JP2009053200A - 物体識別装置 - Google Patents

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一弘 味村
Noburo Tomita
信郎 冨田
Yasuhiro Takemura
安弘 竹村
Toshiji Takei
利治 武居
Yutaka Nagai
豊 永井
Shigeko Kato
茂子 加藤
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Abstract

【課題】不定形物体の特徴をより高精度に反映したデータを算出し、不定形物体を高精度に分類する。
【解決手段】識別すべき物体の像を2次元フーリエ変換する2次元フーリエ変換手段と、 前記2次元フーリエ変換手段により2次元フーリエ変換された信号のパワースペクトルを検出するパワースペクトル検出手段と、前記パワースペクトル検出手段により検出されたパワースペクトルにおける低周波数成分光量、全周波数成分光量に基づいて前記物体を識別する識別判定手段とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、血液や尿、病理検体など、粒子成分を含む試料の生物顕微鏡画像や蛍光顕微鏡画像などから不定形物体を識別するための物体識別装置に関し、特にフーリエ変換によるフラウンフォーファ回折像を利用して不定形物体の識別を行う物体識別装置に関する。
この種の装置としては、特開平6-138417号、特開平8-29140 号、特開平8-304390号等に記載されている装置がある。これらの装置において、識別判定手段では、フラウンフォーファ回折像のパワースペクトルパターンに基づいたパラメータを算出し、このパラメータを使って不定形物体の分類を行っていたが、これらのパラメータは、パワースペクトルパターンの全光量 (リングディテクタの全チャンネル出力の和) 、周波数毎の光量 (リングディテクタのチャンネル毎の出力) 及びこれの全光量で正規化した値、周波数領域毎の光量(リングディテクタの数チャンネルの出力の和)及びこれの全光量で正規化した値であった。
ところで、白血球の場合、核の内部構造の複雑さを調べることが白血球の種類の識別のための重要な手掛かりになり、これらの従来パラメータは、内部構造の複雑さを反映するし、既知の画像処理手段による特徴量だけを用いての識別判定よりも優れていた。
しかしながら、異常白血球の分類を行う場合には、従来の方法では不十分であり、更なる識別判定能力の向上を図る必要がある。
本発明は、このような問題を解決するために提案されたものであり、不定形物体の特徴をより高精度に反映したデータを算出し、不定形物体を高精度に分類できる物体識別装置を提供することを目的とする。
請求項1の物体識別装置は、識別すべき物体の像を2次元フーリエ変換する2次元フーリエ変換手段と、前記2次元フーリエ変換手段により2次元フーリエ変換された信号のパワースペクトルを検出するパワースペクトル検出手段と、前記パワースペクトル検出手段により検出されたパワーペクトルにおける低周波数成分光量、全周波数成分光量に基づいて前記物体を識別する識別判定手段とを有することを特徴とする。
請求項2の物体識別装置は、請求項1記載の装置において、前記識別判定手段は、前記全周波数成分光量に対する前記低周波数成分光量の比の対数値の−1乗の平方根を演算する演算手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、不定形物体の特徴を高精度に反映したパラメータを得ることができるので、このパラメータを用いて高精度に不定形物体の識別判定を行うことできる。
参考例1
図1は、本発明の第1の参考例の物体識別装置の構成を示す図である。識別すべき不定形物体は、それらを取り囲む物質とともに試料5として試料台4の上にセットされており、染色処理などにより識別すべき不定形物体は背景と特定の光波長域における透過率が異なっているものとする。不定形物体の位置捕捉信号観測用照明光束1は、レンズ3で集光され、試料台4上の試料5を照明する。試料5を透過した照明光束1は、レンズ6,ビームスプリッタ7,レンズ8を通って、マスク9に到達する。マスク9は、試料上の不定形物体の大きさに応じた開口を有し、また、その開口は、前記特定の光波長域に対応した透過率の分散特性を持つものとする。
