JP5021356B2 - スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5021356B2
JP5021356B2 JP2007105966A JP2007105966A JP5021356B2 JP 5021356 B2 JP5021356 B2 JP 5021356B2 JP 2007105966 A JP2007105966 A JP 2007105966A JP 2007105966 A JP2007105966 A JP 2007105966A JP 5021356 B2 JP5021356 B2 JP 5021356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
polymerization
substituent
anionic polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007105966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007302883A (ja
Inventor
栄治 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2007105966A priority Critical patent/JP5021356B2/ja
Publication of JP2007302883A publication Critical patent/JP2007302883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5021356B2 publication Critical patent/JP5021356B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、アニオン重合法によりスチレン系重合体を製造する方法に関し、より詳細には、極性の高い溶媒中で、分子量や分子量分布が制御されたスチレン系重合体を製造する方法に関する。
一般に、有機アルカリ金属化合物を開始剤としたスチレン系モノマーのアニオン重合においては、溶媒としてエーテル系溶媒を用いた場合、開始剤とスチレン系モノマーの開始反応に比較して相対的にスチレン系モノマーの重合速度が速くなるため、重合コントロールが難しくなり、分子量分布が広くなることが知られている。このようなエーテル系溶媒を用いる場合には、開始剤の反応速度(開始反応速度)を上げるため、例えば、開始反応速度の遅いn−ブチルリチウムではなく、反応開始速度の速いs−ブチルリチウムやt−ブチルリチウム等を用いられている。しかしながら、s−ブチルリチウムやt−ブチルリチウム等は、n−ブチルリチウムと比較してハンドリング性等に著しく劣るという欠点がある。また、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属もハンドリング性に著しく劣る欠点がある。
また、トルエン等の極性の低い炭化水素系溶媒を使用した重合も行われているが(例えば、特許文献1参照。)、炭化水素系の重合溶媒を用いたスチレン系モノマーのアニオン重合は、重合反応が著しく遅くなるという問題がある。さらに、極性の高いテトラヒドロフランなどの溶媒とトルエン等の極性の低い溶媒の混合系で重合を行うことも考えられるが、混合溶媒は溶媒回収後の精製や混合割合の管理等で手間がかかる等の問題点がある。
また、スチレン系モノマーのアニオン重合では、例えば、分子量約3000以下で、分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))が1.2以下であるような、低分子量かつ狭分散性を示す重合体を製造することは極めて困難である。
特開2001−316417号公報
本発明の課題は、極性の高い重合溶媒を用いた場合でも、重合をコントロールして、狭分散性を示すスチレン系重合体を製造することができるスチレン系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、エノレートアニオンを存在させた系で、アニオン重合を行うことにより、テトラヒドロフラン等の極性の高いエーテル系溶媒を用いても、かかる溶媒を用いることに起因する種々の悪影響を抑制して、狭分散性を示すスチレン系重合体を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)エノレートアニオン存在下、有機溶媒中でスチレン系モノマーをアニオン重合することを特徴とするスチレン系重合体の製造方法に関する。
また、本発明は、(2)エノレートアニオンが、下記一般式[I]で表される化合物又は一般式[II]で表される化合物と、アルカリ金属又は有機アルカリ金属化合物との反応生成物であることを特徴とする前記(1)に記載のスチレン系重合体の製造方法に関する。
Figure 0005021356
一般式[I]
[式中、Rは、水素原子、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、又はアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表し、Rは、水素原子、アルコキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよいアルキル基を表し、Rは、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルコキシ基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルコキシ基、又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルケニル基を表す。]
Figure 0005021356
一般式[II]
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、Rは、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルケニル基を表す。]
さらに、本発明は、(3)有機溶媒が、極性溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスチレン系重合体の製造方法や、(4)極性溶媒が、エーテル系溶媒であることを特徴とする前記(3)に記載のスチレン系重合体の製造方法や、(5)有機金属化合物及び/又は有機金属アート錯体の存在下、重合を行うことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のスチレン系重合体の製造方法に関する。
