JP2006242900A - センサユニット及び反応場セルユニット並びに分析装置 - Google Patents

センサユニット及び反応場セルユニット並びに分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トランジスタを用いたセンサユニットの、分析時の利便性を高める。
【解決手段】 基板108と基板108に設けられたソース電極111及びドレイン電極112とソース電極111及びドレイン電極112間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル113と検出用感知ゲート117とを備えたトランジスタ部103を有し検出対象物質を検出するためのセンサユニットの検出用感知ゲート117に、基板108に固定されたゲート本体115と検出対象物質と相互作用をする特定物質123を固定されゲート本体115に対して電気的に導通をとりうる感知部116を備えさせる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、有機半導体で形成されたチャネルを備えたトランジスタを用いたセンサユニット及びそれと共に用いる反応場セルユニット並びにそれを用いた分析装置に関する。
トランジスタは、ゲートに入力される電圧信号を、ソース電極あるいはドレイン電極から出力される電流信号に変換する素子である。ソース電極とドレイン電極との間に電圧を加えると、両者の間に形成されたチャネルに存在する荷電粒子がソース電極とドレイン電極との間を電界方向に沿って移動し、ソース電極あるいはドレイン電極から電流信号として出力される。
この際、出力される電流信号の強さは荷電粒子の密度に比例する。絶縁体を介してチャネルの上方、側面、あるいは下方などに設置したゲートに電圧を加えると、チャネルに存在する荷電粒子の密度が変化するため、これを利用して、ゲート電圧を変化させることにより電流信号を変化させることができる。
現在知られている、トランジスタを用いた化学物質検出素子(センサ)は上に述べたトランジスタの原理を応用したものである。具体的なセンサの例としては、特許文献1に記載されているものが挙げられる。特許文献1には、トランジスタのゲートに検出すべき物質と反応する物質を固定化した構造を有するセンサが記載されている。検出すべき物質とゲートに固定化された物質との反応によるゲート上の表面電荷の変化により、ゲートにかかる電位が変化するため、チャネルに存在する荷電粒子の密度が変化する。これによって生じるトランジスタのドレイン電極あるいはソース電極からの出力信号の変化を読み取ることによって、検出すべき物質を検出することができる。
また、別の例としては、有機半導体を用いたトランジスタによるセンサも報告がある。例えば、非特許文献1や非特許文献2には、有機トランジスタの半導体層に種々の気体状の有機化合物を接触させることにより引き起こされるトランジスタ特性の変化を利用して、においセンサに利用できる可能性が示されている。
さらに別の例としては、非特許文献3に、水溶液中のセンサとして利用する為に、チャネル部分のみに水溶液が接するようにして、水溶液中の溶質の濃度を検出できるようにする技術が報告されている。
また、さらに別の例としては、特許文献2には、有機トランジスタに標的分子と結合する部位を有する素子でバイオセンサを作製することが記載されている。
特開平10−260156号公報 特開2004−309483号公報 Applied Physics Letters(米国) 78巻 P.2229−2231(2001) Applied Physics Letters(米国) 81巻 P.3079−3081(2002) Langmuir(米国)18巻 P.5299−5302(2002)
しかしながら、特許文献1,2や非特許文献1〜3のような従来のセンサは、使用の都度、分析の目的や検出しようとする検出対象物質の種類などに応じて個別にトランジスタを作製し直す必要があり、分析に非常に多大な手間を要していた。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、従来よりも分析を行なう際の利便性を高めたセンサユニット、及びそれと共に用いる反応場セル並びにそれを用いた分析装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、センサユニットの検出用感知ゲートを、基板に固定されたゲート本体と、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定され、ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備えるように構成すること、有機半導体で形成されたチャネルを備えたトランジスタ部を用いたセンサユニットのトランジスタ部を集積すること、及び、特定物質を用いず検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を設けることのいずれかを行なうことにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、該検出用感知ゲートが、該基板に固定されたゲート本体と、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定され、該ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備えることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項1)。これにより、感知部をゲート本体とは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
また、本発明の別の要旨は、基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、該検出用感知ゲートが、該基板に固定されたゲート本体と、該ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備え、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を備えることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項2)。これによっても、感知部をゲート本体とは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
このとき、該センサユニットにおいて、該感知部は、該ゲート本体に対して機械的に着脱可能であり、該ゲート本体に装着されているときには該ゲート本体に電気的に導通状態となることが好ましい(請求項3)。これにより、感知部を取替えることで特定物質を交換することが可能となる。つまり、センサユニット全体を交換しなくとも、検出対象物質や検出の目的に応じて特定物質を交換することができるようになり、センサユニットの製造コスト、操作の手間などを大幅に改善することが可能となる。
また、該センサユニットは、該感知部を、2つ以上有することが好ましい(請求項4)。これにより、複数の相互反応を一つのセンサユニットで検出できるようになるため、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができ、センサユニットの高機能化を図ることができるようになる。
さらに、該センサユニットにおいては、1つの該ゲート本体が、2つ以上の該感知部と導通可能に形成されていることが好ましい(請求項5)。これにより、感知用ゲートの数を抑制することができ、ひいては、トランジスタの小型化、集積化、低コスト化等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、該センサユニットは、該ゲート本体と該感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えることが好ましい(請求項6)。これにより、センサユニットの小型化や、検出データの信頼性向上、検出の効率化などの利点の少なくともいずれかを得ることができる。
さらに、該センサユニットにおいては、該トランジスタ部が、2以上集積されていることが好ましい(請求項7)。これにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、本発明の更に別の要旨は、基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成された検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、上記検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、該トランジスタ部が、2以上集積されていることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項8)。これにより、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、多機能なセンサユニットを低コストで得ることができるほか、検出感度の向上が期待できる。
さらに、本発明の別の要旨は、基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、該トランジスタ部が2以上集積されていると共に、上記検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を備えることを特徴とする、センサユニットに存する(請求項9)。これによっても、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、多機能なセンサユニットを低コストで得ることができるほか、検出感度の向上が期待できる。
さらに、本発明の更に別の要旨は、基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルとを備えたトランジスタ部を有し、上記検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、該チャネルに、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成され、該トランジスタ部が、2以上集積されていることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項10)。これにより、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、多機能なセンサユニットをを低コストで得ることができるほか、検出感度の向上が期待できる。
また、該センサユニットのなかでも感知部を備えているものは、検体を流通させる流路を有する反応場セルユニットを備え、該流路に、該感知部が設けられるようになっていることが好ましい(請求項11)。これにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
さらに、該センサユニットのなかでも感知部位を備えているものは、該感知部位に接しうるよう検体を流通させる流路を有する反応場セルを備えることが好ましい(請求項12)。これによっても、検出の迅速化、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、該センサユニットは、上記検出対象物質を検出するべく検体を流通させる流路を有する反応場セルを備えることが好ましい(請求項13)。これによっても、検出の迅速化、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、本発明の更に別の要旨は、基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備え、上記反応場セルユニットが該セルユニット装着部に装着されているときには上記感知部と該感知用ゲートとが導通状態となることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項14)。これにより、感知部をゲート本体とは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
さらに、本発明の更に別の要旨は、基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流流路となる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、感知部、及び、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備え、上記反応場セルユニットが該セルユニット装着部に装着されているときには上記感知部と該感知用ゲートとが導通状態となることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項15)。これにより、感知部をゲート本体とは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
また、該センサユニットは、上記反応場セルユニットが2以上の上記感知部を有している場合に該感知用ゲートと上記感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えることが好ましい(請求項16)。これにより、センサユニットの小型化や、検出データの信頼性向上、検出の効率化などの利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、本発明の更に別の要旨は、基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに該基板に固定された検出用感知ゲートを有するトランジスタ部と、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを備えることを特徴とするセンサユニットに存する(請求項17)。これにより、特定物質を用いずに検出対象物質を高感度に検出できるようになるため、特定物質の交換等の操作が不要となり、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
さらに、該センサユニットは、該トランジスタ部が2以上集積されていることが好ましい(請求項18)。これにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、上記有機半導体は、アザアヌレン化合物、縮合多環芳香族化合物、5員環または6員環芳香族化合物の組合せから形成されるオリゴマー化合物、並びに共役高分子化合物よりなる群から選ばれるものであることが好ましい(請求項19)。これにより、検出感度を飛躍的に高めることが可能となる。したがって、従来のトランジスタでは不可能であった、抗原抗体反応等のきわめて高感度を要する反応の検知が実用レベルで可能となり、極めて高感度の検知を要する抗原抗体反応等を含む一連の検出対象物質の検知がひとつのセンサユニットで可能となる。
即ち、従来のトランジスタによるセンサでは、検知感度に限界があり、必要とする一連の対象物質の検知をトランジスタだけで行なうことはできなかった。そのため、トランジスタから構成されるセンサユニットの適用範囲は限られていた。しかし、本発明のセンサユニットにより検出感度を高めることができるため、検出対象物質の範囲を拡大することが可能となる。
また、該センサユニットにおいては、該トランジスタ部が、該チャネルに対して電圧または電界を印加する電圧印加ゲートを備えることが好ましい(請求項20)。これにより、検出の精度を高めることが可能となる。
さらに、本発明の更に別の要旨は、基板、上記基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部を有し、上記セルユニット装着部に装着されているときには該感知部と上記感知用ゲートとが導通状態となることを特徴とする反応場セルユニットに存する(請求項21)。これにより、感知部を感知用ゲートとは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
また、本発明の更に別の要旨は、基板、上記基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、感知部と、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを有し、上記セルユニット装着部に装着されているときには該感知部と上記感知用ゲートとが導通状態となることを特徴とする反応場セルユニットに存する(請求項22)。これにより、感知部を感知用ゲートとは別に取り扱うことが可能となるため、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
このとき、該反応場セルユニットは、該感知部を2以上有することが好ましい(請求項23)。これにより、複数の相互反応を一つのセンサユニットで検出できるようになるため、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができ、センサユニットの高機能化を図ることができるようになる。
また、該反応場セルユニットにおいては、1つの上記感知用ゲートに対して、2以上の感知部が導通可能に形成されていることが好ましい(請求項24)。これにより、感知用ゲートの数を抑制することができ、ひいては、トランジスタの小型化、集積化、低コスト化等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
さらに、該反応場セルユニットは、検体を流通させうる流路を有し、該流路に、該感知部が設けられていることが好ましい(請求項25)。これにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点の少なくともいずれかを得ることができる。
また、本発明の更に別の要旨は、上述したセンサユニットのいずれかを備えることを特徴とする、分析装置に存する(請求項26)。
このとき、該分析装置は、化学的反応測定及び免疫学的反応測定を、該センサユニットで分析できるよう構成されたものであることが好ましい(請求項27)。
また、該分析装置は、電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、血液凝固能測定グループ、免疫学的反応測定グループ、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ及びレセプタ−リガンド間相互作用測定グループからなる測定グループの群より選ばれる、少なくとも一つの測定グループの測定を、該センサユニットで分析できるよう構成されたものであることが好ましい(請求項28)。
さらに、該分析装置は、電解質濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、生化学項目測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液ガス濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血算測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液凝固能測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸−タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、及び、免疫学的反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質からなる群より選ばれる2以上の検出対象物質の検出を、該センサユニットで分析できるよう構成されたものであることが好ましい(請求項29)。
また、該分析装置は、電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、及び血液凝固能測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループ、並びに、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ、及び、免疫学的反応測定グループからなる測定グループの群より選ばれる少なくとも一つの測定グループの測定を、該センサユニットで分析できるよう構成されたものであることが好ましい(請求項30)。
さらに、該分析装置は、特定の疾患又は機能を判別するために選択された2以上の検出対象物質を検出することができるよう構成されたものであることが好ましい(請求項31)。
また、本発明の更に別の要旨は、基板と、該基板に設けられた第1のソース電極及び第1のドレイン電極、並びに、上記の第1のソース電極及び第1のドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成された第1のチャネルを有する第1トランジスタ部と、該基板に設けられた第2のソース電極及び第2のドレイン電極、並びに、上記の第2のソース電極及び第2のドレイン電極間の電流通路になる第2のチャネルを有する第2トランジスタ部とを備え、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ及び免疫学的反応測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループから選択される少なくとも1つの検出対象物質を第1トランジスタ部の特性の変化として検出し、電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、及び血液凝固能測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループから選択される少なくとも1つの検出対象物質を第2トランジスタ部の特性の変化として検出するセンサユニットを備えることを特徴とする、分析装置に存する(請求項32)。
また、上記の分析装置においては、検出対象物質と相互作用する特定物質が有機半導体で形成されたチャネルに固定化されていることが好ましい。即ち、該第1のチャネルに、上記検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成されていることが好ましい(請求項33)。
本発明のセンサユニット及びそれと共に用いる反応場セルユニット並びにそれを用いた分析装置によれば、分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態や例示等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、有機半導体トランジスタのチャネルとは、ソース電極とドレイン電極との間の有機半導体を意味する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第1のセンサユニット」という)は、基板と、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有する。このトランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第1のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
また、第1のセンサユニットは、適宜、電気接続切替部や、反応場セルユニットなど、トランジスタ以外の部材を備えていても良い。
以下、第1のセンサユニットの構成要素について説明する。
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
基板は、絶縁性を有する基板であれば任意の素材で形成された基板を用いることができるが、通常は、絶縁性基板、又は、絶縁された半導体基板を用いる。なお、本明細書において絶縁性という場合には、特に断らない限り電気絶縁性のことを指し、絶縁体という場合には、特に断らない限り電気絶縁体の事を指す。また、センサとして用いる場合、感度を高めるためには、絶縁性基板、或いは、表面を絶縁性基板を構成する素材(即ち、絶縁体)で被覆することにより絶縁した半導体基板であることが好ましい。これら、絶縁性基板や、絶縁体で被覆した半導体基板を用いた場合、他の方法で絶縁した半導体基板に比べ、誘電率が低いために浮遊容量を低減することができ、そのため、例えばバックゲート(基板に対してチャネルと反対側に設けられたゲート)を検出用感知ゲートとした場合に相互作用の感知感度を高めることができる。
絶縁性基板は、絶縁体で形成された基板である。絶縁性基板を形成する絶縁体の具体例としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、弗化カルシウム、アクリル樹脂、ポリイミド、テフロン(登録商標)等が挙げられる。なお、絶縁体は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、半導体基板は、半導体で形成された基板である。半導体基板を形成する半導体の具体例としては、シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、インジウム燐、炭化シリコン等が挙げられる。なお、半導体は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、半導体基板を絶縁する方法は任意であるが、通常は、上記のように絶縁体で被覆して絶縁することが望ましい。半導体基板の上に絶縁膜を形成して絶縁する場合、被覆に用いる絶縁体の具体例としては、上記の絶縁性基板を形成する絶縁体と同様のものが挙げられる。
また、絶縁した半導体基板を用いる場合には、この半導体基板は、後述するゲート{即ち、感知用ゲート(ゲート本体)や電圧印加ゲート等}としても作用させることも可能である。ただし、絶縁した半導体基板をゲートに用いる場合、その基板は電気抵抗が小さいことが望ましく、例えば、高濃度にドナーあるいはアクセプタが添加され、抵抗率が低く金属的伝導性を示す半導体を用いた半導体基板が望ましい。
さらに、基板の形状は任意であるが、通常は平板状に形成する。また、その寸法についても特に制限は無いが、基板の機械的強度を保つため100μm以上であることが好ましい。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
ソース電極は、上記トランジスタのキャリアを供給できる電極であれば他に制限は無い。また、ドレイン電極は、上記トランジスタのキャリアを受け取ることができる電極であれば、他に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。ただし、ソース電極及びドレイン電極は、通常は同一の基板上に設けられる。
ソース電極及びドレイン電極はそれぞれ任意の導体で形成することができ、具体例としては、金、白金、チタン、炭化チタン、タングステン、アルミニウム、モリブデン、クロムケイ化タングステン、窒化タングステン、多結晶シリコン等の導電性無機材料、ポリチオフェンやポリアニリン等の導電性高分子、及び、これらの導電性材料を高分子に分散した複合材料などが挙げられる。また、ソース電極、ドレイン電極を形成する導体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、ソース電極及びドレイン電極の寸法や形状も任意である。
(3.チャネル)
(3−1.チャネルの構成)
チャネルは、ソース電極及びドレイン電極の間の電流の通路となりうるものであり、本実施形態においては有機半導体で形成されたチャネルを用いる。
チャネルの形状や寸法に制限は無く、任意である。
また、チャネルは、室温において上記のソース電極及びドレイン電極の間に弛んだ状態で設けられていることが好ましい。これにより、温度変化によってチャネルが破損する可能性を小さくすることができる。
また、上記のように、チャネルの構成によって上記のトランジスタは電界効果トランジスタと単一電子トランジスタとに分けられる。両者の違いは、チャネルが量子ドット構造を有しているかに応じて区別され、チャネルが量子ドット構造を有していないトランジスタは電界効果トランジスタとなり、チャネルが量子ドット構造を有しているトランジスタは単一電子トランジスタとなる。
ここで、本実施形態にかかるチャネルを形成する有機半導体は分子を材料としているため、本実施形態にかかるチャネルにおいては、上記の量子ドットは単一分子あるいは少数(例えば100個以下)の分子の集合体とみなすことができる。このため、本実施形態のトランジスタは、そのチャネルを形成する分子個々の特性が単一電子で制御されるものは単一電子トランジスタであり、チャネルの電気伝導をそれ以上の分子集合体のバルクとして外部電界で制御するものは電界効果トランジスタとなる。
したがって、チャネルを形成する場合には、センサユニットの目的や、トランジスタを電界効果トランジスタと単一電子トランジスタとのいずれにするかなどに応じて、適当な材料によって形成することが好ましい。
以下、電界効果トランジスタのチャネル(以下適宜、「FETチャネル」という)と、単一電子トランジスタのチャネル(以下適宜、「SETチャネル」という)とについて、それぞれ説明する。なお、FETチャネルとSETチャネルとを区別しないで指す場合、単に「チャネル」という。また、上述のように電界効果トランジスタと単一電子トランジスタとはチャネルによって区別することができるため、FETチャネルを有するトランジスタは電界効果トランジスタであり、SETチャネルを有するトランジスタは単一電子トランジスタと認識すべきである。
FETチャネルは、電流の通路となりうるものである。一般に、トランジスタのチャネルは、半導体基板の素材として例示した半導体により形成されるが、本実施形態においてはFETチャネルとして有機半導体によりチャネルを形成する。
また、センサユニットの感度を高めるためには、FETチャネルは微細なものであることが好ましい。一般に、トランジスタを用いたセンサの検出感度の限界は、トランジスタのゲートの電気容量(以下適宜、「ゲート容量」という)に関係している。ゲート容量が小さいほど、ゲートの表面電荷の変化を大きなゲート電圧の変化として捉えることができ、センサの検出感度が向上するのである。ゲート容量はチャネルの長さLとチャネルの幅Wとの積L×Wに比例するので、ゲート容量の減少にはチャネルの微細化が効果的である。有機半導体を用いてチャネルを形成した場合、例えばその自己集積化機能を利用することにより、単分子レベルでの分子配向を制御することができ、チャネルの微細化が可能となる。
一方、SETチャネルもFETチャネルと同様、電流の通路となりうるものである。本実施形態においては、このSETチャネルとしても有機半導体によりチャネルを形成する。ただし、上述したように、FETチャネルとは異なり、SETチャネルは量子ドット構造を有する。したがって、SETチャネルは量子ドット構造を有する有機半導体により形成するか、チャネル形成後に量子ドット構造を形成させる処理を行なうようにするべきである。例えば、ポリチオフェンやオリゴチオフェンに代表されるπ電子共役分子を分子長(ナノメートル)オーダーの電極間に橋渡しすることにより有機半導体のチャネルに量子ドット構造を導入することができる。
通常、単一電子トランジスタは電界効果トランジスタよりも小さいゲート容量を有する。具体例を挙げると、例えばシリコン系MOSFET(メタル・オキサイド・セミコンダクター・電界効果トランジスタ)のゲート容量は10-15F(ファラッド)程度であり、これに対して上記有機半導体を用いた単一電子トランジスタのゲート容量は10-19F〜10-20F程度である。このように、単一電子トランジスタでは従来のシリコン系MOSFETに比べて、ゲート容量が1万〜10万分の一程度減少する。
その結果、このような有機半導体をチャネルに用いた単一電子トランジスタを形成すれば、検出物質の検出感度を大きく向上させることができるのである。
