JPWO2004100254A1 - 基板吸着装置 - Google Patents

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Abstract

ハウジング1の開口部1b内のチューブ部材15上に、吸着部16aと少なくとも3点でハウジング1の開口部内壁の点接触する半球面状に湾曲した接触面部16cとを設けた吸着パッド16を載置し、この吸着パッド16と摺動部材9との間に細い糸24を張架した。

Description

本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと省略する)に用いるガラス基板又は半導体ウエハなどの薄板基板を吸着保持する基板吸着装置に関する。
大型で薄い板状のガラス基板を吸着保持するには、ガラス基板に反りや撓みが生じていても、確実に吸着する必要がある。このため吸着部は、ガラス基板の反りや撓みに倣って自由度高く動くことが要求される。特開平10−86086号公報に開示されている吸着装置では、吸着パッドと押え枠体との間に隙間を開けている。この隙間により吸着パッドが傾くことができる。この吸着パッドの傾きを大きくすると、吸着パッドと押え枠体との隙間によりガラス基板を吸着したときに水平方向に移動してしまう。吸着パッドが水平移動してしまうと、ガラス基板が位置ずれてしまう。このため、ガラス基板を高精度に位置決めすることが出来なくなると共に、搬送中にガラス基板が揺れて安定した搬送ができなくなる。
ガラス基板を高精度に位置決めしたり、搬送中にガラス基板が揺動しないようにするために、吸着具と収納孔との隙間を小さくすると、吸着具の傾き方向の動きが規制される。このため、ガラス基板の反りや撓みに倣って吸着パッドが傾き難くなる。
本発明の主要な観点によれば、中空状に形成され、先端部に開口部を有するハウジングと、ハウジングの中空形状内に設けられ、かつエアーを吸引するエアー引き通路が設けられた吸着パッド支持部材と、ハウジングの開口部から突出した状態で吸着パッド支持部材上に載置され、ハウジングの開口部に少なくとも3点で点接触して首振り可能で、エアー引き通路と気密に連通するエアー吸引孔が設けられた吸着パッドと、吸着パッドをハウジングの開口部に保持する吸着パッド保持手段とを具備した基板吸着装置が提供される。
図1は本発明に係わる基板吸着装置の第1の実施の形態を示す構成図。
図2は同装置における吸着パッドの吸着部の別の一例を示す構成図。
図3は同装置における第1及び第2の支持板の構成図。
図4Aは同装置における吸着パッドの撓んだガラス基板への倣い開始状態を示す図。
図4Bは同装置における吸着パッドの撓んだガラス基板への吸着状態を示す図。
図4Cは同装置における吸着パッドによりガラス基板の矯正動作を示す図。
図5は同装置を適用したエアー浮上搬送装置の上面構成図。
図6は同装置の側面構成図。
図7は同装置を適用した大型基板検査装置の検査ステージの構成図。
図8は本発明に係わる基板吸着装置の第2の実施の形態の特徴部分を示す構成図。
図9Aは同装置にワイヤーを用いた変形列を示す構成図。
図9Bは同装置にワイヤーを用いた変形列を示す構成図。
図10は同装置における吸着パッドの変形例を示す構成図。
図11は本発明に係わる基板吸着装置の第3の実施の形態を示す構成図。
図12Aは同装置における吸着パッドのガラス基板への吸着動作の開始状態示す図。
図12Bは同装置における吸着パッドのガラス基板への当接状態を示す図。
図12Cは同装置における吸着パッドのガラス基板への吸着状態を示す図。
図13は本発明に係わる基板吸着装置の第4の実施の形態を示す構成図。
図14は同装置を適用した大型基板搬送用ロボットのアーム部の構成図。
図15は本発明に係わる第1及び第2の基板吸着装置をエアー浮上搬送装置に適用した第5の実施の形態を示す構成図。
図16は同基板吸着装置に用いるエアー真空引き系統を示す図。
図17は本発明に係わる基板吸着装置をエアー浮上搬送装置に適用した第6の実施の形態を示す構成図。
図18は本発明に係わる基板吸着装置をエアー浮上搬送装置に適用した第6の実施の形態を示す構成図。
図19は本発明に係わる基板吸着装置におけるエアー真空引き系統の変形例を示す図。
図20Aは吸着パッドの接触面部の形状の変形例を示す図。
図20Bは吸着パッドの接触面部の形状の変形例を示す図。
図20Cは吸着パッドの接触面部の形状の変形例を示す図。
図20Dは吸着パッドの接触面部の形状の変形例を示す図。
図20Eは吸着パッドの接触面部の形状の変形例を示す図。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は基板吸着装置Eの構成図である。ハウジング1は、金属により中空形状である円筒状に形成され、その内部には中空部2が形成されている。このハウジング1の一端である先端側には、円形の端部1aを有する開口部1bが形成されている。このハウジング1の他端である元部の開口部内壁には、ネジ部1cが設けられている。このハウジング1の元部は、基板吸着装置E用の取付台3に取付けられたユニット本体4に取り付けられている。
ユニット本体4は、ハウジング1の内径に略一致する外径を有し、かつ内部にエアー引き通路5を設けた中空形状に形成されている。このユニット本体4の外周面には、ネジ部4aが設けられている。これにより、ハウジング1は、ネジ部1cとネジ部4aとの螺合によりユニット本体4に対して取り付け、取り外し可能である。ユニット本体4の下部には、基板吸着装置E用の取付台3に対して取り付けるためのネジ部4bが突出して設けられている。このユニット本体4は、ネジ部4bを基板吸着装置E用の取付台3のネジ部と螺合することにより取付台3に対して取り付け、取り外し可能である。
このユニット本体4の中空形状内部には、ネジ部4cが設けられている。又、ユニット本体4の外周面には、ネジ部4dが設けられている。このネジ部4dには、ナット6が螺合している。このナット6は、ネジ部4dに締め付けることによりハウジング1に対するユニット本体4の取り付け位置を固定する。
ハウジング1の下部の内壁面の周方向には、溝7が設けられている。この溝7の位置は、ユニット本体3の先端部に対応する。この溝7内とユニット本体3の先端部との間には、エアー漏れ防止用のOリング8が挟持されている。
ハウジング1の中空部2内でかつユニット本体3の先端部側には、摺動部材9が設けられている。この摺動部材9は、ハウジング1の中空部2内を中空部2の方向に沿って摺動可能である。この摺動部材9は、肉厚円筒部10と薄肉円筒部11とを一体に形成している。
肉厚円筒部10は、ハウジング1の中空部2の内径に略一致する径に形成され、その外周面がハウジング1の中空部2の内面に密着している。この肉厚円筒部10の外周面には、溝12が設けられ、この溝12内にV字パッキン13が設けられている。このV字パッキン13は、ユニット本体4のエアー引き通路5から真空引きを行ったときにV字に開き、ハウジング1の中空部2と摺動部材9との間のエアー漏れを防止して気密を保つ。
薄肉円筒部11は、ユニット本体4のエアー引き通路5の内径に略一致する径に形成され、その外周面がユニット本体4のエアー引き通路5内に密着している。この薄肉円筒部11は、エアー引き通路5内に対して挿脱可能に設けられている。
肉厚円筒部10及び薄肉円筒部11の内部には、エアー引き通路14が設けられている。このエアー引き通路14は、ユニット本体4のエアー引き通路5に連通する。
摺動部材9の上部には、吸着パッド支持部材であるチューブ部材15が設けられている。このチューブ部材15は、弾性部材により円筒状に形成され、かつ上部に吸着パッド16に対して密着するジャバラ状の屈曲部17が形成されている。このチューブ部材15は、摺動部材9におけるエアー引き通路14内に対してネジ部18により螺合して取り付けられている。このチューブ部材15の内部には、エアー引き通路19が形成されている。このエアー引き通路19は、摺動部材9のエアー引き通路14と気密に連通する。
