JP5208556B2 - 精密プレス加工に適したチタン銅及び該チタン銅の製造方法 - Google Patents

精密プレス加工に適したチタン銅及び該チタン銅の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品用のチタン銅に関し、特にコネクター用のチタン銅に関する。
近年では携帯端末などに代表される電子機器の小型化が益々進み、従ってそれに使用されるコネクターは狭ピッチ化及び低背化の傾向が著しい。小型のコネクターほどピン幅が狭く、小さく折り畳んだ加工形状となるため、使用する素材には、必要なバネ性を得るための高い強度と、過酷な曲げ加工に耐え得る優れた曲げ加工性が求められる。
この点、チタンを含有する銅合金(以下、「チタン銅」と称する。)は、比較的強度が高く、応力緩和特性にあっては銅合金中最も優れているため、特に素材強度が要求される信号系端子用素材として、古くから使用されてきた。チタン銅は時効硬化型の銅合金である。具体的には、溶体化処理によって溶質原子であるTiの過飽和固溶体を形成させ、その状態から低温で比較的長時間の熱処理を施すと、母相中にTi濃度の周期的変動である変調構造が発達し、強度が向上する。かかる強化機構を基本としてチタン銅の更なる特性向上を目指して種々の手法が研究されている。
チタン銅の強度及び曲げ加工性の向上に関して、結晶粒を微細化させることが有効であることが知られており、これに関する特許文献がいくつか存在する。例えば、PbやZn等の第3元素を微量添加して析出させた第2相粒子の組成に着目した技術(特開2004−176163号公報)、結晶粒のばらつきに着目した技術(特許第3942505号公報)、結晶粒界に存在する第2相粒子の面積率に着目した技術(特開2005−97639号公報)、結晶粒内に存在する第2相粒子の存在密度に着目した技術(特開2005−97638号公報)などが公開されている。
特開2004−176163号公報 特許第3942505号公報 特開2005−97639号公報 特開2005−97638号公報
ところで、小型のコネクターほどバネたわみ量が少ないので、嵌合したときに全てのピンが規定の接触圧力を得られるようにするためには、プレス加工での寸法安定性も要求される。上記の発明により得られるチタン銅は強度や曲げ加工性において優れた特性を有することができるが、寸法安定性に関しては、全く言及されていない。いくら素材の強度と曲げ加工性を向上させたとしても、小型コネクターを規格通りに安定して生産できなければ、実用的とはいえないのである。具体的には、従来のチタン銅素材を用いて小型(例えばピン幅が板厚の1.5倍程度)のコネクターピン形状に精密プレス加工した場合、ピン毎の寸法が充分には均一化されないという問題がある。ここで、寸法安定性とは、同じ金型でプレスしたときの加工形状のばらつきであり、素材の変形抵抗の局所的なばらつきが主因となっている。
そこで、本発明の一課題は、寸法安定性を向上させたチタン銅を提供することである。
また、本発明の別の一課題は、そのようなチタン銅を用いた電子部品、とりわけコネクターを提供することである。
また、本発明の更に別の一課題は、そのようなチタン銅の製造方法を提供することである。
本発明者は、素材の変形抵抗が局所的にばらつくのは、Ti濃度のばらつきを反映しており、それは鋳造時のマクロ偏析が残存しているからであると考えた。そして、この点について鋭意研究したところ、素材断面のTi濃度分布を評価した偏析率と狭ピッチコネクタに加工したときの寸法安定性との間に密接な関係が有り、偏析率が少ないほど寸法安定性に優れることが判明した。また、FeやHfなどTiと化合物を作りやすい元素を第3元素として添加した系は、Cu−Ti系より更にTiのマクロ偏析が生じやすく、この種のマクロ偏析は通常の均質化焼鈍を行った程度では、解消しないことがわかった。すなわち、FeやHfはチタン銅の強度と曲げ加工性の向上に有効であるが、コネクター用の素材としてもう一つの重要な特性である寸法安定性を低下させてしまうのである。これらの元素を添加した場合は、鋳造の時点で、何らかの工夫をしてマクロ偏析を抑制させなければならないが、それには冷却速度を遅くしながら鋳型に超音波を付加する手法が最も有効であった。
以上の知見に基づいて完成された本発明は、一側面において、Tiを2.5〜5.5原子%、Fe及びHfから選ばれる1種以上を合計で0.1〜0.4原子%、Cr、Ni及びSiの中から選ばれる1種又は2種以上を0〜0.20原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以下である銅合金である。
Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
本発明に係る銅合金は一実施形態において、圧延方向に平行な厚み方向の断面における平均結晶粒径が円相当径で表して2〜10μmである。
本発明に係る銅合金は別の一実施形態において、Tiを2.5〜5.5原子%、Hfを0.1〜0.3原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有する。
本発明に係る銅合金は更に別の一実施形態において、Tiを2.5〜5.5原子%、Feを0.1〜0.3原子%、Cr、Ni及びSiの中から選ばれる1種又は2種以上を合計で0.03〜0.20原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Feに対するCr、Ni及びSiの合計の原子濃度比:(Cr+Ni+Si)/Feが0.2〜1.0である。
本発明に係る銅合金は更に別の一実施形態において、Tiを2.5〜5.5原子%、Fe及びHfを合計で0.2〜0.4原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、FeとHfの原子濃度比:Hf/Feが0.5〜2.0である請求項1又は2記載の銅合金である。
本発明は別の一側面において、上記銅合金を用いた伸銅品である。
本発明は更に別の一側面において、上記銅合金を用いて作製した電子部品である。
本発明は更に別の一側面において、上記銅合金を用いて作製したコネクターである。