また、本実施形態のチャネルを形成する有機半導体に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。その具体例としては、アザアヌレン化合物、縮合多環芳香族化合物、5員環または6員環芳香族化合物の組み合わせから形成されるオリゴマー化合物、共役高分子化合物などが挙げられるが、もちろん、その他の有機半導体を用いても良い。ただし、通常は、アザアヌレン化合物、縮合多環芳香族化合物、5員環または6員環芳香族化合物の組み合わせから形成されるオリゴマー化合物、共役高分子化合物よりなる群から選ばれるものを用いることが望ましい。
アザアヌレン化合物としては、例えば、銅フタロシアニン、パーフルオロ銅フタロシアニン、テトラベンゾポルフィリン及びその金属塩等の大環状アザアヌレン化合物およびその金属錯体化合物などが挙げられる。
また、縮合多環芳香族化合物としては、例えば、ナフタレン、ナフタセン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、フラーレン等の縮合芳香族炭化水素などが挙げられる。
さらに、5員環または6員環芳香族化合物の組み合わせから形成されるオリゴマー化合物としては、例えば、α−セキシチオフェン等のオリゴマー類、α−セキシチオフェン、ジアルキルセキシチオフェン等に代表される、チオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類、あるいは、チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環を合計4個以上連結した化合物などが挙げられる。
また、共役高分子化合物としては、例えば、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役高分子などが挙げられる。
さらに、その他、例えば、アントラジチオフェン、ジベンゾチエノビスチオフェン、α、α′−ビス(ジチエノ[3,2−b′:2′,3′−d]チオフェン)等の縮合チオフェン及びその誘導体や、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボンサンジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボンサンジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物などを有機半導体として用いることもできる。
なお、有機半導体は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、有機半導体は、通常、薄膜状態あるいはバルク状態で半導体として機能するものである。本実施形態のチャネルとしては、薄膜状態とバルク状態のいずれの状態で形成しても良いが、通常は、薄膜状態とする。センサユニットの小型化や集積化を促進するためである。
また、上記のような有機半導体はすべてπ電子で共役しているものであり、単一分子でも電気伝導に用いることができる。したがって、電界効果トランジスタの材料として用いることができると共に、単一電子トランジスタのチャネルの材料にも用いることができるのである。
さらに、有機半導体を薄膜状態にしてチャネルを形成する場合、当該薄膜の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、また、通常10μm以下、好ましくは1μmが望ましい。薄すぎると電荷キャリアの流れるチャネル領域が十分に形成されずにトランジスタの特性が低下する虞があり、厚すぎるとオンオフ比等の半導体特性が悪化したり、成膜が困難になったり、さらに、薄膜材料を大量に用いるためにコストがかかりやすくなったりする虞があるためである。
また、チャネルには、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、有機半導体以外の添加剤を含有していていも良い。例えば、少量を添加して半導体中のキャリア密度を変化させる機能を有しているドーパント材料などが存在していても良い。有機半導体に用いられるドーパント材料としては、酸素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸;PF6、AsF5、FeCl3、SbF5等のルイス酸;塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;ICl、ICl3、IBr、IF3等のハロゲン化合物;リチウム、カリウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属原子;バリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子;水素、銀、ユーロピウム、ベリリウム等の原子などが挙げられる。
さらに、チャネルは、絶縁性部材により被覆して、パッシベーションあるいは保護することが望ましい。これにより、トランジスタ内において流れる電流が、確実にチャネルに流れるようにすることができるため、安定して検出を行なうことができる。
絶縁性部材としては、絶縁性の部材であれば任意の部材を用いることが可能であるが、具体例としては、フォトレジスト(感光性樹脂)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエステル樹脂、ポリビニルフェノール等のポリスチレン誘導体などの高分子材料、アミノプロピルエトキシシランなどの自己組織化膜、PER−フルオロポリエーテル、フォンブリン(商品名)などのルブリカント、フラーレン類化合物、あるいは酸化シリコン、弗化ケイ酸塩ガラス、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、MLQ(Methyl Lisesquioxane)、多孔質シリカ、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、弗化カルシウム、ダイヤモンド薄膜などの無機物質を用いることができる。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、感知用ゲート(検出用感知ゲートのゲート本体)とチャネルとの間には、絶縁性であってかつ低誘電率の材料の層(低誘電率層)が設けられていることが好ましい。さらに、感知用ゲートからチャネルまでの間が全体に(即ち、感知用ゲートからチャネルまでの間にある層がすべて)低誘電率の性質を有することがより好ましい。
低誘電率層を構成する材料は、上記のように絶縁性であれば他に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。その具体例としては、二酸化シリコン、弗化ケイ酸塩ガラス、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、MLQ(Methyl Lisesquioxane)、多孔質シリカ、ダイヤモンド薄膜などの無機材料、ポリイミド、Parylene−N、Parylene−F、弗化ポリイミドなどの有機材料が挙げられる。なお、低誘電率の材料は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
つまり、チャネルから感知用ゲートにかけての間が絶縁性で且つ低誘電率であることにより、感知用ゲート上で生じた表面電荷の変化が、チャネル内の電荷密度の変化としてより効率的に伝達されるのである。これにより、上記相互作用をトランジスタの大きな出力特性の変化として感知することができるので、上記のトランジスタをセンサに用いた場合に、センサの感度をより向上させることができる。
また、特にチャネルとしてSETチャネルを用いる場合、チャネルと感知用ゲート間、及び、チャネルと電圧印加ゲート間に設ける絶縁層の誘電率を、量子ドットに電子1個がトラップされることによって生じる静電エネルギーが、動作温度における熱エネルギーより充分大きくなるように適宜選択することが好ましい。例として、量子ドットに2個の接合、感知用ゲート、電圧印加ゲートが接合されている場合を挙げる。2個の接合の容量の和をCT、チャネルと感知用ゲート間に絶縁層を設けることによりチャネルと感知用ゲート間に形成されるキャパシタの容量をCG1、チャネルと電圧印加ゲート間に絶縁層を設けることによりチャネルと電圧印加ゲート間に形成されるキャパシタの容量をCG2とした場合、kT<<e2/{2(CT+CG1+CG2)}を満たすように絶縁層の誘電率を適宜選択することが好ましい。ここで、左辺が熱エネルギーを表わし、右辺が電子1個のトラップによる静電エネルギーを表わす。また、kはボルツマン定数を表わし、Tは動作温度を表わし、eは素電荷を表わす。
また、トランジスタに電圧印加ゲートが設けられている場合、トランジスタにゲート電圧を印加する電圧印加ゲートとチャネルとの間には、絶縁性であってかつ高誘電率の材料の層(高誘電層)が形成されていることが好ましい。さらに、電圧印加ゲートからチャネルまでの間が全体に(即ち、電圧印加ゲートからチャネルまでの間にある層がすべて)高誘電率の性質を有することがより好ましい。
高誘電層を形成する材料は、上記のように絶縁性を有して且つ高誘電率のものであれば他に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。その具体例としては、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの無機物質、高誘電率特性を有する高分子材料などが挙げられる。また、高誘電率の材料は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
つまり、電圧印加ゲートからチャネルにかけての間が絶縁性で且つ高誘電率である高誘電層を形成することにより、電圧印加ゲートから電圧印加した場合に、トランジスタの伝達特性をより効率よく変調させることができるのである。これにより、上記のトランジスタをセンサとして用いた場合、センサとしての感度をより向上させることができる。
なお、前記のような絶縁層、低誘電層、高誘電層の形成方法に制限は無く、公知の方法を任意に用いることができる。例えば、酸化シリコンを用いて絶縁層を形成する場合には、基板全面に酸化シリコンからなる膜を形成した後、フォトリソグラフィーによりパターニングを行ない、除去したい部分の酸化シリコンを選択的にウェットエッチングにより除去し、形成することができる。
(3−2.チャネルの作製方法)
チャネルの作製方法に特に制限は無く、上述したチャネルを作製することができれば、任意の方法によるチャネルを作製することができる。
例を挙げると、例えばチャネルを薄膜状態で形成する際には、真空蒸着等のドライプロセスや、溶液、融液の塗布プロセスにより成膜することができる。さらに、有機半導体は、その有機半導体前駆体を薄膜などに成形後、その前駆体を有機半導体に変換して有機半導体で形成された本実施形態にかかるチャネルを作製するようにすることも可能である。また、上記の各プロセスは、材料の溶解度や蒸気圧、熱安定性等により、適当な条件を組み合わせるべきである。
ドライプロセスでの成膜を行なう場合、例えば、有機半導体やその有機半導体前駆体などの成膜材料をルツボや金属のボートに入れて真空中で加熱し、成膜材料を基板に付着させる真空蒸着法を用いることが出来る。この際、成膜時の条件は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意に設定することができる。例えば、真空度は、通常1×10-3Torr以下、好ましくは1×10-5Torr以下が望ましい。
また、成膜時の基板温度によりトランジスタの特性が変化するので、成膜時には最適な基板温度を選択することが好ましく、具体的には、0℃から200℃の範囲が好ましい。
さらに、成膜時の蒸着速度もトランジスタの特性に影響を与える可能性があるため、成膜時の蒸着速度も最適な範囲とすることが望ましい。具体的には、通常0.001nm/秒以上、好ましくは0.01nm/秒以上、また、通常10nm/秒以下、好ましくは1nm/秒以下が望ましい。
また、成膜材料を蒸発させる方法も任意であり、例えば加熱の他、加速したアルゴン等のイオンを衝突させるスパッタ法なども用いることが出来る。
一方、塗布プロセスにより成膜を行なう場合には、具体的な塗布方法は任意であり、例えば、溶液をたらすだけのキャスティング、スピンコーティング、ディップティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いることができる。さらに、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
有機半導体を用いる事のメリットの一つは、低温条件下における成膜が可能で、また、塗布、印刷等の低コストで大面積の成膜を行なうことができる方法を利用可能になることである。したがって、上記の例示した成膜方法の中でも、特に、塗布プロセスにより成膜を行なうことが好ましい。また、この際に塗布する対象となる基板は、プラスチック基板を用いるようにすれば、軽量で、ガラス等のように割れる虞がない素子が得られ、さらに、プラスチックフィルム基板を用いれば、印刷技術を用いて毎葉あるいはロールツーロールの連続プロセスにより大面積の素子が容易に作製できる為、1個あたりの素子の製造コストが低くなり、より好ましい。
以下、チャネルとしてテトラベンゾポルフィリン半導体を用いる場合のチャネルの作製方法の一例を挙げて、チャネルの作製方法についてさらに詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は、テトラベンゾポルフィリン半導体の前駆体を用いたチャネルの作製方法の各工程における操作を説明するための模式的な断面図である。
チャネルとして使用する有機半導体は、上記のように、その有機半導体前駆体を成膜した後で有機半導体に変換する方法を利用できる。ここで説明する例においても、この方法を用いてチャネルを作製する方法を説明する。
本例では、具体的には、以下の工程(1)〜(3)を行ない、テトラベンゾポルフィリン半導体からなるチャネルを形成する。
工程(1):適宜絶縁膜を形成した基板1上に、ソース電極2及びドレイン電極3をパターニングする{図1(a)}。
パターニングには、通常のフォトリソグラフィーの手法を用いることができる。
また、テトラベンゾポルフィリンは通常p型の半導体として動作するので、ソース電極2及びドレイン電極3は、仕事関数が4.5eVよりも大きな、正孔を注入しやすい材料で形成することが望ましい。例えば、金、白金、インジウム錫酸化物(ITO)、ニッケル、スルホン酸化合物等をドープしたポリチオフェン、ポリアニリン等により、ソース電極及びドレイン電極を形成することが好ましい。ソース電極2及びドレイン電極3を形成した後の基板1の様子は、図1(a)のようになる。
工程(2):ソース電極2及びドレイン電極3間に、テトラベンゾポルフィリン半導体の前駆体の膜を塗布により成膜し、前駆体膜4を形成する{図1(b)}。
テトラベンゾポルフィリン半導体の前駆体としては、例えば、下記式(1)で表わされる無金属ポルフィリンや、下記式(2)で表わされるポルフィリン化合物などを用いることができる。ただし、有機半導体の前駆体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
Figure 2006242900
式(2)において、Mは2価から4価までの金属原子を表わす。また、Mが3価以上の金属の場合には、Mには、ハロゲン原子、酸素原子、シアノ基等の配位子が結合していても良い。通常、Mが3価の金属原子である場合には当該配位子の数は1個であり、Mが4価である場合には当該配位子の数は2個である。なお、これらの配位子は、通常は、軸方向(即ち、紙面に交差する方向)に結合する。また、Mとして好適なもの具体例としては、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、錫等が挙げられる。
塗布用の前駆体溶解を用意する際、前駆体溶液の溶媒としては上記前駆体を成膜できる限り任意のものを用いることができるが、通常は、溶解性が高いものが好ましい。また、塗布プロセスに都合の良い、沸点が50℃以上、250℃以下で、毒性が低く安定性の高いものが好ましく用いられる。溶媒の沸点が低いと良好な膜質を得るのが難しく、高すぎると乾燥が難しくなるためである。
上記溶媒の具体例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール、テトラリン、クロロナフタレン、メチルナフタレン等の芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、乳酸メチル等のエステル類;ピリジン、キノリン等の含窒素有機溶媒類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類などが挙げられる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶液中の前駆体の濃度は、用いる塗布方法に応じて望ましい膜厚を得る為に適宜任意に調整すればよい。具体的な範囲としては、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
さらに、上記の塗布用の溶液には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において有機半導体やその前駆体以外の添加剤等を共存させても良い。添加剤としては、例えば、先に挙げたドーパント材料、さらには、酸化防止剤や光安定剤などが挙げられる。
また、成膜時の膜厚は、形成しようとするチャネルの膜厚に応じて設定すればよい。
さらに、塗布方法は、上述した成膜方法を任意に用いることができる。
また、通常、塗布後の前駆体膜4からは溶媒を除去する。溶媒の除去方法に制限は無いが、風乾、加熱乾燥、減圧乾燥などの乾燥により溶媒を除去する。この際、前駆体膜4が溶媒を含有するため取り扱いが難しい場合は次の工程とは別に溶媒の除去を行なうようにしてもよいが、成膜工程を減らすためには、次の加熱工程で溶媒の除去を行なうようにすると好ましい。
前駆体膜4を形成した後の基板1の様子は、図1(b)のようになる。
工程(3):加熱処理して、前駆体膜を半導体膜に変換する{図1(c)}。
前駆体膜4を加熱することにより、前駆体を半導体に変換して、有機半導体膜5をチャネルとして形成することができる。
加熱温度は前駆体の種類や組成により異なるが、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは250℃以下が望ましい。低温では半導体特性の発現の為の加熱時間が長くなり、高温では材料の昇華や分解が起こりやすいからである。
さらに、加熱時間は、通常1ミリ秒以上、好ましくは0.1秒以上、より好ましくは1秒以上、また、通常36時間以下、好ましくは24時間以下、より好ましくは10時間以下である。加熱時間が短いと高温が必要になり組み合わされる材料に制限がかかったり十分に結晶化が進行させのが難しく高特性が得られにくく、長すぎると製造コストの増大につながる虞があるからである。
さらに、加熱処理時の加熱方法に制限は無い。例えば、熱風炉中で加熱する方法以外に、ヒートローラー、赤外線、レーザー照射、マイクロ波照射等の方法を用いることができる。
半導体膜5をチャネルとして形成した後の基板1の様子は、図1(c)のようになる。
以上のように、工程(1)〜工程(3)によってテトラベンゾポルフィリン半導体からなるチャネルを形成することができる。
さらに、通常は、この基板1上の適当な位置に感知用ゲート、電圧印加ゲート、絶縁性部材、低誘電率層、高誘電率層などを適宜設け、トランジスタを作製する。
さらに、工程(1)〜(3)で作製したチャネルとしての有機半導体膜5に水素、酸素、アルゴンなどの雰囲気ガス下での加熱、ポリスチレン等のオーバーコートによる半導体特性の改良処理、例えば、移動度やオンオフ比の向上、電圧ストレスによるスレッショルド電圧変化等の素子特性変化の低減、等が可能となる。
また、トランジスタを集積する場合など、基板上に複数のトランジスタを集積する場合も、同様に、通常はフォトリソグラフィー法等を用いて、同一基板上に複数のソース電極、ドレイン電極に有機半導体を成膜することにより、トランジスタのアレイを作製することができる。
(4.検出用感知ゲート)
検出用感知ゲートは、ゲート本体である感知用ゲートと、感知部(相互作用感知部)とを有して構成されている。第1のセンサユニットでは、検出用感知ゲートの感知部で相互作用が生じた場合、感知用ゲートのゲート電圧が変化するようになっており、この感知用ゲートのゲート電圧に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。
(4−1.感知用ゲート)
感知用ゲート(即ち、ゲート本体)は、対応するソース電極及びドレイン電極と同一の基板に固定されたゲートである。この感知用ゲートは、トランジスタのチャネル内の荷電粒子の密度を制御するゲート電圧を印加できるものであれば他に制限は無い。通常、感知用ゲートはチャネル、ソース電極及びドレイン電極から絶縁された導体を有して構成され、一般的には導体および絶縁体から構成される。
感知用ゲートを構成する導体は任意であるが、その具体例としては、金、白金、チタン、炭化チタン、タングステン、ケイ化タングステン、窒化タングステン、アルミニウム、モリブデン、クロム、多結晶シリコンなどが挙げられる。なお、感知用ゲートの材料である導体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、上記導体の絶縁に用いる絶縁体も任意であり、その具体例としては、基板の材料として例示した絶縁体と同様のものが挙げられる。さらに、感知用ゲートの絶縁に用いる絶縁体についても、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、感知用ゲートの導体に代えて、又は導体と併用して、半導体を用いるようにしても良い。その際の半導体の種類は任意であり、また、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、感知用ゲートの寸法及び形状は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常は、ソース電極とドレイン電極との間の距離以上の大きさに形成することが望ましい。ソース電極とドレイン電極との間にはチャネルが形成されるが、このチャネルの全長に亘って感知用ゲートがゲート電圧を印加できるようにして、センサユニットの感度を高めるためである。
さらに、感知用ゲートを配置する位置は、チャネルに対してゲート電圧を印加することができる位置であれば他に制限は無く、例えば基板の上方に配設してトップゲートとしてもよく、基板のチャネルと同じ側の面上に配設してサイドゲートとしてもよく、基板の裏面(チャネルと反対側の面)に配設してバックゲートとしてもよい。これにより、検出時の操作を簡単に行なうことができる。
ただし、トップゲートとして感知用ゲートを形成すると、一般にチャネルとトップゲートとの距離はチャネルと他の位置のゲートとの距離に比べて近いため、センサユニットの感度を高めることができる。
また、感知用ゲートはチャネルのソース電極とドレイン電極との間に形成された部位の大部分、好ましくは全体に沿って配置するようにすることが好ましい。チャネルの、感知用ゲートからゲート電圧を印加される部位が大きくなるほど、ゲート電圧の変化によるトランジスタ特性の変化も大きくなり、これにより、センサユニットの感度を高めることが可能となるからである。
さらに、チャネルの表面に絶縁膜を介して感知用ゲートを形成してもよい。特に、感知用ゲートをトップゲート又はサイドゲートとして形成する場合に絶縁膜を設けることが望ましい。ここでいう絶縁膜としては、絶縁性を有する任意の膜を任意に用いることができるが、通常は、絶縁性の素材で形成された膜である。絶縁膜の素材は絶縁性を有していれば他に制限は無く任意であるが、具体例としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、弗化カルシウムなどの無機材料、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、テフロン(登録商標)などの高分子材料が挙げられる。なお、この絶縁膜の材料は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、感知用ゲートには、使用時に、電圧を印加するようにしてもよいし、電圧を印加せずフローティングの状態とするようにしても良い。
さらに、感知用ゲートの数は任意であり、トランジスタに1つのみの感知用ゲートを設けても良く、2つ以上の感知用ゲートを設けてもよい。
(4−2.感知部)
本実施形態において感知部は、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定され、基板とは離隔して形成された部材であり、検出対象物質と特定物質との相互作用が生じた場合に、その相互作用を電気信号(電荷の変化)として感知用ゲートに送ることができるように構成されている。ここで、検出対象物質とは、第1のセンサユニットを用いて検出しようとする対象であり、特定物質とは、検出対象物質と何らかの相互作用を選択的に生じる物質である。なかでも、特定物質としては、検出対象物質と選択的に相互作用するものを用いることが好ましい。これは、より正確な検出を行なうようにするためである。また、一つの感知部には、1種の特定物質を単独で固定しても良く、2種以上の特定物質を任意の組み合わせ及び比率で固定化してもよいが、通常は、一つの感知部に対しては1種の特定物質を単独で固定化する。なお、これらの検出対象物質、特定物質及び相互作用については、後で詳細に説明する。
感知部は、特定物質を固定化でき、そこで生じた相互作用を感知用ゲートが電気信号として取り出すことができれば他に制限は無く、任意の材料で形成することができる。例えば、導体や半導体などで形成することができるが、検出感度を高めるためには、導体で形成することが好ましい。なお、感知部を形成する導体及び半導体の具体例は、感知用ゲートの材料として例示したものと同様のものを用いることができる。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、感知部として、金属以外に薄い絶縁膜を使用してもよい。絶縁膜としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、弗化カルシウムなどの無機材料、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、テフロン(登録商標)などの高分子材料を用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。ただし、感知用ゲートが相互作用を電気信号として取り出すことができるよう、感知用ゲートとの距離を小さくしたり、絶縁膜の膜厚を十分小さくしたりすることが望ましい。
さらに、感知部は、上記のように相互作用による電気信号を感知用ゲートに送るため、少なくとも検出時(使用時)には、感知用ゲートに対して電気的に導通をとりうるように構成されている。どのようにして導通をとるかは任意であるが、例えば、導線、コネクタ等の導通部材を用いて電気的に接続して導通をとるようにしても良く、感知部と感知用ゲートとを直接接続することにより導通をとるようにしてもよい。
また、感知部は感知用ゲートに対して、直接又は間接に、機械的に着脱可能に構成することが望ましい。即ち、感知用ゲートを、直接又は導通部材等を用いて機械的に感知用ゲートに装着(接続)されたときには感知用ゲートに電気的に導通状態となり、機械的に感知用ゲートから脱離されたときには感知用ゲートに電気的に非導通状態となるように構成することが望ましい。これにより、感知部を取替えることで特定物質を交換することが可能となる。つまり、センサユニット全体を交換しなくとも、検出対象物質や検出の目的に応じて特定物質を交換することができるようになり、センサユニットの製造コスト、操作の手間などを大幅に改善することが可能となる。
さらに、感知部は1個を単独で設けても良く、2個以上を設けてもよい。また、感知部を2個以上設ける場合、各感知部に固定する特定物質は、同種であっても、異なっていても良い。このように感知部を2個以上設けることにより、複数の相互反応を一つのセンサユニットで検出できるようになり、これにより、一つのセンサユニットでさらに多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになる。ただし、感知部同士は、各感知部における相互作用を確実に感知するため、通常は電気的に非導通状態とすることが望ましい。
また、感知部を2個以上設ける場合、1つの感知用ゲートに対して2つ以上の感知部を対応して設けることが好ましい。即ち、1つの感知用ゲートが、2つ以上の感知部と導通可能に形成されることが好ましい。このように、2つ以上の感知部で生じる相互作用に起因する電気信号を1つの感知用ゲートに送り、それをトランジスタの特性の変化として検出するようにすれば、感知用ゲートの数を抑制することができ、ひいては、トランジスタの小型化、及び集積化を行なうことが可能になる。
さらに、感知部の形状及び寸法に制限は無く、その用途や目的に応じて任意に設定することができる。
(5.電圧印加ゲート)
第1のセンサユニットは、検出対象物質と特定物質との相互作用により生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより、検出対象物質を検出する。このようなトランジスタの特性の変化が生じるには、通常、チャネルに電流を流すことになるが、そのためには、チャネルに対して電界を生じさせることになる。したがって、ゲートに電圧を印加し、そのゲート電圧によりチャネルに対して電界を生じさせることになる。
ゲート電圧を印加する場合には、上述したように、感知用ゲートに電圧を印加し、その電圧をゲート電圧としてチャネルに電圧を印加するようにしても良い。また、相互作用によって電圧が生じるような場合には、感知用ゲートをフローティングの状態にし、相互作用により生じる電圧をゲート電圧として用いるようにしても良い。しかし、検出の精度を高めるためには、感知用ゲートとは別に、相互作用をトランジスタの特定の変化として検出するための電圧を印加される電圧印加ゲートを設け、この電圧印加ゲートによりチャネルに対して電界を生じさせることが望ましい。
電圧印加ゲートは、基板の外部に形成しても好いが、通常は、基板に固定されたゲートとして設けられる。また、通常、チャネル、ソース電極及びドレイン電極から絶縁された導体を有して構成され、一般的には導体および絶縁体から構成される。
電圧印加ゲートを構成する導体は任意であるが、具体例としては、感知用ゲートに用いる導体と同様のものが挙げられる。また、この導体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、上記導体の絶縁に用いる絶縁体も任意であり、その具体例としては、感知用ゲートの材料として例示した絶縁体と同様のものが挙げられる。また、この絶縁体についても、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、電圧印加ゲートの導体に代えて、又は導体と併用して、半導体を用いるようにしても良い。その際の半導体の種類は任意であり、また、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、電圧印加ゲートの寸法及び形状は任意である。
さらに、電圧印加ゲートを配置する位置は、チャネルに対してゲート電圧を印加することができる位置であれば他に制限は無く、例えば基板の上方に配設してトップゲートとしてもよく、基板のチャネルと同じ側の面上に配設してサイドゲートとしてもよく、基板の裏面に配設してバックゲートとしてもよい。これにより、検出をより簡単に行なうことができる。
また、電圧印加ゲートをトップゲート又はサイドゲートとして形成する場合には、チャネルの表面に絶縁膜を介してゲートを形成してもよい。ここでいう絶縁膜としては、感知用ゲートにおいて用いたのと同様のものを指す。
