JP2002145920A - アニオン重合体の製造方法 - Google Patents

アニオン重合体の製造方法

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JP2002145920A
JP2002145920A JP2000339167A JP2000339167A JP2002145920A JP 2002145920 A JP2002145920 A JP 2002145920A JP 2000339167 A JP2000339167 A JP 2000339167A JP 2000339167 A JP2000339167 A JP 2000339167A JP 2002145920 A JP2002145920 A JP 2002145920A
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JP
Japan
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polymerization
group
alkali metal
polymer
compound
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Application number
JP2000339167A
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English (en)
Inventor
Akira Hirao
明 平尾
Kenji Sugiyama
賢次 杉山
Yukikazu Nobuhara
幸和 信原
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、アニオン重合系において、精製困難
な試薬等を用いても、目的の反応が進行しうる精製剤を
提供し、さらにそのような精製剤存在下においても分子
量分布の狭い構造制御されたポリマーを得ることのでき
る製造方法を提供すること。 【解決手段】ビニル芳香族化合物若しくは共役ジエン化
合物及び式(I) 【化1】(R1)nM (式中、R1は、C1〜C20アルキル基、又はC6〜
C20アリール基を表し、R1は同一又は相異なってい
ていもよく、Mは、長周期型周期律表第2族、第12
族、または第13族に属す原子を表し、nはMの原子価
を表す。)で表される化合物を、極性溶媒中、−100
〜20℃で、アルカリ金属又は有機アルカリ金属の溶液
に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開始剤として、ま
た成長末端の配位金属として複数の金属を用いるリビン
グアニオン重合方法を用いたアニオン重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アニオン重合系においては、水、アルコ
ール等のプロトン性極性溶媒が存在すると成長末端のア
ニオン、または重合開始剤が失活するため、これらを重
合系から除去する必要がある。従来、溶媒、もしくは反
応に用いるモノマー中のプロトン性極性溶媒の除去剤と
して、例えば、ベンジルマグネシウムブロマイド、ブチ
ルリチウム等が知られているが、これらは、重合開始
剤、または重合禁止剤として作用するため、反応前に蒸
留等の精製が必要となるが、沸点が高いモノマー等にお
いてはその精製が困難となる問題があった。
【0003】また、ポリスチレン等のポリマーの合成に
おいて、n−ブチルリチウム等の有機アルカリ金属、ナ
トリウム等のアルカリ金属はアニオン重合開始剤となる
が、ジブチルマグネシウム等の有機金属は単独ではアニ
オン重合開始剤とはならないことは知られている。
【0004】Hsieh等は、ジブチルマグネシウム
は、スチレンやジエン類に対して重合開始能力を持たな
いが、s−ブチルリチウム又はポリスチリルアニオンと
ジブチルマグネシウムがアート錯体を形成し重合開始剤
となることを報告している。
【0005】澤本らは、n−ブチルリチウム/ジブチル
マグネシウム錯体を用いて、スチレンのバルク重合を行
い、重合温度が120℃と高温においても、リビング性
を持ち続け、分子量分布の比較的狭いポリマーが得られ
ることを報告している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、用いるモノマ
ーの種類によって、また用いるジブチルマグネシウムの
量によっては重合の制御が困難であったり、満足のいく
収率でポリマーが得られないという問題があった。本発
明は、アニオン重合系において、精製困難な試薬等を用
いても、目的の反応が進行しうる精製剤を提供し、さら
にそのような精製剤存在下においても分子量分布の狭い
構造制御されたポリマーを得ることのできる製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ジブチルマグネシウム
等の金属試薬を用い、特定の反応条件で重合を行えば分
子量分布の狭い構造制御されたポリマーを得ることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)ビニル芳香族化合
