JPWO2005069001A1 - マイクロウェルアレイチップ及びその製造方法 - Google Patents

マイクロウェルアレイチップ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、マイクロウェルの開口と同一の基板表面上にマイクロウェルのマーカーを有するマイクロウェルアレイチップ。基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。前記マイクロウェルの開口部に、開口部を狭めるように突起部を有する。このマイクロウェルアレイチップの製造方法。基板の少なくとも一方の主表面に膜を形成する工程、形成した膜の上に、レジストを塗布する工程、前記レジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介して露光し、レジストの非硬化部分を除去する工程、前記膜及び基板の露出部をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける工程、及びレジストを除去する工程を有する。複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体生体細胞を格納して用いられるシリコン製のマイクロウェルアレイチップ。前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有する。

Description

本発明の第一の態様は、抗原特異的リンパ球などの生体細胞の検出などに用いることができるマイクロウェルアレイチップに関する。特に、本発明の第一の態様は、マイクロウェルの位置決めが容易に行えるマイクロウェルアレイチップに関する。
更に、本発明の第二の態様は、マイクロウェルへの生体細胞の捕集率及び採集率に優れたマイクロウェルアレイチップ及びその製造方法に関する。
更に、本発明の第三の態様は、抗原特異的リンパ球などの生体細胞の検出などに用いることができるシリコン製のマイクロウェルアレイチップに関する。特に、本発明の第三の態様は、必要によりマイクロウェルに格納した生体細胞を容易に回収できるマイクロウェルアレイチップに関する。
従来、抗原特異的リンパ球は、例えば、96穴プレートを用いて、1穴あたり約200,000個のリンパ球を加えて3日から1週間、抗原の存在下で培養することにより検出していた(「リンパ球機能検索法」矢野純一、藤原道夫編著、中外医学社(1994年)、「免疫実験操作法I、II」右田俊介、紺田進、本庶佑、濱岡利之編集、南江堂(1995年))。この方法では、約200,000個と言うリンパ球集団の中に抗原特異的リンパ球が存在することは確認できた。しかし、リンパ球集団中に存在する個々の抗原特異的リンパ球を同定することはできなかった。
これに対して近年、蛍光色素で標識した抗原分子をリンパ球と混ぜ合わせることにより、抗原特異的リンパ球の抗原受容体に蛍光標識抗原を結合させ、蛍光標識抗原を結合したリンパ球を、フローサイトメータを用いることにより検出する方法が開発され利用されている(Altman JD,Moss PA,Goulder PJ,Barouch DH,McHeyzer−Williams MG,Bell JI,McMichael AJ,Davis MM.Phenotypic analysis of antigen−specific T lymphocytes,Science,274:94−96,1996)。この方法では抗原に結合する1個のリンパ球を同定することが可能である。さらに抗原に結合する1個のリンパ球を分取することも可能である。
しかしながら、上記検出方法では、分取するためにはセルソーターという高価で複雑な機器が必要である上に、以下の問題も有る。
(1)分取するための機器の条件設定が難しく、細胞を分取するためには機器操作の熟練を要する。
(2)バックグラウンドが高いため抗原特異的リンパ球の頻度が0.1%以下の場合は抗原特異的リンパ球を検出できない。
(3)細胞を分取する効率は低い。
(4)頻度の低い細胞を分取するのに時間がかかる。
(5)抗原が結合することは確認できるが、抗原が結合したリンパ球の反応を解析することは難しい。
別の抗原特異的リンパ球検出法として、磁気ビーズに結合した抗原分子をリンパ球と混ぜ合わせることにより、抗原特異的リンパ球の抗原受容体に磁気ビーズ結合抗原を結合させ、磁石を用いて抗原特異的リンパ球を分取する方法も開発されている(Abts H,Emmerich M,Miltenyi S,Radbruch A,Tesch H,CD20 positive human B lymphocytes separated with the magnetic sorter(MACS)can be induced to proliferation and antibody secretion in vitro.Journal of Immunological Methods 125:19−28,1989.)。
この方法では、複雑な装置は必要とせず、細胞の分取の時間は短時間であり、抗原が結合することも確認できる。しかし、抗原が結合したリンパ球が抗原に反応(細胞内シグナル伝達、RNA合成、タンパク質合成などの細胞の代謝生理反応)するかを解析することはできなかった。また、抗原特異的リンパ球の頻度が0.1%以下の場合は抗原特異的リンパ球を検出できなかった。
それに対して、本発明者らは、複雑な装置は必要とせず、細胞の分取の時間は短時間であり、抗原が結合することも確認でき、頻度の低い抗原特異的リンパ球(0.001%以上)も検出でき、抗原が結合したリンパ球が抗原に反応するかを解析することができ、しかも抗原特異的リンパ球を分取できる抗原特異的リンパ球検出法を提供することを種々検討してきた。そして、1つ1つのリンパ球の抗原特異性を個別に検出し、さらに検出された抗原特異的リンパ球を回収する方法について開発を進めてきた。
しかし、従来は、1つ1つのリンパ球の抗原特異性を個別に検出し、さらに検出された抗原特異的リンパ球を回収することができるマイクロウェルアレイチップは知られていなかった。
そこで本発明者らは、上記検出法に利用可能な、1つのリンパ球を1つのマイクロウェルに収納可能なマイクロウェルアレイチップを提供すべく種々の検討を重ねてきた。そして、基板表面に1つのリンパ球を収納できる程度の大きさのマイクロウェルを形成したマイクロウェルアレイチップを試作し、リンパ球のマイクロウェルへの格納(捕集)、及びマイクロウェルからの回収テストを行ってきた。その過程で、微細なマイクロウェルが多数設けられたアレイチップ上において検出された抗原特異的リンパ球を回収する場合、特に、検出と回収を別の工程で行う場合、検出したマイクロウェルから確実に間違いなく抗原特異的リンパ球を回収するためには、マイクロウェルの位置決めを確実に行う必要があることが判明した。即ち、単に多数のマイクロウェルを配列しただけのアレイチップでは、特定のマイクロウェルの位置決めが容易でないという問題があった。
また、上記過程で、リンパ球をマイクロウェルへ格納する際、細胞懸濁液を用いてリンパ球をマイクロウェルに捕集した後、アレイチップを洗浄すると、大多数の細胞がマイクロウェルより流れ出してしまい、捕集率及び充填率が著しく低下するという問題があることも判明した。
そこで本発明の第一の目的は、上記検出法に利用可能な、1つのリンパ球を1つのマイクロウェルに収納可能なマイクロウェルアレイチップを提供することにある。特に本発明の第一の態様は、多数の、かつ微細なマイクロウェルの位置を容易に決定できるマイクロウェルアレイチップを提供することを目的とする。
更に、本発明の第二の目的は、マイクロウェルに捕集されたリンパ球等の細胞が、その後の洗浄の際に、マイクロウェルから流出しにくいマイクロウェルアレイチップを提供することである。
更に、本発明の第三の目的は、上記検出法に利用可能な、1つのリンパ球を1つのマイクロウェルに収納可能なマイクロウェルアレイチップを提供することにある。
特に本発明の第三の態様は、マイクロウェルに収納した1つのリンパ球を容易に回収できるマイクロウェルアレイチップを提供することを目的とする。更に、本発明の第三の態様は、リンパ球に限らず、生体細胞を1つのマイクロウェルに1つ収納可能なマイクロウェルアレイチップを提供することも目的とする。
上記第一の目的を達成するための本発明の第一の態様は、以下の通りである。
(1)基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、マイクロウェルの開口と同一の基板表面上にマイクロウェルのマーカーを有するマイクロウェルアレイチップ。
(2)複数個のマイクロウェルは同一間隔で縦横に配置されており、所定個数のマイクロウェル毎にマーカーが設けられている(1)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(3)複数個のマイクロウェルは、所定個数のマイクロウェル毎にグループ分けして基板の主表面上に設けられ、各グループの位置が把握できるようにマーカーが設けられている(1)または(2)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(4)1つのグループに属するマイクロウェルの数が10〜10000の範囲である(3)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(5)マーカーが蛍光材料または反射材料からなる(1)〜(4)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(6)マーカーが位置決めのためのマーカーである(1)〜(5)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(7)基板はシリコン、金属または樹脂製である(1)〜(6)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(8)前記マイクロウェルは、円筒形、複数の面により構成される多面体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、(1)〜(7)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(9)マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲である、(1)〜(8)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(10)生体細胞がリンパ球であり、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップである(1)〜(9)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(11)前記主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、(1)〜(10)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(12)前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、(11)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
前記第二の目的を達成するための本発明の第二の態様は、以下の通りである。
(13)基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルの開口部に、開口部を狭めるように突起部を有するマイクロウェルアレイチップ。
