JPWO2005121189A1 - アニオン重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2004年6月9日に出願された特願2004−170963号及び2004年10月4日に出願された特願2004−290963号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(1)重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いで重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
(2)重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いで重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種と当該重合開始能力がないアニオン種に対して過剰量の重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
(3)重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系が、重合開始能力があるアニオン種が存在する反応系に、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種を添加した反応系であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアニオン重合体の製造方法。
(4)重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系が、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、重合開始能力があるアニオン種を添加した反応系であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアニオン重合体の製造方法。
(5)反応系中における重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種の量が、重合開始能力があるアニオン種1モルに対して0.5モル以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(6)重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体を添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(7)重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体と重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種の混合液を添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(8)重合溶媒中の重合阻害物質を、重合開始能力のあるアニオン種であらかじめ除いた後、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系で反応を行うことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(9)重合阻害物質が活性水素化合物であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(10)重合開始能力がないが、重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(11)重合開始能力があるアニオン種が、有機アルカリ金属、有機アルカリ土類金属、1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオン;又は1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオンを一方の有機金属化合物とするアート錯体の有機アニオンであることを特徴とする(1)〜(10)いずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(12)アニオン重合性単量体が、スチレン誘導体、ブタジエン誘導体及び(メタ)アクリル酸エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(11)いずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
以上例示した重合開始能力があるアニオン種は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上例示した重合開始能力がないアニオン種は一種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法は、ブロック共重合体、ランダム共重合体などの共重合体の製造においても適用が可能である。
用いる重合溶媒は、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば、特に制限されない。
用いる添加剤としては、ナトリウムやカリウム等の、硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩などのアルカリ金属鉱酸塩;バリウム、マグネシウム等の、硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩などのアルカリ土類金属鉱酸塩;ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物;バリウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属のハロゲン化物等を例示することができる。
(1)重合溶媒に、−10℃以上、重合溶媒の沸点以下の温度で、重合阻害物質よりも過剰量の有機アルカリ金属を添加し、該有機アルカリ金属の重合活性が消失した後、重合溶媒の温度を重合温度に設定する方法。
(2)重合溶媒に、重合阻害物質よりも過剰量の有機アルカリ金属を添加し、−10℃以上、重合溶媒の沸点以下の温度で撹拌し、その後重合溶媒の温度を重合温度に設定し、有機金属で残存する有機アルカリ金属を不活性化する方法。ここで有機金属としては、先に例示したマグネシウム、アルミニウム、又は亜鉛を金属種とする有機金属と同様のものを例示することができる。撹拌時間は5分以上が好ましい。
これらの方法は、エーテル系化合物と芳香族炭化水素化合物からなる重合溶媒において、重合開始能力のあるアニオン種の重合開始能力の有無を、着色により容易に視認でき、特に好ましく用いることができる。
従って、(a)蒸留などの精製が困難な化合物を単量体として用いてもアニオン重合を行なうことが可能となり、また(b)重合開始能力があるアニオン種の失活が抑制されるため重合体の分子量を規定することが容易になる。さらに(c)通常アニオン重合が困難とされる数十万以上の高分子量体の製造においても、生長末端アニオンの失活が抑制されるため、効率よくアニオン重合を行うことができる。
(1) 式(I)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が10万以上、好ましくは20万以上、さらに好ましくは30万以上で、あることを特徴とする重合体、
(2) 式(I)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5万以上であり且つ分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01〜2.50であることを特徴とする重合体等が挙げられる。
重量平均分子量の上限が1000万の重合体の合成も可能である。
(式中、R11は、水素原子又は1価の有機基を表し、R12は水素原子又はC1〜4アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
また、下式
(式中、R14はC1〜C20の無置換又はアルコキシ置換のアルキル基、C5〜C10のシクロアルキル基、又はC6〜C20の無置換又はアルコキシ置換のアリール基を表し、R15は、水素又はC1〜C3のアルキル基を表し、R16は水素、C1〜C6のアルキル基、又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)で表される基を例示することができ、このような置換基として具体的には、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
