JP2017108738A - 細胞検出装置および細胞回収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】細胞200に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段340と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置、および画像検出手段340で検出した目的細胞210をノズル410による吸引吐出により回収する回収手段とをさらに備えた細胞回収装置。
【選択図】図5
Description
する装置、および前記検出した目的細胞を回収する装置に関する。特に本発明は、目的細
胞の検出を、細胞由来の画像を用いて行なう装置に関する。
が知られている(非特許文献1)。一方で、溶液中に含まれる細胞から通常得られる情報
は、個々の細胞の情報が平均化された情報となるため、個々の細胞の情報を得ることは難
しい。そのため、溶液中に含まれる細胞を個別に解析し、個々の細胞の情報を得ることへ
の関心が高まっている。
ting Tumor Cells、以下CTC)の解析があげられる。CTCは癌の転
移や再発に重要な役割を果たすと考えられており、CTCの解析が可能になると、癌患者
の術後診断や投薬方針を決定することができるため、治療の最適化や効率化につながると
考えられる。しかしながら、CTCは未解明な点が多く、またCTCが有する遺伝子の変
異やコピー数変化が個々の細胞で異なるという報告もあるため、個別に細胞を解析する必
要がある(非特許文献2)。
elial Cell Adhesion Molecule)抗体を修飾した磁気微粒
子を用いてCTCを濃縮し、CTCを含む細胞を蛍光免疫染色により標識後、前記標識由
来の蛍光を検出することで、CTCを正常細胞(白血球)から区別して検出する方法が知
られており(非特許文献3)、前記方法を用いたCTC検出装置も商品化されている(C
ellSearch、ヤンセン・ダイアグノスティックス社製)。しかしながら、近年、
抗EpCAM抗体と反応しないCTCも存在することが知られるようになり、本方法では
血液試料中に含まれるCTCを取りこぼすおそれがあることがわかってきた。そのため、
EpCAMなどのマーカーを用いずにCTCを検出可能な装置が求められている。
的に目的細胞を検出する装置が知られている(特許文献1および2)。特許文献1は、細
胞を撮影して得られる画像からサイズ、外形、核の形状などの特徴を抽出するための特徴
抽出手段と、抽出された前記特徴から前記細胞の良否を判定する良否判定手段と、前記特
徴抽出手段および前記良否判定手段の組み合わせを解析レシピとして記憶する解析レシピ
記憶手段と、前記解析レシピ記憶手段から目的細胞に対応したレシピを選択し当該レシピ
に基づき前記特徴抽出手段および前記良否判定手段を駆動させることで目的細胞の良否を
判断する解析手段とを備えた、細胞の良否を判定する装置を開示している。特許文献2は
、フローセル中を流れる血液に対して光を照射することで得られた、血液中に含まれる細
胞由来の画像に対し、光学的に2次元フーリエ変換を行なった後、空間光フィルタにより
フーリエ変換後の像の光軸を中心とする一定範囲の部分を選択的に通過させ、前記通過し
た部分に対しさらに光学的に2次元フーリエ変換を行なうことで血液中に含まれる癌細胞
を検出する装置を開示している。
を、前記目的細胞由来の画像を用いて検出する装置であって、前記目的細胞の検出を迅速
かつ正確に検出可能な装置を提供することにある。また本発明の別の課題は、体液、組織
分散液、細胞培養液などの液体試料中に含まれる目的細胞を、前記目的細胞由来の画像を
用いて検出し、当該検出した目的細胞を回収する装置であって、前記目的細胞を精度よく
回収可能な装置を提供することにある。
細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画
像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2
次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数
分布に基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置であって、
前記画像検出手段による目的細胞の検出を、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき行なう、前記装置である。
細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布に基づき細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置であって、
前記装置に、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像の蛍光または発光を検出する光検出手段をさらに備え、かつ目的細胞の検出を、画像検出手段における画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づく検出結果、および光検出手段における蛍光検出または発光検出結果に基づき行なう、前記装置である。
細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画
