JP2013140168A - 生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法 - Google Patents

生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプルからの核酸標的の検出の際に、電場援用ハイブリダイゼーションを行う方法および器具を提供する。
【解決手段】結合表面を規定する誘電物質から形成された誘電結合層を有する、複数の反応セルを提供する工程、該誘電結合層と直接接触する金属電極を設ける工程、核酸捕捉プローブを該誘電結合層に結合する工程、サンプルを該反応セルに添加する工程、及び、該誘電結合層と該サンプルの間に電流を発生させることも電子の移動を起こすこともなく、電位を該金属電極に与えて該誘電結合層中で荷電分離を起こす工程、を含む方法。
【選択図】図2

Description

(発明の分野)
本発明は、生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法に関する。具体的には、本発明は電場援用(field-assisted)核酸ハイブリダイゼーションを用いてDNA配列を検出するための新規器具および方法、ならびにかかる器具の性能を至適化するための方法に関し、さらに本発明は、帯電物質を含むあらゆる生物学的方法において、電場援用ハイブリダイゼーションの用途を広げる。
(発明の背景)
高密度ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)アレイ技術の出現により、ゲノムおよびプロテオミクス(protemics)分析の基本概念が変化した。"ドット・ブロット"から"ガラススライド上のアレイ"に、次いでDNAマイクロアレイ(DNAチップとしても知られている)への移行は、大規模な臨床診断試験行うこと、そして実使用のための実際的なスクリーニング方法によって産業を進化させてきた。十分に知られているように、基体に対して予め決められた配置において、反応部位を有する典型的なマイクロアレイは、反応部位に結合した捕捉フラグメントに相補的な塩基配列を有する標的核酸フラグメントを有するサンプルに暴露された場合に、結合パターンを示す。結合パターンおよび結合効率は、例えば蛍光標識、電流検出またはインピーダンス測定値を包含し得る適当な検出手法を使用する場合に、光学的または電子工学的方法によって検出され得る。
電場援用ハイブリダイゼーションの使用は、DNAを含有する生物サンプル、例えば、血液、血漿、尿などの分析における既知技術である。従来的に、DNA検出用チップは、ガラス、シリカおよび金属を包含する多様な物質の一つから形成される。チップ表面で、多数の電気接触が、既知技術を用いて形成される。生物サンプル中の特定のDNA配列を検出するために、相補的DNAフラグメントを含む捕捉プローブは、慣習的にはアガロースゲルである結合層によってチップ表面に結合される。生物サンプルが標的DNAを含有する場合、標的DNAは、ハイブリダイゼーションにより相補的DNAフラグメントと結合し、様々なイメージング技術を使用して、そのようなハイブリダイゼーション、即ちサンプル中の標的DNAの存在を検出し得る。
米国特許第5605662号 米国特許第6306348号
(従来技術)
核酸フラグメントは、帯電しているので、電極の使用による静電気引力によって特定部位に誘引され、すなわち適当な電流を加えることによってハイブリダイゼーション方法が促進され、従って該検出過程も促進され得る。しかし、電気化学的減成またはサンプルの電気分解に関する危険性が存在するために、核酸フラグメントとの直接接触においては電極を使用できない。従って、通常、US 5605662(特許文献1)および6306348(特許文献2)で知られるように、慣習的に透過/結合層は電極上に被覆されている。通常、該透過/結合層は、多孔性物質、例えばゾル−ゲル物質、多孔性ヒドロゲル物質、多孔性オキシドから製造され、低分子イオンの選択的拡散を可能にするように機能し、捕捉プローブのための結合表面としても機能し得る。核酸フラグメントと電極との直接接触は、多孔性物質の孔サイズが、通常あまりに小さく、比較的大きな核酸フラグメントが通過できないために制限されている。
電圧が、透過/結合層の下の電極に加えられると、従来技術の器具は、サンプルの電気化学的分解なく電気泳動移動効果を提供できる、こうしてハイブリダイゼーションを増強し得る。しかし、電気的に誘導されるハイブリダイゼーションを可能にするためのかかる従来技術には、欠点をもたないものはない。例えば、ヒドロゲルおよびポリマーなどの多孔性物質は、水溶液、様々な化学物質および多数の環境要因との接触下での劣化に対して脆弱である。ゾル−ゲル物質の調製は、費用がかさみ、複雑で、製造コストが高い。さらに、多孔性物質は、本来的にもろく、吸着および望ましくない異物、例えば空気中の吸湿性炭化水素、のトラッピングに影響を受けやすく、器具の寿命を短くさせる。
