JPH1180220A - 共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents
共役ジエン系重合体の製造方法Info
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- JPH1180220A JPH1180220A JP26513497A JP26513497A JPH1180220A JP H1180220 A JPH1180220 A JP H1180220A JP 26513497 A JP26513497 A JP 26513497A JP 26513497 A JP26513497 A JP 26513497A JP H1180220 A JPH1180220 A JP H1180220A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い単量体濃度で暴走反応を起こすことなく
リビング的に重合を進行させて、更に1,2−ビニル含
量を増加させうる共役ジエン系重合体の製造方法を提供
すること。 【解決手段】 (R2 )2 MgとR1 M1 及び/又はR
1 OM1 (式中、R1 、R2 は炭化水素系化合物、Oは
酸素原子、M1 は、Li、Na、Kの内少なくとも1種
類のアルカリ金属を表わす)で示される有機金属化合物
からなり、且つ、それぞれの金属モル濃度が[Mg]/
[M1 ]≧1.5なる比率を有する重合開始剤を用いて
共役ジエン系重合体を製造することを特徴とする共役ジ
エン系重合体の製造方法。
リビング的に重合を進行させて、更に1,2−ビニル含
量を増加させうる共役ジエン系重合体の製造方法を提供
すること。 【解決手段】 (R2 )2 MgとR1 M1 及び/又はR
1 OM1 (式中、R1 、R2 は炭化水素系化合物、Oは
酸素原子、M1 は、Li、Na、Kの内少なくとも1種
類のアルカリ金属を表わす)で示される有機金属化合物
からなり、且つ、それぞれの金属モル濃度が[Mg]/
[M1 ]≧1.5なる比率を有する重合開始剤を用いて
共役ジエン系重合体を製造することを特徴とする共役ジ
エン系重合体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は従来のアニオン重合
法による共役ジエン系重合体に比べて、1,2結合が多
くしかも単分散性の共役ジエン系重合体を製造し得る新
規な共役ジエン系重合体の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、高濃度かつ高温における重合反応に
もかかわらず、反応時に発生する重合熱で暴走反応を起
こすことなく制御可能な温度範囲で重合を進行させるこ
とができ、しかも重合時に移動反応・停止反応を起こす
ことなくリビング的に重合を進行させ得る新規な共役ジ
エン系重合体の製造方法に関するものである。
法による共役ジエン系重合体に比べて、1,2結合が多
くしかも単分散性の共役ジエン系重合体を製造し得る新
規な共役ジエン系重合体の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、高濃度かつ高温における重合反応に
もかかわらず、反応時に発生する重合熱で暴走反応を起
こすことなく制御可能な温度範囲で重合を進行させるこ
とができ、しかも重合時に移動反応・停止反応を起こす
ことなくリビング的に重合を進行させ得る新規な共役ジ
エン系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブタジエン重合体に代表される共役ジエ
ン系重合体は、古くから有機アルカリ金属やチーグラー
ナッタ系触媒を中心とした重合開始剤を用いたアニオン
重合法により工業的に生産されてきた。なかでも有機ア
ルカリ金属の開始剤を用いた場合にはリビング的に重合
が進行し、それを利用して製造したスチレン系単量体と
共役ジエン系単量体とのブロック共重合体は、熱可塑性
エラストマーとして様々な用途に利用されてきた。
ン系重合体は、古くから有機アルカリ金属やチーグラー
ナッタ系触媒を中心とした重合開始剤を用いたアニオン
重合法により工業的に生産されてきた。なかでも有機ア
ルカリ金属の開始剤を用いた場合にはリビング的に重合
が進行し、それを利用して製造したスチレン系単量体と
共役ジエン系単量体とのブロック共重合体は、熱可塑性
エラストマーとして様々な用途に利用されてきた。
【0003】共役ジエン系単量体のアニオン重合法は周
知のとうり、単量体の重合付加形式により様々な特性の
重合体を与える。即ち、1、2付加や1、4付加が混在
して重合するため主鎖だけでなく側鎖にビニル基を含有
した重合体やシス、トランス構造を有する重合体が得ら
れ、それぞれの構造割合を制御することによって多種多
様の性能を有する重合体が得られることが知られてい
る。従って、目的の性能を有する重合体を得るために
は、重合反応を規制する重合触媒をいかに設計するかが
極めて重要なポイントとなる。
知のとうり、単量体の重合付加形式により様々な特性の
重合体を与える。即ち、1、2付加や1、4付加が混在
して重合するため主鎖だけでなく側鎖にビニル基を含有
した重合体やシス、トランス構造を有する重合体が得ら
れ、それぞれの構造割合を制御することによって多種多
様の性能を有する重合体が得られることが知られてい
る。従って、目的の性能を有する重合体を得るために
は、重合反応を規制する重合触媒をいかに設計するかが
極めて重要なポイントとなる。
【0004】これまで有機金属と金属錯体の組み合わせ
により様々な重合開始剤が開発され、なかでもアルキル
リチウム系開始剤は、重合条件やエーテル、アミン系化
合物等のルイス塩基添加により構造規制の自由度が高
く、工業的に広く利用されている開始剤の一つである。
アルキルリチウム系開始剤で得られるブタジエン重合体
は、一般に1,4−トランス含量を50〜60%、1,
2−ビニル含量を約10%有すると言われているが、エ
ーテルやアミン系化合物を重合系に加えることによって
1、2−ビニル含量を増加できることが知られている。
により様々な重合開始剤が開発され、なかでもアルキル
リチウム系開始剤は、重合条件やエーテル、アミン系化
合物等のルイス塩基添加により構造規制の自由度が高
く、工業的に広く利用されている開始剤の一つである。
アルキルリチウム系開始剤で得られるブタジエン重合体
は、一般に1,4−トランス含量を50〜60%、1,
2−ビニル含量を約10%有すると言われているが、エ
ーテルやアミン系化合物を重合系に加えることによって
1、2−ビニル含量を増加できることが知られている。
【0005】しかし、このようなルイス塩基を重合系に
加えるということは重合反応性を変化させることでもあ
るから、例えば、重合速度の加速化、移動反応や停止反
応の副反応に伴うリビング性の低下等が起こる場合があ
り、次のような問題が生じる。
加えるということは重合反応性を変化させることでもあ
るから、例えば、重合速度の加速化、移動反応や停止反
