JP2008032656A - バイオチップ用フィルター、およびバイオチップ用フィルターの製造方法、ならびにバイオチップ用フィルターを用いたバイオチップ - Google Patents

バイオチップ用フィルター、およびバイオチップ用フィルターの製造方法、ならびにバイオチップ用フィルターを用いたバイオチップ Download PDF

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勝之 小野
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宗生 原田
Katsuya Okumura
勝弥 奥村
Makoto Mihara
誠 三原
Mutsuhiko Yoshioka
睦彦 吉岡
Katsuhiko Hieda
克彦 稗田
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    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/551Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being inorganic
    • G01N33/552Glass or silica

Abstract

【課題】フィルターの強度、耐久性を向上し、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能なバイオチップ用フィルター、およびバイオチップ用フィルターの製造方法、ならびにバイオチップ用フィルターを用いたバイオチップを提供する。
【解決手段】基板部を構成するシリコンなどの金属基板からなるフィルター本体と、フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられたバイオチップ用フィルターであって、フィルターが、シリコンなどの金属から形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるバイオチップ用フィルター、およびバイオチップ用フィルターの製造方法、ならびにバイオチップ用フィルターを用いたバイオチップに関する。
目的とする塩基配列を有する核酸を精度良く検出するための方法として、この核酸と相補的な配列を有する核酸をプローブとして粒子へ担持させて、このプローブ担持粒子を含む溶液中で、プローブ担持粒子と被検体中の標的物質とを反応させる方法が知られている(特許文献1〜5)。
この方法は、プローブ担持粒子が溶液中に三次元的に分散していることと、プローブ担持粒子と被検体とが相互に移動できることから、反応性が非常に高いという利点がある。例えば、ラテックス粒子表面のプローブに被検体中の標的物質を特異的に反応させ、B/F(Bound form / Free form)分離によって、特異的にプローブに反応し結合した標的物質の内容を解析する検出・同定方法が知られている。
バイオチップには、そのプローブとしてDNAフラグメントまたはオリゴヌクレオチドを固定したDNAチップの他、抗原および抗体等のタンパク、あるいはこれらのタンパクと特異的に反応もしくは相互作用する化学物質を固定したプロティンチップ等もあるが、各種の用途において、よりB/F分離効率が高く、高感度での検出・同定が可能なバイオチップが求められている。
このようなバイオチップとして、本出願人らは、被検体、洗浄液などの液体を通過させると共にプローブ担持粒子を通過させないバイオチップ用フィルターを用いる技術を、特許文献6(特開2005−148048号公報)に開示している。
すなわち、この特許文献6に開示されるバイオチップ用フィルターは、バイオチップ用フィルターの製造方法として、組成の異なる複数の材質からなるプレート、例えば、アルミ/アルミナ、金属シリコン/シリカ、あるいは金属チタン/チタニアなどについて、それぞれ両側からパターンエッチングを行うことにより、フィルターとウェルを形成する方法が開示されている。
具体的には、例えば、アルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物層について、この金属酸化物層と金属層との境界までをエッチングしてフィルターを形成し、次いで、アルミ、金属シリコン、金属チタンなどの金属層について、この金属層と金属酸化物層との境界までエッチングすることにより、ウェルとフィルターとが接合したバイオチップ用フィルターを作製できることが開示されている。
この特許文献6のバイオチップ用フィルターの製造方法を示せば、概略下記のような方法である。
すなわち、先ず、図8(A)に示したように、シリコン基板本体101の両面に、例えば、2μm程度の膜厚のSiO2の熱酸化膜102、104が形成された膜厚300μm程
度のシリコン基板100を準備する。
そして、図8(B)に示したように、このシリコン基板100のSiO2の熱酸化膜1
02の上面に、レジスト膜106を形成して、フォトリソグラフィーによって、フィルターの細孔(hole)に対応する凹部108パターンを形成する。
次に、図8(C)に示したように、この凹部108を介して、SiO2の熱酸化膜10
2をエッチング除去することによって、SiO2の熱酸化膜102の部分に、フィルター
の細孔に対応する凹部110を形成する。そして、図8(D)に示したように、レジスト膜106を剥離する。
そして、天地を逆にした状態で、図9(A)に示したように、シリコン基板本体101のSiO2の熱酸化膜104の上面に、レジスト膜112を形成して、フォトリソグラフ
ィーによって、ウェルに対応する凹部114パターンを形成する。
次に、図9(B)に示したように、この凹部114を介して、SiO2の熱酸化膜10
4をエッチング除去することによって、SiO2の熱酸化膜104の部分に、ウェルとな
る凹部116を形成する。そして、図9(C)に示したように、レジスト膜112を剥離する。
そして、図9(C)に示したように、SiO2の熱酸化膜104の部分をマスクとして
