JP2024512922A - 銅系合金およびそれを用いて形成された金属マトリックス複合材 - Google Patents

銅系合金およびそれを用いて形成された金属マトリックス複合材 Download PDF

Info

Publication number
JP2024512922A
JP2024512922A JP2023555576A JP2023555576A JP2024512922A JP 2024512922 A JP2024512922 A JP 2024512922A JP 2023555576 A JP2023555576 A JP 2023555576A JP 2023555576 A JP2023555576 A JP 2023555576A JP 2024512922 A JP2024512922 A JP 2024512922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmc
alloy
copper
metal matrix
tungsten carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023555576A
Other languages
English (en)
Inventor
ナサニエル ヴェッキオ,ジェームス
ベル,アンディ
ワン,チョンミン
Original Assignee
エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド filed Critical エリコン メテコ(ユーエス)インコーポレイテッド
Publication of JP2024512922A publication Critical patent/JP2024512922A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C29/00Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides
    • C22C29/02Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides
    • C22C29/06Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides based on carbides, but not containing other metal compounds
    • C22C29/10Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides based on carbides, but not containing other metal compounds based on titanium carbide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/04Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C1/0425Copper-based alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/10Alloys containing non-metals
    • C22C1/1036Alloys containing non-metals starting from a melt
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C29/00Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides
    • C22C29/02Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides
    • C22C29/06Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides based on carbides, but not containing other metal compounds
    • C22C29/08Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on carbides or carbonitrides based on carbides, but not containing other metal compounds based on tungsten carbide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C32/00Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ
    • C22C32/0047Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ with carbides, nitrides, borides or silicides as the main non-metallic constituents
    • C22C32/0052Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ with carbides, nitrides, borides or silicides as the main non-metallic constituents only carbides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/05Alloys based on copper with manganese as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/06Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

本開示は、概して銅系合金に関し、より詳細には、金属マトリックス複合材(MMC)材料の形成に適合した銅系合金、およびMMC材料の製造方法に関する。一態様では、MMC材料のマトリックスを形成するための合金は、5.6~10.4重量パーセント(重量%)のマンガン(Mn)、3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)、1.4~4重量%のスズ(Sn)、および55重量%を超えて元素組成の残部までの銅(Cu)を含む元素組成を有する。この合金は、Cuの融解温度より低い固相線温度を有する。【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「COPPER-BASED ALLOY AND METAL MATRIX COMPOSITE FORMED USING SAME」と題する2021年4月1日出願の米国仮出願番号63/169669の優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
分野
本開示は、一般に炭化タングステン粒子に関し、より詳細には、テクスチャ加工された球状炭化タングステン、それから形成された複合材、およびその複合材を適用する方法に関する。
関連技術の説明
金属マトリックス複合材(MMC)は、金属マトリックス内に埋め込まれた粒子を含む複合材料を指す。MMCは、一般に、粉末よりも低い融解温度を有する単一の金属またはより一般的には合金を浸潤させた高融解温度金属粉末を含む。MMCは、採掘機器を含む様々な用途に使用されている。MMCの物理的特性は、構成材料とその製造プロセスによって設計することができる。
一態様では、合金が記載される。いくつかの態様では、合金は、5.6~10.4重量パーセント(重量%)のマンガン(Mn)、3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)、1.4~4重量%のスズ(Sn)、および55重量%を超えて合金の残部までの銅(Cu)を含んでおり、合金は、Cuの融解温度よりも低い固相線温度を有する。いくつかの実施形態では、合金は1300Kより低い固相線温度を有する。
いくつかの実施形態では、合金は、固相線温度から少なくとも固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する。いくつかの実施形態では、合金の90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である。いくつかの実施形態では、合金は2重量%までの不純物をさらに含む。いくつかの実施形態では、元素組成は、Si、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない。
いくつかの態様では、本明細書に記載の技術は合金に関し、合金は、2.5MS/mより高い電気伝導率を有する。いくつかの実施形態では、合金は、10W/mKより高い熱伝導率を有する。
いくつかの実施形態では、合金は、金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成し、MMC材料は、炭化タングステン粒子をさらに含む。いくつかの実施形態では、合金は金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成し、MMC材料はドリル部品の一部を形成する。いくつかの実施形態では、合金は、金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成し、MMC材料は、4,000in*lbf/inより大きい靭性を有する。
いくつかの態様では、本明細書に記載の技術は合金に関し、合金は金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成するための原料の一部であり、原料は炭化タングステン粒子をさらに含む。
別の態様では、銅系マトリックスに埋め込まれた強化粒子を含む金属マトリックス複合材料が記載されており、銅系マトリックスは、55重量%を超える銅(Cu)および1.4重量%を超えるスズ(Sn)を含む。
いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは、1.4~2.6重量%のスズ(Sn)、5.6~10.4重量%のマンガン(Mn)、および3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)を含み、銅系マトリックスはCuよりも低い固相線温度を有する。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスの固相線温度は1300Kより低い。
いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは、固相線温度から少なくとも固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスの90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは2重量%以下の不純物を含む。
いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは、Si、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは、2.5MS/mより高い電気伝導率を有する。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスは、10W/mKより高い熱伝導率を有する。いくつかの実施形態では、強化粒子は炭化タングステン粒子を含む。いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、金属マトリックス複合材料の50~70体積%を含む。いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、1~200μmの平均粒子サイズを有する。
いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、長軸に沿った第1の長さと短軸に沿った第2の長さの間の比が1.20以下である球状の形状を有する。いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する。いくつかの実施形態では、金属マトリックス複合材料は、175ksiを超える横断破断強度を有する。いくつかの実施形態では、金属マトリックス複合材料は、ドリル部品の一部を形成する。
図1は、角張った粒子を有する先行技術の金属粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
図2は、角張った粒子を使用して調製された先行技術の金属マトリックス複合材(MMC)の光学顕微鏡写真を示す。
図3は、球状または実質的に球形の粒子を使用して調製されたMMCの光学顕微鏡写真を示す。
図4は、MMCを製造するための装置を示す。
図5は、ドリルビットを有する土工具(earth-engaging tool)の実施形態を示す。
図6は、いくつかのMMC実施形態の強度および信頼性の向上を示す。
図7は、従来のMMCの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
図8~9は、実施形態によるMMCの走査型電子顕微鏡写真を示す。
図10は、図7の二値画像を示す。
図11は、図8の二値画像を示す。
図12は、図9の二値画像を示す。
図13は、実施形態による、Cu系マトリックスに埋め込まれた炭化タングステン粒子を含むMMCの光学顕微鏡写真を示す。
