JPWO2004008073A1 - ナビゲーション方法、ナビゲーションシステムのための処理方法、地図データ管理装置、地図データ管理プログラム、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
日本国特許出願2002年第143111号(2002年5月17日出願)
日本国特許出願2002年第143112号(2002年5月17日出願)
日本国特許出願2002年第208763号(2002年7月17日出願)
本発明は、記録媒体などで提供される大容量の地図データの一部を効率よく更新するナビゲーション方法、ナビゲーションシステムのための処理方法、地図データ管理装置などを提供する。
本願発明の地図データを使用するナビゲーション方法は、地図データの更新のために地図の更新したいエリアを絞り込むためのメニューが表示されるように為し、このメニューには地図に基づいて絞り込むための項目と経路に基づいて絞り込むための項目とを含み、この表示されたメニューの項目から経路に基づく項目が選択されると経路に基づく更新データを取り込み、取り込まれた更新データを反映させて処理する。
このナビゲーション方法において、メニューの項目から経路に基づく項目が選択されると経路に関係する地図のメッシュに関して更新すべきデータの有無を表示し、データ更新の指示が行われるとこれに基づき更新データを取り込み、取り込んだ地図データを反映させて処理を行うのが好ましい。
本願発明の他の、入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、記憶データを使用してナビゲーションを行うナビゲーションシステムのための処理方法は、更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、表示された項目から道路が選択されると、複数の道路が表示され、表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、取り込まれたデータを反映させて処理が為される。
本願発明の他の、入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、記憶データを使用して現在位置から目的地に至る経路情報を表示するナビゲーションシステムのための処理方法は、更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、表示された項目から道路が選択されると、経路に関係する複数の道路が表示され、表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、取り込まれたデータを反映させて処理が為される。
本願発明の他の、入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、記憶データを使用して現在位置から目的地に至る経路情報を表示するナビゲーションシステムのための処理方法は、更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、表示された項目から道路が選択されると、経路に関係する複数の道路および更新すべきデータの有無が表示され、表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、取り込まれたデータを反映させて処理が為される。
本願発明の他の、地図データを使用するナビゲーション方法は、地図データの更新のために地図の更新したいエリアを絞り込むためのメニューが表示されるように為し、このメニューにはジャンルに関係して絞り込むための項目を含み、この表示されたメニューの項目から更新すべきジャンルが特定されると、この特定されたジャンルに基づいて更新データを取り込み、取り込まれた更新データを反映させて処理する。
本発明の、固定記録媒体に格納された地図データと、ダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムが通信網を介して接続される地図データ管理装置は、メモリ容量が所定の最大値を越さないように管理され、個々のデータ単位で新旧判別のキーとなる履歴情報を持つメッシュを地図データの管理単位として扱う地図データ管理手段と、ナビゲーションシステムから得られるデータ更新要求に基づき、該当する地図データが属するエリアをメッシュ単位でサーチし、履歴情報と共に更新データを提供する更新データ提供手段とを備える。
本発明の固定記録媒体に格納された地図データと、地図データ管理装置からダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムに用いられる地図データ管理プログラムは、あらかじめ用意された地図データ更新メニューの中から選択を促がし、その選択入力を取り込み、更新したいエリアを絞り込んで表示するステップと、あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき絞り込まれたエリア内に更新地図データを反映させるステップとからなる。
本発明の他の固定記録媒体に格納された地図データと、地図データ管理装置からダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムに用いられる地図データ管理プログラムは、経路探索を行い、現在位置あるいは出発地から目的地までの経路情報を地図上に表示するステップと、経路情報が確定された後、あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき、地図上に表示された経路情報に更新地図データを反映させるステップとからなる。
本発明の他の固定記録媒体に格納された地図データと、ダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムが通信網を介して接続される地図データ管理装置に用いられる地図データ管理プログラムは、メモリ容量が許す最小のサイズに固定して管理され、個々のデータ単位で新旧判別のキーとなる履歴情報を持つ基準メッシュを地図データの管理単位として扱うステップと、ナビゲーションシステムから得られるデータ更新要求に基づき、該当する地図データが属するエリアを基準メッシュ単位でサーチし、履歴情報と共に更新データを提供するステップとからなる。
本発明の地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムは、更新すべき地図データの絞込みを行うために、項目として地域と道路を表示し、地域が選択された場合には、地域を絞り込むための県や市を表示し、表示内容から更に選択して更新したいエリアを絞り込むステップと、道路が選択された場合には複数の道路を表示し、表示された道路をさらに絞り込むことで更新したいエリアを絞り込むステップと、絞り込まれたエリアに係る更新データを取り込んで処理に反映させるステップとからなる。
本発明の他の地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムは、現在位置から目的地に至る経路情報を表示するステップと、経路情報に関係する更新情報の有無を表示するステップと、更新指示に基づいて取り込んだデータを基に処理を行うステップとからなる。
本発明の他の地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムは、現在位置から目的地に至る経路情報を表示するステップと、経路情報に関係する更新情報の有無をメッシュ単位で視覚的に異なるように表示するステップと、更新指示に基づいて取り込んだデータを基に処理を行うステップとからなる。
図2は、車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
図3は、地図データのレベル、ブロック、メッシュの関係を説明する概念図である。
図4は、図3の一つのメッシュのデータ構成を示す図である。
図5は、ナビゲーション装置での地図データの管理の様子を説明する図である。
図6は、主データファイルの構成を説明する図である。
図7は、メッシュ内管理情報の構成を示す図である。
図8は、1本の道路が隣接するメッシュにまたがって存在する場合について説明する図である。
図9は、リムーバブルメモリで地図データを更新し、目的地付近のデータを読み出し、経路探索を行うフローチャートである。
図10は、目的地付近のデータをインターネットを介して地図サーバから読み込んで更新し、現在地付近および目的地付近のデータを読み出し、経路探索を行うフローチャートである。
図11は、図10のステップS21の初期化処理のフローチャートである。
図12は、図10のステップS24の更新処理のフローチャートである。
図13は、ナビゲーション装置の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
図14は、地図サーバの内部構成を機能展開して示したブロック図である。
図15は、本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
図16は、本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
図17は、本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
図18は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である。
図19は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(表示地図から更新データを選択)。
図20は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(地域から更新データを選択)。
図21は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(路線の周囲から更新データを選択)。
図22は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(探索経路の周囲から更新データを選択)。
図23は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(案内検索情報から更新データを選択)。
図24は、本実施の形態の動作を説明する画面遷移図である(ジャンルから更新データを選択)。
また、ナビゲーション装置1は、携帯電話などの通信装置4とも接続可能である。ナビゲーション装置1は、通信装置4を介してインタネット5に接続し、さらにインターネット5を介して地図サーバ6に接続することができる。地図サーバ6は、古い地図データから最新の地図データまでを地図データベース7に保有し、また、古い案内検索データから最新の案内検索データまでを案内検索データベース8に保有する。従って、地図サーバ6は、地図データの一部を更新する更新データをインターネット5を介してナビゲーション装置1に提供することができる。なお、案内検索データとは、POI等の位置情報、種別、名称等の属性情報を格納したデータである。
ナビゲーション装置1は、制御装置11と不揮発性メモリ12を有する。制御装置11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から構成される。不揮発性メモリ12は、ナビゲーション装置1の内部に設けられたハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。不揮発性メモリ12は、ナビゲーション装置1の電源が落とされても、書きこまれたデータが消えない記憶装置であればどのようなものでもよい。
記録媒体2は、一旦ナビゲーション装置1に搭載すると、新たな記録媒体2と入れ替えない限りナビゲーション装置1に搭載したままの状態となる。従って、リムーバブルメモリ3に対して固定メディアと称してもよい。地図データベース7や案内検索データベース8は、新旧すべての地図データや案内検索データなどを有しているためマザーデータのデータベースである。地図サーバ6は、地図データベース7や案内検索データベース8を使用して、初期の(更新前の)地図データなどを有する記録媒体2や、更新用データを有するリムーバブルメモリ3を準備することができる。
図2は、車載用ナビゲーション装置1のブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御装置11、不揮発性メモリ12、現在地検出装置13、DVD駆動装置14、メモリ15、通信インターフェース16、リムーバブルメモリ読込装置17、モニタ18、入力装置19を有する。