、露出したシリコン基板本体101の部分をエッチング除去することによって、ウェル124を形成する。
次に、図10(A)に示したように、SiO2の熱酸化膜104に、ダイシングテープ
128を貼着した後、図10(B)に示したように、ダイシングを行うことによって、個々のバイオチップ用フィルター130に分断する。
そして、図11(A)に示したように、ダイシングテープ128をエキスパンドすることによって外方に引っ張って、ダイシングテープを昇温することによって、ダイシングテープ128から各チップを剥離して、個々のバイオチップ用フィルター130に分離する。
これによって、図11(B)に示したように、基板部を構成するシリコン基板本体101からなるフィルター本体130と、フィルター本体130に設けられた複数の凹部を形成するウェル124と、ウェル124の底面を構成し、複数の貫通した細孔110が形成されたフィルター136が設けられたバイオチップ用フィルター130が得られる。
なお、図8〜図11では、説明の便宜上、1つのウェル124を示しているが、実際には、複数のウェル124が一定間隔離間して形成されている。
米国特許第5,736,330号公報 特開昭62−81566号公報 特公平7−54324号公報 特開平11−243997号公報 特開2000−346842号公報 特開2005−148048号公報
しかしながら、このような特許文献6に開示される従来のバイオチップ用フィルター1
30では、フィルター136が、例えば、アルミナ膜、シリカ(シリコン酸化膜)、チタニアなどのガラス成分である金属酸化物層で構成され、ある程度、強度、耐久性を有するものであるが、このフィルター136の厚さは、例えば、約1〜10μmの厚さであり極めて薄い。このため、洗浄液を流す時の液体の圧力をより高めた場合であってもフィルターの破損等を回避できるより強度、耐久性を向上したバイオチップ用フィルターが求められている。
本発明は、このような現状に鑑み、従来のバイオチップ用フィルターよりも、さらに、フィルターの強度、耐久性を向上し、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能なバイオチップ用フィルター、およびバイオチップ用フィルターの製造方法、ならびにバイオチップ用フィルターを用いたバイオチップを提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、
基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられ、
前記フィルターが、金属から形成されているバイオチップ用フィルターを製造する方法であって、
金属基板と、金属基板の上面に形成した金属酸化物層と、金属酸化物層の上面に形成した金属薄膜層とからなるウェーハを用いて、
前記金属酸化物層を介して、上下面から金属薄膜層と金属基板の一部をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、金属から形成されたフィルターとを形成することを特徴とする。
このように構成することによって、金属酸化物層を介して、上下面から金属薄膜層と金属基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、金属から形成されたフィルターとが形成できる。
従って、複雑な工程となることなく、簡単に、金属から形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、
前記金属基板と、金属基板の上面に形成した金属酸化物層と、金属酸化物層の上面に形成した金属薄膜層とからなるウェーハを用いて、
前記ウェーハの金属薄膜層の一部をエッチング除去することによって、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成する凹部形成工程と、
前記ウェーハの金属基板をエッチング除去することによって、前記金属酸化物層を介して、前記凹部に対峙するようにウェルを形成するウェル形成工程と、
前記金属酸化物層の一部をエッチング除去して、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成するフィルター形成工程と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、凹部形成工程において、ウェーハの金属薄膜層をエッチング除去することによって、フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成して、ウェル形成工程において、ウェーハの金属基板をエッチング除去することによって、金属酸化物
層を介して、凹部に対峙するようにウェルを形成し、その後、フィルター形成工程において、金属酸化物層をエッチング除去して、フィルターの細孔を形成すべき凹部と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成することができる。
従って、これらの凹部形成工程、ウェル形成工程、およびフィルター形成工程を実施することで、複雑な工程となることなく、簡単に、金属から形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
このように構成することによって、フィルターが、例えば、シリコンなどの金属から形成されているので、例えば、約1〜10μmの厚さであり極めて薄いフィルターの強度、耐久性が、例えば、アルミナ、シリカ(シリコン酸化膜)、チタニアなどの金属酸化物層で構成された従来のフィルターを有するバイオチップ用フィルターに比較して格段に向上することになる。
従って、本発明のバイオチップ用フィルターを、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるバイオチップ用フィルターに適用した場合に、これらのB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定を確実に行うことができる。
