JPWO2003101746A1 - インク受容層を有する被記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、量産ベースにおける歩留まりを向上し、安定した特性を呈する被記録媒体の製造方法及びそれによって製造された新規な構成の被記録媒体に関し、特に、インクジェット記録に適する被記録媒体の製造方法に関する。より具体的に本発明は、良好な特性を量産ベースで安定して製造でき、結果的にインク吸収性、発色性に優れた特性を有し、インク受容層のクラック発生をも防止でき、生産性が良好な被記録媒体の製造方法及びそれによって製造された被記録媒体に関する。
背景技術
近年、インクジェット記録方式は、記録の高速化、高精細化等の記録特性の向上に伴って、インクの小液滴化や改良も大幅に進み、画像の高画質化が一段と進み、フォトプリンタと呼ばれる高画質インクジェットプリンタに代表されるように、銀塩写真と比較しても遜色のない画像が得られるようになり、デジタルカメラ等で撮影したフルカラー画像をインクジェットプリンタで印刷するユーザーも増加している。又、これらの画像情報を記録するための被記録媒体に対しては、より銀塩写真に近い画像を得るため写真調の光沢感も求められるようになってきている。この対応として、アルミナ水和物及びポリビニルアルコールをバインダーとして用いたインク受容層を有する被記録媒体において、キャスト方法を用いることで、高光沢感を有する被記録媒体が得られることが知られている。特に、インクジェット用の光沢を達成する特開2001−138628得公報(文献1)には、キャスト方法を改善する技術として、再膨潤させる発明を開示している。
ここにおけるアルミナ水和物及びポリビニルアルコールをバインダーとして用いたインク受容層を形成することは、従来から知られているが、アルミナ水和物及びポリビニルアルコールを含む塗工液の経時的増粘変化が管理上重要である。この一部を認識する公報としては、特開平7−76161号公報(文献2)がある。この文献2には、上記塗工液の乾燥時に発生する微小クラックを課題としてアルミナ水和物、ポリビニルアルコール及び所定量のホウ酸又はホウ酸塩を含有したアルミナゾル塗工液及びこれを塗布した樹脂フィルムが提案されている(ただし、この公報では、樹脂フィルムに直接塗布されている塗工液のみに着目しているが、それによる塗布もインク受容層が23g/m2の1点のみしか開示されていない)。
一方、この文献2を引用し、上述した文献2に開示されている塗工液による安定塗布の難しさを指摘する特開平11−291621号公報(文献3)がある(なお、文献2、3は同一の出願人が出願している)。この文献3は、塗工液の改良を否定した技術思想によるもので、紙を中心とした原紙をサイズ処理して乾燥してなる塗工前の基材紙を開示する。具体的には、0.5〜1.5g/m2のホウ酸類及び紙表面処理剤(表面紙力剤または表面サイズ剤)をサイズプレスにより乾燥処理してなる原紙を予め製造しておく発明である。文献3における実施例では、この原紙作成後、ベーマイト及びポリビニルアルコールからなる架橋剤を持たない塗工液を調整し、調整された塗工液を先の原紙に塗工するものである。尚、周知のサイズプレスとは、一般的に、原紙の耐水性、表面平滑性、印刷適正等を向上させる目的で、サイズ剤を原紙表面に微塗工もしくは含浸し、その後でドラムドライヤ等で乾燥させることである。
いずれにしても、上記文献2、3では、塗工液の増粘という従来の課題を認識しているが、文献2は塗工液の構成に解決手段を見出そうとし、文献3では逆に原紙に解決手段を見出すものでしかない。
文献1 特開2001−138628号公報
文献2 特開平7−76161号公報
文献3 特開平11−291621号公報
発明の開示
そこで、本発明者たちは、従来の技術水準に対して、インク受容層の形成メカニズムを、塗工液に含まれる顔料とそのバインダー及びバインダーを溶解する溶媒夫々の本質的な技術解析を行なうべく、さまざまな観点から検討した。この結果、本発明者達は、「塗工液中では顔料の分散剤としての挙動を示すバインダーが塗工液の乾燥の際には凝集し始める顔料の周囲に位置してこの顔料を結着させるといったメカニズム」を塗工液内で、塗工液内混合状態ができるだけ維持しつつ生じせしめることが重要であるという第1知見を得た。さらに、被記録媒体自体においても、このバインダーの存在状況のばらつきによってインクが極度に吸収されて濃度低下する部分が形成されたり逆にインク吸収性を低下させてインクあふれによる画質の低下を招くため、バインダーのインク受容層中における分布を均一化することが重要であるという第2知見を得た。
このために、これらの知見を達成する技術的観点としては、主たる第1課題として「塗工液が塗布される被塗布面(被塗布部材)に、バインダーがその溶媒と共に塗工液内から大量に移動することを防止して、この被塗布面と塗工液との界面近傍でバインダーを確実に架橋すること」、次の段階として「バインダーのみの架橋状態の形成ではなく、顔料の凝集あるいは増粘をもたらし合理的な細孔分布を形成するための顔料特性を利用する第2課題」や「上記被塗布面を形成するための好ましい形態を提供する第3課題」或いは「各課題を達成する製造方法によって形成される被記録媒体及び被記録媒体の構成上の特徴によって得られる記録特性の向上を得る第4課題」を挙げることができる。より具体的には、本発明は、「水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に可溶であるポリビニルアルコールは、インク受容層を形成するための塗工液中では主として水に対しての溶解物として機能し、塗布された塗布層中では水と共に浸透拡散せずにこの溶解物から急激にバインダーへの機能変化を遂げさせる」ことも技術課題とするものである。
一方、フォトプリンタ記録に必要とされる、高速且つ多量のインクが迅速に吸収され、十分なインク吸収性の被記録媒体を製造するためには、インク受容層の乾燥塗工量を多くするのが一般的である。しかしながら、単純に、多量のインクを吸収させるためにインク受容層を30g/m2以上(乾燥後の厚み)にする場合、被記録媒体に多くの表面クラックが発生してしまう問題があることを本発明者らは見出した。このように、インク受容層を30g/m2以上(乾燥後の厚み)にする被記録媒体を製造するための観点においても、本発明は、上記各課題をもって対応することで、インク受容層の厚みの増大に対応できる製造技術及びフォトプリンタ記録に適する被記録媒体を提供することも第5課題として認知するものである。
また、塗工液にゲル化剤(架橋剤)を含むことを前提とした場合、その含有量は完全な架橋を生じせしめるだけの量にすると、塗工液の粘度の上昇やゲル化物の発生が生じ、塗布することが困難になるため、その含有量には自ずと上限がある。同時に、十分な量が無いために架橋度は小さくなるので、所望の特性のインク受容層を得ることが困難になる第6課題も存在する。
本発明は、上記主たる第1課題等の少なくとも1つを解決するものであり、顔料(例えば、アルミナ水和物)を有するインク受容層内及びその周辺におけるバインダーとの形成メカニズムを発展させることで、画期的なインク受容層の製造技術と、この製造方法によって得られるかあるいは最終の被記録媒体単体として優れた特徴備える被記録媒体を提供することを主たる目的とする。特に、本発明は、バインダー兼分散剤としてのバインダーの実質的な制御ができ、インク吸収性、発色性に優れた被記録媒体が得られ、また、生産性が良好な被記録媒体の製造方法を提供するものである。
本発明は、インク受容層のインク記録面側とその内部構造、及びインク受容層が形成される被塗工面を含む層領域との相関に着目するもので、代表的には、液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止し、上記塗工液内にある溶媒の効率的な除去を成し遂げる等して、上記課題の少なくとも1つを解決するものである。なお、本発明では、厚みがあることで層領域という言葉を用いるが、完全に層形成ができていなくても良く、厚みのある領域でも良い。
本発明第1発明は、少なくともインクの色材を保持するための顔料と、該顔料のバインダーと、を含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、上記インク受容層は、上記バインダーが第1架橋剤により架橋し上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体である。第1発明は、前述した第1課題を解決して得られた第4課題を解決する新規な被記録媒体であり、上述したバインダーの損失が防止され且つ架橋度が大きい架橋バインダーにより凝集顔料による細孔が第2層領域内にも安定して形成できているので、インク受容層中に記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインクが周辺に拡散することなく鮮明な画像形成が達成される。
ここで、上記架橋度は、上記第1,2架橋剤がもつ共通の元素(例えば、ホウ素「B」)の、上記第1、第2層領域夫々に含まれる共通の元素の相対的な数量差、数量比(例えば2倍以上)として判定できる。また、その具体的材料及び製造方法として、「上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで上記被記録媒体が形成されていることを挙げることができる。さらに、この塗工液において、上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないことが実用例として挙げられる。
