JP3256534B2 - 酵素を使用した大豆の加工方法、および同方法により得られる加工大豆、および同加工大豆を含む食品 - Google Patents

酵素を使用した大豆の加工方法、および同方法により得られる加工大豆、および同加工大豆を含む食品

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、酵素を使用した大豆の加工方法、特に、Ba
cillus 属の微生物の産生するペクチナーゼを使用して
大豆細胞を効率よく単細胞に分離するステップを含む大
豆の加工方法に関するものである。さらに、本発明は、
上記方法により得られる加工大豆、および同加工大豆を
含む食品に関するものである。
背景技術 大豆は、ミラクルクロップと云われ、たんぱく質、糖
質および脂質をバランスよく含むと共に、ビタミンも豊
富な栄養的に優れた食品素材である。特に、たんぱく質
は“畑の肉”といわれるほど良質である。
また、大豆には、天然イソフラボンが含まれている。
近年、このイソフラボンは女性ホルモンに似た作用があ
って、体内のカルシウムの溶出を抑え、急増する骨粗し
ょう症の予防に有効であることが注目を集めている。さ
らに、イソフラボンは、更年期障害およびガンに対して
も改善/予防効果があると云われている。その他、大豆
にはサポニン、ペプチド、レシチン等の生活習慣病(成
人病)の予防に効果があると云われている成分も多く含
まれている。
しかし、大豆は組織が硬いため、煮豆やいり豆等とし
て食する場合は人体への消化吸収率が低い。そのため、
大豆を加熱した後すり潰す等して加工食品とすることに
より消化吸収率の改善が行われている。現在の大豆加工
食品としては、大豆をすり潰し、加熱後濾過して得られ
る豆乳や、豆乳にたんぱく質凝固剤を添加し、豆乳中の
栄養成分をたんぱく質と一緒に凝固させて得られる豆腐
などがある。また、大豆から油脂だけを抽出すれば大豆
油が得られる。
このように大豆を加工することによって消化吸収率が
改善され、種々の食感や味を楽しみながら大豆を食する
ことができるようになった。しかし、豆乳や豆腐等の加
工にあたっては、主として水溶性たんぱく質と乳化した
油脂が利用され、その他はおから(絞り粕、大豆の約3
0〜50%)として捨てられる。また、大豆油について
も、大豆全体の20%の油をとった残りは、大豆粕とし
て家畜の飼料や農地の肥料としてほとんどが使用されて
いる。将来、食料問題がより深刻になると予測される中
で、このような栄養価の高い大豆を丸ごと全て食品素材
として加工する技術の開発は、人類の食料問題にとって
重要な課題の一つである。
従来、大豆あるいは大豆粕を機械的に破砕し、粉状に
して使用することも試みられているが、大豆細胞が破壊
されるために大豆独特の匂いが残り、その他の食品に混
ぜて使用する場合においてさえ、その食品本来の味を阻
害するので、その利用範囲と使用量には限界があった。
又、大豆粕から抽出された大豆タンパクが加工食品に利
用されているが、その場合も大豆臭が強く、その利用に
は限界がある。結果的に、大豆粕のほとんどが飼料や肥
料に使用されているのが現状である。
例えば、日本公開特許公報61−219347号は、
大豆の分解物およびその製造方法について開示してい
る。この方法においては、大豆を粉砕した後で水を加
え、粉砕された大豆を含むスラリーを作成する。次に、
このスラリーを60〜100℃で5〜180分間加熱
し、高圧(100〜800kg/cm2)で均質化する。
このように均質化されたものを枯草菌Bacillus subtili
s の産生する中性プロテアーゼ(蛋白およびペプチドの
ペプチド結合を分解する酵素)を用いて加水分解反応を
行う。この反応液を加熱して所定時間保持することによ
り酵素作用を失活させた後、噴霧乾燥法により乾燥して
大豆の分解物が得られる。
この方法によれば、大豆の全成分を利用することがで
きるとともに人体への消化吸収率を改善することができ
る。しかしながら、大豆の粉砕処理及び高圧下で実施さ
れる均質化処理により大豆細胞が破壊されるため、細胞
内成分に由来する大豆独特の匂いが得られた分解物に残
留するという問題がある。
また、日本公開特許公報8−89197号は、豆乳な
どの大豆加工食品の製造方法について開示している。こ
の方法においては、大豆に水を添加し、室温下で所定時
間放置した後、プロトペクチナーゼを添加して混合物を
得る。この混合物を攪拌しながら室温(例えば、28℃)
下で長時間(例えば、8時間)保持することにより酵素処
理が実施される。酵素処理後、大豆を濾過することによ
り豆乳が得られる。この酵素処理に使用可能な酵素とし
て、プロトペクチナーゼとペクチンエステラーゼ、ペク
チンポリガラクツロナーゼあるいはポリガラクツロナー
ゼとの混合物を使用しても良いことが記載されている。
この方法によれば、大豆細胞が破壊されることなく、
蛋白質や脂肪等の栄養成分を細胞壁に包み込んだままの
状態で単細胞に分離することができ、細胞内成分に由来