さらに、電圧印加ゲートをバックゲートとして設け、且つ、トランジスタ部を集積する場合には、各トランジスタに、それぞれ電気的に分離されたバックゲートを設けることが好ましい。トランジスタ部を集積した場合、電気的に分離しないと、隣のトランジスタ部の電圧印加ゲートによる電界の影響で検出感度が低下する虞があるためである。また、この場合、公知技術として広く一般に実施されているような、基板に高ドープをしてアイランドを作製する方法を採用したり、さらに、SOI(Silicon on Insulator)で電気絶縁を行なったり、または、STI(Shallow Trench Isolation)でデバイス間を電気的に絶縁分離することが好ましい。
さらに、電圧印加ゲートに電圧を印加する場合、その電圧の印加方法に制限はなく任意である。例えば、配線などを通じて電圧を印加しても良いが、検体液を含めた何らかの液体を通じて電圧を印加するようにしても良い。
電圧印加ゲートには、相互作用をトランジスタの特定の変化として検出するための電圧が印加される。相互作用が生じた場合、ソース電極とドレイン電極間に流れる電流(チャネル電流)の電流値、しきい値電圧、ドレイン電圧のゲート電圧に対する傾き、また次に挙げるものは単一電子トランジスタ特有の特性であるが、クーロン振動のしきい値、クーロン振動の周期、クーロンダイアモンドのしきい値、クーロンダイアモンドの周期などのトランジスタの特性値にその相互作用に起因する変動が生じる。通常、印加される電圧の大きさは、この変動を最大とすることができる大きさに設定する。
(6.集積化)
上述したトランジスタは、集積化されていることが好ましい。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、検出用感知ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが、2以上設けられていることが好ましく、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。ただし、検出用感知ゲートの構成要素のうち、感知部は、通常は基板とは別に形成されるため、基板上には少なくとも感知用ゲート(ゲート本体)が集積されていればよい。また、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、検出用感知ゲートの感知部、及び、電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置やそれに固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMS(Micro Electro Mechanical System)と呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.電気接続切替部]
第1のセンサユニットにおいてトランジスタ部が集積されている場合や感知部が複数設けられている場合、即ち、感知用ゲート及び感知部の一方又は両方が2個以上設けられている場合には、第1のセンサユニットは、感知用ゲートと感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えていることが好ましい。これにより、センサユニットの小型化や、検出データの信頼性向上、検出の効率化などを図ることができる。なお、トランジスタを集積した場合には、同一のトランジスタ内の導通だけでなく、他のトランジスタとの間で上記の導通を切り替えるように構成しても良い。
例えば、1つの感知用ゲートに対して2つ以上の感知部が対応して設けられている場合には、電気的接続切替部は、2以上の感知部のうちのどれと、感知用ゲートとを導通させるかを選択的に切り替えることが可能に構成できる。これにより、1つの感知用ゲートで2以上の感知部で生じる相互作用による電気信号を取り出すことができ、感知用ゲートの数の抑制が可能となり、ひいてはトランジスタの数の抑制が可能となるため、センサユニットの小型化を行なうことが可能となる。
また、例えば2以上の感知用ゲートに対して1つの感知部が設けられている場合には、電気的接続切替部は、2以上の感知用ゲートのうちのどれと、感知部とを導通させるかを選択的に切り替えることが可能に構成できる。これにより、一つの相互作用を2以上の感知用ゲートを用いて検出することが可能となり、各感知用ゲートを用いた検出データを利用することで、検出データの信頼性を高めることが可能となる。
さらに、感知用ゲート及び感知部がそれぞれ2以上対応して設けられている場合には、両者を組み合わせて、効率的な検出を行なうことが可能となるほか、上記の効果も得ることができる。
電気接続切替部は、感知用ゲートと感知部との導通を切り替えることができればその具体的構成は任意であるが、通常は、感知用ゲートと感知部とを導通させる導通部材として構成することが好ましい。例えば、感知用ゲートと感知部とを接続する配線を有するコネクタにおいて、その配線を適切に切り替えるスイッチを設けるようにすれば、そのコネクタを電気接続切替部として用いることができる。また、スイッチ自体を電気接続切替部とみなしてもよい。
[III.反応場セルユニット]
本実施形態の反応場セルユニットは、検体を感知部に接触させる部材である。また、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、その検出対象物質と特定物質とが相互作用するようになっている。
反応場セルユニットは、検体を感知部に接触させて、その検体に検出対象物質が含有されている場合に上記の相互作用を生じさせることができれば具体的な構成に制限は無い。例えば、検体を感知部に接触するように保持する容器として構成することができる。ただし、検体が流体である場合には、検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、反応場セルユニットには、上述した感知部を形成してもよい。即ち、基板上の感知用ゲートと、反応場セルユニットの感知部とにより、検出用感知ゲートが構成されるようにしても良い。これにより、感知部の着脱を反応場セルユニットの着脱と共に行なうことが可能となり、操作の簡便化を図ることができる。
さらに、反応場セルユニットに流路が形成されている場合には、感知部は、その流路に面して特定物質を固定化することが好ましい。これにより、流路に検体を流通させた際、検体に検出対象物質が含まれていれば確実に上記の相互作用を生じさせることができる。
ここで、流路について説明する。
流路の形状、寸法、本数等に特に制限は無いが、その検出の目的に応じて、適切な流路を形成することが望ましい。例えば、2以上の相互作用を感知する場合には、相互作用の感知に用いる試薬や反応生成物が他の相互作用の感知を阻害することを防止するため、各感知部を仕切る壁部を設けること等により、個々の感知部間において検体が混合しないよう流路を設けることができる。また、例えば、別種の検出対象物質を一度で分析する場合や、相互作用の感知に必要な試薬を個々の感知部に別々に導入する場合などには、検体を予め別々の流路に分離させることも可能である。
流路の具体的な形状は種々のものが考えられるが、その例としては、下記のものが挙げられる。図2(a)〜(f)は、それぞれ流路を形成した反応場セルユニットの平面図である。
例えば、図2(a)に示すように、複数の流路7を並列に形成し、各流路7毎に、感知部8、流路7に流体を注入するための注入部9、及び、流路7から流体を排出するための排出部10を設けるようにしてもよい。流路形状をこのように形成すれば、各注入部9より別々の検体が流路7を介して各々の感知部8に流れ込み、検体に検出対象物質が含まれている場合はそこで相互作用が生じ、その後それぞれ別の排出口10より検体が排出される。したがって、それぞれ別々の検体を各注入部9に注入して各流路7に検体を流通させた場合には流路7毎にそれぞれ異なる検体の分析を行なうことができ、また、同じ検体を各注入部9に注入して各流路7に検体を流通させた場合でも、感知部8にそれぞれ異なる特定物質を固定していれば、感知部8毎に異なる相互作用を検出することができる。
また、例えば図2(b)に示すように、並列に設けた流路7に対し、各流路7毎に感知部8を設け、また、各流路7に共通の注入部9及び排出部10を設けてもよい。流路形状をこのように形成すれば、1つの注入部9から注入された検体が流路7を介して分れて各感知部8に流れ込み、検体に検出対象物質が含まれている場合はそこで相互作用が生じ、その後1つの排出口10より検体が排出される。したがって、単一の検体について、感知部8毎に異なる相互作用を感知することができる。
さらに、例えば図2(c)に示すように、並列に設けた流路7に対し、各流路7毎に感知部8及び注入部9を設け、また、各流路7に共通の排出部10を設けてもよい。流路形状をこのように形成すれば、各注入部9より別々の検体が流路7を介して各々の感知部8に流れ込み、検体に検出対象物質が含まれている場合はそこで相互作用が生じ、その後1つの排出口より検体が排出される。したがって、それぞれ別々の検体を各注入部9に注入して各流路7に検体を流通させた場合には流路7毎にそれぞれ異なる検体の分析を行なうことができ、また、同じ検体を各注入部9に注入して各流路7に検体を流通させた場合でも、感知部8にそれぞれ異なる特定物質を固定していれば、感知部8毎に異なる相互作用を検出することができる。
また、例えば図2(d)に示すように、幅広に形成した流路7に複数の感知部8を設け、各感知部8間で検出を阻害する混合が生じないよう、感知部8間に仕切壁11を設けてもよい。流路形状をこのように形成すれば、1つの注入部9から注入された検体が流路7に既設された仕切壁11により分れ、各々の感知部8に流れ込み、検体に検出対象物質が含まれている場合はそこで相互作用が生じ、その後1つの排出口10より検体が排出される。したがって、単一の検体について、感知部8毎に異なる相互作用を感知することができ、また、感知部8間での混合を抑制し、正確な分析を行なうことが可能となる。
さらに、例えば図2(e)に示すように、図2(c)のような形状の流路7に対し、各流路7毎に2以上の注入部9を設けてもよい。流路形状をこのように形成すれば、対応する注入部9のうちの一方の注入部9に注入された検体は、流路7の注入部9と感知部8との間の部分を流通する間に、他方の注入部9から注入された流体(通常は、検出に用いる試薬)と混合され、混合された検体が感知部8に流れ込み、検体に検出対象物質が含まれている場合はそこで相互作用が生じ、その後1つの排出口10より検体が排出される。したがって、図2(c)に示した流路で得られる利点の他、流路7中での流れを利用して試薬等との混合を行なうことができるため、検体の分析を更に効率よく簡単に行なうことができる。
また、ここでは流路7を並列に形成する例を示したが、流路7は直列に形成しても良く、例えば、図2(f)に示すように、流路7の流れに沿って感知部8を設けてもよい。
また、これらの流路を形成する部材(フレームなど)の材質は任意であり、樹脂等の有機材料、セラミックス、ガラス、金属等の無機材料など、その種類は特に限定されない。ただし、各感知部間は、通常は絶縁されていることが好ましい。さらに、検出対象物質と特定物質との相互作用を、上記トランジスタを用いて感知すると共に、蛍光、発光、発色又は燐光等を利用して光学的に測定する場合には、反応場セルユニットの光学観測部(光学的な観測を行なう部分)を、観測する波長の光が透過できる部材により形成することが好ましい。例えば、可視光を観測する場合には、透明な材料により形成することが好ましい。透明な材料の具体例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリオレフィン等の樹脂や、Pyrex(登録商標。ホウケイ酸ガラス)、石英ガラス等のガラスが挙げられる。但し、反応場セルユニットを分解して測定することが可能な場合には、透明度は必要とされない。
流路の製作方法は任意であるが、例えば、凹部及びスリット状溝の形成方法としては、機械加工、射出成型や圧縮成型に代表される転写技術、ドライエッチング(RIE、IE、IBE、プラズマエッチング、レーザーエッチング、レーザーアブレーション、ブラスト加工、放電加工、LIGA、電子ビームエッチング、FAB)、ウエットエッチング(化学浸食)、光造形やセラミックス敷詰等の一体成型、各種物質を層状にコート、蒸着、スパッタリング、堆積して部分的に除去することにより微細構造物を形成するSurface Micro−machining、インクジェットやディスペンサーにより流路構成材料を滴下して形成する方法(即ち、凹部及び流れ方向中間部を一体に凹部として形成し、その後、上記中間部に流れ方向に沿って流路構成材料を滴下し、仕切壁を形成する方法)、光造形法、スクリーン印刷、インクジェットなどの印刷、又はコーティングなどを適宜選択して用いればよい。
[IV.検出対象物質、特定物質及び相互作用]
(1.検出対象物質及び特定物質)
検出対象物質とは、本実施形態のセンサユニットが検出する対象となる物質である。検出対象物質については特に制限は無く、任意の物質を検出対象物質とすることができる。また、検出対象物質として、純物質以外のものを用いることも可能である。
また、検出対照物質の検出に用いる特定物質は、検出対象物と相互作用できるものであれば特に制限は無く、任意の物質を用いることができる。
検出対象物質及び特定物質それぞれの具体例としては、タンパク質(酵素、抗原/抗体、レクチン等)、ペプチド、脂質、ホルモン(アミン・アミノ酸誘導体・ペプチド・タンパク質等からなる含窒素ホルモン、及び、ステロイドホルモン)、核酸、糖、オリゴ糖、多糖等の糖鎖、色素、低分子化合物、有機物質、無機物質、pH、イオン(Na+,K+,Cl-等)若しくはこれらの融合体、または、ウィルス若しくは細胞を構成する分子、血球などが挙げられる。
また、これらの検出対象物質は、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、唾液、尿、大便、汗、粘液、涙、随液、鼻汁、頸部又は膣の分泌液、精液、胸膜液、羊水、腹水、中耳液、関節液、胃吸引液、組織・細胞等の抽出液や破砕液等の生体液を含むほとんど全ての液体試料中に含まれる成分として検出される。
タンパク質としては、タンパク質の全長であっても結合活性部位を含む部分ペプチドでもよい。またアミノ酸配列、及びその機能が既知のタンパク質でも、未知のタンパク質でもよい。これらは、合成されたペプチド鎖、生体より精製されたタンパク質、あるいはcDNAライブラリー等から適当な翻訳系を用いて翻訳し、精製したタンパク質等でも標的分子として用いることができる。合成されたペプチド鎖は、これに糖鎖が結合した糖タンパク質であってもよい。これらのうち好ましくは、アミノ酸配列が既知の精製されたタンパク質か、あるいはcDNAライブラリー等から適当な方法を用いて翻訳、精製されたタンパク質を用いることができる。
さらに、脂質としては、特に制限はない。例えば脂質及びタンパク質と脂質との複合体、糖と脂質との複合体等が挙げられ、具体例を挙げると、総コレステロール、LDL−コレステロール、HDL−コレステロール、リポタンパク、アポリポタンパク、トリグリセライド等が挙げられる。
また、核酸としては、特に制限はなく、DNAあるいはRNAも用いることができる。また、塩基配列あるいは機能が既知の核酸でも、未知の核酸でもよい。好ましくは、タンパク質に結合能力を有する核酸としての機能、及び塩基配列が既知のものか、あるいはゲノムライブラリー等から制限酵素等を用いて切断単離してきたものを用いることができる。
さらに、糖鎖としては、その糖配列あるいは機能が、既知の糖鎖でも未知の糖鎖でもよい。好ましくは、既に分離解析され、糖配列あるいは機能が既知の糖鎖が用いられる。
また、低分子化合物としては、相互作用する能力を有する限り、特に制限はない。機能が未知のものでも、あるいはタンパク質と結合もしくは反応する能力が既に知られているものでも用いることができる。
(2.相互作用)
上記の通り、感知部上には数多くの特定物質を固定化でき、特定物質が固定化された感知部を用いれば、本実施形態のセンサユニットを、その特定物質と相互作用する物質(検出対象物質)を検出するバイオセンサーなどに好適に使用できる。この際、検出対象物質と特定物質との間で生じる相互作用に制限は無いが、例えば、検出対象物質と特定物質との反応のほか、pH、イオン、温度、圧力、誘電率、抵抗値、粘度等の外環境の変化などが挙げられる。これらは、例えば感知部に固定化される機能性物質等の特定物質が関与する応答や機能性物質が固定化されないゲートそのものの応答などとして感知可能であり、これらを用いることにより、例えば血液凝固能測定や血算測定などを行なうことができる。
また、検出されるシグナル(相互作用により生じるトランジスタ部の特性の変化)の増幅や特定を目的として、特定物質と相互作用した物質と更に相互作用する物質(標識物質)で、検出対象物質を標識することも可能である。なお、標識物質としては、例えば、酵素(例えばH22等の電気的活性種を生成及び/又は消費できる酵素)、電気化学的反応や発光反応等を有する物質やこれらの物質を生成及び/又は消費できる酵素、荷電を有する高分子や粒子などが挙げられる。また、標識物質は1種を単独で用いても2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。これらの標識を行なう方法は、イムノアッセイやインターカレーター等を利用したDNA解析の領域では標識化測定法として広く用いられている方法である(参考文献:今井一洋 生物発光と化学発光 昭和64年 廣川書店、P.TIJSSENエンザイムイムノアッセイ 生化学実験法 11 東京化学同人、Takenaka,Anal.Biochem.,218,436(1994)等多数)。
前記のように、特定物質と検出対象物質との「相互作用」とは特に限定されるものではないが、通常は、共有結合、疎水結合、水素結合、ファンデルワールス結合、及び静電力による結合のうち少なくとも1つから生じる分子間に働く力による作用を示す。ただし、本明細書に言う「相互作用」との用語は最も広義に解釈すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。共有結合としては、配位結合、双極子結合を含有する。また静電力による結合とは、静電結合の他、電気的反発も含有する。また、上記作用の結果生じる結合反応、合成反応、分解反応も相互作用に含有される。
相互作用の具体例としては、抗原と抗体との間の結合及び解離、タンパク質レセプターとリガンドとの間の結合及び解離、接着分子と相手方分子との間の結合及び解離、酵素と基質との間の結合及び解離、アポ酵素と補酵素との間の結合及び解離、核酸とそれに結合するタンパク質との間の結合及び解離、核酸と核酸との間の結合及び解離、情報伝達系におけるタンパク質同士の間の結合と解離、糖タンパク質とタンパク質との間の結合及び解離、あるいは糖鎖とタンパク質との間の結合及び解離、細胞及び生体組織と蛋白質との間の結合及び解離、細胞及び生体組織と低分子化合物との間の結合及び解離、イオンとイオン感応性物質との間の相互作用等が挙げられるが、この範囲に限られるものではない。例えば、イムノグロブリンやその派生物であるF(ab′)2、Fab′、Fab、レセプターや酵素とその派生物、核酸、天然あるいは人工のペプチド、人工ポリマー、糖質、脂質、無機物質あるいは有機配位子、ウィルス、細胞、薬物等が挙げられる。
また、検出用感知ゲートに固定化される特定物質と他の物質との「相互作用」として、物質以外にもpHやイオン、温度、圧力、誘電率、抵抗値、粘度等の外環境の変化に対するゲートに固定化される機能性物質の関与する応答及び機能性物質が固定化されないゲートそのものの応答が挙げられ、これらの具体例として、前記の通り、血液凝固能測定、血算測定などが挙げられる。
(3.感知部への特定物質の固定化方法)
感知部への特定物質の固定化方法としては、感知部に特定物質を固定することができる方法であれば特に制限は無く、任意である。例えば、感知部に直接物理吸着で結合させることも可能であるが、予め感知部上にアンカー部を有するフレキシブルスペーサーを介して結合させても良い。
感知部に金等の金属を用いた場合、フレキシブルスペーサーは構造式(CH2n(nは1から30までの自然数を表すが、2から30までが望ましく、2から15までがさらに望ましい)のアルキレン基を含有することが望ましい。スペーサー分子の一端は、金等の金属への吸着として適しているアンカー部としてチオール基やジスルフィド基を使用し、スペーサー分子の検出用感知ゲートから離れた方を向いている他端には固定化したい特定物質を結合しうる結合部を1個または複数個含有する。このような結合部は、例えばアミノ基やカルボキシル基、ヒドロキシル基、スクシミド基等種々の反応性官能基やビオチン及びビオチン誘導体、ジゴキシン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、および誘導体、テオフィリン等のハプテンやキレートを用いても良い。
また感知部に直接またはこれらスペーサーを介して導電性高分子、親水性高分子、LB膜等やマトリックスを結合させ、その導電性高分子、親水性高分子、LB膜等やマトリックスに固定化したい特定物質を1または複数種結合または包括/担持させても良い。さらに、予め導電性高分子、親水性高分子やマトリックスに固定化したい物質を1または複数個結合または包括/担持させた後に感知部に結合させても良い。
この際、導電性高分子としてはポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等が使用され、親水性高分子としてはデキストラン、ポリエチレンオキシド等電荷を有さない高分子でも良いし、ポリアクリル酸、カルボキシメチルデキストラン等電荷を有する高分子でも良い。特に、電荷を有する高分子の場合、固定化したい物質と反対の荷電を有する高分子を使用することにより、電荷濃縮効果を利用して特定物質を結合または担持させることができる(特許第2814639号参照)。
特に、特定のイオンを検出する場合は、感知部上に特定のイオンに対応するイオン感応膜を形成させることができる。さらに、イオン感応膜の代わりに、あるいはイオン感応膜と共に酵素固定膜を形成させることにより、検出対象物質に対して酵素が触媒として作用した結果生じる生成物の生成を相互作用として感知し、それにより検出対象物質を検出することもできる。
更に、酵素活性を測定する場合は、抗酵素抗体の固定化された膜表面で酵素を捕捉した後、次いで酵素に対応する基質を含む酵素反応液を混合して、生成された酵素反応産物を上記と同じ方法で検出し、それにより酵素活性を測定することもできる(特開2001−299386号公報参照)。
また、固定化したい特定物質を固定化した後、牛血清アルブミン、ポリエチレンオキシドまたは他の不活性分子により表面を処理したり、特定物質の固定化層の上に付着層で被覆することにより非特異的反応を抑制したり、透過することのできる物質を選択したり、制御したりすることもできる。
さらに、感知部として薄い絶縁膜を使用した際に、H+、Na+等のイオンを測定する場合は、必要であれば、絶縁膜上にそれぞれ測定対象となるイオンに対応するイオン感応膜を形成させることもできる。さらにイオン感応膜の代わりに、あるいはイオン感応膜とともに酵素固定膜を形成させることにより検出対象物質に対して酵素が触媒として作用した結果生じる生成物を測定することにより検出対象物質を検出することもできる(参考文献 鈴木周一:バイオセンサー 1984 講談社,軽部ら:センサーの開発と実用化、第30巻、第1号、別冊化学工業 1986)。
(4.具体的検出例)
以下、本実施形態のセンサユニットを用いた検出対象物質の検出方法の具体例を例示する。
例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、タンパク質等の抗原を検出対象物質として検出することができる。この場合、例えば、当該抗原に対する抗体が固定化された感知部で抗原抗体反応を行なわせ、電気的シグナルの変化を測定することができる。また、当該抗原に対する抗体が固定化された感知部表面で抗原抗体反応を行なわせた後、酵素等による適切な標識を付された当該抗原特異性抗体(第2標識抗体)を導入し、最後にこの標識物に対する基質を導入して、この時生成及び/又は消費されるH22等の電気的活性種を検出対象物質として検出することにより、当該抗原の濃度を測定する。この時、各反応工程で反応に関与しない共雑物や余剰成分を洗浄することにより取り除いても良く、分析法に関しても抗原抗体反応を利用した免疫学的分析法において広く知られているサンドイッチ法や競合法、阻害法等に基づくものであって良い。
また、上記の例は、抗原/抗体間の相互作用の他にも種々の生体分子間相互作用に適用される。そのような相互作用としては、例えば、抗体/抗抗体、ビオチン/アビジン、イムノグロブリンG/プロテインA、酵素/酵素受容体、ホルモン/ホルモン受容体、DNA(又はRNA)/相補ポリヌクレオチド配列、薬物/薬物受容体等、多数の相補リガンド/リガンド受容体間において存在する。したがって、上記複合体の一方を測定対象物質とし、他方を感知部に固定化された特定物質として分析を行なうことができる。さらに、DNA(又はRNA)/相補ポリヌクレオチド配列間の場合は、必要に応じてインターカレータを利用することもできる。
また、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、血液電解質を検出対象物質として検出することができる。この場合、通常は、液膜型イオン選択性電極法を採用する。
さらに、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、pHの測定を行なうことができる。このpHの測定では、水素イオンを検出対象物質として検出し、それによりpHを測定する。また、通常は、水素イオン選択性電極法を採用する。
また、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、血液ガス等の溶存ガスを検出対象物質として検出することもできる。また、この測定には電極法を用いることができる。さらに、例えば、血液ガスとしてPO2を検出する場合はClark電極を用い、血液ガスとしてPCO2を検出する場合はSeveringhaus電極を用いるなど、使用する電極には公知のものを広く採用することができる。なお、血液ガスとしてPO2を検出する場合には、通常、絶縁層にジルコニアを用いる。
さらに、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、酵素反応等の化学反応を利用した生化学項目の測定として基質(例えば、血糖)について測定を行なうこともできる。例えば基質としてグルコースを用い、グルコース濃度を測定する場合には、通常はGOD酵素電極法を採用することができる。即ち、GODが固定化された感知部表面で「グルコース+O2+H2O→H22+グルコン酸」という反応を行わせ、生成された電気的活性種であるH22等を検出対象物質として検出し、グルコース濃度を測定する。このような、電気的活性種を生成或いは消費する酵素/基質の関係としてウレアーゼ/尿素窒素(BUN)、ウリカーゼ/尿酸、コレステロールオキシターゼ/コレステロール、ビリルビンオキシダーゼ/ビリルビン等種々の関係が良く知られている(参考文献:日本臨床 第53巻,1995年増刊号 広範囲 血液・尿化学検査、免疫学検査)。
また、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、生化学項目の測定として酵素について測定を行なうこともできる。例えば、酵素の一種であるALT{アラニンアミノトランスフェラーゼ。GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミターゼ)ともいう}の濃度などを測定する場合には、特開2001−299386号公報記載の方法を用い、特定物質として抗ALT抗体及びピルビン酸オキシダーゼが固定化された感知部で酵素を捕捉後、
α−ケトグルタル酸+アラニン→グルタミン酸+ピルビン酸(酵素:ALT)
ピルビン酸+H3PO4+O2→アセチルリン酸+酢酸+CO2+H22(酵素:ピルビン酸オキシダーゼ)
という反応を行わせ、生成された電気的活性種であるH22等を検出対象物質として検出し、ALTの濃度を測定することができる。また、ALTを検出対象物質として直接、免疫学的に検出することにより、ALTの濃度を測定するようにしても良い。さらに、抗ALT抗体を使用せず、予め上記の酵素反応を溶液中で行ない、この時生成される酵素反応産物を検出対象物質として検出するようにしても良い。
また、本実施形態のセンサユニットは有機半導体をチャネルに用いているため、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCT(ポイントオブケアテスト)の実現が可能となる。
[V.分析装置の例]
以下に、第1のセンサユニット、及び、それを用いた分析装置の一例の構成を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、例えば各構成要素の説明において上述したように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図3は、第1のセンサユニットを用いた分析装置100の要部構成を模式的に示す図であり、図4は、第1のセンサユニットの要部構成を模式的に示す分解斜視図である。さらに、図5は、第1のセンサユニットを分解した状態で切った断面を模式的に示す図である。また、図6(a),(b)は、検出デバイス部109の要部構成を模式的に示す図であり、図6(a)はその斜視図、図6(b)は側面図である。さらに、図7は、コネクタソケット105、分離型集積電極106及び反応場セル107を集積検出デバイス104に取り付けた状態について、その電極部116周辺を模式的に示す断面図である。なお、図7においては、説明のため、コネクタソケット105はその内部の配線121のみを示す。また、図3〜図7において、同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。
図3に示すように、この分析装置100は、センサユニット101と、測定回路102とを有して構成され、ポンプ(図示省略)によって検体を矢印のように流すことができるように構成されている。ここで、測定回路102は、センサユニット101内のトランジスタ部(図7のトランジスタ部103参照)の特性変化を検出するための回路(トランジスタ特性検出部)であり、具体例としては、任意の抵抗、コンデンサ、電流計、電圧計、通常利用することができる集積回路素子(所謂IC、オペレーショナルアンプ等)、コイル(インダクタ)、フォトダイオード、LED(発光ダイオード)などを含めた公知の電子回路部品を用いた回路などから目的に応じて構成される。
センサユニット101は、図4や図5に示すように、集積検出デバイス104と、コネクタソケット105と、分離型集積電極106と、反応場セル107とを備えている。このうち、集積検出デバイス104は分析装置100に固定されている。一方、コネクタソケット105、分離型集積電極106及び反応場セル107は、集積検出デバイス104から機械的に着脱可能となっている。なお、図5では、説明のため、センサユニット101の各部材を図3や図4とは異なる寸法で描画する。
集積検出デバイス104は、図4、図5に示すように、基板108上に、それぞれ同様に構成された複数(ここでは4個)の検出デバイス部109が集積化された構成となっている。
基板108上に集積化された検出デバイス部109は、図6(a),(b)に示すように、絶縁性の素材で形成された基板108上に、絶縁性で且つ低誘電率の材料で形成された低誘電層110を有し、その上に、導体(例えば、金)で形成されたソース電極111及びドレイン電極112を有している。なお、図6では、説明のため、センサユニット101の各部材を図3〜図5とは異なる寸法で描画する。
ソース電極111及びドレイン電極112には、それぞれ測定回路102に通じる配線(図示省略)が接続されていて、この配線を通じ、後述するチャネル113を流れる電流が測定回路102で検出されるようになっている。
さらに、ソース電極111及びドレイン電極112の間には有機半導体で形成されたチャネル113が装架されている。
また、低誘電層110の表面には、チャネル113中間部から図6(a)の奥側縁部にかけて、低誘電率の絶縁材である酸化シリコンの膜(絶縁膜)114が形成されていて、チャネル113は、この絶縁膜114を横方向に貫通していている。言い換えれば、チャネル113の中間部は絶縁膜114によって被覆されている。