本発明第2発明は、少なくともインクの色材を保持すると共にpHに応じた粘度変化を示す顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、上記インク受容層は、上記顔料を低粘度に保持するpH値である第1架橋剤により上記バインダーが架橋されている第1層領域と、上記顔料を高粘度に保持するpH値である第2架橋剤により上記バインダーが架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体である。本発明第2発明は、上記第2、4課題を解決するもので、インク受容層を構成する上記顔料と上記第1,2架橋剤との関係によって、pH変化がなされて顔料の高粘度化とともに架橋剤により架橋していくバインダーとが合理的な上記第2層を形成しているため、優れた細孔分布の形成と損失されずに架橋したバインダーにより、インク受容層中に記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインク及び色材が周辺に拡散することなく一層鮮明な画像形成が達成される。この本発明第2発明にさらに、上記本発明第1発明の部分構成である「上記第2層領域は、上記第2架橋剤により上記第1層領域に比べて架橋度が大きいこと」を持つことによって、インク受容層にインクが供給されても層全体の膨潤を抑制して、画像変化を押さえ込むことができる。これらの製造方法として、「上記顔料は相対的に低いpH値で低粘度であり相対的に高いpH値で高粘度に変化する顔料であって、上記第2層領域は上記顔料と上記バインダーと上記第1架橋剤とを溶解混合したpH値の低い塗工液が上記第2架橋剤を含有しpH値の高い湿潤表面に塗工されることで形成されている」を採用することで、上記被記録媒体を確実に製造することができる。
本発明第3発明は、少なくともインクの色材を保持すると共に相対的に低いpH値で低粘度であり相対的に高いpH値で高粘度に変化する顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、上記インク受容層は、上記顔料を低粘度に保持するpH値である第1架橋剤により上記バインダーが架橋されている第1層領域と、上記顔料を高粘度に保持するpH値である第2架橋剤により上記バインダーが架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置すると共にpH値が大きいことを特徴とする被記録媒体である。本発明第3発明は、上記第2発明に類似するが、顔料特性を利用して上記架橋剤によるバインダーの架橋と顔料の凝集を促進しつつも架橋バインダーによる結集を達成するため、顔料による細孔の大きさが均一化されているインク受容層を有するので、インク受容が厚み方向に安定した浸透分布を示し、いっそう、記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインク及び色材が周辺に拡散することなく極めて鮮明な画像形成が達成される。特に、上記液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止し、上記塗工液内にある溶媒の効率的な除去を成し遂げるために、「上記インク受容層は、少なくとも第1層領域を形成するための上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで形成されている」ことが好ましい。また、異なる架橋度をもたらすために、上記塗工液に含まれる上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないこと、或いは、上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上であることはさらに好ましい。
本発明第4発明は、顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層を有する被記録媒体の製造方法であって、上記顔料と上記バインダー及び上記バインダーを架橋させる第1架橋剤とを有する塗工液を、上記バインダーを架橋させる第2架橋剤を含む湿潤表面に塗工する工程を有し、該塗工液内における該第1架橋剤による架橋反応よりも該塗工液と該湿潤表面との接触界面での第2架橋剤による架橋反応を促進せしめることを特徴とする被記録媒体の製造方法である。本発明第4発明は、前述した主たる第1課題を解決する製造方法であり、液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止しつつ、安定した性能の被記録媒体を製造できる。結果として、インク受容層中に上記バインダーが上記第1架橋剤により架橋し上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域とを形成できる。より好ましくは、この構成に加えて、「上記顔料はpHに応じた粘度変化を示す顔料であり、上記第1架橋剤は上記顔料を低粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記第2架橋剤は上記顔料を高粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記接触界面でpH変化を生じさせて顔料の凝集と上記バインダーの架橋とを生じさせる被記録媒体の製造方法。」とすることで、顔料の凝集をも同時に規制できるため、上記第2課題をも解決できる。
本発明第5発明は、相対的に低pH値で低粘度を示し高pH値で高粘度を示す顔料と、該顔料のバインダーと、を含んでいるインク受容層を有する被記録媒体の製造方法であって、上記顔料と上記バインダー及び上記バインダーを架橋させる第1架橋剤とを有すると共に上記低粘度を呈する低pH値の塗工液を、上記バインダーを架橋させる第2架橋剤を含むと共に上記高粘度を呈する高pH値の湿潤表面に塗工する工程を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法である。本発明第5発明は、上記第1、2課題を解決するものであり、インク受容層を構成する上記顔料と上記第1,2架橋剤との関係によって、液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止しつつ、界面におけるpH変化がなされて顔料の高粘度化とともに架橋剤により架橋していくバインダーとが合理的な上記第2層を形成するため、インク受容層中に記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインク及び色材が周辺に拡散することなく安定した特性でありながら、細孔分布を均一化できるこの第5発明に加える好ましい製造条件は、「上記湿潤表面は、上記被記録媒体を構成する基材の、上記第2架橋剤が含まれた前処理液を塗布後乾燥固化してなる処理表面上に、上記第2架橋剤を含む液体が塗布された液面であること」、「上記第2架橋剤は、上記バインダーを架橋させる第1架橋剤よりも架橋反応が優れていること」、「上記塗工液に含まれる上記第1架橋剤の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記第2架橋剤の単位面積あたりの含有量より少ないこと」或いは、「上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上であること」を挙げることができる。
本発明第6発明は、インク受容層を有する被記録媒体の製造方法において、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上の架橋剤を含有する第1塗工液を塗工及び乾燥し、固化する第1の表面処理工程と、該第1表面処理工程で形成された固化面に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する第2塗工液を塗工する第2の表面処理工程と、該第2塗工液が湿潤状態を維持している間に、少なくとも顔料、ポリビニルアルコール及びホウ酸あるいはホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上の架橋剤とを含有する第3塗工液を塗工する工程と、を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法。本発明第6発明は、上記第1課題を達成する具体的な発明で、作用上、機能上から、上記第2課題をも解決する発明をも含むもので、上記第3課題を解決するものである。ここで、液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用するための前提として、第3塗工液と第2塗工液との接触界面をより安定して形成するために、上記第1塗工液の固化面を用いて第2塗工液の一様な液面を形成しておくことを特徴としている。
この第6発明に加える好ましい条件は、上記第1乃至第5発明及びその関連発明にも加えてよいもので、「前記顔料が、アルミナ水和物を含み、上記インク受容層が30g/m2以上である」ことや「上記第3塗工液を塗工する工程後に得られたインク受容層(或いは上記各インク受容層)をキャストする工程を有すること」を挙げることができる。
上記本発明において、上記塗工液のバインダーを溶解するための溶剤(PVAの場合は水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水))等の液体成分が上記架橋反応等の際に塗工液中から排除されることが好ましいため、上記被記録媒体は、上記インク受容層を支持するための基材として、上記塗工液の液体成分が浸透できる多孔質体(紙、パルプ、多孔質層等)を有していることが良い。加えて、インク受容層の基材に対する密着性や強度を向上させる(アンカー効果)ために、上記湿潤表面は、均一面ではなく上記塗工液にとって凹部を有し、該凹部内で上記バインダーの架橋を生じせしめることも好ましい。本発明の更なる特徴は、以下の説明から理解できる。
発明の詳細な説明
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の被記録媒体の好ましい製造工程としては、大別して図1、2に示す2つの形態がある。図1は、2工程からなる表面処理工程とインク受容層形成工程を含むものである。図2は、更に表面光沢性が付与のためのキャスト工程を含む被記録媒体の製造方法である。
