JP2006205445A - インクジェット用記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット記録後の画像保存特性を長期に渡って確実に実現できる、特に基材が非吸水性支持体であるインクジェット用記録媒体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基材が非吸水性支持体であり、該基材上にインクの色材を保持するための顔料、バインダーおよび色材劣化防止剤を含むインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録媒体の製造方法において、該インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設する工程を有すること。
【選択図】 図3
【解決手段】 基材が非吸水性支持体であり、該基材上にインクの色材を保持するための顔料、バインダーおよび色材劣化防止剤を含むインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録媒体の製造方法において、該インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設する工程を有すること。
【選択図】 図3
Description
本発明は、水性インクを使用した記録に好適なインクジェット用記録媒体の製造方法を提供するものであり。特に、基材が非吸水性支持体であって、インクジェット記録後の画像保存特性を長期に渡って確実に実現できるインクジェット用記録媒体の製造方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、インク等の記録用の液体(記録液)の微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速低騒音、多色化が容易であり、記録パターンの融通性が大きく、現像が不要であるなどの特徴があり、プリンター単体への展開をはじめとして、複写機、ワープロ、ファクシミリ、プロッター等の情報機器における出力部への展開がさらに行なわれ、急速に普及している。また、近年、高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナー等が安価に提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得た画像情報の出力にインクジェット記録方式を採用したプリンターが極めて好適に用いられるようになってきている。このような背景において、銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色のない画像を、手軽にインクジェット記録方式で出力する事が求められるようになってきた。このような要求を満たす為に、記録の高速化、高精細化、フルカラー化などプリンター自体の構造や記録方式に関する改良が行なわれてきており、これまで盛んに記録媒体の構造や特性に関する改良が検討されてきている。
このような高速、高精細なインクジェット記録を可能とするために、従来から多様多種の形態のインクジェット用記録媒体が提案されてきた。
銀塩系写真に匹敵する記録媒体には、優れた染料の発色性、高い表面光沢性、高い解像性を有する画像形成が必要とされる。銀塩系写真と遜色のない画像を提供可能である記録媒体のインク受容層の構成材料として、例えばアルミナ水和物があげられ、特開平7−232475号公報(特許文献1)、等に記載がある。
更に、最近になって、記録画像の保存性も要求されるようになってきた。耐光性、耐ガス性を向上するために色材劣化防止剤を含みその記録画像の保存性を改良する方法も提案されている。
例えば、得られた画像が温度や湿度によって色材が移動することによって画像がにじんでしまうマイグレーション現象を解決するためにカチオン化合物を含む記録シートが提案されている。また画像の光に対する保存性を改良する方法として特公平4−34512号公報(特許文献2)にはヒンダードアミン化合物を酸の塩として塗工液中に添加した記録媒体が、特開平3−13376号公報(特許文献3)には有機溶剤に溶かしヒンダードアミンとヒンダードフェノールを塗布した記録媒体が開示されている。たしかにこれらのような色材劣化防止材を含む記録媒体は耐ガス性や耐光性に関してある程度の効果を示すが、長期にわたる画像保存性に関しては、まだ満足できるレベルにない場合が多い。
特開平7−232475号公報
特公平4−34512号公報
特開平3−13376号公報
長期にわたる画像保存性を求めるためには以下の課題を解決する必要がある。従来知られている方法としては、まず色材劣化防止剤を水溶化、もしくは乳化によって塗工液中含ませる方法がある。この方法では色材劣化防止剤はインク受容層中に均一に分散されるため、記録後染料の近傍に存在しない色材劣化防止材も多く、これらは耐ガス性や耐光性向上に関与せず、色材劣化防止剤の効果が十分に活用できない場合がある。また有機溶剤に溶解した色材劣化防止剤を記録媒体に塗布する方法に於いても色材劣化防止剤はインク受容層中均一に分散されるか、もしくはインク受容層の下部に多く存在するか基材にまで吸収されてしまうため、これらの色材劣化防止剤も耐ガス性や耐光性向上に関与しないため、その効果が十分に発揮されない。つまり従来の方法の欠点は図1、2に示すようにインク受容層中に色材劣化防止材が均一に分散あるいは、基材にまで浸透するため、染料の浸透しない深さにある色材劣化防止剤はその効果が十分に発揮しないことである。