本発明は更に別の一側面において、所望の組成を有するチタン銅の溶湯を溶解炉にて調製する工程1と、溶解炉からタンディッシュに溶湯を注湯する工程2と、タンディッシュから鋳造ノズルを介して鋳型に溶湯を注湯する工程3と、鋳型内で溶湯を凝固させてチタン銅の鋳塊を得る工程4と、鋳型から出てきた鋳塊を冷却する工程5とを含み、
工程2は溶湯温度を溶湯の液相線温度より50〜100℃高い温度として実施し、
工程3は溶湯温度を溶湯の液相線温度より0〜20℃高い温度で実施し、且つ、鋳造ノズルには超音波振動を付加し、
鋳型は溶湯の固相線温度よりも10〜100℃低い温度に制御し、且つ、鋳型には超音波振動を付加する、
ことを含むチタン銅の連続鋳造プロセスを行うことを含む上記のチタン銅の製造方法である。
以上説明したように、本発明によれば、チタン銅の寸法安定性を向上させることができる。
Ti
Tiが2.5原子%未満ではチタン銅本来の変調構造の形成による強化機構を充分に得ることができないことから十分な強度が得られず、逆に5.5原子%を超えると粗大なTiCu3が析出し易くなり、強度及び曲げ加工性が劣化する傾向にある。従って、本発明に係る銅合金中のTiの含有量は2.5〜5.5原子%であり、好ましくは3.0〜5.0原子%、より好ましくは3.5〜4.5原子%である。このようにTiの含有量を適正化することで、優れた強度及び曲げ加工性を共に実現することができる。
第3元素群
本発明では、Hf、Fe、Cr、Ni、Siといった第3元素群の添加を規定しているが、これらの元素の効果は微量の添加によりTiが十分に固溶する温度で溶体化処理をしても結晶粒が容易に微細化することである。また、第3元素群が第二相粒子として析出することにより母相中に固溶している該元素群の含有量は無視できるほど微量となるため、母相中に形成されるチタンの濃度波の波長や振幅に乱れが生ずることはなくなる。更に、TiCu3の析出を抑制する効果もある。そのため、チタン銅本来の時効硬化能が得られるようになる。本発明は析出硬化を狙った第3元素の積極的な添加ではなく、特定元素の微量添加により結晶粒の微細化を狙いとする点で、いわゆる析出硬化型の合金ではないことに留意すべきである。
従って、本発明に係るチタン銅は一実施形態において、Fe及びHfから選ばれる1種以上を合計で0.1〜0.4原子%含有し、Cr、Ni及びSiの中から1種又は2種以上を0〜0.20原子%含有する。
チタン銅の結晶粒微細化に最も有効な元素であるのが、Hf及びFeであり、中でもHfの効果は高い。Hf及びFeはチタン銅に対して僅かな添加量で、溶体化処理後の再結晶粒を著しく微細化する。この現象を利用して、最終的に、強度と曲げ加工性に優れたチタン銅が得られるのである。ただし、Fe及びHfの合計が0.1原子%未満だとその効果が薄く、逆に0.4原子%を超えると効果が飽和するだけでなく、粗大な析出物を形成させて曲げ加工性を劣化させるので、その適正範囲は0.1〜0.4原子%であり、好ましくは0.2〜0.4原子%であり、より好ましくは0.25〜0.35原子%である。
Fe及びHfを複合添加する場合は、FeとHfの原子濃度比:Hf/Feを0.5〜2.0とするのが特性向上の観点から有利である。Hf/Feの更に好ましい範囲は、0.7〜1.4である。
Fe及びHfは単独で添加してもよい。但し、単独添加の場合、Hf又はFeの含有量が、0.1原子%未満では、その効果が薄く、逆に0.3原子%を超えて含有させると効果が飽和するだけでなく、粗大な析出物を形成させて曲げ加工性を劣化させる傾向にある。
そこで、Hfを単独添加する場合、Tiを2.5〜5.5原子%、Hfを0.1〜0.3原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成とすることが特性向上の観点から好ましい。更に好ましいHfの含有量は0.15〜0.25原子%である。
Feを単独添加する場合においても、Tiを2.5〜5.5原子%、Feを0.1〜0.3原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成とすることが特性向上の観点から好ましい。更に好ましいFeの含有量は、0.15〜0.25原子%である。
また、Hf及びFeはCr、Ni及びSiと複合添加することにより、特性向上を更に図ることも可能である。しかし、入れ過ぎると、粗大な析出物を形成しやすくなり、これにより曲げ加工性が低下するばかりか強度も低下する。従って、Cr、Ni及びSiの合計値の適切な範囲は最大で0.20原子%である。また、Cr、Ni及びSiの合計値が0.03原子%未満だと、その効果が薄いので、Cr、Ni及びSiの合計値を0.03原子%以上とするのが好ましい。
Cr、Ni及びSiの添加効果は特にFeと適切な比率で共存することにより顕著に現れる。従って、本発明に係るチタン銅の好ましい一実施形態においては、Tiを2.5〜5.5原子%、Feを0.1〜0.3原子%、Cr、Ni及びSiの中から選ばれる1種又は2種以上を合計で0.03〜0.20原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Feに対するCr、Ni及びSiの合計の原子濃度比:(Cr+Ni+Si)/Feが0.2〜1.0である。この場合、Feのより好ましい適切な含有量は0.15〜0.20原子%であり、Cr、Ni、Siの合計値のより好ましい範囲は0.02〜0.08原子%含有である。そして、Feに対するCr、Ni、Siの合計値との原子濃度比(Cr+Ni+Si)/Feの好ましい範囲は0.25〜0.50である。
平均結晶粒径
結晶粒が微細化するほど、強度と曲げ加工性を良好にする。本発明では結晶粒の微細化に有用な第3元素を添加しているので、最終的に得られるチタン銅の平均結晶粒径として、10μm以下のものを得ることが可能である。しかし、チタン銅の溶体化処理において、微量添加元素と溶体化処理条件の最適化を行ったとしても、安定相の成長を抑制した上で、結晶粒径を5μm以下に制御することは、現実的に困難である。その理由は、結晶粒を微細化させているのは、再結晶と同時に起こる安定相の微細析出であり、結晶粒を5μm以下に制御しようとすれば、この相の析出を更に多量にさせなければならない。この時点での安定相の多量析出は、強度と曲げ加工性において、逆効果となる。この逆効果の方が大きくなると、結晶粒を微細化しても意味がなくなる。安定相の多量析出による弊害が大きくなるのは結晶粒径が2μm未満のときである。この場合、結晶粒微細化による強度向上及び曲げ加工性向上の効果よりも、安定相析出による逆効果の方が大きくなり、意味が無くなる。また、平均結晶粒径を2μm以下にすると、応力緩和特性の低下が現れだす。