また、バイオチップ用フィルターを製造する際にも、フィルターの強度が大きいので、フィルター分が破損損傷することなく、歩留まりが向上し、コストを低減することができる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、
基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられ、
前記フィルターが、金属から形成され、
前記フィルター本体を構成する金属基板が、シリコン基板から構成されているとともに、
前記フィルターを構成する金属が、シリコンであるバイオチップ用フィルターを製造する方法であって、
シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
前記SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層とシリコン基板の一部をそれぞれ
エッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとを形成することを特徴とする。
このように構成することによって、SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層と
シリコン基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとが形成できる。
従って、複雑な工程となることなく、簡単に、シリコンから形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、
前記シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
前記SOIウェーハのシリコン薄膜層の一部をエッチング除去することによって、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成する凹部形成工程と、
前記SOIウェーハのシリコン基板をエッチング除去することによって、前記SiO2
層を介して、前記凹部に対峙するようにウェルを形成するウェル形成工程と、
前記SiO2層の一部をエッチング除去して、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部
と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成するフィルター形成工程と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、凹部形成工程において、SOIウェーハのシリコン薄膜層をエッチング除去することによって、フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成して、ウェル形成工程において、SOIウェーハのシリコン基板をエッチング除去することによって、SiO2層を介して、凹部に対峙するようにウェルを形成し、その後、フィル
ター形成工程において、SiO2層をエッチング除去して、フィルターの細孔を形成すべ
き凹部と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成することができる。
従って、これらの凹部形成工程、ウェル形成工程、およびフィルター形成工程を実施することで、複雑な工程となることなく、簡単に、シリコンから形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、チップ製造コストを低減することが可能である。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、
ウェルパターン部分の前記SiO2層が、エッチング除去されていることを特徴とする
このように構成することによって、ウェルパターンに応じたウェルを正確にかつ効率良く形成することができる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、前記ウェル部におけるシリコン薄膜層の表面が、酸化されていることを特徴とする。
このようにウェル部におけるシリコン薄膜層の表面が、酸化されていれば、表面に付着したパーティクルなどを希釈フッ酸などの溶液で除去しやすくなり製品の歩留まりが向上することになる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、前記フィルターの細孔の孔径に対する深さの比(以下、「アスペクト比」と呼ぶ)が、5以下であることを特徴とする。
このようにフィルターの細孔の孔径に対する深さのアスペクト比が、5以下であれば、細孔の形成におけるエッチングの際に均一な孔径を有する細孔をウェーハ全面に渡って形成することができるという製造上の効果ばかりでなく、液体を細孔を通して排出する場合の液体の流れやすさが実用上問題とならない程度に流れやすくできるなどの効果が得られる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法は、前記ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であることを特徴とする。
このように、ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であれば、ウェル間の金属領域でチップの強度を十分に保つことができる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、
基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられたバイオチップ用フィルターであって、
前記フィルターが、金属から形成されていることを特徴とする。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、
前記フィルター本体を構成する金属基板が、シリコン基板から構成されているとともに、
前記フィルターを構成する金属が、シリコンであることを特徴とする。