吸着パッド16がチューブ部材15の上部に載置されている。この吸着パッド16は、ハウジング1の開口端1aから突出している。この吸着パッド16は、例えばエンジニアリングプラスチック等の樹脂により形成されている。この吸着パッド16は、チューブ部材15上に載置されることによりチューブ部材15上で首振り可能である。この吸着パッド16は、表面に平面状の吸着面16aを有する吸着部16bと、この吸着部16bの裏面に垂下して一体的に形成された曲面を有する接触面部16cとからなる。この吸着部16bの中央部には、エアー吸引孔16dが設けられている。吸着部16bは、外径をハウジング1の外径と同一に形成している。この吸着部16bは、吸着パッド16がハウジング1内に下降すると、裏面の外周縁16eがハウジング1の開口端1aに面接触して下降を停止する。従って、ハウジング1の開口端1aは、吸着パッド16の下降のストッパとなると共に、吸着パッド16の吸着面16aの傾きを水平に維持するため基準平面となる。
吸着部16bは、ハウジング1の外径と略同一に形成しても十分であるが、図2に示すようにハウジング1の外周面かち外周側に長さDだけ長く形成してもよい。このような吸着部16bであれば、吸着面16aの面積が大きくなり、この吸着面16aのいずれかの部分にガラス基板が接触しても、この接触したときに加わる力の作用点と吸着部16bの中心位置Pとの距離が長くなり、これにより僅かな力により吸着パッド16は、チューブ部材15上で首振り動作する。
接触面部16cは、円筒状で、その外周面が上下方向の中間部に最大径を有する半球面状に湾曲して形成されている。この接触面部16cは、最大外径寸法がハウジング1の中空部2(開口端1a)の内径寸法より若干小さく形成され、ハウジング1の開口部1b内に上下方向に移動可能に挿入されている。この接触面部16cは、ハウジング1の中空部2の内壁2aに対して少なくとも3点で点接触して支持される。接触面部16cとハウジング1の中空部2の内壁2aとの間の接触は、必ずしも少なくとも3点だけで点接触するとは限らず、吸着パッド16の首振りによって接触面部16cにおける同一周方向の線上の複数の点で接触したり、同周方向の線上で線接触する。このような接触面部16cとハウジング1の中空部2の内壁2aとの間の接触により接触面部16cとハウジング1の内壁2aとの間の摩擦抵抗は小さく、吸着パッド16は、スムーズな首振り動作が可能となる。
吸着パッド16のエアー吸引孔16d内には、環状の段差20が設けられている。この段差20には、図3に示す第1の支持板21が設けられている。この第1の支持板21は、円板状に形成され、エアーを流通するための2つの孔21a、21bが設けられている。
摺動部材9のエアー引き通路14内には、環状の段差22が設けられている。この段差22には、第1の支持板21と同様な形状の第2の支持板23が設けられている。
これら第1の支持板21と第2の支持板23との間は、連結部材である線材としての例えば細い糸24で連結されている。細い糸24は、張力に対して伸びず、かつ断線に対する強度が強い、軟らかい線材として例えばナイロン樹脂により形成されている。この細い糸24は、チューブ部材15を介して第1と第2の支持板21、23との間隔が常に一定になり、かつ吸着パッド16の首振り状態を解いて水平な姿勢に復帰可能とする付勢力をチューブ部材15に与える張力で張られている。又、この細い糸24の張力では、チューブ部材15の屈曲部17が吸着部16aから離れることなく、かつ吸着部16aの傾きに追従して首振り動作を可能としている。この細い糸24の張力は、第1と第2の支持板21、23との間に張るときに調整可能で、例えば細い糸24を第1又は第2の支持板21、23に縛り付けるときの縛り具合で調整できる。第1の支持板21、第2の支持板23及び細い糸24は、吸着パッド保持手段を構成する。
摺動部材9における薄肉円筒部11内のエアー引き通路14及びユニット本体4のエアー引き通路5の内部には、弾性部材であるスプリング25が設けられている。このスプリング25は、吸着パッド16、チューブ部材15及び摺動部材9の一体をハウジング1の中空部2内において摺動部材9からハウジング1の開口端1a側に向って付勢力を与える。このスプリング25の下側は、スプリング調節部材26に係止されている。
スプリング調節部材26の外周面には、ネジ部26aが設けられている。このスプリング調節部材26は、ネジ部26aをユニット本体4のエアー引き通路5のネジ部4cに螺合させてエアー引き通路5に内装されている。このスプリング調節部材26は、環状に形成され、その中空部にエアー引き通路26bが設けられている。このスプリング調節部材26は、ネジ部26aとネジ部4cとの螺合により回転することによりエアー引き通路5内を上下移動してスプリング25の付勢力を調整する。
ハウジング1の中空部2内には、吸着パッド高さ調整機構27が設けられている。この吸着パッド高さ調整機構27は、ハウジング1の中空部2内に形成されたネジ部28に螺合する調整用環状部材29を有する。この調整用環状部材29は、ネジ部28に対して回転することによりハウジング1の中空部2内に上下移動する。この調整用環状部材29の上下移動に応動して吸着パッド16、チューブ部材15及び摺動部材9が一体となってハウジング1の中空部2内に上下移動する。これにより、ハウジング1の開口端1aに対する吸着パッド16の高さ位置Aが調整される。
次に、上記の如く構成された装置Eのガラス基板Sへの吸着動作について図4A〜図4Cを参照して説明する。
基板吸着装置Eの上方にガラス基板Sが搬送されると、この基板吸着装置Eは、昇降機構により上昇する。ガラス基板Sは、例えば反りや撓みが生じて傾いている。基板吸着装置の上昇により吸着パッド16の吸着面16aの一部が図4Aに示すように反りや撓みが生じているガラス基板40の裏面に当接する。
吸着パッド16は、チューブ部材15上に載置され、かつ細い糸24によりハウジング1の下方側に引っ張られている。これにより、吸着パッド16には、チューブ部材15上で首振り可能で、かつ外力が加わらない限り首振り動作せずに静止した元の姿勢、すなわち吸着面16aが水平方向になる姿勢に復帰する付勢力が加わっている。
従って、吸着パッド16は、ガラス基板Sの下方から僅かな当て付け力でガラス基板Sの裏面に接触するので、図4Bに示すようにガラス基板Sの反りや撓みによる傾きに倣うように首振り状態になる。すなわち、吸着パッド16は、接触面部16cをハウジング1の開口部1b内に挿入しながら首振りするので、最大で吸着部16bの裏面の外周縁16eがハウジング1の端部1aに当接する首振り角度まで傾くことが可能である。
吸着パッド16は、接触面部16cがハウジング1の開口部1bの内壁に少なくとも3点で点接触しながら首振り動作するので、接触面部16cとハウジング1の開口部1bの内壁との間の摩擦抵抗は小さい。この結果、ガラス基板Sの反りや撓みが大きくても、吸着パッド16の吸着面16aは、ガラス基板Sの反りや撓みによる傾きに倣ってガラス基板Sの裏面に密着する。
吸着部16aの外径は、ハウジング1の外径と同一に形成されているので、ガラス基板Sが吸着部16aの外周縁に接触したときに加わる力の作用点と吸着部16aの中心位置との距離は長くなる。これにより、ガラス基板Sとの接触により僅かな接触力が吸着部16aの外周縁に加わると、当該接触の力が梃子の作用により吸着パッド16を首振りさせる大きな回転力となる。
この状態で、ユニット本体4のエアー引き通路5から摺動部材9のエアー引き通路14、チューブ部材15のエアー引き通路19及び吸着パッド16のエアー吸引孔16dを通してエアーを真空吸引すると、これらエアー引き通路5、14、19及びエアー吸引孔16内は、密閉されて真空引きにより負圧になる。これにより、吸着パッド16の吸着面16aは、ガラス基板Sの裏面に吸着する。このとき吸着パッド16の吸着面16aは、ガラス基板Sに反りや撓みが生じても、この吸着面16aがガラス基板Sの裏面に倣って密着しているので、エアー漏れなく確実にガラス基板Sを真空吸引する。