本発明における被記録媒体の製造方法の好適な形態について説明する。本発明の製造方法は、主として、顔料の適正な凝集作用とバインダーの結着作用が液―液界面にて塗工液の状態を生かしつつ確実に液―液界面にて得られ且つ、インク受容層内にあるべきバインダーの損失が防止できるので特性が安定化して生産性が良好である。本発明の被記録媒体は、インク受容層内にあるべきバインダーが確保できるために結果的に得られる新規な構成を有し、上記インク受容層は、上記バインダーが上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体となる。
本発明は、インク受容層の形成及び最終構成として、インク受容層を構成するバインダーの存在を顔料に対して適正に位置させることができるため、塗工液によって与えられる顔料、バインダーによる細孔分布を均一化できる。同時に、塗工液からのバインダーが損失されることを防止する実質的なバリヤー層領域を液―液界面における高速、高確率な反応状態により形成しているので、架橋度自体をも大きくすることができる。特に好ましくは、上記塗工液内にある溶媒の効率的な除去を成し遂げるために、上記塗工液のバインダーを溶解するための溶剤(PVAの場合は水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水))等の液体成分が上記架橋反応等の際に塗工液中から排除されることが好ましいため、上記被記録媒体は、上記インク受容層を支持するための基材として、上記塗工液の液体成分が浸透できる多孔質体(紙、パルプ、多孔質層等)を有していることが良い。
本発明は、塗工液中では顔料の分散剤としての挙動を示すバインダーが、塗工後凝集し始める顔料の周囲に位置してこの顔料を結着させる挙動を、塗布前の顔料とバインダーの混合割合をできるだけ維持しつつ生じさせるもので、代表的には、上記液―液界面を利用している。これにより、従来に発生していたバインダーのばらつきによって、インクが極度に吸収されてしまうことによる部分濃度低下やインク吸収不足による部分画質低下がインク受容層中に混在してしまう問題を解決できた。本発明によれば、塗工液が塗布される被塗布面(被塗布部材)に、バインダーがその溶媒と共に塗工液内から大量に移動することを防止して、この被塗布面と塗工液との界面近傍でバインダーを確実に架橋することができる。また、顔料の増粘特性や凝集特性(下記アルミナ水和物の場合pH依存性)であることを利用し、バインダーのみの架橋状態の形成ではなく、顔料の凝集あるいは増粘をもたらし合理的な細孔分布を形成でき、下記の如く表面処理を段階的に行うことで、上記被塗布面を均一で、安定した表面にできる。より具体的には、本発明は、水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に可溶であるポリビニルアルコールは、インク受容層を形成するための塗工液中では主として水に対しての溶解物として機能し、塗布された塗布層中では水と共に浸透拡散せずにこの溶解物から急激にバインダーへの機能変化を遂げさせるものである。そして、本発明によれば、フォトプリンタ記録に必要とされる、高速且つ多量のインクが迅速に吸収され、インク受容層を30g/m2以上(乾燥後の厚み)にしても十分安定して製造でき、バインダー兼分散剤としてのバインダーの実質的な制御ができ、インク吸収性、発色性に優れた被記録媒体が得られ、また、生産性が良好な被記録媒体の製造方法を提供できる。
本発明にかかる好ましい製造方法では、基材に段階的に第1、第2のの表面処理を行なう。第一の表面処理工程で用いる塗工液は、例えば、ホウ砂固形分換算で0.05g/m2以上2.0g/m2以下の乾燥塗工量となるようにするのが好ましい。なお、上記範囲に満たない場合は、塗工液の粘性が低すぎて液流れが多く、又、上記範囲を超える場合は、キャスト工程において、点状の表面(キャスト面)欠陥が生じ易くなり、均質で良好な光沢面を得られない場合がある。第一の表面処理工程では、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する塗工液、例えば、ホウ砂の5%水溶液を下塗り層上に塗工後、乾燥し、固化を行なう。上記塗工液には、必要に応じて脱泡のためにアルコール等の溶剤を含有させてもよい。第一の表面処理工程は、乾燥塗工量を少なくすることが好ましいので、塗工及び乾燥速度をかなり速くすることが可能であり、例えば、毎分50〜200mでの高速処理が可能である。
上記した第一の表面処理工程に続いて行なう第二の表面処理工程では、第一の表面処理工程を施した表面処理済みの基材上に、更に、第一の表面処理の場合と同様に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する塗工液を塗工する。かかる第二の表面処理では、第一の表面処理工程の場合とは異なり、塗工後に塗工液を乾燥固化させない。即ち、基材表面がある程度の湿潤状態(塗布液状態や増粘状態でも良い)を形成し、この状態を保っている間に、次のインク受容層を形成するための塗工液が塗工される。ここで、上記本発明の液―液界面による反応状態を確保する。つまり、この界面で、インク受容層塗工液のゲル化速度、或いは、架橋速度が速くなる。逆に、液−液界面による反応を得られないと、バインダーが上記基材や上記第1表面処理による固化表面の細孔に拡散して、本来、顔料をバインダーするべき量や位置が変化してしまう問題となる。
上記段階的な表面処理の作用は、以下の利点がある。基材へ行なう第一の表面処理工程では塗工液を乾燥させるので、基材上、或いは下塗り層中(層中の上部)には、ホウ酸やホウ酸塩(以下、ホウ酸塩等)が固体として存在することになる。そして、この状態で次の第二の表面処理及びインク受容層の形成が行なわれると、第二の表面処理工程で塗工されたホウ酸やホウ酸塩水溶液(以下、ホウ酸塩処理液等と呼ぶ)で、主としては、ホウ酸塩処理液等が液状の表面を確実に確保できることの利点がある。従って、次の工程におけるインク受容層用塗工液と、第二の表面処理工程で塗工されたホウ酸塩処理液等と液体−液体状態で接触混合することも確保されるになる。
これに対して、インク受容層用塗工液とホウ酸塩等の固体が接触した場合は、ホウ酸塩等の固体は時間がかかるもののインク受容層用塗工液に溶解するが、この時間内にバインダーはこの液中から基材へ浸透してしまい量的な不足部分を形成してしまう。同時に、ホウ酸塩等が溶解した部分の塗工液は、周囲に比べてかなりの高濃度となるので、部分的ゲル化或いは架橋が急激に進み、塗工液の粘度が部分的に上昇し、内部に関しても表面部に関しても「塗工ムラ」といった状態を形成してしまうため、不必要な顔料の巨大凝集状態(バインダー不足による)とバインダーによる結着状態とが混在し、インク受容層としては極めてばらついたものとなる。
これら2工程からなる表面処理を採用することで、ホウ酸塩等の固体が存在している基材をホウ酸塩処理液等によって湿潤状態をより一層安定して形成できる。この状態の下塗り層の上に液−液接触による界面で急速な架橋反応を得ることができ、インク受容層を形成する塗工液中の水等の溶媒を形成される多孔質間の細孔によってバインダーと分離しつつ除去できるので、理想的な顔料の凝集とバインダーの存在による適正な結着を均一化した状態で形成できる。この結果、製造時のバインダー不足によるクラックの発生が抑制され、しかも乾燥塗工量の多い厚いインク受容層の形成が可能となる。
上記第二の表面処理工程で用いるホウ酸やホウ酸塩としては、先に述べたインク受容層の形成の際や、第一の表面処理工程で用いたものと同様のものを使用できるが、特に、上記したインク受容層形成段階におけるゲル化速度或いは架橋速度、使用中に生じるインク受容層用塗工液の粘度変化、及び、形成したインク受容層に対するクラック発生の抑制効果等の点から、ホウ砂を用いることが好ましい。第二の表面処理工程においては、第一の表面処理済み基材に、塗工液が丁度溢れない程度の塗工量とすることが好ましい。第一表面処理済みの基材の吸収性にも因るが、第二表面処理の塗工液の溢れが多いと、インク受容層用塗工液の塗工時に、インク受容層用塗工液が、第二表面処理で用いた塗工液の溢れにより浮動してしまう恐れがあり、基材に対するインク受容層の密着性が低下する場合があるので調整することが好ましい。
更に、第二の表面処理工程では、ホウ砂固形分換算で0.05〜2.0g/m2の乾燥塗工量になるように、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上の固形分濃度を調整することが好ましい。第二の表面処理工程では、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する塗工液、例えば、ホウ砂の5%水溶液を用い、これを第一の表面処理済みの下塗り層上に塗工する。上記塗工液には、必要に応じて脱泡のためにアルコール等の溶剤を含有させてもよい。
更に、第一及び第二の表面処理工程で塗工する塗工液の乾燥塗工量は、第一と第二の表面処理の関係から、適宜に決定することができる。例えば、第一の表面処理工程での塗工量を少なくする場合には、第二の表面処理工程での塗工量を多くすることで補うことができるが、塗工量の制御の容易さ、及び、次に行なう第二の表面処理工程での塗工量との関係といったことを考慮して、第一の表面処理工程での乾燥塗工量を0.1〜1.0g/m2とし、塗工速度と、第一の表面処理での塗工量との関係を考慮して、第二の表面処理工程における塗工液の乾燥塗工量を0.3〜1.5g/m2にすることが好ましい。上記湿潤表面は、均一面ではなく上記塗工液にとって凹部を有し、該凹部内で上記バインダーの架橋を生じせしめることで、基材に対するインク受容層の密着性やアンカー効果を確保できる。これは、凹部内に架橋したバインダーを有する構成となるが、形成された被記録媒体にとっても有効な構成となる。上記インク受容層用塗工液の調製においては、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上をアルミナ水和物分散液と混合し、得られた混合液と、バインダであるポリビニルアルコール水溶液とを塗工の直前で混合して塗工液とするミキシング装置を使用することが好ましい。このようにすれば、製造工程中に生じる塗工液粘度の経時的上昇やゲル化を低減することができるので、生産効率の向上を図ることができる。上記で使用するアルミナ水和物分散液中の顔料の固形分濃度は、10〜30質量%であることが好ましい。上記範囲を超える場合は、顔料分散液の粘度が高くなり、インク受容層の粘度も高くなるので、塗工性に問題が生じる場合がある。