(14)前記突起部は、基板表面に設けられた膜が前記開口部に突出するように形成されている(13)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(15)前記突起部により形成される開口の大きさは、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞が通過し得る大きさである(13)または(14)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(16)基板がシリコン、金属または樹脂製である(13)〜(15)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(17)基板表面に設けられた膜が、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層、金属膜または樹脂膜である(14)〜(16)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(18)基板の少なくとも一方の主表面に膜を形成する工程、
形成した膜の上に、レジストを塗布する工程、
前記レジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介して露光し、レジストの非硬化部分を除去する工程、
前記膜及び基板の露出部をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける工程、及び
レジストを除去する工程、
を含む(13)に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
(19)基板がシリコン、金属または樹脂製である(18)に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
(20)基板表面に設けられた膜が、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層、金属膜または樹脂膜である(18)または(19)に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
(21)前記主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、(13)〜(20)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(22)前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、(21)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
前記第三の目的を達成するための本発明の第三の態様は、以下の通りである。
(23)複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体生体細胞を格納して用いられるシリコン製のマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。
(24)前記マイクロウェルは、円筒形、複数の面により構成される多面体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、(23)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(25)マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲である、(23)または(24)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(26)生体細胞がリンパ球であり、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップである(23)〜(25)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(27)マイクロウェルの内面がフロロカーボン膜または酸化シリコン膜で被覆されている(23)〜(26)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(28)1個のマイクロウェルに格納した1個の生体細胞がマイクロウェルから回収されるように用いられる(27)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(29)前記複数個のマイクロウェルを有する面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、(23)〜(28)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(30)前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、(29)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(31)基板の一方の主表面にマイクロウェルを有するマイクロウェルアレイチップであって、前記主表面上に、前記マイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性表面領域を有する、前記マイクロウェルアレイチップ。
(32)前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、(31)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
図1は、10×10のマイクロウェル1bのグループ1cを縦横3個ずつ設けたマイクロウェルアレイチップ1aの平面図を示す。
図2は、実施例1における蛍光マーカーを有する本発明の第一の態様のマイクロウェルアレイチップの作製方法の説明図である。
図3は、シリコン基板3a上に反射マーカー3dを有するマイクロウェルアレイチップ3aの平面図を示す。
図4は、反射マーカーの反射原理の説明図である。
図5は、実施例2における反射マーカーを有する本発明の第一の態様のマイクロウェルアレイチップの作製方法(前半)の説明図である。
図6は、実施例2における反射マーカーを有する本発明の第一の態様のマイクロウェルアレイチップの作製方法(後半)の説明図である。
図7(A)及び(B)は、開口部13aに突起部が存在しないマイクロウェル13を有するアレイチップの平面図及び側面断面図である。図7(C)、(D)及び(E)は、マイクロウェル13の開口部13aに膜12’の一部で形成される突起部14が存在するアレイチップの平面図、側面断面図及び斜視図である。
図8(A)、(B)及び(C)は、図7とは別の態様の本発明の第二の態様のマイクロウェルアレイチップを示す平面図、側面断面図及び斜視図である。マイクロウェル13の開口部13aには、膜12’’の一部で形成される突起部14’が存在し、突起部14’で形成される開口の形状は円形である。
図9(A)、(B)及び(C)はシリコン基板を用いたマイクロウェルアレイチップの作製過程の説明図(側面断面図)であり、(C)のマイクロウェルは逆四角錐状である。(D)のマイクロウェルは方形であり、(E)のマイクロウェルは半球形である。
図10は、実施例3で作成したマイクロウェルアレイチップの各部分の寸法を示す。
図11は、ウェル内にフロロカーボン膜を有するマイクロウェルアレイチップの概略説明図である。
図12は、実施例4におけるウェル内にフロロカーボン膜を有するマイクロウェルアレイチップの作製方法の説明図である。
図13は、実施例5におけるウェル内に酸化膜(酸化シリコン)を有するマイクロウェルアレイチップの作製方法の説明図である。
図14は、複数個のマイクロウェルを有する主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有するマイクロウェルアレイチップの概略図である。
図15は、図14に示したマイクロウェルアレイチップの作製方法の説明図である。
図16は、疎水性領域が設けられたマイクウェルアレイチップの作製方法の説明図である。
図17は、実施例6において内壁に平滑化処理を施したマイクロウェルの拡大写真である。
図18は、実施例7において開口部に突起を形成したマイクロウェルの拡大写真である。
[第一の態様]
以下、本発明の第一の態様について説明する。
マイクロウェルアレイチップ
本発明の第一の態様のマイクロウェルアレイチップは、基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有する。さらに本発明のマイクロウェルアレイチップは、マイクロウェルの開口と同一の基板表面上にマイクロウェルのマーカーを有する。
上記被検体生体細胞は、例えば、リンパ球であることができ、本発明のマイクロウェルアレイチップは、例えば、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いることができる。
第一の態様のマイクロウェルアレイチップでは、複数個のマイクロウェルは同一間隔で縦横に配置されており、所定個数のマイクロウェル毎にマーカーが設けられていることが好ましい。特に、第一の態様のマイクロウェルアレイチップでは、所定個数のマイクロウェル毎にグループ分けして基板の主表面上に設けられ、各グループの位置が把握できるようにマーカーが設けられている。
例えば、図1に、10×10のマイクロウェル1bのグループ1cを縦横3個ずつ設けたマイクロウェルアレイチップ1aの平面図を示す。そして、各10×10のマイクロウェルのグループ1cの四隅にマーカー1dが設けられている。尚、マイクロウェルアレイチップ1a全体の四隅に設けられるマーカーは、各グループの四隅に設けられたマーカーとは識別できるマーカーが設けられることもできる。
1つのマイクロウェルのグループを構成するマイクロウェルの数には特に制限はないが、例えば、10〜10000の範囲であることができる。
また、マーカーは、単に位置を知らしめるための物であっても良いが、数字や文字であってもよい。数字や文字のマーカーを用いることで各グループの位置を決めるだけでなく、各グループを特定することもできる。即ち、各グループに番地を付与することもできる。
マーカーは、例えば、蛍光顕微鏡やイメージスキャナーで読み取りすることができ、そのため、蛍光材料または反射材料からなることが好ましい。
蛍光材料としては、具体的には、外部より入射した励起光に対して特定の波長の蛍光発光を有する材料で、好ましくは、薄膜化が可能で半導体集積回路制作技術の一つであるフォトリソグラフィにより加工が可能な材料を選択する。例えば、o−ナフトキノンジアジト−ノボラック型レジスト、例えば、東京応化工業(株)OFPR−800などが好ましい。
また、反射材料としては、加工された基板材料、また、基板上に作製された薄膜などが選択される。基板材料をエッチングや押し込み加工などによって加工することで、例えば、表面に対して傾斜を持った反射構造を作製したり、また、文字や情報などを有する認識パターンなどを形成することが可能である。また、基板材料上に薄膜を形成し、エッチングなどの加工により凹凸構造を作製することで、薄膜表面の微細な凹凸、薄膜端面の傾斜によって乱反射構造が形成され、上記と同様の効果が可能である。
マイクロウェル内にある試料を、蛍光を利用して観察する際、蛍光を発していない部分は全く見えない。そのため、試料の基板上での位置を把握するためには、蛍光による標識が必要となってくる。
マイクロウェルの形状や寸法には特に制限はないが、マイクロウェルの形状は、例えば、円筒形であることができ、円筒形以外に、複数の面により構成される多面体(例えば、直方体、六角柱、八角柱等)、逆円錐形、逆角錐形(逆三角錐形、逆四角錐形、逆五角錐形、逆六角錐形、七角以上の逆多角錐形)等であることもでき、これらの形状の二つ以上を組み合わせた形状であることもできる。例えば、一部が円筒形であり、残りが逆円錐形であることができる。また、逆円錐形、逆角錐形の場合、底面がマイクロウェルの開口となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状である(その場合、マイクロウェルの底部は平坦になる)こともできる。円筒形、直方体は、マイクロウェルの底部は通常、平坦であるが、曲面(凸面や凹面)とすることもできる。マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
