JPWO2004020140A1 - レーザ加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、加工対象物にレーザビームを照射して加工を行うレーザ加工方法及びレーザ加工装置に関する。
2.背景技術
図9は、溝を形成する従来のレーザ加工装置を示す概略図である。
レーザ光源51から、たとえば周波数1kHzでパルスレーザビームが出射する。レーザビームは、ホモジナイザ52でビーム断面のパルスエネルギ密度を均一(トップフラット)にされた後、たとえば円形の貫通孔を有するマスク53で断面形状を円形に整形される。反射ミラー54で反射され、集光レンズ55を経て、基板56に入射する。基板56は、たとえばガラス基材の上にITO膜が形成された基板である。レーザビームは、基板56のITO膜に入射する。ITO膜表面におけるレーザビームのビームスポットは、たとえば直径が0.2mmの円形である。基板56は、XYステージ57上に載置されている。XYステージ57は、基板56を2次元平面内で移動させることによって、基板56上の表面内においてパルスレーザビームの入射位置を移動させることができる。
まず、基板56に、50%の重複率でパルスレーザビームが照射されるようにXYステージ57を動かし、基板56のITO膜に溝を形成する。ここで重複率とは、円の直径に対するパルスレーザビーム1ショット当たりの、円の半径方向への移動距離の割合を意味する。
図10Aは、50%の重複率で照射されたレーザビームによって連続的な穴を開けられ、ITO膜に溝が形成された基板56の概略的な平面図である。溝の開口を太線で示した。ITO膜に入射するレーザビームのビームスポットに依存する形状の穴が連続的に穿たれた結果、溝が形成されている。このため、溝の長さ方向に沿う開口の縁は、円形ビームスポットの外周の一部による凹凸を有する。また、照射されるレーザビームの周波数が1kHz、基板56のITO膜上におけるレーザビームのビームスポットが直径0.2mmの円形である場合、加工速度は100mm/sとなる。主に、XYステージ57の動作速度に律速され、加工速度をこれ以上速くするのは、加工形状の均一性を考えると採用できない。
ITO膜に形成される溝の開口の縁を直線状に近づけるために、重複率を大きくする方法が用いられる。たとえば、基板56のITO膜上に、90%の重複率でパルスレーザビームが照射されるようにXYステージ57を動かし、溝を形成する。
図10Bは、90%の重複率で照射されたレーザビームによって連続的な穴を開けられ、ITO膜に溝が形成された基板56の概略的な平面図である。図10Aと同様に、溝の開口を太線で示した。溝の長さ方向に沿う開口の縁は、直線状に近づく。しかし、90%の重複率でレーザビームを照射しているため、加工速度は重複率50%の場合の5分の1、すなわち20mm/sである。開口の形状を改善することはできるが、加工の時間効率は悪化する。
図11は、図10AのPQ線に沿って切断した、基板56の概略的な断面図である。ガラス基材の上に形成されているITO膜に、溝が形成されている。溝の側面は、基板56の表面に対して傾いている。溝は、より切り立った側面形状を有することが望ましい。
本発明の目的は、時間効率よく、良質の加工を行うことのできるレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供することである。
3.発明の開示
本発明の一観点によれば、貫通孔を有するマスクでレーザビームの断面を整形し、該マスクの貫通孔が加工対象物の表面上に結像するように、該貫通孔を通過したレーザビームをレンズで集光して、該加工対象物の表面上に入射させる工程と、レーザビームの入射位置が前記加工対象物の表面上を移動するように、前記レンズを通過したレーザビームを走査するとともに、レーザビームの走査中も前記貫通孔を前記加工対象物の表面上に結像させることにより該加工対象物を加工する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
加工対象物表面に、マスクの貫通孔が常に結像するように、レーザビームを走査することにより、高い時間効率で、品質のよい加工を行うことができる。レーザビームの走査に起因する焦点ぼけによる加工品質の低下を防止することができる。
また、本発明の他の観点によれば、レンズで集光されたレーザビームを、加工対象物の表面に入射させる工程と、レーザビームの入射位置が、前記加工対象物の表面上を移動するように、該レーザビームを走査して、該加工対象物を加工する工程であって、前記レンズから前記加工対象物の表面までの該レーザビームの光路長が変化しないように、該レーザビームを走査する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
レンズから加工対象物表面の加工位置までの光路長を一定に保ちながら、レーザビームを走査することにより、たとえば常に加工対象物表面上に焦点を合わせ、高い時間効率で、高品質のレーザ加工を行うことができる。
更に、本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持台と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームの断面を整形する貫通孔を有するマスクと、前記マスクで断面を整形されたレーザビームを、該マスクの貫通孔が、前記保持台に保持された加工対象物の表面に、結像するように集光する集光レンズと、前記集光レンズで集光されたレーザビームを、外部からの制御を受けて、前記加工対象物の表面上で、少なくとも1次元方向に走査するビーム走査器と、外部からの制御を受けて、前記マスクと前記集光レンズとを移動させる移動機構と、前記ビーム走査器による走査と、前記移動機構による前記マスクと前記集光レンズの移動とを同期させる制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
このレーザ加工装置を用いれば、ビームの走査に同期させてマスクと集光レンズとを変位させることにより、高い時間効率で、高品質のレーザ加工を行うことができる。
本発明の他の観点によれば、(e)レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、(f)前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度の、入射位置の移動に起因する変動を抑制するように前記レンズを移動させながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程とを含むレーザ加工方法が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度を均一化させるようにレンズを移動させることにより、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるビームスポットの面積が入射位置の移動に起因して変動することを抑制するように前記レンズを移動させながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程とを含むレーザ加工方法が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのビームスポットの面積を均一化させるようにレンズを移動させることにより、基板上のパルスエネルギ密度またはパワー密度の均一化が図られ、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、外部からの制御信号を受け、前記レンズを移動させる移動機構と、前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することが抑制されるよう、前記レンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度を均一化させるようにレンズを移動させることにより、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、外部からの制御信号を受け、前記レンズを移動させる移動機構と、前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるビームスポットの面積が変動することを抑制するよう、前記レンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのビームスポットの面積を均一化させるようにレンズを移動させることにより、基板上のパルスエネルギ密度またはパワー密度の均一化が図られ、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、(g)レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、(h)前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度の、入射位置の移動に起因する変動を抑制するように、レーザビームのパワーをバリアブルアッテネータを用いて調節しながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程とを含むレーザ加工方法が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度を、バリアブルアッテネータを用いて均一化することにより、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、外部からの制御信号を受け、レーザビームのパワーを可変な減衰率で減衰させるバリアブルアッテネータと、前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することを抑制するよう、レーザビームのパワーを調節するように、前記バリアブルアッテネータを制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度を、バリアブルアッテネータを用いて均一化することにより、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射されたレーザビームを収束または発散させる第1のレンズと、前記第1のレンズを通過したレーザビームが入射し、入射するレーザビームを集光させる第2のレンズと、前記第2のレンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、外部からの制御信号を受け、前記第1のレンズを移動させる移動機構と、前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することが抑制されるよう、前記第1のレンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置とを有し、前記第2のレンズに入射するレーザビームに対する該第2のレンズの開口数をNA1、前記第2のレンズを通過したレーザビームに対する該第2のレンズの開口数をNA2としたとき、NA1/NA2が2以上であるレーザ加工装置が提供される。
被加工面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度を均一化させるように第1のレンズを移動させることにより、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。さらに、第1のレンズの移動距離を短くすることにより、加工の高速化、高精度化を図ることができる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、貫通孔を有し、該貫通孔に前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射し、外部からの制御信号を受け、貫通孔を通過したレーザビームの断面の一方向の長さを変えることができるビーム断面整形器と、前記ビーム断面整形器から出射したレーザビームを集光するレンズと、前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、前記ビーム断面整形器が加工対象物の表面におけるビームスポットの形状の変動を抑制するように、前記ビーム断面整形器を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
被加工位置が移動したときに、ビームスポット形状が変動することを抑制するので、被加工面の広い領域に対して一定の加工性が保たれる。
本発明の他の観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、前記ビーム走査器を出射したレーザビームが加工対象物に入射するまでの光路中に配置され、貫通孔を有し、該貫通孔を通過したレーザビームを加工対象物に入射させる近接マスクとを有するレーザ加工装置が提供される。
レーザビームの進行方向を振るビーム走査器を用いて、近接マスクを用いるレーザ加工を行うことにより、高精度の加工を高速に行うことができる。
本発明の他の観点によれば、レーザ光源から出射したレーザビームの拡がり角を調整する工程と、前記所定の拡がり角を有するように調整されたレーザビームの進行方向を振りながら、加工対象物の表面と平行に該表面から所定の距離だけ離れた位置に配置され、貫通孔を有する近接マスクに、該レーザビームを照射し、該貫通孔を通過したレーザビームを該加工対象物の表面に入射させて、該貫通孔の形状を該加工対象物の表面に転写する工程と、前記所定の拡がり角と前記所定の距離の少なくとも一方を、該貫通孔の形状が該加工対象物の表面に転写される精度と、レーザビームの拡がり角と、前記近接マスクと前記加工対象物の表面との間の距離とに関して予め求められた関係に基づいて設定する工程とを含むレーザ加工方法が提供される。