そこで、試料台4を試料台駆動回路16により矢印A或いは矢印Bの方向へ動かすと、識別すべき不定形物体がマスクの開口内に入ったときのみ、検出回路15はそのことを示す信号を得ることができ、不定形物体が試料台4上の特定の位置にあることを知ることができる。即ち、ここでは照明光束1,試料台4,試料台駆動装置16,マスク9,フォトディテクタ10,検出回路15等により、不定形物体の位置捕捉手段が構成されている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の一例であり、不定形物体の性質に応じて様々な具体例が考えられる。
上記のように、不定形物体の位置が捕捉できたとする。次に、半導体レーザ11から出射したコヒーレン卜光束12は、レンズ13を通って略平行光束となり、ビームスプリッタ7で反射されて、レンズ6を通り、試料5上に焦点を結ぷ収束光束となり、試料5に入射する。このとき、入射したコヒーレント光束12が、捕捉された不定形物体に照射されるように、試料台4が駆動される。最も簡単には、図1に示すように、位置検出光学系とコヒーレント光束12の光学系が併用されていれば、検出回路15において、不定形物体が検出された瞬間に試料台の駆動を停止すれば、コヒーレント光束12は、試料5上の不定形物体に入射することになる。
尚、試料5上におけるコヒーレント光束12の光束径は、レンズ6を通過したときのコヒーレント光束12の光束径とレンズ6の焦点距離との比率及びコヒーレント光束12の波長とで決まる。不定形物体の大きさが小さく、試料5上の光束径を小さくしたい場合には、レンズ6の焦点距離に対してコヒーレント光束12のレンズ6における光束径を大きくする必要がある。前記のように、不定形物体の大きさが小さい(10 μm 程度) 場合には、コヒーレント光束12は試料5を出射して数mm〜数十mm伝搬したところでフラウンフオーファ領域に達する。従って、その位置に観測手段を設置すれば、不定形物体を含んだ試料5上のコヒーレント光束12に照射された部分の複素振幅パターンの強度スペクトルパターンが観察される。従って、試料5を出射したコヒーレント光束12は、レンズ3でほぼ平行光束となり、ビームスプリッタ2で反射されて、リングディテクタ14で受光される。このリングディテクタ14は、レンズ3の試料台4側にビームスプリッタを設けてレンズ3を通さずに、出力パターンを観測しても良いが、レンズ3を通すことにより、リングディテクタ14の光軸方向の設置位置のズレに対して、強度スペクトルパターンの大きさのズレが小さくなる効果がある。
リングディテクタ14は、コヒーレント光束12の光軸を中心とした同心の輪帯状フォトダイオードがその半径方向に並んだもので、その素子数は、8 〜128 程度が適当である。その数が過小の場合には、特徴量情報の不足をもたらし、過大の場合には、識別判定演算速度が遅くなる。また、この輪帯状フォトダイオードは、入力パターンに位相分布がない場合、そのフラウンフォーファ回折パターンが点対称であるため、半円状でも構わない
このリングディテクタ14で受光された光量に基づく信号は、通常電流信号であり、検出回路17により、電流電圧変換されるとともに、観測に十分なレベルに増幅される。例えば、図2のリングディテクタ受光領域を示す説明図に示すように、リングディテクタ14を受光領域14aから14hまでの8分割のリングディテクタとすれば、検出回路17を経て、各々の分割領域の出力に対応するx1 からx8 までの8つの信号を得ることができる。これらの信号は、不定形物体の空間周波数毎の成分の大きさを反映したものであり、x1 が最も低い空間周波数成分大きさ、x8 が高い空間周波数成分の大きさを示している。その後これらの信号は識別判定装置18に入力され、入力された不定形物体がどのカテゴリに属するのかの判定を行う。
識別判定装置18はデジタルコンピュータから構成され、キーボード等の入力装置や、表示器、プリンタ等の出力装置を備えている。識別判定装置18は、図3に示す処理を行う。このような処理を行うようにした原理を以下に説明する。
文献「Diffracti0n Fields of Fractally Bounded Apertures (OPTICAL REVIEW Vol.1,No.119943-7)」 等で述べられているように、パワースペクトルパターンの適当な部分で回帰直線の傾きを算出することで、不定形物体または2次元空間光変調器に表示された不定形物体画像の輪郭のフラクタル次元や対象画像の内部構造のフラクタル次元を調べることができる。
Mandelbrotらの研究により、一般に画像を表現する2次元画像のパワースペクトルは、K を画像上のある任意方向の空間周波数とすると、AK-2d という形を持つ。このときのd をフラクタル次元と呼ぶ。これを式で表すと、式1で表現できる。
