JP2005077237A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2005077237A
JP2005077237A JP2003307636A JP2003307636A JP2005077237A JP 2005077237 A JP2005077237 A JP 2005077237A JP 2003307636 A JP2003307636 A JP 2003307636A JP 2003307636 A JP2003307636 A JP 2003307636A JP 2005077237 A JP2005077237 A JP 2005077237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
probe
target substance
semiconductor layer
gate electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003307636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4482856B2 (ja
Inventor
Hitoshi Fukushima
均 福島
Takeo Kawase
健夫 川瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003307636A priority Critical patent/JP4482856B2/ja
Publication of JP2005077237A publication Critical patent/JP2005077237A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4482856B2 publication Critical patent/JP4482856B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】 微量な標的分子を検出できる非常に高感度なバイオセンサであって、複数の被検試料をハイスループットに並列処理することができるバイオセンサを提供すること。
【解決手段】被検試料中の標的物質を検出するためのバイオセンサであって、絶縁膜と、前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極相互間の前記絶縁膜の他面側表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオセンサ、それを用いる試料中の標的物質の検出方法、およびこの検出方法に用いる検出キットに関する。
被検試料中の標的物質を検出する手法として、核酸、タンパク質等の生体分子や人工的に合成した官能基をプローブとして固相担体表面に固定したバイオセンサを用いる方法が広く用いられている。
この方法では、相補核酸鎖の相互作用(ハイブリダイゼーション)、抗原−抗体反応、酵素−基質反応、受容体−リガンド相互作用など、生体分子の特異的な親和性を利用して標的物質を固相担体表面に捕捉するので、標的物質に特異的な親和性を有する物質がプローブとして選択される。
プローブは、プローブや固相担体の種類に適した方法によって固相担体表面に固定される。あるいは、固相担体表面でプローブを合成(例えば、核酸伸長反応など)することもでき、いずれの場合もプローブが固定された固相担体表面を被検試料と接触させ、適当な条件下でインキュベートすることにより、固相担体表面でプローブ−標的物質複合体が形成される。
相互作用の検出は、検出しやすい物質で標的分子を予め標識しておく方法が多く用いられており、中でも、蛍光分子により標識して光学的に検出する方法が主流となっている。しかし、被検試料に含まれる生体分子が微量である場合や未知の分子を検出する場合など、予め標識するのが困難であることも多く、標識を利用しない方法として、固相担体表面の誘電率の変化から相互作用の有無を検出する表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance; SPR)法や、水晶振動子の電極を固相担体とし、共振周波数の変化を測定して相互作用の有無を検出する水晶発振子マイクロバランス(quartz crystal microbalance; QCM)法などの検出系も開発されている。しかし、標識を用いない方法は、非特異的な結合を識別できない、感度が十分でないといった課題が依然として残されている。
また、上述のような固相担体表面にプローブを固定したバイオセンサ(いわゆるバイオチップやマイクロアレイ)は、疾患の原因解明や医薬品の開発に用いられるほか、有用な診断用ツールとしても期待されており、多数の被検試料を並行してハイスループットに処理できるよう、微小化および集積化が進められている。微小化することによって、微量の被検試料や検出用試薬で測定できるようになり、測定コストを下げることが可能となるとともに、反応速度を速くすることもできる。一方で、微量な物質の相互作用を検出するために、わずかなシグナルを検出できる高感度なシステムの開発がさらに必要とされる。また、コンタミネーションを避けるために、かかるバイオセンサは使い捨て使用ができるよう、安価に製造できることが望ましい。
上記問題および必要性に応えるものとして、電界効果型半導体を用いた様々なバイオセンサが開発されている。電界効果型半導体を用いたバイオセンサは、トランジスタの集積化技術を用いて作製されるので、微小なセンサを基板上に大量に形成することができる。また、センサ素子だけでなく回路を構成することができるので、CPUやメモリ、増幅回路などを同時に作りこむこともできる。
このようなバイオセンサとして、例えばイオン感応性電解効果型トランジスタ(Ion Sensitive Field Effect Transisotr; ISFET)(例えば特許文献1を参照)を用いたバイオセンサ(特許文献2)が挙げられる。ISFET型バイオセンサでは、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域上部に、ゲート絶縁膜を介してプローブとしてのイオン感応性領域が設けられている。イオン感応性領域に溶液が接すると溶液中のイオン量に応じて界面電位が変化し、ISFET中を流れる電流量が変化する現象を利用する。この方法によれば、蛍光標識等をしなくても、イオン感応性膜表面で生じる生体分子相互作用を検出することができる。
一方、電界効果型トランジスタのソース電極に電極を接続し、この電極表面にプローブを固定したバイオセンサも開発されている。このバイオセンサでは、電極表面で起こる生体分子の相互作用が、スイッチとして機能するので、FET中を流れる電流量の変化によって相互作用の有無を検出することができる。
特公平5−49187号公報 特開2002−296229号公報 特開平8−313521号公報 特開平11−176238号公報 特開2002−327283号公報
