JPWO2005028143A1 - 連続鋳造鋳型及び銅合金の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又は嵩密度1.92を超えるグラファイト材料を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。あるいは、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。また、この鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜き振動数よりも少なくとも2桁以上大きい振動数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を鋳型に付与するか、鋳型と凝固殻間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とするCu合金の連続鋳造方法。

Description

本発明は、連続鋳造鋳型及びCu合金の連続鋳造法に係る。特に、保持炉と鋳型が直結した直結型連続鋳造機に用いられる鋳型と、この鋳型を用いてなるCu合金の連続鋳造法に係る。
近年のITブーム、中でも、携帯電話や携帯パソコン、あるいは自動車の電装化の動きの中にあって、リードフレーム、端子、コネクタ−、ばね、あるいは接点素子などの電気電子部品に用いられるCu合金の高性能化がますます重要になってきている。代表的な要求特性は、第1に軽量化のための高強度化であり、第2に、軽量化に伴う断面積減少による電気抵抗上昇を抑えるための高導電性化である。一方では部品のダウンサイジングに伴う曲げ加工等の加工性の向上や、比較的過酷な環境でも使用に耐えるための耐熱性の向上、あるいは耐疲労強度の向上なども、併せて重要な課題となっている。
このような高強度かつ高導電性材料は、耐摩耗性等の従来の工具に求められる性能に加えて、優れた耐火花発生性も要求される弾薬庫や炭坑と言った環境下で用いられる安全工具材料にも適用することができる。このような材料としては、例えば、特許文献1にCu合金の例がある。
Cu合金の連続鋳造は、大別して次の2種の方法で実施される。
第1の方法は、保持炉に直結したグラファイト材料製の鋳型を用いた直結型連続鋳造(水平型、垂直型などがある)である。直結型連続鋳造では、潤滑剤の供給が極めて難しいため、通常、鋳型材料として自己潤滑性と高熱伝導性を有する、嵩密度1.7〜1.9のグラファイト材料が用いられる。この方法は、凝固後の冷却過程において高い冷却速度が得られ、しかもその後の溶体化処理や熱間加工といった熱間プロセスを経ないで最終製品に至る、厚みの小さい鋳片を得るために適している。
第2の方法は、特許文献1に記載の溶湯プールに浸漬したノズルを介して、CuあるいはCu合金に代表される金属材料あるいは合金材料製の鋳型に注湯する非直結型連続鋳造(垂直型、湾曲型、垂直−湾曲型などがある)である。非直結型連続鋳造では、鋳型内の溶湯プールにノズルを浸漬するため、鋳造できる鋳片厚みは約100mm以上の比較的大きなものに限定される。この方法は、凝固後の冷却過程において冷却速度が低いため、最終製品に至るまでに溶体化処理や熱間加工といった熱間プロセスを必須とする。
これら2種の連続鋳造方法の中から、必要とする合金組成、鋳片断面形状、冷却速度などに応じ適切な方法が選択されている。一般に、高い冷却速度を必要とする場合やCu合金がグラファイト材料中のCとの反応性が高い元素を含有しない場合には、前者(直結型)が採用され、大断面サイズの鋳片を必要とする場合やCu合金がグラファイト材料中のCとの反応性が高い元素を含有する場合には後者(非直結型)が採用されることが多い。
特開昭61−250134号公報
本発明の第1の目的は、Zr、Ti、Cr等のCと反応しやすい合金元素を含むCu合金の直結型連続鋳造に適する連続鋳造用鋳型を提供することである。そして、本発明の第2の目的はその鋳型を用いたCu合金の連続鋳造法を提供することにある。なお本発明における連続鋳造鋳型はCu合金以外の材料、特に非鉄金属材料の連続鋳造に対しても大きな効果が得られる。
高強度化と高導電性化を目指した新しいCu合金は、Zr、Ti、CrなどのCと反応しやすい元素を含有する。また、良好な特性発現のために凝固後の冷却過程において高い冷却速度を要求される。しかしながら、これらの合金では鋳型材料であるグラファイト材料中のCと上記の元素との反応に起因する、次に示す問題があることが分かった。
すなわち、上記のCu合金を直結型連続鋳造に適用した場合、溶湯中のZr、Ti、CrなどのCと反応しやすい元素とグラファイト材料中のCとが反応する結果、初期形成した凝固殻が鋳型に焼き付き、引き抜き抵抗が著しく増大する。結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能などの問題を引き起こす。このように、直結型連続鋳造の適用が困難であり、それが合金開発そのものの制約にもなっていた。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、初期形成した凝固殻の鋳型への焼き付きを抑制し、かつ凝固後の冷却過程において十分高い冷却速度が得られる連続鋳造鋳型及びそれを用いた連続鋳造方法に係るものであって、次の連続鋳造鋳型(1)〜(5)の発明と、連続鋳造方法(6)〜(14)の発明からなる。以下、それぞれ本発明(1)〜本発明(14)という。なお、これらの発明を総称して本発明ということがある。
(1)少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又は嵩密度1.92を超えるグラファイト材料を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
(2)グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種の部材で又は2種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
(3)自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁部材として、自己潤滑性材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
(4)自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
(5)Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁が、セラミックス材料で被覆されていることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかのCu合金用連続鋳造鋳型。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、連続的に鋳造することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
(7)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
(8)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
(9)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与するとともに、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
(10)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与することを特徴とする、上記(6)のCu合金の連続鋳造方法。
(11)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、上記(6)又は(10)のCu合金の連続鋳造方法。
(12)Cu合金が、質量%で、Cr:0.01〜5%、Ti:0.01〜5%、Zr:0.01〜5%、Nb:0.01〜5%、Ta:0.01〜5%、Al:0.01〜5%、Mo:0.01〜5%、V:0.01〜5%、Co:0.01〜5%、Mn:0.01〜5%、Si:0.01〜5%、Be:0.01〜5%及びHf:0.01〜5%のうちから選ばれた1種又は2種以上の成分を含有することを特徴とする、上記(6)から(11)のいずれかのCu合金の連続鋳造方法。