マイクロウェルの形状や寸法は、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞の種類(生体細胞の形状や寸法等)を考慮して、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が格納されるように、適宜決定される。
1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が格納されるようにするためには、例えば、マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
また、マイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
マイクロウェルが円筒形の場合、その寸法は、例えば、直径3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、直径は4〜15μmである。また、深さは、例えば、3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、深さは4〜40μmであることができる。但し、マイクロウェルの寸法は、上述のように、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径とのマイクロウェルの寸法の好適な比を考慮して適宜決定する。
1つのマイクロウェルアレイチップが有するマイクロウェルの数は、特に制限はないが、生体細胞がリンパ球の場合、抗原特異的リンパ球の頻度が10個に1個から多い場合には約500個であるという観点から、1cm当たり、例えば、2,000〜1,000,000個の範囲であることができる。
第一の態様において、マイクロウェルの内壁表面形状は、細胞をスムーズに取り出すために平滑であることが好ましい。表面の凹凸の高さは、0〜1.0ミクロンの範囲であることができ、好ましくは、0〜0.5ミクロンの範囲、より好ましくは0〜0.1ミクロンの範囲である。
また、マイクロウェルの内壁の任意の位置において、凹凸高さを変更することも可能である。平滑処理を行ったウェル内壁の一部に凹凸を作ることで、ウェルに機能性を付加することができる。例えば、ウェル入り口付近に、例えば高さ0.5〜1ミクロンの突起を作製することで、ウェルに入った細胞を洗浄時に流れにくくすることが可能である。なお、この態様は、後述の第二の態様に相当する。また、ウェル底面に突起を付けることで、細胞をウェル底面に触れさせず、突起によって支持することができる。
マイクロウェル内壁の平滑化は、エッチングによって行うことができる。エッチング装置の真空度、エッチングガス種、エッチング工程等は、適宜選択することができる。例えば、STS社Multiplex ASEエッチング装置を用いてマイクロウェル内壁の平滑化を行う場合は、エッチング工程と保護膜形成工程のプロセス周期時間を適宜設定することが好ましい。また、マイクロウェル内壁の平滑化は、ウェットエッチングや、熱酸化工程と酸化膜エッチングを組み合わせることでも行うことができる。
例えば、STS社Multiplex ASEエッチング装置を用いてマイクロウェルの内壁の任意の位置において凹凸の高さを変更する場合は、当該装置のプロセス周期を変えることでマイクロウェル内壁の所望の位置に所望の高さの凹凸を形成することができる。また、ウェットエッチングなどでは、薬液の種類、濃度、温度を適宜選択することで実現可能である。
また、エッチングによりウェル側壁の任意の場所に突起を形成することも可能である。例えば前述のSTS社Multiplex ASEエッチング装置によって、突起を形成したい位置でプロセス周期時間を長くすることによって、ウェル側壁の所望の位置に所望の高さの突起を形成することができる。また、当該装置以外のエッチング装置等でも、突起を形成したい位置でエッチング条件を適宜選択、変更することで突起を形成することができる。
第一の態様のマイクロウェルアレイチップは、例えば、シリコン、金属、または樹脂製であることができる。但し、シリコン製であることで、現在半導体集積回路作製技術の主流であるシリコン加工技術をそのまま応用することが可能であり、特に微細加工性、大量量産性、将来のセンサーを含めた分析回路との集積化という意味で他の材料より優れている。
上記金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、クロム、チタン等を挙げることができる。
上記樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
マイクロウェルアレイチップが、例えば、シリコン製であり、マーカーが蛍光材料からなる場合についてその製造方法を説明する。
(1)蛍光物質(たとえば、東京応化OFPR−800)をシリコン基板の一方の主表面に塗布する。蛍光物質は、東京応化OFPR−800以外の材料であっても、励起光を吸収し、それによって励起状態から基底状態に戻る際に蛍光としてエネルギーを放出する特性をもつ物質であれば、適宜選択することができ、好ましくは、フォトリソグラフィによる加工が可能であることが望ましい。例えば、クラリアント社AZP1350などでも代用できる。
(2)この表面にフォトリソグラフィにて標識パターンを形成し、蛍光物質の耐溶剤性を向上させるために高温(たとえば180℃)でハードニング処理を行う。ハードニング処理の温度は、蛍光物質に応じて適宜選択できる、
(3)ハードニング処理後、フォトリソグラフィによってマイクロウェルパターンを形成し、低温(100℃以下)でハードニングを行う。マイクロウェルパターンは、マイクロウェルの寸法や配列等に応じて適宜決定できる。また、ハードニング温度は、マイクロウェルパターンに使用するフォトレジスト材料に応じて適宜決定できる。
(4)ドライエッチング法などにより、ウェルを形成する。ウェル形成のためのドライエッチング法は、公知の方法を適宜使用できる。
(5)アセトンなどの有機溶剤にてウェルパターンマスクに用いたフォトレジストを取り除く。使用する有機溶剤はアセトンに限られない。フォトレジストを取り除くことができる物であれば、適宜使用できる。
フォトレジストを取り除くことにより、シリコン基板に形成されたマイクロウェルと蛍光標識のみがチップ上に残され、第一の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、マイクロウェルアレイチップが、例えば、シリコン製であり、マーカーが反射性材料からなる場合についてその製造方法を説明する。
(1)フォトリソグラフィにより、シリコン基板の一方の主表面に標識パターンを形成する。また、薄膜などによって反射構造を作製する場合は、フォトリソグラフィの前に予め薄膜材料を同表面に形成する必要がある。
(2)エッチング、例えば面方位異方性エッチング特性を有するアルカリ溶液に浸し、例えば、逆ピラミッド状の反射構造を作製する。薄膜の場合にはエッチング方法を適宜選択する。
(3)フォトリソグラフィによってマイクロウェルパターンを形成する。マイクロウェルパターンは、マイクロウェルの寸法や配列等に応じて適宜決定できる。
(4)ドライエッチング法などにより、ウェルを形成する。ウェル形成の為のドライエッチング法は、公知の方法を適宜使用できる。
(5)フォトレジスト剥離液などを用いて、フォトレジストを取り除く。
フォトレジストを取り除くことにより、シリコン基板上に形成されたマイクロウェルと反射性標識のみがチップ上に残され、第一の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
また、第一の態様のマイクロウェルアレイチップでは、電子や正孔などのキャリアの障壁現象などに代表される量子効果、例えばキャリアの閉じこめ効果を利用したフォトルミネッセンス構造を利用することもできる。使用するフォトルミネッセンス材料は、必要とする波長に応じて適宜選択することができる。フォトルミネッセンス構造をチップに添付してもよく、チップ自身にフォトルミネッセンス構造を作り込む方法を用いてもよい。例えば、量子効果粒子、不純物ドーピング、ポーラス材料、薄膜積層による量子井戸構造の形成またはフォトルミネッセンス材料の成膜によって、第一の態様のマイクロウェルアレイチップにマーカーを設けることもできる。
更に、第一の態様のマイクロウェルアレイチップは、複数個のマイクロウェルを有する主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有することもできる。そのような領域を設けたマイクロウェルアレイチップの概略図を、図14に示す。図14に示すようにマイクロウェルを取り囲むように疎水性領域を設けることで、マイクロウェルアレイ上に播種された細胞等を含む溶液は、疎水性領域を越えて拡散しなくなるため、細胞懸濁液をマイクロウェル上に効率的に集約させることができる。このような領域は、平面であってもよく、または、溝状であってもよい。その数は特に限定されず、一つ設けることができ、また、二つ以上設けることもできる。前記領域の幅は、播種する溶液量に応じて適宜設定することができ、例えば、100μm〜1mmとすることができる。また、前記領域が溝状の場合、その溝の深さも、播種する溶液量に応じて適宜設定することができ、例えば、5〜100μmとすることができる。
前記疎水性領域は、例えば、シリコン表面またはフッ素含有表面を有するものであることができる。
以下に、一例として、基板がシリコン製であり、シリコン表面を有する溝状の疎水性領域を設けたマイクロウェルアレイチップの製造方法を、図15を参照して説明する。
(1)酸化シリコン膜32aが形成されたシリコン基板32b(図15(A))に、例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800(32c)を塗布し、マイクロウェルパターン32dを形成する。この際、マイクロウェルパターンとともに溝状の疎水性領域を設けるためのパターン32eを同時に形成する(図15(B))。
(2)フッ酸などによってパターンから露出した酸化シリコン膜32aを取り除き(図15(C))、必要に応じてフォトレジスト32cは除去する。フッ素系ガスやイオン衝撃を利用したドライエッチング、あるいはアルカリ溶液、フッ硝酸などによるウェットエッチングによってシリコンをエッチングする。このとき、マイクロウェル32fが形成され、同時にパターン32eを作成した部分は、疎水性を有するシリコン表面が露出し、溝状の疎水性領域32gが形成される(図15(D))。
(3)フォトレジストを取り除くと、マイクロウェルを取り囲むようにシリコン表面を有する溝状の疎水性領域が設けられたマイクロウェルアレイチップが得られる(図15(E))。
また、本発明においては、前述のようにシリコン基板自体をウェル形成とともにエッチングすることにより、溝状の疎水性領域が設けられたマイクウェルアレイチップを得ることもでき、酸化膜をエッチングしてシリコン表面を露出することで溝状の疎水性領域が設けられたマイクロウェルアレイチップを得ることもできる。以下、そのようなマイクロウェルアレイチップの作製方法の一例を、図16を参照して説明する。
(1)酸化シリコン膜42aが形成されたシリコン基板42b(図16(A))に、例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800(42c)を塗布し、溝状の疎水性領域を設けるためのパターン42eを形成する(図16(B))。
(2)フッ酸などによってパターンから露出した酸化シリコン膜42aを取り除き、シリコンを露出させる(図16(C))。ここで、いったんフォトレジストを取り除く。
(3)もう一度同シリコン基板表面上にフォトレジストを塗布し、マイクロウェルパターン42dを形成する(図16(D))。形成されたパターンより露出した酸化シリコン膜は、フッ酸などによって取り除く。
(4)フッ素系ガスやイオン衝撃を利用したドライエッチング、あるいはアルカリ溶液、フッ硝酸などによるウェットエッチングによってシリコンをエッチングする(図16(E))。
(5)フォトレジストを取り除くと、マイクロウェルを取り囲むようにシリコン表面を有する溝状の疎水性領域が設けられたマイクロウェルアレイチップが得られる(図16(F))。
