JP2006001080A - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたる画像保存性を有するインクジェット記録媒体、及びこの特性を容易に実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】基材と、該基材上に形成されたインク受容層と、を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を該色材劣化防止材の融点以上の温度で混合した混合液に、少なくとも顔料を添加して得られる塗工液を、前記基材上に塗工することで前記インク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法、及びその方法により製造されたインクジェット記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクを使用した記録に適するインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供するものであり、とりわけ本発明は長期にわたる画像保存性を有するインクジェット記録媒体と、この特性を容易に実現できる製造方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、インク等の記録用の液体(記録液)の微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速低騒音、多色化が容易であり、記録パターンの融通性が大きく、現像が不要であるなどの特徴があり、プリンター単体への展開をはじめとして、複写機、ワープロ、ファクシミリ、プロッター等の情報機器における出力部への展開がさらに行なわれ、急速に普及している。また、近年、高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナー等が安価に提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得た画像情報の出力にインクジェット記録方式を採用したプリンターが極めて好適に用いられるようになってきている。このような背景において、銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色のない画像を、手軽にインクジェット記録方式で出力する事が求められるようになってきた。
このような要求を満たす為に、記録の高速化、高精細化、フルカラー化などプリンター自体の構造や記録方式に関する改良が行なわれてきており、記録媒体の構造や特性に関する改良も盛んに検討されている。
インクジェット記録等に用いられる記録媒体については、従来から多様多種の形態のものが提案されてきた。特に、目的とする特性を実現可能とするインク受容層を基材上に形成した形態の記録媒体が、種々検討されている。
例えば、銀塩系写真に匹敵する画像を提供可能な記録媒体には、優れた染料の発色性、高い表面光沢性、高い解像性を有する画像形成が必要とされる。そのような記録媒体のインク受容層の構成材料としては、例えばアルミナ水和物があげられ、特開平7−232473号公報(特許文献1)、同9−66664号公報(特許文献2)、同9−99627号公報(特許文献3)、及び同11−286171号公報(特許文献4)等に記載がある。
更に、最近になって、記録画像の保存性も要求されるようになってきた。そこで、耐光性、耐ガス性を向上させるために、色材劣化防止材をインク受容層に含ませ、その記録画像の保存性を改良する方法も提案されている。例えば、画像の光に対する保存性を改良する方法として、特公平4−34512号公報(特許文献5)にはヒンダードアミン化合物と酸との塩をインク受容層形成用の塗工液中に添加して得られた記録媒体が、特開平3−13376号公報(特許文献6)には有機溶剤に溶かしたヒンダードアミンとヒンダードフェノールをインク受容層に塗布して得られた記録媒体が開示されている。
特開平7−232473号公報 特開平9−66664号公報 特開平9−99627号公報 特開平11−286171号公報 特公平4−34512号公報 特開平3−13376号公報
これらの色材劣化防止材は非水系の材料が多いため、これらの色材劣化防止材を水系の塗工液に添加して基材に塗工して記録媒体を製造する方法としては、まず色材劣化防止材を水溶化、もしくは乳化によって塗工液中含ませる方法が知られている。しかし、この方法では、酸等でpHを変化させて色材劣化防止材を塩の形にするか、界面活性剤や分散剤を用いて、色材劣化防止材を添加することとなる。そのため色材劣化防止剤を直接その構造のままインク受容層の中に取り込むことができず、その劣化防止効果が低減してしまうことがある。
そこで本発明の目的は、色材劣化防止材の効果を十分に生かし長期にわたる画像保存性を有するインクジェット記録媒体、及びこの特性を容易に実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭利検討を重ねた結果、色材劣化防止材を水溶性バインダーの水溶液中に融点以上の温度で添加することで、色材劣化防止材をその構造を変化させることなく水溶性バインダー中に均一に分散させることができ、それに顔料を加えた塗工液を用いてインク受容層を形成することで、長期にわたって色材劣化防止材の効果を持続できるインクジェット記録媒体が得られることを見出した。
