JPWO2004091272A1 - 電子回路部品供給装置および電子回路部品装着機 - Google Patents
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Abstract
Description
また、パレット移動装置によってパレットが移動させられるとき、パレットは、フレームに設けられた一対の支持部により下方から支持されるが、左右方向の移動は規制されないため、移動開始,停止時に加えられる衝撃や、支持部との間の摺動抵抗によってパレットが振動し、電子回路部品のずれ等が生ずることがある。
昇降部材の昇降速度やパレット移動装置によるパレットの移動速度を小さくすれば、振動の発生を抑制することができるが、パレットの部品供給位置および部品取出許容位置への位置決めに時間を要し、供給能率が低下する。
本発明は、以上の事情を背景とし、部品収容器の平面状に設けられた複数の部品収容部の各々に電子回路部品を収容して供給する電子回路部品供給装置において、供給能率の低下を抑えつつ、供給の信頼性ないし精度を向上させることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の電子回路部品供給装置および電子回路部品装着機が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
(1)平面状に配置された複数の部品収容部をそれぞれ有し、それら部品収容部の各々に電子回路部品が1個ずつ取出し可能に収容される複数の部品収容器と、
それら複数の部品収容器の少なくとも1つを、前記部品収容部が配置された部品収容平面に平行な方向に移動可能にそれぞれ保持する複数の部品収容器保持部を備えたラックと、
そのラックを前記部品収容平面と交差する方向に昇降させるラック昇降装置と、
そのラック昇降装置の停止状態において部品収容器を前記部品収容平面に平行な方向に移動させ、前記ラックに収納された収納位置と、ラックから引き出され、前記部品収容部に収容された電子回路部品の取出しを許容する部品取出許容位置とに移動させる部品収容器移動装置と
を含む電子回路部品供給装置であって、
前記ラック昇降装置による前記ラックの昇降時と、前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動時との少なくとも一方において前記部品収容器の振動を抑制する振動抑制装置を含む電子回路部品供給装置。
部品収容器は、電子回路部品を直接収容するものでもよく、トレイパレットのように、トレイを介して間接的に収容するものでもよい。前者においては、部品収容部が部品収容器自体に設けられ、後者においては、部品収容部を備えたトレイが部品収容器に収容されることにより、トレイの部品収容部が部品収容器の部品収容部として機能することとなる。
部品収容部は、例えば、電子回路部品を位置決めしつつ収容する部品収容凹部とされる。
部品収容平面は、一平面に限らず、多段の平面(例えば、部品収容部が部品収容凹部の場合、一つの部品収容器内で部品収容凹部の深さが異なる)でもよい。
ラックは、複数の部品収容器保持部を備え、各部品収容器保持部において少なくとも1つの部品収容器を、電子回路部品の供給時と同様の姿勢で保持し、昇降装置によって昇降させられるものであればよい。実施形態の項において説明するように、部品収容器移動装置による移動方向の正逆両方向に開口する2つの開口のみを有し、部品収容器をその開口方向においてのみ着脱可能であり、複数の部品収容器をそれら全部を覆う状態で収納するものでもよく、多段に配設された複数の板状部品収容器保持部材の各々に部品収容器保持部が設けられ、部品収容器を覆うことなく収納するものでもよい。
ラック昇降装置は、ラックを昇降させることにより、複数の部品収容器保持部によりそれぞれ保持された部品収容器の各々を部品供給位置に順次位置決めするものとされることが望ましく、部品収容器移動装置は、それら部品供給位置に位置決めされた部品収容器をラックから引き出すものとされることが望ましい。
本項の電子回路部品供給装置においては、ラックの昇降時における部品収容器の振動と、部品収容器移動装置による部品収容器の移動時における振動との少なくとも一方が抑制される。ラックの昇降速度や部品収容器の移動速度を小さくしなくても振動を抑制することができるのであり、供給能率の低下を抑えつつ、供給精度を向上させることができる。
ラックの昇降時と部品収容器の移動時との両方において部品収容器の振動を抑制すれば、振動が最も良好に抑制されるが、一方のみについて振動を抑制してもそれに対応した効果が得られ、供給能率の低下を小さく抑えつつ、電子回路部品のずれや姿勢変更による部品収容部からの取出しミスの発生、あるいは部品保持具による電子回路部品の保持位置誤差が減少させられる。
(2)前記振動抑制装置が、前記ラックと前記複数の部品収容器の各々との間の相対移動を、少なくとも前記ラックの昇降時に阻止する相対移動阻止装置を含む(1)項に記載の電子回路部品供給装置。
部品収容器のラックに対する相対移動を阻止すれば、ラックの昇降時等に部品収容器に衝撃が加えられても、部品収容器がラックに対して相対移動することがなく、部品収容器がラックに対して相対移動可能である場合に比較して部品収容器の振動が抑制される。
相対移動阻止装置は、例えば、部品収容器を保持部材により保持してラックに対する移動を阻止する部品収容器保持装置とすることができる。部品収容器保持装置は、例えば、(3)項に記載の電子回路部品供給装置におけるように、部品収容器を把持してラックに固定する部品収容器把持装置としてもよく、あるいは、負圧により部品収容器を吸着して保持する吸着部材を備えた部品収容器吸着装置としてもよい。
(3)前記相対移動阻止装置が、前記ラックの前記複数の部品収容器保持部のそれぞれに対応する部分に設けられ、それら部品収容器保持部に保持された前記部品収容器を把持することによりラックに固定する部品収容器把持装置を含む(2)項に記載の電子回路部品供給装置。
部品収容器は部品収容器把持装置によってラックに固定されることにより、ラックに対する移動が阻止され、振動が抑制される。
(4)前記部品収容器把持装置が、前記ラックの、前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動方向に隔たった二箇所にそれぞれ一対ずつ設けられた第一把持部材および第二把持部材と、それら一対ずつの把持部材をそれぞれ、互いに独立して駆動する一対ずつの第一把持部材駆動装置および第二把持部材駆動装置とを含む(3)項に記載の電子回路部品供給装置。
第一,第二把持部材はそれぞれ、第一,第二把持部材駆動装置により駆動されて、部品収容器を把持する把持位置と、解放する解放位置とに移動させられる。二つの第一把持部材は、部品収容平面に平行な平面内において部品収容器移動方向と交差する方向に隔たって設けられる。二つの第二把持部材も同様である。したがって、部品収容器は、部品収容平面に平行な平面内において互いに隔たった4箇所にそれぞれ第一,第二把持部材が係合することにより、部品収容平面に平行な平面内において部品収容器移動方向と交差する方向に互いに隔たった2部分をそれぞれ第一把持部材と第二把持部材とにより把持されることとなり、ラックに強固に固定され、振動が良好に抑制される。
(5)前記一対ずつの第一把持部材駆動装置および第二把持部材駆動装置がそれぞれ、複数の部品収容器保持部の各々について設けられた複数の第一把持部材および第二把持部材に共通に設けられた(4)項に記載の電子回路部品供給装置。
本項によれば、部品収容器把持装置を簡易に構成することができる。
(6)前記ラックの昇降方向が鉛直方向であり、前記部品収容平面が水平面であり、前記第一把持部材および第二把持部材がそれぞれ、前記ラックに鉛直軸線まわりに回動可能に設けられた第一把持爪および第二把持爪を含み、前記第一把持部材駆動装置および第二把持部材駆動装置がそれぞれ第一把持爪回動装置および第二把持爪回動装置を含む(4)項または(5)項に記載の電子回路部品供給装置。
第一,第二把持爪は、直線移動する爪としてもよいが、回動爪とすれば、例えば、把持爪が部品収容器を把持し、解放するための運動に要するスペースが少なくて済み、部品収容器把持装置をコンパクトに構成することができる。
(7)前記第一把持爪の前記部品収容器を把持する方向の回動限度を規定する回動限度規定装置を含み、前記第二把持爪駆動装置の駆動力が前記第一把持爪駆動装置の駆動力より小さくされた(6)項に記載の電子回路部品供給装置。
第一把持爪の回動限度が規定されることにより、ラックにおける部品収容器の部品収容器移動方向における収納位置が決められ、部品収容器は、ラックに、部品収容器移動方向において、ほぼ予め設定された位置に収納される。
(8)前記第一把持爪が、それの回動軸線に平行な中心線を有する部分円筒面状の把持面を備えている(6)項または(7)項に記載の電子回路部品供給装置。
本項の電子回路部品供給装置によれば、部品収容器把持装置を構成する一対の第一把持爪にそれぞれ製造誤差や組付位置誤差等があっても、部品収容器の把持面に係合する部分の、部品収容平面内において部品収容器移動方向に直角な方向におけるずれが小さくて済む。
(9)前記第二把持爪が、前記部品収容器を把持する際にその部品収容器の被係合部に係合する係合部と、その係合部が前記被係合部に接触した後に弾性変形し、その弾性変形の復元力に基づいて前記係合部を前記被係合部に係合し続けさせる弾性部変形部とを備えた(6)項ないし(8)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
例えば、第二把持爪を板ばね材により構成することができる。板ばね材の被係合部に係合する部分が係合部として機能し、その係合部と基端部との間の部分が弾性変形部として機能するようにするのである。また、第二把持爪を、互いに相対移動(相対回動でも相対平行移動でもよい)可能に連結された固定部材および可動部材と、それら両部材の間に配設された弾性部材とを備えたものとすることも可能である。可動部材が被係合部に係合する係合部として機能するようにするのである。
第二把持爪は、係合部が被係合部に係合し、第一,第二把持爪が共に部品収容器に係合する状態となってから更に、弾性変形部を弾性変形させつつ回動させることができ、係合部を被係合部に係合し続けさせ、第一,第二把持つめんが部品収容器を確実に把持することができる。また、部品収容器や第一,第二把持爪等に製造誤差等があっても、弾性変形部の弾性変形により吸収され、部品収容器等の損傷を生じることなく、部品収容器把持装置に部品収容器を確実に把持させることができる。さらに、第二把持爪が部品収容器に弾性的に係合し、第一,第二把持爪が部品収容器を確実に把持するため、第一,第二把持爪と部品収容器との間の摩擦力により、部品収容器は、部品収容平面に交差する方向および部品収容平面内において部品収容器移動方向と交差する方向におけるラックとの間の相対移動が規制され、振動が抑制される。
(10)前記部品収容器保持部が、前記部品収容器移動装置による部品収容器の移動方向に平行に延びる状態で設けられた一対のレールを含み、前記部品収容器がそれら一対のレールに支持される一対の被支持部を含む(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
(11)前記部品収容器移動装置が搬送コンベヤを含む(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
(12)前記搬送コンベヤが、一対の無端搬送部材と、それら無端搬送部材を予め定められた経路に沿って周回させる周回駆動装置と、前記部品収容器の被保持部を保持して前記一対の無端搬送部材と同じ速度で移動する保持具とを含み、その保持具が前記部品収容器の被保持部を保持した状態において、前記一対の無端搬送部材が周回駆動装置によって周回させられるとき、その保持具がそれら無端搬送部材と同じ速度で移動することにより、前記部品収容器が前記ラックの部品収容器保持部から前記一対の無端搬送部材上に移載され、それら無端搬送部材により搬送されるようにされた構成が前記振動抑制装置を構成する(11)項に記載の電子回路部品供給装置。
保持具を専用の保持具移動装置により無端搬送部材と同じ速度で移動させることも可能である。しかし、保持具を一対の無端搬送部材に取り付ければ、専用の保持具移動装置を省略することができる。保持具は、搬送コンベヤに設けられた保持具駆動装置により駆動されて被保持部を保持,解放することが望ましい。
無端搬送部材には、例えば、ベルト,チェーン等がある。
保持具が無端搬送部材と同じ速度で移動させられることにより、部品収容器は無端搬送部材と同じ速度で移動させられる。したがって、無端搬送部材と部品収容器とが一体的に移動し、それらの間にすべりがなく、部品収容器が保持具に保持されることなく、無端搬送部材上に載せられて搬送される場合のように、部品収容器と無端搬送部材とが相対移動と一体的な移動とを繰り返して部品収容器が振動することが回避される。また、部品収容器がそれを支持する面に対して摺動する場合に比較して部品収容器の振動が小さくて済み、かつ、部品収容器とそれを支持する面とが摩耗することがなく、寿命が向上する。
搬送コンベヤは、一対の無端搬送部材によって部品収容器を搬送するものとすれば、無端搬送部材による部品収容器の支持面積を小さくしつつ、安定して支持し、搬送することができるが、搬送コンベヤを無端搬送部材を一対有するものとすることは不可欠ではなく、無端搬送部材を1つ有するものとしてもよく、例えば、幅の広い1本のベルトによって部品収容器を支持させて搬送させてもよい。
(13)前記一対の無端搬送部材がゴムまたはその類似物から成るコンベヤベルトであり、そのコンベヤベルトが前記振動抑制装置を構成する(12)項に記載の電子回路部品供給装置。
本項の電子回路部品供給装置においては、無端搬送部材の弾性変形と、内部摩擦による振動減衰とによって、部品収容器の振動が抑制される。
(14)前記コンベヤベルトが外周面に多数の歯を備えたタイミングベルトであり、前記周回駆動装置が、
そのタイミングベルトが巻き掛けられる2個以上のガイドプーリと、
前記外周面の歯と噛み合うタイミングプーリと、
そのタイミングプーリを回転駆動する回転駆動装置と、
前記タイミングベルトの前記部品収容器を支持する部分の内周面を支持するベルト支持部材と
を備えた(13)項に記載の電子回路部品供給装置。
ベルト支持部材は、例えば、ガイドプーリとされ、あるいはガイドレールとされる。無端搬送部材としてタイミングベルトを用いれば、無端搬送部材と周回駆動装置との間にすべりがなく、無端搬送部材を正確に周回させ、部品収容器を精度良く位置決めすることができる。
タイミングベルトは外周面に多数の歯を備えたものとし、ベルト支持部材にはタイミングベルトの平坦な内周面を支持させれば、タイミングベルトが周回させられるときの振動を抑制することができる。コンベヤベルトが内周面に歯を備えたタイミングベルトであれば、タイミングベルトの多数の歯とベルト支持部材とが衝突を繰り返して振動を引き起こし易いのであるが、外周面に歯を備えたタイミングベルトであれば、支持部材がガイドレールであってもガイドプーリであっても歯との衝突の繰返しによる振動の発生を回避することができる。特に支持部材がガイドプーリであれば、タイミングベルトとの間にすべりがなく、振動の発生を一層良好に回避し得る。
ベルト支持部材がガイドレールとされる場合は、そのガイドレールとタイミングベルトとの両接触面の少なくとも一方が、低摩擦材によって形成されることが望ましい。低摩擦材は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン製とすることができる。タイミングベルトとガイドレールとの少なくとも一方が、本体部とその本体部の表面に形成された減摩材層とを備えたものとされる場合には、減摩材層を本体部を形成する材料より摩擦係数の低い材料で形成すれば減摩効果が得られる。
(15)前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動を案内する案内装置を含む(11)項ないし(14)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
(16)前記案内装置が一対の案内部材を含み、前記部品収容器の移動を、前記部品収容平面に直角な側面において案内する(15)項に記載の電子回路部品供給装置。
案内部材は、例えば、レールとされ、あるいはローラとされる。
(17)前記一対の案内部材がそれぞれレール状をなし、一方が固定レール、他方が固定レールに接近,離間可能に設けられた可動レールとされるとともに、可動レールを固定レールに接近する方向に付勢する付勢装置を含み、当該案内装置が前記振動抑制装置を構成する(16)項に記載の電子回路部品供給装置。
可動レールは、固定レールとの間に部品収容器を弾性的に挟み、部品収容器の部品収容平面内において部品収容器の移動方向と交差する方向における振れを防止し、部品収容器の振動が抑制される。
(18)少なくとも前記周回駆動装置を制御する制御装置を含み、その制御装置が前記無端搬送部材による前記部品収容器の搬送開始時に搬送速度を滑らかに増大させ、搬送終了時に滑らかに減速させる加減速度制御部を含み、その加減速度制御部が前記振動抑制装置を構成する(12)項ないし(17)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
本項の電子回路部品供給装置によれば、部品収容器の搬送開始時および搬送終了時においてそれぞれ、加速度および減速度が滑らかに増大,減少させられ、部品収容器が衝撃少なく移動を開始,停止させられ、移動開始時および停止時における部品収容器の振動が抑制される。
ラック昇降装置によるラックの昇降についても、加減速度制御部を設け、ラックの昇降開始時および昇降終了時にそれぞれ、昇降速度が滑らかに増大、減少させられるようにすることが望ましい。
(19)前記部品収容器がトレイを介して前記電子回路部品を収容するものである(1)項ないし(18)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
(20)前記トレイが振動吸収材料製である(19)項に記載の電子回路部品供給装置。
振動吸収材料には、例えば、発泡樹脂等の多孔質樹脂、例えば、発泡性のポリエチレンがある。
本項の電子回路部品供給装置によれば、トレイに衝撃が加えられても振動し難く、電子回路部品のずれ等が少なくて済む。
(21)前記部品収容器が前記トレイを支持するパレットを含む(19)項または(20)項に記載の電子回路部品供給装置。
電子回路部品の種類や供給数等に応じて形状,寸法の異なる複数種類のトレイをパレットを介して共通のラックに収納させることができ、ラックをトレイの種類に応じて複数種類設けなくてもよく、電子回路部品の供給を安価に行うことができる。
(22)前記振動抑制装置が、前記パレットに支持された前記トレイを、パレットに対して前記部品収容平面に平行な方向に移動不能に拘束する拘束装置を含む(21)項に記載の電子回路部品供給装置。