レーザビームの進行方向を振るビーム走査器を用いて、近接マスクを用いるレーザ加工を行うことにより、高精度の加工を高速に行うことができる。さらに、予め求められた、転写精度とレーザビームの拡がり角と近接ギャップとが満たさなければならない数値的関係に基づいて、所望の転写精度で加工を行おうとするとき、近接ギャップと拡がり角とを簡便に選定することができる。
本発明の他の観点によれば、連続波のレーザビームを出射するレーザ光源と、加工対象物を保持する保持機構と、前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射し、外部から与えられる契機信号に基づき、入射したレーザビームをある進行方向に出射させるか出射させないかを切換えることができる光学系と、矩形の貫通孔を有し、前記光学系をある進行方向に出射したレーザビームが該貫通孔に入射し、レーザビームの断面を整形するマスクと、前記マスクから出射したレーザビームを集光し、前記マスクの矩形の貫通孔を前記保持機構に保持された加工対象物の表面に結像させるレンズと、外部から与えられる制御信号に基づき、前記保持機構を移動させて、前記レンズを出射したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させることができる移動機構と、外部から与えられる制御信号に基づき、前記マスクを、該マスクの貫通孔を通過するレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させるマスク回転機構と、前記光学系が所定のタイミングでレーザビームをある進行方向に出射させるように前記光学系を制御し、前記移動機構がレーザビームの加工対象物への入射位置を第1の方向に移動させるように前記移動機構を制御し、前記移動機構が加工対象物表面上のレーザビームの入射位置を該第1の方向に移動させる前に、前記マスク回転機構が、前記マスクを回転させ前記矩形の貫通孔の加工対象物表面における像のある辺を該第1の方向と平行にするように、前記マスク回転機構を制御する制御装置とを有するレーザ加工装置が提供される。
加工対象物の表面に、連続波レーザビームを照射して線状のパタン(ライン)を形成できるとともに、連続波レーザビームからパルスレーザビームを切り出して照射して、点状の離散的なパタン(ドット)を容易に形成できる。加工対象物表面で、レーザビームの矩形のビームスポットのある辺に平行に、レーザビームの照射位置を移動させることにより、ライン、ドットとも、外形を矩形に形成することができる。
本発明の他の観点によれば、(i)レーザ光源から出射した連続波のレーザビームを、入射したレーザビームをある進行方向に出射させるか出射させないかを切換えることができる光学系に入射させる工程と、(j)前記光学系からある進行方向に出射したレーザビームを、矩形の貫通孔を有するマスクに入射させて断面を整形し、レンズで集光して、加工対象物の表面に前記貫通孔の像を結ばせる工程と、(k)前記貫通孔の像を、前記加工対象物の表面上で、該像のある辺に平行な方向に移動させる工程とを含み、加工対象物表面に点状の離散的なパタンを形成するときは、前記工程(i)において、前記光学系からある進行方向にレーザビームが間欠的に出射するようにし、加工対象物表面に線状のパタンを形成するときは、前記工程(i)において、前記光学系からある進行方向にレーザビームが連続的に出射するようにするレーザ加工方法が提供される。
加工対象物の表面に、連続波レーザビームを照射して線状のパタン(ライン)を形成できるとともに、連続波レーザビームからパルスレーザビームを切り出して照射して、点状の離散的なパタン(ドット)を容易に形成できる。加工対象物表面で、レーザビームの矩形のビームスポットのある辺に平行に、レーザビームの照射位置を移動させることにより、ライン、ドットとも、外形を矩形に形成することができる。
本発明の他の観点によれば、加工対象物を保持する保持機構と、パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、連続波レーザビームを出射する第2のレーザ光源と、前記保持機構に保持された加工対象物の表面に、前記第1のレーザ光源から出射したパルスレーザビームと前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームとを、連続波レーザビームのビームスポットの内部にパルスレーザビームのビームスポットが含まれるようにして照射する光学系と、前記保持機構に保持された加工対象物の表面上でパルスレーザビーム及び連続波レーザビームのビームスポットを移動させる移動機構とを有するレーザ加工装置が提供される。
加工対象物の表面上のある被加工領域に、まず連続波レーザビームが照射され予熱が与えられてから、パルスレーザビームが照射される加工が行える。当該被加工領域の表層を選択的に加工することが容易となる。
本発明の他の観点によれば、(n)第1のレーザ光源からパルスレーザビームを出射させ、第2のレーザ光源から連続波レーザビームを出射させる工程と、(o)下地層と下地層の表面上に形成され下地層の材質よりもレーザ照射により加工されにくい材質で形成された表層とを有する加工対象物の表面に画定された被加工点に、前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームを照射して予熱を与えた後、該被加工点に前記第1のレーザ光源から出射したパルスレーザビームを照射して、前記加工対象物の表層に穴を形成する工程とを含むレーザ加工方法が提供される。
加工対象物の表面上のある被加工領域に、まず連続波レーザビームが照射され予熱が与えられてから、パルスレーザビームが照射されて加工が行われることにより、当該被加工領域の表層を選択的に加工することが容易となる。
図2は、第1の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置における、レーザビームの光路を示す概略図である。
図3A及び図3Bは、レーザビームの照射により加工された基板の概略を示す平面図である。
図4Aは、マスクの貫通孔の一例であり、図4Bは、図4Aに示した貫通孔が、基板上に結像されたとき、基板に開けられる穴を示した概略図である。
図5Aは、レーザ光源から出射されたパルスレーザビームの断面における、1パルス当たりのエネルギ密度を示す概略的なグラフであり、図5Bは、円錐光学系によりパルスエネルギ密度分布を変換されたパルスレーザビームの断面における、1パルス当たりのエネルギ密度を示す概略的なグラフであり、図5Cは、図5Bに示すパルスエネルギ密度分布を有するパルスレーザビームによって加工された穴の概略的な断面図である。
図6は、第1の実施例の変形例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図である。
図7は、光路調節機構を示す概略図である。
図8A及び図8Bは、搬送機構を示す概略図である。
図9は、従来のレーザスクライビング装置の概略図である。
図10A及び図10Bは、従来のレーザスクライビング装置で加工された基板の概略的な平面図である。
図11は、従来のレーザスクライビング装置で加工された基板の概略的な断面図である。
図12Aは、第2の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図であり、図12Bは、第2の実施例の変形例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図である。
図13は、第2の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置における、レーザビームの光路を示す概略図である。
図14は、第2の実施例の変形例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置における、レーザビームの光路を示す概略図である。
図15Aは、第3の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図であり、図15Bは、1次集光レンズの他の構成例を示す概略図である。
図16は、2次集光レンズの構成例を示す概略図である。
図17は、第4の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図である。
図18Aは、アパーチャ傾斜機構で回転されたアパーチャの、アパーチャ傾斜機構の回転軸方向から見た概略図であり、図18Bは、アパーチャ傾斜機構で回転されたアパーチャの、レーザビームの光軸方向から見た概略図であり、図18Cは、アパーチャ傾斜機構とアパーチャ回転機構により回転されたアパーチャの、レーザビームの光軸方向から見た概略図である。
図19は、第5の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図である。
図20は、近接マスクを用いたレーザ加工方法における転写精度に関するシミュレーションの結果を示す、貫通孔の像が投影された基板の平面図である。
図21は、ある転写の精度で加工が行われるときに、レーザビームの拡がり角と近接ギャップとが満たす関係を概略的に示すグラフである。
図22Aは、第6の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図であり、図22Bは、基板の概略的な断面図である。
図23は、第6の実施例によるレーザ加工装置を用いてレーザ加工を行う場合の、契機信号及びレーザビームのタイミングチャートの一例である。
図24Aは、ラインを形成した基板の概略的な平面図であり、図24Bは、ドットを形成した基板の概略的な平面図である。
図25は、マスクを保持したマスク回転機構を示す概略図である。
図26は、マスク回転機構を用いてラインを形成した基板の概略的な平面図である。
図27Aは、第7の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図であり、図27Bは、基板の概略的な断面図である。
図28A、図28B及び図28Cは、被加工点とビームスポットの位置関係を説明するための、基板の平面図である。
図29は、マスク回転機構を用いずにラインを形成した基板の概略的な平面図である。
5.発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明の第1の実施例によるレーザ加工方法を行うレーザ加工装置の概略図である。
レーザ光源1、たとえば波長変換ユニットを含むNd:YAGレーザ発振器から、Nd:YAGレーザの3倍高調波(波長355nm)が、パルスエネルギ1mJ/パルス、パルス幅50nsで出射する。レーザビームは、パルスエネルギを調節するバリアブルアッテネータ2、ビーム径を拡大し、平行光として出射するエキスパンダ3を経て、円錐光学系4に入射する。円錐光学系4は、一対の円錐レンズ4a、4bを含んで構成される。一対の円錐レンズ4a、4bは、たとえば同型で、底面同士が対向するように配置されている。レーザビームは、円錐レンズ4aに、直円錐の軸方向から、ビーム断面の中心が直円錐部分の頂点に重なるように入射し、円錐レンズ4bから出射する。円錐光学系4は、入射するレーザビームのビームプロファイルを、ビーム断面の中央部で強度が弱く、周辺部で強くなるように、変換する。これについては、後に詳述する。なお、円錐光学系4については、レーザビームの出射する側の円錐レンズ4bのかわりに、凸レンズを用いることもできる。
円錐光学系4から出射したレーザビームは、たとえば矩形の貫通孔を有するマスク5、マスク5の矩形の貫通孔を基板12上に結像させる対物レンズ6を通過する。マスク5及び対物レンズ6は、それぞれボイスコイル機構9及び10(ピエゾ駆動機構等の駆動機構に置き換えることもできる。)により、レーザビームの進行方向と平行な方向に、移動することができる。ボイスコイル機構9及び10による移動は、コントローラ11から送信される信号によって行われる。なお、基板12は、保持台8上に据えられている。
対物レンズ6により集光されたレーザビームは、ガルバノスキャナ7に入射する。ガルバノスキャナ7は、X用スキャナ7a及びY用スキャナ7bを含んで構成され、レーザビームを2次元方向に高速で走査する。X用スキャナ7a、Y用スキャナ7bは、ともに揺動可能な反射鏡を含んで構成される。保持台8に保持される基板12上に、互いに直交するX方向とY方向とを画定するとき、X用スキャナ7a、Y用スキャナ7bは、それぞれ、対物レンズ6で集光されたレーザビームの入射点が、基板12の表面上を、X方向、Y方向に移動するようにレーザビームを走査する。ガルバノスキャナ7は、X用スキャナ7a、Y用スキャナ7bを組み合わせて、レーザビームを2次元方向に走査することができる。
加工対象物である基板12は、たとえばガラス基材の上にITO膜が形成された基板であり、レーザビームは基板12のITO膜に、加工エネルギ約IJ/cm2で入射する。
図2は、マスク5、対物レンズ6、ガルバノスキャナ7を経て、基板12上を走査するレーザビームの光路を示す概略図である。
レーザビームが基板12上の入射位置Mに入射しているとき、Mにはマスク5の貫通孔が結像されている。また、マスク5から対物レンズ6までの光路長をa、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長をb、対物レンズ6の焦点距離をfとすると、マスクの貫通孔が基板12上に結像するためには、関係式
(1/a)+(1/b)=1/f ・・・(1)
を満たさなくてはならない。
ガルバノスキャナ7の動作により、レーザビームの入射位置が、基板12上の入射位置MからNに変化する。入射位置Mへの入射角と入射位置Nへの入射角が異なり、マスク5及び対物レンズ6が固定されたままであるとすれば、対物レンズ6から入射位置Mまでの光路長と、対物レンズ6から入射位置Nまでの光路長とは異なる(これらの差をΔbとする。)ため、マスク5の貫通孔はNに結像しない。