現在地検出装置13は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出する方位センサや車速を検出する車速センサやGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ等から成る。DVD駆動装置14は、記録媒体2を搭載して地図データなどを読み込む装置である。本実施の形態では、記録媒体2はDVD−ROMとする。なお、CD−ROMや他の記録媒体であってもよい。
メモリ15は、現在地検出装置13によって検出された車両位置情報等を格納したり、制御装置11が演算した推奨経路上のノード情報やリンク情報等を格納するメモリである。さらに、後述する全メッシュ管理情報を格納したりもする。メモリ15は制御装置11のワーキングエリアである。通信インターフェース16は、通信装置4を接続するインターフェースである。通信インターフェース16を介して携帯電話の利用や、インターネットとの接続が可能である。リムーバブルメモリ読込装置17は、リムーバブルメモリ3を装填しリムーバブルメモリ3からデータを読み込むことが可能な装置である。
モニタ18は、地図や推奨経路や各種情報を表示する表示装置である。モニタ18は、ナビゲーション装置本体の一部として一体に設けてもよいし、筐体としては別々に設けてもよい。さらに、モニタ18のみを、ナビゲーション装置本体とケーブルなどによって接続し、分離した位置に設けるようにしてもい。入力装置19は、経路探索時に車両の目的地等を入力したりする入力装置である。リモコンであってもよいし、モニタ18の画面上に設けられたタッチパネルなどで構成してもよい。制御装置11は、現在地検出装置13で検出された車両の現在地情報と記録媒体2や不揮発性メモリ12に格納された地図データなどを使用して、道路地図の表示、経路探索、経路誘導等の各種のナビゲーション処理を行う。なお、制御装置11が実行する各種の処理プログラムは、制御装置11内部に設けられたROM(不図示)に組み込まれている。
−地図データの構造−
上述した地図データのデータ構造について、さらに詳しく説明する。地図データは、地図に関する情報であり、背景(地図表示用)データ、ロケータ用データ、ネットワーク(経路探索用)データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などである。背景データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。ロケータ用データは、車両の現在地の特定やマップマッチングなどに使用されるデータである。ネットワークデータは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成る経路探索用データであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
本実施の形態の地図データは、レベル、ブロック、メッシュという概念で管理する。本実施の形態では、地図データを縮尺率が異なる7つのレベルに分け、最詳細の縮尺率のレベルをレベル0とし、最広域地図のレベルをレベル6とする。各レベルは縮尺率が異なる地図データを含むものであるが、対象となる領域は各レベルとも同じである。すなわち、日本全土が対象であると、各レベルごとに縮尺率が異なる日本全土の地図データを有する。例えば、レベル0では縮尺率1/6250、レベル3では縮尺率1/400000、レベル4では縮尺率1/1600000、レベル6では縮尺率1/128000000の日本全土の地図データを有する。すなわち、レベル0〜6に対応して7つの地図データのセットがある。
図3は、地図データのレベル、ブロック、メッシュの関係を説明する概念図である。代表して、レベル3と4を示している。符号101は、本地図データの対象となる領域を示す。日本全土の地図データを扱うとすると、領域101は日本全土を含む範囲となる。レベル3もレベル4も同じ範囲の領域を対象としている。レベル3では、領域101は、4×4=16の複数のブロック102に分けられて管理される。一つのブロック102は、複数のメッシュ103に分けられて管理される。本実施の形態では、m×n枚のメッシュで管理する。各ブロック102間の分割メッシュの数は、同じレベルでは同一数m×nである。
レベル4では、領域101は、2×2=4の複数のブロック104に分けられて管理される。一つのブロック104は、複数のメッシュ105に分けられて管理される。本実施の形態では、p×q枚のメッシュで管理する。各ブロック104間の分割メッシュの数は、同じレベルでは同一数p×qである。
レベル3とレベル4では、領域101を分割したブロックの数、各ブロックを分割したメッシュの数は異なる。これは、縮尺率の小さい(分母の値が大きい)より広域地図を扱うレベル4と、レベル4に比べて縮尺率の大きい(分母の値が小さい)より詳細地図を扱うレベル3とでは、扱うデータ量も異なるためである。すなわち、各レベルにおいて扱うデータ量に応じた適切な分割を行うようにしている。ただし、同一レベル内では、1つのブロックの大きさおよび1つのメッシュの大きさは同じである。なお、図3の各レベルの分割ブロック数は、1例であり、必ずしもこの数に限られるものではない。
上記ブロック、メッシュの呼び名は、本実施の形態で便宜上名づけたものである。従って、必ずしもこれらの名称に限定されるものではない。メッシュをパーセルと言ってもよいし、ブロックを第1の分割単位、メッシュを第2の分割単位と言ってもよい。また、これらのブロック、メッシュは地理的に分割された単位と言ってもよい。
図4は、ブロック内の全メッシュを管理する全メッシュ管理情報181とメッシュデータ182の構成を示す図である。メッシュデータ182は、前述したメッシュ103あるいはメッシュ105に対応して設けられる地図データである。全メッシュ管理情報181は、ブロック内に含まれる全メッシュデータの管理情報を有し、ブロックごとに設けられる。
図4の全メッシュ管理情報181の総メッシュ枚数183は、ブロック内に含まれる総メッシュ数である。左下基準位置コード184は、ブロックの左下位置の緯度経度に関する位置情報が入る。経度方向メッシュ枚数185は、東西の経度方向に並ぶメッシュの数で、図3のレベル3の例ではmが入る。緯度方向メッシュ枚数186は、南北の緯度方向に並ぶメッシュの数で、図3のレベル3の例ではnが入る。各メッシュ管理情報187は、各メッシュデータ182を管理する情報であり、ブロック内のメッシュの数分設けられる。
各メッシュデータ182は、メッシュ内管理情報111、背景(地図表示用)データ112、ロケータ用データ113、ネットワーク(経路計算用)データ114、誘導データ115から構成される。メッシュ内管理情報111と背景(地図表示用)データ112を基本データとし、ロケータ用データ113、ネットワークデータ114、誘導データ115を拡張データとする。基本データは、各レベルすべてに存在するデータである。拡張データは、固有のレベルに存在するデータである。例えば、ネットワークデータは、レベル1、2、3、4に存在し、ロケータデータや誘導データは、レベル0に存在する。なお、拡張データとして、さらに、住所算出用データ、画像データ、VICSデータ、建物属性データ、周辺検索データなどを設けるようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、基本データのデータサイズについて上限値を設けて管理する。例えば、上限のデータサイズを32KBとする。地図データの更新によって、基本データが上限値を超えるようになった場合は、超えた分を拡張データとして管理する。例えば、当初の基本データが20KB、拡張データが10KBのメッシュデータ182であって、基本データのみが更新されて40KBになるような場合を想定してみる。更新後のデータとして、基本データは32KB内に収まるように編集し、32KBを超す8KBの基本データは拡張データとして管理する。従って、拡張データは18KBとなり、メッシュデータ182のサイズは、30KBから50KBになる。また、当初の基本データが20KB、拡張データが10KBのメッシュデータ182であって、基本データのみが更新されて30KBになる場合を想定してみる。この場合は、基本データの上限値32KBを超えないので、増加する10KBの基本データは、そのまま基本データとして追加される。その結果、更新後の基本データは30KBで拡張データは10KBとなり、メッシュデータ182のサイズは、30KBから40KBになる。以上のように、基本データのデータサイズに上限値を設けるのは次の理由による。
ナビゲーション装置1は、通常の場合、メモリの増設等をせずに何年も使用する場合がある。このため、地図データも、何年も使用するナビゲーション装置1の性能に合わせて固定サイズにするのが望ましい。しかし、建物形状データの整備の進展、地形データの詳細化進展、実地の宅地整備の進展等によって、地図データ量が増えてくることは通常起こり得る。従って、本実施の形態の地図データの構造では、メッシュ単位の地図データの更新を可能としている。
一方、新型のナビゲーション装置が発売された場合には、メモリ量が増える、処理能力が向上する等によってプログラムが扱えるデータ量が増加したり、新規機能の追加あるいは詳細に表示することが出来る様になる等は通常起こり得る。このような場合に、更新後の地図データは、旧型のナビゲーション装置でも新型のナビゲーション装置でも共通に使用できる構造である必要がある。
そのため、本実施の形態では、基本データサイズについて、旧型ナビゲーション装置でも扱えるデータサイズを維持し、これを超える分のデータは拡張データに収録するように編集する。また、旧型では使わない新規機能用データについては拡張データに収録するようにする。
上記において「旧型&新型」という表現で説明した内容は、「汎用&高級」「携帯機&車載機」と置換えた場合においても同様のことが言える。すなわち、本実施の形態の地図データの構造は、処理能力が低い装置から処理能力の高い装置にも共通に使用できる。そして、処理能力が低い装置から処理能力が高い装置が共通に必ず使用する地図データを基本データとする。この基本データの上限サイズを、最も処理能力の低い装置のメモリサイズなどに合わせたデータサイズとする。これにより、処理能力が低い装置から処理能力の高い装置に対して、本実施の形態の地図データを共通に使用することができる。その結果、地図データの管理の効率化やコストダウンが図れる。
なお、当初から準備されている基本データは、処理能力が低い装置から処理能力の高い装置にも共通に使用されるので、優先度の高い種類のデータと言える。また、更新されて増える基本データは、当初から準備されている基本データよりより詳細な地図を表示する背景データや、旧機種では表示しなくても支障がないような優先度の低い背景データと言える。もちろん、更新されて増える基本データであっても、上述の上限値以内に収めて管理できる基本データであれば、当初から準備されている基本データと同一の優先度を有するデータといえる。
上記では、メッシュデータ182のデータサイズの上限値については特に規定していない。しかし、ナビゲーション装置1内のメモリの都合から、メッシュデータ182についてもデータサイズの上限値を規定してもよい。例えば、メッシュデータ182の上限値は128KBとするなどである。なお、上記基本データの上限値32KBや、メッシュデータ182の上限値128KBは、他の値であってもよい。地図データを当初規定するときのナビゲーション装置の性能や今後予測される性能の向上などを考慮して適切な値を決めればよい。
−ナビゲーション装置での地図データの管理−
図5は、ナビゲーション装置1での地図データの管理の様子を説明する図である。ナビゲーション装置1は、記録媒体2から全メッシュ管理情報および地図データを読み込み、さらに、リムーバブルメモリ3あるいはインターネット5を介して地図サーバ6から更新地図データを読み込み、最新の地図データを使用することができる。
従来のナビゲーション装置の場合、データの読み込み元はCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体のみであった。本実施の形態のナビゲーション装置では、記録媒体2中の地図データと更新された地図データとを混在させて使用する。このため、読み書き可能メディアである不揮発性メモリ12を有する。不揮発性メモリ12はハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、ナビゲーション装置の電源が落とされてもデータは保持される。不揮発性メモリ12は、キャッシュメディア12と呼んでもよい。