しかしながらISFET型バイオセンサでは、イオン濃度に大きな変化を生じない相互作用は検出が困難である。また、相互作用のシグナルを増幅するとノイズも増幅されるため感度に制約がある。電極表面にプローブを固定するバイオセンサの場合においても、相互作用により電気化学的な変化が生じないと検出できず、ノイズによって感度が制約を受ける点はISFET型と同様である。
そこで、本発明は、電界効果型トランジスタ(FET)を用いたバイオセンサの利点を生かしつつ上述の問題点を解決すべく、多様な生体分子の相互作用を高感度に検出でき、多数の被検試料をハイスループットに並列処理することができるバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、電界効果型トランジスタ(FET)の半導体層と直に接する位置でプローブと標的物質とが相互作用をすると、このFETの特性に変化を生じさせること、また、このFETの特性の変化を測定することにより、プローブと標的物質との相互作用を検出することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するため、本発明に係る第一の態様のバイオセンサは、被検試料中の標的物質を検出するためのバイオセンサであって、絶縁膜と、絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、絶縁膜の他面側に、ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されたソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極相互間の絶縁膜の他面側表面に固定された標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むことを特徴とする。
このような構成のバイオセンサにおいて、絶縁膜表面に固定されたプローブに被検試料を接触させインキュベートすると、被検試料中に含まれる標的物質は、プローブと結合することにより絶縁膜表面に捕捉される。後で詳しく説明するように、この状態で絶縁膜に接するようにソース/ドレイン領域間に半導体層を成膜すると、FETが形成される。このFETでは、半導体層と直に接する位置でプローブと標的物質が相互作用していることになり、FETの特性に変化を生じさせる。なお、本発明において「FETの特性の変化」とは、閾値電圧(Vth)、Vg−Id特性、およびS値[V/dec](ドレイン電流が一桁変化するのに必要なゲート電圧)の変化を意味する。
FET特性は、ゲート電極にかける電圧が半導体層表面につくるポテンシャル(電位)が変化することによって変化する。従って、プローブと標的物質が相互作用することによって表面のポテンシャルが変化すると、FETの特性変化を測定することによりこの相互作用を検出できる。
表面ポテンシャルは、表面付近に双極子が存在することにより容易に変化する。例えば、プローブが一本鎖核酸である場合、該プローブは分子内で部分的に二本鎖を形成するため直線状には伸びておらず、分子全体の双極子は比較的小さくなっている。一方、プローブ核酸に、プローブ核酸と相補的な塩基配列を有する標的核酸がハイブリダイゼーションすると、二重らせん構造をとる直線的なプローブ−標的物質複合体に変化するので、複合体全体としての双極子が大きくなることが知られている。このような双極子の変化は核酸間の相互作用に限られず、タンパク質や合成された化合物等を含む相互作用においても、コンフォメーションの変化が生じることによって双極子モーメントが変化する。したがって、FET特性の変化を測定することにより、プローブ−標的物質複合体の形成の有無を検出することが可能となる。
また、本態様のバイオセンサにおいては、プローブ−標的物質複合体は半導体層内部に含まれるので、この複合体が導電性を有する場合は該半導体のバンドギャップ内にトラップ準位を作ることになり、これによってもFET特性が変化する。バンドギャップにトラップ準位が多く存在すると、キャリアモビリティの低下によるON電流値の低下や、閾値電圧の増大といった現象が、そのトラップ準位の深さによって様々なレベルで生じる。従ってトラップ準位が存在する場合は、横軸にドレイン電圧(Vg)、縦軸にドレイン電流(Id)をとったFETのVg−Id特性曲線において、曲線が右にシフトし、且つレベルが低下するといった変化が生じる。また、導電性を有する分子の一つ一つがトラップ準位を形成するので、ほぼ一分子レベルの非常に高感度な検出が可能となる。
プローブ−標的物質複合体自体が導電性を有さず、トラップ準位を形成しない場合は、標的物質に適当な標識を付しておいてもよい。この場合の標識分子としては、不純物として半導体特性を劣化させるような機能を有する分子が好適である。また、プローブおよび標的物質が一本鎖核酸である場合は、プローブ−標的物質複合体である二本鎖核酸が形成された後で、トラップ準位を形成するようなインターカレータを添加することにより、二本鎖の形成を定量的に検出することができる。本方法については、後で詳しく述べる。
FETの特性変化は、このように閾値電圧、ドレイン電流、S値といった複数のパラメータの変化として得られるため、生体分子の多様な結合の様式を検出するのに有用である。結合の組合せによる各パラメータ変化に関する情報をデータベースに記録しておくことにより、被検試料に含まれる未知の標的物質がプローブに結合してFET特性を変化させた時、データベースを参照してこの標的物質を同定することが可能となる。
また、FETでは、ドレイン電流が半導体層と絶縁膜との界面付近を流れる。本態様に係るバイオセンサは、プローブ−標的物質複合体がこの界面から極めて近い領域の半導体層内に形成されるので、複合体がドレイン電流に影響を与えやすく、変化を検出しやすい高感度なセンサを得ることができるという利点もある。
なお、本発明に係るバイオセンサは、通常基板上に形成される。基板の材料は特に限定されないが、ガラス、シリコン、金属(例えば金、銀、銅、アルミニウム、白金等)、樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート)などが挙げられ、硬質な材料でも柔軟性のある材料でもよい。ガラス基板や樹脂など安価な材料を用いれば、使い捨て使用に適する。
また、上述のように、本発明に係るバイオセンサは、通常のトランジスタの集積化技術を用いて、一つの基板上に多数のセンサをアレイ状に作りこむことが可能であり、複数の被検試料をハイスループットに処理することができる。
本発明に係る第二の態様のバイオセンサは、被検試料中の標的物質を検出するためのバイオセンサであって、絶縁膜と、絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、絶縁膜の他面側にゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、少なくとも絶縁膜の他面側に、ゲート電極と対向し、ソース電極およびドレイン電極と接するように形成される半導体層と、ゲート電極に対向する領域の半導体層表面に固定された標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むことを特徴とする。