図14は、実施形態による、Cu系マトリックスおよび炭化タングステン粒子を有するMMCを試験するために調製されたサンプルの例を示す。
図15は、実施形態による、Cu系マトリックスに埋め込まれた炭化タングステン粒子を含むMMCの強度試験の実験結果を示す。
発明の詳細な説明
本明細書に開示されるのは、球状(spheroidal)または実質的に球形(spherical)の溶融炭化タングステン粒子、および炭化タングステン粒子から形成される金属マトリックス複合材(MMC)の実施形態である。MMCは、炭化タングステン粒子とともに、銅および/または銅合金からなるマトリックスを含むことができる。いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子およびそれから形成されるMMCは、従来の角張った溶融炭化タングステン粒子およびそれから形成されるMMCよりも実質的に改善された特性を有することができる。特に、本開示の実施形態は、得られる金属マトリックス複合材の耐浸食性および耐衝撃性を改善するために使用することができる。
また、本明細書には、強化粒子を持つMMCの銅系マトリックスを形成するための原料合金の実施形態も開示される。銅系マトリックス、および銅系マトリックスを一体化したMMCは、いずれも粒子で強化してもよい。いくつかの実施形態では、粒子は球形の炭化タングステン粒子であってもよい。いくつかの実施形態では、銅系マトリックスおよびそれから形成されるMMCは、従来のマトリックスまたはそれから形成されるMMCよりも実質的に改善された特性を有することができる。いくつかの実施形態では、MMCおよびそれを組み込んだ部品の熱伝導率が改善される可能性がある。
球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子は、市販の溶融炭化タングステン粉末、またはタングステン、モノ炭化タングステンおよび/または炭素の混合物から作られ得る。いくつかの実施形態では、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子は、タングステン(W)である組成の残部と組み合わせた、3.7~4.2(または約3.7~4.2)重量%の炭素(C)の炭素組成を有することができる。溶融炭化タングステン粒子は、いくつかの方法で製造することができる。いくつかの方法では、モノ炭化タングステンと炭素粉末をブレンドしたタングステン粉末の混合物を融解する。タングステン粉末、モノ炭化タングステン、および炭素粉末の融解した混合物は、回転霧化プロセスまたは超高温融解&霧化プロセスによって霧化される。回転霧化プロセスは、遠心力によって液体が砕かれて、融解した金属が液滴のスプレーとして飛び散るように、融解した混合物をスピンさせることまたは回転させることを含む。これらの液滴はその後、粉末粒子として凝固する。霧化プロセスは、一般的に、融解した金属の表面張力に起因する急速な凝固プロセス中に、融解した炭化タングステンを球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子に球状化する。
球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子の製造のための他の方法は、通常の溶融炭化タングステン粉末の改変に基づいてもよい。微細な球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子を得るために、プラズマ溶射、電気誘導または電気抵抗炉融解を球状化プロセス中に使用することができる。
真球度は、球状または実質的に球形の粒子のアスペクト比によって定義することができる。アスペクト比は、粒子の短軸に沿った第2の長さに対する長軸に沿った第1の長さの比、または球状または実質的に球形の粒子の最短の軸長に対する最長の軸長の比とすることができる。例えば、完全な球形の粒子は、正確に1のアスペクト比を有する。一方、角張った粒子のアスペクト比は少なくとも1.30である。
いくつかの実施形態では、球形または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子は、≦約1.20、≦約1.10、≦約1.05、またはこれらの値の任意の範囲内の値のアスペクト比を有することができる。いくつかの実施形態において、アスペクト比は、複数の溶融炭化タングステン粒子のアスペクト比の平均値を表すことができる。いくつかの実施形態では、粒子の各々は、本明細書に開示される範囲内のアスペクト比を有し得る。
球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粉末の比重は、ビッカースピラミッド数(HV)で定義される微小硬度が2,700~3,300HV(または約2,700~約3,300HV)またはその間の任意の値で、約16.5g/cmであり得る。理論に限定されることなく、本発明者らは、これらの高い微小硬度値が、とりわけ、本明細書に記載されるような球状化プロセスから生じる粒子形状および内部微細構造に起因する可能性があることを見出した。これと比較すると、従来のほとんど角張った溶融炭化タングステン粒子は、約1,500~2,200HVの実質的に劣る硬度を示す。本発明者らは、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子を含むMMCは、角張った溶融炭化タングステン粒子の同様のサイズと割合を含むものよりも耐摩耗性が高いことを発見した。
図1は、角張った金属粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
図2は、角張った従来の溶融炭化タングステン粉末から金属組織学的技術を用いて調製されたMMCの光学顕微鏡写真を示す。MMCは、軟質相202、図1に示すものと同様の粉末から形成された粒状相204、および粒状-軟質相界面206を含む。軟質相202は、最初に融解され、その後冷却されるマトリックス材料によって形成することができる。したがって、従来のMMCは2つの主要な相を含む。軟質相202は、粒状相204の液体金属浸潤によって形成される。
粒状相204は、金属炭化物、ホウ化物または酸化物を含むことができる。例えば、粒状相204は、モノ炭化タングステン、溶融炭化タングステンまたは超硬炭化タングステンを含む炭化タングステンを含むことができる。典型的には、炭化タングステン粒子は、図1に示すように、角張っている。軟質相202と粒状相204の間には界面206がある。本発明者らは、3つの相202、204、および206のすべてが、MMCの強度および摩耗特性に寄与し得ることを発見した。
図3は、球状または実質的に球形の炭化物粒子を使用して調製された金属マトリックス複合材(MMC)300の光学顕微鏡写真を示す。図示されるように、MMC300は、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子302および軟質相304を含み、これらが組み合わされて金属マトリックス複合材(MMC)300を形成している。MMC300はさらに、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン-軟質相界面306を含む。
界面306は、炭化タングステン粒子302と軟質相304の間に形成される金属結合または冶金学的結合を含む。本明細書に開示される冶金学的結合は、拡散原子および/または原子相互作用を含んでもよく、粒子302の原子と軟質相304の原子の間に形成される化学結合を含んでもよいことが理解されるべきである。冶金学的結合は、単なる機械的結合を超えるものである。このような条件下では、構成部品は金属結合材料に対して、および金属結合材料によって湿潤されてもよい。湿潤とは、液体と固体表面とが一緒になったときに、分子間相互作用によって生じる固体表面との接触を維持する液体の能力のことである。
MMCに組み込まれる前に、球状または実質的に球形の炭化タングステン粒子を含む粉末混合物が形成される。球状または実質的に球形から形成されたMMCは球形MMCと呼ばれることがあり、一方、角張った粉末から形成された従来のMMCは角張ったMMCと呼ばれることがある。
いくつかの実施形態では、液体金属浸潤経路を使用してMMCを形成することができる。液体金属浸潤は、圧縮された粉末材料が液体金属(例えば、結合材料)内に浸漬されるか、または液体金属(例えば、結合材料)と接触するプロセスである。液体金属は圧縮された粉末材料の細孔を満たし、圧縮された粉末材料の表面エネルギーによって引き起こされるプロセスである。例えば、金属結合材料は、銅、クロム、スズ、銀、コバルトニッケル、カドミウム、マンガン、亜鉛および/またはコバルト、またはそれらの合金を含む、任意の適切なろう付け金属であってもよい。金属結合材料は、炭化タングステン粉末を通して液体キャストし、凝固させてMMCを形成することができる。
具体的には、図4を参照して、成分を含む粉末の液体金属浸潤について説明する。ドリルビット500の所望の形状のネガを反映するグラファイトモールドアセンブリ412、414が製造される。球状または実質的に球形の粒子を含む粉末408が、モールドアセンブリ412、414に注がれ、圧縮される。その後、結合剤406、例えば銅または銅合金、および鋼部品404を加えてもよい。構成されたモールドアセンブリ412、414は、少なくとも結合剤406を融解するために加熱される。鋳型412、414内には、得られる鋳物内にMMCを含まない領域を画定する砂部品402がある。融解すると、結合剤406が粉末408に浸潤し、鋼部品404との結合を形成する。冷却すると、凝固した構造体には、強度と摩耗を考慮して有利に配置された複数の複合材が含まれる。
いくつかの実施形態では、結合剤は銅であってもよい。いくつかの実施形態では、結合剤は銅系合金であってもよい。いくつかの実施形態では、結合剤406として四元材料系を使用してもよい。いくつかの実施形態では、結合材料は、銅(47~58重量%または約47~約58)、マンガン(23~25重量%または約23~約25重量%)、ニッケル(14~16重量%または約14~約16重量%)および亜鉛(7~9重量%または約7~約9重量%)を含む四元系であり得る。
ドリルビット
本発明者らは、本開示のいくつかの実施形態による炭化タングステン粒子および炭化タングステン粒子から形成されたMMCが、ドリルなどの採掘機器に適用するのに特に有用であり得ることを発見した。しかしながら、実施形態はそのように限定されず、炭化タングステン粒子およびそれから形成されたMMCは、耐摩耗性材料が採用される他の様々な用途に使用することができることが理解されるであろう。
土合ドリルビットは、採鉱、石油およびガス産業を含む産業において、鉱物および炭化水素資源の探査および回収のために広く使用されている。土合ドリルビットの例には、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)ビットが含まれる。
ドリルビットは、地中の金属や岩石の層、あるいは金属製ケーシングチューブと擦れると摩耗する。この摩耗は、ドリルビットの機能喪失や破損につながる可能性がある。掘削中、冷却および潤滑用の掘削流体は、高い液圧エネルギーを用いてドリルビット内を循環する。掘削流体には、研磨粒子、例えば砂が含まれていることがあり、この研磨粒子が高い液圧エネルギーによって押し出されると、ドリルビットの面やその他の場所の摩耗を悪化させる可能性がある。
ドリルビットは、焼入れ鋼および焼戻し鋼と、金属マトリックス複合材(MMC)の少なくとも一方からなる本体を有してもよい。鋼製ドリルビット本体は延性が高く、製造がより容易になる場合がある。鋼製ドリルビット本体は、鋳造および鍛造製造技術を用いて製造してもよく、その例には、鍛造または圧延棒鋼技術が含まれるが、これらに限定されない。熱処理後の鋼の特性は一貫しており、再現性がある。鋼で作られたドリルビットの破砕はまれであるが、摩耗した鋼製ドリルビット本体は、作業者にとって修理が困難な場合がある。
MMC製ドリルビット本体は、鋼製ドリルビット本体よりも摩耗が遅い場合がある。しかしながら、従来のMMC製ドリルビット本体は、鋳造および/または加工および/または使用中に、熱的および機械的衝撃によって、より頻繁に破砕する。破砕により、ドリルビット内の外観上または構造上の欠陥のために、ドリルビットは早期に使用できなくなる可能性がある。あるいは、従来のMMC製ドリルビット本体は、切削構造の一部を失って壊滅的に破損する可能性があり、その結果、掘削性能が最適でなくなり、ドリルビットが早期に回収されることがある。
多くの場合、破砕するのはドリルビットのウイングまたはブレードである。ウイングやブレードの破損は、ドリルビット製造業者にとって経済的損害である。例えば坑井やボアホールなどの掘削穴から、摩耗または破損したドリルビットを回収することは望ましくない。ドリルビットを回収し、交換用のドリルビットを掘削穴に導入するために必要な非生産的な時間には、数百万ドルのコストがかかる可能性がある。耐摩耗性が向上し、破損率が低下したドリルビットやその他の土工具は、時間と費用を大幅に節約できる可能性がある。したがって、掘削中の破砕を低減または防止するために、ドリルビット用の超高強度MMCを開発することが望ましい。
MMCのサンプルの強度は、横断破断強度(TRS)試験を用いて決定することができる。TRS試験では、2点間で支持された立方体状または円筒状のMMCサンプルに対して中心に荷重をかける。破断強度は、MMCが支持することができる最大重量である。複数のサンプルを試験して、MMCを記述するのに使用できる平均強度と標準偏差を導き出してもよい。MMCのTRSの信頼性解析は、様々な応力下での破壊確率などの追加情報を提供することができる。