よって、本発明に係るチタン銅の好ましい実施形態においては、圧延方向に平行な厚み方向の断面における平均結晶粒径が円相当径で表して2〜10μmであり、好ましくは3〜8μmであり、より好ましくは5〜7μmである。
偏析率
本発明において基幹となるのがチタン銅中のチタンの偏析率である。鋳造後のチタン銅にはマクロ偏析があり、大きなものは、製品化後も残存して、精密プレス加工品の寸法安定性に影響する。具体的には、製品時において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以上になると寸法安定性に影響するようになる。従って、本発明においてはこのSを10%以下に制御することとした。Sは、後述するように、溶解鋳造条件を工夫することで制御することができる。Sは好ましくは8%以下であり、より好ましくは6%以下であり、更により好ましくは4%以下である。ただし、実験室規模ならともかく、工業生産規模の連続鋳造においてSを0にすることは実際上困難であり、2%程度が限度である。
Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
このようなチタンのマクロ偏析は、従来のチタン銅のプレス加工品においては、特に問題とはならなかった。しかし、近年電子機器の小型化により、コネクターなどのプレス加工品の軽薄短小化が著しく、板厚が薄くピン幅が狭くなるにつれて、マクロ偏析による寸法の乱れが顕在化してきたのである。なぜなら、第一に、コネクターが小型化するほど、精密な寸法精度が要求されるようになったということ。第二に、コネクターの小型化に必要な、ピン間隔や曲げ形状が、マクロ偏析による組織のバラツキが影響するほど、より狭く小さくなってきたということである。
マクロ偏析が寸法安定性に与えるメカニズム
前述したように、チタン銅の強化機構は、母相中のチタン濃度が周期的に変調する所謂変調構造によるものである。変調構造は、濃度変調の振幅が大きいほど、可動転位の運動を妨げるので、強度が高い組織となる。そして、チタン濃度が高いほど、濃度変調の振幅が大きくなるので、チタン濃度の高い領域ほど、強度が高いということになる。すなわち、素材中にチタンのマクロ偏析が存在すると、部分的に強度が異なるという事態が生じる。また、チタン濃度は、格子定数に影響するので、部分的に弾性係数が異なるということにもなる。このような組織の素材を細幅の狭ピッチコネクタに加工すると、同じ金型で加工しても、一つ一つのピンは、組織のばらつきの影響を受けるので、仕上がり寸法がばらついてしまうのである。
マクロ偏析が他の特性に与える影響について
チタン銅の連続鋳造でマクロ偏析が生じると、チタン濃度は、最終凝固部である中央部が高くなるので、製品化後は、板厚の中央部が表層部よりも固い組織となる。このような組織の素材をプレス打ち抜き加工すると、剪断面形成時に工具に架かる側方力が高くなり、その結果工具の凝着磨耗が促進する。
本発明に係る銅合金の特性
本発明に係る銅合金は、優れた強度及び曲げ加工性を有する。例えば、0.2%耐力が850MPa以上、好ましくは900MPa以上を有することができ、W曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値は2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下である。
また、本発明に係る銅合金は曲げ加工をしたときに曲げ部外周部にクラックが発生しにくいばかりではなく、精密プレス加工での寸法安定性も高い。そのため、例えば小型のコネクターピンを作製したときにピン毎の寸法の均一性が高くなる。また、本発明で添加する第3元素群は結晶粒の微細化を目的として極微量添加するだけであるので、プレス金型の摩耗を促進させる硬質の析出物はほとんど析出しない。また、剪断加工においては、べリリウム銅のノンミルハードン材でみられるような剪断面を長く引きずる局所伸びは生じないので、プレス金型の凝着摩耗も少ない。よって、連続プレスによって、精密部品を加工する際、頻繁に金型を研磨しなくても、高い寸法精度を維持できるものと考えられる。
従って、本発明に係る銅合金は種々の板厚の伸銅品に加工することができ、各種の電子部品の材料として有用である。本発明に係る銅合金は特に高い寸法精度が要求される小型のばね材として優れており、限定的ではないが、スイッチ、コネクター、ジャック、端子、リレー等の材料として好適に使用することができる。
本発明に係る銅合金の製造方法
本発明に係る銅合金を製造する上では、まず鋳造方法の工夫によりマクロ偏析の少ないインゴットを得ることが重要である。ただし、マクロ偏析の少ないインゴットを得ることができても、ミクロ偏析は消失させることができないので、より特性の高いチタン銅を得るにはミクロ偏析も極力少なくするのが望ましい。
ミクロ偏析は溶解鋳造後の工程で制御可能であり、例えば特開2004−176163号公報、特開2005−97639号公報、特開2005−97638号公報に記載されているような均質化焼鈍を行うことで制御可能である。
以下、本発明に係る銅合金の製造方法の好適な例を工程毎に順次説明する。
1)インゴット製造工程
溶解及び鋳造によるインゴットの製造は、基本的に真空中又は不活性ガス雰囲気中で行う。溶解において添加元素の溶け残りがあると、強度の向上に対して有効に作用しない。よって、溶け残りをなくすため、Cu中に溶けにくいFe、Ni、Crについては、添加してから十分に攪拌したうえで、一定時間保持する必要がある。一方、Ti、Hf、SiはCu中に比較的溶け易いので、溶けにくい元素が溶解してから添加すればよい。そして、鋳造については、以下に詳述するように、マクロ偏析の発生を極力さけるような条件で行う。
ミクロ偏析や晶出物は、鋳造後に行う均質化焼鈍により、解消させることができるが、マクロ偏析は、拡散距離を必要とするため、均質化されない。従って、マクロ偏析の低減は、均質化焼鈍を長時間行うだけでは達成できないので、鋳造段階でマクロ偏析を低減させておく必要がある。それには、溶解鋳造において、種々の工夫が必要である。