応の副反応に伴うリビング性の低下等が起こる場合があ
り、次のような問題が生じる。
【0006】(1)単量体の濃度によっては急激な重合
反応熱が発生し、それにより多くの場合、重合系の外部
から充分な除熱ができず、重合系内の温度が急上昇し
て、自己加速反応いわゆる暴走反応(反応速度の制御が
不可能な状態)が起こる。(2)リビング性が低下する
ことにより、単分散性の低下及びスチレン等の他の単量
体をブロック共重合する場合のブロック効率の低下が起
こる。
反応熱が発生し、それにより多くの場合、重合系の外部
から充分な除熱ができず、重合系内の温度が急上昇し
て、自己加速反応いわゆる暴走反応(反応速度の制御が
不可能な状態)が起こる。(2)リビング性が低下する
ことにより、単分散性の低下及びスチレン等の他の単量
体をブロック共重合する場合のブロック効率の低下が起
こる。
【0007】ルイス塩基以外の錯体形成化合物と有機ア
ルカリ金属の組み合わせからなる重合開始剤の例として
は、Macromolecules,19,p299−
304(1986)にsec−ブチルリチウムとn−ブ
チル、sec−ブチルマグネシウムの混合開始剤が、U
SP3,716,495にn−ブチルリチウムとジ−n
−アミルマグネシウムの混合開始剤が、USP4,22
5,690にアルコキシカリウムとアルキルマグネシウ
ムの混合開始剤が、更に日本化学会誌,2,p447−
453(1970)にはn−ブチルリチウムとアルコキ
シカリウム、アルコキシバリウムなどの混合開始剤が夫
々開示されている。
ルカリ金属の組み合わせからなる重合開始剤の例として
は、Macromolecules,19,p299−
304(1986)にsec−ブチルリチウムとn−ブ
チル、sec−ブチルマグネシウムの混合開始剤が、U
SP3,716,495にn−ブチルリチウムとジ−n
−アミルマグネシウムの混合開始剤が、USP4,22
5,690にアルコキシカリウムとアルキルマグネシウ
ムの混合開始剤が、更に日本化学会誌,2,p447−
453(1970)にはn−ブチルリチウムとアルコキ
シカリウム、アルコキシバリウムなどの混合開始剤が夫
々開示されている。
【0008】しかし、これらの開始剤には、いずれも少
量の錯体形成化合物を添加して、1,4−トランス含有
量は変化できるものの、1,2−ビニル含有量はほとん
ど変化させることはできていなかった。また、それらの
重合はいずれも単量体濃度が数十%の低い濃度での重合
であり、高い重合収率を達成するための高い単量体濃度
での重合例はこれまで全く知られていなかったのであ
る。
量の錯体形成化合物を添加して、1,4−トランス含有
量は変化できるものの、1,2−ビニル含有量はほとん
ど変化させることはできていなかった。また、それらの
重合はいずれも単量体濃度が数十%の低い濃度での重合
であり、高い重合収率を達成するための高い単量体濃度
での重合例はこれまで全く知られていなかったのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い単量体
濃度で暴走反応を起こすことなくリビング的に重合を進
行させ、しかも1,2−ビニル含量を増加させうる共役
ジエン系重合体の製造方法を提供することを課題とす
る。
濃度で暴走反応を起こすことなくリビング的に重合を進
行させ、しかも1,2−ビニル含量を増加させうる共役
ジエン系重合体の製造方法を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
について鋭意検討を重ねた結果、ブタジエンに代表され
る共役ジエン系単量体のアニオン重合を、有機マグネシ
ウム化合物と特定のアルキル金属化合物及び/またはア
ルコキシ金属化合物からなる開始剤を特定比率で用いる
と、極めて驚くべきことに高い単量体濃度であるにもか
かわらず重合反応が暴走反応を起こすことなく、また極
端に重合速度が遅くもなく除熱制御が十分可能な反応速
度で重合が進行し、しかもリビング的に重合が進行する
上、混合比率によっては1,2−ビニル含量の制御され
た単分散性の共役ジエン系重合体が製造できることを見
出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
について鋭意検討を重ねた結果、ブタジエンに代表され
る共役ジエン系単量体のアニオン重合を、有機マグネシ
ウム化合物と特定のアルキル金属化合物及び/またはア
ルコキシ金属化合物からなる開始剤を特定比率で用いる
と、極めて驚くべきことに高い単量体濃度であるにもか
かわらず重合反応が暴走反応を起こすことなく、また極
端に重合速度が遅くもなく除熱制御が十分可能な反応速
度で重合が進行し、しかもリビング的に重合が進行する
上、混合比率によっては1,2−ビニル含量の制御され
た単分散性の共役ジエン系重合体が製造できることを見
出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
【0011】すなわち本発明は、(R2 )2 MgとR1
M1 及び/又はR1 OM1 (式中、R1 、R2 は炭化水
素系化合物、Oは酸素原子、M1 は、Li、Na、Kの
内少なくとも1種類のアルカリ金属を表わす)で示され
る有機金属化合物からなり、且つ、それぞれの金属モル
濃度が[Mg]/[M1 ]≧1.5なる比率を有する重
合開始剤を用いて共役ジエン系単量体を重合することを
特徴とする共役ジエン系重合体の製造方法、
M1 及び/又はR1 OM1 (式中、R1 、R2 は炭化水
素系化合物、Oは酸素原子、M1 は、Li、Na、Kの
内少なくとも1種類のアルカリ金属を表わす)で示され
る有機金属化合物からなり、且つ、それぞれの金属モル
濃度が[Mg]/[M1 ]≧1.5なる比率を有する重
合開始剤を用いて共役ジエン系単量体を重合することを
特徴とする共役ジエン系重合体の製造方法、
【0012】及び該金属モル濃度比が[Mg]/
[M1 ]=2〜50なる比率であることを特徴とする上
記記載の共役ジエン系重合体の製造方法、
[M1 ]=2〜50なる比率であることを特徴とする上
記記載の共役ジエン系重合体の製造方法、
【0013】及び重合温度が50℃以上200℃以下で
あることを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の
製造方法、及び共役ジエン系単量体の重合溶媒に対する
濃度が40wt%以上であることを特徴とする上記記載
の共役ジエン系重合体の製造方法、
あることを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の
製造方法、及び共役ジエン系単量体の重合溶媒に対する
濃度が40wt%以上であることを特徴とする上記記載
の共役ジエン系重合体の製造方法、
【0014】及び(R2 )2 MgとR1 M1 で示される
有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化
合物の中で金属に結合している炭素の少なくとも1つが
