JP2017129425A - 抗癌剤の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者に対する抗癌剤の薬効を評価する方法の提供を課題とする。【解決手段】抗癌剤を適用することにより、腫瘍細胞の薬剤作用部を標識物質により標識し、適用前後における光強度の変化から抗癌剤の薬効を決定することができる。【選択図】図9

Description

本発明は、抗癌剤の薬効を評価する方法であり、特に好適には腫瘍細胞の抗癌剤作用部を標識物質により標識し、抗癌剤適用による光強度の変化から、抗癌剤が腫瘍細胞に対して効果的に作用しているかを判断する方法に関する。
腫瘍細胞が保有するレセプターなどのタンパク質を標的とし、当該標的タンパク質を有する腫瘍細胞に対し特異的に作用する抗癌剤が、分子標的治療薬として開発されている。例えば、乳癌細胞等のHER2/neuに対するトラスツズマブ、大腸癌細胞等のEGFRに対するセツキシマブ、パニツムマブ、リンパ腫のCD20に対するリツキシマブ、非小細胞肺癌、卵巣癌細胞等の血管内皮細胞増殖因子VEGFに対するベバシズマブなどが挙げられる(非特許文献1)。これらの抗癌剤の腫瘍細胞に対する効果は、CT、MRI検査などに代表される画像診断での腫瘍組織の縮小や腫瘍マーカーの低下等で判断されている。
抗癌剤の効果をCTやMRI等による画像診断で評価する場合、1カ月程度の期間をおいて腫瘍サイズの増大もしくは縮小が明確になるのを待つ必要があるため、短期間もしくはリアルタイムでの薬効判断には不適である。また腫瘍マーカーは、腫瘍細胞そのものを直接検出していないため、腫瘍以外の因子による偽陽性が発生したり、病態悪化に相関しない偽陰性が発生することから、薬効を正確に評価し得るには至っていない。
一方で、近年、血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell,CTC)を使用する癌の診断方法や予後決定方法の臨床応用が提案されている(特許文献1)。
特表2008−533487号公報
Andrew M.Scott,et. al. 2012. Antibody therapy of cancer. Nature Reviews Cancer 12.
抗癌剤の投薬治療期間に亘り、一定量の血液中に含まれるCTC数を測定することで、その増減から投薬された抗癌剤の薬効を推測することが可能になってきている。しかしながら、CTC数に基づいて薬効を推測するには、一定期間に亘り投薬することが必要であり、投薬前に薬効を推測することはできなかった。またCTC数の増減のみに基づいて実際に投薬された抗癌剤が腫瘍細胞に対して作用しているかについては評価することが困難であった。そこで、本発明は、ある抗癌剤の投薬前に、その抗癌剤の薬効を評価する方法を提供すること、さらにはある抗癌剤が実際に投与された場合にその薬効を正確に評価することを目的とする。
前記目的に鑑みて完成された本発明は、抗癌剤の薬効を評価する方法であり、特に好適には腫瘍細胞の抗癌剤作用部を標識物質により標識し、抗癌剤適用による光強度の変化から、抗癌剤の薬効を評価する方法に関している。
本発明の方法は、希少な腫瘍細胞を検出可能であり、かつ腫瘍細胞への抗癌剤の薬効を直接検出できるため、画像診断と比較して高感度であり、腫瘍マーカーに対してより精度の高い薬効評価が可能となる。本発明の抗癌剤の薬効を評価する方法は、抗癌剤が、投与対象である各患者にとって有効な治療効果を発揮するか否かを、投与前に又は投与期間中若しくは期間終了後に評価することを可能にする。これにより、適切な抗癌剤の選択が可能になると共に、副作用を最小にする処方で治療を行うことが可能になる。
本発明の濃縮工程に用いる分離構造体を説明するための図である。 本発明の展開工程及び検出工程に用いる検出構造体を説明するための図である。 本発明の展開工程及び検出工程に用いる検出構造体を説明するための図である。 本発明に用いる検出構造体及び検出装置を説明するための図である。 本発明の濃縮工程における分離濃縮方法を説明するための図である。 本発明の濃縮工程における分離濃縮方法を説明するための図である。 本発明の実施例1の抗癌剤未適用試料におけるヒト乳癌細胞の検出結果を示す図である(A)。本発明の実施例1の抗癌剤適用試料におけるヒト乳癌細胞の検出結果を示す図である(B)。 本発明の実施例1におけるトラスツズマブの適用の有無における、HER2標識の光強度変化を示す図である。 本発明の実施例2の抗癌剤未適用試料におけるヒト大腸癌細胞の検出結果を示す図である(A)。本発明の実施例2の抗癌剤適用試料におけるヒト大腸癌細胞の検出結果を示す図である(B)。 本発明の実施例2におけるパニツムマブの適用の有無における、EGFR標識の光強度変化を示す図である。
本発明は、患者に対する抗癌剤の薬効を評価する方法であって、
抗癌剤を患者から得た生物試料に適用する抗癌剤適用工程と、
生物試料から腫瘍細胞を濃縮する濃縮工程と、
前記濃縮工程で得られた前記濃縮液に含まれる生体試料を基板上に展開する展開工程と、
前記基板上に展開した腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識して、光強度を検出する検出工程と、
検出された光強度に基づき、抗癌剤の効果を決定する評価工程、
を備えることを特徴とする抗癌剤の評価方法に関する。
本発明の別の態様は、患者に対する抗癌剤の薬効を評価する方法であって、
抗癌剤を投与された患者から得られた生物試料から腫瘍細胞を濃縮する濃縮工程と、
前記濃縮工程で得られた前記濃縮液に含まれる生体試料を基板上に展開する展開工程と、
前記基板上に展開した腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識して、光強度を検出する検出工程と、
検出された光強度に基づき、抗癌剤の効果を決定する評価工程、
を備えることを特徴とする抗癌剤の評価方法に関する。