像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2
次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数
分布に基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、画像検出手段で検出した前記目的細胞をノズルによる吸引吐出により回収する回収手段と、を備えた細胞回収装置であって、
前記画像検出手段による目的細胞の検出を、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき行なう、前記装置である。
細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布に基づき細胞を検出する画像検出手段と、ノズルによる吸引吐出により細胞を回収する回収手段と、を備えた細胞回収装置であって、
前記装置に、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像の蛍光または発光を検出する光検出手段をさらに備え、かつ回収手段で回収する目的細胞の検出を、画像検出手段における画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づく検出結果、および光検出手段における蛍光検出または発光検出結果に基づき行なう、前記装置である。
されており、かつ前記ノズルに光を照射するためのノズル照射部およびノズル照射部で照
射した光を前記ノズルの先端部に導くためのノズル導光部を前記回収手段にさらに設けた
、前記第三または第四の態様に記載の装置である。
、かつ細胞照射手段が前記保持部に保持された細胞に光を照射する、前記第一から第六の
態様のいずれかに記載の装置である。
出部を細胞保持手段にさらに設けた、前記第七の態様に記載の装置である。
、血小板、腫瘍細胞が例示できる。特に本発明の装置は、血液中に含まれる腫瘍細胞(C
TC)および白血球の検出ならびに回収に有用な装置である、
本発明の装置に備える細胞照射手段において、細胞に光を照射する光源に特に限定はな
く、電球、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、半導体レーザー、ガス
レーザー、LEDなどを用いることができる。また必要に応じ、光源からの光を、光学フ
ィルター、ミラーおよびレンズなどから構成される光学系を経由して、細胞に照射しても
よい。なお本発明の装置が、細胞を保持する保持部を有した細胞保持手段をさらに備えて
いる場合、細胞照射手段は前記保持部に保持された細胞に光が照射されるよう、光源およ
び光学系を設ければよい。
れる当該細胞由来の画像を取り込む手段である。取り込む画像の一例として、広い波長領
域での透過光または反射光による光強度分布や、位相差から合成される光強度分布から構
成される像(明視野像)があげられる。画像取り込み手段で取り込む明視野像は、細胞形
態に関する情報が取得可能であれば、特に制限されない。細胞形態に関する情報の一例と
して、細胞の直径、面積、体積、周囲長、真円度があげられる。なお細胞があらかじめ免
疫染色などによる蛍光標識や発光基質による標識がされている場合、当該標識物質由来の蛍光強度または発光強度の絶対値、または当該標識物質由来の蛍光強度または発光強度のピーク値、最小値、平均値もしくは積分値といった計算値から構成される像(蛍光画像または発光画像)も、画像取り込み手段で取り込む画像に含まれる。
由来の画像に対して2次元フーリエ変換を行なう。具体的には、画像取り込み部で取り込
んだ細胞由来の画像(明視野像や蛍光画像など)それぞれの関心領域(ROI:Regi
on of Interest)に対し2次元フーリエ変換を行ない、空間周波数分布画
像を得る。
100[ピクセル])/2次元フーリエ変換後の画像における半径ピクセル値
空間周波数[μm−1]=1/波長[μm]
具体例として、血液試料中に含まれる白血球と癌細胞(CTC)とを区別して検出した
い場合、低周波数領域を画像変換手段で2次元フーリエ変換された画像の中心から5ピク
セルから11ピクセル(波長:3.68から8.1μm)までの領域とし、スペクトル強
度の積分値の判別しきい値を327から364までの間に設定すればよい。なお本明細書
に記載のスペクトル強度の積分値は、画像取り込み時に用いるカメラとして8ビット(2
56段階)の解像度を有したカメラを用い、0(黒)から255(白)までの数値で表現
した輝度に基づき得られる値である。従って、画像取り込み時に用いるカメラの解像度(
デジタル分解能)が8ビットから異なると、スペクトル強度の積分値も異なる。また低周
波数領域(積分範囲)の設定によっても、スペクトル強度の積分値のしきい値は変化する
。そのため本例の場合、あらかじめ白血球など血液試料中に含まれる正常細胞由来の画像
(明視野像や蛍光画像など)に対して2次元フーリエ変換を行ない得られた画像のスペクトル強度の積分値に基づき、しきい値を設定するとよい。
また、特定の低周波数領域を決定するには、空間周波数スペクトルの変曲点により求められた空間周波数対し任意の周波数領域を設定することで決定することが出来る。例えば図18に示すように、白血球に対しガン細胞には異なる特有の変曲点2、3を有している。判別対象(ここでは白血球)と異なる変曲点が複数存在する場合は判別に使用する空間周波数領域を複数に設定しても良い。