(13)Cu合金が、さらに、質量%で、下記の第1群から第3群までの群のうち少なくとも1つの群から選ばれた合金成分の1種又は2種以上を総量で0.001〜5質量%含有することを特徴とする、上記(12)のCu合金の連続鋳造方法。
第1群:P、B、Sb、Bi、Pb、Cd、S及びAsのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.001−1質量%
第2群:Sn、Ag、Zn、Ni、Au、Pd、Fe、W、In及びGeのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01−5質量%
第3群:Te、Se、Sr、Tl、Rb、Cs、Ba、Re、Os、Rh、Po、Ga、Tc、Ru、Pd、Ir、Pt及びTaのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01〜3質量%
(14)Cu合金が、さらに、質量%で、Li、Ca、Mg及び希土類元素のうちから選ばれる合金成分の1種又は2種以上を合計で0.001〜2質量%含有することを特徴とする、上記(12)又は(13)のCu合金の連続鋳造方法。
本発明によれば、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる連続鋳造鋳型を提供することができる。また加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。なお、本発明はCu合金以外の材料、特に非鉄金属材料に対しても大きな効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<本発明の鋳型>
本発明に係わる直結型水平連続鋳造の鋳型の例を、第1図〜第7図に示す。いずれの図においても、鋳型はCu合金の溶湯1を収容する保持炉壁2の耐火物に直結している。なお、保持炉壁接続部の保護のために、保持炉壁と鋳型の間にフィード・ノズルなどの接続耐火物を設けてもよい。鋳型内部に冷却水等を流す構造を有する冷却チャンバー5を、鋳型を構成する部材3及び/又は鋳型を構成する他の部材3’の外側に密着させて配し、Cu合金溶湯を一次冷却することによって抜熱し、凝固を進めて鋳片4とする。鋳型を出た後の鋳片4は、水噴射、空気噴射あるいは空気−水混合噴射などによって、二次冷却6がなされる。鋳片4は、引き抜き方向7に引き抜かれる。
本発明に係わる鋳型には、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁の被覆8及び/又は凝固開始位置よりも上流のCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁の被覆9を施されたものがある。
また、鋳型は、複数の部材から構成してもよい。すなわち、鋳型は、鋳型を構成する部材3と、鋳型を構成する他の部材3’から構成されるものであってもよい。
なお、鋳造前の予備加熱時に鋳型内壁面が酸化によって劣化する場合がある。これを防止したいときは、これらの鋳型内壁面の少なくとも凝固開始位置に相当する部分に、金属めっき等の耐酸化性のコーティングを施すのが好ましい。耐酸化性のコーティング材料としては、特に限定されないが、鋳造時に溶湯に容易に溶けてかつ最終製品の特性等に害を及ぼさないものが好ましい。例えば、Cu合金を鋳込む場合には、Cuをコーティング材料とするのが好ましく、その厚さは数μm程度で十分である。
ここで、本発明における凝固開始位置は、次のように定義する。鋳型内部に流入したCu合金は鋳型上流において溶湯であり、鋳型内のある位置で初期凝固殻が形成される。この凝固殻形成位置を凝固開始位置と呼ぶことにする。この凝固開始位置は、保持炉内の溶湯温度、鋳型冷却、引き抜き速度などの鋳造条件によって多少変化する。したがって凝固開始位置とは、引き抜き方向にある程度の幅を持った「凝固殻形成が起こる領域」を指す。
第1図〜第7図は、本発明に係わる直結型水平連続鋳造の鋳型の例を示したものであるが、直結型垂直連続鋳造の鋳型の場合は、これらの図を時計回りに90度回転したようなものとなる。
以下に、本発明に係わるCu合金の連続鋳造鋳型について、(A)〜(E)の類型に分けて、それぞれ詳細に説明する。さらに、これらの鋳型を用いて、Cu合金を連続鋳造する方法についても説明する。
(A)少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又はグラファイト材料を用いることを特徴とするCu合金用連続鋳造鋳型。
図1は、本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型部分を含む、鋳型を構成する部材3に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又はグラファイト材料を用いてなる、Cu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。
少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又はグラファイト材料を用いることによって、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。なお、グラファイト材料としては、嵩密度が1.92を超えるものを用いるのが好ましい。
また、加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。
本発明者らは、従来の嵩密度1.7〜1.9のグラファイト材料を用いた鋳型によって直結型連続鋳造を実施した場合、グラファイト材料表面に存在する多数の開気孔にCu合金溶湯が侵入し、これによって初期形成した凝固殻が鋳型に焼き付き、その結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能に至ることを見い出した。また、Zr、Ti、CrなどのCと反応しやすい元素を含む場合には、さらに溶湯と鋳型との界面に炭化物が生成し、これによっても初期形成した凝固殻が鋳型に焼き付き、その結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能に至ることを見いだした。
そして、この問題を解決するためには、(a)溶湯中の元素と反応しにくい鋳型材料を用いること、又は、(b)表面における開気孔が小さく、その数が非常に少ない鋳型材料を用いることが有効であることが分かった。
すなわち、第1の手段として、鋳型材料と溶湯との反応性の観点からガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いるのが効果的である。
ガラス状カーボン材料はグラファイト材料に比較して酸化しにくく、さらにZr、Ti、Crなどと反応しにくい特性を持ち、よって当該目的を充分に達成することが出来ることを知見した。
金属系自己潤滑性複合材料とは、金属材料マトリックス中にMoS、WS、BN、雲母などのTi、Cr、Zrと反応しにくい自己潤滑性材料を分散、混合させたサーメットを指し、これも当該目的を充分に達成することが出来ることを知見した。
複合材料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば金属材料粉末と自己潤滑性材料粉末を混合して圧縮成型した後に焼結する方法を用いてもよい。
複合材料中の自己潤滑性材料含有量は、特に限定するものではないが、好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは30体積%以上、いっそう好ましくは80体積%以上である。自己潤滑性材料の含有量を多くすれば、耐反応性、潤滑性は向上するが、複合材料の機械的性質、例えば強度、耐熱衝撃性が低下するので85体積%以下に抑えるのが好ましい。
また、自己潤滑性材料とともに複合材料を構成する金属材料としては、特に限定するものではなく、金属材料又は合金材料を用いることができる。Cu合金溶湯と接する鋳型材料であるため、高い融点、高い熱伝導性を持つ金属材料及び又は合金材料を用いるのが好ましい。具体的には、Cu合金、ステンレス鋼、Ni合金、Co合金、W合金などを挙げることができる。