本発明は、個別の癌を患う又は患う恐れのある患者に対して、抗癌剤の薬効を評価することができる。抗癌剤の中でも特に分子標的薬は、癌細胞に含まれる1又は数種のタンパク質を標的とする薬であることから、癌細胞の種類又は変異などにより、分子標的薬に対する効果が大きく異なることがある。例えばモノクローナル抗体を含む抗体医薬である場合、癌細胞中のタンパク質の抗原部位に変異が生じてしまうと、抗体医薬としての作用が弱くなってしまう。発明の抗癌剤の薬効を評価する方法は、抗癌剤が、投与対象である各患者にとって有効な治療効果を発揮するか否かを、投与前に又は投与期間中若しくは期間終了後に評価することを可能にする。これにより、適切な抗癌剤又は抗癌剤の組合せの選択が可能になると共に、副作用を最小にする処方で治療の選択が可能になる。
本発明の別の態様では、本発明の評価方法により、患者に対する抗癌剤の薬効を評価し、その評価に従い優れた薬効を有する抗癌剤又はその組合せを選択して、患者に投与することを含む、患者の治療方法にも関する。また、本発明の更なる態様では、上述の各工程を含む、患者が患う癌がどの抗癌剤に対し感受性であるかについて患者を診断する方法にも関する。
本発明において患者とは、癌を患っている患者又は癌の手術、投薬、放射線治療などの癌治療を受けた経験のある患者であってもよいし、癌治療後に、転移癌を患う恐れのある患者であってもよい。本発明を診断方法として用いることもできることから、癌を患う恐れのある患者も含まれる。本発明の患者が患っている癌は、任意の癌であってよく、例えば白血病、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫などの造血細胞悪性腫瘍、脳腫瘍、乳がん、子宮体がん-子宮、子宮頚がん、卵巣がん、食道癌、胃癌、虫垂癌、大腸癌、肝臓癌、胆嚢癌、胆管癌、膵臓癌、副腎癌、消化管間質腫瘍、中皮腫-口腔底癌、歯肉癌、舌癌、頬粘膜癌などの喉頭癌口腔癌、頭頚部癌、唾液腺癌、副鼻腔癌、甲状腺癌、腎臓がん、肺癌、骨肉腫、骨癌、前立腺癌、精巣腫瘍、腎臓癌、膀胱癌、皮膚癌、肛門癌が挙げられるがこれらに限定されることを意図しない。
本発明において、生物試料とは、細胞を含む試料であれば任意の試料のことをいい、生体から取得された生体試料並びに細胞培養や組織培養などで得られる培養試料を含む。生体試料としては、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、糞便、痰、髄液、腹水、羊水等の生体試料、細胞の凝集物、腫瘍、リンパ節又は動脈といった器官や組織に由来する試料が挙げられる。培養試料としては、細胞培養物、組織培養物、又はそれらの培養液が挙げられる。本発明は、生物試料中に含まれる腫瘍細胞に対する抗癌剤の作用を評価するために使用することができる。腫瘍細胞としては、任意の癌由来の細胞であってよいが、より詳細には、血液やリンパ液を通じて遠隔転移する癌細胞である血中循環腫瘍細胞(CTC)であり、例えば胃癌、大腸癌、食道癌、肝臓癌、肺癌、すい臓癌、膀胱癌、子宮癌(上皮性腫瘍)由来のCTC細胞、及び、血液に含まれるリンパ球や白血球の腫瘍細胞(リンパ腫、白血病)が例示できる。別の態様では、生検により取得した腫瘍から得た細胞の懸濁物を試料として用いることもできる。
本発明で評価される抗癌剤は、癌の治療に用いられる任意の抗癌剤であってよい。腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識する観点から、分子標的治療薬であることが好ましく、抗体医薬がより好ましい。
癌治療用の分子標的治療薬としては、市場されている又はこれから市場される任意の分子標的治療薬が挙げられ、例えば、イマニチブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、イブルチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤や、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブなどのRafキナーゼ阻害薬や、パルボシクリブなどのCDK阻害薬や、トラメチニブなどのMEK阻害薬、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブなどのプロテアソーム阻害剤が挙げられる。
癌治療用の抗体医薬としては、市場されている又はこれから市場される任意の抗体医薬が挙げられ、例えばリツキシマブ、セツキシマブ、ブレンツキシマブ ベドチン、トラスツズマブ、ベバシズマブ、メポリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、モガムリズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、イノツズマブ、パニツムマブ、オファツムマブ、イピリムマブ、ラムシルマブ、ニボルマブなどが挙げられる。
腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部は、抗癌剤の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、チロシンキナーゼ阻害剤の場合、チロシンキナーゼ、例えばBcr−Ablチロシンキナーゼ、KITチロシンキナーゼ、EGFRチロシンキナーゼ、RETチロシンキナーゼ、VEGFRチロシンキナーゼ、PDGFRキナーゼ、退形成性リンパ腫キナーゼ、未分化リンパ腫キナーゼ、JAK2チロシンキナーゼ、ブルトン型チロシンキナーゼなどが作用部となりうる。Rafキナーゼ阻害剤の場合、Rafキナーゼ、B−Raf酵素が作用部となり、CDK阻害剤は、サイクリン依存性キナーゼ、MEK阻害剤はMEKが、プロテアソーム阻害剤は、プロテアソームが作用部となる。抗体医薬の場合、その抗体が結合する抗原が作用部となる。検出を容易にする観点から、作用部は、細胞表面に現れている膜タンパク質であることが好ましい。
抗癌剤適用工程
抗癌剤適用工程は、患者から得た生物試料に対し、抗癌剤を適用するin vitroの工程である。抗癌剤の適用の前に生物試料を、希釈、濃縮、培養などの前処理にかけていてもよい。本発明では、抗癌剤の適用工程は、抗癌剤の評価が可能となる範囲で任意の段階で行われてもよい。一例として、濃縮工程の前に抗癌剤適用工程が行われてもよいし、濃縮工程の後に抗癌剤適用工程が行われてもよく、また展開工程の後に抗癌剤適用工程が行われてもよい。適用される抗癌剤の濃度は、適用する抗癌剤の種類に応じて任意に設定することができる。例えば、通常の処方に従いその抗癌剤が患者に投与された場合に達成できる血中濃度と同程度の濃度、またはそれ以上若しくはそれ以下の濃度を設定することができるが、これらの濃度に限定されるものではない。