、細胞照射手段による細胞への光の照射、画像取り込み手段による前記細胞由来の画像取
り込み、および回収手段による目的細胞の回収を確実に行なえるため、好ましい。前記保
持部の形状は特に限定はなく、界面張力などで細胞を含む液体を維持できれば平面の保持
部であってもよいが、側壁を設けた保持部とすると細胞を含む液体を細胞保持手段上で安
定に保持できる点で好ましい。また細胞を含む液体を前記基板に導入し、前記細胞を前記
保持部に保持させる方法に特に限定はなく、単に保持部に細胞を含む液体を導入するだけ
でもよいし、細胞を含む液体を導入した後、遠心力を利用して保持部へ強制的に細胞を導
入させてもよい。中でも細胞を含む液体を導入した後、誘電泳動力を利用して保持部へ細
胞を導入させると、細胞を保持部へ効率的に保持できる点で好ましい。
さらに設けると、細胞検出時または細胞回収時に生じる位置ずれの影響を受けることなく
、正確に目的細胞の検出または回収が行なえる点で好ましい。位置検出部の材料は検出手
段で検出可能な蛍光を発する材料で形成すればよい。同様に位置検出部の形状も、検出手
段で検出可能な形状であれば特に限定はなく、十字型や四角型が例示できる。位置検出部
に基づく位置情報の補正は、例えば、細胞保持手段に位置検出部を3箇所以上設け、細胞
検出操作または細胞回収操作の前後で前記位置検出部の位置情報を取得し、アフィン変換
法、ヘルマート変換法、最小二乗法による非線形変換法等で補正計算することで、位置ず
れの有無と位置情報を補正すればよい。
る前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた
前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換され
た画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空
間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置、および前記画像検出手段で検出した前記目的細胞をノズルによる吸引吐出により回収する回収手段とをさらに備えた細胞回収装置である。
できるため、例えば血中循環腫瘍細胞(CTC)のように蛍光検出に基づく従来の方法で
は取りこぼしのおそれのある細胞に対しても、検出や回収を確実に行なうことができる。
さらに細胞を免疫染色などによる蛍光標識や発光基質による標識を行ない、かつ前記標識由来の蛍光や発光を検出する光検出手段を本発明の装置にさらに備えると、前記光検出手段による検出結果と前述した画像検出手段による画像での検出結果とを合わせることで、目的細胞の検出や回収をさらに確実に行なうことができる。
す。また図1に示した基板の正面図を図2に示す。
貫通孔111aを有した平板状の遮光部材111と、貫通孔112aを有した平板状の絶
縁体112と、導入口113a、排出口113bおよび貫通部113cを有した平板状の
スペーサ113とからなる細胞導入保持手段110と、
細胞導入保持手段110を上下方向に密着して挟むよう設けた電極121・122と、
電極121・122同士を接続する導線130と、
電極121・122に信号を印加する信号発生器140と、
を備えている。遮光部材111が有する貫通孔111aと絶縁体112が有する貫通孔1
12aとは互いに同一の寸法および形状であり、かつそれぞれの貫通孔の位置が一致する
よう遮光部材111および絶縁体112を設けている。貫通孔111a、貫通孔112a
および遮光部材111の下部に密着して設けた電極121により保持部150が構成され
、導入口113aから細胞を含む液体を導入すると、貫通部113cを通じて保持部15
0へ細胞が導入される。電極122はスペーサ113上部に密着して設けており、導入口
113aから導入した、細胞を含む液体の飛散や蒸発を防止している。なお保持部150
に保持した細胞の回収を容易にするため、電極122はスペーサ113から取り外し可能
な構造となっている。
成される細胞保持手段114の好ましい態様を図3に示す。図3に示す細胞保持手段11
4の周囲(四隅)には細胞保持手段114の位置ずれを検出し補正するための位置検出部
(四角マーク)115を、遮光部材111および絶縁体112を設けた位置には検出手段
で取得した細胞の位置を検出し補正するための位置検出部(四角マーク116および十字
マーク117)を、それぞれ設けている(図3)。
装置の土台となるベース310と、
図1および2に記載の基板100と、
基板100および後述する回収チューブ500をXY軸方向(水平方向)に移動させるた
めの基板移動部320と、
基板100に設けた保持部に保持された細胞へ光を照射するための照射部330と、
照射部330により前記保持部に保持された細胞へ光を照射することで得られる、前記細
胞由来の光情報を取得するための検出部(対物レンズ)340および前記光情報に基づき
前記細胞由来の画像を取り込むための画像取り込み部(画像取得カメラ)350と、
画像取り込み部350で取り込んだ細胞由来の画像に対して2次元フーリエ変換を行ない
、当該変換後の画像の空間周波数分布に基づき細胞を解析するための解析部360と、
ベース310上に備えた、基板100に設けた保持部に保持され、解析部360で検出し