マクロ偏析のないチタン銅インゴットを、実験室レベルで得ようとするのは、比較的容易である。インゴットが小さいと、きめ細やかな温度制御が可能となるからである。逆に板厚方向の温度勾配をつけることによりマクロ偏析を大きくすることも可能である。しかし、一般的には、マクロ偏析のないインゴットを得る手法としては、エレクトロスラグ再溶解法(ESR法)による溶解鋳造が最も確実である。ESR法は、何らかの方法で溶解鋳造したインゴットを電極(元材)とし、それを溶融スラグの抵抗熱によって、部分的かつ連続的に溶解しながら鋳造する方法で、凝固組織は細かく、清浄度の高いインゴットが得られる。但し、工業的なESR炉は、装置が大掛かりとなり、コスト高となるため、コストを度外視した特殊金属の溶解には、用いられているが、コストが優先される民生品に使用される銅合金の溶解方法としては、利用された例はない。よって、工業的には、銅合金の溶解鋳造方法として一般的に行われる連続鋳造法に工夫を加えることで、マクロ偏析を低減させる手法を考えるべきである。
連続鋳造は、溶解炉にて所定の成分に溶製した溶湯を、一旦タンディッシュに注ぎ、注湯量が一定になるように調整しながら、鋳造ノズルを通して、連続鋳造用の鋳型に注湯する方法である。連続鋳造においてマクロ偏析のないインゴットを鋳造するには、鋳型に流れ込んだ溶湯の温度分布を均一にし、板厚方向の温度勾配を極力なだらかにする、換言すれば溶湯プールを極力浅くする必要がある。逆に言うと、鋳型内で溶湯に板厚方向に大きな温度勾配が生じてしまうと、凝固シェルが形成する鋳型に接触した部分と、中央付近の最終凝固部との間に、溶質原子の濃度勾配が生じ、マクロ偏析が生じてしまうのである。なぜなら、最初に凝固した部分から最終凝固部まで固液界面が進行する過程において、その系は動力学的に、凝固現象及び熱伝達がより効率的に行われる形態を選択するため、少しでも融点の高い部分すなわちチタン濃度の低い部分から凝固し、固液界面の進行途中では、固体の熱伝導を低下させるチタンは、液相中に残存しやすいので、結果として最終凝固部に濃縮されるからである。よって、理想的にはチタン銅の融点より僅かに高い温度で注湯し、鋳型内で板厚方向の温度勾配がなるべく生じないよう、鋳型からの抜熱量を少なくするのがよい。また、2次冷却(インゴットが鋳型の下部を出てからの冷却)も緩冷却にするべきである。
しかし、従来、このような条件で実操業を行うのは、次の危険が伴うため敬遠されていた。まず、第一に、注湯温度を、融点より充分高い温度ではなく、若干高めの温度にするということは、ノズル詰まりを起こしやすい。ここで、ノズルとは、鋳型内に溶湯を注ぐノズルのことである。実操業で銅合金を鋳造する際、注湯速度を一定にするため、溶解炉で溶解した後、一旦タンディシュに注湯し、タンディッシュから、ノズルを通して鋳型に注湯する。このとき、注湯量は、ノズルの上側の開口部を調整することによって制御することができる。そして、ノズル詰まりは、注湯中、溶湯がノズル内を移動中に凝固核を生成し、それがノズルに附着して成長し、溶湯流を遮断する現象である。よって、通常は、溶解炉からタンディッシュに注湯する温度は、その先のノズルで詰まりが生じないよう、融点よりも充分に高い温度で行っている。具体的には、液相線温度が1050℃のチタン銅の場合、それよりも200℃以上高い1260〜1270℃程度にしてタンディッシュに注湯する。ここで、液相線温度とは、この温度を境に、これより高い温度では、液相のみが出現し、これより低い温度では、固相が出現する温度のことである。固相が出現すると溶湯流の粘性が高くなり、注湯ノズルでの詰まりが生じやすくなる。
一方、注湯温度を高くした場合、ノズル詰まりが生じる心配はないが、鋳型での抜熱量を充分に高くしないと、ブレークアウトしてしまう。ここで、ブレークアウトとは、鋳型内で堅固な凝固シェルが形成されず、溶湯が鋳型の下方から噴出する現象である。ブレークアウトしてしまうと、鋳造機がダメージを受けて操業できなくなるため、鋳型を充分水冷して、溶湯から充分抜熱することが安全上行われる。また、凝固シェルを更に強固にするために、2次冷却では、鋳型の直下に高圧の水流を吹き付けるスプレー方式を採用しているため、更に板厚方向の温度勾配を助長させている。しかし上述したように、鋳型内で溶湯の板厚方向に温度勾配が生じると、マクロ偏析が生じてしまうのである。また、ブレークアウトを防ぐ手段として、鋳型を長くする方法もあるが、この場合は、鋳型と凝固シェルの接触面積が増えるので、摩擦が大きくなり、結果として鋳型を痛め、横割れなどインゴットの表面欠陥を誘発する。
このような従来技術に対し、問題を解決する手段として、最も有効な手段が超音波を付加した鋳造である。そして超音波振動は、連続鋳造用の鋳型と注湯ノズルの両方に付加するべきである。超音波は溶湯を攪拌する効果と、多数の凝固核を生成する効果とを有している。更に、鋳型と凝固シェルとの摩擦を低減させ、溶湯とノズル材質との反応を抑制する効果も有している。つまり、鋳造ノズルに超音波振動を付加することにより、チタン銅の液相線温度より僅かに高い温度で出湯しても、ノズル詰まりが起こりにくくなり、鋳型に超音波振動を付加することにより、長い鋳型を使用しても、表面欠陥の少ないインゴットが得られ、更に、攪拌による効果により、マクロ偏析の無い均質なインゴットが得られるのである。
具体的な条件を説明する。鋳型内に注湯された時点での溶湯の温度を、融点より僅かに高くするためには、まず、溶解炉からタンディッシュに注湯するときの温度においても、高すぎないようにするべきである。具体的には、液相線温度より50〜100℃、好ましくは70〜80℃高い温度とする。融点との差が50℃未満だと、タンディッシュからノズルを経て鋳型に注湯されるときには溶湯温度が液相線温度よりも低くなってしまい、超音波振動を加えてもノズル詰まりが生じる危険がある。一方、融点との差が100℃を超えると、本発明が意図するようなマクロ偏析の制御は困難となる。例えば液相線温度が1050℃のチタン銅の場合、1100〜1150℃とし、タンディッシュに注湯中、溶解炉内の溶湯温度をこの範囲内に保つようにする。鋳造中、溶解炉の出力を一定にすると、鋳造の後半、溶解炉内の溶湯が少なくなったときに、溶湯の温度が必要以上に高くなってしまう。よって、溶解炉の出力は、溶解炉内に溶湯量に応じて低下させ、溶湯温度が一定になるように制御しなければならない。