このような構成のバイオセンサにおいて、プローブが固定された半導体層表面に被検試料を接触させ、インキュベートすると、被検試料中に含まれる標的物質は、プローブと結合することにより半導体層表面に捕捉される。従って、第一の態様に係るバイオセンサと同様に、半導体層と直に接する位置でプローブと標的物質とが相互作用することになり、FETの特性の変化を生じさせる。そこで、このFETの特性変化を測定することによって、プローブ/標的物質間の相互作用を定量的に検出することが可能となる。
また、本態様に係るバイオセンサでは、初めからFETの構造が形成されているので、インキュベーション工程後に、半導体層を形成するという後処理が不要であるという利点もある。
本発明にかかるバイオセンサは、絶縁膜がゲート電極上に積層され、ソース電極およびドレイン電極がこの絶縁膜上に形成されていることが望ましい。このように、いわゆるボトム・ゲート型の電界効果型トランジスタとすることにより、ソース電極とドレイン電極の相互間(チャネル領域)における絶縁膜表面や半導体層表面をセンサ領域とすることが可能となり、被検試料を接触させることが容易となる。
また、本発明にかかるバイオセンサの半導体層は有機半導体であることが好ましい。有機半導体材料を用いることにより、製造コストを下げることが可能となり、また焼却処分できるので、使い捨て使用に適したバイオセンサを作成することができる。また室温での加工が可能となるので、大規模な真空装置や単結晶作成のための炉といった製造設備も不要となる。柔軟性のある樹脂基板を使用して、有機半導体材料を用いれば、割れにくく耐久性のあるバイオセンサを作成できるという利点もある。
特に第一の態様に係るバイオセンサは、プローブと標的物質が相互作用をした後で半導体層を形成するので、バイオセンサのユーザの元で半導体層の形成が行われることになる。かかる場合に、有機半導体を用いれば、大規模な設備は不要となり、スピンコート法や、インクジェット式吐出ヘッドなどで供給する方法によって、容易に半導体層を形成することができる。また高温処理は、生体材料を変性させることがあり、半導体層を形成する工程中、プローブと標的物質の結合が維持されない恐れもあるが、有機半導体材料を用いればこのような問題も生じない。
本発明に係るバイオセンサに固定されるプローブは、標的物質と特異的に結合する限り、生体由来の物質であっても合成された物質であってもよく、特に限定されないが、例えば核酸、タンパク質、糖、細胞小器官、微生物、動植物細胞、各種官能基、などが挙げられ、最も好ましくは、核酸またはタンパク質である。一方、本発明に係るバイオセンサが検出対象とする標的物質も、プローブと特異的に結合する限り、生体由来の物質であっても、合成された物質であってもよく、特に限定されない。適切なプローブを選択することにより、生体分子のほか、例えば環境中に含まれる有害な化学物質等の検出に用いることもできる。
なお、本発明において「特異的な相互作用」とは、例えば相補的なポリヌクレオチド同士の結合や、酵素と基質、酵素と補酵素、抗原と抗体、受容体とリガンドの結合のように、生体物質の示す選択的な親和性によって特定の組合せにのみ生じる作用をいい、主として結合を意味する。このような相互作用は、相互作用する組合せの中に少なくとも一つ生体物質が含まれていれば起こり得るものであり、組合せの中に人工的な合成された化合物等が含まれていても、生物学的な親和性により選択的に生じる相互作用であれば、特異的相互作用に含まれる。
本発明のバイオセンサにプローブとして用いられる「核酸」は、それぞれ一部または全部が修飾(置換を含む)されていてもよく、且つ更に一本鎖または二本鎖であるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを意味し、好ましくはそれぞれ一部または全部が修飾(置換を含む)されていてもよい一本鎖のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである。本発明に用いられる「核酸」の好適な例として、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)、CNA(アミノシクロヘキシルエタン酸核酸)、HNA(ヘキシトール核酸)、p−RNA(ピラノシルRNA)、前記核酸分子からなるオリゴヌクレオチド、前記核酸分子からなるポリヌクレオチド、等から選ばれる核酸である。核酸は、生体試料から抽出したものであっても、cDNAやアプタマー等人工的に合成されたものであってもよい。これらの核酸を、プローブとして固定したバイオセンサを用いれば、被検試料中にプローブ核酸と一部または全部が相補的な配列を有する核酸(標的物質)が含まれている場合にハイブリダイゼーションが生じ、この標的物質をバイオセンサ表面に捕捉することができる。この方法により、標的核酸の塩基配列の決定、種々の疾患に関連する変異や多型の検出、遺伝子の発現解析などを行うことができる。
核酸は、自体公知の方法に従って、絶縁膜や半導体層表面に固定することができる。例えば、核酸分子の末端にリンカーを挟んで特定の基を結合させ、吸着させる方法などが知られる。この際、固定する表面の材料に適した基を選択することにより、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer)を形成させることができる。例えば絶縁膜が酸化シリコン膜である場合、特許文献5の方法に従って核酸の単分子膜を絶縁膜表面に固定することが可能である。また、各種の官能基(例えば、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基)が結合したシリコンカップリング剤で絶縁膜表面を処理し、いずれかの官能基に結合可能な官能基(例えばアミノ基、アルデヒド基、チオール基、ビオチン等)を核酸分子末端に結合させておくことによって核酸分子を絶縁膜上に一様に固定する方法もある。
本発明のバイオセンサに用いる「タンパク質」は少なくとも2個のアミノ酸が共有結合したものを意味し、例えば、酵素、酵素に対する基質、抗体、エピトープ、抗原、各種レセプター、リガンドなどが挙げられる。これらを用いることにより、酵素−基質反応、酵素−補酵素の結合、抗原−抗体反応、受容体−リガンド反応などを利用して、標的物質をバイオセンサ表面に捕捉することができる。また、プローブはタンパク質の一部であってもよく、糖鎖などが結合した複合タンパク質であってもよい。
タンパク質は、例えば、酸化シリコン膜表面を各種官能基で修飾したシリコンカップリング剤で表面処理し、タンパク質のアミノ末端、カルボキシ末端、ポリペプチド鎖の途中の残基、各種のスペーサを用いて、シリコンカップリング剤の官能基と結合させることにより、絶縁膜上に固定することができる。また、固定しようとする表面をアルデヒドやポリリジンでコートすることにより、タンパク質のアミノ基を介して結合させることができる。アンカー分子として、プロテインG、プロテインA、ビオチン、ストレプトアビジンなどを介して間接的に結合させてもよい。
上述の核酸やタンパク質は、各センサに1種類ずつ固定してもよいし、複数種のプローブを一つのセンサに固定することもでき、それぞれの検出の目的にあわせたバイオセンサを設計することができる。