これと共に各エアー引き通路5、14、19及びエアー吸引孔16内が真空引きにより負圧になるので、この負圧によって吸着パッド16、チューブ部材15及び摺動部材9は、スプリング25のばね力に抗して自ずとハウジング1の中空部2内を下降する。これにより、吸着パッド16の裏面の外周縁16eの全面が図4Cに示すようにハウジング1の開口端1a上に面接触する。ハウジング1の開口端1aは、基準平面であるので、吸着パッド22の吸着面16aは、水平方向に配置される。この結果、ガラス基板Sは、水平方向に保持される。
接触面部16cとハウジング1の開口部内壁とが接触しているので、吸着パッド16は、横方向への移動が規制される。この規制により吸着パッド16がガラス基板Sの裏面に吸着した状態でも、ガラス基板Sは位置ずれすることなく、高精度に位置決め状態を保持できる。
このように上記第1の実施の形態によれば、ハウジング1の開口部1b内におけるチューブ部材15上に、吸着部16aと半球面状に湾曲して少なくとも3点でハウジング1の開口部内壁の点接触する接触面部16cとを形成した吸着パッド16を載置し、この吸着パッド16と摺動部材9との間に細い糸24を張架したので、吸着パッド16は、大きな傾き角度で傾くことができ、かつ傾いたときでも接触面部16cとハウジング1の開口部内壁とが接触しているので、吸着パッド16が横方向に位置ずれすることがない。
吸着パッド16は、首振り角度が大きく、かつ僅かな外力の加わりにより首振り動作が小さな摩擦抵抗で円滑かつスムーズに行うことができ、ガラス基板Sの大きな反りや撓みによる傾きに倣ってガラス基板Sの裏面に密着でき、エアー漏れなく確実にガラス基板Sを吸着できる。
ガラス基板Sが接触したときの吸着部16b上の接触力の作用点と吸着部16bの中心位置との距離を長くしたので、僅かな接触力で吸着パッド16を首振り動作することができ、ガラス基板Sの大きな反りや撓みに直ちに倣うことができる。
吸着パッド16がガラス基板Sを吸着すると、各エアー引き通路5、14、19及びエアー吸引孔16d内の負圧がスプリング25のばね力に打ち勝って吸着パッド16が下降し、ハウジング1の開口端1aに面接触して吸着面16aを水平に規制する。この規制により吸着パッド16により吸着されるガラス基板Sの反りや撓みは水平に矯正され、かつ基準平面に高精度に保持できる。
吸着パッド16は、細い糸24により連結されているので、ハウジング1の開口端1aから外れることがない。
吸着パッド高さ調整機構27を設けているので、吸着パッド16のハウジング1の端部1aからの高さ位置Aを、ガラス基板Sの保持されている高さ位置に応じて調整できる。
次に、上記第1の実施の形態で説明した基板吸着装置Eをエアー浮上搬送装置に適用した場合の実施例について図5及び図6に示すエアー浮上搬送装置の構成図を参照して説明する。なお、図5は上面図、図6は側面図である。
浮上搬送ステージ30の上面には、複数のエアー吹出孔31が設けられている。これらエアー吹出孔31からは、均一なエアー圧力でエアーを吹き出す。このエアーの吹き出しにより浮上搬送ステージ30とガラス基板Sとの間にエアー層が形成されて、ガラス基板Sは浮上搬送ステージ30上に浮上する。浮上搬送ステージ30の両側面には、それぞれ直線状の各ガイドレール32、33が設けられている。これらガイドレール32、33上には、それぞれ各搬送部34、35が同期して移動可能に設けられている。これら搬送部34、35には、各昇降支持部材36を介して吸着載置台37が設けられている。各昇降支持部材36は、吸着載置台37を上下方向(Z方向)に昇降させる。
この吸着載置台37上には、上記基板吸着装置Eがガラス基板Sの搬送方向Tと同一方向に複数、例えば5つ並設されている。なお、基板吸着装置Eの個数は、5つに限らず、任意の個数設けてもよい。これら基板吸着装置Eは、それぞれ各吸着パット16を高さ位置調整して同一高さ位置に合わせられている。
このようなエアー浮上搬送装置では、浮上搬送ステージ30上にガラス基板Sがエアー浮上又は載置される。この状態で、ガラス基板Sの先端部の両端に各搬送部34、35を移動させる。これら搬送部34、35の各昇降支持部材36は、それぞれ各吸着載置台37を上昇させる。これにより各基板吸着装置Eの各吸着パット16は、ガラス基板Sの裏面に接触する。これら吸着パット16がガラス基板Sの裏面に当接すると、上記第1の実施の形態と同様に、ガラス基板Sに対する当て付け力により各吸着パット16は、首振りして吸着面16aをガラス基板Sの裏面の傾きに倣う。これと共にエアーの真空吸引により吸着面16aは、ガラス基板Sの裏面に密着して吸着保持する。
この後、各搬送部34、35が各ガイドレール32、33上をそれぞれ同期して移動すると、エアー浮上しているガラス基板Sは、各搬送部34、35の移動に引っ張られて浮上搬送ステージ30上を搬送方向Tに高速でエアー搬送される。
このように基板吸着装置Eをエアー浮上搬送装置に適用すれば、反りや撓みを生じたガラス基板Sをエアー浮上により搬送する場合でも、ガラス基板Sの反りや撓みに倣って各基板吸着装置Eの吸着パッド16をガラス基板Sの裏面に確実に吸着できる。吸着パッド16は、位置ずれしないので、ガラス基板Sの裏面を吸着保持したときにガラス基板Sを位置ずれさせることがない。従って、エアー浮上搬送装置を例えば液晶ディスプレイの製造ラインに設置し、液晶ディスプレイのガラス基板Sをエアー搬送する場合、製造ラインにおけるアライメント部及び検査部において、アライメントしたガラス基板Sの位置をずらさずに高精度に吸着保持できる。
複数の吸着パット16の高さ位置にばらつきがあっても、各吸着パッド高さ調整機構27により各吸着パット16の高さ位置を同一高さ位置に調整できる。
次に、上記第1の実施の形態で説明した基板吸着装置Eを大型基板検査装置の検査ステージに適用した場合の実施例について図7に示す検査ステージの構成図を参照して説明する。
検査ステージ40は、中抜き構造である枠型で長方形状に形成されたステージ本体41と、このステージ本体41の中空部42内に所定の間隔をおいて互いに平行に設けられた複数の撓み防止桟43とからなる。ステージ本体41における中空部42の内周縁部には、複数の基板吸着装置Eが所定間隔毎に埋設されている。各撓み防止桟43上には、複数の支持ピン44が立設されている。
このような検査ステージ40上に反りの生じたガラス基板Sを載置すると、各基板吸着装置Eの各吸着パッド16がガラス基板Sの裏面に接触する。これら吸着パッド16は、上記第1の実施の形態と同様に、首振り動作して吸着面16aがガラス基板Sの裏面に倣い、エアーの真空吸引によりガラス基板Sの裏面に密着し、ガラス基板Sを確実に吸着保持する。従って、反りや撓みのあるガラス基板Sを検査ステージ40上に載置しても、ガラス基板Sを確実に吸着保持できる。各吸着パッド高さ調整機構27により各吸着面16aの高さ位置を調整できると共に、吸着パッド16の高さ位置Aを高くすることにより、ガラス基板Sに大きな反りや撓みがあっても、これら反りや撓みを矯正してガラス基板Sを検査ステージ40上に平面度を高く吸着保持できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図8は基板吸着装置Eの特徴部分を示す構成図である。ワイヤー45が第1の支持板21と第2の支持板23との間に係止されている。このワイヤー45は、捩れ剛性を有し、例えば金属材料等により形成されている。このワイヤー45は、棒状のワイヤー本体46と、このワイヤー本体46の一端部に設けられた鉤型の第1の係止部47と、ワイヤー本体47の他端部に設けられたJ字形状の第2の係止部48とを有する。第1の係止部47は、第1の支持板21の各孔21a、21bを通して例えば糸等の線材49により結ばれている。第2の係止部48は、第2の支持板23の各孔21a、21bに係止されている。