本発明のスチレン系重合体の製造方法によれば、極性の高い重合溶媒を用いたアニオン重合であっても、重合をコントロールして、狭分散性を示すスチレン系重合体を製造することができる。
本発明のスチレン系重合体の製造方法としては、エノレートアニオン存在下、有機溶媒中でスチレン系モノマーをアニオン重合する方法であれば特に制限されるものではなく、本発明の製造方法によれば、テトラヒドロフラン等の極性の高い重合溶媒を使用した場合でも、リビングアニオンを安定化させ、分子量分布が狭いスチレン系アニオン重合体を製造することが可能となり、得られたポリマーは、分子量や分子量分布がよくコントロールされているためレジスト材料や各種ポリマーの添加剤などの材料として有用である。また、混合溶媒を用いる必要がないため、溶媒回収が容易になると共に、混合割合の管理等の作業を省略することができる。また、本発明におけるエノレートアニオンは、系中にアニオン重合を阻害する活性水素化合物等が存在する場合に、活性水素化合物等と反応するので、重合反応が阻害されることを防止することができる。
本発明のエノレートアニオンは、例えば、一般式[I]で表される化合物又は一般式[II]で表される化合物と、アルカリ金属又は有機アルカリ金属化合物とを反応させることにより生成させることができる。このアルカリ金属又は有機金属アルカリ金属化合物は、重合開始剤となる化合物であり、詳細は後述する。また、一般式[I]で表される化合物又は一般式[II]で表される化合物と、アルカリ金属又は有機アルカリ金属化合物との添加順序は特に制限されず、いずれを先に添加してもよい。これらの化合物の使用量としては、エノレートアニオンが、重合開始剤に対して、0.1〜20倍モルの範囲となるように使用することが好ましく、0.5〜5倍モルの範囲となるように使用することがより好ましい。
Figure 0005021356
一般式[I]
一般式[I]中、Rは、水素原子、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、又はアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。Rは、水素原子、アルコキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよいアルキル基を表す。Rは、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルコキシ基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルコキシ基、又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルケニル基を表す。
Figure 0005021356
一般式[II]
一般式[II]中、R及びRは、それぞれ独立して、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。Rは、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルケニル基を表す。
上記一般式[I]及び一般式[II]におけるフェニル基で置換されていてもよいアルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、C1〜C24のアルキル基を挙げることができ、具体的に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、t−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、ベンジル基等を挙げることができる。好ましくは、C1〜C8のアルキル基である。アルコキシ基としては、例えば、C1〜C24のアルコキシ基を挙げることができ、具体的に、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。好ましくは、C1〜C8のアルコキシ基である。シクロアルキル基としては、例えば、C3〜C24のシクロアルキル基を挙げることができ、具体的に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。好ましくは、C3〜C8のシクロアルキル基である。シクロアルコキシ基としては、例えば、C3〜C24のシクロアルコキシ基を挙げることができ、具体的に、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基等を挙げることができる。好ましくは、C3〜C8のシクロアルコキシ基である。アルケニル基としては、例えば、アリル基を挙げることができる。好ましくは、C2〜C8のアルケニル基である。アニオン重合を阻害しない置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素を含有する基を有しない基や、カルボニル基を有しない基であり、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、フェニル基、アリル基、シクロオレフィン基等を挙げることができる。また、R及びRにおける置換基としては、t−ブチル基、t−ブトキシ基等の3級炭素を有している基が好ましい。
一般式[I]で表される化合物として、アクリル酸t−ブチル、2−メチルアクリル酸t−ブチル、2−エチルアクリル酸シクロヘキシル、2−フェニルアクリル酸メチル、trans−3−メチルアクリル酸エチル、trans−3−メチルアクリル酸t−ブチル、trans−3−エチルアクリル酸t−ブチル、trans−3−フェニルアクリル酸オクチル、trans−3−(p−メトキシフェニル)アクリル酸エチル、cis−3−メチルアクリル酸アダマンチル、trans−2,3−ジメチルアクリル酸t−ブチル、cis−2,3−ジメチルアクリル酸t−ブチル、3,3−ジメチルアクリル酸t−ブチル、2,3,3−トリメチルアクリル酸t−ブチル、trans−3−ブチルアクリル酸シクロヘキシル、trans−3−メトキシエチルアクリル酸イソアミル、3−メチル−3−ブチルアクリル酸エチル、ビニルシクロヘキシルケトン、プロペニルt−ブチルケトン、プロペニルアリルケトン等が挙げられる。
一般式[II]で表される化合物として、2−エチルプロピオン酸エチル、2−ブチルプロピオン酸t−ブチル、2−ヘキシルプロピオン酸シクロヘキシル、2−フェニルプロピオン酸メチル、2−ベンジルプロピオン酸t−ブチル、2−シクロヘキシルプロピオン酸t−ブチル、イソ酪酸t−ブチル、2−エチル酪酸t−ブチル、2−フェニル酪酸t−ブチル、2−ベンジル酪酸t−ブチル、2−ブチル酪酸t−ブチル、2−ヘキシル酪酸t−ブチル、2−シクロヘキシル酪酸t−ブチル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸シクロヘキシル、イソ酪酸アダマンチル、2−エチル酪酸アリル、2−エチル酪酸メトキシブチル、2−ブチル吉草酸メチル、2−ヘキシル吉草酸t−ブチル、2−フェニル吉草酸ヘキシル、2−ベンジル吉草酸t−ブチル、2−シクロヘキシル吉草酸オクチル等が挙げられる。