本発明に係る被検試料中の標的物質を検出する第一の方法は、絶縁膜と、前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極相互間の前記絶縁膜の他面側表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサを用い、プローブに被検試料を接触させてインキュベートする工程と、プローブが固定された絶縁膜表面を洗浄する工程と、プローブが固定された表面に、ソース電極およびドレイン電極と接するように半導体層を形成し、電界効果型トランジスタを形成する工程と、この電界効果型トランジスタの特性を測定する工程と、を含む。
かかる方法では、まず、インキュベート工程によって、プローブと該プローブに特異的な親和性を有する標的物質とが結合する。続く洗浄工程によって、プローブに結合しなかった被検試料が洗い流され、プローブ−標的物質複合体のみが絶縁膜表面に残される。この絶縁膜表面に半導体層が成膜されることによって、FETが形成される。プローブ−標的物質複合体は、TFTの半導体層に直に接する位置に形成されるため、上述のようにFETの特性変化を測定することにより、プローブ−標的物質複合体を検出することができる。
また、本発明に係る被検試料中の標的物質を検出する第二の方法は、絶縁膜と、前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜の他面側に前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向し、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接するように形成される半導体層と、からなる電界効果型トランジスタを含み、前記ゲート電極に対向する領域の前記半導体層表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサを用い、プローブに、被検試料を接触させてインキュベートする工程と、プローブが固定された半導体層表面を洗浄する工程と、上記電界効果型トランジスタの特性を測定する工程と、を含む。
かかる方法によれば、まずインキュベート工程によって、プローブと該プローブに特異的な親和性を有する標的物質とが結合し、続く洗浄工程によって、プローブに結合しなかった被検試料が洗い流され、プローブ−標的物質複合体のみが半導体膜表面に残される。プローブ−標的物質複合体は、半導体層に直に接する位置に形成されるため、半導体層表面の双極子モーメントに変化を与え、その結果FET特性に変化を生じさせる。そこで、FETの特性変化を求めることにより、プローブ−標的物質複合体を検出することができる。
また、本発明に係る検出方法では、上述した本発明に係る第一または第二の方法により測定したFET特性と、プローブが標的物質と相互作用しない場合に測定した電界効果型トランジスタ特性と、を比較する工程をさらに含むと好ましい。このような方法によれば、プローブに標的物質が結合しない状態と結合した状態とにおけるFETの特性変化を数値化することが可能となり、プローブ−標的物質複合体の形成を定量的に検出することが可能となる。具体的には、プローブに標的物質を含まない被検試料を接触させて、他の工程を同様に行い、その後、それぞれの測定結果の差をとって、FET特性の変化を求める。こうすることによって、被検試料に用いる緩衝液の影響や、インターカレータを用いた場合に該インターカレータが静電作用によって一本鎖核酸に吸着したことで生じる特性変化をバックグラウンドとして相殺し、プローブ−標的物質が形成されることのみによるFETの特性変化を求めることができる。
また、本発明に係る検出方法では、半導体層が有機半導体層であることが好ましい。有機半導体層を用いる利点は上述の通りである。有機半導体材料としては、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン等の低分子化合物や、オキシジアゾール誘導体(PBD)、オキシジアゾールダイマー(OXD−8)、ベリリウム−ベンゾキノリノール錯体(Bebq)、トリフェニルアミン誘導体(MTDATA)およびトリアリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、ポリフェニレン、ポリアルキルフルオレン、ポリアルキルチオフェン(PHT)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、F8T2(poly(9,9-dioctylfluorene-co-bithiophene))などの高分子化合物が挙げられる。
好ましくは、F8T2などの高分子有機半導体材料を、例えば、キシレン、トルエン、トリメチルベンゼンなどの非極性有機溶媒に溶かし、インクジェット式吐出ヘッドで供給する。テトラセンやペンタセンなどの低分子有機半導体材料は、例えば、蒸着法により成膜することもできる。この場合も、バイオセンサ全体を加熱する必要がないため、生体材料にも好適である。
また、本発明に係る検出方法では、上述したように、標的物質を予め標識しておくこともできる。標識には、トラップ準位を形成するような導電性物質を用いることが好ましいが、プローブ−標的物質複合体が形成された際、プローブ単独の場合と比較して双極子モーメントが大きく変化するような物質であればよい。かかる標識によって、プローブと標的物質との相互作用が、電界効果型トランジスタの特性にもたらす変化が大きくなり、高感度なバイオセンサとして用いることができる。
プローブとして一本鎖核酸を用い、被検試料中の核酸をハイブリダイゼーションによって捕捉する場合は、インキュベーション工程後に、インターカレータを添加して検出することもできる。導電性インターカレータとしては、例えば特開平8−313521号公報(特許文献3)や特開平11−176238号公報(特許文献4)で開示された、界面活性を付与したインターカレータ等を用いることができる。インターカレータは導電性であることが好ましいが、上述の標識と同様に、二本鎖核酸の双極子モーメントを、一本鎖核酸のそれと比べて大きく変化させることができる物質であればよい。これにより、二本鎖核酸が形成されることによる双極子モーメントの変化を増長させることができ、微量サンプルの相互作用検出も可能となる。
本発明は、絶縁膜と、絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、絶縁膜の他面側に、ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されたソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極相互間の絶縁膜の他面側表面に固定された標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサと、有機半導体材料と、を含む被検試料中の標的物質を検出するための検出キットも含む。かかるキットを用いれば、ユーザの元で有機半導体層を容易に形成することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。当業者は以下に示す例に様々な変更を加えて本発明を実施することができ、かかる変更は、本願特許請求の範囲に包含される。