Figure 2009053200
この式を底αで対数変換すると、式2のようになる。
Figure 2009053200
よって、式2より、パワースペクトルの対数変換したパターンから、傾きを求めることにより、画像のフラクタル次元を反映したデータを得ることできる。また、y 切片も傾きの影響を受けるので、同様にフラクタル次元を反映したデータを調べることができる。
図3に示す処理は以上の原理に基づくものである。すなわち、識別判定装置18では、信号x1 からx8 の値が底αで対数変換され、信号x'1からx'8の値になる(ステップ101)。信号x'1からx'8の値は受光領域14aから14hをx軸とする仮想グラフ上にプロットされる。図4は、識別判定装置18による仮想グラフ説明図である。図4のようにプロットされたポイントは、適当な領域に分割されて1次回帰計算が行われる(ステップ102)。例えば、本実施例では、14aから14cまでの領域A、14cから14fまでの領域B,14fから14hまでの領域Cに分割されて各領域毎に1次回帰計算が行われ(ステップ103)、回帰直線の傾き及びy切片が算出され、領域Aの傾きa1及びy切片b1,領域Bの傾きa2及びy切片b2,領域Cの傾きa3及びy切片b3を得る(ステップ104)。これらの値は、不定形物体のフラクタル次元を反映したデータであり、例えば、領域Aの回帰直線は不定形物体の輪郭のフラクタル次元の大きさを強く反映したデータになっており、領域Cの回帰直線は不定形物体の内部構造のフラクタル次元の大きさを強く反映したデータになっている。
このような演算により、リングディテクタからの出力x1 からx8 の他に、a1からa3及びb1からb3を特徴パラメータとして識別判定に用いることができ、これらの特徴パラメータを要素とする特徴量ベクトルを得ることができる。この特徴量べクトルを用いて、入力された物体がどのカテゴリーに属するかの判定を行う。この判定は、各々のカテゴリーの不定形物体の特徴パラメータがどのような範囲の値を示すかをあらかじめ実験で調べておくことにより、それらの範囲が複数のカテゴリー間で全てのパラメータについて重なることがない限りは、入力された不定形物体の各パラメータの値があらかじめ調べた範囲内に入るか否かの2値論理の組み合わせから行うことができる。
また、あらかじめ学習させて作成した判別用のテーブルを使ってニューロファジー解析や統計的解析を行ってもよい。これらの識別判定装置内の処理は、通常のノイマン型コンピュータを用いてソフトウェアにより判定機能を実現することができるし、同様の機能を電子回路によりハードウェアにより実現することも容易にできる。さらに、識別判定の精度を更に高めるために特徴パラメータとして、例えば、出力x1 からx8 をx1 からx8 の和で正規化したようなパラメータを追加することも好適である。
なお、ステップ102における領域の分割は、この識別判定装置18がステップ101の結果に応じて所定の条件で分割するようにしても良いし、予め設定された領域に分割しても良い。またこの分割は行われない場合もある。
この参考例1において、半導体レーザ11、レンズ13、ビームスプリッタ7及び2、レンズ6、レンズ3およびリングディテクタ14から2次元フーリエ変換手段が構成される。リングディテクタ14及び検出器17がパワースペクトル検出手段に相当する。識別判定装置18が有している各機能がパワースペクトル変換手段、回帰演算手段、および識別判定手段、空間周波数領域分割手段にそれぞれ対応している。すなわち、図3のステップ101がパワースペクトル変換手段に対応し、ステップ102が空間周波数領域分割手段に対応し、ステップ103および104が回帰演算手段に対応している。また、識別判定装置18の識別判定機能が識別判定手段に対応している。
実施の形態