不揮発性メモリ12は、ブロック管理情報124を有する。ブロック管理情報124は、該当ブロックの全メッシュ管理情報が記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかの識別情報を有する。初期値としては、各ブロックの全メッシュ管理情報は記録媒体2上にあるとして設定されている。地図データのメッシュ単位の更新に応じて、更新されたメッシュを有するブロックの全メッシュ管理情報125を不揮発性メモリ12に作成し、ブロック管理情報124において、該当ブロックの全メッシュ管理情報は不揮発性メモリ12上にある旨を設定する。プログラムは、まずブロック管理情報124を参照することにより、全メッシュ管理情報が、記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかを判断することができる。
符号126は、ナビゲーション装置のメモリ15内にあるメモリであり、全メッシュ管理情報を格納する領域である。以下メモリ126と言う。プログラムは、全メッシュ管理情報が記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかを判断した後、該当メディアから全メッシュ管理情報を読み出し、メモリ126に格納する。メモリ126に読み込まれた全メッシュ管理情報127は、メッシュ1からメッシュnまでのメッシュ管理情報を有する。メッシュ管理情報128は、位置情報129、格納場所130、オフセット131、サイズ132のデータを有する。位置情報129はメッシュの緯度経度などで表される位置情報であり、格納場所130はデータが記録媒体2にあるのか不揮発性メモリ12にあるのかを示すデータである。オフセット131はメディア(記録媒体2あるいは不揮発性メモリ12)上の位置を示すデータであり、サイズ132は地図データのサイズを示すデータである。
リムーバブルメモリ3でメッシュ単位の地図データが更新されると、該当メッシュの地図データは不揮発性メモリ12に読み込まれ、地図データ133として格納される。従って、格納場所130の内容に基づき、更新されていない地図データは記録媒体2へアクセスし、更新された地図データは不揮発性メモリ12へアクセスすることができる。
−記録媒体内のデータの構成−
次に、記録媒体2のデータについて説明する。記録媒体2は主データファイルを有する。図6は、主データファイルの構成を説明する図である。主データファイルは、全管理情報151と、格納データ情報152と、レベル管理情報153と、ブロック管理情報154と、全メッシュ管理情報155と、地図データ156とを有する。
全管理情報151は、フォーマットバージョン・リビジョン、データバージョン・リビジョン、メディア識別情報、作成年月日、作成者、カバーエリア等のデータ全体に関する情報を有する。格納データ情報152は、当記録媒体2中に格納しているデータの種別および格納場所を記述する。レベル管理情報153は、当記録媒体2中に格納している地図データの階層構造(レベル構造)、個々のレベルに付与される拡張データの種別、およびブロック管理情報の格納位置の情報を有する。このレベル管理情報153は、地図データの更新を行った場合、ブロック管理情報の格納場所(記録媒体2か不揮発性メモリ12)を変更するため、不揮発性メモリ12にコピーして使用する。
ブロック管理情報154は、個々のレベルでの全メッシュ管理情報の区割り情報、全メッシュ管理情報の格納場所、格納位置等の全メッシュ管理情報の管理情報を有する。記録媒体2がDVD駆動装置14に搭載されたとき、不揮発性メモリ12にコピーして使用される。全メッシュ管理情報の格納場所は、初期値として、すべて記録媒体2に設定されている。ブロック管理情報154は、レベルの数分作成される。
全メッシュ管理情報155は、個々のレベルのブロック単位に格納される。例えば、図6において、レベル0ではm個のブロックが存在し、m個の全メッシュ管理情報155が存在する。レベル1〜レベル6においても同様である。全メッシュ管理情報155は、1つのブロック内に存在する全メッシュの格納場所、位置、サイズ、および履歴情報を有する。
地図データ156はメッシュ単位のデータに相当する。地図データ156は、記録媒体2内に格納されている全レベル全ブロックのメッシュ数の合計数分格納される。メッシュ単位の地図データの構造は図4に示した通りである。メッシュ単位の地図データは、それぞれ更新サイクルが異なる為、管理情報と更新したデータを不揮発性メモリ12上で管理し、更新していないデータは、記録媒体2上のデータを使用する。例えば、背景データは、形状、文字等の更新が頻繁に発生するが、他の拡張データの更新はそれほど頻繁に発生しない。この為、不揮発性メモリ12には、更新したデータを格納した方が不揮発性メモリ12の容量を有効に使用できる。地図データ上の基本・拡張データは個別に管理するため、メッシュ内管理情報部には、個々のデータの履歴情報、格納場所、格納位置、サイズを管理する。
−不揮発性メモリ内のデータ構成−
不揮発性メモリ12は、図5に示すように、ブロック管理情報124、全メッシュ管理情報125、地図データ133を有し、さらに、格納データ情報(不図示)とレベル管理情報(不図示)も有する。データはファイル形式で格納され、格納データ情報とレベル管理情報は主管理ファイル(不図示)として格納される。ブロック管理情報124はブロック管理ファイルとして格納され、全メッシュ管理情報125は全メッシュ管理情報ファイルとして格納され、地図データ133は地図データファイルとして格納される。
−主管理ファイル−
主管理ファイル(不図示)は、記録媒体2からコピーした格納データ情報と、レベル管理情報を格納する。格納データ情報は、当記録媒体2中のメッシュ単位のデータ以外のデータ(例えば、案内検索データ等)が更新されて不揮発性メモリ12上に格納する際に、記録媒体2内の主データファイル中の格納データ情報をコピーして作成される。メッシュ単位のデータ以外のデータの更新データを不揮発性メモリ12に格納する毎に、対応する管理情報の格納場所を記録媒体2から不揮発性メモリ12に変更する。
また、格納データ情報はメディア識別情報を保持し、本キャッシュ情報の元となる記録媒体2との対応を図る。起動時に、本情報と記録媒体2内のメディア識別情報を比較して、一致する場合は問題ない。しかし、本情報が異なる場合(別の記録媒体が挿入されている)、不揮発性メモリ12上の各情報で管理している、格納場所、位置、サイズが記録媒体2と不整合を起こすため、不揮発性メモリ12上の更新データが使用できない。この様な状況が発生した場合は、記録媒体2内のデータのみでナビゲーションを行う。
レベル管理情報は、記録媒体2中に格納している地図データのいずれかのメッシュが更新されて不揮発性メモリ12に格納された際に、記録媒体2内のレベル管理情報をコピーして作成される。地図データを不揮発性メモリ12に格納する毎に該当するレベルのブロック管理情報の格納場所を記録媒体2から不揮発性メモリ12に変更する。この際、ブロック管理情報の位置情報、サイズも不揮発性メモリ12内の値に更新する。
−ブロック管理ファイル−
ブロック管理ファイルは、記録媒体2がDVD駆動装置14に搭載されたとき、記録媒体2内の各レベルのブロック管理情報154を不揮発性メモリ12にコピーして作成される。各ブロックの全メッシュ管理情報の格納場所は、初期値として、すべて記録媒体2として設定されている。地図データを更新して不揮発性メモリ12に格納する際に、更新する地図データに該当するレベルのブロック管理情報を更新する。更新する地図データに該当する全メッシュ管理情報の格納場所を記録媒体2から不揮発性メモリ12に変更する。この際、位置情報、サイズも不揮発性メモリ12内の値に変更する。ブロック管理ファイルは、レベル単位で作成される。この際のファイル名称は、レベルをキーとして作成するものとする。これにより、ブロック管理ファイル名を記述しなくても良くなり、レベル管理情報サイズを節約することが出来る。
−全メッシュ管理情報ファイル−
全メッシュ管理情報ファイルは、該当ブロック内のメッシュの地図データを初めて更新して不揮発性メモリ12に格納する際に、記録媒体2内の地図データに該当するブロックの全メッシュ管理情報をコピーして作成される。地図データの格納場所を記録媒体2から不揮発性メモリ12に変更する。この際、地図データの位置情報、サイズも不揮発性メモリ12内の値に更新する。その後、さらに該当ブロック内のメッシュが更新された場合は、すでに不揮発性メモリ12内にある該当ブロックの全メッシュ管理情報ファイルを更新する。全メッシュ管理情報ファイルは、ブロック単位で作成される。この際のファイル名称は、レベルとブロック管理情報をキーとして作成するものとする。これにより、全メッシュ管理情報ファイル名を記述しなくても良くなり、ブロック管理情報サイズを節約することが出来る。
−地図データファイル−
地図データファイルは、地図データを更新して不揮発性メモリ12に格納する際に作成する。作成の単位は、メッシュ単位とする。更新した地図データに該当する全図メッシュ管理情報は、記録媒体2内のものをコピーして作成し、実際に更新した基本・拡張データの格納場所、格納位置、サイズのみを不揮発性メモリ12内の値に更新する。更新を行っていない、基本・拡張データは、記録媒体2内のデータを参照する。地図データファイルは、メッシュ単位で作成される。この際のファイル名称は、レベルとブロック管理情報と全図メッシュ管理情報をキーとしで作成するものとする。これにより、地図データファイル名を記述しなくても良くなり、図管理情報、ブロック管理情報サイズを節約することが出来る。
図4は、図3の一つのメッシュ103あるいはメッシュ105のデータ構成を示す図である。メッシュのデータは、メッシュ内管理情報111、背景(地図表示用)データ112、ロケータ用データ113、ネットワーク(経路計算用)データ114、誘導データ115から構成される。メッシュ内管理情報111と背景(地図表示用)データ112を基本データとし、ロケータ用データ113、ネットワークデータ114、誘導データ115を拡張データとする。基本データは、各レベルすべてに存在するデータである。拡張データは、固有のレベルにのみ存在するデータである。例えば、ネットワークデータは、レベル1、2、3、4にのみ存在し、ロケータデータや誘導データは、レベル0にのみ存在する。なお、拡張データとして、さらに、住所算出用データ、画像データ、VICSデータ、建物属性データ、周辺検索データなどを設けるようにしてもよい。
−地図データの基本・拡張データについて−
図4で示したように、地図データは、メッシュ内管理情報111と背景(地図表示用)データ112の基本データと、ロケータ用データ113、ネットワークデータ114、誘導データ115の複数の拡張データで構成される。地図データを構成する個々のデータ(フレーム)について以下説明する。
−メッシュ内管理情報−
メッシュ内管理情報111は、メッシュで分割された地図データ固有の情報および、格納している背景・拡張データの格納場所・位置・サイズ等の情報を記述する。図7は、メッシュ内管理情報111の構成を示す図である。メッシュ内管理情報111は、メッシュ情報161、背景管理情報162、拡張データ識別情報163、拡張データ管理情報164から構成される。
メッシュ情報161には、メッシュ内管理情報のサイズ、当メッシュの縦・横方向の実サイズ情報等の基本情報を格納する。背景管理情報162には、当メッシュの背景データ(地図表示用データ)に関する管理情報を格納する。具体的には、履歴情報、格納場所、格納位置、オフセット、サイズが格納される。履歴情報は、例えば更新情報の管理番号が格納され、値が大きいほど新しいデータであることを示す。格納場所には、記録媒体2、不揮発性メモリ12の何れにデータを格納しているかの識別フラグが格納される。格納位置には、背景データの格納位置を記述する。記録媒体2の場合、主データファイル先頭からのオフセット、不揮発性メモリ12上の場合は、当該地図データファイル先頭からのオフセットとなる。サイズには、背景データの実サイズを格納する。
背景データは、1メッシュの領域をさらにn×mに分割して管理される。この為、本背景管理情報は、n×m個存在する。背景データの更新は、このn×mに分割された分割メッシュ単位とする。