本発明の別の態様では、抗癌剤適用工程の代わりに、抗癌剤を患者に投与する工程を含んでもよいし、抗癌剤適用工程を含まない代わりに、抗癌剤を投与された患者から取得された生物試料を評価方法に供することもできる。この場合、投与された抗癌剤の薬効を評価することができる。生物試料の取得タイミングは、抗癌剤の投与後、任意にタイミングで行うことができるが、腫瘍サイズの減少や、CTC数の減少が生じる前に取得することが好ましい。また、抗癌剤治療期間にわたり、経時的に生物試料を取得することで、抗癌剤に対する薬効の変化、すなわち癌の耐性獲得を評価することができる。抗癌剤に対する耐性を獲得したことが確認できた場合、新たな治療方針、例えば手術、放射線治療、別の種類の抗癌剤の投薬などを検討して、癌治療に役立てることができる。
濃縮工程
濃縮工程は、生物試料中から生きた腫瘍細胞の検出を容易にするために分離及び/又は濃縮をする工程である。濃縮方法は、生物試料中から生きた腫瘍細胞以外の成分を低減することで生きた腫瘍細胞をより選択的に回収できれば特に制限はない。例えば、腫瘍細胞と腫瘍細胞以外の成分とのサイズの違いを利用して分離濃縮するフィルター法、細胞表面の抗体発現プロファイルの違いを利用し、抗体磁性粒子で濃縮する磁気ビーズ法、細胞間の比重差を利用した比重法が例示できる。なかでも比重法は、短時間で選択的に生きた腫瘍細胞を濃縮できることから特に好ましい。
以下、比重法を用いた濃縮工程について詳細を示す。
本発明おける比重分離では、腫瘍細胞と腫瘍細胞以外の成分が比重差によって分離できれば特に制限はない。密度勾配溶液は、それ自身で又は遠心分離によって密度勾配を形成する液体状の物質であり、目的とする細胞の密度(比重)を特定し、その分離に適当なものを選択して使用すれば良い。選択の指標としては、例えば栄養成分、pH、等張性等を例示できる。具体的にはショ糖、グリセロール、デキストラン、メトリザミド、イオディキサノール、ショ糖とエピクロロヒドリンの共重合体、ポリビニルピロリドンの被膜をもつコロイド状シリカ粒子、スクロースポリマー、ジアトリゾ酸、イオヘキソール、ニコデンツ等のイオン性又は非イオン性のものが例示できる。市販されている密度勾配溶液として、GEヘルスケア バイオサイエンス社製の商品名Ficoll、Ficoll−Paque又はPercoll、Axis−Shield PoC AS社製の商品名Lymphoprep、Polymorphprep又はOptiPrepが例示できる。
濃縮工程を実施するための器具として、例えば図1の細胞分離濃縮構造体を用いることができる。分離濃縮構造体1は、2及び3の2つの筒状部材からなる。分離濃縮構造体の上部を構成する筒状部材2は開口を有し、筒状部材3は、一端が閉塞して底部5を形成している。筒状部材2及び3は、それぞれ開口又は底部の反対の端に連通開口6が設けられ、該両部材が連結された場合に両筒状部材の内部空間が連通し、全体として一つの分離濃縮構造体を形成する。
密度勾配溶液は、分離濃縮構造体1において、その底部(筒状部材3の閉塞端5)から分離部近傍まで注入する。より具体的には、分離濃縮構造体を静置した場合に、密度勾配溶液の液面高さが上側の筒状部材2の連通口端より高くなる(筒状部材2側になる)、すなわち、下側の筒状部材(筒状部材3)を分離した際に、遠心分離操作により密度勾配溶液を通過して筒状部材3の閉塞端5側に移動した成分を密度勾配溶液の大半とともに筒状部材3に、密度勾配溶液上に維持された目的成分(細胞)を筒状部材2に維持された状態で分離できる程度、好ましくは1mm程度、高くなるよう注入する。その後、生体試料溶液を密度勾配溶液の上に重層し、開口部をキャップ4で密閉し、遠心分離操作を行う。遠心分離操作は、一般には1000から2000×g程度の低速で実施すれば良いが、目的とする細胞の密度や使用する密度勾配溶液の密度を勘案し、密度勾配溶液の上に維持される条件を選択する。例えば目的とする細胞が腫瘍細胞であり、上記のような遠心を行うのであれば、腫瘍細胞の種類に応じて密度勾配溶液の密度を1.060〜1.095g/mLの範囲に設定することができる。密度勾配溶液の密度は、腫瘍細胞の濃縮率を高める観点から、1.075g/ml以上が好ましく、1.080g/ml以上がさら好ましい。腫瘍細胞の濃縮率を高める観点から、1.100g/ml以下が好ましく、1.096以下がより好ましく、1.093以下がさらに好ましい。より具体的には密度勾配溶液の密度は1.082〜1.091g/mLの範囲で設定することができる。密度勾配溶液の浸透圧は、200〜450mOsm/kgの範囲で設定することができ、300〜400mOsm/kgがより好ましい。溶液のpHは細胞が損傷を受けない範囲で任意に選択することができ、例えば6.8〜7.8の範囲に調整することが例示できる。
遠心分離操作により、密度勾配溶液の密度より大きな密度を有する成分は密度勾配溶液の勾配層を通過して下側の筒状部材(筒状部材3)中に移動する。一方、密度勾配溶液より小さな密度の目的とする細胞は、上側の筒状部材(筒状部材2)内の密度勾配溶液の上に維持される。そこで開口部の密閉を維持したまま連結された筒状部材を図1で示した状態となるように分離すれば、上側の筒状部材(筒状部材2)中に目的とする細胞を含む分画を回収することができる。この分画は、例えばキャップ4を取り外すことによって密閉状態を開放することで下方へ滴下させる等すれば、特別の熟練を要することなく容易に回収できる。一方、下側の筒状部材(筒状部材3)中に移動した分画については、例えば当該筒状部材とともに廃棄等することができる。
本発明においては、標的細胞に特異的に結合する物質を添加し、又は、標的細胞以外の成分に特異的に結合する物質を添加することにより、標的細胞を更に効率的に分離することができる。なお、特異的に結合する物質と多孔質シリカ粒子等の比較的密度が小さい物質を結合させれば、見かけ上の密度を小さくすることができる。このように、密度を調整する目的で使用する物質としては、前記多孔質シリカ粒子に加え、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロリド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカルボネート等のポリビニル化合物に代表される有機ポリマー、ポリスチレンラテックス、ナイロン、ポリテレフタレート等の共重合体、ガラス、シリカ、ジルコニア等の無機材料、セルロース、デキストラン、アガロース、セルロース、セファロース等の生体ポリマー、赤血球などの生体試料が例示でき、標的とする細胞等と特異的に結合する物質として抗体、抗原、ペプチド、ポリペプチド、成長因子、サイトカイン、レクチン等の生体高分子を例示できる(以下、「特異的に結合する物質」と「密度を調整する目的で使用する物質」が結合し、標的細胞もしくは標的細胞以外の成分の密度を調整する物質を「結合剤」と記載する)。