後述する下塗り層や、上記のインク受容層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤等を、必要に応じて適宜に含有させることができる。
被記録媒体のインク受容層形成は、本発明者らは、下記に挙げる現象に起因するものと考えている。先ず、基材の表面処理に用いるホウ酸やホウ酸塩と、インク受容層用塗工液中のポリビニルアルコールとの作用、即ち、ゲル化及び/又は架橋反応により、(1)ポリビニルアルコールの下塗り層への浸透が抑制され、それ故、インク受容層内のバインダを比較的均一に分布させることができること、更に、インク受容層形成時の乾燥段階において、(2)ゲル化及び/又は架橋反応が起きて粘度上昇するため、塗工液の動きを低減することができること、等によるものと推察している。又、特にインク受容層の形成材料にアルミナ水和物を用いた場合には、アルミナ水和物と、ホウ酸やホウ酸塩との架橋反応により、いわゆる無機ポリマーとなり、ホウ酸やホウ酸塩と、アルミナ水和物及びポリビニルアルコールとの相互作用が、インク受容層のクラック抑制に働いているものと推察している。
本発明に用いる基材としては、後述する表面処理が可能なものであれば良く、特に限定されないが、被記録媒体の表面にキャスト工程を施し、光沢面を形成する場合は、水や溶剤成分が基材裏面から蒸発するので、繊維状基体、即ち、紙基材が好ましい。紙基材には、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスを原紙上に施したものや、原紙上にコート層を設けた、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙等も含まれる。
被記録媒体の表面にキャスト工程を施し、光沢面を形成する場合、紙基材上は、紙基材(原紙)のセルロースパルプ繊維や地合いが完全に覆われるような厚みのコート層がインク受容層の下塗り層として設けられていることが好ましい。覆われていない場合、インク受容層の塗工時に、その繊維や地合いに起因する塗りムラ(スジ状欠陥等)が生じ易く、インク受容層中、若しくはインク受容層表面近傍や表面にセルロースパルプ繊維が存在していることになるので、被記録媒体の表面にキャスト処理を施したとしても、良好且つ均質なキャスト面、即ち、写真調の高光沢面を得ることは難しい。紙基材のセルロースパルプを覆うためには、コート層の乾燥塗工量が10g/m2以上、更には15g/m2以上であることが好ましい。乾燥塗工量が10g/m2未満では基材のセルロースパルプ繊維や地合いを完全に覆うことが困難となり、光沢性に影響する場合がある。
下塗り層は、従来公知の顔料とバインダとを含む塗工液によって形成できるが、インク受容性を有するものとすることが好ましい。下塗り層は、基材の少なくとも1方の面に1層以上設けることができる。被記録媒体の環境カールの安定性を考慮すると、下塗り層は、基材の表裏両面に設けることが好ましい。本発明に用いられる基材には、上記下塗り層を設けた紙基材も含まれる。キャスト工程における基材裏面からの水や溶剤成分の蒸発や、後述する第一及び第二の表面処理工程において、基材へ塗工する塗工液の塗工性(濡れ性)や、基材上に形成するインク受容層用形成材料の塗工性等を考慮すると、基材の透気度(JIS P 8117)が1,500〜5,000秒となるようにすることが好ましい。透気度が上記範囲に満たない場合は、基材の緻密性が低いので、後述する第一及び第二の表面処理工程での架橋剤(塗工液中のホウ酸やホウ酸塩)の浸透が高く、架橋剤すべてが有効に働かない場合が生じる。或いは、より多くの塗布量が必要となる。又、第二の表面処理工程においては、丁度溢れなく浸透する塗工状態となるようにすることが好ましいが、塗布量の調整が難しく、CD/MD方向全域での経時安定的塗工が困難となる。
一方、基材の透気度が上記範囲を超える場合は、後述する第一及び第二の表面処理工程で塗工する塗工液の浸透性が低く、インク受容層用塗工液をその上に塗工した際に、インク受容層用塗工液が第二の表面処理に用いた塗工液の溢れにより浮動したり、形成したインク受容層にわずかではあるがクラックが入る場合がある。更に、キャスト時に、基材裏面からの水や溶剤成分の蒸発しにくくなり、良好な光沢面が得られなくなる場合がある。同様な理由から、基材は、ステキヒトサイズ度100〜400秒、ベック平滑度100〜500秒とすることが好適である。また銀塩写真同様の質感、高級感のある記録媒体を得るためには、基材の坪量としては160〜230g/m2、ガーレー剛度(J.Tappi No.40、縦目)が7〜15mNになるようにすることが好ましい。
本発明で用いるインク受容層の形成材料について説明する。インク受容層は、顔料と、バインダとを含む塗工液を塗工することで形成できる。顔料としては、染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、及び光沢性の点で、特にアルミナ水和物を主成分として含有させることが好ましいが、下記顔料を使用することもできる。例えば、無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム等、有機顔料としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等である。
アルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(1)により表されるものを好適に利用できる。
Al2O3−n(OH)2n・mH2O
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。
mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。)
アルミナ水和物は一般的には、米国特許第4,242,271号明細書、同4,202,870号明細書に記載されているような、アルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解を行う方法、又、特公昭57−447605号公報等に記載されている、アルミン酸ナトリウム等の水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行う方法等の公知の方法で製造することができる。本発明において好適なアルミナ水和物としては、X線回折法による分析でベーマイト構造若しくは非晶質を示すアルミナ水和物であって、特に、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されているアルミナ水和物が挙げられる。
被記録媒体表面に光沢性を付与するためにリウェット法でインク受容層を湿潤状態にさせてキャスト工程を行う場合には、配向する傾向の小さい平板状アルミナ水和物を用いることが好ましい。平板状アルミナ水和物は、水分の吸収性がよいので、再湿液が浸透し易いため、インク受容層が膨潤し、アルミナ水和物粒子の再配列が起こり易い。従って、高い光沢性を得ることができる。又、効率よく再湿液が浸透するので、キャスト時の生産効率も高くなる。
本発明においては、インク受容層を形成用の塗工液に使用するバインダに、ポリビニルアルコールを用いる。ポリビニルアルコールの含有量としては、アルミナ水和物に対して、5〜20質量%になるようにするのが好ましい。本発明においてインク受容層の形成の際に使用するバインダとしては、上記したポリビニルアルコールに併用して、従来公知のバインダを用いることもできる。
上記のようにして形成するインク受容層の形成材料中に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有させることは、インク受容層の形成上、極めて有効である。この際に用いることのできるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましく、具体的には、例えば、ホウ酸のナトリウム塩(Na2B4O7・10H2O、NaBO2・4H2O等)や、カリウム塩(K2B4O7・5H2O、KBO2等)等のアルカリ金属塩、ホウ酸のアンモニウム塩(NH4B4O9・3H2O、NH4BO2等)、ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
塗工液の経時安定性と、クラック発生の抑制効果の点からオルトホウ酸を用いることが好ましい。又、その使用量としては、インク受容層中のポリビニルアルコールに対して、ホウ酸固形分1.0〜15.0質量%の範囲で用いることが好ましい。この範囲内でも製造条件等によっては、クラックが発生する場合があり選択を必要とする。又、上記範囲を超える場合は、塗工液の経時安定性が低下するため好ましくない。即ち、生産する場合においては、塗工液を長時間に渡って使用するので、ホウ酸の含有量が多いと、その間に塗工液の粘度の上昇や、又、ゲル化物の発生が起こし、塗工液の交換やコーターヘッドの清掃等が頻繁に必要となり、生産性が著しく低下してしまう。更に、上記範囲を超える場合、後述する第一及び第二の表面処理同様の理由で、キャスト工程において、点状の表面(キャスト面)欠陥が生じ易くなり、均質で良好な光沢面が得られない場合がある。