2級炭素及び/又は3級炭素であり、且つ2級炭素及び
/又は3級炭素のR1 及びR2 の総量(R1,2 )が[R
1,2 ]≧[Mg]であることを特徴とする上記記載の共
役ジエン系重合体の製造方法、
有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化
合物の中で金属に結合している炭素の少なくとも1つが
2級炭素及び/又は3級炭素であり、且つ2級炭素及び
/又は3級炭素のR1 及びR2 の総量(R1,2 )が[R
1,2 ]≧[Mg]であることを特徴とする上記記載の共
役ジエン系重合体の製造方法、
【0015】及び(R2 )2 MgとR1 M1 で示される
有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化
合物の内少なくとも1つがポリマー炭素アニオンである
ことを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の製造
方法、
有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化
合物の内少なくとも1つがポリマー炭素アニオンである
ことを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の製造
方法、
【0016】及び重合溶媒が炭化水素系化合物であるこ
とを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の製造方
法を提供するものである。
とを特徴とする上記記載の共役ジエン系重合体の製造方
法を提供するものである。
【0017】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる共役ジエン系単量体の具体例としては、1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,
3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3
−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
シクロヘキサジエン等が挙げられる。これらの中で好ま
しいのは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、シクロヘキサジエンである。又これらの
共役ジエン系単量体は、一種類または共重合体を得る目
的で2種類以上の組み合わせで使用しても良い。
用いられる共役ジエン系単量体の具体例としては、1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,
3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3
−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
シクロヘキサジエン等が挙げられる。これらの中で好ま
しいのは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、シクロヘキサジエンである。又これらの
共役ジエン系単量体は、一種類または共重合体を得る目
的で2種類以上の組み合わせで使用しても良い。
【0018】本発明で用いられる(R2 )2 Mgで示さ
れる有機マグネシウム化合物とは、Mgに結合している
化合物が炭化水素系の化合物であり、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキ
シル基等のアルキル基(異性体を含む)が好ましく、具
体的にはジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−t−ブチル
マグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、n−
ブチル,sec−ブチルマグネシウム,n−ブチル−エ
チルマグネシウム、ジ−n−アミルマグネシウム等が好
ましい。これらの化合物は1種類もしくは2種類以上併
用しても良い。
れる有機マグネシウム化合物とは、Mgに結合している
化合物が炭化水素系の化合物であり、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキ
シル基等のアルキル基(異性体を含む)が好ましく、具
体的にはジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−t−ブチル
マグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、n−
ブチル,sec−ブチルマグネシウム,n−ブチル−エ
チルマグネシウム、ジ−n−アミルマグネシウム等が好
ましい。これらの化合物は1種類もしくは2種類以上併
用しても良い。
【0019】R1 M1 及び/又はR1 OM1 (式中、R
1 、R2 は炭化水素系化合物、Oは酸素原子、M1 は、
Li、Na、Kの内少なくとも1種類のアルカリ金属を
表わす)で示される有機金属化合物とは、まず、R1 M
1 としてはR1 が炭化水素系の化合物であり、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル
基、ヘキシル基等のアルキル基(異性体を含む)が好ま
しく、具体的には、メチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、i
so−プロピルリチウム、n−プロピルリチウム、is
o−プロピルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリ
チウム、ヘキシルリチウム、ブチルナトリウム、ブチル
カリウム、クミルカリウム等がある。これらの化合物は
1種類もしくは2種類以上併用しても良い。
1 、R2 は炭化水素系化合物、Oは酸素原子、M1 は、
Li、Na、Kの内少なくとも1種類のアルカリ金属を
表わす)で示される有機金属化合物とは、まず、R1 M
1 としてはR1 が炭化水素系の化合物であり、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル
基、ヘキシル基等のアルキル基(異性体を含む)が好ま
しく、具体的には、メチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、i
so−プロピルリチウム、n−プロピルリチウム、is
o−プロピルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリ
チウム、ヘキシルリチウム、ブチルナトリウム、ブチル
カリウム、クミルカリウム等がある。これらの化合物は
1種類もしくは2種類以上併用しても良い。
【0020】次に、R1 OM1 としては、R1 が炭化水
素系の化合物であり、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキシル基等のアル