た目的細胞を回収するためのノズル410および吸引吐出ポンプ420と、
ノズル410をZ軸方向(垂直方向)に移動させるためのノズル移動部430と、
ノズル410で吸引した前記目的細胞を回収するための回収チューブ500と、
を備えている。なお基板100に設けた保持部に保持された細胞は、検出部340、画像
取り込み部350および解析部360により光学的に検出することから、少なくとも前記
保持部は透光性材料で形成する必要がある。ノズル410の先端部は、測定試料由来のコ
ンタミネーションを防止するため、取り外し可能な構造とするとよい。
図1に示す基板100に設けた導入口113aから細胞200を含む液体を導入し、誘
電泳動力600を利用して細胞200を保持部150へ導入させる。具体的には、信号発
生器140から電極121・122へ交流電圧を印加することで誘電泳動力600を発生
させ、保持部150へ細胞200を導入する。図1に示す基板100に導入する細胞を含
む液体は、誘電泳動力で細胞が移動できるよう懸濁された液であればよく、例えば、マン
ニトール、グルコース、スクロース等の糖類を含んだ水溶液や、当該水溶液に塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム等の電解質、および/またはBSA(ウシ血清アルブミン)等の
タンパク質をさらに含んだ水溶液に、細胞を含んだ試料を懸濁させた液体があげられる。
特に細胞を含む液体として、マンニトールを含む水溶液に細胞を含んだ試料を懸濁させた
液体を用いると、細胞へのダメージが少なくなる点で好ましい。添加するマンニトールの
濃度は等張液となる濃度とすればよく、具体的には250mMから350mMの間とする
とよい。
された細胞200の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧とすると好まし
く、周波数を100kHzから3MHzまでの間とし、電界強度を1×105から5×1
05V/mまでの間とすると特に好ましい(WO2011/149032号および特開2
012−013549号公報参照)。
図1に示す基板100に設けた導入口113aから接着物質700を含む試薬を導入す
ることで、保持部150を接着物質700で修飾し、接着物質700を介して保持部15
0と保持部に導入した細胞200とを接着させる。なお接着物質700による保持部15
0の修飾は前記(1)の工程の前に実施してもよい。
表面にある物質と特異的に結合可能な分子(リガンド−レセプター、糖鎖−レクチン、抗
原−抗体)や、細胞の脂質二重膜に結合する脂質オレイル基を有したBiocompat
ible Anchor for Membrane(BAM)があげられる。中でも、
ポリ−L−リジンが、比較的短時間に細胞表面と静電的に結合できる点で好ましい。
とすると好ましい。また本工程は、細胞へのダメージを少なくするために、短時間で完了
させるとよい。本工程の具体例として、ポリ−L−リジンを0.01(w/v)%含む溶
液を導入口113aから3分間導入して、保持部150を置換する工程があげられる。
22へ交流電圧を印加した状態(つまり細胞への誘電泳動力が存在する状態)で実施する
と、添加した接着物質700を含む試薬の流れによる保持部150からの細胞200の脱
離を防止できる点で好ましい。前記好ましい態様で本工程を実施する場合、接着物質70
0を含む試薬に、前記(1)で導入した、細胞200を含む液体と同じ濃度の糖類(例え
ば、250mMから350mMのマンニトール)を含むとよい。
排出口113bから接着物質700を含む試薬を排出した後、基板移動部320で基板
をXY軸方向に移動させながら、照射部330、検出部340および画像取り込み部35
0により、保持部150に保持された細胞200由来の画像(明視野像)および細胞20
0の位置情報を取得する。なお細胞200由来の画像(明視野像)は、保持部150に保
持された細胞それぞれに対して複数取得する。
(3)の工程で取得した、保持部150に保持された細胞200由来の複数の画像から
単細胞の画像領域を認識し、関心領域(ROI)設定を行なった後、2次元FFT(高速
フーリエ変換)処理を行ない、空間周波数分布画像を得る。得られた前記画像のうち、低
周波数領域の空間周波数分布または空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一
つに基づき、目的細胞を検出する。
前記(4)の工程で検出した目的細胞210を回収するために、電極122をスペーサ
113から取り外した後、ノズル410で吸引することで、基板100から目的細胞21
0を回収する。電極122を取り外す際は、スペーサ113を剥がさないよう取り外す必
要がある。もしスペーサ113が絶縁体112から剥がれると、装置内に保持されている
溶液が系外に流れてしまい、目的細胞210が破壊されるおそれがあるからである。
4)の工程で検出した目的細胞210が保持されている保持部をノズル410の中心に移
動させ、ノズル410により液を吸引することで目的細胞210を回収する。電極122
をスペーサ113から取り外す際、基板(細胞保持手段)と検出部340の光軸中心との
間に数十から数百μmのずれが生じるため、スペーサ113から取り外す前と後で、基板
(細胞保持手段)に設けた位置検出部(図3の115・116・117)のうち、少なく
とも3点についてその中心をそれぞれ算出する。算出した結果からヘルマート変換式を用