本発明において用いられるスチレン系モノマーとしては、アニオン重合性不飽和結合を有するものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、スチレン、α−アルキルスチレン、核置換スチレン等を例示することができる。核置換基としては、重合開始能力があるアニオン種及び重合開始能力がないアニオン種に対して不活性な基であれば特に制限されず、具体的には、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基等を例示することができる。さらに、スチレン系モノマーの具体例としては、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,4,6−トリイソプロピルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、m−t−ブトキシスチレン等を例示することができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる重合溶媒としては、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば特に制限されず、具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリオキサン等のエーテル系溶媒、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の第3級アミン等のアミン系溶媒を挙げることができ、エーテル系溶媒が好ましい。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。さらに、極性の低い脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素化合物であっても、重合体と比較的相溶性があれば、エーテル系溶媒と組み合わせて使用することができ、具体的には、へキサンとTHFの組み合わせを例示できる。単量体の重合溶媒に対する濃度は、特に制限されないが、通常1〜40重量%の範囲であり、特に2〜15重量%の範囲が好ましい。本発明においては、エーテル系溶媒を用いた場合でも、重合をコントロールして、低分子量であっても狭分散性を示すスチレン系重合体を製造することができる。
また、本発明において用いられるアニオン重合開始剤としては、求核剤であって、アニオン重合性モノマーの重合を開始させる働きを有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物等を使用することができる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。有機アルカリ金属化合物としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等が挙げられる。具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム等を使用できる。これらのアニオン重合開始剤は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
重合開始剤の使用量は、用いるスチレン系モノマーに対して、通常0.0001〜0.2当量、好ましくは0.0005〜0.1当量である。この範囲の重合開始剤を用いることによって、目的とする重合体を収率よく製造することができる。
本発明においては、成長アニオン末端を安定化させ、重合を円滑に進行させる働きを有すると共に、系内に存在する活性水素化合物等と反応し、重合反応が阻害されることを防止することができることから、有機金属化合物又は有機金属アート錯体を系内に添加することが好ましい。有機金属化合物としては、具体的には、式(III)で表される化合物を好ましく例示することができる。有機金属アート錯体としては、かかる有機金属化合物及び重合開始剤として例示された有機アルカリ金属化合物からなる錯体を挙げることができる。この有機金属アート錯体は、系内に添加してもよいし、系内で形成させてもよい。
式(III) : (R)
前記式(III)において、Rは、フェニル基で置換されていてもよいC1〜C20アルキル基又はC6〜C20アリール基を表す。C1〜C20アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。好ましくはフェニル基で置換されていてもよいC1〜C6アルキル基である。また、C6〜C20アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。好ましくは、C6〜C10アリール基である。
nはMの原子価を表し、nが2以上のとき、Rは同一又は相異なっていてもよい。Mは、マグネシウム、カルシウム等の長周期型周期律表第2族に属する原子;亜鉛、カドミウム等の同第12族に属する原子;又はアルミニウム等の同第13族に属する原子;を表す。
式(III)で表される化合物の具体例としては、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−t−ブチルマグネシウム、ジ−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−エチルマグネシウム、ジ−n−アミルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム等の有機マグネシウム化合物;ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物;等が挙げられ、ジアルキルマグネシウム、ジアルキル亜鉛、トリアルキルアルミニウムが好ましく、ジアルキル亜鉛、トリアルキルアルミニウムが特に好ましい。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の有機金属化合物の使用量は特に制限されないが、例えば、重合開始剤に対して、0.1〜20倍モルの範囲で使用することが好ましく、0.5〜5倍モルの範囲で使用することがより好ましい。これにより、分子量や分子量分布が制御された重合体をより安定的に再現性よく製造することができる。
本発明においては、必要に応じて、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、カルボン酸類、アミン類等の添加剤を、重合開始時、または重合中に添加することができる。