(発明の要旨)
本発明に従って、少なくとも1つの反応セルを備えた基体を含むサンプル中の標的核酸を検出するための器具が提供される。ここで、該反応セルは核酸捕捉プローブの結合のための誘電物質から形成された結合表面を包含し、そして金属電極が該誘電物質との直接接触を提供する。サンプルは生物物質を含み、該サンプルは排水、溶液または試薬であり得る。サンプルは、生物サンプル、例えば血液、血漿または尿でもあってもよい。
好ましくは、電極は結合表面の下側で提供される、即ち結合表面とは反対の誘電物質側と接触している。考えられるところでは、電極は誘電物質側と接触して、または結合表面それ自身と接触して適用され得る。
本発明の好ましい実施態様において、その誘電物質は、好ましくは酸化物であって、例えばAl23、SiO2およびTa25からなる群から選択され得る。金属電極は、例えばアルミニウムから形成され得る。
本発明の好ましい実施態様において、器具は、第一基底層、該基底層上に形成された第2絶縁層、該絶縁層上に形成され、少なくとも1つの金属電極を明示するパターン化された導電性領域を含んでいる第3層、および少なくとも1つの誘電物質の領域を含む第4層を包含し、ここで第3層中の各金属電極が第4層中の誘電物質の領域によって被覆されている、多層構造を含み得る。好ましくは、第3層のパターン化された導電性領域は、誘電物質から形成された領域によって分けられる。さらに好ましくは、該第4層中の誘電物質の領域は、不動態物質の領域によって分離され、不動態物質の領域は、該反応セルを明示するために誘電物質の領域辺縁部に広がり得る。
もう一つの態様の広い観点からみると、本発明は、生物サンプルからの核酸標的の検出の際に、電場援用ハイブリダイゼーションを行う方法を提供し、この方法は、誘電物質から形成された結合表面を有する反応セルを提供する工程、該誘電物質の下に直接接触にて金属電極を提供する工程、核酸捕捉プローブを該結合表面に結合する工程、サンプルを該反応セルに添加する工程、該電極に対して電位を与える工程を含む。該サンプルは生物物質を含み得、該サンプルは、排水、溶液または試薬であってもよい。該サンプルは、生物サンプル、例えば血液、血漿または尿でもあり得る。
電位は、連続電位として加えられ得るか、徐々に変化し得る電位またはパルス電位であり得る。
もう一つの態様の広い観点からみると、本発明は、誘電物質を反応セル表面として提供する工程および該誘電物質中の電荷分離を誘導することによって電場を発生させる工程を含む生物学的反応を行う場合に、反応セルの表面へ、または反応セルの表面から帯電物を誘引または反発させる方法を提供する。帯電物は核酸分子であり得る。
さらなる別の態様の観点から、本発明は、生物学的分析を行うための反応セルのアレイを形成する方法にも及び、この方法は、絶縁基体上で金属電極をパターン化する工程、該金属電極上に誘電物質の領域を沈着(deposite)させる工程、および該反応セルを明示するように誘電物質の該領域の上部表面の周辺の辺縁を形成する工程を含む。
好ましくは、例えば、該方法は、絶縁表面に金属層を沈着すること、該金属層の所望のパターンをフォトレジストにより被覆すること、そして該金属層の残りをエッチングにより除去すること、該パターン化された金属上に該誘電物質の層を沈着させること(これにより、該誘電物質は、該パターン化された金属を覆い、該パターン化された電極間の領域を占有する)、該誘電物質層の上に不動態層を沈着すること、該不動態層をフォトレジストによりパターン化すること、そして反応セルを明示するために金属電極を覆う誘電物質を開放するために該不動態層を除去することを含み得る。
本発明の幾つかの実施態様は、本明細書中では実施例および添付の図面を参照して説明される:
図1は、本発明の態様に従ってチップを通る断面図である。 図2は、使用中のチップを示す図1と同様の図である。 図3は、本発明の好ましい実施態様の基本原理を示す概略図である。 図4は、実施し得る製造過程における工程を示す。 図5(a)および(b)は、第一試験結果である。 図6(a)および(b)は、第二試験結果である。 図7(a)および(b)は、第三試験結果を示す。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