以上のように形成されるインク受容層は、高インク吸収性、高定着性等の目的及び効果を達成する上から、その細孔物性が、下記の条件を満足するものであることが好ましい。先ず、インク受容層の細孔容積は、0.1〜1.0cm3/gの範囲内にあることが好ましい。即ち、細孔容積が、上記範囲に満たない場合は、十分なインク吸収性能が得られず、インク吸収性の劣ったインク受容層となり、場合によっては、インクが溢れ、画像に滲みが発生する恐れがある。一方、上記範囲を超える場合は、インク受容層に、クラックや粉落ちが生じ易くなるという傾向がある。又、インク受容層のBET比表面積は、20〜450m2/gであることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、十分な光沢性が得られないことがあり、又、ヘイズが増加するため(透明性が低下するため)、画像が、白もやがかかったようになる恐れがある。更に、この場合には、インク中の染料の吸着性の低下を生じる恐れもあるので好ましくない。一方、上記範囲を超えると、インク受容層にクラックが生じ易くなるので好ましくない。尚、細孔容積、BET比表面積の値は、窒素吸着脱離法により求められる。
又、インク受容層を形成する場合、本発明の製造方法を用いることにより、インク受容層の厚みは従来に比べ自由度が増し、即ち、従来以上に厚くすることが可能となる。高いインク吸収性を考慮して、その乾燥塗工量は30〜50g/m2となるようにすることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、特に、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクに、ブラックインクの他、複数の淡色インクが加えられているようなプリンタに用いた場合に、十分なインク吸収性が得られず、即ち、インク溢れが生じ、ブリーディングとなる場合が発生したり、基材にまでインク染料が拡散し、印字濃度が低下する場合があるので好ましくない。一方、上記範囲を超える場合には、クラックの発生を抑え切れないことが生じる恐れがある。更には、30g/m2より多いと、高温高湿環境下においても十分なインク吸収性を示すインク受容層が得られるので好ましく、乾燥塗工量を50g/m2以下とすると、インク受容層の塗工ムラが生じにくくなり、安定した厚みのインク受容層を製造できる。
本発明の第一、第二の表面処理工程で用いられる塗工液に含まれるホウ酸、ホウ酸塩としては、前記インク受容層形成材料として使用されるものと同様のものが用いられる。特にクラック発生の抑制効果の点から、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)を含有させることが好ましい。
上記で説明したインク受容層、表面処理工程における各塗工液の塗工は、前記したような適正塗工量が得られるように、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を適宜選択して用い、オンマシン、オフマシンで塗工される。塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温することも可能である。
塗工後の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜選択して用いることができる。
上記のようにしてインク受容層を形成した後、キャスト法で、インク受容層の表面に光沢面を形成することができる。その製造方法について説明する。
キャスト法とは、湿潤状態、又は可塑性を有している状態にあるインク受容層を、加熱された鏡面状のドラム(キャストドラム)面に圧着し、圧着した状態で乾燥し、その鏡面をインク受容層表面に写し取る方法であり、代表的な方法として、直接法、リウェット法(間接法)、凝固法の3つの方法がある。
これらのキャスト法は、何れも、利用できるが、先に述べたように、本発明においては、被記録媒体のインク受容層にアルミナ水和物を用いることが好ましく、この場合には、特にリウェットキャスト法を用いることによって高光沢性が得られるので、より好ましい。
本発明にかかる被記録媒体の製造方法においては、更に、基材裏面(インク受容層を形成する側と反対側の面)に裏面層の形成工程を加え、裏面層を有する被記録媒体を製造してもよい。裏面層を形成することは、印字前や印字後において生じるカール低減のためには有効である。
カール発生の抑制効果を考慮すると、吸湿時に、基材表面側の下塗り層及び/又はインク受容層と同様の収縮を生じるものが好ましく、これらの層と同系統の顔料やバインダを用いることが好ましい。特に、厚めの層であるインク受容層の形成材料と同系統の、顔料やバインダを用いることがより好ましい。裏面層形成は、第一の表面処理の前、後、インク受容層形成後、もしくはキャスト工程後のいずれの場合においても行うことができる。
更に、本発明にかかる被記録媒体を製造する場合には、必要に応じて、上記裏面層と基材との間に、前記した下塗り層のような別層を設けてもよい。この場合には、裏面側にも光沢面を形成することも可能となり、表裏両面に光沢面を有する被記録媒体を得ることができる。又、裏面層、又は裏面層及び/又は別層に印字性能を付与すれば両面印字も可能となる。
また、裏面層を設ける際、インク受容層同様クラックを抑制するために基材に裏面側に対して、上記第一の表面処理/第二の表面処理/裏面層形成、即ち第一の表面処理後、第二の表面処理を行い、基材が湿潤状態を維持している間に裏面層用塗工液の塗工を行い、乾燥することを行っても良い。但し、場合によっては(即ち裏面層のクラック発生の状況によっては)、第一、第二の表面処理のどうちらかだけで良い場合もある。上記のように製造される被記録媒体の構成は、好適な一例として図3のような断面的模式図で示される。即ち、原紙1、顔料、バインダ等含有の下塗り層2、下塗り層3、ホウ砂含有塗工液の塗工、乾燥による表面処理4、ホウ砂含有塗工液の塗工による表面処理5、この表面処理により下塗り層/原紙が湿潤状態を維持している間に塗工、乾燥され形成されたインク受容層6(アルミナ水和物、ポリビニルアルコール、ホウ酸等含有)、顔料、バインダ等含有の裏面層7の構成である。
この被記録媒体及び上記図1,2において、上記インク受容層は、上記バインダーが第1架橋剤により架橋し上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体である。これは新規な被記録媒体であり、上述したバインダーの損失が防止され且つ架橋度が大きい架橋バインダーにより凝集顔料による細孔が第2層領域内にも安定して形成できているので、インク受容層中に記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインクが周辺に拡散することなく鮮明な画像形成が達成される。
この第2層領域における架橋度は、実質的にバインダーの架橋を強化しているため、界面におけるバインダー分散の状態を均等化して、極度の集中や極度の不足部分を形成することが無いため、バインダー自体の無駄な通過を防止し、特に、界面に凹凸があるような場合は、バインダーのアンカー効果を期待できる。上記架橋度は、上記第1,2架橋剤がもつ共通の元素(例えば、ホウ素「B」)の、上記第1、第2層領域夫々に含まれる共通の元素の相対的な数量差、数量比(例えば2倍以上)として判定できる。また、その具体的材料及び製造方法として、「上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで上記被記録媒体が形成されていることを挙げることができる。さらに、この塗工液において、上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないことが実用例として挙げられる。
ここにおいて、少なくともインクの色材を保持すると共にpHに応じた粘度変化を示す顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、上記インク受容層は、上記顔料を低粘度に保持するpH値である第1架橋剤により上記バインダーが架橋されている第1層領域と、上記顔料を高粘度に保持するpH値である第2架橋剤により上記バインダーが架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体である。これは、インク受容層を構成する上記顔料と上記第1,2架橋剤との関係によって、pH変化がなされて顔料の高粘度化とともに架橋剤により架橋していくバインダーとが合理的な上記第2層を形成しているため、優れた細孔分布の形成と損失されずに架橋したバインダーにより、インク受容層中に記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインク及び色材が周辺に拡散することなく一層鮮明な画像形成が達成される。上記第2層領域は、上記第2架橋剤により上記第1層領域に比べて架橋度が大きいことによって、インク受容層にインクが供給されても層全体の膨潤を抑制して、画像変化を押さえ込むことができる。これらの製造方法として、「上記顔料は相対的に低いpH値で低粘度であり相対的に高いpH値で高粘度に変化する顔料であって、上記第2層領域は上記顔料と上記バインダーと上記第1架橋剤とを溶解混合したpH値の低い塗工液が上記第2架橋剤を含有しpH値の高い湿潤表面に塗工されることで形成されている」を採用することで、上記被記録媒体を確実に製造することができる。
上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置すると共にpH値が大きいことを特徴とする被記録媒体は、上記第2発明に類似するが、顔料特性を利用して上記架橋剤によるバインダーの架橋と顔料の凝集を促進しつつも架橋バインダーによる結集を達成するため、顔料による細孔の大きさが均一化されているインク受容層を有するので、インク受容が厚み方向に安定した浸透分布を示し、一層、記録されたインクを適正に吸収すると共にインク受容層中でインク及び色材が周辺に拡散することなく極めて鮮明な画像形成が達成される。特に、上記液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止し、上記塗工液内にある溶媒の効率的な除去を成し遂げるために、「上記インク受容層は、少なくとも第1層領域を形成するための上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで形成されている」ことが好ましい。また、異なる架橋度をもたらすために、上記塗工液に含まれる上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないこと、或いは、上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上であることはさらに好ましい。
図1,2の製造方法において、上記顔料と上記バインダー及び上記バインダーを架橋させる第1架橋剤とを有する塗工液を、上記バインダーを架橋させる第2架橋剤を含む湿潤表面に塗工する工程を有し、該塗工液内における該第1架橋剤による架橋反応よりも該塗工液と該湿潤表面との接触界面での第2架橋剤による架橋反応を促進せしめている。これは、前述した液―液接触界面での反応速度或いは反応状態を利用して上記塗工液内にあるバインダーが被塗工面側へ損失することを防止しつつ、安定した性能の被記録媒体を製造できる。結果として、インク受容層中に上記バインダーが上記第1架橋剤により架橋し上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域とを形成できる。より好ましくは、この構成に加えて、「上記顔料はpHに応じた粘度変化を示す顔料であり、上記第1架橋剤は上記顔料を低粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記第2架橋剤は上記顔料を高粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記接触界面でpH変化を生じさせて顔料の凝集と上記バインダーの架橋とを生じさせる被記録媒体の製造方法。」とすることで、顔料の凝集をも同時に規制できる。ここにおいて、「上記第2架橋剤は、上記バインダーを架橋させる第1架橋剤よりも架橋反応が優れていること」、「上記塗工液に含まれる上記第1架橋剤の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記第2架橋剤の単位面積あたりの含有量より少ないこと」或いは、「上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上であること」が実施されている。
上記本発明において、上記塗工液のバインダーを溶解するための溶剤(PVAの場合は水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水))等の液体成分が上記架橋反応等の際に塗工液中から排除されることが好ましいため、上記被記録媒体は、上記インク受容層を支持するための基材として、上記塗工液の液体成分が浸透できる多孔質体(紙、パルプ、多孔質層等)を有していることが良い。加えて、インク受容層の基材に対する密着性や強度を向上させる(アンカー効果)ために、上記湿潤表面は、均一面ではなく上記塗工液にとって凹部を有し、該凹部内で上記バインダーの架橋を生じせしめることも好ましい。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
先ず、本発明において使用した各種の物性値の測定方法や、評価方法について説明する。
<ステキヒトサイズ度>
被記録媒体をA4サイズに断裁し、その5枚をそれぞれ、気温23℃及び湿度50%の条件下に2時間以上放置し、その後、JIS P8122に準拠して、各1枚毎にステキヒトサイズ度の測定を行い、5枚の平均値として求めた。
<透気度>
上記のステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、JIS P8177に準じて各1枚毎に測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<ベック平滑度>
上記のステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、JIS P8119に準じて各1枚毎に測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<ガーレー剛度>
上記ステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、J.Tappi No.40に準じて各1枚毎に縦目方向の測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<BET比表面積、細孔容積>
アルミナ水和物を十分に加熱脱気してから、窒素吸着脱離法を用いた装置(カンタクローム社製、オートソーブ1)で測定した。
BET比表面積の計算は、Brunauerらの方法を用いた(J.Am.Chem.Soc.,60巻、309、1938年参照)。
細孔容積の計算は、Barrettらの方法を用いた(J.Am.Chem.Soc.,73巻、373、1951年参照)。
<クラックの発生>
被記録媒体をA4サイズに断裁し、目視によって5枚観察し、4段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
4:クラックの発生が全く見られず良好。
3:クラックの発生が少し観察される。
2:なクラックの発生が、評価3の場合よりも多く観察される。
1:多数のクラックの発生が観察される。
<画像濃度>
BJF900(キヤノン社製)を用いて、ブラックの3cm四方の100%印字部を印刷し、印字部をマクベス反射濃度計(商品名:RD−918、Kollmorgen Corporation社製)を用いて測定した。
<光沢度>
JIS Z8741に準じて、光沢度計(商品名:VG2000、日本電色工業(株)製)を用いて、20度の鏡面光沢度を測定した。
<インク吸収性>
BJF900(キヤノン社製)を用いて、単色であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの3cm四方の各100%印字部と、2次色であるレッド(イエロー100%とマゼンタ100%の2次色)、ブルー(マゼンタ100%とシアン100%の2次色)、グリーン(イエロー100%とシアン100%の2次色)の3cm四方の各100%印字部とをそれぞれ印刷した。そして、印字部の目視による観察及び触指により、4段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
4:印字直後、2次色画像の全てにおいてもインクが指に付着しない。
3:印字直後、2次色画像で極僅かなインク溢れがあるが、短時間で吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいて、インクが指に付着しない。
2:印字直後、2次色画像で僅かなインク溢れがあり、評価3の場合よりも時間はかかるものの吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいて、インクが指に付着しない。
1:印字直後、単色画像のいずれかにおいてインクが指に付着する。
<表面性>
インク受容層表面を目視により5枚観察し、3段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
3:均質感があり良好。
2:目視する角度によって塗工ムラ、若しくは微小の点状欠陥が観察される。
1:評価2の場合よりも目立つ塗工ムラがある、若しくは評価2の場合よりも多い微小の点状欠陥が観察される。
[実施例1]
先ず、下記のようにして基材を作製した。濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部からなるパルプスラリーに、カチオン化澱粉0.60質量部、重質炭酸カルシウム10質量部、軽質炭酸カルシウム15質量部、アルキルケテンダイマー0.10質量部、カチオン性ポリアクリルアミド0.03質量部を添加して紙料を調整後、長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行って、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で、酸化澱粉水溶液を固形分で1.0g/m2となるように含浸し、乾燥後、マシンカレンダー仕上げをし、坪量155g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基材を得た。
次に、上記で得た基材上に、以下のようにして下塗り層を形成した。先ず、下塗り層の形成に使用する塗工液として、カオリン(ウルトラホワイト90、Engelhard社製)/酸化亜鉛/水酸化アルミニウムの、重量比65/10/25からなる填量100質量部と、市販のポリアクリル酸系分散剤0.1質量部とからなる固形分濃度70%のスラリーに、市販のスチレン−ブタジエン系ラテックス7質量部を添加して、固形分60%になるように調整して組成物を得た。次に、この組成物を、乾燥塗工量が15g/m2になるように、ブレードコータで、基材の両面に塗工し、乾燥した。その後、マシンカレンダー仕上げをし(線圧150kgf/cm)、坪量185g/m2、ステキヒトサイズ度300秒、透気度3,000秒、ベック平滑度200秒、ガーレー剛度11.5mNの下塗り層付き基材を得た。下塗り層付き基材の白色度は、断裁されたA4サイズ5枚のサンプルに対して各々測定し、その平均値として求めた。その結果、L*:95、a*:0、b*:−2であった(JIS Z 8729の結果、L*:
の色相として求めた)。
上記で得た下塗り層に対して、下記の第一及び第二の2工程からなる表面処理を行なった。先ず、第一の表面処理工程では、30℃に加温した、5%のホウ砂水溶液を塗工液として用い、該塗工液を、グラビアコータで乾燥塗工量0.4g/m2になるよう毎分60m/mで下塗り層上に塗工した。そして、60℃で、塗工液を乾燥、固化させた。
次に、第二の表面処理工程では、上記第一の表面処理工程で使用したと同様の30℃に加温した5%のホウ砂水溶液を用い、該塗工液を、エアーナイフコータでウェットの塗工量10g/m2(乾燥させた場合の塗工量は0.5g/m2である)になるよう、毎分30mで塗工した。この塗工量は、目視で観察したところ、下塗り層上に第二の表面処理工程で付与した塗工液が溢れずに、丁度含浸された状態であった。
次に、インク受容層を形成したが、上記の第二の表面処理工程での塗工後、即ち、塗工液が下塗り層に含浸されてすぐに、そのまま下塗り層上にインク受容層を形成した。その際の、インク受容層の形成に用いた塗工液及び塗工方法等は、以下の通りである。
アルミナ水和物AとしてDisperal HP13(サソール社製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に固形分が5質量%になるように分散させ、次いで、これに塩酸を加え、pH値を4に調整してしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で4時間保持した。そして、この温度を保持したまま苛性ソーダによりpH値を10に調整し、10時間攪拌を行ない、その後、分散液の温度を室温に戻し、pH値を7〜8に調整した。更に脱塩処理を行い、続いて酢酸を添加して解膠処理して、コロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを乾燥して得られたアルミナ水和物BをX線回折により測定したところ、ベーマイト構造を示すもの(擬ベーマイト)であった。又、この時のBET比表面積は143g/m2、細孔容積は0.8cm3/gであり、電子顕微鏡での観察では、平板状であった。
一方、ポリビニルアルコールPVA117(クラレ(株)製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に溶解して、固形分9質量%の水溶液を得た。そして、上記で調製したアルミナ水和物Bのコロイダルゾルを濃縮して22.5質量%の分散液を作製し、そこに3%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物Bの固形分に対してホウ酸固形分換算で0.50質量%になるように添加した。その後、得られたホウ酸含有アルミナ水和物分散液と、先に調製したポリビニルアルコール水溶液を、スタティックミキサでアルミナ水和物固形分と、ポリビニルアルコール固形分の比が100:8になるように混合し、その直後に、これをインク受容層用の塗工液とし、これをダイコータで乾燥塗工量で35g/m2になるように毎分30mで塗工した。そして、170℃で乾燥してインク受容層を形成した。
次に、基材のインク受容層を設けたとは反対側の面の下塗り層上に、以下のようにして裏面層を形成した。アルミナ水和物としてDisperal HP13/2(サソール社製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に固形分が18質量%になるように分散させ、その後、遠心分離処理を施した。この分散液と、インク受容層の形成に用いたと同様のポリビニルアルコール水溶液とをスタティックミキサで、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形分の比が100:9になるように混合後、すぐにダイコータで乾燥塗工量が23g/m2になるように毎分35mで塗工した。そして、170℃で乾燥し、裏面層を形成し、本実施例の被記録媒体を得た。
ここで、第1層領域に含まれるホウ素「B」の量は、2.61×10−3mol/m2であり、第2層領域は、9.94×10−3mol/m2になるので、第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の3.8倍になっている。尚、第1層領域に含まれるホウ素「B」の量は、下記式から計算した。
(インク受容層乾燥塗工量:35)×(ホウ酸量:22.5×0.5%)/{(ホウ酸量:22.5×0.5%)+(PVA量:22.5×8/100)+(アルミナ水和物量:22.5)}=0.16g/m2
0.16/(ホウ酸1mol分子量:61.8)=2.61×10−3mol/m2
また、第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、下記式から計算した。
{(第二の表面処理の乾燥塗工量:0.5)/(ホウ砂1mol分子量:201.2)}×(ホウ砂1モルあたりのBのモル数:4)=9.94×10−3mol/m2
ここで、ホウ砂1mol分子量は、ホウ砂が下塗り層に対して含浸状態、即ち乾燥状態された状態にないので、ホウ砂をNa2B4O7として計算した。
[実施例2]
実施例1のインク受容層表面に対して、下記のようにして光沢面をリウェットキャスト法で形成した。先ず、再湿液としての水を、原反に均一に付与してインク受容層を湿潤させ、この湿潤状態のまま、100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着させて毎分30mで乾燥を行い、本実施例の被記録媒体を得た。インク受容層表面光沢度は、32%であった。
[実施例3]
実施例1で形成したアルミナ水和物含有のインク受容層の代わりに、以下のようにしてシリカ含有のインク受容層を形成する以外は、実施例1と同様にして本実施例の被記録媒体を得た。インク受容層用の塗工液に用いる組成物には、平均粒子径80nmのカチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK−ZL、日産化学工業(株)製)100質量部、市販のノニオン性アクリルエマルジョン3質量部、実施例1で使用したと同様のポリビニルアルコール7質量部からなるものを使用した。この組成物は、固形分濃度が25%になるように調整し、ロールコータで、乾燥塗工量30g/m2となるように塗工し、その後に乾燥した。その他の工程は、実施例1と同様に行い、本実施例の被記録媒体を得た。
[実施例4]
実施例1で使用したアルミナ水和物を、下記のアルミナ水和物Cに変更した以外は、実施例1と同様にして本実施例の被記録媒体を得た。
アルミナ水和物C:先ず、米国特許明細書第4,242,271号に記載された方法でアルミニウムドデキシドを製造した。次に、米国特許明細書第4,202,870号に記載された方法で上記アルミナドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。次に、このアルミナスラリーをアルミナ水和物固形分が7.9%になるまで水を加えた。アルミナスラリーのpH値は9.5であった。3.9%の硝酸溶液を加えてpH値を調整し、下記の物性が得られるようにオートクレーブで加温して熟成を行なった。このコロイダルゾルを75℃でスプレー乾燥してアルミナ水和物Cを得た。このアルミナ水和物CをX線回折により測定したところ、非晶質であった。又、この時のBET比表面積は195g/m2、細孔容積は0.75cm3/gであり、電子顕微鏡での観察では、平板状であった。
[実施例5]
実施例1の第一の表面処理工程を行わないこと以外は実施例1と同様にして、被記録媒体を得た。
[比較例1]
実施例1の第二の表面処理工程を行わないこと以外は実施例1と同様にして、被記録媒体を得た。
[比較例2]
実施例1の第一、第二の表面処理工程の両方を行わないこと以外は実施例1と同様にして、被記録媒体を得た。
[比較例3]
実施例1の第二の表面処理工程で、ホウ砂含有塗工液を塗工後60℃で乾燥固化させたこと以外は実施例1と同様にして、被記録媒体を得た。
上記実施例1〜5、比較例1,2、3で得られた各被記録媒体について、先に述べた方法及び基準で評価した。その結果を表1にまとめて示した。
上記実施例でわかるように、架橋特性としては、硼砂塩がオルトホウ酸より優れ、これらの量が乾燥後での量でも差があり、顔料としてのアルミナ水和物は、pH7近辺で急激な粘度変化を示し、酸性側で低粘度を、アルカリ側で高粘度を呈する特性を有する顔料である。また、上記硼砂塩水溶液はアルカリ性を示し、上記オルトホウ酸水溶液は酸性を示す。加えて、このインク受容層を形成するための塗工液は、酸性で、アルミナ水和物を溶解しており、上記液―液界面での反応は、pH7近辺に変化するため、上記PVAの架橋反応が確実に生じると共に、アルミナ水和物の増粘化と凝集が生じ、溶媒としての水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)はバインダーとしてのPVAと分離して、基材に浸透していく。そして、上記形成されたインク受容層の断面におけるpH測定を行うと、本発明で言う第1層領域(例えば表面)がpH6.2乃至pH6.4であるのに対して、上記第2層領域がpH6.8近傍であった。前述しているように、ここにおける実施例では、本発明でいう各発明が実施され、上記効果を発揮している。
本発明は、インクジェット記録方式の中でもバブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、インク敵の記録が像を形成される被記録媒体として用いることは本発明の効果を一層向上できる。その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、インクが保持されているシートや液路に対応して配置された電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し、インク内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介してインクを吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