タンディッシュ内の溶湯は、常に液相線温度より50〜100℃高い温度に保温されるよう、タンディッシュの加熱システムを制御する。また、タンディッシュへの注湯温度を通常より低くした場合、タンディッシュ内で凝固しないよう、タンディッシュを所定の温度に加熱し保温する機構も必要である。実操業でこれを行うには、誘導加熱で行えばよく、タンディッシュ内を流れる溶湯流の温度を計測しながら出力を調整する機構とするべきである。例えば、液相線温度が1050℃のチタン銅の場合、溶解炉からタンディッシュに流れる溶湯流の温度は1100℃程度に制御するのがよい。この結果、鋳造ノズルを経て、液相線温度より僅かに上の1050〜1060℃に制御された溶湯が、鋳型内に注湯されることになる。
また、タンディッシュ内での不要な酸化を防ぐために、タンディッシュを流れる溶湯の雰囲気は不活性ガスであることが望ましい。そして溶湯内の非金属介在物は、なるべく鋳型内に注ぎ込まないよう、タンディッシュ内で浮上分離させるのが好ましい。一旦タンディッシュに蓄えられた溶湯は、鋳造ノズルを通して、連続鋳造用の鋳型に注ぎ込まれるが、溶湯内に非金属介在物が多いと、これがノズルの内側に附着して、ノズル詰まりが生じやすくなるからである。更に、鋳型内には、常に一定量の溶湯が注ぎ込まれるよう、ノズルの入り口の開閉量を制御するのが望ましい。
液相線温度に近い温度の溶湯が鋳造ノズル内を移動中、鋳造ノズルの内壁に凝固核が生成しないようにするためには、鋳造ノズルに超音波振動を付加することが有効である。そして、溶湯がノズル内で酸化しないよう、鋳造ノズルの周囲も不活性ガス雰囲気で覆うべきである。この工夫により、液相線温度より僅かに高い温度の溶湯が、ノズル詰まりを起こさずに、鋳型内に注湯されることになる。具体的には、鋳型への注湯温度を液相線温度より0〜20℃、好ましくは0〜10℃高い温度とする。融点との差が20℃を超えると本発明が意図するようなマクロ偏析の制御は困難となる。
鋳型内に注ぎ込まれた溶湯を急冷してしまうと、鋳型内で板厚方向の温度勾配が生じ、マクロ偏析を形成させてしまう。よって、鋳型の冷却は積極的にするべきではなく、緩冷却にすべきである。そのため、鋳型を冷却する水流の量を調整しなければならない。具体的には鋳型の温度をチタン銅の固相線温度よりも10〜100℃、好ましくは20〜30℃低い温度に制御するのがよい。固相線温度とは、この温度を境に、これより高い温度では、液相が出現し、これより低い温度では、固相のみとなる温度のことである。例えば、固相線温度が980℃のチタン銅の場合、鋳型の温度は、950〜960℃程度にするのが望ましい。鋳型の冷却を強くすると、鋳型からの抜熱量が大きいため、溶湯中に板厚方向の温度勾配が生じて、溶湯プールが深くなって、中心偏析が生じてしまう。鋳型からの抜熱量が少ないことにより、溶湯がブレークアウトしないよう、鋳型は、通常より若干長いものとしてもよい。鋳型を長くすると、鋳肌との接触面積が増えて、摩擦力が大きくなってしまうが、鋳型にも超音波振動を付加することによって、凝固シェルとの摩擦が低下し、均質な鋳肌も得られる。
このように、液相線温度より僅かに高めの温度に調整された溶湯は、鋳型からの僅かな抜熱によって、凝固することができる。
更に、2次冷却を緩冷却とするには、スプレー方式で高圧の水流を吹き付けるのではなく、ミストによる冷却が有効である。更に、鋳型のすぐ下ではなく、鋳型の下部から少なくとも50cm以上離れた部分にミストを吹き付ける方式を採用すべきである。これにより、インゴットの板厚方向の温度勾配がより緩和され、マクロ偏析の小さな組織形態が得られる。具体的には、インゴット表面温度が800℃〜500℃までの平均冷却速度を5〜20℃/s、好ましくは5〜15℃/sとする。これにより、鋳造中の温度勾配は、板厚方向ではなく、鋳造方向に傾いて、マクロ偏析のない均質なインゴットが得られる。
以上、本発明の主眼であるマクロ偏析の少ないチタン銅インゴットを得るために手法を述べてきたが、製品の時点での偏析率が規定通りに制御できるのであれば、他の方法でもかまわない。特に、実験室レベルでは、インゴットが小さいので、鋳型に超音波を付加するだけでも、均質なインゴットが容易に得られる。
2)均質化焼鈍及び熱間圧延
ここでは凝固偏析(ミクロ偏析)や鋳造中に発生した晶出物をできるだけ無くすことが望ましい。後の溶体化処理において、第二相粒子の析出を微細かつ均一に分散させる為であり、混粒の防止にも効果があるからである。
インゴット製造工程後には、固相線温度より10〜50℃、好ましくは20〜40℃、例えば30℃程度低い温度、一例を挙げれば950℃程度で3〜5時間の均質化焼鈍を行った後に、熱間圧延を実施する。チタン銅は900℃以上では拡散速度及び塑性流動性が高く、Ti濃度の違いによる変形抵抗に差異が生じないので、偏析層が分断されて均質化が助長される。また、偏析部ではチタンが濃化して低融点となっているため、960℃を超える加熱をすると、液相が出現して、そのまま熱間圧延をするとその部分で割れるという液体金属脆性が生じてしまう。そこで、熱間圧延の加熱温度について、熱延前及び熱延中は960℃以下とし、且つ、元厚から全体の加工度が90%までのパスは900℃以上とする。そして、パス毎に適度な再結晶を起こしてTiの偏析を効果的に低減するために、板厚が50mmまでは、パスごとの圧下量を10mm以上とし、板厚が50mm以下からは、1パス当たりの加工度が20%以上となるようなパススケジュールで行う。1パスあたりの圧下量は10〜15mmとする。この時点でミクロ偏析が残存すると、後工程で充分な溶体化処理ができず、最終的に強度が低下する。
3)第一溶体化処理
その後、冷延と焼鈍を適宜繰り返してから溶体化処理を行う。ここで予め溶体化を行っておく理由は、最終の溶体化処理での負担を軽減させるためである。すなわち、最終の溶体化処理では、第2相粒子を固溶させるための熱処理ではなく、既に溶体化されてあるのだから、その状態を維持しつつ再結晶のみ起こさせればよいので、軽めの熱処理で済む。したがって、最終の溶体化処理では、再結晶粒の粗大化が抑制でき、均質な微細粒が得られるのである。