本項の電子回路部品供給装置によれば、パレットの昇降および移動により、パレットと共にトレイが移動させられるとき、トレイがパレットに対して移動することがなく、パレット内の予め定められた位置において電子回路部品を供給することができるとともに、振動が抑制される。
(23)前記パレットが振動吸収材料製である(21)項または(22)項に記載の電子回路部品供給装置。
パレットに振動が伝達されることがあっても、その振動はパレット自体により吸収され、トレイへの伝達が少なくて済み、電子回路部品のずれ等が良好に抑制される。
(24)前記パレットが、前記振動吸収材料製の振動吸収層と、その振動吸収層を表裏両面側から挟む金属材料層とを含む(23)項に記載の電子回路部品供給装置。
このようにすれば、軽量で強度が大きいパレットが得られる。そのため、作業者がパレットを扱い易く、また、ラック昇降装置の駆動源を容量の小さいものとすることができ、さらに、トレイが重くても撓み難く、良好に支持することができる。また、強度を得るために全部を金属材料製とする場合に比較して厚さを薄くすることができ、例えば、ラックに収納された状態において占めるスペースが少なくて済み、例えば、より多くのトレイを支持することができ、あるいは余裕を持ってラックに収納することができる。また、金属材料層を導電性を有する金属製とすれば、パレット,トレイ等の帯電を防止し、静電気の発生を防止することができる。
(25)前記振動抑制装置が、前記パレットに支持された前記トレイを、前記部品収容平面に平行な方向において移動不能に拘束する拘束装置を含み、前記金属材料層が磁性材料層であり、前記拘束装置が少なくとも永久磁石部を有する拘束部材を含む(24)項に記載の電子回路部品供給装置。
拘束部材は磁力によってパレットに着脱可能に固定され、トレイを移動不能に拘束する。拘束部材はパレットのいずれの位置にも固定することができ、形状,寸法等の異なる複数種類のトレイの拘束に使用することができる。
(26)前記振動抑制装置が、前記ラック昇降装置と前記部品収容器移動装置との間の相対高さ誤差と、前記複数の部品収容器保持部間の相対高さ誤差との少なくとも一方の存在にかかわらず、前記複数の部品収容器保持部の前記部品収容器を保持する保持面と、前記部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面との高さを合わせる高さ合わせ装置を含む(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
本項の発明によれば、ラック昇降装置と部品収容器移動装置との間の相対高さ誤差と、複数の部品収容器保持部の相対高さ誤差、例えば、複数の部品収容器保持部が等ピッチで配設される場合におけるピッチ誤差との少なくとも一方の存在にもかかわらず、複数の部品収容器保持部の各々の部品収容器を保持する保持面を、部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面と正確に同一面内に位置させることができる。そのため、ラックと部品収容器移動装置との間における部品収容器の移載をスムーズに行うことができ、部品収容器の振動を抑制することができる。
(27)前記ラックの昇降方向の一位置に設けられ、前記複数の部品収容器保持部の少なくとも1つが設定高さに到達したことを検出し、検出信号を発する部品収容器保持部検出装置と、
その部品収容器保持部検出装置が検出信号を発したときの前記ラック昇降装置の作動位置と、前記部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面の高さと前記設定高さとの差とに基づいて決まる複数の作動位置において前記ラック昇降装置を停止させることによって、前記複数の部品収容器保持部の各々の前記部品収容器を保持する保持面を、前記支持面と同一面内に位置させる昇降制御部とを含み、それら部品収容器保持部検出装置および昇降制御部が、前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動時に前記部品収容器の振動を抑制する振動抑制装置を構成している(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
本項の発明によれば、複数の部品収容器保持部の各々の部品収容器を保持する保持面を、部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面と正確に同一面内に位置させることができる。そのため、ラックと部品収容器移動装置との間における部品収容器の移載をスムーズに行うことができ、部品収容器の振動を抑制することができる。部品収容器保持部検出装置自体が前記設定高さに設けられ、複数の部品収容器保持部の少なくとも1つがその設定高さに到達したことを検出するようにされることが望ましいが、不可欠ではない。部品収容器保持部検出装置の配設高さと、設定高さとの間に既知の関係があればよいのである。
部品収容器保持部検出装置による部品収容器保持部の検出に基づいて、ラック昇降装置の停止位置を決定してもよく、あるいはラック昇降装置を停止させてもよい。また、上記「設定高さと支持面の高さとの差」は0を含む。すなわち、部品収容器保持部検出装置が部品収容器保持部を検出する位置と、ラック昇降装置が停止させられる位置とが同じであってもよいのである。ただし、部品収容器保持部の検出に基づいてラック昇降装置を、保持面を支持面と同一平面内に位置させるための位置に停止させる場合、例えば、支持面の高さを設定高さより設定距離上にし(あるいは下にし)、部品収容器保持部検出装置の検出信号に基づいて(望ましくは検出信号が発せられるやいなや)ラック昇降装置の減速を開始し、減速開始後、上記設定距離上昇(あるいは下降)した場合にラック昇降装置が停止さられるようにすることが望ましい。設定高さと支持面の高さとの差が0の場合であっても、部品収容器保持部検出装置が検出信号を発する位置はおよそ判っているため、事前に減速しておくことも可能であるが、その場合には、減速後の微速でラック昇降装置が作動させられる時間が長くなり、部品供給作業の能率が低下することを避け得ない。それに対し、部品収容器保持部検出装置の検出信号に基づいてラック昇降装置の減速が開始されるようにすれば、その不都合を回避できるのである。
なお、複数の部品収容器保持部の少なくとも1つが設定高さに到達したことを部品収容器保持部検出装置によって自動で検出することは不可欠ではなく、治具や検出装置を用いて人が検出するようにしてもよい。例えば、設定高さと支持面の高さとの差を0とし、隙間ゲージを用いて、部品収容器保持部の保持面を、支持面と実質的に同一面内に位置するとすることができる位置に位置させ、その際のラック昇降装置の作動位置を取得する。取得した作動位置は、例えば、入力装置を用いて、ラック昇降装置の昇降を制御する制御部の記憶部に、部品収容器保持部を、それが設けられたラックにおいて特定し得る情報と対応付けて記憶させる。電子回路部品の供給時には、この記憶された作動位置を用いてラック昇降装置が制御され、部品収容器保持部の保持面が自動的に支持面と同一面内に位置させられる。
(28)前記部品収容器保持部検出装置が、前記複数の部品収容器保持部のうちの2つ以上のものがそれぞれ前記設定高さに到達したことを検出するものであり、前記昇降制御部が、それら2つ以上の部品収容器保持部に対する検出信号が発せられたときの前記ラック昇降装置の2つ以上の作動位置に基づいて、前記ラック昇降装置を制御する(27)項に記載の電子回路部品供給装置。
本項に係る電子回路部品供給装置においては、部品収容器保持部検出装置は、複数の部品収容器保持部の2つ以上のものがそれぞれ設定高さに到達したことを検出し、検出信号を発する。部品収容器保持部検出装置が複数の部品収容器保持部のすべてについて設定高さへの到達を検出するようにすることが望ましいが、不可欠ではなく、複数の部品収容器保持部のうちの2つ以上のものについて、設定高さへの到達を検出するようにすれば、本項に係る発明の効果が得られる。例えば、複数の部品収容器保持部のうちの最も上のものと最も下のものとについて設定高さへの到達を検出するようにし、その検出信号が発せられた2つのラック昇降装置作動位置を取得し、その2つの作動位置に基づく内挿補間演算によって決まる複数の位置にラック昇降装置を停止させれば、ラック昇降装置による複数の部品収容器保持部の位置決め誤差の累積を排除して、各部品収容器保持部を部品収容器移動装置に対して正確に適切な相対位置(相対高さ)に位置決めすることができるのである。最も上からやや下がった高さのものと、最も下からやや上がった高さのものとの2つの部品収容器保持部について部品収容器保持部検出装置による検出が行われるようにし、その2つに対応するラック昇降装置の作動位置に基づく内挿および外挿補間演算によって決まる複数の位置にラック昇降装置を停止させるようにしてもよい。また、例えば、最も上と、中間と、最も下との3つの部品収容器保持部について設定位置への到達が検出されるようにすれば、複数の部品収容器保持部をさらに正確に位置決めし得、4つ以上の部品収容器保持部について設定位置への到達が検出されるようにすればさらに良好に本発明の効果を享受することができる。なお、ラック昇降装置の作動位置は、ラック昇降装置の駆動源(例えばサーボモータ等回転角度の正確な制御が可能な電動モータ)またはその運動を伝達する伝達装置に設けられたエンコーダや、ラックあるいはそれと共に移動する可動部材の昇降方向位置を検出するリニアエンコーダ等、作動量ないし作動位置検出器により検出することができる。
(29)前記複数の部品収容器保持部のすべてが前記部品収容器保持部検出装置により検出されるべき被検出部を有し、部品収容器保持部検出装置がそれら被検出部のすべてを検出する(28)項に記載の電子回路部品供給装置。
(30)前記昇降制御部が、前記部品収容器保持部検出装置が検出信号を発したときの前記ラック昇降装置の作動位置を記憶するラック昇降装置作動位置記憶部を備える(27)項ないし(29)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
ラック昇降装置がラックを昇降させ、複数の部品収容器保持部の各々を部品収容器移動装置の高さに位置決めする際、毎回、部品収容器保持部検出装置が部品収容器保持部の設定高さへの到達を検出し、その検出に基づいて昇降制御部がラック昇降装置を停止させるようにすることが可能であり、その場合には、ラック昇降装置作動位置記憶部は不可欠ではなくなる。他方、ラック昇降装置作動位置記憶部を設ければ、毎回、部品収容器保持部検出装置が部品収容器保持部の設定高さへの到達を検出することは不可欠ではなくなる利点がある。例えば、部品収容器保持部検出装置による部品収容器保持部の設定高さへの到達の検出精度を高めるためには、ラック昇降装置の作動速度が低くすることが望ましく、そのようにする場合には、毎回、部品収容器保持部検出装置が部品収容器保持部の設定高さへの到達を検出する必要がなくなれば、作業能率が向上する効果が得られる。
(31)前記昇降制御部が、前記部品収容器保持部検出装置が検出信号を発したときの前記ラック昇降装置の作動位置と、前記設定高さと前記支持面の高さとの差とに基づいて、前記保持面を前記支持面と同一面内に位置させるための前記ラック昇降装置の複数の停止位置を決定する停止位置決定部を備える(27)項ないし(30)項のいずれかに記載の含む電子回路部品供給装置。
(32)(1)項ないし(31)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置と、
電子回路部品が装着されるべき回路基板を保持する基板保持装置と、
装着ヘッドを備え、その装着ヘッドにより、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
少なくとも前記装着装置を制御する制御装置と
を含む電子回路部品装着機。
本項によれば、電子回路部品供給装置による供給精度および信頼性が高く、装着ヘッドによる電子回路部品供給装置からの電子回路部品の取出エラーが少なくて済み、あるいは装着ヘッドによる電子回路部品の保持位置誤差が減少させられる。したがって、回路部品の取り直し等の余分な動作の実行が減少させられ、電子回路部品装着機の稼動効率が向上する。
(33)前記電子回路部品供給装置の前記部品収容器がトレイを支持するパレットを含み、かつ、
そのパレットに支持された全部のトレイのパレット上における高さを取得する高さ取得部と、
その高さ取得部により取得された高さに基づいて前記装着ヘッドの前記トレイからの電子回路部品取出し時の高さを制御する高さ制御部と
を含む(32)項に記載の電子回路部品装着機。
本項の電子回路部品装着機によれば、装着ヘッドによるトレイからの電子回路部品の取出しを精度良く行うことができる。
例えば、トレイがパレット内に複数、積み上げられているとき、収容された全部の電子回路部品を供給した後の空のトレイはパレットから取り出され、排出される。そのため、部品取出許容位置におけるパレットの高さが常に同じであるとすれば、電子回路部品を供給する最上段のトレイの高さが変わる。したがって、現にパレット上に載置されている全部のトレイのパレット上における高さが取得されれば、その高さおよび部品取出許容位置におけるパレットの高さから、最上段のトレイの高さが得られ、装着ヘッドや電子回路部品を損傷したりすることなく、電子回路部品を取り出すことができる位置へ装着ヘッドを下降させることができる。
図2は上記電子回路部品装着機を示す側面図である。
図3は上記電子回路部品装着機の装着装置を示す正面図(一部断面)である。
図4は上記装着装置の装着ヘッドを基準マーク撮像システムと共に示す側面図である。
図5は上記電子回路部品装着機のトレイ型部品供給装置が台車に搭載された状態を示す側面図である。
図6は上記トレイ型部品供給装置のトレイに電子回路部品が収容された状態を示す正面断面図である。
図7は上記トレイ型部品供給装置のパレットがラックに収納され、パレット把持装置によって把持された状態を示す平面図(一部断面)である。
図8は上記パレットを示す側面図である。
図9は上記パレットのパレット本体の一部を断面にして示す図である。
図10は上記ラックおよびラック昇降装置を示す背面図である。
図11は上記ラックおよびラック昇降装置を示す側面図である。
図12は上記パレットがパレット把持装置によって把持された状態を拡大して示す平面図である。
図13は上記トレイ型部品供給装置のパレット移動装置を示す平面図である。
図14は上記パレット移動装置の搬送コンベヤを示す側面図である。
図15は上記パレット移動装置の保持具をコンベヤベルト等と共に示す図であり、図15(a)は全体の背面図(一部断面)、図15(b)は前記パレットがコンベヤベルトにより支持された部分を示す背面図である。
図16は上記保持具によるパレットの保持,解放を説明する図である。
図17は上記パレットの移動を案内する可動レールを示す平面図である。
図18は上記可動レールがレール保持部材に移動可能に保持されるとともに、浮き上がり防止部材によって浮き上がりを防止された状態を示す背面断面図である。
図19は上記可動レールがスプリングにより固定レールに接近する向きに付勢された状態を示す背面断面図である。
図20は前記ラックに設けられた切欠を示すとともに、パレットの部品供給位置への位置決めを説明する図であり、図20(a)はラックの切欠が設けられた部分を示す正面図、図20(b)および図20(c)はそれぞれ側面図である。
図21は上記電子回路部品装着機を制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を概略的に示すブロック図である。
図22は本発明の別の実施形態であるトレイ型部品供給装置の搬送コンベヤのコンベヤベルトがガイドレールにより支持された状態を示す側面図である。
図23は本発明のさらに別の実施形態であるトレイ型部品供給装置のパレット保持装置がパレットを保持した状態の一部を示す平面図(一部断面)である。
図24は図23に示すパレット保持装置を示す側面図である。
図25は図23に示すパレット保持装置を備えたトレイ型部品供給装置の搬送コンベヤおよび案内装置をパレットと共に示す平面図である。
図26は図25に示す搬送コンベヤの保持具および係合ピン移動装置を示す正面図である。
図27は図26に示す保持具の一方の係合ピン,その係合ピンを移動させる係合ピン移動装置および案内装置等を示す平面図である。
図1において12は電子回路部品装着機10の装着機本体としてのベースである。ベース12上には、回路基板の一種であるプリント配線板14をX軸方向(図1においては左右方向)に搬送する基板搬送装置としての配線板コンベヤ16,プリント配線板14を保持する基板保持装置たるプリント配線板保持装置(以後、配線板保持装置と略称する)18,プリント配線板14に電子回路部品20(図4参照。電子回路部品20は回路基板に装着されて電子回路を構成する部品であり、以後、回路部品20と略称する。)を装着する装着装置22および装着装置22に回路部品20を供給する電子回路部品供給装置(以後、部品供給装置と略称する)24,26等が設けられている。
本実施形態においてプリント配線板14は、配線板コンベヤ16により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた作業位置において停止させられるとともに、ベース12の作業位置に対応する部分に設けられた配線板保持装置18により保持される。本実施形態においてプリント配線板14は、その回路部品20が装着される装着面28(図4参照。本実施形態では、上面である。)が水平な姿勢で支持される。
本実施形態においては、電子回路部品装着機10全体についてXY座標面が設定され、このXY座標面上において装着装置22の後述する装着ヘッド等の移動データ等が設定される。このXY座標面は、本実施形態では、図1に示すように、電子回路部品装着機10を上方から、部品供給装置26が上側、部品供給装置24が下側に位置する状態で平面視した場合における左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向とし、右方および上方をそれぞれ正方向とする水平な座標面とされている。
部品供給装置24,26は、図2に示すように、XY座標面内においてX軸方向と直交するY軸方向に互いに隔たって、配線板コンベヤ16の両側に位置を固定して静止して設けられている。図示の例においては、部品供給装置24がフィーダ型部品供給装置とされ、部品供給装置26がトレイ型部品供給装置とされている。
フィーダ型部品供給装置24は、多数のフィーダ30がフィーダ支持テーブル32上に、各部品供給部が一線に沿って、例えばX軸方向に平行な方向に沿って配列された部品供給テーブル34を有する。各フィーダ30は、例えば、回路部品20を部品保持テープ(図示省略)に保持させ、テープ化電子回路部品とした状態で供給する。テープ化電子回路部品は、図示を省略する送り装置により一定ピッチずつ送られ、回路部品20が部品供給部から1個ずつ供給される。
トレイ型部品供給装置26は、図6に示すように、回路部品20をトレイ50に収容して供給する。トレイ型部品供給装置26については、後に詳細に説明する。