いてスペーサ113から取り外す工程で生じたずれを算出する。得られた補正値を用いて
、基板移動部320の物理アドレスを補正して基板(細胞保持手段)の正確な位置として
認識させる。なお、あらかじめノズル410を検出部340の光軸中央に調整しておくこ
とで前記補正した保持手段110の位置に変換された目的細胞210の位置へ、基板移動
部320により移動させればよい。
持部150の中心から水平方向に一定距離ずらした位置とすると、目的細胞210の吸引
を容易に行なえるため、好ましい。具体的には目的細胞210の吸引位置を、保持部15
0の中心から水平方向に保持部150の直径の0.1倍から2倍の長さ分(ただし隣接す
る保持部150間の距離の2分の1以下)ずらし、かつ保持部150の高さから垂直方向
に保持部150の高さの0.01倍から2倍の高さ分高い位置とすると好ましい。またノ
ズル410による目的細胞210の吸引操作の前に、目的細胞210と保持部150との
接着性を弱める酵素を含む溶液を添加する操作を行なってもよい。
中心に移動させる操作は、基板移動部320により前記保持部の位置情報からノズル41
0先端部の中心位置を保持部150の中心(または保持部の中心から水平方向に一定距離
ずらした位置)に合致させるよう基板100を移動させた後、ノズル移動部430により
ノズル410先端部の垂直方向の位置を、保持部150の高さから垂直方向に一定の高さ
分高い位置(例えば、保持部150の高さの0.01倍から2倍の高さ分高い位置)まで
移動させて行なう。
るノズル410先端部の画像は不明瞭なため、そのままではノズル410先端部の位置を
正確に把握するのは困難であり、目的細胞210が保持されている保持部を正確にノズル
410の中心へ移動させるのは困難である。本態様の細胞回収装置に設けたノズル410
は図7に示すように、根元にノズル照射部440を設けており、ノズル照射部440から
光451を照射すると、ノズル導光部460を経由し、ノズル410先端から基板へ光4
52が照射される。そうすることでノズル410先端部を、検出部340および計測部に
より、リング状の鮮明な画像として取得できるため、ノズル410先端部の位置を正確に
算出することができ、目的細胞210が保持されている保持部150からのずれを算出す
ることが容易となる。
先端部から基板へ光を照射し、検出部340および画像取り込み部350により得られる
画像のコントラストまたは画像微分値の最大値の変化等を計測し、焦点位置を算出するこ
とで、正確に算出することができる。
がら実施する際は、ノズル410先端部から照射される光が検出部(対物レンズ)340
に極力入射されない必要がある。本態様の細胞回収装置に設けたノズル(図7)は、根元
から先端部までの間に2か所屈曲しており、ノズル根元から照射する光451の方向が基
板および検出部340に直接照射しない方向となっているため、好ましいノズル410の
態様といえる。
20を用いた陰圧により吸引する方法を採用している。目的細胞210は保持部150に
比較的強く接着されていることから、ポンプとしてシリンジポンプを用いる場合は高流速
で吸引する必要があり、具体的には0.01μL/s以上の流量が必要である。しかしな
がら流量を大きくしすぎると、流路内に気泡が発生し、著しく流量が低下してしまうため
、流量は0.01から5.0μL/sの間が好ましい。
径よりも大きくするとよい。例えば、直径30μmの保持部(保持部間の距離は50μm
)に導入された細胞を吸引する場合は、ノズル410の内径を25μmから35μmの間
とするとよい。
ノズル410による吸引で回収した目的細胞210を回収チューブ500へ吐出する。
回収チューブ500に回収された目的細胞210はその後遺伝子解析等さらなる解析に供
される。
由来の明視野像のみに基づき行なっているが、目的細胞の検出および回収を細胞由来の明
視野像および蛍光画像もしくは発光画像に基づき行なう場合は、前記(2)の工程と前記(3)の工程との間に、細胞を膜透過する工程、非特異標識の発生を防止するためのブロッキング剤を添加する工程、および蛍光標識試薬を添加する工程を追加すればよい(特願2015−018410号)。
れるものではない。
以下に示す方法で、図1および図3に示す、遮光部材111と絶縁体112と電極12
1とが一体となった細胞保持手段114を作成した。
(1)ITO導電膜を成膜した1.2mm厚の青板ガラス基板上にCr膜を200nm成
膜した。
(2)レジスト剤をスピンコーターで塗布し、微細孔111a、位置検出部(四角マーク
)115・116、および位置検出部(十字マーク)117を形成する領域をマスキング
した。なお位置検出部115は図3(B)に示すように内部にさらに細かな四角形状を形
成した。一般に対物レンズの焦点位置の決定は、顕微鏡の対物レンズを上下させたときに
撮像した画像の微分値の変化を求め、微分値が最大となる対物レンズの位置を最も焦点が
合った位置に決定する。前記操作を行なう際、コントラストの変動部(明暗の差)を撮像
画像に多く分布させると、広い範囲の画像領域で焦点位置を容易かつ精度よく特定するこ
とができるため、位置検出部115を図3(B)に示した形状とした。
(3)UV光源で露光し、エッチング(現像液:4%リン酸塩)処理することで、マスキ
ングした領域のCr膜を除去した後、ベークすることでパターンを形成した。
