JPWO2003106307A1 - ねじ供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、組立てラインに設置される簡易型のねじ供給装置であって、ねじ収容部に収容された多数のねじ類を一個ずつ整列させてから取り出せるようにしたねじ供給装置に関する。
背景技術
従来、この種のねじ供給装置として、例えば特許第2997865号が知られている。このねじ供給装置1は、第17図及び第18図に示したように、箱形の空間を有するねじ収容部2を備えており、中央部を仕切る山形のガイドレール3によってねじ収容部2を左右に分けている。ねじ収容部2の各底面には交互にせり上がる押上部材4a,4bが設けられ、各押上部材4a,4bの傾斜上面に載置した多数の小ねじ5をガイドレール3の上方まで運び上げてガイドレール3上に滑り落とす。ガイドレール3の上方には支持軸7を中心に左右方向に揺動する刷毛部材6が設けられている。前記ガイドレール3は、ねじ収容部2に隣接して設けられた駆動部9の先方まで延び、その先端部にねじ取出部10を設けている。
左右の押上部材4a,4bからガイドレール3上に散布された小ねじ5の一部は、軸部5aがガイドレール3のねじ溝8に挿入されると同時に、頭部5bがねじ溝8の開口縁で支承される。一方、ガイドレール3のねじ溝8に挿入されずにガイドレール3上に残っている小ねじ5は、刷毛部材6によってガイドレール3から払い落とされる。前記ガイドレール3のねじ溝8に挿入された小ねじ5は、ガイドレール3上を漸動しながらねじ取出部10に到達し、組立てライン作業者のビット操作によって取り出される。
しかしながら、上述したねじ供給装置1にあっては、押上部材4a,4bからガイドレール3上に小ねじ5を散布し、刷毛部材6で払いながらの小ねじ5をガイドレール3に挿入するものであるため、第19図に示したように、ガイドレール3のねじ溝8に小ねじ5の頭部5bが挟まってしまうことがある。特に、第19図に示したように、頭部5bの直径と軸部5aの長さの寸法がほぼ同じで、且つ頭部5bの厚みが大きいような小ねじ5が一旦挟まってしまうと、刷毛部材6で払ってもなかなか落とすことができず、ガイドレール3に挟まったままの状態となる。そのために、ガイドレール3のねじ溝8に挿入される後方からの小ねじ5の移動を妨げてしまうことになり、そのたびにねじ供給装置1のメインスイッチを切ってねじ溝8に挟まった小ねじ5を取り除かなくてはならず、組立てラインの作業効率を低下させる原因となっていた。
従って、本発明は、ガイドレールのねじ溝に小ねじが挟まるようなトラブルを回避することで、組立てラインの作業効率のアップを図るようにしたねじ供給装置を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明のねじ供給装置は、ガイドレールにねじの頭部を支承させる前段階で一旦ねじを整列させ、整列させたねじをガイドレールのねじ溝に供給するものである。具体的には本発明のねじ供給装置は、ねじ収容部と、このねじ収容部に収容されたねじを搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送されたねじを整列させる整列手段と、この整列手段の下流側に位置し前記整列されたねじの頭部を支承するガイドレールとを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、ねじ収容部から搬送したねじを直接ガイドレール上に散布することなく、整列手段で一旦整列させてからガイドレールに導くようにしているので、従来のようにねじの頭部がガイドレールのねじ溝に挟まってしまうといったことがない。特に、ねじを臥した状態で一列に整列させることで、方向性を容易に整えることができる。
本発明のねじ供給装置は、ねじの搬送手段として回転ドラムを用い、この回転ドラムに貫通孔を設けることで、整列手段までねじを搬送することができる。そして、ねじ収納部の底面を回転ドラム側に下向き傾斜させることで、貫通孔内にねじが入り易くなり、また貫通孔の内壁面を回転ドラムの回転方向に対して逆向きに傾斜させることで、搬送時における貫通孔からのねじの落下を効果的に防ぐことができる。