図1に示すレーザ加工装置において、コントローラ11は、ガルバノスキャナ7の動作に同期させて、マスク5、対物レンズ6を移動させる信号を、それぞれボイスコイル機構9、10に送る。この信号は、たとえば、マスク5から対物レンズ6までの光路長a、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長bを、ともに一定に保つように、マスク5及び対物レンズ6を移動させる信号である。ボイスコイル機構9及び10は、コントローラ11からの信号を受けて、それぞれマスク5及び対物レンズ6を、レーザビームの進行方向と平行な方向に移動させる。
図2に示すように、入射位置がMからNに変化するとき、マスク5及び対物レンズ6がボイスコイル機構9及び10により移動される距離は、Δbである。マスク5と対物レンズ6とは、同じ方向に同じ距離Δbだけ変位される。こうすることによって、上記(1)式は満たされ、入射位置Nにマスク5の貫通孔が結像される。
入射位置MとNの2点においてだけでなく、レーザビームの走査中、常に、たとえば、マスク5から対物レンズ6までの光路長aと、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長bとを一定に保てば、基板12の表面上には、常にマスク5の貫通孔が結像されることになる。マスク5及び対物レンズ6は、ガルバノスキャナ7によるレーザビームの走査に同期して、光路長aと光路長bとが常に一定となるように移動される。この場合、マスク5の貫通孔の結像倍率(縮小率)は常に一定となる。
たとえば、対物レンズ6の焦点距離fが833mmであり、マスク5から対物レンズ6までの光路長aを5000mm、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長bを1000mmの一定値に保つ場合、マスク5の貫通孔の結像倍率(縮小率)は1/5である。
図3Aは、表面上にマスク5の矩形状の貫通孔を結像させるように、パルスレーザビームを1ショット照射し、結像位置に穴を形成した基板12の概略的な平面図である。基板12上には、貫通孔が結像された矩形状のビームスポットが形成され、その位置のITO膜に穴が開く。
図3Bは、マスク5の矩形状の貫通孔を一定の結像倍率(縮小率)で結像させながら、ビームの入射位置を移動し、4ショットのパルスレーザビームを照射することによって、照射位置に溝を形成した基板12の平面図である。ガルバノスキャナ7により、パルスレーザビームを、矩形状に結像されたビームスポットの長辺方向に走査する。また、50%の重複率でビームを照射し、各ショットで開けた穴を連続させて、溝を形成する。
一定の大きさの矩形状のビームスポットを形成し、一対の平行な辺(図3Bにおいては長辺)に平行な方向に、レーザビームを走査することによって、一定幅の溝を形成することができる。本実施例のように、パルスレーザビームを用いる場合は、ビームスポットの平行な一対の辺(図3Bにおいては長辺)の一部が、前回のショットのビームスポットの平行な一対の辺の一部に重なるように、レーザビームを走査する。溝の開口の縁は、矩形状のビームスポットの直線部によって形成されるため、凹凸を有しない直線状になる。
制御の容易性の点等から、基板12上において、ビームスポットの平行な一対の辺の方向が、X方向またはY方向と平行になるように、ビームスポットを形成するのが望ましい。
なお、基板12上に結像させるマスク5の貫通孔は、矩形でなくてもよい。ビームスポットを平行な一対の辺を有する形状に形成し、その平行な一対の辺と平行な方向に、レーザビームを走査すれば、開口の縁に凹凸を有しない、一定幅の溝を加工することができる。
図4Aは、マスク5の貫通孔の一例を示す図である。マスク5の貫通孔は、平行な一対の辺を有する形状に形成されている。この一対の辺同士を接続する他の一対の辺は、内側に向かって湾曲している。このような貫通孔を有するマスクを用いて、レーザビームの断面を整形すると、基板12上に、平行な一対の辺を有する形状のビームスポットを形成することができる。
図4Bは、図4Aに示した貫通孔が、基板12上に結像されたとき、基板12に開けられる穴を示した概略図である。この穴と同形状の穴を、平行な一対の辺に平行な方向に、連続して形成することにより、開口の縁に凹凸を有しない、一定幅の溝を加工することができる。さらに、溝の縁近傍に入射するレーザビームの累積エネルギ密度が、溝の中央に入射するレーザビームの累積エネルギ密度よりも大きいため、溝の側面をより垂直に近づけることができる。
なお、図3Bに示すような、一方向に延在する溝のみをレーザ加工する場合、1つの揺動反射鏡を有する1次元ガルバノスキャナやポリゴンスキャナを用いてもよい。このとき、スキャナの走査方向と、ビームスポットの平行な一対の辺の方向とを一致させればよい。
図5A〜5Cを参照して、円錐光学系4について説明する。前述の通り、円錐光学系4は、入射するレーザビームのビームプロファイルを、ビーム断面の中央部で弱く、周辺部で強くなるように、変換する。
図5Aは、レーザ光源1から出射されたパルスレーザビームの断面における、1パルス当たりのエネルギ密度を示す概略的なグラフである。パルスレーザビームは、一般に、断面の中央部分でパルスエネルギ密度が高く、周辺に向かうにつれてパルスエネルギ密度が低くなる。円錐光学系4は、2つの円錐レンズ4a、4bにより、入射したレーザビームの中央部と周辺部を反転して出射する。したがって、円錐光学系4から出射されるレーザビームのビームプロファイルは、ビーム断面の中央部で弱く、周辺部で強い分布をもつ。
図5Bは、円錐光学系4から出射し、マスク5で整形した後のパルスレーザビームの断面における、1パルス当たりのエネルギ密度を示す概略的なグラフである。ビームは、中央部で弱く、周辺部で強いパルスエネルギ密度の分布を有している。
図5Cは、図3BのC5−C5線に沿って切断した基板12の概略的な断面図である。図5Bに示すビームプロファイルをもつレーザビームが、対物レンズ6で集光され、基板12に入射することで、基板12のITO膜には、側面の傾斜角を90°に近づけることができる。したがって、図3Bに示す溝は、開口の縁が直線状に形成されることに加えて、切り立った側壁を有する溝である。
なお、ガルバノスキャナ7の動作に同期させて、パルスレーザビームのパルスエネルギを調節し、より良質の加工を行うことができる。基板12に入射するレーザビームの入射角が大きくなると、入射位置におけるビームスポットの面積は大きくなる。したがって、ガルバノスキャナ7で走査されるレーザビームのパルスエネルギを一定の値に固定した場合、入射角が大きくなるにつれ、入射位置におけるレーザビームのパルスエネルギ密度は小さくなり、加工性に変化が生じる。一定の加工性を保つために、入射位置におけるレーザビームのパルスエネルギ密度を一定に保つことが必要な場合もある。
バリアブルアッテネータ2は、ガルバノスキャナ7の動作に同期して、レーザ光源1から出射されるレーザビームのパルスエネルギを変化させる。コントローラ11から送信される同期信号に基いて、レーザビームが大きい入射角で基板12に入射するときは、パルスエネルギの減衰率を小さくして、バリアブルアッテネータ2から出射するビームのパルスエネルギを増加させる。こうすることによって、ビームの走査中も、レーザビームの入射位置におけるパルスエネルギ密度を一定に保つことができる。
また、一定に保たなくても、レーザビームの基板12への入射角が変動するとき、入射位置におけるパルスエネルギ密度の変動を小さくするように、バリアブルアッテネータ2によるパルスエネルギの減衰率を変動させれば、加工の質を向上させることができる。
なお、基板12上にレーザビームを入射させ、走査するとき、ガルバノスキャナ7の動作に同期させて、マスク5の貫通孔の結像倍率(縮小率)を変化させながら、レーザビームの入射位置におけるパルスエネルギ密度を一定に保つこともできる。
Δ2=f2×Δ1/(b−f−Δ1)/(b−f)・・・(2)
[(a+Δ2)/(b−Δ2)]2=(a/b)2/cosθ・・・(3)
の両式の関係を満たすように、基板12へのレーザビームの入射角θ(基板12の法線と入射光のなす角)に応じて、Δ1とΔ2とを定め、マスク5から対物レンズ6までの光路長がa+Δ2、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長がb−Δ1となるように、マスク5及び対物レンズ6を、入射角θに対応させて移動させればよい。ここで、a、bは、それぞれ、θが0のときの、マスク5から対物レンズ6までの光路長、及び、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長である。また、fは、対物レンズ6の焦点距離である。なお、式(2)及び(3)を厳密に満たしていなくても、入射角が変動するとき、ビームスポットの面積の変動を小さくするように結像倍率を変化させることで、レーザ加工の質を改善することができる。入射角が大きくなると、結像倍率(縮小率)を小さくすればよい。
図6は、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長bを変化させる光路調整機構20を備えた、第1の実施例の変形例によるレーザ加工装置の概略図である。図1に示したレーザ加工装置からボイスコイル機構9及び10が除かれ、光路調整機構20が加入されている。他の構成は、図1に示したレーザ加工装置の構成と等しい。図6に示すレーザ加工装置においては、マスク5から対物レンズ6までの光路長aは一定である。光路調整機構20により、たとえば、ガルバノスキャナ7の動作に同期して、レーザビームの走査中、対物レンズ6から基板12上の入射位置までの光路長bを、常に一定に保つことができる。そうすることによって、マスク5の貫通孔を、基板12上に、常に一定の結像倍率(縮小率)で結像させ、図3Bに示したような溝を加工することができる。
図7は、光路調整機構20の概略図である。光路調整機構20は、たとえば21a〜21dの4枚の反射ミラーを含んで構成される。4枚の反射ミラーは、各々、入射するレーザビームの進行方向をたとえば90°変化させ、光路調整機構20は、入射したレーザビームの進行方向と平行な方向にレーザビームを出射する。反射ミラー21aと21bとの2枚が、移動部22を形成する。移動部22は、図中矢印の方向へ移動することができる。対物レンズ6から基板12に至る光路長bは、移動部22を変位させることで調節される。レーザビームの基板12〜の入射角が大きくなると、移動部22は、図7において上向きに移動し、光路調整機構20内でのレーザビームの光路長を短くすることで、光路長bを一定に保つ。移動部22の移動は、コントローラ11からの信号を受けてなされる。コントローラ11は、ガルバノスキャナ7の動作と移動部22の移動とを同期させることにより、図6に示した対物レンズ6から基板12までの光路長bを一定に保つ。
図6に示すレーザ加工装置においては、光路調整機構20を、光路長bを調整するために加入したが、更に、光路aを調整するために、マスク5と対物レンズ6との間に挿入することもできる。2つの光路調整機構20を用いることによって、レーザビームの走査中も、光路長a及び光路長bを、たとえば関係式(1)を満たすように調整することができる。
また、行う加工によっては、光路長aまたは光路長bを調整するのに、マスク5、対物レンズ6のうち、どちらか一方のみを移動させてもよい。たとえば、対物レンズ6を固定し、関係式(1)を満たすように、マスク5のみを移動させることもできる。
加工対象物として、ガラス基材の上にITO膜が形成された基板を考えたが、シリコン基板上にポリイミド膜が形成された基板を用い、ポリイミド膜部分を加工してもよい。これらは、太陽電池基板や液晶基板として用いられる。また、ポリイミド膜の上にITO膜が形成されたタッチパネル、更に、半導体膜等を加工することもできる。また、フィルム状の加工対象物を加工することもできる。
図8Aは、フィルム30を搬送する搬送機構31の概略図である。フィルム30が、搬送機構31により搬送される。バキュームチャック32は、搬送されてきたフィルム30上の所定の加工位置を固定し、加工面を画定する。ガルバノスキャナ7で走査されたレーザビームが、バキュームチャック32で固定されたフィルム30上に入射することによって、所定の加工位置の加工が行われる。所定位置の加工が終わると、搬送機構31がフィルム30を搬送し、別の加工位置がバキュームチャック32で固定され、加工が行われる。
従来は、バキュームチャック32で固定されたフィルム30をXYステージで移動し、固定光学系を用いてビームを照射することにより、加工を行っていた。
本実施例においては、ガルバノスキャナ7でビームを走査し、加工位置にビームを入射させることによって加工を行うため、加工速度を速くすることができる。
図8Bは、ロータリエンコーダ33を備えた搬送機構31の概略図である。ロータリエンコーダ33は、搬送機構31で搬送されるフィルム30の速さを検出する。検出結果は、コントローラ11に送られ、コントローラ11は、フィルム30の搬送速度から、フィルム30の搬送量を求める。フィルム30の搬送速度、搬送量、及びフィルム30上に画定されている所定の加工位置のデータより作成される制御信号が、コントローラ11からガルバノスキャナ7に送信される。ガルバノスキャナ7は、制御信号を受けてレーザビームを走査し、フィルム30上の所定の加工位置にビームを照射して加工を行う。
XYステージを必要とせず、また、フィルム30を搬送しながら加工ができるため、加工速度を速くすることができる。
図1に示したレーザ加工装置から、円錐光学系4、マスク5及びボイスコイル機構9を除いたレーザ加工装置を用いることにより、焦点加工を行うことも可能である。レーザビームは、対物レンズ6により、基板12上に焦点を結ぶように集束される。ガルバノスキャナ7の動作により、レーザビームが基板12上を走査し、基板12上におけるビームの入射位置が変化すると、対物レンズ6は、ボイスコイル機構10により、対物レンズ6から基板12に至るレーザビームの光路長bが一定に保たれるように、対物レンズを通過するビームの進行方向と平行な方向に、移動される。この移動により、レーザビームは、基板12上に、常に焦点を結ぶ。このため、良質の加工を実現できる。
