JP3096291B1 - 耐磨耗性複合金属材及びその製造方法 - Google Patents
耐磨耗性複合金属材及びその製造方法Info
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Abstract
【要約】
【課題】鋳型の底に超硬部材を敷き詰めるなどの煩雑な
作業を必要とせず、簡易な作業で鋳造することができる
耐磨耗性複合金属材及びその製造方法を提供することで
ある。 【解決手段】サーメット材１と、該サーメット材１とほ
ぼ同一の比重に調整された鋳造用金属材と、を溶解し、
混合・攪拌することにより鋳造することを特徴とする耐
磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製造され
る耐磨耗性複合金属材である。
作業を必要とせず、簡易な作業で鋳造することができる
耐磨耗性複合金属材及びその製造方法を提供することで
ある。 【解決手段】サーメット材１と、該サーメット材１とほ
ぼ同一の比重に調整された鋳造用金属材と、を溶解し、
混合・攪拌することにより鋳造することを特徴とする耐
磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製造され
る耐磨耗性複合金属材である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば溶鉱炉や採
石場の原石輸送部の床面等、特に耐磨耗性が要求される
部位に適用される耐磨耗性複合金属材及びその製造方法
に関する。
石場の原石輸送部の床面等、特に耐磨耗性が要求される
部位に適用される耐磨耗性複合金属材及びその製造方法
に関する。
【０００２】
【従来の技術】製鉄、鉱山、セメント、ガラス、化学・
電力プラント等に使用される材料輸送機や粉砕機等の床
面や壁面に使用される材料は、一般に著しく磨耗を生じ
易く、長期の使用に堪え難いという問題がある。一方、
タングステンカーバイド等にコバルト等を添加した超硬
合金が切削工具等の用途に使用されているが、この種の
材料で上述した床面や壁面を形成するには、コスト的に
無理がある。そこで、超硬合金など超硬部材製のドリル
やバイト等のスクラップ材を適度な大きさに粉砕したも
のを鋳造用金属材用と一緒に製造された耐磨耗性複合金
属材料がある。
電力プラント等に使用される材料輸送機や粉砕機等の床
面や壁面に使用される材料は、一般に著しく磨耗を生じ
易く、長期の使用に堪え難いという問題がある。一方、
タングステンカーバイド等にコバルト等を添加した超硬
合金が切削工具等の用途に使用されているが、この種の
材料で上述した床面や壁面を形成するには、コスト的に
無理がある。そこで、超硬合金など超硬部材製のドリル
やバイト等のスクラップ材を適度な大きさに粉砕したも
のを鋳造用金属材用と一緒に製造された耐磨耗性複合金
属材料がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな超硬部材を含んだ耐磨耗性複合金属材料は、その表
面の耐磨耗性を向上させるため、超硬部材を鋳型の底に
敷き詰め、しかる後、鋳造用金属材によって鋳ぐるむこ
とにより、鋳造されているが、かかる超硬部材を鋳型の
底に敷き詰める作業は、極めて煩雑であるという問題が
ある。
うな超硬部材を含んだ耐磨耗性複合金属材料は、その表
面の耐磨耗性を向上させるため、超硬部材を鋳型の底に
敷き詰め、しかる後、鋳造用金属材によって鋳ぐるむこ
とにより、鋳造されているが、かかる超硬部材を鋳型の
底に敷き詰める作業は、極めて煩雑であるという問題が
ある。
【０００４】そこで、本発明は、鋳型の底に超硬部材を
敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせず、簡易な作業
で鋳造することができる耐磨耗性複合金属材及びその製
造方法を提供することを目的とする。
敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせず、簡易な作業
で鋳造することができる耐磨耗性複合金属材及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するためになされたもので、第１の発明は、サーメ
ット材と、該サーメット材とほぼ同一の比重に調整され
た鋳造用金属材と、を溶解し、混合・攪拌することによ
り鋳造することを特徴とする耐磨耗性複合金属材の製造
方法及びそれによって製造される耐磨耗性複合金属材で
ある。
達成するためになされたもので、第１の発明は、サーメ
ット材と、該サーメット材とほぼ同一の比重に調整され