物若しくは共役ジエン化合物及び式(I)
【化3】(R1)nM (式中、R1は、C1〜C20アルキル基、又はC6〜
C20アリール基を表し、R1は同一又は相異なってい
ていもよく、Mは、長周期型周期律表第2族、第12
族、または第13族に属す原子を表し、nはMの原子価
を表す。)で表される化合物を、極性溶媒中、−100
〜20℃で、アルカリ金属又は有機アルカリ金属の溶液
に添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方
法、(2)ビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物
とアルカリ金属または有機アルカリ金属から調整される
2量体以上の重合体の成長末端アニオンと式(I)
【化4】(R1)nM (式中、R1、M、およびnは前記と同じ意味を表
す。)で表される化合物を含む極性溶媒中に、−100
〜20℃でビニル芳香族化合物またはジエン化合物を添
加することを特徴とするアニオン重合体の製造方法、
(3)極性溶媒が、テトラヒドロフランであることを特
徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の製造方法、
(4)式(I)で表される化合物をアルカリ金属また有
機アルカリ金属より過剰に用いることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法、に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる単量体である
ビニル芳香族化合物として具体的には、スチレン、α−
アルキルスチレン、核置換スチレン等を例示することが
でき、核置換基としては、重合開始剤に用いられるアル
カリ金属または有機アルカリ金属、および、式(I)で
表される有機金属化合物に対して不活性な基であれば特
に制限されず、具体的には、アルキル基、アルコキシア
ルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、t
−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチ
ル基、テトラヒドロピラニル基等を例示することができ
る。さらにそれらの具体例として、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−
ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,
4,6−トリイソプロピルスチレン、p−t−ブトキシ
スチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、m
−t−ブトキシスチレン等を例示することができる。
【0010】本発明に用いられる単量体である共役ジエ
ン化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、
イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−エチル
−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等を例示
することができる。これらの化合物は、1種単独で、ま
たは目的とする共重合体の種類より2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0011】重合は、−100℃以上20℃以下の温度
範囲で行われるのが好ましい。重合温度の下限は、用い
る単量体の反応性により異なるが、少なくとも重合が完
結する温度である必要があり、通常、−100℃以下で
も重合進行するが、反応速度が遅くなる。20℃以上で
は、移動反応や、停止反応等の副反応が起こり、目的と
する構造制御された重合体を得ることが困難となる。
【0012】本発明において、重合温度は、重合反応中
一定である必要はなく、重合反応の進行に従い任意の速
度で上昇させてもかまわない。例えば、添加する単量体
を2分割し、最初低温で重合を行った後、昇温してさら
に単量体を添加して重合を行うこともできる。本発明に
用いられる単量体の重合溶媒に対する濃度は、特に制限
されないが、通常10〜40重量%の範囲である。
【0013】本発明に用いられる重合溶媒は、重合反応
に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれ
ば、特に制限されず、具体的には、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエ
ーテル系化合物、テトラエチレンジアミン(TMED
A)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMP
A)等の3級アミン等を例示することができ、特にテト
ラヒドロフランが好ましい。また、これらの溶媒は、1
種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いること
ができる。
【0014】また、極性の低い脂肪族、芳香族又は脂環