また、前記疎水性領域は、フッ素含有表面を有するものであることもできる。フッ素含有表面としては、フロロカーボン表面、炭素、フッ素、水素等により構成されるフッ素樹脂表面、フロロシリコン表面等を挙げることができる。フッ素含有表面を有する疎水性領域は、フッ素系撥水剤を、例えばスタンプや印刷によって塗布する方法、基板上に例えばエッチングにより溝を設けてその溝にフッ素系撥水剤を流し込む方法によって設けることができ、または、インクジェット法、スプレイコーティング法によって設けることもできる。また、前記疎水性領域は、パリレンに代表されるポリパラキシリレン樹脂やシリコーン樹脂を用いて設けることもできる。これにより、金属製または樹脂製の基板上にも、疎水性領域を設けることができる。
マーカーの使用方法
蛍光検出器において使用される励起光を、反射構造や凹凸形状表面で乱反射させる。検出器には通常目的とする蛍光波長以外を取り除くバンドパスフィルターが取り付けられている為、チップ表面で全反射した励起光は検出器には入射しない。しかし、乱反射した光は、初段のバンドパスフィルター的な性能を持つミラーを反射して検出器まで到達することが可能になる。そこで、後段にある検出器前のバンドパスフィルターを標識認識の際に取り外すことで乱反射光が検出器までに入射する。標識パターン形状は、凸よりも凹形状のものが認識性に優れる。
[第二の態様]
以下、本発明の第二の態様について説明する。
マイクロウェルアレイチップ
本発明の第二の態様のマイクロウェルアレイチップは、基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルの開口部に、開口部を狭めるように突起部を有する。
前記突起部は、基板表面に設けられた膜が前記開口部に突出するように形成されていることができる。但し、前記突起部は、この態様に限定されるものではない。前記突起部は、基板表面に設けられた膜が前記開口部に突出するように形成されている態様について、図7に基づいて以下に説明する。
図7の(A)及び(B)は、基板11の表面に膜12が設けられ、さらにマイクロウェル13を有するアレイチップの平面図及び側面断面図である。マイクロウェル3の開口部13aには突起部は存在しない。
それに対して、図7の(C)、(D)及び(E)は、基板11の表面に膜12’が設けられ、さらにマイクロウェル13を有するアレイチップの平面図、側面断面図及び斜視図である。マイクロウェル13の開口部13aには、膜12’の一部で形成される突起部14が存在する。
また、図8の(A)、(B)及び(C)には、図7とは別の第二の態様のマイクロウェルアレイチップの態様を示す平面図、側面断面図及び斜視図を示す。図8の(A)、(B)及び(C)は、基板11の表面に膜12’’が設けられ、さらにマイクロウェル13を有するアレイチップであって、マイクロウェル13の開口部13aには、膜12’’の一部で形成される突起部14’が存在する。突起部14’で形成される開口の形状が、図7の(E)(四角形)と異なり、円形である。
突起部により形成される開口の形状は、図7の突起部14及び図8の突起部14’以外の形状であっても良い。また、突起部により形成される開口の大きさは、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞が通過し得る大きさであることが適当である。
さらに図9には、マイクロウェルの形状が異なる第二の態様のマイクロウェルアレイチップの態様を示す側面断面図を示す。
図9(C)は、上記図7及び8と同様の態様であり、マイクロウェルは逆四角錐状であるのに対して、図9(D)のマイクロウェルは方形であり、図9(E)のマイクロウェルは半球形である。但し、マイクロウェルの形状には特に制限はなく、これら以外の形状であっても良い。
マイクロウェルの形状や寸法には特に制限はないが、マイクロウェルの形状は、例えば、円筒形であることができ、円筒形以外に、複数の面により構成される多面体(例えば、直方体、六角柱、八角柱等)、逆円錐形、逆角錐形(逆三角錐形、逆四角錐形、逆五角錐形、逆六角錐形、七角以上の逆多角錐形)等であることもでき、これらの形状の二つ以上を組み合わせた形状であることもできる。例えば、一部が円筒形であり、残りが逆円錐形であることができる。また、逆円錐形、逆角錐形の場合、底面がマイクロウェルの開口となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状である(その場合、マイクロウェルの底部は平坦になる)こともできる。円筒形、直方体は、マイクロウェルの底部は通常、平坦であるが、曲面(凸面や凹面)とすることもできる。マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
マイクロウェルの形状や寸法は、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞の種類(生体細胞の形状や寸法等)を考慮して、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が格納されるように、適宜決定される。
1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が格納されるようにするためには、例えば、マイクロウェルの開口部に設けられた突起により形成される開口の平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
また、マイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
マイクロウェルが円筒形の場合、その寸法は、例えば、直径3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、直径は4〜15μmである。また、深さは、例えば、3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、深さは4〜40μmであることができる。但し、マイクロウェルの寸法は、上述のように、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径とのマイクロウェルの寸法の好適な比を考慮して適宜決定する。
1つのマイクロウェルアレイチップが有するマイクロウェルの数は、特に制限はないが、生体細胞がリンパ球の場合、抗原特異的リンパ球の頻度が10個に1個から多い場合には約500個であるという観点から、1cm当たり、例えば、2,000〜1,000,000個の範囲であることができる。
前述の第一の態様と同様に、第二の態様においても、マイクロウェルの内壁表面形状は、細胞をスムーズに取り出すために平滑であることが好ましい。その詳細については、先に第一の態様について述べた通りである。
第二の態様のマイクロウェルアレイチップを構成する基板は、例えば、シリコン、金属または樹脂製であることができる。但し、シリコン製であることで、現在半導体集積回路制作技術の主流であるシリコン加工技術をそのまま応用することが可能であり、特に微細加工性、量産性、将来のセンサーを含む分析回路との集積化という意味で他の材料より優れている。
基板を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、クロム、チタン等を挙げることができる。
基板を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
また、基板表面に設けられた膜は、例えば、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層、金属膜または樹脂膜であることができる。
酸化膜としては例えば、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜を挙げることができる。
窒化膜として窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化チタン膜を挙げることができる。
不純物拡散層として、シリコン基板表面に高濃度にボロンを分布させたものを挙げることができる。
金属膜としては、例えば、アルミニウム、金、白金、ステンレス、銅、ニッケル、クロム、チタン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム等を挙げることができる。
樹脂膜としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
基板表面に設けられる膜の厚みは、特に制限はないが、例えば、100nmから5μmの範囲である。好ましくは、300nmから1μmの範囲である。
基板がシリコン製である場合、基板表面に設けられる膜の種類は、現在主流の集積回路製造技術をそのまま応用可能であり、量産性、低コスト化、信頼性という観点からは、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層であることが好ましい。
また、基板がシリコン製の場合、フォトリソグラフィの応用や、エッチング選択性、量産性などという観点からは、基板表面に設けられる膜は樹脂製であることが好ましい。
また、基板がシリコン製の場合、フォトリソグラフィの応用や、センサとの複合化、膜の耐久性、量産性などという点からは、基板表面に設けられる膜は金属製であることが好ましい。
基板が金属製の場合、エッチング選択性や、膜の耐熱性、耐久性などの向上という観点からは、基板表面に設けられる膜は金属製であることが好ましい。
また、基板が金属製の場合、フォトリソグラフィの応用や、エッチング選択性などという観点からは、基板表面に設けられる膜は樹脂製であることが好ましい。
基板が金属製の場合、成膜の容易性、膜の耐久性や密着性などの観点からは、基板表面に設けられる膜は酸化膜、窒化膜等であることが好ましい。
基板が樹脂製の場合、低コスト化や公知である様々な成形、加工技術を利用し製造できるという観点からは、基板表面に設けられる膜は樹脂製であることが好ましい。
基板が樹脂製の場合、膜の機能性、加工性、耐久性などの観点からは、基板表面に設けられる膜は金属製であることが好ましい。
マイクロウェルアレイチップの製造方法
第二の態様のマイクロウェルアレイチップは、例えば、以下の方法により製造することができる。
基板の少なくとも一方の主表面に膜を形成する工程、
形成した膜の上に、レジストを塗布する工程、
前記レジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介して露光し、レジストの非硬化部分を除去する工程、
前記膜及び基板の露出部をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける工程、及び
レジストを除去する工程、
を含む、本発明の第二の態様のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
以下に、基板がシリコン製の場合について説明する。
(1)洗浄したシリコン基板表面上に熱CVD、CVD等の方法によって酸化膜等の薄膜を形成する。
(2)形成した薄膜の上に、レジストを塗布する。
(3)レジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介して露光し、レジストの非硬化部分を除去する。即ち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、シリコン表面を露出させる。
(4)膜及び基板の露出部をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける。エッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドライドなど)を用いて行うことができる。このとき、エッチングは基板厚み方向と、薄膜下方向に向かって進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(5)レジストを除去し、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、基板が金属製の場合について説明する。