参考例1で2次元フーリエ変換の対象となる物体の像は、物体に光をあて直接に得られる像であった。本実施の形態で2次元フーリエ変換の対象となる物体の像は、物体が撮像され、表示装置に表示された像である。図5は、本発明の実施の形態の物体識別装置の構成図である。参考例1と同様に、識別すべき不定形物体は、それらを取り囲む物質とともに、試料5として試料台4の上にセットされており、染色処理などにより、識別すべき不定形物体は背景と特定の光波長域における透過率が異なっているものとする。照明光束1は、レンズ3で集光され、試料台4上の試料5を照明する。試料を透過した照明光束1は、レンズ6,レンズ8を通って、CCD50に到達し、試料5が結像される。即ち、レンズ6とレンズ8とで結像光学系を作っており、例えば、識別すべき不定形物体が比較的小さい物体である場合には、この光学系は、顕微鏡をそのまま用いたものでも構わない。CCD50は、少なくとも前記特定の波長に対して感度を持つものとし、その画面内の特定の位置に、不定形物体を示す濃度値が現れたときに、検出回路51により、それが認識されるようにしておく。そこで、試料台4を試料台駆動装置16により矢印A或いはBの方向に動かすと、識別すべき不定形物体の像がCCD50の特定位置に入ったときのみ検出回路51はそのことを示す信号を得ることができ、不定形物体が試料台4上の特定の位置にあることを知ることができる。即ち、ここでは、照明光束1,レンズ3,試料台4,試料台駆動装置16,レンズ6,レンズ8,CCD50,検出回路51により、不定形物体の位置捕捉手段が構成されている。尚、これは、位置検出及び捕捉手段の一例であって、不定形物体の性質に応じて様々な具体例が考えられる。
既述のように、不定形物体の位置が捕捉することができたとする。次にその不定形物体の像は、周囲の背景の像とともに検出回路51内に設けられた液晶パネル駆動回路を通して液晶パネル55に表示される。このとき用いる液晶パネルは、液晶テレビや液晶プロジェクタ等に用いられるのと同等のモノクロ液晶パネルでよい。但し、コントラスト及び表示速度の観点から、アクティブマトリクス型の液晶パネルが望ましい。そこで、半導体レーザ52から出射したコヒーレント光束53は、レンズ54を通ってほぼ平行光束となり、液晶パネル55に入射する。このとき、入射したコヒーレント光束53が、捕捉された不定形物体の像に照射されるように試料台4が駆動される。最も簡単にはCCD50の画面中央に不定形物体が存在するときに、検出回路51において検出信号を出し、その瞬間に試料台の駆動を停止すれば、コヒーレント光束53は、液晶パネル55上で、試料5上の不定形物体像に入射することになる。
既に説明したように、液晶パネル55上に不定形物体の大きさが小さい(10 μm程度) 場合には、コヒーレント光束53は、試料5を出射して数mm〜数十mm伝搬したところで、フラウンフォーファ領域に達する。従って、試料5に入射するコヒーレント光束の集束光束として、フラウンフォーファ領域に達した位置に観測手段を設置すれば、不定形物体を含んだ液晶パネル上のコヒーレント光束53に照射された部分の複素振幅パターンが観察される。従って、液晶パネル55を出射したコヒーレント光束53により、レンズ56を用いずとも、不定形物体の強度スペクトルパターンをリングディテクタ14で受光することができる。但し、現状では、そのように小さい画像を表示できるほど解像度の高いマトリックス型液晶パネルは存在しておらず、通常の液晶パネルでは、不定形物体が小さい場合はそれを拡大結像して数mm程度の大きさに表示する方が適当である。この場合には、前記の説明のように、コヒーレント光束53は、ほぼ平行光束として液晶バネル55に入射させ、出射光をレンズ56により集光して、その集光点にリングディテクタ14を置く。そうすると、前記のようにこの集光点は、液晶パネルに対して、フラウンフォーファ領域と見なすことができる。
リングディテクタ14は、参考例1におけると同様に、コヒーレント光束53の光軸を中心とした同心の輪帯状フォトダイオードがその半径方向に並んだもので、その素子数は、 8〜128 程度が適当である。その数が過小の場合には、特徴量情報の不足をもたらし、課題の場合には、識別判定演算速度が遅くなる。また、この輸帯状フオトダイオードは、入力パターンに位相分布がない場合、そのフラウンフォーファ回折パターンが点対称であるため、半円状でも構わない。前記の説明と同様に、リングディテクタ14で受光されて光量は、検出回路17を経て適当な電圧信号に変換されて出力される。前記の説明と同様に、図2のリングディテクタ受光領域を示す説明図に示すように、8分割のリングディテクタとすれば、x1 からx8 までの8つの信号を得ることができ、これらの信号は、不定形物体の空間周波数毎の成分の大きさを反映したものになる。これらの信号は識別判定装置58に入力され、入力された不定形物体がどのカテゴリーに属するのかの判定を行う。
前述の参考例1と同様、この識別判定装置58はデジタルコンピュータから構成され、キーボード等の入力装置や表示器、プリンタ等の出力装置を備えている。識別判定装置58は、図6に示す処理を行う。このような処理を行うようにした原理を以下に説明する。