そして、第2の手段として、開気孔のほとんどない高嵩密度グラファイト材料を用いるのが効果的である。種々研究の結果、その嵩密度が1.92を超えれば、かかる目的を充分に達成することが出来ることを知見した。
この鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、(1)鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与すること、及び、(2)鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給すること、のいずれか一方あるいは両方を用いることより、さらに大きな効果が得られる。
なお、上記(1)及び(2)のいずれか一方あるいは両方の対策を講じれば、鋳型を構成する材料として嵩密度が1.92未満のグラファイト材料を用いても、鋳片と鋳型との焼き付きを防止できるため、連続鋳造が可能である。
また、上記(1)及び(2)のいずれか一方あるいは両方の対策を講じた上で、鋳型を構成する材料として嵩密度が1.92を超えるグラファイト材料を用いれば、鋳片と鋳型との焼き付き防止性がさらに向上するため、容易に連続鋳造を行うことができる。
鋳片の間欠引き抜き法は、鋳型の内壁と鋳片間の摩擦抵抗を軽減させ、潤滑性の向上によって、充分に健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。
間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を鋳型に付与すれば、同様の効果がより長時間に亘って得られる。振動数は大きい方が好ましく、好ましくは5000cpm(83Hz)以上、さらに好ましくは超音波領域に近づく60000cpm(1kHz)以上がよい。
鋳型の内壁と鋳片間へ供給する潤滑剤についてはMoS、WS、BN、雲母、カーボンの微粉末、焼き付き防止剤については凝集しにくいCaCOの超微粉末が推奨される。連続供給は上記の微粉末を例えば鉱油、合成エステル、あるいはそれらの混合液中に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を混濁させたものを、加圧ポンプを用いて、鋳型の内壁に多数設けた20μm程度の貫通孔を介して注入する。0.1cc/cm・min程度という発汗程度の注入量で充分な効果が得られる。このような注入は、従来技術では困難であったが、ナノテクノロジーの進歩によって、直径がナノメーター程度の超微粉末が容易に得られるようになったため、可能になった。
(B)グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種の部材で又は2種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
図2は、本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、鋳型を構成する部材3が、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種によって構成され、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁に、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施されているCu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。
グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種によって鋳型本体が構成され、鋳型の内壁が自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料の被覆が施されている鋳型を用いることによって、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。また、加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。
鋳型材料として、グラファイト材料を選択する場合、鋳型材料と被覆膜との密着性を上げるために、Cから構成される緻密な被覆材料、例えば自己潤滑性材料であるガラス状カーボン材料、層状カーボン材料、あるいはダイヤモンド状カーボン材料を選択するのがよい。この被覆膜の表面凹凸はグラファイト材料自体の表面凹凸をほぼ反映するため、出来るだけ嵩密度の高いグラファイト材料を選択するのが望ましい。特に限定するものではないが、嵩密度は、好ましくは1.7以上、さらに好ましくは1.8以上、いっそう好ましくは1.92超である。
セラミックス材料は、酸化物、窒化物、炭化物及び硼化物のうちから選ばれた1種又は2種以上によって構成される無機材料を用いる。特に限定するものではないが、鋳型材料として具備すべき機械的強度、熱伝導性の観点から、BN材料、サイアロン材料(Si、Al、O、Nからなる化合物でSi−AlN−Al−SiO状態図で示される)などが好ましい。
なお熱伝導性の低い材料を用いる場合には、鋳型厚み、すなわち鋳片と冷却チャンバー間の距離を短くする等の方策が好ましい。BNとサイアロンを焼結したセラミックス材料を選択する場合、鋳型材料と被覆膜との密着性を上げるために、窒化物系によって構成される緻密な被覆材料、例えば自己潤滑性材料であるBN材料を選択するのがよい。
金属材料は、特に限定するものではなく、金属材料又は合金材料を用いることができる。Cu合金溶湯と接する鋳型材料であるため、高い融点、高い熱伝導性を持つ金属材料又は合金材料を用いるのが好ましい。具体的には、Cu合金、ステンレス鋼、Ni合金、Co合金、W合金などを挙げることができる。金属材料を選択する場合、鋳型材料と被覆膜との密着性を上げるために、金属系の緻密な被覆材料、例えば金属系自己潤滑性複合材料を選択するのがよい。
金属系自己潤滑性複合材料とは、金属材料マトリックス中にMoS、WS、BN、雲母などのZr、Ti、Crなどと反応しにくい自己潤滑性材料を分散、混合させたサーメットを指す。これを鋳型材料である金属材料あるいは合金材料に無電解鍍金、電気鍍金、あるいは溶射被覆することによって、当該目的を充分に達成することが出来ることを知見した。なお、被膜処理を施した後は、1000番程度のエメリー紙による研磨などによって被覆膜表面を平滑化するのが好ましい。
鍍金あるいは溶射被覆される複合材料(サーメット)中の自己潤滑材料含有量は、特に限定するものではないが、自己潤滑材料含有量を多くすれば耐反応性、潤滑性は向上するが、被膜の耐剥離性が低下するので10〜30体積%程度が好ましい
また、鍍金被覆される複合材料中の金属材料としては、特に限定するものではなく、金属材料又は合金材料を用いることができる。高い融点、高い熱伝導性を持つ金属材料及び又は合金材料を用いるのが好ましい。具体的には、Cu合金、ステンレス鋼、Ni合金、Co合金、W合金などを挙げることができる。
この鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、(1)鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与すること、(2)鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給すること、のいずれか一方あるいは両方を用いることより、さらに大きな効果が得られる。
鋳片の間欠引き抜き法によれば、鋳型の内壁と鋳片間の摩擦抵抗を軽減させ、潤滑性の向上によって、充分に健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。
間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を鋳型に付与すれば、同様の効果がより長時間に亘って得られる。振動数は大きい方が好ましく、好ましくは5000cpm(83Hz)以上、さらに好ましくは超音波領域に近づく60000cpm(1kHz)以上がよい。
鋳型の内壁と鋳片間へ供給する潤滑剤については、前述のとおりである。
(C)自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁部材に、自己潤滑性材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