装着装置22は、図4に示す装着ヘッド60が互いに直交するX軸方向およびY軸方向の成分を有する方向に平行移動して回路部品20を搬送し、プリント配線板14の装着面28に装着するものとされている。そのため、図1に示すように、ベース12の配線板コンベヤ16のY軸方向における両側にはそれぞれ、ボールねじ64がX軸方向に平行に設けられるとともに、移動部材としてのX軸スライド66に設けられた2個のナット68(図3に1個のみ図示されている)の各々に螺合されており、これらボールねじ64がそれぞれ、X軸スライド駆動用モータ70によって回転させられることにより、X軸スライド66がX軸に平行な方向の任意の位置へ移動させられる。
X軸スライド66は、図1に示すように、フィーダ型部品供給装置24から配線板コンベヤ16を越えてトレイ型部品供給装置26にわたる長さを有する。X軸スライド66は、案内部材たるガイドレール72(図3参照)を含む案内装置により、移動が案内される。以上、ナット68,ボールねじ64およびX軸スライド駆動用モータ70等がX軸スライド移動装置76を構成している。
X軸スライド66上には、ボールねじ80(図3参照)がY軸方向に平行に設けられるとともに、移動部材としてのY軸スライド82がナット84において螺合されている。このボールねじ80がY軸スライド駆動用モータ86(図1参照)によって回転させられることにより、Y軸スライド82は案内部材たる一対のガイドレール92(図3参照)を含む案内装置により案内されてY軸方向に平行な任意の位置に移動させられる。以上、ナット84,ボールねじ80およびY軸スライド駆動用モータ86等がY軸スライド移動装置94を構成し、前記X軸スライド66,X軸スライド移動装置76およびY軸スライド82と共に、プリント配線板14および部品供給装置24,26と装着ヘッド60とを相対移動させる相対移動装置としてのXY移動装置96を構成しており、装着ヘッド60はXY移動装置96により、装着面28に平行であって、水平面内の任意の位置へ移動させられる。
Y軸スライド82に設けられた支持部102には、図3および図4に示すように、装着ヘッド60,装着ヘッド60を昇降させるヘッド軸方向移動装置たるヘッド昇降装置104,装着ヘッド60をその軸線まわりに回転させるヘッド回転装置106が設けられており、これら装着ヘッド60等が部品装着ユニット108を構成している。本実施形態では、部品装着ユニット108は1組設けられているのであるが、複数組設けてもよい。例えば、Y軸スライド82に複数の部品装着ユニット108をY軸方向に平行に1列に並べて設けることができる。
本実施形態の部品装着ユニット108は、特許第3093339号公報に記載の部品装着ユニットと同様に構成されており、簡単に説明する。
支持部102には、軸110がZ軸方向(X軸,Y軸方向に直角な方向であって、鉛直方向)に平行な方向に移動可能かつ軸線まわりに回転可能に設けられ、その下端部に設けられたホルダ112によって部品保持具としての吸着ノズル114が着脱可能に保持される。本実施形態においては、軸110およびホルダ112が装着ヘッド60を構成している。
ヘッド昇降装置104は、ヘッド昇降モータ120を駆動源とし、ヘッド昇降モータ120の回転がギヤ122,124を含む回転伝達装置によりナット126に伝達され、ナット126が回転させられることにより、ナット126に螺合された軸110が昇降させられ、装着ヘッド60が昇降させられる。ヘッド昇降装置104は、装着ヘッド60を作業対象物に接近,離間させる接近・離間装置でもあり、前記XY移動装置96と共に相対移動装置を構成していると考えることもできる。ヘッド回転装置106は、ヘッド回転モータ130(図21参照)を駆動源とし、その回転がギヤ132を含む回転伝達装置により軸110に伝達され、軸110が軸線まわりに回転させられて、装着ヘッド60が自身の鉛直な回転軸線まわりに回転させられる。
吸着ノズル114は本体部としてのノズル本体138および吸着部としての吸着管140を備え、回路部品20を負圧により吸着し、プリント配線板14に装着する。そのため、吸着ノズル114は、図示を省略する負圧源,正圧源および大気に接続されており、電磁方向切換弁装置(図示省略)の切換えにより、吸着管140が負圧源,正圧源および大気に択一的に連通させられる。吸着管140は下向きの吸着面142を備え、回路部品20を吸着する。
Y軸スライド82にはまた、プリント配線板14に設けられた複数の基準マーク150(図1参照)を撮像する撮像装置たる基準マークカメラ152(図1,図4参照)が移動不能に設けられている。基準マークカメラ152は、本実施形態においては、CCDカメラにより構成されるとともに、面撮像装置とされている。基準マークカメラ152に対応して照明装置154が配設されており、基準マーク150およびその周辺を照明する。これら基準マークカメラ152および照明装置154が基準マーク撮像システムを構成している。
X軸スライド66には、ちょうどX軸スライド66を移動させる2つのボールねじ64にそれぞれ対応する位置であって、フィーダ型部品供給装置24とプリント配線板14との間およびトレイ型部品供給装置26とプリント配線板14との間の位置にそれぞれ、撮像装置180が移動不能に取り付けられている。
これら撮像装置180の構成は同じであり、図3に一方を代表的に示すように、回路部品20を撮像する部品カメラ182および導光装置184を備えている。部品カメラ182は、本実施形態においては、前記基準マークカメラ152と同様に、CCDカメラとされるとともに面撮像装置とされている。また、X軸スライド66の装着ヘッド60の移動経路の下方には照明装置186が設けられており、これら撮像装置180および照明装置186を含む部品撮像システムにより、回路部品20の正面像と投影像とが選択的に撮像される。部品撮像システムは装着ヘッド60のY軸方向における移動経路の途中に設けられており、部品供給装置24,26からプリント配線板14へ移動させられる途中に撮像される。
前記トレイ型部品供給装置26を図5ないし図20に基づいて説明する。
トレイ型部品供給装置26は、本実施形態においては、図6および図7に示すように、前記トレイ50を支持し、部品収容器を構成するトレイパレット(以後、パレットと略称する)200,パレット200が収納されるラック202,ラック昇降装置204(図10参照),部品収容器移動装置としての搬送コンベヤ206および部品収容器案内装置としてのパレット案内装置208(図13参照)を含み、台車210(図5参照)に搭載されてベース12に取り付けられ、回路部品20を供給する。ラック202およびラック昇降装置204が部品収容器収納部としてのパレット収納部ないし部品収納部を構成し、搬送コンベヤ206およびパレット案内装置208がパレットシャトル部ないしパレットシャトルシステムを構成している。
トレイ50は、図6に示すように、一平面状の板材を、周囲を残し、中央側の部分を板面に直角な方向に突出させ、横断面形状が矩形の突部212および凹部214を設けた形状を有する。突部212の突出端面は一平面状をなし、その突出端面に開口する部品収容部としての収容凹部216が複数、一平面状に設けられ、各収容凹部216にそれぞれ回路部品20が位置決めされて、1個ずつ取出し可能に収容される。本実施形態では、収容凹部216が配置された部品収容平面は、トレイ50の軸線に直角な一平面状をなす。また、1つのトレイ50には一種類ずつの回路部品20が収容される。突部212の外周面218および凹部214の内周面220は同じ傾斜のテーパ状をなし、トレイ50の凹部214に別のトレイ50の突部212を嵌合することにより、複数のトレイ50を、部品収容平面に平行な方向において位置決めし、相対移動不能かつ相対回転不能な状態で重ねて積むことができる。
パレット200を説明する。
パレット200はトレイ50を支持し、トレイ50を介して回路部品20を収容する。パレット200のパレット本体230は、本実施形態においては、図7および図8に示すように、平面視形状が矩形をなすとともに、薄い板状をなし、その両側部にそれぞれ、レール232が設けられ、被支持部ないし被案内部を構成している。これらレール232の各長手方向の両端部はそれぞれ、先端ほど幅が狭くされて案内部234が設けられている。また、2つのレール232の下面の各長手方向の両端部にはそれぞれ、図8に示すように、端側ほど上方に向かう向きに傾斜する傾斜面が設けられ、案内面236を構成している。さらに、2つのレール232にはそれぞれ、図7に示すように、長手方向に隔たった2箇所にそれぞれ、レール232の長手方向に平行で前記部品収容平面に直角な側面238および上面に開口する被係合部としての係合凹部242,244が設けられている。これら係合凹部242,244の、レール232の長手方向に直角な側面であって、互いに近い側の面が係合面246,248を構成している。
パレット本体230は、本実施形態においては、例えば、積水樹脂プラメタル株式会社製のスチールアートパネル(商品名)によって作られており、図9に模型的に示すように、振動吸収層250と、その振動吸収層250を表裏両面側から挟む磁性材料層252,254とが積層されて成る。振動吸収層250は、本実施形態においては、振動吸収材料の一種である発泡樹脂、例えば、ポリエチレンにより作られ、磁性材料層252,254は金属材料の一種である磁性材料、例えば、スチールにより作られている。磁性材料層252,254は金属材料層であり、その表面にそれぞれ、塗装256,258が施されている。したがって、パレット本体230は磁性を有するとともに、振動吸収能を備えながら、軽量で薄く、剛性の高いものとされている。なお、塗装を施すことは不可欠ではない。
パレット本体230には、前記一対のレール232が設けられた2辺と、レール232の長手方向に直角な2辺のうちの1辺とにそれぞれ、パレット本体230の上面ないしトレイ50を支持する支持面260から直角に立ち上がる位置決め面262が設けられている。パレット本体230のレール232の長手方向に平行な方向を前後方向ないし搬送コンベヤ206によるパレット200の搬送方向であって部品収容器移動方向としてのパレット搬送方向とし、レール232に直角な2辺のうちの、位置決め面262が設けられた側を前部とし、一対のレール232が隔たった方向であって、支持面260内においてパレット搬送方向と直交する方向を左右方向ないし幅方向とする。パレット本体230の後部には、パレット本体230の支持面260から直角に立ち上がる把持部264が設けられている。把持部264は左右方向に長く、取手として機能するとともに、パレット本体230を補強する役割を果たす。
また、パレット本体230の前面の左右方向の中央部には、図7および図8に示すように、取手266が前方へ延び出す向きに突設され、被保持部を構成している。取手266の突出端部に、パレット200の左右方向に平行に一対の握り部268が設けられている。これら握り部268は、本実施形態においては、横断面形状が円形をなし、同心状に設けられている。
前記トレイ50は、パレット200により少なくとも一つ、支持される。トレイ50は、その大きさに応じて、パレット200内の1箇所において支持されることもあれば、複数箇所、例えば、2箇所において支持されることもある。また、複数のトレイ50が互いに重ねられ、積載されることもある。いずれにしてもトレイ50は支持面260上に載置されて支持され、パレット200内において拘束装置270により、前記部品収容平面に平行な方向に移動不能に拘束される。
本実施形態において拘束装置270は、図7に示すように、複数種類の拘束部材272,274を含む。これら拘束部材272,274はそれぞれ、非磁性材料製の磁石保持体としてのケーシング275,277と、ケーシング275,277内に収容されて永久磁石部を構成する永久磁石276,278とを備え、磁性材料製のパレット本体230の支持面260上の任意の位置に載置し、固定することができる。トレイ50は、その4つの側面のうちの少なくとも2面が、前記位置決め面262に当接させられて位置決めされ、トレイ50の、位置決め面262に当接させられていない2側面に拘束部材272,274の少なくとも一方を接触させるとともに、支持面260上に置き、トレイ50の移動を規制し、拘束する。
前述のように、トレイ50は、部品収容平面に平行な方向において互いに位置決めされた状態で複数、重ねられるように設けられており、拘束部材272,274は、互いに重ねられた複数のトレイ50のうち、少なくとも一番下のトレイ50の側面に当接させられて拘束するものとされている。複数のトレイ50は互いに嵌合されて部品収容平面に平行な方向の位置ずれを防止されており、少なくとも一番下のトレイ50の移動を拘束部材272,274によって拘束することにより、他のトレイ50のずれも規制される。このようにトレイ50がパレット200に収容され、支持されることにより、トレイ50の収容凹部216がパレット200の部品収容部として機能し、トレイ50の一平面上の部品収容平面がパレット200の部品収容平面を構成する。この部品収容平面は支持面260と平行である。
前記ラック202は、図10に示すように、本実施形態においては、パレット収納方向に直角な縦断面形状がロの字形をなし、パレット202の搬送コンベヤ206による搬送方向において正逆両方向に開口する2つの開口を有し、複数のパレット202をそれら全部を覆う状態で収納し、パレット200をラック202に対して、その開口方向においてのみ着脱可能である。
ラック202のラック本体280には、図10に示すように、2本を一対とするパレット支持部材としてのレール282が複数対、ラック昇降方向に等間隔に並ぶ状態で設けられ、部品収容器保持部を構成している。これら複数対のレール282は、本実施形態においては、ラック本体280を構成するレール形成部材283に一体的に設けられており、それにより、ラック202には複数の棚284が上下方向に等間隔に設けられ、パレット200を多段に収納することが可能であり、複数種類の回路部品20を収納することができ、多数の回路部品20を収納することができる。台車210に支持されたトレイ型部品供給装置26のラック202は鉛直に設けられ、レール282は、前記パレット搬送方向ないし前後方向に平行に延びる状態で水平に設けられている。
パレット200は一対のレール232において一対のレール282上に載置され、それらレール282により水平な姿勢で支持され、部品収容平面は水平面であり、レール282の長手方向に平行な方向であって、部品収容平面に平行な水平方向に移動可能に保持される。レール282の上面がパレット200を下方から支持して保持する保持面としての支持面286を構成しており、支持面286の、レール282の前端部、すなわち搬送コンベヤ206に隣接する側の端部には、図8に示すように、前方ほど下方へ傾斜する傾斜面が設けられ、案内面288を構成している。支持面286は、本実施形態においては水平面である。パレット200はラック202に左右方向においては、一対のレール232とレール形成部材283との間に、パレット200の前後方向の移動を許容する極く僅かな隙間を残して収納される。
また、ラック202の前記レール形成部材283およびレール282の前記ラック本体280の側壁328(図12参照)より前方へ突出させられた前端部には、図8および図20(a),(b)に示すように切欠292が設けられている。切欠292は、複数対のレール282およびそれらレール282が設けられたレール形成部材283の各々を左右方向に貫通して設けられている。
ラック202は、前記ラック昇降装置204により昇降させられる。ラック昇降装置204は、図10に示すように、トレイ型部品供給装置26の装置本体を構成するフレーム300に取り付けられた駆動源としてのラック昇降モータ302,フレーム300に鉛直軸線まわりに回転可能に設けられた一対のねじ軸304およびラック202に固定の一対のナット306を含む。ねじ軸304がラック昇降モータ302によって回転させられることにより、ラック202が案内部材としての一対のガイドレール308(図11参照)を含む案内装置により案内されて、鉛直方向の任意の位置へ昇降させられる。ラック202は、水平な部品収容平面と直角な方向に昇降させられるのであり、レール282により支持された複数のパレット200が順次、部品供給位置に位置決めされる。
理想的な部品供給位置は、搬送コンベヤ206の後述するコンベヤベルトのパレット200を支持する支持面により決まる。パレット200を支持するレール282の支持面286が、コンベヤベルトの支持面と正確に同一平面内、本実施形態においては同一水平面内に位置する位置がパレット200の理想的な部品供給位置であり、コンベヤベルトの支持面を含む水平な一平面がパレット200の搬送面である。搬送コンベヤ206のコンベヤベルトの支持面の上下方向の位置は、設計上、所定の高さに設定されているが、搬送コンベヤ206の構成部品の製造誤差や組付誤差等に起因する高さ方向の誤差により、必ずしも設計上の位置に位置するとは限らず、理想的な部品供給位置も設計上の位置にあるとは限らない。ラック昇降装置204においても構成部品の製造誤差や組付誤差等により高さ方向の誤差があるのが普通であり、また、複数対のレール282のピッチに誤差があることもあり、理想的な部品供給位置が設計上の位置にあったとしても、ラック202の昇降によってパレット200がその理想的な部品供給位置に位置決めされるとは限らない。そのため、これら種々の誤差を可及的に打ち消して、パレット202を当該トレイ型部品供給装置26における理想的な部品供給位置にできる限り高い精度で位置決めすべく、乗り移りセンサ312が設けられている。
乗り移りセンサ312は、設計上、部品供給位置に対してラック昇降方向において離れた位置、本実施形態においては、図20(b)に示すように、部品供給位置の上方に設けられている。乗り移りセンサ312はできる限り設計上設定された位置の近くに設けられるとともに、搬送コンベヤ206のコンベヤベルトの支持面に対する上下方向の距離が測定装置により測定され、理想的な部品供給位置に対する正確な位置が取得されている。あるいは乗り移りセンサ312の組付け時に組付け位置を調整し、コンベヤベルトの支持面の高さによって決まる理想的な部品供給位置に対して予め設定された距離、離れた位置に設けられるようにしてもよい。いずれにしても、乗り移りセンサ312の理想的な部品供給位置(搬送コンベヤ206のコンベヤベルトの支持面)に対する実際の距離L1(図20(c)参照)が判っている。