式炭化水素化合物であっても、重合体と比較的相溶性が
あれば、極性溶媒と組み合わせることにより使用するこ
とができる。具体的には、トルエンとTMEDA、HM
PAとの3級アミンの組み合わせを例示でき、この場
合、3級アミンを用いる開始剤に対して1〜10当量程
度用いるのが好ましく、またトルエンとテトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒の組み合わせも使用することが
でき、この場合、エーテル系溶媒対してトルエンを50
体積%以下用いるのが好ましい。
【0015】本発明において用いられる重合開始剤は、
アルカリ金属又は有機アルカリ金属からなり、アルカリ
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシ
ウム等を例示することができ、有機アルカリ金属として
は、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、ア
リール化物等を使用することができ、具体的には、エチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチ
ウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウ
ムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェ
ニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α
−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフ
ェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メ
チルペンチルリチウム、1,4−ジリチオ−2−ブテ
ン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウ
ム、クミルカリウム、クミルセシウム等を挙げることが
でき、これらの化合物は、1種単独で、または2種以上
を混合して用いることができる。
【0016】本発明に用いられる式(I)で表される有
機金属試薬中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、C1
〜C20アルキル基またはC6〜C20アリール基を表
す。具体的には、クロル原子、ブロム原子、ヨウ素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イ
ソブチル基、アミル基、ヘキシル基、ベンジル基、フェ
ニル基、ナフチル基等を例示することができる。
【0017】また、Mは、長周期型周期律表第2族、第
12族、または第13族に属す原子を表し、nはMの原
子価を表し、中でも、マグネシウム、亜鉛、アルミニウ
ムが好ましい。式(I)で表される化合物として具体的
には、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−t−ブチルマ
グネシウム、ジ−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル
−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−エチルマグネ
シウム、ジ−n−アミルマグネシウム、ジベンジルマグ
ネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジエチル亜鉛、ジ
ブチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキ
シルアルミニウム、等を例示することができ、これら
は、1種単独で、または2種以上を混合して用いること
ができる。
【0018】本発明は、ビニル芳香族化合物若しくは共
役ジエン化合物及び式(I)(R1)nMで表される有機
金属化合物を、極性溶媒中、−100〜20℃で、アル
カリ金属又は有機アルカリ金属の溶液に添加することを
特徴とする。式(I)で表される有機金属化合物は、単
独ではビニル系単量体の重合を開始しないこと、有機ア
ルカリ金属との式(I)で表される有機金属化合物のア
ート錯体は、重合開始能力はあるものの開始剤能力が低
下しており重合体の構造制御が困難であることから、ビ
ニル芳香族化合物等のビニル単量体にあらかじめ式
(I)で表される有機金属化合物を添加しその混合物を
アルカリ金属等の開始剤中に添加することにより上記問
題を解決した。
【0019】この方法を用いることにより、(1)アニ
オン重合を阻害する単量体中の不純物、例えば水分等の
活性水素化合物等をあらかじめ除去する等の精製を行わ
なくてもアニオン重合を行うことができる。特に、単量
体の分子量が大きい化合物、吸湿性を有する化合物等の
精製が困難な化合物においてもリビングアニオン重合を
行うことが可能となり、(2)有機金属化合物がアニオ
ン成長末端に配位することにより、アニオン成長末端が
安定化し0℃付近においても移動反応、停止反応等の副
反応を起こすことなくリビングアニオン重合が可能とな