まず、表面の粗さを測定する方法について説明する。図7は、光学的表面粗さ測定装置の一例の構成を示す構成図である。始めに光源60から出射したレーザ光束61は、回転鏡62に反射して、検出器D2 へ入射し、レーザ光束61の全光量R0が測定される。その後、回転鏡62は回転し、レーザ光束61は、直進して試料63に入射する。試料63上ではレーザ光束が反射するが、もし、試料63が完全に平らな形状のものであれば。正反射光のみが積分球64の外に戻って行くが、試料63に凹凸があれば、波面の位相が乱れて、正反射光以外の散乱光が発生する。この散乱光は積分球内で反射し検出器D1 で光量Rdが測定される。ここで、測定されたR0とRdの値から、試料の表面粗さを反映したデータRrmsを測定する。このときRrmsは、式3のように求められる。
Figure 2009053200
このようにして、表面粗さ測定は、物体表面で光束が反射するとき波面に乱れが生じて光束の正反射光と散乱光との比率が表面状態によって影響を受けて、それにより全反射光量中の正反射光量が変化することを利用して測定を行う。一方、画像の乱雑さとしては表面粗さのような位相変化ではなく画像パターンの振幅変化で生じ、かつ、正反射光がパワースペクトルパターンの低周波数成分と考えることができるので、表面粗さ測定と同様の原理が適用でき、不定形物体または2次元空間光変調器に表示された不定形物体画像の乱雑さを測定することができることを応用した。なお、表面粗さ測定に関する計算方法は文献「最新精密計測技術P.581(S62発行) 」や、「Relation between the angular dependence of scattering and the statistical properties of optical surfaces J.Opt.Soc.Am,V0l69,No.1(1979)31-47」等で詳細に述べられている。
そこで本実施の形態の識別判定装置58では、はじめに、低周波数成分光量の和として信号x1 と信号x2 の和xLが計算され、全光量として信号x1 からx8 の和xAが計算される(ステップ201、202)。そして、式4に示すような演算がされて、特徴パラメータR が算出される(ステップ203、204)。
Figure 2009053200
ここで得られる特徴パラメータR は、表面の粗さ即ち凹凸の量の測定に用いられる式による表面粗さ量と同等であり、光束波面の物質表面での反射による波面の乱れと、液晶パネルに表示された画像による波面の乱れは同様に考えることができるので、特徴パラメータR は、液晶パネル55に表示された不定形物体の像の粗さ、乱雑さを反映したデータになっている。例えば、模様のない一様な画像の場合はパラメータR の値は小さくなり、模様のある画像の場合はパラメータR の値は大きくなる。
このような演算により、リングディテクタからの出力x1 からx8 の他に、R を特徴パラメータとして識別判定に用いることができ、これらの特徴パラメータを要素とする特徴量ベクトルを得ることができる。この特徴量ベクトルを用いて、入力された物体がどのカテゴリーに属するかの判定を行う。この判定は、各々のカテゴリーの不定形物体の特徴パラメータがどのような範囲の値を示すかをあらかじめ実験で調べておくことにより、それらの範囲が複数のカテゴリー間で全てのパラメータについて重なることがない限りは、入力された不定形物体の各パラメータの値があらかじめ調べた範囲内に入るか否かの2値論理の組み合わせから行うことができる。また、あらかじめ学習させて作成した判別用のテーブルを使ってニューロファジー解析や統計的解析を行ってもよい。
これらの識別判定装置内の処理は、通常のノイマン型コンピュータを用いてソフトウェアにより判定機能を実現することができるし、同様の機能を電子回路によりハードウェアにより実現することも容易にできる。さらに、特徴パラメータとして、例えば、出力x1 からx8 をx1 からx8 の和で正規化したようなパラメータや、参考例1で説明したような特徴パラメータを追加することも好適である。また、CCD50で撮像した画像をデジタル画像処理装置に入力して、不定形物体の面積や色などのデータを取得し、これを特徴パラメータとして追加することも好適である。
この実施の形態において、半導体レーザ52、レンズ54、レンズ56から2次元フーリエ変換手段が構成される。リングディテクタ14、検出器17がパワースペクトル検出手段に相当する。識別判定装置58が有している識別判定機能が識別判定手段に対応している。すなわち、図6に示すステップ201乃至204の処理機能と、ステップ204で求めたパラメータに基づいて物体を識別する機能が識別判定手段に対応している。