拡張データは、前述したように、全レベルに全種類の拡張データが付与される訳ではない。また、付与可能な情報であっても、全てのメッシュに付与される訳ではない。例えば、水域のみのメッシュには、ネットワークデータは付かない。このため、拡張データ識別情報163では、当該メッシュに付与可能な拡張データの種別と、その付与状態を記述する。この付与可能な拡張データ数分、本情報で指定順に、拡張データ管理情報164が配置される。
拡張データ管理情報164には、個々の拡張データの管理情報を格納する。管理内容は、背景データと同じとする。拡張データの履歴情報は、拡張データ単位に管理される。
−背景データ−
背景データ(地図表示用データ)112は、メッシュ単位で管理してもよいが、本実施の形態では、さらに1メッシュの領域をn×mに分割して管理される。これは、携帯電話のような小さな画面やメモリででもデータを扱うことを可能とするためである。背景データ112の更新は、この分割した1単位(分割メッシュ)毎に行う。背景データの正規化サイズは、1分割メッシュあたり256×256(座標値は、0〜255)とする。1メッシュは、例えば4×4分割メッシュで作成する。このため、1メッシュ当たりの正規化サイズは、1021×1021となる。分割メッシュ座標255=隣の分割メッシュの0となるため、256×4−3=1021となる。
他の地図データに比べて正規化サイズが小さいが、背景の描画を想定した場合、320×260程度の領域に最大でも1分割メッシュしか表示しないため、実用上問題はない。また、1座標に使用するビット数を削減できる為、データ全体のサイズの削減も計れる。
背景形状は、最大256個のレイヤで管理し、レイヤ単位の描画属性で描画する。既存のナビゲーション用データは、背景データは16程度のクラスに分割して描画属性を割り当てているが、市街図等の背景の種別が多い場合は、クラスが足りなくなり、うまく色分け等ができない。このため、既存のクラスに当たるレイヤを256個に拡大する。描画順は、データ格納順とする。既存のナビゲーション用データでは、同一種別の形状は、全て連続して格納している。この為、同一種別であっても描画順の異なる形状(高速高架下の道路と高速を跨ぐ道路など)を正しく表示できない、又は不必要なクラスを生成していた。形状の描画順をデータ格納順とする事で、レイヤの増加を抑える事ができる。
既存のナビゲーション用データの場合、表示用の道路形状と、マップマッチング・ネットワーク用道路形状を共用しているものもある。これは、表示と探索の道路形状を供用する事で、データ量の削減が計れる為である。本実施の形態では、背景データとして道路形状の格納をレベル単位で切り替える。背景形状として道路形状を格納するメリットとしては、地図描画の際に、背景・道路・文字等の複数のデータ群をアクセスせずに、1度のアクセスで地図が描画できる。また、背景としての道路で良いため、思い切ったデフォルメ、連結が可能となる為、表示データ量の削減・表示速度の向上が望める。
−ロケータ用データ−
ロケータ用データでは、道路をリンクとノードとリンク列という概念で表す。ノードは交差点や道路上特に指定された点を言う。リンクはノード間の道路に該当し、リンク列は1本の道路を複数のリンクで表したものである。ロケータ用道路データは、道路地図の最下層レベル0に存在し、自車位置の確認、探索結果の経路座標の取得、細街路探索等に用いる。ロケータ用データとしての道路データの構造は、既存のナビグーション用データと同様の情報を保持している。すなわち、同じ属性の道路がリンク列の形で管理された道路データの集合として管理している。道路属性は、リンク列に付与するものと、リンクあるいはノードに付与する物に大別される。
リンク列に付与する属性としては、道路種別、有料/無料区分、インフラ対象属性、経路計算対象フラグ等が挙げられる。リンクあるいはノードに付与する属性としては、リンク種別、幅員、交差リンク情報、規制情報、補間転座標情報が挙げられる。ロケータ用データの正規化座標は、2048×2048とする。ロケータ用データは、座標精度を要求される為、背景データ(1021×1021)と異なる正規化サイズのデータとする。
メッシュ単位にロケータ用データの更新を行った場合、隣接メッシュとの道路の接続をどのようにするかについて説明する。
ロケータ用データのリンク列データは、そのリンク列に存在するノードに関するデータの並びである。ノードに関するデータには、そのノードの位置座標、そのノードに接続するリンク番号等のデータが入る。ノードの位置座標は、正規化座標値を使用する。
図8は、1本の道路が隣接するメッシュにまたがって存在する場合について説明する図である。メッシュ171とメッシュ172が隣接し、リンク173とリンク175で表される1本の道路がメッシュ171とメッシュ172にまたがって存在する。メッシュの境界に位置する道路上に接続点を設け、それをノードとする。メッシュ171では接続点のノードとしてノード174が設けられ、メッシュ172では接続点のノードとしてノード176が設けられる。
ノードに関するデータには、ノードの位置座標とどちらか一方向につながるリンク番号が格納される。例えば、ノード174にはノード174の位置座標と右方向へ接続するリンク175のリンク番号が格納される。ノード176にはノード176の位置座標と左方向へ接続するリンク173のリンク番号が格納される。
メッシュ171とメッシュ172が同一履歴を有するデータであれば、接続するリンク番号により接続先が特定できる。しかし、メッシュ172のデータが更新されリンク175のリンク番号が変わる場合も生じる。そのような場合には、メッシュ境界における接続先をリンク番号では特定できなくなる。
本実施の形態では、データが更新されている場合、隣接するメッシュに同一の位置座標を有する接続点があるか否かを検索することにより、接続先を特定する。すなわち、接続点の正規化座標値を使用してメッシュ間の接続を行う。隣接メッシュ自体の特定は、従来通りメッシュの位置情報等を使用して行う。
なお、実地で道路の新規追加等が行われた場合等には、一部のメッシュのみを更新すると更新していないメッシュ側に接続する道路が無い場合がある。このような場合には、接続先が実際には存在していても、データ上は行き止まり扱いで処理を行う。このような場合には、隣接メッシュのロケータ用データも更新されていることが望ましい。従って、インターネット経由で地図サーバ6に接続可能な場合は、隣接メッシュの地図データの更新リクエストを自動送信するようにしてもよい。あるいは、地図データの更新リクエストの送信を使用者に促すような表示等をしてもよい。
−ネットワーク(経路計算用)データ−
ネットワークデータは、基準となるレベル1(縮尺率1/25000)を最下層として、上位の複数のレベルに拡張データとして格納する。ネットワークデータは、ロケータ用データと同様に、リンク、ノード、リンク列の概念を使用して表す。ネットワークデータは、交差点を表すノードの接続情報を表すものである。各ノードは、自ノード情報と接続される隣接ノード情報を有する。自ノード情報には、自ノードの位置座標が格納され、隣接ノード情報には自ノードに接続されるすべてのノードの情報が格納される。接続されるノードのノード情報には、そのノードのノード番号やそのノードに接続するリンク番号が格納される。
1つのネットワークデータの領域は、対応する地図データの領域と同じものとし、1メッシュの正規化サイズは2048×2048とする。
ネットワークデータの構造で、既存のナビゲーション用データと大きく異なる点は、隣接メッシュ間およびレベル間のノード、リンクの関連付けである。既存のナビゲーション用データの場合、隣接・レベル間の同一ノードの関連付けを、インデックス番号や、オフセットを用いて直接参照している。これに対して、本実施の形態では、メッシュ単位でのデータ更新が行われ、新旧のデータを混合して使用する。このため、従来のインデックス番号や、オフセットによる直接参照ができない。
隣接および上位下位のメッシュのネットワークデータの履歴情報が同一の場合は、従来と同様にインデックス番号等を用いた参照を行う事が出来る。しかし、履歴情報が異なる場合には、インデックス番号等を用いた参照を行うことができない。従って、本実施の形態では、ロケータ用データと同様に、メッシュ境界の接続点の座標値をキーとして使用する。レベル間を対応づけるための接続点は、必ずしもメッシュ境界にあるものではなく、上位レベル下位レベルの双方に存在するノードが選ばれる。
単純に、座標値をキーとして、隣接図の同一ノードを検索する場合、最下位(最詳細)レベルであればメッシュ境界上で交差する道路以外は座標値の重複がない。これは、最下位レベルの正規化座標の解像度でノード座標が定義されているからである。このため、検索時間を無視すれば必ず検索することができる。しかし、上位レベルのネットワークデータの場合、同一座標に複数のノードが存在することもあり得るため、単純な座標値のみをキーとしたのでは、検索できない。すなわち、下位レベルで異なる座標値で定義された近接した2つのノードが、上位レベルにいくと、丸められて同じ座標値で示されることがある。このような場合、どちらのノードであるかが特定できず、正しく検索することができない。
このため、本実施の形態では、座標キーに加えて、最下層レベルの座標値もキーとする。これにより、上位レベルにおいて重複ノードであっても、副キーの最下層レベルの座標キーが異なるため、正しく相手を検索する事が可能となる。また、最下層レベルにおいても重複ノードの発生が考えられるため、最下層の座標値に4ビット(値の範囲は0〜15)の拡張座標を付加する。
従って、上位レベルのノード正規化座標を(Xh,Yh)、下位レベルのノード正規化座標を(Xl,Yl)、拡張座標をαとすると、ある上位レベルのノードの正規化座標は、(Xh,Yh)と(Xl,Yl)と(α)の組み合わせとして定義できる。
以上により、新旧データが混在していても、隣接メッシュ間の接続のみならず、レベル間の接続も確実に行うことができる。なお、レベル間の対応するメッシュの特定については、各レベルにレベル間対応テーブルを設けて行う。レベル間対応テーブルには、当該レベルのノードが下位レベルのどのメッシュのどのノードに対応するかの情報が入っている。従って、このレベル間対応テーブルと上述した正規化座標の定義を使用して、レベル間の接続点の対応づけを行う。このレベル間対応テーブルと上述した正規化座標を用いることで、下位レベルの一部のメッシュのみを更新した場合でも、更新後も変化していない道路については未更新の上位レベルデータとの接続を維持することができる。また、更新したメッシュにおける新規道路や形状が変化した道路については、未更新の上位レベルデータとは接続できないが、誤接続は回避できる。
通常メッシュの位置は、メッシュの左下角の緯度経度で表される。すなわち、全メッシュ管理情報の位置情報129には、メッシュの左下角の緯度経度に対応する位置情報が格納される。また、メッシュの正規化座標は、メッシュの左下角を原点とする。従って、前述した正規化座標は、緯度軽度によるメッシュの位置情報を考慮すると、地図内の位置を緯度経度に対応した2次元座標値であらわしていることになる。この2次元座標値は緯度経度に対応する値であるため、ナビゲーション装置の別、規格の別などに影響されない普遍的な値と言える。すなわち、隣接するメッシュや上下のメッシュ間の接続を、普遍的なキーを使用して行うことになる。
なお、上位レベルのノードの正規化座標は、上述の定義に限らず、(Xh,Yh)と(Xl,Yl)の組み合わせや、(Xh,Yh)と(α)の組み合わせで表すように定義してもよい。
また、下位レベルのノード正規化座標(Xl,Yl)には、必ずしも最下層のレベルの座標を使用しなくてもよい。適度に下層なレベルの座標を使用すればよい。拡張座標αは、正規化座標以外のパラメータであり、例えば、そのノードの高さデータである。また、データの生成更新に関する時間データ(情報)としてもよい。さらに、高さデータと時間データの両方としてもよい。αのデータの大きさは4ビット以上としてもよい。
また、上述の正規化座標の定義は、該当レベルにおける2次元座標(Xh,Yh)以外に、他のレベルの座標(Xl,Yl)あるいは高さデータ(α)などのパラメータを使用している。このパラメータは、2次元座標に追記情報を付与してレベル間の接続状況を記述する手法としているので、本実施の形態ではレベル間対応キーと呼ぶ。また、2.5次元空間キーと呼んでもよい。