濃縮工程には、標的細胞を濃縮することを目的として、さらに選択工程を含んでもよい。このような選択工程としては、例えば血液試料を用いた場合に、溶血処理が行われる。溶血工程が行われることで、赤血球の細胞数を減じることができ、それにより標的細胞が選択的に濃縮される。かかる選択工程は、濃縮のための遠心分離の後に行われてもよいし、遠心分離前に行われてもよい。選択工程後に、さらに遠心分離が行われてもよい。
回収した細胞は、希釈、懸濁などの処理をした上で、スライドへの塗布もしくはウェルへ捕捉した細胞を顕微鏡観察する手法やフローサイトメトリー法などを用いて測定することができる。特に本発明で使用する誘電泳動力によって基板上に備えた複数の保持孔に1つずつ細胞を捕捉して測定する手法は、高感度かつ高精度に1細胞ごとを観察、解析できる点でより好ましい。
展開工程
展開工程は、濃縮工程を経て得られた濃縮液を基板上に展開することにより行われる。濃縮液を展開することで、濃縮液に含まれる細胞を検出に適した間隔で基板上に分布させることができる。非凝集状態で展開させることが好ましく、展開前に濃縮液を十分に懸濁しておくことが好ましい。展開工程は、細胞を検出に適した間隔で基板上に分布させることができれば任意の手法を用いることができ、単に濃縮液を基板上に適用するのみであってもよいが、必要に応じてさらなる処理を行ってもよい。一例として、濃縮液を基板上に適用後に、振動や誘導泳動力をあたえることにより、細胞を展開することもできる。細胞を均一に展開するために、基板上に保持孔があけられていることが好ましく、各保持孔につき、概ね一個の細胞を配置することで、その後の検出工程にて標的細胞の検出が容易になる。所望される細胞の展開密度に応じて、濃縮液中の細胞数を計数し、適切な細胞数が展開されるように希釈されてもよく、また展開に供する濃縮液を計量して展開することもできる。
本発明の展開工程に用いる器具として、例えば、図2の生物試料検出構造体を使用することができる。本構造体は、後の検出工程において細胞の存在を示す物質により発せられる光を検出するために細胞をそれぞれ保持する複数の保持孔(貫通孔)7を有する構造体8であって、平板状の基板9上に配置されている。また、前記基板および上蓋基板10は透光性材料からなり、前記基板の前記保持孔側および上蓋基板の表面に設けられた電極はITOなどの透明電極であることが好ましい。これにより、保持孔から発せられる光を基板の上側もしくは下側から観察することが可能となる。保持孔は絶縁体膜11から構成されているが、遮光膜12を備えていてもよい。遮光膜を設けることにより、例えば絶縁体膜自体の自家蛍光に起因するバックグラウンドノイズや隣接する保持孔からの漏れ光に起因するクロストークノイズなどの光ノイズを低減することができ、各保持孔内の観察対象物質により発せられる光のみを高感度かつ高精度に検出することができる。
また、前記構造体は、前記保持孔の上に前記細胞を含む懸濁液を収容する収容部13を備えており、前記保持孔が前記収容部と連通するように設けられている。また収容部には細胞懸濁液を導入する導入口14、細胞懸濁液を排出する排出口15を備える。
保持孔内へ細胞を捕捉する方法としては、誘電泳動力を利用する。この誘電泳動力により、生きた細胞を数秒程度の極めて短い時間で多数の保持孔に捕捉することができる。誘電泳動力を細胞に作用させるには、収容部及び保持孔を懸濁液で満たした状態で、保持孔の部分に電気力線が集中するような交流電界をかければよい。かかる交流電界を印加するための構成として、図2の構造体の他に図3に示すように、前記基板の前記保持孔側の表面に、互いに異なる保持孔に対応する位置にそれぞれ配置される一対の電極(櫛状電極18)を構成する電極16、17が設けられ、前記保持孔は、前記保持孔の上表面から前記基板上の櫛状電極まで延在する、という構成を採用することができる。いずれの構成の場合も、保持孔の底部に電極を露出させ、2つの電極の間に所定の波形を有する交流電圧を印加することで、誘電泳動力により懸濁液中の細胞を保持孔内へ捕捉することが可能である。また保持孔をアレイ状に配置することで、電極間に印加した電圧によって生じる電界がすべての保持孔にほぼ均等に生じることになり、すべての保持孔に対して同じように細胞を誘導し捕捉することができる。
図4は本発明に用いる検出装置を示した図である。本発明に用いる検出装置の一例として、図2に示した基板9、上蓋基板10と、前記電極に誘電泳動力24を発生させるための交流電圧を印加する交流電源19と、前記交流電源からの電圧印加後に、前記構造体の保持孔に捕捉された細胞23の存在を示す物質により発せられる光20を検出する検出部21とを備える。検出部の一例としては蛍光顕微鏡を例示できる。
前記構造体一対の電極には、導電線22を介して交流電源が接続される。交流電源は、保持孔に細胞を移動させ、捕捉する誘電泳動力に必要な電界を発生させるのに十分な電圧を電極間に印加できればよい。具体的には、ピーク電圧が1Vから20V程度で、周波数10kHzから10MHz程度の正弦波、矩形波、三角波、台形波等の波形の交流電圧を印加できる電源が例示できる。特に細胞を移動させ、1つの保持孔に1個の細胞のみを捕捉し得る周波数および波形として周波数100kHzから3MHzの矩形波を使用すること特に好ましい。かかる波形の交流電圧としては、矩形波は、波形が正弦波、三角波、台形波である場合に比べて、瞬時に設定したピーク電圧に到達するため、細胞を保持孔に向けて速やかに移動させることが可能となり、2個以上の細胞が重なるように保持孔に入る確率を低くできる(1つの保持孔に1個の細胞のみを捕捉し得る確率が高くなる)。細胞は電気的にコンデンサーと見なすことができるが、矩形波のピーク電圧が変化しない間は、保持孔に捕捉された細胞には電流が流れ難くなって電気力線が生じ難くなり、この結果、細胞を捕捉した保持孔には誘電泳動力が発生し難くなる。従って、一度保持孔に細胞が捕捉されると、別の細胞が同一の保持孔に捕捉される確率は低くなり、代わりに電気力線が生じ誘電泳動力が発生している他の保持孔(細胞が捕捉されていない、空の保持孔)に、順次、細胞が捕捉される。
