JPH09249706A - 重合速度制御するための触媒組成物及びその組成物を用いた重合方法 - Google Patents

重合速度制御するための触媒組成物及びその組成物を用いた重合方法

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JPH09249706A
JPH09249706A JP8447696A JP8447696A JPH09249706A JP H09249706 A JPH09249706 A JP H09249706A JP 8447696 A JP8447696 A JP 8447696A JP 8447696 A JP8447696 A JP 8447696A JP H09249706 A JPH09249706 A JP H09249706A
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polymerization
anionic polymerization
styrene
anionic
compd
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Tsuyoshi Mizushiro
堅 水城
Takamasa Hirayama
孝昌 平山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F12/06Hydrocarbons
    • C08F12/08Styrene

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系単量体をアニオン重合する際に、
高モノマー濃度、高温の条件下、重合濃度を制御しなが
らリビングな単分散ポリマーを得ることができるアニオ
ン重合用触媒組成物とそれを用いた重合方法を提供す
る。 【解決手段】 アルキルリチウム化合物と該アルキルリ
チウム化合物1モルに対して0.05〜30倍の多核芳
香族炭化水素化合物1種又は2種以上を添加してなる混
合物を用いることからなるアニオン重合用触媒組成物と
それを用いた重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレン系単量体を
芳香族炭化水素または脂環式炭化水素溶媒中で重合する
に際して、アルキルリチウム化合物と特定の多核芳香族
炭化水素の混合物を触媒として用いることを特徴とする
アニオン重合用触媒組成物とその組成物を用いたアニオ
ン重合方法に関する。更に詳しくは、従来のアニオン重
合法に比べてモノマー濃度が高濃度かつ高温系における
重合反応にもかかわらず、重合時に移動反応・停止反応
を起こすことなくリビング的に重合が進行し、分子量分
布の狭いスチレン系重合体や末端反応性スチレン系重合
体を容易に製造する事の出来る新規アニオン重合の触媒
組成物、及びその組成物を用いた新規なアニオン重合方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンに代表されるスチレン系重
合体は、古くからラジカル重合法により工業的に生産さ
れてきたが、スチレンのラジカル重合は、周知の通りス
チレンの生長ラジカルの再結合反応等による停止反応あ
るいは溶媒やモノマーへの移動反応が起こるため、分子
量分布は広いものになってしまうばかりでなくポリマー
末端構造の規制もできず、ラジカル重合法では容易に単
分散なポリマーやブロックポリマー、星形ポリマーを得
ることは困難であった。
【0003】これを解決する手法としてはスチレンのリ
ビングアニオン重合法があり、例えば、汎用的な開始剤
であるブチルリチウムを使って行うスチレンのアニオン
重合は、移動反応及び停止反応のない重合系いわゆるリ
ビング重合系を形成し、極めて単分散なポリマーが得ら
れると共に、生長末端の反応性を利用することにより多
種多様のポリマーが得られている。
【0004】このスチレンのリビングアニオン重合法
は、一般的には、生長末端の対カチオンがアルカリ金属
系であることが多く、またモノマー濃度は数10%と希
薄であり且つ重合反応温度も室温付近と制限されている
場合が多い。これは、リビング重合においては開始剤濃
度がラジカル重合に比べ非常に高くなり(基本的には、
開始剤濃度=ポリマー鎖濃度となる)、そのため高濃度
または高温で重合反応を行うと重合反応が極めて速くな
り、重合初期に急激な重合熱の発生が伴うからである。
急激な重合熱の発生により除熱制御が不可能となった場
合は、重合系の温度は急上昇しそれにより重合生長末端
は移動反応や停止反応が起こりやすくなり、理想的なリ
ビング重合系が得られなくなる。
【0005】例えば30℃程度の室温近傍でシクロヘキ
サン溶媒中20%程度のモノマー濃度でスチレンをアニ
オン重合する場合、最も汎用的なn−BuLiを触媒に
用いて重量平均分子量10〜30万程度のポリスチレン