乗り移りセンサ312は、本実施形態においては、光電センサの一種である透過式の光電センサにより構成され、投光器および受光器は、その光軸がラック202の左右方向に平行であって水平となり、かつ、ラック202に設けられた前記切欠292を光が通る位置に設けられている。したがって、ラック202が昇降させられれば、投光器が放射する光が切欠292を通って受光器により受光され、あるいはラック202により遮られ、それら受光および遮光に基づいて、複数対のレール282が順次検出される。本実施形態においては、レール282の切欠292が設けられた部分が被検出部を構成している。なお、パレット200のレール232の端部の下面は、案内面236を形成すべく、傾斜させられており、パレット200がラック202に収納された状態では、図20(b)に示すように、レール232の先端部が切欠292から外れる。したがって、ラック202にパレット200が収納された状態でレール282が乗り移りセンサ312によって検出される場合でも、投光器が放射する光の透過をパレット200が妨げることはない。レール232に傾斜した案内面236を設けるべく、レール232の先端部に設けられた切欠ないし傾斜部が部品収容器保持部検出許容部を構成している。乗り移りセンサ312による検出に基づくレール282の昇降制御については、後述する。
ラック202には、図7および図11に示すように、部品収容器把持装置としてのパレット把持装置320が設けられている。パレット把持装置320は、ラック本体280の、複数対のレール282の各対に対応する部分にそれぞれ設けられ、パレット200を把持することによりラック202に固定する。パレット把持装置320がレール282、1本毎に設けられ、1つの棚284についてパレット把持装置320が一対ずつ設けられていると考えてもよい。
上記複数のパレット把持装置320はそれぞれ、図7に示すように、ラック本体280の、パレット搬送方向、すなわちレール282の長手方向に平行な方向に隔たった2箇所にそれぞれ、一対ずつ設けられた第一把持部材としての第一把持爪322と、第二把持部材としての第二把持爪324とを含む。第一把持爪322は、ラック本体280の前部側(前記搬送コンベヤ206に隣接する側であって、装着装置22側)に設けられ、第二把持爪324は後部側に設けられている。2つずつの第一把持爪322および第二把持爪324の各一方は、一対のレール282の一方の側に設けられ、他方は他方のレール282側に設けられている。パレット把持装置320の2つの第一把持爪322は、部品収容平面に平行な平面内においてパレット搬送方向と直交する方向である左右方向に隔たって設けられているのである。2つの第二把持爪324も同様である。
図12に示すように、複数のパレット把持装置320の各一対ずつの第一把持爪322のうち、同じレール282側に設けられた第一把持爪322はそれぞれ、共通の爪保持体326に着脱可能に固定されており、それぞれ、ラック本体280の側壁328に設けられた開口330,レール形成部材283に設けられた開口331を通ってラック本体280内に進入可能とされている。開口330,331は、複数対のレール282の各々に対応して設けられている。なお、レール形成部材283の前端部(搬送コンベヤ206側の端部)は、側壁328の前端部より前方へ突出させられている。爪保持体326は、図11に示すように、長手形状をなし、上下方向に隔たった2箇所においてそれぞれ、軸332(図12に一方の箇所の軸332を示す)によってラック本体280に鉛直軸線まわりに回動可能に取り付けられている。また、第一把持爪322の先端部には、第一把持爪322の回動軸線(軸332の軸線)に平行な中心線を有する部分円筒面状の把持面334が設けられている。
爪保持体326は、図11および図12に示すように、その上下方向の中間部において、ラック本体280に前後方向に延びる向きに設けられたエアシリンダ340のピストンロッド342の先端部に連結されている。爪保持体326に上下方向に設けられた連結軸344が、ピストンロッド342の先端部に設けられた長穴346に、長穴346の長手方向に相対移動可能に嵌合されているのである。エアシリンダ360は、流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリンダであり、駆動源を構成しており、ピストンロッド342の伸縮により、爪保持体326が鉛直軸線まわりに回動させられ、複数の第一把持爪322が鉛直軸線まわりに一斉に回動させられる。
ピストンロッド342の伸長端は、ラック本体280に設けられたストッパ350により規定される。その状態では、図12に実線で示すように、第一把持爪322がパレット200を把持する把持位置へ回動させられ、把持面334において、パレット200のレール232に設けられた係合凹部242の係合面246に係合し、第二把持爪324と共同してパレット200を把持し、ラック202に固定し、パレット200はパレット本体280に対してもレール282に対しても固定される。第一把持爪322の係合位置ないし把持位置はストッパ350によって規定されるのである。ピストンロッド342が収縮させられれば、図12に二点鎖線で示すように、第一把持爪322が解放位置へ回動させられ、把持面334が係合凹部242から抜け出させられてパレット322を解放し、パレット322のラック本体280に対する固定が解かれる。なお、ピストンロッド342の収縮端は、例えば、ピストンのストロークエンドにより規定される。本実施形態においては、爪保持体326およびエアシリンダ340が第一把持部材駆動装置としての第一把持爪回動装置352を構成し、第一把持爪回動装置352が複数のパレット把持装置320の各第一把持爪322に共通に設けられている。また、ストッパ350が第一把持爪322の把持位置へ回動する側であって、パレット200を把持する方向の回動限度を規定する回動限度規定装置を構成している。
複数のパレット把持装置320の各一対ずつの第二把持爪324のうち、同じレール282側に設けられた第二把持爪324も第一把持爪322と同様に、共通の爪保持体360に着脱可能に固定されており、それぞれ、ラック本体280の側壁328に設けられた開口362,レール形成部材283に設けられた開口363を通ってラック本体280内に進入可能とされている。開口362,363は、複数対のレール282の各々に対応して設けられている。爪保持体360は、上下方向に隔たった2箇所においてそれぞれ、軸364(図12参照)によってラック本体280に鉛直軸線まわりに回動可能に取り付けられるとともに、前後方向に延びる向きに設けられたエアシリンダ366のピストンロッド368の先端部に、連結軸370および長穴372(図12参照)によって相対回動可能に連結されており、ピストンロッド368の伸縮によって爪保持体360が回動させられ、複数の第二把持爪324が一斉に、かつ第一把持爪322とは互いに独立して回動させられる。本実施形態においては、爪保持体360およびエアシリンダ366が第二把持部材駆動装置としての第二把持爪回動装置374を構成し、第二把持爪駆動装置374が複数のパレット把持装置320の各第二把持爪324に共通に設けられている。
第二把持爪324は、図12に示すように、把持爪本体376と、把持爪本体376に保持された板ばね378とを含む。板ばね378は弾性部材としてのばねの一種であり、その基端部380において把持爪本体376に着脱可能に、かつ板ばね378の板面が鉛直となる姿勢で固定され、把持爪本体376から延び出させられた先端部が係合部382として機能し、係合部382と基端部380との間の部分が弾性変形部384として機能する。係合部382は、本実施形態においては、弾性変形部384の基端部380側とは反対側の端部である先端部が、第二把持爪324の解放位置から把持位置に向かう際の回動方向とは逆向きに屈曲させられて設けられている。
第二把持爪324は、エアシリンダ366により、図12に実線で示すように、係合部382がパレット200のレール232に設けられた係合凹部244の係合面248に係合し、パレット200を第一把持爪322と共に把持してラック202に固定する把持位置と、二点鎖線で示すように、係合凹部244から抜け出させられてパレット200を解放する解放位置とに回動させられる。第一,第二把持爪322,324がいずれも解放位置へ回動させられることによりパレット200が解放されるとともに、パレット200の移動を妨げず、パレット200を搬送方向において移動させ、ラック202に対して出し入れすることができる。
エアシリンダ366が第二把持爪324にパレット200を把持させる駆動力は、エアシリンダ360が第一把持爪322にパレット200を把持させる駆動力より小さくされている。したがって、パレット把持装置320によって把持された際のパレット200の前後方向における収納位置は、ストッパ350によって規定される。把持位置へ回動させられた第一把持爪322により規定されるのである。パレット200が第一把持爪322によって規定される収納位置より前側に位置するのであれば、第一把持爪322は、把持位置へ回動させられるとき、係合面246に係合してパレット200を後退させ、収納位置に位置させる。
第二把持爪324は、エアシリンダ366によって回動させられることにより、係合部382がパレット200の係合凹部244の係合面248に係合し、パレット200を第一把持爪324に押し付ける。第二把持爪324はエアシリンダ366に設定された所定の駆動力が得られるまで回動させられる。その際、弾性変形部384は、係合部382が係合面248に接触した後に弾性変形し、その弾性変形の復元力に基づいて係合部382を係合面248に係合し続けさせる。パレット200等の寸法のばらつき等は、弾性変形部384の弾性変形により吸収される。このように第二把持爪324は係合面248に弾性的に係合させられ、同じレール282側に設けられた第一把持爪322と共同してパレット200を確実に把持するのであり、それによりパレット200の前後方向の移動を阻止するとともに、第一,第二把持爪322,324と係合面244,248との間に生じる摩擦力により、パレット200の上下方向(部品収容平面に直角な方向)および左右方向の移動を阻止し、ラック昇降時におけるパレット200の振動を抑制する。このようにパレット200は、部品収容平面に平行な平面内において互いに隔たった4箇所において第一,第二把持爪322,324が係合することにより、左右方向に互いに隔たった2部分をそれぞれ第一把持爪322と第二把持爪324とにより把持されるのであり、ラック202に強固に固定され、振動が良好に抑制される。
また、第一把持爪322の把持面336は、部分円筒面状とされているため、パレット200の把持面336に係合する部分の左右方向におけるずれが小さくて済む。
搬送コンベヤ206を説明する。
搬送コンベヤ206は、図5および図13に示すように、前記台車210および前記フレーム300から前方へ突出して設けられている。搬送コンベヤ206は、本実施形態においては、ベルトコンベヤとされており、無端搬送部材としての一対のコンベヤベルト404,406と、周回駆動装置408と、保持具410とを含んでいる。コンベヤベルト404,406はゴム製であり、本実施形態においては、外周面に多数の歯412(図14(b)参照)を備えたタイミングベルトとされている。
周回駆動装置408は、図13ないし図15(a)に示すように、前記台車210および前記フレーム300から前方へ延び出して設けられた一対の支持部材416,418に設けられている。これら支持部材416,418は板状を成し、部品収容平面に平行な平面内においてパレット搬送方向に直角な方向に距離を隔てて設けられ、その互いに対向する鉛直な側面にはそれぞれ、コンベヤベルト404,406が巻き掛けられる複数のガイドプーリ420と、コンベヤベルト404の歯412と噛み合う複数のタイミングプーリ422とがパレット搬送方向に直角な水平軸線まわりに回転可能に取り付けられている。
コンベヤベルト404,406は、ガイドプーリ420には、その平坦な内周面において巻き掛けられ、タイミングプーリ422には外周面側が巻き掛けられ、歯412がタイミングプーリ422の歯と噛み合わされている。但し、ガイドプーリ420のうちの一つはテンションプーリとされ、コンベヤベルト404,406を外周面側から支持している。
複数のガイドプーリ420およびタイミングプーリ422によりコンベヤベルト404,406の周回経路が設定され、コンベヤベルト404,406には、ラック202から前記配線板コンベヤ16に至る水平な搬送部ないし支持部424が設けられ、その上面がパレット搬送面ないし支持面426を構成している。支持面426は、支持部424に含まれる複数の歯412の各上面の集合により構成されている。なお、コンベヤベルト404,406は、搬送コンベヤ206の左右方向(水平面内においてパレット搬送方向と直角な方向)において、一対のレール282と一致する位置に設けられている。搬送コンベヤ206はラック202に隣接して設けられており、コンベヤベルト404,406の周回経路は、支持部424のラック202に隣接する端部と、レール282との間の距離が短く、両者が近接して位置するように設けられている。
支持部材416,418にはまた、支持部424の周回経路に対応する部分にそれぞれ、複数のガイドプーリ428がガイドプーリ420等と平行な軸線まわりに回転可能に、かつパレット搬送方向に並んで設けられており、支持部424の平坦な内周面を支持している。複数のガイドプーリ428がベルト支持部材を構成している。なお、ガイドプーリ420,428,タイミングプーリ422にはそれぞれ、回転軸線に平行な方向に隔たった両端部の各々から、回転軸線と直交する方向に延び出す規制部が設けられ、コンベヤベルト404,406を幅方向の両側から挟み、幅方向のずれを規制するようにされている。
支持部材416に取り付けられた複数のタイミングプーリ422のうちの一つが回転駆動装置432によって回転させられることにより、一対のコンベヤベルト404,406が同時に同方向に、予め定められた周回経路に沿って周回させられる。回転駆動装置432は、図13に示すように、支持部材416,418により保持された支持部材433に設けられたベルト駆動モータ434を駆動源とし、その回転がタイミングプーリ436,438およびタイミングベルト439を含む回転伝達装置により、コンベヤベルト404を駆動するタイミングプーリ422に伝達され、回転軸440によってコンベヤベルト406を駆動するタイミングプーリ422に伝達され、コンベヤベルト404,406が同期して周回させられる。
保持具410を説明する。
保持具410は、図13および図15(a)に示すように、一対のコンベヤベルト404,406により位置を固定して保持された移動部材446に設けられている。移動部材446は長手形状をなし、その長手方向の両端部がそれぞれ、コンベヤベルト404,406のそれぞれ、前記支持部424を構成する部分に着脱可能に固定されている。したがって、コンベヤベルト404,406が周回させられれば、移動部材446はコンベヤベルト404,406と一体的に移動させられ、移動部材446に設けられた保持具410がコンベヤベルト404,406と同じ速度で移動させられる。なお、コンベヤベルト404,406の支持部424を支持する前記ガイドプーリ428は、コンベヤベルト404,406と移動部材446との結合部との干渉を回避するために、回転軸線に平行な方向の中央部に、外周面に開口する円環状の溝が形成された溝付プーリとされている。
移動部材446の移動は、図15(a)に示す案内装置448により案内される。案内装置448は、移動部材446の長手方向の両端部にそれぞれ回転可能に取り付けられた一対のガイドローラ450と、一対の支持部材416,418にそれぞれ設けられたガイドレール452とを含む。一対のガイドローラ450はガイドレール452を挟んで移動し、移動部材446の移動を案内する。
移動部材446の長手方向の中央部に、図13に示すように、前記保持具410が設けられ、前記パレット200に設けられた取手266を保持するようにされている。保持具410は、図15(a)に示すように一対のチャック458を有する。これらチャック458は、搬送コンベヤ206の左右方向に距離を隔てて設けられており、図16に示すように、それぞれ一対の把持爪460,462を有している。これら把持爪460,462は、チャック本体464にパレット搬送方向に平行な方向に開閉可能であって、互いに接近,離間可能に設けられており、図16(e)に示すように、互いに対向する面にそれぞれ、搬送コンベヤ206の左右方向に延びる位置決め部としての位置決め凹部466,468が設けられている。
チャック本体464内には、被駆動部材ないし入力部材としてのプランジャ470が上下方向に移動可能に設けられるとともに、プランジャ470の昇降を把持爪460,462の互いに接近,離間する方向の移動に変換する運動変換装置(図示省略)が設けられており、プランジャ470が昇降させられることにより、把持爪460,462が接近,離間させられて取手266を把持する把持位置と解放する解放位置とに移動させられ、チャック458が開閉させられる。プランジャ470は、そのチャック本体464から突出させられた下端部とチャック本体464との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング472により下方へ付勢されている。
また、図13に示すように、搬送コンベヤ206の後部、すなわちラック202に隣接する部分には、チャック駆動装置474が設けられている。前記支持部材433の長手方向の中央にチャック駆動装置474が位置を固定して設けられているのであり、チャック駆動装置474は、図15(a)に示すように、エアシリンダ478を駆動源として備えている。エアシリンダ478は上向きに設けられ、ピストンロッド480の昇降により、その突出端部に設けられた駆動部材482が昇降させられ、上昇により一対の駆動部484が前記一対のチャック458の各プランジャ470をスプリング472の付勢力に抗して押し上げ、下降によりプランジャ470を解放してスプリング472の付勢により下降することを許容する。
プランジャ470は、駆動部材482が下降させられ、プランジャ470から離間させられた状態では、スプリング472の付勢により下降端位置に位置し、図16(a),(c)に示すように、取手266を把持するのでなければ、把持爪460,462は最も閉じられた位置に位置する。取手266を把持する際には、把持爪460,462はスプリング472の付勢に基づいて取手266を把持した状態に保たれる。駆動部材482がエアシリンダ478によって上昇させられ、プランジャ470をスプリング472の付勢力に抗して上昇させれば、図16(e)に示すように、把持爪460,462が開かれ、解放位置へ移動させられる。最も開かれた状態での把持爪460,462間の距離は、パレット200の前記取手266の握り部268の外径より大きく、握り部268が把持爪460,462と干渉することなく、それらの間に進入し、退避することができる。
上記のように構成された保持具410は、後述するように、一対のチャック458によって前記パレット200の取手266を保持し、移動部材446が搬送コンベヤ206によって移動させられることによりパレット200を移動させるのであるが、このパレット200の移動が前記パレット案内装置(以後、案内装置と略称する)208により案内される。案内装置208は、図13に示すように、固定案内部材としての固定レール490および可動案内部材としての可動レール492を備えている。