そこで本発明の目的は、色材劣化防止剤の効果を十分に生かし長期にわたる画像保存性を有する記録媒体を提供することと、この特性を確実に実現できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭利検討を重ねた結果、インク受容層中色材劣化防止材が均一に分布しているのではなく、インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設することによりインクジェット記録後の画像保存特性を長期に渡って確実に実現できることを見出し、該インク受容層の塗設工程として、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液の濃度分布形成をインク受容層内において補助する液体の塗工を色材劣化防止剤塗工液の塗工に先んじて行い、その後の乾燥工程において前記液体のインク受容層内からの離脱によりインク受容層の塗設を完了するという製造方法を見出し、本発明のインクジェット用記録媒体の製造方法完成に至った。
図3に示すように色材劣化防止剤がインク受容層内でインク受容層の記録面側多く存在している場合、この記録媒体にインクが印字された際、染料の近傍に色材劣化防止剤が多く存在するため、均一に分布した時に比べ色材劣化防止材の効果が十分に発揮できるものと推測する。
ここでの色材劣化防止剤の濃度分布は以下のように測定される。インク用被記録媒体の断面をFT−IRの顕微透過測定によりライン分析を行い、色材劣化防止剤を確定できる1つ又は複数の吸収波長の吸光度を後述するように深さ方向に1μmづつずらし測定し求めた。得れた吸光度変化より濃度分布を求めた。本発明は次のような製造方法で製造することができる。インク受容層が少なくともインクの色材を保持するための顔料と、該顔料のバインダーと、を含んでいるインク受容層を有し、インク受容層はレジンコート紙やPETフィルムなどの非吸水性支持体上に設けあり、このインク受容層に対して水、有機溶剤などの色材劣化防止剤の含まない湿し溶液を塗工し、湿らせた状態のうちに、色材劣化防止剤を塗工し、即時乾燥することで上記インク受容層の記録面側に多く存在する濃度分布を持つインク用被記録媒体は容易に製造することができる。このように濃度分布持つ理由を本発明者らは以下のように推測する。
インク受容層が色材劣化防止剤の含まない塗工液(湿し塗工液)で湿らせた記録媒体に色材劣化防止剤を含む塗工液を塗工すると、基材が非吸水性であるため色材劣化防止剤を含む塗工液は湿し溶液の存在により浸透しきれず記録面側に多く存在する。この状態のうちに色材劣化防止剤を溶解している溶媒および湿し塗工液を乾燥させることによってインク受容層の記録面側に多く存在する濃度分布を持たすことことができる。この色材劣化防止剤塗工液が浸透しきらない状態のうちに色材劣化防止剤を溶解している溶媒を乾燥させると、色材劣化防止剤は蒸発する溶媒にともなって引き上げられ、記録面側に集まる。よってインク受容層の記録面側に多く存在する濃度分布を持たすことことができるものと思われる。よって本目的を達成するために次の二点が重要な役割を果たす。まず1点は湿し溶液によって色材劣化防止剤の浸透性を抑えること。次に色材劣化防止剤を塗工後、色材劣化防止剤が浸透しきらないだけの短時間の内に乾燥工程に移ることが重要となる。
上記の特徴にかかる本発明のインクジェット記録用記録媒体の製造方法は以下の態様を含む。
基材が非吸水性支持体であり、該基材上にインクの色材を保持するための顔料、バインダーおよび色材劣化防止剤を含むインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録媒体の製造方法において、
(1)インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設する工程を有すること特徴とする。
(2)インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液の濃度分布形成をインク受容層内において補助する塗工液の塗工を色材劣化防止剤塗工液の塗工に先んじて行い、その後の乾燥工程において前記液体のインク受容層内からの離脱によりインク受容層の塗設が完了するものであることを特徴とする。
(3)該インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含まないインク受容層を形成する工程、湿し塗工液を塗工することにより該インク受容層に湿潤状態を形成する工程、その後、前記湿潤状態にあるうちにインク受容層の記録面側から、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液を塗工する工程、その後のインク受容層の乾燥工程とを有することを特徴とする。