本実施例においては、パルスレーザビームを用いたが、行う加工により、連続波のレーザビームを用いてもよい。また、レーザ光源として、波長変換ユニットを含むNd:YAGレーザ発振器を使用し、Nd:YAGレーザの3倍高調波を出射したが、固体レーザの基本波〜5倍高調波を用いることができる。また、CO2レーザ等を使用することも可能である。
また、本実施例においては、高速走査光学系としてガルバノスキャナを用いたが、ポリゴンミラーを用いた高速走査光学系を使用してもよい。XYステージで加工対象物を移動させることによって、レーザビームの入射位置を変えるのでなく、高速走査光学系を用いてビームを走査し、レーザビームの入射位置を変えるため、加工速度を向上させることができる。
さて、上述した焦点加工方法では、レーザビームが常に、基板表面に焦点を結ぶようにした。次に、レーザビームの焦点と基板表面との位置関係を、基板表面へのレーザビームの入射位置に応じて調節することにより良質の加工を行う方法について説明する。
図12Aに示す、第2の実施例によるレーザ加工装置は、図1に示したレーザ加工装置から、円錐光学系4、マスク5及びボイスコイル機構9が除かれており、さらに、バリアブルアッテネータ2が除かれ、エキスパンダ3と対物レンズ6との間に、円形の貫通孔を有し、ビーム径を調節するアパーチャ5aが配置されている。アパーチャ5aの貫通孔を、基板12の表面に結像させることは、必要ではない。
ボイスコイル機構10を用いて、対物レンズ6を通過するレーザビームの進行方向と平行に、対物レンズ6を移動させ、レーザビームの焦点を基板12の表面に近づけたり離したりすることにより、基板表面に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度を調節する。
コントローラ11から送信される制御信号により、ガルバノスキャナ7は、レーザビームを所望のタイミングで所望の進行方向へ振る。コントローラ11から送信される制御信号により、ボイスコイル機構10をガルバノスキャナ7と同期して動作させることで、レーザビームの入射位置に応じて、基板12に所望のパルスエネルギ密度でレーザを照射することができる。
図13を参照して、図12Aのレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法の一例を説明する。図13の上側は、対物レンズ6、ガルバノスキャナ7を経て、基板12上を走査するパルスレーザビームの光路を概略的に示す。
レーザビームL1bが、基板表面に垂直に、かつ入射位置M1に入射する。レーザビームL1a、L1cが、それぞれ、入射位置N1a、N1cに入射角α1で入射する。入射位置N1a、N1cを両端とする線分の中点に、入射位置M1が位置する。
図13の下側は、ガルバノスキャナ7側から見下ろした基板表面を示す。ビームスポット91a、91b、91cはそれぞれ、レーザビームL1a、L1b、L1cの基板表面上の(つまり、入射位置N1a、M1、N1cでの)ビームスポットを示す。
レーザビームL1aの光路からレーザビームL1cの光路の方へレーザビームの進行方向を振りながら、パルスレーザビームの照射を繰り返し、図10A、10Bに示したのと同様に、各レーザ照射位置に形成した穴が連続するようにして、基板表面に溝101を形成する。
まず、溝101の始点を形成するレーザビームL1aが照射されるとき、対物レンズ6の位置は、レーザビームL1aが入射位置N1aで焦点を結ぶように設定する。なお、ビームスポットの大きさが最小になる点を、レーザビームの焦点と呼ぶ。
そして、溝101の終点を形成するレーザビームL1cが照射されるとき、対物レンズ6の位置は、レーザビームL1cが入射位置N1cで焦点を結ぶように設定する。対物レンズ6から入射位置N1a、N1cまでの光路長はほぼ等しいので、対物レンズ6の位置は、溝加工の開始時と終了時とで同一と考えてよい。なお、レーザビームL1aとL1cとは入射角が等しく、ビームスポット91aと91cとは等しい面積と考えてよい。
ここではまず、対物レンズ6をこの位置に固定したままレーザビームを走査して溝を形成すると、どのような問題が生じるのか説明する。
レーザビームL1aが入射位置N1aで焦点を結ぶ(または、レーザビームL1cが入射位置N1cで焦点を結ぶ)ような位置に対物レンズ6を固定したときに、ガルバノスキャナ7により進行方向を振られたレーザビームの焦点の軌跡が描く仮想的な面を、集光面81aとする。集光面81a上の点Rは、レーザビームL1bの焦点位置を示す。
入射位置N1a、N1c以外の溝101上の入射位置では、レーザビームは焦点に集束していく途中で基板に入射する。入射位置から焦点までの距離が長くなるほど、入射位置でのビーム径は焦点でのビーム径よりも大きくなる。入射位置と焦点との距離は、溝の中央に照射されるレーザビームL1bに対して最大となる。
レーザビームのパルスエネルギ密度は、通常、ビーム断面の外周近傍よりも中心で高い。ビーム径が大きくなると、ビーム断面内の各位置におけるパルスエネルギ密度は低下する。したがって、ビーム径は大きくなっても、基板を加工できる閾値以上のパルスエネルギ密度となる領域はビーム断面の中心付近に限られる。
溝101の端である入射位置N1a、N1cの近傍には、ビーム径は小さいが、ビーム断面の外周近傍までパルスエネルギ密度が加工閾値以上となるレーザビームが、高いパルスエネルギ密度で照射されて、幅の太い溝が形成される。一方、溝の中央である入射位置M1の近傍には、ビーム径は大きいが、ビーム断面の中心の狭い領域のみパルスエネルギ密度が加工閾値以上となるレーザビームが、低いパルスエネルギ密度で照射されて、幅の細い溝が形成されてしまう。このように、溝の幅が場所により変動してしまう。
なお、レーザビームL1bの入射位置M1から集光面81a上の点Rまでの距離は、入射角α1が大きくなるほど長くなる。よって、入射角α1が大きくなるほど、入射位置N1a、N1cに照射されるレーザのビーム径と、入射位置M1に照射されるレーザのビーム径との差は大きくなる。つまり、溝の端と中央との幅の差が顕著になってしまう。入射角α1は、溝の端を形成するレーザビームの入射角であるので、例えば、大型の基板に長い溝を形成しようとするとき等に大きくなる。
次に、対物レンズ6の位置を動かして焦点位置を調節しながらレーザビームを走査して、溝を形成する方法について説明する。レーザビームの焦点位置を調節すると、基板に照射されるレーザビームのビーム径が調節されて、基板表面におけるパルスエネルギ密度が調節される。
入射位置M1に入射するレーザビームL1bの焦点をどこに合わせたらよいか考えてみる。焦点を、集光面81a上の点Rよりも入射位置M1に近い位置に設定することで、ビーム径を小さくし、入射位置M1のパルスエネルギ密度を増加させるように補正できる。ただし、焦点を入射位置M1まで近づけると、入射位置M1におけるパルスエネルギ密度が、入射位置N1a、N1cにおけるパルスエネルギ密度よりも高くなってしまう。
レーザビームL1bは基板表面に垂直に入射するので、入射位置M1で焦点を結ぶとしたときのビームスポットは円形となる。一方、レーザビームL1a、L1cは基板表面に入射角α1で斜めから入射しているため、ビームスポット91a、91cは楕円形に広がった形状となる。つまり、レーザビームL1bが入射位置M1で焦点を結ぶとしたときのビームスポット91bにおけるパルスエネルギ密度は、ビームスポット91a、91cにおけるパルスエネルギ密度よりも高くなる。
そこで、レーザビームL1bの焦点を、入射位置M1よりやや深い(入射位置M1から基板の内部に向かって遠い)位置に合わせ、ビームスポット91bの面積が、入射位置N1aのビームスポット91a、91cの面積と等しくなるようにする。このようにすれば、入射位置N1aあるいはN1cとM1とに等しいパルスエネルギ密度でレーザを照射して加工が行える。
溝101上の他の入射位置でも、ビームスポットの面積が一定に保たれるようにして、パルスエネルギ密度を揃え、加工を行えばよい。溝101上を、ビームスポットの面積を変化させない条件で走査したときの焦点の軌跡が、集光面81bである。レーザビームL1bの焦点位置が、集光面81b上の点Qである。
焦点を集光面81b上に沿って移動させるとき、対物レンズ6の位置をどのように調節するか説明する。まず、レーザビームL1aが照射されるとき、入射位置N1aで焦点を結ぶような位置に対物レンズ6が設定される。この位置を基準位置と呼ぶ。
レーザビームを入射位置N1aからM1に向かって走査するとき、対物レンズ6を基準位置から徐々にレーザ光源の方に移動させていくことで、焦点を集光面81aよりも基板表面に近い集光面81bに沿って移動させ、ビームスポットの面積が大きくなり、パルスエネルギ密度が低下することを抑制する。対物レンズの基準位置からの移動距離は、入射位置N1aに入射するレーザビームL1aについてはゼロとし、レーザが入射位置M1に向かうにつれ増大させ、入射位置M1に入射するレーザビームL1bについて最大とする。
引き続き、レーザビームを入射位置M1からN1cに向かって走査するときは、対物レンズ6を徐々に基準位置に近づけていけばよい。対物レンズの基準位置からの移動距離は、レーザが入射位置NTcに向かうにつれ減少させ、入射位置N1cに入射するレーザビームL1cについてはゼロとする。
このように、各入射位置に照射されるレーザビームの焦点が、集光面81b上に沿って移動するように対物レンズ6の位置を調節しながら、レーザを走査することにより、場所により幅が変動することを抑制して溝101を形成できる。
対物レンズの移動のさせ方についてまとめる。対物レンズの位置を動かさずに走査を続けると、基板表面のパルスエネルギ密度が低下してしまう場合には、レーザビームの焦点が入射位置に近づくように対物レンズを移動させて、パルスエネルギ密度の低下を抑制するようにする。対物レンズの位置を動かさずに走査を続けると、基板表面のパルスエネルギ密度が上昇してしまう場合には、反対に、レーザビームの焦点位置が入射位置から遠ざかるように対物レンズを移動させて、パルスエネルギ密度の上昇を抑制するようにすればよい。
加工の一例として、溝の両端の入射位置において、基板表面に焦点を合わせる方法を説明したが、別の入射位置に焦点を合わせてもよい。各入射位置のビームスポットをほぼ一定の面積に保つようにすれば、パルスエネルギ密度を揃えて加工ができるので、どの入射位置に対しても一定の加工性を保つことができる。
なお、照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度を、各入射位置で厳密に一定に保たなくても、入射位置が変化するときに、入射位置におけるパルスエネルギ密度が変動することを抑制するようにすれば、加工を良好に行うことができる。
溝加工(スクライビング加工)を例に説明したが、穴開け加工等を行ってもよい。ガルバノスキャナを1次元方向に走査する例を説明したが、2次元方向に走査し、基板全面に亘るような加工を行ってもよい。パルスレーザビームを用いる加工を例に説明したが、レーザビームは連続波であってもよい。連続波レーザビームで加工を行う場合は、被加工面でのパワー密度が、入射位置ごとに変動することを抑制するようにする。
基板に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度は、対物レンズ6を移動させる代わりに、バリアブルアッテネータを用いて調節することもできる。
図12Bに示す、第2の実施例の変形例によるレーザ加工装置には、図12Aに示したレーザ加工装置にバリアブルアッテネータ2が追加されている。バリアブルアッテネータ2は、コントローラ11から送信される制御信号に基づき、ガルバノスキャナ7の動作に同期して、基板12に照射されるパルスレーザビームのパワーを、所望の減衰率で減衰させることができる。
図14を参照して、バリアブルアッテネータを用いたレーザ加工方法の一例を説明する。図14は、図12Bに示すレーザ加工装置において、対物レンズ6、ガルバノスキャナ7を経て、基板12上を走査するパルスレーザビームの光路を概略的に示す。
レーザビームL2bが、基板表面に垂直に、かつ入射位置M2に入射する。レーザビームL2a、L2cが、それぞれ、入射位置N2a、N2cに入射角α2で入射する。入射位置N2a、N2cを両端とする線分の中点に、入射位置M2が位置する。
対物レンズ6は、レーザビームL2bが入射位置M2で焦点を結ぶような位置に固定されている。ガルバノスキャナ7により進行方向を振られたレーザビームの焦点の軌跡が描く仮想的な面を、集光面82とする。
図13を参照して説明したのと同様に、レーザビームL2aの光路からレーザビームL2cの光路の方へレーザビームの進行方向を振りながら、パルスレーザビームの照射を繰り返して、基板表面に溝を形成する。
レーザビームの入射位置が入射位置M2から離れるにしたがい、レーザビームが焦点を結んでから基板に入射するまでの距離が長くなる。焦点を通過した後のレーザビームは発散光線束となるので、焦点から入射位置までの距離が長くなるほど、基板表面のビームスポットは大きくなる。
また、入射位置が入射位置M2から離れるにしたがい、レーザビームの基板への入射角は大きくなる。同一のビーム径を持つレーザビームが照射された場合でも、入射角が大きくなるほど、基板表面のビームスポットは大きくなる。
図13を参照して説明したように、大きなビームスポット内のパルスエネルギ密度は、ビーム断面の全体に亘って低下し、基板を加工できる閾値以上となるのはビーム断面の中心付近に限られる。このため、大きなビームスポットの照射により形成される溝の幅は細くなる。
どの入射位置に対しても一定のパルスエネルギでレーザを照射して溝を形成すると、溝の中央付近は幅が太く形成され、溝の端は幅が細く形成されてしまう。
そこで、どの入射位置においても基板表面でのパルスエネルギ密度が一定となるように、入射位置に応じて、バリアブルアッテネータ2によりパワーを調節する。パワーの減衰量は、溝の端が加工されるときは最小とし、溝の中心に向かうにつれ増大させ、溝の中心である入射位置M2が照射されるときに最大とする。このようにして、幅が場所により変動することを抑制して、溝を形成できる。