り、(3)20万以上の高分子量化合物の合成において
も、成長末端アニオンが安定化するため重合反応が均一
に進行し、分子量分布の狭い重合体を得ることが可能と
なった。
【0020】式(I)で表される有機金属化合物の添加
量は特に制限されないが、アニオン重合を阻害する不純
物の量が特定できるときは、該不純物の量よりも過剰量
を用い、特定できない場合においても、開始剤の量対し
て1当量〜50当量、好ましくは、1〜20当量の範囲
で用いることができる。特に、分子量20万以上の重合
体を合成する場合、開始剤に対して10〜50当量、好
ましくは30〜50当量用いる方が、高分子量側の重合
体の生成を抑制して分子量分布の狭い重合体を生成する
ことができる。
【0021】また、開始剤に対して過剰の式(I)表さ
れる有機金属化合物とビニル単量体の混合物を、開始剤
に添加して重合を行った後、さらに、同種のまた異種の
単量体を単独で、また、同種または異種の単量体と式
(I)で表される有機金属化合物の混合物を添加して重
合を行うこともできる。
【0022】または、本発明は、ビニル芳香族化合物ま
たは共役ジエン化合物とアルカリ金属または有機アルカ
リ金属から調整される2量体以上の重合体の成長末端ア
ニオンと式(I)で表される有機金属化合物を含む極性
溶媒中に、−100〜20℃でビニル芳香族化合物また
はジエン化合物を添加することを特徴とする。
【0023】精製が容易な単量体と重合開始剤からある
程度の分子量を有する重合体を合成し、式(I)で表さ
れる金属化合物添加することにより、また、ビニル単量
体と開始剤に対して過剰の式(I)で表される金属化合
物の混合物を開始剤に添加することより、重合体の成長
末端アニオンと式(I)で表される有機金属化合物の混
合溶液を調整し、この溶液にビニル単量体を添加するこ
とでさらに重合反応を行い目的とする重合体を得る方法
であり、後から添加するビニル単量体には式(I)で表
される有機金属化合物を特に添加しなくても構造の制御
された重合体を得ることができる。ただし、添加しても
同様な重合体を得ることができる。
【0024】添加する式(I)で表される有機金属化合
物の量は、特に制限されず、重合体成長アニオン末端に
対して1〜50当量の範囲を好ましく例示することがで
きる。重合体成長末端アニオンの対カチオンの種類は特
に制限されないが、リチウムカチオンよりも、ナトリウ
ムカチオン、カリウムカチオンを好ましく用いることが
できる。
【0025】また、重合体成長末端アニオン構造につい
ても特に制限されないが、α−メチルスチリルアニオン
構造よりも、スチリルアニオン構造を好ましく用いるこ
とができる。また、成長末端アニオンを有する重合体の
分子量も特に制限されず、2〜4量体、または、分子量
1,000〜10,000の重合体等いずれも用いるこ
とができる。
【0026】この方法を用いることにより、有機マグネ
シウム化合物の影響を受けることなく重合反応を行うこ
とができるので、添加するビニル単量体に有機マグネシ
ウム化合物を添加する操作は必要なくなる。
【0027】以下実施例を用いて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではな
い。
【0028】
【実施例】本発明の実施例1〜12に使用した試薬およ
び溶媒の精製法について以下に述べる。 (1)テトラヒドロフラン(THF):ナトリウムワイ
ヤー存在下で1日還留後、LiAlH4存在下で数時間
還留し窒素気流下で蒸留した。 さらに、乾燥したTHF
を高真空化でナトリウムナフタレン存在下から Tra
p−to‐Trap法により蒸留し、モノマー、Bu2
Mg、カリウムナフタレンの希釈に用いた。 (2)ヘプタン:濃硫酸、次いで水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、酸化リン(V)を加え一晩撹伴
後、窒素気流下でジフェニルヘキシルリチウム存在下か
ら蒸留した。さらに、高真空化で、1,1−ジフェニル
ヘキシルリチウム存在下からTrap−to−Trap
法により蒸留しs−BuLiの希釈に用いた。
【0029】(3)sec−ブチルリチウム(s−Bu
Li):市販のs−BuLiのシクロヘキサン(1.3
M;ナカライ社製)を高真空下、ヘプタンで希釈し、小
分けしたものを用いた。正確な濃度は、高真空下、TH
F中−78℃で1,1−.ジフェニルエチレン(DPE)
との反応により1,1−ジフェニル−3−メチルペンチ
ルリチウムを生成させ、このアニオン特有の赤色が消色
するまで標準 n−オクタノール/THFを用いて比色
滴定により求めた。 (4)カリウムナフタレン(K−Naph):金属カリ
ウム2.36g(60.4mmol)と1.5当量のナ
フタレン13.0g(101mmol)を高真空下、T
rap−to‐Trap法により蒸留したTHF100
m1中で一晩反応させ合成した。正確な濃度は室温で標
準n−オクタノール/THFを加える比色滴定により求
めた。 (5)スチレン:市販品を5%NaOH 水溶液、次い
で水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで、一晩乾燥さ