(1)インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設する工程を有すること特徴とする。
(2)インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液の濃度分布形成をインク受容層内において補助する塗工液の塗工を色材劣化防止剤塗工液の塗工に先んじて行い、その後の乾燥工程において前記液体のインク受容層内からの離脱によりインク受容層の塗設が完了するものであることを特徴とする。
(3)該インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含まないインク受容層を形成する工程、湿し塗工液を塗工することにより該インク受容層に湿潤状態を形成する工程、その後、前記湿潤状態にあるうちにインク受容層の記録面側から、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液を塗工する工程、その後のインク受容層の乾燥工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば基材が非吸水性支持体のインクジェット記録用記録媒体において長期にわたる画像保存特性を確実に実現できる製造方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の被記録媒体の好ましい製造工程を図4示す。本工程は4つの工程からなり、インク受容層を形成する工程の後に、湿し溶液の塗工工程と色材劣化防止剤の外添工程および乾燥工程の3つの連続した工程を含むものである。
本発明で用いる基材について説明する。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるインク受容層を設ける支持体は、プラスチックフィルム、基紙の少なくとも片面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙である。
本発明で用いるプラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂である、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等、熱硬化性樹脂である、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等から製造されたフィルムが使用される。本発明で用いる一般的なフィルムの厚さは50〜250μmである。
本発明で用いる樹脂被覆紙の基紙は、特に限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。また、本発明では基紙の厚みは50μm以上である。50μmより薄いと引っ張りや引き裂きに対する強度が弱くなり、質感も低下する。上限は特に無いが、好ましくは300μm以下である。300μmより厚くなると記録材料の取り扱い上不便になり、コストも高くなる。紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を付加して圧縮するなどの表面処理をした表面平滑性の良いものが好ましいが、基紙の密度が1.2g/cm3より高くなるとクッション性が低下する他、腰が弱くなるので搬送性が問題となりやすい。逆に低すぎると表面平滑性が低いので下限は0.6g/cm3以上であり、好ましくは0.7g/cm3以上である。
本発明では樹脂被覆層の厚さは一般的には5〜40μm、好ましくは8〜35μmである。基本的には基紙の厚さに関係するカール性から適時決定されるが、薄すぎると樹脂面からの水やガス浸透性の増大、折り曲げによるインク受容層のひび割れが発生しやすい。厚すぎるとカール性が悪化し、取り扱いにくくなる。
本発明で用いるインク受容層の形成材料について説明する。インク受容層は、顔料と、バインダーとを含む塗工液を塗工することで形成できる。顔料としては、染料定着性、透明性、印字濃度、発色性、及び光沢性の点で、特にアルミナ水和物および合成シリカ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質シリカ、気相法非晶質シリカ)などを主成分として含有させることが好ましいが、下記顔料を使用することもできる。例えば、無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム等、有機顔料としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等である。これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(1)により表されるものを好適に利用できる。
Al2O3-n(OH)2n・mH2O
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。)