なお、本発明に用いる検出装置では、直流成分を有しない交流電圧を発生する電源を採用することが好ましい。直流成分を有する交流電圧を印加すると、直流成分により発生した静電気力(電気泳動力)により細胞が特定の方向に偏った力を受けて移動し、誘電泳動力による細胞捕捉が困難になるからである。また直流成分を有する交流電圧を印加すると、細胞を含有する懸濁液に含まれるイオンが電極表面で電気反応を生じて発熱し、細胞が熱運動を起こすため誘電泳動力による動きを制御できなくなり、保持孔に移動させて捕捉することが困難になる。なお、直流成分を有する交流電圧とは、周波数デューティ比が50%でない電圧、オフセットを有する電圧、周期が極端に長い(例えば1秒以上)電圧などをいう。
検出工程
検出工程は、基板上に展開された腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識して、光強度を検出する工程である。この検出は、腫瘍細胞に存在する作用部を、標識物質で標識し、標識に応じた光源を導入して、光強度を検出することができる。検出工程では、腫瘍細胞以外の細胞から、腫瘍細胞を識別するための検出を同時に行ってもよい。腫瘍細胞を識別するために、腫瘍細胞に特異的に発現する物質や非腫瘍細胞に特異的に発現する物質などの標識物質により標識して検出してもよいし、腫瘍細胞のサイズ、形状などの外観により識別を行うこともできる。
本発明において標識物質は、細胞の表面又は内部の特定物質と結合可能であり、かつ検出工程で検出可能な標識物質を使用する。特定物質とは、特定の性質を有する細胞(以下、「標的細胞」と記載する)の表面又は内部に特異的に存在する/又は存在しない物質であって、標的細胞の識別を可能にする物質のことをいう。標的細胞に特異的に存在するとは、標的細胞には存在し、かつ、標的細胞以外には存在しないか、あるいは、標的細胞以外の細胞よりも標的細胞に多く存在することをいう目的の細胞である腫瘍細胞を赤血球から識別するために利用する、核染色物質例えばDAPI等や、腫瘍細胞を白血球やリンパ球から識別するための白血球マーカー、例えばCD45等も特定物質に含まれる。また、腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部も、特定物質に含まれる。腫瘍細胞の特定物質としては、例えば、CD20、CD30、CD33、CD52、HER2、HER3、EGFR、VEGFR、PD−L1、CEA、Mucins、PSMA、サイトケラチン(CK)等が挙げられる。
上で挙げられた特定物質のうち、CD20は、イブリツモマブチウキセタン、リツキシマブ、オクレリズマブ等の作用部であり、CD30は、ブレンツキシマブ ベドチン等の作用部であり、CD33は、ゲムツズマブオソガマイシン等の作用部であり、CD52は、アレムツズマブ等の作用部であり、HER2は、ラパチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ等の作用部であり、EGFRは、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、バンデタニブ、ラパチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ等の作用部であり、VEGFはバンデタニブ、アキシチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ニンテダニブ、ソラフェニブ、ベバシズマブ、ラニビズマブ、ラムシルマブ等の作用部である。
前記特定物質は、例えば特定物質に特異的に結合する標識物質を用いて標識することにより観察(検出)することができる。つまり、特定物質に特異的に結合する認識物質と光学的に検出可能なシグナルを発する標識とを結合して標識物質とする。本発明の特定物質を検出する標識物質は、標的細胞が検出できれば特に制限はない。標識物質は、細胞を構成する成分の存在を示すことのできるあらゆる物質をさす。代表的な標識物質として、蛍光、リン光、もしくは発光などの性質に基づいて検出可能な標識(例えば蛍光色素)を前記した抗体、リガンド、レクチン等の特定物質と特異的に結合可能な物質とを結合したものが例示できる。また、標識物質は、光を発する反応、例えば蛍光、もしくはリン光を発する物質を生成する反応、又は発光反応を触媒する物質を特定物質と特異的に結合可能なものに結合したものであってもよい。例えば蛍光色素としては、FITC(フルオレセインイソシアネート)、PE(フィコエリスリン)、ローダミン等が挙げられる。また、前記反応を触媒する物質としては、パーオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ルシフェラーゼ等が挙げられる。
標識物質は、前記した通り、それ自体が特定物質と結合又は反応するものであっても、特定物質に特異的に結合する物質と光学的に検出可能なシグナルを発する標識とを結合したものであってもよい。光学的に検出可能なシグナルを発する標識を特定物質と特異的に結合する物質と結合する場合は、両者を公知の化学的な方法等によって直接結合しても良いし、特定物質と特異的に結合する物質に対して結合する物質を介して間接的に結合しても良い。例えば、特定物質に特異的に結合する物質とビオチンを結合しておき、シグナルを発生する物質をアビジン又はストレプトアビジンと結合しておくことも例示できる。この場合、シグナルを発生する物質と結合したアビジン又はストレプトアビジンは、特定物質に特異的に結合した物質と結合されたビオチンと結合し、結果的に(特定物質)−(特定物質に特異的に結合する物質)−(ビオチン)−(アビジン又はストレプトアビジン)−(シグナルを発生する標識)という複合体を形成することにより、特定物質は、標識物質により間接的に標識される。このような間接的な場合もまた、本発明における標識物質に包含される。