なお、基板に照射されるレーザビームのパルスエネルギ密度の均一化を図るために、ボイスコイル機構10で対物レンズ6を動かして焦点位置を移動させることと、バリアブルアッテネータ2でパルスレーザビームのパワーを減衰させることとを組み合わせて用いてもよい。
なお、レーザビームは連続波であってもよい。連続波レーザビームで加工を行う場合は、被加工面でのパワー密度が、入射位置ごとに変動することを抑制するように、バリアブルアッテネータで連続波レーザビームのパワーを調節する。
さて、例えば、表面にITO膜が形成されたガラス基材の加工において、基板サイズは大型化する趨勢にある。基板が大型になり、被加工領域が広くなると、図13を参照して説明したような、レーザビームの入射位置に応じて対物レンズ6を動かして行う加工において、対物レンズ6の移動量が大きくなる場合が生じる。制御の容易性の観点からは、対物レンズ6の移動量は小さくできることが好ましい。
次に、図15Aを参照して、対物レンズ6の移動を短い距離に抑えたままで、レーザビームの焦点位置の移動距離を長くできる、第3の実施例によるレーザ加工装置について説明する。
図15Aに示すレーザ加工装置においては、図12Aに示したレーザ加工装置の対物レンズ6とガルバノスキャナ7との間に、2次集光レンズ71が追加されている。なお、図15Aの説明においては対物レンズ6を、1次集光レンズ6と呼ぶ。
アパーチャ5aから出射したレーザビームが、1次集光レンズ6に入射する。1次集光レンズ6は、レーザビームを仮想的な1次集光面83上に集光する。1次集光面83を通過したレーザビームは発散光線束となり2次集光レンズ71に入射する。2次集光レンズ71により集束されたレーザビームが、ガルバノスキャナ7に進行方向を振られ、基板12に入射する。
次に、1次集光レンズ6の移動量について説明する。1次集光面83を2次集光レンズ71に近づけると、2次集光レンズ71で集束されたレーザビームの焦点位置は、レーザビームが進行する向きに移動する。1次集光面83の移動距離をd1、レーザビームの焦点の移動距離をd2とする。また、2次集光レンズ71に入射するレーザビームに対する2次集光レンズ71の開口数をNA1、2次集光レンズ71を通過した集束ビームに対する2次集光レンズ71の開口数をNA2とする。倍率Pを、
P=NA1/NA2
と定義すると、
d2=d1×P2
が成立する。
上式からわかるように、倍率Pを大きくすれば、1次集光面83の移動距離d1を短くしても、焦点の移動距離d2を長くすることができる。例えば、倍率Pが2である場合、1次集光面83を2mm2次集光レンズに近づけることにより、レーザビームの焦点を8mmレーザビームの進行方向に移動させることができる。
1次集光面83の移動は、1次集光レンズ6を光軸方向に移動させることにより行われる。1次集光レンズ6に入射するレーザビームが平行光線束であるとき、1次集光レンズ6の移動距離と1次集光面83の移動距離とは等しい。1次集光レンズ6を移動させる距離が約2mm以下であれば、ピエゾ駆動機構を用いた直動機構を利用することができる。ボイスコイル機構10の代わりにピエゾ駆動機構を用いた直動機構を利用することにより、1次集光レンズ6を、高速にかつ高精度に移動させることができる。
図16に、2次集光レンズ71の一構成例を示す。2次集光レンズ71が複数枚のレンズで構成されている。物点Soと像点Siが共役の関係にある。この物点Soは、図15Aに示した1次集光面83上のビームスポットの位置に相当する。この結像光学系を無限遠共役の光学系と考える。2次集光レンズ71を、前側レンズ群71aと後側レンズ群71bとに分餉する。物点Soから出射した光線束は、前側レンズ群71aで平行光線束にされる。この平行光線束が、後側レンズ群71bにより像点Siに焦点を結ぶ。なお、2次集光レンズ71が物理的に分割できない場合もあるが、ここでは、仮想的に分割されると考える。
前側レンズ群71aの前焦点距離をFf、後側レンズ群71bの後焦点距離をFrとする。このとき、上述の式で定義した倍率Pは、
P=Fr/Ff
と表される。
図15Aに示したレーザ加工装置では、1次集光レンズ6を凸レンズで構成したが、図15Bに示すように、凹レンズ6aで構成してもよい。このとき、1次集光面83aは虚像となり、凹レンズ6aよりもレーザ光源側に現れる。
このように、倍率Pを大きくすることにより、1次集光レンズ6の移動距離を短く抑えたままで、基板に照射されるレーザビームの焦点位置を大きく変化させることができる。有為な効果を奏するためには、倍率Pを2以上にすることが好ましく、4以上にすることがより好ましい。
さて、図13に示したビームスポット91a、91cは、基板に斜めから入射するレーザビームのビームスポットであるため、楕円形となった。一方、ビームスポット91bは、基板に垂直に入射するレーザのビームスポットであるため、円形となった。このように、レーザビームの入射位置により入射角が異なって、基板上のビームスポット形状が異なることが起こる。
加工される穴の開口は、ビームスポットが楕円形であれば楕円形となり、円形であれば円形となる。しかし、どの入射位置でも、穴の開口が同一の形状(例えば円形)となるようにしたい場合もある。
次に図17を参照して、ビームスポットの形状を入射位置に応じて補正することができる、第4の実施例によるレーザ加工装置について説明する。
図17に示すレーザ加工装置においては、図12Aに示したレーザ加工装置に、アパーチャ5aをレーザビームの光軸に垂直な軸の回りに回転させるアパーチャ傾斜機構60aと、アパーチャ5aをレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させるアパーチャ回転機構61aとが追加されている。
なお、アパーチャ回転機構61aは、後に図22Aを参照して説明するレーザ加工装置が有するマスク回転機構が、マスクを回転させるのと同様な機構で、アパーチャ5aをレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させる。
アパーチャ傾斜機構60a、アパーチャ回転機構61aはそれぞれ、コントローラ11から送信される制御信号に基づき、ガルバノスキャナ7の動作に同期して、アパーチャ5aの、レーザビームの光軸に垂直な軸の回りの傾斜角度とレーザビームの光軸に平行な軸の回りの回転角度とを変化させる。
レーザビームが基板表面に斜めに入射するときの、光軸に垂直なビーム断面形状と基板表面上のビーム断面形状とを比較する。基板表面上のビーム断面形状は、光軸に垂直なビーム断面形状が、基板表面と入射面との交線方向に引き伸ばされた形状となる。例えば、円形断面のレーザビームが、基板表面に斜めから入射すれば、基板表面におけるビーム断面は、基板表面と入射面との交線方向に長い楕円形になる。なお、入射角が大きい程、基板表面のビームスポットは交線方向に長い形状となる。
したがって、光軸に垂直な断面が、適当な長軸と短軸の比の楕円に整形されたレーザビームを、その楕円の長軸方向が入射面に垂直になるようにして、基板表面に斜めに入射させ、基板表面のビームスポットを円形にすることができるであろう。
図18Aは、アパーチャ傾斜機構60aにより、レーザビームの光軸に垂直な軸の回りに回転されたアパーチャ5aを、アパーチャ傾斜機構60aの回転軸の方向に沿って見た図を概略的に示す。図の左方から入射したレーザビーム1bが、アパーチャ5aで断面を整形されて図の右方へ出射する。
図18Bに示すように、アパーチャ傾斜機構60aに回転されたアパーチャ5aの円形の貫通孔62aは、レーザビームの光軸に沿った視線で見ると、楕円形に見える。すなわち、レーザビームの断面は楕円形に整形される。
なお、アパーチャ5aの円形の貫通孔の異なる2本の直径が張る面が、レーザビームの光軸と直交しているとき、レーザビームの断面は円形に整形される。アパーチャ5aを傾斜させていき、円形の貫通孔の回転中心軸とレーザビームの光軸とがなす角が大きくなるにつれ、整形後のビーム断面の楕円形の短軸は短くなる。このように、アパーチャ傾斜機構60aは、整形後のビーム断面の縦横比を変えることができる。
図18Cに示すように、さらに、アパーチャ回転機構61aを用いて、アパーチャ5aをレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させる。
レーザビームのビームスポットが最小になる位置(レーザビームの焦点と呼ぶ)におけるビーム断面形状は、楕円状になる。焦点におけるビーム断面の長軸方向が、アパーチャ5aの貫通孔の位置におけるビーム断面の短軸方向に対応する。
したがって、貫通孔の位置におけるビーム断面の楕円の長軸方向が、この交線方向と一致するように、アパーチャ回転機構61aでアパーチャ5aを回転させる。このようにして、基板上のビームスポットの形状を、どの入射位置についても円形に保つことができる。
なお、アパーチャの貫通孔を基板表面に結像させることを要しない集光法による加工について説明したが、貫通孔の像を基板表面に結像させるマスク投影法による加工を行う場合でも、基板上のビームスポットの形状を補正することができる。マスク投影法の場合には、基板表面上に形成される貫通孔の像の長軸方向が、マスクの貫通孔の位置におけるビーム断面の長軸方向に対応する。
円形の貫通孔を有するマスクを、レーザビームの光軸に垂直な軸の回りに傾斜させることは同様である。ただし、さらにマスクをレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させるときは、貫通孔を出射したときのビーム断面の楕円形の短軸方向が、入射面と基板表面との交線方向と一致するようにして回転させる。
貫通孔の形状が円の場合を説明したが、他の形状の貫通孔によって整形されたレーザビームのビームスポット形状を補正することもできる。
次に、図19を参照して、近接マスクを用いるレーザ加工方法を行う、第5の実施例によるレーザ加工装置について説明する。図19に示すレーザ加工装置においては、図12Aに示したレーザ加工装置に、近接マスク63が追加されている。
近接マスク63は、近接マスク保持機構64に保持され、基板12の表面と平行に、基板12の直上に配置されている。近接マスク63に、基板表面に加工したい形状と同一の形状を有する貫通孔が形成されている。近接マスク63と基板12の表面との距離(近接ギャップ)dgは、近接マスク保持機構64により調節することができる。
エキスパンダ3が、レーザ光源1を出射したレーザビームのビーム径を拡大し、平行光のレーザビームを出射する。エキスパンダ3を出射したレーザビームは、拡がり角βを有する。エキスパンダ3により、レーザビームのビーム径が例えば10倍に拡大されるとき、拡がり角は10分の1に低減される。エキスパンダ3により、レーザビームの拡がり角を調整することができる。
ガルバノスキャナ7で近接マスク63上を走査しながら、レーザビームの照射を行う。近接マスク63の貫通孔では、レーザビームが通過して基板12に入射し、基板12が加工される。貫通孔以外の部分では、レーザビームが通過せず、基板12が加工されない。このように、近接マスク63が有する貫通孔の形状を転写するようにして、基板表面を加工することができる。
このとき、レーザビームの入射位置が変わっても、基板表面でのパルスエネルギ密度が変動することが抑制されるように、レーザビームの基板への入射位置に応じて対物レンズ6の位置を移動させながら、レーザ照射を行うことができる。なお、レーザ光源1は連続波レーザビームを出射するものであってもよい。その場合には、基板表面でのパワー密度の変動が抑制されるようにする。
さて、高精度の加工を行うためには、近接マスク63の有する貫通孔の形状が基板へ正確に転写される必要がある。転写の精度は、近接ギャップdg及び近接マスク63に照射されるレーザビームの拡がり角に依存する。近接マスクに照射されるレーザビームの拡がり角は、エキスパンダを通過したときのレーザビームの拡がり角βに等しいと考えてよい。
図20に、T字状の貫通孔を有する近接マスクについて、転写の精度が、近接ギャップとレーザビームの拡がり角に依存してどのように変化するかをシミュレーションした結果を示す。近接ギャップとレーザビームの拡がり角を様々に変えた場合のT字状の貫通孔の像97を、並べて示す。各図は、右側に配置されているほどレーザビームの拡がり角が小さく、下側に配置されているほど近接ギャップが小さい。
像97の縁が明確であるほど、転写の精度が高い。図からわかるように、同一の拡がり角のとき、近接ギャップが大きくなるほど転写の精度は劣化する。また同一の近接ギャップのとき、拡がり角が大きくなるほど転写の精度が劣化する。近接ギャップ、拡がり角はともに、小さくするほど転写の精度を高めることができる。
図21に、ある転写の精度を確保しようとしたとき、近接ギャップとレーザビームの拡がり角とが満たさなければならない関係のグラフを概略的に示す。ある転写の精度を確保しようとしたとき、近接ギャップが大きくなれば、拡がり角を小さくしなければならず、また、拡がり角が大きくなれば、近接ギャップを小さくしなければならない。
様々な転写精度に対して、図21に示したような、近接ギャップとレーザビームの拡がり角とが満たさなければならない関係を予め求めておけば、所望の転写精度で加工を行おうとするとき、近接ギャップと拡がり角とを簡便に選定することができる。
近接マスクを用いるレーザ加工方法には、近接ギャップと拡がり角とを小さく設定して、高い転写精度で加工が行える利点がある。また、基板の被加工位置の直上に近接マスクの貫通孔を配置して加工を行うことにより、高い位置決め精度を得ることができる。被加工位置以外は、近接マスクが基板表面を覆っているので、加工時に基板が削られて発生する飛散物が、基板表面に付着しづらいという利点もある。
なお、近接マスクの貫通孔を通過させたレーザビームを基板に照射する加工を行うとき、レーザビームの基板への入射位置の移動を、ガルバノスキャナでレーザビームの進行方向を振って行うことにより、基板を載置したXYステージを動かして入射位置の移動を行う場合よりも、加工の高速化を図ることができる。
