+
上記実施例化合物の構造式を表1に示す。
Figure 2006011502
上記実施例と同様な操作を行なうことにより、下記表に示す本発明化合物を相当する出発原料と試薬を用いて調製した。
Figure 2006011502
Figure 2006011502
試験例1
ヒトNa + −グルコース共輸送体(SGLT1およびSGLT2)活性阻害作用確認試験
1)ヒトSGLT1発現ベクターの作製
ヒト小腸由来のcDNAライブラリー(Clontech社製)を鋳型とし、合成DNAプライマーを用いて、KOD+ DNA Polymerase(東洋紡社製)によりPCRを行い、ヒトSGLT1 cDNAを増幅した。次に、増幅された断片をTopo TA Cloning Dual Promoterキット(Invitrogen社製)を用いてpcRII−Topoベクターにクローニングし、大腸菌のコンピテントセル(Invitrogen社製、TOP10)に導入して、アンピシリン耐性を示すクローンをアンピシリン(50mg/L)を含むLB培地中で増殖させた。増殖した大腸菌から定法(Maniatisら、Molecular Cloningを参照)に従いプラスミドを精製した。このプラスミドを鋳型として、制限酵素認識部位を導入した合成DNAプライマーを用いて、KOD+ DNA PolymeraseによりPCRを行い、ヒトSGLT1 cDNA(上流にEco RI認識部位、下流にHind III認識部位が付加された断片)を増幅した。この増幅断片をEco RIとHind III消化し、消化断片を発現ベクターpcDNA3.1(−)(Invitrogen社製)の同認識部位にRapid DNA Ligation kit(Roche Diagnostics社製)を用いて連結した。連結した発現ベクターを大腸菌のコンピテントセル(Invitrogen社製、DH5α)に導入し、アンピシリンを含むLB培地中で増殖させ、定法によりヒトSGLT1発現ベクターを取得した。
2)ヒトSGLT2発現ベクターの作製
ヒト腎臓由来のcDNAライブラリー(Clontech社製)を鋳型とし、合成DNAプライマーを用いて、KOD+ DNA PolymeraseによりPCRを行い、ヒトSGLT2 cDNAを増幅した。次に、増幅された断片をTopo TA Cloning Dual Promoterキットを用いてpcRII−Topoベクターにクローニングし、大腸菌のコンピテントセル(TOP10)に導入して、アンピシリン耐性を示すクローンをアンピシリン(50mg/L)を含むLB培地中で増殖させた。増殖した大腸菌から定法に従いプラスミドを精製した。このプラスミドを鋳型として、制限酵素認識部位を導入した合成DNAプライマーを用いて、KOD+ DNA PolymeraseによりPCRを行い、ヒトSGLT2 cDNA(上流にXho I認識部位、下流にHind III認識部位が付加された断片)を増幅した。この増幅断片をXho IとHind III消化し、消化断片を発現ベクターpcDNA3.1(−)の同認識部位にRapid DNA Ligation kitを用いて連結した。連結した発現ベクターを大腸菌のコンピテントセル(DH5α)に導入し、アンピシリンを含むLB培地中で増殖させ、定法によりヒトSGLT2発現ベクターを取得した。
3)ヒトSGLT1安定発現細胞とヒトSGLT2安定発現細胞の作製
制限酵素Pvu Iで消化したヒトSGLT1発現ベクターまたはヒトSGLT2発現ベクターをFuGENE(Roche Diagnostics社製)を用いてCHO−Kl細胞に導入した。遺伝子導入後、細胞をペニシリン(50U/mL、SIGMA社製)、ストレプトマイシン(50mg/L、SIGMA社製)、Geneticin(200mg/L、ナカライテスク社製)と20%ウシ胎児血清を含むDMEM培地(Gibco社製)中で37℃、5%CO2存在下で約3週間培養し、Geneticin耐性のクローンを得た。これらのクローンの中からヒトSGLT1あるいはヒトSGLT2を安定発現する細胞を、ナトリウム依存的な糖(メチル−α−D−グルコピラノシド)取り込み活性を指標に選択、取得した。
4)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
ヒトSGLT1安定発現CHO細胞あるいはヒトSGLT2安定発現CHO細胞を96ウエルプレートに30000〜40000cell/wellの密度でまき込み、4〜6日培養した。次に、これらの培養プレートの培地を除去し、1ウエルあたり前処置用緩衝液(塩化コリン140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を150μL加え、37℃で20分間静置した。前処置用緩衝液を除去し、再び1ウエルあたり前処置用緩衝液を50μL加え、37℃で20分間静置した。緩衝液(塩化ナトリウム140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、メチル−α−D−グルコピラノシド1mM、[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液 pH7.4)100mLに6.3mLのメチル−α−D−(U−14C)グルコピラノシド(Amersham Pharmacia Biotech社製、200mCi/L)を加え混合し、取り込み用緩衝液とし、この取り込み用緩衝液に試験化合物を溶かし込んだ溶液を阻害活性測定用緩衝液として使用した。また、対照としては試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を使用した。さらに、試験化合物およびナトリウム非存在下の基礎取り込み測定用に塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み用緩衝液を同様に調製し測定に使用した。培養プレートのウエルより前処置用緩衝液を除去し、阻害活性測定用緩衝液を1ウエルあたり35μLずつ加え37℃で45分間静置した。阻害活性測定用緩衝液を除去し、洗浄用緩衝液(塩化コリン140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、メチル−α−D−グルコピラノシド10mM、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を1ウエルあたり300μLずつ加え、すぐに除去した。この洗浄操作を更に1回行い、細胞溶解液(水酸化ナトリウム1M、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%)を1ウエルあたり30μLずつ加え、細胞を可溶化した。ここに2M塩酸を15μL添加し、この溶液40μLをLuma−plate(Packard社製)に移して、室温で一晩放置することで溶媒を蒸発させた。プレート上の試料の放射活性をトップカウント(Packard社製)にて計測した。対照の取り込み量から基礎取り込み量を差し引いた値を100%とし、取り込み量の50%阻害をする試験化合物濃度(IC50値)を濃度−阻害曲線から演算ソフト(ELfit ver.3)により算出した。その結果、本発明化合物は、顕著なSGLT2阻害作用を示した。本発明の代表的化合物のSGLT2の阻害におけるIC50値を表に示す。
Figure 2006011502
試験例2
ラットにおける血中半減期測定試験
SD系雄性ラット(8週齢、日本エスエルシー)に試験化合物を静脈内投与し、血液を投与2分、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、および8時間後に採取した。得られた血液を遠心し、血漿を得た。内部標準物質phenytoin(250ng)を添加したチューブに血漿試料(0.01mL)、水(0.4mL)を添加、ジエチルエーテル(2mL)を加え5分間攪拌後、10分間遠心し、有機層を回収し窒素乾固し、移動相(0.05mL)を加えて溶解し、測定試料とした。
測定試料をLC-MS/MSに注入し、以下の条件で測定した。
カラム:ODS (2.0 x 150mm)
移動相:アセトニトリル / 10 mM 酢酸アンモニウム = 4/6(v/v)
流速:0.2 mL/min
試料注入量:10μL
質量分析:ESI (+)
LC-MS/MS法により得られた血漿中濃度をPharsight Corporation社製WinNonlin standardを用い、non−compartmental analysisを行い、pharmacokinetic parametersを算出した。最終相における半減期は表4の通りである。
Figure 2006011502
本発明により、優れたSGLT2の活性阻害作用を示すグルシトール化合物またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩が提供される。また、本発明化合物は、糖尿病、糖尿病関連疾患または糖尿病性合併症の予防又は治療薬として有用である。