さらに、絶縁膜114の上側表面には、導体(例えば、金)で形成された感知用ゲート(ゲート本体)115がトップゲートとして形成されている。即ち、感知用ゲート115は絶縁膜114を介して低誘電層110上に形成されていることになる。この感知用ゲート115は、コネクタソケット105を介して分離型集積電極106及び反応場セル107を集積検出デバイス104に装着することにより、分離型集積電極106の対応する電極部116と共に検出用感知ゲート117(図7参照)を構成するようになっている。
また、基板108の裏面(即ち、チャネル113と反対側の面)には、バックゲートとして、導体(例えば、金)で形成された電圧印加ゲート118(図5では図示省略)が設けられている。この電圧印加ゲート118には、分析装置100に設けられた電源(図示省略)を通じて電圧が印加されるようになっている。また、この電圧印加ゲート118に印加される電圧の大きさは、測定回路102により測定されるようになっている。なお、バックゲートには電圧印加ゲート以外の機能をもたせることも可能である。
低誘電層110の表面には、ソース電極111、ドレイン電極112及び絶縁膜114に被覆されていない面の全体に亘って、絶縁体層120が形成されている。この絶縁体層120は、チャネル113の絶縁膜114に被覆されていない部分全体と、ソース電極111、ドレイン電極112、絶縁膜114、及び、感知用ゲート115のそれぞれの側面と、ソース電極111及びドレイン電極112の上側の面とを覆うように形成されているが、感知用ゲート115の上側の面は被覆していない。そして、この絶縁体層120に被覆されていない感知用ゲート115の上面が、ソケットコネクタ105によって、分離型集積電極106の電極部116に接続されるようになっている。なお、図6(a),(b)中、絶縁体層120は二点鎖線で示す。
コネクタソケット105は、集積検出デバイス104と分離型集積電極106との間で、集積検出デバイス104と分離型集積電極106とを接続するコネクタである。コネクタソケット105の図中下部(下面)には、集積検出デバイス104の上面の形状に合わせて形成された、コネクタソケット105を集積検出デバイス104に装着するための装着部105Aが設けられている。また、コネクタソケット105の図中上部(上面)には、分離型集電電極106の下面の形状に合わせて形成された、分離型集電電極106をコネクタソケット105に装着するための装着部105Bが設けられている。これにより、コネクタソケット105を介して分離型集電電極106は集積検出デバイス104に装着されるようになっている。なお、コネクタソケット105自体は、前記のように集積検出デバイス104に対して着脱可能となっている。
また、図5に示すように、コネクタソケット105内には、コネクタソケット105の下面に形成されたデバイス側端子121Aとコネクタソケット105の上面に形成された電極側端子121Bを接続する、導体からなる配線121が設けられている。そして、センサユニット101の組み立て時には、デバイス側端子121Aは検出デバイス部109の感知用ゲート115に接触し、電極側端子121Bは分離型集積電極106の電極部116の接続端子124Aに接触するようになっていて、これにより、センサユニット101の組み立て時には、それぞれ対応する集積検出デバイス104の検出デバイス部109の感知用ゲート115と分離型集積電極106の電極部116とが電気的に導通をとることができるようになっている。具体的には、集積検出デバイス104の図中左から1番目、2番目、3番目及び4番目の検出デバイス部109それぞれと、分離型集積電極106の図中左から1列目、2列目、3列目及び4列目の各3個ずつの電極部116とが対応していて、コネクタソケット105内の配線121により、対応する検出デバイス部109の感知用ゲート115と電極部116とが電気的に導通をとられるようになっている。したがって、コネクタソケット105は、導通部材として機能するようになっている。
さらに、コネクタソケット105は、内部に配線を切り替えるスイッチ121Cを有していて、そのスイッチ121Cを切り替えることにより、検出デバイス部109の感知用ゲート115を、対応する電極部116のうちのどれと電気的に導通させるかを選択できるようになっている。したがって、コネクタソケット105は、電気接続切替部として機能するようになっている。
また、分離型集積電極106は、絶縁体で形成された基板122に、複数の電極部(感知部)116がアレイ状に並んで設けられたものである。本例のセンサユニット101においては、電極部116は図中左から3個ずつ4列に、合計12個形成されているとする。
図7に示すように、基板122の表面には導体により電極部(感知部)116が形成されている。この電極部116は、例えば積層プリント基板技術等を利用することにより形成することができる。なお、図7では、説明のため、センサユニット101の各部材を図3〜図6とは異なる寸法で描画する。
また、電極部116の表面には特定物質123が固定化されている。なお、図7においては説明のために特定物質123を視覚可能な大きさに描いたが、通常は、特定物質123は極小さいものであり、その具体的形状は視覚できないことが多い。
さらに、基板122の電極部116の裏側にはスルーホールが形成され、このスルーホールが導電性ペイスト物質により埋められることで配線124が形成されている。また、配線124の下面には接続用端子124Aが形成され、センサユニット101の組み立て時には、これがコネクタソケット105の電極側端子121Bと接触するようになっている。したがって、分離型集積電極106をコネクタソケット105を介して集積検出デバイス104に装着したときには、この配線124とコネクタソケット105の配線121とを通じて、電極部116はそれぞれ対応する検出デバイス部109の感知用ゲート115と電気的に導通が取れるようになっている。また、感知用ゲート(ゲート本体)115及び電極部(感知部)116とにより検出用感知ゲート117が構成されている。
なお、分離型集積電極106の裏面は、コネクタソケット105上部の装着部105Bに簡単に装着できるようパッケージを作製することが好ましい。具体的には、例えば、配線124(接続用端子124Aを含む)をパターン化し、バンプ等を形成して、TAB(Tape Automated Bonding)やフリップチップボンディングなど利用して基板122にボンディングを行ない、下部のコネクタソケット105に接続できるようにパッケージを作製することが好ましい。
また、分離型集積電極106はコネクタソケット105に着脱可能になっているが、装着時の固定手段は任意であり、例えば、一般的なICパッケージのようなコネクタなどを用いることができる。ただし、後述する流路119を流れる検体が分離型集積電極106とコネクタソケット105との間に浸入しないよう、検体を流路119内に留める措置を講じておくべきである。
また、反応場セル107は、基体125に、電極部116にあわせて流路119が形成されたものである。具体的には、流路119を流れる検体が各電極部116に接触することができるように、流路119が形成されている。なお、ここでは図中左側から右側にかけて、検出デバイス部109それぞれに対応した各3個ずつの電極部116のうち、それぞれ1個ずつを通過するように流路119が設けられている。
反応場セル107は、分離型集積電極106と一体に形成され、反応場セルユニット126を構成する。したがって、分析装置100の使用時には反応場セルユニット126をコネクタソケット105を介して集積検出デバイス104に装着することになる。なお、この反応場セルユニット126は通常は使い切り(使い捨て)とする。また、反応場セル107と分離型集積電極106とは、別体として形成しても良い。
本例の分析装置100及びセンサユニット101は以上のように構成されている。したがって、使用時には、まず、コネクタソケット105、及び反応場セルユニット126(即ち、分離型集積電極106及び反応場セル107)を、集積検出デバイス104に装着して、センサユニット101を準備する。その後、電圧印加ゲート116に、トランジスタ部103(即ち、基板108、低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112、チャネル113、絶縁膜114、検出用感知ゲート117及び電圧印加ゲート118)の伝達特性を最大とすることができる大きさの電圧を印加し、チャネル113に電流を流通させる。その状態で、測定回路102でトランジスタ部103の特性を測定しながら、流路119に検体を流通させる。
検体は流路119を流通し、電極部116に接触する。この際、検体中に、電極部116に固定化した特定物質と相互作用する検出対象物質が含まれていれば、相互作用が生じる。この相互作用は、トランジスタ部103の特性の変化として感知される。即ち、前記の相互作用により電極部116に表面電荷の変化が生じ、これは、電気信号となって電極部116から配線124,121を通じて感知用ゲート115に伝わる。感知用ゲート115では、この電気信号によりゲート電圧に変化が生じるなどするため、トランジスタ部103の特性が変化する。
したがって、前記のトランジスタ部103の特性の変化を測定回路102で測定することにより、検出対象物質を検出することができる。特に、本例では、チャネル113として有機半導体を用いているため、非常に感度の高い検出を行なうことが可能であり、したがって、従来は検出が困難であった検出対象物質の検出も行なうことができる。したがって、本例の分析装置は、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である。
また、本例では、感知用ゲート115としてトップゲートを用いているので、感知用ゲート115とチャネル113の間の距離が非常に小さく、極めて高感度な検出を行なうことができる。
さらに、チャネル113と感知用ゲート115との間に、低誘電率の絶縁膜114が形成されているので、これにより、感知用ゲート115における相互作用による表面電荷の変化を、より効率的にチャネル113に伝達することができ、検出感度をより向上させることができる。
また、チャネル113が絶縁体層120で被覆されているので、チャネル113内の荷電粒子がチャネル113外部に漏れること、及び、ソース電極111やドレイン電極112以外からチャネル113外部の電荷粒子がチャネル113に侵入することを防止することができる。これにより、特定物質と検出対象物質との相互作用を安定して検出することが可能となる。
さらに、トランジスタ部103の集積化を行なったため、センサユニット101の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、流路119を用いているために流れを用いて検出試験を行なうことが可能であるため、操作が簡単になるという利点も得られる。
また、複数設けられている電極部116に別々の特定物質を固定化したり、各流路119に流通させる検体を別種のものとしたりすれば、一度の測定で2以上の検出対象物質の検出を行なうこと(即ち、2以上の相互作用の感知を行なうこと)が可能となり、検体分析をより簡単且つ速やかに行なうことができる。特に、電極部116の集積化を行なえば、同時多発的に起こる相互作用を一度の測定で感知し、検体に対する多様な項目の分析を行なうことができる。また、逆に、各電極部116に固定化する特定物質123を同種の物とすれば、一度の測定で多くのデータを得ることが検体の分析結果が得られるため、結果の信頼性が向上する。
さらに、電気接続切替部であるコネクタソケット105によって、検出デバイス部109の感知用ゲート115を、対応する電極部116のうちのどれと電気的に導通させるかを選択できるように構成したため、一つの検出デバイス部109によって2以上の電極部116における相互作用を感知することができる。したがって、より少ない感知用ゲート115によって、より多くの電極部116を用いて検出対象物質の検出を行なうことができるようになり、センサユニット101及び分子装置100を小型化することが可能となる。
また、本例のようなセンサユニット101を用いた分析装置100を使えば、実時間測定も可能であり、物質間相互作用のモニタリングも可能である。
さらに、検出用感知ゲート117を感知用ゲート115及び電極部116という複数の部材に電極分離したため、電極部(感知部)116から上側の反応場セルを、フローセル等のディスポタイプとして使用でき、これにより、センサユニット101や分析装置100の小型化も可能であるため、ユーザー側の使い勝手も向上する。
また、電極部116を機械的に着脱可能に構成したことにより、電極部116を分離可能、交換可能に構成することができる。したがって、センサユニット101及び分析装置100の製造コストを安価にすることができ、さらに、使い切り可能にすることや検体がバイオ的に汚染されることを防ぐことができる。
ただし、ここで例示した分析装置100及びセンサユニット101は、あくまで第1実施形態としてのセンサユニットの一例であり、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。本実施形態のセンサユニットの各構成要素の説明として上述したように変形することも可能であるが、中でも、以下のように変形を行なうことも可能である。
例えば、コネクタソケット105の形状を、集積検出デバイス104及び分離型集積電極106の形状や寸法に応じて決定することは好ましい。通常、感知部を有する分離型集積電極106のような部分に比べて、検出デバイス部109を有する集積検出デバイス104のような部分の面積は微小化されやすい。このため、両者の間には面積の大きさの差が生じるため、両者の間にコネクタソケット105のような中継接続端子板を設ける意義は大きい。その意義とは、検出デバイス部109自体の集積度、即ち、トランジスタ部103の集積度を上げることにより、デバイスの歩留まりの低下と低コスト化を見込めることや、感知部の寸法制約条件や配置制約条件などを緩和し、自由な設計ができることなどが挙げられる。
また、例えば、上記のように複数のトランジスタ部103を集積する場合は、ひとつの検出対象物質の相互作用を感知するためにひとつのトランジスタ部103を用いてもよいし、複数のトランジスタ部103のアレイを用い、ソース電極111−ドレイン電極112間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲート117では同じ検出対象物質の相互作用を感知することにより、ひとつの検出対象物質の相互作用を感知するために複数のトランジスタ部103を用いてもよい。
さらに、例えば、本例のセンサユニット101においては電圧印加ゲート118を設けたが、チャネル113には他の手段によりゲート電圧を印加するようにしても良い。例えば、感知用ゲート115に、検出デバイス部109の外部に設けた電極(参照電極)から電圧を印加するようにしてもよい。また、電圧印加ゲート118を設けず、感知用ゲート115自体の電圧を外部からコントロールするようにしても良い。さらに、感知用ゲート115に電圧を印加する方法は任意であり、反応場セル107の流路119内の検体等の液体(緩衝液等を含む)を通じて電圧を印加するようにしても良く、検体等の液体に接しない部分から直接的に電圧を印加するようにしても良い。また、感知用ゲート115をフローティングの状態としたり、感知用ゲート115の電位を一定に保つようにしたりしても良い。さらに、感知用ゲート115をフローティングにする場合、感知用ゲート115を接地電極で囲んでもよい。これにより、外部からの電界の影響や複数の感知用ゲート115間の相互に与える影響を低減することが期待できる。例えば、ソース電極111が接地される場合、ソース電極111で感知用ゲート115を囲む構造をとるのがよい。もちろん、ドレイン電極112が接地されている場合も同様である。
また、例えば、相互作用として抗原・抗体反応のように反応が数分〜数十分のオーダーでゆっくり進むものを感知する場合には、ソース電極111−ドレイン電極112間を流れる電流を増幅器により増幅した後、ローパスフィルタに通すようにしてもよい。これにより、信号の品質が格段に向上することが期待できる。
さらに、例えば、図8(a),(b)に示すように、感知用ゲート115が、チャネル113のソース電極111とドレイン電極112との間に形成された部位全体を覆うように配置してもよい。これにより、感知用ゲート115からチャネル113に印加されるゲート電圧の変化に起因するトランジスタ特性の変化をより大きくすることが可能となるため、センサユニットの感度を高めることが可能となる。なお、図8(a),(b)は、本実施形態の変形例にかかる検出デバイス部109の要部構成を模式的に示す図であり、図8(a)はその斜視図、図8(b)は側面図である。さらに、図8(a),(b)において、図3〜図7で用いた符号で示す部位は、図3〜図7と同様のものを表わす。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第2のセンサユニット」という)は、基板と、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位(相互作用感知部位)が形成された検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、上記検出対象物質を検出するためのセンサユニットである。また、第2のセンサユニットにおいては、トランジスタ部が2以上集積されている。
なお、第2のセンサユニットにおいても、第1のセンサユニットと同様、トランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第2のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第2のセンサユニットにおいて、基板は、第1実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第2のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第2のセンサユニットにおいて、チャネルは、第1実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、第1実施形態で説明したのと同様の構成のものを用いることができ、その作製方法についても同様のものを用いることができる。
(4.検出用感知ゲート)
第2のセンサユニットにおいて、検出用感知ゲートには、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位(相互作用感知部位)が形成されている。また、感知部位とは、検出用感知ゲート表面の特定物質が固定された部位のことを指す。
第2のセンサユニットでは、検出用感知ゲートの感知部位で特定物質と検出対象物質との相互作用が生じた場合、検出用感知ゲートの電位が変化するようになっており、この検出用感知ゲートのゲート電圧に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。
第2のセンサユニットの検出用感知ゲートは、第1のセンサユニットと同様に構成することができる。この場合、感知部の表面の、特定物質が固定化された部位が、感知部位となる。
また、第2のセンサユニットを、第1センサユニットの感知用ゲートと同様に構成し、その感知用ゲートの表面に特定物質を固定化するようにしても良い。この場合、感知用ゲート表面の、特定物質が固定化された部位が、感知部位となる。
(5.電圧印加ゲート)
第2のセンサユニットにおいても、第1のセンサユニットと同様に、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第2のセンサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(6.集積化)
第2のセンサユニットにおいては、トランジスタ部は集積化されている。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、検出用感知ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられており、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。なお、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、検出用感知ゲートの感知部、及び、電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置やそれに固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.電気接続切替部]
第2のセンサユニットの検出用感知ゲートを第1のセンサユニットと同様に構成した場合、第1のセンサユニットと同様に、第2のセンサユニットには電気接続切替部を設けることができる。この場合、第2のセンサユニットが備える電気接続切替部は、第1実施形態で説明したものと同様である。
[III.反応場セル]
第2のセンサユニットは、反応場セルを有していても良い。反応場セルとは、検体を感知部位に接触させる部材である。また、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、その検出対象物質と特定物質とは相互作用するようになっている。
反応場セルは、検体を感知部位に接触させて、その検体に検出対象物質が含有されている場合に上記の相互作用を生じさせることができれば具体的な構成に制限は無い。例えば、検体を感知部位に接触するように保持する容器として構成することができる。ただし、検体が流体である場合には、感知部位に接しうるよう検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
反応場セルが流路を有している場合、その形状、寸法、本数、流路を形成する部材の材質、流路の製作方法等に制限はないが、通常は、第1実施形態で説明した流路と同様である。
[IV.検出対象物質、特定物質及び相互作用]
第2のセンサユニットにおける検出対象物質、特定物質及び相互作用は、第1実施形態で説明したものと同様である。
また、感知部位に対して特定物質を固定化する方法は、感知部への特定物質の固定化方法として第1実施形態で説明したのと同様の方法を用いることができる。ただし、その場合、第1実施形態における固定化方法の説明において、感知部の代わりに感知部位に固定化するものとする。
さらに、具体的検出例としても、第1実施形態と同様の例が挙げられる。
また、本実施形態のセンサユニットは有機半導体をチャネルに用いているために、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。このほか、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
[V.分析装置の例]
以下に、第2のセンサユニット、及び、それを用いた分析装置の一例の構成を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、例えば各構成要素の説明において上述したように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図9は、第2のセンサユニットを用いた分析装置200の要部構成を模式的に示す図であり、図10は、第2のセンサユニットの要部構成を模式的に示す分解斜視図である。また、図11(a),(b)は、検出デバイス部の要部を模式的に示す図であり、図11(a)はその斜視図、図11(b)は側面図である。なお、図9〜図11において、同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。
図9に示すように、この分析装置200は、第1実施形態で説明した分析装置100のセンサユニット101に代えて、センサユニット201を備えた構成となっている。即ち、分析装置200は、センサユニット201と、測定回路202とを有して構成され、ポンプ(図示省略)によって検体を矢印のように流すことができるように構成されている。ここで、測定回路202は、センサユニット201内のトランジスタ部(図10のトランジスタ部203参照)の特性変化を検出するための回路(トランジスタ特性検出部)であり、第1実施形態の測定回路102と同様、任意の抵抗、コンデンサ、電流計、電圧計などから目的に応じて構成される。
センサユニット201は、図10に示すように、集積検出デバイス204と、反応場セル205とを備えている。このうち、集積検出デバイス204は分析装置200に固定されている。一方、反応場セル205は、集積検出デバイス204から機械的に着脱可能となっている。
集積検出デバイス204は、基板206上に、それぞれ同様に構成された複数(ここでは4個)のトランジスタ部203がアレイ状に並んで集積された構成となっている。本例のセンサユニット201においては、トランジスタ部203は図中左から3個ずつ4列に、合計12個形成されているとする。
基板206上に集積化されたトランジスタ部203は、図11(a),(b)に示すように、絶縁性の素材で形成された基板206上に、低誘電層207、ソース電極208、ドレイン電極209、チャネル210、及び絶縁膜211が形成されている。これらの低誘電層207、ソース電極208、ドレイン電極209、チャネル210、及び絶縁膜211は、それぞれ、第1実施形態で説明した低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112、チャネル113、及び絶縁膜114と同様に形成されたものである。なお、図11では、説明のため、センサユニット201の各部材を図9及び図10とは異なる寸法で描画する。
さらに、絶縁膜211の上側表面には、導体(例えば、金)で形成された検出用感知ゲート212がトップゲートとして形成されている。即ち、検出用感知ゲート212は絶縁膜211を介して低誘電層207上に形成されていることになる。
この検出用感知ゲート212の図中上側表面全体には、特定物質214が固定化されている。したがって、検出用感知ゲート212の表面は、感知部位213として機能するようになっている。なお、図11(a),(b)においては説明のために特定物質214を視覚可能な大きさに描いたが、通常は、特定物質214は極小さいものであり、その具体的形状は視覚できないことが多い。
また、基板206の裏面(即ち、チャネル210と反対側の面)には、バックゲートとして、導体(例えば、金)で形成された電圧印加ゲート215が設けられている。さらに、低誘電層207の表面には、絶縁体層216が形成されている。電圧印加ゲート215及び絶縁体層216は、それぞれ、第1実施形態で説明した電圧印加ゲート118及び絶縁体層120と同様に形成されたものである。したがって、検出用感知ゲート212の表面である感知部位213は絶縁体層216に被覆されず外に向けて開放されていて、感知部位213には検体が接触できるようになっている。なお、図11(a),(b)中、絶縁体層216は二点鎖線で示す。なお、バックゲートには電圧印加ゲート以外の機能をもたせることも可能である。
また、反応場セル205は、基体217に、トランジスタ部203にあわせて流路218が形成されたものである。具体的には、流路218を流れる検体が各トランジスタ部203に接触することができるように、流路218が形成されている。なお、ここでは図中左側から右側にかけて、各3個ずつのトランジスタ部203のうち、それぞれ1個ずつを通過するように流路218が設けられている。
なお、この反応場セル205は通常は使い切り(使い捨て)とする。また、適宜、反応場セル205と集積検出デバイス204とは一体に形成しても良い。
本例の分析装置200及びセンサユニット201は以上のように構成されている。したがって、使用時には、まず、反応場セル205を、集積検出デバイス204に装着して、センサユニット201を準備する。その後、電圧印加ゲート215に、トランジスタ部203の伝達特性を最大とすることができる大きさの電圧を印加し、チャネル210に電流を流通させる。その状態で、測定回路202でトランジスタ部203の特性を測定しながら、流路218に検体を流通させる。
検体は流路218を流通し、感知部位213に接触する。この際、検体中に、感知部位213に固定化した特定物質214と相互作用する検出対象物質が含まれていれば、相互作用が生じる。この相互作用は、トランジスタ部203の特性の変化として感知される。即ち、前記の相互作用により検出用感知ゲート212に表面電荷の変化が生じ、これによりゲート電圧に変化が生じるなどするため、トランジスタ部203の特性が変化する。
したがって、前記のトランジスタ部203の特性の変化を測定回路202で測定することにより、検出対象物質を検出することができる。特に、本例では、チャネル210として有機半導体を用いているため、非常に感度の高い検出を行なうことが可能であり、したがって、従来は検出が困難であった検出対象物質の検出も行なうことができる。したがって、本例の分析装置は、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である。
また、トランジスタ部203の集積化を行なったため、センサユニット201の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
さらに、流路218を用いているために流れを用いて検出試験を行なうことが可能であるため、操作が簡単になるという利点も得られる。
また、集積したトランジスタ部203それぞれに設けられることで複数形成された検出用感知ゲート212のそれぞれに別々の特定物質214を固定化したり、各流路218に流通させる検体を別種のものとしたりすれば、一度の測定で2以上の検出対象物質の検出を行なうこと(即ち、2以上の相互作用の感知を行なうこと)が可能となり、検体分析をより簡単且つ速やかに行なうことができる。特に、トランジスタ部203の集積化を行なえば、同時多発的に起こる相互作用を一度の測定で感知し、検体に対する多様な項目の分析を行なうことができる。また、逆に、各トランジスタ部203に固定化する特定物質214を同種の物とすれば、一度の測定で多くのデータを得ることが検体の分析結果が得られるため、結果の信頼性が向上する。
さらに、第1実施形態で例示した分析装置100及びセンサユニット101が奏する作用・効果については、検出用感知ゲート117を電極分離すること、及び、コネクタソケット105を有していることによるもの以外は、本例の分析装置200及びセンサユニット201においても得ることができる。
ただし、ここで例示した分析装置200及びセンサユニット201は、あくまで第2実施形態としてのセンサユニットの一例であり、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。したがって、第1実施形態と同様に変形したり、本実施形態のセンサユニットの各構成要素の説明として上述したように変形することも可能である。
なお、第1実施形態で例示したセンサユニット101も、第2のセンサユニットの一例である。即ち、電極部116表面の特定物質が固定化された部位を感知部位であると認識すれば、第1実施形態で例示したセンサユニット101は、集積化されたトランジスタ部103を有する第2のセンサユニットの一例である。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第3のセンサユニット」という)は、基板と、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルとを備えたトランジスタ部を有し、さらに、チャネルに、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位(相互作用感知部位)が形成されている。また、第3のセンサユニットにおいては、トランジスタ部が2以上集積されている。