図1は、サンプルを含む緩衝溶液を受容するための3つのセルを包含する本発明の実施態様の一部を断面で示すものであるが、いかなる数のセルも提供され、それらは通常長方形のアレイに形成されると解される。
本発明の実施態様に関する器具を、従来の沈着技術を用いてシリコン基体上での連続沈着によって製造する。まず、約200nmから500nmの厚さのSiO2から形成した絶縁層(図4(a))を、熱酸化またはあらゆる適当な沈着技術、例えば、スパッタ法、電子ビーム蒸発などを包含するあらゆる適当な技術によってSi基体上に形成する。絶縁層の上部に、再び従来の沈着技術を用いて厚さ約500nmから1000nmのアルミニウム層(図4(b))を形成する。
一旦アルミニウム層を形成すると、それをフォトレジスト層を用いてパターン化し(図4(c))、マスクされていない領域をエッチング(図4(d))により除去し、該フォトレジストを除去する(図4(e))。次いで、チップを、二酸化ケイ素基体上に形成されたアルミニウム領域の間に形成されるAl23を用いて厚さ50-500nmに被覆する(図4(f))。次いで、Si34の不動態層を、例えばプラズマ強化化学蒸着または類似技術によってAl23上に沈着させる(図4(g))。次いで、不動態層をフォトレジストによってパターン化し(図4(h))、その後に不動態層をエッチングし(図4(i))、反応セルの結合表面となるべきAl23範囲を開放する。最後にフォトレジストを除く(図4(j))。
この製造過程の結果が図1の多層構造である。アルミニウムの領域は、二酸化ケイ素の絶縁層上に形成され、これらのアルミニウム領域はAl23によって分けられる。アルミニウムおよびAl23層の上部に形成されるのは、アルミニウムの領域の上に位置し、下側のアルミニウム領域を分けているAl23領域を覆う不動態物質Si34によって、互いに分けられたAl23の領域を含む層である。不動態物質は、分析のために配置された生物サンプルのための表面を明示するようにAl23上部の辺縁を覆うように広がる。
このように、図1に示された例において、チップは、3つのセル1-3で形成され、各々Al23と下部にあるアルミニウムのパッドから形成されていると理解されるであろう。アルミニウム領域がエッチングによって形成される場合、図1に示していないが、電位をアルミニウム領域に加えることができる電子回路も形成され得る。
図1のチップが製造されると、数多くの生物試験およびアッセイの基礎として使用することができる。特に、図1中の各セル1-3は、図2に示したように適当な捕捉プローブを提供され得る。実施される試験によっては、各セルは、同じ捕捉プローブまたは異なる捕捉プローブを提供されてもよく、該捕捉プローブは、この試験またはアッセイが探査しているサンプル中のフラグメントに相補的である核酸フラグメントを有する。図2の例では、セル1-3は全て同一であり、全ての3つのセルを覆うように、緩衝溶液を含む一滴のサンプルを添加する。
当業者には理解されるであろうが、サンプルが捕捉プローブに相補的である核酸のフラグメントを含有する場合、それらをハイブリダイゼーションの過程によって捕捉プローブと結合させ、これを既知の技術によって検出し得る。核酸フラグメントが帯電しているので、このハイブリダイゼーションは、結合表面および捕捉プローブに対する所望の核酸フラグメントを誘引する電場が提供されることによって増強され得る。これを為し得る機構を、図3に示す。
具体的には、図3に示したように、電位が、セルの下にあるアルミニウム電極に加えられれば、Al23が誘電物質であるため、電荷分離がAl23内で起こり、この極性はAl23の下のアルミニウム電極に加えられた電圧の極性に依存するだろう。図3の左側に示したとおり、正電位をアルミニウム電極に加えれば、次いでAl23の上部表面もまた、負に帯電したフラグメントを誘引する正電位を有し、正に帯電したフラグメントを反発する。逆に、負電位をアルミニウム電極に加えれば、次いでAl23の上部表面も、図3の右側に示したように正に帯電したフラグメントを誘引する負電位を有し、負に帯電したフラグメントを反発する。このように、Al23結合表面の直接下に存在し、そしてAl23結合表面と直接接触するアルミニウム電極に選択的に電位を加えることにより核酸フラグメントの選択的な誘引/反発を可能にし、こうして電気的に誘導されたハイブリダイゼーションを可能にする。当業者は、電位が多様な方法で加えられ得ると解するべきである。電位は、例えば一定の連続的な電位であってもよく、徐々に変化し得る電位であってもよく、規則的パルスによってまたはあらゆる所望のパターンでパルス化されたパルス電位であり得る。
本発明の具体的な利点は、少なくともその好ましい形態においては、従来技術とは対照的に、サンプル溶液と誘電体層の表面との間で電子転移が全くないので、望ましくない電気化学反応および/または電気分解を完全に避け得る。そのため、核酸フラグメントは、電気化学的分解なしに結合表面に電気的に誘引される。電場援用ハイブリダイゼーション法および本発明の器具のさらに重要な利点は、少なくとも好ましい形態において、塩濃度およびサンプルのpH値が変化しないことである。これらのパラメーターは、ハイブリダイゼーション効率およびハイブリダイズした核酸フラグメントの安定性に影響を及ぼす重大なファクターである。電気化学反応および他の技術、例えば特異的緩衝溶液のために顕著な塩濃度およびpHの変化をもたらす従前の電場援用ハイブリダイゼーション技術は、これらの影響を補整することが必要とされる。本発明の別の利点は電気化学反応が生じないことであり、言い換えると、これは検出過程に関与する溶液/試薬によって変動しないという意味である。検出過程中に気泡および/または沈殿は発生しない。これは検出サインの質を改善する上で重要である。
また、本発明の好ましい実施態様は、核酸フラグメントの検出における促進されたハイブリダイゼーションに関して文脈中に説明されるが、本発明は、反発性のかかる物質を、表面に対してまたは表面から、誘引または反発させることによって、より一般的に、帯電物を含むそのような帯電物の挙動を制御し得ることが望まれるあらゆる生物学的方法に適用され得るとも解するべきである。
図5〜7は、セルの下のアルミニウム電極に電位を加える場合と加えない場合について、図1〜3の構造を用いて数多くの実験結果を示す。対してこれらの全例において、反応時間、加電圧、他のパラメーターは、単なる例示であり、所望により変更し得ると解されるべきである。
図5(a)および(b)は、どちらの場合においても、電位がアルミニウム電極に加えられないコントロールを示す、そのために電場援用なしにハイブリダイゼーションが進行する。この実施例では、サンプル中の標的オリゴマーは、合成βアクチン(91塩基、純粋)であり、ハイブリダイゼーション時間は90分間である。標的オリゴマーは、図5(a)のサンプル中に存在し、図5(b)のサンプル中には存在しない。図5(a)または5(b)では、いずれもアルミニウム電極に電位を加えないが、セルは図5(a)のサンプル中の標的オリゴマーの存在のために、図5(b)よりも図5(a)のセルは明らかに暗い。
図6(a)および(b)において、即ち同一標的オリゴマーが図6(a)のサンプル中で提供され、標的オリゴマーは図6(b)のサンプル中に提供されないという条件は、図5(a)および(b)と同一である。しかし、この実施例では、+10Vの電位が、アルミニウム電極に加えられ、ハイブリダイゼーション時間は10分に短縮される。図5(a)と6(a)との比較から、図6(a)では、セルはより暗く、ハイブリダイゼーション時間が実質的に減少されていても、ハイブリダイゼーションを促進する際に加電圧が有効であることを明確に示していることを示す。標的オリゴマーが存在しない場合の図5(b)および6(b)の類似点は、加電圧によって、いかなる偽陽性の結果にも導かないことを示すことである。
図7(a)−(c)は、サンプル中の標的オリゴマーが、アバリアン・インフルエンザ・ウイルス(avarian influenza virus)(AIV) H5 サブタイプ(他の非特異的オリゴマーを有する250 塩基)である第3の実施例を示す。全ての3つの(a)-(c)の場合において、ハイブリダイゼーション時間は10分間である。図7(a)-(c)間の違いは、次の点である:図7(a)において、標的オリゴマーは、サンプル中に存在し、+10Vの電位がセルの下のアルミニウム電極に加えられる;図7(b)において、標的オリゴマーはサンプル中に存在しない、+10Vの電位はセルの下のアルミニウム電極に加えられる;および図7(c)において、標的オリゴマーはサンプル中に存在するが、電位はセルの下のアルミニウム電極に加えられない。また、この例は、10分間のみのハイブリダイゼーション時間について、+10V電位を電極に加えることにより、促進されたハイブリダイゼーションおよび強いシグナル(図7(a)のセル中の非常に暗い範囲)を生じることを示す。比較すると、図7(b)(標的を有せず、電位を加える)および図7(c)(標的を有し、電位を加えない)間で見かけの類似性は、電場援用ハイブリダイゼーションなく、同じ時間(10分間)での有効なハイブリダイゼーションを得ることはできないことを示す。
少なくともその適用形態において、本発明は、核酸の電場援用ハイブリダイゼーションおよび/または他の生物学的方法を、非常に高い再現性で、より迅速に行うことを可能にし、多数の実施可能用途に適用され得る、単純な低コスト器具を提供するものである。本発明は、電位を加えた電極と接触する誘電物質における電荷分離の原理を用いる。上記に記載した実施態様において、電極はアルミニウムであり、誘電物質はAl23であるが、他の金属電極および誘電性結合表面との組合せもまた可能である。例えば、SiO2、Ta25は、結合表面のための誘電物質を基にした酸化物として使用され得る。
透過膜を使用する従来の器具に対して、電極と直接接触にある酸化物を基にした誘電体層は、強靱で、コンパクトで、生物学的反応で一般的に使用される大部分の酸、アルカリおよび他の試薬に対して化学的に不活性である構造を提供する。該構造は、環境ファクター、例えば温度および湿度に関しても安定であり、物理的損傷に対して脆弱ではない。製造コストはより低く、この器具は、標準的沈着技術および他のマイクロ電子機器製造技術を用いて非常に容易に製造され得る。本発明の器具の製造の際に、実際にこのようなマイクロ電子機器沈着および製造技術の使用は、該器具が、同一または類似技術を用いて作成された他の器具へ容易に組み込まれ得るという利点を示す。

Claims (20)

  1. サンプルからの核酸標的の検出の際に、電場援用ハイブリダイゼーションを行う方法であって、
    結合表面を規定する誘電物質から形成された誘電結合層を有する、複数の反応セルを提供する工程、
    該誘電結合層と直接接触する金属電極を設ける工程、
    核酸捕捉プローブを該誘電結合層に結合する工程、
    サンプルを該反応セルに添加する工程、及び、
    該誘電結合層と該サンプルの間に電流を発生させることも電子の移動を起こすこともなく、電位を該金属電極に与えて該誘電結合層中で荷電分離を起こす工程、
    を含む方法。
  2. 金属電極が、該誘電結合層の結合表面とは反対の表面と接触をしている、請求項1記載の方法。
  3. 電位が連続的に加えられる電位である、請求項1記載の方法。
  4. 電位が一連のパルスとして加えられる、請求項1記載の方法。
  5. サンプルが生物物質を含む、請求項1記載の方法。
  6. 生物学的反応を行う場合に、反応セルの表面へ、または反応セルの表面から帯電物を誘引または反発させる方法であって、
    該表面を規定する誘電物質からなる誘電結合層を設ける工程、及び、
    該誘電結合層とサンプルの間に電流を発生させることも電子の移動を起こすこともなく、該誘電結合層中で電荷分離を誘導することによって電場を発生させる工程
    を含む方法。
  7. 誘電結合層中の電荷分離が、金属電極を誘電結合層と直接接触するように配置し、該金属電極に電位を加えることによって誘導される、請求項6記載の方法。
  8. 連続的な電位が金属電極に加えられる、請求項7記載の方法。
  9. パルス電位が金属電極に加えられる、請求項7記載の方法。
  10. 金属電極が、帯電物が誘引される、または反発される該誘電結合層の表面とは反対の面接触するように配置される、請求項7に記載の方法。
  11. 反応セル中で行われる生体分子に対する検出過程を促進する方法であって、
    反応セルの表面として誘電物質からなる誘電結合層を提供する工程、及び、
    該誘電結合層と生体分子又は生体分子が存在する媒質との間に電流を発生させることも電子の移動を起こすもことなく、該誘電物質において電荷分離を誘導することによって電場を発生させる工程
    を含む方法。
  12. 生体分子が核酸分子である、請求項11記載の方法。
  13. 該金属電極が、誘電結合層の結合表面とは反対の面で接触している
    請求項1記載の方法。
  14. 誘電物質が酸化物である
    請求項1記載の方法。
  15. 誘電物質が、Al23、SiO2およびTa25からなる群から選択される、
    請求項14記載の方法。
  16. 金属電極がアルミニウムから形成される、
    請求項1記載の方法。
  17. 誘電物質がAl23を含み、金属電極がアルミニウムから形成される、
    請求項1記載の方法。
  18. 該誘電結合層がサンプル内の分子に対し透過性をもたないことを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  19. 該誘電結合層が帯電物質を含むサンプルの成分に対し透過性をもたないことを特徴とする、
    請求項6記載の方法。
  20. 該誘電結合層が生体分子を含むサンプルの成分に対し不透過性無孔質であることを特徴とする、
    請求項11記載の方法。
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