た鋳造用金属材と、を溶解し、混合・攪拌することによ
り鋳造することを特徴とする耐磨耗性複合金属材の製造
方法及びそれによって製造される耐磨耗性複合金属材で
ある。
【０００６】第１の発明によれば、サーメット材と鋳造
用金属材の比重がほぼ同一であるので、耐磨耗性に優れ
たサーメットを鋳造用金属材にほぼ均等に分散させた状
態で溶け混ぜることができる。鋳造用金属材の比重は、
カーボン（Ｃ）、シリコン（Ｓｉ）、クロム（Ｃｒ）、
アルミニウム（Ａｌ）などの添加量を調整することによ
り小さくすることができ、これによりサーメット材とほ
ぼ同一の比重にすることができる。
用金属材の比重がほぼ同一であるので、耐磨耗性に優れ
たサーメットを鋳造用金属材にほぼ均等に分散させた状
態で溶け混ぜることができる。鋳造用金属材の比重は、
カーボン（Ｃ）、シリコン（Ｓｉ）、クロム（Ｃｒ）、
アルミニウム（Ａｌ）などの添加量を調整することによ
り小さくすることができ、これによりサーメット材とほ
ぼ同一の比重にすることができる。
【０００７】また、第２の発明は、サーメット材と、該
サーメット材よりも比重が大きい鋳造用金属材と、を溶
解し、混合・攪拌することにより鋳造することを特徴と
する耐磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製
造される耐磨耗性複合金属材である。
サーメット材よりも比重が大きい鋳造用金属材と、を溶
解し、混合・攪拌することにより鋳造することを特徴と
する耐磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製
造される耐磨耗性複合金属材である。
【０００８】第２の発明によれば、鋳造用金属の比重が
サーメット材よりも大きいので、鋳造している間に、溶
解したサーメット材は、鋳造用金属材に対して浮上す
る。このため、耐磨耗性に優れたサーメット材が表面に
集結した状態で耐磨耗性複合金属材は鋳造されるので、
表面の耐磨耗性が優れた耐磨耗性複合金属材を提供する
ことができる。
サーメット材よりも大きいので、鋳造している間に、溶
解したサーメット材は、鋳造用金属材に対して浮上す
る。このため、耐磨耗性に優れたサーメット材が表面に
集結した状態で耐磨耗性複合金属材は鋳造されるので、
表面の耐磨耗性が優れた耐磨耗性複合金属材を提供する
ことができる。
【０００９】さらに、第３発明は、サーメット材及び超
硬合金と、該サーメット材よりも比重が大きく、かつ該
超硬合金よりも比重が小さい鋳造用金属材と、を溶解
し、混合・攪拌することにより鋳造することを特徴とす
る耐磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製造
される耐磨耗性複合金属材である。
硬合金と、該サーメット材よりも比重が大きく、かつ該
超硬合金よりも比重が小さい鋳造用金属材と、を溶解
し、混合・攪拌することにより鋳造することを特徴とす
る耐磨耗性複合金属材の製造方法及びそれによって製造
される耐磨耗性複合金属材である。
【００１０】第３発明によれば、鋳造用金属材の比重が
サーメットよりも大きく、かつ超硬合金よりも小さいの
で、鋳造している間に、溶解したサーメット材は、鋳造
用金属材に対して浮上し、溶解した超硬合金は、鋳造用
金属材に対して沈殿する。よって、耐磨耗性に優れたサ
ーメット材が表面に集結し、耐磨耗性に優れた超硬合金
が裏面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材に鋳造され
るので、表面及び裏面の耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合
金属材を提供することができる。
サーメットよりも大きく、かつ超硬合金よりも小さいの
で、鋳造している間に、溶解したサーメット材は、鋳造
用金属材に対して浮上し、溶解した超硬合金は、鋳造用
金属材に対して沈殿する。よって、耐磨耗性に優れたサ
ーメット材が表面に集結し、耐磨耗性に優れた超硬合金
が裏面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材に鋳造され
るので、表面及び裏面の耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合
金属材を提供することができる。
【００１１】サーメット材は、酸化され易く、酸化され
ると、鋳造用金属材に溶け難くなるので、本発明におい
ては、サーメット材が酸化するのを防止するため、不活
性ガスの雰囲気で鋳造用金属材に溶解した後に、サーメ
ット材を溶解し、混合・攪拌しながら出湯するか、また