(1)洗浄した金属基板表面上に、樹脂、あるいは基板とエッチング選択性のある金属薄膜を形成するか、あるいは金属基板表面を酸化処理、窒化処理をして薄膜形成をする。
(2)形成した薄膜の上にフォトレジストを塗布する。
(3)フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するフォトマスクを介して露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、基板表面を露出させる。
(4)基板の露出した部分をエッチングなどの方法でマイクロウェルアレイ形状に穴を開ける。このとき、エッチング手段は適宜選択する。
(5)ここで、底部方向へエッチングが進むとともに薄膜直下横方向も若干エッチングされるので、庇構造が形成される。
(6)フォトレジストを取り除くと、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、基板が樹脂製の場合について説明する。
(1)洗浄した樹脂基板上に、樹脂、あるいは金属薄膜を形成、あるいは樹脂表面を耐性向上させる様な改質処理する。その改質処理は例えば、UV処理や、改質材料の注入などである。
(2)形成した薄膜の上にフォトレジストを塗布する。
(3)フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するフォトマスクを介して露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、基板表面を露出させる。
(4)基板の露出した部分を溶解などによる方法でマイクロウェルアレイ形状に穴を開ける。このとき、エッチングに使う溶液は適宜選択する。あるいは、基板自身が、フォトリソグラフィ可能であれば、例えば、マイクロウェルパターンの金属薄膜をマスクとして、UV露光、露光部分を除去することも可能である。このとき、ウェルの深さは、UV露光量によって制御できる。
(5)ここで、底部方向へ溶解が進むとともに薄膜直下横方向も若干エッチングされるので、庇構造が形成される。
(6)フォトレジストを取り除くと、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、シリコン基板においてその表面に酸化膜を設けた場合について説明する。
(1)洗浄したシリコン基板上に熱酸化、熱CVD、プラズマCVD等の方法によって酸化膜(酸化シリコン膜等)を形成する。
(2)形成した薄膜の上に、フォトレジストを塗布する。
(3)フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介してUV露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、シリコン表面を露出させる。フォトレジストは除去する。
(4)基板の露出部分をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける。エッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドライドなど)を用いて行うことができる。この時、エッチングは基板厚み方向と、薄膜直下横方向に進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(5)これにより、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、シリコン基板においてその表面に金属薄膜を設けた場合について説明する。
(1)シリコン基板上に、CVD、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、電子線蒸着などにより金属薄膜を形成する。
(2)形成した薄膜の上に、フォトレジストを塗布する。
(3)フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介してUV露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、シリコン表面を露出させる。このとき、パターンを形成するために薄膜をエッチングするための方法は適宜選択する。例えば、アルミニウムの場合は、リン酸+硝酸+酢酸+水の混酸を使用する。ここで必要な場合は、フォトレジストを取り除く。
(4)基板の露出部分をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける。エッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液などを用いて行うことができる。エッチング溶液等は、適宜選択する。例えば、アルミニウム薄膜による構造を作製する場合は、シリコンエッチングして、アルミニウムをエッチングしないエッチング溶液(例えば、ヒドラジン水和物を選択する。ヒドラジンは大部分の金属を侵さない)を用いる。この時、エッチングは基板厚み方向と、薄膜直下横方向に進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(5)これにより、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、シリコン基板においてその表面に樹脂薄膜を設けた場合について説明する。
(1)洗浄したシリコン基板上に、CVD、塗布、ディッピングなどの方法により、樹脂薄膜を形成する。
(2)形成した薄膜上にフォトレジストを塗布する。フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介してUV露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、シリコン表面を露出させる。このとき、パターンを形成するために樹脂薄膜を除去するための方法は適宜選択する。例えば、感光性ポリイミド薄膜を用いた場合、塗布形成された樹脂薄膜そのものがパターン形成能力を持つので、フォトレジスト塗布工程を省き、露光現像のみの工程で樹脂薄膜の加工が可能である。
(3)基板の露出部分をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける。エッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液などを用いて行うことができる。エッチング溶液は、適宜選択する。例えば、ポリイミド薄膜の場合は、ヒドラジン水和物、エチレンジアミンピロカテコールを選択することができる。この時、エッチングは基板厚み方向と、薄膜直下横方向に進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(4)これにより、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、シリコン基板においてその表面に窒化シリコン膜を設けた場合について説明する。
(1)洗浄したシリコン基板上に、CVD、スパッタ蒸着等の方法により、窒化シリコン薄膜を形成する。
(2)形成した薄膜の上に、フォトレジストを塗布する。
(3)フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介してUV露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、シリコン表面を露出させる。フォトレジストを除去する。
(4)基板の露出部分をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける。エッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドライドなど)を用いて行うことができる。この時、エッチングは基板厚み方向と、薄膜直下横方向に進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(5)これにより、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
次に、シリコン基板においてその表面に不純物拡散膜を設けた場合について説明する。
(1)洗浄したシリコン基板上に、フォトレジストを塗布する。
フォトレジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介してUV露光し、フォトレジストの未硬化部分を除去する。すなわち、フォトリソグラフィにより、薄膜上にマイクロウェルパターンを形成し、ウェルパターン部分以外のシリコン表面を露出させる。
(2)基板を洗浄して、熱拡散法、イオン打ち込みなどの方法によって、シリコンが露出した部分にボロンを高濃度に(〜1020/cm程度)拡散する。拡散源は、ボロン以外にゲルマニウム、シリコンゲルマニウムなどでもよい。拡散を深くするための熱処理(ドライブイン)によって拡散層厚を制御することができる。この際、熱処理炉に酸素を導入して表面に酸化シリコン膜を形成する。
(3)ウェルのエッチングは、例えば、アルカリエッチング溶液(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウ厶ハイドライドなど)を用いて行うことができる。この時、ボロンを未拡散のシリコン表面はエッチングされやすいが、ボロンが高濃度に拡散されたシリコン表面はエッチングされにくい。よってエッチングは、ボロンを拡散していないウェルパターン部分に対して選択的に進む。またエッチングは基板厚み方向と、薄膜直下横方向に進む。ここで規定時間以上のエッチングを行うと、シリコン基板に形成されたマイクロウェルの入り口に、薄膜の庇状の突起が形成される。
(4)これにより、第二の態様のマイクロウェルアレイチップが得られる。
更に、第二の態様のマイクロウェルアレイチップは、複数個のマイクロウェルを有する主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有することもできる。前記領域の詳細については、先に第一の態様について述べた通りである。
[第三の態様]
以下、本発明の第三の態様について説明する。
マイクロウェルアレイチップ
本発明の第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体生体細胞を格納して用いられるシリコン製のマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有する。
上記被検体生体細胞は、例えば、リンパ球であることができ、本発明のマイクロウェルアレイチップは、例えば、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いることができる。
マイクロウェルの形状や寸法には特に制限はないが、マイクロウェルの形状は、例えば、円筒形であることができ、円筒形以外に、複数の面により構成される多面体(例えば、直方体、六角柱、八角柱等)、逆円錐形、逆角錐形(逆三角錐形、逆四角錐形、逆五角錐形、逆六角錐形、七角以上の逆多角錐形)等であることもでき、これらの形状の二つ以上を組み合わせた形状であることもできる。例えば、一部が円筒形であり、残りが逆円錐形であることができる。また、逆円錐形、逆角錐形の場合、底面がマイクロウェルの開口となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状である(その場合、マイクロウェルの底部は平坦になる)こともできる。円筒形、直方体は、マイクロウェルの底部は通常、平坦であるが、曲面(凸面や凹面)とすることもできる。マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
マイクロウェルの形状や寸法は、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞の種類(生体細胞の形状や寸法等)を考慮して、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が格納されるように、適宜決定される。
1つのマイクロウェルに1つの生体細胞が絡納されるようにするためには、例えば、マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