このように構成することによって、フィルターが、例えば、シリコンなどの金属から形成されているので、例えば、約1〜10μmの厚さであり極めて薄いフィルターの強度、耐久性が、例えば、アルミナ、シリカ(シリコン酸化膜)、チタニアなどの金属酸化物層で構成された従来のフィルターを有するバイオチップ用フィルターに比較して格段に向上することになる。
従って、本発明のバイオチップ用フィルターを、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるバイオチップ用フィルターに適用した場合に、これらのB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定を確実に行うことができる。
また、バイオチップ用フィルターを製造する際にも、フィルターの強度が大きいので、フィルター部分が破損損傷することなく、歩留まりを向上させ、コストを低減することができる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、
シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
前記SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層とシリコン基板の一部をそれぞれ
エッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとを形成することによって得られたバイオチップ用フィルターであることを特徴とする。
このように構成することによって、SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層と
シリコン基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとが形成できる。
従って、複雑な工程となることなく、簡単に、シリコンから形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フ
ィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、ウェルパターン部分の前記SiO2層が
、エッチング除去されていることを特徴とする。
このように構成することによって、ウェルパターンに応じたウェルを正確にかつ効率良く形成することができる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、前記ウェル部におけるシリコン薄膜層の表面が、酸化されていることを特徴とする。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、前記フィルターの細孔の孔径に対する深さのアスペクト比が、5以下であることを特徴とする。
このようにフィルターの細孔の孔径に対する深さのアスペクト比が、5以下であれば、エッチングの際に均一な孔径を有する細孔を形成することができ、液体の流れやすさも実用上問題が無い程度を維持できる。
また、本発明のバイオチップ用フィルターは、前記ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であることを特徴とする。
このように、ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であれば、十分なチップ強度を実現できる。
また、本発明のバイオチップは、前述のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターを備えることを特徴とする。
また、本発明のバイオチップは、前述のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法で得られたバイオチップ用フィルターを備えることを特徴とする。
本発明によれば、フィルターが、例えば、シリコンなどの金属から形成されているので、例えば、約1〜10μmの厚さであり極めて薄いフィルターの強度、耐久性が、例えば、アルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物層で構成された従来のフィルターを有するバイオチップ用フィルターに比較して格段に向上することになる。
従って、本発明のバイオチップ用フィルターを、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるバイオチップ用フィルターに適用した場合に、これらのB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定を確実に行うことができる。
また、バイオチップ用フィルターを製造する際にも、フィルターの強度が大きいので、フィルター部分が破損損傷することなく、歩留まりが向上し、コストを低減することができる。
さらに、複雑な工程となることなく、簡単に、例えば、シリコンなどの金属から形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明のバイオチップ用フィルターの上面図、図2は、図1のA−A線での断面図、図3は、1つのウェルの拡大平面図、図4は、1つのウェルの部分拡大断面図である。
図1〜図2において、符号10は、全体で本発明のバイオチップ用フィルターを示している。
本発明のバイオチップ用フィルター10は、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるフィルターである。
本発明のバイオチップ用フィルター10は、図1および図2に示したように、矩形平板形状であって、基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体12を備えている。
このフィルター本体12には、その中央部分に、一定間隔離間して、複数の凹部を形成する円柱形状の凹部を形成するウェル14が複数個形成されている。
また、図3および図4に示したように、この1つのウェル14には、ウェル14の底面を構成し、複数の貫通した細孔16が形成されたフィルター18が設けられている。