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態に係るバイオセンサ100の断面図を示す。本実施例では、チャネル領域に一本鎖DNAが固定された核酸検出用バイオセンサの場合を例にとって説明する。
バイオセンサ100では、ガラス基板10上に、金薄膜からなるゲート電極12が形成され、ゲート電極12の上にゲート絶縁膜として酸化シリコン膜14が成膜されている。絶縁膜上には、ゲート電極12の上部を隔てて、ソース電極16とドレイン電極18が金薄膜により形成され、これによって両電極相互間の絶縁膜表面、即ちゲート電極12の上部がチャネル領域20となる。チャネル領域20には、標的核酸と相補的な配列を有する一本鎖DNAがプローブとして固定されている。
(製造方法)
次に、本実施の形態に係るバイオセンサの製造方法を説明する。図2は、このバイオセンサ100の製造工程断面図である。図2(a)に示すように、ガラス基板10上に例えば蒸着法によって、金薄膜を膜厚約20μm程度に形成し、その後パターニングして、ゲート電極12とする。ゲート電極には、タンタル、アルミニウム、白金、クロム等を用いてもよい。
続いて図2(b)に示すように、ガラス基板10およびゲート電極12に酸化シリコン膜14を、例えばPECVD法により膜厚約500nmとなるよう形成する。酸化シリコン膜14は、ゲート絶縁膜として機能する。図2(b)に示すように、エッチバック法によりゲート絶縁膜を平坦化してもよい。
さらに、同図(c)に示すように、例えばスパッタリング法により、金薄膜28を膜厚約20μmに形成する。そして図2(d)に示すように、パターニングして、ゲート電極の上方にチャネル領域20を形成する。チャネル領域の大きさは、標的物質の種類等にあわせて適宜変更できるが、約5μmから20μm四方が好ましい。
次に、同図(e)に示すように、プローブとしての一本鎖DNA22を、チャネル領域20内の絶縁膜14表面に固定する。DNAの固定は、上述の方法に準じて行うことができる。例えば、DNAの末端に酸化シリコン膜上でSAM膜を形成する官能基を結合させ、これを含む溶液を、インクジェット式吐出ヘッドによりチャネル領域に供給することで行うことが可能である。
(検出方法)
次に、図3(a)から図1(d)を参照して、このバイオセンサを用いた検出方法について説明する。まず、例えば、PBS緩衝液(50mM KPO、5mM EDTA、1M NaCl、pH7.0)などで、標的物質を含む試料を例えば核酸濃度が1μMとなるように希釈し、被検試料とする。
次に、図3(b)に示すように、チャネル領域20に、被検試料24をインクジェット式吐出ヘッドにより吐出し、インキュベートして、ハイブリダイゼーション反応を行う。プローブ核酸22の塩基配列と相補的な配列を有する標的試料中の核酸は、プローブ核酸22とハイブリダイゼーションして二本鎖を形成する。なお、緩衝液の組成は特に限定されず、塩濃度(イオン強度)や温度を変化させて、ストリンジェンシーを調節することができる。
続いて、チャネル領域20に導電性インターカレータとして、特開平8−313521号公報に開示された次式の界面活性色素インターカレータ25を添加する。図3(c)に示すように、インターカレータ25は、二本鎖核酸が形成された部分に選択的に挿入結合する。導電性インターカレータとしては、メチレンブルーのほか、臭化エチジウム、アクチノマイシンD、アクリジン色素など、またはこれらに界面活性や導電性官能基を付与したものを用いてもよい。
次に、チャネル領域20を洗浄し、プローブに結合していない核酸等を含む被検試料をチャネル領域から除去する。洗浄には、SSC(saline-sodium citrate)溶液を超純水で適宜希釈し、必要に応じてSDS(Sodium dodecyl sulfate)を加えたものを用いることができる。
図3(d)に示すように、チャネル領域20、ソース電極16およびドレイン電極18上に、有機半導体層26として、F8T2(poly(9,9-dioctylfluorene-co-bithiophene))をキシレンに溶解したものを積層し、電界効果型トランジスタを形成する。有機半導体層は、インクジェット式吐出ヘッドにより供給することができる。インクジェット式吐出ヘッドにより吐出すれば、二本鎖核酸およびインターカレータを半導体層の中に効果的に封じ込めることができる。有機半導体層の形成は、インクジェット法のほか、蒸着法、スピンコート法、LB法などを用いてもよい。なお、半導体層は、水溶性ポリマーを用いて形成することも可能である。
最後に、ドレイン電極にプラス電圧を加えた状態で、プラスのゲート電圧を徐々にあげていき、ソース/ドレイン電極間に電流が流れ始める閾値電圧(Vth)、およびソース/ドレイン電極間に流れるドレイン電流(Id)を測定する。
一方、比較例として、図3(a)に示すバイオセンサに、被検試料の調製に用いたPBS緩衝液のみを添加し、インキュベート工程を経て洗浄し、同様に閾値電圧およびドレイン電流を測定する。
こうして得られるVg−Id特性曲線の一例を図4に示す。図中実線で示されているのは、二本鎖核酸が形成され、インターカレータがこの二本鎖に結合している場合のVg−Id特性曲線であり、点線で示されているのは比較例の特性曲線である。比較例は、有機半導体層中に絶縁性で双極子モーメントの小さい一本鎖核酸しか含まれないため、真性半導体のVg−Id特性に近い、急峻に立ち上がるカーブを描く。
これに対して、有機半導体層にインターカレータが含まれる実施例では、二本鎖が形成されてプローブ−標的物質の双極子モーメントが増大するとともに、インターカレータがトラップとして機能するため、閾値電圧(Vth)の絶対値が増大し、ドレイン電流(Id)が低下する。また、カーブの傾きが緩やかになり、S値が大きくなる。
このように、本実施の形態に係るバイオセンサによれば、複数のパラメータによってプローブと標的物質との結合を高感度且つ定量的に測定することができ、生体分子の多様な相互作用の検出に有用である。また、一つの基板に多数のバイオセンサを作りこむことができ、ハイスループットな測定可能となる。さらに製造コストが比較的安く、焼却処理もできるので使い捨て使用に適し、被検試料同士のコンタミネーションを防ぐこともできる。
<第二の実施形態>
図5は、第二の実施形態に係るバイオセンサ200の断面図を示す。本実施例では、チャネル領域上部における半導体層表面に、抗体が固定された、抗原検出用バイオセンサの場合を例にとって説明する。
ガラス基板50上に金薄膜によりゲート電極52が形成され、ゲート電極52の上に酸化シリコン膜がゲート絶縁膜54として成膜されている。絶縁膜54の上には、ゲート電極52の上部を隔てて、ソース電極56とドレイン電極58が金薄膜により形成され、これによって両電極相互間の半導体薄膜表面、即ちゲート電極52の上部がチャネル領域60となる。ソース電極56、ドレイン電極58、およびチャネル領域60上には、半導体層66が形成され、ゲート電極52の上部における半導体層66の表面には、標的物質に親和性を有する抗体がプローブとして固定されている。