参考例2
本参考例2が、参考例1と異なる点は、識別判定装置18の処理プログラムだけであるので、その構成図は省略し識別判定装置18の処理について説明する。図8にその処理ステップを示す。この識別判定装置18において、リングディテクタ14の各分割領域の出力x1 〜x8 の底αの対数変換値である信号x'1から信号x'8の値が、受光領域14aから14hをx軸とする仮想グラフ上にプロットされるところまでは前記参考例1と同様である。
仮想グラフの状態は、前記図4と同様になる。そして、参考例1と同様に適当な領域に分割し、各領域毎に回帰直線を計算して傾き及びy 切片を算出してもよいし、領域を分割せずに回帰直線を計算して傾き及びy 切片を算出してもよい(ステップ301〜304)。本参考例では簡単のため領域を分割せずに、回帰直線を計算し傾きa,y 切片b を求める。更に、検出回路18からの信号x1 〜x8 の出力の総和を計算し(ステップ305)、全光量S とする。この全光量S は、対象画像を透過してきた光量全てであり、対象画像の面積を反映したデータで、面積が大きければ全光量S の値は大きくなり、面積が小さければ小さくなる。その後、これらの値を用いて以下の式5に表すような計算を行う(ステップ306)。
Figure 2009053200
上記の式で求められるパラメータR2は、表面の粗さ即ち凹凸の量の測定に用いられる式による表面粗さ量と同等と考えられる。以下に理由を説明する。
対象とする表面の凹凸或いは画像情報を f(x) とし、 f(x)のフーリエ変換を F(x) とすると、f(x)のコンボリューション G(τ) は、パワースペクトルパターンのフーリエ変換と等しいので、
Figure 2009053200
また、表面粗さ測定で用いられる表面粗さ量 Rrms の定義より、測定範囲を Lとすると、
Figure 2009053200
となる。
参考例1で述べたようにMandelbrotらによると一般にf(x)のパワースペクトルは、AK-2d の形をしており、式1のように表現できる。
式1に基づき、式6を変形しτ=0 を代入すると、
Figure 2009053200
となる。ここでεは零に近い空間周波数である。式7より、
Figure 2009053200
となる。ここで式1の底αの対数を取った式2について考えると、左辺はパワースペクトルパターンの対数変換されたものであり、-2d が直線の傾きa, logαA が直線の y切片b と考えることができる。即ち、
Figure 2009053200
Figure 2009053200
従って、式10,11を式9に代入すると、
Figure 2009053200
となる。ここでεa+1 について考える。解析されるのは2次元の画像情報であるので、フラクタル次元d の値は1 〜2 になり、このときε-1 〜ε-3 の間の値をとる。このとき、複雑度が大きい場合d=1 に近づき、Rrmsも複雑度が大きいということで値が大きくなるが、このときεa+1 も値が大きくなり、Rrmsの変化する方向には一致している。同様にして複雑度が小さくなる場合も考えることができる。従って、厳密なRrmsとの値とはずれるが、εa+1 を定数項として考えて式を書き直しても、Rrms値を反映した値を表す式として式13を使用しても識別分類には問題はない
Figure 2009053200
フラクタル次元の絶対値が小さいほど複雑性が増し、Rrmsが大きくなる。また、粗さが同じ場合、αb /Lという量は大きさに従うy 切片の増加量を大きさ自体でキャンセルする方向になるので、比較的大きさ或いは面積によらない量にすることができる。式5では、a+1の箇所がaになっており、Rrmsの値が変わってしまうが、識別分類には影響はない。更にまた、本実施の形態のような場合は対象が2次元であるので、測定範囲はL2 となって面積になる。よって、画像の面積を反映したデータである全光量S を使えば、式5と同様になる。
このようにして、画像のパワースペクトルパターンの対数変換パターンの回帰直線の傾きとy 切片から、対象画像の粗さを反映したパラメータR2を得ることができる。
以下は、参考例1および実施の形態で述べた処理と同様にして、不定形物体の識別判定を行うことができる。