また、本発明のねじ供給装置は、前記整列手段が搬送されてきたねじを受け入れるプレート部と、該プレート部から続くねじのガイド溝と、前記ねじ収容部につながるスライダ部とを備えてなることを特徴としている。
前記プレート部がガイド溝に向かって下方に傾斜することで、プレート部に放出されたねじをガイド溝へ効率的に寄せ集めることができる。また、前記ガイド溝の途中に段差部を設けることによってねじの向きを揃えることができ、ガイドレールへの移送がスムーズとなる。さらに、前記ガイド溝の先端をガイドレールに接続することで、前記ガイド溝で整列させたねじをそのままガイドレールに送り込むことができる。さらにまた、前記ガイド溝の後端部からガイドレールの先端部まで僅かに下向きに傾斜させることによってねじの整列移動がよりスムーズとなる。また、前記スライダ部が前記プレート部からねじ収容部に続く傾斜面を有することによって、ガイド溝に整列されなかったねじをねじ収容部に滑り落とすことができる。
また、本発明のねじ供給装置は、前記ガイド溝から整列不良のねじを取り除くための除去部を前記ガイド溝に沿って設けてなることを特徴とする。ガイド溝を通過する整列不良のねじを除去部で確実に除去し、整列されたねじのみをガイドレールに導くことで、整列性をより一層高めることができる。除去部の態様としては、例えばガイド溝の溝幅を狭く形成した狭溝部、ガイド溝に隣接して開設された長孔部、又はガイド溝に隣接して凹設された凹溝部などである。
さらに、本発明のねじ供給装置は、前記ガイドレールの先端部分にねじの通過を検出する検出センサを配置している。ねじの搬送・移動を一旦停止することで、作業者がガイドレールの先端部からねじを取り出す際の操作性が向上する。なお、前記ガイドレールの先端部分にねじの動きを拘束するストッパ部材を配置することで、検出センサによるねじ移動を確実に停止させることができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明のねじ供給装置をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
第1図は本発明に係るねじ供給装置のカバーを外した時の斜視図であり、第2図は真上から見た平面図、第3図は正面図、また第4図は右側面図である。
第1図乃至第4図に示されるように、この実施形態に係るねじ供給装置20は、箱型のケーシング21の内部にねじ収容部22と整列手段23とを備えたものである。両者はケーシング21のほぼ中央部が縦方向に延びる中央壁24によって仕切られており、この中央壁24のほぼ中央部分には搬送手段としての円板状回転ドラム25が配設されている。
前記ねじ収容部22は、前記回転ドラム25を含む中央壁24とケーシング21の三方の側壁とによって囲まれた収納空間を有する。また、ねじ収容部22の底面には薄板状の底板26が配設される。この底板26は中央部分が低くなるように前後に上向きの傾斜が付けられている他、底板26全体が回転ドラム25側に傾斜しており、ねじ収容部22内に収容されている小ねじ27の量が少なくなった場合でも回転ドラム25側に溜り易くなっている。
前記回転ドラム25は、ねじ収容部22に隣接して配設されたモータ30によって駆動され、第1図及び第2図に示したように、回転ドラム25とモータ30との間に掛け渡された駆動伝達機構31によってモータ30の駆動力が伝達される。駆動伝達機構31は、モータ30の出力軸と回転ドラム25の回転軸32に取付けられたプーリ33と、このプーリ33と前記モータ30の出力軸との間に掛け渡されたベルト34とで構成される。回転ドラム25は中央壁24に沿って回転可能に配設され、その周囲4箇所に断面略矩形状の貫通孔35が開設されている。これらの貫通孔35はいずれも同一形状であるが、回転ドラム25の前後面をストレートに貫通するのではなく、第4図及び第5図に示したように、左右の内壁面36a,36bが回転ドラム25の回転方向に対して前面から後面に向かって漸次後方に傾斜している。また、貫通孔35の上壁面37も回転ドラム25の前面から後面に向かって回転軸32側に傾斜している。