なお、第3のセンサユニットにおいても、第1,第2のセンサユニットと同様、トランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第3のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第3のセンサユニットにおいて、基板は、第1,第2実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第3のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1,第2実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第3のセンサユニットにおいて、チャネルは、その表面に感知部位が形成されていること以外は、第1,第2実施形態で説明したのと同様のものである。
したがって、第3センサユニットのチャネルの構成は、第1,第2実施形態で説明したチャネルの表面に感知部位(相互作用感知部位)が形成された構成となっている。ここで、感知部位とは、チャネル表面の特定物質が固定された部位のことを指す。
したがって、本実施形態においてチャネルは上記第1,第2実施形態の検出用感知ゲートの機能を併せ持つようになっている。
第3のセンサユニットでは、チャネルの感知部位で特定物質と検出対象物質との相互作用が生じた場合、移動度やキャリア密度等の半導体特性が変化し、この半導体特性の変化により伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。この際、チャネル表面に感知部位が形成されているため、相互作用による電荷の変化の影響が直接的にチャネルへ反映されるので、さらに高感度の検出感度が期待できる。
さらに、有機半導体は種々の構造のものがあるため、チャネル形成に用いる有機半導体の種類によっても、特定の検体が感知部位においてどのような相互作用を生じるかが異なる場合がある。したがって、特定の検体に対して望ましい応答を示す有機半導体を用いてチャネルを形成することにより、多様なセンサユニットを得ることができる。なお、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、その検出対象物質と特定物質とは相互作用するようになっている。
また、チャネルを形成する有機半導体自体を、検出対象物質と相互作用する特定物質として用いることも、検出対象物質や相互作用によっては可能である。この場合、特定物質として用いる有機半導体は、検出対象物質と相互作用をすることによりその半導体特性を変化させるものであれば任意のものを用いることができる。
ただし、一般に、水溶液系の検体が直接に有機半導体で形成されるチャネル部分に接触する事は、トランジスタ特性へ及ぼす影響が大きく、適切な応答を得る為の工夫が必要であることが多い。したがって、検出対象物質の検出を適切に行なうべく、適宜、適切な工夫を施すようにすべきである。
例えば、ソース電極及びドレイン電極へ直接に検体が接触する事が好ましくない場合は、それらの電極部分及びその近傍を撥水性の膜で覆い、チャネル部分のみを剥き出しにして検体が接触するようにすればよい。
さらに、チャネル表面の特定物質に検体を接触させる際にチャネルには検体を接触させたくない場合には、チャネルを剥き出しに検体に接触させることを避けつつ、感知部位において固定化した特定物質だけを検体に接触させることができるようにすることもできる。そのための具体的な構成方法に制限は無いが、例えば、チャネルを一度絶縁体で覆って、一部の絶縁体を必要なだけ取り除き、その部分で特定物質をチャネルに固定化して感知部位を形成するという方法を採用することができる。このとき、取り除くべき絶縁体の大きさが分子レベルまで小さくなれば、チャネルと検体が接触するチャンスは格段に減り、電流が検体に漏れ出ることも極めて小さくなると考えられる。こうした絶縁体の取り除き方法は任意であるが、例えば、原子間力顕微鏡などナノテクノロジーを利用したナノ加工技術が利用できる。
また、チャネルの作製方法についても、第1,第2実施形態と同様のものを用いることができる。したがって、第1,第2実施形態で説明した方法によりチャネルを形成し、そのチャネルに特定物質を固定化することにより、感知部位を有する本実施形態のチャネルを作製することができる。
(4.電圧印加ゲート)
第3のセンサユニットにおいても、第1,第2のセンサユニットと同様に、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第3センサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1,第2のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(5.集積化)
第3のセンサユニットにおいては、トランジスタ部は集積化されている。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられており、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。なお、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置やそれに固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.反応場セル]
第3のセンサユニットは、反応場セルを有していても良い。本実施形態においても、反応場セルとしては、第2実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
[III.検出対象物質、特定物質及び相互作用]
第3のセンサユニットにおける検出対象物質、特定物質及び相互作用は、第1,第2実施形態で説明したものと同様である。
また、感知部位に対して特定物質を固定化する方法は、感知部への特定物質の固定化方法として第1実施形態で説明したのと同様の方法を用いることができる。ただし、その場合、第1実施形態における固定化方法の説明において、感知部の代わりに感知部位に固定化するものとする。
さらに、具体的検出例としても、第1実施形態と同様の例が挙げられる。
また、本実施形態のセンサユニットは有機半導体をチャネルに用いているため、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。このほか、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
[IV.分析装置の例]
以下に、第3のセンサユニット、及び、それを用いた分析装置の一例の構成を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、例えば各構成要素の説明において上述したように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図9に、第3のセンサユニットを用いた分析装置300の要部構成を模式的に示し、また、図10に、第3のセンサユニットの要部構成を模式的に示す分解斜視図を示す。さらに、図12(a),(b)は、検出デバイス部の要部を模式的に示す図であり、図12(a)はその斜視図、図12(b)は側面図である。なお、図9、図10、図12において、同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。
図9に示すように、この分析装置300は、第1実施形態で説明した分析装置100のセンサユニット101に代えて、センサユニット301を備えた構成となっている。即ち、分析装置300は、センサユニット301と、測定回路302とを有して構成され、ポンプ(図示省略)によって検体を矢印のように流すことができるように構成されている。ここで、測定回路302は、センサユニット301内のトランジスタ部(図10のトランジスタ部303参照)の特性変化を検出するための回路(トランジスタ特性検出部)であり、第1実施形態の測定回路102と同様、任意の抵抗、コンデンサ、電流計、電圧計などから目的に応じて構成される。
センサユニット301は、図10に示すように、集積検出デバイス304と、反応場セル305とを備えている。このうち、集積検出デバイス304は分析装置300に固定されている。一方、反応場セル305は、集積検出デバイス304から機械的に着脱可能となっている。
集積検出デバイス304は、基板306上に、それぞれ同様に構成された複数(ここでは4個)のトランジスタ部303がアレイ状に並んで集積された構成となっている。本例のセンサユニット301においては、トランジスタ部303は図中左から3個ずつ4列に、合計12個形成されているとする。
基板306上に集積化されたトランジスタ部303は、図12(a),(b)に示すように、絶縁性の素材で形成された基板306上に、低誘電層307、ソース電極308、ドレイン電極309及びチャネル310が形成されている。これらの低誘電層307、ソース電極308、ドレイン電極309及びチャネル310は、それぞれ、第1実施形態で説明した低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112及びチャネル113と同様に形成されたものである。なお、図12では、説明のため、センサユニット301の各部材を図9及び図10とは異なる寸法で描画する。
さらに、チャネル310の中間部表面には、特定物質311が固定化された感知部位312が形成されている。なお、図12(a),(b)においては説明のために特定物質311を視覚可能な大きさに描いたが、通常は、特定物質311は極小さいものであり、その具体的形状は視覚できないことが多い。
また、低誘電層307の表面には、ソース電極308及びドレイン電極309に被覆されていない面の全体に亘って、絶縁体層313が形成されている。この絶縁体層313は、チャネル310表面の感知部位312が形成されていない部位全体と、ソース電極308及びドレイン電極309それぞれの側面及び上側の面を覆うように形成されているが、感知部位312の周囲には形成されていない。したがって、感知部位312は絶縁体層313に被覆されず外に向けて開放されていて、これにより、感知部位312には検体が接触でき、ソース電極308からドレイン電極309へ流れる電流がチャネル310を流れず検体内を流れることを防止できるようになっている。なお、図12(a),(b)中、絶縁体層313は二点鎖線で示す。
また、基板306の裏面(即ち、チャネル310と反対側の面)には、バックゲートとして、導体(例えば、金)で形成された電圧印加ゲート314が設けられている。電圧印加ゲート314は、第1実施形態で説明した電圧印加ゲート118と同様に形成されたものである。なお、バックゲートには電圧印加ゲート以外の機能をもたせることも可能である。
また、反応場セル305は、基体315に、トランジスタ部303にあわせて流路316が形成されたものである。具体的には、流路316を流れる検体が各トランジスタ部303の感知部位312に接触することができるように、流路316が形成されている。なお、ここでは図中左側から右側にかけて、各3個ずつのトランジスタ部303のうち、それぞれ1個ずつを通過するように流路316が設けられている。
なお、この反応場セル305は通常は使い切り(使い捨て)とする。また、適宜、反応場セル305と集積検出デバイス304とは一体に形成しても良い。
本例の分析装置300及びセンサユニット301は以上のように構成されている。したがって、使用時には、まず、反応場セル305を、集積検出デバイス304に装着して、センサユニット301を準備する。その後、電圧印加ゲート314に、トランジスタ部303の伝達特性を最大とすることができる大きさの電圧を印加し、チャネル310に電流を流通させる。その状態で、測定回路302でトランジスタ部303の特性を測定しながら、流路316に検体を流通させる。
検体は流路316を流通し、感知部位312に接触する。この際、検体中に、感知部位312に固定化した特定物質311と相互作用する検出対象物質が含まれていれば、相互作用が生じる。この相互作用は、トランジスタ部303の特性の変化として感知される。即ち、前記の相互作用によりチャネル310に表面電荷の変化が生じ、これによりゲート電圧に変化が生じるなどするため、トランジスタ部303の特性が変化する。
したがって、前記のトランジスタ部303の特性の変化を測定回路302で測定することにより、検出対象物質を検出することができる。特に、本例では、チャネル310として有機半導体を用いているため、非常に感度の高い検出を行なうことが可能であり、したがって、従来は検出が困難であった検出対象物質の検出も行なうことができる。さらに、チャネル310表面に感知部位312が形成されているため、相互作用による電荷の変化の影響が直接的にチャネル310へ反映されるので、さらに高感度の検出感度が期待できる。したがって、本例の分析装置は、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である。
また、トランジスタ部303の集積化を行なったため、センサユニット301の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
さらに、流路316を用いているために流れを用いて検出試験を行なうことが可能であるため、操作が簡単になるという利点も得られる。
また、集積したトランジスタ部303それぞれに設けられることで複数形成されたチャネル310のそれぞれに別々の特定物質311を固定化したり、各流路316に流通させる検体を別種のものとしたりすれば、一度の測定で2以上の検出対象物質の検出を行なうこと(即ち、2以上の相互作用の感知を行なうこと)が可能となり、検体分析をより簡単且つ速やかに行なうことができる。特に、トランジスタ部303の集積化を行なえば、同時多発的に起こる相互作用を一度の測定で感知し、検体に対する多様な項目の分析を行なうことができる。また、逆に、各トランジスタ部303に固定化される特定物質316を同種の物とすれば、一度の測定で多くのデータを得ることが検体の分析結果が得られるため、結果の信頼性が向上する。
さらに、本例の分析装置300及びセンサユニット301においても、第2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。即ち、第1実施形態で例示した分析装置100及びセンサユニット101が奏する作用・効果については、検出用感知ゲート117を電極分離すること、及び、コネクタソケット105を有していることによるもの以外は、本例の分析装置300及びセンサユニット301においても得ることができる。
ただし、ここで例示した分析装置300及びセンサユニット301は、あくまで第3実施形態としてのセンサユニットの一例であり、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。したがって、第1実施形態と同様に変形したり、本実施形態のセンサユニットの各構成要素の説明として上述したように変形して実施することも可能である。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第4のセンサユニット」という)は、基板、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部(相互作用感知部)を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備える。さらに、上記反応場セルユニットがセルユニット装着部に装着されているときには、上記感知部と感知用ゲートとが導通状態となるように構成されている。
一方、上記の第4のセンサユニットに装着される反応場セルユニットは、基板、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部(相互作用感知部)を有するものである。さらに、上記セルユニット装着部に装着されているときには、感知部と上記感知用ゲートとは導通状態となるようになっている。
また、上記のトランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第4のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。
なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
以下、第4のセンサユニット及び反応場セルユニットの構成要素について説明する。
[A.第4のセンサユニット]
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第4のセンサユニットにおいて、基板は、第1〜第3実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第4のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1〜第3実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第4のセンサユニットにおいて、チャネルは、第1,第2実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、第1,第2実施形態で説明したのと同様の構成のものを用いることができ、その作製方法についても同様のものを用いることができる。
(4.感知用ゲート)
第4のセンサユニットにおいて、感知用ゲートは、第1実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、感知用ゲートは、後述する反応場セルユニットが有する感知部とともに、検出用感知ゲートを構成するようになっている。即ち、第4のセンサユニットでは、反応場セルユニットの感知部で相互作用が生じた場合、感知用ゲートのゲート電圧が変化するようになっており、この感知用ゲートのゲート電圧に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。
(5.セルユニット装着部)
セルユニット装着部は、後述する反応場セルユニットを装着するための部分である。反応場セルユニットを第4のセンサユニットに装着することができれば特に制限は無く、任意の形状、寸法に構成することができる。
また、セルユニット装着部には、反応場セルユニットを直接装着する以外にも、コネクタ等の他の接続部材を間に介して装着するようにしてもよい。即ち、反応場セルユニットを装着した場合に、感知用ゲートと反応場セルユニットが有する感知部とが導通状態となる限り、どのようにして装着するかは任意である。
(6.電圧印加ゲート)
第4のセンサユニットにおいても、第1〜第3のセンサユニットと同様に、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第4のセンサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1〜第3のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(7.集積化)
第4のセンサユニットにおいては、トランジスタ部は集積化されていることが好ましい。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、感知用ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられることが好ましく、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。なお、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置やそれに固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.電気接続切替部]
第4のセンサユニットにおいて、トランジスタ部が集積されている場合や、セルユニット装着部に装着する反応場セルユニットが感知部を複数有している場合には、第4のセンサユニットは、第1のセルユニットと同様、感知用ゲートと感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えていることが好ましい。これにより、センサユニットの小型化や、検出データの信頼性向上、検出の効率化などを図ることができる。なお、トランジスタを集積した場合には、同一のトランジスタ内の導通だけでなく、他のトランジスタとの間で上記の導通を切り替えるように構成しても良い。
なお、第4のセンサユニットが有する電気接続切替部としては、第1のセンサユニットが有する電気接続切替部と同様のものを用いることができる。
[B.反応場セルユニット]
反応場セルユニットは、上記の第4のセンサユニットのセルユニット装着部に装着される部材であって、検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部(相互作用感知部)を有するものである。また、反応場セルユニットは、検体を感知部に接触させる部材である。さらに、上記セルユニット装着部に装着されているときには、感知部と上記感知用ゲートとは導通状態となるようになっている。なお、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、その検出対象物質と特定物質とは相互作用するようになっている。
反応場セルユニットは、検体を感知部に接触させて、その検体に検出対象物質が含有されている場合に上記の相互作用を生じさせることができれば具体的な構成に制限は無い。例えば、検体を感知部に接触するように保持する容器として構成することができる。ただし、検体が流体である場合には、検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
[I.感知部]
本実施形態において感知部は、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定され、基板とは離隔して反応場セルユニットに形成された部材であり、第1実施形態で説明したものと同様のものである。したがって、感知部の材料、個数、形状、寸法、感知用ゲートに対して導通をとる手段なども、第1実施形態で説明したのと同様である。さらに、感知部を2個以上設ける場合、1つの感知用ゲートに対して2つ以上の感知部を対応して設けることが好ましいことも同様である。
なお、本実施形態では感知部は反応場セルユニットに設けられているため、第4のセンサユニットに対して反応場セルユニットを着脱することにより、感知部も第4のセンサユニットに機械的に着脱可能となっている。また、反応場セルユニットをセルユニット装着部に装着した際には、第4のセンサユニットの感知用ゲートに対して電気的に導通状態となる。
[II.流路]
流路の形状、寸法、本数等に特に制限は無いが、その検出の目的に応じて、適当な流路を形成することが望ましい。流路の具体例としては、第1実施形態において説明したものと同様のものが挙げられる。さらに、流路を形成する部材や、流路の形成方法についても、第1実施形態で説明したものと同様である。
[C.検出対象物質、特定物質及び相互作用]
第4のセンサユニット及び反応場セルユニットにおける検出対象物質、特定物質及び相互作用は、第1〜第3実施形態で説明したものと同様である。
また、感知部位に対して特定物質を固定化する方法は、感知部への特定物質の固定化方法として第1実施形態で説明したのと同様の方法を用いることができる。
さらに、具体的検出例としても、第1実施形態と同様の例が挙げられる。
また、本実施形態のセンサユニットにおいて有機半導体をチャネルに用いれば、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。このほか、第1実施形態と同様の作用、効果が得られ、また、同様に変形して実施することも可能である。
[D.分析装置の例]
第4のセンサユニット及び反応場セルユニット、並びにそれを用いた分析装置の一例としては、第1実施形態で例示したものと同様の例が挙げられる。即ち、第1実施形態で図3〜図7を用いて例示した分析装置100において、基板108、低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112、チャネル113、絶縁膜114、感知用ゲート115、電圧印加ゲート118及び絶縁体層120から構成される検出デバイス部109が本実施形態のトランジスタ部401として機能し、集積検出デバイス104及びコネクタソケット105で構成されるセンサユニット402が第4のセンサユニットとして機能し、分離型集積電極106と反応場セル107とから構成される反応場セルユニット403が本実施形態の反応場セルユニットとして機能する。また、コネクタソケット105の上部に設けられた装着部105Bは、反応場セルユニット403をセンサユニット402に装着する部分であり、セルユニット装着部404として機能する。したがって、これらのセンサユニット402及び反応場セルユニット403を有する分析装置100は、本実施形態の分析装置400として機能するものである。
したがって、本実施形態の一例であるセンサユニット402及び反応場セルユニット403、並びに分析装置400によれば、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である他、トランジスタ部401(即ち、検出デバイス部109)の集積化を行なったため、センサユニット402の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、センサユニット402と反応場セルユニット403とを別体として着脱可能に分離形成したため、反応場セルユニット403をフローセル等のディスポタイプとして使用でき、これにより、センサユニット402や分析装置400の小型化も可能であるため、ユーザー側の使い勝手も向上する。
さらに、反応場セルユニット403が分離可能、交換可能であるため、センサユニット402及び分析装置400の製造コストを安価にすることができ、さらに、使い切り可能にすることや検体がバイオ的汚染を防ぐことができる。
また、第1実施形態において説明したのと同様の作用・効果を得ることができる。
さらに、第1実施形態において説明したのと同様に、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第5のセンサユニット」という)は、基板と、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有する。さらに、第5のセンサユニットにおいて、検出用感知ゲートは、基板に固定されたゲート本体と、ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備える。また、第5のセンサユニットは、検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを備えて構成されている。
なお、第5のセンサユニットにおいても、第1〜第4のセンサユニットと同様、トランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第5のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第5のセンサユニットにおいて、基板は、第1〜第4実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第5のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1〜第4実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第5のセンサユニットにおいて、チャネルは、第1,第2,第4実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、第1〜第4実施形態で説明したのと同様の構成のものを用いることができ、その作製方法についても同様のものを用いることができる。
(4.検出用感知ゲート)
検出用感知ゲートは、ゲート本体である感知用ゲートと、感知部とを有して構成されている。また、第5のセンサユニットでは、検出用感知ゲートの感知部が検出対象物質に起因する何らかの電気的な変化を感知した場合、感知用ゲートのゲート電圧が変化するようになっており、この感知用ゲートのゲート電圧の変化に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。
(4−1.感知用ゲート)
第5のセンサユニットにおいて、感知用ゲートは、第1,第4実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、感知用ゲートは、後述する反応場セルユニットが有する感知部とともに、検出用感知ゲートを構成するようになっている。
(4−2.感知部)
本実施形態において感知部は、ソース電極及びドレイン電極が固定された基板とは別体に形成され、感知用ゲートに対して電気的に導通をとりうる部材である。そして、感知部は、検出対象物質に起因する何らかの電気的な変化を感知した場合、この電気的な変化を電気信号として感知用ゲートに送り、感知用ゲートのゲート電圧を変化させることができるようになっている。
この感知部は、特定物質を固定化する必要が無いこと以外は、第1,第4実施形態で説明した感知部と同様に構成することができる。したがって、感知部の材料、個数、形状、寸法、感知用ゲートに対して導通をとる手段なども、第1実施形態で説明したのと同様である。さらに、感知部を2個以上設ける場合、1つの感知用ゲートに対して2つ以上の感知部を対応して設けることが好ましいことも同様である。なお、センサユニットの検出対象物質を検出する機能を損なわない限り、感知用ゲートや感知部には特定物質が固定されていてもよい。
(5.参照電極)
参照電極は、検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される電極である。詳しくは、感知部に対して電圧を印加する電極であり、このとき、検体を介して感知部に電圧を印加するように構成してもよい。さらに、参照電極は、基準電極として用いたり、検体の電圧を一定にするために用いたりすることもできる。なお、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、本実施形態のセンサユニットを用いて検出対象物質が検出されるようになっている。
参照電極は、検出対象物質の検出が可能である限りその配置位置に制限は無い。基板上に形成することも可能であるが、通常は、感知部とともに基板とは別体として形成する。ただし、検出感度を高めるためには、参照電極と感知部とを対向させるように配置し、両者の間に検体が位置するようにセンサユニットを構成することが好ましい。また、参照電極は、感知部に対して安定して電圧又は電界を印加できる程度に感知部の近傍に配設することが好ましい。
さらに、参照電極はチャネル、ソース電極及びドレイン電極から絶縁された電極として形成するが、この際、参照電極の材料、寸法、形状に特に制限は無い。通常は、第1実施形態で電圧印加ゲートについて説明したのと同様の材料、寸法、形状で形成することができる。
また、感知部を2つ以上設ける場合には、1つの参照電極が2つ以上の感知部に対応するように構成してもよい。これにより、センサユニットの小型化を図ることができる。
ここで、参照電極を用いた検出のメカニズムを説明する。
参照電極が感知部に対して電圧または電界を印加できるようにセンサユニットを構成した場合、参照電極と感知部とを絶縁させ、参照電極が形成する電界内に検体がある状態で、感知部に電圧または電界を印加する。このとき、検体内の検出対象物質が何らかの変化(数、濃度、密度、相、状態等の変化など)を生じると、検出対象物質の変化に起因して検体部分の誘電率が変化し、このため感知用ゲートのゲート電位が変化する。このゲート電圧の変化に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができる。
一方、検体を介して感知部に電圧を印加できるようにセンサユニットを構成した場合、検体を介して特定(直流、交流)の電圧または電界を感知部に印加する。このとき、検体内の検出対象物質が何らかの変化(数、濃度、密度、相、状態等の変化など)を生じると、検出対象物質の変化に起因して検体部分の電気インピーダンスが変化し、このため感知用ゲートのゲート電位が変化する。このゲート電圧の変化に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができる。