例えばガラス基板Sをエアー浮上搬送する際、反りや撓みが生じているガラス基板Sを基板吸着装置Eにより吸着するとき、基板吸着装置Eはガラス基板Sを迎えるように吸着する。このとき、基板吸着装置Eの吸着パッド16は、僅かに回転することがある。吸着パッド16の回転が累積されると、吸着パッド16を保持する機構が第1の支持板21と第2の支持板23との間に張られた細い糸24の捩れ量が次第に大きくなる。そうすると、細い糸24の張力が大きくなり、吸着パッド16が次第に下降し、ハウジング1の端部1aからの吸着パッド16の突出量が小さくなる。このため、反りや撓みが生じているガラス基板Sを吸着するとき、吸着パッド16がガラス基板Sの裏面の傾きに倣って傾いて吸着する本来の吸着動作が出来にくくなる。
上記第2の実施の形態であれば、吸着パッド16に回転力が加わっても、この吸着パッド16の回転をワイヤー45により規制することができる。従って、吸着パッド16は、経時的に回転が累積されることはなく、ハウジング1の端部1aからの高さ位置Aに維持される。
なお、上記第1及び第2の実施の形態は、次の通り形成してもよい。
図9Aはワイヤー45の変形列を示す構成図である。このワイヤー45は、ワイヤー本体46の例えば第1の係止部47側に細径部49aを設けている。この細径部49aは、ワイヤー本体46の径よりも細く形成され、この細径部49aより上部は、小さな外力で自由に傾くが、吸着パッド16の回転力を抑止する。
図9Bもワイヤー45の変形列を示す構成図であり、このワイヤー45は、第1の係止部47をワイヤー本体46と分離し、この第1の係止部47の下端にボール49bを設ける。ワイヤー本体46は、第1の係止部47と分離した端部にボール49bの受け部49cを設ける。この受け部49cは、ボール49bを回転可能に保持する。従って、ワイヤー45に捩れる力が加わっても、ボール49bが受け部49c内で回転する。これにより、吸着パッド16が回転しても、ワイヤー45は、捩れることはない。
チューブ部材15は、例えば図10に示すようにジャバラに形成されたチューブ部材15aを用いてもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図11は基板吸着装置Eの構成図である。ハウジング50は、例えばアルミニウムなどの剛性を有する材料により円筒状に形成されている。このハウジング50の先端部には、円筒状のパット用の保持穴51が設けられている。この保持穴51内には、当該保持穴51の開口端51aから僅かに突出した状態で吸着パッド52が回転可能に保持されている。
この吸着パッド52は、樹脂を用いて円筒状に形成され、そのパッド側面である接触面部52aは、球面状に形成されている。吸着パッド52の内部には、下方を開放した円筒状の中空部53が設けられている。この吸着パッド52の上部には、平面状の吸着面54が設けられている。この吸着面54には、僅かな深さを有するパット凹部54aが設けられると共に、中央部に中空部53に連通する真空吸引用のエアー吸引孔54bが設けられている。
ハウジング50の保持穴51は、吸着パッド52の接触面部52aの寸法より僅かに小さな内径に形成されている。保持穴51の開口部には、吸着パッド52の接触面部52aの球面形状の曲率に倣って絞られた絞り形状部55が設けられている。この絞り形状部55は、吸着パッド52を保持穴51内に保持する吸着パッド保持手段を構成する。
ハウジング50の保持穴51と吸着パッド52の接触面部52aとは、ハウジング50の保持穴51内でに吸着パッド52が回転可能となる精密すきまばめの構造になっている。従って、保持穴51内に吸着パッド52を収納すると、吸着パッド52の接触面部52aと保持穴51の内壁面に少なくとも3点で点接触する。吸着パッド52の接触面部52aと保持穴51の内壁面との間の接触は、必ずしも少なくとも3点だけで点接触するとは限らず、吸着パッド52の首振りによって接触面部52aにおける同一周方向の線上の複数の点で接触したり、同周方向の線上で線接触する。このような接触面部52aと保持穴51の内壁面との間の接触により接触面部52aと保持穴51の内壁面との間の摩擦抵抗は極めて小さくなり、吸着パッド52は、保持穴51内において僅かな外力で全周方向に亘って例えば矢印F方向に回転可能に保持され、スムーズな首振り動作が可能となる。
ハウジング50の保持穴51内の底部には、吸着パッド52を受ける受け面56が設けられている。この受け面56は、平面部57とこの平面部57の外周縁に設けられたテーパ部58とにより形成されている。平面部57は、吸着パッド52の底部が当接することにより吸着パッド52の矢印F方向に対する傾き角を規制する。吸着パッド52の傾き角は、吸着パッド52が傾いたとき、吸着面54が保持穴51内に隠れない範囲である。テーパ部58は、吸着パッド52の接触面部52aの球面形状の曲率に倣った角度に形成されている。このテーパ部58は、保持穴51内で下降する吸着パッド52と当接して吸着パッド52の下方への移動を規制する。
ハウジング50には、中空穴59が設けられている。この中空穴59は、保持穴51の内径よりも小さい内径に形成されている。この中空孔59内及び吸着パッド52の中空部53内には、吸着パット支持部材60が設けられている。
この吸着パット支持部材60は、ゴムなどの弾性部材により中空形状に形成され、その内部にエアー引き通路61が設けられている。この吸着パット支持部材60の先端部には、小さな弾性力を得るベローズ60aが形成されている。このベローズ60aの先端部は、厚みを元部よりも薄く形成し、かつジャバラ状に形成して伸縮可能である。このベローズ60は、吸着パッド52のエアー吸引孔54bに気密に密着されている。吸着パット支持部材60の元部は、ユニット本体62の先端面に気密に連結されている。
ハウジング50は、ユニット本体62に対してねじ部63を介して螺合している。ハウジング50は、ユニット本体62に対して回転させてベローズ60aの伸縮量を変え、吸着パッド52の回転力を調整する。この調整は、吸着パッド52がガラス基板Sに当接したときに作用する外力を受けて吸着パッド52が回転可能な範囲内での微調整となる。
ハウジング50は、ユニット本体62に対して回転することにより吸着パッド52の高さ位置を調整可能である。このようにベローズ60aの伸縮量(弾性力)又は吸着パッド52の高さ位置を調整したときのハウジング50は、ねじ部63に螺合するロックナット64の締め付けによってユニット本体62に固定される。
ユニット本体62には、エアー引き通路65が設けられている。このエアー引き通路65は、吸着パット支持部材60のエアー引き通路61に連通している。エアー吸引孔54b、各エアー引き通路61、65は、真空吸引流路が形成される。
次に、上記の如く構成された基板吸着装置Eのガラス基板Sに対する吸着動作について図12A〜図12Cを参照して説明する。
図12Aは基板吸着装置Eの上方にガラス基板Sが搬送された状態を示す。吸着パッド52は、例えばハウジング50の保持穴51内で傾き、吸着面54がガラス基板Sの裏面に対して平行状態からずれている。この状態で基板吸着装置Eが昇降機構により上昇すると、傾いている吸着パッド52の吸着面54における頂点となっている一部がガラス基板Sの裏面に当接する。
吸着パッド52は、ハウジング50の保持穴51内に点接触で保持されているので、保持穴51の内壁面との間の摩擦抵抗が極めて小さく、ガラス基板Sの裏面に対する僅かな当て付け力で保持穴51内で矢印F方向に回転する。
従って、基板吸着装置Eがガラス基板Sの下方から僅かな当て付け力でガラス基板Sの裏面に接触すると、吸着パッド52は回転し、図2Bに示すように吸着面54がガラス基板Sの裏面の方向と同一になるように倣う。このとき、吸着パッド52が傾いていても又はガラス基板Sに反りや撓みが合っても、吸着パッド52は回転し、吸着面54がガラス基板Sの裏面に密着する。