する大豆独特の匂いの問題を解消することができる。し
かしながら、大豆を単細胞に分離する酵素処理は必ずし
も満足のいくものではなかった。例えば、上記した酵素
の使用による酵素処理は、室温付近で行われるため雑菌
が繁殖しやすく、発酵による匂いや泡の発生が問題とな
る。また、酵素処理を完了するまでにかかる時間が非常
に長いため、工業的な利用においては生産効率が低いと
いう問題もある。
また、日本特許公報42−22169号は、豆類から
の易分散性粉末食品の製造方法について開示している。
この方法においては、予め水に浸漬した大豆にRhizopus
属の微生物が産生するプロトペクチナーゼを添加して
酵素処理を実施する。酵素処理した大豆を濾過によって
分離した後、凍結乾燥法により乾燥して粉末食品が得ら
れる。この酵素処理に使用可能な酵素として、Aspergil
lus 属やPenicillium 属の微生物が産生するプロトペク
チナーゼを使用しても良いことが記載されている。
しかしながら、この方法においても、日本公開特許公
報8−89197号において述べたのと実質的に同様の
問題点がある。
発明の開示 上記問題点に鑑みて、本発明の目的は、大豆の全成分
を使用して、人体への消化吸収率が高く、大豆独特の匂
いがほとんどない大豆加工食品を効率よく製造すること
ができる酵素を使用した大豆の加工方法を提供すること
である。本発明の加工方法は、以下の工程に特徴を有す
る。すなわち、大豆を水に浸漬した後、水の存在下で大
豆を加熱する。加熱した大豆を冷却した後、水とBacill
us 属の微生物が産生するペクチナーゼを大豆に添加し
て第1混合物を得る。この第1混合物を攪拌しながら所
定時間保持して酵素処理を実施する。これにより、大豆
の単細胞が分散するスラリーが得られる。酵素処理が終
了した後、ペクチナーゼを失活させる。次に、大豆以外
の豆類を処理して得られる粉末をスラリーに混合して第
2混合物を得る。第2混合物を気流乾燥法もしくは噴霧
乾燥法により乾燥する。これにより、粉状加工大豆が得
られる。
上記した本発明の大豆加工方法は、以下の効果を奏す
るものである。
1.Bacillus 属の微生物の産生するペクチナーゼを使
用することにより、大豆細胞を従来に比して極めて短時
間で単細胞に分離することができる。また、分離された
大豆細胞は、細胞壁・細胞膜の損傷が少なく、細胞内部
に蛋白顆粒(プロテインボディ)と脂肪球(リピットボデ
ィ)が健全な状態に保たれており、高品質な大豆単細胞
である。
2.Bacillus 属の微生物が産生するペクチナーゼを使
用しているので、約60℃の高温で実施でき、Rhizopus
属等の微生物が産生する酵素を使用した酵素処理に比
べて雑菌の繁殖を抑えることができる。したがって、新
鮮な大豆細胞を得る上で有利である。さらに、pHが7
〜8の中性から弱アルカリ性で高い酵素活性を示すの
で、pH調整剤等を添加することなく酵素処理を行うこ
とができる。
3.大豆細胞の分散するスラリーに大豆以外の豆類を処
理して得られる粉末を添加した第2混合物を作成するス
テップと、気流乾燥法もしくは噴霧乾燥法により第2混
合物を乾燥するステップとの組み合わせにより、分離さ
れた大豆単細胞にダメージを与えることなく、大豆独特
の臭いのほとんどない均質な粉状加工大豆を製造でき
る。
本発明の別の目的は、以下の工程に特徴を有する酵素
を使用した大豆の加工方法を提供することである。すな
わち、大豆を水に浸漬した後、水の存在下で大豆を加熱
する。加熱した大豆を冷却した後、水とBacillus 属の
微生物が産生するペクチナーゼを大豆に添加して混合物
を得る。この混合物を攪拌しながら所定時間保持して酵
素処理を実施する。酵素処理が終了した後、ペクチナー
ゼを失活させることにより大豆の単細胞が分散する液状
加工大豆を得ることができる。したがって、本発明の加
工方法によれば、粉状加工大豆の他に液状加工大豆を提
供することができる。
本発明のさらなる目的は、本発明の加工方法により得
られる粉状加工大豆もしくは液状加工大豆を他の食品素
材に添加して製造される加工食品を提供することであ
る。
本発明のさらなる特徴およびそれがもたらす効果は,
以下に述べる発明の詳細な説明および実施例から理解さ
れるだろう。
図面の簡単な説明 図1は、本発明に基づく丸ごと大豆の加工方法により得
られた粉状加工大豆の光学顕微鏡写真(低倍率)である。
図2は、本発明に基づく丸ごと大豆の加工方法により得
られた粉状加工大豆の光学顕微鏡写真(高倍率)である。
図3は、本発明の粉状加工大豆を使用して製造された食
パンの光学顕微鏡写真である。
発明の詳細な説明 以下、本発明の酵素を使用した大豆の加工方法につい
て詳細に説明する。
まず、所定量の大豆を水洗した後、大豆を水に浸漬す
る。この工程は、大豆の個々の細胞内に十分量の水分を
供給し、後に実施される酵素処理を行い易くするために
実施される。浸漬時間は、特に限定されるものではない
が、12〜15時間とすることが好ましい。尚、この浸