前記回転ドラム25は、第4図及び第5図に示したように、反時計方向に回転しながらねじ収容部22内の小ねじ27を貫通孔35内にすくい取って整列手段23まで搬送するが、その際、第6図に示したように、ねじ収容部22の底板26の傾斜によって小ねじ27が貫通孔35内に入り易くなっている他、貫通孔35の左右の内壁面36a,36bが小ねじ27をすくい易いような向きに傾斜しているため、貫通孔35内に多数の小ねじ27を容易にすくい取ることができる。また、上記貫通孔35の内壁面36a,36bの傾きは、回転ドラム25の回転によって小ねじ27を整列手段23まで搬送していく過程において、小ねじ27が貫通孔35からこぼれにくくしている。さらに、回転ドラム25の回転によって貫通孔35が整列手段23の位置まで達すると、第7図に示したように、貫通孔35の上壁面37が下向きに傾斜するので、貫通孔35内の小ねじ27が勢い良く滑り落ちて整列手段23内に放出される。なお、第6図に示したように、ねじ収容部22内では回転ドラム25の後面側が縦壁28によって塞がれており、貫通孔35内にすくい取った小ねじ27が貫通孔35の後面側に抜け落ちるのを防止している。上記の実施形態では回転ドラム25に4個の貫通孔35を設けた場合について説明したが、貫通孔35の数は特に限定されるものではない。ねじの種類や大きさ、回転ドラム25の回転スピードなどに応じて適宜変えることができ、例えば4個より少ない2個又は3個、あるいは4個より多い6個又は8個の貫通孔が形成された回転ドラムを用いることも可能である。
前記整列手段23は、第1図乃至第3図に示したように、ねじ収容部22の底板26より高い位置に設けられたプレ整列部40と、このプレ整列部40に連続して設けられた整列部41とを備える。プレ整列部40は回転ドラム25から放出された多数の小ねじ27を受け入れるプレート部42と、放出された小ねじ27をプレート42部の外周に沿って一列ずつ配列する凹溝状のプレガイド溝43と、このプレガイド溝43からこぼれ落ちた小ねじ27をねじ収容部22に戻すための上部スライダ部44とを備える。前記プレート部42は、第3図及び第7図に示したように、プレガイド溝43側に向かって下方に傾斜しており、プレート部42に放出された小ねじ27をプレガイド溝43へ効率的に寄せ集めることができる。
一方、整列部41は前記プレ整列部40の下流側に接続され、前記プレガイド溝43の先端に接続される凹溝状のガイド溝45と、前記上部スライダ部44との間に段差46をもって接続される下部スライダ部47とを有する。前記上部スライダ部44と下部スライダ部47とは、ねじ収容部22に続く連続した傾斜面を形成している。また、前記ガイド溝45は、前記プレガイド溝43の先端との間に、第8図に示したような段差部60を設けてある。そのため、小ねじ27はプレガイド溝43からガイド溝45に乗り移る際に、小ねじの27の頭部が前向きか又は後向きかの違いによって、段差部60で180度回転しながら落ちるか若しくはそのまま滑り落ちて、ガイド溝45に乗り移った後は、小ねじ27の頭部が全て後向きとなった状態で整列する。また、前記ガイド溝45は、直線状に延びて先端がガイドレール48に接続されると共に、中央部分には凹溝の一部が切り欠かれて溝幅の狭くなった狭溝部49が設けられている。前記狭溝部49は、配列不良の小ねじ27をガイド溝45から排除するための除去部であり、小ねじ27が狭溝部49を通過する際に整列方向が少しでもずれていたり、小ねじ27が重なった状態でガイドされるような場合をチェックし、そのような小ねじ27をガイド溝45から排除することで信頼性を高めている。
前記ガイド溝45は板状部材の一端に形成され、この板状部材の上に重ねた断面略L字形の押え板50と一緒にビス51によって取り外し可能に固定されている。前記押え板50は、ガイド溝45のすぐ脇に沿って立つ縦壁53を有している。そのため、配列不良の小ねじ27は、前記縦壁53に接触することで配列方向が修正され、あるいは修正困難なものは狭溝部49から落下してしまう。板状部材が取り外し可能であることから、ガイド溝45の溝幅や狭溝部49の切欠幅の異なるものを複数用意しておくことで、小ねじの種類やサイズ等に対応させて取り替えることができる。前記下部スライダ部47の下端は、ねじ収容部22に接続しており、上部スライダ部44及びガイド溝45から滑り落ちてきた小ねじ27をねじ収容部22に導いている。