この状態で、各エアー引き通路61、65及びエアー吸引孔54bを通してエアーを真空吸引すると、吸着パッド52のパット凹部54a、エアー吸引孔54b及び各エアー引き通路61、65内は、気密状態で真空引きにより負圧になる。これにより、吸着パッド52の吸着面54は、ガラス基板Sの裏面に吸着する。この吸着面54は、ガラス基板Sに反りや撓みが生じても、吸着パッド52がガラス基板Sの裏面に倣って密着するので、エアー漏れなく確実にガラス基板Sを真空吸引する。
これと共にパット凹部54a、エアー吸引孔54b及び各エアー引き通路61、65内が負圧になると、弾性部材で形成される吸着パット支持部材60の主にベローズ60aが縮む。吸着パッド52は、ベローズ60aの縮みにより保持穴51内を下降し、図12Cに示すようにその底部がテーパ部58に当接して停止する。これにより、吸着パッド52は、保持穴51内で固定される。
このように上記第3の実施の形態によれば、球面状に形成した接触面部52aを有する吸着パッド52を、ハウジング50の保持穴51内に精密すきまばめ構造による点接触で保持し、吸着パッド52を保持穴51内において全周方向に亘って回転可能にしたので、吸着パッド52は、保持穴51内において摩擦抵抗が極めて小さく、僅かな外力で全周方向に亘って回転できる。従って、ガラス基板Sの下方から僅かな当て付け力でガラス基板Sの裏面に接触することにより、吸着パッド52は、ガラス基板Sの裏面の傾き方向に倣ってエアー漏れなく真空吸引して確実にガラス基板Sの裏面に吸着できる。これにより、ガラス基板Sに反りや撓みがあっても、これらに倣って吸着パッド52が傾いて確実に吸着できる。
吸着パッド52は、ハウジング50の保持穴51内に精密すきまばめの構造により保持するので、吸着パッド52が保持穴51内での位置ずれは極めて小さい。これにより、ガラス基板Sを吸着保持したときに高精度な位置決めが可能になる。
ガラス基板Sの裏面に吸着パッド52が吸着するとき、吸着パット支持部材60内の負圧によりベローズ60aが縮み、吸着パッド52がテーパ部58に当接して下方への移動を規制するので、ガラス基板Sを吸着した状態で正確な高さに固定できる。
ハウジング50をユニット本体62に対して回転させることによりベローズ60aの伸縮量を調整するので、吸着パッド52をガラス基板Sに対する当て付け力を最適値に調整できると共に、吸着パッド52の高さ位置を調整できる。
ハウジング50に絞り形状部55を設けたので、球状の吸着パッド52が保持穴51から飛び出して脱落することがない。
上記基板吸着装置Eは、上記図5及び図6に示すエアー浮上搬送装置の基板吸着装置Eに代えることが可能である。基板吸着装置Eをエアー浮上搬送装置に適用すれば、上記第1の実施の形態と同様に、ガラス基板Sの反りや撓みに倣って各基板吸着装置Eの吸着パット52をガラス基板Sの裏面に確実に吸着でき、かつガラス基板Sを位置ずれさせることがない。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、図11と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図13は基板吸着装置Eの構成図を示す。この基板吸着装置Eは、図7に示す大型基板検査装置の検査ステージ上の基板吸着装置Eに変わって設けることが可能である。ハウジング50は、各凹部70の底部に形成されたねじ部71に対して螺合し、ロックナット72のねじ部71に対する締め付けにより固定される。これにより、ハウジング50をねじ部71に対して回転させれば、ベローズ60の伸縮量が調整できる。この調整された状態は、ロックナット72を締め付けることにより固定される。ステージ本体41と各撓み防止桟43の各ベース73には、吸着パット支持部材60内のエアー引き通路61に連通するエアー吸引通路74が設けられている。
このような基板吸着装置Eを設けた検査ステージであれば、反りや撓みのあるガラス基板Sを確実に吸着保持でき、かつ吸着パット52の高さ位置を調整することにより、反りや撓みを矯正してガラス基板Sを平面度を高く吸着保持できる。
基板吸着装置Eは、図14に示す大型基板搬送用ロボットのアーム部Rにも適用可能である。このアーム部Rは、アーム支持部80に複数、例えば4本のアーム81が所定の間隔をおいて互いに平行に設けられている。これらアーム81上には、基板吸着装置Eが複数設けられている。
この大型基板搬送用ロボットは、アーム支持部80を収納部に挿入し、大型のガラス基板Sを取り出し、検査部のステージや搬送ライン上に搬送する。各アーム81上にガラス基板Sが載置されると、ガラス基板Sに撓みが生じる。このとき吸着パット52は、吸着面54がガラス基板Sの裏面の傾きに倣い、エアーの真空吸引によりガラス基板Sの裏面に密着し、ガラス基板Sを確実に吸着保持する。
このように上記第4の実施の形態によれば、ハウジング50の高さを低くして小型化が可能であり、大型基板検査装置の検査ステージや大型基板搬送用ロボットのアーム部などに適用して、ガラス基板Sを位置ずれさせずに、ガラス基板Sに生じる反りや撓みに倣って確実に吸着保持できる。
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1、図11、図5及び図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
この第5の実施の形態は、図5及び図6に示すエアー浮上搬送装置に、上記第1の実施の形態の基板吸着装置(以下、第1の基板吸着装置と称する)Eと上記第3の実施の形態の基板吸着装置(以下、第2の基板吸着装置と称する)Eとを適用した。
図15は各吸着載置台57上に設けられた第1の基板吸着装置Eと第2の基板吸着装置Eとを示す。なお、同図では符号を付すと煩雑になるために必要部分の符号のみを付す。第1と第2の基板吸着装置E、Eとは、ガラス基板Sの搬送方向Tと同一方向に複数並設されている。第1の基板吸着装置Eは、ガラス基板Sの搬送方向Tに沿ってガラス基板Sの先端部側に複数個、例えば2個設けられている。第2の基板吸着装置Eは、第1の基板吸着装置Eよりも後端側に複数個、例えば6個設けられている。これら第1及び第2の基板吸着装置E、Eは、ガラス基板Sを吸着した状態において、各吸着パッド16、52の各吸着面16a、54の高さ位置が基準平面Hに一致するように高さ調整されている。各第1の基板吸着装置Eは、吸着パッド16がハウジング1内に下降して端部1aに面接触したときの吸着面16aの高さ位置が基準平面Hに一致するように高さ調整されている。第1と第2の基板吸着装置E、Eは、それぞれ高さが異なるので、吸着載置台57には、段差Gが設けられている。
図16はエアー真空引き系統を示す図である。ガラス基板Sの搬送方向Tに対して左側の各第1の基板吸着装置Eには、それぞれ別系統の各エアー吸引路を通して各レギュレータ90、91が接続され、かつ右側の各第1の基板吸着装置Eには、それぞれ各レギュレータ92、93が接続されている。これらレギュレータ90、91、…、93は、それぞれ各第1の基板吸着装置Eに対して予め設定された各エアー吸引力に個別に制御する。
一方、ガラス基板Sの搬送方向Tに対して左側の第2の基板吸着装置Eには、それぞれ各レギュレータ94−1、94−2、…、94−nが接続され、かつ右側の第2の基板吸着装置Eにも各レギュレータ95−1、95−2、…、95−nが接続されている。これらレギュレータ94−1、94−2、…、94−n、95−1、95−2、…、95−nは、それぞれ各第2の基板吸着装置Eに対して予め設定された各エアー吸引力に個別に制御する。
ガラス基板Sの搬送方向Tに対して左側の各レギュレータ90、91には真空バルブ96が共通接続され、同じく左側の各レギュレータ94−1、94−2、…、94−nには真空バルブ97が共通接続されている。なお、各真空バルブ96、97の各レギュレータ90、91、94−1、…、94−n側には、それぞれ各エアー圧力計98、99が設けられている。