本実施の形態では、各レベルにレベル間対応テーブルを設けて、レベル間のノードの対応を行っている。従って、各レベルのレベル間対応キーは、必ずしも下位レベルの正規化座標をすべて含む必要はない。例えば最下層レベルの正規化座標のみを含めばよい。レベル0のノード正規化座標を(X0,Y0)、レベル1のノード正規化座標を(X1,Y1)、レベル2のノード正規化座標を(X2,Y2)、レベル3のノード正規化座標を(X3,Y3)とすると、各レベルのノードのレベル間対応キーは、次のように表される。レベル0のレベル間対応キーは(X0,Y0)、レベル1のレベル間対応キーは(X1,Y1)と(X0,Y0)の組み合わせ、レベル2のレベル間対応キーは、(X2,Y2)と(X0,Y0)の組み合わせ、レベル3のレベル間対応キーは、(X3,Y3)&(X0,Y0)の組み合わせとなる。
−誘導データ−
誘導データは、最下層レベル0の地図データにのみ存在し、経路探索結果のルートの案内時に使用する。誘導データは、交差点名称の情報、道路名称の情報、方面名称の情報、方向ガイドの情報、スポットガイドの情報、周辺目標物の情報、道路建造物の情報などが格納される。
−リムーバブルメモリでデータ更新−
図9は、リムーバブルメモリ3で地図データを更新し、目的地付近のデータを読み出し、経路探索を行うフローチャートである。更新データはリムーバブルメモリ3で提供される。図9のフローチャートの制御は、制御装置11で実行される。
ナビゲーション装置1の電源をオンすると、図9のフローチャートによるプログラムが起動される。ステップS1では、更新データの有無を判断する。更新データの有無の判断とは、更新データが格納されたリムーバブルメモリ3が搭載されているかどうかを判断する。更新データが有ると判断すると、ステップS2に進む。
ステップS2では、リムーバブルメディア3内の更新データを参照し、記録媒体2のデータに対して更新の必要なデータの全メッシュ管理情報を、記録媒体2から読み出し、不揮発性メモリ12に書き込む。ステップS3では、更新データに従って、不揮発性メモリ12に記録した全メッシュ管理情報を書き換える。ステップS4では、不揮発性メモリ12に記録された全メッシュ管理情報を基に目的地付近のデータを読み出す。更新データは不揮発性メモリ12に書きこむことを前述した。しかし、ここでは、リムーバブルメモリ3をそのまま搭載し、更新データをリムーバブルメモリ3から読み込むこととする。更新されていない地図データは、記録媒体2から読み込む。
一方、ステップS1で更新データがないと判断すると、ステップS5に進む。ステップS5では、更新の履歴が有るか否かを判断する。更新の履歴があるか否かは、不揮発性メモリ12のブロック管理情報124をアクセスして判断する。ステップS5で更新の履歴が有ると判断すると、ステップS6に進む。ステップS6では、ブロック管理情報124を参照して、今までに順次書き換えてきた全メッシュ管理情報を不揮発性メモリ12から読み出す。ステップS7では、ブロック管理情報124を参照して、不揮発性メモリ12上に無い他の全メッシュ管理情報を記録媒体2から読み出す。ステップS8では、不揮発性メモリ12および記録媒体2から読み出した全メッシュ管理情報を基に、ステップS4と同様に、目的地付近のデータを読み出す。
ステップS5で更新の履歴がないと判断すると、ステップS9に進む。ステップS9では、全メッシュ管理情報を記録媒体2から読み出す。次に、ステップS10において、記録媒体2から読み出した全メッシュ管理情報を基に、記録媒体2から目的地付近のデータを読み出す。
ステップS11では、読み込まれた地図データに基づいて経路探索を行う。図9のフローチャートでは、目的地付近のデータしか読み込んでいないが、現在地付近のデータも順次読み込んで経路探索を行う。
−地図サーバとの通信を利用したデータ更新−
図10は、目的地付近のデータをインターネット5を介して地図サーバ6から読み込んで更新し、現在地付近および目的地付近のデータを読み出し、経路探索を行うフローチャートである。更新データはリムーバブルメモリ3および地図サーバ6から提供される。図10のフローチャートの制御は、制御装置11で実行される。
ナビゲーション装置1の電源をオンすると、図10のフローチャートによるプログラムが起動される。ステップS21では、全メッシュ管理情報の読み出し等の初期化処理を行う。図11は、この初期化処理のフローチャートである。
図11のステップS101では、更新の履歴が有るか否かを判断する。更新の履歴があるか否かは、不揮発性メモリ12のブロック管理情報124をアクセスして判断する。ステップS101で更新の履歴が有ると判断すると、ステップS102に進む。ステップS102では、ブロック管理情報124を参照して、今までに順次書き換えてきた全メッシュ管理情報を不揮発性メモリ12から読み出す。ステップS103では、ブロック管理情報124を参照して、不揮発性メモリ12上に無い他の全メッシュ管理情報を記録媒体2から読み出す。ステップS104では、不揮発性メモリ12および記録媒体2から読み出した全メッシュ管理情報を基に、現在地付近のデータを読み出す。次に、図10のステップS22に進む。
一方、ステップS101で更新の履歴がないと判断すると、ステップS105に進む。ステップS105では、全メッシュ管理情報を記録媒体2から読み出す。ステップS106において、記録媒体2から読み出した全メッシュ管理情報を基に、記録媒体2から現在地付近のデータを読み出す。次に、図10のステップS22に進む。
図10に戻って、ステップS22以降において目的地付近のデータを読み込む。ステップS22では、地図サーバ6に新しいデータを要求し、新しいデータが存在する場合は、通信によって更新データ(目的地付近)をダウンロードする。ステップS23では、更新データの有無を判断する。更新データの有無の判断とは、地図サーバ6から更新データが送られてきたか否かを判断する。更新データが有ると判断すると、ステップS24に進み、更新処理を行う。
図12は、この更新処理のフローチャートである。図12のステップS111では、目的地付近のデータの更新の履歴、すなわち今までに目的地付近のデータ更新があるか否かを判断する。更新があると判断するとステップS112に進む。ステップS112では、地図サーバ6から送信された更新データに従って、すでに不揮発性メモリ12に存在する全メッシュ管理情報を書き換える。その後、ステップS115に進む。
一方、ステップS111で、今までに目的地付近のデータ更新はないと判断するとステップS113に進む。ステップS113では、地図サーバ6から送信された更新データを参照し、記録媒体2のデータに対して更新の必要なデータの全メッシュ管理情報を、記録媒体2から読み出し、不揮発性メモリ12に書き込む。ステップS114では、更新データに従って、不揮発性メモリ12に記録した全メッシュ管理情報を書き換える。その後、ステップS115に進む。
ステップS115では、書き換えた全メッシュ管理情報を不揮発性メモリ12からメモリ126に読み出す。ステップS116では、不揮発性メモリ12から読み出した全メッシュ管理情報を基に目的地付近のデータを読み出す。次に、図10のステップS26に進む。
図10のステップS23において、地図サーバ6から送信された更新データがないと判断すると、ステップS25に進む。ステップS25では、既に存在するデータから目的地付近のデータを読み出す。すなわち、記録媒体2からか、前に更新されたデータの場合は不揮発性メモリ12からか読み出す。ステップS26では、読み込まれた地図データを基づいて経路探索を行う。
−メニュー画面によるデータ更新−
次に、地図サーバとの通信を利用した更新において、メニュー画面を利用して地図データを更新する様子を説明する。図20は、ナビゲーション装置1の制御装置11の機能を展開して示したブロック図である。制御装置11がROM(不図示)に記録されたプログラムを読み出し実行することにより、そのブロックが持つ機能を実現する。制御装置11は、GUI(Graphics・User・Interface)制御部12と、地図データ管理部13と、経路情報表示部14とで構成される。
GUI制御部22は、あらかじめ用意された地図データ更新メニューの中から選択を促がし、その選択入力を取り込み、更新したいエリアを絞り込んで表示する機能を持つ。
また、地図データ管理部23は、あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき前記絞り込まれたエリア内に前記更新地図データを反映させる機能を持つ。地図データ管理部23はまた、経路探索による経路情報が確定された後、あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき、地図上に表示された経路情報に更新地図データを反映させる機能も合わせ持つ。
なお、ここで、「更新ジャンルメニュー」とは、地図データを構成する要素である、背景、道路、ネットワーク、誘導、案内検索の内のいずれか、あるいはその組合わせをいう。
地図データ管理部23は、強調表示部231と、地図データ更新部232と、情報転送制御部233とで構成される。
強調表示部231は、選択された更新ジャンルメニューに基づき、GUI制御部22によって表示されるエリア地図内に、更新された地図データが属するエリアを他と区別して表示する機能を持ち、地図データ更新部232は、更新された地図データの更新状況を表示し、その地図データの更新を行うか否かの意思表示を促がし、当該意思表示を取り込んで地図の更新データを反映させる機能を持つ。
また、情報転送制御部233は、経路探索を地図データ管理装置である地図サーバ6に依頼して経路情報ならびに更新履歴情報を入手し、自身で持つ地図データの更新履歴情報と比較して地図サーバ6から最新の経路情報を含む地図データを取り込み、経路情報に反映させる機能を持つ。
一方、経路情報表示部24は、経路探索を行い、現在位置あるいは出発地から目的地までの経路情報を地図上に表示する機能を持つ。
図21は、本実施の形態の地図データ管理装置、具体的には図1に示す地図サーバ6の内部構成を機能展開して示したブロック図である。地図サーバ6のCPU(不図示)がメモリ(不図示)に記録されたプログラムを読み出し実行することにより、そのブロックが持つ機能を実現する。地図サーバ6は、通信インタフェース部61と、地図データ管理部62と、更新データ提供部63とで構成される。
地図データ管理部62は、メッシュ単位で地図データを管理する機能を持ち、更新データ提供部63は、ナビゲーション装置1から得られるデータ更新要求に基づき、該当する地図データが属するエリアをメッシュ単位でサーチし、履歴情報と共に更新データを提供する機能を持つ。
図22、図23は、ナビゲーション装置1側の動作を示すフローチャートである。図24は地図サーバ6側の動作を示すフローチャートである。
図18〜図24は、ナビゲーション装置1の使用状態における画面遷移を示す図である。以下、図22〜図24を参照しながら、メニュー画面を利用して更新する様子を説明する。なお、以下の実施形態で新しい情報に基づき更新すると説明する場合、ナビゲーション装置1に記憶されているデータを新しい情報で置き換えても良いが、前記説明の如く、従来の情報に加えて新しいデータを保持し、ナビゲーション装置が処理動作を行う場合において新しい情報を利用するように動作することで対応しても良い。後者の場合、基データが書き換え不可能な記憶媒体であってもナビゲーションシステムとしてはデータ更新という所期の目的を達成できる。また更新が好ましくない結果となった場合に、元に戻すことが可能となる効果がある。
図18に、本実施の形態におけるナビゲーションシステムの画面遷移の要約が示されている。図18(a)は、表示モニタ18に表示される地図の表示画面である。ここで、入力装置19のメニュースイッチを押すと、図18(b)の画面が表示され、デフォルトで「データの更新」メニューが選択される。「データの更新」メニューでは、更新方法をあらわすメニューが表示モニタ18に表示される。図18(b)は、更新方法がプルダウン方式でメニューとして出現している様子を示す。そのプルダウンメニューの中から、「地図から」が選択クリックされた場合(図18(c))は、図19に示される処理に移行する(表示地図から更新データを選択)。
また、「地域から」が選択クリックされた場合(図18(d))は、図20に示される処理に移行する(地域から更新データを選択)。また、「路線から」が選択クリックされた場合(図18(e))は、図21に示される処理に移行する(路線の周囲から更新データを選択)。また、「目的地までの経路から」が選択クリックされた場合(図18(f))は、図22に示される処理に移行する(探索経路の周囲から更新データを選択)。また、「案内検索情報」が選択クリックされた場合(図18(g))は、図23に示される処理に移行する(案内検索情報から更新データを選択)。また、「ジャンルから」が選択クリックされた場合(図18(h))は、図24に示される処理に移行する(ジャンルから更新データを選択)。このように地図データの更新の指示に対し、その更新方法が表示されるので技術的な内容を知らない人でも抵抗無く利用できる。また幾つかの更新方法を用意しているので、状況に応じた更新が可能で使いやすい。