次に、図22Aを参照して、連続波のレーザビームを発振するレーザ光源を有する、第6の実施例によるレーザ加工装置について説明する。連続波のレーザビームを発振するレーザ光源1として、例えば、赤外線領域の波長のレーザビームを発振する半導体レーザを用いることができる。
レーザ光源1から出射されたレーザビームlb0が、振り分け光学系65に入射する。振り分け光学系65は、レーザビームlb0を、ある時間帯においては、ある光軸に沿って進行するレーザビームlb1に、他の時間帯においては、他の光軸に沿って進行するレーザビームlb2に振り分ける。
振り分け光学系65は、例えば、半波長板65a、ポッケルス効果を示す電気光学素子65b、偏光板65cを含んで構成される。半波長板65aは、レーザ光源1から出射されたレーザビームlb0を、偏光板65cに対してP波となるような直線偏光にする。このP波が電気光学素子65bに入射する。
電気光学素子65bは、コントローラ11から送出される契機信号sigに基づいて、レーザビームの偏光軸を旋回させる。電気光学素子65bが電圧無印加状態にされている時、入射したP波がそのまま出射される。電気光学素子65bが電圧印加状態にされている時、電気光学素子65bは、P波の偏光面を90度旋回させる。これにより、電気光学素子65bから出射するレーザビームは、偏光板65cに対してS波となる。
偏光板65cは、P波をそのまま透過させ、S波を反射する。偏光板65cで反射したS波であるレーザビームlb1は、レーザビームlb1の終端となるビームダンパ66に入射する。偏光板65cを透過したP波であるレーザビームlb2は、エキスパンダ3に入射する。
エキスパンダ3によりビーム径を拡大され、平行光とされたレーザビームlb2は、矩形の貫通孔を有するマスク5に入射する。ここでは、マスク投影法による加工を例に説明する。つまり、マスク5の貫通孔の像を基板12の表面に結像させて加工を行う。
マスク回転機構61が、マスク5をレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させるのに用いられる。マスク回転機構61は、たとえばゴニオメータを含んで構成され、コントローラ11が送出する制御信号に基づき、所望のタイミングで、所望の角度だけマスクを回転させる。マスク回転機構61について詳しくは後述する。ボイスコイル機構9が、マスク5の位置をレーザビームの進行方向と平行に移動させる。
マスク5を出射したレーザビームlb2は、対物レンズ6により集束される。ボイスコイル機構10が、対物レンズ6の位置をレーザビームの進行方向と平行に移動させる。対物レンズ6を出射したレーザビームは、ガルバノスキャナ7を通過した後、基板12の表面に入射する。
図22Bを参照して、加工対象物である基板12について説明する。下地層110の表面上に転写層111が存在している。この転写層111は、熱が加えられると下地層110の表面に接着される性質を有する。
例えば、転写層111の一部111aをレーザ照射により加熱して下地層110に接着する。転写層111のうち加熱されなかった部分111bを除去すると、下地層110の表面上には加熱された部分111aのみが残る。これは例えば、熱転写式の印刷を行う際、インクリボンの加熱された部分のインクが紙に転写されることに似ている。
図22Aに戻って説明を続ける。XYステージ8aが、基板12の保持台として用いられる。XYステージ8aは、基板12を、基板12の表面に平行な2次元面内で移動させることができる。コントローラ11によりXYステージ8aを制御し、基板12を所望のタイミングで所望の位置に移動させる。
ここで説明するレーザ加工方法の例では、ガルバノスキャナ7のX用スキャナ7aとY用スキャナ7bとが、ガルバノスキャナ7を出射したレーザビームが基板12に垂直に入射するような位置に固定されている。基板12をXYステージ8aで動かすことにより、レーザビームの基板12への入射位置を移動させる。
ボイスコイル機構9、10を用いて、マスク5から対物レンズ6までの光路長及び対物レンズ6から基板12のレーザビームの入射位置までの光路長が、マスク5の貫通孔の像が基板12の表面に所望の結像倍率(縮小率)で結像するように設定される。
図23を参照して、振り分け光学系の制御方法について説明する。図23は、契機信号sig、レーザビームlb0、lb1、lb2のタイミングチャートの一例を示す。時刻t0で、レーザビームlb0の出射が開始される。
時刻t0から時刻t1までは、契機信号sigがコントローラから送出されない。この間は、電気光学素子に電圧が印加されず、振り分け光学系からは常にレーザビームlb2が出射する。レーザビームlb1は、出射されない。この間のレーザビームlb2は、連続波となる。
時刻t1から時刻t2までは、コントローラが周期的に送出する契機信号sigに同期して、振り分け光学系の電気光学素子に電圧が印加される。
契機信号sigが送出されている間は電気光学素子が電圧印加状態となり、レーザビームlb0はレーザビームlb1に振り分けられる。一方、契機信号sigが送出されていない間は電気光学素子が電圧無印加状態となり、レーザビームlb0はレーザビームlb2に振り分けられる。時刻t1から時刻t2までのレーザビームlb2は、周期的に発振と停止とが繰り返されるレーザビームとなる。
この間欠的に出射されるレーザビームlb2において、パルス幅w1、及び、周期w2は、契機信号sigを調節することにより、任意の長さに設定できる。例えば、パルス幅w1は10μs〜数10μsとし、周期w2は数100μsとする。
このように、振り分け光学系に契機信号を入力しないときには、連続的に出射するレーザビームlb2が得られ、振り分け光学系に間欠的に契機信号を入力したときには、間欠的に出射するパルスレーザビームlb2が得られる。
さて、連続的に出射されるレーザビームlb2は、連続的に基板に照射できるため、例えば、ラインを形成する加工(下地層上に転写層をライン状に残す加工)に好適である。一方、間欠的に出射されるレーザビームlb2は、間欠的に基板に照射できるため、例えば、ドットを形成する加工(下地層上に転写層をドット状に残す加工)に好適である。
図24Aを参照して、ライン加工の方法について説明する。基板12へのレーザ照射を開始して、加工を開始する。加工の開始時に、まず、ライン103の一端の全幅上の領域が、矩形のビームスポット93により照射される。その後、レーザを連続的に照射しながら、ビームスポットがライン103の他の一端に向かうように、XYステージを一方向に移動させる。XYステージの移動方向は、矩形のビームスポット93のある辺と平行である。なお、基板上のビームスポットの移動の向きを矢印で示す。
ビームスポットが、ライン103の他の一端まで達したら、基板へのレーザ照射を止めて加工を終了する。このようにして、基板表面のライン状の領域がレーザ照射で加熱されることにより、下地層の表面にライン状に転写層が残ったライン103が形成される。
形成されたライン103の外形は、長さ方向の辺がビームスポット93のある辺に平行で、幅方向の辺がビームスポット93のある辺に直交する辺に平行な矩形となる。ライン103の幅は、ビームスポット93のある辺に直交する辺の長さに等しい。
図24Bを参照して、ドット加工の方法について説明する。ドット加工においては、基板12に間欠的にレーザビームを照射しながら、XYステージを一方向に移動させる。XYステージの移動方向は、矩形のビームスポット94aのある辺(辺pと呼ぶ)と平行である。
まず、1パルス目のレーザ照射の開始時に、ドット104aの一端の全幅上の領域が、矩形のビームスポット94aにより照射される。XYステージは移動しているため、この1パルス目のレーザ照射が終了するまで、ビームスポットが基板上で移動する。ビームスポットの移動の向きを矢印で示す。
このようにして、基板表面のドット状の領域がレーザ照射で加熱され、下地層の表面にドット状に転写層が残ったドット104aが形成される。
以後同様にして、2、3、4、5パルス目のレーザ照射によりそれぞれ、ドット104b、104c、104d、104eが形成される。なお、2、3、4、5パルス目の照射開始時にビームスポット94b、94c、94d、94eがそれぞれ照射する基板表面の領域は、ビームスポット94aが照射する基板表面の領域を、XYステージの移動方向と平行に移動させた領域に一致する。各ドットは、XYステージの移動方向と平行な直線上に並ぶ。
各ドットの外形は、ビームスポット94aの辺pに平行な辺と、ビームスポット94aの辺pに直交する辺(辺qと呼ぶ)に平行な辺を持つ矩形となる。
各ドットのXYステージの移動方向に直交する辺の長さは、辺qの長さに等しく、例えば辺qの長さが20μmの場合は20μmとなる。
各ドットのXYステージの移動方向に平行な辺の長さは、ビームスポットの辺pの長さ、XYステージの移動の速さ、パルスの照射時間(パルス幅)に依存する。
例えば、ビームスポットの辺pの長さが12μm、XYステージの移動の速さが800mm/s、パルス幅が10μsであるとする。パルス幅10μsの間に、XYステージが移動する距離(つまり、基板が移動する距離)は8μmであるので、ドットのXYステージの移動方向に平行な辺の長さは、ビームスポットの辺pの長さ12μmに移動距離8μmを加えた20μmとなる。
隣接するドット間のピッチdは、パルスの1周期の間に、XYステージが移動する距離に一致する。例えば、パルスの周期が375μsであり、XYステージの移動の速さが800mm/sである場合、ピッチdは300μmとなる。
以上をまとめると、ビームスポットのサイズを辺pの長さ12μm、辺qの長さ20μmに設定し、レーザビームをパルス幅10μs、周期375μsで発振させ、XYステージを800mm/sで移動させた場合、20μm角のドットを300μmピッチで形成することができる。
さて、基板上にそれぞれ異なる方向を有する複数のラインを加工したい場合もある。しかし、基板上のビームスポットの方向を一定にしたまま異なる方向のラインを形成すると、ラインの方向に依存してラインの幅が変わること等の問題が生じる。
図29を参照して、このような状況の一例を説明する。図24Aを参照して説明した方法により、まず、ライン109aを形成する。次いで、ビームスポットの方向を変えずに、ライン109aと異なる方向を有するライン109bを形成する。レーザ照射の開始時に、ビームスポット99が、ライン109bの一端に照射される。ライン109bの長さ方向にXYステージを移動させながら、ビームスポットをライン109bの他の一端まで移動させて、ライン109bを形成する。
図に示すように、ライン109aの幅は、ビームスポット99の長辺の長さに等しいが、ライン109bの幅は、こめ長辺の長さと等しくなるとは限らない。また、ライン109bの端の辺を、ラインの長さ方向に直交するように形成できない。図22Aに示したマスク回転機構61を用いることにより、このような問題を回避することができる。
図25は、矩形の貫通孔62を有するマスク5を保持したマスク回転機構61を示す概略図である。矩形の貫通孔62の2本の対角線が張る面は、レーザビームの光軸に対して垂直である。マスク回転機構61は、貫通孔62の矩形の対角線の交点を回転中心として、レーザビームの光軸に平行な軸の回りに、マスク5を回転する。
マスク5の回転に対応して、基板12の表面内で貫通孔62の像が回転する。基板上の貫通孔62の矩形の像の辺を、基板表面内の任意の方向と平行にすることができる。
次に説明するように、加工するライン等の方向を変えるため、基板上のレーザビームの入射位置の移動方向を変える前に、マスク回転機構61によりマスク5を回転させることができる。
図26を参照して、マスク回転機構を用いたラインの加工方法について説明する。図24Aを参照して説明した方法により、ライン103aを形成する。ビームスポット93aの長辺の長さが、ライン103aの幅に等しく、ビームスポット93aの短辺の方向が、ライン103aの長さ方向と平行であるとする。
ライン103aと異なる方向を有するライン103bの加工を開始する前に、マスク回転機構によりマスクを回転させ、ビームスポット93bの短辺が、ライン103bの長さ方向と平行となるようにする。そして、ライン103bの一端の全幅上にビームスポットが照射されるように、XYステージにより基板を移動させる。
レーザビームの照射を開始し、図24Aを参照して説明したのと同様な工程により、ライン103bの長さ方向にXYステージを移動させながら、ライン103bを形成する。ライン103bの幅は、ビームスポット93bの長辺の長さに等しくなる。また、ライン103bの幅方向の辺と長さ方向の辺とは直交する。
このようにして、それぞれ異なる方向を有する複数のラインを、同一の幅となるように形成することができる。なお、異なる方向を有する複数のドットを、大きさ、形状を変えずに形成するために、マスク回転機構を用いることもできる。
周期的な契機信号により振り分け光学系を制御し、レーザビームをパルス化する例を説明したが、契機信号は周期的でなくてもよい。例えば、等しくないピッチで複数のドットを形成したい場合に、周期的ではない契機信号を用いることができる。また、レーザビームのパルス幅は一定でなくともよい。形成するドットのサイズ等に応じて適宜設定すればよい。
基板上のビームスポットの形状や大きさを変えることで、ラインの幅やドットの大きさ等を調節することができる。マスクの交換により、ビームスポットの形状や大きさを変えることができる。また、結像倍率(縮小率)を変えることにより、ビームスポットの大きさを変えることもできる。
基板表面にライン状あるいはドット状に転写層が残る加工を例に説明したが、レーザ照射により基板表面がライン状あるいはドット状に掘られるような加工であってもよい。
マスクの貫通孔の形状は矩形に限らず、形成したいドットやラインの形状に応じて適宜選択すればよい。
基板上のレーザビームの入射位置を、XYステージにより移動させる例を説明したが、入射位置は、ガルバノスキャナでレーザビームの進行方向を振ることで移動させることもできる。
次に、図27Aを参照して、2台のレーザ光源を有し、1台のレーザ光源はパルスレーザビームを、もう1台のレーザ光源は連続波レーザビームを出射する、第7の実施例によるレーザ加工装置について説明する。