はサーメットの表面を酸化防止処理したものを溶解する
ことが好ましい。出湯温度は、１６００℃前後が最良で
ある。不活性ガスとしては、アルゴン等の希ガス又は窒
素ガスなどがあり、サーメット材の表面の酸化防止処理
は、サーメット材の表面をニッケル（Ｎｉ）、コバルト
（Ｃｏ）、銅（Ｃｕ）、クロム（Ｃｒ）、モリブデン
（Ｍｏ）などの金属で無電解メッキ、電気メッキ、又は
蒸着することにより行うことが好ましい。サーメット材
の表面を酸化防止処理したのちは、不活性ガス雰囲気下
で溶解するか、又は真空雰囲気下で溶解することが好ま
しい。
ると、鋳造用金属材に溶け難くなるので、本発明におい
ては、サーメット材が酸化するのを防止するため、不活
性ガスの雰囲気で鋳造用金属材に溶解した後に、サーメ
ット材を溶解し、混合・攪拌しながら出湯するか、また
はサーメットの表面を酸化防止処理したものを溶解する
ことが好ましい。出湯温度は、１６００℃前後が最良で
ある。不活性ガスとしては、アルゴン等の希ガス又は窒
素ガスなどがあり、サーメット材の表面の酸化防止処理
は、サーメット材の表面をニッケル（Ｎｉ）、コバルト
（Ｃｏ）、銅（Ｃｕ）、クロム（Ｃｒ）、モリブデン
（Ｍｏ）などの金属で無電解メッキ、電気メッキ、又は
蒸着することにより行うことが好ましい。サーメット材
の表面を酸化防止処理したのちは、不活性ガス雰囲気下
で溶解するか、又は真空雰囲気下で溶解することが好ま
しい。
【００１２】またさらに、第４発明は、粉砕されたサー
メット材を該サーメット材よりも比重が大きい鋳造用金
属材によって鋳ぐるむことにより鋳造することを特徴と
する耐磨耗性複合金属材の製造方法およびそれによって
製造された耐磨耗性複合金属材である。
メット材を該サーメット材よりも比重が大きい鋳造用金
属材によって鋳ぐるむことにより鋳造することを特徴と
する耐磨耗性複合金属材の製造方法およびそれによって
製造された耐磨耗性複合金属材である。
【００１３】第４の発明によれば、鋳造用金属材の比重
がサーメット材よりも大きいので、鋳ぐるんでいる間
に、粉砕されたサーメット材は、鋳造用金属材に対して
浮上する。よって、耐磨耗性に優れたサーメット材が表
面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材は鋳造されるの
で、表面の耐磨耗性が優れた耐磨耗性複合金属材を提供
することができる。
がサーメット材よりも大きいので、鋳ぐるんでいる間
に、粉砕されたサーメット材は、鋳造用金属材に対して
浮上する。よって、耐磨耗性に優れたサーメット材が表
面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材は鋳造されるの
で、表面の耐磨耗性が優れた耐磨耗性複合金属材を提供
することができる。
【００１４】第４発明において、サーメット材は、５〜
１０ｍｍ以下に粉砕されていることが好ましい。第４発
明に係る耐磨耗性複合金属材は、粉砕されたサーメット
材を鋳型の底近傍に設けられた金網と鋳型の底の間に入
れて、その後鋳造用金属材を鋳型内に流し込み、鋳ぐる
むことにより、金網によるフィルタ効果でサーメット材
を鋳造用金属材に分散させて、鋳造することができる。
また、第４発明に係る耐磨耗性複合金属材は、鋳型内の
天井面に破砕されたサーメット材を水ガラス等によって
固定し、乾燥後、鋳ぐるむことにより鋳造することがで
きる。さらに、第４発明に係る耐磨耗性複合金属材は、
溶解炉から鋳型に鋳造用金属材を流し込む際に使用する
取鍋の中に、破砕されたサーメット材を自動供給して、
破砕されたサーメット材を含む鋳造用金属材を混合、攪
拌しながら鋳型に流し込むことにより鋳造することがで
きる。
１０ｍｍ以下に粉砕されていることが好ましい。第４発
明に係る耐磨耗性複合金属材は、粉砕されたサーメット
材を鋳型の底近傍に設けられた金網と鋳型の底の間に入
れて、その後鋳造用金属材を鋳型内に流し込み、鋳ぐる
むことにより、金網によるフィルタ効果でサーメット材
を鋳造用金属材に分散させて、鋳造することができる。
また、第４発明に係る耐磨耗性複合金属材は、鋳型内の
天井面に破砕されたサーメット材を水ガラス等によって
固定し、乾燥後、鋳ぐるむことにより鋳造することがで
きる。さらに、第４発明に係る耐磨耗性複合金属材は、
溶解炉から鋳型に鋳造用金属材を流し込む際に使用する
取鍋の中に、破砕されたサーメット材を自動供給して、
破砕されたサーメット材を含む鋳造用金属材を混合、攪
拌しながら鋳型に流し込むことにより鋳造することがで
きる。
【００１５】さらに、第４発明において、粉砕されたサ
ーメット材とともに粉砕された超硬合金を該サーメット