せ、CaH2存在下より、減圧蒸留した。次に高真空下
で2−3mmol%の塩化ベンジルマグネシウム存在下
から蒸留した後、0.8−1.0MのTHF溶液に調整
した。
【0030】(6)α‐メチルスチレン:市販品を5%
NaOH水溶液、次いで水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで、一晩乾燥させ、CaH2存在下より、減圧蒸留
した。次に高真空下で2−3mmo1%の塩化ベンジルマ
グネシウム存在下から蒸留した後、1MのTHF溶液に
調整した。 (7)ジブチルマグネシウム(Bu2Mg):市販の B
2Mg/ヘプタン 溶液(アルドリッチ社製)を高真空
下においてTHFで希釈し、小分けして用いた。
【0031】[実施例1〜12の重合操作方法]アニオ
ン重合は高真空下ブレークシール法を用いた。重合はモ
ノマーを開始剤系に加え所定時間反応した後、メタノー
ルで反応を停止した。重合温度、重合時間、Bu2Mg
の添加量を変化させて、またBu2Mgを加える順序を
変えることによって、Bu2Mgの精製能力また添加効
果を観察した。また得られたポリマーは、Bu2Mgを
ポリマーから取り除くためにHClを加え、MeOH/
THF系で再沈殿操作を行い、濾過後、風乾し、得られ
たポリマーの収量から収率を求めた。
【0032】[活性末端アニオンの開始効率の決定法]
活性末端アニオンの開始効率を決定するために、ポスト
重合を行うことによって得られるポストポリマーの G
PC曲線を用いた。プレポリマーとポストポリマーに対
応するピーク面積を算出し、各々の分子量で割ることに
より、分子比(モル比)を求め、開始効率を求めた。
【0033】[ゲルパーミッションクロマトグラフィー
(GPC)の測定]実施例1〜12、比較例1〜2につ
いては、東ソーHLC−8020、を用いて測定した。
カラムはHXL5000、4000、3001、または
HXL4000、3000、2000を組み合わせたも
のを用いた。実施例13〜18、比較例3〜5について
は、ウォーターズ社製GPCシステムを用いて測定し
た。THFを溶媒として用い、流量1.0ml/min、
40℃で使用した。分子量は、標準ポリスチレンを用い
たキャリブレーションカーブより決定した。サンプルは
ポリマー5mgをTHF1ml に溶解させて用いた。
【0034】実施例1 第1表に示すようにな割合でメタノール含有スチレン単
量体に対して、Bu2Mgを添加したTHF溶液を、T
HF中、−78℃で重合開始剤s−BuLiに添加して
重合を行った結果を第1表に、そのGPC曲線を第1図
に示す。
【0035】比較例1 Bu2Mgを用いない以外実施例1と同様に同様に重合
を行い、その結果を第1表およびそのGPC曲線を第2
図に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2〜6 第2表に示す割合でスチレン、Bu2Mgを混合したT
HF溶液を、THF中重合開始剤に所定の温度で添加し
て1時間重合を行い、その結果を第2表に、およびGP
C曲線を第3図〜第7図に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例7〜8 第3表に示す割合でスチレン、BuMgを混合したT
HF溶液を、重合開始剤に−78℃で添加して1時間、
重合を行い、その結果を第3表に、およびGPC曲線を
第8図〜第9図に示す。
【0040】比較例2 Bu2Mgを用いない以外、第3表に示す割合で重合を
行い、その結果を第3表に、およびGPC曲線を第10
図に示す。
【0041】
【表3】
【0042】実施例9 第4表に示すように、スチレンを2分割し、各々開始剤
に対して3.3当量(第1モノマー:I)、5.0当量
(第2モノマー:II)のBu2Mgを添加し、所定の温
度で第1モノマーを1時間重合させ、続いて第2モノマ
ーを添加して重合を行った。その結果を第4表に、GP
C曲線を第11図に示す。
【0043】実施例10 第4表に示すように、スチレンを2分割し、開始剤に対
して11当量(第1モノマー)のBu2Mgを添加し、
所定の温度で第1モノマーを1時間重合させ、続いて第
2モノマーを添加して重合を行った。その結果を第4表
に、GPC曲線を第12図に示す。
【0044】
【表4】
【0045】実施例11〜12 α−メチルスチレン(α−MeSt)とK−Naphよ
り調整される重合体ジアニオン(Mn=2000)に対
して、第5表に示す割合でBu2Mgを添加して、TH
F中、−78℃で重合を行い、その結果を第5表に、G
PC曲線を第13〜第14図に示す。
【0046】
【表5】
【0047】実施例13〜15 THF180g中、s−BuLi(ナカライ社製、シク
ロヘキサン溶液)に、0℃で、スチレン(St)または
p−t−ブトキシスチレン(PTBST、北興化学社
製)とBu2Mgの混合物を添加し重合を行い、その結
果を第6表、およびGPC曲線を第15〜17図に示
す。
【0048】比較例3〜5 Bu2Mgを用いる以外実施例14〜16と同様にして
重合を行い、その結果を表6、およびGPC曲線を第1
8〜20図に示す。
【0049】
【表6】
【0050】実施例16 THF250g中、−40℃でn−BuLi(アルドリ