細孔16は、細孔の大きさによって、被検体と反応したプローブ担持粒子が分離される。
この場合、図3および図4の実施例では、細孔16は、均一な間隔で一定の配列パターンとなるように形成されている。また、細孔16は、均一な孔径を有するストレートな円筒形状の細孔となるように形成されている。
この場合、「均一な孔径」とは、孔径の誤差がCV(Coefficient of Variation)で、20%以下、好ましくは、10%以下であることを意味する。孔径誤差がCV値で20%以下であるような細孔は、後述する方法によって作製可能であり、ウェル14内に収納されるプローブ担持粒子と孔径との寸法差を僅少とすることができる。
このように均一な孔径を有するフィルターにおいて、その細孔(hole)の孔径は、特に限定されないが、通常は、0.01μm〜100μm、好ましくは、0.1μm〜20μm、より好ましくは、0.5μm〜10μmである。
また「均一な孔間隔」とは、孔間隔の誤差が、CV(Coefficient of Variation)値で15%以下であることを意味する。孔間隔には特に限定はないが、孔間隔があまりに狭いとフィルターの強度が弱くなり、また孔間隔があまりに広いと開口率が下がることから、通常は孔径の2倍以下であり、且つ0.5μm〜10μmであることが好ましい。なお、「孔間隔」とは隣接する各孔の間における孔が空いていない部分の最短距離のことである。
また、「ストレート」な細孔とは、細孔が途中で分岐することなく形成されていることを意味する。
例えば、一方のフィルター18の表面18aに形成された開口の中心から他方のフィルター表面への垂線と、この他方のフィルターの表面18bに形成された開口の中心から、一方のフィルターの表面18aへの垂線とが実質的にずれていない細孔であるのが好ましく、且つフィルター18の一次側(上面側)の孔径が二次側(下面側)の孔径と異なっているものであってもよい。
また、細孔16の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円柱、四角錐、多角錐などの形状の貫通孔のようにいずれの形状であってもよいが、メニスカスを最小限にする点から、細孔の貫通方向と垂直な細孔断面の形状は、鈍角形状あるいは円形であることが望ましい。
但し、ウェル14の容積が所定量以上、例えば、0.1マイクロリッター以上の場合には、メニスカスはそれほど問題とならず、四角柱や四角錐などの形状の貫通孔であっても問題ない。
このようにストレートな細孔16とすることにより、フィルター18を形成する細孔長さが最小となるため、細孔壁との接触面積が減少し、濾過に伴う圧送抵抗を最小限とすることができる。
さらに、フィルター18の細孔16の孔径(直径)に対する深さのアスペクト比が、5以下であるのが好ましい。
このようにフィルター18の細孔16の孔径に対する深さのアスペクト比が、5以下であれば、エッチングの際に均一な孔径を有する細孔を形成することができ、細孔を通した液体の流れ安さも確保できることになる。
すなわち、後述するようにエッチングによってフィルター18の細孔16を形成するが、アスペクト比がに大きいと、エッチングによって細孔16の孔径や形状が不均一になる可能性があるからである。これを考慮すれば、通常の化学エッチングで得られるアスペクト比としては、5以下であり、好ましくは、3以下であるのが望ましい。
また、プローブ担持粒子がフィルター18の一次側に堆積して目詰まりを起こした場合であっても、粒子がフィルター18の内部に入り込まずにフィルター18の表面に留まることになる(いわゆる完全閉塞モデルとなる)。この場合、フィルター18二次側から液体を流すことにより(「フラッシング」と言う)、粒子をフィルター18表面から一次側へ容易に離脱・分散させることができる。
このため、フィルター18の目詰まりを再度解消して再生させることができ、フィルター18の寿命を延ばすことができる。
以上のように、フィルター18に均一な孔径を有するストレートな細孔を、均一な孔間隔で形成することによって、プローブ担持粒子は一次側の開口上に配列され、必要に応じて、被検体などの液体を二次側からフラッシングして、粒子を一次側へ分散させることも可能であり、被検体とプローブ担持粒子との反応や検出を容易に行うことができる。
さらに、プローブ担持粒子がフィルター18の二次側に排出されることが許されず、粒子を100%捕捉する必要がある場合には、フィルター18の孔径を、粒子の最小径よりも小さくするように、粒子サイズなどを考慮することで、透過係数と濾過効率を低下させることなく100%の粒子捕捉が可能である。
また、フィルター18の厚さは、好ましくは、1〜10μm、より好ましくは、2〜7μmである。フィルター18の厚さが、10μmよりも大きい場合、液体の濾過時に濾過抵抗が大きくなり、フィルター18の厚さが1μm未満である場合、フィルター18の機械的な強度が不足する。
さらに、フィルター18の開口率は、好ましくは、15〜60%、より好ましくは、20〜50%である。開口率が15%未満である場合、濾過効率が低下し、開口率が60%よりも大きい場合、フィルター18の機械的な強度が不足する。
一方、フィルター18周辺部には、図3および図4に示したように、細孔16が形成されていない部分があり、フィルター本体12と連結されていることが、機械的な強度の面では好ましい。
また、この実施例では、ウェル14の径と高さには、特に限定はなく、必要な粒子の個数と反応容積にしたがって、任意に設定可能である。例えば、ウェル径は0.5mmの円柱形状の穴、高さは0.3mm程度である。
また、ウェル14の相互の間の距離が、0.05mm以上であり、好ましくは、0.1mm以上であるのが望ましい。
このような範囲にウェル14の相互の間の距離があれば、実使用に耐えるチップ強度を実現することができる。
さらに、ウェル14の形状も特に限定されるものではなく、例えば、円柱、四角錐、多角錐などの形状の凹部のいずれの形状であってもよいが、メニスカスを最小限にするためにウェル14の貫通方向と垂直な細孔断面の形状は、鈍角形状あるいは円形であることが望ましい。