途中の焼鈍でも温度が低いと第二相粒子が形成されるので、この第二相粒子が完全に固溶する温度で行う。少なくとも第二相粒子の溶解度線よりも50℃以上高い温度で行うのが望ましい。具体的にはTiを3.0質量%含有したチタン銅の場合、830℃以上とし、Hf、Fe等の第3元素を0.2質量%程度添加した場合は、850℃以上の温度で溶体化するとよい。但し、不必要に高温で行うと、固溶していた第3元素群が、表面から進入して拡散してきた酸素によって、表層部より内部酸化してしまうので好ましくない。そこで、第一溶体化処理は加熱温度を850〜900℃とし、3〜10分間行えばよい。そのときの昇温速度及び冷却速度においても極力速くし、第二相粒子が析出しないようにする。それは、第二相粒子が完全に固溶した状態から後の最終の溶体化処理を行った方が、微細で均質な組織が得られるからである。
4)中間圧延
最終の溶体化処理前の中間圧延における加工度を高くするほど、最終の溶体化処理における第二相粒子が均一かつ微細に析出する。それは、集積した加工ひずみが再結晶の核生成サイトとなるので、加工度を高くしてひずみをためた方が、多数の再結晶核が生成するため、結晶粒が微細化するのである。但し、加工度をあまり高くして最終の溶体化処理を行うと、再結晶集合組織が発達して、塑性異方性が生じ、プレス整形性を害することがある。従って、中間圧延の加工度は好ましくは70〜99%である。加工度は{(圧延前の厚み−圧延後の厚み)/圧延前の厚み)×100%}で定義される。
5)最終の溶体化処理
最終の溶体化処理では、析出物を完全に固溶させることが望ましいが、完全に無くすまで高温に加熱すると、結晶粒が粗大化するので、加熱温度は第二相粒子組成の固溶限付近の温度とする(Tiの添加量が2.0〜4.0質量%の範囲でTiの固溶限が添加量と等しくなる温度は730〜840℃であり、例えばTiの添加量が3質量%では800℃程度)。既に前工程で溶体化処理を行っているので、ここでの加熱温度は、第2相粒子の溶解度線より僅かに高い温度で行えば足りる。そしてこの温度まで急速に加熱し、冷却速度も速くすれば粗大な第二相粒子の発生が抑制される。また、固溶温度での加熱時間は短い程、結晶粒が微細化する。加熱時間は例示的には30〜60秒である。この時点で発生した第二相粒子は微細かつ均一に分散していれば、強度と曲げ加工性に対してほとんど無害である。しかし粗大なものは最終の時効で更に成長する傾向にあるので、有害である。
加熱後は急冷することが望ましいので、冷却速度の高い冷却設備を有することが重要である。チタン銅の溶体化は水冷するのが一般的であるが、充分な冷却速度が得られるのであれば、水冷である必要はない。ここで充分な冷却速度とは、降温中に析出が生じる隙を与えないない速度という意味で、50℃/s以上であればよい。
冷却速度は、冷媒の熱伝達、および素材と冷媒との界面の熱伝達、更に素材の単位面積当たりの熱容量に依存する。本発明品は、より小型化されるコネクター用の素材をターゲットとしており、板厚が薄いアイテム、すなわち単位面積当たりの熱容量が小さい場合が多い。したがって、冷媒ガスを吹き付けるジェットクーラント方式でも、流量と圧力を調整すれば充分な冷却速度が得られる。しかし、板厚が薄い場合であっても、操業安定性の観点から最も好ましいのは水冷である。
6)最終の冷延加工度・最終の時効処理
上記溶体化処理工程後、最終の冷間圧延及び時効処理を行う。最終の冷間加工によってチタン銅の強度を高めることができる。この際、加工度が10%未満では充分な効果が得られないので加工度を10%以上とするのが好ましい。但し、加工度が高いほど次の時効処理で粒界析出が起こり易いので、加工度を50%以下、より好ましくは25%以下とする。時効処理については、低温ほど粒界への析出を抑制することができる。同じ強度が得られる条件であっても、高温短時間側より低温長時間側の方が、粒界析出を抑制できるのである。従来技術において適正範囲とされていた420〜450℃では、時効が進むにつれて強度は向上するが、粒界析出が生じやすく、僅かな過時効でも安定相であるCuTi3が発生して曲げ加工性を低下させてしまう。従って、添加元素によっても適正な時効条件は異なってくるが、通常は360〜420℃で1〜24時間であり、380〜400℃で12時間〜24時間とするのが好ましい。390〜400℃では12〜18時間とし、380℃〜390℃では18〜24時間とするのがより好ましい。例えば400℃×12h、380℃×24hとすることができる。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明例の銅合金を製造するに際しては、活性金属であるTiが第2成分として添加されるから、溶製には真空溶解炉を用いた。また、本発明で規定した元素以外の不純物元素の混入による予想外の副作用が生じることを未然に防ぐため、原料は比較的純度の高いものを厳選して使用した。
鋳造時の緩冷却によるマクロ偏析防止効果の検証
まず、実験室規模で鋳造時の緩冷却によるマクロ偏析防止効果を検証した。実施例1〜7及び比較例8〜12について、Cuに、Fe、Hf、Ni、Cr、Siを表1に示す組成でそれぞれ添加した後、同表に示す組成のTiをそれぞれ添加した。これらの組成のチタン銅については何れも液相線温度は約1050℃であり、固相線温度は約980℃である。添加元素の溶け残りがないよう添加後の保持時間にも十分に配慮した後に、これらをAr雰囲気で鋳型に注入して、それぞれ約2kgのインゴットを製造した。鋳造中の鋳型の温度勾配を制御して、マクロ偏析の大きさを調整した。具体的には、鋳型には鋳鉄製の外形が幅80mm×奥行30mm×高さ120mm、肉厚30mmものを用い、発明例及び比較例No.8〜11については、鋳型を、底面以外加熱して950℃となるように制御し、溶湯の抜熱が底面からのみ行われるようにした(図6)。この場合、溶湯が鋳型に注入されてから凝固が終了するまでに概ね1時間かかった。また、このような緩冷却でも微細な凝固組織が得られるように、底面の板に超音波振動を付加した。一方、比較例No.12〜14については、従来通り、常温の鋳型にそのまま出湯した。そして、側面から充分な速度で抜熱されるよう、溶湯の5倍以上の重量の鋳型を用いた(図7)。この場合、溶湯が鋳型に注入されてから概ね2〜3秒で凝固が終了した。尚、このようなラボインゴットを鋳造する場合、熱容量が格段に小さいため、出湯中の温度低下を考慮し、出湯温度は工業規模の実機の場合より高めに設定した。具体的な出湯温度を表1に示す。