図19に、表示地図から更新データを選択する場合の画面遷移の様子が示され、図15にそのためにナビゲーション装置1にインストールされる地図管理プログラムの処理手順が示されでいる。
ここでは、図19(a)に示されるように、表示モニタ18の画面上部にあるメニューバーの中から、「データの更新」、そして出現するプルダウンメニューの中から、「地図から」が選択されたとする(S801〜S803)。このことにより、図19(b)に示される画面に遷移し、現在表示している地図、又は日本全国地図等から縮尺変更、あるいはスクロールを繰り返し、更新したいエリアの地図表示を行う(S804)。
前記したように、あらかじめ用意された複数の地図データ更新方法のメニューの中から選択を促がし、また、その選択入力を取り込み、更新したいエリアを絞り込んで表示モニタ18へ表示するのは、GUI制御部12が行う。
ここで、「現在の地図から」を選択して更新エリアを絞り込んだ場合、図19(c)に示す画面に遷移する。この画面には地図の更新項目、例えば画面右に表示されている更新ジャンルを選択するためのメニューが、例えばプルダウンの方法で表示される(S805)。この更新ジャンルとしては、例えば、背景、道路、ネットワーク、誘導、案内検索の5つが用意される(S806)。ここで、更新するデータのジャンルを1つ、又は複数選択してOKボタンをクリックすれば、図19(d)に示す画面に遷移する。
以降は地図データ管理部13に制御が移り、地図データ管理部13が、背景が選択された場合は背景更新データの入手を行い(S807)、道路が選択された場合は道路更新データの入手を行い(S808)、ネットワークが選択された場合はネットワーク更新データの入手を行う(S809)。
また、ここには示されないが、他に、誘導が選択された場合は誘導更新データが、案内検索が選択された場合は案内検索更新データが入手される。なお、これら更新データの入手ソースは、ナビゲーションシステム自身、あるいは地図データ管理装置の種類を問わないものとするが、ここでは、地図データ管理装置である地図サーバ6から転送される最新の地図データを入手ソースとして説明する。
このことにより、図19(d)に示す画面に遷移し、地図サーバ6によりメッシュ単位でサーチされた結果であるデータの更新状況が反映された地図表示がなされる(S810)。
ここでは、あらかじめ表示していた地図と選択された更新ジャンルを考慮して新しいデータの存在するエリアが、強調表示部131により、他とは視覚的に異なる表示で、例えば異なる色表示で、あるいはブリンク等により強調表示がなされる。また、メッシュ単位を示すグリッドラインも表示される。さらに、更新のためのデータ容量や転送時間等についても表示し、ユーザが確認操作(S811:データの更新を行うか否か)を行う際の利便性も提供している。これらの表示に加え、利用者に地図の更新を行うかどうかの操作ボタンが表示される。
ここで、地図更新の指示が行われた場合、即ち操作ボタンの「はい」が選択された場合、図19(e)に示す画面に遷移し、データ更新の進捗状況がエレベータアイコンでリアルタイムに表示されると共に、地図データ更新部132により実際の地図データの更新がなされる(S812)。更新に伴い全メッシュ管理情報などを書き換えるのは前述したとおりである。
図19(d)に示す画面は地図の変更がなされている(更新データが存在する)エリアをメッシュ単位で表示している。この実施例では表示中の内6個のメッシュが更新可能であることを示している。この全てを更新するかこのうちの選択されたメッシュのみを更新するかを選択可能にすることもできる。例えば更新に時間がかかる場合、更新可能メッシュ6個の内、特に必要なメッシュを選択し、この選択メッシュのみを更新することも可能である。メッシュを選択すると選択されたメッシュの表示形式が更に視覚的に異なる表示に変わり、データ容量や更新時間の表示内容も変わる。このように更新メッシュを選択して更新指示である操作ボタン「はい」を選択すると、選択されたメッシュの更新が行われる。
更に本実施の形態では記載されていないが、地図をスクロールまたはページ送りすると、表示される地図のメッシュが変更される。それに伴い新たな更新可能メッシュの表示が現れる。従って表示されている更新可能メッシュあるいは選択されたメッシュを更新するのか、スクロールまたはページ送りで表示画面から外れたメッシュも含めて更新するかの選択を行うようにしてもよい。
図20は、プルダウンメニューから「地域」を選択した場合の画面遷移であり、地図の絞込みが地域に関する項目、例えば県市町村や観光地、の観点から行われる方法を示している。図20(a)で、図左側に表示されている操作メニューの操作項目から、項目「地域から」を選択すると、地域に関する操作項目例えば「県、市」の項目あるいは「観光地」の項目、等が出力される。図20(b)では「県、市」、「観光地」の項目、等が表示の形で出力されている。
「県、市」の項目を選択すると、この項目の下層のデータである「県名」が図20(c)に示す如く、出力される。この場合、北からまたは南から順に出力しても良いが、現在位置およびその近傍の県名から、あるいは目的地およびその近傍の県名から出力するようにすれば多くの場合、早く目的地域を選択できるメリットがある。
出力された県名から例えば「神奈川県」が選択されると、選択された県である「神奈川県」の下層データ、例えば「市」が図20(d)に示す如く、出力される。出力された「市」、例えば「横浜市」が選択されると、選ばれた「市」に関する施設を含む地域を特定することができる。そして、この特定された地域に関する地図のデータに対して、更新対象項目の一覧が出力され、これを選択することで指定された対象項目の更新が推進される。
本実施の形態では更新したい項目として「ジャンル」が出力される。この「ジャンル」には例えば「背景」、「道路」、「ネットワーク」、「誘導」、「案内検索」が含まれている。
ここでジャンル項目「背景」を選択した場合の更新対象データは、道路、川、鉄道、地名等を表示する為のデータである。道路の場合の背景データを更に詳細に述べると、道路を表示するのに必要なデータであって、経路計算に使用するデータは入っていない。経路検索はしないが道路地図を表示したい場合に対応するデータである。また、ジャンル項目「道路」を選択した場合の更新対象データは、マップマッチングや経路計算するための道路の情報である。ナビゲーション装置にマップマッチング機能を持たせないようにセットした場合やマップマッチングが不能なエリアを指定した場合は、ナビゲーション装置の方で自動的にジャンル項目「道路」の選択ができない表示とすることが可能。この場合はナビゲーション関係の技術を知らない人にとって使い易い装置となる。
ジャンル項目「ネットワーク」を選択した場合、更新対象データはノード情報やノードとノードとの接続関係の情報となり、経路検索に利用できる。ジャンル項目「誘導」を選択した場合の更新対象データは、車を経路に沿って誘導するための表示情報、即ち運転を助けるために運転者に対して出力する情報である。例えば、交差点を右に曲がる際の目印、目印としての建物や建造物の表示である。ナビゲーションのルートガイド機能を利用する場合には、「背景」「道路」「ネットワーク」「誘導」のデータを更新することが望ましい。
ジャンル項目「案内検索」を選択した場合の更新対象データは施設などの情報で、例えばレストランやデパート、商店、その他色々なイベント、各校案内などの情報である。
図20(e)のジャンルを選択後、選択完了を意味する「OK」を選択すると、選択された地域である「横浜市」の道路を表示するのに使用されるロケータデータや、経路検索データや、運転のための案内その他施設などの誘導データが更新対象となる。前記のようなジャンルに関するデータの更新を行うかどうかを指示するため、図20(f)の画面が表示される。図20(f)には、選択された地域である「横浜市」および更新データ容量と更新時間、更新の有無を指示する操作画面が表示される。操作画面の「はい」は更新を行う指示、「いいえ」は更新を行わない指示を示す。「はい」を選択すると図20(g)に示す通り、更新動作中であることおよび更新動作の進捗を示す表示と、更新動作を中断する操作画面「キャンセル」が表示される。
上記の通り「県」や「市区町村」を指定することは、行政区画を指定することである。行政区画は各国によって異なるが、それぞれの国に応じた行政区画を指定できるようにすればよい。
図21は図18(b)に示すプルダウンメニューから「路線から」を選択した場合の操作に関する画面遷移である。
「路線から」を選択すると、図21(b)に示すごとく、既に選択されて表示されている地図に基づき、この地図に関係する主な道路名が出力される。図21(b)に示す出力された道路名リストから、更新を希望する道路を選択する。選択された道路を表示するのに使用するデータの項目を出力する。ここではデータの項目をジャンル別に、例えば「背景」、「道路」、「ネットワーク」、「誘導」、「案内検索」を表示する(図21(c))。ここでジャンルの項目は道路に関連する項目とすることが望ましい。しかし項目をいろいろ変更すると利用者が戸惑う心配がある。本実施の形態では、ジャンルの項目は先に説明した図20(e)の内容と同じにしている。これらジャンル項目の詳細説明は前記と同様であり、省略する。
図21(c)の出力内容から更新したいジャンルを選択すると、図21(d)に示す如く、更新データの容量や更新に係る時間、更新を行うかどうかの操作画面が表示される。「はい」は更新を行う指示の操作画面すなわち操作ボタンの表示であり、「いいえ」は更新を行わないことを指示する操作画面すなわち操作ボタンの表示である。
更新を行う「はい」を選択すると、更新が開始され、図21(e)が表示される。この画面には更新対象の道路名と更新中を示すグラフ、操作を中断する操作画面「キャンセル」が表示される。前記更新中を示すグラフは、更新の進捗を表示する。
前記した図21(b)に示す道路名の表示は、例えば更新すべき新しいデータがある道路と、更新が完了されたあるいは更新すべきデータが無い道路とを視覚的に区別して表示する方が利用し易い。従ってこれらを視覚的に区別して表示しても良い。また更新すべき新しいデータがある道路のみを出力するようにしても良い。このような表示形式では、更新を完了した後、更新の完了を確認するために再度図18の操作から図21の操作に移ると今度は、第1例は更新完了されているので前回の道路名が表示されない。あるいは第2例は、道路名が表示されるが、更新済で未更新データ無しが視覚的に判断できる内容で、すなわち前回と異なる表示形式で表示される。更新すべき道路が無い場合、まったく道路名が表示されないと誤解を招く心配があり、「更新すべき道路はありません」と表示してもよい。
図22は、経路探索した結果から更新データを選択する場合の画面遷移の様子を示す。図16、図17は、そのための地図管理プログラムの処理手順を示す。図16は、ナビゲーション装置1側の動作を示す図であり、図17は、地図サーバ6側の動作を示す図である。
ここでは、図22(a)に示されるように、表示モニタ18の画面上部にあるメニューバーの中から、「データの更新」、そして出現するプルダウンメニューの中から、「目的地までの経路から」が選択されると、図22(b)に示す画面に遷移する。図22(b)に示す画面では、更新したいエリアを絞り込むために、更に、「現在の経路から」、「経路探索」、「目的地設定」、「出発地設定」または、「…」がプルダウンメニューとして用意されている。ここで、探索された経路の任意のエリアを更新するために「経路探索」が選択されると(S901)、目的地までの経路探索が行われ、表示される。経路情報表示部14による経路探索結果は、図22(c)に示されている。
なお、経路探索は、ナビゲーション装置1で行う場合と、地図サーバ6で行う場合とではその動作が異なる(S902)。すなわち、地図サーバ6で行う場合は、メンテナンスされた最新の地図データを保持するために、ナビゲーション装置1によって依頼された経路探索要求に基づき地図サーバ6によって出力される経路情報探索結果を受信するだけで済むが(S914)、ナビゲーション装置1で経路探索を行う場合は、ナビゲーション装置1が持つ地図データの履歴情報をチェックする必要がある。