固定レール490は板状をなし、図15(a)に示すように、前記支持部材418の上面にパレット搬送方向に平行に固定されている。固定レール490は、その案内面ないし規制面がレール形成部材283のレール282が設けられた面と同一鉛直面内に位置するように設けられている。可動レール492は、図17ないし図19に示すように板状をなし、支持部材416の上面上に着脱可能に固定されたレール保持部材494により、パレット搬送方向と直角な水平方向に移動可能であって、固定レール490に接近,離間可能に保持されている。
レール保持部材494は、長手形状の板状をなし、パレット搬送方向に平行に固定され、可動レール492は、パレット搬送方向に平行に配設されるとともに、レール保持部材494に立設された押さえ部材ないし浮き上がり部材496によって浮き上がりを防止されている。図18に示すように、浮き上がり防止部材496は軸部498において、可動レール492に設けられた長穴500に嵌合されるとともに、固定装置としてのボルト502によってレール保持部材494に固定されており、軸部498より大径の頭部504により、可動レール492のレール保持部材494からの浮き上がりを防止する。
可動レール492は、レール保持部材494内に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての複数の圧縮コイルスプリング510によって固定レール490に接近する向きに付勢されている。このスプリング510の付勢による可動レール492の移動限度は、前記長穴500の長手方向の端面が浮き上がり防止部材496の軸部498に係合することにより規制される。浮き上がり防止部材496は、可動レール移動規制装置をも構成している。
固定レール490および可動レール492は、本実施形態においては、可撓性材料としての合成樹脂の一種であって、金属より摩擦係数が低く、低摩擦材料たる低摩擦性の合成樹脂の一種であるポリアセタールによって作られている。固定レール490は支持部材418にパレット搬送方向に平行に真っ直ぐに固定されているが、可動レール492は固定レール490に接近,離間可能とされており、その長手方向と交差する方向であって、パレット搬送面と平行な水平面内においてパレット搬送方向と交差する方向に撓むことができる。
本電子回路部品装着機10は、図21に示す制御装置530を備えている。制御装置530は、CPU532,ROM534,RAM536およびそれらを接続するバス538を備えるコンピュータ540を主体として構成されている。バス538には、さらに、入出力インタフェース542が接続されており、駆動回路544を介してX軸スライド駆動用モータ70,Y軸スライド駆動用モータ86,ヘッド昇降モータ120,ヘッド回転モータ130,ラック昇降モータ302などが接続されている。制御装置530には、画像処理コンピュータ546を介して基準マークカメラ152および部品カメラ182が接続されている。制御装置530には、さらに、キーボード等の入力装置548およびトレイ高さ確認センサ550,乗り移りセンサ312等の各種センサが接続されている。トレイ高さ確認センサ550については後述する。
なお、駆動源たるX軸スライド駆動用モータ70等は、サーボモータにより構成され、その累積回転角(回転位置)がエンコーダにより検出されてコンピュータ540に入力される。図21には、ヘッド回転モータ130に設けられたエンコーダ556を代表的に示す。サーボモータは回転角度の精度の良い制御が可能な電動モータであり、本実施形態ではエンコーダ付きとされている。これらサーボモータを駆動源とするX軸スライド駆動用モータ70等は、精度良く移動させられる。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。また、ROM534またはRAM536には、図示は省略するが、メインルーチン,電子回路部品装着プログラム,トレイ型部品供給装置26に回路部品20を供給させるプログラム,ラック昇降装置204の作動位置および停止位置を取得するプログラム,トレイ50の高さを検出するプログラム,装着ヘッド60の下降を制御するプログラム等を始めとする種々のプログラムおよびそれらプログラムの実行等に必要なデータ等が記憶させられている。
次に作動を説明する。回路部品20をプリント配線板14に装着する装着作業は、前記特許第2824378号公報、および特開2001−223500号公報等に記載されているため、全体の説明は簡略にし、本発明に関連の深い部分を詳細に説明する。
プリント配線板14が図示しない搬入装置により搬入され、配線板コンベヤ16により回路部品20が装着される装着位置まで搬送されれば、配線板保持装置18により位置決めされ、装着面28が水平となる姿勢で保持される。XY移動装置96により部品装着ユニット108とともに基準マークカメラ152が、プリント配線板14に設けられた基準マーク150を撮像する基準マーク撮像位置に位置決めされ、2個の基準マーク150がそれぞれ撮像される。
次に、装着ヘッド60は、X軸スライド66およびY軸スライド82の移動によりフィーダ型部品供給装置24またはトレイ型部品供給装置26の部品取出位置へ移動させられる。そして、装着ヘッド60はヘッド昇降装置104により昇降させられ、吸着ノズル114に負圧が供給されることにより回路部品20が保持される。
回路部品20を保持した装着ヘッド60は、例えば、トレイ型部品供給装置26の部品取出許容位置へ移動させられたパレット200から回路部品20を受け取る部品受取位置から、プリント配線板14に回路部品20を装着する部品装着位置へ移動させられるのであるが、この際、X軸スライド66の部品受取位置と部品装着位置との間の位置に設けられた部品撮像システムにより回路部品20が撮像される。回路部品20の回転位置が吸着時と装着時とで異なる場合には、吸着後、部品保持位置検出位置に到達するまでの間に装着ヘッド60がヘッド回転装置106により回転させられ、回路部品20が回転させられて装着時の回転位置に変更され、装着ヘッド60が部品保持位置検出位置に到達すれば、回路部品20が撮像される。
撮像により得られた像のデータは画像処理コンピュータ546により処理され、保持位置誤差のない正規の像のデータと比較され、中心位置誤差(水平位置誤差)ΔXE,ΔYEおよび回転位置誤差Δθが算出される。
また、前述のように、プリント配線板14の部品装着箇所の中心位置誤差ΔXP,ΔYPがプリント配線板14に設けられた基準マーク150を予め基準マークカメラ152によって撮像することにより算出されており、部品装着位置へ移動するまでの間に、これら誤差ΔXE,ΔYE,ΔXP,ΔYPおよび回転位置誤差Δθの修正により生ずる回路部品20の中心位置のずれに基づいて装着ヘッド60の移動位置が修正されるとともに、装着ヘッド60がヘッド回転装置106により回転させられて回転位置誤差Δθが修正される。装着ヘッド60は、誤差の演算等と並行して、プリント配線板14の部品装着箇所上へ移動させられるとともに下降させられ、回路部品20を正確な部品装着箇所に正しい回転位置で装着する。以上で1サイクルの装着作業が終了する。
次に、トレイ型部品供給装置26による回路部品20の供給を説明する。
トレイ型部品供給装置26においては、ラック202がラック昇降装置204によって昇降させられ、ラック202に収納された複数のパレット200が順次、鉛直方向において部品供給位置(厳密には、理想的な部品供給位置に可及的に近い実際の部品供給位置)に位置決めされる。そのため、本実施形態においては、ラック202に設けられた複数対のレール282の各々について、パレット200を部品供給位置に位置決めするためのラック昇降装置204の停止位置、すなわち、ラック昇降装置204の連続的な作動位置のうちの、ラック昇降装置204が停止させられるべき複数の位置が取得される。
本実施形態においては、ラック昇降装置204の停止位置は、一連のプリント配線板14への回路部品20の装着作業の開始に先立って取得され、コンピュータ540のRAM536に記憶させられている。停止位置の取得を説明する。停止位置の取得時には、ラック202をラック昇降装置204により、例えば、下降端位置から上昇させる。ラック202の切欠292が設けられていない部分が乗り移りセンサ312の投光器と受光器との間を通る場合には、投光器が放射する光が遮られ、受光量が設定量より少なく、ラック202の切欠292が設けられていない部分の通過が検出される。切欠292が乗り移りセンサ312に至れば受光器が受光し、受光量が設定量を超えることから切欠292の通過が検出される。切欠292の設定量以上の部分が乗り移りセンサ312から外れれば、受光器の受光量がしきい値に達し、その後さらに減少する。前述のように、切欠292は、複数対のレール282の各々について設けられており、受光器の受光量がしきい値以下になれば、乗り移りセンサ312の出力信号がONからOFFに変化する。この出力信号の変化により、レール282が乗り移りセンサ312が設けられた乗り移りセンサ位置であって、部品収容器保持部検出位置としてのレール検出位置に到達したことが検出される。その際のラック昇降モータ302の累積回転角(回転位置)を検出するエンコーダの値が、乗り移りセンサ位置に到達した際のレール282の位置であって、かつ、ラック昇降装置204の作動位置であるとして取得される。そして、取得されたラック昇降装置204の作動位置は、上記乗り移りセンサ位置に到達したレール282のラック202における設置位置を特定するデータ、例えば、ラック202の複数の棚284の各々に付された棚識別情報ないし収納位置識別情報の一種である番号と対応付けて、コンピュータ540のRAM536に設けられたラック昇降装置作動位置メモリに記憶される。ラック昇降装置作動位置メモリは、RAM536のバックアップ部に設けられ、電源がOFFにされてもデータが残る。複数対のレール282の全部について、ラック昇降装置204の作動位置が取得される。なお、レール282の検出時には、ラック202は検出に適した速度であって、低速で上昇させられ、レール282の検出位置への到達が乗り移りセンサ312によって正確に検出されるようにされる。
このように乗り移りセンサ312は、本実施形態においては、理想的な部品供給位置より上方に設けられ、乗り移りセンサ312により検出されるレール282は、図20(c)に示すように、理想的な部品供給位置の上方に位置する。前述のように、乗り移りセンサ312の理想的な部品供給位置に対する上下方向の距離L1は取得されている。また、本実施形態では、図20(b)に示すように、切欠292がラック202の昇降方向においてレール282の支持面286を含んで、支持面286の上下両側に位置するように設けられているため、切欠292の設定量以上の部分が乗り移りセンサ312から外れ、レール282が検出される際には、検出されるレール282の支持面286は、図20(c)に示すように、乗り移りセンサ位置より上側に位置する。この支持面286の乗り移りセンサ位置に対する上下方向の距離、すなわち支持面286と切欠292の下側の面との距離L2は、設計上、取得されており、全部のレール282について同じである。また、距離L2は短く、誤差はないものとする。したがって、レール282が乗り移りセンサ312により検出されたとき、その支持面286は、距離L1とL2との和に等しい距離、理想的な部品供給位置より上方に位置するのであり、ラック昇降装置204について取得された上記作動位置と距離L1および距離L2とに基づいて、レール282により支持されたパレット200を理想的な部品供給位置に停止させるためのラック昇降装置204の停止位置が決定される。本実施形態においては、理想的な部品供給位置から上方へ距離L1および距離L2、隔たった位置が設定高さであり、設定高さと乗り移りセンサ312の配設高さとが異なっている。また、設定高さは、コンベヤベルト404,406の支持面426の高さとも異なっている。ラック昇降装置204の停止位置は、本実施形態においてはラック昇降モータ302の累積回転角を検出するエンコーダのカウント値によって規定され、複数対のレール282の各々について、乗り移りセンサ312による位置の検出毎に決定され、前記レール282の番号と対応付けてメモリに記憶される。このメモリは、ラック昇降装置作動位置メモリでもよく、それとは別に設けられたメモリでもよい。いずれにしても、ラック昇降装置204の停止位置を記憶するメモリがラック昇降装置停止位置メモリを構成する。ただし、この停止位置は、パレット200の部品供給位置への位置決め時に求められるようにしてもよい。
このように決定された停止位置にラック昇降装置204が停止させられることにより、回路部品20を供給するパレット200は理想的な部品供給位置に十分近い実際の部品供給位置に位置決めされる。そのため、ラック昇降装置204と搬送コンベヤ206との間の相対高さ誤差や、複数対のレール282間の相対高さ誤差の存在にもかかわらず、レール282の支持面286が搬送コンベヤ206のコンベヤベルト404,406の支持面426と正確に同一水平面内に位置させられ、パレット200のラック202と搬送コンベヤ206との間における受渡しがスムーズに行われる。ラック昇降装置204においては、ラック昇降モータ302が、ラック202の昇降開始時の昇降速度が滑らかに増大させられ、昇降終了時に滑らかに減速させられるように制御される。パレット200を部品供給位置に位置決めするためのラック昇降装置204の停止位置は予め取得されており、それに基づいて昇降速度制御を容易に行うことができる。
部品供給位置に位置決めされたパレット200は、搬送コンベヤ206により、部品収容平面に平行な水平方向に移動させられ、ラック202に収納された収納位置から引き出され、装着ヘッド60がトレイ50から回路部品20を取り出すことを許容する部品取出許容位置へ移動させられ、回路部品20の供給後、ラック202に戻される。
ラック202の昇降時には、搬送コンベヤ206の保持具410は、保持位置に位置させられ、パレット200の保持に備えて待機させられている。保持位置は、保持具410の一対のチャック458が、パレット搬送方向であって、ラック202のレール232の長手方向と平行な方向において、ラック202に収納されたパレット200の取手226とほぼ同じ位置に位置する位置である。ラック202の昇降時には、一対のチャック458は開かれており、ラック202に収納された複数のパレット200の各取手226の一対の握り部228はいずれも、把持爪460,462と干渉することなく、それらの間を通ることができる。前述のように、ラック202に収納されたパレット200の搬送方向の収納位置は、第一把持爪322がストッパ350によって回動限度を規定されることにより決められる。このストッパ350は複数のパレット把持装置320の全部について共用であり、ラック202に収納された状態において複数のパレット200の各取手226の搬送方向における位置はほぼ同じになり、ラック昇降時におけるチャック458との干渉が回避されるとともに、部品供給位置に位置決めされたパレット200の取手226がチャック458により把持される。
ラック202の昇降時には、その昇降速度が制御され、加速度および減速度が滑らかに増大,減少させられ、ラック202は衝撃少なく昇降を開始させられるとともに停止させられ、パレット200が衝撃少なく昇降を開始、停止させられてトレイ50の振動が抑制される。
パレット200はパレット把持装置320によってラック202に固定されており、また、トレイ50はパレット200に対して拘束部材272,274によって移動不能に拘束されており、ラック202の昇降時にパレット200がラック202に対して移動することがなく、また、トレイ50もパレット200に対して移動せず、昇降開始,停止時等にラック202を介してパレット200に衝撃が加えられても、パレット200およびトレイ50の振動が抑制され、収容凹部216に収容された回路部品20のずれや姿勢変更等が少なくて済む。
さらに、パレット200は、本実施形態においては、振動吸収層250を備えており、パレット200に振動が伝達されることがあっても、その振動はパレット自体により吸収され、トレイ50への伝達が少なくて済み、回路部品20のずれ等が良好に抑制される。パレット200は、振動吸収層250および磁性材料層252,254が積層されて成り、振動吸収能を備えつつ剛性が確保されるとともに、薄く、軽く形成されており、パレット200に伝達された振動が吸収されるとともに、振動しても長く振動し続けることはない。
回路部品20を供給するパレット200が部品供給位置に位置決めされた状態では、そのパレット200の取手226の一対の握り部228がそれぞれ、一対のチャック458の各把持爪460,462の間に位置する状態となり、チャック458が閉じられ、握り部228を把持し、パレット200が保持具410により保持されるとともに、パレット把持装置320によるパレット200の把持が解除される。第一,第二把持爪回動装置352,374によって爪保持体326,360が回動させられ、第一,第二把持爪322,324が解放位置へ回動させられるのである。この際、複数ずつの第一,第二把持爪322,324がそれぞれ一斉に回動させられ、回路部品20を供給するパレット200以外のパレット200の把持も解除されるが、部品供給時にはラック202は昇降させられないため、支障はない。
保持具410による取手226の保持とパレット把持装置320によるパレット200の解放とは、保持具410による取手266の保持とパレット把持装置320によるパレット200の把持とが同時に行われることがないように行われることが望ましい。そのため、本実施形態においては、パレット把持装置320によるパレット200の解放と保持具410による取手226の保持とが並行して行われ、把持爪322,324が解放位置への回動を開始させられるとともに、把持爪460,462が把持位置への移動を開始させられ、把持爪322,324が係合面246,248から離間した後に把持爪460,462が握り部268に係合し、保持し始める。そのため、パレット200がこじりなく、保持具410によって保持されるとともに、保持具410とパレット把持装置320とのいずれによっても保持されない自由状態にある時間が短く、姿勢が変わる恐れがない。あるいは、パレット把持装置320によるパレット200の把持が解除され、第一,第二把持爪322,324が解放位置へ回動させられた後に、保持具410が取手266の保持を開始するようにしてもよい。
保持具410が取手266を把持し、パレット200を保持した後、コンベヤベルト404,406が移動部材446が前進する方向、すなわちラック202から離れる方向へ周回させられる。それにより、保持具410により保持されたパレット200がラック202から引き出され、その一対のレール232がラック202のレール282から一対のコンベヤベルト404,406の支持部424上に乗り移る。