アルミナ水和物は一般的には、米国特許第4,242,271号明細書、同4,202,870号明細書に記載されているような、アルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解を行なう方法、又、特公昭57−447605号公報等に記載されている、アルミン酸ナトリウム等の水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行なう方法、等の公知の方法で製造することができる。本発明において好適なアルミナ水和物としては、X線回折法による分析でベーマイト構造若しくは非晶質を示すアルミナ水和物であって、特に、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されているアルミナ水和物が挙げられる。
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。又、この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがあり得る。)
アルミナ水和物は一般的には、米国特許第4,242,271号明細書、同4,202,870号明細書に記載されているような、アルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解を行なう方法、又、特公昭57−447605号公報等に記載されている、アルミン酸ナトリウム等の水溶液に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶液を加えて中和を行なう方法、等の公知の方法で製造することができる。本発明において好適なアルミナ水和物としては、X線回折法による分析でベーマイト構造若しくは非晶質を示すアルミナ水和物であって、特に、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報等に記載されているアルミナ水和物が挙げられる。
本発明で用いられる合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためにバインダーを有しているが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーは、公知のものが使用され、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
また、親水性バインダー以外のポリマーラテックス等も併用することができるが、親水性バインダーに対して20重量%以下であることが好ましい。親水性バインダーの量としては、顔料に対して、5〜20質量%になるようにするのが好ましい。
以上のように形成されるインク受容層は、高インク吸収性、高定着性等の目的及び効果を達成する上から、その細孔物性が、下記の条件を満足するものであることが好ましい。先ず、インク受容層の細孔容積は、0.1〜1.0cm3/gの範囲内にあることが好ましい。即ち、細孔容積が、上記範囲に満たない場合は、十分なインク吸収性能が得られず、インク吸収性の劣ったインク受容層となり、場合によっては、インクが溢れ、画像に滲みが発生する恐れがある。一方、上記範囲を超える場合は、インク受容層に、クラックや粉落ちが生じ易くなるという傾向がある。又、インク受容層のBET比表面積は、20〜450m2/gであることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、十分な光沢性が得られないことがあり、又、ヘイズが増加するため(透明性が低下するため)、画像が、「白もや」がかかったようになる恐れがある。更に、この場合には、インク中に含有する染料の吸着性低下を生じる恐れもあるので好ましくない。一方、上記範囲を超えると、インク受容層にクラックが生じ易くなるので好ましくない。尚、細孔容積、BET比表面積の値は、窒素吸着脱離法により求められる。
又、インク受容層を形成する場合、本発明の製造方法を用いることにより、インク受容層の厚みは従来に比べ自由度が増し、即ち、従来以上に厚くすることが可能となる。高いインク吸収性を考慮して、その乾燥塗工量は30g/m2以上であることが好ましく、その上限は50g/m2となるようにすることがより好ましい。30g/m2未満の場合は、特に、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクに、ブラックインクの他、複数の淡色インクが加えられているようなプリンターに用いた場合に、十分なインク吸収性が得られず、即ち、インク溢れが生じ、ブリーディングとなる場合が発生したり、基材にまでインク染料が拡散し、印字濃度が低下する場合がある。一方、50g/m2を超える場合には、クラックの発生を抑え切れないことが生じる恐れがある。更には、30g/m2以上であると、高温高湿環境下においても十分なインク吸収性を示すインク受容層が得られるので好ましく、乾燥塗工量を50g/m2以下とすると、インク受容層の塗工ムラが更に生じにくくなり、安定した厚みのインク受容層を製造でき、より好ましい。
上記で説明したインク受容層における各塗工液の塗工は、前記したような適正塗工量が得られるように、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を適宜選択して用い、オンマシン、オフマシンで塗工される。塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温することも可能である。
塗工後の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜選択して用いることができる。
次に湿し溶液塗工方法に関わる実施態様について説明する。
以下に本発明における湿し溶液について説明する。本発明における湿し溶液は揮発性の溶媒であれば良い。水、有機溶剤など特に限定されるものではないが、好ましい形態としては湿し溶液は色材劣化防止剤を溶解し難いものが良い。また、色材劣化防止剤塗工液の調製に用いる溶剤よりも沸点の高い溶液が良い。この様な形態をとることにより、色材劣化防止剤塗工液を塗工しても、色材劣化防止剤および色材劣化防止剤塗工液は湿し溶剤とは混ざらないため、インク受容層への浸透は遅くなり、かつ色材劣化防止剤を溶解している溶液から先に乾燥していくため、色材劣化防止剤を記録面側に多く存在させることが可能となる。
本発明において、上記の湿し溶液を被記録媒体に塗工する方法としては、仕上げ後の被記録媒体の外観上からヒンダードアミンの塗工方式は受容層面に対して非接触の塗工方法が好ましく、ダイコーター、エアナイフコーター、スプレー等が挙げれるが特に限定されるものではなく、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーターなど接触式の塗工方法も使用することができる。
上記のインク受容層における、湿し溶液の好ましい塗工量としては、インク受容層の細孔容積に対して50〜100%の範囲内が好ましい。上記の下限以下にすると、十分な濃度分布が得られない場合があり。また、上記の上限以上とすると、色材劣化防止剤の外添の妨げとなり、塗工量のコントロールが難しくなる。
次に色材劣化防止材の外添方法に関わる実施態様について説明する。
以下に、本発明における色材劣化防止材について説明する。本発明における色材劣化防止材とはインク受容層中に染料とともに存在したさい、ガス及び光などの染料を劣化させる要因より染料を守り、染料の耐候性を向上させる化合物のことを言う。一般的な例を挙げると、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、チオウレア系化合物、チウラム系化合物、ホスファイト系化合物などが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。
本発明における色材劣化防止剤を溶解する有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等のエーテル類、イソプロパノール、メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
本発明において、上記の色材劣化防止材を被記録媒体に外添する方法としては、色材劣化防止剤が少なくとも1種類以上の有機溶剤に溶解した色材劣化防止材溶液となっていて、完全に溶解させた後、形成されたインク受容層上に塗工すれば良い。色材劣化防止材の固形分濃度は0.5〜30質量%が塗工し易い。仕上げ後の被記録媒体の外観上からヒンダードアミンの塗工方式は受容層面に対して非接触の塗工方法が好ましく、ダイコーター、エアナイフコーター、スプレー等が挙げれるが特に限定されるものではなく、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーターなど接触式の塗工方法も使用することができる。
上記のインク受容層における、色材劣化防止剤の好ましい含有量としては、顔料固形分に対して0.5〜10質量%の範囲内が好ましい。上記の下限以上にすることで、十分な褪色抑制効果が得られる。また、上記の上限以下とすることで、インク吸収性の低下が起こるのを防ぐことができる。
本発明における色材劣化防止剤は図3に示すように記色材劣化防止剤の濃度が異なる2つの部位を含み、これらの部位のうち色材劣化防止剤の濃度が高い方の高濃度部位が、前記色材劣化防止材の濃度が低い方の低濃度部位よりも前記インク受容層の深さ方向の記録面側に位置していることが好ましい。こうすることにより色材劣化防止材の効果を十分に発揮することができる。より好ましくは、色材劣化防止材はインク受容層の記録面側より徐々に減少する濃度分布を持つことが好ましい。こうすることにより染料の浸透に習うように色材劣化防止材が存在するためより効果を発揮できる。さらに好ましくは色材劣化防止材の最大濃度の部位と最小濃度部位との濃度差が1.5倍以上であることが望ましい。もし濃度差が1.5倍以下であるならば、その効果を発揮しない色材劣化防止材の割合が増え、望む効果を得ることが出来ない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