(製造方法)
本実施の形態に係るバイオセンサは、通常の製造方法に従って電界効果型トランジスタを製造し、半導体膜表面に抗体を固定することにより製造することができる。まず、第一の実施形態にかかるバイオセンサと同様の方法で、基板50上に、ゲート電極52、絶縁膜54、ソース電極56およびドレイン電極58を形成し、ソース電極、ドレイン電極およびチャネル領域上に有機半導体層66を形成する。有機半導体層66は、例えばF8T2をキシレンに溶解したものを用いて蒸着法により形成することができる。十分な感度を得るためには、有機半導体層66をできるだけ薄く形成することが好ましく、5nmから50nmの厚さに形成するとよい。有機半導体を薄く形成することにより、チャネル領域60の上部に凹部が形成されるので、この凹部をセンシング部として利用することができる。
次に、前記凹部に、抗体62を有機半導体層表面に固定する。抗体の固定は、上述したタンパク質の固定方法に準じて行うことができ、例えば半導体層66の表面をアルデヒドでコートすることにより、抗体のアミノ基を介して結合させることができる。いずれの方法においても、立体障害や高次構造が失われることによって結合能が損なわれないように、また標的物質と結合するための配向性が保たれるよう固定する。
(検出方法)
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るバイオセンサを用いた、標的物質の検出方法を説明する。標的物質を含むと考えられる被検試料64を、例えばタンパク質濃度が0.1〜0.5mg/mlになるように希釈して、添加する。インキュベーションを行った後、PBSで洗浄し、結合しなかった物質を含む被検試料64を洗い流す。抗体62と標的物質との結合により分子全体の双極子モーメントが変化し、半導体膜66の表面ポテンシャルが変化することによって、FET特性に変化が生じる。バイオセンサ200のFETとしての特性を予め測定しておくことにより、複合体の形成を定量的に測定することが可能である。
標的物質によって異なる特性の変化を、閾値電圧、Vg−Id特性、S値といった複数のパラメータによって表し、それぞれの値を記録したデータベースを作成することにより、未知の物質がプローブに結合した場合に、データベースを参照してこの物質を同定することも可能である。
このように、本実施の形態の係るバイオセンサを用いれば、インキュベーション後に半導体層を形成する工程が不要で、被検試料を半導体層表面に接触させる工程、インキュベーション工程、洗浄工程を経て、容易にプローブ−標的物質複合体を検出することができる。また、第一の実施の形態に係るバイオセンサと同様に、高感度、定量的且つハイスループットな相互作用の測定を実施することができ、使い捨て使用にも適する。
図1は、第一の実施形態に係るバイオセンサの断面図である。 図2は、第一の実施形態に係るバイオセンサの製造工程断面図である。 図3は、第一の実施形態に係るバイオセンサを用いた標的物質の検出方法を示す断面図である。 図4は、プローブ−被検物質の相互作用により変化する、電界効果型トランジスタのVg−Id曲線の一例を示す。 図5は、第二の実施形態に係るバイオセンサの断面図である。 図6は、第二の実施形態に係るバイオセンサを用いた標的物質の検出方法を示す断面図である。
符号の説明
10、50…ガラス基板、12、52…ゲート電極、14、54…酸化シリコン膜、16、56…ソース電極、18、58…ドレイン電極、20、60…チャネル領域、22…プローブ核酸、24…被検試料、25…インターカレータ、26、66…有機半導体層、28…金薄膜、62…抗体、100…バイオセンサ、200…バイオセンサ

Claims (13)

  1. 被検試料中の標的物質を検出するためのバイオセンサであって、
    絶縁膜と、
    前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、
    前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極相互間の前記絶縁膜の他面側表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、
    を含むバイオセンサ。
  2. 被検試料中の標的物質を検出するためのバイオセンサであって、
    絶縁膜と、
    前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、
    前記絶縁膜の他面側に前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、
    少なくとも前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向し、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接するように形成される半導体層と、
    前記ゲート電極に対向する領域の前記半導体層表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、
    を含むバイオセンサ。
  3. 前記絶縁膜が前記ゲート電極上に形成され、前記ソース電極およびドレイン電極が前記絶縁膜上に形成されている、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記半導体層が、有機半導体層である請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  5. 前記標的物質およびプローブが、それぞれ独立に、核酸またはタンパク質である請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  6. 被検試料中の標的物質を検出する方法であって、
    絶縁膜と、前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極および前記ドレイン電極相互間の前記絶縁膜の他面側表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサを用い、
    前記プローブに、被検試料を接触させてインキュベートする工程と、
    前記プローブが固定された絶縁膜表面を洗浄する工程と、
    前記プローブが固定された表面に、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接するように半導体層を成膜し、電界効果型トランジスタを形成する工程と、
    前記電界効果型トランジスタの特性を測定する工程と、
    を含む方法。
  7. 被検試料中の標的物質を検出する方法であって、
    絶縁膜と、前記絶縁膜の一面側に形成されたゲート電極と、前記絶縁膜の他面側に前記ゲート電極と対向する部分を隔てて形成されるソース電極およびドレイン電極と、少なくとも前記絶縁膜の他面側に、前記ゲート電極と対向し、前記ソース電極および前記ドレイン電極と接するように形成される半導体層と、からなる電界効果型トランジスタを含み、前記ゲート電極に対向する領域の前記半導体層表面に固定された前記標的物質と特異的に相互作用するプローブと、を含むバイオセンサを用い、