図3は、本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例を示す、Cu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。鋳型を複数の部材から構成した例であり、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁を構成する部材3と、鋳型を構成する他の部材3’とから構成されている。ここでは、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁を構成する部材3には自己潤滑性材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材が、そして、鋳型を構成する他の部材3’には、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種が用いられている。
このように複数の部材から構成した鋳型、すなわち、鋳型本体がグラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種によって構成され、そして、鋳型の内壁部材が自己潤滑材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材によって構成されていても、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。
また、加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。
ここで鋳型本体として用いるグラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材は、いずれも前述のとおりである。また鋳型の内壁部材については、自己潤滑性材料であるガラス状カーボン材料部材、層状カーボン材料部材、BN材料部材(実施例22)、金属材料マトリックス中にMoS、WS、BN、雲母などのZr、Ti、Crなどと反応しにくい自己潤滑性材料を分散、混合させた金属系自己潤滑性複合材料部材、のいずれを選択してもよい。
(D)金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成する鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
図4は、本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、複数の鋳型部材によって構成され、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁に、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施されているCu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。ここでは、鋳型を構成する部材3及び鋳型を構成する他の部材3’として、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種の部材が用いられている。
鋳型上流部がグラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種の部材によって構成され、かつ鋳型下流部が金属系自己潤滑性複合材料部材又はグラファイト材料部材によって構成されるとともに、Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁に、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料被覆が施されている鋳型を用いることによって、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。また加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。
ここで鋳型部材として用いるグラファイト材料部材、セラミックス材料部材、金属材料部材及び金属系自己潤滑性複合材料部材は、いずれも前述のとおりである。また鋳型の内壁への被覆についても、前述のとおり、自己潤滑性材料であるガラス状カーボン材料、層状カーボン材料、BN材料、金属材料マトリックス中にMoS、WS、BN、雲母などのZr、Ti、Crなどと反応しにくい自己潤滑性材料を分散、混合させた金属系自己潤滑性複合材料、のいずれを選択してもよい。
(E)Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁が、セラミックス材料で被覆されていることを特徴とする、上記(A)〜(D)のいずれかのCu合金用連続鋳造鋳型。
図5に、本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例を示す。このCu合金用連続鋳造鋳型においては、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型部分を含んで鋳型を構成する部材3が金属系自己潤滑性複合材料から構成されるとともに、Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。セラミックス材料の被覆方法は溶射、CVDなど、いずれでもよい。
図6に、本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例でを示す。このCu合金用連続鋳造鋳型においては、鋳型を構成する部材3が金属材料部材によって構成され、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁に金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施され、さらにCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に、溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。セラミックス材料の被覆方法は、上記と同様である。
図7に、本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例を示す。このCu合金用連続鋳造鋳型においては、金属材料部材によって鋳型上流部が構成され、かつグラファイト材料部材によって鋳型下流部が構成されるとともに、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁に金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施され、さらにCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に、溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。セラミックス材料の被覆方法は、上記と同様である。
図5〜7に記載の通り、鋳型上流部が金属材料又は金属系自己潤滑性複合材料によって構成される場合には、該部材と溶湯中のZr、Ti、Crなどとの反応を避けるために、Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁へのセラミックス材料被覆が、より効果的である。耐剥離性の観点から、セラミックスの施工方法として、まず50μm程度の厚さの緩衝材(例えば、Ni鍍金、WC−27重量%NiCr溶射などがある)を被覆し、その上に200μm程度の厚さのセラミックス溶射を被覆する方法が推奨される。耐反応性の観点から、当該Cu合金の鋳造温度1250℃でより安定な酸化物より構成されるセラミックス材料が好ましく、たとえば、ZrO−8重量%Y、ZrO−25重量%MgO、ZrO−5重量%CaOなどが当該Cu合金の付着が皆無であるため、推奨される。なお、被覆施工される鋳型上流部の内壁の一部を予め研削しておき、セラミックス被覆した後で段差がつかないようにした方がより好ましい。
<本発明を適用するCu合金>