材よりも比重が大きく、超硬合金よりも比重が小さい鋳
造用金属材によって鋳ぐるむことにより、耐磨耗性複合
金属材を製造しても良く、これにより、耐磨耗性に優れ
たサーメット材が表面に集結し、耐磨耗性に優れた超硬
合金が裏面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材を鋳造
することができ、表面及び裏面の耐磨耗性が優れた耐磨
耗性複合金属材を提供することができる。
ーメット材とともに粉砕された超硬合金を該サーメット
材よりも比重が大きく、超硬合金よりも比重が小さい鋳
造用金属材によって鋳ぐるむことにより、耐磨耗性複合
金属材を製造しても良く、これにより、耐磨耗性に優れ
たサーメット材が表面に集結し、耐磨耗性に優れた超硬
合金が裏面に集結した状態で耐磨耗性複合金属材を鋳造
することができ、表面及び裏面の耐磨耗性が優れた耐磨
耗性複合金属材を提供することができる。
【００１６】本発明に使用されるサーメット材として
は、金属（Ｆｅ、Ｎｉ、Ｃｏ）、炭化物（Ｍｏ2Ｃ、Ｔ
ｉＣ、ＺｒＣ、Ｂ4Ｃ、ＷＣ、ＴａＣ、ＮｂＣ、ＷＣ−
ＴｉＣ、ＷＣ−ＴｉＣ―ＴａＣ）、窒化物（ＴｉＮ）な
どが組み合わさったものがある。例えばＴｉＣ−ＴｉＮ
−ＴａＣ−ＮｂＣ−Ｃｏ−Ｎｉ−Ｍｏ2Ｃ−ＷＣ、Ｔｉ
Ｃ−Ｍｏ2Ｃ−Ｎｉ、ＴｉＣ−ＮｂＣ−Ｃｏ−Ｎｉ−Ｍ
ｏ2Ｃ−ＷＣ−ＴａＣなどがある。
は、金属（Ｆｅ、Ｎｉ、Ｃｏ）、炭化物（Ｍｏ2Ｃ、Ｔ
ｉＣ、ＺｒＣ、Ｂ4Ｃ、ＷＣ、ＴａＣ、ＮｂＣ、ＷＣ−
ＴｉＣ、ＷＣ−ＴｉＣ―ＴａＣ）、窒化物（ＴｉＮ）な
どが組み合わさったものがある。例えばＴｉＣ−ＴｉＮ
−ＴａＣ−ＮｂＣ−Ｃｏ−Ｎｉ−Ｍｏ2Ｃ−ＷＣ、Ｔｉ
Ｃ−Ｍｏ2Ｃ−Ｎｉ、ＴｉＣ−ＮｂＣ−Ｃｏ−Ｎｉ−Ｍ
ｏ2Ｃ−ＷＣ−ＴａＣなどがある。
【００１７】また、サーメット材は、使用済みの切削工
具（例えば、切削バイト、カッタ等）を利用することが
好ましく、このように使用済みの切削工具を利用するこ
とにより、コストダウンを図ることができ、さらにはリ
サイクルにも役立てることができる。
具（例えば、切削バイト、カッタ等）を利用することが
好ましく、このように使用済みの切削工具を利用するこ
とにより、コストダウンを図ることができ、さらにはリ
サイクルにも役立てることができる。
【００１８】本発明において、サーメット材の含有量
は、１〜６０％であることが好ましく、サーメット材と
ともに超硬合金を溶解させる場合は、サーメット材及び
超硬合金の含有量が、１〜６０％であることが好まし
い。
は、１〜６０％であることが好ましく、サーメット材と
ともに超硬合金を溶解させる場合は、サーメット材及び
超硬合金の含有量が、１〜６０％であることが好まし
い。
【００１９】本発明において、鋳造用金属材としては、
鋳鉄、高クロム鋳鉄、炭素鋼鋳鋼、ニッケルクロムモリ
ブデン鋳鋼、ハイマンガン鋼、ステンレス鋼、特殊鋳
鉄、特殊鋳鋼などがある。
鋳鉄、高クロム鋳鉄、炭素鋼鋳鋼、ニッケルクロムモリ
ブデン鋳鋼、ハイマンガン鋼、ステンレス鋼、特殊鋳
鉄、特殊鋳鋼などがある。
【００２０】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る耐磨耗性複合
金属材の第１実施例について説明する。第１実施例は、
サーメット材を該サーメット材とほぼ同一の比重に調整
された鋳造用金属材に溶解・混合・攪拌されることによ
り鋳造された耐磨耗性複合金属材である。第１実施例に
おいて、サーメット材は、切削バイト、カッターなど使
用済みの切削工具を用い、その推定組成は、４５ＴｉＣ
−ＴｉＮ−１０ＴａＣ−ＮｂＣ―７Ｃｏ−６Ｎｉ−５Ｍ
ｏ2Ｃ―２７Ｗｃである。また、鋳造用金属材は、２．
７０Ｃ−０．８２８Ｓｉ−０．９０Ｍｎ−０．０３４Ｐ
−０．０２０Ｓ−２０．６９Ｃｒ−０．０４５Ｍｏ―
６．０３Ｎｉ−０．１３７Ｃｏ−０．０５１Ｃｕ−０．
００７Ｎｂ―０．００５Ｔｉ−０．０５４Ｖ−０．００
１２Ｗ−６８．４８７Ｆｅの組成からなるものを用い、
カーボン（Ｃ）、シリコン（Ｓｉ）、クローム（Ｃ
ｒ）、又はアルミニウム（Ａｌ）を加えるによって、そ
の比重を小さくし、前記サーメット材の比重とほぼ同一
になるように調整される。
金属材の第１実施例について説明する。第１実施例は、
サーメット材を該サーメット材とほぼ同一の比重に調整
された鋳造用金属材に溶解・混合・攪拌されることによ
り鋳造された耐磨耗性複合金属材である。第１実施例に
おいて、サーメット材は、切削バイト、カッターなど使
用済みの切削工具を用い、その推定組成は、４５ＴｉＣ
−ＴｉＮ−１０ＴａＣ−ＮｂＣ―７Ｃｏ−６Ｎｉ−５Ｍ
ｏ2Ｃ―２７Ｗｃである。また、鋳造用金属材は、２．