Claims (13)

  1. 式(I)で示される化合物:
    Figure 2006011502
    [式中、mは1〜3から選択される整数であり、
    1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRbで置換されていてもよいC7−C14アラルキル基、および−C(=O)Rxから選択され、
    Rxは、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRbで置換されていてもよいアリール基、1以上のRbで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、または−NReRfであり、
    Ar1は、1以上のRbで置換されていてもよいナフチル基であり、
    Aは、1以上のRbで置換されていてもよいヘテロアリール基であり、当該へテロアリール基は芳香族炭素環または芳香族ヘテロ環と縮合環を形成していてもよく、ただし、Aが2以上の環を含むベンゾ縮合環の場合、−(CH2m−基はAにおけるヘテロ環上に連結し、
    Raは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、メルカプト基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基、−NRfRg、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、および1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基から選択され、
    Rbは、それぞれ独立に、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRcで置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、1以上のRdで置換されていてもよいC7−C14アラルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、メルカプト基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルチオ基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルフィニル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基、−NRfRg、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、C1−C3アルキレンジオキシ基、およびヘテロシクリル基から選択され、
    Rcは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1−C6アルコキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいアリールオキシ基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリールオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、およびジ(C1−C6アルキル)アミノ基から選択され、
    Rdは、それぞれ独立に、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、C7−C14アラルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、およびジ(C1−C6アルキル)アミノ基から選択され、
    Reは、水素原子、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、または1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基であり、
    Rfは、水素原子または1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり、
    Rgは、水素原子、Rcで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、1以上のRdで置換されていてもよいアリール基、1以上のRdで置換されていてもよいヘテロアリール基、カルバモイル基、1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、または1以上のRcで置換されていてもよいC1−C6アルキルスルホニル基であり、または、
    ReとRf、およびRfとRgは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜7員ヘテロ環を形成してもよい]
    またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  2. 式(Ia):
    Figure 2006011502
    [式中、A、R1、R2、R3、R4およびmは、請求項1に定義したとおりである]
    で表される、請求項1に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  3. 式(Ib):
    Figure 2006011502
    [式中、A、Ar1、R1、R2、R3、R4およびmは、請求項1に定義したとおりである]で表される、請求項1に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  4. Rbが、それぞれ独立に、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基およびC1−C3アルキレンジオキシ基から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  5. Aが、チエニル基またはベンゾチエニル基であり、これらの基はそれぞれ1以上のRbにより置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  6. mが1である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  7. 1、R2、R3、およびR4が、それぞれ独立に、水素原子および−C(=O)Rxから選択され、Rxが1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルキル基、または1以上のRaで置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  8. (2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)−4−メトキシナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−エチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2S,3R,4R,5S,6R)−2−[3−(5−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]−6−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    (2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−メチルチオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;および
    (2R,3S,4R,5R,6S)−2−ヒドロキシメチル−6−[3−(5−エチルチオフェン−2−イルメチル)ナフタレン−1−イル]テトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール;
    から選択される化合物、またはそのプロドラッグ、もしくはそれらの薬理学的に許容される塩。
  9. Na+−グルコース共輸送体阻害剤として使用される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物。
  10. 糖尿病、高血糖症に起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防または治療のために使用される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物。
  11. 糖尿病がインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)である、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはそのプロドラッグもしくはそれらの薬理学的に許容される塩の有効治療量を患者に投与することを含む糖尿病、高血糖症に起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防または治療方法。
  13. 糖尿病がインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)である、請求項12に記載の方法。

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