また、この実施例では、複数のウェル14を有するバイオチップ用フィルター10としたが、単一のウェル14を有するバイオチップ用フィルター10とすることももちろん可能であって、ウェル14の数、配置形状は特に限定されるものではない。
また、複数のウェル14を有するバイオチップ用フィルター10では、これらのウェル14の径は、必ずしも同一である必要はなく、収納する粒子の数や反応容積を考慮して、異なる径のウェル14を設けることも可能である。
本発明のバイオチップ用フィルター10のフィルター18は、金属から形成されており、この場合、金属としては、例えば、シリコン(Si)などを使用することができる。
この場合、フィルター18を金属から構成するには、金属基板と、金属基板の上面に形成した金属酸化物層と、金属酸化物層の上面に形成した金属薄膜層とからなるウェーハを用いればよい。そして、金属酸化物層を介して、上下面から金属薄膜層と金属基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェル14と、ウェル14の底面を構成し、複数の貫通した細孔16が形成され、金属から形成されたフィルター18とを形成すればよい。
このように構成することによって、金属酸化物層を介して、上下面から金属薄膜層と金属基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、金属から形成されたフィルターとが形成できる。
従って、複雑な工程となることなく、簡単に、金属から形成されたフィルターを備えたバイオチップ用フィルターを製造することができ、しかも、製造工程においても、フィルターの破損損傷がなく歩留まりが向上し、コストを低減することが可能である。
例えば、シリコンの場合には、後述するように、シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いればよい。そして、SiO2層を介して、上下面
からシリコン薄膜層とシリコン基板をそれぞれエッチング除去することによって、ウェル14と、ウェル14の底面を構成し、複数の貫通した細孔16が形成され、シリコンから形成されたフィルター18とを形成すればよい。
この場合、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハは、2枚の基板を構成する単結晶シリコンの表面に熱酸化膜を形成し、2枚のSi基板を熱酸化膜を介して張り合わせ、片側からSi基板を所望の厚みにエッチングすることにより、SOI基板構造を得ることができる(張り合わせ法によるSOI基板の作製方法)。
一方、フィルター本体12は、このようにウェル14と、フィルター18とを作製する場合に、後述するように、同時に形成されるものであるので、フィルター18と同一の材料より構成されるものである。しかしながら、フィルター本体12は、フィルター18と同一の材料より構成されるものに限定されるものではない。
このように構成することによって、フィルター18が、例えば、シリコンなどの金属から形成されているので、例えば、約1〜10μmの厚さであり極めて薄いフィルターの強度、耐久性が、例えば、アルミナ、シリカ、チタニアなどの金属酸化物層で構成された従来のフィルターを有するバイオチップ用フィルターに比較して格段に向上することになる。
従って、本発明のバイオチップ用フィルター10を、例えば、核酸、タンパク質などのバイオプローブを担持した粒子と、被検体中の標的物質とを反応または相互作用させる工程と、粒子を洗浄する工程とを含む標的物質のB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定などを行うためのバイオチップに用いられるバイオチップ用フィルターに適用した場合に、これらのB/F分離や、被検体中の標的物質とバイオプローブとの反応または相互作用の光学的手段等による検出・同定を確実に行うことができる。
また、バイオチップ用フィルター10を製造する際にも、フィルター18の強度が大きいので、フィルター部分が破損損傷することなく、歩留まりが向上し、コストを低減することができる。
以下に、このように構成される本発明のバイオチップ用フィルター10の製造方法について、フィルター18が、シリコンである場合を例として、図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図5(A)に示したように、シリコン基板20と、シリコン基板20の上面に形成したSiO2層21と、このSiO2層21の上面に形成したシリコン薄膜層22とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハ23を準備する。
なお、この場合、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハは、基板を構成する単結晶シリコン基板の表面に熱酸化膜を形成し、2枚のSi基板を熱酸化膜を介して張り合わせ、片側からSi基板を所望の厚みにエッチングすることによりSOI基板構造を用いる。
この場合、シリコン基板20の厚さは、ウェル14の深さの大部分を構成するものであり、例えば、300μm程度であるのが望ましい。また、シリコン薄膜層22は、フィルター18を構成するものであるので、好ましくは、1〜20μm、より好ましくは、2〜5μmであるのが望ましい。さらに、SiO2層21は、製造工程の際にエッチングスト
ップ膜などの保護膜として機能するものであり、その厚さは、好ましくは、0.5μm〜10μm、より好ましくは、1μm〜2μmであるのが望ましい。
そして、図5(B)に示したように、このSOIウェーハ23のシリコン薄膜層22の上面に、フォトリソグラフィーによって、フィルター18の細孔(hole)に対応する凹部
パターン25を有するレジスト膜24を形成する(凹部形成工程)。
次に、図5(C)に示したように、このレジスト層24をマスクとして、シリコン薄膜層22をエッチング除去することによって、シリコン薄膜層22の部分に、フィルターの細孔に対応する凹部26を形成する。