先ず、本発明において使用した各種の物性値の測定方法や、評価方法について説明する。
<画像堅牢性>
記録物の作成:インクジェット方式を用いたフォト用プリンター(商品名:PIXUS 950iキヤノン製)を用いて、上記の各記録媒体の記録面にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、の100%Dutyのベタバッチを印字し試験に用いることとした。
記録物の作成:インクジェット方式を用いたフォト用プリンター(商品名:PIXUS 950iキヤノン製)を用いて、上記の各記録媒体の記録面にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、の100%Dutyのベタバッチを印字し試験に用いることとした。
<オゾン試験>
耐オゾン性の評価方法は、上記の記録物の試験前の画像濃度と試験後の画像濃度とを分光光度計・スペクトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式より濃度残存率を求めた。
耐オゾン性の評価方法は、上記の記録物の試験前の画像濃度と試験後の画像濃度とを分光光度計・スペクトリノ(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、次の式より濃度残存率を求めた。
濃度残率(%)=試験後の画像濃度/試験前の画像濃度×100
耐オゾン性評価は、以下に記述する判定基準に基づき判定し、結果は表1示した。
耐オゾン性評価は、以下に記述する判定基準に基づき判定し、結果は表1示した。
上記で作成した画像を、オゾン曝露試験機(スガ試験機社製)を用いて、耐ガス暴露試験を行なった。
「試験条件」
オゾン濃度:2.0ppm
試験時間:1.5時間
試験層内温湿度条件:23℃、60%RH、
耐ガス性をオゾン暴露試験後の画像濃度残存率(%)と目視判定により以下の基準で評価した。
オゾン濃度:2.0ppm
試験時間:1.5時間
試験層内温湿度条件:23℃、60%RH、
耐ガス性をオゾン暴露試験後の画像濃度残存率(%)と目視判定により以下の基準で評価した。
「判定基準」
4:Bk濃度残存率80%以上であり、その他の色の濃度残存率90%以上であり試験前と比較して色調に変化が認められないもの。
4:Bk濃度残存率80%以上であり、その他の色の濃度残存率90%以上であり試験前と比較して色調に変化が認められないもの。
3:Bk濃度残存率70%以上であり、その他の色の濃度残存率80%以上、試験前と比較して色調がわずかに変化しているもの。
2:Bk濃度残存率70%未満であり、その他の色の濃度残存率70%以上試験前と比較して明らかに別の色調となっているもの。
1:各色の濃度残存率70%未満であり、試験前と比較して明らかに別の色調となっているもの。
<オゾン試験2回目>
オゾン試験終了後、同じサンプルを用いて同様に再度同じオゾン試験を行い。
オゾン試験終了後、同じサンプルを用いて同様に再度同じオゾン試験を行い。
上記判断基準に基づき判定し、結果表1に示した。
<インク吸収性>
BJF900(キヤノン社製)を用いて、単色であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの3cm四方の各100%印字部と、2次色であるレッド(イエロー100%とマゼンタ100%の2次色)、ブルー(マゼンタ100%とシアン100%の2次色)、グリーン(イエロー100%とシアン100%の2次色)の3cm四方の各100%印字部とをそれぞれ印刷した。そして、印字部の目視による観察及び触指により、4段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
BJF900(キヤノン社製)を用いて、単色であるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの3cm四方の各100%印字部と、2次色であるレッド(イエロー100%とマゼンタ100%の2次色)、ブルー(マゼンタ100%とシアン100%の2次色)、グリーン(イエロー100%とシアン100%の2次色)の3cm四方の各100%印字部とをそれぞれ印刷した。そして、印字部の目視による観察及び触指により、4段階評価を行なった。その評価基準は、下記の通りである。
「判定基準」
4:印字直後、2次色画像の全てにおいてもインクが指に付着しない。
4:印字直後、2次色画像の全てにおいてもインクが指に付着しない。
3:印字直後、2次色画像で極僅かなインク溢れがあるが、短時間で吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいて、インクが指に付着しない。
2:印字直後、2次色画像で僅かなインク溢れがあり、評価3の場合よりも時間はかかるものの吸収され、且つ、印字直後の単色画像の全てにおいて、インクが指に付着しない。