エアー圧力計98は、各レギュレータ90、91から吸引するエアー吸引力を測定し、このエアー吸引力が設定吸引力より低くならないときにエラー信号を真空バルブ96に送出し、この真空バルブ96を遮断させる。エアー圧力計99は、各レギュレータ94−1、…、94−nから吸引するエアー圧力を測定し、このエアー吸引力が設定吸引力よりも低くならないときにエラー信号を真空バルブ97に送出し、この真空バルブ97を遮断させる。同様に、ガラス基板Sの搬送方向Tに対して右側の各レギュレータ92、93には真空バルブ100が共通接続され、同じく右側の各レギュレータ95−1、…、95−nには真空バルブ101が共通接続されている。これら真空バルブ100、101の各レギュレータ92、93、95−1、…、95−n側には、それぞれ各エアー圧力計102、103が設けられている。これらエアー圧力計102、103は、それぞれ各レギュレータ92、93、95−1、…、95−nから吸引する各エアー吸引力を測定し、このエアー吸引力が設定吸引力よりも低くならないときにエラー信号を真空バルブ96に送出して遮断させる。
各第1の基板吸着装置E側の各真空バルブ96、100は、主レギュレータ104aに共通接続され、さらに主レギュレータ104にエアー吸引源105が接続されている。同様に、各第2の基板吸着装置E側の各真空バルブ97、101は、主レギュレータ104bに共通接続され、さらに主レギュレータ104bにエアー吸引源105が接続されている。なお、各主レギュレータ104a、104bの各真空バルブ96、97、100、101側には、エアー圧力計106a、106bが接続されている。
次に、上記の如く構成された装置のガラス基板Sへの吸着動作について説明する。
浮上搬送ステージ30上にガラス基板Sが浮上又は載置されている状態で、各吸着載置台57を上昇させると、第1及び第2の各基板吸着装置E、Eの各吸着パット16、52が図15に示すようにガラス基板Sの裏面に向って上昇する。ガラス基板Sの搬送方向Tに対して先端部側に反りや撓みが生じていると、先ず、第1の基板吸着装置Eにおける吸着パッド16の一端がガラス基板Sの裏面に接触する。ガラス基板Sは、搬送方向Tに対して先端側になる程反りや撓み量が大きくなるが、搬送方向Tに対して先端部側に各吸着パッド16を高さ調整可能な第1の基板吸着装置Eを配置することによって、反りや撓みを生じているガラス基板Sの裏面に各吸着パッド16を接触することが可能である。これら吸着パッド16は、ガラス基板Sの下方から僅かな当て付け力でガラス基板Sの裏面に接触し、ガラス基板Sの反りや撓みによる傾きに倣って首振りし、吸着面36がガラス基板Sの裏面に密着する。
この状態で、エアー吸引源105がエアー吸引動作を開始すると、各第1及び第2の基板吸着装置E、Eに対して各レギュレータ90、91、…、93、及び各レギュレータ94−1、94−2、…、94−n、95−1、95−2、…、95−nから各真空バルブ96、97、100、101、主レギュレータ104を通してエアー吸引が行なわれる。これにより、第1の基板吸引装置Eは、上記第1の実施の形態と同様に、吸着パッド16の吸着面16aが反りや撓みが生じているガラス基板Sの裏面に倣って密着し、エアー漏れなく確実にガラス基板Sを真空吸引する。これと共に吸着パッド16の裏面の外周縁16eがハウジング1の端部1aに面接触して停止し、ガラス基板Sの反りや撓みを平面状に矯正する。
このとき、ガラス基板Sの裏面は、複数の第2の基板吸着装置Eの各吸着パッド52に接近する。これら第2の基板吸着装置Eは、ガラス基板Sの下方から僅かな当て付け力でガラス基板Sの裏面に接触することにより、各吸着パッド52は回転し、吸着面54の面方向がガラス基板Sの裏面の方向と同一になるように倣う。
この状態で、パット凹部54a、エアー吸引孔54b及び各エアー引き通路61、65を通してエアーを真空吸引すると、吸着パッド52の吸着面54は、ガラス基板Sの裏面に吸着する。これと共に、エアー真空吸引によりベローズ60が縮むので、吸着パッド52は、保持穴51内を下降してテーパ部58に当て付いて停止する。この結果、第1及び第2の基板吸着装置E、Eによりガラス基板Sの裏面が吸着保持されると、ガラス基板Sは、反りや撓みが矯正されて基準平面H上に水平に保持される。
この後、各搬送部34、35が各ガイドレール32、33上をそれぞれ同期して移動すると、エアー浮上しているガラス基板Sは、各搬送部34、35の移動に引っ張られて浮上搬送ステージ30上を搬送方向Tに高速でエアー搬送される。
このように上記第5の実施の形態によれば、ガラス基板Sの搬送方向Tの先端側において反りや撓み量が大きくても、このガラス基板Sの裏面を吸着パッド16で確実に吸着保持できる。反りや撓み量の大きなガラス基板Sの先端側を各第1の基板吸着装置Eにより吸着保持して基準平面Hに向けて降ろすので、ガラス基板Sの裏面が各第2の基板吸着装置Eに次第に接近させることができ、各第2の基板吸着装置Eによりガラス基板Sの裏面を確実に吸着保持できる。
第1及び第2の基板吸着装置E、Eは、それぞれ別系統の各レギュレータ90、91、…95−nを通してエアーの吸引を行うので、たとえ1箇所の吸着パッド16又は52がガラス基板Sの裏面に吸着せずにエアー漏れしても、このエアー漏れした吸着パッド16又は52に対する第1の基板吸着装置E又は第2の基板吸着装置Eへのエアー供給が停止されるだけで、LCDの製造ラインを緊急停止させる必要がなく、処理が終了するまで他の第1の基板吸着装置Eと第2の基板吸着装置Eとは各吸着パッド16又は52での吸着動作を維持することができる。これにより、ガラス基板Sの吸着保持が途中で停止することなく安全性を向上でき、かつエアー漏れした吸着パッド16又は52の第1又は第2の基板吸着装置E、Eの系統のみを修理すればよく、メンテナンスの面でも有利となる。なお、各第1の基板吸着装置Eと各第2の基板吸着装置Eへのエアー供給を2つの系統にすることにより、一方の主レギュレータ104a又は104bが故障しても、他方の主レギュレータ104b又は104aが作動しているので、全ての各第1の基板吸着装置A及び各第2の基板吸着装置Bでのエアー吸引ができなくなるという問題を解消できる。
上記第5の実施の形態では、第1及び第2の基板吸着装置E、Eとを用いているが、全てを第1の基板吸着装置Eにしてもよい。この場合、各第1の基板吸着装置Eの吸着パッド16の高さがガラス基板Sの搬送方向Tに向けて順次高くなるように吸着パッド16の高さを調整機構27により調整する。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、図5及び図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図17は検査ステージとしても使用可能なエアー浮上搬送装置の構成図である。複数、例えば3つの吸着載置台37a、37b、37cが設けられている。これら吸着載置台37a、37b、37cは、ガラス基板Sの搬送方向Tに対して先端部側と後端部側と中間部とにそれぞれ設けられている。これら吸着載置台37a、37b、37c上には、それぞれ第1又は第2の基板吸着装置E、Eが複数並設されている。これら第1又は第2の基板吸着装置E、Eは、ガラス基板Sを吸着した状態で、各吸着パッド16、52の各吸着面16a、54の高さ位置が基準平面Hに一致するように高さ調整されている。これら第1又は第2の基板吸着装置E、Eは、上記第5の実施の形態と同様にそれぞれ別系統の各エアー吸引路を通して各レギュレータが接続され、例えば1つの第1又は第2の基板吸着装置E、Eでエアー漏れが生じても、他の第1又は第2の基板吸着装置E、Eで吸着動作を維持でき、ガラス基板Sの吸着保持が途中で停止することなく安全性を向上できるものとなっている。