漬ステップにおいて、後述する酵素処理に使用されるペ
クチナーゼを前もって微量添加した水を使用しても良
い。
次に、大豆を水の存在下で加熱する。このステップ
は、大豆に含まれるリポキシゲナーゼの作用を失活させ
るとともに、大豆タンパクを熱変性させて人体への消化
吸収性を改善し、さらに細胞間物質を軟化させて後に実
施される酵素処理を行い易くするために実施される。こ
れらの目的を効率良く達成する上で、大豆を蒸煮するこ
とが特に好ましい。蒸煮条件としては、例えば、圧力鍋
等を使用して120℃で10分間蒸煮することが好まし
い。
蒸煮した大豆を所定温度に冷却した後、水およびBaci
llus 属の微生物が産生するペクチナーゼを大豆に添加
して第1混合物を得る。蒸煮した大豆は、酵素処理が実
施される温度、例えば、約60℃に冷却することが好ま
しい。また、大豆の加工に際してできるだけ廃棄物ある
いは排水を出さないゼロエミッションの観点から、およ
び浸漬工程中に大豆から流出した微量の大豆成分(主と
して蛋白質)さえ捨てることなく使用する観点から、大
豆に添加される水は、前述した浸漬工程において使用済
みの水を利用することが好ましい。また、添加する水の
量は、蒸煮後の大豆重量とほぼ同量とすることが好まし
い。一方、ペクチナーゼの添加量は、浸漬工程前の大豆
重量に対して0.05〜0.2wt%、特に0.1wt%
程度とすることが好ましい。
この第1混合物を攪拌しながら、例えば、60℃で3
0分間保持することにより酵素処理を実施する。Bacill
us 属の微生物が産生するペクチナーゼの酵素活性は、
60℃で最も高いことが予備実験によって確認されてい
る。酵素処理中、Bacillus 属の微生物が産生するペク
チナーゼが、大豆の細胞同士を結合するペクチン質であ
るプロトペクチンに対して強力に作用するので、大豆細
胞壁を破壊することなく単細胞に分離することができ
る。
尚、攪拌は大豆細胞を破壊するような強力なものでは
あってはならない。例えば、第1混合物中において撹拌
翼を20〜30回転/分程度の速度で回転させるような
ソフトな条件を採用することが好ましい。このような条
件であれば、分離された大豆の単細胞を攪拌によってほ
ぐしながら、大豆細胞に対して均一にペクチナーゼを作
用させることができるので、酵素処理をよりスムーズに
実施することができる。この酵素処理により大豆の単細
胞が分散するスラリーが得られる。
次に、ペクチナーゼの酵素作用を失活させるために、
スラリーに熱処理を施す。例えば、約100℃、15分
間スラリーを加熱することが好ましい。
次に、大豆以外の豆類を処理して得られる粉末をスラ
リーに混合して第2混合物を生成する。大豆以外の豆類
としては、例えば、えんどう豆、隠元豆、雑豆類を使用
することができる。一例として、えんどう豆の粉末の製
造方法を以下に示す。まず、えんどう豆を洗浄した後、
水に浸漬する。浸漬条件としては、例えば、14℃で1
6時間、もしくは18℃で12時間とすることが好まし
い。次に、えんどう豆に第1加熱処理を施す。第1加熱
処理としては、例えば、常圧下で30分間煮熱すること
が好ましい。煮熱によってえんどう豆からでた“あく”
(渋み)を除去した後、第2加熱処理を実施する。第2加
熱処理としては、例えば、110℃で1時間加熱するこ
とが好ましい。第2加熱処理後、水切りし、ロールを使
用して磨砕する。磨砕されたえんどう豆を篩に通してス
ラリーとする。このスラリーに水を加えて上澄みを取り
除いた後、水分が63〜68%程度になるように脱水処
理し、さらに乾燥してえんどう豆の粉末が得られる。乾
燥には、気流乾燥法もしくは噴霧乾燥法を使用すること
が好ましい。気流乾燥法については後述する。上記方法
は、隠元豆や雑豆類にも適用できる。尚、粉末の添加量
は、浸漬工程前の大豆重量とほぼ同量とすることが好ま
しい。
大豆以外の豆類を処理して得られる粉末をスラリーに
添加する目的は、後の乾燥工程である気流乾燥法や噴霧
乾燥法に適した状態のスラリーに調整することである。
すなわち、大豆は脂質を多く含むため、大豆の単細胞が
分散するスラリーを上記の乾燥法によって直接乾燥した
場合、大豆細胞に含まれる油分が粉体化を妨げて均質な
粉末を得ることができない。そこで、脂質の少ない大豆
以外の豆類を処理して得られる粉末を処理してスラリー
の状態を改善した後、上記乾燥法により乾燥すれば、良
好な大豆細胞の状態を維持したまま粉末化できることを
見出した。このように、大豆以外の豆類を処理して得ら
れる粉末を添加してスラリーを適切な状態に調整するス
テップと気流乾燥法もしくは噴霧乾燥法による乾燥ステ
ップを組み合わせることは、スラリー中に分散する大豆
細胞を傷つけることなく均質な粉状加工大豆を得る上で
重要である。現在知られている上記以外の乾燥法、例え
ば凍結乾燥法や真空乾燥法等は、乾燥処理後に実施され
る粉砕工程で大豆細胞が破壊されるため好ましくない。
尚、上記2つのステップは、分離された大豆細胞を含む
スラリーであれば、そのスラリーから良質な大豆粉末を