上記ガイド溝45の下流側端部にはガイドレール48が接続されている。このガイドレール48は、2本のレール部材48a,48bを平行に並べ、その間に小ねじ27の軸部27aが挿入される隙間55を設けたものである。第9図及び第10図に示したように、前記レール部材48a,48bの隙間55に小ねじ27の軸部27aを上から挿入し、レール部材48a,48bの開口端で小ねじ27の頭部27bを支承することによって、小ねじ27を連続的にガイドすることができる。前述の整列部41と同様、小ねじの種類やサイズ等に応じてガイドレール48の隙間55の溝幅を調整できる。なお、このガイドレール48の先端部は図示外のねじ取出部に接続されている。
この実施形態に係るねじ供給装置20では、前記モータ30の出力軸に鋸歯状のカム56が取付けられ、その鋸歯面をローラ57が転がることで装置全体に前後方向の微振動を与えている。この微振動によって、プレガイド溝43、ガイド溝45及びガイドレール48に整列され且つガイドされた小ねじ27は、漸動運動しながら前進する。なお、この実施形態では第4図に示したように、プレガイド溝43の後端からガイド溝45を介してガイドレール48の先端までが水平線61に対して下向きの傾斜角θで傾斜しているため、前記微振動による小ねじ27の漸動運動が効果的である。
次に、上記構成からなるねじ供給装置20の動作を第6図乃至第10図に基づいて説明する。上記のねじ供給装置20は、例えば小型電子機器などの組立てラインに設置される。先ず、ねじ収容部22の上部に設けられたケーシング21の上蓋(図示せず)を開けてねじ収容部22内に多数の小ねじ27を投入する。この小ねじ27は、軸部27aの長さと頭部27bの直径が約1:1である。次にメインスイッチ(図示せず)を入れてモータ30を駆動し、回転ドラム25を回転させる。第6図に示したように、回転ドラム25の回転によって4個の貫通孔35内に小ねじ27が次々とすくい取られる。すくい取られた小ねじ27は、回転ドラム25によって上方に搬送されたのち、第7図に示したように、貫通孔35の後面側からプレ整列部40のプレート部42に放出される。
第7図に示したように、プレート部42がプレガイド溝43側に傾斜しているので、小ねじ27がプレガイド溝43側に集まり易い。集まった小ねじ27は、装置全体の微振動によってプレガイド溝43内で次第に一列となって横に臥した状態で整列していく。プレガイド溝43で整列されずにこぼれ落ちた小ねじ27は上部スライダ部44をすべり落ちて整列部41の下部スライダ部47へと移動する。
プレガイド溝43を整列移動する小ねじ27は、頭部27bの向きが前後まちまちであるが、第8図及び第9図に示したように、ガイド溝45に乗り移る際に段差部60によって全てが後向きに揃えられ、その状態でガイド溝45を前方に整列移動していく。ガイド溝45に乗り移った時点ではガイド溝45の凹溝方向に対して小ねじ27の軸方向が多少ずれていてもガイドされるが、ガイド溝45の狭溝部49を通過する際に、軸方向が多少でもずれていると小ねじ27が狭溝部49から落下してしまう。そのため、ガイドレール48の直前ではガイド溝45に整列された小ねじ27の軸方向は、全てがガイド溝45の凹溝方向と略一致している。前記狭溝部49から落下した小ねじ27および上部スライダ部44から滑り落ちてきた小ねじ27は、そのまま下部スライダ部47の傾斜面を滑り落ちてねじ収容部22に戻され、次の搬送に使用される。
プレガイド溝43及びガイド溝45内では、小ねじ27が横に臥した状態で一列に整列されるが、ガイド溝45の終端からガイドレール48に乗り移る際には、第10図に示したように、小ねじ27の軸部27aがガイドレール48の隙間55に挿入され、頭部27bが左右のレール部材48a,48bに支承されてガイドレール48にぶら下がった格好となる。ガイドレール48には頭部27bが支承された小ねじ27が縦列した状態でガイドされ、ガイドレール48の先端に向かって漸次移動していく。なお、小ねじ27は、ガイド溝45では軸部27aを前方に向けた状態で整列移動するので、軸部27aのガイドレール48の隙間55への挿入が極めてスムーズとなるが、仮に小ねじ27の頭部27bが前向きであったとしても、ガイドレール48の隙間55が軸部27aが挿入されることに支障はない。