上記の特徴にかかる本発明は以下の態様を含む。
[1]基材と、該基材上に形成されたインク受容層と、を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を該色材劣化防止材の融点以上の温度で混合した混合液に、少なくとも顔料を添加して得られる塗工液を、前記基材上に塗工することで前記インク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
[2]上記[1]に記載の方法により製造されたインクジェット記録媒体。
本発明によれば長期にわたる画像保存性を有するインクジェット記録媒体、及びこの特性を確実に実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明は、基材と、該基材上に形成されたインク受容層と、を有するインクジェット記録媒体の製造方法及びその方法により得られるインクジェット記録媒体であり、インク受容層が、少なくとも、顔料と、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水とを含有する塗工液を基材上に塗工することで得られるものに関する。
顔料としては、染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、及び光沢性の点で、特にアルミナ水和物が好ましいが、下記顔料を使用することもできる。例えば、無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム等、有機顔料としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等である。これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(1)により表されるものを好適に利用できる。
Al23-n(OH)2n・mH2O (1)
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。)
アルミナ水和物は、米国特許第4,242,271号明細書、同4,202,870号明細書に記載されているような、アルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解を行なう方法、又、特公昭57−447605号公報等に記載されているような、アルミン酸ナトリウム等の水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行なう方法、等の公知の方法で製造することができる。
本発明において好適なアルミナ水和物としては、X線回折法による分析でベーマイト構造若しくは非晶質を示すアルミナ水和物であって、特に、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されているアルミナ水和物が挙げられる。
特に、記録媒体表面に光沢性を付与するために、後述するような、リウェット法によりインク受容層を再湿液で湿潤状態にさせてキャスト工程を行なう場合には、配向する傾向の小さい平板状のアルミナ水和物を用いることが好ましい。平板状のアルミナ水和物は、水分の吸収性が良く再湿液が浸透し易いため、インク受容層が膨潤してアルミナ水和物粒子の再配列が起こり易い。従って、高い光沢性を得ることができる。又、効率よく再湿液が浸透するので、キャスト工程時の生産効率も高くなる。
インク受容層における顔料の含有量としては、70〜95質量%とするのが好ましい。95質量%以下とすることで、塗工乾燥時のクラック等を防ぐことができる。
本発明においては、水溶性バインダーとして、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。それ以外に、ポリビニルアルコールの変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等の従来公知の水溶性バインダーを使用することも可能である。これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組合わせる場合、ポリビニルアルコールと他の水溶性バインダーを組合わせることが好ましい。水溶性バインダー中に占めるポリビニルアルコールの量は、70〜100質量%とすることが好ましい。
インク受容層における水溶性バインダーの含有量としては、顔料に対して、5〜20質量%になるようにするのが好ましい。5質量%以上とすることで、塗工乾燥時クラックの発生を回避できる。また、20質量%以下とすることで、インク吸収性の低下を防ぐことができる。