実施例において、GPCはウォーターズ社製GPCシステムを用いて測定した。カラムは、KF−805LとKF−804L2本を組み合わせたものを用いた。THFを溶媒として用い、流量1.0ml/min、40℃で測定した。分子量は標準ポリスチレンを用いたキャリブレーションカーブより決定した。
この共重合体AのGPC曲線を図1に示す。図中、横軸は保持時間(分)を表す。(以下同じ)。
この共重合体BのGPC曲線を図2に示す。
この共重合体CのGPC曲線を図3に示す。
この共重合体DのGPC曲線を図4に示す。
この共重合体FのGPC曲線を図5に示す。
この共重合体HのGPC曲線を図6に示す。
この共重合体IのGPC曲線を図7に示す。
この重合体JのGPC曲線を図8に示す。
この重合体KのGPC曲線を図9に示す。
(1)トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンが存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いで重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
(2)トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンが存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いでトリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンと当該アニオン種に対して過剰量の重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
(3)前記反応系が、重合開始能力があるアニオン種が存在する反応系に、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンを添加した反応系であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアニオン重合体の製造方法。
(4)前記反応系が、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンが存在する反応系に、重合開始能力があるアニオン種を添加した反応系であることを特徴とする(1)または(2)に記載のアニオン重合体の製造方法。
(5)反応系中におけるトリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンの量が、重合開始能力があるアニオン種1モルに対して0.5モル以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(6)重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体を添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(7)重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体と、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンとの混合液を添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(8)重合溶媒中の重合阻害物質を、重合開始能力のあるアニオン種であらかじめ除いた後、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンが存在する反応系で反応を行うことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(9)重合阻害物質が活性水素化合物であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(10)重合開始能力があるアニオン種が、有機アルカリ金属、有機アルカリ土類金属、1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオン;又は、1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオンを一方の有機金属化合物とするアート錯体の有機アニオンであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
(11)アニオン重合性単量体が、スチレン誘導体、ブタジエン誘導体及び(メタ)アクリル酸エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
Claims (12)
- 重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いで重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、アニオン重合性単量体を添加し、次いで重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種と過剰量の重合開始能力があるアニオン種を添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系が、重合開始能力があるアニオン種が存在する反応系に、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種を添加した反応系であることを特徴とする請求項1または2に記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系が、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系に、重合開始能力があるアニオン種を添加した反応系であることを特徴とする請求項1または2に記載のアニオン重合体の製造方法。
- 反応系中における重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種の量が、重合開始能力があるアニオン種1モルに対して0.5モル以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力があるアニオン種を添加した後に、さらに、アニオン重合性単量体と重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種の混合液を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合溶媒中の重合阻害物質を、重合開始能力のあるアニオン種であらかじめ除いた後、重合開始能力がないが重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が存在する反応系で反応を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合阻害物質が活性水素化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力がないが、重合阻害物質と反応し重合を阻害しない化合物に変換し得るアニオン種が、トリフェニルメチルアニオン誘導体;エノレートアニオン;金属アルコキシドアニオン;マグネシウム、アルミニウム若しくは亜鉛を金属種とする有機金属の有機アニオン;又は、有機アルカリ金属と、マグネシウム、アルミニウムもしくは亜鉛を金属種とする有機金属とからなるアート錯体の有機アニオンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- 重合開始能力があるアニオン種が、有機アルカリ金属、有機アルカリ土類金属、1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオン;又は1,1−ジフェニルエチレンもしくはスチルベンから誘導される炭素アニオンを一方の有機金属化合物とするアート錯体の有機アニオンであることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
- アニオン重合性単量体が、スチレン誘導体、ブタジエン誘導体及び(メタ)アクリル酸エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載のアニオン重合体の製造方法。
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