ガイドレール48に案内されながら漸次移動する小ねじ27は、ガイドレール48の先端から図示外のねじ取出部に到達し、作業者のビット操作によって一個ずつ取り出される。
第11図及び第12図は、本発明に係るねじ供給装置の第2の実施形態を示したものである。この実施形態に係るねじ供給装置20aでは、モータ30の駆動力を回転ドラム25に伝達するのに大小2個のプーリ33a,33bが用いられ、モータ30の出力軸と小プーリ33aとの間、及び小プーリ33aの回転軸と大プーリ33bとの間にはそれぞれベルト34a,34bが掛け渡されている。大プーリ33bの回転軸は回転ドラム25の回転軸32と共通である。このように、大小2つのプーリ33a,33bを用いることで、回転ドラム25の回転スピードを容易に調整することができる。
また、この実施形態のねじ供給装置20aでは、電磁石70を利用することで装置全体に微振動を与えている。この電磁石70は、第11図に示したように、ケーシング21の固定基板71にブラケット72を介して取り付けられ、振動板73との間に僅かな隙間をもって配設されている。振動板73は、前記整列手段23をケーシング21に支持している支持フレーム74にブラケット75を介して取り付けられたものである。したがって、電磁石70に通電されると振動板73が微振動し、この微振動がブラケット75および支持フレーム74を介して整列手段23に伝達され、第1図に示したようなプレ整列部40、整列部41及びガイドレール48に前後方向の微振動を与える。これによって、プレガイド溝43、ガイド溝45及びガイドレール48に整列ガイドされた小ねじは、漸動運動しながら前進することができる。この実施形態のように電磁石70を用いた場合は、鋸歯状のカム56の表面にローラ57を転がして微振動を与えている先の実施形態の場合とは異なって、装置全体から発する騒音を大幅に抑えることができる。
さらに、この実施形態に係るねじ供給装置20aには、第12図に示したように、ガイドレール48の先端部において、2本のレール部材48a,48bの外側位置に一対の検出センサ77a,77bが配置されると共に、ガイドレール48の隙間55を塞ぐストッパ部材78が配設されている。このストッパ部材78は、一方のレール部材48aの外側面に後端部が固定された板バネによって構成され、先端部に形成された湾曲部79でガイドレール48の隙間55を塞いでいる。
このような構成を備えたことで、ガイドレール48の先端部まで移動してきた小ねじ27は、前記の検出センサ77a,77bによって検出される。それによって、モータ30の駆動を停止して回転ドラム25の回転が中断されると共に、電磁石70への導通も切れて振動板73の微振動が停止する。そのため、整列手段23に大量の小ねじ27が滞留することもなく、またガイドレール48で小ねじ27が詰まってしまうといったこともない。ガイドレール48の先端部の小ねじ27は、ストッパ部材78の湾曲部79に当たってその位置に留まる。ストッパ部材78の湾曲部79は弾性変形するので、作業者はドライバの先端で小ねじ27をガイドレール48から容易に引き出すことができる。小ねじ27がガイドレール48から外れると同時に、前記モータ30が駆動し、また電磁石70にも通電されるので、ガイドレール48での小ねじ27の漸次移動が再開されることになる。
本発明の第2の実施形態では、上述のほかに整列部41の構造に特徴がある。即ち、第12図乃至第14図に示したように、ガイド溝45が形成されている板状部材50aにガイド溝45に沿って除去部としての長孔部80を開設し、この長孔部80の下方を下部スライダ部47に連通させた構造となっている。前記長孔部80は、ガイド溝45を挟んで狭溝部49の反対側に設けられている。したがって、先の実施形態のようなガイド溝45に沿った縦壁は備えていない。なお、板状部材50aは、押え板50と共にビス51によって取り外し可能に固定されている。