７０Ｃ−０．８２８Ｓｉ−０．９０Ｍｎ−０．０３４Ｐ
−０．０２０Ｓ−２０．６９Ｃｒ−０．０４５Ｍｏ―
６．０３Ｎｉ−０．１３７Ｃｏ−０．０５１Ｃｕ−０．
００７Ｎｂ―０．００５Ｔｉ−０．０５４Ｖ−０．００
１２Ｗ−６８．４８７Ｆｅの組成からなるものを用い、
カーボン（Ｃ）、シリコン（Ｓｉ）、クローム（Ｃ
ｒ）、又はアルミニウム（Ａｌ）を加えるによって、そ
の比重を小さくし、前記サーメット材の比重とほぼ同一
になるように調整される。
【００２１】次に、第１実施例に係る耐磨耗性複合金属
材の鋳造方法について説明する。先ず、鋳造用金属材に
カーボン、シリコン、クロム又はアルミニウムを加える
ことにより、その比重がサーメット材とほぼ同一になる
ように調整する。その後、その調整された鋳造用金属材
を溶解炉に入れ、溶解させ、溶解後、サーメット材を加
えて溶解する。この作業は、サーメット材が酸化される
のを防止するために、不活性ガス（例えば、アルゴンな
どの希ガス又は窒素ガス等）の雰囲気で行われる。次い
で、鋳造用金属材とサーメット材を溶解炉及び取鍋内で
攪拌する。この溶解、混合、攪拌の際、鋳造用金属材の
比重はサーメット材の比重とほぼ同一になるよう調整さ
れているので、耐磨耗性に優れたサーメット材は、ほぼ
均等に分散される。そして、このサーメット材が溶解さ
れた鋳造用金属材を鋳型に流し込むことによって、全体
的に耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合金属材を鋳造するこ
とができる。したがって、第１実施例によれば、鋳型の
底に超硬部材に敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせ
ずに、耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合金属材を容易に鋳
造することができる。
材の鋳造方法について説明する。先ず、鋳造用金属材に
カーボン、シリコン、クロム又はアルミニウムを加える
ことにより、その比重がサーメット材とほぼ同一になる
ように調整する。その後、その調整された鋳造用金属材
を溶解炉に入れ、溶解させ、溶解後、サーメット材を加
えて溶解する。この作業は、サーメット材が酸化される
のを防止するために、不活性ガス（例えば、アルゴンな
どの希ガス又は窒素ガス等）の雰囲気で行われる。次い
で、鋳造用金属材とサーメット材を溶解炉及び取鍋内で
攪拌する。この溶解、混合、攪拌の際、鋳造用金属材の
比重はサーメット材の比重とほぼ同一になるよう調整さ
れているので、耐磨耗性に優れたサーメット材は、ほぼ
均等に分散される。そして、このサーメット材が溶解さ
れた鋳造用金属材を鋳型に流し込むことによって、全体
的に耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合金属材を鋳造するこ
とができる。したがって、第１実施例によれば、鋳型の
底に超硬部材に敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせ
ずに、耐磨耗性に優れた耐磨耗性複合金属材を容易に鋳
造することができる。
【００２２】次に、本発明に係る耐磨耗性複合金属材の
第２実施例について説明する。第２実施例に係る耐磨耗
性複合金属材のサーメット材は、第１実施例と同様のも
のであるが、鋳造用金属材は、第１実施例と異なり、そ
の比重をサーメット材とほぼ同一にせず、サーメット材
の比重よりも大きいものが使用される。したがって、第
２実施例において、サーメット材が溶解された鋳造用金
属材を鋳型に流し込むと、サーメット材の比重が、鋳造
用金属材の比重よりも小さいので、図１に示すように鋳
型１内のサーメット材２は浮上し、表面にサーメット材
２が集結した状態で耐磨耗性複合金属材が、鋳造され
る。このように、第２実施例によれば、鋳型の底に超硬
部材を敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせずに、表
面の耐磨耗性が優れている耐磨耗性複合金属材を容易に
鋳造することできる。
第２実施例について説明する。第２実施例に係る耐磨耗
性複合金属材のサーメット材は、第１実施例と同様のも
のであるが、鋳造用金属材は、第１実施例と異なり、そ
の比重をサーメット材とほぼ同一にせず、サーメット材
の比重よりも大きいものが使用される。したがって、第
２実施例において、サーメット材が溶解された鋳造用金
属材を鋳型に流し込むと、サーメット材の比重が、鋳造
用金属材の比重よりも小さいので、図１に示すように鋳
型１内のサーメット材２は浮上し、表面にサーメット材