本発明における色材劣化防止材とは、インク受容層中に染料とともに存在した際、ガス及び光などの染料を劣化させる要因より染料を守り、染料の耐候性を向上させる化合物のことを言う。本発明で使用する色材劣化防止材としては、親油性のものが好ましい。一般的な例を挙げると、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、チオウレア系化合物、チウラム系化合物、ホスファイト系化合物などが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。本発明においては、耐光性を低下させることなく、オゾン、NOx、SOx等による色材劣化防止を実現する観点から、ヒンダードアミン系化合物及びチウラム系化合物のいずれかを使用することが好ましい。これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。
インク受容層における色材劣化防止材の好ましい含有量としては、顔料に対して0.5〜12.0質量%の範囲内が好ましい。0.5質量%以上にすることで、充分な褪色抑制効果が得られる。また、12質量%以下とすることで、インク吸収性の低下が起こるのを防ぐことができる。さらに、この範囲の添加量では、特に水溶性バインダーの架橋を阻害することなく、塗工液の濃度アップ、塗工量の増加による急激なゲル化を適度に抑え、クラック防止の効果がある。このことは、ラインスピードを上げることにつながり、生産性の向上に寄与可能である。特に好ましくは、1.5〜6.0質量%である。
本発明では、上記の各成分と、水とを含有する塗工液を、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を色材劣化防止材の融点以上の温度で混合した混合液に、少なくとも顔料を添加することで調製する。少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を混合する温度は、色材劣化防止材の融点+10℃以上の温度であることが好ましく、また、得られる混合液の沸点以下であることが好ましい。
このような方法とすることで、長期にわたって色材劣化防止材の効果を持続できるインクジェット記録媒体が得られることを見出した。また、インク受容層の透明性も高く、得られる画像品質にも優れることを見出した。さらに、生産性の面においても、水溶性バインダーの近傍に色材劣化防止材が配置しており、顔料ゾルの急激なゲル化を抑制することができるため、表面欠陥のない平滑な最表面層が得られやすい。また、耐クラック性が向上し、ラインスピードアップにより生産性の向上も図ることも可能である。
この理由については、以下のように推測する。本発明の方法によれば、色材劣化防止材をその構造を変化させることなく水溶性バインダー中に均一に分散させることができ、色材劣化防止材はその構造のままインク受容層中に存在するため、色材劣化防止効果を充分に発揮できる。したがって、打ち込むインク量に見合う添加量を加えれば良い。また、色材劣化防止材は、微粒となり顔料とともに均一に分散しているため、インク受容層形成時における加熱時に、水溶性バインダーの表面近傍へのマイグレーションに伴なって、色材劣化防止材も同様に移動、表面に配向するために、色材劣化防止材の効果が十分に発揮できる。
塗工液の調製で用いる水は、特に制限はないが、顔料に対するゴミ対策の観点から純水が好ましい。水は、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を色材劣化防止材の融点以上の温度で混合する際に全量使用しても良く、その一部を残して、その後の顔料を添加する際に添加することもできる。
本発明では、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を色材劣化防止材の融点以上の温度で混合することから、色材劣化防止材の融点は100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を混合して得られる混合液の固形分濃度は、5〜10質量%とすることが好ましい。また、塗工液中の色材劣化防止材の固形分濃度は、0.5〜30質量%が塗工し易く好ましい。
上記のようにして調製される塗工液中に、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有させることは、インク受容層の形成上、極めて有効である。この成分は、インク受容層の架橋剤として機能する。この際に用いることのできるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましく、具体的には、例えば、ホウ酸のナトリウム塩(Na247・10H2O、NaBO2・4H2O等)や、カリウム塩(K247・5H2O、KBO2等)等のアルカリ金属塩、ホウ酸のアンモニウム塩(NH449・3H2O、NH4BO2等)、ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
さらに、その他の添加剤として、油溶性バインダー、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤等を、必要に応じて適宜に含有させることができる。
上記のホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上及び/又はその他の添加剤は、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を色材劣化防止材の融点以上の温度で混合する際に添加することもでき、その後に少なくとも顔料を添加する際に添加することもできる。その添加量は、本発明の効果を損なわず、かつ添加する目的とする機能を発揮できる量を適宜選択できる。
本発明では、上記のように調製された塗工液を基材上に塗工することで、基材上にインク受容層を形成して、インクジェット記録媒体とする。
形成されるインク受容層は、高インク吸収性、高定着性等の目的及び効果を達成する上から、その細孔物性が、下記の条件を満足するものであることが好ましい。先ず、インク受容層の細孔容積は、0.1〜1.0cm3/gの範囲内にあることが好ましい。即ち、細孔容積が、上記範囲に満たない場合は、十分なインク吸収性能が得られず、インク吸収性の劣ったインク受容層となる場合があり、インクが溢れ、画像に滲みが発生する恐れがある。一方、上記範囲を超える場合は、インク受容層に、クラックや粉落ちが生じ易くなるという傾向がある。又、インク受容層のBET比表面積は、20〜450m2/gであることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、十分な光沢性が得られないことがあり、又、ヘイズが増加するため(透明性が低下するため)、画像が、「白もや」がかかったようになる恐れがある。更に、この場合には、インク中の染料の吸着性の低下を生じる恐れもあるのであまり好ましくない。一方、上記範囲を超えると、インク受容層にクラックが生じ易くなるのであまり好ましくない。尚、細孔容積、BET比表面積の値は、窒素吸着脱離法により求められる。
又、本発明の製造方法を用いることにより、インク受容層の厚みは従来に比べ自由度が増し、即ち、従来以上に厚くすることが可能となる。高いインク吸収性を考慮して、その乾燥塗工量は30g/m2以上であることが好ましく、また、50g/m2以下とすることが好ましい。30g/m2未満の場合は、特に、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクに、ブラックインクの他、複数の淡色インクが加えられているようなプリンターに用いた場合に、十分なインク吸収性が得られず、即ち、インク溢れが生じ、ブリーディングとなる場合が発生したり、基材にまでインク染料が拡散し、印字濃度が低下する場合がある。一方、50g/m2を超える場合には、クラックの発生を抑え切れないことが生じる恐れがある。更には、30g/m2以上であると、高温高湿環境下においても十分なインク吸収性を示すインク受容層が得られるので好ましく、乾燥塗工量を50g/m2以下とすると、インク受容層の塗工ムラが更に生じにくくなり、安定した厚みのインク受容層を製造できるので好ましい。
塗工液の塗工は、前記したような適正塗工量が得られるように、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を適宜選択して用い、オンマシン、オフマシンで塗工される。塗工時に、塗工液の粘度調整等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温することも可能である。
塗工後に必要に応じて乾燥し、インク受容層とする。乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜選択して用いることができる。
本発明で用いる基材としては、特に限定されず、例えば、適当なサイジングを施した紙、無サイズ紙などの主に木材パルプと填料からなる繊維状基体を少なくとも有する構造のもの及びポリエチレンフィルム等の各種プラスチックフィルムなどを使用できるが、後述する表面処理が可能なものであることが好ましい。また、記録媒体の表面に後述するキャスト工程を施し光沢面を形成する場合等は、水や溶剤成分が基材裏面から蒸発しやすいので、繊維状の材料で形成された基材が好ましい。特に繊維状の紙で形成された基材(特に紙基材と呼ぶ)が好ましい。紙基材には、澱粉、ポリビニルアルコール等を用いてサイズプレスを施したものや、原紙上にコート層を設けた、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙等も含まれる。
特に紙基材を用いる場合、後述するような記録媒体の表面にキャスト工程を施して光沢面を形成する際に、紙基材(原紙)のセルロースパルプ繊維や地合いが完全に覆われるような厚みのコート層がインク受容層の下塗り層として設けられていることが好ましい。下塗り層がない場合、インク受容層の塗工時にその繊維や地合いに起因する塗りムラ(スジ状欠陥等)が生じ易く、インク受容層の内部、またはインク受容層表面近傍若しくは表面にセルロースパルプ繊維が存在していることになるので、記録媒体の表面にキャスト処理を施したとしても、良好且つ均質なキャスト面、即ち、写真調の高光沢面を得ることが困難となる場合がある。紙基材のセルロースパルプ繊維を覆うためには、下塗り層の乾燥塗工量は10g/m2以上、更には15g/m2以上であることが好ましい。乾燥塗工量が10g/m2未満では基材のセルロースパルプ繊維や地合いを完全に覆うことが困難となり、光沢性に影響する場合がある。紙基材のセルロースパルプ繊維を覆っていれば、下塗り層の乾燥塗工量が多すぎても効果は変わらないため、30g/m2以下とすることが好ましい。
下塗り層は、例えば、従来公知の顔料と従来公知のバインダーとを含む塗工液によって形成できる。このときのバインダーの使用量は、顔料に対して10〜30質量%とすることができる。下塗り層は、インク受容性を有するものとすることが好ましい。下塗り層は、基材の少なくとも1方の面に1層以上設けることができる。記録媒体の環境カールの安定性を考慮すると、下塗り層は、基材の表裏両面に設けることが好ましい。本発明で用いる基材には、上記下塗り層を設けた紙基材も含まれる。下塗り層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤等を、必要に応じて適宜に含有させることができる。
後述するキャスト工程における基材裏面からの水や溶剤成分の蒸発のしやすさ、後述する表面処理工程における基材へ塗工する処理液の塗工性(濡れ性)、基材上に形成するインク受容層形成用の塗工液の塗工性等を考慮すると、基材の透気度(JIS P 8117)が1,500〜5,000秒となるようにすることが好ましい。透気度が上記範囲に満たない場合は、基材の緻密性が低いので、後述する表面処理工程での処理液の浸透が高く、その成分すべてが有効に働かない場合が生じる。或いは、より多くの処理液を塗布する必要が生じる。一方、基材の透気度が上記範囲を超える場合は、後述する表面処理工程で塗工する処理液の浸透性が低く、インク受容層形成用の塗工液をその上に塗工した際に、インク受容層形成用の塗工液が表面処理に用いた処理液の溢れにより浮動したり、形成したインク受容層にわずかではあるがクラックが入る場合がある。更に、キャスト工程時に、基材裏面からの水や溶剤成分の蒸発しにくくなり、良好な光沢面が得られなくなる場合がある。
同様な理由から、基材は、ステキヒトサイズ度100〜400秒、ベック平滑度100〜500秒とすることが好適である。また銀塩写真同様の質感、高級感のある記録媒体を得るためには、基材の坪量としては160〜230g/m2、ガーレー剛度(J. Tappi No.40、縦目)が7〜15mNになるようにすることが好ましい。
本発明の製造方法は、基材のインク受容層を形成する側の表面に対して、表面処理を行なう工程を有することが好ましい。表面処理は、例えば、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上を含有する処理液、より具体的には、ホウ砂の5質量%水溶液を使用することが好ましい。表面処理工程で用いる処理液は、例えば、固形分換算で0.05g/m2以上2.0g/m2以下の乾燥塗工量となるように塗工するのが好ましい。なお、上記範囲に満たない場合は、処理液の粘性が低すぎて液流れが多くなる傾向がみられ、又、上記範囲を超える場合は、キャスト工程において、点状の表面(キャスト面)欠陥が生じ易くなり、均質で良好な光沢面を得られない場合がある。基材への処理液の浸透具合とインク受容層のクラックの発生状況によっては、表面処理工程を2回行ってもよい。
上記の表面処理工程を行う場合、処理液の塗工後、基材表面がある程度の湿潤状態(塗布液状態や増粘状態でも良い)を保っている間に、次のインク受容層を形成するための塗工液を塗工することが好ましい。
また、本発明の製造方法において、上記のようにしてインク受容層を形成した後、キャスト工程を施し、インク受容層の表面に光沢面を形成することができる。その製造方法について説明する。キャスト工程とは、湿潤状態、又は可塑性を有している状態にあるインク受容層を、加熱された鏡面状のドラム(キャストドラム)面に圧着し、圧着した状態で乾燥し、その鏡面をインク受容層表面に写し取る方法であり、代表的な方法として、直接法、リウェット法(間接法)、凝固法の3つの方法がある。これらのキャスト法は何れも利用できるが、先に述べたように、本発明においては記録媒体のインク受容層に含まれる顔料としてアルミナ水和物を用いることが好ましく、この場合には、特にリウェットキャスト法を用いることによって高光沢性が得られるので、より好ましい。
本発明にかかる記録媒体の製造方法においては、更に、基材裏面(インク受容層を形成する側と反対側の面)に裏面層の形成工程を加え、裏面層を有する記録媒体を製造してもよい。裏面層を形成することは、印字前や印字後において生じるカール低減のためには有効である。カール発生の抑制効果を考慮すると、吸湿した時に基材表裏面同様の収縮を生じるようにすることが好ましく、裏面層は表面層の形成に使用した材料と同系統の顔料やバインダーを用いることが好ましい。特に、厚めの層であるインク受容層の形成材料と同系統の、顔料やバインダーを用いることがより好ましい。裏面層の形成は、表面処理の前後、インク受容層形成後、キャスト工程後のいずれでも行なうことができる。
更に、本発明にかかる記録媒体を製造する場合には、必要に応じて、上記裏面層と基材との間に、前記した下塗り層のような別層を設けてもよい。この場合には、裏面側にも光沢面を形成することも可能となり、表裏両面に光沢面を有する記録媒体を得ることができる。又、裏面層及び/又は上記の別層に印字性能を付与すれば両面印字も可能となる。
また、裏面層を設ける際、インク受容層同様クラックを抑制するために基材に裏面側に対して、上記と同様の表面処理を行い、基材が湿潤状態を維持している間に裏面層用塗工液の塗工を行い、乾燥することを行っても良い。但し、表面クラック発生の状況によっては、表面処理を2回以上に分けて行ってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
先ず、本発明において使用した各種の物性値の測定方法や、評価方法について説明する。
<ステキヒトサイズ度>
記録媒体をA4サイズに断裁し、その5枚をそれぞれ、気温23℃及び湿度50%の条件下に2時間以上放置し、その後、JIS P8122に準拠して、各1枚毎にステキヒトサイズ度の測定を行い、5枚の平均値として求めた。
<透気度>
上記のステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、JIS P8177に準じて各1枚毎に測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<ベック平滑度>
上記のステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、JIS P8119に準じて各1枚毎に測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<ガーレー剛度>
上記ステキヒトサイズ度の測定の場合と同様の状態に放置した後、J. Tappi No.40に準じて各1枚毎に縦目方向の測定を行い、5枚の値の平均値として求めた。
<BET比表面積、細孔容積>
アルミナ水和物を十分に加熱脱気してから、窒素吸着脱離法を用いた装置(カンタクローム社製、商品名:オートソーブ1)で測定した。BET比表面積の計算は、Brunauerらの方法を用いた(J.Am.Chem.Soc.,60巻,309,1938年参照)。細孔容積の計算は、Barrettらの方法を用いた(J.Am.Chem.Soc.,73巻,373,1951年参照)。
<光沢度>
JIS Z8741に準じて、光沢度計(商品名:VG2000、日本電色工業(株)製)を用いて、20度の鏡面光沢度を測定した。
<画像堅牢性(耐オゾン性)>
記録物の作成:インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS 950i、キヤノン製)を用いて、上記の各記録媒体の記録面にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、の100%Dutyのベタバッチを印字し、以下のオゾン試験に用いることとした。
(オゾン試験)
上記で作成した画像を、オゾン曝露試験機(スガ試験機社製)を用いて、耐ガス暴露試験を行なった。
・試験条件
オゾン濃度:2.0ppm
試験時間:1.5時間
試験層内温湿度条件:23℃、60%RH
上記の記録物の試験前の画像濃度と試験後の画像濃度とを分光光度計・スペクトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式より濃度残存率を求めた。
濃度残率(%)=試験後の画像濃度/試験前の画像濃度×100
耐オゾン性評価は、オゾン暴露試験後の画像濃度残存率(%)と目視判定により以下の基準で評価した。結果は表1示した。
3:Bk濃度残存率80%以上であるもの。
2:Bk濃度残存率70%以上80%未満であるもの。
1:Bk濃度残存率70%未満であるもの。
<クラックの発生>
記録媒体をA4サイズに断裁し、目視によって5枚観察し、5段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
5:クラックの発生が全く見られず良好。
4:微細なクラックの発生が少し観察される。
3:微細なクラックの発生が、評価4の場合よりも多く観察される。
2:微細なクラックの発生が、評価3の場合よりも多く観察され、大きめのクラックの発生も観察される。
1:多数のクラックの発生があり不良。
<インク吸収性>
PIXUS950i(商品名、キヤノン社製)を用いて、単色であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの3cm四方の各100%印字部と、2次色であるレッド(イエロー100%とマゼンタ100%の2次色)、ブルー(マゼンタ100%とシアン100%の2次色)、グリーン(イエロー100%とシアン100%の2次色)の3cm四方の各100%印字部とをそれぞれ印刷した。そして、印字部の目視による観察及び触指により、4段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
4:印字直後、単色画像及び2次色画像の全てにおいてインクが指に付着しない。