本発明で用いる検出工程は、腫瘍細胞に存在する作用部を標識物質により標識し、光強度の増減が検出できれば特に制限はない。好ましくは、前記基板と、基板の観察領域に光を照射し、発生する光学シグナルを検出する光学検出手段を備えることにより、生体試料を観察可能な装置を使用すればよい。光源には、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルはライドランプ、レーザー、LED等を用いることができ、光源からの光は、必要に応じて光学フィルターやミラー、レンズ等によって構成される光学手段により観察領域に導光されればよい。このような検出工程を行うことができるシステムとして、蛍光顕微鏡システムが挙げられる。
光学シグナル情報として、広い波長域での透過光、反射光による光強度分布から構成される像(明視野)や、蛍光物質が発する蛍光から検出した蛍光強度、蛍光強度のピーク値、蛍光強度の最小値、蛍光強度の平均値、蛍光強度の積分値などの蛍光強度から算出された数値などが例示できる。明視野情報は、細胞形態に関する情報が取得可能であれば、特に制限されない。例えば、細胞の直径、細胞の面積、細胞の体積、細胞の周囲長、真円度などが例示できる。
一般的な検出工程では、腫瘍細胞に存在する作用部を標識物質により標識し、検出すると同時に、別の標識物質を用いるか又は明視野観察により、腫瘍細胞を特定してもよい。一例として、FITCやPEで標識された抗体、例えば抗CK抗体を用いて腫瘍細胞を蛍光標識してもよいし、腫瘍細胞以外の細胞を識別する蛍光標識物質、例えば抗CD45抗体や核染色物質(DAPI等)で蛍光標識した後、蛍光顕微鏡等により観察することが挙げられる。より具体的に、本発明では、CTCを検出するために、DAPI波長(UV励起及び青色の発光)における蛍光観察により、有核細胞を同定し(赤血球の除外)、CD45及びCKの発現の有無を同定する。このようにして同定された、DAPI陽性、CK陽性およびCD45陰性の細胞を腫瘍細胞(CTC)と、DAPI陽性、CK陰性、CD45陽性の細胞を白血球と、DAPI陽性、CK陽性およびCD45陽性もしくはDAPI陰性、CK陽性の細胞をゴミなどに代表されるノイズシグナルとして区別を可能にする。またDAPI陽性、CK陰性およびCD45陰性の細胞は、明視野観察において、赤血球や白血球等の正常細胞と細胞形態や大きさを比較する、もしくはパパニコロウ染色やギムザ染色を実施することで細胞内の核、細胞質等の形態的特徴によりCTCを特定することもできる。検出工程において、腫瘍細胞(CTC)を同定する場合、その同定は、蛍光顕微鏡により、撮影された蛍光標識画像を、手動で又はソフトウェアにより自動で行うことができる。
評価工程
検出工程において、腫瘍細胞に存在する作用部の光強度を検出後に、検出された光強度に基づき、抗癌剤の効果を決定することができる。作用部に結合する標識物質は、抗癌剤の該作用部への結合性に応じて、作用部への結合できなくなり、標識物質からの光強度が変化するからである。例えば、抗癌剤が、腫瘍細胞表面に存在する作用部に作用(結合)することで、作用部がマスキングされると、標識物質が作用部に結合できず光強度が低下する。また、抗癌剤が、腫瘍細胞表面に存在する作用部に作用(結合)することで、特定物質が内在化(Internalization)し、増殖シグナルを抑制するような薬効を示す場合も、抗癌剤適用後に標識物質は作用部に作用できず、光強度は減少する。したがって、抗癌剤の適用後に、腫瘍細胞の特定物質に結合した標識物質からの光強度が減少していれば、抗癌剤が作用部に作用可能であり、それにより薬効が高いとと判断することができる。
抗癌剤未適用の生物試料について、本発明と同じ濃縮、展開、検出工程を行って検出した光強度と比較することにより、光強度の変化を決定することができ、それにより抗癌剤の効果を決定することができる。したがって、評価工程に代えて、又は追加かして、比較工程を含んでもよい。また、予め癌の種類に応じて、対照や検量線を作っておき、測定した光強度と比較することで、抗癌剤の効果を決定してもよい。薬剤未適用の生物試料との比較を行う場合、薬剤未適用の生物試料と比較して、光強度が70%以下に低下した場合、好ましくは50%以下に低下した場合、さらに好ましくは30%以下に低下した場合、試験した抗癌剤が有効であると判断することができ、一方で光強度の変化がほとんど無い、例えば変化が20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である場合には、抗癌剤が有効ではないと判断することができる。
抗癌剤が投与された患者における抗癌剤の薬効を評価する方法では、抗癌剤投与前に取得した生物試料について、本発明と同じ濃縮、展開、検出工程を行って検出した光強度と、抗癌剤投与後に取得した生物試料について検出された光強度とを比較することにより、光強度の変化を決定することができ、それにより抗癌剤の効果を決定することができる。したがって、評価工程に代えて、又は追加して、比較工程を含んでもよい。生物試料の取得が、抗癌剤の投与後、経時的に行われている場合、そのようにして得られた生物試料間で、光強度を比較することで、抗癌剤に対する薬効の変化を評価することができる。また、予め癌の種類に応じて、対照や検量線を作っておき、測定した光強度と比較することで、投与された抗癌剤の効果を決定してもよい。抗癌剤投与前の生物試料との比較を行う場合、抗癌剤投与前の生物試料と比較して、光強度が70%以下に低下した場合、好ましくは50%以下に低下した場合、さらに好ましくは30%以下に低下した場合、試験した抗癌剤が有効であると判断することができる。一方で光強度の変化がほとんど無い、例えば変化が20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である場合には、抗癌剤が有効ではないと判断することができる。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1 HER2発現株(SKBR3)の検出方法
血液試料は、インフォームドコンセントを得て取得した健常者血液3mlに約3000個のヒト乳癌細胞(SKBR3)を添加した懸濁液を、抗癌剤未適用試料として用いた。同様にして、健常者血液3mlに10μg/mLのトラスツマブ(ハーセプチン)で3時間処理した約3000個のヒト乳癌細胞(SKBR3)を混合させた懸濁液を、抗癌剤適用試料として用いた。