ッチ社製)(6.80mmol)を用いてPTBST2
5.33g(160.7mmol)(I)を重合させた
後、BuMg(アルドリッチ社製)10.25g(1
9.43重量%、14.4mmol)を開始剤に対して
を添加し、さらに−40℃でPTBST18.85g
(106.9mmol)(II)を加えて重合した結果を
表7、およびGPC曲線を第21図に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、単量体に式(I)で
表される化合物を混合して重合開始剤に添加する方法を
用いれば、(1)アニオン重合を阻害する単量体中の不
純物、例えば水分等の活性水素化合物等をあらかじめ除
去する等の精製を行わなくてもアニオン重合を行うこと
ができる。特に、単量体の分子量が大きい化合物、吸湿
性を有する化合物等の精製が困難な化合物においてもリ
ビングアニオン重合を行うことが可能となり、(2)有
機マグネシウム化合物がアニオン成長末端に配位するこ
とにより、アニオン成長末端が安定化し0℃付近におい
ても移動反応、停止反応等の副反応を起こすことなくリ
ビングアニオン重合が可能となり、(3)20万以上の
高分子量化合物の合成においても、成長末端アニオンが
安定化するため重合反応が均一に進行し、分子量分布の
狭い重合体を得ることが可能となった。さらに、ポリス
チリルアニオン等の重合成長末端、または、リチウム以
外の2〜4量体のアニオン末端に対しては、モノマーに
添加することなく直接重合開始剤に添加することでも、
0℃付近での重合が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1におけるGPC曲線を示す。
【図2】図2は、比較例1におけるGPC曲線を示す。
【図3】図3は、実施例2におけるGPC曲線を示す。
【図4】図4は、実施例3におけるGPC曲線を示す。
【図5】図5は、実施例4におけるGPC曲線を示す。
【図6】図6は、実施例5におけるGPC曲線を示す。
【図7】図7は、実施例6におけるGPC曲線を示す。
【図8】図8は、実施例7におけるGPC曲線を示す。
【図9】図9は、実施例8におけるGPC曲線を示す。
【図10】図10は、比較例1におけるGPC曲線を示
す。
【図11】図11は、実施例9におけるGPC曲線を示
す。
【図12】図12は、実施例10におけるGPC曲線を
示す。
【図13】図13は、実施例11におけるGPC曲線を
示す。
【図14】図14は、実施例12におけるGPC曲線を
示す。
【図15】図15は、実施例13におけるGPC曲線を
示す。
【図16】図16は、実施例14におけるGPC曲線を
示す。
【図17】図17は、実施例15におけるGPC曲線を
示す。
【図18】図18は、比較例3におけるGPC曲線を示
す。
【図19】図19は、比較例4におけるGPC曲線を示
す。
【図20】図20は、比較例5におけるGPC曲線を示
す。
【図21】図21は、実施例16におけるGPC曲線を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 DA03 DA05 4J100 AB02P AB03P AB04P AS01P AS02P AS03P CA01 CA04 DA04 FA03 FA08 FA28 FA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族化合物若しくは共役ジエン化
    合物及び式(I) 【化1】(R1)nM (式中、R1は、C1〜C20アルキル基、又はC6〜
    C20アリール基を表し、R1は同一又は相異なってい
    ていもよく、Mは、長周期型周期律表第2族、第12
    族、または第13族に属す原子を表し、nはMの原子価
    を表す。)で表される化合物を、極性溶媒中、−100
    〜20℃で、アルカリ金属又は有機アルカリ金属の溶液
    に添加することを特徴とするアニオン重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ビニル芳香族化合物または共役ジエン化合
    物とアルカリ金属または有機アルカリ金属から調整され
    る2量体以上の重合体の成長末端アニオンと式(I) 【化2】(R1)nM (式中、R1、M、およびnは前記と同じ意味を表
    す。)で表される化合物を含む極性溶媒中に、−100
    〜20℃でビニル芳香族化合物またはジエン化合物を添
    加することを特徴とすることを特徴とするアニオン重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】極性溶媒が、テトラヒドロフランであるこ
    とを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】式(I)で表される化合物をアルカリ金属
    また有機アルカリ金属より過剰に用いることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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