前述のように、回路部品20を供給するパレット200は、ラック202の昇降により高い位置決め精度で(理想的な部品供給位置に十分近い実際の部品供給位置に)位置決めされるため、コンベヤベルト404,406の支持面426と、ラック202の実際の部品供給位置に位置決めされたパレット200を支持するレール282の支持面286とが正確に同じ高さに位置させられ、パレット200はレール282からコンベヤベルト404,406上へスムーズに乗り移る。また、パレット200のレール232のパレット搬送方向の端部の下面には案内面236が設けられており、案内面236の傾斜によりパレット200の乗り移りが案内され、上記支持面426と支持面286との高さにたとえごく僅かな差があっても、パレット200は滑らかに乗り移ることができる。レール232は、その下面がパレット搬送方向に延びる一平面状を成し、その先端部がコンベヤベルト404,406上に乗れば、先端部以後の部分も続いて滑らかにコンベヤベルト404,406へ乗り移る。さらに、コンベヤベルト404,406の各支持部426とレール282とは、極く短い距離を隔てて近接して設けられており、パレット200は、その乗り移りの間、レール232のほぼ全体がレール282およびコンベヤベルト404,406により支持され、安定した状態で乗り移る。
パレット200を保持する保持具410はコンベヤベルト404,406に取り付けられていて、コンベヤベルト404,406と一体的に移動し、保持具410がパレット200の取手266を保持した状態において、コンベヤベルト404,406が周回駆動装置408によって周回させられるとき、保持具410が必然的にコンベヤベルト404,406と同じ速度で移動し、それにより、図15(b)に示すように、パレット200がラック202のレール282からコンベヤベルト404,406上に移載され、コンベヤベルト404,406により搬送される。したがって、パレット200が保持具410およびコンベヤベルト404,406に対して相対移動し、振動することが殆どなく、パレット200に対して拘束されたトレイ50も殆ど振動せず、トレイ50に収容された回路部品20のずれ等が回避される。
パレット200は、ラック202からコンベヤベルト404,406上へ移載されるとき、案内装置208の固定レール490と可動レール492との間に進入し、両レール490,492により、レール232の部品収容平面に直角な側面238において挟まれて移動を案内される。可動レール492はスプリング510の付勢により前進端位置に位置しているが、レール232の端部に設けられた案内部234の斜面の作用により、パレット200はスプリング510の付勢力に抗して可動レール492を固定レール490から離れる向きに移動させつつ、それらレール490,492間に進入し、可動レール492は側面238に係合し、スプリング510の付勢によりパレット200を固定レール490に押し付ける。前述のように可動レール492は、パレット搬送面と平行な水平面内においてパレット搬送方向と交差する方向に撓むことができ、スプリング510により付勢された可動レール492は、その長手方向に隔たった3箇所あるいはそれ以上の多数箇所においてパレット200のレール232の側面238に接触し、固定レール490と共に挟むことができる。その結果、パレット200は固定レール490および可動レール492により左右両側から適切な大きさの力で挟まれ、左右方向の移動を規制されつつ、部品取出許容位置への移動を案内される。それにより、パレット200の振動が抑制され、トレイ50に収容された回路部品20のずれ等が回避される。また、パレット200と固定レール490,可動レール492との間の摩擦力が小さく、パレット200はスムーズに移動することができ、振動が抑制される。
また、コンベヤベルト404,406は、本実施形態においてはゴムにより作られており、搬送コンベヤ206に伝達される振動はコンベヤベルト404,406の弾性変形により吸収されてパレット200への伝達が抑制され、また、保持具410等からパレット200に伝達される振動もコンベヤベルト404,406の弾性変形および内部摩擦により減衰させられる。
さらに、コンベヤベルト404,406は、歯412が設けられた外周面によりパレット200を支持し、歯412のない平坦な内周面においてガイドプーリ428により案内されるため、周回時におけるコンベヤベルト404,406の振動が少なくて済む。コンベヤベルト404,406が歯412が設けられた側においてガイドプーリ428によって案内されるのであれば、歯412がガイドプーリ428を乗り越える度にコンベヤベルト404,406が振動させられるのに対し、コンベヤベルト404,406とガイドプーリ428とは互いに滑らかな面で接触し、連続して係合し続け、コンベヤベルト404,406は振動少なく周回させられ、パレット200の振動が抑制される。
また、パレット200は、振動吸収層250および磁性材料層252,254が積層されて成り、ラック202の昇降により昇降させられる場合と同様に、パレット200自体による振動吸収による振動のトレイ50への伝達軽減効果,回路部品20のずれ等の良好な抑制効果,振動の早期の収束効果等が得られる。
パレット200が、予め設定された部品取出許容位置に到達した状態においてコンベヤベルト404,406が停止させられる。周回駆動装置408のベルト駆動モータ434は制御装置530により、コンベヤベルト404,406の周回開始時であって、パレット200の搬送開始時には、搬送速度が滑らかに増大させられ、周回終了時であって搬送終了時には滑らかに減速させられるように制御される。そのため、パレット200の搬送開始時および終了時においてそれぞれ、加速度および減速度が滑らかに増大,減少させられ、パレット200が衝撃少なく移動を開始、停止させられてトレイ50の振動が抑制される。
パレット200が部品取出許容位置へ到達すれば、装着ヘッド60がXY移動装置96により部品取出位置に移動させられるとともに、ヘッド昇降装置104により下降させられ、パレット200に支持されたトレイ50から回路部品20を取り出す。この際、装着ヘッド60は、回路部品20を供給するトレイ50の高さに応じた位置へ下降させられる。
パレット200には、トレイ50が1つのみ支持されることもあれば、複数、積層されて支持されることもある。後者の場合、最上段のトレイ50が回路部品20を供給し、そのトレイ50が空になれば、部品取出許容位置に設けられたトレイ取出装置(図示省略)によりパレット200から取り出されて排出装置(図示省略)に排出され、トレイ50の排出により最上段に位置することとなったトレイ50が回路部品20を供給する。そのため、トレイ50が排出される毎に、最上段のトレイ50のパレット200の上面である支持面260からの距離が短くなる。部品取出許容位置におけるパレット200の高さは、コンベヤベルト404,406によって支持された高さであって一定であり、パレット200に支持された複数のトレイ50のうち、最上段のトレイ50の高さは、トレイ50が排出される毎に低くなり、装着ヘッド60との距離が長くなるのであるが、装着ヘッド60の下降端位置が制御されることにより、最上段のトレイ50の高さに応じた位置へ装着ヘッド60が下降させられ、回路部品20を支障なく吸着する。
本実施形態においては、パレット200上に支持された少なくとも一つのトレイ50のうち、最上段のトレイ50の高さは、そのトレイ50のパレット200に対する高さを検出することにより取得される。そのため、まず、トレイ50が支持されていない状態でのパレット200の高さがトレイ高さ確認センサ550により検出される。
トレイ高さ確認センサ550は、本実施形態においては光電センサの一種である透過型光電センサによって構成されている。トレイ高さ確認センサ550の投光器および受光器(図示省略)は、フレーム300の部品供給位置に対応する位置より上側の位置であって、ラック202を挟んで、パレット搬送方向に隔たった位置に設けられており、部品供給位置においてラック202に出し入れされるパレット200と干渉することなく、パレット200およびトレイ50の高さを検出する。トレイ高さ確認センサ550の投光器および受光器はまた、ラック202の幅方向においては、投光器が放射する光が位置決め面262,把持部264によっては遮られることなく受光器により受光され、支持面260の高さおよび最上段のトレイ50の高さが検出されるように設けられている。
パレット200の高さの検出時には、ラック202の全部の棚284に空のパレット200が収納され、それらパレット200の各々について高さが検出される。例えば、ラック202が下降端位置から上昇させられ、パレット200がトレイ高さ確認センサ550が設けられた部分に至れば、投光器が放射する光がパレット本体230により遮られ、受光部の受光量が減少し、しきい値以下になれば、トレイ高さ確認センサ550の出力信号がONからOFFに変化する。この信号の変化により、パレット200が高さ確認位置に到達したことが検出される。その際のラック昇降モータ302の累積回転角(回転位置)を検出するエンコーダのカウント値がパレット200の高さとして、そのパレット200のラック202における収納位置を特定するデータ、例えば、ラック202の複数の棚284の各々に付された棚識別情報ないし収納位置識別情報である番号と対応付けて、コンピュータ540のRAM536に設けられたパレット高さメモリに記憶される。このパレット200の高さは、ラック202に搭載された複数のパレット200の各々について固有の値であり、予め検出されて記憶されており、RAM536のバックアップ部に記憶され、電源がOFFにされてもデータが残される。
そして、パレット200にトレイ50が搭載され、一連のプリント配線板14への回路部品20の装着開始に先立って、パレット200に支持されたトレイ50の高さが検出される。ラック202が上昇させられ、複数のパレット200の各々について、トレイ50が、トレイ高さ確認センサ550の投光器が放射する光を遮り、受光器の受光量がしきい値以下になってり、出力信号がONからOFFに変化する際のラック昇降モータ302のエンコーダのカウント値がトレイ50の高さとして取得され、そのトレイ50を支持するパレット200の高さと共に記憶される。パレット200について取得されたエンコーダの値と、トレイ50について取得されたエンコーダの値との差がパレット200に支持されている全部のトレイ50の厚さの総和に相当し、最上段のトレイ50のパレット200(支持面260)に対する高さを表す。トレイ50の高さは、例えば、トレイ50が空になり、パレット200から排出される毎に検出される。1つのトレイ50が連続して複数の回路部品20を供給する場合、その供給の途中で回路部品20がなくなり、トレイ50が排出された場合、同じパレット200に収容された次のトレイ50からの回路部品20の取出しが行われる前に、そのトレイ50の高さが検出され、装着ヘッド60の下降位置制御に使用される。高さ検出時には、トレイ50はラック202に戻される。
部品取出許容位置において搬送コンベヤ206のコンベヤベルト404,406により支持された状態におけるパレット200の高さは、支持面426の高さに基づいて予め取得され、固有値としてコンピュータ540のRAM536に記憶されている。パレット200の高さは、全部のパレット200について同じであり、誤差は無視することとする。したがって、部品取出許容位置におけるパレット200の高さと、パレット200により支持されたトレイ50のうち、最上段のトレイ50であって、回路部品20を供給するトレイ50のパレット200に対する高さとから、部品取出許容位置におけるトレイ50と、上昇端位置にある装着ヘッド60との距離が得られ、その距離に基づいて装着ヘッド60の下降端位置が制御され、吸着ノズル114がトレイ50に収納された回路部品20を損傷することなく、確実に吸着することができる位置へ下降させられる。
回路部品20の供給を終了したならば、パレット200はラック202へ戻される。そのため、コンベヤベルト404,406がパレット200を部品取出許容位置へ移動させる場合とは逆向きに周回させられ、移動部材466と共に保持具410が保持位置に向かって移動させられるとともに、パレット200がラック202へ向かって後退させられ、コンベヤベルト404,406からラック202に乗り移る。パレット200の一対のレール232が一対のコンベヤベルト404,406からラック202のレール282に乗り移るのである。パレット200が精度良く部品供給位置に位置決めされ、レール282の支持面286とコンベヤベルト404,406の支持面426とが精度良く同じ高さに位置させられているため、パレット200は戻し時にスムーズに乗り移る。この際、パレット200の乗り移りは、レール232の長手方向の端部に設けられた案内面236およびレール282の前端部に設けられた案内面288により案内されるとともに、レール232の長手方向の端部に設けられた案内部234により案内される。パレット200はラック202に戻され、収納される際にも、ラック202から引き出される場合と同様に振動が抑制されて搬送されるとともに、コンベヤベルト404,406からラック202へスムーズに移載される。
そして、移動部材446が保持位置へ到達し、パレット200がラック202に乗り移り終わった状態で移動が停止させられ、チャック458の把持爪460,462が開かれて、取手226が解放されるとともに、複数のパレット200の各々について設けられたパレット把持装置320の第一,第二把持爪322,324が把持位置へ回動させられ、パレット200を把持し、ラック202に固定する。これら保持具410による取手266の解放と、パレット把持装置320によるパレット200の把持とは、パレット200をラック202からコンベヤベルト404,406へ移載する場合と同様に、保持具410による取手266の保持とパレット把持装置320によるパレット200の把持とが同時に行われることがないように行われることが望ましく、本実施形態においては、保持具410による取手266の解放とパレット把持装置320によるパレット200の把持とが並行して行われる。その後、ラック202が昇降させられ、次に回路部品20を供給するパレット200が部品供給位置に位置決めされる。
なお、図示および詳細な説明は省略するが、トレイ型部品供給装置26において、パレット200のラック202への収納および部品取出許容位置への到達等は、図示を省略するセンサによって検出され、それら検出に基づいて、ラック202の昇降等、次に行われるべき動作が行われるようにされている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置530のパレット200に支持されたトレイ50のパレット200に対する高さとパレット200の高さとに基づいて、パレット200に搭載された全部のトレイ50の高さであって、回路部品20を供給するトレイ50のパレット200に対する高さを取得する部分が、高さ検出装置としてのトレイ高さ確認センサ550と共にトレイ−パレット高さ差依拠トレイ高さ取得部を構成し、パレット200に搭載されたトレイ50の高さに応じてヘッド昇降装置104を制御し、装着ヘッド60の下降端位置を制御する部分が高さ制御部を構成している。また、制御装置530のベルト駆動モータ434を制御し、パレット200の搬送速度を制御する部分がパレット搬送用加減速度制御部を構成し、ラック昇降モータ302を制御し、ラック202の昇降速度を制御する部分がラック昇降用加減速度制御部を構成している。さらに、制御装置530のラック昇降装置304の複数の停止位置を決定する部分が停止位置決定部を構成し、その決定された停止位置に基づいてラック昇降装置204を制御する部分およびラック昇降装置作動位置記憶部を構成するラック昇降装置作動位置メモリと共に昇降制御部を構成し、部品収容器保持部検出装置を構成する乗り移りセンサ312と共に高さ合わせ装置を構成している。
上記実施形態において、搬送コンベヤ206のコンベヤベルト404,406の支持部424は、ガイドプーリ428によって支持されるようにされていたが、図22に示すように、ベルト支持部材としてのガイドレール600によって支持させるようにしてもよい。
本発明の別の実施例である電子回路部品供給装置を備えた電子回路部品装着機を図23ないし図27に基づいて説明する。本電子回路部品供給装置はトレイ型部品供給装置であり、パレット,相対移動阻止装置,搬送コンベヤの保持具,搬送コンベヤによるパレットの移動を案内する案内装置,搬送コンベヤの一対のコンベヤベルトを支持するベルト支持部材が図1ないし図21に示す実施形態のトレイ型部品供給装置26と異なっている。これら以外の部分は、トレイ型部品供給装置26およびそれを含む電子回路部品装着機と同様に構成されており、説明を省略する。また、前記実施形態の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同じ符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
パレット640および相対移動阻止装置たるパレット保持装置650を説明する。パレット保持装置650は、図23および図24に示すように、前記パレット把持装置320と同様にラック652に設けられている。ラック652は、前記ラック202とほぼ同様に構成されており、パレット保持装置650は、ラック本体654の、複数対のレール656の各対に対応する部分にそれぞれ設けられている。これら複数のパレット保持装置650はそれぞれ、部品収容器可動保持部材としてのパレット保持ピン660,部品収容器固定保持部材の部品収容器平行方向保持面たるパレット保持面662およびパレット保持ピン移動装置664を含む。
パレット保持ピン移動装置664は、複数のパレット保持ピン660に共通のピン駆動部材668および駆動源としてのエアシリンダ670を含む。ラック本体654の一対の側壁672の一方の外面には、図23に示すように、取付部材674が上下方向に設けられるとともに、側壁672との間に、ピン駆動部材668が、レール656のパレット640を下方から支持する支持面676に平行な方向であって、ラック652の幅方向ないし左右方向(支持面676に平行な平面内においてレール656の長手方向に直角な方向)に移動可能に配設されている。ピン駆動部材668は長い板状を成し、上下方向において複数対のレール656の全部にわたって配設され、取付部材674に取り付けられたエアシリンダ670により移動させられ、他方の側壁672側であって、パレット保持面662に接近,離間させられる。ピン駆動部材668の移動は、一対ずつの案内部材たるガイドロッド678およびガイドブロック680(図23には1つずつ図示されている)を含む案内装置682により案内される。