上記インゴットに対して均質化焼鈍、及びそれに続く熱間圧延を行い、板厚10mmの熱延板を得た。面削による脱スケール後、冷間圧延して素条の板厚(1.5〜2.0mm)とし、素条での第1次溶体化処理を行って、中間の板厚(0.10〜0.2mm)まで冷間圧延した。その後、急速加熱が可能な焼鈍炉に挿入して最終の溶体化処理を行い、酸洗による脱スケール後、冷間圧延して板厚0.08mmとし、不活性ガス雰囲気中で時効して発明例及び比較例の試験片とした。尚、成分組成、均質化焼鈍の条件、熱間圧延条件、素条での第1次溶体化処理条件、最終の冷間圧延加工度、時効条件については、表1〜3に示す通りとした。
平均結晶粒径
圧延方向に平行な厚み方向の断面を電解研磨し、SEMにより断面組織を観察し、単位面積当たりの結晶粒の数をカウントした。このとき、観察視野は、表面から10μm以上離れた領域とし、全観察視野面積は、10000μm2(100μm×100μm)以上とした。ここで、観察視野の枠の直線部が結晶粒を横切っている場合、その結晶粒については1/2個とカウントし、枠の頂点(四隅)が結晶粒に差し掛かっている場合、その結晶粒については、1/4個とカウントすることとした。そして、全観察視野面積をカウントした結晶粒の合計で除し、結晶粒一個あたりの面積を計算した。その面積より、その面積と同じ面積を有する真円の直径(円相当径)を計算し、これを平均結晶粒径G.S.とした。
偏析率
圧延方向に直角な断面のTi濃度をEPMAにて板厚方向にライン分析し、Ti濃度の平均値Cavと最大値Cmaxを求め、以下の式より偏析率Sを算出する(図1)。なお、EPMAでの走査距離は、板厚の80%とする。例えば、板厚が0.1mmの場合、片側の表面から0.01mmの深さ位置より、反対の表面から0.01mmの深さ位置までの距離を走査するものとする。また、ライン分析は板幅全体にわたって均等に10箇所行い、得られた10個のSのうち、最大値を測定値とした。
Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
機械的性質
まず引張り試験を行って、JIS Z 2201に準拠して圧延平行方向の0.2%耐力を測定し、JIS H 3130に従って、Badway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値を測定した。
精密プレス加工性
また、精密プレス加工をする上での寸法安定性の評価を行うために、専用の金型を用いて、各試験片を図2及び図3に示すようなピン幅0.15mm、ピッチ(P)0.30mmのコネクターピン形状にプレス加工した。そして、レーザー変位計をピンの並列方向にスキャンして、各ピンの高さ位置hcとピンのねじれtanθを測定した。50本のピンのhcとtanθを求め、ピンの高さのばらつきを表す値として、hcの標準偏差σhcを、そして各ピンのねじれの大きさを表す値としてtanθの平均値μtanθを求めた。σhcとμtanθが少ないほど、寸法安定性に優れることになる。寸法安定性の測定方法と計算式は図4に示す。結果を表4に示す。
表4から明らかなように、No.1〜7においては、いずれも0.2%耐力が850MPa以上でMBR/t値が1.5以下、σhcが0.40μm以下、μtanθが0.03以下となっており、小型コネクターの製造に必要な強度と曲げ加工性及び、精密プレス加工時の寸法安定性とを同時に具備していることが判る。ここで、No.4は、Fe、Ni、Cr、Siを複合添加した系であり、Feを単独添加したNo.3より、強度が更に向上している。そして、No.5〜6は、Fe、Ni、Cr、Siの含有量及び含有比が好ましいレベルに調整されているために、No.4と比較して強度と曲げ加工性が更に向上している。また、No.7は、HfとFeの含有量が最も好ましい比率を形成しているために、強度と曲げ加工性が非常に良好である。
一方、比較例No.8は、Fe、Hfがどちらも含有しておらず、強度、曲げ加工性が不十分となった。比較例No.9は、FeがNi、Siとともに複合添加されているものの、Feとの比率(Ni+Cr+Si)/Feが1.0を超えているために、強度、曲げ加工性が共に不十分となった。また、比較例No.10は、FeとSiが適正な比率で複合添加されているものの、Feの含有量が少ないため、最終の溶体化処理で、結晶粒の微細化が充分に起こらず、強度、曲げ加工性が共に不十分となった。比較例No.11においては、Ni、Cr、Siの添加量の合計値が0.2原子%を超えているために、第二相粒子が必要以上に析出してしまい、曲げ加工性が不十分であった。そして、比較例No.12〜14は、鋳造時に急冷したためにマクロ偏析が大きく、何れもTiの偏析率Sが10%を超え、出湯温度が高いほど、この値が高くなり、寸法安定性が低下した。
No.15はHfの添加量が少な過ぎたため、強度が不十分であった。No.16は逆にHfの添加量が多過ぎたため、曲げ加工性が悪化した。
連続鋳造によるマクロ偏析防止効果の検証
1.発明例
次に、工業生産規模で鋳造時の緩冷却によるマクロ偏析防止効果を検証した。CuにHf及びFeを添加した後、Tiを溶解炉に添加して、Cu−4.5原子%Ti−0.16原子%Fe−0.04原子%Crの溶湯を得た。この組成におけるチタン銅は液相線温度は約1050℃であり、固相線温度は約980℃である。溶解炉から出湯した溶湯は図5に模式的に示すタンディッシュと鋳型を経て鋳造される。まず、溶解炉から連続的に50kg/minで出湯温度1130℃としてタンディッシュに注入した。タンディッシュでは溶湯の温度を1125℃に管理した。タンディッシュを流れる溶湯の雰囲気はArガスとした。また、溶湯内の非金属介在物は、タンディッシュ内で浮上分離させた。タンディッシュを通過した溶湯は超音波振動を付加した鋳造ノズルから鋳型に注入した。溶湯がノズル内で酸化しないよう、鋳造ノズルの周囲もArガス雰囲気で覆った。鋳型への注湯温度は1060℃とした。