これら第1又は第2の基板吸着装置E、Eに対する吸着制御方法は、先ず、中央部に設けられた吸着載置台37c上の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEに対する吸着動作を開始する。次に先端部又は後端部に設けられた吸着載置台37a又は37b上の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEに対する吸着動作を開始する。
このような吸着制御方法であれば、浮上搬送ステージ30上にエアー浮上しているガラス基板Sを吸着保持するとき、反りの小さな中間部に設けられた吸着載置台37c上の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEから吸着動作を開始することにより、ガラス基板Sの中央部は、各第1又は第2の基板吸着装置E又はEにより確実に吸着保持される。このとき、ガラス基板Sが中間部の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEにより吸着保持されることにより、ガラス基板Sの反りや撓みが低下する。
次に、先端部又は後端部に設けられた吸着載置台37a又は37b上の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEが吸着動作を開始する。これにより、先端部の各第1又は第2の基板吸着装置E又はEは、中央部側から先端部側に向って順次ガラス基板Sの裏面に接触し、吸着保持する。
このように反りの小さなガラス基板Sの中間部から反りの大きなガラス基板Sの先端部又は後端部に向けて順次吸着を開始することで、ガラス基板Sの反りや撓みを矯正しながら確実に吸着保持できる。なお、吸着載置台は、中央部、先端部、後端部の3箇所に限らず、ガラス基板Sのサイズに応じて増加することができ、かつ中央部以外の反りの小さな部分から反りの大きな領域に配置してもよい。
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、図5及び図6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図18はエアー浮上搬送装置の構成図である。浮上搬送ステージ1の両側面には、それぞれ1台の吸着載置台37が設けられている。この吸着載置台37上には、第1又は第2の基板吸着装置E又はEがガラス基板Sの搬送方向Tと同一方向に複数並設されている。これら第1又は第2の基板吸着装置E又はEは、上記第5の実施の形態と同様にそれぞれ別系統の各エアー吸引路を通して各レギュレータが接続されている。
これら第1又は第2の基板吸着装置E又はEに対する吸着制御方法は、各第1又は第2の基板吸着装置E又はEに対してガラス基板Sの反りの小さい中央部側から反りの大きな端部側に向けて順番に吸着動作を開始する。
このような吸着制御方法であれば、浮上搬送ステージ30上にエアー浮上しているガラス基板Sを吸着保持するとき、各第1又は第2の基板吸着装置E又はEは、ガラス基板Sの中間部側から先端部側に向って順次ガラス基板Sの裏面に接触し、吸着保持する。この吸着保持により、ガラス基板Sの反りは、中間部側から端部側に順次矯正され、各第1又は第2の基板吸着装置E、又はEは、中間部側から端部側に向けて確実にガラス基板Sを吸着保持する。
又、各第1又は第2の基板吸着装置E又はEが同時に吸着動作しても、ガラス基板Sの反りの小さな部分から反りの大きな部分に向けて吸着が順次開始されることにより、ガラス基板Sの反りや撓みが基準平面H上に水平に矯正される。
上記第7の実施の形態によれば、吸着パッド52の突き出し高さが小さい第2の基板吸着装置Eや周知の基板吸着装置でも反りの大きなガラス基板Sを確実に吸着保持することが可能となる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次の通り変形してもよい。
例えば、上記各実施の形態は、ガラス基板Sのエアー浮上搬送に用いているが、ガラス基板Sの検査部においてガラス基板Sを検査ステージ上に吸着保持する場合にも適用できる。
図19に示すように複数個の基板吸着装置E又はEを1組とするブロックH〜Hとすると共に、各ブロックH〜H毎にエアー真空引き系統にしてもよい。各第1の基板吸着装置群H〜Hは、それぞれ複数の基板吸着装置群Eをガラス基板Sの搬送方向Tに沿って配列している。このうち各第1の基板吸着装置群H、Hが隣接して設けられ、各第1の基板吸着装置群H、Hが隣接して設けられている。なお、これら第1の基板吸着装置群H〜Hは、第2の基板吸着装置Eを用いてもよい。
これら第1の基板吸着装置H〜Hのおける各第1の基板吸着装置Eは、各レギュレータ110に接続され、さらに各第1の基板吸着装置群H〜H別に共通接続されて各真空バルブ111〜114に接続されている。第1の基板吸着装置群HとHとに対応する各真空バルブ111、113とが共通接続されて主レギュレータ115aに接続されている。又、第1の基板吸着装置群HとHとに対応する各真空バルブ112、114とが共通接続されて主レギュレータ115bに接続されている。
このようなエアー真空引き系統であれば、上記第5の実施の形態と同様に1つの第1又は第2の基板吸着装置E、Eでエアー漏れが生じてもガラス基板Sに対する吸着動作を維持して安全性を向上できる。又、第1の基板吸着装置群HとHと、HとHとが隣接して設け、その一方の第1の基板吸着装置群H、Hと他方の第1の基板吸着装置群H、Hとをそれぞれ別のエアー真空引き系統に構成することにより、隣接する一方の第1の基板吸着装置群H、Hが吸引不能になっても隣接する他の基板吸着装置Hで確実にガラス基板Sを吸着保持することができる。例えば第1の基板吸着装置群Hの全体がエアー漏れしても、隣接する第1の基板吸着装置群Hでガラス基板Sに対する吸着動作を維持できる。
又、上記第1の実施の形態における吸着パッド16の接触面部16cの形状は、図20A乃至図20Dに示す一部断面図及び図20Eに示す上面図に示すように変形してもよい。図20Aに示す接触面部16cは、各傾斜面120、121を交差させて例えば鈍角を有する頂点122を形成している。この頂点122は、接触面部16cの全周方向に形成されている。このような吸着パッド16の接触面部16cであれば、接触面部16cの頂点122がハウジング1の内壁2aに対して全周方向で線接触する。
図20Bに示す接触面部16cは、例えば鈍角の頂点123を有する凸状体124を形成している。この接触面部16cも凸状体124の頂点123がハウジング1の内壁2aに対して全周方向で線接触する。
図20Cに示す接触面部16cは、筒状の曲面本体125に半球状の凸状体126を形成している。この接触面部16cであれば、凸状体126がハウジング1の内壁2aに対して全周方向で線接触する。
図20Dに示す接触面部16cは、筒状の曲面本体125に突起体127を形成している。この接触面部16cであれば、突起帯体127がハウジング1の内壁2aに対して全周方向で線接触する。
図20Eに示す接触面部16cは、筒状の曲面本体125の外周面上に少なくとも3個以上、例えば4個の突起128を形成している。この接触面部16cであれば、各突起体128がハウジング1の内壁2aに対して各点接触する。
これら吸着パッド16の接触面部16cの形状であれば、吸着パッド16は、横方向に位置ずれすることなく、かつ小さな摩擦抵抗で円滑かつスムーズに首振り動作できる。
上記各実施の形態は、ガラス基板Sをエアー浮上搬送する場合について説明したが、エアー浮上に限らず、静電浮上、超音波浮上により浮上させたガラス基板Sの搬送にも適用できる。
以下、本発明の他の特徴とするところについて説明する。