したがって、小ねじ27がガイド溝45を通過する際には、整列方向のずれた小ねじ27を狭溝部49のみならず長孔部80によっても除去することができ、特に小ねじ27の頭部27bが長孔部80の方を向いた状態で通過するような場合には、頭部27bの方から長孔部80内に落下し、そのまま下部スライダ部47を滑り落ちる。このように、小ねじ27の整列方向が左右少しでもずれているような場合や複数重なっている場合のチェック機能を強化することができ、小ねじをガイド溝45からガイドレール48に移す際の信頼性をさらに高めることができる。
第15図及び第16図は、前記第2の実施形態における整列部41の他の実施形態を示したものであり、前記の長孔部80に代わって凹溝部81が設けられる。除去部としての凹溝部81は、前記ガイド溝45が形成されている板状部材50aには直接設けられることなく、該板状部材50aの上面に重ねて載置した補助プレート50bの一側部を矩形状に切り欠いて設けたものである。したがって、板状部材50a及び補助プレート50bを重ね、更にその上に押え板50を重ねてビス51で取り外し可能に固定することで、ガイド溝45に沿って補助プレート50bの厚み分の段差が設けられた凹溝部81が形成されることになる。この凹溝部81も前記長孔部80と同様、ガイド溝45を挟んで狭溝部49の反対側に設けられ、狭溝部49の長さよりも短い。
このようにして構成された凹溝部81は、前記長孔部80と同様の働きをする。即ち、前記第1の実施形態のように、ガイド溝45のすぐ脇に沿って縦壁53があると、小ねじ27が二つ重なった状態でガイド溝45を通過する場合に、小ねじ27の頭部27bが縦壁53に支えられてそのまま通過してしまうおそれがある。この実施形態では、縦壁53に支えられていた小ねじ27が凹溝部81の所で頭部27bの支えを失うために、姿勢を崩して凹溝部81に転げ落ち、さらに凹溝部81の下流側の角部82に接触することによってガイド溝45から弾き出されて落下し、そのまま下部スライダ部47を滑り落ちる。そのため、凹溝部81で除去されずに後に残った小ねじ27はいずれもきれいに整列された状態でガイドレール48に向かうことになる。
上記のように、凹溝部81は長孔部80と同様の整列効果を有するのに加えて、長孔部80に比べて加工が非常に容易なので、実用面での有用性が高い。なお、凹溝部81の長さや幅などは特に限定されるものではない。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係るねじ供給装置によれば、ねじ収容部から搬送したねじを直接ガイドレールに供給することなく、整列手段で整列させてからガイドレールに導くようにしたので、従来のようにねじの頭部がガイドレールの溝部に挟まってしまうようなトラブルを回避することができ、簡易型のねじ供給装置を用いた組立てラインの作業効率のアップを図ることができる。
また、本発明は、特に小ねじのように、頭部の直径と軸部の長さとの寸法比が近く、且つ頭部の厚みが大きいような小ねじを供給する場合に大きな効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る好ましいねじ供給装置の全体構造を示す斜視図である。
第2図は、このねじ供給装置の平面図である。
第3図は、このねじ供給装置の正面図である。
第4図は、このねじ供給装置の右側面図である。
第5図は、このねじ供給装置に備えられる回転ドラムの貫通孔の形状を示す説明図である。
第6図は、この回転ドラムの貫通孔に小ねじが入る状態を示す説明図である。
第7図は、この回転ドラムの貫通孔から整列手段に小ねじを放出する状態を示す説明図である。
第8図は、このねじ供給装置に設けられるガイド溝の段差部を示す第4図におけるC部の拡大図である。
第9図は、このねじ供給装置を利用した小ねじの整列過程を示す説明図である。
第10図は、このねじ供給装置に設けられるガイドレールに小ねじを支承させた状態を示す第9図のD方向からの拡大図である。
第11図は、本発明の第2の実施形態に係るねじ供給装置の側面図である。
第12図は、本発明の第2の実施形態に係るねじ供給装置の平面図である。
第13図は、第2の実施形態に係るねじ供給装置の整列部付近の平面図である。
第14図は、前記第13図のE−E線断面図である。