(4)レジストを除去後、マイクロケム社製SU−8をスピンコーターにより厚さ40μ
mとなるよう塗布し、95℃でベーク後、微細孔111aと同じ位置をマスキングした。
(5)UV光源で露光し、現像工程(現像液:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート)およびベーク工程により、図3に示す細胞保持手段114を作製した。なお
位置検出部116と位置検出部117の領域は、エッチング処理でCr膜は除去されてい
るが、SU−8膜は残存したままである。SU−8は若干ではあるが自己蛍光を有してい
るため、検出部による蛍光検出により位置検出部を検出することができる。
a・115b・115c・115dは一辺500μmの四角形状(図8(B))であり、
このうち、位置検出部115aを座標原点(0mm,0mm)とした。その他の位置検出
部の位置はそれぞれ、位置検出部115bは(55mm,0mm)となり、位置検出部1
15cは(55mm,28mm)となり、位置検出部115dは(0mm,28mm)と
なる(図8(A))。
(1)実施例1で作製した細胞保持手段114(図8)に、スペーサ113および電極1
22を組み合わせることで、図1に記載の基板100を作製した。
(2)作製した基板100に設けた導入口113aから白血球およびモデル癌細胞として
PC9細胞(肺分化型腺癌細胞)を含む溶液を導入し、交流電圧(電圧20Vpp、周波
数1MHz、矩形波)を印加することで、誘電泳動力により細胞を保持部(孔径Φ30μ
m、深さ40μm)に保持させた。
(3)前記交流電圧を印加しながら、導入口113aから0.01%(w/v)ポリ−L
−リジンを含む300mMマンニトール水溶液を導入し、3分間静置後、前記交流電圧の
印加を停止し、排出口113bから前記溶液を除去した。
(4)導入口113aから細胞膜透過試薬を導入し、10分間静置することで細胞膜を透
過後、排出口113bから前記溶液を除去し、導入口113aからPBS(Phosph
ate Buffered Saline)を導入することで収容部内に残留した細胞膜
透過試薬を洗浄した。
(5)導入口113aから細胞染色液(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
標識抗サイトケラチン(CK)抗体、R−フィコエリスリン(PE)標識抗HER2抗体
、アロフィコシアニン(APC)標識抗CD45抗体、DAPI(4’,6−diami
dino−2−phenylindole)をそれぞれ0.5μg/mL含む溶液)80
0μLを導入し、25℃で30分間反応させることで細胞標識後、導入口113aからマ
ンニトール水溶液を導入することで洗浄した。DAPI陽性、かつCK陽性の細胞をPC
9細胞として、DAPI陽性、かつCD45陽性の細胞を白血球として、それぞれ検出し
た。
(6)電子増倍型冷却CCD(EMCCD)カメラ(フローベル社製ADT−100)を
備えた蛍光顕微鏡(オリンパス社製IX83)を用いて、保持部に保持された細胞由来の
画像(明視野像)を撮影し、National Instruments社製LabVI
EWを用いて前記画像を取り込んだ(取り込み画像の一例を図9に示す)。
(7)取り込んだ画像から、細胞を保持した保持部それぞれに対してROI(100ピク
セル×100ピクセル:0.405μm/ピクセル)を設定して処理画像を切り出し、L
abVIEWを用いて2次元FFT(高速フーリエ変換)処理を行なうことで、計算によ
り空間周波数分布画像を得た(空間周波数分布画像の一例を図10に示す)。
(8)得られた空間周波数分布画像を、空間周波数のスペクトル強度(輝度)のしきい値
15で2値化処理後、LABVIEWのVision Development Mod
uleである粒子検出viを用いて、空間周波数分布の最大値を算出した。
間周波数分布の最大値を算出した結果を図11に示す。なお図11では空間周波数分布の
最大値を、2次元FFT処理後の空間周波数分布画像における直径のピクセル値として縦
軸に示している。図11より、例えば直径35ピクセル(半径17.5ピクセル)(波長
:2.314μm、空間周波数:0.4321μm−1)を空間周波数分布の最大値のし
きい値とすることでPC9細胞を白血球と区別して検出できることがわかる。
実施例2(2)で基板100に導入する細胞を、白血球ならびにモデル癌細胞としてP
C9細胞、PC14細胞(肺低分化型腺癌)およびSBC3細胞(肺小細胞癌細胞)を含
む溶液とした他は、実施例2と同様な方法でモデル癌細胞を検出した。結果を図12に示
す。モデル癌細胞のうちPC14細胞は、PC9細胞(実施例2)と同様、例えば、空間
周波数分布の最大値(2次元FFT処理後の空間周波数分布画像の直径)のしきい値を3
5ピクセル(波長:2.314μm、空間周波数:0.4321μm−1)とすることで
、白血球と区別して検出できた。一方SBC3細胞は、白血球における空間周波数分布の
最大値と一部重なる検体があり、空間周波数分布の最大値のみでは明確に白血球と区別し
て検出することはできなかった。
実施例2および3では、空間周波数のスペクトル強度(2値化)のしきい値を15とし
たときの、空間周波数分布の最大値に基づく癌細胞の検出を行なったが、2値化しきい値
を変化させたときの、空間周波数分布最大値のしきい値への影響を検討した。具体的には