第1の本発明は、基板の側縁部に沿って配列された複数の基板吸着装置により前記基板を吸着保持する基板吸着方法において、前記各基板吸着装置のうち前記基板の先端側を突出高さの大きな第1の基板吸着装置を用いて前記基板を吸着保持して前記基板を水平に矯正し、前記第1の基板吸着装置で前記ガラス基板を水平に矯正した状態で突出高さの小さな第2の基板吸着装置を用いて前記ガラス基板を吸着保持することを特徴とする基板吸着方法である。
第2の本発明は、第1の本発明において、前記第1の基板吸着装置の吸着動作を開始し、次に前記第2の基板吸着装置の吸着動作を開始することを特徴とする基板吸着方法である。
第3の本発明は、第1の本発明において、前記第1の基板吸着装置と前記第2の基板吸着装置とは、同時に吸着動作を開始することを特徴とする基板吸着方法である。
第4の本発明は、基板の側縁部に沿って配列された複数の基板吸着装置により前記基板を吸着保持する基板吸着方法において、前記基板の反りの小さな部分に対応する前記基板吸着装置から前記基板の反りの大きな部分に対応する前記基板吸着装置に向けて吸着動作を開始することを特徴とする基板吸着方法である。
第5の本発明は、基板の側縁部に沿って配列された複数の基板吸着装置により前記基板を吸着保持する基板吸着方法において、前記基板吸着装置の1つ又は複数のブロック毎に各エアー真空引き系統を設け、前記各エアー真空引き系統を同時に動作させ前記基板の反りの小さな部分から大きな部分に向けて前記各基板吸着装置を前記基板に対して順次吸着させて前記基板の反りを矯正することを特徴とする基板吸着方法である。
本発明は、例えばLCD製造ラインにおける液晶ディスプレイのガラス基板の搬送、半導体製造ラインにおける半導体ウエハや各種部材の搬送の分野にも適用できる。

Claims (25)

  1. 中空状に形成され、一端側に開口部を有するハウジングと、
    前記ハウジングの前記中空形状内に設けられ、かつエアーを吸引するエアー引き通路が設けられた吸着パッド支持部材と、
    前記ハウジングの前記開口部から突出した状態で前記吸着パッド支持部材上に載置され、前記ハウジングの前記開口部に少なくとも3点で点接触して首振り可能で、前記エアー引き通路と気密に連通するエアー吸引孔が設けられた吸着パッドと、
    前記吸着パッドを前記ハウジングの前記開口部に保持する吸着パッド保持手段と、
    を具備したことを特徴とする基板吸着装置。
  2. 前記吸着パッドは、平面状に形成された吸着面を有する吸着部と、前記吸着部に一体的に形成された接触面部とを有し、前記接触面部は、前記ハウジングの前記開口部の内壁面に対して前記少なくとも3点で点接触することを特徴とする請求項1記載の基板吸着装置。
  3. 前記接触面部と前記内壁面との各点接触する箇所は、前記接触面部における同一周方向上であることを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  4. 前記接触面部は、前記ハウジングの前記開口部の前記内壁面に対して線接触することを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  5. 前記接触面部は、円筒状で、上下方向の中間部に最大径を有する半球面状に形成されたことを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  6. 前記吸着部は、前記ハウジングの前記開口部の外径と同一径に形成されたことを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  7. 前記吸着部は、前記ハウジングの前記開口部の外径よりも大きな外径に形成されたことを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  8. 前記吸着パッドの前記吸着部及び前記接触面部は、弾性部材により形成されたことを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  9. 前記ハウジングの前記開口部の端部は、前記吸着パッドの裏面と当接し、前記ハウジングの前記中空形状内への前記吸着パッドの下降を制限するストッパとなることを特徴とする請求項1記載の基板吸着装置。
  10. 前記ハウジングの前記開口部の前記端部は、前記吸着パッドの前記裏面に当接し、前記吸着パッドの前記吸着部の傾きを基準平面に矯正することを特徴とする請求項8記載の基板吸着装置。
  11. 前記吸着パッド支持部材は、弾性部材により形成されたチューブ部材によりなることを特徴とする請求項2記載の基板吸着装置。
  12. 前記チューブ部材は、前記吸着パッドと密着するジャバラ状の屈曲部が上部に形成されたことを特徴とする請求項11記載の基板吸着装置。
  13. 前記吸着パッド保持手段は、前記吸着パッドに設けられた第1の支持板と、前記ハウジングの他端側に設けられた第2の支持板と、前記第1の支持板と前記第2の支持板との間を前記吸着パッド支持部材内を通して連結する連結部材とを有することを特徴とする請求項1記載の基板吸着装置。
  14. 前記連結部材は、線材であることを特徴とする請求項13記載の基板吸着装置。
  15. 前記連結部材は、捩れ剛性を有するワイヤーであることを特徴とする請求項13記載の基板吸着装置。
  16. 前記ハウジングには、前記吸着パッド、前記吸着パッド支持部材及び前記吸着パッド保持手段を一体に前記ハウジングの前記中空形状内に移動させて、前記ハウジングの前記開口部の端部に対する前記吸着パッドの高さ位置を調整する吸着パッド高さ調整機構が設けられたことを特徴とする請求項1記載の基板吸着装置。
  17. 前記吸着パッドは、前記ハウジングの前記開口部の前記内壁面に少なくとも3点で点接触する接触面部を有する球状のパッド本体と、前記パッド本体に形成された平面状の吸着面とを有し、前記吸着面には前記エアー吸引孔が設けられ、前記吸着パッド支持部材によって支持されることを特徴とする請求項1記載の基板吸着装置。
  18. 前記吸着パッドは、前記ハウジングの前記開口部の端部から突出した状態で保持されることを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  19. 前記接触面部と前記内壁面との各点接触する箇所は、前記接触面部における同一周方向上であることを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  20. 前記接触面部と前記ハウジングの前記開口部の内壁面とは、線接触することを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  21. 前記接触面部と前記ハウジングの前記開口部の内壁面とは、精密すきまばめ構造を有することを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  22. 前記ハウジングの前記開口部は、前記吸着パットの前記接触面部の形状に倣って形成されたことを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  23. 前記ハウジングの前記開口部は、底部に設けられた平面部と、前記平面部の外周縁に設けられたテーパ部とを有し、前記平面部は、前記吸着パットの底部が当接して前記吸着パットの傾き角を規制することを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  24. 前記吸着パッド保持手段は、前記ハウジングの前記開口部の端部に設けられ、前記吸着パッドを前記ハウジングの前記開口部内に保持する係止部を有することを特徴とする請求項17記載の基板吸着装置。
  25. 前記係止部は、前記開口部の端部に設けられ、前記開口部を内側に絞った形状に形成されたことを特徴とする請求項24記載の基板吸着装置。
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