キル基(異性体を含む)又はフェニル基、アルキル置換
フェニル基が好ましい。
素系の化合物であり、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキシル基等のアル
キル基(異性体を含む)又はフェニル基、アルキル置換
フェニル基が好ましい。
【0021】具体的には、メトキシリチウム、メトキシ
ナトリウム、メトキシカリウム、エトキシリチウム、エ
トキシナトリウム、エトキシカリウム、プロポキシリチ
ウム、プロポキシナトリウム、プロポキシカリウム、イ
ソプロポキシリチウム、イソプロポキシナトリウム、イ
ソプロポキシカリウム、n−ブトキシリチウム、n−ブ
トキシナトリウム、n−ブトキシカリウム、sec−ブ
トキシリチウム、sec−ブトキシナトリウム、sec
−ブトキシカリウム、tert−ブトキシリチウム、t
ert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリ
ウム、アミロキシリチウム、アミロキシナトリウム、ア
ミロキシカリウム、tert−アミロキシリチウム、t
ert−アミロキシナトリウム、tert−アミロキシ
カリウム、ヘキシロキシリチウム、ヘキシロキシナトリ
ウム、ヘキシロキシカリウム、
ナトリウム、メトキシカリウム、エトキシリチウム、エ
トキシナトリウム、エトキシカリウム、プロポキシリチ
ウム、プロポキシナトリウム、プロポキシカリウム、イ
ソプロポキシリチウム、イソプロポキシナトリウム、イ
ソプロポキシカリウム、n−ブトキシリチウム、n−ブ
トキシナトリウム、n−ブトキシカリウム、sec−ブ
トキシリチウム、sec−ブトキシナトリウム、sec
−ブトキシカリウム、tert−ブトキシリチウム、t
ert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリ
ウム、アミロキシリチウム、アミロキシナトリウム、ア
ミロキシカリウム、tert−アミロキシリチウム、t
ert−アミロキシナトリウム、tert−アミロキシ
カリウム、ヘキシロキシリチウム、ヘキシロキシナトリ
ウム、ヘキシロキシカリウム、
【0022】フェノキシリチウム、フェノキシナトリウ
ム、フェノキシカリウム、2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェノキシリチウム、2,4−ジ−tert−ブチル
フェノキシナトリウム、2,4−ジ−tert−ブチル
フェノキシカリウム、2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェノキシリチウム、2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノキシナトリウム、2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノキシカリウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノ
キシリチウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノキ
シナトリウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノキ
シカリウム、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノキシリチウム、2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノキシナトリウム、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノキシカリウム等があ
る。これらの化合物は1種類もしくは2種類以上の併用
系でも良い。又、R1 M1 とR1 OM1 は、それぞれ単
独で使用しても良くまた併用して使用してもかまわな
い。
ム、フェノキシカリウム、2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェノキシリチウム、2,4−ジ−tert−ブチル
フェノキシナトリウム、2,4−ジ−tert−ブチル
フェノキシカリウム、2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェノキシリチウム、2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノキシナトリウム、2,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノキシカリウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノ
キシリチウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノキ
シナトリウム、3,5−ジ−tert−ブチルフェノキ
シカリウム、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノキシリチウム、2,6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノキシナトリウム、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノキシカリウム等があ
る。これらの化合物は1種類もしくは2種類以上の併用
系でも良い。又、R1 M1 とR1 OM1 は、それぞれ単
独で使用しても良くまた併用して使用してもかまわな
い。
【0023】本発明で用いられるR2 MgとR1 M1 及
び/又はR1 OM1 の組み合わせからなる開始剤の組成
比は、金属含有量比として[Mg]/[M1 ]≧1.5
であり、好ましくは、[Mg]/[M1 ]≧1.7、更
に好ましくは[Mg]/[M1 ]≧2.0である。組成
比を上昇させるにつれて重合速度が遅くなるため、高温
又は高単量体濃度での重合を暴走反応を起こさずに進行
させることができる。しかもリビング性を保持している
ため、高収率の製造が可能となる。
び/又はR1 OM1 の組み合わせからなる開始剤の組成
比は、金属含有量比として[Mg]/[M1 ]≧1.5
であり、好ましくは、[Mg]/[M1 ]≧1.7、更
に好ましくは[Mg]/[M1 ]≧2.0である。組成
比を上昇させるにつれて重合速度が遅くなるため、高温
又は高単量体濃度での重合を暴走反応を起こさずに進行
させることができる。しかもリビング性を保持している
ため、高収率の製造が可能となる。
【0024】組成比の上限としては、好ましくは50で
ある。50より比率が大きくなると、分子量分布が広く
なること及び重合速度が極めて遅くなることから工業的
生産性の面から好ましくない。また、下限値としては
1.5より小さいと1,2−ビニル含有量の変化がほと
んどなく構造制御できない。また、本発明の特徴が発揮