本発明に用いられるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、具体的には、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウムの硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩等の鉱酸塩やハロゲン化物を例示することができ、より具体的には、リチウムやバリウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物や、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を挙げることができ、これらの中でも、リチウムのハロゲン化物、例えば塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム又はフッ化リチウムが好ましく、特に塩化リチウムが好ましい。また、アルコール類やチオール類のアルカリ金属塩を挙げることができる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、特にリチウムアルコキシドが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール等のC1〜C24のアルコールのリチウム塩を挙げることができ、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
チオールのアルカリ金属塩におけるチオール類としては、脂肪族、芳香族の種類に関係なく使用可能であるが、芳香族チオール類が好ましく、更に好ましくは含窒素芳香族チオール類である。具体的には、エタンチオールやプロパンチオールおよびシクロヘキシルシオール等のC1〜C18のアルキルチオールやシクロアルキルチオール、メルカプトエタノールやp−メルカプロフェノール等の水酸基を含有するチオール、メルカプト酢酸メチルやメルカプトプロピオン酸エチル等のカルボン酸エステルを含有するチオール、ベンゼンチオールやトルエンチオールおよびナフタレンチオール等の芳香族チオール、メルカプトチアゾリンメルカプトベンズチアゾリンおよびメルカプトピリミジン等の含窒素芳香族チオール等を挙げることができる。また、チオールのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、リチウムが特に好ましい。
これら添加剤の使用量は、重合に影響しない範囲で任意に使用でき、例えば、重合開始剤に対して、0.1〜100倍モルで使用することができ、0.5〜20倍モルで使用することが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる重合体は、単分散で分子量分布の狭い重合体となり、分子量分散度(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))が、1.01〜1.50、好ましくは1.01〜1.20の重合体を製造することができる。
また、本発明においては、得られる重合体の分子量を更に正確に規定するため、一定の単量体を重合した後、その分子量をGPC等で把握し、更に所望する重合体の分子量に必要とされる単量体を加え分子量を調整する多段重合を用いることにより、より精密に分子量を規定することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
窒素雰囲気下、THF100g中に、trans−3−メチルアクリル酸t−ブチル0.13g(0.9mmol)を加え、−50℃でn−BuLi溶液0.42g(1.0mmol)を加え、20分間攪拌した。その後、スチレン5.47g(52.5mmol)を加え、10分間攪拌した。続いて、n−BuLi溶液0.26g(0.6mmol)を加え、20分間攪拌した。その後、メタノールを加え、反応を停止させた。この溶液をガスクロマトグラフィーで測定してみるとモノマー残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)16700、分散度=1.10のポリマーが生成していた。
窒素雰囲気下、−50℃でTHF120gに、n−BuLi溶液0.66g(1.6mmol)を加え、続いて、trans−3−メチルアクリル酸t−ブチル0.14g(1.0mmol)を加え、30分間攪拌した。その後、ジエチル亜鉛/n−BuLiアート錯体溶液1.22g(1.1mmol)を加え、4分間攪拌し、スチレン5.40g(51.8mmol)を加え、7分間攪拌した。続いて、n−BuLi溶液0.23g(0.6mmol)を加え、60分間攪拌した。その後、メタノールを加え、反応を停止させた。この溶液をガスクロマトグラフィーで測定してみるとモノマー残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)16900、分散度=1.09のポリマーが生成していた。
[比較例1]
窒素雰囲気下、−50℃でTHF100g中に、n−BuLi溶液3.03g(7.3mmol)を加え、続いて、スチレン18.61g(178.7mmol)を滴下し、30分間攪拌した。その後、メタノールを加え、反応を停止させた。この溶液をガスクロマトグラフィーで測定してみるとモノマー残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)11400、分散度=1.44のポリマーが生成していた。

Claims (4)

  1. 下記一般式[I]
    Figure 0005021356
    [式中、R は、水素原子、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、又はアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R は、水素原子又はアルキル基を表し、R は、水素原子、アルコキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよいアルキル基を表し、R は、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよい、3級炭素を有するC4〜C8アルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよい、3級炭素を有するC4〜C8シクロアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよい、3級炭素を有するC4〜C8アルコキシ基又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよい、3級炭素を有するC4〜C8シクロアルコキシ基を表す。]で表される化合物又は一般式[II]
    Figure 0005021356