２が集結した状態で耐磨耗性複合金属材が、鋳造され
る。このように、第２実施例によれば、鋳型の底に超硬
部材を敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせずに、表
面の耐磨耗性が優れている耐磨耗性複合金属材を容易に
鋳造することできる。
【００２３】次に、本発明に係る耐磨耗性複合金属材の
第３実施例について説明する。第３実施例における耐磨
耗性複合金属材は、第１実施例と同様のサーメット材の
他、超硬合金を鋳造用金属材に溶解させて鋳造したもの
である。超硬合金としては、切削バイト、カッタなど使
用済みの切削工具が用いられ、鋳造用金属材は、サーメ
ット材よりも比重が大きく、かつ超硬合金よりも比重が
小さいものが用いられる。よって、サーメット材及び超
硬合金が溶解された鋳造用金属材を混合、攪拌しなが
ら、鋳型に流し込むと、鋳造用金属材の比重は、サーメ
ット材の比重よりも大きく、かつ超硬合金の比重よりも
小さいので、図２に示すように鋳型１内のサーメット材
２は浮上し、超硬合金３は沈殿する。
第３実施例について説明する。第３実施例における耐磨
耗性複合金属材は、第１実施例と同様のサーメット材の
他、超硬合金を鋳造用金属材に溶解させて鋳造したもの
である。超硬合金としては、切削バイト、カッタなど使
用済みの切削工具が用いられ、鋳造用金属材は、サーメ
ット材よりも比重が大きく、かつ超硬合金よりも比重が
小さいものが用いられる。よって、サーメット材及び超
硬合金が溶解された鋳造用金属材を混合、攪拌しなが
ら、鋳型に流し込むと、鋳造用金属材の比重は、サーメ
ット材の比重よりも大きく、かつ超硬合金の比重よりも
小さいので、図２に示すように鋳型１内のサーメット材
２は浮上し、超硬合金３は沈殿する。
【００２４】したがって、第３実施例においては、サー
メット材２が表面に集結し、超硬合金３が裏面に集結し
た状態で耐磨耗性複合金属材が鋳造される。このような
耐磨耗性複合金属材は、パイプなどのように表面及び裏
面に耐磨耗性を必要とする部材に利用することができ
る。また、第３実施例によれば、鋳型の底に超硬部材を
敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせずに、表面及び
裏面が耐磨耗性に優れている耐磨耗性複合金属材を容易
に鋳造することできる。
メット材２が表面に集結し、超硬合金３が裏面に集結し
た状態で耐磨耗性複合金属材が鋳造される。このような
耐磨耗性複合金属材は、パイプなどのように表面及び裏
面に耐磨耗性を必要とする部材に利用することができ
る。また、第３実施例によれば、鋳型の底に超硬部材を
敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせずに、表面及び
裏面が耐磨耗性に優れている耐磨耗性複合金属材を容易
に鋳造することできる。
【００２５】次に、本発明に係る耐磨耗性複合金属材の
第４実施例について説明する。第４実施例に係る耐磨耗
性複合金属材は、粉砕されたサーメット材を該サーメッ
ト材よりも大きい比重である鋳造用金属材によって鋳ぐ
るむことにより鋳造されたものである。サーメット材と
しては、第１実施例と同様の組成からなり、５〜１０ｍ
ｍ以下に破砕されたものが用いられる。
第４実施例について説明する。第４実施例に係る耐磨耗
性複合金属材は、粉砕されたサーメット材を該サーメッ
ト材よりも大きい比重である鋳造用金属材によって鋳ぐ
るむことにより鋳造されたものである。サーメット材と
しては、第１実施例と同様の組成からなり、５〜１０ｍ
ｍ以下に破砕されたものが用いられる。
【００２６】第４実施例に係る耐磨耗性複合金属材の製
造方法について説明すると、第４実施例に係る耐磨耗性
複合金属材は、先ず、図３に示すように、底近傍にステ
ンレス製の金網４が設けられた鋳型１の底と金網４の間
に破砕されたサーメット材５を入れて、その後鋳型１内
にサーメット材よりも比重が大きい鋳造用金属材を鋳型
内に流し込むことにより鋳造される。鋳造用金属材が流
し込まれると、破砕されたサーメット材５は、流し込ま
れた鋳造用金属材よりも比重が小さいので、金網４を通
って浮上する。この際、破砕されたサーメット材５は、
金網４を通って浮上しているので、平面方向にほぼ均等
に分散されて浮上し、耐磨耗性複合金属材の表面に平面
方向にほぼ均等な状態で集結する。したがって、第４実
施例によれば、鋳型の底に超硬部材を敷き詰めるなどの
煩雑な作業を必要とせずに、表面の耐磨耗性に優れた耐
磨耗性複合金属材を容易に鋳造することできる。また、
第４実施例によれば、サーメット材は、超硬合金よりも