MMC製ドリルビットは一般に、鋼製ビットよりも浸食に対して優れた性能を発揮できるが、依然として作動流体中の粒子の急速な減速に遭遇し、その結果、材料が浸食されて除去されることがある。掘削中、高速の掘削泥がノズルから出てビットを冷却し、有害物質が排出される。掘削泥には、ベントナイト、粘土、界面活性剤などの物質が含まれ、さらに、岩石材料に由来する硬くて角張った鉱物も含まれている。PDCビットと掘削泥の接触により、ドリルビットの一部が浸食される可能性がある。本明細書に開示されるMMCは、掘削中のドリルビットの信頼性と性能を改善するため、超高強度を伴う高い耐浸食性を有する。
図5は、MMC図300からなるビット本体502を備えるドリルビット500の形態の土工具の実施形態の斜視図を示す。ビット本体502の一部または全部は、MMC300の実施形態から形成され得る。いくつかの実施形態では、ビット本体502の大部分は、MMC300の実施形態から形成される。さらに、工具は、例えば作動流体用のノズルポート516と、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)カッターなどの切削要素508を支持する面510と、ドリルビット500の面から流体中の切削屑を運び去るためのジャンクスロット506とを含むことができる。
なお、工具の他の実施形態は、記載された構造的特徴の一部または全部を有していなくてもよく、あるいは他の構造的特徴を有してもよいことが理解されるべきである。ビット本体502は、半径方向に突出し、長手方向に延びるウイングまたはブレード504の形態の突出部を有することができ、これらの突出部は、ドリルビット500の面510のチャネルおよびドリルビット500の側面のジャンクスロット506によって分離される。複数の超硬炭化タングステンまたはPDC切削要素508は、ビット本体502の面510上に延在するブレード504の前面のポケット内にろう付けされ得る。PDC切削要素508は、例えば、ビット本体502と一体的に形成され得るバットレス512によって背後から支持されてもよい。
ドリルビット500は、ドリルビット500をドリルストリング(図示せず)に取り付けるための米国石油協会(API)ねじ接続部の形態のシャンク514をさらに含んでもよい。さらに、長手方向の縦穴(図示せず)は、ビット本体502の少なくとも一部を通って長手方向に延びることができ、内部流体通路(図示せず)は、長手方向の縦穴と、ビット本体512の面510に設けられ、ドリル面から掘削流体および切削屑を除去するためのジャンクスロット506に通じるチャネル上に開口するノズル516の間の流体連通を提供してもよい。
地層切削中、ドリルビット500は穴の底に位置付けられ、ビットに荷重がかかっている状態で回転する。掘削流体(例えば、ドリルビット500が取り付けられたドリルストリングによって供給される掘削泥)は、ボア、内部流体通路、およびノズル516を通って、ビット本体502の面510およびPDC切削要素508に圧送される。ドリルビット508が回転すると、PDC切削要素508が地層を削り、せん断する。地層の切削屑は掘削泥と混合し、その中に浮遊し、ジャンクスロット506を通り、穴の壁(例えば、坑井またはボアホールの形態)とドリルストリングの外面の間の環状空間を通って地層の表面まで上昇する。
物理的特性
MMCのサンプルの強度は、TRS試験を用いて決定することができるが、TRSの結果を分析するために平均化や他の統計的方法を使用することも重要である。数値が十分に分析されていない場合、TRSデータは以下のような可能性がある。
1.破損の可能性を示さない、
2.特定の応力値における破損確率にアクセスしない、および/または
3.粉末組成およびその粉末で作られたMMCの変更や改善、特に応力と信頼性との関係が測定できない。
土工具および他の工具で使用されるMMCのサンプルの母集団における強度分布は、ワイブル統計を使用して決定してもよく、ワイブル統計は、所定の印加応力において破損の可能性の計算を確立できるようにする確率論的アプローチである。開示されたMMCの実施形態は、例えば、一般にワイブル分布に従うドリルビット500などの土工具と共に使用することができる。
ワイブル強度分布は、次の数式で記述される。
Figure 2024512922000002
式中の変数は次の通りである。Fは、サンプルの破損確率である。σは、印加応力である。σは、破損を引き起こすために必要な応力の下限であり、多くの場合ゼロと仮定される。σは、特性強度である。mは、ワイブル係数であり、材料の強度のばらつきの尺度である。Vは、試料の体積である。
上記の式は、通常σがゼロであると仮定して、σの対数とmの計算に使用される勾配に対する(1/(1-F)))の両対数プロットに並べ替えて示される。
図6は、図2に示したものと同様の、主に角張った粒子を含む同じタイプの角張ったMMC602と、図3に示したものと同様の、主に球状または実質的に球形の粒子604を含むMMCとの複数のサンプルに関する経験的強度データのワイブルプロットを示す。図6に示されるMMCは、テクスチャ加工された球状または実質的に球形の炭化タングステンと、公知の銅合金であるCu53銅結合剤とから構成される。最も左側のy軸の値は破損確率の関数を示し、最も右側のy軸の値は破損確率のパーセンテージを示している。x軸の値は、TRS試験中の破損時の印加応力の関数を示している。角張ったMMC602のサンプルと球形MMC604のサンプルに関する経験的強度データは、ワイブル分布に従っている。それぞれの直線の傾きは、それぞれのワイブル係数を定義している。角張ったMMC602のワイブル係数は13.76、球形MMC604のワイブル係数は27.94である。ワイブル係数は、材料強度のばらつきの1つの尺度である。例えば、ワイブル係数が4の場合、強度に30%のばらつき(1σ標準偏差)がある。
いくつかの実施形態では、球形MMC604は、≧15(または約15)、≧20(または約20)、≧25(または約25)またはそれより大きい、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるワイブル係数を有する。
ワイブルプロットは、所定の破損率に対するドリルビット本体のブレードの高さおよび幅を設計するために使用することができ、特に、所定の破損率に対してドリルビット本体のブレードをどの程度薄くおよび高くすることができるかを決定することができる。背が高く薄いブレードは、背が低く幅の広いブレードよりも早く地層を除去することができる可能性がある。しかしながら、背が高く薄いブレードは、許容できない破損確率を持つ可能性がある。あるいは、角張ったMMC604を含むドリルビットの信頼性を、球形MMC602を含む別の同一構成のドリルビットの信頼性と比較することができる。
10,000分の1の破損確率への線形外挿は、角張ったMMC602については約60ksi(キロポンド/平方インチ)、非球形MMC604については188ksiの印加応力に相当する。いくつかの実施形態では、球形MMC604の10,000分の1の破損確率への線形外挿は、80(または約80)ksi以上、100(または約100)ksi以上、120(または約120)ksi以上、140(または約140)ksi以上、160(または約160)ksi以上、180(または約180)ksi以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値に相当する。
微細構造
本発明者らは、新規な球状または実質的に球形の溶融炭化タングステンが、テクスチャ加工された表面を有することを発見した。本発明者らはこのテクスチャが、図3に示すように、軟質相304と球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子302の間の界面306において利用可能な表面積を増大させ得ることをさらに発見した。
MMC系の強度は、銅結合剤の強度、炭化タングステン粒子の強度、および/または、銅結合剤と組み込まれた炭化タングステン粒子との結合強度の3つの異なる成分のうちの1つ以上と関連付けることができる。そのため、炭化タングステン粒子と銅がうまく結合しないと、MMCが高い応力を受けたときに破損が起こり得る。表面積のより大きな炭化物粒子を持つことで、合金は炭化物粒子と結合する面積が増え、これにより界面強度が向上する。
図7は、従来のMMCにおけるタングステン粒子の表面形態を示す。図示されるように、微細構造は、従来の溶融炭化タングステン粒子のサッカーボール状の地形的特徴を有する。表面は比較的平滑であるため、MMC内に組み込まれた場合、表面積が小さく、界面強度が比較的低くなる。
図8は、MMC中の球状または実質的に球形のタングステン粒子の表面形態を示す。微細構造は、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステンの針状の地形的特徴(例えば、テクスチャリング)を含む。表面は大部分が細かい粒子の構造でテクスチャ化されており、MMC内に組み込まれた場合に表面積が大きく優れた界面強度が得られる。
図9は、MMC中の球状または実質的に球形のタングステン粒子の表面形態を示す。微細構造は、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステンの密な針状の地形的特徴を含む。表面は、大部分がより細かい粒子の構造でテクスチャ化されており、MMC内に組み込まれた場合にさらに表面積が大きく卓越した界面強度をもたらす。
球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子をその表面特徴によって定量化するために、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡(SEM)画像の固定視野における表面積のうち、粒界に起因する面積の割合を分析する。粒界の面積分率とは、例えば炭化タングステン粒子の表面などのサンプルの表面の画像、例えば光学またはSEM画像において、粒界に起因する可能性がある面積を指す。粒界の面積分率は、画像、例えば図10~12に示すような高コントラスト画像または二値画像を用いて定量化することができる。例えば、画像化されたフィールド内のピクセルの総数に占める暗いピクセルの数が、粒界の面積分率に対応し得る。本発明者らは、炭化タングステン粒子の従来のサッカーボール状の表面形態は、炭化タングステン粒子の表面上の粒界の面積分率が比較的低く、例えば5%未満であることを発見した。球状MMCの炭化タングステン粒子の針状の表面形態は、炭化タングステン粒子の表面上の粒界の比較的高い面積分率、例えば10%(または約10%)超をもたらす。例えば、従来のMMCを示す図7のMMCの二値画像である図10の粒界の面積分率は、3.6%である。一方、球状または実質的に球形の炭化タングステンから作られたMMCを示す図8のMMCの二値画像である図11における粒界の面積分率は、14.2%である。図12は、図9の二値画像であり、球状または実質的に球形の炭化タングステンから作られたMMCを示し、ここでは、粒界の面積分率は20.1%である。粒界の面積分率が高いほど、全体的により均一でより細かい粒子が得られる可能性がある。
本発明者らは、炭化タングステン粒子の球状の形状と、形成されたMMCの針状の表面形態との組み合わせが、炭化タングステン粒子の比較的高い表面積を生じさせ、これが比較的高い粒界面積分率を生じさせる可能性があることを発見した。高い粒界面積分率は、炭化タングステン粒子と金属マトリックスの間に形成される高強度界面の量に比例する可能性がある。多量の高強度界面は、高いTRS値や耐浸食性の向上など、MMCの機械的特性およびトライボロジー特性の向上をもたらし得る。
針状トポグラフィは、炭化タングステン粒子の表面に沿って延びる針状構造を含む。針状構造は、例えば0.5、1、2、3、4、5μm、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値を超える長さを有する一方、2、1、0.5、0.2、0.1μm、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値未満の幅を有する、少なくとも一部の長さ部分を有する。針状構造は、針状構造の最も短い幅に対する最も長い長さの比が2、5、10、20、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値を超えるものであってもよい。
本開示のいくつかの実施形態では、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子は、5.0%(または約5.0%)以上、10.0%(または約10.0%)以上、12.0%(または約12.0%)以上、12.0%(または約12.0%)以上、20.0%(または約20.0%)以上、またはこれらの値によって定義される範囲の値である粒界面積分率を有する。
粒子表面の粒界分布の均質性も特徴付けられた。図10~12の各微細構造画像は9等分された。各分離部における粒界面積分率を個別に測定した。次に、9等分した部分の粒界面積分率のばらつきを計算した。ばらつきの値が小さいほど、粒界の分布が均一であることを意味する。このようにばらつきが小さいほど、MMCの強度を向上させることができる。例えば、図10のばらつきは3.8%と測定され、これは図11で測定された値9.4%よりも低く、図10と比較して図11では粒界の分布がより均一であることを示している。
図10は、図7の二値画像を示す図である。図11は、図8の二値画像を示し、これは、14.2%の分析された面積分率、9.4%の9分割時のばらつきを含む。図12は、図9の二値画像を示し、これは、20.1%の分析された面積分率、3.8%の9分割時のばらつきを含む。
物理的特性
いくつかの実施形態では、球状または実質的に球形の溶融タングステン粒子のサイズは、1~200μmの間であってもよい。球状または実質的に球形の溶融タングステン粒子のサイズの変動は、最終的な浸潤MMCのTRSの変化をもたらす可能性がある。
粉末粒度分布は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるASTM B822に従ってMicroTracにより測定および決定される。粉末粒度分布は、以下の値によって定義される。