    前記プローブに、被検試料を接触させてインキュベートする工程と、
    前記プローブが固定された半導体層表面を洗浄する工程と、
    前記電界効果型トランジスタの特性を測定する工程と、
    を含む方法。
  8. 請求項6または7に記載の方法により測定した電界効果型トランジスタ特性と、前記プローブが標的物質と相互作用しない場合に測定した電界効果型トランジスタ特性と、を比較する工程をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記半導体層が有機半導体層である、請求項6または7に記載の方法。
  10. 前記インキュベートする工程の前に、前記標的物質に標識分子を結合させておくことを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  11. 前記標的物質および前記プローブが一本鎖核酸であり、前記インキュベートする工程の後に、導電性インターカレータを加える工程さらに含む、請求項6または7に記載の方法。
  12. 前記電界効果型トランジスタの特性が、閾値電圧、Vg−Id特性およびS値のうちのいずれかである、請求項6または7に記載の方法。
  13. 請求項1に記載のバイオセンサと、有機半導体材料と、を含む試料中の標的物質を検出するための検出キット。
JP2003307636A 2003-08-29 2003-08-29 試料中の標的物質の検出方法、センサ基体、及び検出キット Expired - Fee Related JP4482856B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003307636A JP4482856B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 試料中の標的物質の検出方法、センサ基体、及び検出キット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003307636A JP4482856B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 試料中の標的物質の検出方法、センサ基体、及び検出キット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005077237A true JP2005077237A (ja) 2005-03-24
JP4482856B2 JP4482856B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=34410376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003307636A Expired - Fee Related JP4482856B2 (ja) 2003-08-29 2003-08-29 試料中の標的物質の検出方法、センサ基体、及び検出キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4482856B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242900A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp センサユニット及び反応場セルユニット並びに分析装置
JP2010133927A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Korea Electronics Telecommun トランジスタ構造のバイオセンサー及びその製造方法
WO2010125717A1 (ja) * 2009-04-27 2010-11-04 シャープ株式会社 化学センサ
US7833396B2 (en) 2006-01-13 2010-11-16 Seiko Epson Corporation Biochip, biosensor and inspection system
JP2013140168A (ja) * 2003-10-16 2013-07-18 Hai Kang Life Corp Ltd 生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法
KR101478540B1 (ko) 2007-09-17 2015-01-02 삼성전자 주식회사 트랜지스터의 채널로 나노 물질을 이용하는 바이오 센서 및그 제조 방법
WO2017018449A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 シャープ株式会社 バイオセンサ
WO2017018434A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 シャープ株式会社 バイオセンサ
KR20170112305A (ko) * 2016-03-31 2017-10-12 주식회사 엔디디 바이오 감지 장치
WO2021181745A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 株式会社村田製作所 半導体デバイス及び半導体デバイスの製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013140168A (ja) * 2003-10-16 2013-07-18 Hai Kang Life Corp Ltd 生物サンプル中の核酸を検出するための器具および方法
JP2006242900A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp センサユニット及び反応場セルユニット並びに分析装置
US7833396B2 (en) 2006-01-13 2010-11-16 Seiko Epson Corporation Biochip, biosensor and inspection system
KR101478540B1 (ko) 2007-09-17 2015-01-02 삼성전자 주식회사 트랜지스터의 채널로 나노 물질을 이용하는 바이오 센서 및그 제조 방법
JP2010133927A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Korea Electronics Telecommun トランジスタ構造のバイオセンサー及びその製造方法
WO2010125717A1 (ja) * 2009-04-27 2010-11-04 シャープ株式会社 化学センサ
US20110291673A1 (en) * 2009-04-27 2011-12-01 Sharp Kabushiki Kaisha Chemical sensor