本発明法によって、最も効力を発揮する合金系は、Cu−Ti−X系(X:Cr、Fe、Co、Ta、Nb、Mo、V、Mn、Be、Si、Ni、Sn、Agなど)、Cu−Zr−X系(X:Cr、Fe、Co、Ta、Nb、Mo、V、Mn、Be、Si、Ni、Sn、Agなど)、Cu−Ti−Zr系などであるが、もちろん他の合金系に適用しても大きな効果が得られる。上記の成分系の場合には、図8、図9、図10に示すTi−Cr、Zr−Cr、Ti−Zr2元系状態図からも分かるように、凝固後の冷却過程のある高温域で、Ti−Cr化合物、Zr−Cr化合物、あるいは金属Ti、金属Zrや金属Crが生成する。凝固後の冷却過程のある高温域で生成したこれらの化合物や金属は、粗大化あるいは凝集粗大化し易く、状態図からも分かるように、その後の溶体化処理によっても固溶化することは不可能に近い。
本発明法で得た鋳片は、前述の特許文献1にあるような、熱間圧延や溶体化処理と言った熱間プロセスを経ないで、600℃以下での圧延等の加工と150℃〜750℃間での時効処理の組み合わせによって最終製品に至るプロセスを経たときに始めて大きな効力が得られる。すなわち、CuTi、ZrCuなどの、Cuと合金元素間、あるいは合金元素同士間の金属間化合物、あるいは金属Ti、金属Zrや金属Cr等の金属析出物の微細析出によって高強度化し、またそのことによって電気の伝導性に有害なTi、Zr、Cr等の固溶元素を減じて導電性を上げるのである。時効処理前に粗大化合物あるいは粗大析出物が存在していると、十分な析出硬化が得られない。またこれらの粗大粒子の存在は、最終製品の疲労特性や耐衝撃性を低下させる。
凝固後の冷却過程において生成した粗大化合物あるいは粗大析出物は、その固溶化が不可能に近いので、冷却速度を速めて生成を防止せねばならない。凝固開始から600℃までの平均冷却速度は、好ましくは1℃/s以上であり、さらに好ましくは10℃/s以上である。
本発明が適用されるCu合金として、質量%で、Cr:0.01〜5%、Ti:0.01〜5%、Zr:0.01〜5%、Nb:0.01〜5%、Ta:0.01〜5%、Al:0.01〜5%、Mo:0.01〜5%、V:0.01〜5%、Co:0.01〜5%、Mn:0.01〜5%、Si:0.01〜5%、Be:0.01〜5%及びHf:0.01〜5%のうちから選ばれた1種又は2種以上の成分を含有するCu合金がある。
あるいは、これらの成分に加えて、質量%で、下記の第1群から第3群までの群のうち少なくとも1つの群から選ばれた合金成分の1種又は2種以上を総量で0.001〜5質量%含有するCu合金がある。
第1群:P、B、Sb、Bi、Pb、Cd、S及びAsのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.001−1質量%
第2群:Sn、Ag、Zn、Ni、Au、Pd、Fe、W、In及びGeのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01−5質量%
第3群:Te、Se、Sr、Tl、Rb、Cs、Ba、Re、Os、Rh、Po、Ga、Tc、Ru、Pd、Ir、Pt及びTaのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01〜3質量%
あるいは、さらに、質量%で、Li、Ca、Mg及び希土類元素のうちから選ばれる合金成分の1種又は2種以上を合計で0.001〜2質量%含有するCu合金がある。なお、希土類元素は、Sc、Yおよびランタノイドを意味し、それぞれの元素の単体原料を添加してもよく、またミッシュメタルを添加してもよい。
<本発明のCu合金の製造方法>
本発明法での鋳型を用いた連続鋳造に先立ち、所定のCu合金を溶製する。グラファイト材料などによって内張された溶解炉で所定の化学組成の溶湯とする。溶解雰囲気は非酸化性雰囲気下で行うのが望ましい。やむを得ず大気下で溶解する場合には、フラックス(例えば氷晶石、蛍石など)、木炭粉を用いて大気を遮断するのが有効である。この溶湯は取鍋によって、グラファイト材料、アルミナ煉瓦などで内張された保持炉に移される。
本連続鋳造においては、保持炉と鋳型が直結した直結型連続鋳造であれば、水平型、垂直型など、いずれでも構わない。
本発明に係る鋳型は、溶湯との反応性が低く、また潤滑性も良好であるため、本発明のCu合金を製造する際に、操業上の問題は少ない。ただし、鋳型内部の凝固開始位置近傍の内壁は、溶湯との反応や摩耗により徐々に減肉するために、鋳片が引っかかって引き出しにくい状態になることがあり得る。このような場合は、鋳型の冷却条件や引き出し速度等を調整して凝固位置を移動させることによって、均一に減肉させるのが有効な方法となる。
通常、鋳片は間欠引き抜きがなされる。(A)引き抜き−停止パターン、(B)引き抜き−押し戻しパターン、(C)
引き抜き−停止−押し戻しパターン、(D)引き抜き−停止−押し戻し−停止パターンなど、いずれでも構わない。ただし上述の理由によって、凝固後の冷却過程における冷却速度は大きい方が望ましい。特に粗大粒子の生成温度域に対応する二次冷却帯での冷却速度を上げる手だてを講じるのが望ましい。具体的には、鋳型を出た直後の水噴射、空気噴射、あるいは空気−水混合噴射が有効であるが、もちろん他の方法でも構わない。
その後は、600℃以下での圧延等の加工と150〜750℃での時効処理の組み合わせで最終製品に至る。この加工は、勿論、連続鋳造後の冷却過程で行ってもよい。
<実施例A>
2.0±0.1重量%Ti、1.0±0.1重量%Cr、0.4±0.02重量%Sn、0.1±0.01重量%Znを含むCu合金を高周波真空溶解炉で溶解し、表1及び表2に示す種々の製造方法(37種類)で連続鋳造試験を行った。溶解されたCu合金溶湯を、保持炉に移し1250℃に保持しながら、所定の条件で20mm×200mm断面の鋳片を間欠引き抜きした。溶解炉、あるいは保持炉等の耐火物は、それぞれグラファイト材料とした。注湯中の雰囲気は、Nrガス気流による大気遮断とした。いずれの試験においても、鋳型外側にCu合金より成る水冷式冷却チャンバーを配して一次冷却し、鋳型を出た鋳片は空気−水混合噴射によって二次冷却した。測温は基本的には鋳型を出てから熱電対または放射温度計によって行った。一部については、鋳型内壁から5mm外側の位置まで貫通孔を開けて熱電対を挿入することによって鋳型温度を測温し、各鋳型材料の物性値を用いて伝熱計算を行い、凝固開始位置を推定した。以上のデータから、凝固開始から600℃までの平均冷却速度を算出した。表1及び表2に示す試験においては、5±2℃の範囲に冷却速度を制御した。
Figure 2005028143
Figure 2005028143
なお鋳込は完鋳したときに約60m長さとなることを目標にしたが、一部については初期凝固殻による鋳型の型囓りなどによって引き抜き抵抗が異常に上がったものもあり、途中で引き抜きを断念したものもある。鋳片表面品質については目視で疵の有無を判断した。
表1及び表2から分かるように、本発明法ではいずれも完鋳に成功し、品質も良好であるが、比較法では、いずれも完鋳出来ず、品質的にも商用操業に耐えるレベルではなかった。
<実施例B>
実施例Aと全く同様に、表3に示す化学組成のCu合金(34種類)を溶製し、製造条件を変えて連続鋳造試験を行い、実施例Aと全く同様の方法で評価した。表4及び表5にその結果を示す。本発明法ではいずれの鋳型、いずれの鋳造条件、いずれの化学組成においても良好な結果が得られた。これに対して鋳型を変えた比較例では、品質的に満足のいく結果は得られなかった。
Figure 2005028143
Figure 2005028143
Figure 2005028143
<実施例C>
表6に示す合金(3種類)を対象とし、嵩密度1.82のグラファイト材料によって構成される鋳型であって、その内壁にガラス状カーボン材料を被覆した鋳型を用いて、断面が20mm×200mmの鋳片を鋳造し、一次冷却、二次冷却の水量を変えて、凝固開始から600℃までの冷却速度を種々変え、特性に及ぼす冷却速度の影響を調査した。冷却した鋳片は、そのままで、3mmまで冷間圧延、その後400℃で2hrの時効処理を不活性ガス雰囲気下で行い、再び0.5mmまで冷間圧延し、最後に350℃で6hr時効処理した。得られた試験材の導電率と引っ張り試験による引張強度を、次に示す方法によって評価した。
Figure 2005028143
<引張り強度>
上記の供試材からJIS Z 2201に規定される13B号試験片を採取し、JIS Z 2241に規定される方法に従い、室温(25℃)での引張り強さ[TS(MPa)]を求めた。
<導電率>