されず、重合速度が速く暴走反応を起こす。
ある。50より比率が大きくなると、分子量分布が広く
なること及び重合速度が極めて遅くなることから工業的
生産性の面から好ましくない。また、下限値としては
1.5より小さいと1,2−ビニル含有量の変化がほと
んどなく構造制御できない。また、本発明の特徴が発揮
されず、重合速度が速く暴走反応を起こす。
【0025】ところで、R2 MgとR1 M1 及び/又は
R1 OM1 の組み合わせからなる開始剤は以前にも知ら
れてはいたが下記に示す様な問題点があり実用されてい
なかった。即ち、Macromolecules、19
86.19.p299及びUSP3,716,495に
は、本発明と同様にジブチルマグネシウムとブチルリチ
ウム、或いはジアミルマグネシウムとブチルリチウムか
らなる重合開始剤を使って50℃又は70℃でスチレ
ン、ブタジエンを重合するか、或いはスチレンとブタジ
エンを共重合する例が開示されている。しかし、金属モ
ル濃度比が[Mg]<[Li]の領域であったため、こ
の領域ではその共役ジエン系重合体の1、2−ビニル含
有量はほとんど変化しないという問題点があった。
R1 OM1 の組み合わせからなる開始剤は以前にも知ら
れてはいたが下記に示す様な問題点があり実用されてい
なかった。即ち、Macromolecules、19
86.19.p299及びUSP3,716,495に
は、本発明と同様にジブチルマグネシウムとブチルリチ
ウム、或いはジアミルマグネシウムとブチルリチウムか
らなる重合開始剤を使って50℃又は70℃でスチレ
ン、ブタジエンを重合するか、或いはスチレンとブタジ
エンを共重合する例が開示されている。しかし、金属モ
ル濃度比が[Mg]<[Li]の領域であったため、こ
の領域ではその共役ジエン系重合体の1、2−ビニル含
有量はほとんど変化しないという問題点があった。
【0026】またUSP4,225,690には、ジブ
チルマグネシウムとアミルカリウム又はアミロキシカリ
ウムからなる重合開始剤が開示されているが、これも
[Mg]<[K]の領域であり、この領域では重合速度
が遅いか又は1、2−ビニル含有量の変化が少ないとい
う問題点があった。
チルマグネシウムとアミルカリウム又はアミロキシカリ
ウムからなる重合開始剤が開示されているが、これも
[Mg]<[K]の領域であり、この領域では重合速度
が遅いか又は1、2−ビニル含有量の変化が少ないとい
う問題点があった。
【0027】本発明の重合温度は50℃以上200℃以
下、好ましくは55℃以上190℃以下、更に好ましく
は60℃以上180℃以下である。重合温度の下限温度
は、少なくとも目標とする重合時間内に重合が完結する
速度をある程度有していなければならない。50℃より
低い温度でも重合は進行するが、本発明の重合系におい
てはその重合が極めて遅く進行するため、工業生産的見
知から好ましくない。一方、重合温度が200℃以上に
なると移動反応や停止反応等の副反応が頻繁に起こり、
高分子量化することが困難となるとともに重合体中に存
在する2重結合間で反応が起こり架橋化した重合体が得
られるので好ましくない。
下、好ましくは55℃以上190℃以下、更に好ましく
は60℃以上180℃以下である。重合温度の下限温度
は、少なくとも目標とする重合時間内に重合が完結する
速度をある程度有していなければならない。50℃より
低い温度でも重合は進行するが、本発明の重合系におい
てはその重合が極めて遅く進行するため、工業生産的見
知から好ましくない。一方、重合温度が200℃以上に
なると移動反応や停止反応等の副反応が頻繁に起こり、
高分子量化することが困難となるとともに重合体中に存
在する2重結合間で反応が起こり架橋化した重合体が得
られるので好ましくない。
【0028】なお、本発明の重合温度は、重合反応中一
定である必要はなく重合反応の進行に従い任意の速度で
上昇させてもかまわない。例えば、単量体の濃度が高い
重合反応の初期段階においては反応速度が速く発生熱量
が多いため、低い温度で重合反応を進め、単量体の濃度
が低くなるにつれて徐々に温度を上昇させる方法をとる
ことができる。
定である必要はなく重合反応の進行に従い任意の速度で
上昇させてもかまわない。例えば、単量体の濃度が高い
重合反応の初期段階においては反応速度が速く発生熱量
が多いため、低い温度で重合反応を進め、単量体の濃度
が低くなるにつれて徐々に温度を上昇させる方法をとる
ことができる。
【0029】本発明における共役ジエン系単量体の重合
溶媒に対する濃度は、40wt%以上であり、好ましく
は45wt%以上80wt%以下である。溶媒の回収を
考えれば高濃度ほど好ましいが、得られる重合体の種類
によっては温度と重合系の粘性の関係からある程度の溶
媒量が必要となる場合がある。重合速度とリビング重合
性から考慮して濃度は少なくとも40wt%以上がよ
い。40wt%より低濃度でも重合は進行するが、重合
速度が遅くなり生産性が下がる。また、溶媒への移動反
応が起こりやすくなる。80wt%より高いと高粘度化
して必要以上に重合温度を上げることになり、リビング
性の低下を招く可能性がある。
溶媒に対する濃度は、40wt%以上であり、好ましく
は45wt%以上80wt%以下である。溶媒の回収を
考えれば高濃度ほど好ましいが、得られる重合体の種類
によっては温度と重合系の粘性の関係からある程度の溶
媒量が必要となる場合がある。重合速度とリビング重合
性から考慮して濃度は少なくとも40wt%以上がよ
い。40wt%より低濃度でも重合は進行するが、重合
速度が遅くなり生産性が下がる。また、溶媒への移動反
応が起こりやすくなる。80wt%より高いと高粘度化
して必要以上に重合温度を上げることになり、リビング
性の低下を招く可能性がある。
【0030】本発明で言う重合溶媒とは、重合反応に関
与せずかつ重合体と相溶性のある溶媒のことをいい、一
般的にリビングアニオン重合に使われるものであれば何
でもよく特に制限はない。好ましい溶媒としては移動反
応、停止反応の起こりにくい比較的極性の低い芳香族系
炭化水素化合物または脂環式炭化水素化合物がよく、例
えばエチルベンゼン、トルエン、イソプロピルベンゼ
ン、ベンゼン、シクロヘキサン等がある。
与せずかつ重合体と相溶性のある溶媒のことをいい、一
般的にリビングアニオン重合に使われるものであれば何
でもよく特に制限はない。好ましい溶媒としては移動反
応、停止反応の起こりにくい比較的極性の低い芳香族系
炭化水素化合物または脂環式炭化水素化合物がよく、例
えばエチルベンゼン、トルエン、イソプロピルベンゼ
ン、ベンゼン、シクロヘキサン等がある。
【0031】また、これらの溶媒中に本発明の目的を超
えない範囲で、テトラハイドロフラン、ジオキサン、ト
リオキサン等のエーテル系化合物、テトラメチルエチレ
ンジアミン等の3級アミンやピリジン等の窒素系化合
物、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノ
ナン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素化合物、トリエチ
ルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の弱ルイス酸を少量含
有していてもよい。
えない範囲で、テトラハイドロフラン、ジオキサン、ト
リオキサン等のエーテル系化合物、テトラメチルエチレ
ンジアミン等の3級アミンやピリジン等の窒素系化合
物、ペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノ
ナン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素化合物、トリエチ
ルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の弱ルイス酸を少量含
有していてもよい。
【0032】本発明者は、更に(R2 )2 MgとR1 M
1 からなる有機金属化合物について研究を進めた結果、
R1 及びR2 の炭化水素系化合物の中で金属に結合して
いる炭素の少なくとも1つが2級炭素及び/又は3級炭
素であり、しかも2級炭素及び/又は3級炭素のR1 及
びR2 の総量(R1,2 )が[R1,2 ]≧[Mg]である
有機金属化合物を共役ジエン系単量体の重合に用いると
(R2 )2 Mgの重合開始剤効率が高くなり(開始反応
点が増加する)、しかも重合速度が遅くなることを見出
した。これは、1級炭素のR1 、R2 よりも2級炭素及
び3級炭素を有するR1 、R2 からの重合の方が開始し
やすいため、[R1,2 ]≧[Mg]のときMgは[R
1,2 ]−[Mg]量だけ2官能性開始剤となり開始剤効
率が上昇したと推定される。
1 からなる有機金属化合物について研究を進めた結果、
R1 及びR2 の炭化水素系化合物の中で金属に結合して
いる炭素の少なくとも1つが2級炭素及び/又は3級炭
素であり、しかも2級炭素及び/又は3級炭素のR1 及
びR2 の総量(R1,2 )が[R1,2 ]≧[Mg]である
有機金属化合物を共役ジエン系単量体の重合に用いると
(R2 )2 Mgの重合開始剤効率が高くなり(開始反応
点が増加する)、しかも重合速度が遅くなることを見出
した。これは、1級炭素のR1 、R2 よりも2級炭素及
び3級炭素を有するR1 、R2 からの重合の方が開始し
やすいため、[R1,2 ]≧[Mg]のときMgは[R
1,2 ]−[Mg]量だけ2官能性開始剤となり開始剤効
率が上昇したと推定される。
【0033】本発明では、(R2 )2 MgとR1 M1 か
らなる有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水
素系化合物の内少なくとも1つがポリマー炭素アニオン
であってもよい。ポリマー炭素アニオンとは、リビング
重合可能な単量体、例えばスチレン、置換スチレンなど
をリビング重合して得られるポリマーアニオンのことを
言い、その重合度は1以上であれば特に制限はない。
らなる有機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水
素系化合物の内少なくとも1つがポリマー炭素アニオン
であってもよい。ポリマー炭素アニオンとは、リビング
重合可能な単量体、例えばスチレン、置換スチレンなど
をリビング重合して得られるポリマーアニオンのことを
言い、その重合度は1以上であれば特に制限はない。
【0034】本発明の重合の停止方法としては、特に制
限はなく一般的なアニオン重合法の停止方法でよい。例
えば、水、アルコール、カルボン酸、等のプロトン酸化
合物や二酸化炭素などを重合溶液に添加することで重合
を停止する。また、通常のアニオン重合で使用されるカ
ップリング剤を用いて分岐構造で停止させることもでき
る。
限はなく一般的なアニオン重合法の停止方法でよい。例
えば、水、アルコール、カルボン酸、等のプロトン酸化
合物や二酸化炭素などを重合溶液に添加することで重合
を停止する。また、通常のアニオン重合で使用されるカ
ップリング剤を用いて分岐構造で停止させることもでき
る。
【0035】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
及び比較例により具体的に説明する。実施例で用いた単
量体、溶媒、は次の方法で精製して使用した。また、使
用した有機金属化合物は、以下のものを使用した。 (1)1、3−ブタジエン(Bd):Aldrichi
社製、Bdガスを下記の脱水シクロヘキサンに溶解した
ものをBd溶液として用いた。 (2)スチレン(St):旭化成工業(株)社製。Ca
H2 下でスチレンを1回減圧蒸留し脱気処理後乾燥窒素
下に封入した。 (3)シクロヘキサン:和光純薬工業社製、特級試薬を
CaH2 下で1回減圧蒸留し脱気処理後モレキュラーシ
ーブスを入れ乾燥窒素下に封入した。
及び比較例により具体的に説明する。実施例で用いた単
量体、溶媒、は次の方法で精製して使用した。また、使
用した有機金属化合物は、以下のものを使用した。 (1)1、3−ブタジエン(Bd):Aldrichi
社製、Bdガスを下記の脱水シクロヘキサンに溶解した
ものをBd溶液として用いた。 (2)スチレン(St):旭化成工業(株)社製。Ca
H2 下でスチレンを1回減圧蒸留し脱気処理後乾燥窒素
下に封入した。 (3)シクロヘキサン:和光純薬工業社製、特級試薬を
CaH2 下で1回減圧蒸留し脱気処理後モレキュラーシ
ーブスを入れ乾燥窒素下に封入した。
【0036】(4)n−ブチルリチウム(BuLi):
関東化学社製 1.6Mのn−ヘキサン溶液。 (5)sec−ブチルリチウム(sBuLi):関東化
学社製 1.0Mのシクロヘキサン溶液。 (6)ジブチルマグネシウム(Bu2 Mg):Aldr
ich社製 1.0Mのヘプタン溶液、n−ジブチルマ
グネシウムとsec−ジブチルマグネシウムの1:1混
合溶液。 (7)重合停止剤:テトラハイドロフラン(THF)と
メタノール(MeOH)を90/10(vol比)で混
合したものを使用した。
関東化学社製 1.6Mのn−ヘキサン溶液。 (5)sec−ブチルリチウム(sBuLi):関東化
学社製 1.0Mのシクロヘキサン溶液。 (6)ジブチルマグネシウム(Bu2 Mg):Aldr
ich社製 1.0Mのヘプタン溶液、n−ジブチルマ
グネシウムとsec−ジブチルマグネシウムの1:1混
合溶液。 (7)重合停止剤:テトラハイドロフラン(THF)と
メタノール(MeOH)を90/10(vol比)で混
合したものを使用した。
【0037】重合終了して得られたポリマーの分子量、
分子量分布、構造解析は次の方法で測定した。 (8)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)
及びMw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)を用いて測定した。 [GPCの測定条件] 測定器:東ソー HLC−8020(示差屈折率検出器