複数のパレット保持装置650の各パレット保持ピン660は、図24に一部を示すように、ピン駆動部材668の前記複数対のレール656の各々に対応する部分にそれぞれ、ラック652の左右方向に平行な方向に直線状に相対移動可能に嵌合されている。パレット保持ピン660は、図23に示すように、本実施例では、横断面形状が円形を成し、そのラック652側の端部である先端部は円錐状の係合部686とされている。パレット保持ピン660は、ピン駆動部材668との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としてのばね部材たる圧縮コイルスプリング688により、ピン駆動部材668に対して、ピン駆動部材668からラック652側に突出する向きであって、パレット640に接近する向きに付勢されるとともに、側壁672を厚さ方向に貫通して形成された開口690に相対移動可能に嵌合されており、図23に実線で示すように、ラック本体654内に突出することができ、レール656の支持面676よりやや上側の部分に突出する。スプリング688の付勢によるパレット保持ピン660の移動限度は、本実施形態では、パレット保持ピン660に設けられて規定部を構成する止め輪689がピン駆動部材688に設けられて規定部を構成する当接部692に当接することにより規定される。
複数のパレット保持ピン660は、ピン駆動部材668がエアシリンダ670によって移動させられることにより一斉に移動させられ、パレット640を保持する保持位置と、パレット640を解放する解放位置とに移動させられる。前記パレット保持面662は、本実施例では、ラック本体654の他方の側壁672の支持面676に直角な面により構成され、複数対のレール656の各々について設けられている。側壁672のパレット保持面662が設けられた部分が部品収容器固定保持部材を構成している。
パレット640には、図23および図25に示すように、一対のレール700の一方の、パレット搬送方向に平行な方向のほぼ中央に、横断面形状がV字形を成す係合溝702が上下方向に貫通して設けられている。
パレット保持装置650がパレット640を保持せず、解放した状態では、ピン駆動部材668が、ラック652から最も離間した後退端位置に位置させられ、パレット保持ピン660が、図23に二点鎖線で示すように、係合部686が係合溝702から抜け出させられ、開口690内に退避させられた解放位置に位置させられる。この状態では、パレット保持ピン660はパレット640のレール700と干渉せず、パレット640のラック652への出入れを許容する。パレット保持ピン660と取付部材674との干渉は、取付部材674に設けられた開口710により回避される。
パレット保持装置650が、一対のレール700が一対のレール656上に載置され、支持面676により下方から支持されたパレット640を保持する際には、ピン駆動部材668がエアシリンダ680により前進させられ、複数のパレット保持ピン660が一斉に前進させられ、ラック本体654内に突出させられて係合溝702に嵌入させられる。この際、パレット保持ピン660と係合溝702とに前後方向(レール656に平行な方向)の位置ずれがあっても、係合部686および係合溝792のそれぞれの傾斜面の作用により係合部686が係合溝702に嵌入し、一対のレール700の他方をパレット保持面662に押し付ける。パレット保持ピン660,パレット保持面662はそれぞれ、支持面676に平行な方向から、パレット640の一対のレール700の各々に係合して、パレット640の支持面676に平行な方向(前後方向および幅方向)の移動を阻止し、パレット保持ピン660はパレット保持面662と共にパレット640を保持してラック652に固定する。この状態では、パレット640がパレット保持面662により左右方向において位置決めされる。パレット保持面662は、パレット位置決め面でもある。
パレット640のラック652への出し入れは、例えば、作業者により行われ、ラック652全体が部品供給位置から外れた位置、例えば、部品供給位置より上方のパレット出し入れ領域ないしパレット収納作業領域へ移動させられた状態で行われる。パレット出し入れ領域の前部(搬送コンベヤ側の部分)には、図示は省略するが、パレット640の、レール656の長手方向に平行な方向においてラック652への収納端位置を規定する収納端位置規定部材が前記フレーム300と同様のフレーム(図示省略)に位置を固定し、ラック652の複数対のレール656の全部にわたって設けられている。作業者は台車の後ろ側(搬送コンベヤとは反対側)の扉を開けてレール656上にパレット640を載せ、収納端位置規定部材によって規定されるまでパレット640を前進させ、棚にパレット640を収納する。収納後、台車の扉を閉めれば、パレット640が前後方向において位置決めされる。このように位置決めされた状態では、パレット640の係合溝702とパレット保持ピン660との前後方向の位置がほぼ一致し、パレット保持ピン660が前進させられて係合溝732に嵌入し、パレット640を保持することができる。部品供給位置には収納端位置規定部材は設けられておらず、パレット640の搬送コンベヤへの移載が妨げられることはない。また、ラック昇降方向において収納端位置規定部材が設けられていない領域の後部には、パレット640のラック652への収納を阻止する収納阻止部材が設けられ、収納端位置が規定されない状態では、パレット640のラック652への収納が行われないようにされている。
ピン駆動部材668の前進端位置は、パレット保持ピン660が係合溝702に嵌入し、係合溝702の溝側面に係合することが予定された位置より更に前進した位置に設定されており、ピン駆動部材668の余分な移動は、スプリング688が圧縮され、ピン駆動部材668とパレット保持ピン660とが相対移動することにより許容される。そのため、複数のパレット保持ピン660は一斉に前進させられるが、ラック652やパレット640等の製造誤差や組付誤差等により、複数のパレット保持ピン660の各々について、係合溝702に嵌入し、パレット640をラック652に固定するのに要する前進距離が異なっていても、全部のパレット保持ピン660が係合溝702に嵌入し、パレット640をラック652に固定することができる。パレット保持ピン660はスプリング688の付勢により係合溝702の溝側面に押し付けられ、パレット保持面662と共にパレット640を保持した状態に保たれる。また、係合溝702はパレット640を上下方向ないし厚さ方向に貫通して設けられているため、パレット保持ピン660と係合溝702とが係合させられるとき、パレット640は上下方向においては拘束されない。そのため、例えば、パレット保持ピン660と係合溝702とに上下方向の位置ずれがあっても、パレット保持ピン660はパレット640をよじらせたりすることなく、係合溝702に確実に嵌入することができる。
パレット保持装置650がパレット640を解放する際には、ピン駆動部材668がエアシリンダ670により後退させられてラック652から離間させられ、複数のパレット保持ピン660が一斉に係合溝702から抜け出せられ、係合部686が側壁672の開口690内に退避させられて、パレット640のラック652からの引出しが可能とされる。
搬送コンベヤ740の保持具750および案内装置752を図25ないし図27に基づいて説明する。搬送コンベヤ740は、図25に示すように、前記搬送コンベヤ206と同様に一対のコンベヤベルト756,758および周回駆動装置760を含むが、一対のコンベヤベルト756,758の支持部762,764はそれぞれ、ベルト支持部材としてのガイドレール766,768により支持される。周回駆動装置760は前記周回駆動装置408と同様に構成されており、一対のガイドレール766,768はそれぞれ、周回駆動装置760と共に一対の支持部材770,772に取り付けられている。ガイドレール766,768は同様に構成されており、ガイドレール766を図27に基づいて代表的に説明する。
ガイドレール766により支持されるコンベヤベルト756は、前記コンベヤベルト404,406と同様に外周面に歯を備えたタイミングベルトであり、ガイドレール766は、コンベヤベルト756の平坦な内周面に接触し、下方から支持するベルト支持面776と、ベルト支持面776の長手方向に平行な両縁に沿ってそれぞれ設けられ、ベルト支持面776から直角に突出させられた規制部778,780とを備えている。ベルト支持面776には、本実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレンがコーティングされて低摩擦材製とされている。また、ベルト支持面776の幅方向の中央部には、ベルト支持面776に開口し、ガイドレール766の長手方向に平行に貫通する溝782が設けられ、後述する移動部材をコンベヤベルト756に固定するためのボルトおよびナットとの干渉が回避されるようにされている。コンベヤベルト756は、周回駆動装置760を構成するガイドプーリ784等に巻き掛けられるとともに、ガイドレール766のベルト支持面776上に載置され、ベルト支持面776によって下方から支持されるとともに、規制部778,780によって幅方向のずれを防止されつつ周回させられる。ベルト支持部材をガイドレールとすれば、ガイドプーリとする場合に比較してコンベヤベルトのガイドに要する部品の点数が少なくて済み、設置が容易である。
案内装置752は、図25および図27に示すように、前記一対の支持部材770,772にそれぞれ取り付けられた複数ずつ、本実施形態においては3個ずつの回転案内部材としてのガイドローラ790(図27には1個のみ図示されている)を含む。これら3個ずつのガイドローラ790はそれぞれ、支持部材770,772に、パレット搬送平面に直角であって、部品収容平面に直角な軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、片側の3個ずつのガイドローラ790はパレット搬送方向に平行な一直線に沿って並んで設けられている。3個ずつのガイドローラ790は、搬送コンベヤ740により搬送されるパレット640の部品収容平面内において両側にそれぞれ、設けられているのである。ガイドローラ790は、本実施例においては、ゴムにより形成されており、その外周面の一部がガイドレール766,768上に突出させられている。
保持具750は、前記保持具410と同様に、一対のコンベヤベルト756,758の支持部762,764を構成する部分にそれぞれ、長手方向の両端部を着脱可能に固定された移動部材800に設けられ、コンベヤベルト756,758と同じ速度で移動させられる。保持具750は、図26および図27に示すように、係合部材としての一対の係合ピン802,804を含み、係合ピン802,804はそれぞれ係合部材移動装置としての係合ピン移動装置806,808により移動させられる。一対ずつの係合ピン802,804および係合ピン移動装置806,808はそれぞれ同様に構成されており、係合ピン802および係合ピン移動装置806を代表的に説明する。
係合ピン802は、本実施例では、横断面形状が円形を成し、円錐状の係合突部810を備えている。係合ピン802は、図26および図27に示すように、移動部材800のラック652側の面に、それぞれ案内部材としてのガイドレール816およびガイドブロック818を含む案内装置820により案内されて、パレット搬送平面内に平行な平面内においてパレット搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられるとともに、外向きに、すなわち係合突部810がコンベヤベルト756側に位置する状態で設けられている。
係合ピン802にはまた、図27に示すように、軸状部826が係合ピン802の移動方向と平行に、かつ係合突部810とは逆向きに設けられるとともに、移動部材800に設けられたブラケット828に軸方向に相対移動可能に嵌合されている。係合ピン802は、ブラケット828との間に配設された付勢手段の一種である弾性部材としてのばね部材たる圧縮コイルスプリング830により外向きに付勢され、係合突部810が前記パレット640の前面に設けられた係合凹部としての係合溝832に嵌入する向きに付勢されている。係合溝832は、横断面形状がほぼ三角形状を成し、上下方向に貫通して設けられている。スプリング830の付勢による係合ピン802の移動限度は、軸状部826に設けられたストッパ部834がブラケット828に当接することにより規定される。係合ピン802は、スプリング830の付勢により、図27に二点鎖線で示すように係合溝832に嵌入し、パレット640の係合溝832が設けられた部分である被保持部を保持した状態に保たれる。係合ピン802は、ストッパ部834によって移動を規定される前に係合溝832に嵌入してパレット640を保持する。
スプリング830の付勢による係合ピン802のパレット640の保持は、ピン解放装置840により解放される。ピン解放装置840は、本実施形態では、駆動源としてのエアシリンダ850および駆動部材としてのアーム852を含み、前記一対の支持部材770,772により保持された支持部材854(図26参照)に設けられ、位置を固定して設けられている。アーム852は、エアシリンダ850により、係合ピン802の移動方向と平行な方向に移動させられ、係合ピン802がスプリング830の付勢による移動端位置に位置する状態において、図27に二点鎖線で示すように、軸状部826に設けられた係合部856の外側(スプリング830側)に、係合部856との間に隙間を残して位置する非作用位置ないし待機位置と、図27に実線で示すように、係合部856に係合し、係合ピン802をスプリング830の付勢力に抗して移動させ、係合突部810を係合溝832から抜け出させる作用位置とに移動させられる。係合ピン移動装置806は、これらスプリング830およびピン解放装置840を含む。係合ピン移動装置808も同様である。前記係合溝832は、図25に示すように、パレット640の前面の幅方向に距離を隔てた2箇所にそれぞれ、互いに向かい合う状態で設けられており、係合突部810がコンベヤベルト756,758側を向いた外向きの状態で互いに逆向きに設けられた2つの係合ピン802,804は、係合ピン移動装置806,808により互いに逆向きに移動させられて係合溝832に嵌入し、離脱させられる。
ラック652が昇降させられる際には、図25に示すように、保持具750はパレット搬送方向においてラック652に隣接する保持位置に位置させられ、パレット640の保持に備えて待機させられている。前記アーム852が作用位置に位置させられ、一対の係合ピン802,804は、係合突部810が係合溝832から抜け出せられてパレット640を解放する解放位置に位置させられているのである。そのため、パレット640は係合溝832が設けられた部分が係合ピン802,804と干渉することなく昇降させられる。複数のパレット640の一つが部品供給位置に位置決めされたならば、アーム852がエアシリンダ850によって待機位置へ移動させられる。それに伴って係合ピン802,804がそれぞれスプリング830の付勢により前進させられ、係合突部810が係合溝832に嵌入させられる。保持具750がパレット640を保持する際には、スプリング830の付勢による係合ピン802,804の移動限度がストッパ部834とブラケット828との当接によって規定される前に係合突部810が係合溝832の溝側面に係合し、一対の係合ピン802,804が互いに逆向きに移動させられてパレット640を互いに突っ張った状態で保持する状態が得られる。係合突部810が係合溝832に嵌合された後もアーム852は移動させられて予め設定された待機位置まで移動させられ、アーム852が係合部856から離間させられるが、係合ピン802,804はスプリング830の付勢により係合溝832に嵌入し、パレット640を保持した状態に保たれる。また、アーム852は係合部856から離れ、保持具750がパレット640を保持して移動することを許容する。
保持具750がパレット640を保持した後、コンベヤベルト756,758が周回駆動装置760によって周回させられ、移動部材800が移動させられるとともに、保持具750により保持されたパレット640が移動させられ、ラック652から引き出されてコンベヤベルト756,758に乗り移り、搬送される。この際、複数のガイドローラ790が回転しつつパレット640の移動を案内する。ガイドローラ790は、その外周面の一部がガイドレール766,768上であって、パレット640の搬送経路内に僅かに突出させられているが、その円筒面状の外周面および一対のレール700の前端部に傾斜して設けられた案内部860に案内されて、パレット640の両側のガイドローラ790間に、ゴム製のガイドローラ790を弾性変形させつつ進入し、ガイドローラ790により両側から挟まれて左右方向において移動を規制され、位置決めされた状態で移動を案内される。パレット640は、その左右方向においてラック652に、保持具750により保持されてラック652のレール700からコンベヤベルト756,758に移載されるとき、両側のガイドローラ790間にスムーズに進入可能な位置に収納されている。また、ガイドレール766,768の支持面776は摩擦係数が低くされており、コンベヤベルト756,758は摩擦が少なく、振動少なく滑らかに周回させられ、パレット640は振動少なく搬送される。
パレット640が部品の供給を終了し、ラック652に戻される際には、移動部材800の移動により保持具750が保持位置へ移動させられてパレット640がラック652に収納された後、保持具650によるパレット640の保持が解除される。この際、一対の係合ピン移動装置806,808の各アーム852は待機位置に位置させられており、一対の係合ピン802,804の各係合部856はそれらアーム852の間へ進入させられる。保持具750の保持位置への移動後、アーム852が作用位置へ移動させられるが、その途中で係合部856に係合し、係合ピン802,804をスプリング830の付勢力に抗して後退させ、係合突部810を係合溝832から離脱させてパレット640を解放させる。なお、保持具650によるパレット640の保持,解放と、パレット保持装置650によるパレット640の保持,解放とのタイミング、ラック652の昇降位置の位置決め等は、前記実施形態と同様に行われるため、説明を省略する。
なお、部品収容器保持装置(パレット保持装置650)の部品収容器平行方向保持面(パレット保持面662)は低摩擦材によって形成してもよい。低摩擦材は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン製とすることができる。
また、部品収容器保持装置の固定係合部材を、パレット保持ピン660と同様のパレット保持ピンとしてもよい。
さらに、部品収容器保持装置の固定係合部材は、ローラとしてもよい。ラックのレールが設けられた部分に、少なくとも一つのローラを、それぞれ収容器支持面に直角な回転軸線まわりに回転可能に、かつ、外周面の一部がレール上に突出した状態で設ける。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、本発明に係る電子回路部品供給装置は、複数の部品収容器保持部の各々が、部品収容器を下方から支持する収容器支持面を備え、前記相対移動阻止装置が、収容器支持面に平行な方向から前記部品収容器の複数個所の各々に係合して、その部品収容器の少なくとも前記部品収容器支持面に平行な方向の移動を阻止する平行方向移動阻止装置を含むと考えることができる。複数の部品収容器保持部の各々に対応して設けられた複数の平行方向移動阻止装置はそれぞれ、相対移動阻止装置を構成する。前記パレット把持装置320およびパレット保持装置650が平行方向移動阻止装置の一態様である。複数の部品収容器保持部の各々が、部品収容器を下方から支持する収容器支持面を備え、相対移動阻止装置が、前記収容器支持面に直角な方向から前記部品収容器の複数個所の各々に係合して、その部品収容器の少なくとも前記部品収容器支持面に直角な方向の移動を阻止する直角方向移動阻止装置を含んでもよい。