得るのに適用可能である。
このようにして得られた第2混合物を気流乾燥法もし
くは噴霧乾燥法により乾燥する。特に、気流乾燥法の使
用が好ましい。気流乾燥法とは、乾燥製品が粉粒体とな
る材料で、湿潤時に糊泥状、あるいは粉粒状のものを急
速に流れる熱気流中に分散させ、熱気流と並流に送りな
がら迅速に乾燥する方法であり、フラッシュドライヤー
として知られる装置を使用して行われる。本発明におい
ては、例えば、120℃、5秒の乾燥条件を採用するこ
とが好ましい。尚、噴霧乾燥法を採用する場合は、スプ
レードライヤーを使用することが好ましい。
以上の工程により本発明の粉状加工大豆を製造するこ
とができる。得られた粉状加工大豆の光学顕微鏡写真を
図1及び図2に示す。大豆単細胞は、細胞壁・細胞膜の
損傷がなく、細胞内部に蛋白顆粒(プロテインボディ)と
脂肪球(リピットボディ)が健全な状態に保たれており、
高品質な大豆細胞の集まりであることがわかる。
尚、ペクチナーゼの酵素作用を失活させるためにスラ
リーに熱処理を施した段階で工程を中止することにより
大豆単細胞が分散するスラリー(ピューレ)が得られるの
で、このスラリーを液状加工大豆として使用することが
できる。このようにして得られたスラリーは、冷凍保存
した後に解凍しても、あるいはレトルト殺菌(例えば、
120℃、20分)を施しても、大豆細胞が破壊されな
いという大きな特徴を具備している。
本発明の加工方法により得られる粉状加工大豆あるい
は液状加工大豆は、そのままで使用する場合は、食品素
材、ダイエット食品あるいは非常食等として利用するこ
とができる。前述したように、大豆は、たんぱく質、糖
質および脂質をバランスよく含むと共に、ビタミンも豊
富な栄養的に優れた食品であるので、緊急時や災害時等
の救援物資や、子供の学校給食の素材や家庭料理用とし
ての利用だけでなく、将来的には宇宙食等への利用も期
待される。また、本発明の加工方法によれば大豆を無駄
なく丸ごと食品化できるので、将来の食糧問題を解消す
る有力な手段の一つとなるだろう。尚、粉状加工大豆
は、重量が液状加工大豆に比して軽く輸送に便利である
と共に現地で水等と混ぜることにより容易に流動食とす
ることができる点で便利である。
さらに、本発明の大豆加工方法により得られる粉状加
工大豆あるいは液状加工大豆は、他の食品素材と混合し
て使用することも好ましい。特に、従来は、大豆独特に
匂いのためにその栄養価が高いにもかかわらず他の食材
への利用が制限されていた。しかしながら、本発明の粉
状加工大豆あるいは液状加工大豆は、人体への高い吸収
率を有するとともに大豆独特の匂いがほとんど無いの
で、種々の食品に対しての利用が可能となった。
例えば、本発明の粉状加工大豆もしくは液状加工大豆
を使用して、食パン、菓子類、麺等の小麦粉利用食品、
ハンバーグやミーとボール等の加工肉食品、マヨネー
ズ、ドレッシング、餡、クリーム、ジャム、カレー、ス
ープ、アイスクリーム、シャーベット等を作成すること
が好ましく、このようにして得られた食品を食すること
により、消費者は、大豆の匂いを気にすることなく栄養
価の高い大豆成分を異なる味覚や食感を楽しみながら摂
取することが可能となる。
実施例 以下に本発明を好ましい実施例に基づいて説明する。
実施例1 1.1kgの乾燥大豆を水洗した後、水中に12時間
浸漬した。次に、浸漬に使用した水を捨てることなく、
大豆を水から引き上げた。この時、大豆は水分を吸収し
て膨潤し、全重量が2.2kgになっていた。次に、圧
力鍋を使用して120℃、1.1kg/cm2、10分間
の条件で大豆を蒸煮した。蒸煮した大豆を60℃に冷却
した後、浸漬に使用した水2.2kgおよび乾燥大豆の
重量に関して0.1wt%のBacillus 属の微生物が産生
したペクチナーゼ(ナガセ生化学社製)とを大豆に添加し
て第1混合物を得た。
この第1混合物を攪拌しながら、60℃で30分間保
持することにより酵素処理を実施した。攪拌は、攪拌翼
を30回転/分の速度で回転させて行った。この酵素処
理後、大豆細胞の単細胞への分離状態を調べるために顕
微鏡観察を実施した。30分の酵素処理によりほぼ完全
に大豆細胞が単細胞に分離されていることが確認され、
酵素処理は30分行えば十分であることが分かった。ま
た、分離された個々の大豆細胞は、ダメージを受けるこ
となく健全な状態にあり、その分散状態も良好であっ
た。このようにして、大豆の単細胞が分散するスラリー
(液状加工大豆)が得られた。表1にこのスラリーの分析
結果を示す。
次に、ペクチナーゼの酵素作用を失活させるために、
スラリーを100℃で15分間加熱した。次に、1.1
kgのエンドウ豆の粉末をスラリーに添加して第2混合
物を得た。エンドウ豆の粉末は以下の工程により作成し
た。すなわち、えんどう豆を水で洗浄した後、水中に1
4℃で16時間浸漬した。次に、えんどう豆を常圧下で
30分間煮熱した。煮熱によりえんどう豆から出た“あ
く”を除去した後、110℃で1時間保持した。この加