内蔵) カラム:東ソー TSKgel−GMHXLを2本使用 温度:38℃ 溶媒:テトラハイドロフラン(THF) サンプル濃度:0.1wt/v% サンプリングピッチ:1/0.4(回/秒) 分子量計算:東ソーTSK標準ポリスチレンの分子量と
溶出時間の関係を3次回帰曲線として検量線を作成し、
算出した。
分子量分布、構造解析は次の方法で測定した。 (8)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)
及びMw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)を用いて測定した。 [GPCの測定条件] 測定器:東ソー HLC−8020(示差屈折率検出器
内蔵) カラム:東ソー TSKgel−GMHXLを2本使用 温度:38℃ 溶媒:テトラハイドロフラン(THF) サンプル濃度:0.1wt/v% サンプリングピッチ:1/0.4(回/秒) 分子量計算:東ソーTSK標準ポリスチレンの分子量と
溶出時間の関係を3次回帰曲線として検量線を作成し、
算出した。
【0038】(9)ポリブタジエンのミクロ構造解析
は、IR法で1、2−ビニル基、シス、トランスの各含
有量を求めた。また、IR法で求めたミクロ構造により
ポリマーのTgも換算した。
は、IR法で1、2−ビニル基、シス、トランスの各含
有量を求めた。また、IR法で求めたミクロ構造により
ポリマーのTgも換算した。
【0039】以下の実施例及び比較例の記載において特
に断りのない限りすべての重合操作法は次の手順で行っ
た。 [重合操作法]金属製の耐圧ボトル(容積300ml)
内を乾燥機で乾燥後、耐圧ボトル内に乾燥窒素を約3時
間循環させた。所定の濃度になるようシクロヘキサンと
Bd溶液をボトル内に入れた。有機金属は、予めシクロ
ヘキサンで約1/10に希釈した液を作製した。2成分
の場合は、予め混合した希釈液を作製した。有機金属希
釈液を所定量ボトル内に圧入し、更にボトルを充分振っ
た。所定温度のウォーターバス内に耐圧ボトルを入れ、
重合を開始した。所定の時間になったら耐圧ボトルをウ
ォーターバスから取り出し、冷水中に入れ室温まで内温
を下げ、停止剤を少量入れた。ポリマー溶液をボトルか
ら取り出し、溶媒除去後、ポリマーを真空乾燥機で乾燥
し、GPC及びIRの分析を行った。
に断りのない限りすべての重合操作法は次の手順で行っ
た。 [重合操作法]金属製の耐圧ボトル(容積300ml)
内を乾燥機で乾燥後、耐圧ボトル内に乾燥窒素を約3時
間循環させた。所定の濃度になるようシクロヘキサンと
Bd溶液をボトル内に入れた。有機金属は、予めシクロ
ヘキサンで約1/10に希釈した液を作製した。2成分
の場合は、予め混合した希釈液を作製した。有機金属希
釈液を所定量ボトル内に圧入し、更にボトルを充分振っ
た。所定温度のウォーターバス内に耐圧ボトルを入れ、
重合を開始した。所定の時間になったら耐圧ボトルをウ
ォーターバスから取り出し、冷水中に入れ室温まで内温
を下げ、停止剤を少量入れた。ポリマー溶液をボトルか
ら取り出し、溶媒除去後、ポリマーを真空乾燥機で乾燥
し、GPC及びIRの分析を行った。
【0040】
実施例1〜4 濃度が13wt%になるようにボトル内にBdを仕込
み、Bu2 Mg、BuLiの順で表1の濃度になるよう
ボトル内に注入した。65℃のウォーターバスにそれぞ
れの時間入れ、常時ボトルを振とうしていた。重合停止
後の得られたポリマーの分析結果を表1に示す。実施例
1及び2から、重合時間の増加につれポリマーのMnは
上昇していること、及び分子量分布が1.1〜1.3と
単分散性であることから、本発明の製造方法による重合
系はリビング重合であるといえる。また、実施例2〜4
のIR結果から開始剤比率を増加させると、ビニル基含
有量が増加し、それに伴いTgが上昇した。
み、Bu2 Mg、BuLiの順で表1の濃度になるよう
ボトル内に注入した。65℃のウォーターバスにそれぞ
れの時間入れ、常時ボトルを振とうしていた。重合停止
後の得られたポリマーの分析結果を表1に示す。実施例
1及び2から、重合時間の増加につれポリマーのMnは
上昇していること、及び分子量分布が1.1〜1.3と
単分散性であることから、本発明の製造方法による重合
系はリビング重合であるといえる。また、実施例2〜4
のIR結果から開始剤比率を増加させると、ビニル基含
有量が増加し、それに伴いTgが上昇した。
【0041】比較例1 Bu2 Mgを用いずBuLi単独で重合した。65℃の
ウォーターバスに4時間入れ、その後同様に取り出して
分析した。結果を表2に示す。図1と図2に、夫々実施
例2と比較例1の分子量分布の図を示す。BuLi単独
ではバイモーダルのポリマーが得られたが、本発明の製
造方法では高温でも常に単分散性のポリマーが得られ
た。実施例1〜4はすべて単分散性であった。
ウォーターバスに4時間入れ、その後同様に取り出して
分析した。結果を表2に示す。図1と図2に、夫々実施
例2と比較例1の分子量分布の図を示す。BuLi単独
ではバイモーダルのポリマーが得られたが、本発明の製
造方法では高温でも常に単分散性のポリマーが得られ
た。実施例1〜4はすべて単分散性であった。
【0042】比較例2 Bu2Mg/BuLiの濃度比が0.5となるよう重合
した。得られたポリマーのミクロ構造はBuLi単独と
ほぼ同等のものしか得られなかった。
した。得られたポリマーのミクロ構造はBuLi単独と
ほぼ同等のものしか得られなかった。
【0043】実施例5〜6 Bdの濃度を26wt%及び50wt%で重合した。特
に暴走反応を起こすことなく重合が進行した。ポリマー
の分子量分布は、単分散性であった。
に暴走反応を起こすことなく重合が進行した。ポリマー
の分子量分布は、単分散性であった。
【0044】比較例3 Bd濃度を26wt%でBuLi単独で重合した。開始
剤注入後室温でボトル内温度が過熱し、暴走反応を起こ
していることが確認できた。
剤注入後室温でボトル内温度が過熱し、暴走反応を起こ
していることが確認できた。
【0045】実施例7〜8 重合温度を80℃又は100℃で行った。Bu2Mg/
BuLi比を増加させると高温でも特に暴走反応を起こ
さず重合した。
BuLi比を増加させると高温でも特に暴走反応を起こ
さず重合した。
【0046】実施例9 Bu2Mg/BuLiの添加量を下げると高分子量化し
た。
た。
【0047】実施例10 BuLiの代わりにs−BuLiを使用した。同様に重
合が進行しポリマーが得られた。分子量は、n−BuL
i使用時に比べ低下したことから開始剤効率は高いと推
定される。
合が進行しポリマーが得られた。分子量は、n−BuL
i使用時に比べ低下したことから開始剤効率は高いと推
定される。
【0048】実施例11 予めnBuLiを使ってStをリビング重合させたポリ
マー(平均重合度=10)をBuLiの代わりに用いて
重合した。同様に重合が進行した。ポリブタジエンの末
端の一部には、ポリスチレンが挿入されていることがN
MRより確認できた。このことからStとのブロックポ
リマーを合成することは可能と推測される。