この場合、エッチングとしては、フッ素系ガスによる反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いればよい。この際には、SiO2層21が、ドライエッチングによってエッ
チングされないので、Si層22の厚みに対応した所定の深さの凹部26が形成されることになる。
そして、図5(D)に示したように、レジスト膜24を剥離する。
そして、天地を逆にした状態で、図6(A)に示したように、SOIウェーハ23のシリコン基板20の上面に、レジスト膜28を形成して、フォトリソグラフィーによって、ウェル14に対応する凹部29パターンを有するレジストマスク層28を形成する。
そして、図6(B)に示したように、レジスト膜28の部分をマスクとして、露出したシリコン基板20の部分をエッチング除去することによって、ウェル14を形成する(ウェル形成工程)。
この場合、シリコンエッチングとしては、フッ素系ガスによるドライエッチング方法(RIE法)を用いればよい。この際には、SiO2層21が、ドライエッチングによって
エッチングされないので、所定の深さのウェル14が形成されることになる。
そして、図6(C)に示したように、SiO2層21をエッチング除去する。
次に、図7(A)に示したように、シリコン基板20の下面に、ダイシングテープ34を貼着した後、図7(B)に示したように、ダイシングを行うことによって、個々のバイオチップ用フィルター10に分断する。
この場合、ダイシングとしては、ダイシングカッターによるダイシングなどを用いることができる。
そして、図7(C)に示したように、ダイシングテープ34を昇温しながらエキスパンドすることによって外方に引っ張って、ダイシングテープ34と個々のチップを剥離して、個々のバイオチップ用フィルター10に分離する。
これによって、図7(D)に示したように、基板部を構成するシリコン基板20からなるフィルター本体12と、フィルター本体12に設けられた複数の凹部を形成するウェル14と、ウェル14の底面を構成し、複数の貫通した細孔16が形成されたシリコンからなるフィルター18が設けられたバイオチップ用フィルター10が得られる。
なお、図5〜図7では、説明の便宜上、1つのウェル14を示しているが、実際には、複数のウェル14が一定間隔離間して形成されている。
また、ウェル14の部分におけるシリコン薄膜層22の表面が、酸化されているのが好ましい。このようにウェル14の部分におけるシリコン薄膜層22の表面が、酸化されていればシリコン薄膜層22の表面に付着するパーティクルなどの異物を例えば希釈フッ酸などの溶液で容易にリフトオフ除去することができる。この酸化方法としては、熱酸化法を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、張り合わせ法を用いたSOI(Silicon On Insulator
)ウェーハを用いた例について説明したが、SIMOX法で形成したSOIウェーハなども使用可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図1は、本発明のバイオチップ用フィルターの上面図である。 図2は、図1のA−A線での断面図である。 図3は、1つのウェルの拡大平面図である。 図4は、1つのウェルの部分拡大断面図である。 図5は、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図6は、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図7は、本発明のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図8は、従来のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図9は、従来のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図10は、従来のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。 図11は、従来のバイオチップ用フィルターの製造方法を示す工程概略図である。
符号の説明
10 バイオチップ用フィルター
12 フィルター本体
14 ウェル
16 細孔
18a、18b 表面
20 シリコン基板
21 SiO2
22 シリコン薄膜層
23 ウェーハ
24 レジスト膜
25 凹部
26 凹部
28 レジスト膜
29 凹部
34 ダイシングテープ
100 シリコン基板
101 シリコン基板本体
102 熱酸化膜
104 熱酸化膜
106 レジスト膜
108 凹部
110 凹部
112 レジスト膜
114 凹部
116 凹部
124 ウェル
128 ダイシングテープ
130 バイオチップ用フィルター
136 フィルター

Claims (17)

  1. 基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
    前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
    前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられ、
    前記フィルターが、金属から形成されているバイオチップ用フィルターを製造する方法であって、
    金属基板と、金属基板の上面に形成した金属酸化物層と、金属酸化物層の上面に形成した金属薄膜層とからなるウェーハを用いて、
    前記金属酸化物層を介して、上下面から金属薄膜層と金属基板の一部をそれぞれエッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、金属から形成されたフィルターとを形成することを特徴とするバイオチップ用フィルターの製造方法。
  2. 前記金属基板と、金属基板の上面に形成した金属酸化物層と、金属酸化物層の上面に形成した金属薄膜層とからなるウェーハを用いて、