レーザ光源1aは、例えば、波長変換ユニットを含むNd:YAGレーザ発振器であり、Nd:YAGレーザの第4高調波(波長266nm)のパルスレーザビームを出射する。パルス幅は、例えば10nsである。レーザ光源1aが出射したパルスレーザビームは、半波長板69aに入射し、偏光板67に対してP波となるような直線偏光にされる。
レーザ光源1bは、例えば、半導体レーザ発振器であり、波長808nmの連続波レーザビームを出射する。レーザ光源1bが出射した連続波レーザビームは、半波長板69bに入射し、偏光板67に対してS波となるような直線偏光にされる。
半波長板69aを出射したパルスレーザビームは、ビーム径を拡大して平行光とするエキスパンダ3aと、例えば矩形の貫通孔を有するマスク5とを通過し、偏光板67の表側の面に入射角45°で入射する。
半波長板69bを出射した連続波レーザビームは、ビーム径を拡大して平行光とするエキスパンダ3bを通過し、折り返しミラー68で反射され、偏光板67の裏側の面に入射角45°で入射する。
偏光板67は、P波であるパルスレーザビームを透過させ、S波である連続波レーザビームを反射する。偏光板67により、レーザ光源1aから出射したパルスレーザビームと、レーザ光源1bから出射した連続波レーザビームとが同一の光軸上に重畳される。
偏光板67を通過したパルスレーザビームと、偏光板67に反射された連続波レーザビームとは、対物レンズ6で集束され、ガルバノスキャナ7を通過し、基板12に入射する。
基板12の保持台として用いられるXYステージ8aが、基板12を、基板12の表面に平行な2次元面内で移動させることができる。コントローラ11によりXYステージ8aを制御し、基板12を所望のタイミングで所望の位置に移動させる。
ここで説明するレーザ加工方法の例では、ガルバノスキャナ7のX用スキャナ7aとY用スキャナ7bとが、ガルバノスキャナ7を出射したレーザビームが基板12に垂直に入射するような位置に固定されている。 基板12をXYステージ8aで動かすことにより、レーザビームの基板12への入射位置を移動させる。
ボイスコイル機構9、10がそれぞれ、マスク5、対物レンズ6の位置を、レーザ光源1aから出射されるパルスレーザビームの進行方向に平行に移動させる。マスク5の貫通孔の像は、マスク5および対物レンズ6の位置を調節して、基板12の表面に所望の結像倍率(縮小率)で結像させる。
図27Bを参照して、加工対象物である基板12について説明する。下地層120の表面上に、表層121が形成されている。下地層120は例えば、液晶表示装置のカラーフィルタであり、厚さ1μmの、ポリイミド系樹脂やアクリル系樹脂等からなる樹脂層である。表層121は例えば、厚さ0.5μmのITO膜である。
レーザ照射により表層121のみを除去する場合、下地層120が表層121よりも加工されやすいため、表層121のみを加工することは難しい。例えば、基板にレーザを照射したとき、表層121が直接的に加工されないうちに、下地層120に伝わった熱の影響で下地層120が爆発的に飛散し、それに伴い表層121が吹き飛ばされてしまうことが起こる。
本発明者は、基板に予熱を与えた後にレーザ照射を行うことで、表層121のみを加工することが容易になることを見出した。図27Aに示したレーザ加工装置において、レーザ光源1bから出射した連統波レーザビームにより基板12を予熱し、レーザ光源1aから出射したパルスレーザビームにより穴等の加工を行う。
次に図28A〜28Cを参照し、基板上の被加工点に、連続波レーザで予熱を与えた後に、パルスレーザを照射して、穴を形成する方法の一例を説明する。
図28Aに示すように、連続波レーザビーム(円形のビームスポット95で示す)が照射されている基板12の表面に、被加工点105a、105b、105cが画定されている。被加工点105a〜105cを結ぶ直線上に、ビームスポット95の中心が位置する。この直線と平行にXYステージを動かし、被加工点105a〜105cをビームスポット95の方に移動させる。
図28Bに示すように、被加工点105aがビームスポット95の縁に到達すると、被加工点105aに、連続波レーザが照射されて予熱の供給が開始される。
図28Cに示すように、被加工点105aがビームスポット95の中心に到達したとき、ビームスポット95の中心に、1ショットのパルスレーザの照射を行う。パルスレーザのビームスポットを、ビームスポット96で示す。
被加工点105aは、ビームスポット95の縁から中心まで移動する間に予熱されている。予熱された被加工点105aにパルスレーザを照射することにより、下地層が加工されることを抑制して基板の表層に穴を形成できる。
基板12を引き続き移動させ、被加工点105aと同様に、被加工点105b、105cにも穴を形成する。
予熱に用いる連続波レーザビームの照射条件は、例えば、ビームスポットを直径20mmの円形状とし、基板表面でのパワー密度を0.1W/cm2とする。加工に用いるパルスレーザビームの照射条件は、例えば、ビームスポットを20μm角の正方形とし、基板表面でのパルスエネルギ密度を0.1〜0.4J/cm2とする。
なお、被加工点が予熱される時間は、被加工点が連続波レーザのビームスポットの半径の長さ分移動する時間にほぼ等しい。この時間は、例えば、ビームスポットの半径を10mmとし、XYステージの移動速さを800mm/sとすると、約0.13秒となる。パルスレーザを、連続波レーザビームのビームスポットの中心に照射することで、XYステージの移動方向をさまざまに変えても、予熱時間を揃えて加工を行うことが容易になる。
連続波レーザの照射により基板表面に与えた予熱は、下地層まで伝わるので、与える予熱が多すぎると下地層が加工されてしまう。したがって、予熱は、下地層の温度が、下地層が加工されないような温度以下に留まるように供給する必要がある。例えば、下地層の温度が、下地層の素材の融点以下に留まるようにすることが必要である。
ITO膜は、可視光に対して透明であるが、例えば波長808nmの近赤外線に対する吸収係数はゼロではない。したがって、この波長の光をITO膜の予熱に用いることができる。ITOの吸収係数がより大きな波長(例えば1064nm近傍の波長)の光を用いれば、予熱の効率向上が期待される。
パルスレーザビームと連続波レーザビームとを同一の光軸上に重畳させて基板に照射する例を説明したが、両レーザビームは同一の光軸上になくともよい。連続波レーザビームのビームスポットの内部に、パルスレーザビームのビームスポットが含まれるようにして、両レーザビームを基板に照射すれば、被加工点が連続波レーザビームのビームスポットの縁に達してから、パルスレーザのビームスポットの位置に到達するまで、被加工点に予熱を供給することができる。
ただし、予熱を与えるためには、被加工点が、連続波レーザビームのビームスポットの内部を通った後に、パルスレーザビームの照射位置に到達するようにする必要がある。したがって、パルスレーザビームの照射位置は、被加工点が連続波レーザビームのビームスポットの外周に接触した時点の被加工点の位置と一致しないようにする必要がある。
穴を形成する例を説明したが、複数の穴を連続するように形成して、溝を形成してもよい。
基板上のレーザビームの入射位置を、XYステージにより移動させる例を説明したが、入射位置は、ガルバノスキャナでレーザビームの進行方向を振ることで移動させることもできる。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
Claims (41)
- (a)貫通孔を有するマスクでレーザビームの断面を整形し、該マスクの貫通孔が加工対象物の表面上に結像するように、該貫通孔を通過したレーザビームをレンズで集光して、該加工対象物の表面上に入射させる工程と、
(b)レーザビームの入射位置が前記加工対象物の表面上を移動するように、前記レンズを通過したレーザビームを走査するとともに、レーザビームの走査中も前記貫通孔を前記加工対象物の表面上に結像させることにより該加工対象物を加工する工程と
を有するレーザ加工方法。 - 前記工程(a)において、前記マスクと前記レンズとの間の光路長、及び前記レンズから前記加工対象物の表面までの光路長を一定に維持した状態で、前記レーザビームを走査する請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(b)が、前記レンズを、該レンズを通過するレーザビームの進行方向に平行な方向に変位させ、前記マスクを、該マスクを通過するレーザビームの進行方向に平行な方向に変位させる工程を含む請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(a)において、前記貫通孔を通過したレーザビームを、前記加工対象物の表面上におけるビームスポットが平行な一対の辺を有する形状となるように前記加工対象物表面上に入射させ、前記工程(b)において、前記ビームスポットが前記一対の辺に平行な方向に移動するように、前記レーザビームを走査する請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記加工対象物表面上に入射するレーザビームの前記加工対象物表面上における強度分布は、ビームスポットの周辺部における強度が、中央部における強度より大きな分布である請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記加工対象物表面上に入射するレーザビームがパルスレーザビームであり、前記工程(b)が、前記加工対象物表面上への入射角が大きくなると、前記レーザビームのパルスエネルギが大きくなるように、パルスエネルギを変化させる工程を含む請求項1に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(b)において、前記加工対象物表面上を走査するレーザビームの、前記加工対象物表面への入射角が変動したとき、前記加工対象物表面におけるレーザビームのビームスポットの面積の変動が小さくなるように前記マスク及び前記レンズを変位させる請求項1に記載のレーザ加工方法。
- (c)レンズで集光されたレーザビームを、加工対象物の表面に入射させる工程と、
(d)レーザビームの入射位置が、前記加工対象物の表面上を移動するように、該レーザビームを走査して、該加工対象物を加工する工程であって、前記レンズから前記加工対象物の表面までの該レーザビームの光路長が変化しないように、該レーザビームを走査する工程と
を有するレーザ加工方法。 - 前記工程(d)が、前記レンズから前記加工対象物の表面までの該レーザビームの光路長が変化しないように、前記レンズを、該レンズを通過するレーザビームの進行方向に変位させる工程を含む請求項8に記載のレーザ加工方法。
- 前記レンズに入射するレーザビームがコリメートされたビームであり、前記レンズから前記加工対象物の表面までのレーザビームの光路長が、前記レンズの焦点距離に等しい請求項8に記載のレーザ加工方法。
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持台と、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームの断面を整形する貫通孔を有するマスクと、
前記マスクで断面を整形されたレーザビームを、該マスクの貫通孔が、前記保持台に保持された加工対象物の表面に、結像するように集光する集光レンズと、
前記集光レンズで集光されたレーザビームを、外部からの制御を受けて、前記加工対象物の表面上で、少なくとも1次元方向に走査するビーム走査器と、
外部からの制御を受けて、前記マスクと前記集光レンズとを移動させる移動機構と、
前記ビーム走査器による走査と、前記移動機構による前記マスクと前記集光レンズの移動とを同期させる制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - 前記移動機構は、前記マスクと前記集光レンズとの間の光路長を一定に保ちつつ、前記ビーム走査器で走査されるレーザビームの、前記集光レンズから前記加工面に至る光路長が変化しないように、前記集光レンズを、該集光レンズを通過するレーザビームの進行方向に移動させ、前記マスクを、該マスクを通過するレーザビームの進行方向に移動させる請求項11に記載のレーザ加工装置。
- 前記移動機構は、前記加工対象物の表面上を走査するレーザビームの、前記加工面への入射角が変動したとき、該加工対象物の表面上における前記貫通孔の像の面積の変動を小さくするように、前記マスクと前記集光レンズとを移動させる移動機構である請求項11に記載のレーザ加工装置。
- 更に、前記レーザ光源から出射されるレーザビームのパルスエネルギを調整するバリアブルアッテネータであって、レーザビームが前記加工対象物表面に大きな入射角で入射するときには、パルスエネルギの減衰率を小さくするバリアブルアッテネータを有する請求項11に記載のレーザ加工装置。
- 更に、前記レーザ光源がパルスレーザビームを出射するとき、前記パルスレーザビームのビーム断面におけるパルスエネルギ密度を、中央部よりも周辺部で大きくするパルスエネルギ密度変換装置を有する請求項11に記載のレーザ加工装置。
- 前記マスクの貫通孔が平行な一対の辺を有する形状である請求項11に記載のレーザ加工装置。
- 前記保持台に保持された加工対象物の表面上に、互いに直交するX方向とY方向とを画定するとき、前記ビーム走査器は、前記集光レンズで集光されたレーザビームを、前記加工対象物の表面上において、X方向に走査するX方向走査器とY方向に走査するY方向走査器とを含み、前記集光レンズは、前記加工対象物の表面上における前記貫通孔の像の平行な一対の辺を、X方向と平行に結像させる請求項16に記載のレーザ加工装置。
- (e)レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、
(f)前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度の、入射位置の移動に起因する変動を抑制するように前記レンズを移動させながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程と