    [式中、R 及びR は、それぞれ独立して、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアルコキシ基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R は、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルキル基、アニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいシクロアルキル基、又はアニオン重合を阻害しない置換基で置換されていてもよいアルケニル基を表す。]で表される化合物と、アルカリ金属又は有機アルカリ金属化合物との反応生成物であるエノレートアニオン存在下、有機溶媒中でスチレン系モノマーをアニオン重合することを特徴とするスチレン系重合体の製造方法。
  2. 有機溶媒が、極性溶媒であることを特徴とする請求項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  3. 極性溶媒が、エーテル系溶媒であることを特徴とする請求項に記載のスチレン系重合体の製造方法。
  4. 有機金属化合物及び/又は有機金属アート錯体の存在下、重合を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のスチレン系重合体の製造方法。
JP2007105966A 2006-04-14 2007-04-13 スチレン系重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP5021356B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007105966A JP5021356B2 (ja) 2006-04-14 2007-04-13 スチレン系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112478 2006-04-14
JP2006112478 2006-04-14
JP2007105966A JP5021356B2 (ja) 2006-04-14 2007-04-13 スチレン系重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007302883A JP2007302883A (ja) 2007-11-22
JP5021356B2 true JP5021356B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=38837073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007105966A Expired - Fee Related JP5021356B2 (ja) 2006-04-14 2007-04-13 スチレン系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5021356B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4549507B2 (ja) * 2000-09-19 2010-09-22 株式会社クラレ メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルの重合方法
JP2005281688A (ja) * 2004-03-01 2005-10-13 Nippon Soda Co Ltd アニオン重合体の製造方法
EP1775308B1 (en) * 2004-06-09 2009-06-24 Nippon Soda Co., Ltd. Method for producing anionic polymer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007302883A (ja) 2007-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007070453A (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP2019513862A (ja) 水素媒介塩類似水素化物開始アニオン連鎖移動重合のための方法及び炭化水素可溶性塩類似水素化物触媒ならびにそれから製造されるポリマー分布組成物
KR101748915B1 (ko) 신규 음이온 중합 개시제 및 이를 이용한 공역디엔계 공중합체의 제조방법
JP4101853B2 (ja) アニオン重合体の製造方法
JP5189746B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法
JP5021356B2 (ja) スチレン系重合体の製造方法
JP5090792B2 (ja) 重合体の製造方法
JP2007217557A (ja) 重合溶媒の精製方法および重合方法
WO2008108500A1 (ja) リビングラジカル重合反応助触媒
JP2005281688A (ja) アニオン重合体の製造方法
JP4865279B2 (ja) アニオン重合による重合体の製造方法
US8481650B2 (en) Process for production of polymers having functional groups, and star polymers obtained thereby
JP5121045B2 (ja) アニオン重合による重合体の製造方法
JP5362185B2 (ja) 重合安定化剤を用いたリビングアニオン重合法による重合体の製造方法
US7951887B2 (en) Process for producing a polymer
JP2002206003A (ja) アニオン重合体の製造方法
JP5226239B2 (ja) スチレン系ポリマーの製造方法
JP4971652B2 (ja) (メタ)アクリレート重合体の製造方法
JP5090793B2 (ja) ポリマーの製造方法
JP5184769B2 (ja) 活性水素を含有するモノマーを用いた重合体の製造方法
JP2002003533A (ja) ラクトン環を側鎖に有する(メタ)アクリル酸重合体及びその製造方法
JP5890324B2 (ja) カルボキシル基含有重合体の製造方法
JP5567324B2 (ja) アニオン重合による重合体の製造方法
JP5550519B2 (ja) アニオン重合体の製造方法
JP5550519B6 (ja) アニオン重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120611

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees