JP2002321445A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

インクジェット用記録材料

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JP2002321445A
JP2002321445A JP2001128761A JP2001128761A JP2002321445A JP 2002321445 A JP2002321445 A JP 2002321445A JP 2001128761 A JP2001128761 A JP 2001128761A JP 2001128761 A JP2001128761 A JP 2001128761A JP 2002321445 A JP2002321445 A JP 2002321445A
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Satoshi Kaneko
智 金子
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトライクな高い光沢を有し、インク吸収性
に優れ、かつ印字物が芳香を発するインクジェット用記
録材料を提供する。 【解決手段】支持体上に少なくとも1層のインク受容層
を設けたインクジェット用記録材料において、インクジ
ェット用記録材料を構成する層の少なくとも何れかに香
料を含有させることを特徴とするインクジェット用記録
材料。特に印字により芳香が発生するインクジェット用
記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録材料に関し、更に詳しくは、フォトライクな高い光
沢を有し、インク吸収性、保存性に優れ、かつ印字物が
芳香を発するインクジェット用記録材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上にインク溶媒に対して膨潤性の有るバイ
ンダーからなる膨潤型インク受容層や非晶質シリカ等の
顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーから
なる空隙型インク受容層を設けてなる記録材料が知られ
ている。インクの吸収性からは空隙型インクジェット記
録材料が好ましく使用される。
【0003】例えば、特開昭56−80489号、特開
平5−286228号、特公平6−427号公報等には
膨潤型の記録材料の開示がなされ、特開昭55−515
83号、同56−157号、同57−107879号、
同57−107880号、同59−230787号、同
62−160277号、同62−184879号、同6
2−183382号、及び同64−11877号公報等
に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダ
ーと共に紙支持体に塗布して得られる空隙型の記録材料
が提案されている。
【0004】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0005】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同平1
0−193776号、同10−203006号、同10
−217601号、同平11−20300号、同平11
−20306号、同平11−34481号公報等公報に
は、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリ
カと称す)を用いることが開示されている。この気相法
シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超
微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。
近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々
光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被
覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂
をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐
水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受容層
が塗設された記録材料が提案されている。
【0006】しかしながらインクの吸収性は良好である
が印字部分の耐水性が低く、高湿条件下や水に濡れた場
合にインクが滲み出してしまう問題、及び印字部分の色
素が光やガスで退色する保存性の問題が有った。
【0007】インク中の色素を固定させ、高湿滲みや耐
水性を改良するのに特開昭53−49113号、同昭6
3−49478号、同昭63−224998号、同昭6
3−307979号、同平1−9776号、同平1−4
0371号、同平11−314451号公報等には、カ
チオン性ポリマーをインク受容層に添加する事が提案さ
れている。
【0008】特開昭55−53591号、特開昭60−
67190号、特開平11−321090号公報には水
溶性金属塩を支持体表面に保持することで保存性を改良
する提案がなされている。
【0009】特開昭61−163886号、特開平7−
314883号公報にはチオウレア系化合物が、特開平
1−115677号公報にはチオエーテル系化合物が保
存性改良で提案がなされている。
【0010】特開平7−276790号、特開平8−1
08617号公報には糖類を含有させて保存性を改良す
る提案がなされている。
【0011】特開昭61−154989号公報にはヒド
ラジン化合物が、特開平8−238839号公報にはピ
リジン系化合物が保存性の改良で提案されている。
【0012】上記のように各種添加剤により耐水性や保
存性を改良したインクジェット用記録材料は、特に耐水
性支持体に空隙型インク受容層を設けた場合にプリンタ
ー等で印字後、印字部から異臭が発生する場合があり、
特に印字物をプラスチックフィルム等の袋に保管し、開
封した場合に記録シートに臭気が吸着されているために
不快になる場合が有った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、フォトライクな高光沢を有し、インク吸収性、保存
性に優れたインクジェット用記録材料であり、インクジ
ェットプリンタ−で印字した印字物が異臭を発生せず、
芳香を発するインクジェット用記録材料を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層のインク受容層を設けたインク
ジェット用記録材料において、該インクジェット用記録
材料を構成する層の少なくとも何れかに香料を含有させ
ることを特徴とするインクジェット用記録材料によって
達成された。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の好ましいインクジェット記録材料は、無機微粒
子によって皮膜中に形成された空隙にインクを吸収させ
るものであり、高いインク吸収性を発現させるためには
空隙容量を高める必要がある。このため、支持体上には
比較的多量の無機微粒子を塗布する必要があり、また、
親水性バインダー量は空隙率を高めるために減量するこ
とが好ましい。
【0016】本発明に用いられる無機微粒子としては、
シリカ、アルミナ等公知の各種微粒子が挙げられる。特
に気相法によるシリカやアルミナ、アルミナ水和物が好
ましい。インク受容層の無機微粒子は8g/m2以上含有
するのが好ましく、10〜30g/m2の範囲で用いるの
がより好ましい。この範囲より少ないと、インク吸収性
が劣る。親水性バインダー量は、無機微粒子に対して3
5重量%以下が好ましく、特に10〜30重量%が特に
好ましい。
【0017】本発明において、無機微粒子はインク受容
層中に主たる割合、すなわちインク受容層の全固形分に
対して無機微粒子を50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、より好ましくは65重量%以上含有する。
【0018】合成シリカには、湿式法によるものと気相
法によるものがある。湿式法シリカとしては、ケイ酸
ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を
通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを
加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾル
をゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミ
クロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合
をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には
シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウ
ム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主
体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0019】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロ
ジル株式会社からアエロジル、トクヤマ株式会社からQ
Sタイプとして市販されており入手することができる。
【0020】本発明では、特に気相法シリカが好まし
い。本発明に特に好ましく用いられる気相法シリカの一
次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高
い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に
好ましくは一次粒子の平均粒径が3〜15nm(特に3
〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2
/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを
用いることである。本発明で云うBET法とは、気相吸
着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温
線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求め
る方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く
用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化
から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸
着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Em
mett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定
に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求
め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積
が得られる。
【0021】本発明でインク受容層を2層以上とし、支
持体に近い下層のインク受容層に香料を含有させるほう
が未印字での保存時の香料の揮散防止から好ましい。
【0022】本発明の支持体から遠いインク受容層に好
ましく含有されるアルミナ、及びアルミナ水和物は、酸
化アルミニウムやその含水物であり、結晶質でも非晶質
でもよく、不定形や、球状、板状等の形態を有している
ものが使用される。両者の何れかを使用してもよいし、
併用してもよい。特にアスペクト比2以上の板状アルミ
ナ水和物が好ましい。
【0023】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜3
00nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0024】本発明のアルミナ水和物はAl23・nH
2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合
がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より
大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和
物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニ
ウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカ
リによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造
方法により得られる。
【0025】本発明のアルミナまたはアルミナ水和物の
分散助剤は、乳酸、酢酸、蟻酸、硝酸、塩酸、臭化水素
酸、塩化アルミニウム等の酸が使用されるが、無機酸が
低温粘度がより高くなり、好ましい。本発明の一般的な
添加量はアルミナまたはアルミナ水和物に対して0.1
〜5重量%である。酸で分散されたアルミナ、またはア
ルミナ水和物を使用することでほう酸、またはほう酸塩
を使用しても塗布液特性が良好であり、塗布性も良好と
なる結果、白紙部光沢性、インク吸収性が良好となるの
で好ましい。
【0026】本発明で好ましくインク受容層に用いられ
るアルミナまたはアルミナ水和物は表面がカチオン性を
有するためにインクに使用されている染料等の着色剤の
定着効果が大きく、カチオン性ポリマー等の媒染剤の添
加量を減らしたり抜くことが可能となり、印字品の異臭
が発生しにくくなるので好ましい。特にインク受容層が
2層以上で支持体に近い下層に気相法シリカを使用し、
支持体から遠い上層にアルミナまたはアルミナ水和物を
使用したインクジェット用記録材料によりインク吸収性
が良好で、光沢性、印字濃度等に優れ、印字品の臭気も
良化するので好ましい。下層に香料を含有させることで
上層が香料の揮散を防止するので好ましい。特に支持体
が樹脂被覆紙やフィルム等の耐水性であれば未印字記録
材料の保管時の香料の揮散が更に防止されるので好まし
い。
【0027】本発明において、無機微粒子とともに用い
られる親水性バインダーとしては、公知の各種バインダ
ーを用いることができるが、透明性が高くインクのより
高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用い
られる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性
バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞
いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的
室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用
いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または
部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性
ポリビニルアルコールである。
【0028】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度200〜5000のものが
好ましい。
【0029】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0030】本発明は、上記親水性バインダーと共に架
橋剤(硬膜剤)を用いることが好ましい。架橋剤の具体
的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒ
ドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペン
タンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチ
ル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,
3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記
載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルス
ルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反
応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,73
2,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特
許第3,103,437号記載の如きイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第
3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポ
キシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシア
ルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン
誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及び
ほう酸塩の如き無機架橋剤等があり、これらを1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの
中でも、特にほう酸またはほう酸塩が好ましい。
【0031】本発明のインク受容層は、無機微粒子の分
散剤やインク染料の媒染剤としてカチオン性化合物を用
いることとが好ましい。カチオン性化合物としては、例
えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられ
る。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミ
ン、ポリジアリルアミン、ポリジアルキルジアリルアミ
ン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、アルキ
ルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−2
0696号、同59−33176号、同59−3317
7号、同59−155088号、同60−11389
号、同60−49990号、同60−83882号、同
60−109894号、同62−198493号、同6
3−49478号、同63−115780号、同63−
280681号、特開平1−40371号、同6−23
4268号、同7−125411号、同10−1937
76号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アン
モニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。
これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上
が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0032】これらのカチオン性ポリマーの使用量は無
機微粒子に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重
量%である。
【0033】本発明に用いられる水溶性金属化合物とし
て、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウ
ム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネ
シウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の
水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩
化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫
酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化ア
ンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、
チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六
水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和
物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニ
ッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウ
ム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝
酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、
臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫
酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、酢酸ジルコニウ
ム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和
物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸ク
ロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、
クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タング
ストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩
化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられ
る。
【0034】本発明において、特に水溶性アルミニウム
化合物あるいは周期表4A族元素を含む水溶性化合物が
好ましい。水溶性アルミニウム化合物は、例えば無機塩
としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アル
ミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等
が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチ
オンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合
物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
が好ましい。
【0035】前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物
とは、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例
えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+
[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等
のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含ん
でいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0036】 [Al2(OH)nCl6-nm 式1 [Al(OH)3nAlCl3 式2 Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 式3
【0037】これらのものは多木化学(株)よりポリ塩
化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田
化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の
名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの
名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市
されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本
発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、
pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調
節して用いることも可能である。
【0038】本発明に用いられる周期表4A族元素を含
む水溶性化合物は水溶性で有れば特に制限はないがチタ
ンまたはジルコニウムを含む水溶性化合物が好ましい。
例えばチタンを含む水溶性化合物としては塩化チタン、
硫酸チタンが、ジルコニウムを含む水溶性化合物として
は酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジ
ルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコ
ニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウ
ム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウ
ム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム
化合物等が知られている。これらの化合物はpHが不適
当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用い
ることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温
常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
【0039】本発明において、無機微粒子、特に気相法
シリカの分散助剤としてはカチオン性ポリマーが好まし
く、一般的には無機微粒子の0.1〜15重量%であ
り、更に好ましくは1〜10重量%である。インクの媒
染剤として使用るカチオン性化合物の添加量は無機微粒
子の1〜10重量%が好ましいが、水溶性金属化合物の
場合は添加量が多すぎると色再現性が低下する場合が有
るので無機微粒子の5重量%以下が好ましい。
【0040】上記したカチオン性化合物は2種以上を併
用することができる。例えば媒染剤として使用の場合に
は、カチオン性ポリマーと水溶性金属化合物を併用する
のが好ましい。
【0041】本発明において、インク受容層には耐光
性、耐ガス性等の耐候性改良剤として各種化合物が使用
される。例えば、水溶性多価金属塩、含窒素系化合物で
あるピリジン系化合物、チアジン系化合物、ヒンダード
アミン、ヒドラジン系化合物、ヒドラジド系化合物、カ
ルバジド系化合物、セミカルバジド系化合物、グアニジ
ン系化合物等、含硫黄系化合物であるチオウレア系化合
物、チオエーテル系化合物、スルフィン酸化合物、チオ
スルホン酸化合物、チオスルフィン酸化合物、ジスルフ
ィド系化合物等、糖類、ヒンダードフェノール等が挙げ
られる。
【0042】本発明のインク受容層は、更に皮膜の脆弱
性を改良するために各種油滴を含有することができる。
そのような油滴としては室温における水に対する溶解性
が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例え
ば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子
(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒
子)を含有させることができる。そのような油滴は好ま
しくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範
囲で用いることができる。
【0043】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、
より好ましくは0.01〜3gである。インク受容層に
はその他、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐
剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の
各種添加剤を添加することもできる。
【0044】本発明において、インク受容層及び印字後
の印字面の膜面pHは、J.TAPPI紙パルプ試験方
法N0.49に記載の方法に従って、上記膜面上に蒸留
水を滴下し、30秒後に測定した表面pHである。
【0045】本発明においてインク受容層の好ましい膜
面pHは3〜6である。この膜面pH範囲にすることに
よって、オリジナル画像の印字再現性や印字後の耐水性
が優れる。即ち、インク受容層の膜面pHが3より低い
場合は、オリジナル画像の色相が忠実に再現されず、ま
た、インク受容層の膜面pHが6より高いと耐水性が劣
るようになる。この現象は、特に気相法シリカを用いた
ときに顕著である。特にインク受容層の膜面pHは、3
〜5が好ましい。
【0046】インク受容層のpHは、塗布液の段階で調
整するのが好ましいが、塗布液のpHと塗布乾燥された
状態での膜面pHとは必ずしも一致しないため、塗布液
と膜面pHとの関係を予め実験等によって求めておくこ
とが所定の膜面pHにするために必要である。インク受
容層塗布液のpHは、酸またはアルカリを適当に組み合
わせて行われる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン
酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸が
用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アン
モニア水、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、または
弱アルカリとして、酢酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ
金属塩が用いられる。
【0047】本発明のインクジェット用記録材料にはイ
ンク受容層上に保護層を設けても良く、インク受容層で
用いられるものと同様の各種親水性バインダーや無機微
粒子、有機微粒子、及び保存性改良材等が使用される。
保護層には光沢性向上を目的とする光沢発現層も含まれ
る。一般的な保護層の塗設量は0.5〜6g/m2の範囲
であり、1〜5g/m2の範囲がより好ましい。
【0048】本発明においてインクジェット用記録材料
を構成する少なくとも何れかの層、例えば支持体、下塗
り層、インク受容層、保護層等に含有される香料は特に
限定されず、公知のものが用いられる。例えば2000
年発行の化学工業日報社の「13700の化学商品」第
24類に香料として記載されているものが用いられる。
本発明では、前記の香料の中でも水に不溶か殆ど溶けな
いでジエチレングリコールやトリエチレングリコール等
のインクジェット用インク中に含まれる水溶性有機溶剤
に可溶なものが好ましい。例えば、アセトフェノン、ア
ニスアルデヒド、アニソール、アネトール、安息香酸ベ
ンジル、安息香酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ
吉草酸エチル、イロン、オイゲノール、ギ酸シトロネリ
ル、ケイ皮酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸シンナミ
ル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、サリチル酸イソアミ
ル、シス−ジャスモンシトロネラール、シトロネロー
ル、1,8−シネオール、ジャスミンラクトン、テルピ
ネオール、プロピオン酸イソアミル、β−ナフチルエチ
ルエーテル、ボルネオール、p−メチルアセトフェノ
ン、メントール、α−ヨノン、酪酸エチル、酪酸ブチル
等が挙げられる。特に未印字のインクジェット用記録材
料を長期保存した後の印字品の芳香発現性からはクマリ
ン、シクロペンタデカノリド、ジフェニルエーテル、β
−ナフチルエチルエーテル、ボルネオール、メントール
等の常温で固体のものが好ましい。香料は1種以上が使
用され、添加量はその種類により変化するが、一般的に
は記録材料に1〜2000mg/m2、好ましくは5〜
1000mg/m2含有する。添加量が少なすぎると印
字品の芳香発散効果が少なく、多すぎると逆に異臭とな
りやすい。
【0049】本発明の香料が水に不溶か難溶であればイ
ンクジェット用記録材料の製造時、保管時に記録材料中
や空気中の水分によって揮散し消失するのが防止され、
香料がインク中に含有されている水溶性有機溶剤の少な
くとも1成分に可溶とすることで、香料が印字後に有機
溶剤に溶出し、徐々に揮散して芳香を発し、香料ととも
に溶出するインク受容層や保護層中の添加剤の臭いを和
らげると予想される。特に水溶性有機溶剤として一般的
に使用されているジエチレングリコールに可溶で水に不
溶か難溶な香料が好ましい。本発明で溶剤に可溶とは2
0℃での溶解性が香料が溶剤に対して1重量%程度以上
である場合を云い、難溶とは溶剤に対して1重量%未満
である場合を云う。
【0050】本発明では、特にインク受容層中に含有さ
れているカチオン性ポリマーや保存性改良剤等の添加剤
がインク中の水や有機溶剤に溶出、濃縮化し、揮散して
異臭の原因となる場合が有り、支持体やインク受容層中
等に香料を添加することによりインク中に溶出して異臭
が防止されるものである。
【0051】本発明のインクジェット用記録材料は、主
として印字したインク中の有機溶剤により溶出して芳香
を発生させるものであるが、香料としては未印字の記録
材料の保管時には殆ど揮散しないものを選択し、支持体
に近い層に添加することで達成される。尚、主としてと
は記録材料の印字前と印字後での芳香の発生状態を臭い
で評価して印字後の芳香が主体であることを云う。
【0052】本発明の香料をインク受容層や保護層に添
加する方法は、水に可溶か水中に分散可能であればイン
ク受容層や保護層の組成物にそのまま添加することが可
能であるが、水に不溶か難溶性であれば、溶解可能な各
種有機溶剤に溶解した後インク組成物に添加分散する。
香料が常温で固体であれば微細化してから各層の組成物
に添加される。本発明の香料を支持体中に含有させるに
は、例えば水分散液か有機溶剤に溶解した液を支持体に
含浸させる方法が効率的である。
【0053】本発明の香料は好ましくはインク受容層中
及び保護層を設ける場合には保護層中の少なくとも何れ
かに含有するほうがインク中の有機溶剤と接触しやすい
ので好ましい。
【0054】インクジェット用水性インクは着色剤、溶
媒、添加剤から成る。着色剤は、直接染料、酸性染料、
塩基性染料、反応性染料、食品用色素等が使用できる。
【0055】インクの溶媒としては、水、及び水溶性の
各種有機溶剤であるメチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、ジ
メチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン、エチレングリコールメチルエ
ーテル等のエーテル類、ポリエチレングリコール、エチ
レングリコール、プロピレングルコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリ
エタノールアミン等の多価アルコール類等が使用され
る。
【0056】その他の添加剤としては、pH調節剤、金
属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿
潤剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0057】本発明に用いられる支持体としては一般紙
やアート紙、コート紙、不織布等の吸水性支持体や耐水
性支持体が使用されるが、インク受容層の光沢性やぼこ
つき防止からは耐水性支持体が好ましい。耐水性支持体
としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック
樹脂フィルム、及び紙の両面にポリオレフィン樹脂をラ
ミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。本発明に用いら
れる支持体の厚みは、約50〜300μm程度が好まし
い。
【0058】本発明において好ましく用いられる樹脂被
覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いら
れている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真
用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0059】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0060】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0061】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0062】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0063】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0064】本発明のインクジェット用記録材料は、カ
ールや帯電防止として支持体の裏面(インク受容層の反
対面)に裏塗層を設けても良い。裏塗層には無機帯電防
止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ポリマーラ
テックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合
わせて含有せしめることができる。
【0065】本発明において、インク受容層、保護層及
び裏塗層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方
法を用いることができる。例えば、スライドビード方
式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイ
フ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティ
ング方式等がある。
【0066】本発明のインクジェット記録材料は、イン
ク受容層の下方、中間あるいは上方に、支持体との接着
改良やインク受容層の保護のために、下塗り層、中間
層、保護層、膨潤層等を設けてもよい。
【0067】
【実施例】実施例1 以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明
の内容は実施例に限られるものではない。なお、部とは
固形分重量部を意味する。
【0068】支持体として、広葉樹晒クラフトパルプ
(LBKP)50部と広葉樹晒サルファイトパルプ(L
BSP)50部のパルプ配合からなる170g/m2の基
紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリ
エ チレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる
樹脂組成物を、20g/m2、溶融押し出し塗布し、反対
面側に低密度ポリエチレン(50部)と高密度ポリエ
チレン(50部)を25g/m2溶融押し出し塗布してな
る樹脂被覆紙を用意した。
【0069】上記支持体の一方の面(表面)に下記組成
のインク受容層塗液を気相法シリカが固形で20g/m2
になるように塗布、乾燥してインクジェット記録シート
を作成した。
【0070】 <インク受容層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000) カチオン性ポリマー媒染剤 4部 (里田化工社製、ジェットフィックス30) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部 (理研グリーン社製、ピュラケムWT) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) N−メチルチオウレア 4部 両性界面活性剤 0.5部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM) β−ナフチルエチルエーテル 1部
【0071】得られたインクジェット用記録材料を常温
室内で一昼夜放置後以下の方法で評価した。結果を表1
に示す。
【0072】<光沢度>JIS P−8142(紙及び
板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従っ
て測定した。評価は下記の3段階で行った。 ○:60%より大 △:40%〜60% ×:40%未満
【0073】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン社製PM−770C)を用いて、
C,M,Yをそれぞれ100%で印字して、印字直後にPP
C用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写
したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価
した。 ◎:全く転写しない。 ○:やや転写する。 △:転写するが実使用下限。 ×:転写する。
【0074】<高湿保存性>インク吸収性と同様にして
印字した試料を40℃、85%RHの雰囲気で24時間
保存し、下記の基準で評価した。 ○:染料の拡散による印字パターンの広がりが発生しな
い。 △:染料の拡散が若干認められる。 ×:印字パターンの広がりが発生し、実用不可のレベ
ル。
【0075】<耐光性>インク吸収性と同様にして印字
した試料を蛍光灯下で放置し、1ヶ月後の画像濃度の変
化を下記の基準で目視評価した。 ○:僅かに画像退色がやや認められるが問題無いレベル
である。 △:画像の退色が認められるが実使用下限である。 ×:著しい画像の退色が認められる。
【0076】<印字物臭い評価>インク吸収性と同様に
してC,M,Yで100&%印字した試料をプラスチックフ
ィルム製封筒中に密封して50℃の乾燥機中で4時間放
置後、開封して10名が下記の基準で評価し、多数の評
価結果を採用した。 ○:全く異臭が無いか芳香のみが認められる。 △:やや異臭が有る。 ×:異臭が大きく不快となる。
【0077】実施例2〜4 実施例1でインク受容層の香料を表1のように代えた以
外は実施例1と同様にして実施例2〜4のインクジェッ
ト用記録材料を得た。実施例1と同様にして評価した結
果を表1に示す。
【0078】実施例5 実施例1でインク受容層のN−メチルチオウレア4部を
抜いた以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジ
ェット用記録材料を得た。実施例1と同様にして評価し
た結果を表1に示す。
【0079】実施例6 実施例1でインク受容層を下記組成の支持体に近い下
層、及び上層の2層とし、下層の気相法シリカを固形分
14g/m2、上層のアルミナ水和物を固形分6g/m2
なるように塗布した以外は実施例1と同様にして実施例
6のインクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様
に評価した結果を表1に示す。
【0080】 <インク受容層下層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径12nm、BET法による比表面積200m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) カチオン性ポリマー媒染剤 2部 (里田化工社製、ジェットフィックス30) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム 2部 (理研グリーン社製、ピュラケムWT) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 両性界面活性剤 0.3部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM) β−ナフチルエチルエーテル 1部
【0081】 <インク受容層上層塗布液> アルミナ水和物 100部 (擬ベーマイト、平均一次粒径15nm、アスペクト比5の平板状) 硝酸 1部 ほう酸 1部 ポリビニルアルコール 15部 (ケン化度88%、平均重合度3500) N−メチルチオウレア 4部 両性界面活性剤 0.3部 (ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
【0082】実施例7 実施例1でインク受容層上に下記組成の保護層塗布液を
固形分で3g/m2になるように塗布、乾燥した以外は実
施例1と同様にして実施例7のインクジェット用記録材
料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示
す。
【0083】 <保護層塗布液> ポリビニルアルコール 100部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 球状ポリスチレン粒子 1部 (積水化学社製ポリスチレン、SBX−6、平均一次粒径6μm)
【0084】比較例1 実施例1でインク受容層のβ−ナフチルエチルエーテル
を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例1のインク
ジェット用記録材料を得た。実施例1と同様にして評価
した結果を表1に示す。
【0085】比較例1 実施例1でインク受容層のβ−ナフチルエチルエーテル
を抜いた以外は実施例1と同様にして比較例1のインク
ジェット用記録材料を得た。実施例1と同様にして評価
した結果を表1に示す。
【0086】比較例2 実施例1でインク受容層のβ−ナフチルエチルエーテ
ル、カチオン性ポリマー媒染剤、及び塩基性ポリ水酸化
アルミニウム、及びN−メチルチオウレアを抜いた以外
は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット用記
録材料を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表
1に示す。
【0087】比較例3 実施例6でインク受容層下層のβ−ナフチルエチルエー
テルを抜いた以外は実施例6と同様にして比較例2のイ
ンクジェット用記録材料を得た。実施例1と同様にして
評価した結果を表1に示す。
【0088】
【表1】 ─────────────────────────────────── 香料 光沢度 インク 高湿 耐光性 印字物 吸収性 保存性 臭い評価 ─────────────────────────────────── 実施例1 β-ナフチルエチルエーテル ○ ○ ○ ○ ○ 2 シクロヘ゜ンタテ゛カノリト゛ ○ ○ ○ ○ ○ 3 シ゛フェニルエーテル ○ ○ ○ ○ ○ 4 キ゛酸シトロネリル ○ ○ ○ ○ ○ 5 β-ナフチルエチルエーテル ○ ○ ○ △ ○ 6 β-ナフチルエチルエーテル ○ ○ ○ ○ ○ 7 β-ナフチルエチルエーテル ○ ○〜△ ○ ○ ○ 比較例1 無し ○ ○ ○ ○ × 2 無し ○ ○ × × ○ 3 無し ○ ○ ○ ○ × ───────────────────────────────────
【0089】上記結果から明らかなように、本発明の実
施例1〜7のインクジェット用記録材料は良好なインク
吸収性と光沢度を有し、優れた高湿保存性と良好な耐光
性を有する。比較例1は実施例1でβ−ナフチルエチル
エーテルを抜いた場合であり、印字物の臭いで劣り、比
較例2は実施例1でβ−ナフチルエチルエーテル、カチ
オン性ポリマー媒染剤、塩基性ポリ水酸化アルミニウ
ム、及びN−メチルチオウレアを抜いた場合であり、印
字物の臭いは殆ど無いが、高湿保存性、耐光性に劣り、
比較例3は実施例6でβ−ナフチルエチルエーテルを抜
いた場合であり、印字物の臭いで劣った。尚、実施例1
〜7、比較例1〜3のインクジェット用記録材料を常温
室内で1ヶ月放置後、印字して臭い評価を行った結果、
1日放置後の結果と同様であったが、実施例4は○の評
価者数がやや低下した。
【0090】
【発明の効果】上記の結果から明らかなように、本発明
は記録材料に香料を含有させることにより、フォトライ
クな高い光沢を有し、インク吸収性、保存性に優れ、か
つ印字物が芳香を発するインクジェット用記録材料が得
られる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のインク受容
    層を設けたインクジェット用記録材料において、該イン
    クジェット用記録材料を構成する層の少なくとも何れか
    に香料を含有させることを特徴とするインクジェット用
    記録材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット用記録材
    料が主として印字したインク中の有機溶剤により香料が
    溶出して芳香を発生することを特徴とするインクジェッ
    ト用記録材料。
  3. 【請求項3】 前記香料が水に不溶か難溶でジエチレン
    グリコールに溶解する香料である請求項1または2に記
    載のインクジェット用記録材料。
  4. 【請求項4】 前記香料が20℃で固体である請求項3
    に記載のインクジェット用記録材料。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層が無機微粒子、カチオ
    ン性ポリマー、及び親水性バインダーを含有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のイン
    クジェット用記録材料。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層がカチオン性ポリマー
    に加えて水溶性金属塩、含窒素系化合物、及び含硫黄系
    化合物の少なくとも1種を含有していることを特徴とす
    る請求項5に記載のインクジェット用記録材料。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子が気相法により合成され
    たシリカである請求項5または6に記載のインクジェッ
    ト用記録記録材料。
  8. 【請求項8】 前記インク受容層が2層以上であり、支
    持体に近いインク受容層に香料を含有させることを特徴
    とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェッ
    ト用記録材料。
  9. 【請求項9】 前記インク受容層が2層以上であり、支
    持体に近いインク受容層の無機微粒子が気相法シリカで
    あり、支持体から遠いインク受容層の無機微粒子がアル
    ミナ、またはアルミナ水和物であることを特徴とする請
    求項5〜8の何れか1項に記載のインクジェット用記録
    材料。
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