3:印字直後、2次色画像で極僅かなインク溢れがあるが短時間で吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいてインクが指に付着しない。
2:印字直後、2次色画像で僅かなインク溢れがあり、評価3の場合よりも時間はかかるものの吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいて、インクが指に付着しない。
1:印字直後、単色画像のいずれかにおいてインクが指に付着する。
[実施例1]
先ず、下記のようにして基材を作製した。濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、濾水度480mlCSFの針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部からなるパルプスラリーに、カチオン化澱粉0.60質量部、重質炭酸カルシウム10質量部、軽質炭酸カルシウム15質量部、アルキルケテンダイマー0.10質量部、カチオン性ポリアクリルアミド0.03質量部を外添して紙料を調製後、長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行って、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で、酸化澱粉水溶液を固形分で1.0g/m2となるように含浸し、乾燥後、マシンカレンダー仕上げをし(線圧150kgf/cm)、坪量155g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基材を得た。
次に、上記で得た基材上に、下塗り層を形成した。先ず、下塗り層の形成に使用する塗工液として、カオリン(商品名:ウルトラホワイト90、Engelhard社製)/酸化亜鉛/水酸化アルミニウムの質量比65/10/25からなる填量100質量部と、市販のポリアクリル酸系分散剤(日本純薬社製、商品名:ジュリマーAC−103)0.1質量部とからなる固形分濃度70質量%のスラリーに、市販のスチレン−ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製、商品名:Nipol LX407S)7質量部を添加して、固形分60質量%になるように調整して組成物を得た。次に、この組成物を、乾燥塗工量が15g/m2になるようにブレードコーターで基材の両面に塗工し、乾燥した。その後、マシンカレンダー仕上げをし(線圧150kgf/cm)、坪量185g/m2、ステキヒトサイズ度300秒、透気度3,000秒、ベック平滑度200秒、ガーレー剛度11.5mNの下塗り層付き基材を得た。下塗り層付き基材の白色度は、断裁されたA4サイズ5枚のサンプルに対して各々測定し、その平均値として求めた。その結果、L*:95、a*:0、b*:−2であった(JIS Z 8729の色相として求めた)。
上記で得た下塗り層に対して、下記の表面処理を行なった。先ず、30℃に加温した5質量%のホウ砂水溶液をエアーナイフコーターでウェットの塗工量12g/m2(乾燥させた場合の塗工量は0.6g/m2である)になるよう、毎分30mで塗工した。そして、ホウ砂水溶液が下塗り層に含浸されてすぐに、下塗り層上にインク受容層を形成した。その際の、インク受容層の形成に用いた塗工液及び塗工方法等は、以下の通りである。
アルミナ水和物AとしてDisperal HP13(商品名、サソール社製)を水に固形分が5質量%になるように分散させ、次いで、これに塩酸を加え、pH値を4に調整してしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で4時間保持した。そして、この温度を保持したまま苛性ソーダによりpH値を10に調整し、10時間攪拌を行ない、その後、分散液の温度を室温に戻し、酢酸によりpH値を7〜8に調整した。更に脱塩処理を行い、続いて酢酸を添加して解膠処理して、コロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを乾燥して得られたアルミナ水和物BをX線回折により測定したところ、ベーマイト構造を示すもの(擬ベーマイト)であった。又、この時のBET比表面積は143g/m2、細孔容積は0.8cm3/gであり、電子顕微鏡での観察では、平板状であった。
一方、ポリビニルアルコールPVA117(商品名、クラレ(株)製)を水に溶解して、固形分9質量%の水溶液を得た。この水溶液を65℃以上に保ち、その中へ、後に添加するアルミナ水和物Bのコロイダルゾル固形分100質量部に対して0.5質量部となるように色材劣化防止剤(ヒンダードアミン系化合物、商品名:アデカスタブLA52、旭電化工業(株)製、融点65℃)を添加し、スリーワンモーターにて2000rpmで25分間撹拌分散させた。そして、上記で調製したアルミナ水和物Bのコロイダルゾルを濃縮して22.5質量%の分散液を作製し、そこに3質量%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物Bの固形分に対してホウ酸固形分換算で0.50質量%になるように添加した。得られたホウ酸含有アルミナ水和物分散液と、先に調製した色材劣化防止剤含有ポリビニルアルコール水溶液を、スタティックミキサでアルミナ水和物固形分と、ポリビニルアルコール固形分の質量比が100:8になるように混合し、その直後に、これをインク受容層用の塗工液とし、これをダイコータで乾燥塗工量で35g/m2になるように毎分30mで塗工した。そして、170℃で乾燥してインク受容層を形成した。