第15図は、整列部の他の実施形態を示す第13と同様の平面図である。
第16図は、前記第15図のF−F線断面図である。
第17図は、従来のねじ供給装置の一部を切り欠いて示す平面図である。
第18図は、従来のねじ供給装置において、ガイドレールにねじを供給する状態を示す断面説明図である。
第19図は、従来のねじ供給装置において、ガイドレールにねじが挟まった状態を示す斜視説明図である。
Claims (17)
- ねじ収容部と、このねじ収容部に収容されたねじを搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送されたねじを整列させる整列手段と、この整列手段の下流側に位置し前記整列されたねじの頭部を支承するガイドレールとを備えたことを特徴とするねじ供給装置。
- 前記ねじ収容部は、底面が搬送手段側に下向き傾斜してなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
- 前記搬送手段は、孔部が設けられた回転ドラムを備え、回転時に前記孔部内にすくい取ったねじを整列手段まで搬送した後、孔部からねじを放出してなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
- 前記孔部は、その内壁面が回転ドラムの回転方向に対して逆向きに傾斜してなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
- 前記孔部は、回転ドラムを前後に貫く貫通孔によって構成され、ねじ収容部内にねじをすくい取った後は貫通孔の一端を閉じてねじの落下を防ぐ一方、搬送手段まで搬送した後には前記貫通孔の一端を開放し、貫通孔内のねじをこの一端側から放出してなる請求の範囲第3項又は第4項記載のねじ供給装置。
- 前記整列手段は、搬送されてきたねじを受け入れるプレート部と、該プレート部から続くねじのガイド溝と、前記ねじ収容部につながるスライダ部とを備えてなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
- 前記プレート部は、ガイド溝に向かって下方に傾斜してなる請求の範囲第6項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイド溝の途中に段差部が設けられてなる請求の範囲第6項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイド溝はその先端がガイドレールに接続されてなる請求の範囲第6項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイド溝の後端部からガイドレールの先端部まで僅かに下向きに傾斜してなる請求の範囲第9項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイド溝から整列不良のねじを取り除くための除去部を前記ガイド溝に沿って設けてなる請求の範囲第6項記裁のねじ供給装置。
- 前記除去部がガイド溝の溝幅を狭く形成した狭溝部である請求の範囲第11項記載のねじ供給装置。
- 前記除去部がガイド溝に隣接して開設された長孔部である請求の範囲第11項記載のねじ供給装置。
- 前記除去部がガイド溝に隣接して凹設された凹溝部である請求の範囲第11項記載のねじ供給装置。
- 前記スライダ部は、前記プレート部からねじ収容部に続く傾斜面を有し、ガイド溝から整列不良として取り除かれたねじをねじ収容部に滑り落としてなる請求の範囲第6項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイドレールの先端部分に検出センサを配置し、該検出センサがねじを検出することによって、ねじの搬送・移動を停止させてなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
- 前記ガイドレールの先端部分にねじの動きを拘束するストッパ部材を配置してなる請求の範囲第1項記載のねじ供給装置。
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