熱処理後、水切りし、ロールを使用して磨砕した。磨砕
したえんどう豆を篩に通してスラリーを得た。このスラ
リーに水を加えて上澄みを除去した後、水分が63〜6
8%程度になるように遠心脱水装置を使用して脱水処理
し、さらに気流乾燥法により乾燥してエンドウ豆の粉末
を得た。
次に、第2混合物を気流乾燥法により120℃、5秒
の条件で乾燥した。このようにして、本発明の実施例1
に基づく粉状加工大豆を得た。得られた粉状加工大豆の
顕微鏡写真を図1および図2に示す。また、表1に得ら
れた粉状加工大豆の分析結果を示す。
比較例1 洗浄した大豆1kgに5kgの水を加え、室温で12
時間浸漬処理した。次に、Rhizopus 属の微生物が産生
するペクチナーゼを6g添加し、攪拌しながら28℃で
8時間酵素処理を行った。尚、酵素処理温度を60℃と
した場合には、ペクチナーゼの酵素作用が失活して酵素
処理を所定時間内に完了できなかった。顕微鏡により大
豆細胞の単細胞への分離状態を観察した結果、大豆細胞
を単細胞にほぼ完全に分離するには少なくとも8時間必
要であることがわかった。
以上のように、比較例1では酵素処理に非常に長い時
間を必要としており、得られた大豆の単細胞への分離状
態も必ずしも満足の行くものではなかった。さらに、室
温下での長時間にわたる酵素処理によって雑菌の繁殖が
懸念される。
実施例2 イーストフードを使用することなく、実施例1によっ
て得られた粉状加工大豆を使用して表2及び表3に示す
条件に基づいて食パンを作成した。表2には、パン生地
の配合組成を示し、表3には、生地の加工条件および実
験結果を示す。図3に、実施例3の食パンの光学顕微鏡
写真を示す。これは、焼き上がった食パンを水に溶解し
て、その溶解液を光学顕微鏡で観察したものである。分
離された個々の大豆細胞がパンの焼き上がりの後でも良
好な状態で存在していることが分かる。尚、比較例2と
して、実施例1によって得られた粉状加工大豆を使用す
ることなく、イーストフードを所定量添加して表2及び
表3に示す条件に基づいて食パンを作成した。
実施例2においては、粉状加工大豆を48g添加した
ので、粉状加工大豆に吸収される水分量を考慮して水の
添加量を96g(粉状加工大豆の重量の2倍量)だけ比較
例2における水の添加量より多くした。したがって、比
較例2では、小麦粉重量に対する水重量の比が63%で
あり、実施例2では、小麦粉重量に対する水重量の比が
69%であった。このように、粉状加工大豆を小麦粉に
対する重量比で3%(48g)添加することにより、パン
生地への吸水率を6%増やすことができた。尚、工事中
は生地の状態も良く、6%の水分(96g)は大豆細胞内
に吸収されたと考えられる。
食パンの特性評価は、食パンの焼きあがり前後におけ
る重量変化率に基づいて行われた。表3に示すように、
実施例2における重量変化率が90.9%であるのに対
して、比較例2の場合は89.7%であった。この重量
変化率の差、すなわち1.2%(90.9−89.7)は、
パンを焼き上げる工程において、窯の中で失われる水分
が実施例2において少ないことを示している。換言すれ
ば、大豆の単細胞内に蓄えられた水分が蒸散しにくく、
結果的に歩留りを改善できることを示している。
パン業界では、おいしいパンを作るためには原料の小
麦粉デンプンのα化(βデンプンからαデンプンへの変
換率)を高めることが重要であり、そのためには生地の
吸水率を高めることと焼き上げ時にパンの中心温度を高
めることが有効であると考えられている。本発明の粉状
加工大豆を使用すれば、上記したような吸水率を高める
効果が得られるだけでなく、大豆の細胞内に蓄えられた
水分がパンの焼き上げ工程中に蒸散しにくいために熱の
伝播の役割を担ってパンの中心温度を高める効果も得ら
れる。
また、食パンに含まれる水分は大別すると、パン原材
料の各分子と結合している「結合水」と各分子間に存在す
る「遊離水」であるが、本発明の粉状加工大豆を含有する
食パンは、上記水分に加えて大豆細胞内に蓄えられた細
胞内水分(本明細書においては、“セルウォーター”と
命名する)を含むので、食パンの保水率を改善すること
ができる。実施例2において焼き上がった食パンの水分
残存率が高いことは、比較例2のパンに比して実施例2
の食パンが保水性の良いソフトなパンであることを示し
ている。
尚、実施例2に示すように、食パンに3%の本発明の
粉状加工大豆を添加した場合、1枚の食パン(約15c
mx約15cmx約1.5cm形状の食パン)に大豆に
しておよそ5粒が混入されることになり、細胞数として
は、約1億5千万個も含まれることになる。その個々の
大豆細胞が細胞内水分を含むカプセル状態であるので、
大豆独特の匂いもなく、食パンの高い保水性を達成でき
る。これにより、食パンのおいしさを長持ちさせること
ができるとともにソフトな食感を提供することができ
る。
また、実施例2においては、小麦粉1600gに対し
て本発明の粉状加工大豆48gと水98gを添加したた
め生地の総重量は3004.8gであった。これに対し