また、マイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲、好ましくは0.8〜1.9倍の範囲、より好ましくは0.8〜1.8倍の範囲であることが適当である。
マイクロウェルが円筒形の場合、その寸法は、例えば、直径3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、直径は4〜15μmである。また、深さは、例えば、3〜100μmであることができ、生体細胞がBリンパ球の場合、好ましくは、深さは4〜40μmであることができる。但し、マイクロウェルの寸法は、上述のように、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径とのマイクロウェルの寸法の好適な比を考慮して適宜決定する。
1つのマイクロウェルアレイチップが有するマイクロウェルの数は、特に制限はないが、生体細胞がリンパ球の場合、抗原特異的リンパ球の頻度が10個に1個から多い場合には約500個であるという観点から、1cm当たり、例えば、2,000〜1,000,000個の範囲であることができる。
前述の第一および第二の態様と同様に、第三の態様においても、マイクロウェルの内壁表面形状も、細胞をスムーズに取り出すために平滑であることが好ましい。その詳細については、先に第一の態様について述べた通りである。
本発明の第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、シリコン製である。シリコン製であることで、現在半導体集積回路制作技術の主流であるシリコン加工技術をそのまま応用することが可能であり、特に微細加工性、量産性、将来のセンサーを含めた分析回路等との集積化という意味で他の材料より優れている。
さらに第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、シリコン製であって、基板表面は酸化シリコン膜で被覆されていることが、チップ表面の親水性、膜の安定性、量産性という観点から好ましい。シリコン表面は、通常、疎水性であり、細胞懸濁液を播種した際に、細胞懸濁液をはじく性質が有り、マイクロウェルへの生物細胞の格納が妨げられる場合がある。従って、酸化シリコン膜は、シリコンよりは親水性であり、かつ安定した膜であるという観点から好ましい。
さらに、第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、マイクロウェルの内面がフロロカーボン膜または酸化シリコン膜で被覆されていることが好ましい。
マイクロウェルの内面が、フロロカーボン膜または酸化シリコン膜のような不活性で排他的な表面を形成することで、生体細胞の接着を防ぐことができ、マイクロウェルからの生体細胞の回収が容易になるので好ましい。
即ち、マイクロウェルなどで生体細胞を扱う場合、マイクロウェル内部での生体細胞の接着が問題となる。特に、マイクロウェル内の生体細胞をマイクロウェルから回収する際に生体細胞の接着は大きな問題である。この問題を解決するために、本発明では、生体細胞が接触するウェル内部に、フロロカーボン膜または酸化シリコン膜のような膜を形成することが好ましい。
フロロカーボン膜は撥水性を有する膜であり、撥水性膜の形成は、ウェル内部のみであることが好ましく、マイクロウェルアレイチップのウェル以外の表面は、前述のように酸化シリコン膜(酸化シリコン膜)であることが好ましい。
また、酸化シリコン膜は、フロロカーボン膜のような撥水性は示さないが、生体細胞の接着を防止できる効果を有している。特に、乾燥酸素による高温熱酸化法で作製した酸化シリコン膜は、膜が緻密であり、フロロカーボン膜のような水玉ができる程の撥水性は示さないが、親水性と疎水性の中間の性質を示す。
通常、生体細胞は、溶液に分散させて取り扱うため、マイクロウェルアレイチップ全体が撥水性または疎水性の表面を有するとウェルへの生体細胞の格納が困難になる傾向がある。そのため、本発明では、ウェル以外の表面は酸化シリコン膜を被覆し、ウェル内部だけに選択的にフロロカーボン膜または酸化シリコン膜を形成すること好ましい。
但し、通常の表面処理方法でフロロカーボン膜を形成する場合、ウェルの作製後に、膜形成をおこなう。そのため基板全体がフロロカーボン膜で覆われ、基板表面も撥水性となってしまう。そこで本発明では、以下の方法を採用する。この方法については、シリコン基板を用いたマイクロウェルアレイチップを例にとって説明する。
シリコン基板にフォトリソグラフィによってマイクロウェルパターンを形成する。このときのフォトレジストハードニング温度は100℃以下でおこなう。次にドライエッチング用真空装置によって、マイクロウェルを形成する。マイクロウェルが作製されたことを確認したら、真空装置内にCF系のガスを導入し、プラズマCVDを行う。なお、プラズマCVDはエッチング装置をそのまま使用しても、また別筐体のCVD装置で行ってもよい。数分間成膜したら、基板を真空装置より取り出し、メタノール、アセトンなどの有機溶剤に浸漬する。これによりマイクロウェルパターンマスクとともにその上のフロロカーボン膜もリフトオフされ、マイクロウェル内壁にのみフロロカーボン膜が残される。エッチングと成膜工程は、ガス種を変更するだけで同じ装置で対応が可能である。
フロロカーボン膜の代りにウェル内面を、前述のように、シリコン酸化膜で被覆しても良い。フロロカーボン膜の代りにウェル内面をシリコン酸化膜で被覆しても、ウェルからの生体細胞の回収率の改善効果は得られる。
ウェル内面をシリコン酸化膜で被覆する方法について以下に説明する。
この場合、ウェルパターン形成後にフォトレジストを除去し、熱酸化膜等を形成すれば、ウェル内面をシリコン酸化膜で被覆したマイクロウェルアレイチップが得られる。
また、フロロカーボン膜またはシリコン酸化膜の代りに、ウェル内部にポーラスシリコンを形成することによっても、ウェル内面への生体細胞の接着抑制効果を持つマイクロウェルアレイチップが得られる。ポーラスシリコンは、ウェル内面を陽極化成などの方法で作製することができる。
フロロカーボン膜、シリコン酸化膜、ポーラスシリコン以外にも、本発明のマイクロウェルアレイチップに、活性なシリコン表面を抑える処理を施すか、または膜を形成することもできる。
更に、第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、複数個のマイクロウェルを有する面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有することもできる。前記疎水性領域の詳細については、先に第一の態様について述べた通りである。また、先に述べたように、第三の態様のマイクロウェルアレイチップにおいて、マイクロウェル内面をフロロカーボン膜で被覆する際に、前記領域も併せてフロロカーボン膜で被覆することで、疎水性領域を形成することもできる。
[実施例1]
(蛍光マーカー)
図1は本発明の第一の態様に係るデバイスの実施形態例である。
図1は、シリコン材料などの基板上面1aに多数のマイクロウェル1bが形成されたマイクロウェルアレイチップである。マイクロウェル1bは、位置認識を容易にするために適当な数(たとえば10×10:100ヶ)単位でクラスター1cを形成している。本マイクロウェルアレイチップの用途の一つとして、各ウェルに蛍光体を付加した評価対象物を導入、その蛍光発光の確認がある。この際、蛍光顕微鏡、蛍光スキャナーなどによる観察は蛍光波長に準じた仕様で行われるため、蛍光発光しないものは観察することができない。そこで、図1に示すように各クラスター間に蛍光物質による微小なマーカー1dが形成されている。
本マーカーの作製方法は以下の通り(図2)である。
例として、シリコン材料などの基板に形成されるマイクロウェルについてその作製方法を2通り示す。
マーカー作製法(I)
(1)酸化シリコン膜2aのついたシリコン基板2b(図2(I)(A))に例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800を塗布し、マーカーパターン2cを基板上に形成する(図2(I)(B))。
(2)熱架橋などによるフォトレジストの耐薬品性向上の為に、180℃で30分間、基板をハードニングするなどの処理を行う。
(3)もう一度、フォトレジスト2dを塗布してマイクロウェルを作製するために必要な開口パターン2eをシリコン基板2b上に形成する(図2(I)(C)及び(D))。このとき、現像後のハードニングは100〜110℃程度の低温で行う。
(4)フッ酸で開口部の酸化シリコン膜2aを取り除き、シリコンを露出させる。
(5)ドライエッチング法などによってシリコン基板2bをエッチングし、マイクロウェル2fを作製する(図2(I)(E))。
(6)(3)で塗布したフォトレジスト2dをメタノール、アセトン等で取り除き、第一の態様のマイクロウェルアレイチップを得た(図2(I)(F))。
マーカー作製法(II)
(1)酸化シリコン膜2aのついたシリコン基板2b(図2(II)(A))に例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800を塗布し、マーカーパターン2cを基板上に形成する(図2(II)(B))。
(2)熱架橋などによるフォトレジストの耐薬品性向上の為に、180℃で30分間、基板をアニールするなどの処理を行う。
(3)もう一度、フォトレジスト2dを塗布してマイクロウェルを作製するために必要な開口パターン2eをシリコン基板2b上に形成する(図2(II)(C)及び(D))。このとき、現像後の熱処理は100〜110℃程度の低温で行う。
(4)フッ酸で開口部の酸化シリコン膜2aを取り除き、シリコンを露出させる(図2(II)(E))。
(5)ここでウェルパターンを形成するフォトレジストをアセトン等の有機溶剤で取り除く。
(6)シリコン基板2b上の酸化シリコン膜2aをマスクとして、ドライエッチング法などの方法によりシリコン基板2bをエッチングし、マイクロウェル2fを作製することにより、第一の態様のマイクロウェルアレイチップを得た(図2(II)(F))。
なお、マーカー作製法(II)によれば、ウェル形成後のフォトレジスト除去の際に、ドライエッチング工程でフォトレジストが変性し、取り除くことが困難になるようなことはない。また、形成されたシリコン基板表面はプラズマ効果によりそのままの状態で、超親水性表面が得られるようになる。
以上の工程によって図2の様な形状が容易に作製可能である。マーカー2cのパターンはデザイン、記号、文字等自由に選択することが可能である。また、マーカー以外にマイクロチップ上に情報等を表示することも可能である。
[実施例2]
(反射マーカー)
図3はシリコン基板3a上に凹凸を形成してその散乱光を上記同様蛍光顕微鏡、蛍光スキャナーによって観察可能にする反射マーカー3dの実施形態である。シリコン基板3a上に多数配列されたマイクロウェル3bのクラスターの位置認識等のマーカー等に使用される。基板上にエッチングなどによって凹み3eを作製することで、蛍光励起光を凹みで乱反射させ観察装置へ導入することでその凹み位置を認識できるようにするものである。
図4にその原理を示す。図左側の様な凹凸等、何も無い基板4a表面に当たった場合は、全面反射により観察装置への励起光の入射はない。しかし、右側のように凹み4bにより、励起光を放射状に散乱させると観察装置の光学系に反射光が入射し認識できるようになる。
励起光を放射状に散乱させるという観点からは、凹み4bの底部は、逆ピラミッド状であることが好ましい。
反射マーカーを有するマイクロウェルアレイチップの製造例を、基板をシリコンとした場合について、図5及び6に基づいて説明する。
(1)酸化シリコン膜5aのついたシリコン基板5b(図5(A))に例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800(5c)を塗布し、マーカーパターン5dを基板上に形成する(図5(B))。
(2)フッ酸によってフォトレジスト5cから開口している酸化シリコン膜5aを取りのぞき、シリコンを露出させる(図5(C))。