上記の供試材から幅10mm×長さ60mmの試験片を採取し、試験片の長手方向に電流を流して試験片の両端の電位差を測定し、4端子法により電気抵抗を求めた。続いてマイクロメータで計測した試験片の体積から、単位体積あたりの電気抵抗(抵抗率)を算出し多結晶純銅を焼鈍した標準試料の抵抗率1.72μΩcmとの比から導電率[IACS(%)]を求めた。
比較法である0.5℃/sを下回る冷却速度の場合には、冷延時に割れを生じ、冷延されたとしても強度と導電性とのバランスが悪い。一方、本発明法では両者のバランスが良好であり導電率との関係において高い引っ張り強度を有する。
なお、「導電率との関係において高い引っ張り強度を有する」とは、下記(1)式を満足するような状態を意味する。(以下この状態を「引っ張り強度と導電率のバランスがよい状態」と呼ぶことにする。)
TS≧k10+k11*exp(−k12*IACS)・・・・・(1)
ここで、TS:引張り強度(MPa)、IACS:導電率(%)、
10=648.06、k11=985.48、k12=0.0513
なお、IACSは、純銅多結晶材料の導電率に対する百分率を意味する。
さらに、上記鋳造条件で、凝固開始から600℃までの冷却速度を5℃/sとし、表3に示す合金の特性を同様に評価した結果を表7に示す。その結果、いずれの合金も上記(1)式を満たす強度と導電率のバランスを有し、本発明により良好な結果が得られた。
Figure 2005028143
本発明は、主として保持炉と鋳型が直結した直結型連続鋳造に用いられる連続鋳造鋳型、およびそれを用いたCu合金の連続鋳造法に係る。すなわち、本発明は、健全な鋳片を連続的に能率よく製造できる鋳型を提供し、しかも、加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度や導電性、あるいは耐衝撃性や疲労強度に優れるCu合金の連続鋳造法を提供するものであり、特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の製造に適用したときに大きな効果が得られる。
本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例である。 本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁に、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施されている。 本発明に係わるCu合金用連続鋳造機の一例であり、複数の部材から形成される鋳型を用いている。 本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、複数の鋳型部材によって構成されるとともに、Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁に、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施されているCu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。 本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例を示す。Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。 本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例でを示す。Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁に金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施され、さらにCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に、溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。 本発明に係わる連続鋳造鋳型の他の一例を示す。金属材料部材によって鋳型上流部が構成され、かつグラファイト材料部材によって鋳型下流部が構成されるとともに、Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁に金属系自己潤滑性複合材料の被覆8が施され、さらにCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁に、溶湯との反応抑制を目的としてセラミックス材料による被覆9が施されている。 Ti−Cr合金の状態図である。 Zr−Cr合金の状態図である。 Ti−Zr合金の状態図である。
符号の説明
1:Cu合金の溶湯
2:保持炉壁
3:鋳型を構成する部材
3’:鋳型を構成する他の部材
4:鋳片
5:冷却チャンバー
6:二次冷却
7:引き抜き方向
8:Cu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁への被覆
9:Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁への被覆
10:Cu合金溶湯の凝固開始位置
【0003】
た凝固殻が鋳型に焼き付き、引き抜き抵抗が著しく増大する。結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能などの問題を引き起こす。このように、直結型連続鋳造の適用が困難であり、それが合金開発そのものの制約にもなっていた。
【0012】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、初期形成した凝固殻の鋳型への焼き付きを抑制し、かつ凝固後の冷却過程において十分高い冷却速度が得られる連続鋳造鋳型及びそれを用いた連続鋳造方法に係るものであって、次の連続鋳造鋳型(1)〜(5)の発明と、連続鋳造方法(6)〜(12)の発明からなる。以下、それぞれ、本発明(1)〜本発明(12)という。なお、これらの発明を総称して本発明ということがある。
【0013】
(1)少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
【0014】
(2)グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種の部材で又は2種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
【0015】
(3)自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁部材として、自己潤滑性材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
【0016】
(4)自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
【0017】
(5)Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁が、セラミックス材料で被覆されていることを


【0004】
特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかのCu合金用連続鋳造鋳型。
【0018】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、連続的に鋳造することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
【0019】
(7)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与することを特徴とする、上記(6)のCu合金の連続鋳造方法。
【0020】
(8)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、上記(6)又は(7)のCu合金の連続鋳造方法。
(9)鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、凝固開始から600℃までの冷却速度を0.5℃/sec以上とすることを特徴とする、上記(6)〜(8)のいずれかのCu合金の連続鋳造方法。
【0021】