上記平行方向移動阻止装置の一態様である装置は、前記部品収容器の複数個所の各々に係合する複数の係合部材と、それら複数の係合部材の少なくとも1つを前記収容器支持面に平行な方向に移動させる係合部材移動装置とを含む。前記パレット把持装置320の一対ずつの第一,第二把持爪322,324が係合部材に相当し、第一,第二把持爪回動装置352,374が係合部材移動装置に相当する。複数の係合部材は、その少なくとも一つを静止して設けられた固定係合部材とし、別の少なくとも一つを前記係合部材移動装置により前記固定係合部材に対して接近,離間させられる可動係合部材とすることができる。パレット保持装置650のパレット保持ピン660が可動係合部材に、ラック本体654のパレット保持面662が設けられた部分が固定係合部材に、パレット保持ピン移動装置664が係合部材移動装置にそれぞれ相当する。パレット把持装置320は、複数の係合部材の全部が可動係合部材である平行方向移動阻止装置の一態様である。
また、複数の部品収容器保持部の各々に対して設けられた複数の可動係合部材を、それら複数の可動係合部材に共通の駆動部材と、その駆動部材を駆動する駆動源とを含む前記係合部材移動装置により移動させるとともに、それら複数の可動部材を共通の駆動部材に対して相対移動可能とし、かつ、各可動係合部材と共通の駆動部材との間に各可動部材を共通の駆動部材に対して前記部品収容器に接近する向きに付勢する付勢手段を設けることができる。前記爪保持体326,360,ピン駆動部材668がそれぞれ共通の駆動部材に相当し、エアシリンダ340,366,670がそれぞれ共通の駆動源に相当する。複数の可動係合部材をそれぞれ移動させる複数の係合部材移動装置は、それぞれ専用の駆動部材および駆動源を含む装置とすることもできる。この場合、複数の部品収容器について個々に可動係合部材を係合させ、係合を解除することができ、例えば、ラックから引き出されて電子回路部品を供給する部品収容器のみについて可動係合部材の係合を解除して移動可能とし、電子回路部品を供給しない部品収容器については係合部材を係合させたままとすることができ、動く恐れがない。複数の可動係合部材が駆動部材および駆動源を共通とする場合でも、電子回路部品を供給する部品収容器のみについて可動係合部材の係合を解除するようにしてもよい。例えば、ラックの部品供給位置に対応する部分に、可動係合部材の部品収容器に対する係合を解除する係合解除装置を設ける。例えば、パレットがパレット保持装置650により保持されるのであれば、パレット保持ピン660をスプリング688の付勢力に抗して後退させ、係合部686を係合溝702から離脱させるとともに、パレット保持ピン660がスプリング688の付勢によりパレット640に係合することを許容する離脱・係合許容装置を設ける。
また、本発明に係る電子回路部品供給装置は、部品収容器の被保持部を保持して前記一対の無端搬送部材と同じ速度で移動する前記保持具を前記被保持部を保持した状態に保つ付勢手段と、その付勢手段の付勢力に抗して前記保持具に前記被保持部を解放させる保持具解放装置とを含むと考えることができる。保持具解放装置は、少なくとも、前記無端搬送部材による前記部品収容器の搬送方向において位置固定に設けることができる。前記保持具410のスプリング472および保持具750のスプリング830がそれぞれ付勢手段に相当し、前記チャック駆動装置474およびピン解放装置840がそれぞれ保持具解放装置に相当する。
また、前記保持具が少なくとも1つの可動保持部材を含み、当該電子回路部品供給装置がその少なくとも1つの可動保持部材を移動させる保持部材移動装置を含むとも考えることができる。保持部材移動装置は、上記付勢手段および保持具解放装置を含む。前記一対のチャック458のそれぞれおよび一対の係合ピン802,804のそれぞれが可動保持部材に相当し、スプリング472およびチャック駆動装置474が保持部材移動装置を相当し、係合ピン移動装置806,808がそれぞれ保持部材移動装置に相当する。保持部材移動装置は、前記少なくとも1つの可動保持部材を前記無端搬送部材による前記部品収容器の搬送方向と交差する方向に移動させるものとすることができる。係合ピン移動装置806,808がそれぞれ、この保持部材移動装置に相当する。
また、前記可動保持部材を少なくとも1対設け、前記保持部材移動装置を、それら少なくとも一対の可動保持部材を前記無端搬送部材による前記部品収容器の搬送方向と直交する方向において互いに逆向きに移動させるものとすることができる。前記一対の係合ピン802,804が可動保持部材に相当し、係合ピン移動装置806,808がそれぞれ保持部材移動装置に相当する。保持部材移動装置は、一対の可動保持部材の各々に設けてもよく、少なくとも一部を共通に設けてもよい。例えば、1つの駆動源により一対の可動保持部材を移動させる装置とすることができる。
前記被保持部と前記可動保持部材との一方を凹部を有し、他方をその凹部と嵌合可能な突部を有し、それら凹部と突部との係合により前記保持具が被保持部を保持するものとすることができる。前記把持爪460,462の位置決め凹部466,468が凹部に相当し、取手266の握り部268が突部に相当し、係合溝832が凹部に相当し、係合ピン802,804の係合突部810が係合突部に相当する。
さらに、部品収容器移動装置による部品収容器の移動を案内する案内装置が一対の案内部材を含む場合、それら一対の案内部材は、例えば、前記部品収容平面内において前記部品収容器の両側に、部品収容平面と交差する軸線のまわりに回転可能に設けられたガイドローラを含むものとすることができる。この際、ガイドローラを、前記部品収容平面内において前記部品収容器の両側に、それぞれ複数ずつ、例えば、各片側3個以上ずつ設け、かつ、各片側の複数ずつのガイドローラを、前記部品収容器の移動方向に平行な直線に沿って並んで設けることができる。また、前記ガイドローラの少なくとも前記部品収容器に接触する部分が、ゴムまたはその類似物により形成される。前記案内装置752のガイドローラ790が上記ガイドローラに相当する。
また、搬送コンベヤのコンベヤベルトを内周面に多数の歯を有するタイミングベルトとし、その支持部をガイドレールによって支持させてもよく、あるいは複数のガイドプーリによって支持させてもよい。
さらに、第一把持部材駆動装置および第二把持部材駆動装置は、複数の第一把持部材および第二把持部材のそれぞれについて専用に設けてもよい。それにより、例えば、部品供給位置に位置決めされた部品収容器を把持する第一,第二把持部材のみの把持を解除して部品収容器を移動可能な状態とし、回路部品を供給する部品収容器以外の部品収容器はラックに固定したままとすることができる。
また、部品収容器把持装置の第一,第二把持部材および第一,第二把持部材駆動装置は、第一,第二把持部材が、部品収容器に部品収容平面と交差する方向から係合し、把持するものとしてもよい。
さらに、トレイを振動吸収材料製としてもよい。
また、電子回路部品装着機は、装着ヘッドが装着ヘッド移動装置によってXY座標面内の任意の位置へ移動させられる所謂XYロボット型の電子回路部品装着機に限らず、別の形態の電子回路部品装着機、例えば、インデックステーブル型(あるいはロータリ型ともいう)等、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機でもよい。インデックステーブル型の電子回路部品装着機は、回転体と、回転体を回転させる回転体回転装置とを含み、回転体の回転により、回転体に保持された複数の装着ヘッドがそれぞれ保持する少なくとも1つの吸着保持具の1つが順次、複数の停止位置へ移動させられ、部品受取位置において部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置において回路基板に電子回路部品を装着するものである。この際、基板保持装置は、基板保持装置移動装置により移動させられて、回路基板の部品装着箇所が、部品装着位置に位置決めされた部品保持具に対応する位置に位置決めされる。回転体および回転体回転装置がヘッド旋回装置を構成し、基板保持装置移動装置と共に、装着ヘッドと基板保持装置とを相対移動させる相対移動装置を構成する。ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にはまた、複数の装着ヘッドがそれぞれ、共通の旋回軸線のまわりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材にそれぞれ設けられたものがある。複数の回動部材には、それぞれ上記旋回軸線のまわりに一周するとともに、その一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時間差を有する回動運動が回動運動付与装置により付与される。
さらに、電子回路部品装着機は、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−243431および特願2002−338553の明細書に記載されているように、複数の装着ユニットを直列に含む電子回路装着機でもよい。これら装着ユニットはそれぞれ、部品供給部,回路基板保持部および部品装着部を備え、部品供給部から供給される電子回路部品を部品装着部により回路基板保持部に保持された回路基板に装着し、複数の装着ユニットの共同により1枚の回路基板への電子回路部品の装着作業を行う。複数の装着ユニットはそれぞれモジュール化することができ、電子回路部品装着機の構成変更,装着ユニットの交換等を容易に行うことができる。複数の装着ユニットの各々が電子回路部品装着機であると考えることもできる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明の開示〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
Claims (19)
- 平面状に配置された複数の部品収容部をそれぞれ有し、それら部品収容部の各々に電子回路部品が1個ずつ取出し可能に収容される複数の部品収容器と、
それら複数の部品収容器の少なくとも1つを、前記部品収容部が配置された部品収容平面に平行な方向に移動可能にそれぞれ保持する複数の部品収容器保持部を備えたラックと、
そのラックを前記部品収容平面と交差する方向に昇降させるラック昇降装置と、
そのラック昇降装置の停止状態において部品収容器を前記部品収容平面に平行な方向に移動させ、前記ラックに収納された収納位置と、ラックから引き出され、前記部品収容部に収容された電子回路部品の取出しを許容する部品取出許容位置とに移動させる部品収容器移動装置と
を含む電子回路部品供給装置であって、
前記ラック昇降装置による前記ラックの昇降時と、前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動時との少なくとも一方において前記部品収容器の振動を抑制する振動抑制装置を含む電子回路部品供給装置。 - 前記振動抑制装置が、前記ラックと前記複数の部品収容器の各々との間の相対移動を、少なくとも前記ラックの昇降時に阻止する相対移動阻止装置を含む請求の範囲第1項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記複数の部品収容器保持部の各々が、前記部品収容器を下方から支持する収容器支持面を備え、前記相対移動阻止装置が、前記収容器支持面に平行な方向から前記部品収容器の複数個所の各々に係合して、その部品収容器の少なくとも前記収容器支持面に平行な方向の移動を阻止する平行方向移動阻止装置を含む請求の範囲第2項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記部品収容器移動装置が搬送コンベヤを含み、その搬送コンベヤが、一対の無端搬送部材と、それら無端搬送部材を予め定められた経路に沿って周回させる周回駆動装置と、前記部品収容器の被保持部を保持して前記一対の無端搬送部材と同じ速度で移動する保持具とを含み、その保持具が前記部品収容器の被保持部を保持した状態において、前記一対の無端搬送部材が周回駆動装置によって周回させられるとき、その保持具がそれら無端搬送部材と同じ速度で移動することにより、前記部品収容器が前記ラックの部品収容器保持部から前記一対の無端搬送部材上に移載され、それら無端搬送部材により搬送されるようにされた構成が前記振動抑制装置を構成する請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記保持具を前記被保持部を保持した状態に保つ付勢手段と、
その付勢手段の付勢力に抗して前記保持具に前記被保持部を解放させる保持具解放装置と
を含む請求の範囲第4項に記載の電子回路部品供給装置。 - 前記保持具が少なくとも一つの可動保持部材を含み、当該電子回路部品供給装置がその少なくとも一つの可動保持部材を移動させる保持部材移動装置を含み、かつ、前記被保持部と前記可動保持部材との一方が凹部を有し、他方がその凹部と嵌合可能な突部を有し、それら凹部と突部との係合により前記保持具が被保持部を保持する請求の範囲第4項または第5項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記一対の無端搬送部材がゴムまたはその類似物から成るコンベヤベルトであり、そのコンベヤベルトが前記振動抑制装置を構成する請求の範囲第4項ないし第6項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記コンベヤベルトが外周面に多数の歯を備えたタイミングベルトであり、前記周回駆動装置が、
そのタイミングベルトが巻き掛けられる2個以上のガイドプーリと、
前記外周面の歯と噛み合うタイミングプーリと、
そのタイミングプーリを回転駆動する回転駆動装置と、
前記タイミングベルトの前記部品収容器を支持する部分の内周面を支持するベルト支持部材と
を備えた請求の範囲第7項に記載の電子回路部品供給装置。 - 少なくとも前記周回駆動装置を制御する制御装置を含み、その制御装置が前記無端搬送部材による前記部品収容器の搬送開始時に搬送速度を滑らかに増大させ、搬送終了時に滑らかに減速させる加減速度制御部を含み、その加減速度制御部が前記振動抑制装置を構成する請求の範囲第4項ないし第8項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動を案内する案内装置を備え、その案内装置が一対の案内部材を含み、前記部品収容器の移動を、前記部品収容平面に直角な側面において案内し、かつ、前記一対の案内部材が、前記部品収容平面内において前記部品収容器の両側に、部品収容平面と交差する軸線のまわりに回転可能に設けられたガイドローラを含む請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記ガイドローラの少なくとも前記部品収容器に接触する部分が、ゴムまたはその類似物により形成された請求の範囲第10項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記部品収容器が、電子回路部品を収容するトレイを支持する振動吸収材料製のパレットを含み、そのパレットが振動吸収材料製である請求の範囲第1項ないし第11項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記パレットが、前記振動吸収材料製の振動吸収層と、その振動吸収層を表裏両面側から挟む金属材料層とを含む請求の範囲第12項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記振動抑制装置が、前記パレットに支持された前記トレイを、前記部品収容平面に平行な方向において移動不能に拘束する拘束装置を含み、前記金属材料層が磁性材料層であり、前記拘束装置が少なくとも永久磁石部を有する拘束部材を含む請求の範囲第13項に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記振動抑制装置が、前記ラック昇降装置と前記部品収容器移動装置との間の相対高さ誤差と、前記複数の部品収容器保持部間の相対高さ誤差との少なくとも一方の存在にかかわらず、前記複数の部品収容器保持部の前記部品収容器を保持する保持面と、前記部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面との高さを合わせる高さ合わせ装置を含む請求の範囲第1項ないし第14項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。
- 前記ラックの昇降方向の一位置に設けられ、前記複数の部品収容器保持部の少なくとも1つが設定高さに到達したことを検出し、検出信号を発する部品収容器保持部検出装置と、
その部品収容器保持部検出装置が検出信号を発したときの前記ラック昇降装置の作動位置と、前記部品収容器移動装置の部品収容器を支持する支持面の高さと前記設定高さとの差とに基づいて決まる複数の作動位置において前記ラック昇降装置を停止させることによって、前記複数の部品収容器保持部の各々の前記部品収容器を保持する保持面を、前記支持面と同一面内に位置させる昇降制御部とを含み、それら部品収容器保持部検出装置および昇降制御部が、前記部品収容器移動装置による前記部品収容器の移動時に前記部品収容器の振動を抑制する振動抑制装置を構成している請求の範囲第1項ないし第14項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置。 - 前記昇降制御部が、前記部品収容器保持部検出装置が検出信号を発したときの前記ラック昇降装置の作動位置を記憶するラック昇降装置作動位置記憶部を備える請求の範囲第16項に記載の電子回路部品供給装置。
- 請求の範囲第1項ないし第17項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置と、
電子回路部品が装着されるべき回路基板を保持する基板保持装置と、
装着ヘッドを備え、その装着ヘッドにより、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
少なくとも前記装着装置を制御する制御装置と
を含む電子回路部品装着機。 - 前記電子回路部品供給装置の前記部品収容器がトレイを支持するパレットを含み、かつ、
そのパレットに支持された全部のトレイのパレット上における高さを取得する高さ取得部と、
その高さ取得部により取得された高さに基づいて前記装着ヘッドの前記トレイからの電子回路部品取出し時の高さを制御する高さ制御部と
を含む請求の範囲第18項に記載の電子回路部品装着機。
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