耐磨耗性に優れているが、強度が弱いことから、超硬合
金よりも容易に破砕することができ、より容易に耐磨耗
性複合金属材を鋳造することができる。
造方法について説明すると、第４実施例に係る耐磨耗性
複合金属材は、先ず、図３に示すように、底近傍にステ
ンレス製の金網４が設けられた鋳型１の底と金網４の間
に破砕されたサーメット材５を入れて、その後鋳型１内
にサーメット材よりも比重が大きい鋳造用金属材を鋳型
内に流し込むことにより鋳造される。鋳造用金属材が流
し込まれると、破砕されたサーメット材５は、流し込ま
れた鋳造用金属材よりも比重が小さいので、金網４を通
って浮上する。この際、破砕されたサーメット材５は、
金網４を通って浮上しているので、平面方向にほぼ均等
に分散されて浮上し、耐磨耗性複合金属材の表面に平面
方向にほぼ均等な状態で集結する。したがって、第４実
施例によれば、鋳型の底に超硬部材を敷き詰めるなどの
煩雑な作業を必要とせずに、表面の耐磨耗性に優れた耐
磨耗性複合金属材を容易に鋳造することできる。また、
第４実施例によれば、サーメット材は、超硬合金よりも
耐磨耗性に優れているが、強度が弱いことから、超硬合
金よりも容易に破砕することができ、より容易に耐磨耗
性複合金属材を鋳造することができる。
【００２７】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、鋳型の
底に超硬部材を敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせ
ず、簡易な作業で鋳造することができる超耐磨耗性複合
金属材料を提供することができる。
底に超硬部材を敷き詰めるなどの煩雑な作業を必要とせ
ず、簡易な作業で鋳造することができる超耐磨耗性複合
金属材料を提供することができる。
【図１】本発明に係る耐磨耗性複合金属材の第２実施例
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
【図２】本発明に係る耐磨耗性複合金属材の第３実施例
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
【図３】本発明に係る耐磨耗性複合金属材の第４実施例
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
を鋳型で鋳造している際の正面断面図である。
１ 鋳型 ２ サーメット材 ３ 超硬合金 ４ 金網 ５ 破砕されたサーメット材
フロントページの続き (72)発明者 小西 英二 岩手県宮古市鍬ヶ崎上町６番14号 株式 会社小西鋳造内 (72)発明者 佐藤 信治 愛知県東海市名和町北野上13丁目１番 (72)発明者 瀬尾 和範 愛知県名古屋市中川区東起町５丁目50番 (72)発明者 三木 良治 東京都中央区銀座１丁目13番８号 日本 ウェルディングロッド株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−271843（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−118857（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−99259（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−13465（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−97644（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B22D 21/00 B22D 23/00 B22D 25/06 B22D 19/00
Claims (5)
- 【請求項１】サーメット材と、該サーメット材とほぼ同
一の比重に調整された鋳造用金属材と、を溶解し、混合
・攪拌することにより鋳造することを特徴とする耐磨耗
性複合金属材の製造方法。 - 【請求項２】前記鋳造用金属材は、カーボン、シリコ
ン、クロム、アルミニウムなどの添加量を調整すること
により前記サーメット材とほぼ同一の比重に調整される
ことを特徴とする請求項１記載の耐磨耗性複合金属材の
製造方法。 - 【請求項３】サーメット材と、該サーメット材よりも比
重が大きい鋳造用金属材と、を溶解し、混合・攪拌する
ことにより鋳造することを特徴とする耐磨耗性複合金属
材の製造方法。 - 【請求項４】サーメット材及び超硬合金と、該サーメッ
ト材よりも比重が大きく、かつ該超硬合金よりも比重が
小さい鋳造用金属材と、を溶解し、混合・攪拌すること