(10)Cu合金が、質量%で、Cr:0.01〜5%、Ti:0.01〜5%、Zr:0.01〜5%、Nb:0.01〜5%、Ta:0.01〜5%、Al:0.01〜5%、Mo:0.01〜5%、V:0.01〜5%、Co:0.01〜5%、Mn:0.01〜5%、Si:0.01〜5%、Be:0.01〜5%及びHf:0.01〜5%のうちから選ばれた1種又は2種以上の成分を含有することを特徴とする、上記(6)〜(9)のいずれかのCu合金の連続鋳造方法。
【0022】
(11)Cu合金が、さらに、質量%で、下記の第1群から第3群までの群のうち少なくと


【0005】
も1つの群から選ばれた合金成分の1種又は2種以上を総量で0.001〜5質量%含有することを特徴とする、上記(10)のCu合金の連続鋳造方法。
第1群:P、B、Sb、Bi、Pb、Cd、S及びAsのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.001−1質量%
第2群:Sn、Ag、Zn、Ni、Au、Pd、Fe、W、In及びGeのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01−5質量%
第3群:Te、Se、Sr、Tl、Rb、Cs、Ba、Re、Os、Rh、Po、Ga、Tc、Ru、Pd、Ir、Pt及びTaのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01〜3質量%
【0023】
(12)Cu合金が、さらに、質量%で、Li、Ca、Mg及び希士類元素のうちから選ばれる合金成分の1種又は2種以上を合計で0.001〜2質量%含有することを特徴とする、上記(10)又は(11)のCu合金の連続鋳造方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる連続鋳造鋳型を提供することができる。また加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。なお、本発明はCu合金以外の材料、特に非鉄金属材料に対しても大きな効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
<本発明の鋳型>
本発明に係わる直結型水平連続鋳造の鋳型の例を、第1図〜第7図に示す。いずれの図においても、鋳型はCu合金の溶湯1を収容する保持炉壁2の耐火物に直結している。なお、保持炉壁接続部の保護のために、保持炉壁と鋳型の間にフィード・ノズルなどの接続耐火物を設けてもよい。鋳型内部に冷却水等を流す構造を有する冷却チャンバー5を、鋳型を構成する部材3及び/又は鋳型を構成する他の部材3’の外側に密着させて配し、Cu合金溶湯を一次冷却することによって抜熱し、凝固を進めて鋳片4とする。鋳型を出た後の鋳片4は、水噴射、空気噴射あるいは空気−水混


【0006】
合噴射などによって、二次冷却6がなされる。鋳片4は、引き抜き方向7に引き抜かれる。
【0027】
本発明に係わる鋳型には、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型の内壁の被覆8及び/又は凝固開始位置よりも上流のCu合金溶湯に相対する鋳型の内壁の被覆9を施されたものがある。
また、鋳型は、複数の部材から構成してもよい。すなわち、鋳型は、鋳型を構成する部材3と、鋳型を構成する他の部材3’から構成されるものであってもよい。
【0028】
なお、鋳造前の予備加熱時に鋳型内壁面が酸化によって劣化する場合がある。これを防止したいときは、これらの鋳型内壁面の少なくとも凝固開始位置に相当する部分に、金属めっき等の耐酸化性のコーティングを施すのが好ましい。耐酸化性のコーティング材料としては、特に限定されないが、鋳造時に溶湯に容易に溶けてかつ最終製品の特性等に害を及ぼさないものが好ましい。例えば、Cu合金を鋳込む場合には、Cuをコーティング材料とするのが好ましく、その厚さは数μm程度で十分である。
【0029】
ここで、本発明における凝固開始位置は、次のように定義する。鋳型内部に流入したCu合金は鋳型上流において溶湯であり、鋳型内のある位置で初期凝固殼が形成される。この凝固殻形成位置を凝固開始位置と呼ぶことにする。この凝固開始位置は、保持炉内の溶湯温度、鋳型冷却、引き抜き速度などの鋳造条件によって多少変化する。したがって凝固開始位置とは、引き抜き方向にある程度の幅を持った「凝固殻形成が起こる領域」を指す。
【0030】
第1図〜第7図は、本発明に係わる直結型水平連続鋳造の鋳型の例を示したものであるが、直結型垂直連続鋳造の鋳型の場合は、これらの図を時計回りに90度回転したようなものとなる。
【0031】
以下に、本発明に係わるCu合金の連続鋳造鋳型について、(A)〜(E)の類型に分けて、それぞれ詳細に説朋する。さらに、これらの鋳型を用いて、Cu合金を連続鋳造する方法についても説明する。
【0032】
(A)少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いることを特徴とするCu合金用連続鋳造鋳型。


【0007】
【0033】
図1は、本発明に係わる連続鋳造鋳型の一例であり、Cu合金溶湯の凝固開始位置10に相対する鋳型部分を含む、鋳型を構成する部材3に、ガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いてなる、Cu合金用連続鋳造鋳型の概略図である。
【0034】
少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いることによって、健全な鋳片を連続的に能率よく安定して製造することができる。
また、加工・熱処理を経た後の最終製品の特性、例えば強度、導電性、あるいは耐疲労強度に優れる、Cu合金の連続鋳造方法を提供することができる。特に炭化物を生成しやすい元素である、Zr、Ti、Cr、Ta、Vなどを含有するCu合金の鋳造に適用したときに大きな効果が得られる。
【0035】
本発明者らは、従来の嵩密度1.7〜1.9のグラファイト材料を用いた鋳型によって直結型連続鋳造を実施した場合、グラファイト材料表面に存在する多数の開気孔にCu合金溶湯が侵入し、これによって初期形成した凝固殻が鋳型に焼き付き、その結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能に至ることを見い出した。また、Zr、Ti、CrなどのCと反応しやすい元素を含む場合には、さらに溶湯と鋳型との界面に炭化物が生成し、これによっても初期形成した凝固殻が鋳型に焼き付き、その結果として型囓りによる鋳型損耗、さらに鋳片引き抜き不能に至ることを見いだした。
【0036】
そして、この問題を解決するためには、溶湯中の元素と反応しにくい鋳型材料を用いることが有効であることが分かった。
【0037】
すなわち、鋳型材料と溶湯との反応性の観点からガラス状カーボン材料又は金属系自己潤滑性複合材料を用いるのが効果的である。
ガラス状カーボン材料はグラファイト材料に比較して酸化しにくく、さらにZr、Ti、Crなどと反応しにくい特性を持ち、よって当該目的を充分に達成することが出来ることを知見した。
【0038】
金属系自己潤滑性複合材料とは、金属材料マトリックス中にMoS、WS、BN、雲母


【0008】
などのTi、Cr、Zrと反応しにくい自己潤滑性材料を分散、混合させたサーメットを指し、これも当該目的を充分に達成することが出来ることを知見した。
複合材料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば金属材料粉末と自己潤滑性材料粉末を混合して圧縮成型した後に焼結する方法を用いてもよい。
複合材料中の自己潤滑性材料含有量は、特に限定するものではないが、好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは30体積%以上、いっそう好ましくは80体積%以上である。自己潤滑性材料の含有量を多くすれば、耐反応性、潤滑性は向上するが、複合材料の機械的性質、例えば強度、耐熱衝撃性が低下するので85体積%以下に抑えるのが好ましい。
また、自己潤滑性材料とともに複合材料を構成する金属材料としては、特に限定するものではなく、金属材料又は合金材料を用いることができる。Cu合金溶湯と接する鋳型材料であるため、高い融点、高い熱伝導性を持つ金属材料及び又は合金材料を用いるのが好ましい。具体的には、Cu合金、ステンレス鋼、Ni合金、Co合金、W合金などを挙げることができる。