、実施例2(6)で得られた各細胞(PC9細胞、SBC3細胞、PC14細胞または白
血球)の空間周波数分布画像から、2値化のしきい値8から15の条件で最大値を算出し
た。
る各細胞の陽性検出率(%)を表している。また表1中、モデル癌細胞の検出率70%以
上かつ白血球の偽陽性20%以下で検出可能な条件を、黒背景白文字の領域で示している
。2値化のしきい値を10とした場合は空間周波数分布の最大値(空間周波数分布画像の
直径)のしきい値を40ピクセルから41ピクセル(波長:1.976から2.025μ
m)までの間に、2値化のしきい値を11とした場合は空間周波数分布の最大値のしきい
値を38ピクセルから41ピクセル(波長:1.976から2.132μm)までの間に
、2値化のしきい値を12とした場合は空間周波数分布の最大値のしきい値を35ピクセ
ルから39ピクセル(波長:2.077から2.314μm)までの間に、2値化のしき
い値を13とした場合は空間周波数分布の最大値のしきい値を32ピクセルから38ピク
セル(波長:2.132から2.531μm)までの間に、2値化のしきい値を14とし
た場合は空間周波数分布の最大値のしきい値を31ピクセルから37ピクセル(波長:2
,189から2.613μm)までの間に、2値化のしきい値を15とした場合は空間周
波数分布の最大値のしきい値を29ピクセルから36ピクセル(波長:2.25から2.
793μm)までの間に、それぞれ設定すれば、モデル癌細胞の検出率70%以上かつ白
血球の偽陽性20%以下で検出することができる。また2値化のしきい値を12とした場
合は空間周波数分布の最大値のしきい値を35ピクセルから37ピクセル(波長:2.1
89から2.314μm)までの間に、2値化のしきい値を13とした場合は空間周波数
分布の最大値のしきい値を34ピクセルから35ピクセル(波長:2.314から2.3
82μm)までの間に、2値化のしきい値を14とした場合は空間周波数分布の最大値の
しきい値を31ピクセルから35ピクセル(波長:2.314から2.613μm)まで
の間に、2値化のしきい値を15とした場合は空間周波数分布の最大値のしきい値を30
ピクセルから34ピクセル(波長:2.382から2.70μm)までの間に、それぞれ
設定すれば、モデル癌細胞の検出率80%以上かつ白血球の偽陽性10%以下で検出する
ことができる。なお本例では、全てのモデル癌細胞を白血球と区別して検出できる条件は
見いだせなかった。
実施例3および4より空間周波数分布の最大値に基づく方法では、モデル癌細胞の一部
で偽陽性(または偽陰性)になるおそれがあることがわかった(図12および表1)。そ
こで別の視点から空間周波数分布に基づくモデル癌細胞の検出を試みた。
血球)の空間周波数分布画像のうち低周波数領域、具体的には空間周波数分布画像の中心
から5ピクセル(波長:8.1μm)から11ピクセル(波長:3.68μm)まで(図
13中、点線領域)の領域におけるスペクトル強度の積分値を算出した。結果を図14に
示す。スペクトル強度の積分値のしきい値を340とすることで、いずれのモデル癌細胞
(PC9細胞、PC14細胞およびSBC3細胞)も白血球と区別して検出することがで
きた。
実施例5より、空間周波数分布画像の中心から5ピクセルから11ピクセルまでの領域
におけるスペクトル強度の積分値を用いることで、モデル癌細胞を白血球と区別して検出
できることがわかったが、スペクトル強度の積分値の計算範囲を変えても同様な検出が行
なえるか、検証した。
血球)の空間周波数分布画像のうち、空間周波数分布画像の中心から5ピクセル(波長:
8.1μm)を起点に終点を6ピクセルから14ピクセルまで1ピクセルごとに積分範囲
を設定(すなわち積分範囲を1から9ピクセルまで1ピクセルごとに設定)し、各細胞の
スペクトル強度の積分値をそれぞれ算出した。結果を図15および16に示す。なお図1
5および16において、空間周波数のスペクトル強度積分値(横軸)は、対象細胞80個
(PC9細胞、PC14細胞、SBC3細胞および白血球各20個)のうち、スペクトル
強度積分値が最大であった細胞の積分値を1としたときの相対値で表している。積分範囲
を4ピクセル以上(本例では5ピクセルから9ピクセルまでの範囲よりも広い範囲)とす
れば、モデル癌細胞を白血球と区別して検出できることがわかる(図15(d)および(
e)ならびに図16)。
実施例6では、積分範囲を1ピクセル(5ピクセルから6ピクセルまでの範囲)から9
ピクセル(5ピクセルから14ピクセルまでの範囲)としたときの、モデル癌細胞と白血
球とのスペクトル強度積分値を比較したが、さらに積分範囲を15ピクセル(5ピクセル
から20ピクセルまでの範囲)、25ピクセル(5ピクセルから30ピクセルまでの範囲
)、35ピクセル(5ピクセルから40ピクセルまでの範囲)、45ピクセル(5ピクセ
ルから50ピクセルまでの範囲)および65ピクセル(5ピクセルから70ピクセルまで
の範囲)に拡大し、同様に検討した。
きの、スペクトル強度積分値が最小のモデル癌細胞(PC9細胞、SBC3細胞またはP
C14細胞)の相対値とスペクトル強度積分値が最大の白血球細胞の相対値との差をプロ
ットした図を図17に示す。なお図17は実施例6の結果もあわせてプロットしている。
図17より、積分範囲が4ピクセルから45ピクセルの間であれば、スペクトル強度積分
値が最小のモデル癌細胞の相対値とスペクトル強度積分値が最大の白血球細胞の相対値と