を含むレーザ加工方法。 - 前記工程(f)において、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が増加することを抑制するときは、レーザビームの焦点位置が入射位置から遠ざかるように前記レンズを移動させ、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が減少することを抑制するときは、レーザビームの焦点位置が入射位置に近づくように前記レンズを移動させる請求項18に記載のレーザ加工方法。
- レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、
前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるビームスポットの面積が入射位置の移動に起因して変動することを抑制するように前記レンズを移動させながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程と
を含むレーザ加工方法。 - レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、
前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
外部からの制御信号を受け、前記レンズを移動させる移動機構と、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することが抑制されるよう、前記レンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - 前記制御装置は、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が増加することを抑制するときは、レーザビームの焦点位置が入射位置から遠ざかるよう前記レンズを移動させるように前記移動機構を制御し、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が減少することを抑制するときは、レーザビームの焦点位置が入射位置に近づくよう前記レンズを移動させるように前記移動機構を制御する請求項21に記載のレーザ加工装置。
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、
前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
外部からの制御信号を受け、前記レンズを移動させる移動機構と、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるビームスポットの面積が変動することを抑制するよう、前記レンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - (g)レーザビームをレンズで集光して、加工対象物の表面に入射させる工程と、
(h)前記加工対象物へのレーザビームの入射位置が移動したとき、前記加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度の、入射位置の移動に起因する変動を抑制するように、レーザビームのパワーをバリアブルアッテネータを用いて調節しながら、レーザビームの入射位置を前記加工対象物の表面内で移動させる工程と
を含むレーザ加工方法。 - レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、
前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
外部からの制御信号を受け、レーザビームのパワーを可変な減衰率で減衰させるバリアブルアッテネータと、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することを抑制するよう、レーザビームのパワーを調節するように、前記バリアブルアッテネータを制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームを収束または発散させる第1のレンズと、
前記第1のレンズを通過したレーザビームが入射し、入射するレーザビームを集光させる第2のレンズと、
前記第2のレンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
外部からの制御信号を受け、前記第1のレンズを移動させる移動機構と、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することが抑制されるよう、前記第1のレンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置と
を有し、
前記第2のレンズに入射するレーザビームに対する該第2のレンズの開口数をNA1、前記第2のレンズを通過したレーザビームに対する該第2のレンズの開口数をNA2としたとき、NA1/NA2が2以上であるレーザ加工装置。 - レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
貫通孔を有し、該貫通孔に前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射し、外部からの制御信号を受け、貫通孔を通過したレーザビームの断面の一方向の長さを変えることができるビーム断面整形器と、
前記ビーム断面整形器から出射したレーザビームを集光するレンズと、
前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、前記ビーム断面整形器が加工対象物の表面におけるビームスポットの形状の変動を抑制するように、前記ビーム断面整形器を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - 前記ビーム断面整形器が、レーザビームの断面を一方向に長い形状に整形するとき、前記貫通孔を、レーザビームの進行方向に垂直な面から傾斜させる請求項27に記載のレーザ加工装置。
- 前記ビーム断面整形器が、前記貫通孔をレーザビームの進行方向に平行な軸の回りに回転させることができる請求項28に記載のレーザ加工装置。
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームを集光するレンズと、
前記レンズから出射したレーザビームの進行方向を振り、レーザビームを前記保持機構に保持された加工対象物の表面に入射させ、レーザビームの入射位置を加工対象物の表面内で移動させるビーム走査器と、
前記ビーム走査器を出射したレーザビームが加工対象物に入射するまでの光路中に配置され、貫通孔を有し、該貫通孔を通過したレーザビームを加工対象物に入射させる近接マスクと
を有するレーザ加工装置。 - さらに、
外部からの制御信号を受け、前記レンズを移動させる移動機構と、
前記ビーム走査器が加工対象物の表面でレーザビームの入射位置を移動させるとき、加工対象物の表面におけるレーザビームのパルスエネルギ密度またはパワー密度が変化することが抑制されるよう、前記レンズの位置を移動させるように、前記移動機構を制御する制御装置とを有する請求項30に記載のレーザ加工装置。 - レーザ光源から出射したレーザビームの拡がり角を調整する工程と、
前記所定の拡がり角を有するように調整されたレーザビームの進行方向を振りながら、加工対象物の表面と平行に該表面から所定の距離だけ離れた位置に配置され、貫通孔を有する近接マスクに、該レーザビームを照射し、該貫通孔を通過したレーザビームを該加工対象物の表面に入射させて、該貫通孔の形状を該加工対象物の表面に転写する工程と、
前記所定の拡がり角と前記所定の距離の少なくとも一方を、該貫通孔の形状が該加工対象物の表面に転写される精度と、レーザビームの拡がり角と、前記近接マスクと前記加工対象物の表面との間の距離とに関して予め求められた関係に基づいて設定する工程と
を含むレーザ加工方法。 - 連続波のレーザビームを出射するレーザ光源と、
加工対象物を保持する保持機構と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームが入射し、外部から与えられる契機信号に基づき、入射したレーザビームを第1の方向に出射させる状態と第1の方向に出射させない状態とを切換えることができる光学系と、
矩形の貫通孔を有し、前記光学系を前記第1の方向に出射したレーザビームが該貫通孔に入射し、レーザビームの断面を整形するマスクと、
前記マスクから出射したレーザビームを集光し、前記マスクの矩形の貫通孔を前記保持機構に保持された加工対象物の表面に結像させるレンズと、
外部から与えられる制御信号に基づき、前記保持機構を移動させて、前記レンズを出射したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させることができる移動機構と、
外部から与えられる制御信号に基づき、前記マスクを、該マスクの貫通孔を通過するレーザビームの光軸に平行な軸の回りに回転させるマスク回転機構と、
前記光学系に前記契機信号を送出し、前記移動機構がレーザビームの加工対象物への入射位置を第2の方向に移動させるように前記移動機構を制御し、前記移動機構が加工対象物表面上のレーザビームの入射位置を該第2の方向に移動させる前に、前記マスク回転機構が、前記マスクを回転させ前記矩形の貫通孔の加工対象物表面における像のある辺を該第2の方向と平行にするように、前記マスク回転機構を制御する制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - (i)入射したレーザビームを第1の方向に出射させる状態と第1の方向に出射させない状態とを切換えることができる光学系に、レーザ光源から出射した連続波のレーザビームを入射させる工程と、
(j)前記光学系から前記第1の方向に出射したレーザビームを、矩形の貫通孔を有するマスクに入射させて断面を整形し、レンズで集光して、加工対象物の表面に前記貫通孔の像を結ばせる工程と、
(k)前記貫通孔の像を、前記加工対象物の表面上で、該像のある辺に平行な方向に移動させる工程と
を含み、
加工対象物表面に点状の離散的なパタンを形成するときは、前記工程(i)において、前記光学系から前記第1の方向にレーザビームが間欠的に出射するようにし、
加工対象物表面に線状のパタンを形成するときは、前記工程(i)において、前記光学系から前記第1の方向にレーザビームが連続的に出射するようにするレーザ加工方法。 - さらに、前記工程(k)の後に、
(l)前記貫通孔の像が、前記加工対象物の表面上で回転するように、前記マスクをレーザビームの進行方向に平行な軸の回りに回転させる工程と、
(m)前記工程(l)において加工対象物表面上で回転された前記貫通孔の像を、回転された前記貫通孔の像のある辺に平行な方向に移動させる工程と
を含む請求項34に記載のレーザ加工方法。 - 加工対象物を保持する保持機構と、
パルスレーザビームを出射する第1のレーザ光源と、
連続波レーザビームを出射する第2のレーザ光源と、
前記保持機構に保持された加工対象物の表面に、前記第1のレーザ光源から出射したパルスレーザビームと前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームとを、連続波レーザビームのビームスポットの内部にパルスレーザビームのビームスポットが含まれるようにして照射する光学系と、
前記保持機構に保持された加工対象物の表面上でパルスレーザビーム及び連続波レーザビームのビームスポットを移動させる移動機構と
を有するレーザ加工装置。 - 前記光学系が、前記第1のレーザ光源から出射したパルスレーザビームまたは前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームの少なくとも一方の光軸を変化させ、パルスレーザビームと連続波レーザビームとが同一の光軸に沿って進行するようにして、前記保持機構に保持された加工対象物の表面にレーザビームを照射する請求項36に記載のレーザ加工装置。
- (n)第1のレーザ光源からパルスレーザビームを出射させ、第2のレーザ光源から連続波レーザビームを出射させる工程と、
(o)下地層と下地層の表面上に形成され下地層の材質よりもレーザ照射により加工されにくい材質で形成された表層とを有する加工対象物の表面に画定された被加工点に、前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームを照射して予熱を与えた後、該被加工点に前記第1のレーザ光源から出射したパルスレーザビームを照射して、前記加工対象物の表層に穴を形成する工程と
を含むレーザ加工方法。 - 前記工程(o)において、前記第2のレーザ光源から出射した連続波レーザビームは、前記下地層の温度が前記下地層の融点以下に留まるように前記加工対象物に予熱を与える請求項38に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(o)において、連続波レーザビームのビームスポットの内部に、パルスレーザビームのビームスポットが含まれるようにし、前記加工対象物の表面内で、連続波レーザビームのビームスポットの外部から、パルスレーザビームの照射位置に向けて、前記ある被加工点を移動させていき、前記ある被加工点を、連続波レーザビームのビームスポットの内部を通った後に、パルスレーザビームの照射位置に到達させる請求項38に記載のレーザ加工方法。
- 前記工程(o)において、前記加工対象物の表面における連続波レーザビームのビームスポットを円形とし、パルスレーザビームのビームスポットを該円形の中心に位置させる請求項40に記載のレーザ加工方法。
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