て、比較例2においては、同じ小麦粉1600gを使用
して2862.4gの生地が得られた。したがって、実
施例2においては、同じ量の小麦粉から142.4g(3
004.8−2862.4)だけ余分にパン生地が得られ
たことになる。このように、本発明の僅かな量の粉状加
工大豆を使用することによって、従来と同じ小麦粉の量
から粉状加工大豆の添加量を上回るより多くのパン生地
が得られるので、大豆で栄養が補給されたソフトな食感
を有する食パンをより安価に消費者に提供できる。
さらに、比較例2に使用されたイーストフードや乳化
剤等の添加物を使用することなくパンを製造することが
できるので、健康に注意している消費者に対して最適な
健康食品を提供することができる。
大豆には人体の必須アミノ酸であるリジンも多く含ま
れている。リジンを含有する食パンを製造するために、
従来、大豆を粉末状にして食パンに混ぜることが試みら
れたが、いずれも大豆独特の匂いのため味が劣化し、実
用に至らなかった。しかしながら、本発明の加工方法に
より得られた加工大豆は、大豆細胞が破壊されることな
く健全な状態に保たれているので大豆臭がほとんどな
く、食パンに混入しても味が低下することがないので、
リジンを含有するおいしい食パン製造するのに最適であ
る。
実施例3 実施例1で得られた粉状加工大豆を使用して麺を作成
した。粉状加工大豆の添加量は、小麦粉を含む原料粉体
成分の全量に対して5%とした。粉状加工大豆を添加し
ないで麺を作成した場合(比較例3)と比較すると、粉状
加工大豆の添加により実施例3においては、小麦粉重量
に対して約4%加水量を増加することができた。粉状加
工大豆を添加して作成した麺は、製麺時および試食時と
もに従来の大豆粉末にみられるような大豆臭がほとんど
感じられず、比較例3の麺と実質的に同じ味であった。
また、即席麺として使用するために麺を油で揚げた。こ
の時、通常の麺(比較例3)を揚げる際の油の温度(14
0℃)よりも10℃低い油の温度であっても従来とほぼ
同等の結果が得られた。油の温度を下げることによりエ
ネルギーコストを削減できるとともに、麺に対する油の
付着量が少なくなり低カロリーの麺ができる。また、1
30℃の油で揚げた実施例3の麺は、140℃の油で揚
げた比較例3の麺に比較して水分量が約1.4%高かっ
た。
上記の結果のとおり、本発明の粉状加工大豆の添加に
よって、加水量の増加と大豆臭を伴うことなく大豆によ
る麺の栄養強化を図ることができた。
実施例4 実施例1で得られた粉状加工大豆を使用して野菜入り
ハンバーグを作成した。食品素材の配合量を表4に示
す。ジャガイモは、洗って皮ごとゆでて粗く潰した。生
しいたけは、軸を取って薄切りにした。ほうれん草はゆ
でて細かく刻み、水気を絞った。次に、牛ひき肉に上記
の予備調理した食材および卵、パン粉、牛乳、粉状加工
大豆を入れ、さらに塩、サラダ油および胡椒を加え、良
く混ぜた。得られたものを所定の形状に整えて、油を敷
いたフライパン上に置き、弱火で3〜4分焼き、裏返し
て蓋をし、さらに15分焼くことにより野菜入りハンバ
ークを得た。尚、粉状加工大豆を使用しない点と牛乳の
添加量が実施例4の場合の1/2であることを除いて実
質的に上記と同じ方法で比較例4の野菜入りハンバーグ
を作成した。
実施例4のハンバーグは、調理時および試食時ともに
従来の大豆粉末にみられるような大豆臭がほとんど感じ
られなかった。また、大豆添加によりハンバーグの栄養
強化を達成できた。焼き上がった実施例4のハンバーグ
は、比較例4のものに比べてドリップが少なく、ジュー
シーでまろやかな味であり、冷めても硬くならなかっ
た。
実施例5 実施例1で得られた粉状加工大豆を使用してマヨネー
ズを作成した。食品素材の配合量を表5に示す。乾いた
ボウルに卵黄を入れ、胡椒、塩、粉状加工大豆を入れて
泡だて器でよく混ぜた。次に、サラダ油を数滴づつ加え
ながら泡だて器で混ぜた。さらに、クリーム状になって
きたら酢を加えてよく混ぜた。サラダ油を全て添加し終
わるまで混合を継続した。このようにして、粉状加工大
豆を含むマヨネーズを得た。尚、粉状加工大豆を使用し
ない点と酢の添加量が実施例5の場合の約2/3である
ことを除いて実質的に上記と同じ方法で比較例5のマヨ
ネーズを作成した。
実施例5のマヨネーズは、調理時および試食時ともに
従来の大豆粉末に見られるような大豆臭がほとんど感じ
られなかった。また、実施例5のマヨネーズは、比較例
5のものに比べて味がまろやかで旨味があり、大豆添加
による栄養強化がなされるとともに大豆の繊維が含まれ
た健康食品であるので、体重や体型に気を配る女性への
利用が期待される。
実施例6 実施例1で得られた粉状加工大豆を使用してフレンチ
ドレッシングを作成した。食品素材の配合量を表6に示
す。乾いたボウルに塩、胡椒、粉状加工大豆を入れ、ワ
インビネガーを加えて良くかき混ぜて溶かした。次に、
泡だて器で良くかき混ぜながらさらだ油を少しづつ加え
た。乳白色になり適切な粘度になるまでよく混ぜ合わせ