次に、基材のインク受容層を設けた面とは反対側の面の下塗り層上に、以下のようにして裏面層を形成した。アルミナ水和物としてDisperal HP13/2(商品名、サソール社製)を水に固形分が18質量%になるように分散させ、その後、遠心分離処理を施した。この分散液と、インク受容層の形成に用いたポリビニルアルコール水溶液とをスタティックミキサで、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形分の比が100:9になるように混合後、すぐにダイコータで乾燥塗工量が23g/m2になるように毎分35mで塗工した。そして、170℃で乾燥し、裏面層を形成し、記録媒体を得た。
[実施例2]
色材劣化防止剤としてチウラム系化合物ノクセラーTET−G(商品名、大内新興化学社製、融点66℃)用い、添加時の温度を100℃とした以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体を得た。
[実施例3]
色材劣化防止材の添加量をアルミナ水和物Bのコロイダルゾル固形分100質量部に対して12.0質量部とした以外は、実施例2と同様の方法で記録媒体を得た。
[実施例4]
実施例3と同様の方法で記録媒体を作製し、そのインク受容層表面に、下記のようにして光沢面をリウェットキャスト法で形成した。先ず、再湿液としての水を、原反に均一に付与してインク受容層を湿潤させ、この湿潤状態のまま、100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着させて毎分30mで乾燥を行い、記録媒体を得た。
[実施例5]
インク受容層の乾燥塗工量を25g/m2に変えた以外は実施例3と同様の方法で記録媒体を得た。
[実施例6]
インク受容層の乾燥塗工量を50g/m2に変えた以外は実施例3と同様の方法で記録媒体を得た。
[比較例1]
色材劣化防止材を使用しないこと以外は実施例1と同様の方法で記録媒体を得た。
[比較例2]
ヒンダードアミン系化合物アデカスタブLA−52(商品名:旭電化工業(株)製)100質量部を、その塩基量に対して1.05倍当量の一価の硝酸30.7質量部とイオン交換水200.3質量部とを混合したものに添加して、ヒンダードアミン系化合物の量が全体の30質量%(ヒンダードアミン系化合物固形分換算)になるようしてヒンダードアミン化合物酸処理液を調製した。色材劣化防止成分の代わりに、上記のヒンダードアミン化合物酸処理液をアルミナ水和物Bのコロイダルゾル固形分100質量部に対して4質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法で記録媒体を得た。
[比較例3]
アデカスタブLA52(商品名:旭電化工業(株)製)を融点以下の温度である30℃で混合した以外は実施例1と同様の方法で塗工液の作製を行なったが、色材劣化防止剤が相分離を起こして均一な塗工液を得られず記録媒体の作製にいたらなかった。
Figure 2006001080

Claims (7)

  1. 基材と、該基材上に形成されたインク受容層と、を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、少なくとも、色材劣化防止材と、水溶性バインダーと、水と、を該色材劣化防止材の融点以上の温度で混合した混合液に、少なくとも顔料を添加して得られる塗工液を、前記基材上に塗工することで前記インク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  2. 前記色材劣化防止材の融点が100℃以下である請求項1に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  3. 前記色材劣化防止材として、ヒンダードアミン系化合物及びチウラム系化合物のいずれかを含む請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  4. 前記インク受容層の形成後に、該インク受容層の表面をキャスト加工する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  5. 前記インク受容層の乾燥塗工量を30〜50g/m2とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造されたインクジェット記録媒体。
  7. 前記インク受容層中に含まれる前記色材劣化防止材が、前記顔料100質量部に対して0.5〜12.0質量部である請求項6に記載のインクジェット記録媒体。
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