鋳型内に注ぎ込まれた溶湯は、鋳型内で徐々に冷却する。本実施例では鋳型温度を950℃に制御した。また、鋳型にも超音波振動を付加した。鋳型には銅製の外形が幅650mm×奥行200mm×深さ700mm、肉厚50mmものを用いた。
鋳型を出た鋳塊は鋳型の下面から100cm離れた地点でミストにより2次冷却した。鋳型を出た後、鋳塊の表面温度において、800℃から500℃までの平均冷却速度は10℃/sであった。
2.比較例
比較例では、溶解炉からの出湯温度を1250℃とし、タンディッシュでは溶湯の温度を1200℃に管理し、鋳造ノズルから鋳型への注湯温度は1150℃とした。これくらいの温度であれば、ノズル詰まりは生じないので、鋳造ノズルには超音波振動を実施しなかった。鋳型は積極的に水冷し、温度は常に500℃以下に制御し、鋳型を出た鋳塊は鋳型を出た直後からシャワー水により2次冷却した。
鋳造後は、発明例及び比較例に対して同様の処理を実施して銅合金条(長さ:5000m、厚さ0.075mm)を得た。
発明例及び比較例それぞれにつき、得られた銅合金条の終端から100m付近より500mm×500mmの切片を切り出し、これについて上記と同様の特性評価を実施した。結果を表6に示す。
マクロ偏析の測定方法を示す図である。 寸法安定性を調査したピンの配列を示す図である。 寸法安定性を調査したピンの形状と寸法を示す図である。 寸法安定性の測定方法と計算方法を示す図である。 タンディッシュと鋳型の模式図である。 実験室規模で行った発明例に用いた鋳型の模式図である。 実験室規模で行った比較例に用いた鋳型の模式図である。
符号の説明
11 溶湯
12 タンディッシュ
13 鋳型
14 鋳造ノズル
15 溶湯プール
16 冷却ミスト
17 鋳塊
18 超音波振動
61 鋳鉄製の鋳型
62 保温材
63 加熱装置
64 発熱体
65 熱電対
71 鋳鉄製の鋳型

Claims (9)

  1. Tiを2.5〜5.5原子%、Feを0.1〜0.3原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる銅合金において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以下である銅合金。
    Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
    Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
    S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
  2. Tiを2.5〜5.5原子%、Hfを0.1〜0.3原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以下である銅合金。
    Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
    Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
    S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
  3. Tiを2.5〜5.5原子%、Feを0.1〜0.3原子%、Cr、Ni及びSiの中から選ばれる1種又は2種以上を合計で0.03〜0.20原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、Feに対するCr、Ni及びSiの合計の原子濃度比:(Cr+Ni+Si)/Feが0.2〜1.0である銅合金において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以下である銅合金。
    Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
    Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
    S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
  4. Tiを2.5〜5.5原子%、Fe及びHfを合計で0.2〜0.4原子%含有し、残部銅及び不可避的不純物からなる組成を有し、FeとHfの原子濃度比:Hf/Feが0.5〜2.0である銅合金において、以下の式によって定義されるTiの偏析率Sが10%以下である銅合金。
    Cav:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の平均値
    Cmax:圧延方向に直角な断面をEPMAにて板厚方向にライン分析したときのTi濃度の最大値
    S(%)=(Cmax−Cav)/Cav×100
  5. 圧延方向に平行な厚み方向の断面における平均結晶粒径が円相当径で表して2〜10μmである請求項1〜4の何れか一項に記載の銅合金。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金からなる伸銅品。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金を備えた電子部品。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の銅合金を備えたコネクター。
  9. 所望の組成を有するチタン銅の溶湯を溶解炉にて調製する工程1と、溶解炉からタンディッシュに溶湯を注湯する工程2と、タンディッシュから鋳造ノズルを介して鋳型に溶湯を注湯する工程3と、鋳型内で溶湯を凝固させてチタン銅の鋳塊を得る工程4と、鋳型から出てきた鋳塊を冷却する工程5とを含み、
    工程2は溶湯温度を溶湯の液相線温度より50〜100℃高い温度として実施し、
    工程3は溶湯温度を溶湯の液相線温度より0〜20℃高い温度で実施し、且つ、鋳造ノズルには超音波振動を付加し、
    鋳型は溶湯の固相線温度よりも10〜100℃低い温度に制御し、且つ、鋳型には超音波振動を付加する、
    ことを含むチタン銅の連続鋳造プロセスを行うことを含む請求項1〜5何れか一項記載のチタン銅の製造方法。
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