を合成する場合、重合反応速度はきわめて速く重合時間
は数秒〜数分でほぼ100%に近いコンバージョンが得
られる。重合反応はほとんど断熱的に進行し、暴走反応
となるために重合熱の除去が難しい。ポリスチレンの製
造をアニオン重合により工業的に実施しようとすると、
上記重合条件下ではラジカル重合のポリスチレンの塊状
重合プロセスで製造する場合に比較し、多量の溶媒を用
いるためにリアクターボリュームが大きくなり、また多
量の溶媒中からのポリマーを回収する工程が必要となり
生産性が悪く現実にはほとんど実施されていない。
【0006】スチレンのリビングアニオン重合法は、本
来ラジカル重合法では得られない様々な構造制御された
ポリマーを得ることが可能であり、非常に魅力的な樹脂
材料が得られるにもかかわらず、特殊な例を除いてこれ
まで工業的に生産されなかったのは、上記説明の様に重
合系が溶液系となるため、ポリマーの生産性や経済性を
考慮すると充分満足できるポリマーにはなり得なかった
からである。
【0007】スチレン系単量体を高濃度でリビングアニ
オン重合する場合の急激な反応を抑制する方法の一つと
して、温度を下げて重合を行うことが挙げられる。しか
し、スチレン系樹脂のほとんどが100℃以上のガラス
転移点を有しているため、高濃度、低温で重合すると重
合は進行するが、重合過程中に重合系が硬化し反応器か
らの回収が困難となる。更に大規模な冷凍設備が必要に
なり経済性が問題となる。従って、高濃度且つ高温系で
リビング重合を進行させることが必要条件となるが、従
来の技術においてはその条件を充分満足できる重合系は
なかった。
【0008】アニオン重合を遅延させる先行技術として
はテトラヒドロフラン(以下THFと略記)中でNa−
ナフタレン又はα−メチルスチレンテトラマーのジNa
錯体触媒によるスチレン重合系へのアントラセンの添加
がリビングポリマーとアントラセンの間で錯体の形成を
引き起こし、この錯体とリビングポリマーの間で平衡が
形成される。この系は重合速度が遅れることが知られて
いる(Trans,Faraday,Soc,58,7
47,(1962)S.N.Khamma,M.Lev
y,M.Swarc)が、該重合法はいずれも20℃前
後の室温近傍において更にモノマー濃度も10%〜高々
30%止まりの条件下でTHFという極性溶媒中でしか
も触媒金属種としてNa金属触媒のみを用いて実施され
たものである。
【0009】従って上記の先行技術は記載のごとくNa
金属化合物がアニオン重合触媒種でありアルキルナトリ
ウムが炭化水素溶媒中に溶解しがたいために炭化水素溶
媒中でスチレン系単量体のアニオン重合を実施できず、
この技術を工業化する上で重大な欠点となっている。ま
たモノマー濃度も低濃度であるために重合ポリマーを回
収するために多量の溶媒を除去しなければならずそのた
めのコストがかかり経済的にも不利である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
では達し得なかった高濃度、高温系におけるスチレン系
単量体のアニオン重合を重合温度制御のもと、リビング
的に進行させ、極めて単分散なポリマーを製造する触媒
組成物及び該触媒組成物を用いたスチレン系重合体の新
規な製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、係る技術
課題について鋭意検討を重ねた結果、スチレンに代表さ
れるスチレン系単量体のアニオン重合をアルキルリチウ
ム化合物と特定の多核芳香族炭化水素の混合物を触媒と
して用い、THFに比べるとほとんど無極性溶媒といえ
る芳香族炭化水素又は脂環式炭化水素中で重合すると驚
くべき事に従来のアニオン重合ではほとんど考えられな
いような高モノマー濃度、高温系で重合するにもかかわ
らず重合反応は暴走反応を起こすことなく、極端に重合
速度が遅くなることもなく除熱制御が十分可能な反応速
度で重合が進行し、しかもリビング的に重合が進行する
ことを見いだし、この知見に基ずき本発明を完成させ
た。
【0012】すなわち本発明は、(1):スチレン系単
量体をアニオン重合するにあたって、重合開始剤として
アルキルリチウム化合物と該アルキルリチウム化合物1
モルに対して0.05〜30倍モルの多核芳香族炭化水
素化合物1種又は2種以上を添加してなる混合物を用い
ることを特徴とするアニオン重合用触媒組成物、
(2):アルキルリチウム化合物1モルに対して多核芳
香族炭化水素が0.1〜10倍モルである混合物を用い
ることを特徴とする(1)記載のアニオン重合用触媒組
成物、(3):アルキルリチウム化合物がn−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム、iso−プロピルリチウム、n−プロピルリチ
ウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、ヘキシル
リチウムの1種又は2種以上である(1)又は(2)記