(3)フォトレジスト5cを取り除き、シリコン基板5bを水酸化テトラメチルアンモニウムや水酸化カリウムなどのアルカリエッチャントに浸積して異方性エッチングをおこない、凹み構造5eを作製する(図5(D))。この時点で本発明によるマーカーは完成する。この後、マイクロウェルアレイ構造を作製する。
(4)ここで必要な場合は、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等のマスク薄膜を再度基板5b表面に追加形成する(図6(A))。
(5)再びフォトレジスト5fを塗布して(図6(B))、マイクロウェルパターン5gを形成し、開口部の酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜等をエッチャントで取り除きシリコンを露出させる(図6(C))。
(6)必要に応じてフォトレジスト5fを取り除き、ドライエッチング、ウェットエッチングによってマイクロウェル5hを作製する(図6(D))。
(7)必要があれば、フォトレジスト5fを取り除き、第一の態様のマイクロウェルアレイチップを得た(図6(E))。
[実施例3](庇構造実施例)
図7に本発明の第二の態様によって作製されたマイクロウェル構造を示す。
本構造は半導体基板、樹脂基板などとの加工時における上面薄膜との材料加工容易さの選択性があれば実現できる。(100)面シリコン基板11表面上に形成されるマイクロウェル13は、開口径、深さともに数ミクロン〜数十ミクロンである。ウェルが形成されていない表面は酸化膜や、金属等の薄膜層12’に覆われている。基板をエッチングすることで形成されるウェルの開口部13aには、薄膜層12’による庇状の突起部14が付属している。薄膜層12’の厚みは、数百ナノメーターから数ミクロンで形成時に制御されている。薄膜層12’によって形成される庇状の突起部14はマイクロウェル13をエッチング形成する際に、薄膜層12’があまりエッチングされずかつ、基板に対しても薄膜層12’の下部までエッチングするようなエッチング手法によって実現される。
本実施例では、例えば代表的な半導体基板であるシリコンを用いてその作製過程を図9において説明する。
(1)(100)シリコン基板11を熱酸化し、表面に〜数μm程度の薄膜層12を形成する。[図9(A)]
(2)フォトリソグラフィ工程にて、ウェルパターン15をシリコン基板11に転写、ウェル部分のみシリコンを露出させる。[図9(B)]
(3)水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(90℃、25%)中に、シリコンを数十分間浸積させエッチングを行う。エッチング時間は、所望のウェルの深さdと庇の大きさwによって決定される。[図8(B)]
(4)規定の時間エッチングしたら、エッチング溶液よりシリコン基板を取り出す。
以上の工程を経て図9(C)の構造が形成可能である。ここで用いられた水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液は、酸化膜のエッチングが遅くウェル側面方向のエッチングがすすむ為、酸化膜下の中空構造を可能にする。
また、第二の態様のマイクロウェルアレイチップは、図9(D)及び(E)の構造の物であってもよい。図9(D)及び(E)の構造のマイクロウェルを有するアレイチップは、上記方法を以下のように変更することで形成できる。
例えば、シリコン基板を選択した場合、図9(D)は、RIEドライエッチングや、基板面方位やウェルパターンを適宜選択することで実現される。例えば、基板面方位を(100)や(110)、(111)面とし、基板表面に対して垂直なエッチング面が現れるようなパターン形状を選択することで可能である。図9(E)は、等方性エッチング特性を示すエッチング方法によって実現される。例えば、通常のドライエッチングやフッ酸と硝酸の混合液によるエッチングでは、シリコンは等方的にエッチングされるため、本発明の第二の態様の構造が容易に得られる。
なお、薄膜層は酸化膜に限らず、高濃度不純物拡散されたシリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、金属薄膜、樹脂等などへの変更が可能である。また、エッチングはウェットエッチング、ドライエッチング等のいずれでもかまわない。ウェットエッチングにおいては、基板を一括にて処理することが可能であるので、製品量産効率が優れている。
上記方法で得られるマイクロウェルアレイチップの各寸法(図10に示す)を表1に記載のように変更したときのマイクロウェルアレイチップアレイ率(充填率)を評価した。結果を表1に示す。播種した細胞濃度は10cells/μLである。
細胞アレイ率(充填率)評価方法
1. マウスからリンパ球を採取する。このとき、得られる細胞の濃度は、1マイクロリッターあたり10〜10細胞(10〜10cells/μl)である。細胞は保存するために、HBSS(Hanks’balanced salt solution)に入れておく。
2. 各細胞に蛍光染色を行う。各細胞を、測定に使用する蛍光スキャナーの励起波長(532nm)に対して蛍光を発するCellTracker Orangeで染色を行う。
3. 染色した細胞をマイクロピペットでシリコンチップ上に播種する。播種は3回繰り返し、最後にウェルに入らなかった細胞を洗浄によって取り除く。
4. チップが乾燥しないようにカバーグラスで覆い、マイクロアレイスキャナーにて蛍光強度を読みとる。
5. チップ上の4500ウェルを選択し、そのうち蛍光発光しているウェルの数を数える。アレイ率(充填率)は以下の式で算出する。
アレイ率(充填率)=(蛍光を発しているウェル数/4500)×100
Figure 2005069001
サンプルA及びBについて、庇及びウェルの寸法の違いによるアレイ(充填)率がどのように変化するか検討した。その結果、細胞が直径8μmのである場合、サンプルBのアレイ(充填)率は、サンプルAのアレイ(充填)率より劣っていた。これは、サンプルBの開口径2rが大きすぎるためであると考えられる。
なお、アレイ(充填)率は、ウェルの深さが深いほど向上するが、サンプルBのように開口が大きいと、アレイ(充填)率が減少する傾向が見られる。よって、ウェルの設計は、その深さ、開口径、庇寸法を適宜選択して行うことが適当である。
[実施例4]
(フロロカーボン膜形成実施例)
図11は、本発明の第三の態様に係るマイクロウェルアレイチップの概略説明図である。
シリコン基板21a表面上にマイクロウェルパターン21bを多数配列し、その各マイクロウェル21bのサイズは数ミクロンから数十ミクロンである。形成された各ウェル側壁には、CxFy系ガスによって形成されたフロロカーボン膜21cが形成されており、表面エネルギー低下効果によって不活性な状態になっている。疎水性を示すフロロカーボン膜21cは、マイクロウェル内部に選択的に成膜されておりシリコン最表面21dには存在しない。これによって、マイクロウェル21bに入った生体細胞Aは容易に接着しにくくなっている。マイクロウェル内部にフロロカーボン膜を設ける効果はマイクロウェルが深い時に特に顕著に表れる。
シリコン基板を使用したマイクロウェルアレイチップの作製工程を図12に示す。
(1)酸化シリコン膜22aが形成されたシリコン基板22bに、例えば東京応化工業(株)ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジストOFPR−800(22c)を塗布し、マイクロウェルパターン22dを形成する。このとき、現像後の熱処理は通常より低温(100から110℃程度)で行う。
(2)プラズマドライエッチング装置にSF6などのシリコンエッチングガスを導入することによって、シリコン基板22bをエッチングしマイクロウェル22eを形成する。
(3)同エッチング装置にCxFy系ガスを導入し、プラズマ成膜を行う。この時点でウェル内部、シリコン基板表面上にフロロカーボン膜22fが形成される。この工程は、プラズマCVD装置などに基板を搬送して同様の処理をしてもよい。
(4)装置から取り出した基板を、メタノールまたはアセトンなどの有機溶剤に浸漬してフォトレジストを取り除く。このときにレジスト上に形成されたフロロカーボン膜も一緒にリフトオフされる。
(5)シリコン基板最表面は酸化シリコン膜22a、ウェル内部が不活性なフロロカーボン膜22fが形成されたマイクロウェルアレイチップが得られる。
上記方法で得られたマイクロウェルアレイチップについて、実施例3と同様の方法でアレイ率(充填率)を評価した。採取率は、下記方法によって評価した。結果を表2に示す。表2には、ウェル内部にフロロカーボン膜が形成されていないマイクロウェルアレイチップの評価結果も示す。いずれのサンプルについても、ウェル径及び深さは同じものを選択した。また、播種した細胞濃度は10cells/μLである。
採取率評価方法
1. 上記細胞アレイ率評価法に基づいて、細胞をマイクロウェルアレイに播種する。
2. 任意複数個(10〜30個程度)のウェルを選び、マイクロマニピュレーターで細胞をウェルから取り出す。このとき、積極的に取り出すような事はせず、各ウェルに対する取り出し条件がばらつかない様に注意する。
3. 任意に選択したウェルの数に対して、細胞が取り出すことのできたウェルの数の割合を採取率として表す。
採取率=(細胞を取り出すことが出来たウェルの数/任意に選択したウェルの数)×100
Figure 2005069001
[実施例5]
ウェル内に酸化膜(酸化シリコン)を有するマイクロウェルアレイチップの作製(図13参照)
(1)酸化シリコン23aが形成されたシリコン基板23bに、例えば東京応化工業(株)ノボラッック樹脂系ポジ型レジストOFPR−800を塗布し、マイクロウェルパターン23dを形成する。
(2)プラズマドライエッチング装置にSF6などのシリコンエッチングガスを導入することによって、シリコン基板23bをエッチングしマイクロウェル23eを形成する。
(3)装置より取り出した基板を硫酸と過酸化水素水の混合液などのレジスト剥離液で、基板上のフォトレジストを取り除く。
(4)いわゆるRCA洗浄であるアンモニア洗浄(アンモニア+過酸化水素水+水)、塩酸洗浄(塩酸+過酸化水素水+水)で基板を洗浄する。
(5)乾燥酸素雰囲気中の熱処理炉に導入して、1100℃で30分間熱酸化処理をおこなう。
(6)温度が下がったら、熱処理炉より取り出す。
(7)ここでシリコン基板表面、ウェル内に酸化膜23fが形成出来、ウェル内に酸化膜(酸化シリコン)を有するマイクロウェルアレイチップが作製できる。
上記方法で得られたマイクロウェルアレイチップについて、前記と同様の方法でアレイ率(充填率)及び採取率を評価した。結果を表3に示す。いずれのサンプルについても、ウェル径及び深さは同じものを選択した。また、播種した細胞濃度は10cells/μLである。
Figure 2005069001
[実施例6]
(平滑化処理)
実施例4での作製において、マイクロウェルアレイチップの内壁に、平滑化処理を施した後にフロロカーボン膜を形成した。平滑化処理は、STS社Multiplex ASEエッチング装置を用いて、エッチング工程と保護膜形成工程のプロセス周期時間を調整することによって行った。このようにして、内壁に高さ0.5μmの凹凸と高さ0.1μmの凹凸を持つ2種類のマイクロウェルアレイチップを作製した。内壁に高さ0.1μmの凹凸を持つマイクロウェルの拡大写真を図17に示す。
上記方法で得られたマイクロウェルアレイチップについて、前記と同様の方法で採取率を評価した。結果を表4に示す。播種した細胞濃度は10cell/μLである。播種直後では、両チップともに採取率に大きな違いはなかった。しかし、播種後1時間を経過すると、平滑化処理により高さ0.5μmの凹凸を設けたチップでは、採取率は0%に低下したのに対し、平滑化処理により高さ0.1μmの凹凸を設けたチップは、播種直後の採取率をほぼ維持していた。これは内壁の凹凸高さを小さくするほうが、時間経過で起こるウェルへの細胞の接着が抑制されることを示している。さらに、内壁の平滑化によって実施例4のコーティングが効率的に機能しているものと考えられる。
Figure 2005069001
[実施例7]
(開口部突起形成)