1:印字直後、単色画像のいずれかにおいてインクが指に付着する。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ25μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、おもて面の樹脂被覆層を設けた。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ25μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面の樹脂被覆層を設けた。
次に、インク受容層を形成したが、その際のインク受容層の形成に用いた塗工液及び塗工方法等は、以下の通りである。
アルミナ水和物AとしてDisperal HP13(サソール社製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に固形分が5質量%になるように分散させ、次いで、これに塩酸を加え、pH値を4に調整してしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で4時間保持した。そして、この温度を保持したまま苛性ソーダによりpH値を10に調整し、10時間攪拌を行ない、その後、分散液の温度を室温に戻し、pH値を7〜8に調整した。更に脱塩処理を行い、続いて酢酸を添加して解膠処理して、コロイダルゾルを得た。さらにコロイダルゾルを乾燥して得られたアルミナ水和物BをX線回折により測定したところ、ベーマイト構造を示すもの(擬ベーマイト)であった。又、この時のBET比表面積は143g/m2、細孔容積は0.8cm3/gであり、電子顕微鏡での観察では、平板状であった。
一方、ポリビニルアルコールPVA117(クラレ(株)製)を水(好ましくは、アルミナに対するゴミ対策としては純水)に溶解して、固形分9質量%の水溶液を得た。そして、上記で調製したアルミナ水和物Bのコロイダルゾルを濃縮して22.5質量%の分散液を作製し、そこに3%ホウ酸水溶液を、アルミナ水和物Bの固形分に対してホウ酸固形分換算で0.50質量%になるように添加した。その後、得られたホウ酸含有アルミナ水和物分散液と、先に調製したポリビニルアルコール水溶液を、スタティックミキサでアルミナ水和物固形分と、ポリビニルアルコール固形分の比が100:8になるように混合し、その直後に、これをインク受容層用の塗工液とし、これをダイコーターで乾燥塗工量で35g/m2になるように毎分30mで塗工した。そして、170℃で乾燥してインク受容層を形成した。
次に、設けたインク受容層にイオン交換水をグラビアコートによりwet.の塗工量が12g/m2になるように塗工した。
続いて連続した工程の中で、ヒンダードアミン化合物アデカスタブLA−63P(旭電化工業株式会社)の5%のMIBK(メチルイソブチルケトン)溶液をロールコーターで塗布後、メイヤーバーで余剰分をかきとり塗工量が1.3g/m2つまり顔料固形分に対して4質量%になるように毎分60mで塗工した。そして、塗工後5秒以内に110℃で乾燥し目的のインク用被記録媒体を得た。
得られたインク用被記録媒体中のヒンダードアミンの濃度分布を以下の方法を用いて測定した。インク用被記録媒体の断面をミクロトームを用いて作成しものを測定に供した。
FT−IR顕微透過測定のライン分析は、下記の条件で行った。
測定装置:Spectrum One(perkin−elmer社製)
アパーチャー径 98×14μm角
ライン分析条件:120scan/1step 1μm/1step
測定波長:1730cm−1(ヒンダードアミン外添前後でIRを測定し、外添前には観測されないヒンダードアミン由来の吸収が観測される。)
測定装置のアパーチャー径が14μmあるため、測定は一番記録面側は7μmの深さの所より14μm幅で行い、1μmづつ深さ方向にずらしていき28μmところまで測定した。そのときの吸光度は深さ方向に行くに従い減少していることが分かった。吸光度変化は濃度変化に比例するため、ヒンダードアミン濃度表面付近よりインク受容層の深さ方向にかけて、濃度が薄くなっているのが観測された。また最高吸光度は最低吸光度の約1.8倍となっていた。このためヒンダードアミンの最高濃度部位は最低濃度部位の約1.8倍あることが分かった。このようにヒンダードアミン化合物に濃度分布があることが分かった。
アパーチャー径 98×14μm角
ライン分析条件:120scan/1step 1μm/1step
測定波長:1730cm−1(ヒンダードアミン外添前後でIRを測定し、外添前には観測されないヒンダードアミン由来の吸収が観測される。)
測定装置のアパーチャー径が14μmあるため、測定は一番記録面側は7μmの深さの所より14μm幅で行い、1μmづつ深さ方向にずらしていき28μmところまで測定した。そのときの吸光度は深さ方向に行くに従い減少していることが分かった。吸光度変化は濃度変化に比例するため、ヒンダードアミン濃度表面付近よりインク受容層の深さ方向にかけて、濃度が薄くなっているのが観測された。また最高吸光度は最低吸光度の約1.8倍となっていた。このためヒンダードアミンの最高濃度部位は最低濃度部位の約1.8倍あることが分かった。このようにヒンダードアミン化合物に濃度分布があることが分かった。