図1に示した態様の分離構造体を使用して、これらの試料から腫瘍細胞を濃縮した。分離構造体は、詳細には、筒状部材2は内径Φ18mm、縦70mm、容量15mLの円筒状のポリプロピレン製部材である。また筒状部材2の先細り形状の部分の傾斜角度は30°であり、筒状部材2との連通開口はΦ2mmである。筒状部材3は、内径Φ10mm、縦54mm、容量3mLのポリプロピレン製部材である。
図5に模式的に示したように、分離構造体の下側の筒状部材3に、密度が1.084g/mLの密度勾配溶液25を3mL注入した(図中下部の白抜き部分が密度勾配溶液で満たした部分である)。詳しくは密度勾配溶液の液面高さが、上側の筒状部材2の連通開口6よりも約1mm高くなるように(従って液面は、上側筒状部材の内部に位置する)注入した。続いて密度勾配溶液の上に、3mLの血液試料と3mLの生理食塩水と75μLの結合剤(商標RosetteSep、StemCell Technologies Inc)の混合液26を重層した(図中、黒塗部分が重層した混合液の部分である)。
試料注入後、分離構造体の開口をキャップ4(ポリプロピレン製)で密閉し、2000×gで10分間、室温にて遠心分離した。遠心分離操作により、図6左に示したように、密度勾配溶液と試料の界面27に細胞は維持された。キャップを取り外すことなく分離構造体を構成する筒状部材2及び3を分離部で分離した後、図6右に示したようにキャップをはずして密閉を開放することで、上側の筒状部材2の連通開口6より密度勾配溶液の一部とその上に維持された細胞を流出させ、下方に設置した50mLチューブで回収するとともに、上側筒状部材の内壁を洗浄し、壁に付着した細胞も同時に回収した。
回収した細胞の懸濁液に塩化アンモニウムを主成分とする赤血球破砕液を添加して30mLまでメスアップし、300×gで10分間室温にて遠心分離した。遠心分離後、ペレットの頂部の液体をピペットで取り出し、ペレット中の細胞を300mMのマンニトール溶液30mLに再懸濁し、300×gで5分間室温にて遠心分離した。この遠心分離操作は、細胞破片及び血小板を除去し、腫瘍細胞を濃縮するためのものである。なお、腫瘍細胞とともに混入する正常白血球は30〜50万個であり、結合剤で腫瘍細胞外の細胞(赤血球、白血球)を互いに結合することで密度を高くし、腫瘍細胞との密度差を大きくしたうえで、分離構造体を用いた分離を行うことにより、高い回収率と選択性をもって腫瘍細胞を分離できる。
回収した細胞の測定は、スライドへの塗布もしくはウェルへ捕捉した細胞を顕微鏡観察する手法やフローサイトメトリー法などを用いることができる。本実施例1では、分離した細胞を誘電泳動力によって基板上に備えた孔径Φ30μm、深さ40μmの保持孔(約30万個)に捕捉して測定する手法を採用した。
図2に示した構造体の収容部に細胞懸濁液を導入し、基板間に交流電圧(電圧20Vpp、周波数1MHz、矩形波)を印加し、誘電泳動力により細胞を保持孔に捕捉した。
前記交流電圧を印加しながら、1個の保持孔に概ね1個の細胞が捕捉された収容部に0.01%ポリ−L−リジンを含む300mMマンニトール水溶液を導入し、3分静置後、前記交流電圧の印加を停止し、収容部の溶液を吸引除去した。続いて、収容部へ細胞膜透過試薬を導入し、10分静置することで細胞膜を透過させた。その後、収容部の溶液を吸引除去し、PBSを導入し、収容部内に残留した細胞膜透過試薬を洗浄した。
次に収容部へ800μLの細胞染色液(FITC標識抗CK抗体(Miltenyi Biotec)、PE標識抗HER2抗体(R&D systems)、APC標識抗CD45抗体(Beckman−Coulter)、DAPI(0.5μg/mL)(株式会社同仁化学研究所)を混合した細胞染色液)を送液し、細胞標識を行った後(25℃、30分)、マンニトール水溶液にて洗浄し、ヒト乳癌細胞を検出した。腫瘍細胞および正常な白血球細胞はともに核を有しているためDAPIで染色され、赤血球や死細胞片などの核を有していないものは検出ソフトで排除した。また、腫瘍細胞はCD45を発現していないが、CKを発現している細胞、発現していない細胞が存在するため、DAPI陽性、CD45陰性、CK陽性および陰性の細胞を画像処理により抽出した。続いて、前記画像処理により抽出した1細胞毎のヒト乳癌細胞においてPE標識抗HER2による光強度を算出した。なお正常な白血球細胞はCD45を発現しているが、CKを発現していないため、DAPI陽性、CK陰性、CD45陽性細胞を検出することで腫瘍細胞と識別した。
複数の保持孔に捕捉した全ての細胞を観察するために保持部全体の撮像を行った。これにはコンピューター制御式電動ステージ、電子増倍型冷却CCDカメラ(EMCCD;FLOVEL, ADT-100)を装備した蛍光顕微鏡(IX71; Olympus)を用いた。画像取得及び解析ソフトウェアにはLabVIEW(National Instruments)を用いた。処理後に保持孔に捕捉された正常白血球数は10〜50万個ほどであったが、ヒト乳癌細胞の検出に際しては妨げにならない量であった。また、ヒト乳癌細胞は保持孔に捕捉されているため、保持部のスキャニングで全細胞数をカウントできた。血液試料に添加したヒト乳癌細胞(SKBR3)はCK、HER2ともに高発現の細胞株であるため、抗癌剤未適用試料では、図7Aに示すようにCK、HER2ともに陽性の細胞(DAPI陽性、CD45陰性)を検出することができた。
一方で、抗癌剤適用試料では、図7Bに示すようにCKは陽性であるが、HER2標識による光強度が著しく低下した細胞が検出された。
HER2標識陽性の腫瘍細胞について、その光強度と存在率との関係をそれぞれ測定し、グラフに示した(図8)。トラスツズマブ処理によるHER2標識の光強度は、低輝度側へ大きくシフトしていたことから、トラスツズマブが前記ヒト乳癌細胞に対して作用していることが確認できた。
実施例2 EGFR発現株(WiDr)の標準検出法
実施例1と同様にして、健常者血液3mlに約1000個のヒト大腸癌細胞(WiDr)を混合させた試料を、抗癌剤未適用試料とし、健常者血液3mlに、20μg/mLのパニツムマブ(ベクティビックス)で2時間処理した約1000個のヒト大腸癌細胞(WiDr)を混合させた試料を、抗癌剤適用試料として用いた。
実施例1と同様に、抗癌剤未適用試料及び抗癌剤適用試料を、それぞれ、生理食塩水、結合剤の混合液を密度勾配溶液の上へ重層し、遠心分離、回収操作を実施した。