た。このようにして、粉状加工大豆を含むフレンチドレ
ッシングを得た。尚、粉状加工大豆を使用しない点とワ
インビネガーの添加量が実施例6の場合の2/3である
ことを除いて実質的に上記と同じ方法で比較例6のフレ
ンチドレッシングを作成した。
実施例6のフレンチドレッシングは、調理時および試
食時ともに従来の大豆粉末にみられるような大豆臭がほ
とんど感じられず、比較例6のものに比べて味がまろや
かで旨味のあるドレッシングであった。また、大豆添加
によりフレンチドレッシングの栄養強化を達成できた。
以上、要約すると、本発明の大豆の加工方法および同
方法によって得られた加工大豆は以下の特徴を奏するも
のである。
1.Bacillus 属の微生物が産生するペクチナーゼを使用
した酵素処理により大豆が細胞単位に分離されているた
め、大豆特有の匂いがほとんどなく、あらゆる分野の食
品素材として利用できる。
2.分離された個々の大豆細胞内に蓄えられた水分とし
て定義される“セルウォター”は蒸散しにくく、保水性
に優れるので、他の添加物を使用することなく食品の保
水性を高めることができ、結果的に食品の劣化を防止す
ることができる。
3.Bacillus 属の微生物が産生するペクチナーゼを使用
することにより、従来に比して極めて短時間で酵素処理
を完了することができるので、工業的に大量生産が可能
となると共に製造コストの低減を図ることができ、食品
素材としての利用範囲が広い。
4.バイオマスの観点から、本発明の加工方法は、あら
ゆる食物や穀物に利用可能であり、将来の世界的な食料
問題の解決に貢献できる技術である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/39 A23L 1/39 1/48 1/48 (56)参考文献 特開 平10−99037(JP,A) 特開 平1−153056(JP,A) 特開 昭49−190056(JP,A) 特開 昭53−9339(JP,A) 特開 昭53−145957(JP,A) 特開 昭61−12261(JP,A) 特開 昭55−153573(JP,A) 特開 昭54−113458(JP,A) 特開 平2−57154(JP,A) 特開 平3−127958(JP,A) 特開 平1−257440(JP,A) 特開 昭61−115458(JP,A) 特開 平9−70274(JP,A) 特開 昭61−219347(JP,A) 特開 平8−89197(JP,A) 特開 昭59−113864(JP,A) 特公 昭37−18572(JP,B1) 特公 昭42−22169(JP,B1) 川畑希代子 他,プロトペクチナーゼ 利用による野菜の栄養価及び味・香りの 改良,栄養学雑誌,1995年 6月 1 日,Vol.53,No.3,183−190 NIRPJIT S.D.他,BIO TECHNOLOGY LETTERS 1996,Vol.18,No.12,pag es 1435−1438 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/20 A21D 2/36 A23G 9/02 A23L 1/16 A23L 1/24 A23L 1/39 A23L 1/48 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆を水に浸漬するステップと、 水の存在下で前記大豆を加熱するステップと、 加熱した前記大豆を冷却した後、水とBacillus属の微生
    物が産生するペクチナーゼを前記大豆に添加して第1混
    合物を作成し、前記第1混合物を攪拌しながら所定時間
    保持して酵素処理を実施し、前記大豆の単細胞が分散す
    るスラリーを得るステップと、 前記酵素処理が終了した後、前記ペクチナーゼを失活さ
    せるステップと、 大豆以外の豆類を処理して得られる粉末を前記スラリー
    に混合して第2混合物を得るステップと、 前記第2混合物を気流乾燥法および噴霧乾燥法のいずれ
    かにより乾燥して粉状加工大豆を得るステップとを含む
    ことを特徴とする酵素を使用した大豆の加工方法。
  2. 【請求項2】前記浸漬ステップとして、前記大豆を12
    〜15時間にわたって水に浸漬することを特徴とする請
    求項1に記載の加工方法。
  3. 【請求項3】前記加熱ステップとして、前記大豆を約1
    20℃で10分間蒸煮することを特徴とする請求項1に
    記載の加工方法。
  4. 【請求項4】前記第1混合物を得るために、前記浸漬ス
    テップに使用された水を前記大豆に添加することを特徴
    とする請求項1に記載の加工方法。
  5. 【請求項5】前記第1混合物を得るために、前記浸漬ス
    テップ前の大豆の重量に対して0.05〜0.2wt%
    の前記ペクチナーゼを添加することを特徴とする請求項
    1に記載の加工方法。
  6. 【請求項6】前記酵素処理において、第1混合物を攪拌
    しながら60℃で30分間保持することを特徴とする請