    前記ウェーハの金属薄膜層の一部をエッチング除去することによって、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記ウェーハの金属基板をエッチング除去することによって、前記金属酸化物層を介して、前記凹部に対峙するようにウェルを形成するウェル形成工程と、
    前記金属酸化物層の一部をエッチング除去して、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成するフィルター形成工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  3. 基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
    前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
    前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられ、
    前記フィルターが、金属から形成され、
    前記フィルター本体を構成する金属基板が、シリコン基板から構成されているとともに、
    前記フィルターを構成する金属が、シリコンであるバイオチップ用フィルターを製造する方法であって、
    シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
    前記SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層とシリコン基板の一部をそれぞれ
    エッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとを形成することを特徴とするバイオチップ用フィルターの製造方法。
  4. 前記シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
    前記SOIウェーハのシリコン薄膜層の一部をエッチング除去することによって、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記SOIウェーハのシリコン基板をエッチング除去することによって、前記SiO2
    層を介して、前記凹部に対峙するようにウェルを形成するウェル形成工程と、
    前記SiO2層の一部をエッチング除去して、前記フィルターの細孔を形成すべき凹部
    と、ウェルを連通させて、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターを形成するフィルター形成工程と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  5. ウェルパターン部分の前記SiO2層が、エッチング除去されていることを特徴とする
    請求項3から4のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  6. 前記ウェル部におけるシリコン薄膜層の表面が、酸化されていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  7. 前記フィルターの細孔の孔径に対するフィルターの厚さの比が、5以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  8. 前記ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターの製造方法で得られたバイオチップ用フィルターを備えることを特徴とするバイオチップ。
  10. 基板部を構成する金属基板からなるフィルター本体と、
    前記フィルター本体に設けられた凹部を形成するウェルと、
    前記ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成されたフィルターが設けられたバイオチップ用フィルターであって、
    前記フィルターが、金属から形成されていることを特徴とするバイオチップ用フィルター。
  11. 前記フィルター本体を構成する金属基板が、シリコン基板から構成されているとともに、
    前記フィルターを構成する金属が、シリコンであることを特徴とする請求項10に記載のバイオチップ用フィルター。
  12. シリコン基板と、シリコン基板の上面に形成したSiO2層と、SiO2層の上面に形成したシリコン薄膜層とからなるSOI(Silicon On Insulator)ウェーハを用いて、
    前記SiO2層を介して、上下面からシリコン薄膜層とシリコン基板の一部をそれぞれ
    エッチング除去することによって、ウェルと、ウェルの底面を構成し、複数の貫通した細孔が形成され、シリコンから形成されたフィルターとを形成することによって得られたバイオチップ用フィルターであることを特徴とする請求項11に記載のバイオチップ用フィルター。
  13. ウェルパターン部分の前記SiO2層が、エッチング除去されていることを特徴とする
    請求項12に記載のバイオチップ用フィルター。
  14. 前記ウェル部におけるシリコン薄膜層の表面が、酸化されていることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載のバイオチップ用フィルター。
  15. 前記フィルターの細孔の孔径に対する深さのアスペクト比が、5以下であることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載のバイオチップ用フィルター。
  16. 前記ウェル相互の間の距離が、0.05mm以上であることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載のバイオチップ用フィルター。
  17. 請求項10から16のいずれかに記載のバイオチップ用フィルターを備えることを特徴とするバイオチップ。
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