図2に示した構造体の収容部に細胞懸濁液を導入し、基板間に交流電圧(電圧20Vpp、周波数1MHz、矩形波)を印加し、誘電泳動力により細胞を保持孔に捕捉した。
前記交流電圧を印加しながら、1個の保持孔に概ね1個の細胞が捕捉された収容部に0.01%ポリ−L−リジンを含む300mMマンニトール水溶液を導入し、3分静置後、前記交流電圧の印加を停止し、収容部の溶液を吸引除去した。続いて、収容部へ細胞膜透過試薬を導入し、10分静置することで細胞膜を透過させた。その後、収容部の溶液を吸引除去し、PBSを導入し、収容部内に残留した細胞膜透過試薬を洗浄した。
次に収容部へ800μLの細胞染色液(FITC標識抗CK抗体、PE標識抗EGFR抗体、APC標識抗CD45抗体、DAPI(0.5μg/mL)を混合した細胞染色液)を送液し、細胞標識を行った後(25℃、30分)、マンニトール水溶液にて洗浄し、ヒト大腸癌細胞を検出した。腫瘍細胞および正常な白血球細胞はともに核を有しているためDAPIで染色され、赤血球や死細胞片などの核を有していないものは検出ソフトで排除した。また、腫瘍細胞はCD45を発現していないが、CKを発現している細胞、発現していない細胞が存在するため、DAPI陽性、CD45陰性、CK陽性および陰性の細胞を画像処理により抽出した。続いて、前記画像処理により抽出した1細胞毎のヒト大腸癌細胞においてPE標識抗EGFRによる光強度を算出した。なお正常な白血球細胞はCD45を発現しているが、CKを発現していないため、DAPI陽性、CK陰性、CD45陽性細胞を検出することで腫瘍細胞と識別した。
複数の保持孔に捕捉した全ての細胞を観察するために保持部全体の撮像を行った。これにはコンピューター制御式電動ステージ、電子増倍型冷却CCDカメラ(EMCCD;FLOVEL, ADT-100)を装備した蛍光顕微鏡(IX71; Olympus)を用いた。画像取得及び解析ソフトウェアにはLabVIEW(National Instruments)を用いた。処理後に保持孔に捕捉された正常白血球数は10〜50万個ほどであったが、ヒト大腸癌細胞の検出に際しては妨げにならない量であった。また、ヒト大腸癌細胞は保持孔に捕捉されているため、保持部のスキャニングで全細胞数をカウントできた。実施例2で使用したヒト大腸癌細胞(WiDr)はCK高発現、EGFR中発現の細胞株であるため、抗癌剤未適用試料は、図9Aに示すようにCKは良好に標識でき、EGFRも光強度は低かったが検出可能な程度に標識することができた。一方で、抗癌剤適用試料では、図9Bに示すようにCKは陽性であるが、EGFR標識による光強度が低下した細胞が検出された。パニツムマブ処理の有無によるEGFR標識の光強度変化を図10に示した。パニツムマブを曝露していないヒト大腸癌細胞に対するEGFR標識の光強度が低かったにも関わらず、パニツムマブ処理区分では低強度側へシフトしていることが光強度解析で判別できたことから、薬剤の腫瘍細胞への作用を高感度に検出できることが確認できた。
1 分離構造体
2 筒状部材(上側)
3 筒状部材(下側)
4 キャップ
5 底部
6 連通開口端(分離部)
7 保持孔(貫通孔)
8 構造体
9 基板
10 上蓋基板
11 絶縁膜
12 遮光膜
13 収容部
14 導入口
15 排出口
16 電極(+)
17 電極(−)
18 櫛状電極
19 交流電源
20 光
21 検出部
22 導電線
23 細胞
24 誘電泳動力
25 密度勾配溶液
26 混合液
27 界面

Claims (9)

  1. 患者に対する抗癌剤の薬効を評価する方法であって、以下の:
    患者から取得された生物試料に抗癌剤を適用する抗癌剤適用工程と、
    前記生物試料から腫瘍細胞を濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程で得られた前記濃縮液に含まれる細胞を基板上に展開する展開工程と、
    前記基板上に展開した腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識して、光強度を検出する検出工程と、
    検出された光強度に基づき、抗癌剤の薬効を決定する評価工程と、
    を含む、前記方法。
  2. 患者に対する抗癌剤の薬効を評価する方法であって、以下の:
    抗癌剤を投与された患者から得られた生物試料から腫瘍細胞を濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程で得られた前記濃縮液に含まれる生体試料を基板上に展開する展開工程と、
    前記基板上に展開した腫瘍細胞に存在する抗癌剤の作用部を標識して、光強度を検出する検出工程と、
    検出された光強度に基づき、抗癌剤の効果を決定する評価工程、
    を含む、前記方法。
  3. 前記濃縮工程が、比重法であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗癌剤の評価方法。
  4. 前記濃縮工程が、一端は閉塞して底部を形成し、他端は開口した筒状の構造体と、開口を密閉するキャップからなり、前記構造体は2以上の筒状部材より構成され、分離部にて分離可能である分離構造体を用いることを特徴とする、請求項3に記載の抗癌剤の評価方法。
  5. 前記抗癌剤が分子標的薬であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか一項に記載の抗癌剤の評価方法。
  6. 前記腫瘍細胞が、血中循環腫瘍細胞であることを特徴とする、請求項1〜5いずれか一項に記載の抗癌剤の評価方法。
  7. 前記作用部が、HER2、EGFRから構成される群から選択される、請求項1〜6いずれか一項に記載の抗癌剤の評価方法。
  8. 前記作用部がHER2である場合に、抗癌剤が、ラパチニブ、トラスツズマブ、及びペルツズマブからなる群から選ばれる1以上の薬剤である、請求項7に記載の評価方法。
  9. 前記作用部がEGFRである場合に、抗癌剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、バンデタニブ、ラパチニブ、セツキシマブ、パニツムマブからなる群から選ばれる1以上の薬剤である、請求項7に記載の評価方法。
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