-D10または10パーセンタイル粒子径(μm)
-D50または平均粒子径(μm)
-D90または90パーセンタイル粒子径(μm)
本発明者らは、炭化タングステン粒子のD50を調整して目標TRS値を達成できることを発見した。いくつかの実施形態では、1μmと10μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されるMMCは、360ksi(または約360ksi)以上、530ksi(または約530ksi)以上、700ksi(または約700ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
いくつかの実施形態では、11μmと20μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、280ksi(または約280ksi)以上、365ksi(または約365ksi)以上、450ksi(または約450ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
いくつかの実施形態では、21μmと40μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、230ksi(または約230ksi)以上、260ksi(または約ksi)以上、290ksi(または約290ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
一実施形態では、41μmと60μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、180ksi以上、200ksi以上、220ksi以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
いくつかの実施形態では、61μmと80μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、160ksi(または約160ksi)以上、170ksi(または約170ksi)以上、180ksi(または180ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
いくつかの実施形態では、81μmと100μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、140ksi(または約140ksi)以上、150ksi(または約150ksi)以上、160ksi(または約160ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
いくつかの実施形態では、101μmと200μmの間の平均粒子サイズ(D50)を有する球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から形成されたMMCは、100ksi(または約100ksi)以上、120ksi(または約120ksi)以上、140ksi(または約140ksi)以上、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるTRSを有する。
実験室内の試験により、角張ったMMCおよび球形MMCの耐摩耗性および耐浸食性を測定して、互いに比較することができた。
改変した高圧アブレシブウォータージェット切断機を使用して、実際の掘削条件をシミュレートする浸食試験を実施した。ウォータージェットに対して0°と90°の間で調整可能な特殊なサンプルホルダーを設計し、サンプル表面とウォータージェット切断機から発生するスラリー噴流との衝突角度を調整できるようにした。ノズルとサンプルの距離は、サンプルの切断を避け、ジェットとサンプルの接触面積を大きくするため、1,000mmに選択した。浸食剤にはガーネットを用いた。ウォータージェットの圧力は50ksi、試験時間は10分であった。精度1mgの天秤を使用して、試験前後のクーポンの重量を測定した。
球形の溶融炭化タングステン粒子から液体浸潤法で製造されたMMCサンプルを30°の衝突角度で浸食試験し、0.022cmの体積損失だった。角張った溶融炭化タングステン粒子から作られた参照用MMCは、同じ条件で試験され、0.17cmの体積損失を受けた。
いくつかの実施形態では、球形MMCは、0.10(または約0.10)cm以下、0.08(または約0.08)cm以下、0.06(または約0.06)cm以下、0.04(または約0.04)cm以下、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値である浸食体積損失を有する。
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる標準ASTM 611高応力摩耗試験が、球形の溶融炭化タングステン粒子から製造されたMMCおよび角張った溶融炭化タングステン粒子から作られた参照MMCに対して実施された。試験条件下で球形の溶融炭化タングステン粒子から製造されたMMCは0.51cmの体積損失を有する一方、角張った溶融炭化タングステン粒子から製造された参照MMCは同じ試験条件下で1.28cmの体積損失を有した。
本開示のいくつかの実施形態では、球形MMCは、1.00(または約1.00)cm以下、0.80(または約0.80)cm以下、0.60(または約0.60)cm以下、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値であるASTM 611体積損失を有する。
高熱伝導性および低融解温度の原料合金、原料合金から形成された金属マトリックス、および原料合金を用いて形成されたMMC
上述したように、金属マトリックス複合材料(MMC)はマトリックスに埋め込まれた強化粒子を含む。強化粒子とマトリックスの物理的特性は相乗的に補完し合い、単一の材料では達成困難な独自の特性を有する金属マトリックス複合材料を形成することができる。例えば、上述したように、Cu系マトリックスに埋め込まれた炭化タングステン粒子を含むMMCは、単一の材料では同時に達成することが困難な高強度と高硬度の組み合わせを提供することができる。
上述したように、MMCの恩恵を受けることができる技術分野の一つは、掘削技術、例えば炭化水素燃料を抽出するための地中掘削技術である。掘削に使用される部品、例えばドリルビットは、優れた強度、硬度、耐摩耗性を示す必要がある。さらに、用途によっては、これらの特性の組み合わせが比較的過酷な条件下で要求されることもあり得る。過酷な条件には、ドリルビットの動作による摩擦に起因する高温が含まれる場合がある。一部のMMCの性能レベルは、中程度の温度では十分であっても、高温では許容できない性能レベルまで低下する場合がある。したがって、Cu系マトリックスに埋め込まれた炭化タングステン粒子をベースとするMMCの様々な有利な機械的特性を組み合わせると同時に、熱を効率的に放散することによって発熱条件下でも有利な特性を維持するように設計されたMMCが必要とされている。
したがって、球状または実質的に球形の溶融炭化タングステン粒子から作られたMMCは、そこから作製される部品の耐熱衝撃性を向上させる。いくつかの実施形態では、掘削を含む様々な用途のために、高い熱伝導率を有するMMCのマトリックスを形成するように構成された合金、例えば原料合金が製造される。原料合金を使用して形成されたMMCは、MMCの耐熱衝撃性を大幅に改善することに加えて、上述したような様々な有利な性能基準を維持することができる。熱衝撃の低減は、ひいては破砕による破損を減少させることができる。掘削用途では、作業中にドリルビット本体が破砕する傾向を低減することで、生産性を大幅に向上させ、その交換または修理に関連するコストを削減することができる。
MMCの相乗的なマトリックスとして機能するためには、高い熱伝導率を有することに加えて、マトリックスを形成するための原料合金は、強化粒子との適合性があり、うまく一体化する必要があることが理解されるべきである。これは、上述したように、MMCを作製するためのプロセスの1つが、強化粒子によって形成された細孔のネットワークの浸潤を含むためである。効果的な浸潤剤として機能するために、マトリックスを形成するための合金は、強化粒子の融解温度よりも低い融解温度を有することができる。合金は、融解したときに、高い流動性を有し、浸潤プロセスを促進するための表面張力および毛管力を提供する必要がある。液体状態において、合金は強化粒子の表面と小さい接触角度を形成すべきである。さらに、合金と強化粒子の間の化学反応は、原料合金に対するマトリックスの組成を変化させることによって浸潤プロセスを阻害するとともに、得られるMMCの性能に有害な影響を与える可能性があることから、比較的低いレベルに保たれるべきである。
これらおよび他のニーズに対処するために、MMCのマトリックスを形成するための原料合金は、銅(Cu)を主要な元素として含む元素組成を含む。炭化タングステン粒子のような一部の強化粒子は、比較的低い熱伝導率を有し、MMCの熱伝導率は、比較的高い熱伝導率を有するマトリックスの熱伝導率によって制限される場合がある。さらに、ドリルビットの場合、炭化タングステン含有量が増加すると、マトリックスの体積分率が低下するため、それに比例してMMCの熱伝導率が低下する。強化粒子含有量の増加に伴うMMCの熱伝導率の低下は、比較的高い銅含有量を組み込むことによって相殺することができる。しかしながら、炭化タングステン粒子の中には、MMCよりも高い熱伝導率を持つものもある。それにもかかわらず、いくつかの比較的孤立した強化粒子とは異なり、マトリックスは熱が移動することができる相互接続ネットワークを形成することができるため、および/またはマトリックスは最終的なMMCの熱質量分率のかなりの部分を構成するため、マトリックスの高い熱伝導率が望ましい。
様々な実施形態によれば、MMCのマトリックスを形成するための原料合金は、55、60、65、70、75、80、85重量パーセント(重量%)を超える銅(Cu)濃度、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値を含む元素組成を含む。高いCu含有量は、他の利点の中でも特に熱伝導率の向上をもたらすことができる。
元素銅は最も高い熱伝導率の1つを提供する可能性があり、MMCの作製やその結果としての機械的特性に関連する、1つ以上の他の望ましい特性を提供しない可能性がある。MMCのマトリックスの強度、硬度および耐摩耗性を含むマトリックスの様々な機械的特性を向上させ、ひいては得られるMMCの対応する機械的特性を向上させ、さらにマトリックスを液体状態で形成するための上述の浸潤特性を向上させるために、本発明者らは、マトリックスを形成するための原料合金を形成するために、Cuと合金化するための合金元素の組み合わせを発見した。様々な実施形態によれば、上述の比較的高いCu含有量に加えて、マトリックスを形成するための原料合金の元素組成は、1.4重量%を超える濃度のスズ(Sn)、3.5重量%を超える濃度のニッケル(Ni)、および5.6重量%を超える濃度のマンガン(Mn)を含む。上述の高いCu含有量を維持するために、実施形態によれば、Sn、NiおよびMnの合計濃度は、20重量%未満、30重量%未満、40重量%未満、45重量%未満、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値である。
いくつかの実施形態では、MMCのマトリックスを形成するための原料合金の元素組成は、1.4、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0重量%を超える濃度、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲内の濃度のSnを含む。いくつかの実施形態では、元素組成は、1.4~4重量%、1.7~2.3重量%、または約2.0重量%のSnを含んでもよい。いくつかの実施形態では、原料合金の元素組成は、5.6、6.4、6.8、7.2、7,6、8.0、8.4、8.8、9.2、9.6、10.4重量%を超える濃度、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲内の濃度のMnをさらに含む。いくつかの実施形態では、元素組成は、5.6~10.4重量%、6.8~9.2重量%、または約8.0重量%のMnを含む。いくつかの実施形態では、原料合金の組成は、3.5、4.0、4.3、4.5、4.7、5.0、5.3、5.5、5.8、6.0、6.5重量%を超える濃度、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の濃度のNiをさらに含む。いくつかの実施形態では、元素組成は、3.5~6.5重量%、4.3~5.8重量%、または約5.0重量%のNiを含む。
いくつかの実施形態では、原料合金の元素組成は、10重量%未満、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値の合計濃度で、不可避の不純物を含むことができる追加元素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、Cuは、追加元素または不純物元素に加えて、元素組成の残部として存在してもよい。
有利なことに、原料のCu濃度が比較的高いため、高い熱伝導率および/または電気伝導率が得られる。高い熱伝導率は、許容の電気伝導率を測定することによって間接的に測定できることが理解されるであろう。いくつかの実施形態において、原料は、2.0メガシーメンス(MS)/メートル(m)、2.5MS/m、3.0MS/m、3.5MS/m、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値よりも大きい電気伝導率を有する。いかなる理論にも束縛されることなく、原料は、例えば、ウィーデマン・フランツの法則によって電気伝導率に関連する値を有し得る熱伝導率を有する可能性がある。ウィーデマン・フランツの法則は、電気伝導率に対する熱伝導率の電子的寄与の比が温度に比例することを述べている。実施形態によれば、原料は、10W/mK、11W/mK、12W/mK、13W/mK、14W/mK、15W/mK、16W/mK、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値よりも大きい熱伝導率を有する可能性がある。
開示された量で存在する場合、Cu、Sn、MnおよびNiの組み合わせは、MMCのマトリックスの供給源として比較的純粋な元素Cuよりも様々な利点を提供することができる原料合金を形成する。この利点には、融解温度が低いこと、炭化タングステンとの接触角度が小さいこと、および/または炭化タングステンとの反応性が低いことのうちの1つ以上が含まれる場合がある。元素の組み合わせは、さらに、より高い強度、より高い耐摩耗性、および/またはより高い硬度のうちの1つ以上を含む、MMCのマトリックスの供給源としての比較的純粋な元素のCuを上回る利点を提供することができる。
いくつかの実施形態では、原料合金の元素組成がSi、Bおよび/またはZnの1つ以上を含まない場合、または存在する場合には、Si、Bおよび/またはZnが、10重量%、5重量%、2重量%、1重量%、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値よりも小さい合計濃度で存在する場合、原料合金中の元素の組み合わせは、元素Cuを上回る更なる利点を提供することができる。
様々な実施形態において、MMCのマトリックスを形成するための原料合金は、合金組成を有する液体から、例えば、構成元素の各々を融解するのに十分な温度で構成元素を融解することによって凝固した予備形成合金である。元素粉末の混合物とは対照的に、原料を予備形成合金の形態にすることで、MMCをより低い温度で効率的に形成することができるように、原料合金の融解温度を低下させることができるという様々な利点を提供することができる。原料の融解温度が低いと、異なる化学組成の原料を、上述したものを含む既存のMMC製造方法に適合させることができる。いくつかの既存の製造方法の温度制約により、1300Kを超える融解温度を有するMMCのマトリックスを形成するための原料は、製造用の強化粒子をMMCのマトリックスに浸潤させるために完全に融解することが困難な場合がある。したがって、本発明者らは、それぞれ1083℃(1356K)、1244℃(1517K)、1453℃(1726K)であるCu、MnおよびNiの融解温度に基づいて、これらの元素を含む原料が、これらの個々の元素のそれぞれよりも低い融解温度を有する合金形態であることが有利であることを見出した。したがって、実施形態によれば、合金の形態の原料は、合金が実質的に純粋なCuの融解温度よりも低い固相線温度を有するような組成を有する。いくつかの実施形態では、合金の固相線温度は、1300K、1275K、1250K、1225K、1200K、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の固相線温度よりも低い。
いくつかの実施形態では、原料合金は、単相固溶体として存在するか、または液化して固化することができる。単相固溶体の形態の合金またはマトリックスは、多相合金と比較して、様々な機械的特性および熱的特性において利点を提供することができる。いかなる理論にも束縛されることなく、単相固溶体として存在する場合、熱伝導率は、例えば、相境界で発生し得るフォノン散乱の抑制により向上し得る。相境界がないことは、転位のような境界に起因する欠陥を減少させることにより、合金の強度を向上させることもできる。
本発明者らは、単相固溶体としての合金の利用可能性の1つの尺度が、合金が単相固溶体として存在する、または熱力学的平衡条件下で存在すると予測される固相線温度より低い温度範囲であることを見出した。このような温度範囲は、単相温度範囲と呼ばれることがある。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるようなCu、Sn、MnおよびNiを含む合金の元素組成は、固相線温度から少なくとも固相温度より400K低い温度まで、合金が面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成するように、400Kより大きい単相温度範囲を有する。いくつかの実施形態では、合金が存在する固相線温度より低い原料合金の単相温度範囲は、375K、400K、425K、450K、475K、またはこれらの温度のいずれかによって定義される範囲の値を超えてもよい。
FCC結晶構造は、Sn、MnおよびNiが置換元素および/または格子間元素として存在し得るCuの基本結晶構造に対応してもよい。原料合金が、本明細書に記載されるような比較的広い単相温度範囲を有する場合、原料合金は、室温で実質的に単相合金として存在するマトリックスに形成され得る。いくつかの実施形態では、室温で、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値より大きい合金および得らえるマトリックスでは、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体が存在する。
本明細書に記載されるような原料合金は、銅系マトリックスに埋め込まれた強化粒子からなる金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成するために使用することができる。形成された銅系マトリックスは、元素組成を含め、記載されるようなマトリックスを形成するために使用される原料合金の物理的・化学的特性のいずれか、および/またはすべてを有することができる。いくつかの実施形態では、原料合金と、そこから形成されるMMC材料のマトリックスの化学組成は、実質的に同じであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、MMCのマトリックスは、55重量%を超える銅(Cu)および1.4重量%を超えるスズ(Sn)を含む元素組成を有する。原料合金と同様に、マトリックスの元素組成は、1.4、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0重量%を超える濃度、またはこれらの値のいずれかで定義される範囲内の濃度を有するSn、5.6、6.4、6.8、7.2、7,6、8.0、8.4、8.8、9.2、9.6、10.4重量%を超える濃度、またはこれらの値で定義される範囲内の濃度のMn、および、3.5、4.0、4.3、4.5、4.7、5.0、5.3、5.5、5.8、6.0、6.5重量%を超える濃度、またはこれらの値で定義される範囲内の濃度のNiを含む。
同様に、MMCのマトリックスは、上述したような固相線温度、単相温度範囲、電気伝導率、熱伝導率を含む原料合金の物理的および化学的特性のいずれかおよび/またはすべてを有することができるが、重複する詳細については簡潔にするためにここでは省略する。
様々な実施形態によれば、強化粒子は炭化タングステン粒子を含むことができる。炭化タングステン粒子は、上述した球状炭化タングステン粒子の特性のいずれかおよび/またはすべてを有することができるが、その重複する詳細については簡潔にするためにここでは省略する。例えば、いくつかの実施形態において、炭化タングステン粒子は、短軸に沿った第2の長さに対する長軸に沿った第1の長さの比が1.20以下である球状の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する。いくつかの実施形態において、炭化タングステン粒子は、1μmと10μmの間、11μmと20μmの間、21μmと40μmの間、41μmと60μmの間、61μmと80μmの間、81μmと100μmの間、101μmと200μmの間、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲のD50を有することができ、ここで、寸法Dは、強化炭化タングステン粒子の最も長い横方向の寸法を指し、D50は、炭化タングステン粒子の最も長い横方向の寸法の中央値を指す。
しかしながら、実施形態によるMMC材料の強化粒子はそれほど限定されず、いくつかの他の実施形態では、炭化タングステン粒子は、短軸に沿った第2の長さに対する長軸に沿った第1の長さとの比が1.20以上である球状の形状、および/または5.0%より小さい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有することができる。
いくつかの実施形態では、炭化タングステン粒子は、球状の形状および/またはテクスチャ加工された表面を有していない。図13は、実施形態による、Cu系マトリックス1302に埋め込まれた炭化タングステン粒子1301を含むMMCの光学顕微鏡写真を示す。図3に関して上述したMMCの球状炭化タングステン粒子とは異なり、図2に関して上述したMMCの炭化タングステン粒子と同様に、図13に示すMMCの炭化タングステン粒子1301は、不規則な形状を有する角張った粒子である。
様々な実施形態によれば、強化粒子、例えば炭化タングステン粒子は、Cu系マトリックスを含むMMC中に、40体積%、50体積%、60体積%、70体積%、80体積%、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値より多く存在し、例えば50~70体積%存在する。
実施形態によるMMCは、図4に関して上述した方法と同様の方法を用いて作製することができるが、その重複する詳細については簡潔にするためにここでは省略する。例えば、図4に戻って参照すると、金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成する方法は、強化粒子408、例えば、炭化タングステン粒子、および銅系マトリックスを形成するための原料合金410をモールドアセンブリ412、414内に提供する工程を含み、原料合金410は、55重量パーセント(重量%)を超える銅(Cu)および1.4重量%を超えるスズ(Sn)を含む元素組成を有する。強化粒子408は、液化した合金410が強化粒子408によって形成された多孔質ネットワークに重力で引き込まれるように、原料合金410の下方に配置される。次いで、本方法は、合金410を融解する工程、強化粒子408によって形成された細孔のネットワークに液化した合金410を浸潤させる工程、および強化粒子408の表面を湿潤させる工程をさらに含む。次いで、液化した合金410をネットワーク内で凝固させ、銅系マトリックス中に埋め込まれた強化粒子408からなるMMC材料を形成する。
上述したように、原料は合金410の形態であるため、原料は、Cu、MnおよびNiを含む元素金属のいくつかの融解温度よりも実質的に低い温度で液化することができる。実施形態によれば、融解は、Cu、MnおよびNiの1つ以上の融解温度よりも低い温度、または1083℃(1356K)、1244℃(1517K)、1453℃(1726K)よりも低い温度に鋳型を加熱することを含む。例えば、融解は、鋳型を1000~1200℃の温度に加熱することを含む。このようにして作製されたMMCは、上述したようなドリルビットなどのドリル部品の少なくとも一部を形成することができるが、その詳細については簡潔にするためにここでは省略する。
上述したように、MMCの強度の尺度である1つの機械的特性は、横断破断強度(TRS)であるが、その測定の詳細については簡潔にするためにここでは繰り返さない。実施形態によるMMCは、上述したように炭化タングステン粒子およびCu系合金で作製された場合、175ksi、200ksi、220ksi、250ksi、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値よりも大きいTRS値を有することができる。
本明細書に開示されるCu系合金は、MMCの結合剤成分として使用した場合に、さらなる靭性を提供する。Cu系合金は、3,000in*lbf/in、4,000in*lbf/in、5,000in*lbf/in、またはこれらの値のいずれかによって定義される範囲の値を超える靭性レベルを有することができる。
図14は、本明細書に記載されるようなCu系マトリックスおよび炭化タングステン粒子を有するMMCを試験するために調製されたサンプルの例を示す。実施形態によるMMCのTRSを測定するために、直径0.5mm、長さ100mmの円筒状MMCサンプルを、適切な寸法のグラファイト鋳型を用いて、まず鋳型に炭化タングステン粒子を充填し、炭化タングステン粒子の上にCu系原料合金の断片を配置することによって調製した。その後、鋳型を1180℃の炉に1時間入れてCu系合金を融解させ、炭化タングステン粒子に液化したCu系合金を浸潤させ、その後合金を凝固させて、図示されているような最終的なMMC円筒状サンプルを形成した。その後、円筒状サンプルを標準的な3点曲げ試験で試験し、横断破断強度を測定した。図に示すサンプルは、32~75ミクロン(200メッシュと450メッシュ、70ミクロンのD50に相当)の上限と下限で定義される粒度分布(PSD)を持つ球形の炭化タングステン粒子を用いて作製した。図14に示すように調製されたMMC円筒状サンプルは、175~250ksiのTRSを有することが実証された。
Cu53合金と上記実施形態による化学物質、例えば開示されたCu合金から作られた円筒状MMCサンプルを、上述したものと同様のプロセスで製造した。Cu53合金を用いたMMCサンプルの熱伝導率は13.96W/mKであり、開示された合金を用いたドリルビットサンプルの熱伝導率は16.77W/mKであった。開示された銅合金を使用したMMCサンプルの平均TRS強度は240ksiで、Cu53合金の224ksiを上回った。比較実験結果を表1に示す。開示された銅合金の弾性率は320GPaで、Cu53合金の340GPaより低かった。
Figure 2024512922000003
さらに、TRS試験により、開示された銅合金は、Cu53製MMCと比較して、MMCサンプルにおいて改善された靭性を示すことが明らかになった。Cu53MMCサンプルは、2,965in*lbf/in3の靭性を示すのに対し、開示された銅合金は、5,511in*lbf/in3の靭性を示す。
Figure 2024512922000004
図15は、本明細書に記載されるようなCu系マトリックスと炭化タングステン粒子を有するMMCのTRS試験結果を示す。2.89%のスズ(Sn)、7.56%のマンガン(Mn)、4.88%のニッケル(Ni)、および84.67重量%のCuを含む銅系マトリックスを有する円筒状MMCサンプル(X17C MMCサンプル)、およびCu53合金から作られた参照MMCサンプルを、図14で上述したものと同様のプロセスによって製造した。図15を参照すると、Cu53MMCサンプルとX17C MMCサンプルの両方でTRS試験を実施した。UHS+X17Cサンプルは、Cu53サンプルと比較して強度と靭性の両方の向上を示した。

追加実施例I
1. 溶融炭化タングステン粒子を含む粉末ブレンドであって、溶融炭化タングステン粒子が、
短軸に沿った第2の長さに対する長軸に沿った第1の長さの比が1.20以下である球状の形状、および
5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する、粉末ブレンド。
2. 金属タングステン粒子をさらに含む、実施例1に記載の粉末ブレンド。
3. テクスチャ加工された表面が針状トポグラフィを有する、実施例1または2に記載の粉末ブレンド。
4. 針状トポグラフィが、炭化タングステン粒子の表面に沿って細長い針状構造からなり、針状構造の少なくとも一部が1μmを超えない幅を有する部分を有する、実施例1~3のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
5. マトリックス中に埋め込まれた溶融炭化タングステン粒子を含む金属マトリックス複合材(MMC)を形成するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
6. マトリックスが銅または銅合金を含む、実施例5に記載の粉末ブレンド。
7. 15以上のワイブル係数を有する高強度MMCを形成するように構成されている、実施例1~6のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
8. 80ksi以上の印加応力に相当する10,000分の1の破損確率へのワイブルプロットの線形外挿を有する高強度MMCを形成するように構成されている、実施例1~7のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
9. 0.10cm以下の浸食体積損失を有する高強度MMCを形成するために使用される、実施例1~8のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
10. 1.00cm以下のASTM 611体積損失を有する高強度MMCを形成するように構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
11. 溶融炭化タングステン粒子および銅または銅合金マトリックスを含む金属マトリックス複合材(MMC)を含む高強度ドリルビットの一部を形成するように構成されている、実施例1~10のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
12.溶融炭化タングステン粒子が1~200μmの平均粒子サイズを有する、実施例1~11のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
13. 球状の形状を有し、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する溶融炭化タングステン粒子、および
溶融炭化タングステン粒子が埋め込まれたマトリックスを含む、金属マトリックス複合材(MMC)材料。
14. 溶融炭化タングステン粒子の少なくとも一部が、短軸に沿った第2の長さに対する長軸に沿った第1の長さの比が1.20以下である、実施例13に記載のMMC材料。
15. マトリックスが銅または銅合金を含む、実施例13または14に記載のMMC材料。
16. 15以上のワイブル係数を有する、実施例13~15のいずれか1つに記載のMMC材料。
17. 80ksi以上の印加応力に相当する10,000分の1の破損確率へのワイブルプロットの線形外挿を有する、実施例13~16のいずれか1つに記載のMMC材料。
18. 0.10cm以下の浸食体積損失を有する、実施例13~17のいずれか1つに記載のMMC材料。
19. 1.00cm以下のASTM 611体積損失を有する、実施例13~18のいずれか1つに記載のMMC材料。
20. 溶融炭化タングステン粒子が1μmと10μmの間のD50を有し、360ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~19のいずれか1つに記載のMMC材料。
21. 溶融炭化タングステン粒子が11μmと20μmの間のD50を有し、280ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~20のいずれか1つに記載のMMC材料。
22. 溶融炭化タングステン粒子が21μmと40μmの間のD50を有し、230ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~21のいずれか1つに記載のMMC材料。
23. 溶融炭化タングステン粒子が41μmと60μmの間のD50を有し、180ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~22のいずれか1つに記載のMMC材料。
24. 溶融炭化タングステン粒子が61μmと80μmの間のD50を有し、160ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~23のいずれか1つに記載のMMC材料。
25. 溶融炭化タングステンが81μmと100μmの間のD50を有し、140ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~24のいずれか1つに記載のMMC材料。
26. 溶融炭化タングステンが101μmと200μmの間のD50を有し、100ksi以上の横断破断強度を有する、実施例13~25のいずれか1つに記載のMMC材料。
27. 高強度ドリルビットの一部を形成する、実施例13~26のいずれか1つに記載のMMC材料。
28. 金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成する方法であって、
球状の形状を有し、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する溶融炭化タングステン粒子を鋳型に添加する工程、
銅を含む結合剤材料を鋳型に添加する工程、
結合剤材料を融解して、溶融炭化タングステン粒子に浸潤させる工程、および
融解した結合剤材料を凝固させ、MMC材料を形成する工程、を含む方法。
29. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも10.0%の粒界面積分率を有する、実施例28に記載の方法。
30. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも12.0%の粒界面積分率を有する、実施例28または29に記載の方法。
31. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも20.0%の粒界面積分率を有する、実施例28~30のいずれか1つに記載の方法。
32. MMC材料が15以上のワイブル係数を有する、実施例28~31のいずれか1つに記載の方法。
33. MMC材料が20以上のワイブル係数を有する、実施例28~32のいずれか1つに記載の方法。
34. MMC材料が25以上のワイブル係数を有する、実施例28~33のいずれか1つに記載の方法。
35. MMC材料の10,000分の1の破損確率への線形外挿が80ksi以上に相当する、実施例28~34のいずれか1つに記載の方法。
36. MMC材料の10,000分の1の破損確率への線形外挿が140ksi以上に相当する、実施例28~35のいずれか1つに記載の方法。
37. MMC材料の10,000分の1の破損確率への線形外挿が180ksi以上に相当する、実施例28~36のいずれか1つに記載の方法。
38. MMC材料が少なくとも140ksiの横断破断強度を有する、実施例28~37のいずれか1つに記載の方法。
39. MMC材料が少なくとも450ksiの横断破断強度を有する、実施例28~38のいずれか1つに記載の方法。
40. MMC材料が少なくとも700ksiの横断破断強度を有する、実施例28~39のいずれか1つに記載の方法。
41. MMC材料が0.10cm以下の浸食体積損失を有する、実施例28~40のいずれか1つに記載の方法。
42. MMC材料が0.08cm以下の浸食体積損失を有する、実施例28~41のいずれか1つに記載の方法。
43. MMC材料が0.04cm以下の浸食体積損失を有する、実施例28~42のいずれか1つに記載の方法。
44. MMC材料を高強度ドリルビットの一部として形成する工程を含み、鋼成分を鋳型に添加する工程をさらに含み、結合剤材料を融解する工程が、鋼成分を少なくとも部分的に取り囲む工程を含む、実施例28~43のいずれか1つに記載の方法。
45. マトリックス内に溶融炭化タングステン粒子を含む金属マトリックス複合材を含み、該溶融炭化タングステン粒子が、球状の形状を有し、少なくとも5.0%の粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する、高強度ドリルビット。
46. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも10.0%の粒界面積分率を有する、実施例45に記載のドリルビット。
47. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも12.0%の粒界面積分率を有する、実施例45または46に記載のドリルビット。
48. 溶融炭化タングステン粒子が少なくとも20.0%の粒界面積分率を有する、実施例45~47のいずれか1つに記載のドリルビット。
49. 金属マトリックス複合材が15以上のワイブル係数を有する、実施例45~48のいずれか1つに記載のドリルビット。
50. 金属マトリックス複合材が20以上のワイブル係数を有する、実施例45~49のいずれか1つに記載のドリルビット。
51. 金属マトリックス複合材が25以上のワイブル係数を有する、実施例45~50のいずれか1つに記載のドリルビット。
52. 金属マトリックス複合材の10,000分の1の破損確率への線形外挿が80ksi以上に相当する、実施例45~51のいずれか1つに記載のドリルビット。
53. 金属マトリックス複合材の10,000分の1の破損確率への線形外挿が140ksi以上に相当する、実施例45~52のいずれか1つに記載のドリルビット。
54. 金属マトリックス複合材の10,000分の1の破損確率への線形外挿が180ksi以上に相当する、実施例45~53のいずれか1つに記載のドリルビット。
55. 金属マトリックス複合材が少なくとも140ksiの横断破断強度を有する、実施例45~54のいずれか1つに記載のドリルビット。
56. 金属マトリックス複合材が少なくとも450ksiの横断破断強度を有する、実施例45~55のいずれか1つに記載のドリルビット。
57. 金属マトリックス複合材が少なくとも700ksiの横断破断強度を有する、実施例45~56のいずれか1つに記載のドリルビット。
58. 金属マトリックス複合材が0.10cm以下の浸食体積損失を有する、実施例45~57のいずれか1つに記載のドリルビット。
59. 金属マトリックス複合材が0.08cm以下の浸食体積損失を有する、実施例45~58のいずれか1つに記載のドリルビット。
60. 金属マトリックス複合材が0.04cm以下の浸食体積損失を有する、実施例45~59のいずれか1つに記載のドリルビット。
61. 追加実施例IIの実施例1~12の合金で形成されたマトリックスに埋め込まれた溶融炭化タングステン粒子を含む金属マトリックス複合材(MMC)を形成するように構成されている、実施例1~12のいずれか1つに記載の粉末ブレンド。
62. マトリックスが、追加実施例IIの実施例65~76の合金で形成される、実施例13~27のいずれか1つに記載のMMC材料。
63. MMCが、追加実施例IIの実施例65~76の合金で形成されたマトリックスを含む、実施例28~44のいずれか1つに記載の方法。
64. 金属マトリックス複合材が、追加実施例IIの実施例65~77の合金で形成されたマトリックスを含む、実施例45~60のいずれか1つに記載のドリルビット。

追加実施例II
65. 5.6~10.4重量パーセント(重量%)のマンガン(Mn)、
3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)、
1.4~4重量%のスズ(Sn)、および
55重量%を超えて合金の残部までの銅(Cu)を含み、
Cuの融解温度より低い固相線温度を有する、合金。
66. 1.4~2.6重量%のスズ(Sn)を含む、実施例65に記載の合金。
67. 固相線温度が1300Kより低い、実施例66に記載の合金。
68. 固相線温度から少なくとも固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する、実施例66または67に記載の合金。
69. 合金の90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である、実施例65~68のいずれか1つに記載の合金。
70. 2重量%までの不純物をさらに含む、実施例65~68のいずれか1つに記載の合金。
71. 元素組成が、Si、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない、実施例65~70のいずれか1つに記載の合金。
72. 2.5MS/mより高い電気伝導率を有する、実施例65~71のいずれか1つに記載の合金。
73. 10W/mKより高い熱伝導率を有する、実施例65~72のいずれか1つに記載の合金。
74. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、MMC材料が炭化タングステン粒子をさらに含む、実施例65~73のいずれか1つに記載の合金。
75. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、MMC材料がドリル部品の一部を形成する、実施例65~74のいずれか1つに記載の合金。
76. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、MMC材料が4,000in*lbf.inより大きい靭性を有する、実施例65~75のいずれか1つに記載の合金。
77. 金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成するための原料の一部である合金であって、原料が炭化タングステン粒子をさらに含む、実施例65~76のいずれか1つに記載の合金。
78. 銅系マトリックスに埋め込まれた強化粒子を含む金属マトリックス複合材料であって、銅系マトリックスが、55重量%を超える銅(Cu)と1.4重量%を超えるスズ(Sn)とを含む、金属マトリックス複合材料。
79. 銅系マトリックスが、
1.4~4重量%のスズ(Sn)、
5.6~10.4重量%のマンガン(Mn)、および
3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)を含み、
銅系マトリックスが、Cuよりも低い固相線温度を有する、実施例78に記載の金属マトリックス複合材料。
80. 銅系マトリックスが1.4~2.6重量%のスズ(Sn)を含む、実施例79に記載の金属マトリックス複合材料。
81. 銅系マトリックスの固相線温度が1300Kより低い、実施例78~80のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
82. 銅系マトリックスが、固相線温度から少なくとも固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する、実施例78~80のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
83. 銅系マトリックスの90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である、実施例78~82のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
84. 銅系マトリックスが2重量%以下の不純物を含む、実施例78~83のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
85. 銅系マトリックスが、Si、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない、実施例78~84のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
86. 銅系マトリックスが、2.5MS/mより高い電気伝導率を有する、実施例78~85のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
87. 銅系マトリックスが、10W/mKより高い熱伝導率を有する、実施例78~86のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
88. 強化粒子が炭化タングステン粒子を含む、実施例78に記載の金属マトリックス複合材料。
89. 炭化タングステン粒子が、金属マトリックス複合材料の50~70体積%を構成する、実施例88に記載の金属マトリックス複合材料。
90. 炭化タングステン粒子が1~200μmの平均粒子サイズを有する、実施例88または89に記載の金属マトリックス複合材料。
91. 炭化タングステン粒子が、長軸に沿った第1の長さと短軸に沿った第2の長さの間の比が1.20以下の球状の形状を有する、実施例88~90のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
92. 炭化タングステン粒子が、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する、実施例78~91のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
93. 175ksiを超える横断破断強度を有する、実施例78~92のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
94. ドリル部品の一部を形成する、実施例78~93のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
95. 金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成する方法であって、
鋳型内で銅系マトリックスを形成するための強化粒子および合金を提供し、ここで合金が、
>55重量%の銅(Cu)と
>1.4重量%のスズ(Sn)、
を含む元素組成を有する、工程、
少なくとも合金を融解する工程、および
合金を凝固させて金属マトリックス複合材料を形成し、ここで強化粒子が銅系マトリックスに埋め込まれる、工程、を含む方法。
96. 合金が、
1.4~4重量%のスズ(Sn)、
5.6~10.4重量%のマンガン(Mn)、および
3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)、を含み、
合金が、Cuの融解温度よりも低い固相線温度を有する、実施例95に記載の方法。
97. 合金が1.4~2.6重量%のスズ(Sn)を含む、実施例95に記載の方法。
98. 合金を融解する工程が、Cu、MnおよびNiの1つ以上の融解温度よりも低い温度に鋳型を加熱する工程を含む、実施例95~97のいずれか1つに記載の方法。
99. 合金を融解する工程が、鋳型を1000~1200℃に加熱する工程を含む、実施例95~98のいずれか1つに記載の方法。
100. 液化した合金を凝固させる前に、強化粒子によって形成された多孔質ネットワークを浸潤させる工程と、融解した合金で強化粒子の表面を湿潤させる工程とをさらに含む、実施例95~99のいずれか1つに記載の方法。
101. 強化粒子および合金を提供する工程が、融解した合金が強化粒子によって形成された多孔質ネットワークに重力で引き込まれるように、強化粒子を合金の下方に配置する工程を含む、実施例95~100のいずれか1つに記載の方法。
102. 合金を凝固させる工程が、融解した合金を室温まで冷却する工程を含み、銅系マトリックスの90重量%超が、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体に凝固する、実施例95~101のいずれか1つに記載の方法。
103. 合金が2重量%以下の不純物を含み、合金の残部が銅である、実施例95~102のいずれか1つに記載の方法。
104. 合金がSi、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない、実施例95~103のいずれか1つに記載の方法。
105. 銅系マトリックスが2.5MS/mより高い電気伝導率を有する、実施例95~104のいずれか1つに記載の方法。
106. 銅系マトリックスが10W/mKより高い熱伝導率を有する、実施例95~106のいずれか1つに記載の方法。
107. 強化粒子が炭化タングステン粒子を含む、実施例95~107のいずれか1つに記載の方法。
108. 金属マトリックス複合材料の50~70体積%が炭化タングステン粒子からなる、実施例107に記載の方法。
109. 炭化タングステン粒子が1~200μmの平均粒子サイズを有する、実施例107または108に記載の方法。
110. 炭化タングステン粒子が、粒子の長軸に沿った第1の長さと粒子の短軸に沿った第2の長さの間の比が1.20以下の球状の形状を有する、実施例107~109のいずれか1つに記載の方法。
111. 炭化タングステン粒子が、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する、実施例107~110のいずれか1つに記載の方法。
112. 金属マトリックス複合材料が175ksiを超える横断破断強度を有する、実施例95~111のいずれか1つに記載の方法。
113. 金属マトリックス複合材料をドリル部品に形成することをさらに含む、実施例95~112のいずれか1つに記載の方法。
114. 金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成するための原料の一部である合金であって、原料が、追加実施例Iの実施例1~12による粉末ブレンドをさらに含む、実施例65~77に記載の合金。
115. 強化粒子が、追加実施例Iの実施例1~12による粉末ブレンドからなる、実施例78~94に記載のMMC材料。
116. 強化粒子が、追加実施例Iの実施例1~12による粉末ブレンドからなる、実施例95~113に記載の方法。
前述の説明から、合金に関する本発明の製品およびアプローチが開示されていることが理解されるであろう。いくつかの構成要素、技術および態様をある程度特定して説明してきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で上述した特定の設計、構造および方法論において多くの変更が可能であることは明らかである。
別個の実施態様の文脈で本開示に記載されている特定の特徴は、単一の実施態様において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施態様の文脈で説明されている様々な特徴も、複数の実施態様において個別に、または任意の好適なサブコンビネーションで実施することができる。さらに、特定の組み合わせで作用するものとして特徴を上述したが、場合によっては、クレームされている組み合わせから1つ以上の特徴を除外することができ、組み合わせを任意のサブコンビネーションまたは任意のサブコンビネーションのバリエーションとしてクレームすることができる。
さらに、方法が、特定の順序で図面に示され、または明細書に記載されている場合があるが、そのような方法は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、または連続した順序で実行される必要はなく、すべての方法が実行される必要はない。図示または記載されていない他の方法を、例示の方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、記載された方法のいずれかの前に、後に、同時に、またはその間に、1つ以上の追加の方法を実行することができる。さらに、他の実施態様において、方法を並べ替えたり、順序を変えたりすることもできる。また、上述した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載された構成要素およびシステムは、一般に、単一の製品において一緒に統合され得るか、または複数の製品にパッケージされ得ると理解されるべきである。さらに、他の実施態様も本開示の範囲内である。
「できる」、「できた」、「かもしれない」、または「してもよい」などの条件付き文言は、特に断りのない限り、または使用される文脈内で別段理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/またはステップを含むこと、または含まないことを伝えることを意図している。したがって、このような条件付き文言は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に何らかの形で必要であることを意味することを意図していない。
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という語句のような接続語句は、特に断りのない限り、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかである可能性があることを伝えるために一般的に使用されるものとして、文脈とともに理解される。したがって、このような接続語句は、一般的に、特定の実施形態がXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを暗示することを意図するものではない。
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの本明細書で使用される程度の文言は、所望の機能を果たすか、または所望の結果を達成する、記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%以下の範囲内、5%以下の範囲内、1%以下の範囲内、0.1%以下の範囲内、および0.01%以下の範囲内にある量を指す場合がある。記載された量が0(例えば、なし、有しない)である場合、上記の記載された範囲は特定の範囲であって、値の特定の%の範囲ではない場合がある。例えば、記載された量の10重量/体積%以下の範囲内、5重量/体積%以下の範囲内、1重量/体積%以下の範囲内、0.1重量/体積%以下の範囲内、0.01重量/体積%以下の範囲内である。
いくつかの実施形態を添付の図面に関連して説明した。図は一定の縮尺で描かれているが、図示されている以外の寸法および比率も想定され、開示された発明の範囲内であるため、このような縮尺は限定的であってはならない。距離、角度などは単なる例示であり、図示された装置の実際の寸法およびレイアウトと必ずしも正確な関係を有するものではない。構成要素は、追加、削除、および/または再配置することができる。さらに、様々な実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載される他のすべての実施形態において使用することができる。さらに、本明細書に記載される任意の方法は、列挙されたステップを実行するのに適した任意の装置を使用して実施され得ることが認識されるであろう。
多数の実施形態およびその変形例を詳細に説明したが、当業者には他の改変および使用方法が明らかであろう。したがって、本明細書における独創的かつ進歩的な開示または特許請求の範囲から逸脱することなく、等価物の様々な応用、改変、材料、および置換を行うことができることが理解されるべきである。

Claims (30)

  1. 5.6~10.4重量パーセント(重量%)のマンガン(Mn)、
    3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)、
    1.4~4重量%のスズ(Sn)、および
    55重量%を超えて合金の残部までの銅(Cu)を含み、
    Cuの融解温度より低い固相線温度を有する、合金。
  2. 1.4~2.6重量%のスズ(Sn)を含む、請求項1に記載の合金。
  3. 前記固相線温度が1300Kより低い、請求項1に記載の合金。
  4. 固相線温度から少なくとも当該固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する、請求項1に記載の合金。
  5. 合金の90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である、請求項1に記載の合金。
  6. 2重量%までの不純物をさらに含む、請求項1に記載の合金。
  7. 元素組成がSi、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない、請求項1に記載の合金。
  8. 2.5MS/mより高い電気伝導率を有する、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  9. 10W/mKより高い熱伝導率を有する、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  10. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、前記MMC材料が炭化タングステン粒子をさらに含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  11. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、前記MMC材料がドリル部品の一部を形成する、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  12. 金属マトリックス複合材(MMC)材料のマトリックスを形成する合金であって、前記MMC材料が4,000in*lbf.inより大きい靭性を有する、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  13. 金属マトリックス複合材(MMC)材料を形成するための原料の一部である合金であって、前記原料が炭化タングステン粒子をさらに含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の合金。
  14. 銅系マトリックスに埋め込まれた強化粒子を含む金属マトリックス複合材料であって、前記銅系マトリックスが、55重量%を超える銅(Cu)と1.4重量%を超えるスズ(Sn)とを含む、金属マトリックス複合材料。
  15. 前記銅系マトリックスが、
    1.4~4重量%のスズ(Sn)、
    5.6~10.4重量%のマンガン(Mn)、および
    3.5~6.5重量%のニッケル(Ni)を含み、
    前記銅系マトリックスがCuより低い固相線温度を有する、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  16. 前記銅系マトリックスが1.4~2.6重量%のスズ(Sn)を含む、請求項15に記載の金属マトリックス複合材料。
  17. 前記銅系マトリックスの固相線温度が1300Kより低い、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  18. 前記銅系マトリックスが、固相線温度から少なくとも当該固相線温度より400K低い温度まで、面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体を形成する、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  19. 前記銅系マトリックスの90重量%超が、室温で面心立方(FCC)結晶構造を有する単相固溶体である、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  20. 前記銅系マトリックスが2重量%以下の不純物を含む、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  21. 前記銅系マトリックスが、Si、BおよびZnのうちの1つ以上を含まない、請求項14に記載の金属マトリックス複合材料。
  22. 前記銅系マトリックスが、2.5MS/mより高い電気伝導率を有する、請求項14~21のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
  23. 前記銅系マトリックスが、10W/mKより高い熱伝導率を有する、請求項14~21のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
  24. 前記強化粒子が炭化タングステン粒子を含む、請求項14~21のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
  25. 炭化タングステン粒子が金属マトリックス複合材料の50~70体積%を構成する、請求項24に記載の金属マトリックス複合材料。
  26. 前記炭化タングステン粒子が1~200μmの平均粒子サイズを有する、請求項24に記載の金属マトリックス複合材料。
  27. 前記炭化タングステン粒子が、長軸に沿った第1の長さと短軸に沿った第2の長さの間の比が1.20以下の球状の形状を有する、請求項24に記載の金属マトリックス複合材料。
  28. 前記炭化タングステン粒子が、5.0%より大きい粒界面積分率を有するようにテクスチャ加工された表面を有する、請求項24に記載の金属マトリックス複合材料。
  29. 175ksiを超える横断破断強度を有する、請求項14~21のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
  30. ドリル部品の一部を形成する、請求項14~21のいずれか1つに記載の金属マトリックス複合材料。
JP2023555576A 2021-04-01 2022-03-30 銅系合金およびそれを用いて形成された金属マトリックス複合材 Pending JP2024512922A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163169669P 2021-04-01 2021-04-01
US63/169,669 2021-04-01
PCT/US2022/022662 WO2022212588A1 (en) 2021-04-01 2022-03-30 Copper-based alloy and metal matrix composite formed using same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024512922A true JP2024512922A (ja) 2024-03-21

Family

ID=81648456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023555576A Pending JP2024512922A (ja) 2021-04-01 2022-03-30 銅系合金およびそれを用いて形成された金属マトリックス複合材

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20240167124A1 (ja)
EP (1) EP4314366A1 (ja)
JP (1) JP2024512922A (ja)
CN (1) CN117098864A (ja)
AU (1) AU2022249075A1 (ja)
CA (1) CA3212946A1 (ja)
WO (1) WO2022212588A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63213628A (ja) * 1987-03-02 1988-09-06 Nippon Mining Co Ltd ヒユ−ズ用銅合金
US6461401B1 (en) * 1999-08-12 2002-10-08 Smith International, Inc. Composition for binder material particularly for drill bit bodies
WO2018026356A1 (en) * 2016-08-02 2018-02-08 Halliburton Energy Services, Inc. Tools having a structural metal-matrix composite portion

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022212588A1 (en) 2022-10-06
AU2022249075A1 (en) 2023-09-07
EP4314366A1 (en) 2024-02-07
CA3212946A1 (en) 2022-10-06
CN117098864A (zh) 2023-11-21
US20240167124A1 (en) 2024-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2709672C (en) Silicon carbide composite materials, earth-boring tools comprising such materials, and methods for forming the same
CA2576072C (en) High-strength, high-toughness matrix bit bodies
US10737367B2 (en) Matrix tool bodies with erosion resistant and/or wear resistant matrix materials
US7913779B2 (en) Earth-boring rotary drill bits including bit bodies having boron carbide particles in aluminum or aluminum-based alloy matrix materials, and methods for forming such bits
US7661491B2 (en) High-strength, high-toughness matrix bit bodies
CA2662996C (en) Matrix powder for matrix body fixed cutter bits
US20120085585A1 (en) Composite materials including nanoparticles, earth-boring tools and components including such composite materials, polycrystalline materials including nanoparticles, and related methods
US8602129B2 (en) Matrix body fixed cutter bits
EP2024524A1 (en) Infiltrant matrix powder and product using such powder
CN110684935A (zh) 一种钻头胎体材料及其制备方法
CN105798285B (zh) 可流动复合粒子和熔渗制品及其制备方法
JP2024512922A (ja) 銅系合金およびそれを用いて形成された金属マトリックス複合材
US20230084878A1 (en) Spheroidal tungsten carbide particles

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231027