ここで、本実施の形態では、全光量S を画像の面積を反映するデータとして計算に用いたが、CCDカメラなどで撮像した画像をデジタル画像処理装置などで解析して不定形物体の面積を求めて、本実施例の計算に用いても好適である。
本参考例2において、2次元フーリエ変換手段、パワースペクトル検出手段は実施の形態1とおなじ構成である。そして識別判定装置18が有している各機能がパワースペクトル変換手段、回帰演算手段、面積関連演算手段および識別判定手段にそれぞれ対応している。すなわち、図8のステップ301がパワースペクトル変換手段に対応し、ステップ302乃至304が回帰演算手段に対応し、ステップ305が面積関連演算手段に対応し、ステップ306が識別判定手段に対応している。
以上の各参考例および実施の形態の装置により白血球の分類を行った場合、従来装置と比較すると次のような結果が得られる。すなわち、識別判定に用いられるパラメータの違いから、例えば単球と大リンパ球のカテゴリ間/標準偏差は次の表1のようになる。
Figure 2009053200
また、本発明により、どのような細胞が識別されるようになったかの具体的例を表2に示す。この例は、17検体から抽出した361個の細胞データによって学習し、11検体から抽出した418個の細胞データのテストにおいて、従来のパラメータの強調2値化高周波規格値による認識率と、今回のパラメータのRMS粗さ(実施の形態)による認識率とを示したものである。
Figure 2009053200
また、上記各参考例および実施の形態におけるパラメータ、すなわちフラクタル次元、RMS粗さ、フラクタルRMS粗さによれば、従来不可能であった細胞の核の内部構造の画像の特徴を定量化することができる。このため、核の内部構造を表現するのに、例えば網状配列では「緻密」、「疎荒」、顆粒状配列では「繊細」、「粗大」などと定性的に呼ばれ、その基準が人によって異なっていたものを、定量化することができる。したがって白血病の診断における異常血球の分類において、細胞の特徴を客観的に表現することができる。
また、上記各参考例および実施の形態において、試料5は移動する試料台4に載置されて、観測されるようにしたが、特願平8-15281 号に記載されているように、試料5を染色してフローセルに送り、更にシース液をフローセルに送ってシースフローを形成し、これを観測するようにしても良い。
また、上記各参考例および実施の形態のそれぞれにおいて、特願平9-80050 号、特願平9-107162号に記載されているように、色相、彩度などの色情報のパラメータを加えて識別判定を行うようにしても良い。更に、このようなパラメータは、識別の対象カテゴリに応じて適宜組み合わせて用いるなら一層正確な識別を行うことができる。
また、上記各参考例および実施の形態においては、2次元フーリエ変換は光学的手段により求めるようにしたが、画像のデジタルデータを用いて計算により求めるようにしても良い。
本発明の物体識別装置の参考例1の構成図。 リングディテクタの構成を示す図。 参考例1の動作を説明するためのフローチャート。 参考例1の物体識別装置の識別判定装置内で演算する仮想グラフの説明図。 本発明の物体識別装置の実施の形態を示す構成図。 実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。 本発明の物体識別装置に関連した光学系表面粗さ測定の一例を示す構成図。 参考例2の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
2、7 ビームスプリッタ
3、6、8、54、56 レンズ
4 試料台
9 マスク
10 フォトディテクタ
11、52 半導体レーザ
14 リングディテクタ
15 検出回路
16 試料台駆動回路
17 検出回路
18、58 識別判定装置
55 液晶パネル

Claims (2)

  1. 識別すべき物体の像を2次元フーリエ変換する2次元フーリエ変換手段と、
    前記2次元フーリエ変換手段により2次元フーリエ変換された信号のパワースペクトルを検出するパワースペクトル検出手段と、
    前記パワースペクトル検出手段により検出されたパワースペクトルにおける低周波数成分光量、全周波数成分光量に基づいて前記物体を識別する識別判定手段とを有することを特徴とする物体識別装置。
  2. 前記識別判定手段は、前記全周波数成分光量に対する前記低周波数成分光量の比の対数値の−1乗の平方根を演算する演算手段を有することを特徴とする請求項1記載の物体識別装置。
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