マー(平均重合度=10)をBuLiの代わりに用いて
重合した。同様に重合が進行した。ポリブタジエンの末
端の一部には、ポリスチレンが挿入されていることがN
MRより確認できた。このことからStとのブロックポ
リマーを合成することは可能と推測される。
【0049】実施例12 BdとStの混合溶液に開始剤を入れ重合した。Bdと
Stのランダムポリマーが得られたことがIRより確認
できた。
Stのランダムポリマーが得られたことがIRより確認
できた。
【0050】比較例4 同様にBdとStの共重合をBuLi単独で行った。重
合は暴走反応した。更に得られたポリマーはバイモーダ
ルであった。
合は暴走反応した。更に得られたポリマーはバイモーダ
ルであった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明は、高い単量体濃度で暴走反応を
起こすことなくリビング的に重合を進行させて、更に
1,2−ビニル含量を増加させうる共役ジエン系重合体
の製造方法を提供することができた。
起こすことなくリビング的に重合を進行させて、更に
1,2−ビニル含量を増加させうる共役ジエン系重合体
の製造方法を提供することができた。
【図1】実施例2で得られたポリマーの分子量分布を示
す図である。
す図である。
【図2】比較例1で得られたポリマーの分子量分布を示
す図である。
す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 (R2 )2 MgとR1 M1 及び/又はR
1 OM1 (式中、R1 、R2 は炭化水素系化合物、Oは
酸素原子、M1 は、Li、Na、Kの内少なくとも1種
類のアルカリ金属を表わす)で示される有機金属化合物
からなり、且つ、それぞれの金属モル濃度が[Mg]/
[M1 ]≧1.5なる比率を有する重合開始剤を用いて
共役ジエン系単量体を重合することを特徴とする共役ジ
エン系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 金属モル濃度比が[Mg]/[M1 ]=
2〜50なる比率であることを特徴とする請求項1記載
の共役ジエン系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 重合温度が50℃以上200℃以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の共役ジエン
系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 共役ジエン系単量体の重合溶媒に対する
濃度が40wt%以上であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の共役ジエン系重合体の製造方
法。 - 【請求項5】 (R2 )2 MgとR1 M1 で示される有
機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化合
物の中で金属に結合している炭素の少なくとも1つが2
級炭素及び/又は3級炭素であり、且つ2級炭素及び/
又は3級炭素のR1 及びR2 の総量(R1,2 )が[R
1,2 ]≧[Mg]であることを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載の共役ジエン系重合体の製造方法。 - 【請求項6】 (R2 )2 MgとR1 M1 で示される有
機金属化合物において、R1 及びR2 の炭化水素系化合
物の内少なくとも1つがポリマー炭素アニオンであるこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の共役ジ
エン系重合体の製造方法。 - 【請求項7】 重合溶媒が炭化水素系化合物であること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の共役ジエ
ン系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26513497A JPH1180220A (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 共役ジエン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26513497A JPH1180220A (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 共役ジエン系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180220A true JPH1180220A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17413102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26513497A Pending JPH1180220A (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 共役ジエン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180220A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005121189A1 (ja) * | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Nippon Soda Co., Ltd. | アニオン重合体の製造方法 |
JP4596724B2 (ja) * | 2000-02-28 | 2010-12-15 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ジリチウム重合開始剤溶液 |
US8933159B2 (en) | 2008-12-02 | 2015-01-13 | Albemarle Corporation | Brominated flame retardants and precursors therefor |
US8993684B2 (en) | 2008-06-06 | 2015-03-31 | Albemarle Corporation | Low molecular weight brominated polymers, processes for their manufacture and their use in thermoplastic formulations |
-
1997
- 1997-09-12 JP JP26513497A patent/JPH1180220A/ja active Pending
Cited By (7)
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