の差が0以上であり、モデル癌細胞を白血球と区別して検出できることがわかる。また積
分範囲を5ピクセルから15ピクセルまでの間とすると、モデル癌細胞を白血球とより区
別して検出できることがわかる。
110:細胞導入保持手段
111:遮光部材
112:絶縁体
111a、112a:貫通孔
113:スペーサ
113a:導入口
113b:排出口
113c:貫通部
114:細胞保持手段
115、116:位置検出部(四角マーク)
117:位置検出部(十字マーク)
121、122:電極
130:導線
140:信号発生器
150:保持部
200:細胞
210:目的細胞
310:ベース
320:基板移動部
330:照射部
340:検出部(対物レンズ)
350:画像取り込み部(画像取得カメラ)
360:解析部
410:ノズル
420:吸引吐出用ポンプ
430:ノズル移動部
440:ノズル照射部
451:ノズル照射部からの光
452:ノズル先端部から発せられる光
460:ノズル導光部
500:回収チューブ
600:誘電泳動力
700:接着物質
Claims (8)
- 細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2
次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数
分布に基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置であって、
前記画像検出手段による目的細胞の検出を、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき行なう、前記装置。 - 細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布に基づき細胞を検出する画像検出手段と、を備えた細胞検出装置であって、
前記装置に、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像の蛍光または発光を検出する光検出手段をさらに備え、かつ目的細胞の検出を、画像検出手段における画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づく検出結果、および光検出手段における蛍光検出または発光検出結果に基づき行なう、前記装置。 - 細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画
像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2
次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数
分布に基づき目的細胞を検出する画像検出手段と、画像検出手段で検出した前記目的細胞をノズルによる吸引吐出により回収する回収手段と、を備えた細胞回収装置であって、
前記画像検出手段による目的細胞の検出を、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づき行なう、前記装置。 - 細胞に光を照射する細胞照射手段と、細胞照射手段で照射して得られる前記細胞由来の画像を取り込む画像取り込み手段と、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像に対して2次元フーリエ変換を行なう画像変換手段と、画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布に基づき細胞を検出する画像検出手段と、ノズルによる吸引吐出により細胞を回収する回収手段と、を備えた細胞回収装置であって、
前記装置に、画像取り込み手段で取り込まれた前記画像の蛍光または発光を検出する光検出手段をさらに備え、かつ回収手段で回収する目的細胞の検出を、画像検出手段における画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布または画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値のうち少なくともいずれか一つに基づく検出結果、および光検出手段における蛍光検出または発光検出結果に基づき行なう、前記装置。 - 回収手段における前記ノズルの先端部が透光性材料で形成されており、かつ前記ノズルに光を照射するためのノズル照射部およびノズル照射部で照射した光を前記ノズルの先端部に導くためのノズル導光部を前記回収手段にさらに設けた、請求項3または4に記載の装置。
- 画像検出手段による細胞の検出を、画像変換手段で変換された画像の低周波数領域における空間周波数分布および画像変換手段で変換された画像の空間周波数分布の最大値に基づき行なう、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
- 細胞を保持する保持部を有した細胞保持手段をさらに備え、かつ細胞照射手段が前記保持部に保持された細胞に光を照射する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
- 細胞照射手段から照射される光により蛍光を発する位置検出部を細胞保持手段にさらに設けた、請求項7に記載の装置。
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