以上説明したように、本発明は、塗工液中のバインダーが、凝集し始める顔料の周囲に位置してこの顔料を結着させるといったメカニズムを塗工液内で、塗工液内混合状態ができるだけ維持しつつ生じせしめることが重要であるという第1知見や被記録媒体自体においても、このバインダーの存在状況のばらつきによってインクが極度に吸収されて濃度低下する部分が形成されたり、逆にインク吸収性を低下させてインクあふれによる画質の低下を招くため、バインダーのインク受容層中における分布を均一化することが重要であるという第2知見を見出し、上記新規な各課題に対して上記各発明によって解決しているので、インク吸収性、発色性に優れ、インク受容層の所望特性を維持した被記録媒体が得られ、且つ、生産性が良好な被記録媒体の製造方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の被記録媒体の製造方法における、キャスト工程を含まない場合の製造フロー図である。
図2は本発明の被記録媒体の製造方法における、キャスト工程を含む場合の製造フロー図である。
図3は本発明の被記録媒体の製造方法により製造された被記録媒体の説明構成図である。
Claims (26)
- 少なくともインクの色材を保持するための顔料と、該顔料のバインダーと、を含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、
上記インク受容層は、上記バインダーが第1架橋剤により架橋し上記顔料と相対的に均一化されている第1層領域と、上記バインダーが第2架橋剤により第1層領域に比べて架橋度が大きくなるように架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体。 - 上記第1、第2架橋剤は、同一の元素を有し、上記架橋度は、上記架橋剤がもたらす上記第1、第2層領域夫々に含まれる該元素の相対的な数量差である請求項1に記載の被記録媒体。
- 上記インク受容層は、少なくとも第1層領域を形成するための上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の被記録媒体。
- 上記塗工液に含まれる上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないことを特徴とする請求項3に記載の被記録媒体。
- 上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上である請求項1に記載の被記録媒体。
- 上記インク受容層は、30g/m2以上である請求項1乃至請求項5いずれかに記載の被記録媒体。
- 少なくともインクの色材を保持すると共にpHに応じた粘度変化を示す顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、
上記インク受容層は、上記顔料を低粘度に保持するpH値である第1架橋剤により上記バインダーが架橋されている第1層領域と、上記顔料を高粘度に保持するpH値である第2架橋剤により上記バインダーが架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置していることを特徴とする被記録媒体。 - 上記第2層領域は、上記第2架橋剤により上記第1層領域に比べて架橋度が大きいことを特徴とする請求項7に記載の被記録媒体。
- 上記顔料は相対的に低いpH値で低粘度であり相対的に高いpH値で高粘度に変化する顔料であって、上記第2層領域は上記顔料と上記バインダーと上記第1架橋剤とを溶解混合したpH値の低い塗工液が上記第2架橋剤を含有しpH値の高い湿潤表面に塗工されることで形成されている請求項7または請求項8に記載の被記録媒体。
- 少なくともインクの色材を保持すると共に相対的に低いpH値で低粘度であり相対的に高いpH値で高粘度に変化する顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層をインク記録面側に有する被記録媒体であって、
上記インク受容層は、上記顔料を低粘度に保持するpH値である第1架橋剤により上記バインダーが架橋されている第1層領域と、上記顔料を高粘度に保持するpH値である第2架橋剤により上記バインダーが架橋している第2層領域と、を有し、上記第1層領域が第2層領域よりも上記インク記録面側に位置すると共にpH値が大きいことを特徴とする被記録媒体。 - 上記インク受容層は、少なくとも第1層領域を形成するための上記顔料としてのアルミナ水和物と上記バインダーとしてのポリビニルアルコールと上記第1架橋剤としてのオルトホウ酸とを溶解混合してなる塗工液を、上記第2層領域を形成するための上記第2架橋剤としての四ホウ酸塩を含有する湿潤表面に塗工することで形成されていることを特徴とする請求項10に記載の被記録媒体。
- 上記塗工液に含まれる上記オルトホウ酸の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記四ホウ酸ナトリウムの単位面積あたりの含有量より少ないことを特徴とする請求項11に記載の被記録媒体。
- 上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上である請求項11に記載の被記録媒体。
- 上記インク受容層は、30g/m2以上である請求項11乃至請求項13いずれかに記載の被記録媒体。
- 顔料と該顔料のバインダーを含んでいるインク受容層を有する被記録媒体の製造方法であって、
上記顔料と上記バインダー及び上記バインダーを架橋させる第1架橋剤とを有する塗工液を、上記バインダーを架橋させる第2架橋剤を含む湿潤表面に塗工する工程を有し、該塗工液内における該第1架橋剤による架橋反応よりも該塗工液と該湿潤表面との接触界面での第2架橋剤による架橋反応を促進せしめることを特徴とする被記録媒体の製造方法。 - 上記顔料はpHに応じた粘度変化を示す顔料であり、上記第1架橋剤は上記顔料を低粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記第2架橋剤は上記顔料を高粘度に保持するpH値を与える架橋剤であり、上記接触界面でpH変化を生じさせて顔料の凝集と上記バインダーの架橋とを生じさせることを特徴とする請求項15に記載の被記録媒体の製造方法。
- 相対的に低pH値で低粘度を示し高pH値で高粘度を示す顔料と、該顔料のバインダーと、を含んでいるインク受容層を有する被記録媒体の製造方法であって、
上記顔料と上記バインダー及び上記バインダーを架橋させる第1架橋剤とを有すると共に上記低粘度を呈する低pH値の塗工液を、上記バインダーを架橋させる第2架橋剤を含むと共に上記高粘度を呈する高pH値の湿潤表面に塗工する工程を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法。 - 上記湿潤表面は、上記被記録媒体を構成する基材の、上記第2架橋剤が含まれた前処理液を塗布後乾燥固化してなる処理表面上に、上記第2架橋剤を含む液体が塗布された液面であることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれかに記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記第2架橋剤は、上記バインダーを架橋させる第1架橋剤よりも架橋反応が優れていることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれかに記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記塗工液に含まれる上記第1架橋剤の単位面積あたりの含有量は、上記湿潤表面に含まれる上記第2架橋剤の単位面積あたりの含有量より少ないことを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれかに記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記顔料はアルミナ水和物で、上記バインダーがポリビニルアルコールで、上記第1、第2架橋剤は、同一のホウ素「B」を含み、上記第2層領域に含まれるホウ素「B」の量は、上記第1層領域に含まれるホウ素「B」の量の2倍以上であることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれかに記載の被記録媒体の製造方法。
- インク受容層を有する被記録媒体の製造方法において、
ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上の架橋剤を含有する第1塗工液を塗工及び乾燥し、固化する第1の表面処理工程と、
該第1表面処理工程で形成された固化面に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する第2塗工液を塗工する第2の表面処理工程と、
該第2塗工液が湿潤状態を維持している間に、少なくとも顔料、ポリビニルアルコール及びホウ酸あるいはホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上の架橋剤とを含有する第3塗工液を塗工する工程と、
を有することを特徴とする被記録媒体の製造方法。 - 上記顔料が、アルミナ水和物を含み、上記インク受容層が30g/m2以上である請求項22に記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記製造方法は、上記第3塗工液を塗工する工程後に得られたインク受容層をキャストする工程を有することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記被記録媒体は、上記インク受容層を支持するための基材として、上記塗工液の液体成分が浸透できる多孔質体を有していることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか、請求項22或いは請求項23に記載の被記録媒体の製造方法。
- 上記湿潤表面は、均一面ではなく上記塗工液にとって凹部を有し、該凹部内で上記バインダーの架橋を生じせしめることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか、請求項22或いは請求項23に記載の被記録媒体の製造方法。
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