(6.電圧印加ゲート)
第5のセンサユニットにおいては、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第5のセンサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1〜第4のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(7.集積化)
上述したトランジスタは、集積化されていることが好ましい。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、検出用感知ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられていることが好ましく、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。ただし、検出用感知ゲートの構成要素のうち、感知部は、通常は基板とは別に形成されるため、基板上には少なくとも感知用ゲート(ゲート本体)が集積されていればよい。また、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、検出用感知ゲートの感知部、参照電極及び電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置や、必要に応じて固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.電気接続切替部]
第5のセンサユニットにおいてトランジスタ部が集積されている場合や感知部が複数設けられている場合、即ち、感知用ゲート及び感知部の一方又は両方が2個以上設けられている場合には、第5のセンサユニットは、感知用ゲートと感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えていることが好ましい。この場合、第5のセンサユニットが備える電気接続切替部は、第1,第2,第4実施形態で説明したものと同様である。
[III.反応場セルユニット]
第5のセンサユニットは、反応場セルユニットを設けてもよい。この反応場セルユニットは、検出を行なう場合に検体を所望の位置に存在させることができれば、即ち、検出時に検体を参照電極の電界内に位置させるか、検体を介して参照電極が感知部に電圧を印加できるようにすることができれば具体的な構成に制限は無い。
ただし、検体が流体である場合には、検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、反応場セルユニットが流路を有している場合、その形状、寸法、本数、流路を形成する部材の材質、流路の製作方法等に制限はないが、通常は、第1,第4実施形態で説明した流路と同様である。
さらに、反応場セルユニットには、上述した感知部及び参照電極のいずれか一方又は両方を形成してもよい。即ち、基板上の感知用ゲートと、反応場セルユニットの感知部及び参照電極とにより、検出用感知ゲートが構成されるようにしても良い。これにより、感知部及び参照電極の着脱を反応場セルユニットの着脱と共に行なうことが可能となり、操作の簡便化を図ることができる。
[IV.検出対象物質及び具体的検出例]
(1.検出対象物質)
検出対象物質とは、本実施形態のセンサユニットが検出する対象となる物質である。第5のセンサユニットにおける検出対象物質については特に制限は無く、任意の物質を検出対象物質とすることができる。また、検出対象物質として、純物質以外のものを用いることも可能である。その具体例としては、第1〜第4実施形態で例示したものと同様のものが挙げられる。
(2.具体的検出例)
以下、本実施形態のセンサユニットを用いた検出対象物質の検出方法の具体例を例示する。
例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、第1実施形態と同様に、特定物質を用いて生体分子間相互作用を用いたタンパク質等の検出、血液電解質の検出、pHの測定、血液ガスを検出、基質の検出、酵素の検出などを行なうことができる。
また、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、血液電解質を検出対象物質として検出することができる。この場合、通常は、液膜型イオン選択性電極法を採用する。
さらに、例えば、本実施形態のセンサユニットを用いれば、pHの測定を行なうことができる。このpHの測定では、水素イオンを検出対象物質として検出し、それによりpHを測定する。また、通常は、水素イオン選択性電極法を採用する。
また、例えば、血液を検体として、血液凝固能測定を行なうこともできる。血液凝固能測定として主なものを挙げれば、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の測定、プロトロンビン時間(PT)の測定、および活性化凝固時間(ACT)の測定などが挙げられる。また、単なる全血凝固時間の測定を行なうことも可能である。
APTT試験では、血液の凝固の内因性の一連の酵素触媒反応および一般的な一連の酵素触媒反応を感知し、評価できる。したがって、APTTは、しばしば静脈内のヘパリン抗凝血剤治療を監視するために使用される。特に、APTT試験は、活性化剤、カルシウムおよびリン脂質がクエン酸塩血液サンプルに加えられた後にフィブリンクロットが形成される際の形成に要する時間を測定できる。なお、クエン酸塩血液サンプルは抗凝固処理された血液サンプル(全血、血漿を含む)のことを表わす。また、抗凝固処理にはクエン酸処理の以外にもヘパリン処理を含むが、これらに限定されるものではない。また、ヘパリン処理はクロット形成を抑制する効果を有する。
また、PT試験では、血液の凝固の外因性の一連の酵素触媒反応および一般的な一連の酵素触媒反応を感知し、評価できる。したがって、経口抗凝血剤治療を監視するために使用される。特に、PT試験では、活性化剤、カルシウム及び組織トロンボプラスチンがクエン酸塩血液サンプルに加えられた後にフィブリンクロットが形成される際の形成に要する時間を測定できる。なお、経口抗凝血剤クマディンは、プロトロンビンの形成を抑制する効果がある。したがって、このPT試験は、血液サンプルへのカルシウムおよび組織トロンボプラスチンの付加に基づいている。
さらに、ACT試験は、血液の凝固の内因性の一連の酵素触媒反応および一般的な一連の酵素触媒反応を感知し、評価できる。したがって、ACT試験は、ヘパリン治療をよる抗凝血剤を監視するためにしばしば使用される。なお、このACT試験は、外因性の抗凝血剤が全く加えられない全血液を新しくするための内因性の一連の触媒反応への活性剤の付加に基づいている。
上記のAPTT、PT、ACT等の血液凝固線溶能を調べる場合、例えば、血液(全血、血漿を含む)等との接触後に試料(血液)の誘電率変化を促進することができる少なくとも1種の試薬と血液等とを混合し、この混合液を参照電極とゲート電極との間に配置し、この時生じる誘電率の時間的変化を直接、感知用ゲート上での電気容量変化による応答として感知することにより、凝固時間を測定する。
また、上記の血液凝固時間の測定には、粘性、導電率、光学的に濃度変化をみるなど各種の方法が開発されている。しかし、本実施形態のセンサユニットにおいては、デバイスの構造原理上、誘電率の変化に敏感な有機半導体をチャネルに用いたトランジスタを用いているので、検出感度が非常に高まる。以下、その場合の具体的なセンサユニットの例について説明する。ただし、本発明は以下に示す例に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
図13は、血液凝固時間の測定に用いるセンサユニットの一例の要部構成を模式的に示す断面図である。このセンサユニットは、図13に示すように、Siで形成された基板12の表面にSiO2の絶縁層13が形成され、絶縁層13の表面にソース電極14及びドレイン電極15が形成されている。また、ソース電極14とドレイン電極15との間には、有機半導体によってチャネル16が形成されている。さらに、チャネル16の上部には、感知用ゲート(ゲート本体)17が形成されている。なお、この感知用ゲート17は、その下面に絶縁層(図示省略)を有しており、これによって、感知用ゲート17とチャネル16とが絶縁されている。
また、ソース電極14及びドレイン電極15の上面全体、並びにチャネル16両端部上面には絶縁層18が形成されていて、これにより、ソース電極14及びドレイン電極15と感知用ゲート17とが絶縁されている。
さらに、感知用ゲート17の上部には、感知部19が機械的に着脱可能に形成されている。この感知部19は導体で構成されたゲートであり、感知用ゲート17に電気的に導通している。
さらに、感知部19の上部には図示しない反応場セルにより反応場21が形成されていて、この反応場21内において、血液が凝固するようになっている。
また、反応場21を挟んで感知部19の対向する位置には、参照電極22が設けられていて、この参照電極22から感知部19に対して電圧を印加できるようになっている。
さらに、基板12の裏面(図中下側)には電圧印加ゲート23が形成されていて、この電圧印加ゲート23には、検出対象物質の存在をトランジスタ部24の特性の変化として検出すべく、チャネル16に対して電圧を印加するための電圧を印加されるようになっている。ただし、この電圧印加ゲート23は、適宜、チャネル16に対して電圧を印加する以外の用途に用いるようにしてもかまわない。
このセンサチップでは、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、検出用感知ゲート20(即ち、感知用ゲート17、感知部19)、及び電圧印加ゲート23からトランジスタ部24が構成されている。また、ソース電極14、ドレイン電極15、参照電極22、電圧印加ゲート23にはそれぞれ配線が接続され、この配線を通じて電圧が印加されたり、外部の測定機器によって電流、電圧等を測定されたりするようになっている。
以上のようなセンサユニットでは、反応場21に凝固反応が進行するように処理された検体である血液を充填し、参照電極22とチャネル16との間で、凝固反応を進行させる。凝固反応が進行すれば、反応場21内の誘電率が変化し、トランジスタ部24の電気容量が変化する。したがって、単純に参照電極に印加される電圧(即ち、参照電極22の電位VGまたはソース電極14に対する参照電極22の電圧VGS)が一定の電圧下で、トランジスタ部24のドレイン電流IDを観測すれば、誘電率が増加すればIDも増加することになるため、誘電率の変化から、反応速度を時定数から割り出せ、凝固時間を算出できる。さらに、上記のトランジスタ部24で発振器を構成して動作をさせるようにすれば、トランジスタ部24の電気容量の変化によって、パルス時間幅や発振する周波数は変化する。また、凝固によって誘電率が増加すればパルス時間幅が増加するため、この増加分から割り出せる時定数と凝固時間との相関が測定できる。また発振周波数は、誘電率が増加すれば減少するので、電気容量を計測できる回路{Qメータ(RCL直列発振器)、Cメーター、交流ブリッジ回路など}を組み込めば、特に制約はなく計測可能である。
例えば簡単な一例を挙げるとすれば、図14のような回路を有する分析装置(マルチバイブレータ)を組み、その各部における時定数τ1(=RAA),τ2(=RBB)を測定することにより、上記の凝固時間との相関を測定することができる。即ち、凝固時間検出部(ここに、上記のセンサユニットのトランジスタ部24が用いられる)の静電容量CBが変化すると、例えば図15に示すように各部の時定数τ1,τ2が変化をする。したがって、この時定数τ1,τ2の変化を読み取れば、それを用いて上記の凝固時間との相関を知ることが可能である。なお、図14は上記のセンサユニットを有する分析装置の測定回路の一例を表わす図であり、図14においてRA,RBはそれぞれ対応する抵抗の抵抗値を表わし、VD1,VD2,VG1,VG2はそれぞれ対応する位置における電圧を表わし、VDDは直流電源を表わし、CAは任意のコンデンサの容量、CBは参照電極22と電圧印加ゲート23との間の電気容量を表わす。また、図15はトランジスタの特定変化の一例である時定数の変化を説明するための図であり、T1,T2はそれぞれ周期を表わす。
また、回路構成上、トランジスタ部24を用いて凝固時間を計測しない回路部分において、所望の項目以外に敏感な同相入力に影響する要素(例えば、温度変化、圧力変化等)が生じる場合には、それらの要素を引き算をするように構成すれば、感度よく測定ができる。
さらに、反応場21では、試薬の定量的な送液方法や反応スキームなどは、再現性がよいものであればよく、特に限定するものではない。
なお、誘電率変化を促進するために試薬を用いる場合の具体例としては、例えば、APTT試験では、クエン酸処理した血液に、活性化物質であるカルシウム及びリン脂質を試薬として混合することが挙げられる。また、例えばPT試験では、血液へ、カルシウム及び組織トロンボプラスチンの混合が挙げられる。
また、例えば、血液を検体として、血算測定を行なうこともできる。血算測定とは赤血球数(RBC)、ヘモグロビン濃度(Hb)、ヘマトクリット(Hct)、白血球数(WBC)、血小板数(Plt)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)などの測定を表わす。さらに、これに白血球分類(リンパ球、顆粒球、単球)を加えたものは、血球計数検査という。
赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、血小板数等の血算を調べる場合、電気抵抗を用いて測定する。例えば、血球を小孔(アパーチャー)に流通させ、その小孔を血球が通過する際の電気抵抗変化数(血球通過信号)若しくは電気インピーダンス変化数を感知することにより、血算を測定する。
以下、全血算測定に用いるセンサユニットの一例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、任意に変形指定実施することができる。
図16は、全血算測定に用いるセンサユニットの一例の要部構成を模式的に示す断面図である。なお、図16において、図13と同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。また、図16は反応場セルユニット25を装着した状態を示している。
このセンサユニットは、図16に示すように、図13で示した血液凝固時間の測定に用いるセンサユニットの感知部19及び反応場21を備えず、着脱可能に形成された反応場セルユニット25を備えた構成となっている。即ち、図16のセンサユニットは、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、有機半導体で形成されたチャネル16、感知用ゲート(ゲート本体)17、参照電極22、及び電圧印加ゲート23、並びに、反応場セルユニット25を備えている。
反応場セルユニット25は、上下一対の板状フレーム26,27の間に絶縁材で形成されたスペーサ28を備えていて、スペーサ28の間には図16の紙面に交差する向きに血液を流すための流路29が形成されている。
また、流路29の下部には板状フレーム26を貫通する孔が形成され、その孔には導体により形成された感知部30が設けられている。感知部30は、反応場セルユニット25と一体に形成されているため、反応場セルユニット25を図16のように装着した場合には、感知部30と感知用ゲート17とが導通し、反応場セルユニット25を取り外した場合には感知部30と感知用ゲート17とが導通しないようになっている。これにより、感知部30は、感知部30の流路29側表面(図中上面)上の部分を検出対象物質である赤血球などが通過する際の電気抵抗変数(血球通過信号)若しくは電気インピーダンス変化数を、感知部30から感知用ゲート17への電気信号により感知するようになっている。
さらに、流路29の上部にも板状フレーム27を貫通する孔が形成され、その孔には導体により形成された電極部31が設けられている。電極部31は、参照電極22と接するように形成されているため、電極部31と参照電極22とは電気的に導通がとられており、したがって、参照電極22から印加される電圧は電極部31を通じ、流路29を介して感知部30及び感知用ゲート17に電圧を印加できるようになっている。
なお、感知部30及び電極部31は、板状フレーム26,27を貫通する孔を塞いでいるため、流路29内流れる流体が流路29外に漏れ出す虞は無い。
このような構成のセンサチップにおいては、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、検出用感知ゲート20(即ち、感知用ゲート17、感知部30)、及び電圧印加ゲート23からトランジスタ部32が構成されている。また、ソース電極14、ドレイン電極15、参照電極22、電圧印加ゲート23にはそれぞれ配線が接続され、この配線を通じて電圧が印加されたり、外部の測定機器によって電流、電圧等を測定されたりするようになっている。
以上のようなセンサユニットを使用する際には、流路29に検体である血液を流通させる。この際、参照電極22から一定の電圧を印加しながら流路29に検体を流通させる。この際、検出対象物質が感知部30と電極部31との間の部分を流通すれば流路29の感知部30と電極部31との間の部分の電気インピーダンスが変化するため、チャネル16を流れるドレイン電流は、検出対象物質が流れる度に大きく変化する。したがって、その変化した回数をカウントすることにより、血算を測定することができる。
血算の内、赤血球数(RBC)と赤血球容積(MCV)とは血液を直接あるいは希釈した後、上記の方式で測定される。また、血小板数(Plt)は赤血球測定時に血小板/赤血球の血球通過信号比で求められる。さらに、白血球数(WBC)は、予め赤血球を溶血剤で処理した後、上記方法による試料の血球通過信号でもって求められる。なお、白血球分類は白血球測定時に通過血球信号の電気抵抗値で識別・同定・分類される。さらに、ヘモグロビン濃度は免疫学的に測定し、ヘマトクリットは電導度法で測定する。また、これらの値から赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)が算出される。
なお、ここで例示したセンサユニットの構成は、各構成要素の説明において上述したように適宜変更することができ、例えば、複数の項目を測定する際、一つの項目で使用する試薬や反応生成物が他の項目の測定を阻害することを防ぐため、個々の感知部を仕切り分けることができる。また、検出対象物や検出に必要な試薬を個々の感知部へ送る際、上述したような流路によって分けてから感知部へ送るようにすることもできる。
有機半導体をチャネルに用いることは、非常に高感度の検出を実現するため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目とその他の生化学項目等を同一原理で一度に測定することにより、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。
[V.分析装置の例]
以下に、第5のセンサユニット、及び、それを用いた分析装置の一例の構成を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、例えば各構成要素の説明において上述したように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
なお、以下に説明する第5のセンサユニット及びそれを用いた分析装置の概要は、第1のセンサユニットを用いた分析装置の一例として第1実施形態で説明した分析装置に対し、特定物質を用いず、参照電極を新たに設けたほかは同様の構成となっている。
図17は、第5のセンサユニットを用いた分析装置500の要部構成を模式的に示す図であり、図18は、第5のセンサユニットの要部構成を模式的に示す分解斜視図である。また、図19には、第5のセンサユニットを分解した状態で切った断面を模式的に示す。さらに、図6(a),(b)には、検出デバイス部509の要部構成を模式的に示し、図6(a)はその斜視図、図6(b)は側面図である。また、図20は、コネクタソケット505、分離型集積電極506及び反応場セル507を集積検出デバイス504に取り付けた状態について、その電極部516周辺を模式的に示す断面図である。なお、この図20においては、説明のため、コネクタソケット505はその内部の配線521のみを示す。また、図6,図17〜図20において、同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。
図17に示すように、この分析装置500は、センサユニット501と、測定回路502とを有して構成され、ポンプ(図示省略)によって検体を矢印のように流すことができるように構成されている。ここで、測定回路502は、参照電極527に印加する電圧を制御しつつセンサユニット501内のトランジスタ部(図20のトランジスタ部503参照)の特性変化を検出するための回路(トランジスタ特性検出部)であり、任意の抵抗、コンデンサ、電流計、電圧計などから目的に応じて構成される。
センサユニット501は、図18や図19に示すように、集積検出デバイス504と、コネクタソケット505と、分離型集積電極506と、反応場セル507とを備えている。このうち、集積検出デバイス504は分析装置500に固定されている。一方、コネクタソケット505、分離型集積電極506及び反応場セル507は、集積検出デバイス504から機械的に着脱可能となっている。なお、図19では、説明のため、センサユニット501の各部材を図17や図18とは異なる寸法で描画する。
集積検出デバイス504及びコネクタソケット505の構成は、第1のセンサユニットを用いた分析装置の一例として第1実施形態で説明した分析装置100における集積検出デバイス104及びコネクタソケット105と同様である。
即ち、集積型検出デバイス504は、図18や図19に示すように、基板508上に、それぞれ同様に構成された複数(ここでは12個)の検出デバイス部509が集積化された構成となっていて、各検出デバイス部509は、図6(a),(b)に示すように、第1実施形態で説明した低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112、チャネル113、絶縁膜114、感知用ゲート(ゲート本体)115、電圧印加ゲート118、絶縁体層120とそれぞれ同様に形成された低誘電層510、ソース電極511、ドレイン電極512、チャネル513、絶縁膜514、感知用ゲート(ゲート本体)515、電圧印加ゲート518、及び絶縁体層520を備えている。また、感知用ゲート515は、コネクタソケット505を介して分離型集積電極506及び反応場セル507を集積検出デバイス504に装着することにより、分離型集積電極506の対応する電極部516と共に検出用感知ゲート517(図20参照)を構成するようになっている。なお、図6では、説明のため、センサユニット501の各部材を図17及び図18とは異なる寸法で描画する。
また、コネクタソケット505は、集積検出デバイス504と分離型集積電極506との間で、集積検出デバイス504と分離型集積電極506とを接続するコネクタであり、第1実施形態で説明した装着部105A及び装着部105Bとそれぞれ同様に形成された装着部505A及び装着部505Bが設けられている。さらに、コネクタソケット505内には第1実施形態で説明した配線121、デバイス側端子121A、電極側端子121B及びスイッチ121Cと同様に形成された配線521、デバイス側端子521A、電極側端子521B及びスイッチ521Cを有している。これにより、集積検出デバイス504の図中左から1列目、2列目、3列目及び4列目の検出デバイス部509それぞれと、分離型集積電極506の図中左から1列目、2列目、3列目及び4列目の各3個ずつの電極部516とを対応させて、それぞれ電気的に導通をとることができ、さらに、感知用ゲート515と対応する電極部516との導通を切り替えられるようになっている。したがって、コネクタソケット505は、導通部材及び電気接続切替部として機能するようになっている。
また、分離型集積電極506の構成は、電極部(感知部)516(図6の電極部116に相当)に特定物質が固定化されていないこと以外は、第1実施形態で説明した分離型集積電極106と同様である。即ち、分離型集積電極506は、図19や図20に示すように、第1実施形態で説明した基板122、電極部(感知部)116、配線124及び接続用端子124Aと同様の基板522、電極部(感知部)516、配線524及び接続用端子524Aを有して構成されている。なお、図20では、説明のため、センサユニット501の各部材を図6、図17〜図19とは異なる寸法で描画する。
さらに、反応場セル507の構成は、参照電極527が形成されていること以外は、第1実施形態で説明した反応場セル107と同様である。即ち、反応場セル107は、第1実施形態で説明した基体125及び流路119と同様の基体525及び流路519を有して構成され、さらに、各電極部516に対向する流路519の上面に面して、各電極部516にそれぞれ対応する参照電極527が形成されている。また、各参照電極527には、分析装置500に設けられた電源(図示省略)から電圧が印加されるようになっていて、参照電極527の電圧の大きさは、測定回路502により制御されるようになっている。
反応場セル507は、分離型集積電極506と一体に形成され、反応場セルユニット526を構成する。したがって、分析装置500の使用時には反応場セルユニット526をコネクタソケット505を介して集積検出デバイス504に装着することになる。なお、この反応場セルユニット526は通常は使い切り(使い捨て)とする。また、反応場セル507と集積検出デバイス504とは、別体として形成しても良い。
本例の分析装置500及びセンサユニット501は以上のように構成されている。したがって、使用時には、まず、コネクタソケット505、及び反応場セルユニット526(即ち、分離型集積電極506及び反応場セル507)を、集積検出デバイス504に装着して、センサユニット501を準備する。その後、電圧印加ゲート516に、トランジスタ部503(即ち、基板508、低誘電層510、ソース電極511、ドレイン電極512、チャネル513、絶縁膜514、検出用感知ゲート517及び電圧印加ゲート518)の伝達特性を最大とすることができる大きさの電圧を印加し、チャネル513に電流を流通させる。その状態で、測定回路502でトランジスタ部503の特性を測定し、且つ、参照電極527から一定の参照電圧を印加しながら、流路519に検体を流通させる。
検体は流路519を流通し、電極部516に接触する。この際、参照電極527に参照電圧が印加されているため、検体を介して電極部516に電圧が印加される。ここで、検体中に検出対象物質が含まれていれば、検出対象物質が電極部516上を通過した際に通過された電極部516上のインピーダンスが変化するため、この電極部516に印加される電圧の大きさが変動する。この電圧の大きさの変動は電気信号となって電極部516から配線524,521を通じて感知用ゲート515に伝わり、感知用ゲート515では、この電気信号によりゲート電圧に変化が生じるなどするため、トランジスタ部503の特性が変化する。
したがって、前記のトランジスタ部503の特性の変化を測定回路502で測定することにより、検出対象物質を検出することができる。特に、本例では、チャネル513として有機半導体を用いているため、非常に感度の高い検出を行なうことが可能であり、したがって、従来は検出が困難であった検出対象物質の検出も行なうことができる。したがって、本例の分析装置500は、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である。
また、本例の分析装置500によれば、特定物質を用いることによるもののほかは、第1実施形態で説明した分析装置100と同様の作用・効果を得ることができる。
ただし、ここで例示した分析装置500及びセンサユニット501は、あくまで第5実施形態としてのセンサユニットの一例であり、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。本実施形態のセンサユニットの各構成要素の説明として上述したように変形することも可能であるが、中でも、以下のように変形を行なうことも可能である。
例えば、分析装置500及びセンサユニット501は、検出対象物質が流路519を流れることによるインピーダンスの変化を感知する代わりに、検出対象物質が流路519を流れることによる流路519内の誘電率の変化を感知するように構成しても良い。
また、センサユニット501の検出対象物質を検出する機能を損なわない限り、電極部516の一部又は全部には適当な特定物質が固定されていてもよい。さらに、この場合、上記のインピーダンスや誘電率の変化に加え、特定物質と検出対象物質との相互作用を感知するようにしても良い。
さらに、第1実施形態において説明したのと同様に、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。
また、本発明においてはチャネルを有機半導体で形成するので、感知用ゲートと感知部とは、ソース電極及びドレイン電極が固定された基板に一体に形成されていても良い。即ち、センサユニットを、基板、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに基板に固定されたゲート(感知用ゲートと感知部とが一体に形成されたゲート。検出用感知ゲート)を有するトランジスタ部と、検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを備えるように構成しても良い。有機半導体を用いたチャネルを使用することにより、上記構成のトランジスタ部を、誘電率や電気インピーダンスなどの変化に対して非常に敏感とすることができる。したがって、上記の構成によっても、従来よりも検出感度が遥かに優れたセンサユニットを得ることができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第6のセンサユニット」という)は、基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流流路となる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、感知部、及び、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備える。さらに、上記反応場セルユニットが該セルユニット装着部に装着されているときには上記感知部と該感知用ゲートとが導通状態となるように構成されている。
一方、上記の第6のセンサユニットに装着される反応場セルユニットは、基板、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、感知部と、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを有するものである。さらに、上記セルユニット装着部に装着されているときには、感知部と上記感知用ゲートとが導通状態となるようになっている。
また、上記のトランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第6のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
以下、第6のセンサユニット及び反応場セルユニットの構成要素について説明する。
[A.第6のセンサユニット]
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第6のセンサユニットにおいて、基板は、第1〜第5実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第6のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1〜第5実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第6のセンサユニットにおいて、チャネルは、第1,第2,第4,第5実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、第1,第2,第4,第5実施形態で説明したのと同様の構成のものを用いることができ、その作製方法についても同様のものを用いることができる。
(4.感知用ゲート)
第6のセンサユニットにおいて、感知用ゲートは、第1,第4,第5実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、感知用ゲートは、後述する反応場セルユニットが有する感知部とともに、検出用感知ゲートを構成するようになっている。即ち、第6のセンサユニットでは、反応場セルユニットの感知部で検出対象物質に起因する何らかの電気的な変化を感知した場合、この電気的な変化を電気信号として感知用ゲートに送り、感知用ゲートのゲート電位を変化させ、この感知用ゲートのゲート電圧に伴って生じるトランジスタの特性の変化を検出することにより検出対象物質の検出を行なうことができるようになっている。
(5.セルユニット装着部)
セルユニット装着部は、後述する反応場セルユニットを装着するための部分である。反応場セルユニットを第6のセンサユニットに装着することができれば特に制限は無く、任意の形状、寸法に構成することができる。
また、セルユニット装着部には、反応場セルユニットを直接装着する以外にも、コネクタ等の他の接続部材を間に介して装着するようにしてもよい。即ち、反応場セルユニットを装着した場合に、感知用ゲートと反応場セルユニットが有する感知部とが導通状態となる限り、どのようにして装着するかは任意である。
(6.電圧印加ゲート)
第6のセンサユニットにおいても、第1〜第5のセンサユニットと同様に、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第6のセンサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1〜第5のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(7.集積化)
上述したトランジスタは、集積化されていることが好ましい。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、感知用ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられていることが好ましく、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。ただし、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、検出用感知ゲートの感知部及び電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の感知用ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置や、必要に応じて固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.電気接続切替部]
第6のセンサユニットにおいて、トランジスタ部が集積されている場合や、セルユニット装着部に装着する反応場セルユニットが感知部を複数有している場合には、第6のセンサユニットは、第1,第4,第5のセルユニットと同様、感知用ゲートと感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備えていることが好ましい。これにより、センサユニットの小型化や、検出データの信頼性向上、検出の効率化などを図ることができる。なお、トランジスタを集積した場合には、同一のトランジスタ内の導通だけでなく、他のトランジスタとの間で上記の導通を切り替えるように構成しても良い。
なお、第6のセンサユニットが有する電気接続切替部としては、第1,第4,第5のセンサユニットが有する電気接続切替部と同様のものを用いることができる。
[B.反応場セルユニット]
反応場セルユニットは、上記の第6のセンサユニットのセルユニット装着部に装着される部材であって、感知部及び参照電極を有するものである。また、反応場セルユニットは、検出を行なう場合に検体を所望の位置に存在させる部材である。さらに、上記セルユニット装着部に装着されているときには、感知部と上記感知用ゲートとは導通状態となるようになっている。なお、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、本実施形態のセンサユニットを用いて検出対象物質が検出されるようになっている。
反応場セルユニットは、検出を行なう場合に検体を所望の位置に存在させることができれば具体的な構成に制限は無い。即ち、検出時に検体を参照電極の電界内に位置させるか、検体を介して参照電極が感知部に電圧を印加できるようにすることができれば具体的な構成に制限は無い。例えば、検体を所望の位置に保持する容器として構成することができる。ただし、検体が流体である場合には、検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
(I.感知部)
本実施形態において感知部は、ソース電極及びドレイン電極が固定された基板とは離隔して形成され、基板とは離隔して反応場セルユニットに形成された部材であり、第5実施形態で説明したものと同様のものである。即ち、この感知部は、特定物質を固定化する必要が無いこと以外は、第1,第4実施形態で説明した感知部と同様に構成することができる。したがって、感知部の材料、個数、形状、寸法、感知用ゲートに対して導通をとる手段なども、第1,第4,第5実施形態で説明したのと同様である。さらに、感知部を2個以上設ける場合、1つの感知用ゲートに対して2つ以上の感知部を対応して設けることが好ましいことも同様である。なお、センサユニットの検出対象物質を検出する機能を損なわない限り、感知部には特定物質が固定されていてもよい。
なお、本実施形態では感知部は反応場セルユニットに設けられているため、第6のセンサユニットに対して反応場セルユニットを着脱することにより、感知部も第6のセンサユニットに機械的に着脱可能となっている。また、反応場セルユニットをセルユニット装着部に装着した際には、第6のセンサユニットの感知用ゲートに対して電気的に導通状態となる。
(II.参照電極)
本実施形態の参照電極は、検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される電極である。詳しくは、感知部に対して電圧を印加する電極であり、このとき、検体を介して感知部に電圧を印加するように構成してもよい。
参照電極は、検出対象物質の検出に過大な悪影響を与えない限りその配置位置に制限は無く、反応場セルユニットのいずれの位置に形成してもよいが、検出感度を高めるためには、参照電極と感知部とを対向させるように配置し、両者の間に検体が位置するように配置することが好ましい。また、参照電極は、感知部に対して安定して電圧を印加できる程度に感知部の近傍に配設することが好ましい。
本実施形態の参照電極は、第5実施形態で説明した参照電極と同様の材料、寸法、形状で形成することができる。また、感知部を2つ以上設ける場合には、1つの参照電極が2つ以上の感知部に対応するように構成してもよいことも同様である。
さらに、参照電極を用いた検出のメカニズムについても、第5実施形態で説明したものと同様である。
(III.流路)
流路の形状、寸法、本数等に特に制限は無いが、その検出の目的に応じて、適当な流路を形成することが望ましい。流路の具体例としては、第1実施形態において説明したものと同様のものが挙げられる。さらに、流路を形成する部材や、流路の形成方法についても、第1実施形態で説明したものと同様である。
[C.検出対象物質及び具体的検出例]
検出対象物質とは、本実施形態のセンサユニットが検出する対象となる物質である。第5実施形態と同様、第6のセンサユニットにおける検出対象物質については特に制限は無く、任意の物質を検出対象物質とすることができる。また、検出対象物質として、純物質以外のものを用いることも可能である。その具体例としては、第1〜第5実施形態で例示したものと同様のものが挙げられる。
さらに、具体的検出例としては、第5実施形態と同様の例が挙げられる。
また、本実施形態のセンサユニットは有機半導体をチャネルに用いているため、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。このほか、第5実施形態と同様の作用、効果が得られる。
ただし、本実施形態においては、図13を用いて説明した血液凝固時間の測定に用いるセンサユニットの一例については、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、感知用ゲート17、及び電圧印加ゲート23からトランジスタ部33が構成されていることとなり、また、感知部19、反応場21及び参照電極22から反応場セルユニット34が構成されていることとなる。さらに、感知用ゲート17及び絶縁層18の上部によって、反応場セルユニット34を装着するセルユニット装着部35が構成され、このセルユニット装着部35に前記反応場セルユニット34が装着されていることとなる。
また、本実施形態において、図16を用いて説明した全血算測定に用いるセンサユニットの一例については、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、感知用ゲート17及び電圧印加ゲート23からトランジスタ部36が構成されていることとなり、また、上下一対の板状フレーム26,27、スペーサ28、流路29、感知部30、参照電極22及び配線31から反応場セルユニット37が構成されていることとなる。さらに、感知用ゲート17及び絶縁層18の上部によって、反応場セルユニット37を装着するセルユニット装着部38が構成され、このセルユニット装着部38に前記反応場セルユニット37が装着されていることとなる。
[D.分析装置の例]
第6のセンサユニット及び反応場セルユニット、並びにそれを用いた分析装置の一例としては、第5実施形態で例示したものと同様の例が挙げられる。即ち、第5実施形態で図6、図17〜図20を用いて例示した分析装置500において、基板508、低誘電層510、ソース電極511、ドレイン電極512、チャネル513、絶縁膜514、感知用ゲート515、電圧印加ゲート518及び絶縁体層520から構成される検出デバイス部509が本実施形態のトランジスタ部601として機能し、集積検出デバイス504及びコネクタソケット505で構成されるセンサユニット602が第6のセンサユニットとして機能し、分離型集積電極506と反応場セル507とから構成される反応場セルユニット526が本実施形態の反応場セルユニット603として機能する。また、コネクタソケット505の上部に設けられた装着部505Bは、反応場セルユニット603をセンサユニット602に装着する部分であり、セルユニット装着部604として機能する。したがって、これらのセンサユニット602及び反応場セルユニット603を有する分析装置600は、本実施形態の分析装置として機能するものである。
したがって、本実施形態の一例であるセンサユニット602及び反応場セルユニット603、並びに分析装置600によれば、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である他、トランジスタ部601(即ち、検出デバイス部509)の集積化を行なったため、センサユニット602の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、センサユニット602と反応場セルユニット603とを別体として着脱可能に分離形成したため、反応場セルユニット603をフローセル等のディスポタイプとして使用でき、これにより、センサユニット602や分析装置600の小型化も可能であるため、ユーザー側の使い勝手も向上する。
さらに、反応場セルユニット603が分離可能、交換可能であるため、センサユニット602及び分析装置600の製造コストを安価にすることができ、さらに、使い切り可能にすることや検体がバイオ的汚染を防ぐことができる。
また、第5実施形態において説明したのと同様の作用・効果を得ることができる。
さらに、第5実施形態において説明したのと同様に、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態としてのセンサユニット(以下適宜、「第7のセンサユニット」という)は、基板と、基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットである。また、第7のセンサユニットにおいては、トランジスタ部が2以上集積されていると共に、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を備えている。
なお、第7のセンサユニットにおいても、第1〜第6のセンサユニットと同様、トランジスタ部は、トランジスタとして機能する部分であり、このトランジスタの出力特性の変化を検知することにより、本実施形態のセンサユニットは検出対象物質を検出するようになっている。また、トランジスタ部は、そのチャネルの具体的な構成により、電界効果トランジスタとして機能するものと、単一電子トランジスタとして機能するものとに区別できるが、第7のセンサユニットにおいてはいずれを用いても良い。なお、以下の説明において、トランジスタ部のことを適宜、単に「トランジスタ」というが、その場合、特に断らない限り、電界効果トランジスタ及び単一電子トランジスタのいずれとして機能するかは区別しない。
[I.トランジスタ部]
(1.基板)
第7のセンサユニットにおいて、基板は、第1〜第6実施形態で説明したのと同様のものである。
(2.ソース電極,ドレイン電極)
第7のセンサユニットにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、第1〜第6実施形態で説明したのと同様のものである。
(3.チャネル)
第7のセンサユニットにおいて、チャネルは、第1,第2,第4〜第6実施形態で説明したのと同様のものである。したがって、第1,第2,第4〜第6実施形態で説明したのと同様の構成のものを用いることができ、その作製方法についても同様のものを用いることができる。
(4.検出用感知ゲート)
第7のセンサユニットの検出用感知ゲートは、第5のセンサユニットと同様に構成することができる。
また、第7のセンサユニットの検出用感知ゲートを、第5センサユニットの感知用ゲートと同様に構成しても良い。この場合、感知用ゲート自身が、検出対象物質に起因する何らかの電気的な変化を感知し、これにより、ゲート電圧を変化させることができるように構成される。なお、センサユニットの検出対象物質を検出する機能を損なわない限り、感知用ゲートや感知部には特定物質が固定されていてもよいことも、第5のセンサユニットと同様である。
(5.電圧印加ゲート)
第7のセンサユニットにおいても、第1〜第6のセンサユニットと同様に、トランジスタ部は電圧印加ゲートを備えていてもよい。第7のセンサユニットのトランジスタ部に設けられる電圧印加ゲートは、第1〜第6のセンサユニットのトランジスタ部に設けられるものと同様である。
(6.集積化)
第7のセンサユニットにおいては、トランジスタ部は集積化されている。即ち、単一の基板に、ソース電極、ドレイン電極、チャネル、検出用感知ゲート、及び、適宜電圧印加ゲートが2以上設けられており、さらに、それらはできるだけ小型化されていることがより好ましい。なお、適宜、各トランジスタの構成部材はそれぞれ他のトランジスタの構成部材と共有されるように設けてもよく、例えば、検出用感知ゲートの感知部、及び、電圧印加ゲート等は、集積化されたトランジスタのうちの2以上に共有されるようにしてもよい。さらに、集積化するトランジスタは1種のもののみを集積化しても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して集積化しても良い。
この際、本実施形態のように有機半導体を用いてチャネルを形成した場合には、集積化するトランジスタそれぞれに用いる材料として、種々の異なる種類のものを組み合わせて用いることができ、且つ、それが容易であるという、有機半導体をチャネルに用いたことによる利点を得ることができる。即ち、移動度等の電気的特性が異なる有機半導体によりチャネルを形成してトランジスタ特性の異なるトランジスタを2以上組み合わせてセンサユニットを構成することで、センサとしての感度や応答速度、温度や湿度等の環境依存性、寿命、コスト等の面から、最適なセンサユニットを構成することができるのである。
このようにトランジスタの集積化を行なうことにより、一つのセンサユニットでより多種の検出対象物質の検出を行なうことができるようになるために分析を行なう際の利便性を従来よりも高めることができる。また、センサユニットの小型化及び低コスト化、検出の迅速化及び検出感度の向上、並びに操作の簡便等の利点のうちの少なくともいずれかを得ることができる。即ち、例えば、集積化により一度に多数の検出用感知ゲートを設けることができるため、一つのセンサユニットで多数の検出対象物質を検出することができる多機能なセンサユニットを、低コストで提供することができる。また、例えばソース電極及びドレイン電極を多数並列接続するように集積化を行なえば、検出感度を高めることが可能になる。さらに、例えば、分析結果の検討のため等に用いる比較用の電極などを別途用意する必要がなくなり、あるトランジスタを用いた結果を同一センサユニット上にある他のトランジスタの結果と比較して分析することが可能となる。
トランジスタの集積化を行なう場合、トランジスタの配置や、必要に応じて固定化される特定物質の種類などは任意である。例えば、ひとつの検出対象物質を検知するためにひとつのトランジスタを用いてもよいし、複数のトランジスタのアレイを用いソース電極−ドレイン電極間を並列に電気的に接続し、各々の検出用感知ゲートでは同じ検出対象物質を検知することにより、ひとつの検出対象物質を検知するために複数のトランジスタを用いてもよい。
また、集積化の具体的な方法に制限はなく、公知の方法を任意に用いることができるが、通常は、集積回路を製造する際に一般的に用いられている製造方法を利用することができる。また、最近ではMEMSと呼ばれる、金属(導体)や半導体に機械的要素を作りこむ方法も開発されており、その技術を利用することも可能である。
さらに、集積化を行なった場合の配線についても制限はなく任意であるが、通常は、寄生容量や寄生抵抗の影響をできるだけ排除するように配置等を工夫することが好ましい。具体的には、例えば、エアブリッジ技術やワイヤボンディング技術を用いて各ソース電極間及び/又はドレイン電極間を接続したり感知用ゲートと感知部とを接続したりすることが好ましい。
[II.参照電極]
参照電極は、検出対象物質の存在をトランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される電極である。詳しくは、検出用感知ゲートに対して電圧又は電界を印加する電極であり、このとき、検体を介して検出用感知ゲートに電圧または電界を印加するように構成してもよい。さらに、参照電極は、基準電極として用いたり、検体の電圧を一定にするために用いたりすることもできる。なお、検体とは、センサユニットを用いて検出する対象となるものであり、その検体に検出対象物質が含有されている場合には、本実施形態のセンサユニットを用いて検出対象物質が検出されるようになっている。
参照電極は、検出対象物質の検出が可能である限りその配置位置に制限は無い。基板上に形成することも可能であるが、通常は、基板とは別体として形成する。ただし、検出感度を高めるためには、参照電極と検出用感知ゲートとを対向させるように配置し、両者の間に検体が位置するようにセンサユニットを構成することが好ましい。また、参照電極は、検出用感知ゲートに対して安定して電圧又は電圧を印加できる程度に感知部の近傍に配設することが好ましい。
さらに、参照電極はチャネル、ソース電極及びドレイン電極から絶縁された電極として形成するが、この際、参照電極の材料、寸法、形状に特に制限は無い。通常は、第5実施形態の参照電極と同様、第1実施形態で電圧印加ゲートについて説明したのと同様の材料、寸法、形状で形成することができる。
ただし、第7のセンサユニットにおいては、トランジスタ部が集積して設けられている。このとき、参照電極は各検出用感知ゲートに対応して複数設けるようにしてもよいが、1つの参照電極が2つ以上の検出用感知ゲートに対応するように構成してもよい。これにより、センサユニットの小型化を図ることができる。
[III.電気接続切替部]
第7のセンサユニットの検出用感知ゲートを第5のセンサユニットと同様に構成した場合、第5のセンサユニットと同様に、第7のセンサユニットには電気接続切替部を設けることができる。この場合、第7のセンサユニットが備える電気接続切替部は、第5実施形態で説明したものと同様である。
[IV.反応場セル]
第7のセンサユニットは、反応場セルを有していても良い。反応場セルとは、検出を行なう場合に検体を所望の位置に存在させることができれば、即ち、検出時に検体を参照電極の電界内に位置させるか、検体を介して参照電極が検出用感知ゲートに電圧を印加できるようにすることができれば具体的な構成に制限は無い。
ただし、検体が流体である場合には、検体を流通させる流路を有する部材として構成することが望ましい。検体を流通させて検出を行なうことにより、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、反応場セルが流路を有している場合、その形状、寸法、本数、流路を形成する部材の材質、流路の製作方法等に制限はないが、通常は、第1,第4〜第6実施形態で説明した流路と同様である。
さらに、反応場セルには、上述した参照電極を形成してもよい。これにより、参照電極の着脱を反応場セルの着脱と共に行なうことが可能となり、操作の簡便化を図ることができる。
[V.検出対象物質及び具体的検出例]
検出対象物質とは、本実施形態のセンサユニットが検出する対象となる物質である。第7のセンサユニットにおける検出対象物質については特に制限は無く、任意の物質を検出対象物質とすることができる。また、検出対象物質として、純物質以外のものを用いることも可能である。その具体例としては、第1〜第6実施形態で例示したものと同様のものが挙げられる。
さらに、具体的検出例としても、第5実施形態と同様の例が挙げられる。
また、本実施形態のセンサユニットは有機半導体をチャネルに用いているため、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。このほか、第5,第6実施形態と同様の作用、効果が得られる。
ただし、第7のセンサユニットはトランジスタ部を2以上集積化したものである。したがって、図13を用いて説明した血液凝固時間の測定に用いるセンサユニットの例においては、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、検出用感知ゲート20(即ち、感知用ゲート17、感知部19)、及び電圧印加ゲート23から構成されたトランジスタ部24が集積されたものが、第7のセンサユニットの例に該当する。また、図16を用いて説明した全血算測定に用いるセンサユニットの例においては、基板12、絶縁層13,18、ソース電極14、ドレイン電極15、チャネル16、検出用感知ゲート20(即ち、感知用ゲート17、感知部19)、及び電圧印加ゲート23から構成されたトランジスタ部32が集積化されたものが、第7のセンサユニットの例に該当する。
[VI.分析装置の例]
以下に、第7のセンサユニット、及び、それを用いた分析装置の一例の構成を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではなく、例えば各構成要素の説明において上述したように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図9は、第7のセンサユニットを用いた分析装置700の要部構成を模式的に示す図であり、図21は、第7のセンサユニットの要部構成を模式的に示す分解斜視図である。また、図6(a),(b)は、検出デバイス部の要部を模式的に示す図であり、図6(a)はその斜視図、図6(b)は側面図である。なお、図6,図9,図21において、同様の符号で示す部分は、同様のものを表わす。
図9に示すように、この分析装置700は、第5実施形態で説明した分析装置500のセンサユニット501に代えて、センサユニット701を備えた構成となっている。即ち、分析装置700は、センサユニット701と、測定回路702とを有して構成され、ポンプ(図示省略)によって検体を矢印のように流すことができるように構成されている。ここで、測定回路702は、参照電極717に印加する電圧を制御しつつセンサユニット701内のトランジスタ部(図21のトランジスタ部703参照)の特性変化を検出するための回路(トランジスタ特性検出部)であり、第5実施形態の測定回路502と同様、任意の抵抗、コンデンサ、電流計、電圧計などから目的に応じて構成される。
センサユニット701は、図21に示すように、集積検出デバイス704と、反応場セル705とを備えている。このうち、集積検出デバイス704は分析装置700に固定されている。一方、反応場セル705は、集積検出デバイス704から機械的に着脱可能となっている。
集積検出デバイス704は、基板706上に、それぞれ同様に構成された複数(ここでは4個)のトランジスタ部703がアレイ状に並んで集積された構成となっている。本例のセンサユニット701においては、トランジスタ部703は図中左から3個ずつ4列に、合計12個形成されているとする。
基板706上に集積化されたトランジスタ部703は、図6(a),(b)に示すように、絶縁性の素材で形成された基板706上に、低誘電層707、ソース電極708、ドレイン電極709、チャネル710、及び絶縁膜711が形成されている。これらの低誘電層707、ソース電極708、ドレイン電極709、チャネル710、及び絶縁膜711は、それぞれ、第1実施形態で説明した低誘電層110、ソース電極111、ドレイン電極112、チャネル113、及び絶縁膜114と同様に形成されたものである。なお、図6では、説明のため、センサユニット701の各部材を図9や図21とは異なる寸法で描画する。
さらに、絶縁膜711の上側表面には、導体(例えば、金)で形成された検出用感知ゲート712がトップゲートとして形成されている。即ち、検出用感知ゲート712は絶縁膜711を介して低誘電層707上に形成されていることになる。
また、基板706の裏面(即ち、チャネル710と反対側の面)には、バックゲートとして、導体(例えば、金)で形成された電圧印加ゲート713が設けられている。さらに、低誘電層707の表面には、絶縁体層714が形成されている。電圧印加ゲート713及び絶縁体層714は、それぞれ、第1実施形態で説明した電圧印加ゲート118及び絶縁体層120と同様に形成されたものである。したがって、検出用感知ゲート712の表面は絶縁体層714に被覆されず外に向けて開放されている。なお、図6(a),(b)中、絶縁体層714は二点鎖線で示す。なお、バックゲートには電圧印加ゲート以外の機能をもたせることも可能である。
また、反応場セル705は、基体715に、トランジスタ部703にあわせて流路716が形成されたものである。具体的には、流路716を流れる検体が各トランジスタ部703に接触することができるように、流路716が形成されている。なお、ここでは図中左側から右側にかけて、各3個ずつのトランジスタ部703のうち、それぞれ1個ずつを通過するように流路716が設けられている。
さらに、反応場セル705には、各トランジスタ部703に対向する流路716の上面に面して、各トランジスタ部703にそれぞれ対応する参照電極717が形成されている。また、各参照電極717には、分析装置700に設けられた電源(図示省略)から電圧が印加されるようになっていて、参照電極717の電圧の大きさは、測定回路702により制御されるようになっている。
本例の分析装置700及びセンサユニット701は以上のように構成されている。したがって、使用時には、まず、反応場セル705を、集積検出デバイス704に装着して、センサユニット701を準備する。その後、電圧印加ゲート713に、トランジスタ部703の伝達特性を最大とすることができる大きさの電圧を印加し、チャネル710に電流を流通させる。その状態で、測定回路702でトランジスタ部703の特性を測定しながら、流路716に検体を流通させる。
検体は流路716を流通し、検出用感知ゲート712に接触する。この際、参照電極717に参照電圧が印加されているため、検体を介して検出用感知ゲート712に電圧が印加される。ここで、検体中に検出対象物質が含まれていれば、検出対象物質が検出用感知ゲート712上を通過した際に通過された検出用感知ゲート712上のインピーダンスが変化するため、この検出用感知ゲート712に印加される電圧の大きさが変動する。この電圧の大きさの変動によりゲート電圧に変化が生じるなどするため、トランジスタ部703の特性が変化する。
したがって、前記のトランジスタ部703の特性の変化を測定回路702で測定することにより、検出対象物質を検出することができる。特に、本例では、チャネル710として有機半導体を用いているため、非常に感度の高い検出を行なうことが可能であり、したがって、従来は検出が困難であった検出対象物質の検出も行なうことができる。したがって、本例の分析装置700は、従来よりも広範囲の検出対象物質の分析に用いることが可能である。
さらに、トランジスタ部703の集積化を行なったため、センサユニット701の小型化、検出の迅速化、操作の簡便等の利点を得ることができる。
また、本例の分析装置700によれば、特定物質を用いることによるもののほかは、第2実施形態で説明した分析装置200と同様の作用・効果を得ることができる。
ただし、ここで例示した分析装置700及びセンサユニッ701は、あくまで第7実施形態としてのセンサユニットの一例であり、上記構成を、本発明の要旨の範囲内で任意に変形して実施することも可能である。したがって、第2,第5実施形態と同様に変形したり、本実施形態のセンサユニットの各構成要素の説明として上述したように変形することも可能である。
なお、第5実施形態で例示したセンサユニット501も、第7のセンサユニットの一例である。即ち、第5実施形態で例示したセンサユニット501は、参照電極527と検出用感知ゲート517との間のインピーダンスの変化を利用して検出を行なう第7のセンサユニットの一例である。
[利用分野]
本発明のセンサユニット、及び反応場セルユニット並びにそれを用いた分析装置は、任意の分野で適宜用いることができるが、例えば、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、唾液、尿、大便、汗、粘液、涙、随液、鼻汁、頸部又は膣の分泌液、精液、胸膜液、羊水、腹水、中耳液、関節液、胃吸引液、組織・細胞等の抽出液や破砕液等の生体液を含むほとんど全ての液体試料の分析に利用できる。具体例を挙げると、次のような分野で用いることができる。
血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、唾液、尿、大便、汗、粘液、涙、随液、鼻汁、頸部又は膣の分泌液、精液、胸膜液、羊水、腹水、中耳液、関節液、胃吸引液、組織・細胞等の抽出液や破砕液等の生体液を含む液体試料の臨床検査を含むバイオセンサーとして用いる場合には、pH、電解質、溶存ガス、有機物、ホルモン、アレルゲン、色素、薬物、抗生物質、酵素活性、蛋白質、ペプチド、変異原性物質、微生物細胞、血液細胞、血球、血液型、血液凝固能、遺伝子解析の1つ以上の測定項目を疾患あるいは機能別に集積した感知部又は感知部位を同時あるいは順次、少なくとも2つ以上のゲートで測定することにより、測定が可能となる。集積された感知部又は感知部位でのそれぞれ個々の測定原理としてイオンセンサー、酵素センサー、微生物センサー、免疫センサー、酵素免疫センサー、発光免疫センサー、菌計数センサー、血液凝固電気化学センシング及び各種の電気化学的反応を利用した電気化学センサー等が考えられるが、最終的に電気的シグナルとして取り出せる原理を全て含む{参考文献 鈴木周一:バイオセンサー 講談社(1984),軽部ら:センサーの開発と実用化、第30巻、第1号、別冊化学工業(1986)}。
疾患別に測定する利用方法としては、肝疾患が疑われる場合のスクリーニング検査が挙げられる。通常、肝疾患が疑われる場合、要因として過栄養性脂肪肝、アルコール性肝障害、ウイルス性肝炎、その他の潜在性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、慢性心不全、先天性代謝異常)が挙げられる。この際、過栄養性脂肪肝の診断には、ALTの上昇が認められ、アルコール性肝障害の検出にはγGTPが最も鋭敏に上昇する。またウイルス性肝炎にはALTの正常例が少なくないのでHBs抗原、HCV抗体等の肝炎ウイルスマーカーの検査が不可欠となる。潜在性肝疾患の検出にはALT、AST、γGTPの組み合わせで判断される。即ち、肝疾患のスクリーニング検査には、ALT、AST、γGTPという酵素活性を調べる生化学項目とHBs抗原、HCV抗体という高感度を要する免疫項目を同時に測定する。
さらに、チャネルに有機半導体を採用するなどして、センサユニット、及び反応場セルユニット並びに分析装置を高感度にしているため、従来は複数の測定機器を用いて多くの手間をかけて分析していた測定項目を、上述したセンサユニットによって分析することが可能となる。
例えば、化学的反応測定及び免疫学的反応測定を、上述したセンサユニットで分析できるようにすることが可能である。
また、例えば、電解質濃度測定グループ、酵素反応等の化学的反応を利用した生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、血液凝固能測定グループ、免疫学的反応測定グループ、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ及びレセプタ−リガンド間相互作用測定グループからなる測定グループの群より選ばれる、少なくとも一つの測定グループの測定を、上述したセンサユニットで分析できるようにすることが可能となる。
また、例えば、電解質濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、生化学項目測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液ガス濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血算測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液凝固能測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸−タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、及び、免疫学的反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質からなる群より選ばれる2以上の検出対象物質の検出を、該センサユニットで分析できるようにすることも可能である。即ち、それぞれの測定グループに含まれる各検出対象物質のうち、同じ測定グループの検出対象物質を2種以上検出するようにしてもよく、異なる測定グループの検出対象物質を2種以上検出するようにしてもよい。
さらに、電解質濃度測定グループ、酵素反応等の化学的反応を利用した生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、及び、血液凝固能測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループ、並びに、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ、及び、免疫学的反応測定グループ、生化学項目測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループの測定を、該センサユニットで分析できるようにすることも可能である。従来は、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ、免疫学的反応測定グループなどの測定グループに含まれる検出対象物質を検出しようとする場合には、非常に高い感度が要求されたため、検出が困難であった。そのため、これらの測定グループを、他の測定グループとともに同じセンサユニットを用いて測定することは出来なかった。しかし、本発明のセンサユニットによれば、有機半導体をチャネルに用いることにより高い感度を備えることができ、しかも、集積化により同じセンサユニットで2以上の検出対象物質を検出することが可能となる。したがって、従来の技術では同じセンサユニットで分析することができなかった測定グループに含まれる検出対象物質であっても、検出することが可能なセンサユニット及び分析装置を提供することができる。
また、特定の疾患又は機能を判別するために選択された2以上の検出対象物質を検出できるようにすることも可能である。例えば、肝疾患について判別する際には、生化学項目グループの内、GOT、GPT、γ−GTP、ALP、総ビリルビン、直接ビリルビン、ChE、総コレステロール、血液凝固能測定グループの内、凝固時間(PT、APTT)を測定し、免疫学的反応測定グループの内、肝炎ウイルス関連マーカー(IgM−HA抗体、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HCV抗体等)の測定を行なう。
但し、生化学項目グループ等はここで例示したもの以外にも今後新規に発見される項目を含む多くの項目が存在し、それぞれの疾患(例えば腎・尿路疾患、血液・造血器疾患、内分泌疾患、膠原病・自己免疫疾患、循環器疾患、感染症等)にあった測定項目を選択すべきであり、これら各疾患に対して選択されるべき項目は「実践 臨床検査(株)じほう 2001年発行」、「日本臨床 第53巻,1995年増刊号 広範囲 血液・尿化学検査、免疫学検査」等に記載されている様に臨床検査項目として広く知られている項目を含む。また、疾患を特定できず、発熱、痙攣等の症状からも「瀧 健治:救急外来診療で役立つ症候からの鑑別診断の進めかた 羊土社」等に記載されている様に測定項目を選択することができる。
さらに、医療等の分野に本発明の分析装置を用いる場合には、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ、免疫学的反応測定グループなどの高い検出感度を要求される測定グループ(以下適宜「高感度測定グループ」という)に含まれる検出対象物質と、電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、血液凝固能測定グループなどの高い検出感度を要求されない測定グループ(以下適宜「低感度測定グループ」という)に含まれる検出対象物質とを一連の操作で検出したい場合がある。
このような場合に用いる分析装置は、高感度測定グループに対応したトランジスタ部(第1トランジスタ部)と、低感度測定グループに対応したトランジスタ部(第2トランジスタ部)とを有するセンサチップを備えるものが好ましい。
このような分析装置の具体例を挙げれば、例えば上記第1〜第7実施形態で説明した分析装置100〜700において、流路119,218,316,519,716のうちの一部の流路(例えば、図面の手前側から一番目の流路)に対応したトランジスタ部103,203,303,401,503,601,703のチャネル113,210,310,513,710に有機半導体を用いれば、センサユニット101,201,301,402,501,602,701の、上記一部の流路に対応したトランジスタ部103,203,303,401,503,601,703を第1トランジスタ部として用いて高感度測定グループに含まれる検出対象物質を検出することができる。このとき、上記第1トランジスタ部103,203,303,401,503,601,703を構成するソース電極111,208,308,511,708、ドレイン電極112,209,309,512,709、及びチャネル113,210,310,513,710がそれぞれ第1のソース電極、第1のドレイン電極、及び第1のチャネルとして機能する。
また、上記分析装置100〜700において、その他の流路(例えば、図面の手前側から二番目及び三番目の流路)に対応したトランジスタ部103,203,303,401,503,601,703を第2トランジスタ部として用いて低感度測定グループに含まれる検出対象物質を検出するようにすれば、上述した高感度測定グループ及び低感度測定グループの両方を、同じセンサユニット101,201,301,402,501,602,701により測定することができる分析装置を実現できる。ただし、この際、上記その他の流路に対応した第2トランジスタ部103,203,303,401,503,601,703を構成するソース電極111,208,308,511,708、ドレイン電極112,209,309,512,709、及びチャネル113,210,310,513,710がそれぞれ第2のソース電極、第2のドレイン電極、第2のチャネルとして機能する。また、第2のチャネルは有機半導体であっても良く、その他の素材で形成されたチャネルであっても良い。
[POCTについて]
上述したようにセンサユニットや分析装置の利便性の向上や小型化を行なうことが可能になったことにより、POCT(ポイントオブケアテスト)の観点からも利点が得られる。
即ち、従来、医療診断分野では患者により近いところでの検査を迅速に行なうという観点から、臨床検査のPOCT化(小型化、迅速化)が急速に進行すると考えられており、様々な機種が開発されつつある。
医療診断分野における測定対象としては、電解質/血液ガス、血液凝固能、血算、生化学項目、免疫項目等をはじめ、上記のような様々な測定グループが挙げられるが、従来技術ではそれぞれ測定方法が異なるため別々の装置で測定されており、疾患ごとに全ての検査項目を同一原理で一度に測定することはできず、真のPOCTは実現されていない。
例えば、肝疾患が疑われる場合、AST(アスパラギン酸アミノトランスファラーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、γ−GTP等の生化学項目は比色法で測定され、ウイルス肝炎項目は化学発光等の高感度な検出法で測定されている。このように、従来は、特定の診断に際して別々の方法を組み合わせて測定されていた。これは極めて高感度の検出感度を要する抗原−抗体反応を利用した免疫項目の検出感度に技術的制限があり、他の電解質/血液ガス、血液凝固能、血算、生化学項目と同一原理で一度に測定することができないからであった。
これに対して、本発明のセンサユニットにおいては、有機半導体をチャネルに用いているため、非常に高感度な検出を実現することができ、このため、高感度の検出感度を必要とする免疫項目等とその他の電解質等を同一原理で一度に測定することにより、機能別、疾患別に一度に診断を行なうことができ、POCTの実現が可能となる。
即ち、例えば極めて高感度の検出感度を要する抗原−抗体反応を利用した免疫項目の検出には有機半導体を利用した単一電子トランジスタ(有機SET)、若しくは有機半導体を利用した電界効果トランジスタ(有機FET)を採用し、一方、他の電解質/血液ガス、血液凝固能、血算、生化学項目には有機SET、有機FET、或いは従来から使用されている特許3137612号等に記載の電界効果トランジスタ(FET)もしくは電極法を採用し、さらに、トランジスタ部の集積化、即ち、有機SET、有機FET、その他のトランジスタ、及び電極等の集積化、並びに、これらを含む反応場セル又は反応場セルユニットの分離、各反応場セルに試薬等を供給するためのマイクロフロー加工技術等を組み合わせることにより、高感度の検出感度を要する項目の検出を含む複数の異なる測定項目を一度に測定することができる。
本発明は産業上の広い分野で任意に用いることができ、例えば、医療、資源開発、生物分析、化学分析、環境、食品分析等の分野において広く用いることができる。
図1は、本発明の第1〜第7実施形態について説明するための図であり、(a)〜(c)はいずれも、有機半導体を用いたチャネルの作製方法の各工程における操作を説明するための図である。 図2は、本発明の第1〜第7実施形態について説明するための図であり、(a)〜(f)はいずれも、流路を形成した反応場セルユニットの平面図である。 図3は、本発明の第1,第2,第4実施形態について説明するため、センサユニットを用いた分析装置の一例の要部構成を模式的に示す図である。 図4は、本発明の第1,第2,第4実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部構成を模式的に示す分解斜視図である。 図5は、本発明の第1,第2,第4実施形態について説明するため、センサユニットを分解した状態で切った断面を模式的に示す図である。 図6は、本発明の第1,第2,第4〜第7実施形態について説明するため、センサユニットの一例の検出デバイス部(第4実施形態においては、トランジスタ部)の要部構成を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 図7は、本発明の第1,第2,第4実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の第1実施形態の変形例にかかる検出デバイス部の要部構成を模式的に示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は側面図である。 図9は、本発明の第2,第3,第7実施形態について説明するため、センサユニットを用いた分析装置の一例の要部構成を模式的に示す図である。 図10は、本発明の第2,第3実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部構成を模式的に示す分解斜視図である。 図11は、本発明の第2実施形態について説明するため、センサユニットの一例の検出デバイス部(トランジスタ部)の要部構成を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 図12は、本発明の第3実施形態について説明するため、センサユニットの一例の検出デバイス部の要部構成を模式的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 図13は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、血液凝固時間の測定に用いるセンサユニットの一例の要部構成を模式的に示す断面図である。 図14は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、センサユニットを有する分析装置の測定回路の一例を表わす図である。 図15は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、トランジスタの特定変化の一例である時定数の変化を説明する図である。 図16は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、全血算測定に用いるセンサユニットの一例の要部構成を模式的に示す断面図である。 図17は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、センサユニットを用いた分析装置の一例の要部構成を模式的に示す図である。 図18は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部構成を模式的に示す分解斜視図である。 図19は、本発明の第5,第6実施形態について説明するため、センサユニットを分解した状態で切った断面を模式的に示す図である。 図20は、本発明の第5〜第7実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部を模式的に示す断面図である。 図21は、本発明の第7実施形態について説明するため、センサユニットの一例の要部構成を模式的に示す分解斜視図である。
符号の説明
1 基板
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 前駆体膜
5 有機半導体膜(チャネル)
7 流路
8 感知部
9 注入部
10 排出部
11 仕切壁
12 基板
13,18 絶縁層
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 チャネル
17 感知用ゲート(ゲート本体)
19,30 感知部
20 検出用感知ゲート
21 反応場
22 参照電極
23 電圧印加ゲート
24,32,33,36 トランジスタ部
25,34,37 反応場セルユニット
26,27 板状フレーム
28 スペーサ
29 流路
31 電極部
35,38 セルユニット装着部
100,200,300,400,500,600,700 分析装置
101,201,301,402,501,602,701 センサユニット
102,202,302,502,702 測定回路
103,203,303,401,503,601,703 トランジスタ部
104,204,304,504,704 集積検出デバイス
105,505 コネクタソケット
105A 装着部
105B 装着部(セルユニット装着部)
106,506 分離型集積電極
107,507 反応場セル
108,206,306,508,706 基板
109,509 検出デバイス部
110,207,307,510,707 低誘電層
111,208,308,511,708 ソース電極
112,209,309,512,709 ドレイン電極
113,210,310,513,710 チャネル
114,211,514,711 絶縁膜
115,515 感知用ゲート(ゲート本体)
116,516 電極部(感知部)
117,517 検出用感知ゲート
118,215,314,518,713 電圧印加ゲート
119,218,316,519,716 流路
120,216,313,520,714 絶縁体層
121,124,521,524 配線
121A,521A デバイス側端子
121B,521B 電極側端子
121C,521C スイッチ
122,522 基板
123.214,311 特定物質
124A,524A 接続端子
125,217,315,525,715 基体
126,403,526,603 反応場セルユニット
205,305,705 反応場セル
212,712 検出用感知ゲート
213,312 感知部位
404,604 セルユニット装着部
527,717 参照電極

Claims (33)

  1. 基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、
    該検出用感知ゲートが、
    該基板に固定されたゲート本体と、
    検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定され、該ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備える
    ことを特徴とする、センサユニット。
  2. 基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、
    該検出用感知ゲートが、
    該基板に固定されたゲート本体と、
    該ゲート本体に対して電気的に導通をとりうる感知部とを備え、
    検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を備える
    ことを特徴とする、センサユニット。
  3. 該感知部が、
    該ゲート本体に対して機械的に着脱可能であり、該ゲート本体に装着されているときには該ゲート本体に電気的に導通状態となる
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のセンサユニット。
  4. 該感知部を、2つ以上有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  5. 1つの該ゲート本体が、2つ以上の該感知部と導通可能に形成されている
    ことを特徴とする、請求項4に記載のセンサユニット。
  6. 該ゲート本体と該感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備える
    ことを特徴とする、請求項5に記載のセンサユニット。
  7. 該トランジスタ部が、2以上集積されている
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  8. 基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成された検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、上記検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、
    該トランジスタ部が、2以上集積されている
    ことを特徴とする、センサユニット。
  9. 基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルと、検出用感知ゲートとを備えたトランジスタ部を有し、検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、
    該トランジスタ部が2以上集積されていると共に、
    上記検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を備える
    ことを特徴とする、センサユニット。
  10. 基板と、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極と、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネルとを備えたトランジスタ部を有し、上記検出対象物質を検出するためのセンサユニットであって、
    該チャネルに、検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成され、
    該トランジスタ部が、2以上集積されている
    ことを特徴とする、センサユニット。
  11. 検体を流通させる流路を有する反応場セルユニットを備え、
    該流路に、該感知部が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  12. 該感知部位に接しうるよう検体を流通させる流路を有する反応場セルを備える
    ことを特徴とする、請求項8又は請求項10に記載のセンサユニット。
  13. 上記検出対象物質を検出するべく検体を流通させる流路を有する反応場セルを備える
    ことを特徴とする、請求項9記載のセンサユニット。
  14. 基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、
    検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備え、
    上記反応場セルユニットが該セルユニット装着部に装着されているときには上記感知部と該感知用ゲートとが導通状態となる
    ことを特徴とする、センサユニット。
  15. 基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流流路となる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、
    感知部、及び、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極を有する反応場セルユニットを装着するためのセルユニット装着部とを備え、
    上記反応場セルユニットが該セルユニット装着部に装着されているときには上記感知部と該感知用ゲートとが導通状態となる
    ことを特徴とする、センサユニット。
  16. 上記反応場セルユニットが2以上の上記感知部を有している場合に該感知用ゲートと上記感知部との導通を切り替える電気接続切替部を備える
    ことを特徴とする、請求項14又は請求項15に記載のセンサユニット。
  17. 基板、該基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに該基板に固定された検出用感知ゲートを有するトランジスタ部と、
    検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを備える
    ことを特徴とする、センサユニット。
  18. 該トランジスタ部が、2以上集積されている
    ことを特徴とする、請求項14〜17のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  19. 上記有機半導体が、アザアヌレン化合物、縮合多環芳香族化合物、5員環または6員環芳香族化合物の組合せから形成されるオリゴマー化合物、並びに共役高分子化合物よりなる群から選ばれるものである
    ことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  20. 該トランジスタ部が、該チャネルに対して電圧または電界を印加する電圧印加ゲートを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載のセンサユニット。
  21. 基板、上記基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、
    検出対象物質と相互作用をする特定物質が固定された感知部を有し、
    上記セルユニット装着部に装着されているときには該感知部と上記感知用ゲートとが導通状態となる
    ことを特徴とする、反応場セルユニット。
  22. 基板、上記基板に設けられたソース電極及びドレイン電極、上記のソース電極及びドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成されたチャネル、並びに感知用ゲートを備えたトランジスタ部と、セルユニット装着部とを備えるセンサユニットの上記セルユニット装着部に装着される反応場セルユニットであって、
    感知部と、検出対象物質の存在を該トランジスタ部の特性の変化として検出すべく電圧を印加される参照電極とを有し、
    上記セルユニット装着部に装着されているときには該感知部と上記感知用ゲートとが導通状態となる
    ことを特徴とする、反応場セルユニット。
  23. 該感知部を2以上有する
    ことを特徴とする、請求項21又は請求項22に記載の反応場セルユニット。
  24. 1つの上記感知用ゲートに対して、2以上の感知部が導通可能に形成されている
    ことを特徴とする、請求項23に記載の反応場セルユニット。
  25. 検体を流通させうる流路を有し、
    該流路に、該感知部が設けられている
    ことを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1項に記載の反応場セルユニット。
  26. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のセンサユニットを備える
    ことを特徴とする、分析装置。
  27. 化学的反応測定及び免疫学的反応測定を、該センサユニットで分析できるよう構成された
    ことを特徴とする、請求項26に記載の分析装置。
  28. 電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、血液凝固能測定グループ、免疫学的反応測定グループ、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ及びレセプタ−リガンド間相互作用測定グループからなる群より選ばれる、少なくとも一つの測定グループの測定を、該センサユニットで分析できるよう構成された
    ことを特徴とする、請求項26又は請求項27に記載の分析装置。
  29. 電解質濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、生化学項目測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液ガス濃度測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血算測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、血液凝固能測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、核酸−タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、タンパク質間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質、及び、免疫学的反応測定グループから選択された少なくとも1つの検出対象物質からなる群より選ばれる2以上の検出対象物質の検出を、該センサユニットで分析できるよう構成された
    ことを特徴とする、請求項26〜28のいずれか1項に記載の分析装置。
  30. 電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、及び血液凝固能測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループ、並びに、核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ及び免疫学的反応測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループの測定を、該センサユニットで分析できるよう構成された
    ことを特徴とする、請求項26〜29のいずれか1項に記載の分析装置。
  31. 特定の疾患又は機能を判別するために選択された2以上の検出対象物質を検出することができるよう構成された
    ことを特徴とする請求項26〜30のいずれか1項に記載の分析装置。
  32. 基板と、
    該基板に設けられた第1のソース電極及び第1のドレイン電極、並びに、上記の第1のソース電極及び第1のドレイン電極間の電流通路になる有機半導体で形成された第1のチャネルを有する第1トランジスタ部と、
    該基板に設けられた第2のソース電極及び第2のドレイン電極、並びに、上記の第2のソース電極及び第2のドレイン電極間の電流通路になる第2のチャネルを有する第2トランジスタ部とを備え、
    核酸間ハイブリダイゼーション反応測定グループ、核酸−タンパク質間相互作用測定グループ、タンパク質間相互作用測定グループ、レセプタ−リガンド間相互作用測定グループ及び免疫学的反応測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループから選択される少なくとも1つの検出対象物質を第1トランジスタ部の特性の変化として検出し、
    電解質濃度測定グループ、生化学項目測定グループ、血液ガス濃度測定グループ、血算測定グループ、及び血液凝固能測定グループからなる群より選ばれる少なくとも一つの測定グループから選択される少なくとも1つの検出対象物質を第2トランジスタ部の特性の変化として検出するセンサユニットを備える
    ことを特徴とする、分析装置。
  33. 該第1のチャネルに、上記検出対象物質と相互作用をする特定物質を固定された感知部位が形成されている
    ことを特徴とする、請求項32に記載の分析装置。
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