CN102301227A (zh) * 2009-04-27 2011-12-28 夏普株式会社 化学传感器
WO2017018449A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 シャープ株式会社 バイオセンサ
WO2017018434A1 (ja) * 2015-07-30 2017-02-02 シャープ株式会社 バイオセンサ
KR20170112305A (ko) * 2016-03-31 2017-10-12 주식회사 엔디디 바이오 감지 장치
KR101872484B1 (ko) 2016-03-31 2018-06-28 주식회사 엔디디 바이오 감지 장치
WO2021181745A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 株式会社村田製作所 半導体デバイス及び半導体デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4482856B2 (ja) 2010-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Poghossian et al. Label‐free sensing of biomolecules with field‐effect devices for clinical applications
US7863140B2 (en) Methods of making a molecular detection chip having a metal oxide silicon field effect transistor on sidewalls of a micro-fluid channel
Patolsky et al. Nanowire-based biosensors
Patolsky et al. Nanowire sensors for medicine and the life sciences
Bronder et al. DNA immobilization and hybridization detection by the intrinsic molecular charge using capacitive field-effect sensors modified with a charged weak polyelectrolyte layer
Chen et al. Protein chips and nanomaterials for application in tumor marker immunoassays
Ingebrandt et al. Label‐free detection of DNA using field‐effect transistors
EP1468277B1 (fr) Detection de molecules sondes fixees sur une zone active d'un capteur
Pänke et al. Impedance spectroscopy and biosensing
Maehashi et al. Ultrasensitive detection of DNA hybridization using carbon nanotube field-effect transistors
US20090153130A1 (en) Field effect transistor-based biosensor with inorganic film, method of manufacturing the biosensor, and method of detecting biomolecule using the biosensor
Lud et al. Field Effect of Screened Charges: Electrical Detection of Peptides and Proteins by a Thin‐Film Resistor
US20100285601A1 (en) Method of electrically detecting a nucleic acid molecule
US20090084686A1 (en) Biosensor comprising interdigitated electrode sensor units
JP2007279035A (ja) 生分子を固定せずに電界効果トランジスタを利用して生分子を検出する方法
WO2003016901A1 (en) Sensor for detecting biomolecule using carbon nanotubes
US20060194263A1 (en) Small molecule mediated, heterogeneous, carbon nanotube biosensing
Yu et al. An impedance array biosensor for detection of multiple antibody–antigen interactions
Vu et al. Signal enhancement of silicon nanowire field-effect transistor immunosensors by RNA aptamer
JP2004132954A (ja) 一個または複数個の分析物を検出するための方法および装置、ならびに装置の使用
Bronder et al. Detection of PCR-amplified tuberculosis DNA fragments with polyelectrolyte-modified field-effect sensors
JP4482856B2 (ja) 試料中の標的物質の検出方法、センサ基体、及び検出キット
Díaz‐González et al. Diagnostics using multiplexed electrochemical readout devices
Won et al. Bioelectrocatalytic signaling from immunosensors with back‐filling immobilization of glucose oxidase on biorecognition surfaces
US11280758B2 (en) Single-particle bridge assay for amplification-free electrical detection of ultralow-concentration biomolecules and non-biological molecules

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100226

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100311

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees