JPWO2005004632A1 - 乾燥粉末大豆の製造方法及び前記方法により製造された乾燥粉末大豆 - Google Patents

乾燥粉末大豆の製造方法及び前記方法により製造された乾燥粉末大豆 Download PDF

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Abstract

大豆以外の成分を殆ど含まず、しかも、酸化し難く保存性に優れている乾燥粉末大豆を、比較的短時間で得ることのできる乾燥粉末大豆の製造方法を提供する。 解決手段水洗した大豆に、水、及びトコフェロールを添加して、所定時間浸漬し(浸漬工程)、浸漬された大豆を、浸漬水と共に蒸煮する(蒸煮工程)。 蒸煮された前記大豆を所定大に粗砕して(粗砕工程)、粗砕された大豆及び水に対して、ペクチナーゼ酵素と、トコフェロールを添加した混合液を得、この混合液を前記ペクチナーゼ酵素の活性温度下で所定時間攪拌する(酵素処理工程)。 酵素処理後の混合液を急速加熱、失活後(失活工程)急速冷却し、この混合液をスクリーンにかけて痕誤報液中の固形物を個々の細胞レベルに微粉砕して分離してスラリーとした後(分離工程)、このスラリーを噴霧乾燥により乾燥させて(乾燥工程)乾燥粉末大豆を得る。

Description

本発明は、酵素を使用した乾燥粉末大豆の製造方法及び該方法により製造された乾燥粉末大豆に関し、特に、Bacillus(バチラス)属の微生物の産生するペクチナーゼを使用して酵素処理し、前記酵素処理後の混合液を、前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの失活温度に急速加熱し、前記混合液中の酵素を失活させる失活工程と、酵素の失活された前記混合液を急速冷却する工程と、大豆細胞を効率よく個々の細胞に微粉砕して分離する工程と、前記微粉砕工程により得られたスラリーを、噴霧乾燥により水分量5wt%以下に乾燥する乾燥工程を含む乾燥粉末大豆の製造方法及び該製造方法により製造された乾燥粉末大豆に関する。
大豆は一般の豆類とは異なり、デンプンが全くないがタンパク質約40%、油約20%を含み、しかもタンパク質のアミノ酸組成は動物タンパク質のアミノ酸組成に比べてさほど劣っておらず、栄養的に非常に優れた食品乃至は食品の素材である。
その一方で、大豆は組織が堅く、栄養的に非常に優れたものでありながら、単に煮たり炒っただけでは消化が非常に悪く、十分な栄養の吸収が行えないものとなっている。
このように、そのまま食する場合には消化、吸収が困難な大豆に対し、我が国には、味噌、醤油、豆腐、凍り豆腐、納豆、きな粉、湯葉などの例に示されるように、古くより非常に優れた大豆の加工食品があり、これらの加工食品では、その製造過程において大豆の堅い組織を微生物の力で壊し、または十分に粉砕し、不消化成分を取り除き、あるいはその成分の一部を分解することで、吸収を良くする処理が行われている。
そのため、これらの加工食品にあっては、組織が堅い大豆の本来の栄養価を有効に利用することができるものとなっている。
また、大豆は前述した加工食品の原料となる他、油の有力な資源であり、現在輸入されている大豆の多くは製油に用いられている。そして、精製された油は、食用だけでなく、工業用にも使用されている。
このように、前述のような食品に加工された大豆は、消化吸収性が改善され、大豆が有する優れた栄養価を有効に利用することができるものとなっている。
しかし、前述の加工食品中の例えば豆腐を例にとれば、1kgの大豆から約4〜5kgの豆腐が製造されるものの、豆腐はその約88%程が水分であることから、原料大豆の約50%程が豆腐の製造過程で発生する絞りかす、所謂「おから」として発生し、原料大豆の全てが加工食品に転化するものではない。このような絞りかすである「おから」の発生は、豆腐の二次加工品である凍り豆腐等についても同様に生じる問題であり、また、豆腐と同様、製造工程で豆乳を製造する湯葉等についても同様に生じる問題である。
また、味噌等の加工食品にあっては、微生物による分解により大豆の堅い組織を破壊するものであることから、豆腐のような絞りかすは生じない。しかし、味噌等の加工食品にあってはその熟成に極めて長期間を必要とする。
さらに、油の原料として大豆を使用する場合にあっては、油をとった後には多量の脱脂大豆が生じている。前述のように、大豆中に含まれる油分は、全体の20%程度であるから、このようにして油を絞り取った脱脂大豆を廃棄するものとすれば、大豆成分の80%程度が無駄となる。
このような脱脂大豆は、一部は、醤油、味噌、一部の豆腐等、食品の原料として利用されるケースもあるが、その大部分は畜産等における飼料等として利用され、食品としては有効に利用されていない。
このような問題点に鑑み、大豆あるいは大豆粕を機械的に破砕し、粉状にして使用することも試みられているが、この方法による場合には破砕により粉状にする際に大豆細胞が破壊されるために大豆独特の匂いが残り、その他の食品に混ぜて使用する場合においてさえ、その食品本来の風味が損なわれるので、その利用範囲と使用量には限界があった。
また、大豆粕から抽出された大豆タンパクが加工食品に利用されているが、その場合も大豆臭が強く、その利用には限界がある。
このように、原料とした大豆の全量もしくはこれに近い量を、製造された加工食品中に取り込むための各種の方法が検討されており、一例として、大豆を粉砕した後で水を加え、粉砕された大豆を含むスラリーを作成し、次いで、このスラリーを60〜100℃で5〜180分間加熱し、高圧(100〜800kg/cm)で均質化する。このように均質化されたものを枯草菌Bacillus subtilisの産生する中性プロテアーゼ(蛋白およびペプチドのペプチド結合を分解する酵素)を用いて加水分解反応を行い、この反応液を加熱して所定時間保持することにより酵素作用を失活させた後、噴霧乾燥法により乾燥して大豆の分解物を得る方法がある(特開昭61−219347号)。
この方法によれば、大豆の全成分を利用することができるとともに人体への消化吸収率を改善することができる。しかしながら、大豆の粉砕処理及び高圧下で実施される均質化処理により大豆細胞が破壊されるため、細胞内成分に由来する大豆独特の匂いが、得られた分解物に残留するという問題がある。
このように、大豆の加工食品が有する独特の匂いは、加工の際に大豆細胞が破壊することに由来するものであることから、このような細胞の破壊を生じることなく加工食品を製造する試みもなされている。そのための方法として、大豆に水を添加し、室温下で所定時間放置した後、プロトペクチナーゼを添加して混合物を得、この混合物を攪拌しながら室温(例えば、28℃)下で長時間(例えば、8時間)保持することにより酵素処理を行い、酵素処理後、大豆を濾過することにより豆乳を得る方法がある。そして、この酵素処理に使用可能な酵素として、プロトペクチナーゼとペクチンエステラーゼ、ペクチンポリガラクツロナーゼあるいはポリガラクツロナーゼとの混合物の使用を開示している(特開平8−89197号)。
また、豆類からの易分散性粉末食品の製造方法として、予め水に浸漬した大豆にRhizopus属の微生物が産生するプロトペクチナーゼを添加して酵素処理を実施し、酵素処理した大豆を濾過によって分離した後、凍結乾燥法により乾燥して粉末食品を得る方法があり、酵素処理に際して使用可能な酵素として、Aspergillus属やPenicillium属の微生物が産生するプロトペクチナーゼの使用を開示するものがある(特公昭42−22169号)。
これらの方法によれば、酵素の作用により細胞間を繋ぎ止めるペクチンが分解されて、大豆は、大豆細胞が破壊されることなく、蛋白質や脂肪等の栄養成分を細胞壁に包み込んだままの状態で単細胞に分離される。そのため、消化、吸収性を備えつつ、細胞破壊に由来する匂いの発生が生じない加工食品を得ることができるものとなっている。
しかしながら、この方法による場合には、酵素処理が室温付近で行われるために雑菌が繁殖しやすく、発酵による匂いや泡の発生といった問題が生じる。
また、酵素処理を完了するまでにかかる時間が非常に長いため、生産効率の低いものとなっている。
なお、酵素の作用に最適な温度は通常40℃内外であり、温度が高くなれば酵素はその作用を失い、また、温度が低いとその作用は弱くなる。そのため、雑菌の繁殖等を防止するために酵素処理の温度を変化させる場合には、酵素の作用もまた減退させてしまうこととなる。
このような問題点を解消するために、比較的高い温度において、かつ、短時間において酵素処理を行うことができるBacillus属の微生物が産生するペクチナーゼにより酵素処理を行う大豆の加工方法があり、水に浸漬した大豆を水の存在下で加熱後冷却し、この大豆に、水とBacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを添加して攪拌しながら所定時間保持して酵素処理を行って、大豆の単細胞が分散するスラリーを得、このスラリーを加熱してペクチナーゼを失活させた後、このスラリーに大豆以外の豆類を処理して得られる粉末を添加し、その後、気流乾燥法または噴霧乾燥法によってこれを乾燥させて乾燥粉末を得る方法がある(特許第3256534号)。
前述の特許第3256534号に記載の方法にあっては、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼは比較的熱に強く、約60℃という温度において酵素処理を行うことができるものとなっている。そのため、酵素処理時に雑菌の繁殖が起こり難い。
また、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼにより酵素処理を行う場合には、比較的短時間で酵素処理を完了することができ、その結果、加工食品の生産性についてもこれを向上させることができるものとなっている。
しかし、その一方で、特許第3256534号に記載の方法にあっては酵素処理により得られた大豆の単細胞が分散するスラリーをそのまま乾燥することはできず、これに大豆以外の豆類、例えば、えんどう豆、隠元豆、雑豆類を処理して得られる粉末を、酵素処理により得られたスラリーに混合して第2混合物を生成し、この第2混合物を気流乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させて乾燥粉末を得るという手法が取られている。
そのため、このようにして得られた乾燥粉末は、大豆以外の豆類の粉末をその中に含むものとなっており、特に特許第3256534号の実施例に記載の方法にあっては、大豆1.1kgを原料として得られたスラリーに対し、えんどう豆1.1kgを原料として得られた粉末を添加しており、製造された乾燥粉末中に含まれるえんどう豆の成分の含有率が高いと共に、このように多量のえんどう豆から粉末を得るための処理が必要となっている。
また、前述したように、大豆は製油の際の原料となる程の多量の油脂を含んでいるが、前述の方法による場合には、大豆の蒸煮、酵素を失活させるための加熱において大豆は高温に加熱され、また、乾燥時には製造される粉末が高温の空気と接触し、さらに、酵素処理自体も60℃という比較的高温で行われるために、この油脂が酸化され易い。
又、上記失活工程における比較的長い所定時間の加熱状態の保持及びその後の冷却により、製品として重要な香り、色合いが、劣化し商品性の低いものとなってしまうものであった。さらに、この方法により得られた乾燥粉末中にも大豆中に含まれる油分を多量に含むものとなっているため、酸化により品質が劣化すれば、日持ちせず、保存性の劣るものとなっている。
さらに、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを利用することにより、酵素処理時間を短縮することができるものとなっているものの、その前段階では、12〜15時間という長時間、大豆を浸漬して膨潤させる必要がある等、製造工程全般を総合的に見れば、未だその加工には長時間を要するものとなっている。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消するためになされたものであり、絞りかす等を生じさせることなく、原料とした大豆の略全成分を使用して、消化吸収率が極めて高く、大豆独特の匂いがほとんどない大豆の乾燥粉末を効率よく製造することができるという前述の従来技術が持つ課題を解決すると同時に、上記失活における加熱および冷却による製品への弊害を除去し、得られた乾燥粉末大豆が、大豆以外の豆類の粉末を含まず、かつ、原料とした製造過程及び製造後において、成分の変質や大豆に含まれる油脂が酸敗することを防止することのできると共に、製造工程全体としての所要時間についても短縮することのできる乾燥粉末大豆の製造方法、及び該方法により製造された乾燥粉末大豆を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の乾燥粉末大豆の製造方法は、水洗した大豆に、大豆及び水が例えば30:70wt%、換言すれば、大豆の重量に対して好適には、2〜4倍の浸漬水中で好適には8〜12時間、前記大豆を浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬された大豆を、浸漬水と共に大気圧であれば原料の量にもよるが、1時間(1バッチ:160kg)若しくは処理時間短縮のため好適には0.103〜0.172MPa(15〜25psi)で、20〜50分間蒸煮する蒸煮工程と、
前記工程により蒸煮された前記大豆を、前記浸漬水と共に粗砕機にかけてこのうちの大豆を好適には2〜5mmに粗砕する粗砕工程、
前記粗砕された大豆及び浸漬水に対してし、更に、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを添加して、混合液を得、この混合液を前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの活性温度下で好適には30分以上攪拌し、混合液中に分散する大豆の破砕物を酵素により分解する酵素処理工程と、
前記酵素処理後の混合液を、前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの失活温度に急速加熱し、前記混合液中の酵素を失活させる失活工程、
酵素の失活された前記混合液を急速冷却する工程と、前記冷却後の混合液を好適には目開0.3mm未満のスクリーンを通過させて混合液中に未だ残る大豆の固形分を個々の細胞に微粉砕して分離し、大豆の個々の細胞が分散されたスラリーを得る微粉砕工程と、
上記浸漬工程〜微粉砕工程のいずれかの工程又は上記複数工程中に大豆の脂肪分に応じた量のトコフェロールを添加攪拌する工程と、前記工程により得られたスラリーを、噴霧乾燥により水分量5%以下、好ましくは3.0〜3.5%に乾燥する乾燥工程から成る(請求項1、2)。
前述の浸漬工程においては、前記大豆が浸漬された浸漬水中に空気を吹き込んで、浸漬が確実に行われるように、前記水及び大豆を攪拌するようにしても良い(請求項3)。
さらに、前記製造工程におけるトコフェロールの添加量を、原料大豆の脂肪分に対して100〜1000ppmとなる量に調整しても良い(請求項4)。
また、前記酵素処理工程における前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの添加量が、原料大豆に対して重量比で0.05〜0.4%とすることができる(請求項5)。
前記酵素処理工程における前記混合液の温度は、これを40〜60℃とすることができる(請求項6)。
前記失活工程における前記混合液の急速加熱温度は、これを75〜95℃とすることができる(請求項7)。
前記乾燥工程後、該乾燥工程により得られた粉末は、これを10〜40℃に急速冷却するものとしても良い(請求項8)。
また、本発明の乾燥粉末大豆は、前述したいずれかの方法により製造された乾燥粉末大豆である(請求項9)。
以上、説明した本発明の構成により、絞りかす等を生じさせることなく、原料とした大豆の略全成分を使用して、消化吸収率が極めて高く、大豆独特の匂いがほとんどない大豆の乾燥粉末を効率よく製造することができるという従来技術が持つ課題を解決すると同時に、得られた乾燥粉末大豆が、大豆以外の豆類の粉末を含まず、かつ、製造過程及び製造後において、大豆に含まれる油脂が酸化により変敗することを防止することのできると共に、製造工程全体としての所要時間についても短縮することのできる乾燥粉末大豆の製造方法、及び該方法により製造された乾燥粉末大豆を提供することができた。
図1 本発明の乾燥粉末大豆の製造工程の概略を示す模式図。
次に、本発明の実施形態について以下説明する。
図1に、本発明の乾燥粉末大豆の製造工程の概略を模式的に示す。
この乾燥粉末大豆の製造工程では、大別して原料となる大豆を洗浄する「洗浄工程」、洗浄された大豆を水中に浸漬して膨潤させる「浸漬工程」、浸漬された大豆を浸漬に使用した浸漬水と共に蒸煮する「蒸煮工程」、蒸煮された大豆を所定の大きさに粗砕する「破砕工程」、破砕された大豆及び前記浸漬水に、ペクチナーゼ酵素及びトコフェロールを添加して混合液を得、この混合液を酵素処理する「酵素処理工程」、酵素処理の終了した混合液を加熱し、酵素を失活させる「失活工程」、失活された混合液をスクリーンにかけて、混合液中に残る大豆の固形物を大豆を構成する個々の細胞に微粉砕して分離し、前記混合液を大豆の細胞が分散されたスラリーとする「微粉砕工程」、前記微粉砕工程を経て得られたスラリーを乾燥して乾燥粉末大豆とする「乾燥工程」から成る。
〔洗浄工程〕
前述の洗浄工程において使用される洗浄装置は、原料となる大豆から土壌菌等を除去するために、これを水洗するための装置であり、各種構造の装置を使用することができる。
図示の実施形態における洗浄装置は、原料となる大豆が投入されるホッパを備えており、このホッパ内に投入された大豆は、スクリュコンベアを介して後述の浸漬タンクに搬送される迄に洗浄されるように構成されており、スクリュコンベアにより攪拌されつつ搬送されている大豆は、傾斜された搬送路内を上方に移動する際に、この搬送路内を上方より下方に流れる洗浄水により洗浄される。
〔浸漬工程〕
このようにして洗浄が完了した大豆は、その後、浸漬タンク内に導入されて、この浸漬タンク内で浸漬水に浸漬される。本実施形態にあっては、大豆800kg(1浸漬タンク容量)を処理可能な4槽の浸漬タンクを設け、前述のようにして洗浄された大豆をそれぞれの浸漬タンクに分割して投入している。
この浸漬タンク内には、原料となる大豆と、この大豆を膨潤するに十分な量の浸漬水が加えられ、一例として重量比において大豆の2〜4倍の浸漬水が加えられ、本実施形態にあっては重量比で大豆3に対して水7の割合である。
また、このとき、大豆中に含まれる脂肪分に応じてトコフェロールを添加してもよい。
トコフェロールには、α〜η、の同族体があり、抗不妊症因子等のビタミン効果はαが最も強く、抗酸化作用は逆にαが最も弱くなっており、トコフェロールを添加する目的に応じでこれらを選択し、又はこれらを混合して添加しても良い。
本発明において、トコフェロールの添加は、主として大豆中に含まれる脂肪分の酸化防止を目的として行うものであり、一例としてD−δ.β.γ.αの混合トコフェロールを大豆脂肪分に対してトコフェロールがここでは100〜350ppmとなるように工程中で添加している。
この工程において全量の約1/3を添加してもよい。
この浸漬の間、好ましくは浸漬タンク内底部に配置された、多数の小孔が形成されたパイプから空気の吐出を行い、この吐出された空気により浸漬タンク内の大豆及び浸漬水が攪拌されている。この空気の吐出による攪拌により、大豆の均一な膨潤を比較的早期に完了することかでき、水温12℃において、この浸漬工程を8〜12時間という比較的短い時間により完了させることができるものとなっている。
〔蒸煮工程〕
以上のようにして、膨潤が完了した大豆は、浸漬に使用された水と共に例えばポンプ及び配管により蒸煮装置に搬送されて蒸煮工程にかけられる。
蒸煮は、浸漬に使用した水から大豆のみを取り出し、この大豆に対してのみ行うこともできるが、本実施形態にあっては、前述の浸漬工程により膨潤された大豆を、浸漬に使用した水と共に蒸煮することで、浸漬の際に添加したトコフェロールや、浸漬中に浸漬水に溶出した大豆中の成分についても原料として使用すると共に、蒸煮の際に大豆中より溶出した大豆の成分イソフラボンについてもこれを水と共に製品に回収する。
この蒸煮は、本実施形態にあっては、大豆160kgを一回の処理能力とする圧力釜を高熱水蒸気を注入する蒸煮装置として使用し、この蒸煮装置により0.138MPaで24分間蒸煮した。
この蒸煮により、大豆に含まれるリポキシゲナーゼを失活させるとともに、大豆タンパクを熱変性させて人体への消化吸収性を改善し、さらに細胞間をつなぎ止めているペクチン等の物質を軟化させてその後に実施される酵素処理を行い易くする。
以上のようにして蒸煮された大豆は、前述の水と共にポンプ及び配管等を介して冷却タンクに搬送され、ここで所定の温度、本実施形態にあっては60〜70℃に冷却される。
〔粗砕工程〕
冷却タンク内で冷却された大豆は、その後粗砕機に送られ、蒸煮された大豆がその後に行われる酵素処理に適した大きさに粗砕される。
この粗砕は、大豆を切断等して分割することにより、大豆の表面積を増大させ、これにより酵素処理時間を短縮することを目的として行われるものであり、この段階において大豆をあまりに細かく破砕すると、この破砕の際に大豆の細胞が破壊されるおそれがあることから、本実施形態にあっては大豆の細胞を破壊することなく、かつ、酵素処理の時間を短縮することのできる、一辺が2〜5mm程度の粒径にこれを粗砕している。
本実施形態にあっては、蒸煮された大豆を前述の浸漬、蒸煮の際に使用した水と共に粗砕機にかけてこれを粗砕することにより、大豆を粗砕する際に発生した大豆の微細な破片や溶出物等についても併せて回収できるものとしている。
前述トコフェロールをこの粗砕工程後移送される図示せざる予備タンク内において全量の約1/3を添加してもよい。
〔酵素処理工程〕
このようにして粗砕の完了した大豆は、浸漬及び蒸煮の際に使用した水と共に、酵素反応タンク内に搬送されて所定時間攪拌されると共に、さらにBacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを酵素として添加して混合液を得、この混合液を約60℃の温度に維持しつつ、15〜30分間攪拌する。
この酵素処理工程では、酵素処理において前述のようにBacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを添加し、この酵素による処理により、大豆の細胞間をつなぐペクチンを分解し、大豆を単細胞に微粉砕して分離するものである。
このペクチナーゼ酵素は、原料大豆の重量の0.05〜0.4%にあたる量を添加し、本実施形態にあっては、原料大豆の重量の0.15%に当たるペクチナーゼ酵素を添加した。
このようにして、粗砕された大豆、膨潤の際に使用した水、ペクチナーゼ及びトコフェロールから成る混合液は、酵素処理タンク内で前述のペクチナーゼ酵素の活性温度である約60℃に維持された状態で、約30分間攪拌され、これにより酵素処理が完了する。
この時の攪拌は、大豆細胞を傷付けないが、ペクチンの分解された大豆を個々の細胞に分離し得る程度の回転数で行い、本実施形態にあっては、約40rpm程度の比較的緩やかな回転数で前述の混合液を攪拌している。
このように、前述の混合液を攪拌しながら酵素処理を行うことで、酵素処理を混合液に対して均一に行うことができると共に、酵素処理によりペクチンが分解された大豆は、この攪拌により大豆を構成する個々の細胞が水中に分散されて、極めて細かい粒子(大豆の細胞)が分散した状態となる。
〔失活工程〕
以上のようにして、所定時間の酵素処理が終了すると、酵素処理が完了した混合液は、加熱装置に導入されて、添加されたペクチナーゼ酵素の失活温度、本実施形態にあっては95℃程度の温度に急速加熱される。加熱時間は、約12秒。
この加熱装置は、前述のようにして酵素処理の完了した混合液の温度を所定の温度に加熱することができるものであれば、如何なる構造のものを使用しても良いが、本実施形態にあっては、一例として加熱媒体の供給源より導入された加熱媒体と、混合液との熱交換を行う熱交換器とすることにより、混合液の加熱を瞬時に行うと共に、これを急速に冷却し、長時間の加熱に伴う成分の変質や酸敗等を防止する。
そして、このようにして加熱することにより酵素が失活された混合液は、その温度を例えば同様に熱交換器(図示せず)により80℃以下に急速(約20秒)に冷却される。その後約75℃で所定時間保持される。
上記急速加熱・急速冷却により、製品に香りと色合いの良い、且つ、高い風味を与えることができる。
〔微粉砕工程〕
このようにして、酵素処理の終了した混合液中の大豆成分は、前述のようにその細胞間を結合するペクチンが酵素により分解された状態にあるものの、未だ固形物として残る大豆成分が混在していることから、この塊をさらに個々の細胞に微粉砕して分離する微粉砕工程にかけられる。そして、この微粉砕工程により、前述の混合液中の大豆は、細胞レベルの微少な粒子に分離されてスラリーとなる。
この微粉砕工程において使用する微粉砕装置として、本実施形態では、前述の失活後の混合液を所定の開孔が形成されたスクリーンを通過させることにより行っており、本実施形態にあっては目開約0.3mm(0.012インチ)のスクリーンを通過させている。
前述のようにして失活された混合液中に残っている大豆の固形分は、前述のように酵素の作用によりその細胞間を結合するペクチンが分解された状態となっていたるため、ある程度の大きさの塊として存在している場合であってもその塊を構成する細胞間は極めて弱い状態で結合されているに過ぎない。
そのため、前述の混合液に、例えば高圧でスクリーンを通過させると、大豆の固形分はスクリーンを通過できずにスクリーンによって捕捉されるが、この捕捉された塊は極めて弱い細胞間の結合状態であるために流圧等によって比較的容易に個々の細胞に微粉砕して分離されてスクリーンを通過する。
そのため、このスクリーンを通過させることにより、前述の混合液は、大豆の成分が個々の細胞に分離された、極めて細かい粒子(大豆の細胞)が分散されたスラリーとなる。
この失活冷却工程後移送される噴霧乾燥機の上流に図示される予備タンク内において前述トコフェロールを全量の約1/3を添加してもよい。
〔乾燥工程〕
このようにして微砕機による微砕工程が完了して得られた大豆のスラリーは、その後、70℃以下の温度に冷却された後、所定時間保持されると共に、その後、乾燥機により乾燥されて乾燥粉末大豆となる。
なお、従来技術として説明した、特許第3256534号に記載の方法にあっては、このようにして得られたスラリーを乾燥させる際に、スラリーに対して他の豆類より得た粉体を添加する必要があったが、本発明の方法では、他の豆類より得た粉体等、大豆以外を原料とする粉体等をスラリーに添加することなく、直接、酵素処理により得られたスラリーを乾燥させている。
この乾燥工程において、本発明では噴霧乾燥を使用する。この噴霧乾燥とは、スラリーを熱気中に非常に細かい粒子の状態で噴霧し、熱交換を急速に行わせて瞬間的に乾燥させるものであり、本発明の方法にあっては、熱気の代わりに真空を用いるものを使用しても良い。
この乾燥方法によれば、乾燥時間が非常に短いために、材料の変質を避けることができると共に、乾燥と同時に粉末が得られ、粒子の大きさも噴霧の際の条件により略希望の状態とすることができる。そのため、乾燥工程後に粉砕工程を行う必要がなく、これによる大豆細胞の損傷等の発生が生じない。
なお、乾燥工程を経て得られる大豆の乾燥粉末は、その水分量が5%以下、好ましくは3.0〜3.5%となるようにその条件を調整する。
〔冷却・保存〕
以上のようにして得られた乾燥粉末大豆は、これを40℃以下に冷却、好ましくは窒素ガス雰囲気下で35℃以下に急速冷却し、酸素非通過性のガスバリヤー性包装袋等に充填する等して包装され、後述のように室温15℃以下において冷貯蔵される。
このようにして得られた乾燥粉末大豆は、トコフェロールの添加とも相俟って、製造工程中の熱処理によっても酸化し難いだけでなく、製造された製品(乾燥粉末大豆)自体も酸化し難いものとなっており、保存等に適したものとなっている。
好ましくは、このように製造された乾燥粉末大豆は、包装袋に充填する際に、空気に代えて窒素を充填する等して、得られた大豆の乾燥粉末と酸素との接触を防止することにより、一層の酸化防止と長期に亘る保存性を得ることができる。
また、保管等に際しては、15℃以下の温度で、かつ、好ましくは暗所において保管する等の酸化し難い環境を整えることが好ましい。
Figure 2005004632
乾燥大豆粉末の用途
このようにして得られた大豆の乾燥粉末は、そのままで使用する場合は、食品素材、ダイエット食品あるいは非常食等として利用することができる。前述したように、大豆は、たんぱく質、糖質および脂質をバランスよく含むと共に、ビタミンも豊富な栄養的に優れた食品であるので、緊急時や災害時等の救援物資や、子供の学校給食の素材や家庭料理用としての利用だけでなく、将来的には宇宙食等への利用も期待される。
また、本発明の加工方法によれば大豆を無駄なく丸ごと食品化できるので、将来の食糧問題を解消する有力な手段の一つとなるだろう。尚、大豆の乾燥粉末は、乾燥により水分が除去されているため、軽く輸送に便利であると共に保存性が良く、また、使用時に水や湯等と混ぜることにより容易にエマルジョンを成し、これを流動食とすることができる点で便利である。
さらに、本発明の加工方法により得られる大豆の乾燥粉末は、他の食品素材との混合が容易である点においても好ましい。
特に、大豆は、従来、その独特に匂いのためにその栄養価が高いにもかかわらず他の食材への利用が制限されていた。しかしながら、本発明の粉状加工大豆あるいは液状加工大豆は、人体への高い吸収率を有するとともに大豆独特の匂いがほとんど無いので、種々の食品に対して違和感なくこれを利用することが可能となっている。
すなわち、本製法で得られた乾燥大豆粉末を、大豆分離タンパク類、抽出イソフラボン、魚類から抽出されたDHC等と一緒に下記食品に添加すると、大豆分離タンパク臭、イソフラボン臭、DHC臭を抑えた食品が得られる。これは、乾燥大豆粉末に含まれる細胞が、臭いを吸着する為である。
又、例えば、本発明の大豆の乾燥粉末を使用して、食パン等各種パン、菓子類、麺等の小麦粉利用食品、ハンバーグやミートボール等の加工肉食品、マヨネーズ、ドレッシング、餡、クリーム、ジャム、カレー、スープ、アイスクリーム、シャーベット、又、かまぼこ等魚肉加工食品、豆腐等大豆加工食品等に添加することができ、このようにして得られた食品の栄養を強化することができると共に、このようにして各種食品に対して本発明の方法により得られた大豆の乾燥粉末を添加した場合であっても、上述のように、これらの食品に大豆独特の匂いが移ることがなく、食味や風味を損なわない。

Claims (9)

  1. 水洗した大豆に、大豆の重量に対して浸漬水中に前記大豆を浸漬する浸漬工程と、
    前記浸漬された大豆を、前記浸漬水と共に蒸煮する蒸煮工程と、
    前記工程により蒸煮された前記大豆を、前記浸漬水と共に粗砕機にかけてこのうちの大豆を粗砕する粗砕工程と、
    前記粗砕された大豆及び浸漬水に対して、更に、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを添加して、混合液を得、この混合液を前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの活性温度下で攪拌し、混合液中に分散する大豆の粗砕物を酵素により分解する酵素処理工程と、
    前記酵素処理後の混合液を、前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの失活温度に急速加熱し、前記混合液中の酵素を失活させる失活工程と、
    酵素の失活された前記混合液を急速冷却する工程と、前記冷却後の混合液中に残存する大豆の固形分を個々の細胞に微粉砕して、大豆の個々の細胞が分散されたスラリーを得る微粉砕工程と、
    上記いずれかの工程又は上記複数工程中に大豆の脂肪分に応じた量のトコフェロールを添加攪拌する工程と、
    前記微粉砕工程により得られたスラリーを、噴霧乾燥により水分量5wt%以下に乾燥する乾燥工程から成る乾燥粉末大豆の製造方法。
  2. 水洗した大豆に、大豆の重量に対して2〜4倍の浸漬水中に8〜12時間、前記大豆を浸漬する浸漬工程と、
    前記浸漬された大豆を、前記浸漬水と共に0.103〜0.172MPa、20〜50分間蒸煮する蒸煮工程と、
    前記工程により蒸煮された前記大豆を、前記浸漬水と共に粗砕機にかけてこのうちの大豆を2〜5mmに粗砕する粗砕工程と、
    前記粗砕された大豆及び浸漬水に対して、更に、Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼを添加して、混合液を得、この混合液を前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの活性温度下で30分以上攪拌し、混合液中に分散する大豆の粗砕物を酵素により分解する酵素処理工程と、
    前記酵素処理後の混合液を、前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの失活温度に急速加熱し、前記混合液中の酵素を失活させる失活工程と、
    酵素の失活された前記混合液を急速冷却する工程と、前記冷却後の混合液を目開0.3mm未満のスクリーンを通過させて、前記混合液中に未だ残る大豆の固形分を個々の細胞に微粉砕して、大豆の個々の細胞が分散されたスラリーを得る微粉砕工程と、上記いずれかの工程又は上記複数工程中に大豆の脂肪分に応じた量のトコフェロールを添加攪拌する工程と、
    前記工程により得られたスラリーを、噴霧乾燥により水分量5wt%以下、好ましくは3.0〜3.5%に乾燥する乾燥工程から成る乾燥粉末大豆の製造方法。
  3. 前記浸漬工程において、前記大豆を浸漬する前記浸漬水中に空気を吹き込んで、前記水及び大豆を攪拌することを特徴とする請求項1又は2記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  4. 前記浸漬工程におけるトコフェロールの添加量が、製造工程中において、原料大豆の脂肪分に対して100〜1000ppmとなる量である請求項1〜3いずれか1項記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  5. 前記酵素処理工程における前記Bacillus属の微生物が産生するペクチナーゼの添加量が、原料大豆に対して重量比で0.05〜0.4%である請求項1〜4いずれか1項記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  6. 前記酵素処理工程における前記混合液の温度を40〜60℃とした請求項1〜5いずれか1項記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  7. 前記失活工程における前記混合液の加熱温度を75〜95℃とした請求項1〜6いずれか1項記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  8. 前記乾燥工程後、該乾燥工程により得られた粉末を40℃以下に急速冷却する請求項1〜7いずれか1項記載の乾燥粉末大豆の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法により得られた乾燥粉末大豆。
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