載のアニオン重合用触媒組成物、(4):多核芳香族炭
化水素がフェナンスレン、フェナントレン、アントラセ
ン、ナフタセン、ペリレンである(1)又は(2)記載
のアニオン重合用触媒組成物、
【0013】(5):(1)記載のアニオン重合用触媒
組成物を重合開始剤として用いてスチレン系単量体を重
合することを特徴とするアニオン重合方法、(6):ア
ニオン重合するに際して重合溶媒として芳香族炭化水素
化合物または脂環式炭化水素化合物を用いることを特徴
とする(5)記載のアニオン重合方法、(7):アニオ
ン重合するに際して重合温度30〜150℃、スチレン
系単量体濃度が40〜100wt%であることを特徴と
する(5)記載のアニオン重合方法である。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるスチレン系単量体としては、その重合原理か
ら考えて一般的に公知のリビングアニオン重合が可能な
スチレン系単量体であれば何でもよく特に制限はない。
中でも好ましい単量体としては最も代表的なスチレン以
外に、α−アルキル置換スチレンや核アルキル置換スチ
レン等が挙げられる。具体例としては、α−メチルスチ
レン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5
−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,
4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらの
スチレン系単量体は1種類又は共重合体を得る目的で2
種類以上の組み合わせで使用しても良い。
【0015】重合温度は50℃以上、好ましくは55℃
以上がよい。重合温度の下限温度とは、少なくとも目標
とする重合時間内に重合が完結する速度をある程度有し
ていなければならない。50℃以下でも重合は進行する
が、本発明の重合系においてはその重合が極めて遅く進
行するため、工業生産的見知から好ましくないと判断さ
れる。重合温度の上限としては特に制限はないが、重合
系が長時間高温状態にあると移動反応や停止反応等の副
反応が起こり単分散なポリマーが得られにくくなる。ま
た未反応の単量体が熱によるラジカル重合を起こし、多
分散のポリマーとの混合物になってしまう。これらの異
常反応は、すべて重合温度と重合時間に係わって一概に
重合温度を特定できないが、本発明の重合系において好
ましくは150℃以下である。
【0016】スチレン系単量体の濃度は、40wt%以
上100wt%以下である。好ましくは50wt%以上
100wt%以下である。溶媒の回収を考えれば、高濃
度ほど好ましいが、重合系の粘度の上昇を考慮すると、
ある程度の溶媒量は必要である。しかし、必要以上に濃
度が希薄になると、重合反応が遅くなるばかりでなく高
温時に溶媒への移動反応が起こり易くなるため、リビン
グ重合性から考慮して濃度は少なくとも40wt%以上
がよい。本発明では重合溶媒を使用しないスチレン系単
量体100%で行う重合の場合も本発明の範囲にふくま
れる。この場合重合反応時スチレン系単量体のコンバー
ジョンをコントロールすることにより重合系が固化する
ことを防止できる。
【0017】再度本発明の技術的ブレイクスルーポイン
トを述べると、本発明はスチレン系単量体を高濃度、高
温系でプロセス的に除熱可能な重合速度に抑制し、しか
も工業生産的見知から適度な重合速度を有し且つ高温に
も係わらずリビング的に重合が進行する重合開始剤を見
出したことにある。その重合開始剤とはアルキルリチウ
ム化合物と特定の多核芳香族炭化水素化合物をアニオン
重合触媒として用いる点にある。
【0018】アルキルリチウム化合物の具体的な例とし
てはメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、iso−プロピル
リチウム、n−プロピルリチウム、ベンジルリチウム、
フェニルリチウム、ヘキシルリチウム等があり更に好ま
しくは、n−ブチルリチウム、secブチルリチウム、
t−ブチルリチウム、フェニルリチウムがよい。これら
の化合物は1種類もしくは2種類以上の併用でも良い。
【0019】添加するアルキルリチウム化合物の量は目
標とするポリマーの分子量により任意に設定できる。す
なわち、Mn(数平均分子量)=[M]o /[I]×
{単量体の分子量}([M]o は単量体の仕込み濃度、
[I]はアルキルリチウム化合物の濃度)で計算される
濃度のアルキルリチウム化合物を重合系に添加すればよ
い。
【0020】重合時に使われる溶媒としては芳香族炭化
水素または脂環式炭化水素である。本発明の場合にはス
チレン単量体100%で溶媒を用いない場合も含んでい
る。好ましい溶媒としては移動反応、停止反応の起こり
にくい比較的極性の低い芳香族系炭化水素化合物または
脂環式炭化水素化合物がよく、具体的にはエチルベンゼ
ン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン、ベン
ゼン、シクロヘキサン等がある。
【0021】アルキルリチウム化合物に添加する特定の
多核芳香族炭化水素化合物はフェナンスレン、フェナン
トレン、アントラセン、ナフタセン、アセナフテンアセ
ナフチレン、ペリレン、ピレン、ベンズピレンの中から
選ばれる多核縮合環の芳香族炭化水素化合物類である。
これらの中でもフェナンスレン、フェナントレン、アン
トラセン、ナフタセン、ペリレンが好ましい。
【0022】多核芳香族炭化水素化合物の添加量は用い
るアルキルリチウム化合物1モルに対して0.05〜3
0倍モル更に好ましくは0.1〜10倍モルの範囲であ
る。添加する多核芳香族炭化水素化合物の量がリチウム
化合物1モルに対して0.05倍モル以下では重合速度
遅延効果が十分でなく、また30倍以上では遅延効果が
飽和してしまうからである。
【0023】アルキルリチウム化合物に添加する多核芳
香族炭化水素化合物の量が多いほどスチレン系単量体の
重合速度は遅くなる。望みの分子量になるようにアルキ
ルリチウム化合物の添加量を決め、更に該アルキルリチ
ウム化合物添加量に対して望みの重合速度になるように
多核芳香族炭化水素化合物の添加量を決める。アルキル
リチウム化合物と多核芳香族炭化水素化合物は上記芳香
族炭化水素または脂環式炭化水素中には良好な溶解度を
有する。上記混合物の溶解性が十分でない時には加温す
れば容易に溶解する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例及び
比較例により詳細に説明する。実施例及び比較例で用い
た単量体、溶媒、開始剤は次の方法で精製して使用し
た。 (1)スチレン(SM):旭化成工業(株)社製、Ca
2 でスチレンを1回減圧蒸留し脱気処理後乾燥窒素下
に封入した。 (2)エチルベンゼン(EB):和光純薬工業社製、特
級試薬をCaH2 下で1回減圧蒸留し脱気処理後モレキ
ュラーシーブを入れ乾燥窒素下に封入した。 (3)n−ブチルリチウム(BuLi):関東化学社
製、1.6Mのn−ヘキサン溶液。 (4)多核芳香族炭化水素化合物:和光純薬工業社製、
特級試薬の結晶を直接使用した。
【0025】重合速度及びリビング性の評価方法は次の
様に行った。 (5)重合率の測定:未反応のスチレンをガスクロマト
グラフィー(GC)により測定し、次式により重合率
(Conv.)を求めた。 Conv.(%)=([仕込みSM濃度]−[未反応S
M濃度])/[仕込みSM濃度]×100 GCの測定条件 測定器:島津製作所 GC14B カラム:PEG20M(φ3mm×3m) キャリアーガス:窒素、流量50ml/min 検出器:FID カラム温度:120℃から220℃まで10℃/min
で昇温
【0026】(6)数平均分子量(Mn)、重量平均分
子量(Mw)及びMw/Mnの測定:ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。 GPCの測定条件 測定器:東ソー HLCー8020(示差屈折率検出器
内蔵) カラム:東ソー TSKgelーGMHXLを2本使用 温度:38℃ 溶媒:テトラハイドロフラン(THF) サンプル濃度:0.1wt/v% サンプリングピッチ:1/0.4(回/秒) 分子量計算:東ソーTSK標準ポリスチレンの分子量と
溶出時間の関係を3次回帰曲線として検量線を作成し、
算出した。
【0027】
【実施例】以下の実施例及び比較例の記載において特に
断りのない限りすべて操作は、充分乾燥したガラス容器
内で乾燥窒素下で行い、試薬類も乾燥した注射器で採
取、添加した。なお、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0028】実施例1 スターラー用回転撹拌子を備えた十分に加熱乾燥した5
0mlの耐圧ビンに、脱水し、かつ重合禁止剤を除去し
たスチレン、同様に脱水したエチルベンゼン及び試薬特
級のアントラセンのエチルベンゼン溶液(十分脱水した
50%solution)をチッソボックス中で表1の
組成で仕込みニトリルゴム栓付き王冠で密栓した。耐圧
ビンをチッソボックス中から取り出し、反応液温を測定
する熱電対をセットし、1.6mmol/lのn−ブチ
ルリチウムをエチレベンゼンで10倍希釈したものを触
媒として表1の組成で注射器を用いて打ち込み、60℃
のオイルバス中に仕込スターラーで撹拌し重合を開始し
た。重合反応熱に伴う暴走反応は起こらず重合系内の温
度はほぼ均一に60℃であった。
【0029】開始剤を添加してから60分経過した時点
でメタノールを10%含有したテトラハイドロフラン
(THF)溶液を2ml添加し重合を停止させた。重合
停止した溶液から少量取り出し、GC分析を行った。ま
た、重合ポリマーの分子量は、メタノール中に溶液を添
加してポリマーを再沈精製後乾燥してからGPCで測定
した。重合のConv.と分子量の測定結果は次の通り
であった。Conv.=32%、Mn=38000、M
w=41800、Mw/Mn=1.10であった。結果
を表1に記す。
【0030】実施例2 実施例1とまったく同様にして重合時間2hrで反応を
停止させた。以下の実施例及び比較例の結果を表1に記
す。 比較例1 アントラセンを用いないほかは実施例1と同様に重合し
た。重合はきわめて速く断熱的に進行し、触媒打ち込み
後約3分で重合液温は110℃以上となった。重合は急
激に進み系の粘度が上昇し固化の状態になった。
【0031】実施例3 添加するアントラセン量を実施例1の2倍にし、重合時
間を4hrにして実施した。実施例1,2と比較すると
アントラセンの添加量を増加させることにより重合速度
が遅れることがわかる。 実施例4 モノマー濃度を上げ更に重合初期温度も80℃に上げて
重合した。この様な高モノマー濃度、高温反応であって
も重合コントロールが可能で反応はリビング的で分子量
分布もせまい。
【0032】実施例5 実施例1の添加剤種をフェナンスレンに変更し、実施例
1と同様に重合した。フェナンスレンもほぼ同様の効果
を有することが判る。 実施例6〜7 表1の条件で重合させた。いずれもリビング的に重合し
ている。
【0033】比較例2 通常のアニオン重合の条件で溶媒にシクロヘキサンを用
いてモノマー濃度20%近傍で重合した。シクロヘキサ
ン80%以上でも重合液温は20℃近く上昇し反応がほ
とんど断熱的に進行しているのが判る。モノマー濃度が
20%と低いために重合系の最高温度は58℃であった
ため分子量分布は1.08となったが、これ以上モノマ
ー濃度を高めると分子量分布は広がってしまう。モノマ
ー濃度20%では溶媒除去にコストがかかり工業化する
上で経済性に問題がある。 比較例3 モノマー濃度80%で重合した。重合液温が短時間に急
上昇し、高温となり触媒が失活し、完全な暴走反応にな
った。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明のアルキルリチウム化合物と多核
芳香族炭化水素化合物をスチレン単量体のアニオン重合
触媒として用いることにより、従来のアニオン重合では
考えられない高モノマー濃度、高温の重合条件下、重合
温度を制御しながらリビングな単分散ポリマーを得るこ
とが出来る。スチレン系重合体を得るためのアニオン重
合を工業プロセス化する上で本発明はきわめて重要であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体をアニオン重合するに
    あたって、重合開始剤としてアルキルリチウム化合物と
    該アルキルリチウム化合物1モルに対して0.05〜3
    0倍モルの多核芳香族炭化水素化合物1種又は2種以上
    を添加してなる混合物を用いることを特徴とするアニオ
    ン重合用触媒組成物。
  2. 【請求項2】 アルキルリチウム化合物1モルに対して
    多核芳香族炭化水素が0.1〜10倍モルである混合物
    を用いることを特徴とする請求項1記載のアニオン重合
    用触媒組成物。
  3. 【請求項3】 アルキルリチウム化合物がn−ブチルリ
    チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
    チウム、iso−プロピルリチウム、n−プロピルリチ
    ウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、ヘキシル
    リチウムの1種又は2種以上である請求項1又は2記載
    のアニオン重合用触媒組成物。
  4. 【請求項4】 多核芳香族炭化水素がフェナンスレン、
    フェナントレン、アントラセン、ナフタセン、ペリレン
    である請求項1又は2記載のアニオン重合用触媒組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアニオン重合用触媒組成
    物を重合開始剤として用いてスチレン系単量体を重合す
    ることを特徴とするアニオン重合方法。
  6. 【請求項6】 アニオン重合するに際して重合溶媒とし
    て芳香族炭化水素化合物または脂環式炭化水素化合物を
    用いることを特徴とする請求項5記載のアニオン重合方
    法。
  7. 【請求項7】 アニオン重合するに際して重合温度30
    〜150℃、スチレン系単量体濃度が40〜100wt
    %であることを特徴とする請求項5記載のアニオン重合
    方法。
JP8447696A 1996-03-14 1996-03-14 重合速度制御するための触媒組成物及びその組成物を用いた重合方法 Withdrawn JPH09249706A (ja)

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