具体的には、ナビゲーション装置1は、地図サーバ6から経路情報及び履歴情報を受信し(S903)、ナビゲーション装置1が持つ地図データのバージョンのチェックを行う(S904)。ここで、ナビゲーション装置1が持つ地図データの履歴をα、受信した経路情報の履歴をβとしてバージョンのチェックを行った結果、最新のものではない(α<β)ことが判明されると、その経路情報と関連する周辺地図の最新バージョンを地図サーバ6からダウンロードして受信する必要がある(S905)。この場合、新しいデータが存在すること即ち新バージョンデータが存在することを表示し、更新するかどうかを入力する図22(e)の右側の表示を表示する。
そして、図22(c)に示す画面に遷移して経路探索の結果が表示され、データ更新を行う経路を特定するステップに動作が移る。この表示の経路でよければ経路特定を意味する操作、例えば表示内容「はい」を選択する。「はい」が選択されると、図22(d)に示す画面に遷移して、データ更新の対象となる探索結果の確定がなされる。
なお、「いいえ」が選択された場合は、他の候補となる経路が表示され、探索経路が確定されるまで確認のための操作が繰り返される(S906)。もちろん中止の操作ボタンを表示し、この操作ボタンを選択することで、一連の操作をあるいは少なくとも図22(a)から始まる操作を中止するようにしても良い。この場合、経路検索で望みの道路を通る経路が見つからない場合など、他の観点から望みの道路を見付ける操作に速やかに移ることが可能となり、便利さが増すこととなる。
図22(d)では、指定した経路に沿ったデータの更新となる。この状態で経路に沿った更新可能地域を表示して、その地域の更新を指示し、更新を行っても良い。この場合操作が簡単で、利用者の負担が少ない。一方きめ細かい利用者の要望に答えるには、図19(c)や図20(e)や図21(c)における操作と同じように、ジャンル選択のためのメニューを表示する(S907)。ここで、図19(c)や図20(e)や図21(c)と同様、更新するデータのジャンルを1つまたは複数選択してOKボタンをクリックすれば図22(e)に示す画面に遷移する(S908)。
ここで、背景が選択された場合は背景更新データの入手が行われ(S909)、道路が選択された場合は道路更新データの入手が行われ(S910)、ネットワークが選択された場合はネットワーク更新データの入手が行われる(S911)。なお、更新すべきデータのある地図のメッシュを図22(d)に表示し、それを見ながらジャンルを選択するようにしても良い。この場合、利用者にとって重要なメッシュかどうかを判断できる。
次に、図22(e)に示すように、選択されたジャンルに関係する更新対象メッシュが画面に表示される。すなわち、メッシュ単位でサーチされた結果である、データの更新状況が反映された道路地図表示がなされる。なお、経路探索を地図サーバ6に依頼して経路情報ならびに更新履歴情報を入手し、ナビゲーション装置1が持つ地図データの更新履歴情報と比較して地図サーバ6から最新の経路情報を含む地図データを取り込み、経路情報に反映させるのは、情報転送制御部233が行う。
また、強調表示部231は、経路探索の結果表示される地図と選択された更新ジャンルを考慮して新しいデータ(道路)の存在するエリアが、他とは視覚的に異なる表示で、例えば他とは異なる色表示、あるいはブリンク等により強調表示がなされる。また、更新のためのデータ容量や転送時間等についても表示し、ユーザが確認操作(S912:データの更新を行うか否か)を行う際の利便性も提供している。これらの表示に加え、利用者に地図の更新を行うかどうかの操作ボタンが表示される。
ここで、地図表示の更新の指示がなされた場合、すなわち、操作ボタンの「はい」が選択された場合、図22(f)に示す画面に遷移し、データ更新の進捗状況がエレベータアイコンでリアルタイムに表示されると共に、地図チータ更新部132により実際の地図データの更新がなされる(S913)。
図17に地図サーバ6にインストールされる地図データ管理プログラムの処理手順が示されている。
図17において、地図サーバ6は、ナビゲーション装置1からOKボタンのクリックによるデータ更新要求を受信すると(S101)、更に、選択指定された更新ジャンルメニューを調べ(S102)、背景の場合は、地図データDB7を参照して背景に関わる更新データをメッシュ単位でサーチし(S103)、道路の場合は、道路更新データをメッシュ単位でサーチし(S104)、ネットワークの場合は、ネットワーク更新データをメッシュ単位でサーチし(S105)、それぞれ更新データ提供部63を介して転送する(S106)。
また、ここには示されないが、案内検索の場合は、案内検索データDB8を参照して案内検索に関わる更新データをメッシュ単位でサーチして更新データ提供部63を介して転送する。
すなわち、地図データ管理部62は、メッシュ単位で地図データを管理し、ナビゲーション装置1からのデータ更新要求に基づき、更新データ提供部63を介して該当する地図データが属するエリアをメッシュ単位でサーチし、履歴情報と共に更新データを提供する。
図23は、プルダウンメニューで「案内検索情報」を選択した場合の画面遷移であり、図23(a)で前記メニューから「案内検索情報」を選択すると、案内検索情報の項目リスト(ゴルフ場、レジャーランド、レストラン、ホテル他)を図23(b)に示すように表示する。案内リスト項目から、例えば「レストラン」を選択すると、図23(c)の画面に移る。図23(c)では、案内リスト項目「レストラン」が強調表示され、図18と同様な更新方法(更新エリア)をあらわすメニューが画面右側に表示される。その中からカテゴリ(地図から、地域から、路線から…)を選択して地図、地域等からの絞り込みを、図18〜図22で説明したのと同様に行い、図23(d)の画面に移る。図23(d)では、案内項目「レストラン」の選択されたカテゴリに関する新しいデータの有無が表示される。図23(d)は、選択されたカテゴリに新しいデータがある場合の状態を示す。データ更新画面である図23(d)で更新の指示を示す「はい」を選択すると、図23(e)のように更新が実行される。なお、図23(b)において、表示の地域を基にし、特に絞り込まないあるいは地域を変更しない場合は、図23(b)でリストを選択して、図23(d)に移ってもよい。
また、図24は、プルダウンメニューで「ジャンルから」を選択した場合の画面遷移である。図24(a)で「ジャンルから」を選択すると、図24(b)のように、ジャンルのリストが表示される。ジャンルのリスト中から更新対象を選択すると、図24(c)の画面に移る。図24(c)では、図18と同様に、地図から、あるいは地域から等によりエリアの絞り込みを行う(図24(c))。絞込み方法は、図18〜図22と同様に行う。図24(d)では、選択されたジャンルで選択されたエリアに新しいデータがあるどうかを表示する。あるいは選択されたジャンルで選択されたエリアに新しいデータがある場合にのみ更新画面を表示するようにしてもよい。
図24(d)で更新の指示を行うと、即ち「背景」に関して更新データがあるとの表示があり、この更新指示を「はい」を選択することで行うと、図24(e)で更新が行われる。このときの表示は更新対象と、更新の動作中を示す表示と、更新の進捗状態の表示であり、先に説明の内容と同じである。また、図24(b)で表示の地域を対象とする場合や対象地域の変更を行わない場合は、図24(b)から図24(d)へ移ってもよい。
以上説明したように、本実施の形態の地図データの構造や地図データの処理方法を使用した場合、次のような効果を奏する。
(1)メッシュ単位で地図データの更新ができるので、地図データの一部のみ更新する場合、地図データが格納されたDVD−ROMなどの記録媒体全体を新しいものにする必要がない。更新の最小単位をメッシュ単位、すなわち基本・拡張データ単位とする事が可能となり、不必要なデータ更新に掛かる通信量(コスト)も低減することができる。また、個々の基本、拡張データの更新のサイクルを異ならせることが可能となる。
(2)更新データをインターネット経由の通信によっても提供するので、迅速にかつ安い費用で最新の更新データを提供することができる。
(3)メッシュデータを基本データと拡張データとに分離しているので、地図表示のみしか必要ないナビゲーション装置や、経路探索や誘導処理を行うようなナビゲーション装置があっても、共通の地図データを使用することが可能である。さらに、拡張データにおいても、データの種類に応じて分離している。これにより、ある拡張データは必要であるが、他の拡張データは必要ない場合も、同じ仕組みの更新データ提供で対応できる。また、背景データと他のロケータ用データやネットワークデータを分離して管理している。このため、地図描画の際に、背景・道路・文字等の複数のデータ群をアクセスせずに、1度のアクセスで地図が描画できる。さらに、背景としての道路で良いため、思い切ったデフォルメ、連結が可能となり、表示データ量の削減・表示速度の向上が望める。
(4)メッシュデータを基本データと拡張データとに分離しているので、携帯電話などの簡易な装置や車載用ナビゲーション装置などの高級な装置にも、同一の地図データベースで地図データの提供をすることができる。例えば、携帯電話での地図表示やナビゲーションでは、基本データのみを提供する。車載用ナビゲーション装置には、基本データと拡張データを提供する。
(5)隣接メッシュ間や上下レベル間のデータの接続に、緯度経度に対応する2次元座標値を使用するようにしているので、データ更新の方式が機種に依存したり、規格に依存したりすることを防止することができる。すなわち、緯度経度に対応する2次元座標は普遍的なデータと言えるので、これらのデータを使用することにより、データ更新の方式を標準化できる。
(6)2次元座標値プラスアルファのパラメータを使用しているので、ノード間の特定が確実に行うことができる。例えば、高さデータをプラスアルファのパラメータとすると、道路が高架して交差する接続点であっても、確実に区別することができる。また、下層レベルの座標値をプラスアルファのパラメータとすると、下層レベルの解像度でノードなどが特定できる。すなわち、縮尺率の異なる上下レベル間においても、データを確実に接続することができる。
(7)不揮発性メモリに全メッシュ管理情報を格納しながら、地図データを管理しているので、更新データの管理を容易かつ確実に行うことができる。これにより、ナビゲーション装置のプログラム開発などが容易となる。
(8)各境界ノードの接続先を得る為に同一座標値を持つ境界ノードを隣接メッシュから検索する手法を全てのメッシュについて行なうのではなく更新メッシュのみについて行ない、更新の無いメッシュについては従来のポインタ参照式の検索手法を用いるようにしている。これにより、データ処理速度の低下を最小限に出来る。
(9)全国分の更新データの一括配信を受けるのではなく、ユーザが選んだ地域のみの配信を受けるので、その受信時間は必要最小限で済む。また、全ての地図データを読み書き可能な大容量記憶装置に収録するのではないため、ユーザが要求する更新データのみを収録可能な記憶容量で十分である。
(10)また、上記実施の形態において、レベル間対応キーの一部として拡張座標αを設け、このパラメータを、例えば、そのノードの高さデータや、データの生成更新に関する時間データ(情報)としてもよい旨説明した。このような拡張座標αはメッシュ境界にある全ての境界ノードに持たせる必要はなく、一部の特殊なノードにのみ持たせるようにしてもよい。例えば、メッシュ境界上で交差し同一座標を持つ境界ノードにのみ持たすようにしてもよい。これにより、データ量の増加やデータ処理速度の低下を最小限に出来る。
(11)地図データを更新するにあたり、メニュー画面を表示し、更新するエリアを絞り込むようにしたので、更新したいエリアを容易に指定することができる。また、更新データがあるすべてのデータを更新するのではなく、必要な領域のみ更新するので、更新時間が短くて済み、更新にかかる費用も削減できる。
(12)モニタ18に表示されている地図に関するメッシュのみを更新対象とすることができるので、地図の表示は最新となりさらに更新は短時間低コストですむ。
(13)地域から、例えば県や市区町村の行政区画名を指定して更新対象をメッシュを特定することができる。これにより、所望の地域の地図データを容易にしかも低コストで最新のものにすることができる。
(14)路線名や道路名を特定して、更新対象のメッシュを特定することができるので、更新したい路線名や道路名が分かっているときに便利である。この場合、表示されている地図の中の路線名や道路名に限らず、全国の路線名や道路名を対象にしてもよい。例えば、高速道路のジャンルを選んで全国の高速道路の一覧を表示し、東名高速道路を選択して東名高速道路が通過するメッシュをすべて更新するようにしてもよい。路線名や道路名は、国道1号線などの正式な名称に限らず、他の名称であってもよい。青梅街道などの街道名であってもよい。