実施例4での作製において、マイクロウェル開口部に、高さ0.6μmの突起部を形成した。STS社Multiplex ASEエッチング装置を用いて、エッチング初期における当該装置のプロセス周期時間を長くすることによって、所望の高さの突起を形成することができ、更に、突起形成後、プロセス周期時間を調整することで、開口部のみに突起をもつマイクロウェルを作製することができた。開口部に突起を形成したマイクロウェルの拡大写真を図18に示す。
なお、本マイクロウェル作製後に、内壁にフロロカーボン膜を形成することも可能である。さらに、突起を任意の位置に形成することも可能である。突起を形成したい位置で、プロセス周期時間を調整することで、マイクロウェル中間、底面等任意の位置にも作製できる。また、その形状や数量を適宜選択することで、様々な効果を期待できる。
本発明の第一の態様のマイクロウェルアレイチップは、目標となる位置に蛍光物質または反射構造体などのマーカーを有し、このマーカーは位置決めのためのマーカーとして機能し、これにより蛍光顕微鏡などによる位置認識を補助することができる。第一の態様のマイクロウェルアレイチップでは、例えば、蛍光顕微鏡やイメージスキャナーなどによりマイクロウェルの位置を容易に決定でき、その結果、各マイクロウェルに格納された特定の1個の被検体生体細胞、例えば、抗原特異的リンパ球を特定することが容易にできるようになる。その結果、例えば、検出された抗原特異的リンパ球を取り出して、抗原特異的抗体遺伝子やT細胞受容体遺伝子をクローニングすることも可能になる。例えば、抗原特異的抗体遺伝子がクローニングできると、それを用いて大量にヒト型モノクローナル抗体を生産することがでる。この抗体を感染症などの患者へ投与することにより、感染症などの治療、予防に用いることができると考えられる。さらに、第一の態様のマイクロウェルアレイチップを用いることで、血中細胞の分別を行うこともできる。即ち、マイクロウェル径を所定の値に設定することで、血中細胞をマイクロウェル径を超えるものと下回るものに分別することもできる。
本発明の第二の態様によれば、一度ウェル内に入った細胞はウェル上面の突起(庇)に引っかかるため、洗浄時にウェル外へ流失せずウェル内に高い確率で留まることができる。例えば、ウェルが逆ピラミッド構造の場合、庇を形成することでチップ表面及び、ウェル内部の流体分布が変わるため、洗浄などの際に一度入った細胞が流体とともに流れでないようにすることができる。さらに、一度ウェルに入った細胞は、再びウェルの外に出ようとしても庇に引っかかってウェルに留まりやすくなる。
また、ウェルに入った細胞を取り出す際も、ウェル形状を工夫することで吸引の際に生じる細胞とウェル表面の負圧発生を抑えることが可能になる。即ち、ウェル形状を逆ピラミッド構造にすると、稜線部分が圧力抜き機能をもつことになり、細胞を吸引した際に、ウェルと細胞間が真空にならない様にすることができ、細胞の採取を容易にすることができる。
本発明の第三の態様のマイクロウェルアレイチップは、各マイクロウェルがリンパ球のような被検体生体細胞を1個だけ含むことができ、それにより、例えば、抗原特異的リンパ球を1個1個の細胞レベルで特定することが可能になる。即ち、第三の態様のマイクロウェルアレイチップを用いることで、抗原特異的リンパ球の検出においては、マイクロウェルに含まれる被検体リンパ球が1個であることから、抗原に反応する被検体リンパ球を1個の細胞として特定できる。
その結果、例えば、検出された抗原特異的リンパ球を取り出して、抗原特異的抗体遺伝子やT細胞受容体遺伝子をクローニングすることも可能になる。例えば、抗原特異的抗体遺伝子がクローニングできると、それを用いて大量にヒト型モノクローナル抗体を生産することがでる。この抗体を感染症などの患者へ投与することにより、感染症などの治療、予防に用いることができると考えられる。

Claims (32)

  1. 基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、マイクロウェルの開口と同一の基板表面上にマイクロウェルのマーカーを有するマイクロウェルアレイチップ。
  2. 複数個のマイクロウェルは同一間隔で縦横に配置されており、所定個数のマイクロウェル毎にマーカーが設けられている請求項1に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  3. 複数個のマイクロウェルは、所定個数のマイクロウェル毎にグループ分けして基板の主表面上に設けられ、各グループの位置が把握できるようにマーカーが設けられている請求項1または2に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  4. 1つのグループに属するマイクロウェルの数が10〜10000の範囲である請求項3に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  5. マーカーが蛍光材料または反射材料からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  6. マーカーが位置決めのためのマーカーである請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  7. 基板はシリコン、金属または樹脂製である請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  8. 前記マイクロウェルは、円筒形、複数の面により構成される多面体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  9. マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  10. 生体細胞がリンパ球であり、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップである請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  11. 前記主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  12. 前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、請求項11に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  13. 基板の一方の主表面に複数個のマイクロウェルを有し、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルの開口部に、開口部を狭めるように突起部を有するマイクロウェルアレイチップ。
  14. 前記突起部は、基板表面に設けられた膜が前記開口部に突出するように形成されている請求項13に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  15. 前記突起部により形成される開口の大きさは、マイクロウェルに格納されるべき生体細胞が通過し得る大きさである請求項13または14に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  16. 基板がシリコン、金属または樹脂製である請求項13〜15のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  17. 基板表面に設けられた膜が、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層、金属膜または樹脂膜である請求項14〜16のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  18. 基板の少なくとも一方の主表面に膜を形成する工程、
    形成した膜の上に、レジストを塗布する工程、
    前記レジスト面にマイクロウェルパターンを有するマスクを介して露光し、レジストの非硬化部分を除去する工程、
    前記膜及び基板の露出部をエッチングしてマイクロウェルアレイ形状の穴を空ける工程、及び
    レジストを除去する工程、
    を含む請求項13に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
    製造方法。
  19. 基板がシリコン、金属または樹脂製である請求項18に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
  20. 基板表面に設けられた膜が、酸化膜、窒化膜、不純物拡散層、金属膜または樹脂膜である請求項18または19に記載のマイクロウェルアレイチップの製造方法。
  21. 前記主表面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、請求項13〜20のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  22. 前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、請求項21に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  23. 複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体生体細胞を格納して用いられるシリコン製のマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つの生体細胞のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。
  24. 前記マイクロウェルは、円筒形、複数の面により構成される多面体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、請求項23に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  25. マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとする生体細胞の直径の0.5〜4倍の範囲である、請求項23または24に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  26. 生体細胞がリンパ球であり、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップである請求項23〜25のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  27. マイクロウェルの内面がフロロカーボン膜または酸化シリコン膜で被覆されている請求項23〜26のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  28. 1個のマイクロウェルに格納した1個の生体細胞がマイクロウェルから回収されるように用いられる請求項27に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  29. 前記複数個のマイクロウェルを有する面上に、前記複数個のマイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、請求項23〜28のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  30. 前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、請求項29に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  31. 基板の一方の主表面にマイクロウェルを有するマイクロウェルアレイチップであって、前記主表面上に、前記マイクロウェルを取り囲むように設けられた疎水性領域を有する、前記マイクロウェルアレイチップ。
  32. 前記疎水性領域は、シリコン表面またはフッ素含有表面を有する、請求項31に記載のマイクロウェルアレイチップ。
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