により鋳造することを特徴とする耐磨耗性複合金属材の
製造方法。 - 【請求項５】請求項１乃至４いずれか記載の製造方法に
より製造された耐磨耗性複合金属材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11161227A JP3096291B1 (ja) | 1999-06-08 | 1999-06-08 | 耐磨耗性複合金属材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11161227A JP3096291B1 (ja) | 1999-06-08 | 1999-06-08 | 耐磨耗性複合金属材及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP3096291B1 true JP3096291B1 (ja) | 2000-10-10 |
| JP2000343203A JP2000343203A (ja) | 2000-12-12 |
Family
ID=15731055
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11161227A Expired - Fee Related JP3096291B1 (ja) | 1999-06-08 | 1999-06-08 | 耐磨耗性複合金属材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3096291B1 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010274323A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Sapporo Kokyu Imono Co Ltd | セラミックス金属鋳ぐるみ複合材料及びその製造方法 |
| CN107102703A (zh) * | 2017-05-03 | 2017-08-29 | 北京新松佳和电子系统股份有限公司 | 用于嵌入式产品的计算机板卡 |
| KR102452934B1 (ko) * | 2017-07-18 | 2022-10-11 | 강원대학교산학협력단 | 스마트 자전거 보관소 및 그 관리 방법 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102004030780A1 (de) * | 2004-06-25 | 2006-01-19 | Audi Ag | Verbundwerkstoff und Verfahren zu seiner Herstellung |
| EP2985355B1 (en) * | 2013-04-12 | 2018-09-19 | Honda Motor Co., Ltd. | Method for producing zinc alloy |
| EP2997723A4 (en) | 2013-05-17 | 2017-03-29 | Fybr | Distributed remote sensing system component interface |
| BR112015028731A2 (pt) | 2013-05-17 | 2017-07-25 | fybr | porta de sistema de detecção remota distribuída |
-
1999
- 1999-06-08 JP JP11161227A patent/JP3096291B1/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010274323A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Sapporo Kokyu Imono Co Ltd | セラミックス金属鋳ぐるみ複合材料及びその製造方法 |
| CN107102703A (zh) * | 2017-05-03 | 2017-08-29 | 北京新松佳和电子系统股份有限公司 | 用于嵌入式产品的计算机板卡 |
| KR102452934B1 (ko) * | 2017-07-18 | 2022-10-11 | 강원대학교산학협력단 | 스마트 자전거 보관소 및 그 관리 방법 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000343203A (ja) | 2000-12-12 |
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