実施例1で形成したアルミナ水和物含有のインク受容層の代わりに、以下のようにしてシリカ含有のインク受容層を形成する以外は、実施例1と同様にして本実施例の被記録媒体を得た。インク受容層用の塗工液に用いる組成物には、平均粒子径80nmのカチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK−ZL、日産化学工業(株)製)100質量部、市販のノニオン性アクリルエマルジョン3質量部、実施例1で使用したと同様のポリビニルアルコール7質量部からなるものを使用した。この組成物は、固形分濃度が25%になるように調整し、ロールコーターで、乾燥塗工量30g/m2となるように塗工し、その後に乾燥した。その他の工程は、実施例1と同様に行い、本実施例の被記録媒体を得た。また実施例1と同様にIR測定することによりヒンダードアミン化合物が濃度分布を有すること確認した。
ヒンダードアミン化合物を、チオウレア化合物ノクセラーEUR(大内新興化学)に代えた以外は実施例1と同様に作成し本実施例の被記録媒体を得た。また実施例1と同様にIR測定することによりチオウレア化合物が濃度分布を有すること確認した。
ヒンダードアミン化合物を、ヒンダードフェノール化合物Sumilizer MDP−9(住友化学)に代えた以外は実施例1と同様に作成し本実施例の被記録媒体を得た。また実施例1と同様にIR測定することによりヒンダードフェノール化合物が濃度分布を有すること確認した。
ヒンダードアミン化合物の添加量を、顔料固形分に対して0.5質量%に代えた以外は実施例1と同様に作成し本実施例の被記録媒体を得た。また実施例1と同様にIR測定することによりヒンダードアミン化合物が濃度分布を有すること確認した。
ヒンダードアミン化合物の添加量を、顔料固形分に対して10質量%に代えた以外は実施例1と同様に作成し本実施例の被記録媒体を得た。また実施例1と同様にIR測定することによりヒンダードアミン化合物が濃度分布を有すること確認した。
Claims (3)
- 基材が非吸水性支持体であり、該基材上にインクの色材を保持するための顔料、バインダーおよび色材劣化防止剤を含むインク受容層を塗設してなるインクジェット用記録媒体の製造方法において、
該インク受容層の記録面側から基材方向への前記色材劣化防止剤の濃度分布が相対的に高濃度から低濃度へと分布するようにインク受容層を塗設する工程を有すること特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。 - 該インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液の濃度分布形成をインク受容層内において補助する塗工液の塗工を色材劣化防止剤塗工液の塗工に先んじて行い、その後の乾燥工程において前記液体のインク受容層内からの溶媒離脱によりインク受容層の塗設が完了するものであることを特徴とする、請求項1記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
- 該インク受容層の塗設工程が、前記色材劣化防止剤を含まないインク受容層を形成する工程、前記色材劣化防止剤を含まない塗工液(湿し塗工液)を塗工することにより該インク受容層に湿潤状態を形成する工程、その後、前記湿潤状態にあるうちにインク受容層の記録面側から、前記色材劣化防止剤を含有する塗工液を塗工する工程、その後のインク受容層の乾燥工程とを有することを特徴とする、請求項1あるいは2に記載のインクジェット用記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005018303A JP2006205445A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | インクジェット用記録媒体の製造方法 |
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JP2005018303A JP2006205445A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | インクジェット用記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
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JP2005018303A Withdrawn JP2006205445A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | インクジェット用記録媒体の製造方法 |
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-
2005
- 2005-01-26 JP JP2005018303A patent/JP2006205445A/ja not_active Withdrawn
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