(15)出発地(現在地)から目的地までの経路を特定して、その経路に関係するメッシュの地図データを最新のものにすることができる。これにより、地図の表示や誘導が最新の地図データで行うことができる。また、更新後のデータでさらに経路探索を行えば、経路探索が最新の地図データで行うことができる。経路上で地図データを更新するとき、経路上で更新データがあるメッシュのみを強調表示することができる。これにより、どの範囲が更新されるのか容易に確認することができる。強調表示しているメッシュを、さらに更新が必要なメッシュのみを選択することもできる。これにより、必要最低限の時間とコストで必要最低限の最新地図データを取得することができる。強調表示しているメッシュをさらに選択することは、地図の表示で更新する場合にも、地域から更新する場合にも同様に適用することができる。さらに選択したメッシュを区別できるように、これらのメッシュに対してさらに異なる強調表示をする。
(16)更新にあたり、更新データ量や更新時間も表示するので、そのときに更新すべきかどうかを判断することができる。例えば、更新時間が長くかかる場合であって、その更新データが急ぎで必要でないときには、後に時間があるときに更新することを容易に決定することができる。
(17)地図データの背景、道路、ネットワーク、誘導、案内検索などのジャンル(更新データ種)を選択して更新することも可能であるので、必要最低限の更新データのみを選択することができる。なお、ジャンルの選択は、エリアの絞込み後に行ってもよいが、エリアの絞込み前にジャンルの選択をしてもよい。
上記の実施の形態では、ナビゲーション装置の制御装置11が実行する制御プログラムはROMに格納されている例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。制御プログラムやそのインストールプログラムをDVDなどの記録媒体で提供してもよい。なお、記録媒体はDVDに限定する必要はなく、CD−ROM、磁気テープやその他のあらゆる記録媒体を使用するようにしてもよい。
さらに、それらのプログラムをインターネットなどに代表される通信回線などの伝送媒体を介して提供することも可能である。すなわち、プログラムを、伝送媒体を搬送する搬送波上の信号に変換して送信することも可能である。プログラムを記録媒体やインターネットで提供する場合は、図1と同じような構成で提供すればよい。例えば、記録媒体2をプログラム提供の記録媒体にし、地図サーバ6をアプリケーションプログラムを提供するサーバーとすればよい。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
また、上述の制御プログラムをパソコン上で実行させてカーナビゲーション装置を実現するようにしてもよい。その場合、現在地検出装置13や入力装置19などは、パソコンの所定のI/Oポートなどに接続するようにすればよい。
上記の実施の形態では、リムーバブルメモリ3から更新データを提供する例を説明したが、この内容に限定する必要はない。更新用データをCD−ROMやDVD−ROMなどに書きこんで、記録媒体2を一時的に入れ替えて提供するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、記録媒体2から初期の地図データを読み込む例を説明したが、この内容に限定する必要はない。初期の地図データをインターネット5を介して受け取って不揮発性メモリ12に格納し、その後前述した手法で更新管理するようにしてもよい。また、インターネット5を介して必要な地図データをその都度受け取り、その都度不揮発性メモリ12に格納し、その後更新がある場合は、前述した手法で更新管理をしてもよい。
上記の実施の形態では、ナビゲーション処理として経路探索の例を説明したが、この内容に限定する必要はない。上記地図データを使用して、地図表示、経路誘導などの各種のナビゲーション処理を行うことができる。
上記の実施の形態では、不揮発性メモリ12はナビゲーション装置1の内部に設けられる例を説明したが、この内容に限定する必要はない。ケーブルなどによって接続される外部記憶装置であってもよい。
上記の実施の形態では、背景(地図表示用)データを基本データとし、ネットワークデータを拡張データとする例を説明したが、この内容に限定する必要はない。例えば、ネットワークデータを基本データとするようにしてもよい。これは、地図を表示しないアプリケーションに地図データ(ネットワークデータ等)を使用する場合などである。具体的には、経路探索をし、車両の進行方向を矢印などでのみ誘導するようなアプリケーションに使用する場合などである。このようなナビゲーション装置においては、背景(地図表示用)データは必要がないからである。このとき、ネットワークデータが最も優先度の高いデータとなり、ネットワークデータのみがメッシュ単位に更新される場合も生じる。すなわち、基本データは、それぞれのアプリケーションにおいて、例えば所定の複数の機種に共通に使用する最も優先度の高い種類の地図データとすればよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
Claims (13)
- 地図データを使用するナビゲーション方法であって、
地図データの更新のために地図の更新したいエリアを絞り込むためのメニューが表示されるように為し、このメニューには地図に基づいて絞り込むための項目と経路に基づいて絞り込むための項目とを含み、この表示されたメニューの項目から経路に基づく項目が選択されると経路に基づく更新データを取り込み、
取り込まれた更新データを反映させて処理する。 - 請求項1に記載のナビゲーション方法において、
前記メニューの項目から経路に基づく項目が選択されると経路に関係する地図のメッシュに関して更新すべきデータの有無を表示し、
データ更新の指示が行われるとこれに基づき更新データを取り込み、
取り込んだ地図データを反映させて処理を行う。 - 入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、前記記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、前記記憶データを使用してナビゲーションを行うナビゲーションシステムのための処理方法であって、
更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、
表示された項目から道路が選択されると、複数の道路が表示され、
表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、
前記取り込まれたデータを反映させて処理が為される。 - 入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、前記記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、前記記憶データを使用して現在位置から目的地に至る経路情報を表示するナビゲーションシステムのための処理方法であって、
更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、
表示された項目から道路が選択されると、経路に関係する複数の道路が表示され、
表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、
前記取り込まれたデータを反映させて処理が為される。 - 入力装置と表示装置を含む出力装置と処理装置と記録媒体とを備え、前記記憶媒体に地図データを含む記憶データを記憶し、前記記憶データを使用して現在位置から目的地に至る経路情報を表示するナビゲーションシステムのための処理方法であって、
更新する地図データを絞り込むために道路を含む複数の項目が表示され、
表示された項目から道路が選択されると、経路に関係する複数の道路および更新すべきデータの有無が表示され、
表示された道路から特定道路を選択すると選択された道路に係る更新データが取り込まれ、
前記取り込まれたデータを反映させて処理が為される。 - 地図データを使用するナビゲーション方法であって、
地図データの更新のために地図の更新したいエリアを絞り込むためのメニューが表示されるように為し、このメニューにはジャンルに関係して絞り込むための項目を含み、
この表示されたメニューの項目から更新すべきジャンルが特定されると、この特定されたジャンルに基づいて更新データを取り込み、
取り込まれた更新データを反映させて処理する。 - 固定記録媒体に格納された地図データと、ダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムが通信網を介して接続される地図データ管理装置であって、
メモリ容量が所定の最大値を越さないように管理され、個々のデータ単位で新旧判別のキーとなる履歴情報を持つメッシュを前記地図データの管理単位として扱う地図データ管理手段と、
前記ナビゲーションシステムから得られるデータ更新要求に基づき、該当する地図データが属するエリアを前記メッシュ単位でサーチし、前記履歴情報と共に更新データを提供する更新データ提供手段とを備える。 - 固定記録媒体に格納された地図データと、地図データ管理装置からダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムに用いられる地図データ管理プログラムであって、
あらかじめ用意された地図データ更新メニューの中から選択を促がし、その選択入力を取り込み、更新したいエリアを絞り込んで表示するステップと、
あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき前記絞り込まれたエリア内に前記更新地図データを反映させるステップとからなる。 - 固定記録媒体に格納された地図データと、地図データ管理装置からダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムに用いられる地図データ管理プログラムであって、
経路探索を行い、現在位置あるいは出発地から目的地までの経路情報を地図上に表示するステップと、
前記経路情報が確定された後、あらかじめ用意された更新ジャンルメニューの中から少なくとも一つの選択入力を促がし、その選択入力に基づき、前記地図上に表示された経路情報に前記更新地図データを反映させるステップとからなる。 - 固定記録媒体に格納された地図データと、ダウンロードして得られる更新地図データとを混在使用するナビゲーションシステムが通信網を介して接続される地図データ管理装置に用いられる地図データ管理プログラムであって、
メモリ容量が許す最小のサイズに固定して管理され、個々のデータ単位で新旧判別のキーとなる履歴情報を持つ基準メッシュを前記地図データの管理単位として扱うステップと、
前記ナビゲーションシステムから得られるデータ更新要求に基づき、該当する地図データが属するエリアを前記基準メッシュ単位でサーチし、前記履歴情報と共に更新データを提供するステップとからなる。 - 地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムであって、
更新すべき地図データの絞込みを行うために、項目として地域と道路を表示し、
地域が選択された場合には、地域を絞り込むための県や市を表示し、表示内容から更に選択して更新したいエリアを絞り込むステップと、
道路が選択された場合には複数の道路を表示し、表示された道路をさらに絞り込むことで更新したいエリアを絞り込むステップと、
絞り込まれたエリアに係る更新データを取り込んで処理に反映させるステップとからなる。 - 地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムであって、
現在位置から目的地に至る経路情報を表示するステップと、
前記経路情報に関係する更新情報の有無を表示するステップと、
更新指示に基づいて取り込んだデータを基に処理を行うステップとからなる。 - 地図データを使用するナビゲーションシステムに用いられるコンピュータプログラムであって、
現在位置から目的地に至る経路情報を表示するステップと、
前記経路情報に関係する更新情報の有無をメッシュ単位で視覚的に異なるように表示するステップと、
更新指示に基づいて取り込んだデータを基に処理を行うステップとからなる。
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