【0039】
【0040】
この鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、(1)鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与すること、及び、(2)鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給すること、のいずれか一方あるいは両方を用いることより、さらに大きな効果が得られる。


【0017】
却速度は大きい方が望ましい。特に粗大粒子の生成温度域に対応する二次冷却帯での冷却速度を上げる手だてを講じるのが望ましい。具体的には、鋳型を出た直後の水噴射、空気噴射、あるいは空気−水混合噴射が有効であるが、もちろん他の方法でも構わない。
【0080】
その後は、600℃以下での圧延等の加工と150〜750℃での時効処理の組み合わせで最終製品に至る。この加工は、勿論、連続鋳造後の冷却過程で行ってもよい。
【0081】
<実施例A>
2.0±0.1重量%Ti、1.0±0.1重量%Cr、0.4±0.02重量%Sn、0.1±0.01重量%Znを含むCu合金を高周波真空溶解炉で溶解し、表1及び表2に示す種々の製造方法(30種類)で連続鋳造試験を行った。溶解されたCu合金溶湯を、保持炉に移し1250℃に保持しながら、所定の条件で20mm×200mm断面の鋳片を間欠引き抜きした。溶解炉、あるいは保持炉等の耐火物は、それぞれグラファイト材料とした。注湯中の雰囲気は、Arガス気流による大気遮断とした。いずれの試験においても、鋳型外側にCu合金より成る水冷式冷却チャンバーを配して一次冷却し、鋳型を出た鋳片は空気−水混合噴射によって二次冷却した。測温は基本的には鋳型を出てから熱電対または放射温度計によって行った。一部については、鋳型内壁から5mm外側の位置まで貫通孔を開けて熱電対を挿入することによって鋳型温度を測温し、各鋳型材料の物性値を用いて伝熱計算を行い、凝固開始位置を推定した。以上のデータから、凝固開始から600℃までの平均冷却速度を算出した。表1及び表2に示す試験においては、5±2℃の範囲に冷却速度を制御した。
【0082】
【表1】


17
【0018】
Figure 2005028143
【0083】
【表2】


18
【0019】
Figure 2005028143
【0084】
なお鋳込は完鋳したときに約60m長さとなることを目標にしたが、一部については初期凝固殻による鋳型の型囓りなどによって引き抜き抵抗が異常に上がったものもあり、途中で引き抜きを断念したものもある。鋳片表面品質については目視で疵の有無を判断した。


19/1
【0022】
Figure 2005028143
【0089】
<実施例C>
表6に示す合金(3種類)を対象とし、嵩密度1.82のグラファイト材料によって構成される鋳型であって、その内壁にガラス状カーボン材料を被覆した鋳型を用いて、断面が20mm×200mmの鋳片を鋳造し、一次冷却、二次冷却の水量を変えて、凝固開始から600℃までの冷却速度を種々変え、特性に及ぼす冷却速度の影響を調査した。冷却した鋳片は、そのままで、3mmまで冷間圧延、その後400℃で2hrの時効処理を不活性ガス雰囲気下で行い、再び0.5mmまで冷間圧延し、最後に350℃で6hr時効


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Claims (14)

  1. 少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型部分に、ガラス状カーボン材料、金属系自己潤滑性複合材料又は嵩密度1.92を超えるグラファイト材料を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
  2. グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた1種の部材で又は2種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
  3. 自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁部材として、自己潤滑性材料部材又は金属系自己潤滑性複合材料部材を用いることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
  4. 自己潤滑性材料部材、金属系自己潤滑性複合材料部材、グラファイト材料部材、セラミックス材料部材及び金属材料部材のうちから選ばれた2種又は3種以上の部材を組み合わせて構成される鋳型であって、少なくともCu合金溶湯の凝固開始位置に相対する鋳型の内壁が、自己潤滑材料又は金属系自己潤滑性複合材料で被覆されていることを特徴とする、Cu合金用連続鋳造鋳型。
  5. Cu合金溶湯に相対する鋳型の内壁が、セラミックス材料で被覆されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか記載のCu合金用連続鋳造鋳型。
  6. 請求項1から5までのいずれか記載の鋳型を用い、鋳片の間欠引き抜き法によって、連続的に鋳造することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
  7. 鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
  8. 鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
  9. 鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与するとともに、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、Cu合金の連続鋳造方法。
  10. 鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳片の間欠引き抜きサイクル数よりも少なくとも2桁以上大きいサイクル数を持ち、かつ引き抜き方向に対し垂直な成分を持つ振動を、鋳型に付与することを特徴とする、請求項6記載のCu合金の連続鋳造方法。
  11. 鋳片の間欠引き抜き法によって、Cu合金を連続的に鋳造するに際し、鋳型の内壁と鋳片間に潤滑剤あるいは焼き付き防止剤を連続的に供給することを特徴とする、請求項6又は10に記載のCu合金の連続鋳造方法。
  12. Cu合金が、質量%で、Cr:0.01〜5%、Ti:0.01〜5%、Zr:0.01〜5%、Nb:0.01〜5%、Ta:0.01〜5%、Al:0.01〜5%、Mo:0.01〜5%、V:0.01〜5%、Co:0.01〜5%、Mn:0.01〜5%、Si:0.01〜5%、Be:0.01〜5%及びHf:0.01〜5%のうちから選ばれた1種又は2種以上の成分を含有することを特徴とする、請求項6から11までのいずれかに記載のCu合金の連続鋳造方法。
  13. Cu合金が、さらに、質量%で、下記の第1群から第3群までの群のうち少なくとも1つの群から選ばれた合金成分の1種又は2種以上を総量で0.001〜5質量%含有することを特徴とする、請求項12に記載のCu合金の連続鋳造方法。
    第1群:P、B、Sb、Bi、Pb、Cd、S及びAsのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.001−1質量%
    第2群:Sn、Ag、Zn、Ni、Au、Pd、Fe、W、In及びGeのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01−5質量%
    第3群:Te、Se、Sr、Tl、Rb、Cs、Ba、Re、Os、Rh、Po、Ga、Tc、Ru、Pd、Ir、Pt及びTaのうちから選ばれた1種又は2種以上を合計で0.01〜3質量%
  14. Cu合金が、さらに、質量%で、Li、Ca、Mg及び希土類元素のうちから選ばれる合金成分の1種又は2種以上を合計で0.001〜2質量%含有することを特徴とする、請求項12又は13に記載のCu合金の連続鋳造方法。
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