    求項1に記載の加工方法。
  7. 【請求項7】前記ペクチナーゼを失活させるために、前
    記スラリーを100℃で15分間加熱することを特徴と
    する請求項1に記載の加工方法。
  8. 【請求項8】前記大豆以外の豆類が、エンドウ、インゲ
    ン、雑豆類から選択されることを特徴とする請求項1に
    記載の加工方法。
  9. 【請求項9】前記大豆以外の豆類を処理して得られる粉
    末は、以下の工程により製造されることを特徴とする請
    求項1に記載の加工方法: 前記豆類を水に浸漬し; 前記豆類に第1加熱処理を施し; 第1加熱処理により前記豆類からでた“あく”を除去し
    た後、前記豆類に第2加熱処理を施し; 前記第2加熱処理後、前記豆類を磨砕し; 磨砕した前記豆類を篩に通して、第1スラリーを作成
    し; 前記第1スラリーに水を加えて上澄みを除去した後、得
    られた物を脱水および乾燥する。
  10. 【請求項10】前記第1加熱処理として、常圧で30分
    間煮熱することを特徴とする請求項9に記載の加工方
    法。
  11. 【請求項11】前記第2加熱処理として、110℃で1
    時間加熱することを特徴とする請求項9に記載の加工方
    法。
  12. 【請求項12】前記気流乾燥法を120℃、5秒の条件
    で実施することを特徴とする請求項1に記載の加工方
    法。
  13. 【請求項13】大豆を水に浸漬するステップと、 水の存在下で前記大豆を加熱するステップと、 加熱した前記大豆を冷却した後、水とBacillus
    属の微生物が産生するペクチナーゼを前記大豆に添加
    し、得られた混合物を攪拌しながら所定時間保持して酵
    素処理を実施するステップと、 前記酵素処理が終了した後、前記ペクチナーゼを失活さ
    せ、それにより前記大豆の単細胞が分散する液状加工大
    豆を得るステップとを含むことを特徴とする酵素を使用
    した大豆の加工方法。
  14. 【請求項14】前記浸漬ステップとして、前記大豆を1
    2〜15時間にわたって水に浸漬することを特徴とする
    請求項13に記載の加工方法。
  15. 【請求項15】前記加熱ステップとして、前記大豆を約
    120℃で10分間蒸煮することを特徴とする請求項1
    3に記載の加工方法。
  16. 【請求項16】前記混合物を得るために、前記浸漬ステ
    ップに使用された水を前記大豆に添加することを特徴と
    する請求項13に記載の加工方法。
  17. 【請求項17】前記混合物を得るために、前記浸漬ステ
    ップ前の大豆の重量に対して0.05〜0.2wt%の
    前記ペクチナーゼを添加することを特徴とする請求項1
    3に記載の加工方法。
  18. 【請求項18】前記酵素処理において、混合物を攪拌し
    ながら60℃で30分間保持することを特徴とする請求
    項13に記載の加工方法。
  19. 【請求項19】前記ペクチナーゼを失活させるために、
    前記混合物を100℃で15分間加熱することを特徴と
    する請求項13に記載の加工方法。
  20. 【請求項20】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆。
  21. 【請求項21】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を他の食品素材に添加して製造される加
    工食品。
  22. 【請求項22】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含む食パン。
  23. 【請求項23】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含むハンバーグ。
  24. 【請求項24】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含むマヨネーズ。
  25. 【請求項25】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含むカレー。
  26. 【請求項26】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含む麺類。
  27. 【請求項27】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含むドレッシング。
  28. 【請求項28】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含むスープ。
  29. 【請求項29】請求項1に記載の加工方法により得られ
    る粉状加工大豆を含む冷凍菓子。
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